JP2007017960A - 非線形光学材料用組成物、光学部材、非線形光学材料およびその製造方法 - Google Patents

非線形光学材料用組成物、光学部材、非線形光学材料およびその製造方法 Download PDF

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正樹 岡崎
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Abstract

【課題】配向緩和の無い、あるいは抑えられた非線形光学材料を提供する。
【解決手段】少なくとも一種の重合性基と少なくとも一種の非線形光学応答基とを有する液晶性/非線形光学応答性化合物、及び少なくとも一種の光感応性異性化基を有する化合物を含有する光学部材用組成物からなる光学層、又は、少なくとも一種の非線形光学応答基および少なくとも一種の光感応性異性化基を有する高分子を含有する光学層に、光照射を行うと同時に外部電場もしくは外部磁場印加を行うことによって形成された非線形光学応答層を有する非線形光学材料である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、オプトエレクトロニクス、およびフォトニクス分野で有用な新規な非線形光学材料、およびその製造に有用な組成物、光学部材及び製造方法に関する。
高度な情報化社会の進展に伴い、情報の伝送、処理、および記録に対して光技術を用いる試みが多数なされている。そのような状況において、非線形光学効果を示す材料(非線形光学材料)がオプトエレクトロニクス、およびフォトニクス分野において注目されている。非線形光学効果とは、物質に強電場(光電場)を加えたとき、生じた電気分極と加えた電場の間で非線形な関係を示す現象であり、非線形光学材料とは、このような非線形性を顕著に示す材料を指す。二次の非線形応答を利用した非線形光学材料として、第二高調波を発生する材料や電場の一次に比例して屈折率変化を引き起こすポッケルス効果(一次電気光学効果)を示す材料などが知られており、特に後者は電気光学(EO)光変調素子やフォトリフラクティブ素子への応用が検討されている。さらに圧電性、焦電性を示すことも期待され、多方面への応用が期待されている。
これらの非線形光学材料は、従来は無機非線形光学材料を中心に材料探索や素子の作製が行われてきたが、近年は、1)大きな非線形を示す、2)応答速度の速さ、3)光損傷しきい値が高い、4)多種多様な分子設計が可能、5)製造適性に優れることなどから有機材料が注目を集めている。しかしながら、二次の非線形光学効果の発現には、電場により誘起される分極が反転対称心を欠く必要がある。したがって、非線形光学効果を示す分子あるいは非線形光学応答基を材料中で反転対称心を欠く構造に配置する必要がある(非特許文献1〜4参照)。
また、従来の技術によれば、非線形光学効果を示す分子あるいは非線形光学応答基を反転対称心を欠く構造に配置させるには、有機ポリマー中に非線形光学効果を示す分子あるいは非線形光学応答基を導入し、例えば電場により双極子を配向させることが広く利用されている。この電場による配向制御をポーリング(poling)とよび、ポーリングされた有機ポリマーを電場配向ポリマー(ポールドポリマー)とよぶ。すなわち、ベースポリマーのガラス転移点以上の温度で高電圧を印加することで、二次の非線形光学効果を示す分子あるいは応答基の双極子を配向させたのち、冷却して電場による双極子の配向を凍結させる手法である。例えば、SPIE誌、第1213巻、7頁(1990年)には、本方法により製造された電気光学(EO)光変調素子の例が記述されている。
しかしながら、一般に有機ポリマー中の線形光学効果を示す分子あるいは非線形光学応答基の導入量が増加するに従い、ポーリングによる配向の効率が低下し、大きな非線形光学応答性を得るには至っておらず、さらなる改善が求められていた(非特許文献5参照)。
さらに、これらの材料は時間とともに熱的に配向緩和を起こし、電気光学的特性が劣化していく安定性に欠けるものであり、実用化や広い範囲への応用が可能となるものではなく、その解決が望まれていた(非特許文献6参照)。
配向緩和を抑える手法としては、例えば、エポキシ基とアミノ基を有するような液晶性を示さない二官能性分子を用いてポーリングしながら架橋を行い、化学的に配向を凍結させる方法が提案されているが、本方法では局所的な不均一構造を生じることが問題となっていた。
また、例えば、両親媒性で非線形光学効果を示す化合物として2−アミノ−5−ニトロピリジンの重合性長鎖アルキルアミノ誘導体を合成し、LB膜を形成させた後に重合により配向固定させた例が報告されている(非特許文献7参照)。しかしながら、LB法を用いた素子の作製では、ピンポールなどの欠陥や工業的製造適性の欠如などが問題視されていた。さらに、非線形光学活性基を側鎖に有する液晶高分子を用いた例が報告されているが、いずれも十分な長期安定性を確保するに至っておらず、さらなる改善が望まれていた(非特許文献8参照)。
長期安定性を確保するための方法として、複数の重合性基を有する液晶性非線形光学官能性化合物を用いる方法が提案されている(特許文献1参照)が、この方法では、安定性は確保されるものの、ポーリングによる配向が必ずしも十分ではなく、大きな非線形光学応答性を得るには至っておらず、さらなる改善が求められていた。
特開平11−322690号公報 Nonlinear Optical Properties of Organic and Polymeric Material, ACS SYMPOSIUM SERIES 233, David J. Williams 編(American Chemical Society, 1983年刊) 「有機非線形光学材料」加藤正雄、中西八郎監修(シー・エム・シー社、1985年刊) Nonlinear Optical Propertiesof Organic Molecules and Crystals, vol.1および2,D.S.Chemla and J.Zyss 編(Academic Press社、1987年刊) Molecular Nonlinear Optics, J.Zyss 編(Academic Press社、1994年刊) SCIENCE誌、第288巻、117頁(2000年)参照) Mol. Cryst. Liq. Cryst.誌、第189巻、3頁(1990年)参照) Thin Solid Film誌、第210巻、195頁(1992年) Handbook of Liquid Crystals誌、第3巻、第IV章、第4項(1998年)
本発明の目的は、大きな非線形光学応答性を有し、且つ配向緩和の無い、あるいは抑えられた有機材料による非線形光学材料、およびかかる非線形光学材料の製造に有用な組成物、光学部材及び製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するための手段は以下のとおりである。
(1) 少なくとも一種の重合性基と少なくとも一種の非線形光学応答基とを有する液晶性/非線形光学応答性化合物、及び少なくとも一種の光感応性異性化基を有する化合物を含有する非線形光学材料用組成物。
(2) 重合性基を有する液晶性化合物をさらに含有する(1)の組成物。
(3) 前記液晶性/非線形光学応答性化合物および/または前記液晶性化合物が複数個の重合性基を有する(1)又は(2)の組成物。
(4) 前記光感応性異性化基を有する化合物が、アゾ化合物である(1)〜(3)のいずれかの組成物。
(5) (1)〜(4)のいずれかの組成物からなる光学層を有する光学部材。
(6) (1)〜(4)のいずれかの組成物からなる光学層に光照射を行うと同時に外部電場もしくは外部磁場印加を行うことによって形成された非線形光学応答層を有する非線形光学材料。
(7) 前記光照射に用いられる光のピーク波長が200nm〜700nmである(6)の非線形光学材料。
(8) 前記非線形光学応答層が、前記液晶性/非線形光学応答性化合物の分子および/または前記重合性基を有する液晶性化合物の分子の重合体を含有する(6)又は(7)の非線形光学材料。
(9) 少なくとも一種の非線形光学応答基および/または少なくとも一種の光感応性異性化基を有する高分子を含有する光学層を有する光学部材。
(10) 少なくとも一種の非線形光学応答基を有する高分子、および少なくとも一種の光感応性異性化基を有する化合物を含有する光学層を有する光学部材。
(11) 前記光学層が、光感応性異性化基を有する化合物の少なくとも一種をさらに含有する(9)又は(10)の光学部材。
(12) (9)〜(11)のいずれかの光学部材の光学層に光照射を行うと同時に外部電場若しくは外部磁場印加を行うことによって形成された非線形光学応答層を有する非線形光学材料。
(13) 電気光学(EO)光変調材料である(6)、(7)、(8)または(12)の非線形光学材料。
(14) (1)〜(4)のいずれかの組成物に光照射を行うと同時に外部電場もしくは外部磁場印加を行い、非線形光学応答部を形成することを含む非線形光学材料の製造方法。
(15) 少なくとも一種の非線形光学応答基および/または少なくとも一種の光感応性異性化基を有するポリマーに光照射を行うと同時に外部電場もしくは外部磁場印加を行い、非線形光学応答部を形成することを含む非線形光学材料の製造方法。
本発明は、重合性基と非線形光学応答基とを同時に有する液晶分子の電場、あるいは磁場配向において、光感応性異性化基を有する分子を存在させて、立体異性化または構造異性化を起こさせることにより、高分極配向を獲得することができ、且つ該液晶分子の重合等によりその分極配向を固定できる。その結果、大きな非線形光学応答性を有し、且つ、配向緩和の無い、あるいは抑えられた有機材料による非線形光学材料を提供することができる。
発明の実施の形態
以下に本発明の非線形光学材料、およびその製造方法について詳しく説明する。
なお、本明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
本発明の一態様は、少なくとも一種の重合性基と少なくとも一種の非線形光学応答基とを有する液晶性/非線形光学応答性化合物、及び少なくとも一種の光感応性異性化基を有する化合物を含有する光学部材用組成物からなる光学層を有する光学部材に関する。該光学層に光を照射するとともに、外部電場もしくは外部磁場を印加すると、前記光感応性異性化基を有する化合物の光異性化が進行するとともに、前記液晶性/非線形光学応答性化合物の分子が分極配向する。次いでその配向状態を維持して液晶分子の重合等を進行させる。その結果、前記分極配向によって発現された非線形光学応答性層が形成される。
[少なくとも一種の重合性基と少なくとも一種の非線形光学応答基とを有する液晶性/非線形光学応答性化合物]
本明細書中、用語「少なくとも一種の重合性基と少なくとも一種の非線形光学応答基とを有する液晶性/非線形光学応答性化合物」(以下、「液晶性/非線形光学応答性化合物」という)とは、液晶性を発現しないときには、重合性基を有する非線形光学応答性化合物となり、非線形光学応答性を発現しないときには、重合性基を有する液晶性化合物となり得る化合物を意味する。本発明における「重合性基」とは、例えば村橋俊介編著「高分子化学」(共立出版 1966年刊)2〜5章に記された重合法に用いられる官能基であり、例えば多重結合(構成原子は、炭素原子、非炭素原子のいずれでもよい)、オキシラン、アジリジンなどの複素小員環、イソシアナートとそれに付加するアミンなど異種官能基の組合せが挙げられる。R.A.M.Hikmet らの研究報告〔Macromolecules,25巻,4194頁(1992)〕及び〔Polymer ,34巻,8号,1763頁(1993年)〕、D.J.Broer らの研究報告〔Macromolecules,26巻,1244頁(1993)〕に記載されているように、二重結合すなわち、アクリロイルオキシ基、メタアクリロイルオキシ基、ビニルオキシ基およびエポキシ基が好ましい例として挙げられ、アクリロイルオキシ基が特に好ましい。
本発明における「非線形光学応答基」とは、前述の文献に記載されているが、基本的には一つのπ電子共役系に同時に少なくとも一種の電子供与性基と少なくとも一種の電子求引性基とを有している官能基を指す。
前記電子供与性基とはハメットの置換基定数σp<0またはσp+<0の置換基を指し、電子求引性基とはσp>0またはσp+>0の置換基を指す。σpとσp+のいずれを採用するかは、電子供与性基と電子求引性基との間に存在するπ電子共役系の性質に依存する。これらのハメットの置換基定数については、Corwin Hansch, A.Leo. および R.W.Taft 著、Chemical Review, 1991年、91巻、165-195 頁に詳しく記載されている。
非線形光学応答基の典型例としては、例えば、4−ニトロアニリン誘導体、4−アミノ−4’−ニトロアゾベンゼン誘導体、4−アミノ−4’−ニトロスチルベン誘導体、4−アルコキシ−4’−ニトロスチルベン誘導体、4−アミノ−4’−シアノアゾベンゼン誘導体及び4−アミノ−4’−ニトロトラン誘導体の残基が挙げられる。
本発明における「液晶性化合物」とは、例えば、「Flussige Kristalle in Tabellen II」(VEB Deutsche Verlag fur Grundstoff Industrie, Leipzig、1984年刊)、特に第7頁から第16頁の記載、および、液晶便覧編集委員会編、液晶便覧(丸善、2000年刊)、特に第3章の記載、を参照することができ、好ましくは、サーモトロピック液晶であり、さらに好ましくは、棒状液晶およびディスコティック液晶である。棒状液晶ではネマティック相およびスメクティックA相を示すもの、ディスコティック液晶ではディスコティックネマティック相を示すものがより好ましい。棒状液晶のメソゲン基あるいはコアと呼ばれる剛直な液晶形成に寄与する液晶分子の主要骨格の例としては、前記文献に記載されているものを用いることができる。
その中でも、ビフェニル誘導体、フェニレンカルボニルオキシビフェニル誘導体、カルボニルオキシビフェニル誘導体、ターフェニル誘導体、ナフチレンカルボニルオキシフェニル誘導体、フェニレンエテニレンカルボニルオキシビフェニル誘導体、フェニレンエチニレンフェニル誘導体、安息香酸フェニルエステル誘導体、ベンジリデンアニリン誘導体、アゾベンゼン誘導体、アゾキシベンゼン誘導体、スチルベン誘導体、フェニレンエチニレンカルボニルオキシビフェニル誘導体、ナフチレンビフェニル誘導体、およびそれらのベンゼン環が飽和になったものあるいは複素環に置き換わったものが好ましい例として挙げられる。ディスコティック液晶のコアとしては例えば、ベンゼン誘導体、トリフェニレン誘導体、トルキセン誘導体、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、アントラセン誘導体、β−ジケトン系金属錯体誘導体が好ましい例として挙げられる。
前記液晶性/非線形光学応答性化合物の例としては、例えば下記一般式(1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2007017960
式中、R1は重合性基を示し、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基又はオキシラニル基が挙げられる。S1は二価の連結基を示し、例えば、酸素原子、硫黄原子、置換されていてもよいアミノ基、カルボニル基、アルキレン基、およびそれらの組合せが挙げられる。Qは、二価の連結基を表し、好ましくは、酸素原子、硫黄原子、置換されていてもよいアミノ基及びカルボニルオキシ基から選択される二価の連結基を表す。環A、環B及び環Cは、置換されていてもよい、芳香属炭化水素環、脂肪属炭化水素環またはヘテロ環を表し、例えば、ベンゼン環、シクロヘキサン環、ピペリジン環、ピリジン環、ピリミジン環、ジオキサン環、フラン環、チオフェン環及びナフタレン環が挙げられる。それぞれ環上に置換基を有していてもよく、環上の置換基は可能な場合は互いに連結して環を形成してもよい。X及びYはそれぞれ独立して、単結合、−CH2CH2−、−CH=CH−、−C≡C−、−C≡C−C≡C−、−COO−、−OCO−、−O−、−CH2O−、−OCH2−、−N=N−、−CH=N−、−C=C−CO−又は−CO−C=C−を示す。環A、X、環B、Y、環Cにより形成されるグループは、液晶性発現のコアを構成する。Zは、例えば、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子、トリハロゲノメチル基、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基(該アルキル基は互いに連結して環を形成してもよい。)、カルボキシオキシアルキル基、およびスルホニルオキシアルキル基を示す。ZとR1−S1−Qで形成されるグループはいずれか一方が電子供与性を示し、他方が電子求引性示す。pは0〜2の正数を示す。
前記置換基としては、例えば、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数2〜12のアルキニル基、炭素数6〜12のアリール基、複素環式基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、炭素数1〜12のアルコキシカルボニル基、炭素数6〜12のアリールオキシカルボニル基、炭素数1〜12のアシル基、ハロゲン原子、アミノ基、炭素数1〜12のアルキルアミノ基、炭素数6〜12のアリールアミノ基、炭素数1〜12のアシルアミノ基、炭素数1〜12のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6〜12のアリールスルホニルアミノ基、ウレイド基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜12のアリールオキシ基、炭素数1〜12のアシルオキシ基、炭素数1〜12のアルキルスルホニルオキシ基、炭素数6〜12のアリールスルホニルオキシ基、炭素数1〜12のアルキルチオ基、炭素数6〜12のアリールチオ基、炭素数1〜12のアルキルスルホニル基、炭素数6〜12のアリールスルホニル基、スルホ基、スルファモイル基が挙げられる。S1、環A、環B、環Cのいずれかに更に重合性基を含む置換基を有するものが好ましい。
一般式(1)の化合物が液晶性を発現しないとき、重合性基を有する非線形光学応答性化合物となり、非線形光学応答性を発現しないとき、重合性基を有する液晶性化合物となる。勿論双方を発現する化合物であってもよい。
以下に本発明に使用可能な液晶性/非線形光学応答性化合物の具体例を挙げる。但し、本発明の範囲はこれらのみに限定されるものではない。
Figure 2007017960
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[光感応性異性化基を有する化合物]
本発明において「光感応性異性化基」とは、例えば、光により立体異性化または構造異性化を起こすものであり、好ましくは、さらに別の波長の光または熱によってその逆異性化を起こすものである。これらの化合物として一般的には、構造変化と共に可視域での色調変化を伴うものは、フォトクロミック化合物としてよく知られているものが多く、具体的には、アゾベンゼン系化合物、ベンズアルドキシム系化合物、アゾメチン系化合物、スチルベン系化合物、スピロピラン系化合物、スピロオキサジン系化合物、フルギド系化合物、ジアリールエテン系化合物、ケイ皮酸系化合物、レチナール系化合物、ヘミチオインジゴ系化合物等が挙げられる。中でも、アゾ基を有するアゾ化合物が好ましい。
また、本態様に使用可能な光感応性異性化物質、すなわち光異性化しうる官能基を有する化合物は、低分子化合物でもポリマーでもよく、ポリマーの場合、光感応性異性化基が主鎖中でも側鎖中でも同様の機能を発揮できる。また、ポリマーはホモポリマーでも、コポリマーでも良く、コポリマーの共重合比は光異性化能、Tg等のポリマー物性を適切に調節すべく適宜好ましい値で用いられる。高分子の主鎖としては例えば、ポリスチレン、マロン酸ポリエステル、ポリアクリーレート、ポリメタアクリレート、ポリシロキサン、ポリアクリルアミド、ポリメタアクリルアミド、ポリオキシアルキレン、テレフタル酸ポリエステル、ポリアリルアミン、ポリジカルボン酸アミド、ポリウレタン、ポリオキシフェニレン、ポリビニルアルコール、ポリコ(塩化ビニリデン)(メタクリレート)が挙げられる。
また、これらの光異性化しうる官能基を有する化合物が同時に、前述の液晶性/非線形光学応答性化合物であってもよい。すなわち、液晶化合物の分子中に光異性化しうる官能基を含んでいてもよい。これらについては、高分子、41、(12)、(1992年)p884、「クロミック材料と応用」(シーエムシー刊)p221、「メカノケミストリー」(丸善刊)p21、「高分子論文集147巻10号」(1991年)p771等にも具体的に記載されている。
本態様において、前記組成物は、前記液晶性/非線形光学応答性化合物の他に、重合性基を有する液晶性化合物をさらに含有していてもよい。「重合性基」及び「液晶性化合物」の意義及び好ましい範囲については、前述と同様である。前記液晶性/非線形光学応答性化合物及び/又は別途添加される重合性基を有する液晶性化合物が、複数の重合性基を有していると、より配向緩和を抑制することができるので好ましい。
本態様において、前記組成物中、前記液晶性/非線形光学応答性化合物は、30〜99.7質量%であるのが好ましく、50〜95質量%であるのがより好ましい。また、前記光感応性異性化基を有する化合物は、前記組成物中、0.3〜25質量%であるのが好ましく、3〜15質量%であるのがより好ましい。さらに、他の重合性基を有する液晶性化合物を含有する態様では、かかる液晶性化合物の含有量は、前記組成物中0〜50質量%であるのが好ましく、0〜30質量%であるのがより好ましい。
また、本発明の他の態様は、少なくとも一種の非線形光学応答基および少なくとも一種の光感応性異性化基を有する高分子、又は少なくとも一種の非線形光学応答基を有する高分子及び少なくとも一種の光感応性異性化基を有する化合物を含有する光学層を有する光学部材に関する。該光学層に光を照射するとともに、外部電場もしくは外部磁場を印加すると、前記光感応性異性化基を有する高分子又は化合物の光異性化が進行するとともに、前記非線形光学応答性基を有する分子が分極配向する。次いでその配向状態を維持して分子の重合等を進行させる。その結果、該非線形光学応答基の分極配向によって発現された非線形光学応答性層が形成される。
[少なくとも一種の非線形光学応答基を有する高分子]
本態様における、少なくとも一種の非線形光学応答基を有する高分子とは、前述の非線形光学応答基を高分子の主鎖、あるいは側鎖に有する高分子を意味する。非線形光学応答性基は側鎖に有することが好ましい。高分子はホモポリマーでも、コポリマーでも良く、コポリマーの共重合比は非線形光学応答性能、Tg等のポリマー物性を適切に調節すべく適宜好ましい値で用いられる。高分子の主鎖としては例えば、ポリスチレン、マロン酸ポリエステル、ポリアクリーレート、ポリメタアクリレート、ポリシロキサン、ポリアクリルアミド、ポリメタアクリルアミド、ポリオキシアルキレン、テレフタル酸ポリエステル、ポリアリルアミン、ポリジカルボン酸アミド、ポリウレタン、ポリオキシフェニレン、ポリビニルアルコール、ポリコ(塩化ビニリデン)(メタクリレート)が挙げられる。
光感応性異性化基を有する高分子とは、少なくとも一種の光感応性異性化基を該高分子の主鎖、あるいは側鎖に含んでいる高分子をいう。ここで用いられる光感応性異性化基に関しては前述の光感応性異性化基の項の記載と同様である。
本態様に用いられる前記高分子は、少なくとも非線形光学応答基を有し、非線形光学応答基及び光感応性異性化基の双方を有していてもよい。前記光感応性異性化基を有する他の化合物(好ましくは他の低分子化合物)を含有していてもよい。また、一種の官能基が、光感応性異性化基及び非線形光学応答基の双方の機能を兼ね備えていてもよい。また、前記高分子は、重合性基を有していてもよく、重合性基に関しては前述の重合性基の例と同様である。
本態様に用いられる前記高分子の分子量については、特に制限はないが、好ましくは10,000〜200,000であり、より好ましくは15,000〜150,000であり、さらに好ましくは25,000〜100,000である。
前記少なくとも一種の線形光学応答性基及び少なくとも一種の光感応性異性化基を有する高分子の具体例を以下に示す。なお、下記具体例中、m、n両者の記載がある場合にはm及びnは共重合比(モル比)であり、m+n=100で、且ついずれも0ではない以下には、特定の共重合比の高分子を具体例として例示するが、下記式中、m+n=100であり、且ついずれも0ではない、という条件を満足するm及びnの組み合わせのいずれの高分子も、本発明に利用可能な高分子として例示される。下記具体例中、P−1〜P−16については、共重合比はm<nを満足するのが好ましく(nが70〜97であるのがより好ましく)、P−17〜P−27については、共重合比はm>nを満足するのが好ましい(mが70〜97であるのがより好ましい。
Figure 2007017960
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本態様において、前記光学層は、前記高分子の他に光感応性異性化基を有する化合物の少なくとも一種をさらに含有していてもよい。光感応性異性化基を有する化合物の詳細については前述の通りであり、好ましい例も同様である。該化合物は、前記高分子に対して0.3〜25質量%添加されるのが好ましく、3〜15質量%添加されるのがより好ましい。
[非線形光学材料]
本発明の非線形光学材料は、以下の手順にて作製することが可能である。
(1)基板上、あるいは基板間への非線形光学応答性層の形成
基板上、あるいは一対の基板間に、(a)少なくとも一種の、重合性基と非線形光学応答基とを同時に有する液晶性化合物と、少なくとも一種の光感応性異性化基を有する化合物を含有する組成物からなる光学層、あるいは(b)少なくとも一種の非線形光学応答基及び少なくとも一種の光感応性異性化基を有する高分子、又は少なくとも一種の非線形光学応答基を有する高分子及び少なくとも一種の光感応性異性化基を有する化合物を含有する光学層を形成する。前記(a)の態様では、前記液晶性化合物の分子が、光学層の少なくとも一部を構成し、前記(b)の態様では、前記高分子が、光学層の少なくとも一部を構成する。
本発明に用いる基板は限定されないが、平坦性の優れたものが好ましい。例えば、金属基板、シリコン基板、透明基板等が挙げられる。金属基板の好ましい例としては、金、銀、銅、アルミ等が挙げられ、透明基板の好ましい例としては、ガラスやプラスチック(ポリエチレンテレフタレート等)等の基板が挙げられる。基板上には、必要に応じて電極部を配してもよい。電極部にはITO、TCO等の透明電極部や金電極部などが好ましい例として挙げられるが、必要に応じて基板そのものを電極として用いることもできる。
基板、あるいは電極部上には配向部を設けてもよい。配向部の構築には種々の一般的な方法が採用できるが、各種ポリイミド系配向膜、ポリビニルアルコール系配向膜等の液晶配向膜を用いる方法が好ましい例として挙げられる。また、必要に応じて、界面活性剤処理等の配向処理、ラビングなどの配向処理を行ってもよい。また、基板上、および一対の基板間には、必要に応じてスペーサーやシール剤等を用いてもよい。
前記光学層には、必要に応じて適切な重合開始剤、重合禁止剤、光増感剤、架橋剤、重合可能なモノマー、液晶配向助剤などを添加してもよい。これらの添加剤は必ずしも液晶性を有する必要は無い。加える添加剤の量は特に限定されない。ただし、構成する光学層が液晶性を示す場合、用いる添加剤の量は、その液晶性を損なわない量であることが好ましい。
前記光学層を基板上に設ける方法としては、周知の方法が採用される。例えば、該構成成分そのものを塗布する方法、該構成成分を適切な溶媒に溶解して塗布した後に乾燥する方法などが採用される。塗布する方式としては、公知の方法、例えばカーテンコーティング法、押し出しコーティング法、ロールコーティング法、スピンコーティング法、ディップコーティング法、バーコーティング法、スプレーコーティング法、スライドコーティング法、印刷コーティング法等が採用される。また、一対の基板間に該構成成分を注入する方法も採用できる。注入する方式としては、ディスペンサー方式、ベルジャー法などの一般的な方法が採用される。
(2) 分極配向処理
本発明に用いられる非線形光学応答基と光感応性異性化基を有する化合物を構成成分の一部として含有してなる光学層に光照射下に外部電場、あるいは外部磁場を印加することによって、前記(a)の態様では、該非線形光学応答性基ならびに該液晶分子、前記(b)の態様では、高分子が有する該非線形光学応答性基を分極配向させる。
該非線形光学応答性基、ならびに該液晶分子の配向処理法としては、外部電場を用いる方法が好ましく、コンタクトポーリング法(平面電極ポーリング法、電極サンドイッチポーリング法)やコロナポーリング法を採用することが好ましい。これらのポーリング法は「光・電子機能有機材料ハンドブック」(朝倉書店 1995年刊)に記載されている。
外部電場、あるいは外部磁場の印加は、(a)非線形光学応答性層が液晶材料で構成される場合、液晶相を示す温度範囲で行うのが好ましい。また、外部電場、あるいは外部磁場の印加下において等方相まで加温した後に液晶相まで冷却させる方法も好ましい。次に、(b)非線形光学応答性層が高分子で構成される場合、該高分子のTgより20度低い温度より高い温度で行うことが好ましく、Tgより10度低い温度より高い温度で行うことがさらに好ましい。用いる外部電場、あるいは外部磁場の強度は、用いる液晶分子の配向制御に適切な強度が採用される。
本発明においては分極配向を効率良く行うため光照射を同時に行う。本発明において「光照射」とは、前記光感応性異性化基に光異性化を生じせしめるための操作である。電場配向の際に光を用いる方法(光アシストポーリング)については、「Chemical Review誌」(アメリカ化学会刊) 2000,1817−1845ページに記載が見られる。
用いる光の波長は、用いる光感応性異性化基により異なり、その異性化に必要な波長であれば特に限定されるものではない。好ましくは、光照射に用いる光のピーク波長が200nm以上700nm以下であり、より好ましくは光のピーク波長が300nm以上700nm以下、さらに好ましくは400nm〜700nmである。
(3) 配向固定処理
前記光学層に、外部電場、あるいは外部磁場印加下、該液晶分子等を分極配向させた状態において、得られた状態を安定に保つための操作を行うことにより非線形光学応答部を形成し、目的とする非線形光学材料を得ることができる。配向固定処理は、重合等の方法により非線形光学応答部を架橋する方法がある。この場合、光重合による方法が好ましい。
用いる光の波長は、光のピーク波長が200nm以上700nm以下であり、より好ましくは光のピーク波長が300nm以上700nm以下であるが、共存する光感応性異性化基が吸収しない領域が好ましく最も好ましくは、200nm〜400nmである。
光照射に用いる光源は、通常使われる光源、例えばタングステンランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、キセノンフラッシュランプ、水銀ランプ、水銀キセノンランプ、カーボンアークランプ等のランプ、各種のレーザー(例、半導体レーザー、ヘリウムネオンレーザー、アルゴンイオンレーザー、ヘリウムカドミウムレーザー、YAGレーザー)、発光ダイオード、陰極線管などを挙げることができる。光照射は非偏光でも偏光でもよく、偏光を用いる場合は直線偏光を用いることが好ましい。さらに、フィルターや波長変換素子等を用いて必要とする波長の光のみを選択的に照射してもよい。
光照射によって、前記分極配向処理された分子の状態が安定に保たれる。具体的には、分極配向によって発現される二次非線形光学効果を維持することを可能にするための反転対称性の無い状態が、光照射によって安定に保たれる。より具体的には、例えば、分極配向した分子間や、分極配向した分子と他の分子との間に、共有結合、イオン結合又は水素結合を新たに形成することが挙げられる。共有結合の形成が好ましく、更には、前記重合性基による結合の形成が好ましい。該重合基による結合の形成には、熱あるいは電磁波による公知の種々の架橋法が採用できるが、紫外光による光重合開始剤等を用いるラジカル重合が特に好ましい。また、非線形光学応答性層を有する化合物が高分子である場合、高分子のTg以下の温度に冷却することにより高分子の運動を凍結し、反転対称性の無い状態を安定に保つ方法も採用できる。このとき、前記重合性基による結合の形成を併用することが好ましい。
光照射は、前記光感応性異性化基に光異性化を生じさせ、該非線形光学応答性基ならびに該液晶分子の配向がより促進されるように行われる。光照射の方法としては、基板に対して上面、あるいは裏面から基板に対して垂直、あるいは斜めから光を照射する方法が採用される。用いる光照射の波長、光源は前述の通りである。
用いる非線形光学材料の使用形態によって、必要に応じて非線形光学応答部の上に基板を設けることができる。該基板に関しては、前述の説明と同様である。
用いる非線形光学材料の使用形態によって、必要に応じて非線形光学応答部、あるいは基板の上に電極部を設けることができる。電極部を設ける方法としては、金蒸着、白金蒸着等が好ましい例として挙げられる。また、種々の一般的な電極を非線形光学応答部、あるいは基板の上に担持させてもよい。また、必要に応じて、非線形光学応答部の上、あるいは前記で形成した電極部上に基板を設けることもできる。
本発明の非線形光学材料は、種々の用途に用いることができ、例えば、非線形光学材料として、波長変換素子に、電気光学材料として、光スイッチやテラヘルツ波材料さらにはフォトリフラクティブ材料として、圧電素子として超音波発振子やアクチュエーター等として利用することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、物質量とその割合、操作等は本発明の趣旨から逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下の具体例に制限されるものではない。
実施例1:
配向膜としてポリイミド薄膜を塗布し、ラビング処理したITO透明電極部を有するガラス基板からなる2μmの空隙を有する水平配向セル(イー.エッチ.アイ製)の空隙中に、下記組成物CM−1からなる構成材料を充填した。
次に、窒化ガリウム(GaN)系半導体レーザーダイオードより出射される405nm(30mW)の光を照射し、かつ透明電極間に110Vの直流電圧を印加しながら、得られた試料を120℃に加熱した後に100℃に冷却した。続けて、80℃において、UV照射(200mW/cm2、2分間)を実施し、非線形光学材料を作製した。
上記で得られた非線形光学材料に対し、YAGレーザーの赤外光(1.06μm)を照射し、第二高調波の発生を確認し、水晶を参照試料としてその強度を評価した。また、該試料の第二高調波強度は6ヶ月後も保持された。
組成物CM−1
非線形光学液晶化合物(CM−1−1) 85重量部
光異性化合物(CM−1−2) 5重量部
ハイドロキノンモノメチルエーテル 4重量部
イルガキュア907 2重量部
ジエチルチオキサントン 0.7重量部
Figure 2007017960
Figure 2007017960
実施例2:
配向膜としてポリイミド薄膜を塗布し、ラビング処理したITO透明電極部を有するガラス基板からなる2μmの空隙を有する水平配向セル(イー.エッチ.アイ製)の空隙に、下記組成物CM−2からなる構成材料を充填した。
次に、窒化ガリウム(GaN)系半導体レーザーダイオードより出射される405nm(30mW)の光を照射し、かつ透明電極間に110Vの直流電圧を印加しながら、得られた試料を60℃に加熱した後に室温に冷却した。続けて、室温において、UV照射(200mW/cm2、2分間)を実施し、非線形光学材料を作製した。上記で得られた非線形光学材料に対し、実施例1と同様に評価した。また、作製した上記非線形光学材料に関し、水平配向セルのガラス基板の片面にアルミニウムを蒸着し、セルのITO透明電極部の間に印加することにより、Appl.Phys.Lett.誌、第56巻、1734頁(1990年)に記載の方法に準じて電気光学変調機能を確認した。
組成物CM−2
非線形光学液晶化合物(CM−2−1) 85重量部
光異性化合物(CM−2−2) 5重量部
ハイドロキノンモノメチルエーテル 4重量部
イルガキュア907 2重量部
ジエチルチオキサントン 0.7重量部
Figure 2007017960
Figure 2007017960
実施例3:
配向膜としてポリイミド薄膜を塗布し、ラビング処理したITO透明電極部を有するガラス基板からなる2μmの空隙を有する水平配向セル(イー.エッチ.アイ製)の空隙に、下記組成物CM−3からなる構成材料を充填した。
次に、窒化ガリウム(GaN)系半導体レーザーダイオードより出射される405nm(30mW)の光を照射し、かつ透明電極間に110Vの直流電圧を印加しながら、得られた試料を80℃に加熱した後に室温に冷却した。続けて、室温において、UV照射(200mW/cm2、2分間)を実施し、非線形光学材料を作製した。上記で得られた非線形光学材料に対し、実施例1と同様に評価した。
組成物CM−3
非線形光学液晶化合物(CM−3−1) 40重量部
液晶化合物(CM−3−2) 40重量部
光異性化合物(CM−3−3) 10重量部
ハイドロキノンモノメチルエーテル 4重量部
イルガキュア907 2重量部
ジエチルチオキサントン 0.7重量部
Figure 2007017960
Figure 2007017960
Figure 2007017960
実施例4:
ガラス基板上にCM−4−1のシクロヘキサン溶液をスピンコートにより塗布(700rpm、20秒)し、減圧下にて12時間乾燥した。次に、得られた試料を一度150℃まで加熱した後に100℃に保ち、窒化ガリウム(GaN)系半導体レーザーダイオードより出射される405nm(30mW)の光を照射し、かつコロナポーリング法を用いて電圧印加(印加電圧 −10kV)を行った。続いて、電圧を印加しながら室温まで冷却し、非線形光学材料を作製した。
上記で得られた非線形光学材料に対し、実施例1と同様に評価した。
Figure 2007017960
実施例5:
ガラス基板上に下記組成物CM−5のシクロヘキサン溶液をスピンコートにより塗布(700rpm、20秒)し、減圧下にて12時間乾燥した。次に、得られた試料を一度150℃まで加熱した後に100℃に保ち、窒化ガリウム(GaN)系半導体レーザーダイオードより出射される405nm(30mW)の光を照射し、かつコロナポーリング法を用いて電圧印加(印加電圧 −10kV)を行った。続いて、電圧を印加しながら室温まで冷却し、非線形光学材料を作製した。上記で得られた非線形光学材料に対し、実施例1と同様に評価した。
組成物CM−5
ポリマー(CM−5−1) 80重量部
光異性化合物(CM−5−2) 20重量部
Figure 2007017960
Figure 2007017960
比較例1:
配向膜としてポリイミド薄膜を塗布し、ラビング処理したITO透明電極部を有するガラス基板からなる2μmの空隙を有する水平配向セル(イー.エッチ.アイ製)の空隙に、下記組成物RCM−1からなる構成材料を充填した。
次に、透明電極間に110Vの直流電圧を印加しながら、得られた試料を120℃に加熱した後に100℃に冷却した。続けて、80℃において、UV照射(200mW/cm2、2分間)を実施し、実施例1の比較試料を作製した。
上記で得られた非線形光学材料に対し、実施例1と同様に評価したが、その第二高調波の強度は実施例1で作製した試料より低かった。
組成物RCM−1
非線形光学液晶化合物(CM−1−1) 85重量部
ハイドロキノンモノメチルエーテル 4重量部
イルガキュア907 2重量部
ジエチルチオキサントン 0.7重量部
比較例2:
配向膜としてポリイミド薄膜を塗布し、ラビング処理したITO透明電極部を有するガラス基板からなる2μmの空隙を有する水平配向セル(イー.エッチ.アイ製)の空隙に下記組成物RCM−2からなる構成材料を充填した。
次に、窒化ガリウム(GaN)系半導体レーザーダイオードより出射される405nm(30mW)の光を照射し、かつ透明電極間に110Vの直流電圧を印加しながら、得られた試料を60℃に加熱した後に室温に冷却した。続けて、室温において、UV照射(200mW/cm2、2分間)を実施し、比較例2の非線形光学材料を作製した。
上記で得られた非線形光学材料に対し、実施例1と同様に評価したが、その第二高調波の強度は実施例2で作製した試料より低かった。
組成物RCM−2
非線形光学液晶化合物(CM−2−1) 85重量部
ハイドロキノンモノメチルエーテル 4重量部
イルガキュア907 2重量部
ジエチルチオキサントン 0.7重量部
比較例3:
配向膜としてポリイミド薄膜を塗布し、ラビング処理したITO透明電極部を有するガラス基板からなる2μmの空隙を有する水平配向セル(イー.エッチ.アイ製)の空隙に下記組成物RCM−3からなる構成材料を充填した。
次に、窒化ガリウム(GaN)系半導体レーザーダイオードより出射される405nm(30mW)の光を照射し、かつ透明電極間に110Vの直流電圧を印加しながら、得られた試料を80℃に加熱した後に室温に冷却した。続けて、室温において、UV照射(200mW/cm2、2分間)を実施し、非線形光学材料を作製した。
上記で得られた非線形光学材料に対し、実施例1と同様に評価したが、その第二高調波の強度は実施例3で作製した試料より低かった。
組成物RCM−3
非線形光学液晶化合物(CM−3−1) 40重量部
液晶化合物(CM−3−2) 40重量部
ハイドロキノンモノメチルエーテル 4重量部
イルガキュア907 2重量部
ジエチルチオキサントン 0.7重量部
比較例4:
CM−4−1のかわりにRCM−4−1を用いるほかは、実施例4と同様にして、非線形光学材料を作製した。
上記で得られた非線形光学材料に対し、実施例1と同様に評価したが、その第二高調波の強度は実施例4で作製した試料より低かった。
Figure 2007017960
実施例1〜5、および比較例1〜4の評価結果を表1に記す。
Figure 2007017960

Claims (15)

  1. 少なくとも一種の重合性基と少なくとも一種の非線形光学応答基とを有する液晶性/非線形光学応答性化合物、及び少なくとも一種の光感応性異性化基を有する化合物を含有する非線形光学材料用組成物。
  2. 重合性基を有する液晶性化合物をさらに含有する請求項1に記載の組成物。
  3. 前記液晶性/非線形光学応答性化合物および/または前記液晶性化合物が複数個の重合性基を有する請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 前記光感応性異性化基を有する化合物が、アゾ化合物である請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物からなる光学層を有する光学部材。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物からなる光学層に光照射を行うと同時に外部電場もしくは外部磁場印加を行うことによって形成された非線形光学応答層を有する非線形光学材料。
  7. 前記光照射に用いられる光のピーク波長が200nm〜700nmである請求項6に記載の非線形光学材料。
  8. 前記非線形光学応答層が、前記液晶性/非線形光学応答性化合物の分子および/または前記重合性基を有する液晶性化合物の分子の重合体を含有する請求項6又は7に記載の非線形光学材料。
  9. 少なくとも一種の非線形光学応答基および少なくとも一種の光感応性異性化基を有する高分子を含有する光学層を有する光学部材。
  10. 少なくとも一種の非線形光学応答基を有する高分子、および少なくとも一種の光感応性異性化基を有する化合物を含有する光学層を有する光学部材。
  11. 前記光学層が、光感応性異性化基を有する化合物の少なくとも一種をさらに含有する請求項9又は10に記載の光学材料。
  12. 請求項9〜11のいずれか1項に記載の光学部材の光学層に光照射を行うと同時に外部電場若しくは外部磁場印加を行うことによって形成された非線形光学応答層を有する非線形光学材料。
  13. 電気光学(EO)光変調材料である請求項6、7、8または12に記載の非線形光学材料。
  14. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物に光照射を行うと同時に外部電場もしくは外部磁場印加を行い、非線形光学応答部を形成することを含む非線形光学材料の製造方法。
  15. 少なくとも一種の非線形光学応答基および/または少なくとも一種の光感応性異性化基を有するポリマーに光照射を行うと同時に外部電場もしくは外部磁場印加を行い、非線形光学応答部を形成することを含む非線形光学材料の製造方法。
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