JPWO2019017345A1 - 状態推定装置と方法とプログラム - Google Patents

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Abstract

本発明は、コストの増大を抑制し、実用的な精度で設備の状態の時間変化を推定可能とする。状態推定装置は、設備の動作に関する第1の信号と併せて取得された第2の信号に基づき、前記第1の信号の時系列上で解析対象の時間区間を抽出する第1の手段と、前記第1の信号の前記時間区間の波形データに基づき、前記設備の状態の変化を推定する第2の手段を備える。

Description

(関連出願についての記載)
本発明は、日本国特許出願:特願2017−139086号(2017年7月18日出願)の優先権主張に基づくものであり、同出願の全記載内容は引用をもって本書に組み込み記載されているものとする。
本発明は、設備の状態を推定する装置と方法およびプログラムに関する。
電気設備や機器(「設備」と略記される)は、その利用に応じて時間、年月の経過とともに劣化状態が進行する。その原因の代表的なものとして、例えばエレクトロマイグレーション(Electro−Migration:EM)がある。EMにより回路基板上の配線パターン等に腐食が生じ電源ラインや信号の伝送経路の品質が低下することで、最終的には正常な電源供給や信号伝達が困難となり、製品寿命へと至る場合がある。また、設備の使用形態や環境によっては、該設備の製品寿命の前に壊れてしまう場合もある。
冷蔵設備や空調設備等、熱交換を行う設備では、冷媒ガスは、コンプレッサ(圧縮機)で圧縮され高温高圧の気体となり、凝縮器(室外熱交換器)で外気と熱交換を行う。凝縮器で一部液化された冷媒ガスは膨張弁で減圧され蒸発器で室内の熱を奪い冷媒ガスは液体から気体に変化する。蒸発器からの冷媒ガスは再び圧縮機に戻る。これら空調設備の凝縮器(室外熱交換器)には、一般にほこり等が入り込まないように流入口にフィルタを備える。設備の電気回路や回転機械系等の劣化・故障以外に、例えばフィルタの目詰まり等によっても空気の流入量あるいは排出量が減少し、設備の動作不良、故障に至る場合もある。
これら設備の突発的な故障の発生を回避するため、例えば定期的な保守が行われる。しかしながら、定期的な保守の場合、保守間隔(保全期間)は、保守対象の設備の使用形態や環境等にも依存している。このため、定期保守の適切な間隔の設定は難しい。例えば定期保守の間隔が短いと保守コストの増大となり、その間隔が長いと安全性の点で問題が生じる。
そこで、設備の状態をセンサ(例えば電流計、電圧計、電力計、温度センサ、圧力センサ、振動センサ等)等を介して管理装置等でモニタすることで、設備の劣化状態を予測・推定し、保守の必要性を判断する手法が用いられる場合がある。
監視対象の設備にセンサ等を設置して設備の状態をモニタリングする技術として、例えば以下の関連技術が知られている。
特許文献1には、電気機器に印加される電圧波形が変化しても高い精度で電気機器の稼働状況を判別できる稼働状況判別装置が開示されている。この稼働状況判別装置は、電源供給線に流れる電流に含まれる高調波電流の波形データと、該波形データが発生するときの電気機器の稼働状況を示す稼働状況情報と、前記電気機器に印加される交流電圧の1交流電圧周期中の予め設定された波形データ比較対象区間を特定する区間特定情報と、を関連付けた学習データを取得する。そして、稼働状況判別装置は、取得した学習データに関連付けられた高調波電流の波形データと高調波電流計測部で計測した高調波電流の波形データとを波形データ比較対象区間において照合した結果を基に、電気機器の稼働状況を判別する。
また特許文献2には、ユーザが機器及びその動作モードを適切に登録できる機器識別装置および機器識別方法が開示されている。すなわち、特許文献2には、1または複数の電力を消費する電気機器の電流波形を計測する電力計に接続され、電気機器の動作モードを、前記電流波形から識別する機器識別装置が開示されている。この機器識別装置は、前記電力計に対して、前記電気機器の電流波形の計測の開始及び停止を制御する計測制御部と、開始から停止までの計測期間中に計測された電流波形を入力する計測入力部と、入力された電流波形から、1または複数の波形パターンを抽出する波形パターン抽出部と、抽出された1または複数の波形パターンについて、動作モード別に波形パターンを分類するパターン識別部と、前記分類された波形パターンに対して動作モードを登録する登録部と、計測制御部に対して電流波形の計測の開始及び停止を指示し、前記登録部に対して波形パターンの動作モードの登録を指示する指示部と、を備える。
さらに、設備の状態の経時変化を予測する技術として、例えば以下の関連技術が知られている。
特許文献3には、最適化に用いる実績値の経時変化成分に影響されることなく最適化を可能にするとともに、近未来の変動予測を可能にするための技術が開示されている。すなわち、所定の処理条件下で与えられた入力情報に対して、シミュレーション・モデルからの予測出力と、現実の処理プロセスから得られる実績値とを評価する評価関数として分散を定義し、モデル誤差のバラツキ(分散あるいは標準偏差)を補正した後、実績値の経時変化成分を抽出した経時変化情報で修正することにより、模擬対象である処理プロセスの近未来の挙動を予測する。
また、1つのセンサを用いて複数の電気機器の個々の状態を判別する関連技術として、例えば非特許文献1には、分電盤に取り付けた1つの電流センサを用いて基幹線に流れている電流波形(例えば1周期毎の瞬時波形)を取得し、各機器固有の電流波形情報を備えた波形データベースに照らして、波形解析することにより、機器ごとの消費電力を推定し、機器の動作状態を判別することが記載されている。
特開2013−044736号公報 国際公開第2013/157031号 特開平07−056608号公報
河本滋、戸泉貴裕、實吉永典、"1つのセンサーで複数機器の消費電力や利用状況を見える化する電力指紋分析技術"、NEC技報/Vol.68 No.2/ICTが拓くスマートエネルギーソリューション特集
設備の状態をセンシングするセンサとして、例えば電力計による設備の劣化状態の検出・推定は、精度等の点で問題となる場合がある。すなわち、後述されるように、設備によっては、経時変化(劣化)が、電力値の有意差となって表れるのは、劣化状態が相当に進行し、故障、又は、ほぼ故障状態になってからという場合もある。この場合、電力値をモニタすることで、設備の状態の経時変化を、実用性のある精度で適切に推定することは困難である。そして、電力情報に基づき、設備の劣化状態を適切に検出しようとすると、高性能の電力計や演算処理が必要とされる。
特許文献1では、高い精度で電気機器の稼働状況を判別できる稼働状況判別装置が開示されているが、本技術によって設備の状態の経時変化を推定しようとした場合、やはり高性能な電圧・電流測定が必要とされる。
また、設備で消費される電流の時系列データから該設備の状態を推定し該設備の劣化状態を検出・推定する場合、印加される交流電圧の変動等により該設備の電流値が変動し、該設備の状態が変動する場合がある。この場合、設備の劣化状態、経時変化を正しく推定することが困難となる。
本発明は上記課題に鑑みて創案されたものであって、その目的は、コストの増大を抑制し、実用的な精度で設備の状態の時間変化を推定可能とする状態推定装置、方法、プログラムを提供することにある。
本発明によれば、設備の動作に関する第1の信号と併せて取得された第2の信号に基づき、前記第1の信号の時系列上で解析対象の時間区間を抽出する第1の手段と、前記第1の信号の前記時間区間の波形データに基づき、前記設備の状態の変化を推定する第2の手段と、を備えた状態推定装置が提供される。
本発明によれば、コンピュータによる設備の状態を推定する方法であって、設備の動作に関する第1の信号と併せて取得された第2の信号に基づき、前記第1の信号の時系列上で解析対象の時間区間を抽出し、前記第1の信号の前記時間区間の波形データに基づき、前記設備の状態の変化を推定する方法が提供される。
本発明によれば、設備の動作に関する第1の信号と併せて取得された第2の信号に基づき、前記第1の信号の時系列上で解析対象の時間区間を抽出する処理と、前記第1の信号の前記時間区間の波形データに基づき、前記設備の状態の時間変化を推定する処理と、をコンピュータに実行させるプログラムが提供される。
本発明によれば、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み出し可能な記録媒体(例えばRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、又は、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM))等の半導体ストレージ、HDD(Hard Disk Drive)、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)等のnon−transitory computer readable recording mediumが提供される。
本発明によれば、コストの増大を抑制し実用的な精度で設備の経時変化を推定可能としている。
本発明の例示的な一実施形態の構成の一例を例示する図である。(一部変更) 本発明の例示的な一実施形態の一例を説明する図である。 電圧計、電流計の接続を説明する図である。 本発明の例示的な一実施形態の別の例を説明する図である。 複数設備の合成波形と設備毎の分離波形の例を模式的に説明する図である。 本発明の例示的な一実施形態の動作を例示する流れ図である。 本発明の例示的な一実施形態を説明する図である。 本発明の例示的な一実施形態を説明する図である。 電力値と経時変化の関係を説明する図である。 電力値と故障に対する危険度の関係を説明する図である。 電流情報と経時変化の関係を説明する図である。 電流情報と故障に対する危険度の関係を説明する図である。 本発明の例示的な実施形態の変形例を説明する図である。 本発明の例示的なさらに別の実施形態を説明する図である。
本発明の一形態によれば、センサと通信接続する通信インタフェースとメモリを備えたプロセッサ(例えば図10の111)は、設備の動作に関する第1の信号(例えば、設備に流れる電流)と併せて取得された第2の信号(例えば、設備に印加される電圧)に基づき、前記第1の信号の時系列上で解析対象の時間区間を抽出する第1の処理(第1の手段、ユニット)と、前記第1の信号の前記時間区間の波形データ(例えば電流波形データ)に基づき、前記設備の状態の時間変化を推定する第2の処理(第2の手段、ユニット)を実行する。
前記第1の処理(第1の手段、ユニット)は、前記第1の信号の時系列上のある時間区間に対応する前記第2の信号が予め定められた値又は状態である場合に、前記第1の信号の前記時間区間を解析対象として選択するようにしてもよい。
前記第1の処理(第1の手段、ユニット)は、前記第2の信号に基づき、前記第1の信号の時系列データから、解析対象から外す時間区間を除くようにしてもよい。
前記第1の処理(第1の手段、ユニット)は、前記第1の信号の時系列データから、時間変化(経時変化)の影響を受けない動作モードに対応する時間区間を除くようにしてもよい。その際、前記第1の処理は、前記設備の動作履歴情報に基づき、前記第1の信号の時系列データから、時間変化(経時変化)の影響を受けない動作モードに対応する時間区間を除外するようにしてもよい。
前記第2の処理(第2の手段、ユニット)は、前記時間区間に対応する前記設備の第1の信号(電流)の波形データから、前記設備の状態の変化を推定し、前記状態の変化に対して、抽出対象の時間変化の時定数に対応するフィルタリング処理を施し、前記設備の状態の時間変化を推定するようにしてもよい。
前記第2の処理(第2の手段、ユニット)は、前記時間区間に対応する前記設備の第1の信号(電流)の時系列データに基づき、前記設備の故障に対する危険度の時系列データを取得し、前記時間区間に対応する前記故障に対する危険度の時系列データに対して、抽出対象の時間変化の時定数に対応するフィルタリング処理を施し、前記設備の状態の時間変化を推定するようにしてもよい。
本発明によれば、設備に印加される交流電圧について、指定した実効値等に対応する電流の時間区間を抽出し、該抽出された時間区間の電流波形データから、設備の状態を推定することで、設備の状態変化、経時変化を正しく推定することを可能としている。このため、本発明によれば、コストの増大を抑制し、実用的な精度で設備の状態の時間変化を推定可能としている。以下、例示的な実施形態について図面を参照して説明する。
<例示的な実施形態>
図1は、本発明の例示的な一実施形態を説明する図である。図1を参照すると、本発明の一実施形態によれば、設備の状態を推定する状態推定装置100は、電圧/電流情報取得部101、対象区間抽出部102、状態推定部103、時間変化推定部104、出力部105、記憶装置106を備えている。
なお、対象区間抽出部102は、上記第1の処理を実行する第1の手段に対応させることができる。状態推定部103と時間変化推定部104は、上記第2の処理を実行する第2の手段に対応させることができる。
電圧/電流情報取得部101は、センサ200から、設備10に印加される交流電圧、設備10に流れる交流電流の時系列データを取得し、記憶装置106に記憶する。
電圧/電流情報取得部101は、例えば通信手段(図2Aの通信部101−1)を備え、該通信手段を介してセンサ200(図2A)と通信し、センサ200で測定された設備10の電圧、電流の時系列データ(デジタル波形データ)を取得するようにしてもよい。あるいは、電圧/電流情報取得部101は、通信手段(図3Aの通信部101−1)を備え、分電盤(図3Aの22)の主幹等に接続されたセンサ200等から電圧、及び、複数の設備10に関する合成電流波形を取得し、機器分離(disaggregation)技術を用いて個々の設備の電流情報を取得するようにしてもよい。あるいは、センサ200として、家屋や、工場、店舗等の建屋のスマートメータ(図3Aの23)を利用し、電圧/電流情報取得部101は該スマートメータから計測電圧、電流値情報を取得し、機器分離技術を用いて個々の設備の電流情報を分離するようにしてもよい。
なお、センサ200において、設備10に印加される交流電圧と、設備10に流れる電流(設備10で消費される電流)のサンプリングレートは同一であってもよいし、あるいは同一でなくてもよい。好ましくは、設備に印加される交流電圧のサンプリング波形と、電流の波形サンプリング波形を、サンプリング時刻を対応させて保持するようにしてもよい。センサ200のサンプリング周波数が既知である場合、所定時間長の電圧、電流のサンプリング波形のサンプリング時刻は個々のサンプル値に対して保持する必要はなく、サンプリング波形のサンプリング開始時刻情報のみを保持するようにしてもよい。
センサ200では、例えば、サンプリング開始時刻から、所定のサンプリング周波数(例えば20KHz(Kilo Hertz))でサンプルした電圧、電流の時系列データを、サンプリング開始時刻情報(T1)とともに、電圧/電流情報取得部101に供給するようにしてもよい。電圧/電流情報取得部101は、センサ200から送信された電圧、電流の時系列データをサンプリング開始時刻情報に関連付けて記憶装置106に記憶するようにしてもよい。
電圧/電流情報取得部101では、例えば交流電圧波形データのゼロクロスポイントに基づき、電圧波形との位相差(φ:力率角)を調整した上で、電流波形の時系列データを商用交流電源の複数の周期に区分するようにしてもよい。
対象区間抽出部102は、電圧/電流情報取得部101で取得され、電圧情報に基づき、記憶装置106に記憶されている電流情報の時系列データに対して、解析対象となる時間区間を抽出する。例えば時間区間は、商用電源の1周期(20ms(milli second))であってもよく複数の周期であってもよい。その際、対象区間抽出部102は、状態の時間変化の推定対象から外れる時間区間を除外するようにしてもよい。
一般に、環境状況(温度や湿度、気圧など)が一定である場合には、設備に供給される電圧に応じて電流情報は決定される。設備が動作目標値となるようにフィードバック運転しない場合等に、より決定的である(例えば、電圧に応じて電流情報がほとんど決定される)。
対象区間抽出部102は、例えば設備に印加される電圧波形データのうち、商用交流電源1周期の電圧波形が特定の状態となっている時間区間を抽出するようにしてもよい。特定の状態とは、例えば電圧値の統計値(最大値、平均値、分散等)がある数値または範囲内になっている、あらかじめ設定した基準とする波形との関係性(相関関数、相関係数、共分散等)が一致していると判断できる状態をいう。
対象区間抽出部102において、電流のサンプル値の時系列において、電圧値が同一である時間区間を選択するようにしてもよい。図5には、交流電圧の実効値が202V、215V、190V(電圧波形51、52、53、ただし、許容電動電圧は例えば202V±20V)のときの1サイクル分の電流波形(54、55、56)が模式的に示されている。交流電圧の実効値が202V、212V、192V等は、予め定められた測定期間(例えば1時間等)における交流電圧の実効値の平均値であってもよい。例えば、状態推定対象として、交流電圧の実効値が202Vである時間区間を選択してもよい。対象区間抽出部102は、選択した時間区間に対応した、電流の時間区間を、解析対象の時間区間として抽出する。
対象区間抽出部102は、電流の時系列データにおいてあるサンプリング時刻(期間)に対応する時刻(期間)の交流電圧の実効値が202V(あるいは202V±α)である場合、当該サンプリング時刻(期間)を状態推定対象の時間区間として抽出するようにしてもよい。図5において、交流電圧の実効値が215、190Vについても同様にして時間区間の抽出が行われる。
なお、解析対象の抽出する電流の時間区間は、交流電圧の測定期間(例えば1時間等)以下であってよく、例えば、商用電源周波数の1サイクル乃至、数十サイクルのオーダの期間であってもよい。長期間にわたる経年変化をモニタする場合、代表サンプル値を抽出するようにしてもよい。逆に短期間(例えば1時間)の範囲内での設備の状態の時間変化を解析する場合、解析対象の抽出する電流の時間区間は、交流電圧の測定期間(例えば1時間等)とほぼ同程度の長さの時間区間としてもよい。
状態推定部103では、対象区間抽出部102で抽出された時間区間の電流波形データの情報(例えば特徴量(スカラー又はベクトル))に基づき、設備の状態を推定する。
状態推定部103では、電流波形の特徴量を、時間領域の波形形状(ピーク値、実効値、平均値、波高値等)から算出してもよいし、時間領域の波形のパタンを特徴量としてもよい。あるいは、電流波形データをフーリエ変換(高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform:FFT)又は離散フーリエ変換(Discrete Fourier Transform:DFT)等)して周波数領域に変換し、周波数スペクトル成分に基づき特徴量を算出するようにしてもよい。例えば基本周波数である交流電源周波数の高調波成分の振幅の2乗を加算した値、偶数次高調波成分、又は奇数次高調波成分の振幅の2乗を加算した値に基づき、電流の特徴量を算出してもよい。また、高調波歪(Total Harmonic Distortion: THD)等を電流の特徴量として用いてもよい。電源ライン等に高周波雑音を発生するインバータを備えた空調設備等に対して、状態推定部103では、高域通過フィルタ(High−pass filter: HPF)で抽出された高周波成分の周波数スペクトル成分等に基づき、電流の特徴量を算出するようにしてもよい。
状態推定部103では、設備の状態と、電流情報(波形、特徴量等)に関して、例えば機械学習を行うことで、抽出した時間区間の電流情報(波形、特徴量等)に基づき、設備の状態(状態の変化)を推定するようにしてもよい。
線形識別関数を用いて入力されたデータを2クラスに分類する機械学習では、例えば電流の波形や特徴量ベクトル等の入力ベクトル:x=(x1,x2,・・・,xd)(d次元とする)に対して、例えば、ある状態のとき、出力:+1(クラス1:状態1)、そうでないとき、出力:−1(クラス2:状態1以外)となるように学習する場合、
y=f(x)=sign(wx)=sign(w1x1+w2x2+…+wdxd)
(ただし、sign()は符号関数であり、引数が0以上であれば、+1、0未満であれば−1、w=(w1,w2,…,wd)はモデルパラメータ(重み)である、Tは転置演算子である。)について、
出力がy=+1(クラス1)のデータについては、wx>0
出力がy=−1(クラス2)のデータについては、wx<0
となり、教師データ(訓練データ)の入出力を再現できるように、重みwを調整する。
なお、教師有り学習としてサポート・ベクター・マシン(Support Vector Machine:SVM)や、k−近傍法(k−Nearest Neighbor Method:k−NN法)、ニューラル・ネットワーク(Neural Network:NN)の手法を用いてもよい、また、教師なしの学習として、クラスタリング(例えばk−平均法(k−Means Clustering Method:k−Means法等)の手法を用いてもよい。
あるいは、状態推定部103では、設備の状態(例えば劣化度)を数値化したモデルを用い、電流情報(電流波形、特徴量)の時系列データと対応する設備の状態に基づき、例えば回帰分析等により、設備の状態を近似する式fを求め、ある時刻tでの電流情報xに対応する設備の状態(例えば劣化度)f(x)を推定するようにしてもよい。
なお、状態推定部103において、時刻tあるいはそれ以降の時刻で推定された設備の状態が、それ以前の時刻t〜tN−1で推定された設備の状態から予め定められた値(閾値)以上変化しているとき、時刻tでの状態が変化したと推定されることになる。この場合も、設備の状態の変化の判定用の閾値を、機械学習等に基づき、学習することで、状態の変化を検出するようにしてもよい。
時間変化推定部104は、推定された状態(状態の変化)に対して、推定対象の変化の時間変化率(時定数)に対応したフィルタリング処理を行い、状態の時間変化を推定する。
なお、時定数τは、例えば指数関数特性の立ち上がり波形(振幅Y):
Figure 2019017345

において、初期値0から0.632Y(Y(τ)=Y(1−exp(−1))≒0.632Y)に達するまでの時間t=τに対応する。
同様に、初期値がYの指数関数特性の立ち下がり波形:
Figure 2019017345
において、初期値Y=Y(0)からY(τ)=Yexp(−1)≒0.368Yに達する時間t=τに対応する。
設備の状態の時間変化が指数関数特性を有しない場合、上記定義を設備の状態の時間変化にそのまま適用することはできない。しかし、状態の時間変化に対応するフィルタリング処理(例えばローパスフィルタの遮断周波数fは1/(2πτ):τは時定数)に合わせて、本明細書では、設備の状態の経時変化についても、「時定数」という用語を用いる。
時間変化推定部104が行うフィルタリング処理は、設備の劣化度(「故障に対する危険度」ともいう)を表す信号値(ただし、電流波形又は電流波形の特徴量であってもよい)の時系列データに対して、FIR(Finite Impulse Response)フィルタやIIR(Infinite Impulse Response)等のデジタルフィルタ処理を行うようにしてもよい。あるいは、時間領域の電流波形(特徴量)に対して、フーリエ変換(高速フーリエ変換、離散フーリエ変換)を行い、周波数スペクトルについて所定の周波数帯をカットオフ(遮断)する等の処理を施し、逆フーリエ変換して時間領域に戻すことで実現するようにしてもよい。設備の劣化度と正の相関を有する電流情報の時系列データに対してフーリエ変換を行うようにしてもよい。あるいは 出力部105は、設備の状態の経時変化の推定結果を表示装置に出力する。あるいは、出力部105は、不図示の通信インタフェース、ネットワーク等を介して、不図示の端末、ホスト等に、設備の状態の経時変化の推定結果を送信するようにしてもよい。
図2Aは、図1のセンサ200の構成の一例を示す図である。なお、図2Aでは、簡単のため、単相2線式交流が例示されているが、三相3線式の交流の場合も、例えば三台の単相電力計を用いて測定できる。あるいは、電力について2電力計法に基づく測定を行うようにしてもよい。図2Aにおいて、センサ200は、設備(図2Bの負荷210)の端子間電圧を測定する電圧計201(図2BのU)と、設備(図2Bの負荷210)に流れる電流を測定する電流計204(図2BのI)を備えた構成としてもよい。電圧計201は、負荷(図2Bの210)の端子間電圧を降圧する降圧回路202と、降圧回路202のアナログ出力電圧をデジタル信号に変換するアナログデジタル変換器203を備えた構成としてもよい。電流計204は、電源ライン(図2Bの負荷210に接続する電源ライン)に流れる電流を検知する電流センサ205と、電流センサ205からのアナログ出力信号をデジタル信号に変換するアナログデジタル変換器206を備えた構成としてもよい。電流センサ205は、例えば電源ラインに挿入されたシャント抵抗(不図示)の端子間電圧を計測する構成としてもよいし、あるいは、電流センサ205は、磁気コア等にコイルを巻いた変流器構造をとり電流測定対象のケーブルを挟み込み、磁気コア中に流れる磁束の検知値から換算することにより電流を検知するCT(Current Transformer:例えば零相変流器(Zero−phase−sequence Current Transformer:ZCT)等)やホール素子等で構成してもよい。
電圧情報と対応する電流波形データは、通信部207に入力され、電圧/電流情報取得部101に送信される。通信部207は、電圧情報と、対応する電流波形データを、測定時刻情報とともに、電圧/電流情報取得部101に送信するようにしてもよい。
電圧/電流情報取得部101の通信部101−1は、センサ200の通信部207と通信し、測定された電圧、電流の時系列データを受信し、受信した時系列データを記憶装置106に格納する。その際、測定器200で測定した電圧、電流の時刻情報を電圧、電流の時系列データに対応させて記憶装置106に記憶するようにしてもよい。電圧/電流情報取得部101は、電圧波形の時系列データのゼロクロスポイントを利用して、電流の時系列データを、商用交流電源(図2Bの211)の1周期ごとに区分して、記憶装置106に記憶するようにしてもよい。本実施形態によれば、センサ200において、高性能な電力計は必要とされない。
電圧/電流情報取得部101は、上記したように、センサ200に接続するか、あるいはセンサ200を含む構成に制限されるものでないことは勿論である。電圧/電流情報取得部101は、例えばスマートメータや電流センサ等から取得した電流波形から波形分離して、設備毎の電圧波形、電流波形(長さは例えば商用電源周波数の1周期以内)を取得するようにしてもよい。この場合も、高性能な電力計は必要とされない。
図3Aは、図1のセンサ200として、分電盤の主幹ブレーカ又は分岐ブレーカに設置されたセンサ200、又は、スマートメータ23を用いて、電圧/電流情報取得部101が、電源電流波形から、各設備の電流波形に分離する例を説明する図である。図3Aを参照すると、建屋20内において、通信装置21をFEMS(Factory Energy Management System)/SEMS(Store Energy Management System)/BEMS(Building Energy Management System)/HEMS(Home Energy Management System)等のコントローラで構成し、スマートメータ23の検針データ(電圧波形、電流波形等)を例えばBルートから取得する。通信装置21がスマートメータ23からBルートで取得する検針データ(電力、電流波形等)は、建屋20全体の消費電力に関する情報を含む。また、分電盤22の少なくとも1つの分岐ブレーカ(不図示)また主幹ブレーカに、例えば電圧、電流を検出するセンサ200を備えている。センサ200から、通信装置21に無線伝送等で電圧、電流情報を送信するようにしてもよい。センサ200は、電圧、電流情報を通信装置21に、Wi−SUN(Wireless Smart Utility Network)等により無線伝送するようにしてもよい。
電圧/電流情報取得部101は、通信部101−1と波形分離部101−2を備えている。通信部101−1は、通信装置21と通信し、センサ200又はスマートメータ23が取得した電圧、電流情報を取得し、設備A〜C(10A〜10C)に固有の電圧、電流波形に機器分離し、記憶装置106に記憶する。
図3Bは、図3Aの分電盤22に設置されたセンサ200で取得された電流波形を例示する図である。波形分離部101−2は、設備A〜C(10A〜10C)の合成電流波形データ31から、例えば非特許文献1等の手法を用いて、設備A〜C(10A〜10C)の各設備の電流波形に分離する。32〜34は、設備A〜C(10A〜10C)の各設備に分離された電流波形を模式的に表している。図3Aの構成の場合、設備10にセンサ200を備える場合(図2A)と比べて、コストを特段に削減可能としている。なお、図3Aにおいて、電圧/電流情報取得部101における波形分離部101−2は、ローカル側の建屋20等に配置する構成としてもよい(この場合、記憶装置106をクラウド側に配置する構成としてもよい)。
図4は、図1等を参照して説明した例示的な実施形態の処理手順の一例を説明する図である。図4を参照して、例示的な実施形態の処理手順を説明する。
図1の電圧/電流情報取得部101は、設備の電圧/電流情報の時系列データを取得する(S1)。
図1の対象区間抽出部102は、電流の時系列データのうち、例えば、特定の電圧状態に対応する時間区間を選び出す(S2)。対象区間抽出部102は、電流の時系列データのうち、特定の電圧以外の電圧に対応する時間区間を除外することで、特定の電圧状態に対応する時間区間を取り出すようにしてもよい。
図1の状態推定部103は、対象区間抽出部102で選択された時間区間の電流波形に基づき、設備の状態を推定する(S3)。
図1の時間変化推定部104は、推定された状態の時系列情報に基づき、抽出対象となる時定数に対応する状態の時間変化(経時変化)を求める(S4)。
図1の出力部105は、設備の状態の時間変化の推定結果を出力する(S5)。
例示的な実施形態によれば、設備の状態の時間変化が微細であっても、フィルタリング等により、他の要因による時間変化と分離することで、当該時間変化を適切に推定することが可能となる。この結果、設備のメンテナンスや清掃時期の的確な把握が可能となる。
なお、電流情報を用いる場合、さまざまな時間変化(経時変化、経年変化)に関する情報(例えば、温度センサによる温度変化、振動センサによる振動変化、あるいは清掃日時情報、経年劣化情報等)を併せて、観測するようにしてもよい。
例示的な実施形態によれば、以下の(a)乃至(c)を行うことで、設備の状態変化に関して、所望の長さに対応した時間変化(短時間の急激な変化、長時間の緩やかな変化)に関する情報を適切に推定することができる。この結果、コストの上昇を抑えながら、実用性のある精度で時間変化の検出を可能としている。
(a)図1の対象区間抽出部102が、設備に印加される交流電圧のサンプル値等に基づき、設備に流れる電流の時系列データのうち推定対象となる時間区間を選択して取り出す。
(b)図1の状態推定部103は、選択された時間区間の電流の波形データに基づき、当該設備の状態(状態の変化)を推定する。
(c)時間変化推定部104は、推定された状態の変化に対して、抽出対象の時間変化に対応した時定数のフィルタリング処理を施し、状態の経時変化を抽出する。
上記(a)の処理では、電圧値の統計値(最大値、平均値、分散等)がある数値または範囲内になっている、または、予め設定した基準とする波形との関係性(相関関数、相関係数、共分散等)が一致していると判断できる場合の時間区間(期間)を抽出するようにしてもよい。
図6は、空調設備のうちエアーカーテンエアコンのフィルタ目詰まりと物体(荷物等の置物等)で塞いだ場合の2つが重畳された場合の状態の経時変化の例を説明する図である。
例えばコンビニ、スーパー等の店舗において、商品(冷凍食品等)を陳列するショーケースの開放面をエアーカーテンの形成により外気から遮断したオープンタイプの冷凍庫(エアーカーテン冷凍機)が用いられている。庫内に冷却した空気をファン等で循環させ、吸込部に吸い込まれた空気は冷却器で熱交換されて冷却され、冷却した空気がエアーカーテン吹出部から庫内に吹き出される。エアーカーテン冷凍機等の空調設備では、例えば空冷コンデンサ・フィルタのゴミ詰まり等により、冷却能力が低下し、消費電力が増大し、さらに設備の故障の原因となる。オープンタイプのエアーカーテン冷凍庫では、例えばエアーカーテン吹出部の近傍等が商品等で塞がれると、エアーカーテンによる外気の遮断効果が低減し、庫内の冷凍性能の低下や消費電力の増大等が生じる。また、空冷コンデンサ・フィルタが物体(置物等)で塞がれた場合、冷凍機の状態(劣化状態)に、フィルタの目詰まり等による比較的緩やかな経時変化(経年変化)等と比べて、急な時間変化がある。この場合、時定数τが相対的に小さなフィルタリング処理(高域を通過させるフィルタリング処理)を、解析対象の時間区間の状態に施すことで、状態の急な時間変化を抽出することができる。また、時定数τが相対的に大きなフィルタリング処理(低域を通過させるフィルタリング処理)を施すことで、フィルタの目詰まり等による比較的緩やかな経時変化を抽出することができる。
図6において、横軸は時間、縦軸は故障に対する危険度(経時変化による危険度)を表している。エアーカーテン冷凍庫等の空冷コンデンサのフィルタの目詰まりにより劣化状態は、時間とともになだらかに進行する。空冷コンデンサ・フィルタを塞ぐ物体が置かれた場合に、時刻t3で故障に対する危険度は急に上昇する。時刻t4でフィルタを塞いでいた物体が除かれると、フィルタ目詰まり単独の故障に対する危険度の時間推移(経時変化)に戻る。
なお、図6において、縦軸の故障に対する危険度は、設備の劣化状態を数値化して表したものであってもよい。あるいは、故障に対する危険度は、故障に対する危険度(設備の劣化状態)と正の相関を有する信号(例えば設備に流れる電流)等であってもよい。
図1の時間変化推定部104は、図6の時系列データに対して、空冷コンデンサ・フィルタ目詰まりの時定数τに対応したフィルタリング処理(ローパスフィルタ:遮断周波数=1/(2πτ))を施すことで、フィルタ目詰まりの進行の度合いを分離抽出することができる。
また、図1の時間変化推定部104は、空冷コンデンサ・フィルタ目詰まり+物体(荷物)による塞ぎに対応した、カットオフ周波数のフィルタリング処理(高域通過フィルタ)により、物体(荷物)による塞ぎを原因とする状態変化を分離抽出することができる。
空冷コンデンサ・フィルタの目詰まりは、数日〜数週間程度の時間をかけてゆっくりと変化するのに対して、空冷コンデンサ・フィルタを塞ぐ物体(荷物)が置かれた、あるいは除去されたという変化は、数分〜数時間程度の速い変化であり、これらは、フィルタリング処理により、明確に分離して判別することが可能である。
エアーカーテン吹出部の近傍等が商品等で塞がれ外気の遮断能力が低下し、エアーカーテン冷凍庫の消費電流等が増大した場合にも、同様にして、フィルタ目詰まりと分離して抽出することができる。
このように、例示的な実施形態によれば、対象とする状態の時間変化に着目することで、状態の時間変化の影響を適切に推定することができる。例示的な実施形態によれば、設備の状態の経時変化を推定可能としたことで、適切な予防保全等の対処を促すことが可能になる。
また、図1の時間変化推定部104は、電流の時系列データから、設備がスタンバイ状態や電源オフ状態等、状態変化の影響を受けない動作モードに対応する時間区間を解析対象から除く(外す)ようにしてもよい。例えば、設備の動作時の電流が10アンペアであり、スタンバイ状態や電源オフ状態の場合の電流がミリアンペアのオーダの場合、図1の時間変化推定部104は、当該設備の電流値が0又はミリアンペアのオーダの時間区間を、状態の時間変化の推定対象から外す。
あるいは、図1の時間変化推定部104は、設備の動作履歴情報に基づき、電流の時系列データから、スタンバイ状態や電源オフ状態等、時間変化(経時変化)の影響を受けない動作モードに対応する時間区間を取得し、当該スタンバイ状態や電源オフ状態等の時間区間を解析対象から除外するようにしてもよい。時間変化推定部104は、設備の動作履歴情報を、当該設備を管理する管理サーバ(不図示)から取得するようにしてもよい。
図7Aは、図1の設備10の電力値と経時変化(時間変化)の関係の一例を説明する図である。横軸は経時変化(設備の状態)、縦軸は設備の電力値である。横軸の「正常」から「故障注意」では、電力値の時間変化は微弱である。電力値は、故障直前に立ち上がり、故障となると、顕著な上昇を示している。
図7Aに示す例の場合、設備の劣化が電力値の差となって表れるのは、設備の劣化が相当に進行してからであることがわかる。電力値は、破線で囲んだ範囲では、設備の劣化の進行に対して顕著な差として現れない(電力値の変化量は少ない)。
図7Bは、図7Aの電力値と、故障に対する危険度との関係を説明する図である。横軸は電力値、縦軸は設備の故障に対する危険度(図6の縦軸に対応する)である。故障に対する危険度の「対処推奨」は、保全の対処が推奨される状態にあり、「要対処」は保全が必要であることを表している。
なお、図7A、図7Bにおいて、設備の定格電力を超えると、もとの故障に加えてさらなる製品の劣化・破壊等が生じる可能性がある。故障時、設備への給電は遮断されるか(例えば設備の過電流検出時や短絡故障時等にブレーカで遮断)、設備自体が動作しなくなる。
図7Bの例では、電力値のわずかな変化に対して、「正常」から「対処推奨」、「要対処」まで急激に変化していることがわかる。このため、電力値は、故障の予兆等の検出等には向かない。
また、図7Aにおいて、電力値を用いて「正常」から「故障注意」等の経時変化を検出するには、高性能な電力計が必要とされる。このため、非特許文献1等に記載された機器分離(disaggregation)技術により、分電盤に接続したセンサ200による電流波形から各設備の消費電力情報を得る場合、わずかな電力値の変化等を検出することは困難であると思料される。
そこで、実施形態では、設備の状態(劣化の程度や異常)の推定は、設備に流れる電流情報を解析することによって行われる。さらに、設備の状態の時間変化(経時変化)を適確に推定するため、特定の電圧状態に対応した時間区間の電流波形に基づき、設備の状態の変化を推定する。
図8Aは、設備の電流情報と経時変化の関係を説明する図である。横軸は経時変化、縦軸は設備の電流情報(の一部や加工値)である。電流情報は故障となるまで一定の割合で変化(単調増加)している。電流情報の一部は、電流情報の時系列データの一部の時間区間に対応させることができる。また電流情報の加工値として、前述した特徴量が挙げられる。
図8Bは、設備の電流情報と故障に対する危険度との関係を説明する図である。横軸は電流情報(の一部や加工値)、縦軸は設備の故障に対する危険度(図6の縦軸に対応)である。故障に対する危険度は、電流値の増大に比例して正常から対処推奨、要対処まで変化している。図8B横軸の電流情報(の一部や加工値)のa、bは、図8Aのa、bにそれぞれ対応している。
電流情報と経時変化、故障に対する危険度との間に、図8A、図8Bのような関係があるため、状態推定部103は、故障に対する危険度として、電流情報を用いて、設備の状態を推定してもよい。
状態推定部103は、商用交流電源の1サイクル毎に詳細な電流波形パターンを取得し、電流波形から抽出した特徴量、又は電流情報から算出された故障に対する危険度を、予め設定された閾値(図8A、図8Bのa、b)と比較して「正常」、「対処推奨」、「要対処」等を検知するようにしてもよい。
状態推定部103は、図8Bの「正常」、「対処推奨」、「要対処」等を検知する場合、機械学習(例えば、サポート・ベクター・マシン(Support Vector Machine:SVM)、k−近傍法(k−Nearest Neighbor Method:k−NN法)、ニューラル・ネットワーク(Neural Network:NN)、局所外れ値因子法(Local Outlier Factor Method:LOF法、k−平均法(k−Means Clustering Method:k−Means法))等の手法を用いてもよい。
なお、図8A、図8Bは、単に説明の簡単のため、電流情報と経時変化、故障に対する危険度の関係を直線で示している。図8Bにおいて、故障に対する危険度が、図6に示すような特性の場合、横軸を複数の区間に区分し、各区間毎にスプライン曲線で近似するようにしてもよい。
図8Bにおいて、故障に対する危険度は、設備が製品の製造設備である場合、製品の不良率等を用いてもよい。不良率が所定の値のとき故障に対する危険度は要対処となり、不良率が1(全製品が不良)のとき故障である。エアコン等の場合、冷房時の消費電力1kW(Kilowatt)あたりの冷房能力である冷房COP(Coefficient Of Performance)=冷房能力(kW)÷冷房消費電力(kW)に基づき、故障に対する危険度=1−冷房COPとしてもよい。
上記した特許文献3では、経時変化に関する情報を、
(1)予め定義した時間特性(数式)をフィッティングによりパラメータを決定する、
(2)実測値のある範囲の平均値と最新の値との差分を経時変化成分として使用する、
の2通りの方法が示されている。
(1)の場合、経時変化の時間特性が、作業者などの経験値などからある程度わかっている必要があり、さらに、その他の誤差要因(測定誤差など)との切り分けも困難であり、この方式で、経時変化の成分のみが抽出できているとは言い難い。
(2)の場合、予め時間特性を知っておく必要はないものの、時間変化成分の抽出に用いる時間範囲の設定に定量性がなく、またその他の誤差要因(測定誤差など)との切り分けも困難である。この方式で経時変化の成分のみが抽出できているとは言い難い。したがって、特許文献3では、経時変化を、精度よく推定できているとはいえない。
上記実施形態では、対象区間抽出部102が、設備に印加される交流電圧の電圧値(実効値)等に基づき、電流の時間区間(期間)を選択する例を説明したが、電圧のかわりに、電力を使用してもよい。この場合、任意の測定期間(例えば1時間など)において基準となる電力値を設定しておく(例えば平均値など)。対象区間抽出部102は、電流波形のサンプリング時刻に対応する電力値を算出し、算出された電力値が、基準電力値(平均値など)と一致する場合、当該サンプリング時刻を含む電流の時間区間(期間)と解析対象として選択するようにしてもよい。なお、電力は、電圧/電流情報取得部101で取得した電圧、電流情報から算出してもよいし、センサ200において、電圧計201、電流計204で取得された電圧波形(デジタル値)と電流波形(デジタル値)から有効電力を算出し、該有効電力を電流情報とともに、電圧/電流情報取得部101に送信するようにしてもよい。
上記実施形態では、推定対象となる時間区間(期間)を抽出するための信号の時系列データとして、電圧波形の時系列データ、及び、故障に対する危険度の時系列データ(図6)を例に説明したが、振動センサ、音響センサ、温度センサの少なくとも一つからの情報を用いてもよいことは勿論である。例えば、センサとして、電流センサと温度センサを使用することも可能である。
図9は、別の例示的な実施形態を説明する図である。図9において、センサ200Aは電流センサであり、図2Aの電流計204と通信部207から構成される。センサ2200Bは例えば温度センサである。電流情報取得部101Aはセンサ200Aから通信部108を介して電流情報(時系列データ)を取得し、記憶装置106に記憶する。センシング情報取得部107はセンサ200Bから通信部108を介して温度情報(時系列データ)を取得し、記憶装置106に記憶する。なお、記憶装置106には、電流情報、温度情報を、サンプリング時刻に関連付けて記憶するようにしてもよい。
本実施形態では、任意の測定期間(例えば1時間など)において取得した温度情報から、例えば平均値などを算出し、基準となる温度値を設定しておく。対象区間抽出部102Aは、記憶装置106に記憶された電流情報のサンプリング時刻に対応する温度情報を参照し、該温度が、温度の基準値(平均値など)と一致する場合、当該サンプリング時刻を含む電流の時間区間(期間)を、解析対象として選択するようにしてもよい。
温度以外にも、湿度、振動、気圧などについても、センサ200Bを湿度センサ、振動センサ、気圧センサとすることで、同様に適用可能である。
なお、図1や図9の状態推定装置100、100Aは、例えば図10に示すように、コンピュータシステムに実装してもよい。図10を参照すると、サーバコンピュータ等のコンピュータシステム110は、プロセッサ(CPU(Central Processing Unit)、データ処理装置)111、半導体メモリ(例えばRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、又は、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)等)、HDD(Hard Disk Drive)、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)等の少なくともいずれかを含む記憶装置112と、表示装置113と、通信インタフェース114を備えている。通信インタフェース114は、図1の電圧/電流情報取得部101がセンサ200で取得した電圧、電流情報を通信網を介して取得する通信部(図2、図3の101−1)として機能する。また、図9の通信部108として機能する。図1、図9の出力部105は、例えば表示装置113に状態変化の推定結果を出力する。記憶装置112は、図1、図9の記憶装置106と同一の装置であってもよい。記憶装置112に図1、図9の状態推定装置100、100Aの機能を実現するプログラムを記憶しておき、プロセッサ111が、該プログラムを読み出して実行することで、上記した実施形態の状態推定装置100、100Aを実現するようにしてもよい。コンピュータシステム110は状態推定サービスをクラウドサービスとしてクライアントに提供するクラウドサーバとして実装するようにしてもよい。
なお、上記の特許文献1−3、非特許文献1の各開示を、本書に引用をもって繰り込むものとする。本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の請求の範囲の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施例の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせ乃至選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。
上記した実施形態は例えば以下のように付記される(ただし、以下に制限されない)。
(付記1)
設備の動作に関する第1の信号と併せて取得された第2の信号に基づき、前記第1の信号の時系列上で解析対象の時間区間を抽出する第1の手段と、
選択された前記第1の信号の前記時間区間の波形データに基づき、前記設備の状態の変化を推定する第2の手段と、
を備えた、ことを特徴とする状態推定装置。
(付記2)
前記第1の手段は、前記第1の信号の時系列上のある時間区間に対応する前記第2の信号が予め定められた値又は状態である場合に、前記第1の信号の前記時間区間を解析対象として選択する、ことを特徴とする付記1に記載の状態推定装置。
(付記3)
前記第1の手段は、前記第1の信号の時系列において、前記設備の状態変化の影響を受けない動作モードに対応する時間区間を解析対象から除く、ことを特徴とする付記2に記載の状態推定装置。
(付記4)
前記第1の手段は、前記第1、第2の信号として前記設備の電流、電圧情報を用い、
指定値又は指定範囲の前記電圧で動作した前記設備の電流の時間区間を抽出する、ことを特徴とする付記1乃至3のいずれかに記載の状態推定装置。
(付記5)
前記第2の手段は、前記抽出された時間区間の電流情報の時系列データから前記設備の状態の変化を推定する、ことを特徴とする付記4に記載の状態推定装置。
(付記6)
前記第2の手段は、推定対象の状態の時間変化に対応するフィルタリング処理を施し、前記設備の状態の時間変化を推定する、ことを特徴とする付記1乃至4のいずれかに記載の状態推定装置。
(付記7)
前記第2の手段は、前記時間区間の電流情報の時系列データに基づき、前記設備の故障に対する危険度の時系列データを算出し、
前記時間区間に対応する前記故障に対する危険度の時系列データに対して、推定対象の状態の時間変化の時定数に対応するフィルタリング処理を施し、前記設備の状態の時間変化を推定する、ことを特徴とする付記4に記載の状態推定装置。
(付記8)
前記第1の手段は、前記第1の信号として前記設備の電流、前記第2の信号として前記設備の電力、温度、湿度、振動、気圧のいずれかを用いる、ことを特徴とする付記1又は2に記載の状態推定装置。
(付記9)
コンピュータによる設備の状態を推定する方法であって、
設備の動作に関する第1の信号と併せて取得された第2の信号に基づき、前記第1の信号の時系列上で解析対象の時間区間を抽出する第1の工程と、
選択された前記第1の信号の前記時間区間の波形データに基づき、前記設備の状態の変化を推定する第2の工程と、
を含む、ことを特徴とする状態推定方法。
(付記10)
前記第1の工程では、前記第1の信号の時系列上のある時間区間に対応する前記第2の信号が予め定められた値又は状態である場合に、前記第1の信号の前記時間区間を解析対象として選択する、ことを特徴とする付記9に記載の状態推定方法。
(付記11)
前記第1の工程では、前記第1の信号の時系列において、前記設備の状態変化の影響を受けない動作モードに対応する時間区間を解析対象から除く、ことを特徴とする付記9に記載の状態推定方法。
(付記12)
前記第1の工程では、前記第1、第2の信号として前記設備の電流、電圧情報を用い、
指定値又は指定範囲の前記電圧で動作した前記設備の電流の時間区間を抽出する、ことを特徴とする付記9又は10に記載の状態推定方法。
(付記13)
前記第2の手段は、前記抽出された時間区間の電流情報の時系列データから前記設備の状態の変化を推定する、ことを特徴とする付記12に記載の状態推定方法。
(付記14)
前記第2の工程では、推定対象の状態の時間変化に対応するフィルタリング処理を施し、前記設備の状態の時間変化を推定する、ことを特徴とする付記12に記載の状態推定方法。
(付記15)
前記第2の工程では、前記時間区間の電流情報の時系列データに基づき、前記設備の故障に対する危険度の時系列データを算出し、
前記時間区間に対応する前記故障に対する危険度の時系列データに対して、推定対象の状態の時間変化の時定数に対応するフィルタリング処理を施し、前記設備の状態の時間変化を推定する、ことを特徴とする付記12に記載の状態推定方法。
(付記16)
前記第1の工程は、前記第1の信号として前記設備の電流、前記第2の信号として前記設備の電力、温度、湿度、振動、気圧のいずれかを用いる、ことを特徴とする付記9又は10に記載の状態推定方法。
(付記17)
設備の動作に関する第1の信号と併せて取得された第2の信号に基づき、前記第1の信号の時系列上で解析対象の時間区間を抽出する第1の処理と、
選択された前記第1の信号の前記時間区間の波形データに基づき、前記設備の状態の変化を推定する第2の処理と、
をコンピュータに実行させるプログラム(プログラムを記録した記録媒体)。
(付記18)
前記第1の処理では、前記第1の信号の時系列上のある時間区間に対応する前記第2の信号が予め定められた値又は状態である場合に、前記第1の信号の前記時間区間を解析対象として選択する、ことを特徴とする付記17に記載のプログラム(記録媒体)。
(付記19)
前記第1の処理では、前記第1の信号の時系列において、前記設備の状態変化の影響を受けない動作モードに対応する時間区間を解析対象から除く、ことを特徴とする付記17に記載のプログラム(記録媒体)。
(付記20)
前記第1の処理では、前記第1、第2の信号として前記設備の電流、電圧情報を用い、
指定値又は指定範囲の前記電圧で動作した前記設備の電流の時間区間を抽出する、ことを特徴とする付記17又は18記載のプログラム(記録媒体)。
(付記21)
前記第2の処理では、前記抽出された時間区間の電流情報の時系列データから前記設備の状態の変化を推定する、ことを特徴とする付記20に記載のプログラム(記録媒体)。
(付記22)
前記第2の処理では、推定対象の状態の時間変化に対応するフィルタリング処理を施し、前記設備の状態の時間変化を推定する、ことを特徴とする付記20に記載のプログラム(記録媒体)。
(付記23)
前記第2の処理では、前記時間区間の電流情報の時系列データに基づき、前記設備の故障に対する危険度の時系列データを算出し、
前記時間区間に対応する前記故障に対する危険度の時系列データに対して、推定対象の状態の時間変化の時定数に対応するフィルタリング処理を施し、前記設備の状態の時間変化を推定する、ことを特徴とする付記20に記載のプログラム(記録媒体)。
10、10A〜10C 設備
20 建屋(家屋)
21 通信装置(FEMS/SEMS/BEMS/HEMSコントローラ)
22 分電盤
31 波形(合成波形)
32〜34 波形(分離波形)
51〜53 電圧波形
54〜56 電流波形
23 スマートメータ
100、100A 状態推定装置
101 電圧/電流情報取得部
101A 電流情報取得部
101−1 通信部
101−2 波形分離部
102、102A 対象区間抽出部
103 状態推定部
104 時間変化推定部
105 出力部
106、112 記憶装置
107 センシング情報取得部
108 通信部
110 コンピュータシステム(装置)
111 プロセッサ
112 記憶装置
113 表示装置
114 通信インタフェース
200、200A、200B センサ(測定器)
201 電圧計
202 降圧回路
203、206 アナログデジタル変換器(ADC)
204 電流計
205 電流センサ
207 通信部
210 負荷(設備)
211 商用交流電源

Claims (15)

  1. 設備の動作に関する第1の信号と併せて取得された第2の信号に基づき、前記第1の信号の時系列上で解析対象の時間区間を抽出する第1の手段と、
    前記第1の信号の前記時間区間の波形データに基づき、前記設備の状態の変化を推定する第2の手段と、
    を備えた、ことを特徴とする状態推定装置。
  2. 前記第1の手段は、前記第1の信号の時系列上のある時間区間に対応する前記第2の信号が予め定められた値又は状態である場合に、前記第1の信号の前記時間区間を解析対象として選択する、ことを特徴とする請求項1に記載の状態推定装置。
  3. 前記第1の手段は、さらに、前記第1の信号の時系列において、前記設備の状態変化の影響を受けない動作モードに対応する時間区間を解析対象から除く、ことを特徴とする請求項2に記載の状態推定装置。
  4. 前記第1の手段は、前記第1、第2の信号として前記設備の電流、電圧をそれぞれ用い、指定値又は指定範囲の前記電圧で動作する前記設備の電流の時間区間を抽出する、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の状態推定装置。
  5. 前記第2の手段は、推定対象の状態の時間変化に対応するフィルタリング処理を施し、前記設備の状態の時間変化を推定する、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の状態推定装置。
  6. 前記第2の手段は、前記時間区間の電流情報の時系列データに基づき、前記設備の故障に対する危険度の時系列データを算出し、
    前記時間区間に対応する前記故障に対する危険度の時系列データに対して、推定対象の状態の時間変化の時定数に対応するフィルタリング処理を施し、前記設備の状態の時間変化を推定する、ことを特徴とする請求項4に記載の状態推定装置。
  7. 前記第1の手段は、前記第1の信号として前記設備の電流、前記第2の信号として前記設備の電力、温度、湿度、振動、気圧のいずれかを用いる、ことを特徴とする請求項2に記載の状態推定装置。
  8. コンピュータによる設備の状態を推定する方法であって、
    設備の動作に関する第1の信号と併せて取得された第2の信号に基づき、前記第1の信号の時系列上で解析対象の時間区間を抽出し、
    前記第1の信号の前記時間区間の波形データに基づき、前記設備の状態の変化を推定する、ことを特徴とする状態推定方法。
  9. 前記第1の信号の時系列上のある時間区間に対応する前記第2の信号が予め定められた値又は状態である場合に、前記第1の信号の前記時間区間を解析対象として選択する、ことを特徴とする請求項8に記載の状態推定方法。
  10. 前記第1の信号の時系列において、前記設備の状態変化の影響を受けない動作モードに対応する時間区間を解析対象から除く、ことを特徴とする請求項9に記載の状態推定方法。
  11. 前記第1、第2の信号として前記設備で測定した交流の電流、電圧を用い、指定値又は指定範囲の前記電圧で動作する前記設備の電流の時間区間を抽出する、ことを特徴とする請求項9又は10に記載の状態推定方法。
  12. 推定対象の時間変化の時定数に対応するフィルタリング処理を施し、前記設備の状態の時間変化を推定する、ことを特徴とする請求項8乃至11のいずれか1項に記載の状態推定方法。
  13. 前記抽出された時間区間に対応する前記設備の電流情報の時系列データに基づき、前記設備の故障に対する危険度の時系列データを算出し、
    前記抽出された時間区間に対応する前記故障に対する危険度の時系列データに対して、
    抽出対象の時間変化の時定数に対応するフィルタリング処理を施し、前記設備の状態の時間変化を推定する、ことを特徴とする請求項11に記載の状態推定方法。
  14. 設備の動作に関する第1の信号と併せて取得された第2の信号に基づき、前記第1の信号の時系列上で解析対象の時間区間を抽出する処理と、
    前記第1の信号の前記時間区間の波形データに基づき、前記設備の状態の時間変化を推定する処理と、
    をコンピュータに実行させるプログラム。
  15. 請求項14記載のプログラムを記録した記録媒体。
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