JPWO2019044723A1 - プッシュスイッチ - Google Patents

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Abstract

プッシュスイッチは、第1の方向に向かって開口する凹部および凹部に隣接するように設けられた拡張凹部を有するケースと、凹部内に配置された可動部材と、凹部の底面に形成され、可動部材の第1の方向とは反対の方向である第2の方向に位置する第1固定接点部と、凹部の底面に露出する第2固定接点部と、を備える。可動部材が変形することにより、可動部材と第1固定接点部が接触し、第2固定接点部は可動部材と接触する接触部位を有し、第1の方向から見て、拡張凹部は、凹部よりケースの中心から遠くに位置し、凹部および拡張凹部は一体に形成されており、拡張凹部は接触部位の近傍に形成される。

Description

本開示は、一般にプッシュスイッチに関し、より詳細には、可動部材の変形によりオン又はオフするプッシュスイッチに関する。
従来、スイッチ接点部が配置されたケース上が保護シートで覆われた構成のプッシュスイッチが知られている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1に記載のプッシュスイッチは、上方に向かって開口する凹部を有するケース(スイッチケース)を備えている。ケースの凹部の底面(内底面)には、固定接点部(中央固定接点)が設けられている。また、凹部内には、上方凸形のドーム状に湾曲した弾性金属薄板からなる略円形の可動部材(第2可動接点)が配置されている。保護シートは、凹部を覆うようにケース上に配置されている。
このプッシュスイッチの操作時には、保護シートに上方から力が加えられ、その力が可動部材に伝わって、可動部材を変形(弾性反転)させる。これにより、可動部材の下面が固定接点部に接触して、プッシュスイッチがオン状態になる。保護シートに加わる力が無くなると、可動部材が元の形状(上方凸形のドーム状)に変形(弾性復帰)して、プッシュスイッチはオフ状態になる。
特開2008−41603号公報
本開示の一態様に係るプッシュスイッチは、第1の方向に向かって開口する凹部および前記凹部に隣接するように設けられた拡張凹部を有するケースと、前記凹部内に配置された可動部材と、前記凹部の底面に形成され、前記可動部材の前記第1の方向とは反対の方向である第2の方向に位置する第1固定接点部と、前記凹部の前記底面に露出する第2固定接点部と、を備える。前記可動部材が変形することにより、前記可動部材と前記第1固定接点部が接触し、前記第2固定接点部は前記可動部材と接触する接触部位を有し、前記第1の方向から見て、前記拡張凹部は、前記凹部より前記ケースの中心から遠くに位置し、前記凹部および前記拡張凹部は一体に形成されており、前記拡張凹部は前記接触部位の近傍に形成される。
本開示は、削れ粉による操作感触及び電気的特性等の変化が生じにくい、という利点がある。
図1は、本開示の一実施形態に係るプッシュスイッチの分解斜視図である。 図2Aは、本開示の一実施形態に係るプッシュスイッチの平面図である。 図2Bは、本開示の一実施形態に係るプッシュスイッチの正面図である。 図3Aは、本開示の一実施形態に係るプッシュスイッチの保護シート、押圧体及び可動部材を外した状態の平面図である。 図3Bは、図3Aの領域Z1の拡大図である。 図4Aは、本開示の一実施形態に係るプッシュスイッチの保護シートを外した状態の平面図である。 図4Bは、図4Aの領域Z1の拡大図である。 図5Aは、本開示の一実施形態に係るプッシュスイッチの非操作時の断面の概略図である。 図5Bは、本開示の一実施形態に係るプッシュスイッチの操作時の断面の概略図である。 図6は、本開示の一実施形態に係るプッシュスイッチを示す図2AのX2−X2線断面の概略図である。 図7Aは、本開示の一実施形態に係るプッシュスイッチの拡張凹部の一態様を示す断面の概略図である。 図7Bは、本開示の一実施形態に係るプッシュスイッチの拡張凹部の一態様を示す断面の概略図である。 図8Aは、本開示の一実施形態に係るプッシュスイッチの拡張凹部の一態様を示す要部の平面図である。 図8Bは、本開示の一実施形態に係るプッシュスイッチの拡張凹部の一態様を示す要部の平面図である。 図9は、本開示の一実施形態に係るプッシュスイッチの固定接点部を示す要部の斜視図である。 図10Aは、図5Aの領域Z1の拡大図である。 図10Bは、図10Aの領域Z1を拡大した模式図である。 図10Cは、図10Bの領域Z1を拡大した模式図である。 図11Aは、本開示の一実施形態に係るプッシュスイッチの固定接点部の製造方法の一例を示す概略図である。 図11Bは、本開示の一実施形態に係るプッシュスイッチの固定接点部の製造方法の一例を示す概略図である。 図11Cは、本開示の一実施形態に係るプッシュスイッチの固定接点部の製造方法の一例を示す概略図である。 図12Aは、本開示の一実施形態に係るプッシュスイッチの固定接点部の一態様を示す断面の概略図である。 図12Bは、本開示の一実施形態に係るプッシュスイッチの固定接点部の一態様を示す断面の概略図である。 図12Cは、本開示の一実施形態に係るプッシュスイッチの固定接点部の一態様を示す断面の概略図である。 図13Aは、本開示の一実施形態に係るプッシュスイッチの固定接点部の一態様を示す要部の平面図である。 図13Bは、本開示の一実施形態に係るプッシュスイッチの固定接点部の一態様を示す要部の平面図である。 図13Cは、本開示の一実施形態に係るプッシュスイッチの固定接点部の一態様を示す要部の平面図である。 図14Aは、本開示の一実施形態の第1変形例に係るプッシュスイッチの保護シートを外した状態の平面図である。 図14Bは、本開示の一実施形態の第2変形例に係るプッシュスイッチの保護シートを外した状態の平面図である。
上述したような構成の従来のプッシュスイッチでは、可動部材の変形に伴い、ケースの凹部の底面に対して可動部材が擦れることがある。例えば、可動部材に過大な力(荷重)が加わった場合等に、ケース等の削れ粉が発生する可能性がある。このようにして発生した削れ粉が、ケースの凹部の底面における可動部材との接触部位に溜まると、プッシュスイッチの操作感触及び電気的特性等に変化が生じる可能性がある。
本開示のプッシュスイッチは、削れ粉による操作感触及び電気的特性等の変化が生じにくい。
(実施形態)
(1)概要
本実施形態に係るプッシュスイッチ1は、図1〜図4Bに示すように、ケース2と、可動部材3と、接点部4と、を備えている。
ケース2は、凹部21を有する。可動部材3は、受圧部33を有し、凹部21内に配置される。接点部4は、受圧部33が凹部21の底面211に近づく向きに押されて可動部材3が変形することにより、オンとオフとが切り替わる。接点部4は、(第1)固定接点部7と、可動接点部8と、を有している。固定接点部7は、ケース2に固定されている。可動接点部8は、可動部材3における固定接点部7の接触面73と対向する位置に配置されている。可動接点部8は、可動部材3の変形に伴って、接触面73に接触するオン位置(第1の位置)と、接触面73から離れるオフ位置(第2の位置)との間を移動する。つまり、可動接点部8がオン位置(第1の位置)にある状態で接点部4はオンになり、可動接点部8がオフ位置(第2の位置)にある状態で接点部4はオフになる。
この種のプッシュスイッチ1では、可動部材3の変形に伴い、ケース2の凹部21の底面211に対して可動部材3が擦れることがあり、例えば、可動部材3に過大な力が加わった場合等に、ケース2等の削れ粉P1(図3B参照)が発生する可能性がある。詳しくは後述するが、本実施形態では、凹部21の底面211における可動部材3が接触する接触部位212に金属体9が露出している。そのため、接触部位212においては金属体9に対して可動部材3が擦れることになり、金属体9の削れ粉P1が発生する可能性がある。このようにして発生した削れ粉P1が、ケース2の凹部21の底面211における可動部材3が接触する接触部位212に溜まると、プッシュスイッチ1の操作感触及び電気的特性等に変化が生じる可能性がある。
なお、本開示においては、ケース2の凹部21の底面211には金属部材92が露出しており、金属部材92の一部が固定接点部921として機能している。露出している金属部材92が凹部21の底面の一部を構成しているものとして説明する。よって、本開示では、図7A、図7Bなどに示すように、ケース2の凹部21の底面211に露出している固定接点部921(金属部材92の上面)は、ケース2の凹部21の底面211の一部として説明する。同様に、拡張凹部22の底面221に露出している金属部材92の上面は、ケース2の拡張凹部22の底面221の一部として説明する。なお、図7A、図7Bの詳細については後述する。
本実施形態に係るプッシュスイッチ1では、上述したような削れ粉P1への対策として、図3A及び図3Bに示すように、凹部21に隣接する拡張凹部22がケース2に設けられている。つまり、ケース2は、拡張凹部22を更に有している。拡張凹部22は、凹部21の底面211と可動部材3とが接触する接触部位212に隣接している。また、凹部21と拡張凹部22とは一体に形成されている。つまり、ケース2に設けられている凹部は、拡張凹部22により凹部21より拡張されている。本開示でいう「隣接」は、隣り合って続いている状態、つまり互いに隣同士の関係にあることを意味する。また、本開示でいう「拡張」は、範囲を広げて大きくすること、を意味する。つまり、本実施形態では、ケース2は、凹部21の底面211における可動部材3が接触する接触部位212から見て外向きに凹んだ形状の拡張凹部22を有している。そのため、接触部位212にて、ケース2又は金属体9等の削れ粉P1が発生した場合には、削れ粉P1は、凹部21における接触部位212から拡張凹部22内に退避可能である。したがって、プッシュスイッチ1では、削れ粉P1がケース2の凹部21の底面211における可動部材3が接触する接触部位212に溜まりにくく、削れ粉P1による操作感触及び電気的特性等の変化が生じにくい、という利点がある。
また、本実施形態に係るプッシュスイッチ1では、固定接点部7は、図9に示すように、可動接点部8との対向面に接触面73を有し、さらに、接触面73を複数の領域731に分割する溝部74を有する。接触面73が溝部74にて複数の領域731に分割された構成によれば、接点部4としては、可動接点部8が固定接点部7に複数箇所で接触する多点接触構造が実現される。したがって、固定接点部7の接触面73が連続した一平面からなる場合に比べて、例えば、固定接点部7と可動接点部8との間に異物が入り込んだ場合等においても、プッシュスイッチ1の電気的特性等が低下しにくくなる。
ただし、多点接触構造のプッシュスイッチ1では、可動部材3に過大な力が加わった場合等に、固定接点部7において母材71(図10B参照)から導電層72(図10B参照)の一部が剥離しやすくなる。導電層72の一部が剥離すると、プッシュスイッチ1の電気的特性等に変化が生じる可能性がある。
そこで、本実施形態に係るプッシュスイッチ1では、上述したような導電層72の剥離への対策として、図10A〜図10Cに示すように、溝部74の開口周縁751と溝部74の底752とを連結する連結面753が、傾斜部754を含んでいる。傾斜部754は、接触面73に対する傾斜角度θ(図10C参照)が鋭角となる部分である。この構成によれば、例えば溝部74の開口周縁751での導電層72の破断、及び可動接点部8が固定接点部7に押し付けられた際における溝部74の開口周縁751での応力集中等が生じにくくなる。したがって、プッシュスイッチ1では、多点接触構造でありながらも導電層72の剥離が生じにくく、電気的特性等の変化が生じにくい、という利点がある。
(2)詳細
以下に説明するプッシュスイッチ1は、例えば携帯情報端末、車載機器及び家電機器等の各種の機器の操作部に用いられる。プッシュスイッチ1は、例えばプリント基板に実装された状態で機器の筐体内に内蔵される。この場合、筐体においてプッシュスイッチ1に対応する位置には例えば操作釦が配置される。これにより、ユーザが操作釦を押すことによって、プッシュスイッチ1が操作釦を介して間接的に操作される。
以下、特に断りがない限り、ケース2のうち凹部21が形成された面をケース2の上面とし、凹部21の深さ方向を「上下方向」として説明する。さらに、後述する第1端子11及び第2端子12がケース2から突出する方向を「左右方向」とし、上下方向及び左右方向の両方に直交する方向(図2Bの紙面に直交する方向)を前後方向として説明する。つまり、図1等において、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」の矢印で示す通りに上、下、左、右、前、後の各方向を規定する。ただし、これらの方向はプッシュスイッチ1の使用方向を規定する趣旨ではない。また、図面中の各方向を示す矢印は説明のために表記しているに過ぎず、実体を伴わない。
(2.1)基本構成
本実施形態に係るプッシュスイッチ1は、図1〜図4Bに示すように、ケース2、可動部材3及び接点部4に加えて、保護シート5、押圧体6、金属体9を備えている。また、以下では特に断りがない限り、プッシュスイッチ1の非操作時、つまりプッシュスイッチ1が押されていない状態について説明する。
ケース2は、合成樹脂製であって、電気絶縁性を有している。ケース2は、上下方向に扁平な直方体状である。ケース2の厚み方向の一面であるケース2の上面23には、凹部21が形成されている。凹部21は上方(第1の方向)に開口している。凹部21は、本実施形態では、上面視において前後方向よりも左右方向に長い長円状に形成されている。凹部21の中心は上面23の中心と一致している。凹部21の底面211は平坦ではなく、少なくとも底面211の中央部と外周部とで凹部21の深さが異なっている。本実施形態では、底面211の中央部が外周部に対して一段下がった形状に形成されている。言い換えれば、外周部に比べて中央部にて凹部21が深く形成されている。ケース2は上面視において四隅が面取りされた形状である。ただし、面取りはプッシュスイッチ1に必須ではなく、適宜省略可能である。
凹部21の底面211の外周部には、接触部位212が設けられている(図3A及び図3B参照)。接触部位212は、可動部材3と凹部21の底面211とが接触する領域であり、底面211の一部の領域である。本実施形態では、可動部材3は、凹部21の底面211に対して複数箇所(ここでは4箇所)で接触する。そのため、ケース2は、接触部位212を複数(ここでは4つ)有している。4つの接触部位212は、凹部21の底面211の四隅に配置されている。
また、ケース2の厚み方向の一面である上面23には、拡張凹部22が更に形成されている。拡張凹部22は、凹部21の底面211における接触部位212に隣接し、かつ凹部21を拡張する形状に形成されている。拡張凹部22は、凹部21を拡張するように、接触部位212の外側(底面211の中心とは反対側)に配置されている。ここで、図3A及び図3Bに仮想線L1で示す位置に、凹部21と拡張凹部22との境界がある。つまり、図3Aにおいて、仮想線L1より内側(底面211の中心側)の領域が凹部21であって、仮想線L1より外側(底面211の中心とは反対側)の領域が拡張凹部22である。
拡張凹部22は、複数(ここでは4つ)の接触部位212の近傍に複数(ここでは4つ)設けられている。つまり、本実施形態では、ケース2は、凹部21及び複数の拡張凹部22を有しており、凹部21と複数の拡張凹部22は一体に形成されている。複数の拡張凹部22は、上面視において凹部21の外周縁の四隅から外向きに、凹部21の開口面積を広げるように形成されている。詳しくは「(2.3)削れ粉対策」の欄で説明するが、拡張凹部22は、凹部21にて発生する削れ粉P1を退避させるための空間を形成する。
金属体9は、第1金属部材91及び第2金属部材92を有する。第1金属部材91及び第2金属部材92は、いずれも導電性を有する金属板からなり、ケース2に保持されている。本実施形態では、第1金属部材91及び第2金属部材92は、インサート成形により、ケース2と一体化されている。すなわち、ケース2は金属体9(第1金属部材91及び第2金属部材92)をインサート品としてインサート成形されている。
第1金属部材91は、(第1)固定接点部7と、第1端子11と、を有している。固定接点部7は、第1金属部材91の上面から上方に突出した、上面視において略円形状の領域からなる。第2金属部材92は、(第2)固定接点部921と、第2端子12と、を有している。固定接点部7及び固定接点部921は、凹部21の底面211から露出している。固定接点部7は凹部21の中央部に露出し、固定接点部921は凹部21の外周部に露出している。固定接点部7は、凹部21の底面211から上方に突出しており、第1金属部材91における固定接点部7の周囲の領域及び固定接点部921は、底面211と略面一に形成されている。固定接点部921は、4つの拡張凹部22の底面221にも露出している。
ここで、金属体9は、拡張凹部22に対応する位置にピン受け部93を有する。ピン受け部93は、ケース2の成形時(インサート成形時)に、金属体9を保持するための保持ピンY1(図6参照)が接触する部位である。本実施形態では、第2金属部材92の固定接点部921が拡張凹部22内に露出している構成であるため、固定接点部921にピン受け部93が設けられる。また、本実施形態では、一例として保持ピンY1は金属体9(固定接点部921)の下面側から金属体9に接触するので、金属体9の下面にピン受け部93が設けられている。
第1端子11及び第2端子12は、ケース2の左右方向の両側面から突出している。具体的には、ケース2の右側面からは、第1端子11が右方に向かって突出している。また、ケース2の左側面からは、第2端子12が左方に向かって突出している。第1端子11及び第2端子12の下面は、ケース2の下面と面一に形成されている。これら第1端子11及び第2端子12は、例えばプリント基板上の導電部材に対してはんだ付けにより機械的に結合及び電気的に接続される。
固定接点部7と第1端子11とは、第1金属部材91のうちケース2に埋め込まれた部分を介して、互いに電気的に接続されている。同様に、固定接点部921と第2端子12とは、第2金属部材92のうちケース2に埋め込まれた部分を介して、互いに電気的に接続されている。第1金属部材91と第2金属部材92とは、互いに電気的に絶縁されている。
固定接点部7の形状について詳しくは、「(2.4)固定接点部」の欄で説明するが、固定接点部7は、可動接点部8との対向面(ここでは上面)に接触面73を有する。さらに、固定接点部7は、接触面73を複数の領域731(図9参照)に分割する溝部74を有する。
可動部材3は、図4A及び図4Bに示すように、ケース2の凹部21内に配置されている。可動部材3は、弾性を有する板材、例えばステンレス(SUS)等の金属板にて構成されている。本実施形態では、可動部材3は、略同一形状の複数枚(ここでは3枚)の板ばね30を重ね合わせて構成されている。
可動部材3は、凹部21内に収まるように、凹部21に対応する形状であって、凹部21より一回り小さく形成されている。つまり、本実施形態では、可動部材3は、上面視において前後方向よりも左右方向に長い長円状に形成されている。可動部材3の上面(最上段の板ばね30の上面)における中央部は受圧部33(図1参照)を構成する。つまり、可動部材3の上面の中央部は、プッシュスイッチ1の操作時にプッシュスイッチ1の外部からプッシュスイッチ1に加わる力(以下、「操作力」という)を受ける受圧部33として機能する。
可動部材3は、中央部が上方に凸となるように湾曲したドーム状に形成されている。可動部材3が凹部21内に収納された状態では、上面視における可動部材3の四隅が凹部21の底面211に接触する。つまり、可動部材3は4箇所で、凹部21の底面211における接触部位212に接触する。ただし、可動部材3は、これら4箇所以外で底面211に接触してもよい。
可動部材3の下面(最下段の板ばね30の下面)には、例えば金(Au)メッキ又は銀(Ag)メッキ等により、導電性を有する導電膜が可動部材3の下面の全面に亘って形成されている。導電膜のうち、可動部材3の中央部(受圧部33)に対応する部分が、可動接点部8を構成する。可動部材3は、少なくとも底面211における接触部位212と接触する4箇所にて、底面211に露出する固定接点部921と電気的に接続される。また、詳しくは「(2.2)動作」の欄で説明するが、受圧部33に操作力が作用すると、可動部材3が変形して可動部材3が下向きに撓む。一例として、可動部材3は、図5Bに示すように、可動部材3の中央部が下向きに凸となるドーム状等に変形する。このとき、受圧部33の下面に形成されている可動接点部8が固定接点部7に接触し、可動接点部8と固定接点部7とが電気的に接続される。
すなわち、可動接点部8と固定接点部7とは接点部4を構成する。この接点部4は、受圧部33が凹部21の底面211に近づく向きに押されて可動部材3が変形することにより、オンとオフとが切り替わる。具体的には、受圧部33に操作力が作用していない状態では、可動接点部8が固定接点部7から離間しているため、接点部4はオフである。このとき、第1金属部材91と第2金属部材92とは電気的に絶縁されているため、第1端子11と第2端子12との間は非導通となる。一方、受圧部33に操作力が作用して可動接点部8が固定接点部7に接触すると、接点部4はオンになる。このとき、第1金属部材91と第2金属部材92とは可動部材3(または可動部材3の下面に形成された導電膜)を介して電気的に接続されるため、第1端子11と第2端子12との間が導通する。
保護シート5は、可撓性を有する合成樹脂製のシートである。ここでは、保護シート5は、耐熱性及び電気絶縁性を有する樹脂フィルムからなる。保護シート5は、凹部21の全体を覆うように、ケース2の上面23側に配置されている。保護シート5は、ケース2の上面23に接合されることにより、凹部21の開口面を塞いで凹部21内を密閉状態としている。これにより、保護シート5は、例えば水及びフラックス等が凹部21内へ浸入することを防止し、凹部21内に収納された接点部4及び可動部材3を、水及びフラックス等から保護する。保護シート5の外周形状は、例えばケース2の上面23の外周形状と略同一形状であって、上面23よりも一回り大きい。保護シート5の大きさは、少なくともケース2との接合箇所(接合部51)を含む大きさであればよい。
保護シート5は、その外周部に設けられた接合部51にて、ケース2の上面23における凹部21及び拡張凹部22の周囲に接合される。接合部51は、溶着によりケース2に接合されている。そのため、接合部51とケース2とが粘着材にて接合される構成とは異なり、保護シート5の下面には粘着材が付着していない。本実施形態では、接合部51は、レーザ溶着によってケース2の上面23に接合されている。ケース2への接合部51の接合方法は、溶着に限らない。接合部51は、例えば粘着材を用いて接合されてもよいし、溶着による接合箇所と粘着材での接合箇所との両方を含んでいてもよい。
押圧体6は、保護シート5と可動部材3の受圧部33との間に配置されている。押圧体6は、合成樹脂製であって、電気絶縁性を有している。押圧体6は、上下方向に扁平な円盤状である。押圧体6は、押圧体6の下面を受圧部33に接触させた状態で、可動部材3の上方に配置されている。押圧体6の上面は、例えばレーザ溶着によって保護シート5の中央部の下面に接合されている。
押圧体6は、保護シート5に加わる操作力を可動部材3の受圧部33に伝達する。つまり、保護シート5に上方から操作力が作用すると、この操作力は押圧体6を介して受圧部33に伝達され、受圧部33に上方から作用する。これにより、保護シート5が押されることによって、受圧部33が押圧体6を介して間接的に操作される。押圧体6の外形は円盤状に限らず、例えば漏斗状等でもよい。
(2.2)動作
次に、上述した構成のプッシュスイッチ1の動作について図5A及び図5Bを参照して説明する。図5Aは、図2AのX1−X1線断面図である。
プッシュスイッチ1は、操作時にのみ接点部4がオンになる、常開型のスイッチである。プッシュスイッチ1は、操作時には、保護シート5の中央部が押操作されることによって、保護シート5を介して押圧体6に下向きの操作力が作用する。ここでいう「押操作」は、保護シート5の中央部を凹部21の底面211に近づく向き(下方)に押す操作である。
押圧体6を介して上方から受圧部33に操作力が作用すると、受圧部33が凹部21の底面211に近づく向き(下方)に押されて、可動部材3が徐々に変形する。そして、受圧部33に作用する操作力の大きさが所定値を超えると、図5Bに示すように、可動部材3は勢いよく座屈して大きく変形する。このとき、受圧部33に作用する可動部材3の弾性力が急激に変化する。このような可動部材3のいわゆる反転動作によって、可動部材3は、例えば図5Bに示すように、中央部(受圧部33)が下向きに凸となるように湾曲したドーム状に変形する。したがって、プッシュスイッチ1を押操作するユーザ(操作者)には、可動部材3の変形に伴って節度感(クリック感)が与えられる。そして、可動部材3が下向きに凸となるドーム状等に変形すると、図5Bに示すように、可動部材3の下面に形成されている可動接点部8が固定接点部7に接触し、接点部4がオンになる。この状態では、第1端子11と第2端子12との間が導通する。
一方、可動部材3が下向きに凸となるドーム状等に変形した状態で、受圧部33に作用する操作力が無くなると、可動部材3は、可動部材3の復元力によって中央部(受圧部33)が上方に凸となるように湾曲したドーム状に復元(変形)する。このとき、受圧部33に作用する可動部材3の弾性力が急激に変化するため、可動部材3は、元の形状(中央部が上方に凸となるドーム状)に、勢いよく復元(変形)する。したがって、プッシュスイッチ1を押操作するユーザ(操作者)には、押操作の解除時においても、可動部材3の変形に伴って節度感(クリック感)が与えられる。そして、可動部材3が上向きに凸となるドーム状になると、図5Aに示すように、可動部材3の下面に形成されている可動接点部8が固定接点部7から離れて、接点部4がオフになる。この状態では、第1端子11と第2端子12との間が非導通となる。
(2.3)削れ粉対策
以下、削れ粉P1への対策としてプッシュスイッチ1が備えている構造について、図3A及び図3Bを参照して詳しく説明する。図3B等では説明のために模式的に削れ粉P1を図示しているが、削れ粉P1はプッシュスイッチ1の構成要素ではない。
本実施形態に係るプッシュスイッチ1では、操作時等における可動部材3の変形に伴い、ケース2の凹部21の底面211に対して可動部材3が擦れることがある。例えば、可動部材3に過大な力が加わった場合等に、ケース2等の削れ粉P1が発生する可能性がある。特に、プッシュスイッチ1が操作部として用いられる機器の操作釦に何らかの物体が衝突した場合等には、ユーザが意図的にプッシュスイッチ1を操作する場合に比べて、可動部材3に過大な力が加わりやすく、削れ粉P1が発生しやすくなる。また、プッシュスイッチ1の使用回数が増えることによっても、削れ粉P1が発生しやすくなる。
本実施形態では、上述したように凹部21の底面211における可動部材3が接触する接触部位212に金属体9が露出しているため、接触部位212においては主に金属体9に対して可動部材3が擦れることになり、金属体9の削れ粉P1が発生する可能性がある。本開示でいう「削れ粉」は、金属体9等に対して可動部材3が擦れることによって、金属体9等の一部が削れて生じる粉状体である。ただし、削れ粉P1は金属体9に限らず、例えば合成樹脂製のケース2の一部に可動部材3が擦れることによって、合成樹脂製のケース2の削れ粉P1が発生することもある。このようにして発生した削れ粉P1が、ケース2の凹部21の底面211における可動部材3が接触する接触部位212に溜まると、可動部材3の動きが削れ粉P1に阻害されたり、可動部材3と固定接点部921との間に削れ粉P1が挟まったりすることがある。その結果、削れ粉P1に起因して、プッシュスイッチ1の操作感触及び電気的特性等に変化が生じる可能性がある。
本実施形態に係るプッシュスイッチ1では、図3A及び図3Bに示すように、ケース2が拡張凹部22を有することによって、上述したような削れ粉P1への対策が可能である。すなわち、拡張凹部22は、凹部21の底面211における可動部材3が接触する接触部位212に隣接して設けられているため、可動部材3の変形に伴って、接触部位212で削れ粉P1が発生した場合、この削れ粉P1を拡張凹部22内に退避させることができる。言い換えれば、凹部21内の接触部位212にて発生した削れ粉P1は、図3Bに示すように、接触部位212に連続する拡張凹部22内の空間に移動することが可能である。これにより、拡張凹部22は、凹部21内で発生した削れ粉P1を溜めるためのポケットとして機能する。したがって、プッシュスイッチ1では、ケース2の凹部21の底面211における可動部材3が接触する接触部位212に削れ粉P1が溜まりにくく、削れ粉P1による操作感触及び電気的特性等の変化が生じにくい。
ところで、本実施形態では、図3Bに示すように、拡張凹部22の側面には、凹部21の底面211に沿う平面内において、凹部21から離れる程に拡張凹部22の開口面積が小さくなるように傾斜した一対の側面222が形成されている。言い換えれば、拡張凹部22は、これら一対の側面222によって、凹部21に近づく程に開口面積が大きくなるように形成されている。
つまり、上から見て、凹部21に接する拡張凹部22の一対の側面222は、一対の側面222の間の長さが凹部21から離れるほど短くなるように構成されている。
しかも、本実施形態では、一対の側面222の一方(図3Bでは後方側の側面222)は、凹部21の側面213aと面一であり、一対の側面222の他方(図3Bでは前方側の側面222)は、凹部21の側面213bと曲面にて連続的につながっている。
このような構成により、拡張凹部22の一対の側面222が、凹部21内から削れ粉P1を拡張凹部22内に誘い込む誘い込み構造として機能する。したがって、本実施形態に係るプッシュスイッチ1によれば、凹部21の接触部位212で削れ粉P1が発生した場合、この削れ粉P1を拡張凹部22内に退避させやすい、という利点がある。
また、本実施形態のように、可動部材3が、上面視において前後方向よりも左右方向に長い形状である場合には、図4Bに示すように、拡張凹部22内の空間が前後方向よりも左右方向に広く確保されていることが好ましい。すなわち、仮に、拡張凹部22が、凹部21を拡張するに当たり、前後方向(図4Bでは後方)と左右方向(図4Bでは右方)とに均等に拡張する場合、図4Bに想像線L2で示す位置が拡張凹部22の側面となる。
ここで、可動部材3が上面視において前後方向よりも左右方向に長い形状である場合、可動部材3の受圧部33に操作力が作用した際に、接触部位212に対する可動部材3からの移動量が、前後方向よりも左右方向に大きくなる。したがって、削れ粉P1は、接触部位212から見て前後方向の外側よりも、左右方向の外側に生じやすくなる。そこで、本実施形態では、拡張凹部22が、凹部21を想像線L2の位置から更に左右方向(図4Bでは右方)に拡張する形状を採用している。これにより、接触部位212の左右方向の外側(図4Bでは右方)に発生した削れ粉P1を、拡張凹部22内に効率的に溜めることが可能である。
また、本実施形態のように、ケース2が合成樹脂製であって、凹部21の底面211には金属体9が露出している場合、金属体9は拡張凹部22の底面221まで連続していることが好ましい。つまり、金属体9は、凹部21の底面211における可動部材3が接触する接触部位212から、拡張凹部22の底面221にかけて延びている。これにより、可動部材3が凹部21と拡張凹部22との境界線(仮想線L1)上まで移動することがあっても、合成樹脂製のケース2に可動部材3が擦れることにはならず、合成樹脂製のケース2の削れ粉P1が生じにくい。
また、本実施形態では、上述したように、金属体9が、拡張凹部22に対応する位置にピン受け部93を有している。ピン受け部93には、図6に示すように、ケース2の成形時に保持ピンY1(2点鎖線で示す)が接触するので、金属体9のピン受け部93には歪みが生じることがある。図6は、図2AのX2−X2線断面図である。図6の例では、ケース2の下面に形成されたピン孔24に保持ピンY1が挿入され、ピン孔24の底面に露出するピン受け部93に保持ピンY1の先端面が接触する。ここで、仮に、接触部位212等の可動部材3が接触する部位にピン受け部93があると、ピン受け部93に生じた歪みが可動部材3の動作を妨げる可能性がある。これに対して、本実施形態では、拡張凹部22に対応する位置にピン受け部93があるので、ピン受け部93に生じた歪みが可動部材3の動作を妨げることを抑制可能である。つまり、拡張凹部22は、上述したように凹部21内で発生した削れ粉P1を溜めるためのポケットとして機能するため、基本的に、拡張凹部22の底面221に可動部材3が接触することはなく、ピン受け部93の歪みが可動部材3の動作の妨げとなりにくい。
また、本実施形態のように、ケース2は、凹部21の底面211における可動部材3が接触する接触部位212を複数有し、拡張凹部22は、複数の接触部位212にそれぞれ隣接するように複数設けられていることが好ましい。すなわち、接触部位212ごとに独立した拡張凹部22が設けられているので、各接触部位212で発生した削れ粉P1を効率的に拡張凹部22内に溜めることができる。
ところで、プッシュスイッチ1は、拡張凹部22に関して、図7A〜図8Bに例示するような構成を採用してもよい。図7A及び図7Bは、図6の領域Z1に相当する要部の拡大図である。ただし、図7A及び図7Bでは、可動部材3等、ここでの説明に直接的に関係しない部材の図示は適宜省略している。図8A及び図8Bは、図3Aの領域Z1に相当する要部の拡大図である。
まず、図7Aに示す例では、拡張凹部22の底面221の表面粗さは、少なくとも接触部位212における凹部21の底面211の表面粗さよりも大きい。すなわち、拡張凹部22の底面221は、少なくとも接触部位212における凹部21の底面211よりも粗く形成されている。具体的には、例えば、拡張凹部22の底面221にローレット加工又はエンボス加工が施されることにより、凹部21の底面211に比べて拡張凹部22の底面221の表面粗さが大きくなる。これにより、凹部21内から拡張凹部22内に移動した削れ粉P1が拡張凹部22の底面221に捕獲され、拡張凹部22内に止まりやすくなり、結果的に、拡張凹部22内から凹部21内への削れ粉P1の移動が抑制される。
なお、ケース2の凹部21および拡張凹部22の底面に金属部材92が露出している箇所においては、図7Aおよび図7Bに示すように、金属部材92の上面が凹部21の底面211および拡張凹部22の底面221となる。
また、図7Bに示す例では、拡張凹部22の深さD2は、少なくとも接触部位212における凹部21の深さD1に比べて大きい(D2>D1)。ここで、拡張凹部22の深さD2は、ケース2の上面23から拡張凹部22の底面221までの距離であって、凹部21の深さD1は、ケース2の上面23から凹部21の底面211までの距離である。すなわち、拡張凹部22の底面221は、少なくとも接触部位212における凹部21の底面211から一段下がった位置にある。
つまり、上方から見て(第1の方向から見えて)、拡張凹部22の底面221は、凹部21の底面211(接触部位212)より下方(第2の方向)に位置する。
これにより、凹部21内から拡張凹部22内に移動した削れ粉P1が拡張凹部22の底面221に捕獲され、拡張凹部22内に止まりやすくなり、結果的に、拡張凹部22内から凹部21内への削れ粉P1の移動が抑制される。図7Bに示す構成と、図7Aに示す構成とを組み合わせて適用することも可能である。
また、図8A及び図8Bに示す例では、ケース2は、拡張凹部22と凹部21との間に壁部25A,25Bを有する。図8Aの例では、一対の側面222から互いに近づく向きに突出する一対の壁部25Aが設けられている。同様に、図8Bの例では、一対の側面222から互いに近づく向きに突出する一対の壁部25Bが設けられている。特に、図8Bの例では、一対の壁部25Bは、上面視において一対の側面222から拡張凹部22の内側に向けて斜めに突出する。このような壁部25A,25Bによって、拡張凹部22における凹部21側の開口面積が小さくなる。したがって、凹部21内から拡張凹部22内に移動した削れ粉P1については、凹部21側への移動が壁部25A,25Bにて規制され、拡張凹部22内に止まりやすくなり、結果的に、拡張凹部22内から凹部21内への削れ粉P1の移動が抑制される。特に、図8Bの構成では、一対の壁部25Bが拡張凹部22の内側に向けて斜めに突出しているので、拡張凹部22内から凹部21内へ削れ粉P1が移動しにくくなる。
なお、壁部25Aおよび25Bは必ずしも一対である必要はない。
(2.4)固定接点部
以下、(第1)固定接点部7の構造について、図9〜図10Cを参照して詳しく説明する。図10Bは図10Aの領域Z1の拡大図であって、図10Cは図10Bの領域Z1の拡大図である。ただし、図10B及び図10Cは、固定接点部7のみを模式的に表す端面図であって、図10B及び図10Cにおける各種の寸法関係(母材71及び導電層72の厚み等)は実物とは異なる。
固定接点部7は、母材71(図10B参照)、及び母材71を覆う導電層72(図10B参照)を有する。本実施形態では、導電層72は母材71の上面(接触面73)の全域を覆っている。母材71は、例えばリン青銅等の銅合金である。導電層72は、例えば銀(Ag)メッキ等を含むメッキ層である。具体例を挙げると、母材71としてのリン青銅の表面上に、ニッケル(Ni)等の下地メッキ層が形成され、その上に銀(Ag)メッキ層が形成される。この場合、導電層72は下地メッキ層及び銀メッキ層を含む。
固定接点部7は、可動接点部8との対向面(ここでは上面)に接触面73を有する。可動接点部8は、固定接点部7の接触面73に対して対向する位置に配置されている。可動接点部8は、接触面73に接触するオン位置(第1の位置)と、接触面73から離れるオフ位置(第2の位置)との間を移動可能である。つまり、可動接点部8がオン位置(第1の位置)にあるときに接点部4がオンになり(図5B参照)、可動接点部8がオフ位置(第2の位置)にあるときに接点部4がオフになる(図5A参照)。
固定接点部7は、図9に示すように、基準面から突出する突出部70を有しており、接触面73は、突出部70の先端面である。ここでは、基準面は凹部21の底面211であって、底面211から上方に突出した、上面視において略円形状の部位が突出部70を構成する。つまり、第1金属部材91の上面から上方に突出した、上面視において略円形状の部位(突出部70)の上面が、接触面73を構成する。
固定接点部7は、接触面73を複数の領域731に分割する溝部74を有する。溝部74は、接触面73に沿う平面内で互いに異なる向きに延びる第1溝741及び第2溝742を含む。第1溝741と第2溝742とは、接触面73の略中心において交差する。ここでは、第1溝741は、上面視において左後方から右前方に向けて延びる直線状の溝であって、第2溝742は、上面視において左前方から右後方に向けて延びる直線状の溝である。これら第1溝741と第2溝742とは略直交することで、十字状の溝部74を構成する。本実施形態では、このように互いに交差する第1溝741及び第2溝742にて、接触面73は4つの領域731に分割されている。ここで、溝部74の幅は、溝部74の深さよりも大きいことが好ましい。また、溝部74の深さは、固定接点部7(第1金属部材91)の厚みの半分(1/2)以下であることが好ましい。
上述したように、接触面73が溝部74にて複数の領域731に分割された構成によれば、接点部4としては、可動接点部8が固定接点部7に複数箇所で接触する多点接触構造が実現される。したがって、固定接点部7の接触面73が連続した一平面からなる場合に比べて、例えば、固定接点部7と可動接点部8との間に異物が入り込んだ場合等においても、プッシュスイッチ1の電気的特性等が低下しにくくなる。その結果、プッシュスイッチ1においては電気的特性等の変化が生じにくく、接触信頼性が向上することになる。
ところで、接点部4が上述したような多点接触構造を採用している場合、例えば、可動部材3に過大な力が加わったとき等に、固定接点部7において母材71から導電層72の一部が剥離しやすくなる。また、プッシュスイッチ1の使用回数が増えることによっても、導電層72が剥離しやすくなる。その原因として、例えば溝部74の開口周縁751での導電層72の破断、及び可動接点部8が固定接点部7に押し付けられた際に生じる溝部74の開口周縁751での応力集中等が考えられる。特に、固定接点部7に比べて可動接点部8におけるメッキの密着性が高い場合には、固定接点部7の導電層72(メッキ層)が可動接点部8に転移することで、導電層72の一部が剥離しやすくなる。可動接点部8におけるメッキの密着性が高い場合の具体例を挙げると、母材としてのステンレス(SUS)の表面上に、ニッケル(Ni)及び銅等の下地メッキ層が形成され、その上に銀(Ag)メッキ層が形成された構成等がある。導電層72の一部が剥離すると、プッシュスイッチ1の電気的特性等に変化が生じる可能性がある。
そこで、本実施形態に係るプッシュスイッチ1では、このような導電層72の剥離への対策として、以下に説明する構成を固定接点部7に採用している。すなわち、本実施形態では、図10A〜図10Cに示すように、溝部74の開口周縁751と溝部74の底752とを連結する連結面753が、傾斜部754を含んでいる。傾斜部754は、接触面73に対する傾斜角度θ(図10C参照)が鋭角となる部分である。本開示でいう「開口周縁」は、溝部74の開口面の周縁であって、接触面73と溝部74との境界線である。また、本開示でいう「底」は溝部74の中で最も深い部位、つまり最も大きく窪んだ部位を意味する。また、本開示でいう「鋭角」は、0度より大きく直角(90度)よりも小さい角度を意味する。
要するに、固定接点部7は、溝部74内に連結面753を有している。連結面753は、開口周縁751と底752とを連結する面である。図10Bの例では、溝部74の底752は平坦な底面である。また、連結面753は、溝部74の内側に向かって凸となるように湾曲した曲面である。言い換えれば、図10Bの例では、接触面73と溝部74の内面との間の角部がR形状に形成されている。このような形状の連結面753は、傾斜部754を含む曲面を有することになる。特に、図10Bの例では、連結面753は全域において曲面であるため、連結面753は、その全域において接触面73に対する傾斜角度が鋭角となる。つまり、連結面753の全面が傾斜部754を構成する。これにより、溝部74の深さは、開口周縁751から溝部74の幅方向の中心に向けて連続的に大きくなる。
さらに、本実施形態では、連結面753は、第1溝741と第2溝742との交点における角部においても傾斜部754を構成する。つまり、連結面753は、少なくとも第1溝741と第2溝742との交点における角部において傾斜部754を含んでいる。本実施形態では、第1溝741と第2溝742との交点には、互いに対向する二対の角部、つまり4つの角部が含まれている。4つの角部のうち2つの角部は前後方向に対向し、残り2つの角部は左右方向に対向する。これら4つの角部の各々において、連結面753は溝部74の内側に向かって凸となるように湾曲した曲面からなる。したがって、4つの角部のいずれにおいても、連結面753は傾斜部754を含むことになる。さらに、4つの角部がいずれも傾斜部754を含む形状であることによって、4つの角部に対して可動接点部8が点接触になることを抑制できる。すなわち、可動接点部8が固定接点部7の4つの領域731に面接触するので、可動接点部8に固定接点部7から局所的に大きな荷重が加わることを抑制でき、可動接点部8においても応力集中の発生が低減される。
ここにおいて、導電層72は、図10Cに示すように、第1導電層721と第2導電層722とを含んでいる。第1導電層721は、導電層72のうち、接触面73に形成された部分である。第2導電層722は、導電層72のうち、連結面753に形成された部分である。これら第1導電層721と第2導電層722とは連続していることが好ましい。すなわち、本実施形態のように、連結面753が、溝部74の内側に向かって凸となるように湾曲した曲面である場合、溝部74の開口周縁751にて段差が生じない。そのため、後述する固定接点部7の製造方法においても、開口周縁751にて第1導電層721と第2導電層722との間に破断が生じにくく、第1導電層721と第2導電層722とが連続した構造の実現が容易である。
上述したような構成により、本実施形態に係るプッシュスイッチ1では、例えば溝部74の開口周縁751での導電層72の破断、及び可動接点部8が固定接点部7に押し付けられた際における溝部74の開口周縁751での応力集中等が生じにくくなる。そのため、本実施形態に係るプッシュスイッチ1は、例えば数十Nという力が可動部材3に加わったとしても、母材71からの導電層72の剥離が生じにくくなる。また、プッシュスイッチ1の使用回数が数百万から数千万回に至った場合でも、母材71からの導電層72の剥離が生じにくくなる。
次に、上述した構成の固定接点部7の製造方法の一例について、図11A〜図11Cを参照して説明する。
本実施形態では、まずはメッキ工程にて、母材71の表面上にメッキ層からなる導電層72を形成し、第1金属部材91の基となる金属板100を形成する。その後、図11A及び図11Bに示すように、導電層72が形成された状態の金属板100に対し、第1プレス工程にてプレス加工を実施することで、溝部74を形成する。第1プレス工程では、パッドY3上に置かれた金属板100に対して、十字状のパンチY2にて上方からプレスする。これにより、溝部74が形成された状態の金属板101が得られる。
その後、図11Cに示すように、金属板101に対し、第2プレス工程にてプレス加工を実施することで、突出部70を形成する。第2プレス工程では、金属板101を上方から円筒のダイスY5にて押さえた状態で、円柱状のパンチY4にて下方からプレスする。これにより、突出部70が形成された状態の第1金属部材91が得られる。
このような製造方法においては、第1プレス工程にて、導電層72のうち連結面753に形成された第2導電層722(図10C参照)が伸びるため、第2導電層722の厚みは第1導電層721(図10C参照)の厚みに比べて小さくなる。つまり、第1導電層721と第2導電層722とでは厚みが異なっていてもよい。
また、上記製造方法は一例に過ぎず、例えば母材71の表面上にメッキ層からなる導電層72を形成するメッキ工程を、第1プレス工程及び第2プレス工程の後で行ってもよい。つまり、例えば第1プレス工程、第2プレス工程、及びメッキ工程を、この順で行ってもよい。また、上記製造方法では、第1金属部材91の基となる金属板100の打ち抜き加工等による外形の形成は、第1プレス工程の前に行われているが、例えば第2プレス工程の後で、第1金属部材91の外形が打ち抜き加工等により形成されてもよい。
ところで、プッシュスイッチ1は、固定接点部7に関して、図12A〜図13Cに例示するような構成を採用してもよい。図12A〜図12Cは、図10Aの領域Z1に相当する要部の拡大図である。ただし、図12A〜図12Cは、固定接点部7のみを模式的に表す端面図であって、図12A〜図12Cにおける各種の寸法関係(母材71及び導電層72の厚み等)は実物とは異なる。また、図13A〜図13Cは、図3Aの領域Z2に相当する要部の拡大図である。
まず、図12Aに示す例では、連結面753の傾斜部754が平面である。具体的には、連結面753は、内側面755とテーパ面756とを有している。内側面755は、溝部74の底752の幅方向の両端縁から上方に立ち上がった平面であって、接触面73に対して垂直な面である。テーパ面756は、溝部74の幅寸法が上方(開口面)側程大きくなるように傾斜した平面である。これにより、連結面753は、テーパ面756の全域において接触面73に対する傾斜角度が鋭角となり、テーパ面756の全面が傾斜部754を構成する。
また、図12Bに示す例でも、図12Aと同様に、連結面753の傾斜部754が平面である。具体的には、連結面753はテーパ面756を有している。テーパ面756は、溝部74の底752から斜め上方に立ち上がった平面であって、溝部74の幅寸法が上方(開口面)側程大きくなるように傾斜した面である。これにより、連結面753は、テーパ面756の全域において接触面73に対する傾斜角度が鋭角となり、テーパ面756の全面が傾斜部754を構成する。
また、図12Cに示す例では、傾斜部754が溝部74の底752が下方に向かって凸となるように湾曲した曲面である。これにより、溝部74の内面は略全域が曲面にて構成されることになる。
また、図13Aに示す例では、溝部74が1本の直線状の溝である。具体的には、溝部74は、接触面73の略中心を通り、左右方向に沿って延びる直線状に形成されている。このような溝部74にて、接触面73は2つの領域731に分割される。
また、図13Bに示す例では、溝部74が、接触面73に沿う平面内で互いに異なる向きに延びる3本の溝743,744,745を有している。3本の溝743,744,745の各々は、接触面73の略中心から放射状に延びる直線状の溝である。これら3本の溝743,744,745のうちの任意の2本の溝が、「第1溝」及び「第2溝」に相当する。このような溝部74にて、接触面73は3つの領域731に分割される。
また、図13Cに示す例では、溝部74が、4本の溝746,747,748,749を有している。溝746は、接触面73の略中心を通り、前後方向に沿って延びる直線状に形成されている。3本の溝747,748,749は、それぞれ左右方向に沿って延びる直線状に形成され、前後方向に等間隔で並んでいる。したがって、3本の溝747,748,749の各々は、溝746と略直交する。これら3本の溝747,748,749のいずれか、及び溝746が、「第1溝」及び「第2溝」に相当する。このような溝部74にて、接触面73は8つの領域731に分割される。
(3)変形例
上記本実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下、上記実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
プッシュスイッチ1の凹部21の開口形状は、上面視において前後方向よりも左右方向に長い長円状に限らず、例えば長方形状、円形状、又は多角形状等であってもよい。この構成では、凹部21の開口形状に合わせて、可動部材3等の形状が決定されることになる。
図14Aは、上記実施形態の第1変形例に係るプッシュスイッチ1Aを示している。第1変形例に係るプッシュスイッチ1Aでは、可動部材3は、本体部31と、複数(ここでは4つ)の脚部32とを有している。本体部31は、上記実施形態の可動部材3と同様に、上面視において前後方向よりも左右方向に長い長円状に形成されている。4つの脚部32は、本体部31の外周縁から外方に突出するように、本体部31の周方向において所定の間隔を空けて配置されている。4つの脚部32の各々は、略矩形状に形成されている。本体部31と4つの脚部32とは連続している。可動部材3は、複数の脚部32がそれぞれ複数の拡張凹部22に対応するような向きで、凹部21内に収納される。第1変形例の構成によれば、本体部31から4つの脚部32が突出しているため、4つの脚部32が無い構成に比べて、4つの脚部32の分だけ可動接点部8から固定接点部7までの距離が嵩上げされており、ストローク長を長く確保できる。
図14Bは、上記実施形態の第2変形例に係るプッシュスイッチ1Bを示している。第2変形例に係るプッシュスイッチ1Bでは、可動部材3は、第1変形例と同様に、本体部31と、複数(ここでは4つ)の脚部32とを有している。第2変形例では、本体部31は、上面視において略円形状に形成されている。
また、他の変形例として、プッシュスイッチ1のストローク長、つまり押操作によってプッシュスイッチ1がオンする際の保護シート5の操作領域の移動量は、適宜設定可能である。例えば、プッシュスイッチ1は、ストローク長が比較的短い短ストロークタイプ、ストローク長が比較的長い長ストロークタイプ、又は短ストロークタイプと長ストロークタイプとの中間に該当する中ストロークタイプであってもよい。また、プッシュスイッチ1は、接点部4に代えて第1接点及び第2接点を有する2段動作タイプであってもよい。2段動作タイプのプッシュスイッチ1は、保護シート5が押されるとまず第1接点がオンし、第1接点がオンした状態から更に保護シート5が押されることによって第2接点がオンする。2段動作タイプのプッシュスイッチ1では、例えば異なる操作力で座屈する2つの金属板が組み合わされて、可動部材3が構成される。さらに、プッシュスイッチ1は、常開型に限らず、操作時にのみオフになる、常閉型であってもよい。
また、プッシュスイッチ1は、機器の操作部に用いられて人に操作される構成に限らず、例えば機器の検知部等に用いられてもよい。プッシュスイッチ1が機器の検知部に用いられる場合、プッシュスイッチ1は、例えばリミットスイッチとしてアクチュエータ等の機械部品の位置検出に用いられる。
また、可動部材3は、複数枚の板ばね30を重ね合わせた構成に限らず、1枚の板ばねにて構成されていてもよい。さらに、可動部材3を構成する板ばね30の構成は3枚に限らず、2枚、又は4枚以上であってもよい。この場合、重ね合わせる板ばね30の枚数によって、可動部材3が座屈するために必要な操作力の大きさが変化し、プッシュスイッチ1の操作感触が変化する。
また、押圧体6は、保護シート5と受圧部33との間に限らず、例えば保護シート5の上方に配置されていてもよい。この場合、押圧体6の下面が保護シート5の上面に接合される。この構成では、押圧体6に作用する操作力が、保護シート5を介して受圧部33に伝達される。
また、保護シート5は、凹部21の少なくとも一部を覆っていればよく、凹部21の全体を覆っていることはプッシュスイッチ1に必須の構成ではない。例えば保護シート5の一部に、孔が形成されていてもよい。そもそも保護シート5が省略されていてもよい。
また、可動部材3の下面の導電膜は可動部材3の下面の全面に形成される構成に限らず、例えば、固定接点部7との接触箇所及び固定接点部921との接触箇所に、部分的に導電膜が形成されていてもよい。また、可動部材3の下面の導電膜は適宜省略されていてもよい。この場合において、可動部材3の一部、又は全体が導電性を有する材料にて構成されることにより、可動部材3の導電性が確保されることが好ましい。
また、ケース2の成形時に金属体9を保持する保持ピンY1は、金属体9(固定接点部921)の下面側から金属体9に接触する構成に限らず、例えば金属体9の上面側から金属体9に接触してもよい。この場合、ピン受け部93は、金属体9の上面に設けられることになる。また、保持ピンY1が金属体9の下面側から金属体9に接触する場合でも、ケース2の下面に形成されたピン孔24は、ケース2の成形後に合成樹脂等が充填されて埋められていてもよい。
また、導電層72は、メッキ層に限らず、例えば塗装膜、フィルム等であってもよい。導電層72がフィルムである場合には、導電層72は母材71に対して貼り付けられる。
また、固定接点部7の溝部74内は完全な空洞に限らず、例えばケース2を構成する合成樹脂が固定接点部7の溝部74内に存在してもよい。つまり、固定接点部7の溝部74の少なくとも一部が、合成樹脂にて埋まっていてもよい。
(5)まとめ
以上説明したように、第1の態様に係るプッシュスイッチ(1,1A,1B)は、ケース(2)と、可動部材(3)と、第1固定接点部(7)と、第2固定接点部(921)とを備える。ケース(2)は、第1の方向(上方)に向かって開口する凹部(21)および凹部(21)に隣接するように設けられた拡張凹部(22)を有する。可動部材(3)は、凹部(21)内に配置される。第1固定接点部(7)は、凹部(21)の底面(211)に形成され、可動部材(3)の第1の方向とは反対の方向である第2の方向(下方)に位置する。第2固定接点部(921)は、凹部(21)の底面(211)に露出する。可動部材(3)が変形することにより、可動部材(3)と第1固定接点部(7)が接触し、第2固定接点部(921)は可動部材(3)と接触する接触部位(212)を有する。第1の方向(上方)から見て、拡張凹部(22)は、凹部(21)よりケース(2)の中心から遠くに位置し、凹部(21)および拡張凹部(22)は一体に形成されており、拡張凹部(22)は接触部位(212)の近傍に形成されている。
この態様によれば、接触部位(212)にて、削れ粉(P1)が発生した場合には、削れ粉(P1)は、凹部(21)における接触部位(212)から拡張凹部(22)内に退避可能である。したがって、プッシュスイッチ(1,1A,1B)によれば、削れ粉(P1)がケース(2)の凹部(21)の底面(211)における可動部材(3)との接触部位(212)に溜まりにくく、削れ粉(P1)による操作感触及び電気的特性等の変化が生じにくい。
第2の態様に係るプッシュスイッチ(1,1A,1B)では、拡張凹部(22)の底面(221)の表面粗さは、少なくとも接触部位(212)の表面粗さよりも大きい。
この態様によれば、凹部(21)内から拡張凹部(22)内に移動した削れ粉(P1)が拡張凹部(22)の底面(221)に捕獲され、拡張凹部(22)内に止まりやすくなる。結果的に、拡張凹部(22)内から凹部(21)内への削れ粉(P1)の移動が抑制される。
第3の態様に係るプッシュスイッチ(1,1A,1B)では、拡張凹部(21)の底面(211)は、接触部位(212)より第2の方向(下方)に位置する。
この態様によれば、凹部(21)内から拡張凹部(22)内に移動した削れ粉(P1)が拡張凹部(22)の底面(221)に捕獲され、拡張凹部(22)内に止まりやすくなる。結果的に、拡張凹部(22)内から凹部(21)内への削れ粉(P1)の移動が抑制される。
第4の態様に係るプッシュスイッチ(1,1A,1B)は、第1の方向(上方)から見て、凹部(21)と接する拡張凹部(22)の一対の側面(222)の間の長さは、凹部(21)から離れるほど短くなるように形成されている。
この態様によれば、拡張凹部(22)の一対の側面(222)が、凹部(21)内から削れ粉(P1)を拡張凹部(22)内に誘い込む誘い込み構造として機能する。したがって、凹部(21)の接触部位(212)で削れ粉(P1)が発生した場合、この削れ粉(P1)を拡張凹部(22)内に退避させやすくなる。
第5の態様に係るプッシュスイッチ(1,1A,1B)では、ケース(2)は、拡張凹部(22)と凹部(21)との境界に壁部(25A,25B)を有する。
この態様によれば、凹部(21)内から拡張凹部(22)内に移動した削れ粉(P1)については、凹部(21)側への移動が壁部(25A,25B)にて規制され、拡張凹部(22)内に止まりやすくなる。結果的に、拡張凹部(22)内から凹部(21)内への削れ粉(P1)の移動が抑制される。
第6の態様に係るプッシュスイッチ(1,1A,1B)では、ケース(2)は、合成樹脂製であって、接触部位(212)は金属体(9)で形成されている。金属体(9)は、接触部位(212)から拡張凹部(22)の底面(221)に亘って延びている。
この態様によれば、可動部材(3)が凹部(21)と拡張凹部(22)との境界線上まで移動することがあっても、合成樹脂製のケース(2)に可動部材(3)が擦れることにはならず、合成樹脂製のケース(2)の削れ粉(P1)が生じにくい。
第7の態様に係るプッシュスイッチ(1,1A,1B)では、金属体(9)は、拡張凹部(22)内において、ピン受け部(93)を有する。
この態様によれば、ピン受け部(93)に生じた歪みが可動部材(3)の動作を妨げることを抑制可能である。
第8の態様に係るプッシュスイッチ(1,1A,1B)では、ケース(4)の凹部(21)の底面(211)には、複数の接触部位(212)が設けられ、複数の接触部位(211)の近傍のそれぞれには、複数の拡張凹部(22)の対応する1つが設けられている。
この態様によれば、接触部位(212)ごとに独立した拡張凹部(22)が設けられているので、各接触部位(212)で発生した削れ粉(P1)を効率的に拡張凹部(22)内に溜めることができる。
第2〜8の態様に係る構成については、プッシュスイッチ(1,1A,1B)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
1,1A,1B プッシュスイッチ
2 ケース
3 可動部材
4 接点部
5 保護シート
6 押圧体
7 固定接点部
8 可動接点部
9 金属体
11,12 端子
21 凹部
22 拡張凹部
23 上面
24 ピン孔
25A,25B 壁部
31 本体部
32 脚部
33 受圧部
51 接合部
70 突出部
71 母材
72 導電層
73 接触面
74 溝部
91 金属部材
92 金属部材
93 ピン受け部
100,101 金属板
211 底面
212 接触部位
213a,213b 側面
221 底面
222 側面
721,722 導電層
731 領域
741,742,743,746,747,748,749 溝
751 開口周縁
752 底
753 連結面
754 傾斜部
755 内側面
756 テーパ面
921 固定接点部
D1 深さ
D2 深さ
L1 仮想線
L2 想像線
P1 粉
Y1 保持ピン
Y2 パンチ
Y3 パッド
Y4 パンチ
Y5 ダイス
Z1 領域
Z2 領域
θ 傾斜角度

Claims (8)

  1. 第1の方向に向かって開口する凹部および前記凹部に隣接するように設けられた拡張凹部を有するケースと、
    前記凹部内に配置された可動部材と、
    前記凹部の底面に形成され、前記可動部材の前記第1の方向とは反対の方向である第2の方向に位置する第1固定接点部と、
    前記凹部の前記底面に露出する第2固定接点部と、
    を備え、
    前記可動部材が変形することにより、前記可動部材と前記第1固定接点部が接触し、
    前記第2固定接点部は前記可動部材と接触する接触部位を有し、
    前記第1の方向から見て、前記拡張凹部は、前記凹部より前記ケースの中心から遠くに位置し、
    前記凹部および前記拡張凹部は一体に形成されており、
    前記拡張凹部は前記接触部位の近傍に形成された、
    プッシュスイッチ。
  2. 前記拡張凹部の底面の表面粗さは、前記接触部位の表面粗さよりも大きい、
    請求項1に記載のプッシュスイッチ。
  3. 前記拡張凹部の底面は、前記接触部位より前記第2の方向に位置する、
    請求項1に記載のプッシュスイッチ。
  4. 前記第1の方向から見て、前記凹部と接する前記拡張凹部の一対の側面の間の長さは、前記凹部から離れるほど短くなるように形成されている、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載のプッシュスイッチ。
  5. 前記ケースは、前記拡張凹部と前記凹部との境界に壁部を有する、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載のプッシュスイッチ。
  6. 前記ケースは、合成樹脂製であって、
    前記接触部位は金属体で形成されており、
    前記金属体は、前記接触部位から前記拡張凹部の底面に亘って延びている、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載のプッシュスイッチ。
  7. 前記金属体は、前記拡張凹部内において、ピン受け部を有する、
    請求項6に記載のプッシュスイッチ。
  8. 複数の接触部位が前記接触部位を含み、
    複数の拡張凹部が前記拡張凹部を含み、
    前記ケースの前記凹部の前記底面には、前記複数の接触部位が設けられ、
    前記複数の接触部位の近傍のそれぞれには、前記複数の拡張凹部の対応する1つが設けられている、
    請求項1〜7のいずれか1項に記載のプッシュスイッチ。
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