JPWO2019078145A1 - 質量分析用試料を調製するための材料 - Google Patents

質量分析用試料を調製するための材料 Download PDF

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Abstract

本発明は、質量分析法において、疎水性物質を高感度に測定することを可能にする、質量分析用試料のための材料を提供することを課題とし、本発明の材料は、質量分析用試料を調製するための、重合体を含有する材料である。

Description

本発明は、質量分析用試料を調製するための材料に関する。
質量分析法は、試料に含まれる対象物質(分析対象)の分子量・構造決定において、重要な分析技術である。対象物質としては合成物質から生体物質が可能であり幅広く、分析技術のさらなる高感度化が検討されている。
例えば、マトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析(MALDI−MS)法は、対象物質のフラグメント化が少ないソフトイオン化法であり、得られた分子イオンを質量分析に供することができる。MALDI−MS法において、対象物質の効率的なイオン化を実現する条件が検討されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、疎水性ペプチド等の疎水性物質はイオン化が難しいことが知られており、質量分析法においてイオン化効率が低く測定感度が低いという問題がある。
特開2013−68598号公報
本発明は、質量分析法、特にMALDI−MS法において、疎水性物質を高感度に測定することを可能にする、質量分析用試料のための材料を提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討を行った。その結果、以下の材料を用いることで上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、例えば以下の[1]〜[14]である。
[1]質量分析用試料を調製するための、重合体を含有する材料。
[2]前記質量分析の対象物質が疎水性物質である、前記[1]に記載の材料。
[3]前記疎水性物質が疎水性ペプチドである、前記[2]に記載の材料。
[4]前記重合体のムーニー粘度[ML1+4(100℃)]が10〜100である、前記[1]〜[3]のいずれか1項に記載の材料。
[5]前記重合体が架橋重合体である、前記[1]〜[4]のいずれか1項に記載の材料。
[6]前記質量分析用試料が、マトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析(MALDI−MS)用試料である、前記[1]〜[5]のいずれか1項に記載の材料。
[7]前記[1]〜[6]のいずれか1項に記載の材料と、質量分析用マトリックスとを含有する質量分析用マトリックス組成物。
[8]前記マトリックスが、カルボキシ基、ヒドロキシ基およびアミノ基から選ばれる少なくとも1種を有する化合物である、前記[7]に記載の質量分析用マトリックス組成物。
[9]カルボキシ基、ヒドロキシ基およびアミノ基から選ばれる少なくとも1種を有する前記化合物が、式(1)で表される化合物である、前記[8]に記載の質量分析用マトリックス組成物。
Figure 2019078145
[式(1)中、R1は、炭素数1〜20の炭化水素基、前記炭化水素基中の少なくとも1つの炭素−炭素結合間に、−O−、−COO−、−OCO−、−OSO2−、−SO3−、−OSO2NR−、−NRSO2−、−NRCO−、−NR−および−CONR−から選ばれる少なくとも1種を有する基、またはこれらの基中の水素原子の一部が置換された基であり;R2は、直接結合、炭素数1〜20の2価の炭化水素基、前記2価の炭化水素基中の少なくとも1つの炭素−炭素結合間に、−O−、−COO−、−OCO−、−OSO2−、−SO3−、−OSO2NR−、−NRSO2−、−NRCO−、−NR−および−CONR−から選ばれる少なくとも1種を有する基、またはこれらの基中の水素原子の一部が置換された基であり;Rは、水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基であり;Xは、カルボキシ基、ヒドロキシ基またはアミノ基であり;R3は、ニトロ基、ホルミル基、アシル基、アルコキシカルボニル基またはヒドロキシフェニルアゾ基であり;Arは、(m+n+o)価の芳香族基であり;mは0〜5の整数であり、nは1〜5の整数であり、oは0〜5の整数であり、R1が複数ある場合は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、R2が複数ある場合は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、Xが複数ある場合は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、R3が複数ある場合は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。]
[10]前記材料由来の前記重合体の含有量が、前記マトリックス100質量部に対して、0.1〜10,000質量部である、前記[7]〜[9]のいずれか1項に記載の質量分析用マトリックス組成物。
[11]前記材料由来の前記重合体の含有量が、質量分析の対象物質100質量部に対して、20〜10,000質量部となる量で用いられる、前記[7]〜[10]のいずれか1項に記載の質量分析用マトリックス組成物。
[12]前記[1]〜[6]のいずれか1項に記載の材料と、質量分析用マトリックスとを備える質量分析用試料の作製用キット。
[13]質量分析用ターゲットプレート上に、質量分析の対象物質、マトリックス、前記[1]〜[6]のいずれか1項に記載の材料、および溶媒を含有する試料液を形成する工程と、前記試料液から前記溶媒を除去する工程とを有する、質量分析用試料の調製方法。
[14]質量分析用ターゲットプレート上に、質量分析の対象物質、マトリックス、前記[1]〜[6]のいずれか1項に記載の材料、および溶媒を含有する試料液を形成する工程と、前記試料液から前記溶媒を除去して質量分析用試料を得る工程と、前記質量分析用試料にレーザーを照射して、前記対象物質を検出する工程とを有する、質量分析法。
本発明によれば、質量分析法、特にMALDI−MS法において、疎水性物質を高感度に測定することを可能にする、質量分析用試料のための材料を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
〔材料〕
本発明の材料は、重合体を含有しており、質量分析用試料を調製するために用いられる。すなわち、調製される前記質量分析用試料は、前記重合体を材料として含有することになる。本発明の材料は、質量分析の対象物質および質量分析用マトリックス(以下単に「マトリックス」ともいう)を含有する質量分析用試料、特にマトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析(MALDI−MS)用試料を調製するために用いられることが好ましい。
前記重合体は、対象物質のマトリックスによるイオン化を増強し、対象物質の検出限界を向上させることができる。このように本発明では、疎水性物質等の対象物質を特異的に検出、分析可能である。
質量分析に供するためのイオン化としては、例えば、レーザー脱離イオン化(LDI)法、電子イオン化(EI)法、化学イオン化(CI)法、高速原子衝撃(FAB)法、電界脱離(FD)法、エレクトロスプレーイオン化(ESI)法が挙げられる。これらの中でも、本発明では、レーザー脱離イオン化(LDI)法が好ましく、マトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI)法が特に好ましい。
[重合体]
本発明では、質量分析用試料の材料、特にMALDI−MS用試料の材料として重合体が用いられる。重合体中に疎水性物質等の対象物質が取り込まれることにより、間接的にマトリックスから質量分析の対象物質へのエネルギー移動が促進されたと推察される。
前記重合体としては、例えば、共役ジエン系重合体、(メタ)アクリル系重合体、オレフィン系重合体等の有機ポリマーが挙げられる。重合体は、ゴムであっても樹脂であってもよい。
また、重合体は、質量分析の対象物質を取り込むという観点から、分子の一部に架橋構造を有する架橋重合体、すなわち架橋ゴムおよび/または架橋樹脂であることが好ましい。このような架橋重合体とするためには、重合性不飽和基を2以上有する多官能性不飽和化合物(架橋性モノマー)を用いて共重合することが好ましい。
なお、一実施態様において、前記重合体は、「金属酸化物からなるコアにポリマーが被覆された微粒子」ではないことが好ましい。
共役ジエン系重合体は、共役ジエン化合物に由来する構造単位を有する重合体であり、共役ジエン化合物の単独または共重合体であってもよいし、共役ジエン化合物と1種以上の他のモノマーとの共重合体であってもよい。共役ジエン系重合体における他のモノマーは、例えば、芳香族ビニル化合物、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸エステル、不飽和ニトリル化合物および多官能性不飽和化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
共役ジエン系重合体は、例えば、共役ジエン化合物と、多官能性不飽和化合物と、芳香族ビニル化合物、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸エステルおよび不飽和ニトリル化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物との共重合体が好ましい。
(メタ)アクリル系重合体は、(メタ)アクリル酸エステルに由来する構造単位を有する重合体であり、(メタ)アクリル酸エステルの単独または共重合体であってもよいし、(メタ)アクリル酸エステルと1種以上の他のモノマーとの共重合体であってもよい。(メタ)アクリル系重合体における他のモノマーは、例えば、芳香族ビニル化合物、不飽和カルボン酸、不飽和ニトリル化合物、共役ジエン化合物および多官能性不飽和化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
(メタ)アクリル系重合体は、例えば、(メタ)アクリル酸エステルと、多官能性不飽和化合物と、芳香族ビニル化合物、不飽和カルボン酸、不飽和ニトリル化合物および共役ジエン化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物との共重合体が好ましい。
オレフィン系重合体は、α−オレフィンに由来する構造単位を有する重合体であり、α−オレフィンの単独または共重合体であってもよいし、α−オレフィンと1種以上の他のモノマーとの共重合体であってもよい。オレフィン系重合体における他のモノマーは、例えば、非共役ジエン化合物および(メタ)アクリル酸から選ばれる少なくとも1種である。α−オレフィンの具体例については、<その他のモノマー>の欄に記載する。
オレフィン系重合体としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、エチレンと他のα−オレフィンとの共重合体、エチレンと他のα−オレフィンと非共役ジエン化合物との共重合体、エチレンと(メタ)アクリル酸との共重合体が挙げられる。
以下、上記各モノマーについて説明する。
<共役ジエン化合物>
重合体が共役ジエン化合物に由来する構造単位を有することにより、他の単量体成分との相溶性をより良好にすることができる。
共役ジエン化合物としては、例えば、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエンが挙げられ、1,3−ブタジエンが好ましい。共役ジエン化合物は単独でまたは2種以上用いることができる。
<芳香族ビニル化合物>
重合体が芳香族ビニル化合物に由来する構造単位を有することにより、質量分析法における測定感度をより良好にすることができる。
芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、1,1−ジフェニルエチレン;メチルスチレン、t−ブチルスチレン、ビニルキシレン等のアルキル化スチレン;モノフルオロスチレン、ジフルオロスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、モノブロモスチレン、ジブロモスチレン等のハロゲン化スチレン;ビニルナフタレン;N,N−ジエチル−p−アミノメチルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレンが挙げられ、スチレンが好ましい。芳香族ビニル化合物は単独でまたは2種以上用いることができる。
<不飽和カルボン酸>
重合体が不飽和カルボン酸に由来する構造単位を有することにより、各種溶媒中の重合体の分散性をより良好にすることができる。
不飽和カルボン酸としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、ケイヒ酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸等の不飽和モノまたはジカルボン酸が挙げられ、無水マレイン酸等の酸無水物であってもよい。これらの中では、不飽和モノカルボン酸が好ましい。不飽和カルボン酸は単独でまたは2種以上用いることができる。
<不飽和カルボン酸エステルおよび(メタ)アクリル酸エステル>
重合体が不飽和カルボン酸エステルまたは(メタ)アクリル酸エステルに由来する構造単位を有することにより、各種溶媒中の重合体の分散性をより良好にすることができる。
不飽和カルボン酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸エステルが挙げられ、具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸n−アミル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル;(メタ)アクリル酸ヒドロキシメチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル;エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート;これらのモノマーが有する1以上の水素原子がフッ素原子に置換された化合物が挙げられる。
これらの中でも、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシメチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルおよび(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチルから選ばれる少なくとも1種が好ましい。
不飽和カルボン酸エステルは単独でまたは2種以上用いることができる。
<不飽和ニトリル化合物>
重合体が不飽和ニトリル化合物に由来する構造単位を有することにより、各種溶媒中の重合体の分散性をより良好にすることができる。
不飽和ニトリル化合物としては、例えば、(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、α−エチルアクリロニトリル、シアン化ビニリデン等のα,β−不飽和ニトリル化合物が挙げられ、(メタ)アクリロニトリルが好ましい。不飽和ニトリル化合物は単独でまたは2種以上用いることができる。
<多官能性不飽和化合物>
重合体が多官能性不飽和化合物に由来する構造単位を有することにより、質量分析法における測定感度をより良好にすることができる。
多官能性不飽和化合物としては、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジイソプロペニルベンゼン、トリビニルベンゼン等の多官能ビニル化合物;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート;ジアリルフタレート等の多官能アリル化合物が挙げられる。これらの中でも、ジビニルベンゼンおよびトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも1種が好ましい。多官能性不飽和化合物は単独でまたは2種以上用いることができる。
<その他のモノマー>
重合体は、上記以外のモノマーに由来するその他の構造単位を有してもよい。
上記以外のモノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン等のα−オレフィン;フッ化ビニリデン、四フッ化エチレンおよび六フッ化プロピレン等のフッ化α−オレフィン;(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、アミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、メチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド化合物;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステルが挙げられる。
上記以外のモノマーは単独でまたは2種以上用いることができる。
<共役ジエン系重合体、(メタ)アクリル系重合体の構造単位の含有割合>
共役ジエン系重合体100質量%中、共役ジエン化合物に由来する構造単位の含有割合は、好ましくは20〜100質量%、より好ましくは30〜90質量%、さらに好ましくは40〜80質量%である。このような態様であると、質量分析法における測定感度および得られる重合体の溶媒中での分散安定性の観点から好ましい。
共役ジエン系重合体100質量%中、芳香族ビニル化合物に由来する構造単位が含まれる場合のその含有割合は、好ましくは1〜50質量%、より好ましくは5〜30質量%である。このような態様であると、得られる共重合体の溶媒中での分散安定性の観点から好ましい。
共役ジエン系重合体100質量%中、不飽和カルボン酸に由来する構造単位が含まれる場合のその含有割合は、好ましくは2〜15質量%、より好ましくは3〜14質量%である。このような態様であると、質量分析法における測定感度および得られる共重合体の溶媒中での分散安定性の観点から好ましい。
共役ジエン系重合体100質量%中、不飽和カルボン酸エステルに由来する構造単位が含まれる場合のその含有割合は、好ましくは1〜30質量%、より好ましくは2〜28質量%、さらに好ましくは3〜25質量%である。このような態様であると、質量分析法における測定感度および得られる共重合体の溶媒中での分散安定性の観点から好ましい。
共役ジエン系重合体100質量%中、不飽和ニトリル化合物に由来する構造単位が含まれる場合のその含有割合は、好ましくは1〜35質量%、より好ましくは10〜30質量%である。このような態様であると、質量分析法における測定感度および得られる共重合体の溶媒中での分散安定性の観点から好ましい。
共役ジエン系重合体100質量%中、多官能性不飽和化合物に由来する構造単位が含まれる場合のその含有割合は、好ましくは0.5〜5質量%、より好ましくは0.5〜3質量%である。このような態様であると、質量分析法における測定感度、得られる共重合体の溶媒中での分散安定性および重合安定性の観点から好ましい。
(メタ)アクリル系重合体100質量%中、(メタ)アクリル酸エステルに由来する構造単位の含有割合は、好ましくは30〜95質量%、より好ましくは40〜90質量%、さらに好ましくは50〜90質量%である。このような態様であると、質量分析法における測定感度および得られる共重合体の溶媒中での分散安定性の観点から好ましい。
(メタ)アクリル系重合体100質量%中、芳香族ビニル化合物、不飽和カルボン酸、不飽和ニトリル化合物および共役ジエン化合物に由来する構造単位の合計含有割合は、好ましくは1〜65質量%、より好ましくは5〜58質量%、さらに好ましくは9〜45質量%である。このような態様であると、質量分析法における測定感度および得られる共重合体の溶媒中での分散安定性の観点から好ましい。
(メタ)アクリル系重合体100質量%中、多官能性不飽和化合物に由来する構造単位が含まれる場合のその含有割合は、好ましくは0.5〜5質量%、より好ましくは0.5〜3質量%である。このような態様であると、質量分析法における測定感度、得られる共重合体の溶媒中での分散安定性および重合安定性の観点から好ましい。
重合体は、例えば、NMR分析により測定した各構造単位の含有割合が上記要件を満たす限り、1種の重合体からなってもよく、2種以上の重合体からなってもよい。2種以上の重合体からなる場合(ブレンド物)は、ブレンド物全体に対する各構造単位の含有割合(測定値)が上記要件を満たしていればよい。
なお、重合体合成時において、重合体の原料モノマー100質量%中に占める各モノマーの使用割合は、重合体100質量%中に占める各モノマーに由来する構造単位の含有割合の上記数値範囲と同等の範囲とすることができる。
<重合体の物性、含有量>
重合体のムーニー粘度[ML1+4(100℃)]は、好ましくは10〜100、より好ましくは30〜90、さらに好ましくは50〜80である。ムーニー粘度は、JIS K6300−1994に準じて測定することができる。このような態様であると、得られる重合体の溶媒中での分散安定性に優れる。
重合体の平均粒子径は、好ましくは10〜200nm、より好ましくは30〜150nmである。ここで、平均粒子径とは、光散乱分析法による体積平均粒子径であって、例えばマイクロトラック・ベル社製の「Nanotrac WaveII(商品名)」によって測定することができる。
本発明の材料において、重合体の含有量は、通常は1質量%以上、好ましくは5〜30質量%、より好ましくは5〜20質量%である。また、本発明の材料の固形分中に占める重合体の含有量は、通常は70〜100質量%、好ましくは90〜100質量%、より好ましくは95〜100質量%である。ここで、本明細書において「固形分」とは、後述する溶媒以外の成分を意味する。
<重合体の製造方法>
重合体の製造方法としては、例えば、ラジカル重合法、アニオン重合法が挙げられる。ラジカル重合法としては、例えば、懸濁重合、乳化重合、塊状重合が挙げられ、重合終了時に安定な乳化分散液が得られる乳化重合が特に好ましい。
乳化重合は、通常の重合方法であればよく、例えば、乳化剤の存在下、モノマーを水系媒体中で乳化させ、ラジカル重合開始剤により重合を開始し、所定の重合転化率に達した後、反応停止剤にて重合を停止する方法が挙げられる。
水系媒体としては、通常は水が挙げられる。
乳化剤としては、例えば、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられる。フッ素系の界面活性剤を使用することもできる。アニオン系界面活性剤としては、例えば、高級アルコールの硫酸エステル、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム等の脂肪族スルホン酸塩、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸等の高級脂肪族カルボン酸塩(カリウム塩、ナトリウム塩等)、ロジン酸塩が挙げられる。乳化剤は単独でまたは2種以上用いることができる。乳化剤の量は、例えば、モノマー100質量部に対して1〜10質量部である。
ラジカル重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、tert−ブチルハイドロペルオキシド、クメンハイドロペルオキシド、パラメンタンハイドロペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシド等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル等のジアゾ化合物;過硫酸カリウム等の無機過酸化物;これらの過酸化物と硫酸第1鉄とを組み合わせたレドックス触媒が挙げられる。ラジカル重合開始剤は単独でまたは2種以上用いることができる。ラジカル重合開始剤の量は、例えば、モノマー100質量部に対して0.005〜3質量部である。
重合体の分子量を調節するために連鎖移動剤を使用することもできる。連鎖移動剤としては、例えば、tert−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン等のアルキルメルカプタン、四塩化炭素、チオグリコール類、ジテルペン、ターピノーレン、γ−テルピネン類が挙げられる。
重合体の製造において、各々のモノマー、乳化剤、ラジカル重合開始剤および連鎖移動剤等は、反応容器に全量を一括して投入して重合を開始してもよいし、反応継続時に連続的あるいは間欠的に追加し、添加してもよい。この重合は、0〜100℃で行うことができ、0〜80℃の重合温度で行うことが好ましい。反応途中で温度あるいは攪拌等の製造条件等を適宜に変更することもできる。重合方式は連続式でもよいし、回分式であってもよい。
重合時間は、通常は0.01〜30時間程度であり、所定の重合転化率に達した時点で、反応停止剤の添加によって終了することができる。反応停止剤としては、例えば、ヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン等のアミン化合物;ヒドロキノン等のキノン化合物が挙げられる。重合停止後、反応系から水蒸気蒸留等の方法により未反応のモノマーを除去し、さらに凝固、水洗、乾燥等を行い、固形の重合体が得られる。
[重合体以外の成分]
本発明の材料は、重合体以外に、例えば、酸化防止剤、界面活性剤を含有してもよい。
また、本発明の材料は、溶媒を含有してもよい。なお、本発明の材料において、溶媒は、重合体に対するいわゆる分散媒として機能する態様であってもよい。
溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール等のアルコール溶媒;ジエチルエーテル、エチルプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、γ−ブチロラクトン等のエステル溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン溶媒;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド溶媒;アセトニトリル、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等の含窒素溶媒;ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素溶媒;塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素溶媒;水が挙げられる。
溶媒は単独でまたは2種以上用いることができる。
本発明の材料において、溶媒を含有する場合のその含有割合は、通常は10〜99質量%、好ましくは30〜95質量%、より好ましくは50〜95質量%である。
〔質量分析用マトリックス組成物、試料液、試料〕
本発明の質量分析用マトリックス組成物は、上述した本発明の材料と、質量分析用マトリックスとを含有する。本発明の質量分析用マトリックス組成物は、溶媒を含有してもよい。前記マトリックス組成物に質量分析の対象物質を配合することにより、溶媒が含まれる場合は質量分析用試料液となり、溶媒が除去されている場合は質量分析用試料となる。
[質量分析用マトリックス]
質量分析の対象物質にマトリックスが混合された質量分析用試料へレーザーを照射することで、マトリックスとともに対象物質が気化・イオン化する。このため、マトリックスは、通常は、使用するレーザーの波長領域に吸収帯を持つ化合物である。マトリックスは、質量分析の対象物質の分解につながる対象物質への直接的なレーザー照射を阻害し、光エネルギーを熱エネルギーへと効率良く変換することで、対象物質の気化・イオン化を促進する。
マトリックスとしては、質量分析用試料において用いられるマトリックスであれば特に限定されない。マトリックスとしては、例えば、カルボキシ基、ヒドロキシ基およびアミノ基から選ばれる少なくとも1種を有する化合物が挙げられ、式(1)で表される化合物が好ましい。
Figure 2019078145
式(1)中の各記号の意味は以下のとおりである。
1は、炭素数1〜20の炭化水素基、前記炭化水素基中の少なくとも1つの炭素−炭素結合間に、−O−、−COO−、−OCO−、−OSO2−、−SO3−、−OSO2NR−、−NRSO2−、−NRCO−、−NR−および−CONR−から選ばれる少なくとも1種を有する基(以下「置換炭化水素基1」ともいう)、またはこれらの基中の水素原子の一部が置換された基(以下「置換炭化水素基2」ともいう)である。
2は、直接結合、炭素数1〜20の2価の炭化水素基、前記2価の炭化水素基中の少なくとも1つの炭素−炭素結合間に、−O−、−COO−、−OCO−、−OSO2−、−SO3−、−OSO2NR−、−NRSO2−、−NRCO−、−NR−および−CONR−から選ばれる少なくとも1種を有する基(以下「置換炭化水素基3」ともいう)、またはこれらの基中の水素原子の一部が置換された基(以下「置換炭化水素基4」ともいう)である。
前記Rは、水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基である。
Xは、カルボキシ基、ヒドロキシ基またはアミノ基である。
3は、ニトロ基、ホルミル基、アシル基、アルコキシカルボニル基またはヒドロキシフェニルアゾ基である。
Arは、(m+n+o)価の芳香族基である。
mは0〜5の整数、好ましくは0〜3の整数であり、nは1〜5の整数、好ましくは1〜3の整数であり、oは0〜5の整数、好ましくは0〜3の整数である。R1が複数ある場合は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。R2が複数ある場合は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。Xが複数ある場合は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。R3が複数ある場合は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
1およびRにおける炭素数1〜20の炭化水素基としては、例えば、炭素数1〜20の鎖状炭化水素基、炭素数3〜20の脂環式炭化水素基が挙げられる。
鎖状炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n−プロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−デシル基等の鎖状飽和炭化水素基;エテニル基、プロピニル基、エチニル基等の鎖状不飽和炭化水素基が挙げられる。これらのうち、炭素数1〜6の鎖状炭化水素基が好ましい。
脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロオクチル基、アダマンチル基等の脂環式飽和炭化水素基;シクロブテニル基、シクロペンテニル基等の脂環式不飽和炭化水素基が挙げられる。これらのうち、炭素数4〜8の脂環式炭化水素基が好ましい。
2における炭素数1〜20の2価の炭化水素基としては、R1およびRにおける炭素数1〜20の炭化水素基を2価の基に変更した基(例えばメチル基をメタンジイル基に、エテニル基をエテンジイル基に変更した基)が挙げられる。
置換炭化水素基1としては、例えば、メチルエステルメチル基、エチルエステルメチル基、プロピルエステルメチル基等のアルキルエステルアルキル基、メチルエーテルメチル基、エチルエーテルメチル基、プロピルエーテルメチル基等のアルキルエーテルアルキル基が挙げられる。置換炭化水素基3としては、置換炭化水素基1を2価の基に変更した基が挙げられる。
置換炭化水素基2および4において水素原子の一部を置換する置換基としては、例えば、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、ハロゲン化アルキル基、シアノ基が挙げられる。
3におけるアシル基としては、例えば、−C(=O)R31で表される基が挙げられ、アルコキシカルボニル基としては、例えば、−C(=O)OR31で表される基が挙げられ、これらの式中、R31は、炭素数1〜20の炭化水素基であり、その具体例はR1およびRにおける炭化水素基と同様である。
Arにおける(m+n+o)価の芳香族基としては、例えば、炭素数6〜20の(m+n+o)価の芳香族炭化水素基、芳香族ケトン基、複素環が挙げられ、炭素数6〜20の芳香族炭化水素、芳香族ケトン、複素環式化合物から(m+n+o)個の水素原子を除いた基が挙げられる。上記芳香族炭化水素は、好ましくは炭素数6〜14であり、具体的には、ベンゼン、ナフタレン、アントラセンである。上記芳香族ケトンは、具体的には、アントロンである。上記複素環式化合物としては、例えば、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、インドール、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、アクリジン等の含窒素複素環式芳香族化合物が挙げられる。
マトリックスの具体例としては、例えば、下記式で表される化合物が挙げられる。
Figure 2019078145
マトリックスは単独でまたは2種以上用いることができる。
[質量分析の対象物質]
質量分析の対象物質(分析対象)としては、例えば、ペプチド、核酸、糖質、脂質等の生体物質や、合成物質が挙げられる。対象物質は、精製された物質である必要は必ずしもない。例えば、動物、植物または微生物に由来する、細胞、組織、体液、これらからの抽出物、または培養細胞等の生体物質;土壌および排水から単離された物質でもよい。
質量分析の対象物質(分析対象)は、例えば、分子量が好ましくは300〜10000、より好ましくは500〜5000の分子であり、ペプチド等の重合体であることが好ましい。対象物質の分子量が分布を有する場合は、サイズ排除クロマトグラフィーで測定されるポリスチレン換算による重量平均分子量が前記範囲にあることが好ましい。
質量分析の対象物質は、好ましくは疎水性物質であり、より好ましくは疎水性ペプチドである。なお、質量分析用試料は、本発明の効果を損なわない範囲において、疎水性物質以外に、例えば親水性物質を含有してもよい。このような場合において、疎水性物質を特異的に検出、分析可能である。
疎水性の指標としては、BBインデックス、HPLCインデックス、またはSSRCalcHydrophobicityを用いることができる。
例えば、本発明における疎水性物質の疎水性の程度は、当業者がHPLCインデックスによって疎水性と判断しうる程度であればよい。HPLCインデックスは、C.A.Brownw, H.P.J.Bennett, S.Solomonによる、Analytical Biochemistry, 124, 201-208, 1982に記載されており、0.13%ヘプタフルオロ−n―酪酸(HFBA)を含有するアセトニトリル水溶液を溶離液として使用した逆相HPLC保持時間に基づく疎水性指数である。疎水性物質のHPLCインデックスは、例えば30以上、好ましくは30〜10,000、より好ましくは30〜1,000である。この場合、親水性物質の親水性の程度は、例えば30より小さい値でありうる。
また、本発明における疎水性物質の疎水性の程度は、当業者がSSRCalcHydrophobicityによって疎水性と判断しうる程度であればよい。SSRCalcHydrophobicityは、OlegV.Krokhinによる、Analytical Biochemistry, 78, 7785-7795, 2006に記載されている。本発明において、分析対象が、疎水性ペプチドである場合には、疎水性の程度は、SSRCalcHydrophobicityを指標とすることが好ましい。疎水性物質のSSRCalcHydrophobicity(by the Manitoba Centre for Proteomics and Systems Biology, available at http://hs2.proteome.ca/SSRCalc/SSRCalcX.html)は、例えば30〜70でありうる。この場合、親水性物質の親水性の程度は、例えば30より小さい値でありうる。
質量分析の対象物質は、従来手法での検出の困難さの観点から、疎水性ペプチドが好ましい。「ペプチド」は、ポリペプチド、タンパク質を含む広義の意味で用いる。疎水性ペプチドとしては、アミノ酸残基として、疎水性の高いアミノ酸残基を多く有するペプチドが好ましい。疎水性アミノ酸残基としては、例えば、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、イソロイシンの残基が挙げられ、また、システイン、チロシンの残基であってもよい。
[カチオン化剤]
本発明の質量分析用マトリックス組成物は、カチオン化剤を含有してもよい。
カチオン化剤は、対象物質をより効率的にイオン化させるために用いることができる。カチオン化剤としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化リチウム、酢酸アンモニウム、トリフルオロ酢酸、トリフルオロ酢酸ナトリウム、トリフルオロ酢酸カリウム、トリフルオロ酢酸リチウム、トリフルオロ酢酸銀が挙げられる。
カチオン化剤は単独でまたは2種以上用いることができる。
[溶媒]
本発明の質量分析用マトリックス組成物は、溶媒を含有してもよい。
溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール等のアルコール溶媒;ジエチルエーテル、エチルプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、γ−ブチロラクトン等のエステル溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン溶媒;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド溶媒;アセトニトリル、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等の含窒素溶媒;ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素溶媒;塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素溶媒;水が挙げられる。
溶媒は単独でまたは2種以上用いることができる。
溶媒の具体例としては、例えば、メタノール/水混合液、エタノール/水混合液、テトラヒドロフラン/水混合液、ジメチルスルホキシド/水混合液、アセトニトリル/水混合液、アセトニトリル/エタノール/イソプロパノール/水混合液、アセトニトリル/エタノール/メチルエチルケトン/水混合液等の有機溶媒/水混合液が挙げられる。前記混合液における有機溶媒濃度は例えば10〜90体積%、好ましくは25〜75体積%である。
[各成分の含有量]
本発明の質量分析用マトリックス組成物において、本発明の材料由来の重合体の含有量は、質量分析用マトリックス100質量部に対して、通常は0.1〜10,000質量部、好ましくは5〜8,000質量部、より好ましくは10〜5,000質量部である。
質量分析用マトリックス組成物がカチオン化剤を含有する場合のカチオン化剤の含有量は、質量分析用マトリックス100質量部に対して、好ましくは1〜100質量部、より好ましくは5〜20質量部である。
質量分析用マトリックス組成物が溶媒を含有する場合、本発明の材料由来の重合体と、質量分析用マトリックスとの合計含有割合は、通常は0.1〜1000mg/mL、好ましくは0.5〜500mg/mL、より好ましくは1〜100mg/mLである。
〔質量分析用試料の作製用キット〕
本発明の質量分析用試料の作製用キットは、上記質量分析用マトリックス組成物の各成分を混合する前の段階であり、本発明の材料と、質量分析用マトリックスとを備える。
〔質量分析用試料の調製方法〕
質量分析用試料は、例えば、質量分析用ターゲットプレート(測定用試料台)上に、質量分析の対象物質と、マトリックスと、本発明の材料と、溶媒とを含有する試料液を形成し、前記試料液から前記溶媒を除去することにより、前記試料液中の不揮発分(すなわち少なくとも対象物質、マトリックスおよび本発明の材料由来の重合体)を残渣として得ることができる。前記残渣が、質量分析用試料であり、通常は結晶である。前記結晶は、例えば、レーザーエネルギーを効率良く吸収するマトリックス中に、分析対象となる対象物質(分子)が均一に分散されている。
質量分析用ターゲットとしては、例えば、MALDI−MS法用として用いられる導電性を有する金属製プレート、具体的には、ステンレス製または金製のプレートを用いることができる。
前記試料液は、例えば、対象物質含有液とマトリックス含有液と本発明の材料とをそれぞれ別々に調製した後、これらを混合して調製してもよく、対象物質含有液と、マトリックスおよび本発明の材料を含有する質量分析用マトリックス組成物とを別々に調製した後、これらを混合して調製してもよい。次に、得られた混合液をターゲットプレート上に滴下する。
また、対象物質含有液とマトリックス含有液と本発明の材料とを、あるいは、対象物質含有液と質量分析用マトリックス組成物とを、それぞれターゲットプレート上の同じ位置に滴下することにより、ターゲットプレート上で混合させてもよい。この場合、各成分の含有液の滴下順序は特に限定されない。
各成分の含有液を調製するため、前述した溶媒を用いることができる。
前記試料液および試料において、本発明の材料由来の重合体の含有量は、対象物質1質量部に対して、通常は200〜100,000質量部、好ましくは500〜75,000質量部、より好ましくは500〜50,000質量部である。
前記試料液および試料において、質量分析用マトリックスの含有量は、対象物質1質量部に対して、通常は50〜5000質量部、好ましくは100〜3000質量部、より好ましくは200〜2000質量部である。
前記試料液において、質量分析の対象物質と、マトリックスと、本発明の材料由来の重合体との合計含有割合は、通常は0.1〜1000mg/mL、好ましくは0.5〜500mg/mL、より好ましくは1〜50mg/mLである。
試料液の液滴の体積は、特に限定されない。ターゲットプレート上にウェルが設けられている場合、試料液の液滴は、ウェル内に形成することができる。この場合、試料液の液滴は、前記ウェル内に収まる体積であり、例えば、0.1〜2μLの液滴である。
ターゲットプレート上の試料液の液滴から溶媒を除去する。溶媒の除去としては、溶媒を自然蒸発させてもよく、加熱および/または減圧することにより溶媒を蒸発させてもよい。
〔質量分析法〕
本発明の質量分析法は、前述した質量分析用試料を得る工程と、前記質量分析用試料にレーザーを照射して、前記対象物質を検出する工程とを有する。
前記質量分析用試料にレーザーを照射して、前記対象物質を検出する工程では、通常は、対象物質をイオン化し、生成したイオンを磁場または電場を利用して質量電荷比(m/z)ごとに分離し検出する。この工程では、マトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI)イオン源が組み合わされた質量分析装置を用いることが好ましい。前記装置としては、例えば、MALDI−飛行時間(MALDI−TOF)型、MALDI−イオントラップ(MALDI−IT)型、MALDI−イオントラップ−飛行時間(MALDI−IT−TOF)型、MALDI−フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴(MALDI−FTICR)型の質量分析装置が挙げられる。これらの中でも、MALDI−TOF型質量分析装置が好ましい。
以下、本発明を実施例に基づいて更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。以下の実施例等の記載において、特に言及しない限り、「部」は「質量部」を示す。
[合成例1]
蒸留水200部に対してドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5部を溶解した水溶液、原料モノマーとしてブタジエン70部、アクリロニトリル19部、2−ヒドロキシブチルメタクリレート5部、メタクリル酸5部、ジビニルベンゼン1部をオートクレーブに仕込み、重合開始剤としてパラメンタンハイドロペルオキシド0.01部を加え、乳化重合を行った。重合転化率が85%に達した時に、反応停止剤としてジエチルヒドロキシルアミンを添加して反応を停止させて重合体生成物(重合体(A−1))を得た。その後、水蒸気蒸留で未反応のモノマーを除去した後、この溶液を5%塩化カルシウム水溶液中に添加し、析出したクラム状の重合体を水洗した後、熱風乾燥器を使用して100℃で乾燥することにより重合体を単離した。得られた重合体について、収率は82%であり、ムーニー粘度をJIS K6300−1994に準じて測定したところ60(ML1+4,100℃)であった。
得られた重合体(A−1)は攪拌機を備えた1Lガラスフラスコにて有機溶媒としてのイソプロパノール中に固形分濃度10質量%になるように投入し、室温にて24時間撹拌し、重合体組成物(J−1)を得た。重合体(A−1)の平均粒子径については、得られた重合体組成物を用いて、マイクロトラック・ベル社製の「Nanotrac WaveII(商品名)」によって測定した。測定した体積平均粒子径の結果を表2に併せて示す。
[合成例2〜5]
原料モノマーとして表1記載の各成分、有機溶媒として表2記載の各成分を用いた以外は合成例1と同様の操作にて重合体組成物(J−2)〜(J−5)を得た。得られた重合体の収率とムーニー粘度と平均粒子径について表1および表2に示す。
Figure 2019078145
Figure 2019078145
[実施例1〜5]
合成例1〜5で得られた重合体組成物をマトリックスであるα−シアノ−4−ヒドロキシケイ皮酸(以下「CHCA」という)に混合する材料として用い、ペプチド成分の測定を行った。
(1)CHCAの5mg/mL(50質量%アセトニトリル/0.1質量%トリフルオロ酢酸(TFA)水溶液)溶液からなるマトリックス溶液と合成例1〜5で得られた重合体組成物の10質量%分散液とを表3に示す割合(v/v)で混合し、1分間ボルテックスで撹拌し、混合液1を得た。続いて、得られた混合液1と各ペプチドの20μMエタノール溶液(P−1)とを表3に示す混合割合(v/v)となるように混合し、1分間ボルテックスで撹拌し、混合液2(試料液)を得た。なお、Angiotensin II、Amyloid β25−35の2種類のペプチド(SSRCalcHydrophobicityは、順に27.79、38.34である)を等量混合し、ペプチドの合計含有量が20μMとなるようにペプチド溶液(エタノール溶液(P−1))を作成した。
(2)調製した試料液をMALDIプレート上に1μL塗布し、乾燥させた。
(3)AXIMA Performance(島津製作所)のLinear TOF、ポジティブモードで計測した。結果を表3に示す。
[比較例1]
(1)CHCAの5mg/mL(50質量%アセトニトリル/0.1質量%TFA水溶液)溶液からなるマトリックス溶液と各ペプチドの20μMエタノール溶液(P−1)とを表3に示す割合(v/v)で混合し、1分間ボルテックスで撹拌し、試料液を得た。以降の作業(2)および(3)は実施例1〜5と同様に行った。結果を表3に示す。
表3から、実施例1〜5では、疎水性ペプチドであるAmyloid β25−35を特異的に検出できていることがわかる。
Figure 2019078145

Claims (14)

  1. 質量分析用試料を調製するための、重合体を含有する材料。
  2. 前記質量分析の対象物質が疎水性物質である、請求項1に記載の材料。
  3. 前記疎水性物質が疎水性ペプチドである、請求項2に記載の材料。
  4. 前記重合体のムーニー粘度[ML1+4(100℃)]が10〜100である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の材料。
  5. 前記重合体が架橋重合体である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の材料。
  6. 前記質量分析用試料が、マトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析(MALDI−MS)用試料である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の材料。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の材料と、質量分析用マトリックスとを含有する質量分析用マトリックス組成物。
  8. 前記マトリックスが、カルボキシ基、ヒドロキシ基およびアミノ基から選ばれる少なくとも1種を有する化合物である、請求項7に記載の質量分析用マトリックス組成物。
  9. カルボキシ基、ヒドロキシ基およびアミノ基から選ばれる少なくとも1種を有する前記化合物が、式(1)で表される化合物である、請求項8に記載の質量分析用マトリックス組成物。
    Figure 2019078145
    [式(1)中、
    1は、炭素数1〜20の炭化水素基、前記炭化水素基中の少なくとも1つの炭素−炭素結合間に、−O−、−COO−、−OCO−、−OSO2−、−SO3−、−OSO2NR−、−NRSO2−、−NRCO−、−NR−および−CONR−から選ばれる少なくとも1種を有する基、またはこれらの基中の水素原子の一部が置換された基であり;
    2は、直接結合、炭素数1〜20の2価の炭化水素基、前記2価の炭化水素基中の少なくとも1つの炭素−炭素結合間に、−O−、−COO−、−OCO−、−OSO2−、−SO3−、−OSO2NR−、−NRSO2−、−NRCO−、−NR−および−CONR−から選ばれる少なくとも1種を有する基、またはこれらの基中の水素原子の一部が置換された基であり;Rは、水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基であり;
    Xは、カルボキシ基、ヒドロキシ基またはアミノ基であり;
    3は、ニトロ基、ホルミル基、アシル基、アルコキシカルボニル基またはヒドロキシフェニルアゾ基であり;
    Arは、(m+n+o)価の芳香族基であり;
    mは0〜5の整数であり、nは1〜5の整数であり、oは0〜5の整数であり、R1が複数ある場合は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、R2が複数ある場合は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、Xが複数ある場合は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、R3が複数ある場合は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。]
  10. 前記材料由来の前記重合体の含有量が、前記マトリックス100質量部に対して、0.1〜10,000質量部である、請求項7〜9のいずれか1項に記載の質量分析用マトリックス組成物。
  11. 前記材料由来の前記重合体の含有量が、質量分析の対象物質100質量部に対して、20〜10,000質量部となる量で用いられる、請求項7〜10のいずれか1項に記載の質量分析用マトリックス組成物。
  12. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の材料と、質量分析用マトリックスとを備える質量分析用試料の作製用キット。
  13. 質量分析用ターゲットプレート上に、質量分析の対象物質、マトリックス、請求項1〜6のいずれか1項に記載の材料、および溶媒を含有する試料液を形成する工程と、
    前記試料液から前記溶媒を除去する工程と
    を有する、質量分析用試料の調製方法。
  14. 質量分析用ターゲットプレート上に、質量分析の対象物質、マトリックス、請求項1〜6のいずれか1項に記載の材料、および溶媒を含有する試料液を形成する工程と、
    前記試料液から前記溶媒を除去して質量分析用試料を得る工程と、
    前記質量分析用試料にレーザーを照射して、前記対象物質を検出する工程と
    を有する、質量分析法。
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