JPWO2019049767A1 - 投写ユニット - Google Patents

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晶啓 石塚
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Abstract

外光による視認性の低下を抑制したHUDを実現できる投写ユニットの提供を課題とする。プロジェクタと、プロジェクタが照射した投写光を拡散反射する偏光依存拡散シートと、偏光依存拡散シートが拡散した光を反射するミラーと、を有し、偏光依存拡散シートは、一方向の直線偏光を拡散反射し、一方向と直交する方向の直線偏光を透過することにより、課題を解決する。

Description

本発明は、車両に搭載されるヘッドアップディスプレイ等に利用される投写ユニットに関する。
車両等のウインドシールドに画像を投写し、運転者に情報を提供する、いわゆるヘッドアップディスプレイ(ヘッドアップディスプレイシステム)が知られている。以下の説明では、ヘッドアップディスプレイを『HUD』とも言う。なお、HUDとは、『Head up Display』の略である。
HUDによれば、運転者は、前方の外界を見ながら、視線を大きく動かすことなく、地図、走行速度、および、車両の状態など、様々な情報を得ることができるため、各種の情報を得ながら、より安全に運転を行うことが期待できる。
HUDでは、運転者はウインドシールドに投写された画像の虚像を観察している。その虚像の結像位置は、ウインドシールドより車外前方側に位置する。虚像の結像位置は、通常、ウインドシールドより1000mm以上、前方側であり、ウインドシールドよりも外界側に位置する。
これにより、運転者は運転中でも視線を大きく動かすことなく情報を得ることができ、安全に運転ができる。
HUDでは、一例として、プロジェクタが投写した投写光を、拡散板によって拡散することによって実像化し、拡散板による拡散光をミラーによって拡大反射して、ダッシュボードに設けられた透過窓を透過させ、ウインドシールド(ハーフミラー、コンバイナー)に投写することによって、ウインドシールドに画像を表示する。
HUDによる表示画像の視認性を低下させる要因として、外部から進入する外光が知られている。
例えば、車両に搭載されたHUDであれば、ウインドシールドから入射した太陽光等が、ダッシュボードに設けられた透過窓を透過してダッシュボードの内部に侵入して、HUDを構成するミラーによって反射されて、プロジェクタの投写光とは逆の光路をたどって、拡散板に入射して、拡散板による実像に重複する。
このような外光が拡散板による実像に重複されると、拡散板が形成した実像の暗部が明るくなってしまうので、画像が薄くなったような状態になってしまい、画像の視認性が大幅に低下する。
そのため、HUDにおいて、外光の入射による視認性の低下を抑制する提案が、各種、行われている。
例えば、特許文献1には、画像を構成する表示光を出射する表示光出射手段と、表示光を受光する受光面、および、受光した表示光を拡散光として出射する出射面を有し、拡散光の光強度の分布を略均一化する拡散特性を有する透過型スクリーンと、を備え、透過型スクリーンは、法線を表示光の光軸に対して一定角度に傾けて配置され、表示光の光軸に沿って出射面に到達する外光を、表示光の光軸に沿った方向とは異なる方向に反射する、HUD装置が記載されている。
また、特許文献2には、透光部材に向けて像を表す表示光を出射し、透光部材で反射した表示光によって像の虚像を表示する、HUD等に利用される表示装置として、像を表す表示光を出射する表示手段と、表示手段が出射した表示光を透光部材に向けて反射させる反射手段と、反射手段を移動させ、反射手段で反射した後の表示光の光路を変更させることで虚像の表示位置を調整する表示位置調整手段と、各々が独立して透過状態または不透過状態に切り替わる複数のシャッタを有し、表示手段から透光部材に到る表示光の光路上に位置するシャッタ部と、シャッタの各々を透過状態または不透過状態に切り替えることで、シャッタ部に、1または複数の透過状態のシャッタからなる透過窓部であって、表示手段が出射した表示光を透過させる透過窓部を形成するシャッタ制御手段と、を備え、シャッタ制御手段は、表示位置調整手段によって光路が変更された表示光を透過させるように、透過窓部の位置を変化させる、表示装置が記載されている。
特開2014−149405号公報 特開2015−138175号公報
これらの装置によれば、HUDにおいて、外光による視認性の低下を抑制することができる。しかしながら、これらの装置は、一般的なHUDに対して、構成が複雑になってしまうという問題がある。
また、近年では、HUDによる表示画像の視野角の拡大が要求されている。それに伴い、ダッシュボードに設けられる光を透過させる透過窓も大きくなっており、外光による視認性の低下が大きくなっている。そのため、外光による表示画像の視認性低下に対する対策が、より重要になっている。
本発明の目的は、このような従来技術の問題点を解決することにあり、HUD等に用いられる投写ユニットであって、外光による表示画像の視認性の低下を、好適に抑制できる投写ユニットを提供することにある。
本発明は、以下の構成により、この課題を解決する。
[1] プロジェクタと、プロジェクタが照射した投写光を拡散反射する偏光依存拡散シートと、偏光依存拡散シートが拡散反射した光を反射するミラーと、を有し、
偏光依存拡散シートは、一方向の直線偏光を拡散反射し、一方向と直交する方向の直線偏光を透過することを特徴とする投写ユニット。
[2] 偏光依存拡散シートが、コレステリック液晶相を固定してなる層と、λ/4板と、を有し、プロジェクタからの投写光は、λ/4板に入射される、[1]に記載の投写ユニット。
[3] ミラーを、複数枚、有する、[1]または[2]に記載の投写ユニット。
[4] ミラーが、自由曲面ミラーである、[1]〜[3]のいずれかに記載の投写ユニット。
[5] プロジェクタからの投写光が直線偏光である、[1]〜[4]のいずれかに記載の投写ユニット。
[6] プロジェクタは、S波を偏光依存拡散シートに入射するものであり、偏光依存拡散シートは、S波を拡散反射してP波を透過する、[5]に記載の投写ユニット。
[7] プロジェクタによる投写光の光路の偏光依存拡散シートよりも下流に、300〜420nmの光の透過率が30%以下であるフィルタを有する、[1]〜[6]のいずれかに記載の投写ユニット。
本発明によれば、例えばHUDに利用することにより、外光による視認性の低下を抑制したHUDを実現できる投写ユニットが提供される。
図1は、本発明の投写ユニットを用いるHUDの一例を概念的に示す図である。 図2は、本発明の投写ユニットに用いられる偏光依存拡散シートの一例を概念的に示す図である。 図3は、本発明の投写ユニットの作用を説明するための概念図である。
以下、本発明の投写ユニットについて、添付の図面に示される好適実施例を基に詳細に説明する。
本発明において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
角度、長さ、および、厚さ等は、特に記載がなければ、一般的に許容される誤差範囲を含むものとする。
本発明において、「(メタ)アクリレート」は、「アクリレートおよびメタクリレートのいずれか一方または双方」の意味で使用される。
本発明において、可視光は、電磁波のうち、ヒトの目で見える波長の光であり、380〜780nmの波長領域の光を示す。非可視光は、380nm未満の波長領域または780nmを超える波長領域の光である。
また、これに制限されるものではないが、可視光のうち、420〜490nmの波長領域の光は青色(B)光であり、495〜570nmの波長領域の光は緑色(G)光であり、620〜750nmの波長領域の光は赤色(R)光である。
図1に、本発明の投写ユニットを用いるHUDの一例を概念的に示す。
図1に示すHUD10は、乗用車等の車両に用いられるHUDであって、投写ユニット12と、ダッシュボード14に設けられる透過窓14wと、ウインドシールド16とを有する。
投写ユニット12は、本発明の投写ユニットであって、プロジェクタ20と、拡散板24と、第1ミラー26および第2ミラー28と、光吸収板30とを有する。後述するが、本発明の投写ユニットにおいて、拡散板24は、偏光依存拡散シートである。
このようなHUD10においては、投写ユニット12が投写(投影)した投写光(投影光)は、透過窓14wを透過してウインドシールド16に投写されて、画像(投写像(投影像))が表示される。
なお、本発明の投写ユニットの用途には制限はなく、車両以外にも、航空機、二輪車、電車、重機、建設機、および、船舶等、各種の交通機関等に搭載されるHUDに好適に利用可能である。
前述のように、投写ユニット12は、プロジェクタ20と、拡散板24と、第1ミラー26および第2ミラー28と、光吸収板30とを有する。
プロジェクタ20は、表示する画像(投写する画像)に応じた投写光を、実像を形成する拡散板24に投写するものである。
本発明において、プロジェクタ20としては、HUDに利用される公知のプロジェクタ(投写装置(投写機)、投影装置(投影機))が、各種、利用可能である。プロジェクタ20としては、一例として、LCOS(Liquid Crystal on Silicon)プロジェクタ、レーザープロジェクタ、液晶プロジェクタ(液晶ディスプレイ)、DMD(Digital Mirror Device)プロジェクタ、および、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)プロジェクタ等が例示される。中でも、LCOSプロジェクタ、レーザープロジェクタ、および、液晶プロジェクタ等の投写光が直線偏光であるプロジェクタは、好適に利用される。
図示例の投写ユニット12(HUD10)においては、好ましい態様として、プロジェクタ20は、S波(S偏光)の投写光を拡散板24に投写する。
拡散板24は、プロジェクタ20からの投写光を拡散反射することにより実像化するものである。
投写ユニット12は、拡散板24による拡散光を実像として、第1ミラー26および第2ミラー28によって拡大反射して、透過窓14wを透過させて、ウインドシールド16に投写して、画像を表示する。言い換えれば、投写ユニット12は、プロジェクタ20からの投写光を拡散板24で拡散反射させて面光源化し、この面光源の光を第1ミラー26および第2ミラー28によって拡大反射して、透過窓14wを透過させて、ウインドシールド16に投写して、画像を表示する。
本発明の投写ユニット12において、拡散板24は、所定の一方向の直線偏光を拡散反射し、この一方向と直交する直線偏光は透過する、偏光依存拡散シートである。図示例の拡散板24すなわち偏光依存拡散シートは、好ましい一例として、S波は拡散反射して、P波(P偏光)は、透過する。
前述のように、プロジェクタ20は、S波を拡散板24に投写する。従って、プロジェクタ20からの投写光は、全て、拡散板24によって拡散反射される。また、プロジェクタ20が、直線偏光(S波)ではなく、自然光を投写するものであっても、拡散板24は、自然光の中のS波の成分のみを拡散反射して画像表示に供し、P波の成分は透過して画像表示には供さない。
本発明の投写ユニット12は、拡散板24として、このような偏光に依存性を有する偏光依存拡散シートを用いることにより、外光による投写光の視認性の低下を抑制している。この点に関しては、後に詳述する。
このような偏光依存拡散シートは、公知のものが、各種、利用可能である。
一例として、特開平9−274108号公報に開示される、透明な高分子フィルムの中に、この高分子フィルムと異なる材料からなる微小領域が一様に分散されてなり、高分子フィルムと微小領域とは、直交する直線偏光において、一方の直線偏光に対する屈折率n1がほぼ同じで、他方の直線偏光に対する屈折率n2が異なる、偏光依存拡散シート(偏光素子)が例示される。
別の例として、特開平11−174231号公報に開示される、複屈折特性が相違する微小領域を分散分布させてなる複屈折性フィルムからなり、複屈折性フィルムと微小領域との屈折率差Δn1およびΔn2が、直線偏光の最大透過率を示す軸方向に直交する方向において0.03以上(Δn1)であり、かつ、直線偏光の最大透過率の軸方向においてΔn1の80%以下(Δn2)である光拡散板と、偏光板と、を有する積層体であって、光拡散板のΔn1方向と、偏光板の透過軸とが平行関係にある、偏光依存拡散シート(光学素子)が例示される。
別の例として、特開2007−304559号公報に開示される、少なくともセルロースエステルを主体とした光学的連続相と、下記の[式]で定義されるアスペクト比が2以上の光学的異方性を有するドメインと、を含み、光学的異方性を有するドメインの平均方位角が偏光板保護フィルムの製膜方向に対して、直交または平行方向であり、この平均方位角と各々のドメインとのなす角度の絶対値の平均値Hが20°以内で、さらに、偏光散乱異方性を有する偏光板保護フィルムの少なくとも片側の面が、ケン化処理前の水に対する接触角が60〜80°で、かつ、ケン化処理後の水に対する接触角が15〜40°である、偏光依存拡散シート(偏光板保護フィルム)が例示される。
[式]・・・アスペクト比=絶対最大長/対角幅
(上述の[式]において、対角幅とは絶対最大長に平行な2本の直線で投影されたドメインの像を挟んだときの2直線間の最短距離である。)
これらのマトリックス中に微小領域(ドメイン)を分散してなる偏光依存拡散シートは、屈折率に異方性を有し、例えば、一軸延伸することによって、マトリックスと微小領域との屈折率が等しい方向と、マトリックスと微小領域との屈折率が異なる方向とを生じさせることで、マトリックスと微小領域との屈折率が等しい方向の直線偏光は透過し、マトリックスと微小領域との屈折率が異なる方向の直線偏光は拡散反射する。
別の例として、特開2003−43261号公報に開示される、光学的等方性連続相と光学的異方性不連続相とからなり、光学的等方性連続相がポリマーマトリックスと屈折率調整剤とを含み、ポリマーマトリックスの屈折率と光学的異方性不連続相の透過軸方向の屈折率との差が0.01以上であり、光学的等方性連続相の屈折率と光学的異方性不連続相の透過軸方向の屈折率との差が0.01未満である、所定の偏光を選択的に透過し、他の偏光を選択的に散乱する偏光選択層を有する、偏光依存拡散シート(光散乱型偏光素子)が例示される。
また、偏光依存拡散シートとしては、図2に示すような、コレステリック液晶相を固定してなる層34(以後、コレステリック液晶層34ともいう)と、λ/4板(λ/4位相差板)36とを有し、コレステリック液晶層34が拡散反射性を有する偏光依存拡散シートが例示される。
コレステリック液晶層34は、反射に波長選択性を有し、かつ、右円偏光および左円偏光のいずれか一方のみを反射し、他方を透過する。従って、コレステリック液晶層34とλ/4板36とを有する偏光依存拡散シートを用い、コレステリック液晶層34のプロジェクタ20側にλ/4板36を設け、例えば、S波を変換した円偏光が、コレステリック液晶層34が拡散反射する円偏光となるように、λ/4板36の遅相軸の方向とS波の偏光方向とを調節することにより、S波を拡散反射して、P波を透過する偏光依存拡散シート(拡散板24)となる。
前述のように、コレステリック液晶層34とλ/4板36とを有する偏光依存拡散シートにおいて、コレステリック液晶層34は、コレステリック液晶相を固定してなる層である。
周知のように、コレステリック液晶相は、特定の波長において選択反射性を示す波長選択反射性を有する。
コレステリック液晶相の選択反射の中心波長λ(選択反射中心波長λ)は、コレステリック液晶相における螺旋構造のピッチP(=螺旋の周期)に依存し、コレステリック液晶相の平均屈折率nとλ=n×Pの関係に従う。そのため、この螺旋構造のピッチを調節することによって、選択反射中心波長を調節することができる。コレステリック液晶相のピッチは、重合性液晶化合物と共に用いるキラル剤の種類、またはその添加濃度に依存するため、これらを調節することによって所望のピッチを得ることができる。
また、選択反射を示す選択反射帯域(円偏光反射帯域)の半値幅Δλ(nm)は、コレステリック液晶相の屈折率異方性Δnと螺旋のピッチPとに依存し、Δλ=Δn×Pの関係に従う。そのため、選択反射帯域の幅の制御は、コレステリック液晶相の屈折率異方性Δnを調節して行うことができる。屈折率異方性Δnは、コレステリック液晶層34を形成する液晶化合物の種類およびその混合比率、ならびに、配向固定時の温度により調節できる。
螺旋のセンスおよびピッチの測定法については「液晶化学実験入門」日本液晶学会編 シグマ出版2007年出版、46頁、および「液晶便覧」液晶便覧編集委員会 丸善 196頁に記載の方法を用いることができる。
コレステリック液晶相の反射光は円偏光である。反射する円偏光が右円偏光であるか左円偏光であるかは、コレステリック液晶相の螺旋の捩れ方向による。コレステリック液晶相による円偏光の選択反射は、コレステリック液晶相の螺旋の捩れ方向が右の場合は右円偏光を反射し、螺旋の捩れ方向が左の場合は左円偏光を反射する。
コレステリック液晶層34は、右円偏光を反射するコレステリック液晶層でも、左円偏光を反射するコレステリック液晶層でもよい。右円偏光を反射するか、左円偏光を反射するかは、λ/4板36の遅相軸の方向と、反射したい直線偏光の偏光方向とに応じて、適宜、設定すればよい。
コレステリック液晶相の旋回の方向は、コレステリック液晶層34を形成する液晶化合物の種類、および/または、添加されるキラル剤の種類によって調節できる。
コレステリック液晶層34は、1層のみを有しても、複数層を有してもよい。
反射する光の波長領域すなわち遮断する光の波長領域を広くするには、選択反射中心波長λをずらした層を順次積層することで実現できる。また、ピッチグラジエント法と呼ばれる層内の螺旋ピッチを段階的に変化させる方法で、波長範囲を広げる技術も知られており、具体的にはNature 378、467−469(1995)、特開平6−281814号公報および特許4990426号公報等に記載の方法などが挙げられる。
前述のように、コレステリック液晶層34は、コレステリック液晶相を固定してなる層である。
コレステリック液晶相を固定した構造は、コレステリック液晶相となっている液晶化合物の配向が保持されている構造であればよく、典型的には、重合性液晶化合物をコレステリック液晶相の配向状態としたうえで、紫外線(UV(Ultra Violet))照射、加熱等によって重合、硬化し、流動性が無い層を形成して、同時に、外場または外力によって配向形態に変化を生じさせることない状態に変化した構造であればよい。
なお、コレステリック液晶相を固定した構造においては、コレステリック液晶相の光学的性質が保持されていれば十分であり、液晶化合物は、液晶性を示さなくてもよい。例えば、重合性液晶化合物は、硬化反応により高分子量化して、液晶性を失っていてもよい。
コレステリック液晶相を固定してなるコレステリック液晶層の形成に用いる材料としては、一例として、液晶化合物を含む液晶組成物が挙げられる。液晶化合物は重合性液晶化合物であるのが好ましい。
コレステリック液晶層の形成に用いる液晶化合物を含む液晶組成物は、さらに界面活性剤を含むのが好ましい。また、コレステリック液晶層の形成に用いる液晶組成物は、さらにキラル剤、重合開始剤および配向剤等を含んでいてもよい。
特に、右円偏光を反射するコレステリック液晶層34を形成する液晶組成物は、重合性液晶化合物、右捩れを誘起するキラル剤、および、重合開始剤を含む重合性コレステリック液晶組成物であるのが好ましい。また、左円偏光を反射するコレステリック液晶層34を形成する液晶組成物は、重合性液晶化合物、左捩れを誘起するキラル剤、および、重合開始剤を含む重合性コレステリック液晶組成物であるのが好ましい。
−−重合性液晶化合物−−
重合性液晶化合物は、棒状液晶化合物であっても、円盤状液晶化合物であってもよいが、棒状液晶化合物であるのが好ましい。
コレステリック液晶相を形成する棒状の重合性液晶化合物の例としては、棒状ネマチック液晶化合物が挙げられる。棒状ネマチック液晶化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類、および、アルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。低分子液晶化合物だけではなく、高分子液晶化合物も用いることができる。
重合性液晶化合物は、重合性基を液晶化合物に導入することで得られる。重合性基の例には、不飽和重合性基、エポキシ基、および、アジリジニル基が含まれ、不飽和重合性基が好ましく、エチレン性不飽和重合性基がより好ましい。重合性基は種々の方法で、液晶化合物の分子中に導入できる。重合性液晶化合物が有する重合性基の個数は、好ましくは1〜6個、より好ましくは1〜3個である。
重合性液晶化合物の例は、Makromol.Chem.、190巻、2255頁(1989年)、Advanced Materials 5巻、107頁(1993年)、米国特許第4683327号明細書、同5622648号明細書、同5770107号明細書、国際公開第95/22586号、同95/24455号、同97/00600号、同98/23580号、同98/52905号、特開平1−272551号公報、同6−16616号公報、同7−110469号公報、同11−80081号公報、および、特開2001−328973号公報等に記載の化合物が含まれる。2種類以上の重合性液晶化合物を併用してもよい。2種類以上の重合性液晶化合物を併用すると、配向温度を低下させることができる。
また、液晶組成物中の重合性液晶化合物の添加量は、液晶組成物の固形分質量(溶媒を除いた質量)に対して、75〜99.9質量%であるのが好ましく、80〜99質量%であるのがより好ましく、85〜90質量%であるのがさらに好ましい。
−−キラル剤(光学活性化合物)−−
キラル剤はコレステリック液晶相の螺旋構造を誘起する機能を有する。キラル剤は、化合物によって誘起する螺旋の捩れ方向または螺旋ピッチが異なるため、目的に応じて選択すればよい。
すなわち、右円偏光を反射するコレステリック液晶層34を形成する際には、右捩れを誘起するキラル剤を用い、左円偏光を反射するコレステリック液晶層34を形成する際には、左捩れを誘起するキラル剤を用いればよい。
キラル剤(カイラル剤)としては、特に制限はなく、公知の化合物(例えば、液晶デバイスハンドブック、第3章4−3項、TN(Twisted Nematic)、STN(Super Twisted Nematic)用カイラル剤、199頁、日本学術振興会第142委員会編、1989に記載)、イソソルビド、および、イソマンニド誘導体等を用いることができる。
キラル剤は、一般に不斉炭素原子を含むが、不斉炭素原子を含まない軸性不斉化合物または面性不斉化合物もキラル剤として用いることができる。軸性不斉化合物または面性不斉化合物の例には、ビナフチル、ヘリセン、パラシクロファンおよびこれらの誘導体が含まれる。キラル剤は、重合性基を有していてもよい。キラル剤と液晶化合物とがいずれも重合性基を有する場合は、重合性キラル剤と重合性液晶化合物との重合反応により、重合性液晶化合物から誘導される繰り返し単位と、キラル剤から誘導される繰り返し単位とを有するポリマーを形成することができる。この態様では、重合性キラル剤が有する重合性基は、重合性液晶化合物が有する重合性基と、同種の基であるのが好ましい。従って、キラル剤の重合性基も、不飽和重合性基、エポキシ基またはアジリジニル基であるのが好ましく、不飽和重合性基であるのがより好ましく、エチレン性不飽和重合性基であるのがさらに好ましい。
また、キラル剤は、液晶化合物であってもよい。
キラル剤が光異性化基を有する場合には、塗布、配向後に活性光線などのフォトマスク照射によって、発光波長に対応した所望の反射波長のパターンを形成することができるので好ましい。光異性化基としては、フォトクロミック性を示す化合物の異性化部位、アゾ基、アゾキシ基、シンナモイル基が好ましい。具体的な化合物として、特開2000−147236、特開2002−80478号公報、特開2002−80851号公報、特開2002−179633号公報、特開2002−179668号公報、特開2002−179669号公報、特開2002−179670号公報、特開2002−179681号公報、特開2002−179682号公報、特開2002−302487号公報、特開2002−338575号公報、特開2002−338668号公報、特開2003−306490号公報、特開2003−306491号公報、特開2003−313187号公報、特開2003−313188号公報、特開2003−313189号公報、および、特開2003−313292号公報に記載の化合物を用いることができる。
液晶組成物における、キラル剤の含有量は、重合性液晶化合物量の0.01〜200モル%が好ましく、1〜30モル%がより好ましい。
−−重合開始剤−−
液晶組成物が重合性化合物を含む場合は、液晶組成物は重合開始剤を含有しているのが好ましい。紫外線照射により重合反応を進行させる態様では、使用する重合開始剤は、紫外線照射によって重合反応を開始可能な光重合開始剤であるのが好ましい。光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許第2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許第2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許第2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許第3046127号および同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許第3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報および米国特許第4239850号明細書記載)、ならびに、オキサジアゾール化合物(米国特許第4212970号明細書記載)等が挙げられる。
液晶組成物中の光重合開始剤の含有量は、重合性液晶化合物の含有量に対して0.1〜20質量%であるのが好ましく、0.5〜12質量%であるのがさらに好ましい。
−−架橋剤−−
液晶組成物は、硬化後の膜強度向上、耐久性向上のため、任意に架橋剤を含有していてもよい。架橋剤としては、紫外線、熱、および、湿気等で硬化するものが好適に使用できる。
架橋剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の多官能アクリレート化合物;グリシジル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテル等のエポキシ化合物;2,2−ビスヒドロキシメチルブタノール−トリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、4,4−ビス(エチレンイミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン等のアジリジン化合物;ヘキサメチレンジイソシアネート、ビウレット型イソシアネート等のイソシアネート化合物;オキサゾリン基を側鎖に有するポリオキサゾリン化合物;ビニルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン化合物などが挙げられる。また、架橋剤の反応性に応じて公知の触媒を用いるのができ、膜強度および耐久性向上に加えて生産性を向上させることができる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
架橋剤の含有量は、液晶組成物の固形分質量に対して、3〜20質量%が好ましく、5〜15質量%がより好ましい。架橋剤の含有量が上述の範囲内であれば、架橋密度向上の効果が得られやすく、コレステリック液晶相の安定性がより向上する。
−−重合禁止剤−−
液晶組成物は、保存性の向上を目的として、重合禁止剤を含有してもよい。
重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、フェノチアジン、ベンゾキノン、ヒンダードアミン(HALS)、および、これらの誘導体等が挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
重合禁止剤の含有量は、液晶組成物の固形分質量に対して、0〜10質量%が好ましく、0〜5質量%がより好ましい。
液晶組成物は、コレステリック液晶層を形成する際には、液体として用いられるのが好ましい。
液晶組成物は溶媒を含んでいてもよい。溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、有機溶媒が好ましく用いられる。
有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンおよびシクロペンタノン等のケトン類、アルキルハライド類、アミド類、スルホキシド類、ヘテロ環化合物、炭化水素類、エステル類、ならびに、エーテル類などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、環境への負荷を考慮した場合にはケトン類が好ましい。上述の単官能重合性モノマーなどの上述の成分が溶媒として機能していてもよい。
ここで、前述のように、キラル剤としては、シンナモイル基などの光で異性化する部分(光異性化基)を有するキラル剤が利用可能である。液晶組成物のキラル剤として、光異性化基を有するキラル剤を用いた場合には、液晶組成物を塗布した後、マスク等を用いて、弱い紫外線をパターニングして照射することを1回以上行って、光異性化基を異性化し、その後、液晶組成物をコレステリック液晶相の状態とし、コレステリック液晶相を固定化するための紫外線の照射を行ってもよい。
あるいは、マスク等を用いてコレステリック液晶相を固定化するための強い紫外線をパターニングして照射することで部分的に硬化させた後に、未露光部または全面に弱い紫外線を照射することで光異性化基を異性化し、その後、コレステリック液晶相を固定化するための紫外線の照射を行ってもよい。
これにより、コレステリック液晶層34が、波長領域の異なる複数の色の光を、選択的に反射するようにできる。
また、紫外線照射時の温度を調節することで、反射波長領域を調節することも可能である。温度を調節しながら、紫外線をパターニングして照射することで、コレステリック液晶層34が、面内に、異なる波長領域の光を選択的に反射する反射領域を、複数、有する構成にできる。特に、液晶組成物の等方相温度以上に加熱した状態で、紫外線照射をすることで、いずれの波長領域にも反射特性を持たない透過領域を面内に形成することができる。
コレステリック液晶層34は、一例として、前述の液晶組成物を用いる塗布法で形成できる。
まず、目的とする円偏光方向に対応する捩れを誘起する感光性のキラル剤、重合性液晶化合物、重合開始剤および配向剤等を含有する液晶組成物を調製する。
例えば、HUD10が緑色のモノクロ画像を表示する場合には、緑色光を選択的に反射し、それ以外の光を透過するコレステリック液晶層、すなわち、緑色光の波長領域に選択反射中心波長を有するコレステリック液晶層を形成するように、液晶組成物を調製する。
次いで、調製した液晶組成物をコレステリック液晶層34の形成面に塗布する。コレステリック液晶層34の形成面としては、一例として、支持体となる樹脂フィルムが例示される。
次いで、液晶組成物を加熱することにより、液晶組成物をコレステリック液晶相の状態とし、かつ、硬化することにより、コレステリック液晶層34を形成する。
あるいは、液晶組成物を加熱することにより、液晶組成物をコレステリック液晶相の状態とし、さらに、必要に応じて液晶組成物に紫外線を照射して硬化することにより、コレステリック液晶層34を形成する。
なお、コレステリック液晶層34の厚さには、制限は無く、選択的に反射する可視光の波長、および、目的とする反射率等に応じて、適宜、設定すればよい。
前述のように、偏光依存拡散シートは、コレステリック液晶層34を1層のみ有するものでもよく、あるいは、複数層のコレステリック液晶層34を有するものでもよい。
拡散板24としての偏光依存拡散シートが、コレステリック液晶層34を1層のみ有する場合には、HUD10は、モノクロ画像の表示を行うものとなる。
すなわち、偏光依存拡散シートは、緑色光を選択的に反射して、それ以外の光を透過するコレステリック液晶層34を有する、緑色のモノクロ画像の表示に対応するものでもよい。あるいは、偏光依存拡散シートは、赤色光を選択的に反射して、それ以外の光を透過するコレステリック液晶層34を有する、赤色のモノクロ画像の表示に対応するものでもよい。あるいは、偏光依存拡散シートは、青色光を選択的に反射して、それ以外の光を透過するコレステリック液晶層34を有する、青色のモノクロ画像の表示に対応するものでもよい。
偏光依存拡散シートは、緑色光を選択的に反射して、それ以外の光を透過する緑色光コレステリック液晶層と、赤色光を選択的に反射して、それ以外の光を透過する赤色光コレステリック液晶層との、2層を積層したコレステリック液晶層34を有する、フルカラー画像の表示に対応するものでもよい。この偏光依存拡散シートでは、緑色光コレステリック液晶層において、コレステリック液晶層の選択反射中心波長を青色光の波長領域寄りにし、かつ、選択反射帯域(半値幅)を広くすることで、フルカラー画像の表示に対応できる。
また、偏光依存拡散シートは、赤色光を選択的に反射して、それ以外の光を透過する赤色光コレステリック液晶層と、青色光を選択的に反射して、それ以外の光を透過する青色光コレステリック液晶層との、2層を積層したコレステリック液晶層34を有する、フルカラー画像の表示に対応するものでもよい。この偏光依存拡散シートでは、両層の選択反射帯域を広くすることで、フルカラー画像の表示に対応できる。
さらに、偏光依存拡散シートは、赤色光を選択的に反射して、それ以外の光を透過する赤色光コレステリック液晶層と、緑色光を選択的に反射して、それ以外の光を透過する緑色光コレステリック液晶層と、青色光を選択的に反射して、それ以外の光を透過する青色光コレステリック液晶層との、3層を積層したコレステリック液晶層34を有する、フルカラー画像の表示に対応するものでもよい。
前述のように、偏光依存拡散シートのコレステリック液晶層34は、所定の円偏光を拡散反射するものである。
円偏光を拡散反射するコレステリック液晶層34は、透明層を用いたり、配向処理(ラビングなど)を省くことで、液晶化合物の配向方向を乱すことで、形成できる。
(コレステリック液晶層の拡散反射率の調節)
選択反射波長における拡散反射率が高く、ヘイズ値が低いコレステリック液晶層34は、層の少なくとも一方の表面、好ましくは層の両表面で液晶分子のチルト角が小さく、かつ液晶分子の面内配向方位をランダムとすることにより得られる。すなわち、液晶分子のチルト角および面内配向方位を調節することにより、選択反射波長における拡散反射率が50%以上であり、かつ、非偏光可視光に対するヘイズ値が低い5%以下であるコレステリック液晶層を形成することができる。コレステリック液晶層表面近傍の液晶配向方向、チルト角はコレステリック液晶層断面の膜表面近傍を透過電子顕微鏡(TEM(Transmission Electron Microscope))像などで確認すればよい。
コレステリック液晶層表面の液晶分子のチルト角と面内配向方位とを上述のように調節することにより、最表面でコレステリック液晶相の螺旋軸の傾きを有する構成を実現することができる。螺旋軸の傾きを有するとは、面内に後述の螺旋軸の傾きが2°以上である位置があることを意味する。最表面でコレステリック液晶相の螺旋軸の傾きを有する構成とすることにより、コレステリック液晶相の螺旋軸は面内で僅かなうねりを持って分布させることができると考えられる。すなわち、層の法線方向から、螺旋軸のずれを、生じさせることができる。この螺旋軸のずれにより、光を拡散反射する散乱性の層となる。この層の内部には、複数の配向欠陥が存在しうる。
コレステリック液晶層34を、最表面の螺旋軸の傾きが面内で変化しているように構成することにより、拡散反射率が高い散乱性の層とすることができる。なお、「螺旋軸の傾きが変化している」とは、例えば、表面の任意の直線上で一定間隔で螺旋軸の傾きを測定すると、直線進行方向で増加および減少が確認される状態を示す。増加および減少は、好ましくは繰り返されており、変化は好ましくは連続的である。
螺旋軸の傾きが面内で変化している最表面は、コレステリック液晶層34のいずれか一方(最上面または最下面)であってもよく、両方(最上面および最下面)であってもよいが、両方であるのが好ましい。
さらに、螺旋軸の傾きの最大値を20°以下とすることにより、ヘイズ値(可視光波長領域)を5%以下程度に低く調節できる。螺旋軸の傾きの最大値は2〜20°が好ましく、5〜20°がより好ましい。
本明細書において、「チルト角」とは、傾斜した液晶分子が層平面となす角度を意味し、液晶化合物の屈折率楕円体において最大の屈折率の方向が層平面となす角度のうち、最大の角度を意味する。従って、正の光学的異方性を持つ棒状液晶化合物では、チルト角は棒状液晶化合物の長軸方向すなわちダイレクター方向と層平面とのなす角度を意味する。
液晶分子の面内配向方位とは、液晶分子の上述の最大の屈折率の方向の、層と平行な面内での方位を意味する。面内配向方位がランダムであるとは、面内の液晶化合物分子の面内配向方位の平均方位と4°以上異なる面内配向方位を有する液晶分がTEMにて10〜20%で確認できる状態を意味する。
コレステリック液晶層34を形成する際における重合性液晶化合物の配向の際の、下層側表面にある液晶分子のチルト角は0〜20°が好ましく、0〜10°がより好ましい。上述の値にチルト角を制御することにより、配向欠陥の密度と、螺旋軸の傾斜角度分布を好ましい範囲とすることができる。
コレステリック液晶層を形成する際の重合性液晶化合物の配向の際には、下層側表面の液晶分子のチルト角(プレチルト角)を上述のように低く、好ましくは水平にし、かつ、液晶分子の配向均一性を低下させるために、液晶組成物を塗布する後述の透明層および基材、または、他のコレステリック液晶層の表面にラビングなどの配向処理をしないことが好ましい。また、コレステリック液晶層の空気界面側の液晶分子を水平にするために、水平配向剤を使用するのが好ましい。
(透明層)
コレステリック液晶層34を有する偏光依存拡散シートは、コレステリック液晶層(コレステリック液晶層34)の形成の際に液晶組成物が塗布される下層として、透明層を含んでいてもよい。透明層は、その表面に設けられる液晶組成物中の重合性液晶化合物分子に対して低いプレチルト角を与える材料からなる層を好ましく用いることができる。
透明層としては、例えば、(メタ)アクリレートモノマー、ウレタンモノマーなどを含む非液晶性の重合性組成物を塗布硬化したものを用いることができる。例えば、(メタ)アクリレートモノマーを含む層を塗布硬化して得られる(メタ)アクリル層は面内において等方的であるため、(メタ)アクリル層表面にラビング処理を施さずに液晶層を形成すると、(メタ)アクリル層に接している液晶の面内配向方位はランダムとなる。
そのため(メタ)アクリル層表面に液晶組成物を塗布して形成されるコレステリック液晶層を配向欠陥を有する層とすることができる。
そして、配向欠陥を有する液晶層上に液晶層を形成すると、同様に配向欠陥を有する液晶層を形成することができる。
透明層の材料としては、上述のもののほか、ポリイミド(日産化学社製、ポリイミドワニスのサンエバー130など)、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、および、変性ポリアミドなどの樹脂などを用いてもよい。拡散反射率の高いコレステリック液晶層の形成のため、液晶組成物を塗布する透明層の表面は、ラビング処理を行わないのが好ましい。ラビング処理とは、例えば、ポリマー層の表面を紙または布等で一定方向に擦ることによる、ラビング処理である。
透明層の厚さは0.01〜50μmが好ましく、0.05〜20μmがより好ましい。
コレステリック液晶層34を用いる偏光依存拡散シートは、λ/4板36を有する。偏光依存拡散シートを拡散板24として用いる場合には、偏光依存拡散シートは、プロジェクタ20側にλ/4板36を向けて配置される。
λ/4板とは、ある特定の波長の直線偏光を円偏光に変換し、また、ある特定の波長の円偏光を直線偏光に変換する機能を有する板である。λ/4板とは、言い換えると、λ/4機能を有する板である。より具体的には、所定の波長λnmにおける面内レターデーション値がRe(λ)=λ/4(または、この奇数倍)を示す板である。この式は、可視光域のいずれかの波長において達成されていればよい。可視光域のいずれかの波長としては、例えば、550nmが例示される。
λ/4板36において、波長550nmの面内レターデーションRe(550)は特に制限はないが、115〜165nmが好ましく、120〜150nmがより好ましく、125〜145nmがさらに好ましい。なお、λ/4板36が、光学異方性層の他に、支持体等を含む場合でも、λ/4板36全体で、上述の面内レターデーションの範囲を示すのが好ましい。なお、面内レターデーションRe(550)は、例えば、AxoScan OPMF−1(オプトサイエンス社製)で測定すればよい。
λ/4板36は、公知のλ/4板が、各種、利用可能である。
また、コレステリック液晶層34を有する偏光依存拡散シートは、必要に応じて、コレステリック液晶層34を挟むようにλ/4板36を設けてもよく、この際には、例えば、後述する光吸収板30としてP波を吸収するものを用いてもよい。
前述のように、プロジェクタ20は、拡散板24にS波の投写光を入射する。拡散板24(偏光依存拡散シート)は、S波は拡散反射して、P波を透過するものである。従って、プロジェクタ20が照射した投写光は、基本的に、全て、拡散板24によって拡散反射され、実像化(面光源化)される。
拡散板24によって拡散反射された投写光は、第1ミラー26に入射して拡大反射され、次いで、第2ミラー28によって拡大反射されて、ダッシュボード14に設けられた透過窓14wに入射する。
第1ミラー26および第2ミラー28は、共に、公知のHUDの投写ユニットに用いられる公知の拡大鏡が、各種、利用可能である。第1ミラー26および第2ミラー28としては、好ましくは、自由曲面ミラーが利用される。
図示例の投写ユニット12は、2枚のミラーを有する。しかしながら、本発明の投写ユニットにおいて、拡散板24が拡散反射した投写光を反射するミラーは、図示例の2枚に限定はされず、1枚であってもよく、3枚以上であってもよい。
ここで、前述のように、近年では、HUD10による表示画像(投写画像)の視野角の拡大が望まれている。HUD10で表示する画像の視野角を拡大するためには、プロジェクタ20からウインドシールド16までの光路長を長くする必要がある。ところが、プロジェクタ20からウインドシールド16までの光路長を長くするにしたがって、投写ユニットが大型化する。しかしながら、車載用途等においては、投写ユニット12が配置されるダッシュボード14の下方の空間は狭く、投写ユニットの大型化は好ましくない。
これに対して、ミラーを2枚以上、有することにより、好ましくは自由曲面ミラーを2枚以上、有することにより、投写ユニット12の大型化を十分に抑制しつつ、光路長を長くして、HUD10による表示画像の視野角の拡大に対応することが可能になる。
本発明において、HUD10による表示画像の視野角(横×縦)は、本発明の効果がより顕著に得られる点から、10×3°以上が好ましく、14×6°以上がより好ましく、20×10°以上がさらに好ましい。
第1ミラー26および第2ミラー28によって反射された投写光は、ダッシュボード14に設けられた透過窓14wに入射して、透過し、ウインドシールド16に投写され、ウインドシールド16にHUD10による画像が表示される。
前述のように、プロジェクタ20が投写するのは直線偏光である。ここで、投写ユニット12は、ウインドシールド16にS波の投写光を入射するように、第1ミラー26および第2ミラー28を設けるのが好ましい。
一例として、前述のように、投写ユニット12において、プロジェクタ20は、S波を拡散板24に投写し、拡散板24は、S波を拡散反射してP波を透過する。さらに、投写ユニット12は、第1ミラー26にもS波の投写光を入射し、第2ミラー28にもS波の投写光を入射して、ウインドシールド16にS波の投写光を入射するように、第1ミラー26および第2ミラー28を設ける。
ウインドシールド16等のガラス(透明板)に直線偏光を入射した場合には、P波に比べ、S波の反射率は非常に高い。そのため、HUD10において、ウインドシールド16にS波を入射することにより、高い光の利用効率で画像を表示できる。
透過窓14wは、HUDを搭載する車両のダッシュボードに設けられる、投写ユニット12からの投写光を透過させるための公知のもの(カバー)であり、例えば、ポリカーボネートで形成される。
なお、透過窓14wは、例えば透過窓14wによる外光の反射等を防止するために、ウインドシールド16の形状、ダッシュボード14の形状、および、ダッシュボード14における透過窓14wの位置等に応じた、任意の形状を取りうる。
ウインドシールド16も、HUDを搭載する車両に用いられる公知のウインドシールド(風防)である。
従って、ウインドシールド16は、通常の合わせガラスからなるウインドシールドでもよく、二重像を解消するために合わせガラスの間に中間層を設けた楔形のウインドシールドでもよく、合わせガラスの間、または、中間層と内面側ガラスとの間にハーフミラーを設けたウインドシールドでもよい。
あるいは、本発明の投写ユニット12を用いるHUDは、ウインドシールドに投写像を投写するのではなく、いわゆるコンバイナーに投写像を投写するHUD(コンバイナーHUD)であってもよい。
図示例の投写ユニット12において、偏光依存拡散シートである拡散板24の第1ミラー26と逆側には、光吸収板30が設けられる。すなわち、光吸収板30は、投写光の光路の延長上に、第1ミラー26と共に拡散板24を挟むように設けられる。
光吸収板30は、好ましい態様として設けられるものであり、後述する拡散板24を透過したP波を吸収することにより、投写ユニット12内に迷光が生じることを防止するものである。
このような光吸収板30は、黒色の板状物等、可視光を吸収可能なものであれば、各種の光吸収材が利用可能である。
なお、一般的に、車両に搭載されるHUDにおいて、投写ユニット12は黒色のハウジング(ケーシング)に収納されている。このように、投写ユニット12内で迷光が生じても、迅速に吸収できる場合には、光吸収板30は、必ずしも設けなくてもよい。
本発明の投写ユニット12は、プロジェクタ20による投写光の光路において、拡散板24(偏光依存拡散シート)よりも下流に、300〜420nmの光の透過率が30%以下であるフィルタを有するのが好ましい。なお、下流とは、プロジェクタ20による投写光の進行方向の下流である。以下の説明では、300〜420nmの光の透過率が30%以下であるフィルタを、便宜的に『UVカットフィルタ』ともいう。
図示例の投写ユニット12(HUD10)においては、プロジェクタ20による投写光の光路における、拡散板24とダッシュボード14の透過窓14wとの間に、UVカットフィルタを有するのが好ましい。
なお、UVカットフィルタにおける300〜420nmの光の透過率は、分光光度計(例えば、島津製作所製のUV−3600)を用いて測定すればよい。
本発明の投写ユニット12において、プロジェクタ20による投写光の光路の拡散板24よりも下流に、UVカットフィルタを設けることにより、後述するように侵入してきた太陽光などの外光による拡散板24(偏光依存拡散シート)等の劣化を防止でき、侵入してきた外光に対する耐光性を向上できる。
本発明において、UVカットフィルタは、300〜420nmの光の透過率が30%以下であれば、公知の各種のフィルタが利用可能である。好適なUVカットフィルタとしては、一例として、紫外線吸収剤を含むUVカットフィルタが例示される。
本発明において、紫外線吸収剤は、一般的な380nm以下の波長領域の紫外線を吸収する汎用紫外線吸収剤と、紫外線領域と可視光領域の境界近傍(380〜430nm付近)の光までカットできる可視光線吸収色素の2種を定義する。
汎用紫外線吸収剤は、一般的に380nm以下の波長領域の紫外線を吸収する能力に特化しており、紫外線領域と可視光領域の境界近傍(380〜430nm付近)の光線を吸収する能力は優れていない。そのため、汎用紫外線吸収剤を含有させることのみで、紫外線領域と可視光領域の境界近傍(380〜430nm)の光線をカットするためには、後述する一部の長波長紫外線吸収を除いて、高濃度に含有させる必要がある。
紫外線領域、および、紫外線領域と可視光領域の境界近傍(380〜430nm)の波長カットを、単独の汎用紫外線吸収剤により達成可能な紫外線吸収剤としては、あくまで一例であるが、市販の汎用紫外線吸収剤としては2−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−第三ブチル−4−メチルフェノール、および、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシ−3−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン等の構造で記される化合物などが挙げられる。
一方、可視光線吸収色素は、一般に可視光短波長領域のカット性能に優れるが、380nm以下の紫外線領域のカット能力に乏しい。そのため、可視光線吸収色素を含有させることのみで、汎用紫外線領域の光線をカットするためには、後述する一部の可視光線吸収色素を除いて、高濃度に含有させる必要がある。
また、可視光線吸収色素は、一般的に広範囲にわたる波長領域をブロードにカットする性質のものが多く、高濃度に含有させる場合、目的とする波長領域よりもさらに長波長側の可視光領域を吸収するため、優れた透明性を実現できない問題点を有する。
また、特に波長380〜440nmの領域における紫外線領域と可視光領域の境界近傍を狭帯域でカットする性質を有する可視光線吸収色素は、種類が多くなく、特定の構造をもつ可視光線吸収色素を選定して使用することが望まれる。紫外線領域、および、紫外線領域と可視光領域の境界近傍(380〜430nm)の波長カットを、単独添加により達成可能な可視光線吸収色素としては、たとえば、BASF社製の「LumogenF Violet570」などが挙げられる。
汎用紫外線吸収剤および/または可視光線吸収色素にはそれぞれ得意とする領域が存在していることから、高濃度添加によるブリードアウト、それに伴う工程汚染を防ぐためには、1種類以上の紫外線吸収剤と1種類以上の可視光線吸収色素を効果的に組み合わせる手法がより好ましい。
UVカットフィルタは、1種類以上の汎用紫外線吸収剤と、1種類以上の可視光線吸収色素を含有させると、透明性、ブリードアウト抑制性を維持したまま、前述の光線透過率を容易に達成できるため好ましい。
UVカットフィルタにおいて、1種類以上の汎用紫外線吸収剤と、1種類以上の可視光線吸収色素を組み合わせて、前述の光線透過率を達成する場合において利用可能な汎用紫外線吸収剤としては、前述の2種類の汎用紫外線吸収剤以外にも、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ベンゾエート系、トリアジン系、ベンゾオキサジノン系、サリチル酸系、および、ベンゾオキサジン系等をはじめとする、多種骨格構造の紫外線吸収剤を利用することができる。
2種以上の汎用紫外線吸収剤および/または可視光線吸収色素を併用する場合は、互いに同じ骨格構造の紫外線吸収剤であってもよく、異なる骨格構造を有する紫外線吸収剤を組み合わせてもよい。
以下に、具体例を例示するが、極大波長が320〜380nmの波長領域に存するものに対しては化合物名の後に(※)を付している。
UVカットフィルタで利用する紫外線吸収剤は、波長320〜380nmの間に極大吸収波長を有する汎用紫外線吸収剤であるのが好ましい。極大波長が320nmより小さい場合、長波長側の紫外線領域を十分にカットすることは難しい。また、380nmを超えて430nm以下の可視光短波長領域に最大となる極大波長を有する色素との組み合わせを行った場合であっても、波長300〜380nmにおける領域内において10%以上の光線透過率を示す領域が発生してしまうことが多い。そのため、波長300〜380nmの紫外線領域における光線透過率の最大値を10%以下とするためには(※)を付した紫外線吸収剤を利用することが好ましい。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、制限はないが、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール(※)、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ第三ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール(※)、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ第三ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(※)、2−(2’−ヒドロキシ−3’−第三ブチル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール(※)、2−(2’−ヒドロキシ−3’−第三ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(※)、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ第三アミルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(※)、2−(2’−ヒドロキシ−3’−(3”,4”,5”,6”−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5’−メチルフェニル)−ベンゾトリアゾール(※)、2−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−第三ブチル−4−メチルフェノール(※)、2,2’−メチレンビス(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール(※)、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ第三ペンチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−第三オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、および、2,2’−メチレンビス(4−第三オクチル−6−ベンゾトリアゾリル)フェノール(※)、などが挙げられる。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、制限はないが、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン(※)、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−ベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシ−ベンゾフェノン、および、5,5’−メチレンビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)、などが挙げられる。
ベンゾエート系紫外線吸収剤としては、制限はないが、例えば、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4−ジ第三ブチルフェニル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2,4−ジ第三アミルフェニル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2,6−ジ第三ブチルフェニル−3’,5’−ジ第三ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、および、オクタデシル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートなどが挙げられる。
トリアジン系紫外線吸収剤としては、制限はないが、2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシフェニル)−4,6−ジフェニル−s−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−プロポキシ−5−メチルフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−s−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシフェニル)−4,6−ジビフェニル−s−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−s−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−エトキシフェニル)−s−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−プロポキシフェニル)−s−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−s−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシ−3−メチルフェニル)−s−トリアジン(※)、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)−s−トリアジン、2−(4−イソオクチルオキシカルボニルエトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−s−トリアジン、および、2−(4,6−ジフェニル−s−トリアジン−2−イル)−5−(2−(2−エチルヘキサノイルオキシ)エトキシ)フェノールなどが挙げられる。
ベンゾオキサジノン系紫外線吸収剤としては、制限はないが、2,2’−p−フェニレンビス(4H−3,1−ベンゾオキサジンー4−オン)(※)、2,2’−p−フェニレンビス(6−メチル−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−p−フェニレンビス(6−クロロ−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)(※)、2,2’−p−フェニレンビス(6−メトキシ−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−p−フェニレンビス(6−ヒドロキシ−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−(ナフタレン−2,6−ジイル)ビス(4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)(※)、2,2’−(ナフタレン−1,4−ジイル)ビス(4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)(※)、および、2,2’−(チオフェン−2,5−ジイル)ビス(4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)(※)などが挙げられる。
その他の紫外線吸収剤として、サリチル酸系では、たとえば、フェニルサリチレート、t−ブチルフェニルサリチレート、および、p−オクチルフェニルサリチレート等、その他では、天然物系(たとえば、オリザノール、シアバター、バイカリン等)、および、生体系(たとえば、角質細胞、メラニン、ウロカニン等)なども利用できる。これらの紫外線吸収剤には、安定剤としてヒンダードアミン系化合物も併用してもよい。
無機系の紫外線吸収剤は、ベースとなる樹脂と相溶せず、光拡散を引き起こしてヘイズの上昇につながり、画像表示した際の視認性を悪化させるため、UVカットフィルタに利用するのは好ましくない場合もある。
UVカットフィルタに用いられる紫外線吸収剤は、少なくとも1種類がトリアジン骨格構造を有する紫外線吸収剤であるのが好ましい。
トリアジン骨格構造は、その他一般的に紫外線吸収剤に利用されるベンゾトリアゾール骨格構造およびベンゾフェノン骨格構造等と比較して熱分解温度が高く、長期の安定性に優れることが知られており、長期の性能保持が要求されるHUD10に用いられる投写ユニット12等に用いられるUVカットフィルタに好適である。また、融点が低いことから紫外線吸収剤自身の固体成分としての表面析出が抑制されるだけでなく、オリゴマー、および、その他昇華性の高い紫外線吸収剤を析出させにくくする効果を奏することからも、好ましく利用できる。
UVカットフィルタにおいて、1種類以上の汎用紫外線吸収剤と1種類以上の可視光線吸収色素を組み合わせて、上述の光線透過率を達成する場合において利用可能な可視光線吸収色素として、先に述べた可視光線吸収色素以外も選択可能である。
UVカットフィルタに用いられる可視光線吸収色素としては、必要に応じて用いられる硬化性樹脂への添加目的として、溶剤に溶解可能で彩度に優れた染料を利用しても良く、樹脂への練り混み目的として、染料よりも耐熱性および耐湿熱性等に優れている顔料を用いてもよい。顔料は、有機顔料、無機顔料、および、クラシカル顔料に大別することができるが、添加対象である熱可塑性樹脂および硬化性樹脂等との相溶性の観点から鑑みて、有機顔料を利用することが好ましい。
可視光線吸収色素の構造には、制限はないが、βナフトール系,ナフトールAS系,アセト酢酸アリールアミド系,アセト酢酸アリールアミド系,ピラゾロン系,βオキシナフトエ酸系などのアゾ系、銅フタロシアニン,ハロゲン化銅フタロシアニン,無金属フタロシアニン,銅フタロシアニンレーキなどのフタロシアニン系、その他、アゾメチン系、アニリン系、アリザリン系、アントラキノン系、イソインドリノン系、イソインドリン系、インドール系、キナクリドン系、キノフタロン系、ジオキサジン系、チオインジゴ系、トリアジン系、ナフタルイミド系、ニトロン系、ペリノン系、ペリレン系、ベンゾオキサジン系、ベンゾトリアゾール系、および、その他天然有機色素等が挙げられる。
UVカットフィルタに用いる可視光線吸収色素は、390〜410nmの波長領域に極大波長を有することがより好ましい。410nmより長波長領域に極大波長を有するものを選択した場合、非常に狭帯域のカット性能を有する色素を選択しない限り、光源の発光帯域における平均透過率が80%を下回る場合がある。
390〜410nmの波長領域に極大波長を有し、狭い帯域で吸収性能を発揮可能な可視光線吸収色素としては、アントラキノン、アゾメチン、インドール、トリアジン、ナフタルイミド、フタロシアニン、および、トリアジンのいずれかの骨格を有するものを好ましく用いることができる。
UVカットフィルタに含有させる汎用紫外線吸収剤、可視光線吸収色素の処方として、汎用紫外線吸収剤と可視光線吸収色素の含有量の和c[wt%]とフィルム厚みt[μm]との積で表される吸収性能の指標c×tが、80[wt%・μm]以下を満足するのが好ましい。より好ましくは50[wt%・μm]以下、さらに好ましくは30[wt%・μm]以下である。
指標c×tを80wt%以下とすることにより、特に薄膜フィルムの場合には、汎用紫外線吸収剤および/または可視光線吸収色素の添加濃度を低くできるために、透過率の低下に起因するフィルムのヘイズの上昇を抑制でき、HUD10(投写ユニット12)等に実装した場合に、視認性が悪化することを防止できる。
以下、HUD10の作用を説明することにより、本発明の投写ユニット12について、より詳細に好ましい例を説明する。
前述のように、プロジェクタ20は直線偏光を投写(照射)するものであり、拡散板24に、画像を表示するための投写光(破線)として、S波を投写する。
拡散板24は偏光依存拡散シートであり、S波を拡散反射して、P波を透過する。従って、拡散板24は、S波であるプロジェクタ20からの投写光を拡散反射して、投写像を実像化(面光源化)する。
拡散板24によって拡散反射された直線偏光の投写光は、S波として第1ミラー26に入射して拡大反射され、次いで、S波として第2ミラー28に入射して拡大反射される。
第2ミラー28によって拡大反射された投写光は、ダッシュボード14に設けられた透過窓14wを透過して、S波としてウインドシールド16に投写され、HUD10による画像が表示される。
ここで、HUD10を搭載する車両には、HUD10による画像の表示中に、ウインドシールド16等から外光、例えば、太陽光が入射する。
ウインドシールド16から入射した外光が、画像を表示する投写光と同じ光路を逆に進むと、図3に一点鎖線で示すように、ダッシュボード14に設けられた透過窓14wを透過して投写ユニット12内に侵入し、第2ミラー28および第1ミラー26によって反射されて、拡散板24に入射する。
ここで、通常の拡散板を用いる投写ユニットでは、拡散板に入射した全てまたは一部の外光が、拡散板による実像に重複してしまい、表示画像の暗部が明るくなってしまう等、HUDによる表示画像の視認性が、大幅に低下してしまう。
これに対し、本発明の投写ユニット12では、前述のように、拡散板24は偏光依存拡散シートであり、S波は拡散反射するが、P波は透過する、偏光に依存する反射特性を有する。
従って、拡散板24(偏光依存拡散シート)に入射した外光のうち、プロジェクタ20からの投写光におけるS波と同方向の直線偏光の成分は、拡散板24によって拡散反射されるが、プロジェクタ20からの投写光におけるP波と同方向の直線偏光の成分(以下、便宜的に『直線偏光成分P』とも言う)は、拡散板24を透過する。
すなわち、拡散板24に入射した外光のうち、約半分のS波に対応する成分は、拡散板24によって拡散反射されて、拡散板24による実像すなわち拡散光に重複されてしまうが、残りの約半分のP波に対応する直線偏光成分Pは、拡散板24を透過するので、拡散板24による実像には重複されない。
従って、本発明の投写ユニット12は、HUD10に利用した際に、拡散板24による実像に重複する外光成分を、約半分に低減することができ、表示画像の視野角の拡大に伴って、透過窓14wが大型化した場合でも、外光に起因するHUD10の表示画像(投写像)の視認性の低下を、大幅に抑制できる。
しかも、本発明の投写ユニットは、通常のHUDに利用される投写ユニットにおいて配置される拡散板に替えて、一方向の直線偏光は拡散反射して、この一方向と直交する直線偏光は透過する、偏光依存拡散シートを拡散板24として配置するのみであるので、外光による表示画像の視認性低下を防止するために、装置が複雑化することも防止できる。
さらに、好ましくは、プロジェクタ20による投写光の光路における拡散板24の下流、一例として拡散板24と透過窓14wとの間に上述したUVカットフィルタを設けることにより、侵入した太陽光などの外光によって拡散板24等が劣化することを抑制でき、外光に対する耐光性を向上できる。
図示例の投写ユニット12は、好ましい態様として、拡散板24から第2ミラー28に到るまで、全て、S波の投写光を入射して、ウインドシールド16にS波の投写光を入射しているが、本発明は、これに限定はされない。
例えば、偏光依存拡散シート(拡散板24)を、P波を拡散反射してS波を透過するものとし、拡散板24から第2ミラー28に到るまで、全て、P波の投写光を入射して、ウインドシールド16にもP波の投写光を入射してもよい。
あるいは、偏光依存拡散シートをP波を拡散反射してS波を透過するものとし、光路中にλ/2板を設ける方法、および、光路中に設けるミラーの反射方向を調節する方法等によって、ウインドシールド16に入射する光をS波とする構成も利用可能である。また、偏光依存拡散シートをS波を拡散反射してP波を透過するものとし、光路中のミラーにはP波を入射し、光路中にλ/2板を設ける方法、および、光路中に設けるミラーの反射方向を調節する方法等によって、ウインドシールド16に入射する光をS波とする構成も利用可能である。
なお、何れの場合であっても、本発明の投写ユニットは、ウインドシールド16には、S波を入射するように構成するのが好ましい。
以上、本発明の投写ユニットについて詳細に説明したが、本発明は上述の例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良および変更等を行ってもよいのは、もちろんである。
以下、本発明の具体的実施例を挙げ、本発明をより詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の実施例に限定はされない。
<偏光依存拡散シート1の作製>
ポリビニルアルコール9質量部と、球相当粒径0.015μmの二酸化チタン微粒子1質量部とを、水90質量部に加え、加熱しながら溶解した。ポリビニルアルコールは、作製する偏光依存拡散シート1の光学的等方性連続相のポリマーマトリックスとなる。
得られた溶液に、液晶(旭電化社製、ADK5029C)2.5質量部を添加し、ホモジナイザーを用いて乳化した。液晶は、作製する偏光依存拡散シート1の光学的異方性不連続相となる。乳化液の状態で測定した光学的異方性不連続相の平均径は0.25μmであった。
透明支持体としてのPET(poly-ethylene terephthalate)フィルムに、得られた乳化液を塗布し、乾燥することで、厚さ60μmの膜を形成した。
形成した厚さ60μmの膜をPETフィルムから剥がして、温度40℃、相対湿度60%の下で2.9倍に一方向に延伸した後に、120℃で3分間加熱し熱固定することで、一軸延伸フィルムからなる偏光依存拡散シート1を作製した。
偏光依存拡散シート1のヘイズは偏光に依存する。偏光依存拡散シート1のヘイズは、延伸方向の直線偏光を入射した場合は70%、延伸方向と直交する方向の直線偏光を入射した場合は45%であった。なお、ヘイズは、日本電色工業社製のSH−4000を用い、JIS K 7136に準拠して測定した。
(屈折率の測定)
偏光依存拡散シート1の作製前に、光学的等方性連続相および光学的異方性不連続相の屈折率を測定した。
ポリビニルアルコール9質量部と球相当粒径0.015μmの二酸化チタン微粒子1質量部を水90質量部に加え、加熱しながら溶解した。前述のように、ポリビニルアルコールは、偏光依存拡散シート1における光学的等方性連続相となるポリマーマトリックスである。
得られた溶液を高屈折率ガラス上に塗布し、乾燥して、ポリビニルアルコール膜を形成した。形成したポリビニルアルコール膜の屈折率を、ナトリウムのD線においてアッベ屈折計で測定したところ、いずれの方向の屈折率も1.521であった。
垂直配向剤を高屈折率ガラス上に滴下し、擦ることで配向膜を作製した。その垂直配向膜上に液晶(旭電化社製、ADK5029C)を滴下し、屈折率をアッベ屈折計で測定した。液晶は、棒状液晶化合物であって、偏光方向(液晶の長軸方向)の屈折率(ne)は1.742、偏光方向と直交する方向(液晶の短軸方向)の屈折率(no)は1.522であった。
<偏光依存拡散シート2の作製>
ポリビニルアルコール9質量部と、球相当粒径0.07μmのシリカ微粒子1質量部とを、水90質量部に加え、加熱しながら溶解した。ポリビニルアルコールは、作製する偏光依存拡散シート1の光学的等方性連続相のポリマーマトリックスとなる。
得られた溶液に、液晶化合物(N−50とN−51の等モル混合物、特開2003−43261号公報参照)2.5質量部を添加し、ホモジナイザーを用いて乳化した。
透明支持体としてのPETフィルムに、得られた乳化液を塗布し、乾燥することで、厚さ40μmの膜を形成した。
形成した厚さ40μmの膜をPETフィルムから剥がして、温度40℃、湿度60%RHの下で2.9倍に一方向に延伸した後に、120℃で3分間加熱し熱固定することで、一軸延伸フィルムからなる偏光依存拡散シート2を作製した。
偏光依存拡散シート2のヘイズは偏光に依存する。偏光依存拡散シート2のヘイズは、延伸方向の直線偏光を入射した場合は80%、延伸方向と直交する方向の直線偏光を入射した場合は40%であった。なお、ヘイズは、先と同様に測定した。
(屈折率の測定)
偏光依存拡散シート1と同様に、製造前に光学的等方性連続相および光学的異方性不連続相との屈折率を測定した。
ポリビニルアルコール9質量部と球相当粒径0.07μmのシリカ微粒子1質量部を水90質量部に加え、加熱しながら溶解した。前述のように、ポリビニルアルコールは、偏光依存拡散シート2における光学的等方性連続相となるポリマーマトリックスである。
得られた溶液を高屈折率ガラス上に塗布し、乾燥して、ポリビニルアルコール膜を形成した。形成したポリビニルアルコール膜の屈折率をナトリウムのD線においてアッベ屈折計で測定したところ、いずれの方向の屈折率も1.506であった。
垂直配向剤を高屈折率ガラス上に滴下し、布でこすることで配向膜を作製した。その垂直配向膜上に液晶化合物(N−50とN−51の等モル混合物)を滴下し屈折率をアッベ屈折計で測定した。液晶は棒状液晶化合物であって、偏光方向(液晶の長軸方向)の屈折率(ne)は1.875、偏光方向と直交する方向(液晶の短軸方向)の屈折率(no)は1.505であった。
<偏光依存拡散シート3の作製>
(コレステリック液晶層を形成するための塗布液の調製)
下記の成分を混合して、コレステリック液晶層を形成するための塗布液を調製した。
・化合物1 80質量部
・化合物2 20質量部
・フッ素系水平配向剤1 0.1質量部
・フッ素系水平配向剤2 0.007質量部
・右旋回性キラル剤LC−756(BASF社製)
処方量は目標の反射波長に合わせて調節
・重合開始剤IRGACURE OXE01(BASF社製) 1質量部
・溶媒(メチルエチルケトン) 溶質濃度が20質量%となる量
・化合物1
・化合物2
・フッ素系水平配向剤1
・フッ素系水平配向剤2
上述のコレステリック液晶層を形成するための塗布液において、キラル剤LC−756の処方量を調節して、塗布液1〜3を調製した。
それぞれの塗布液を用いて、後述するコレステリック液晶層と同様に、同じPETフィルム上に、単一層のコレステリック液晶層を形成して、さらに、コレステリック液晶層の反射特性を分光光度計(日本分光社製、V−670)を用いて確認した。その結果、形成したコレステリック液晶層は、全て右円偏光を反射する層であり、選択反射中心波長は下記の表1のとおりであった。
(コレステリック液晶層の形成)
PETフィルム(東洋紡社製、コスモシャインA4100、厚さ:100μm、片面易接着層)を用意した。
PETフィルムの易接着層の表面に、塗布液1をワイヤーバーを用いて塗布後、乾燥させた。塗布液1を乾燥した後、PETフィルムを30℃のホットプレート上に置き、無電極ランプ(フュージョンUVシステムズ社製、Dバルブ(60mW/cm2))によって、6秒間、紫外線を照射し、コレステリック液晶相を固定して、膜厚7μmの青色光コレステリック液晶層を形成した。
形成した青色光コレステリック液晶層の表面に、さらに、塗布液2および3によって、順次、同様の工程を繰り返し、青色光コレステリック液晶層、緑色光コレステリック液晶層および赤色光コレステリック液晶層の3層を有するコレステリック液晶層を作製した。
作製したコレステリック液晶層の反射スペクトルを分光光度計(日本分光社製、V−670)で測定したところ、450、550nm、630nmに選択反射中心波長を有する反射スペクトルが得られた。
(λ/4板を形成するための塗布液の調製)
下記の成分を混合して、λ/4板を形成するための塗布液を調製した。
・化合物1 80質量部
・化合物2 20質量部
・フッ素系水平配向剤1 0.1質量部
・フッ素系水平配向剤2 0.007質量部
・重合開始剤IRGACURE OXE01(BASF社製) 1質量部
・溶媒(メチルエチルケトン) 溶質濃度が30質量%となる量
PETフィルム(東洋紡社製、コスモシャインA4100、厚さ:100μm、片面易接着層)を用意した。
PETフィルムのPET面に、レーヨン布によってラビング処理(圧力:0.1kgf(0.98N)、回転数:1000rpm、搬送速度:10m/min、回数:1往復)を施した。
PETフィルムのラビング処理を施した表面に、調製したλ/4板を形成するための塗布液をワイヤーバーを用いて塗布した。
塗布液を乾燥した後、PETフィルムを30℃のホットプレート上に置き、無電極ランプ(フュージョンUVシステムズ社製、Dバルブ)によって60mW/cm2の紫外線を6秒間照射することによって、液晶相を固定して、厚さ1μmのλ/4板を作製した。
(偏光依存拡散シート3の作製)
作製したコレステリック液晶層を有するPETフィルムと、λ/4板を有するPETフィルム板とを、コレステリック液晶層とλ/4板とが対面するように、粘着剤(綜研化学社製、SK粘着剤)によって貼着して、λ/4板側のPETフィルムを剥離することにより、λ/4板が表面に位置する、コレステリック液晶層とλ/4板とを有する偏光依存拡散シート3を作製した。
偏光依存拡散シート3のヘイズは偏光に依存する。偏光依存拡散シート3のヘイズは、λ/4板の遅相軸方向から45°ずれた直線偏光を入射した場合は80%、この直線偏光と直交する方向の直線偏光を入射した場合は40%であった。なお、ヘイズは、先と同様に測定した。
<光拡散シートの作製>
偏光依存拡散シート1の作製において、厚さ60μmの膜の延伸を、一方向ではなく、直交する二方向に、共に1.7倍、延伸した以外は、偏光依存拡散シート1と同様にして、二軸延伸フィルムからなる光拡散シートを作製した。
作製した光拡散シートのヘイズを、先と同様に測定したところ、偏光の依存性はなく、いずれの方向の直線偏光でも、ヘイズは50%であった。
[実施例および比較例]
作製した偏光依存拡散シートおよび光拡散シートを、図1に示すような投写ユニットの拡散板として組み込んで投写ユニットを作製し、各投写ユニットを用いてHUDを作製した。
拡散板として、偏光依存拡散シート1(一軸延伸フィルム)を組み込んだ投写ユニットは、実施例1、
拡散板として、偏光依存拡散シート2(一軸延伸フィルム)を組み込んだ投写ユニットは、実施例2、
拡散板として、偏光依存拡散シート3(コレステリック液晶層+λ/4板)を組み込んだ投写ユニットは、実施例3、
拡散板として、光拡散シート(二軸延伸フィルム)を組み込んだ投写ユニットは、比較例、である。
投写ユニットにおいて、プロジェクタは直線偏光を投写するものであり、拡散板にはS偏光を入射するようにした。
また、実施例1および2では、S偏光の直線偏光の方向と延伸方向とが一致するように、偏光依存拡散シート1および2を配置し、実施例3では、S偏光の直線偏光の方向とλ/4板の遅相軸の方向とが45°を成すように、偏光依存拡散シート3を配置した。
各実施例および比較例の投写ユニットを用いたHUDにおいて、表示画像(投写画像)を目視によって評価した。なお、表示する画像は速度表示とした。
また、HUDによる画像の表示は、トヨタ社製のプリウスのクサビ型ウインドシールドに画像を投写する場合における、ダッシュボードの透過窓から太陽光が入射する条件の下で行った。投写は、画像の視野角が10×5°(横×縦)となるように行った。
評価は、以下のとおりである。
A: 太陽光下でもHUDの表示画像が視認できた。
B: 太陽光下ではHUDの表示画像が視認できなかった。
結果を下記の表2に示す。

表2に示されるように、拡散板として、一方向の直線偏光は拡散反射し、この一方向と直交する方向の直線偏光は透過する偏光依存拡散シートを拡散板とする本発明の投写ユニットを用いるHUDは、太陽光の下でも、視認性の良好な画像を表示できる。
参考として、偏光依存拡散シート3の作製において、PETフィルムの易接着層とは逆側の面にラビング処理を行って、ラビング処理を行った面に塗布液1〜3を塗布してコレステリック液晶層を形成した以外は、同様にして、コレステリック液晶層とλ/4板とを有するシートを作製した。これにより、ヘイズが2%以下の非散乱シートが得られた。
この非散乱シートを、実施例3と同様にHUDに搭載したところ、画像は視認できなかった。
[実施例4]
上述の偏光依存拡散シート3を、2枚、用意した。
また、UVカットフィルタとして、朝日分光社製のLU0422を用意した。このUVカットフィルタは、波長427nm以上の可視光の透過率は94%を超え、波長427nm付近で急激に透過率が低下し、波長420nmの光の透過率が約20%で、414nmよりも短波長の領域は透過率が1%以下となるフィルタである(カタログ値)。
1枚の偏光依存拡散シート3にはUVカットフィルタを積層し、もう1枚の偏光依存拡散シート3は、そのまま、促進耐候試験機(スガ試験機社製、メタリングウェザーメーターM6T)に挿入した。UVカットフィルタを重ねたサンプルは、UVカットフィルタを光源側として、試験機に挿入した。
次いで、促進耐候試験機において、70℃の環境で、1.5kWで1000時間、2枚の偏光依存拡散シート3に、紫外線領域に強大なエネルギーを持つメタルハライドランプの光を照射した。
光を照射した後、2枚の偏光依存拡散シート3を、それぞれ、上述した[実施例3]と同様にHUDに搭載し、同様に表示画像評価(表示画像の目視評価)を行った。
その結果、いずれの偏光依存拡散シートを用いたHUDも、評価はAであった。しかしながら、UVカットフィルタを積層した偏光依存拡散シート3を用いたHUDは、上述した実施例3と、ほぼ同様の視認性が得られたのに対し、UVカットフィルタを積層しなかった偏光依存拡散シート3を用いたHUDは、大幅に視認性が低かった。
以上の結果より、本発明の効果は明らかである。
車両、航空機、および船舶等に搭載されるHUDに好適に利用可能である。
10 HUD(ヘッドアップディスプレイ)
12 投写ユニット
14 ダッシュボード
14w 透過窓
16 ウインドシールド
20 プロジェクタ
24 拡散板
26 第1ミラー
28 第2ミラー
30 光吸収板
34 コレステリック液晶層
36 λ/4板
P 直線偏光成分

Claims (7)

  1. プロジェクタと、前記プロジェクタが照射した投写光を拡散反射する偏光依存拡散シートと、前記偏光依存拡散シートが拡散反射した光を反射するミラーと、を有し、
    前記偏光依存拡散シートは、一方向の直線偏光を拡散反射し、前記一方向と直交する方向の直線偏光を透過することを特徴とする投写ユニット。
  2. 前記偏光依存拡散シートが、コレステリック液晶相を固定してなる層と、λ/4板と、を有し、前記プロジェクタからの投写光は、前記λ/4板に入射される、請求項1に記載の投写ユニット。
  3. 前記ミラーを、複数枚、有する、請求項1または2に記載の投写ユニット。
  4. 前記ミラーが、自由曲面ミラーである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の投写ユニット。
  5. 前記プロジェクタからの投写光が直線偏光である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の投写ユニット。
  6. 前記プロジェクタは、S波を前記偏光依存拡散シートに入射するものであり、
    前記偏光依存拡散シートは、S波を拡散反射してP波を透過する、請求項5に記載の投写ユニット。
  7. 前記プロジェクタによる投写光の光路の前記偏光依存拡散シートよりも下流に、300〜420nmの光の透過率が30%以下であるフィルタを有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の投写ユニット。
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