JPWO2019012589A1 - 質量分析装置、質量分析方法、及び質量分析用プログラム - Google Patents

質量分析装置、質量分析方法、及び質量分析用プログラム Download PDF

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Abstract

質量窓を用いてプリカーサイオンを選択して生成したプロダクトイオンをスキャン測定するMSn 分析を行う装置において、質量窓群の数、質量窓の数、及び該質量窓の質量電荷比の幅に関する情報の入力を受け付ける質量窓群設定情報入力受付部(42)と、入力された情報に基づいて複数の質量窓の組からなる第1質量窓群と複数の質量窓の組からなり隣接する質量窓の境界の質量電荷比が前記第1質量窓群の質量窓の境界の質量電荷比とは異なる第2質量窓群を設定する質量窓群設定部(43)と、複数の質量窓を順に用いてプロダクトイオンスキャン測定を実行してプロダクトイオンスキャンデータを取得する動作を、前記第1質量窓群と前記第2質量窓群のそれぞれについて行うプロダクトイオンスキャン測定部(44)と、前記プロダクトイオンスキャンデータを統合してプロダクトイオンスペクトルを生成するプロダクトイオンスペクトル生成部(45)とを備える。

Description

本発明は、質量分析装置、質量分析方法、及び質量分析用プログラムに関する。
試料に含まれる化合物の構造を解析する際に用いられる質量分析の手法として、タンデム分析(MS2分析)やMSn分析と呼ばれるものが知られている。タンデム分析は、試料中の化合物から生成された各種イオンの中からプリカーサイオンを選択し、該プリカーサイオンを衝突誘起解離(CID: Collision-Induced Dissociation)などの解離操作により開裂させ、それにより生成されたプロダクトイオンを質量分析する分析手法である。MSn分析はプリカーサイオンの選択とそのプリカーサイオンに対する解離操作とを複数回繰り返す分析手法であり、1回の解離操作のみでは十分に小さな断片にまで開裂させることが難しい、高分子化合物の構造解析などに用いられる。タンデム分析やMSn分析は、前段質量分離部、衝突セル、及び後段質量分離部を備えた、四重極−飛行時間型質量分析装置(Q-TOF)等の質量分析装置を用いて行われる。
タンデム分析やMSn分析において、先に取得したマススペクトルのマスピーク強度等に基づき特定の質量電荷比のイオンをプリカーサイオンとして選択し、該プリカーサイオンから生成されるプロダクトイオンをスキャン測定する手法はデータ依存分析(DDA: Data Dependent Analysis)と呼ばれる。一方、測定対象とする質量電荷比の範囲を複数に分割してそれぞれに質量窓を設定し、各質量窓の質量電荷比を有するプリカーサイオンを一括して選択し、それらプリカーサイオンから生成されるプロダクトイオンを網羅的にスキャン測定する手法はデータ非依存分析(DIA: Data Independent Analysis)と呼ばれる(例えば特許文献1)。例えば、液体クロマトグラフにおいて時間的に分離されて溶出される目的化合物をデータ非依存分析する際には、質量窓を使用してプリカーサイオンを選択し、該プリカーサイオンを開裂させて生成したプロダクトイオンをスキャン測定するという動作を複数の質量窓を順に用いて行う一連の測定を1つのイベントとして、目的化合物の溶出時間(保持時間)中に、このイベントを繰り返し実行する。そして、繰り返し実行したイベントで取得したプロダクトイオンスキャンデータを合計したり平均したりするなどしてプロダクトイオンスペクトルを作成する。プロダクトイオンスペクトルは、例えばデータベースに収録されたプロダクトイオンスペクトルとのマッチング処理等に供され、それらの一致度に基づいて目的化合物が同定される。
特許文献1には、DIAの一例として、400〜1200Daの質量範囲にそれぞれが25Daの質量幅を持つ32個の隣接する質量窓を設定し、各質量窓を用いてプリカーサイオンを選別してプロダクトイオンスペクトルを取得することが記載されている。質量窓は、前段質量分離部を構成する四重極等の各電極に、Mathiu方程式の解として得られるイオンの安定領域を形成するような直流電圧及び高周波電圧を印加することにより設定される。しかし、イオンの安定領域の端部、つまり質量窓の端部の質量電荷比のイオンは該質量窓の中央付近の質量電荷比のイオンに比べて質量分離部を通過しにくく、従って、質量窓の端部の質量電荷比を有するプリカーサイオンの開裂により生成されるプロダクトイオンの測定感度が低くなるため、十分な強度のプロダクトイオンスペクトルを得ることが難しいという問題があった。そこで、従来、隣接する質量窓の端部の質量電荷比を重複させ、それら2つの質量窓を用いたプロダクトイオンスキャン測定の両方で質量窓の端部の質量電荷比を有するプリカーサイオンの開裂により生成されるプロダクトイオンを測定することにより、その感度を高める工夫がなされている(例えば非特許文献1)。
米国特許出願公開第2015/0025813号明細書
Ludovic C. Gillet et al., "Targeted Data Extraction of the MS/MS Spectra Generated by Data-independent Acquisition: A New Concept for Consistent and Accurate Proteome Analysis", Molecular & Cellular Proteomics, vol. 11, no. 6, 18 January 2012, 10.1074/mcp.0111.016717
上記のように隣接する質量窓の端部の質量電荷比を重複させて用いると、該端部の質量電荷比を有するプリカーサイオンから生成されるプロダクトイオンを十分な強度で測定することができる。しかし、質量電荷比が重複する範囲の質量電荷比を有するプリカーサイオンについては隣接する2つの質量窓を用いたプロダクトイオンスキャン測定のそれぞれによりプロダクトイオンが測定される一方、それ以外の部分では、1つの質量窓を用いたプロダクトイオンスキャン測定のみによりプロダクトイオンが測定されることになる。従って、質量窓の重複部分に位置する質量電荷比を有するプリカーサイオンから生成されるプロダクトイオンと、それ以外の質量電荷比を有するプリカーサイオンから生成されるプロダクトイオンが異なる感度で測定されることになり、正しい強度のプロダクトイオンスペクトルを得ることが難しいという問題があった。
本発明が解決しようとする課題は、質量電荷比の幅を持つ質量窓を用いて試料由来のイオンの中からプリカーサイオンを選択し、該プリカーサイオンを開裂させて生成したプロダクトイオンをスキャン測定するMSn分析(nは2以上の整数)において、十分かつ正しい強度のプロダクトイオンスペクトルを得ることである。
上記課題を解決するためになされた本発明の第1の態様のものは、質量電荷比の幅を持つ質量窓を用いて試料由来のイオンの中からプリカーサイオンを選択し、該プリカーサイオンを開裂させて生成したプロダクトイオンをスキャン測定するMSn分析(nは2以上の整数)を行う方法であって、
a) プリカーサイオンの質量電荷比の測定対象範囲に対して、それぞれが質量電荷比の幅を有する複数の質量窓の組からなる第1質量窓群を設定し、
b) 前記測定対象範囲に対して、それぞれが質量電荷比の幅を有する複数の質量窓の組からなる質量窓群であって、隣接する質量窓の境界の質量電荷比が前記第1質量窓群の質量窓の境界の質量電荷比とは異なる第2質量窓群を設定し、
c) 前記第1質量窓群及び第2質量窓群についてそれぞれ、複数の質量窓についてプロダクトイオンスキャン測定を実行してそれぞれプロダクトイオンスキャンデータを取得する動作を行い、
d) 前記プロダクトイオンスキャンデータを統合してプロダクトイオンスペクトルを生成する
ことを特徴とする。
前記第1質量窓群を構成する質量窓の数と、前記第2質量窓群を構成する質量窓の数は同一であってもよく、あるいは異なっていてもよい。また、3つ以上の質量窓群を設定するようにしてもよい。
本発明に係る質量分析方法では、プリカーサイオンの質量電荷比の測定対象範囲に対して、それぞれが質量電荷比の幅を有する複数の質量窓の組からなる第1質量窓群と、また前記測定対象範囲に対して、それぞれが質量電荷比の幅を有する複数の質量窓の組からなる質量窓群であって、隣接する質量窓の境界の質量電荷比が前記第1質量窓群の質量窓の境界の質量電荷比とは異なる第2質量窓群とを設定しておく。そして、質量窓を使用してプリカーサイオンを選択し、該プリカーサイオンを開裂させて生成したプロダクトイオンをスキャン測定するという動作を複数の質量窓を順に用いて行う、一連の測定を、第1質量窓群と第2質量窓群のそれぞれについて実行する。例えば、プリカーサイオンの質量電荷比の測定対象範囲に対して設定された、質量窓A-1〜A-10からなる第1質量窓群と質量窓B-1〜B-11からなる第2質量窓群を用意しておく。そして、質量窓A-1〜A-10を順に用いてプロダクトイオンスキャン測定を実行し、続いて質量窓B-1〜B-11を順に用いてプロダクトイオンスキャン測定を実行して、それぞれについてプロダクトイオンスキャンデータを取得する。本発明に係る質量分析方法では、質量窓の境界の質量電荷比が相互に異なる複数の質量窓群を用いるため、例えば第1質量窓群では質量窓の境界に当たる質量電荷比を第2質量窓群では質量窓の中央付近に位置させることにより、第2質量窓群を用いたプロダクトイオンスキャン測定により十分な感度で該質量電荷比から生成されるプロダクトイオンを測定することができる。このように、質量窓の境界に当たる質量電荷比が質量窓群間で相互に異なるため、それぞれについて取得したプロダクトイオンスキャンデータを統合することによりその境界の影響を低減して十分かつ正しい強度のプロダクトイオンスペクトルを得ることができる。
前記隣り合う質量窓は、相互に接していてもよく、重なり合っていてもよく、あるいは離間していてもよい。また、各質量窓群に含まれる複数の質量窓の質量電荷比の幅は同一であってもよく、それぞれ異なるものであってもよい。
前記隣り合う質量窓が重なりあっている場合には、その重なり合う質量電荷比の範囲が質量窓群毎に異なっていることが好ましい。前記隣り合う質量窓が離間している場合には、その離間する質量電荷比の範囲が質量窓群毎に異なっており、また、離間する質量電荷比の範囲が他の質量窓群の質量窓に含まれていることが好ましい。これにより、より均一に近い感度でプロダクトイオンを測定することができる。
前記プロダクトイオンスキャンデータを統合する方法としては、全てのプロダクトイオンスキャンデータを合計したり平均したりしてマスピークの強度とする方法や、同一の質量電荷比のマスピークの強度が複数得られた場合にその中で最も高い強度のマスピークを選択する等の方法を採ることができる。
また、本発明の第2の態様のものは、質量電荷比の幅を持つ質量窓を用いて試料由来のイオンの中からプリカーサイオンを選択し、該プリカーサイオンを開裂させて生成したプロダクトイオンをスキャン測定するMSn分析(nは2以上の整数)を行う装置であって、
a) プリカーサイオンの質量電荷比の測定対象範囲に対して設定する質量窓群の数と、それぞれの質量窓群を構成する複数の質量窓の数及び該質量窓の質量電荷比の幅とに関する情報の入力を受け付ける質量窓群設定情報入力受付部と、
b) 前記入力された情報に基づいて、それぞれが質量電荷比の幅を有する複数の質量窓の組からなる第1質量窓群と、それぞれが質量電荷比の幅を有する複数の質量窓の組からなり隣接する質量窓の境界の質量電荷比が前記第1質量窓群の質量窓の境界の質量電荷比とは異なる第2質量窓群を設定する質量窓群設定部と、
c) 複数の質量窓を順に用いてプロダクトイオンスキャン測定を実行してプロダクトイオンスキャンデータを取得する動作を、前記第1質量窓群と前記第2質量窓群のそれぞれについて行うプロダクトイオンスキャン測定部と、
d) 前記プロダクトイオンスキャンデータを統合してプロダクトイオンスペクトルを生成するプロダクトイオンスペクトル生成部と
を備えることを特徴とする。
さらに、本発明の第3の態様のものは、質量電荷比の幅を持つ質量窓を用いて試料由来のイオンの中からプリカーサイオンを選択し、該プリカーサイオンを開裂させて生成したプロダクトイオンをスキャン測定するMSn分析(nは2以上の整数)を行うために用いられるプログラムであって、コンピュータを
a) プリカーサイオンの質量電荷比の測定対象範囲に対して設定する質量窓群の数と、それぞれの質量窓群を構成する複数の質量窓の数及び該質量窓の質量電荷比の幅とに関する情報の入力を受け付ける質量窓群設定情報入力受付部と、
b) 前記入力された情報に基づいて、それぞれが質量電荷比の幅を有する複数の質量窓の組からなる第1質量窓群と、それぞれが質量電荷比の幅を有する複数の質量窓の組からなり隣接する質量窓の境界の質量電荷比が前記第1質量窓群の質量窓の境界の質量電荷比とは異なる第2質量窓群を設定する質量窓群設定部と、
c) 複数の質量窓を順に用いてプロダクトイオンスキャン測定を実行してプロダクトイオンスキャンデータを取得する動作を、前記第1質量窓群と前記第2質量窓群のそれぞれについて行うプロダクトイオンスキャン測定部と、
d) 前記プロダクトイオンスキャンデータを統合してプロダクトイオンスペクトルを生成するプロダクトイオンスペクトル生成部
として動作させることを特徴とする。
本発明に係る質量分析方法、装置、あるいはプログラムを用いることにより、質量電荷比の幅を持つ質量窓を用いて試料由来のイオンの中からプリカーサイオンを選択し、該プリカーサイオンを開裂させて生成したプロダクトイオンをスキャン測定するMSn分析(nは2以上の整数)において、十分かつ正しい強度のプロダクトイオンスペクトルを得ることができる。
本発明に係る質量分析装置の一実施例である、液体クロマトグラフ質量分析装置の要部構成図。 本発明に係る質量分析方法の一実施例のフローチャート。 本実施例における、質量窓群設定情報の入力画面の一例。 本実施例における質量窓群の設定を説明する図。 本実施例における別の質量窓群の設定を説明する図。 本実施例における更に別の質量窓群の設定を説明する図。 本実施例の液体クロマトグラフ質量分析装置を用いた測定により得られるクロマトグラムの一例。 本実施例における統合プロダクトイオンスペクトルの生成について説明する図。 本実施例において化合物候補を提示する画面の一例。
本発明に係る質量分析装置、質量分析方法、及び質量分析用プログラムの実施例について、以下、図面を参照して説明する。
本実施例の質量分析装置は、試料中の成分を時間的に分離する液体クロマトグラフと質量分析装置を組み合わせてなる、液体クロマトグラフ質量分析装置である。この液体クロマトグラフ質量分析装置は、図1に示すように、液体クロマトグラフ部1、質量分析部2、及びこれらの動作を制御する制御部4を有する。
本実施例の液体クロマトグラフ質量分析装置において、液体クロマトグラフ部1は、移動相が貯留された移動相容器10と、移動相を吸引して一定流量で送給するポンプ11と、移動相中に所定量の試料液を注入するインジェクタ12と、試料液に含まれる各種化合物を時間方向に分離するカラム13とを備える。
質量分析部2は、略大気圧であるイオン化室20と真空ポンプ(図示なし)により真空排気された高真空の分析室24との間に、段階的に真空度が高められた第1中間室21、第2中間室22、及び第3中間室23を備えた多段差動排気系の構成を有している。イオン化室20には、液体クロマトグラフ部1のカラム13から溶出する試料液に電荷を付与しながら噴霧するエレクトロスプレイイオン化用プローブ(ESIプローブ)201が設置されている。
イオン化室20と第1中間室21は細径の加熱キャピラリ202を通して連通している。第1中間室21と第2中間室22は頂部に小孔を有するスキマー212で隔てられ、第1中間室21と第2中間室22にはそれぞれ、イオンを収束させつつ後段へ輸送するためのイオンガイド211、221が配置されている。第3中間室23には、イオンを質量電荷比に応じて分離する四重極マスフィルタ231、多重極イオンガイド233を内部に備えたコリジョンセル232、及びコリジョンセル232から放出されたイオンを輸送するためのイオンガイド234が配置されている。コリジョンセル232の内部には、アルゴン、窒素などのCIDガスが連続的又は間欠的に供給される。
分析室24には、第3中間室23から入射したイオンを直交加速領域に輸送するためのイオン輸送電極241、イオンの入射光軸上の直交加速領域を挟んで対向配置された2つの電極242A、242Bからなる直交加速電極242、該直交加速電極242により飛行空間に送出されるイオンを加速する加速電極243、飛行空間においてイオンの折り返し軌道を形成するリフレクトロン電極244(244A、244B)、検出器245、及び飛行空間の外縁に位置するフライトチューブ246を備えている。
質量分析部2では、MSスキャン測定、MS/MSスキャン測定、あるいはMSnスキャン測定(nは3以上の整数)を行うことができる。なお、MS/MSスキャン測定と、MSnスキャン測定(nは3以上の整数)とがまとめてMSnスキャン測定(nは2以上の整数)と呼ばれることもある。例えば、MS/MSスキャン測定(プロダクトイオンスキャン測定)の場合には、四重極マスフィルタ231においてプリカーサイオンとして設定されたイオンのみを通過させる。また、コリジョンセル232の内部にCIDガスを供給し、プリカーサイオンを開裂させてプロダクトイオンを生成する。そして、プロダクトイオンを飛行空間に導入し、それらの飛行時間に基づいて質量電荷比を求める。さらに、後述するプロダクトイオンスキャン測定により得られたデータが順次、保存される。
制御部4は、記憶部41を有するとともに、機能ブロックとして、質量窓群設定情報入力受付部42、質量窓群設定部43、プロダクトイオンスキャン測定部44、プロダクトイオンスペクトル生成部45、及び化合物候補提示部46を備えている。また、制御部4は、液体クロマトグラフ部1及び質量分析部2の各部の動作をそれぞれ制御する機能を有している。制御部4の実体はパーソナルコンピュータであり、該コンピュータに予めインストールされた質量分析用プログラムを実行することにより上記各部として機能させるようにすることができる。また、制御部4には、入力部6、表示部7が接続されている。
記憶部41には、複数の既知の化合物のそれぞれについて、化合物名、保持時間等の情報と、プロダクトイオンスペクトルデータが対応付けられた、化合物データベースが保存されている。保持時間については、例えば、複数のカラムのそれぞれ用いたときの溶出開始時間及び溶出終了時間が保存されている。また、事前に取得された(あるいは既存のデータベースに収録された)プロダクトイオンスペクトルのデータが、該スペクトルの取得に用いられたプリカーサイオンの情報や、該プリカーサイオンの開裂のための衝突エネルギーの値の情報とともに保存されている。このプロダクトイオンスペクトルデータはMSn測定(nは2以上の整数)により得られたものであり、既知の化合物の全体構造あるいは部分構造を反映したデータである。
以下、本実施例における質量分析方法について、図2のフローチャートを参照して説明する。ここでは、試料に含まれる複数の化合物を液体クロマトグラフ部1のカラム13で時間的に分離しMS/MSスキャン測定を行う場合を例に説明する。ここで行うMS/MSスキャン測定は、測定対象とするプリカーサイオンの質量電荷比の範囲を複数に分割してそれぞれに質量窓を設定し、各質量窓の質量電荷比を有するプリカーサイオンを一括して選択し、それらプリカーサイオンから生成されるプロダクトイオンを網羅的にスキャン測定する、データ非依存分析(DIA: Data Independent Analysis)である。本実施例ではMS/MSスキャン測定の場合を例に説明するが、MSn(nは3以上の整数)測定を行う場合もプロダクトイオンスキャン測定等の流れはMS/MSスキャン測定の場合と同様である。
使用者が分析開始を指示すると、質量窓群設定情報入力受付部42は、入力者に、プロダクトイオンスキャン測定を実行する際に使用するプリカーサイオンの質量電荷比の範囲、その質量電荷比の範囲に対して設定する質量窓群の数、及び各質量窓群を構成する質量窓の数とその質量電荷比の幅に関する情報を入力させる画面を表示部7に表示する(ステップS1)。図3に表示される画面の一例を示す。なお、本実施例で説明する質量窓群の設定方法は一例であって、もちろん他の方法により質量窓群を設定することもできる。
本実施例では、一例として、使用者が、プリカーサイオン質量電荷比の範囲を400〜1400、質量窓群の数を5、各質量窓群に含まれる質量窓の数を40と入力した場合を例に説明する。これらの数値を入力した時点で、質量窓群設定情報入力受付部42は測定対象とするプリカーサイオンの質量電荷比の範囲(1000)を質量窓の数(40)で除した値(25)を、各質量窓の質量電荷比の幅の初期値として使用者に提示する。
使用者がこの初期値をそのまま使用することを選択した場合、質量窓群設定部43は、まず、測定対象とするプリカーサイオンの質量電荷比の範囲(400〜1400)に、質量電荷比の幅が40である25個の質量窓を割り当てる。そして、最初の(最も質量電荷比が小さい)質量窓の外側(質量電荷比が小さい側)に1つの質量窓(図4(a)に破線で示す質量窓)を追加し、合計26個の質量窓を設定する(図4(a))。これにより第1質量窓群の設定が完了する。なお、図4〜図6では質量窓の数を減じて図示している。
質量窓群設定部43は、続いて、各質量窓の質量電荷比の幅(25)を質量窓群の数(5)で除し、その結果に基づいて、質量走査を開始する質量電荷比を5ずつずらした4つの質量窓群(各質量窓群を構成する質量窓の数は26=25+1)を設定する。これにより第2質量窓群〜第5質量窓群が設定される(図4(b))(ステップS2)。
次に、使用者が、質量窓群設定情報入力受付部42により提示された質量窓の質量電荷比の幅の初期値を変更した場合について説明する。使用者が、質量電荷比の幅の初期値よりも小さい値(例えば20)に変更した場合、質量窓群設定部43は、まず質量窓の最小質量電荷比の値が25(測定対象である質量電荷比の範囲を質量窓の数で除した値)ずつ異なる、25個の質量窓を配置して第1質量窓群を設定する。そして、上記同様に、質量走査を開始する質量電荷比を5ずつずらした4つの質量窓群(第2質量窓群〜第5質量窓群)を設定する。この場合には、各質量窓群を構成する質量窓は(例えば5ずつ)離間して設定されることになる。設定される質量窓群の一例を図5に示す。
一方、使用者が、質量電荷比の幅の初期値よりも大きい値(例えば30)に変更した場合、質量窓群設定部43は、まず質量窓の最小質量電荷比の値が25ずつ異なる、25個の質量窓を配置して第1質量窓群を設定し、次に、上記同様に、質量走査を開始する質量電荷比を5ずつずらした4つの質量窓群(第2質量窓群〜第5質量窓群)を設定する。この場合には、各質量窓群を構成する質量窓は、隣接する質量窓の端部が互いに(例えば5ずつ)重複して設定されることになる。設定される質量窓群の一例を図6に示す。
質量窓群設定情報入力受付部42により表示された画面に上記の各パラメータを入力する毎に、質量窓群設定部43はその値に基づき入力された数の質量窓群を設定し、図4〜図6に示した質量窓群の設定を画面表示する。使用者は、この画面を通じて、自らが入力した値が適切であるかを確認することができる。また、この画面上で質量窓の配置や質量窓の端部をドラッグアンドドロップ操作により移動することもできる。これにより、質量窓毎に質量電荷比の幅が異なる質量窓群を設定したり、隣接配置されている質量窓の離間間隔や重複幅を個別に変更したりすることができる。例えば、試料に含まれる化合物の特性から、構造が既知であるプリカーサイオンが生成されることが予測される場合、そのプリカーサイオンの質量電荷比を中心として両側に多少のマージンを持たせた質量範囲を質量窓から除外するように、質量窓群の設定を変更することができる。ただし、そのような変更を行う場合であっても、ある質量窓群の質量窓から除外された質量範囲を他の質量窓群の質量窓によりカバーしておくことが好ましい。
質量窓群設定部43による質量窓群の設定を完了し、使用者が、測定開始を指示すると、プロダクトイオンスキャン測定部44は、質量窓群ごとに1つのイベントを設定し、質量窓毎に1つのチャンネルを設定してプロダクトイオンスキャン測定を実行する。本実施例の場合、5個の質量窓群に対応する5つのイベント(イベント1〜イベント5)が設定され、各イベントにそれぞれ含まれる26個の質量窓に対応する26のチャンネル(チャンネル1〜チャンネル26)が設定される(ステップS3)。
プロダクトイオンスキャン測定部44は、イベント及びチャンネルを設定すると、液体クロマトグラフ部1のインジェクタ12から試料を注入する。そして、設定したイベント及びチャンネルを順に用いてプロダクトイオンスキャン測定を実行する(ステップS4)。具体的には、まず、イベント1(第1質量窓群)のチャンネル1(最も質量電荷比が小さい質量窓)を用いてプリカーサイオンを選別し、選別したプリカーサイオンを開裂させて生成したプロダクトイオンをスキャン測定してプロダクトイオンスキャンデータを取得する、という測定を、26個のチャンネル全てについて順に実行する。取得されたプロダクトイオンスキャンデータは順次、記憶部41に保存される。イベント1のチャンネル1〜26を順に用いた測定を終えると、次にイベント2のチャンネル1からチャンネル26を用いて順に測定を実行する。こうした測定をイベント3以降の各チャンネルについても実行し、イベント5のチャンネル26を用いた測定を完了すると、再びイベント1のチャンネル1に戻り、同様の測定を繰り返す。予め決められた測定時間が経過するとプロダクトイオンスキャン測定が完了する。
試料に複数の化合物が含まれている場合、これらをカラム13で時間的に分離し質量分析装置で測定すると、図7に示すように各化合物に対応するピークを含むクロマトグラム(例えばトータルイオンクロマトグラム)が得られる。つまり、本実施例のように、複数の化合物を含む試料を時間的に分離して測定する場合、同じ質量窓群を用いたプロダクトイオンスキャン測定であっても、時間帯によって異なるマスピークを含むプロダクトイオンスペクトルデータが得られることになる。そこで、本実施例の質量分析装置では、上記プロダクトイオンスキャン測定により得られたプロダクトイオンスキャンデータを以下のように処理し、化合物毎にプロダクトイオンスペクトルデータを作成する。
プロダクトイオンスペクトル生成部45は、まず、各イベントを1回実行して得られたプロダクトイオンスキャンデータを統合する。つまり、イベント1のチャンネル1〜26を、順に1度ずつ用いて得られたプロダクトイオンスキャンデータを統合する。イベント2〜5についても同様にプロダクトイオンスキャンデータを統合する。これにより、各イベントについて、当該イベントの実行開始時間が異なる複数のプロダクトイオンスキャンデータ(統合後のもの、以下、これを「第1中間統合データ」と呼ぶ。)が得られる(ステップS5)。
同一の化合物について、同一の質量電荷比の範囲内のプリカーサイオンを選別し、これを開裂させると、その実行時間に関わらず、生成されるプロダクトイオンの種類(質量電荷比)も原則として同一になる。つまり、同じ化合物を同じイベントで測定して得られるプロダクトイオンスペクトルのマスピークの質量電荷比は原則として同じになる。そこで、プロダクトイオンスペクトル生成部45は、次に、同一のイベントで得られた第1中間統合データのそれぞれから、マスピークが現れた質量電荷比のリストを生成し、これを相互に比較する。そして、実行時間が隣接し、かつマスピークの質量電荷比のリストが一致している第1中間統合データを、同一の化合物について得られたデータとして取り扱い、それらの第1中間統合データを更に統合したデータ(以下、これを「第2中間統合データ」と呼ぶ。)を作成する(ステップS6)。図7に示す例の場合、化合物Aの溶出時間帯である、時間tAsからtAeの間に取得された第1中間統合データから第2中間統合データが生成される。化合物B(時間tBsからtBe)、化合物C(時間tCsからtCe)、化合物D(時間t DsからtDe)についても同様である。なお、化合物が溶出していない時間帯からは、試料に含まれる化合物以外の物質(例えば移動相)由来のプロダクトイオンのスペクトルデータが得られる。
上記の処理の結果、イベント毎に、化合物単位で第2中間統合データが得られる。続いて、プロダクトイオンスペクトル生成部45は、化合物に、異なるイベントの第2中間統合データを統合して統合プロダクトイオンスペクトルデータを作成する(ステップS7)。図8に示すように、ある1つのイベントの第2中間統合データのみに着目すると、当該イベントで設定された質量窓の端部に当たる質量電荷比では、それ以外の質量電荷比に比べてプリカーサイオンの通過効率が悪く、従って、図中に破線で示すようにプロダクトイオンの検出強度(ピーク強度)も小さい(図8(a)(b))。しかし、本実施例では、隣接する質量窓の境界の質量電荷比が異なる複数のイベントについてそれぞれ第2中間統合データが得られているため、これらを更に統合することにより、質量窓の端部においてプリカーサイオンの通過効率が低下することによる影響が低減される(図8(c))。なお、図8ではイベント1及び2のみを図示したが、イベント3〜5についても同様である。本実施例では、各イベントで得られた、同一の質量電荷比のマスピークの中から最も強度が大きいものを採用して統合プロダクトイオンスペクトルデータを作成しているが、第2中間統合データのピーク強度を質量電荷比ごとに合計したり、平均したりして統合プロダクトイオンスペクトルデータを作成することもできる。
特に、本実施例の場合、質量窓の質量電荷比の幅が25であり、5つのイベント間で最小の質量電荷比の質量窓の位置を5ずつずらしている。つまり、測定対象の質量電荷比の範囲内で、質量窓の境界が均等に分散されるように質量窓群を設定している。従って、これら5つのイベントにより得られた第2中間統合データを統合すると、測定対象のプリカーサイオンの質量電荷比の範囲全体に亘って質量窓の端部の影響がほぼ完全に平均化され、より正確なプロダクトイオンの強度を反映したプロダクトイオンスペクトルデータを得ることができる。
こうして化合物毎に統合プロダクトイオンスペクトルデータが得られると、化合物候補提示部46は、それぞれの統合プロダクトイオンスペクトルデータ(のマスピークの質量電荷比)を、記憶部41に保存されている化合物データベースに収録されている複数の化合物のプロダクトイオンスペクトルデータ(のマスピークの質量電荷比)と照合する。そして、全てのマスピークが統合プロダクトイオンスペクトルデータに含まれている化合物を抽出し、統合プロダクトイオンスペクトルデータの再現性が高い化合物から順に、予め決められた数の(又は予め決められた一致度以上の)化合物候補として抽出し、その一致度とともに表示部7に表示する(ステップS8)。
図9は、時間帯tAs-tAeにおいて実行された上記のプロダクトイオンスキャン測定から得られた統合プロダクトイオンから、化合物Aが化合物候補として抽出されていることを示す画面表示の一例である。使用者は、表示部7に表示された結果を確認し、試料に含まれている各化合物(本実施例では化合物A〜D)を同定していく。ここでは、プロダクトイオンスペクトルの照合のみにより化合物候補を抽出する場合を説明したが、保持時間の情報も併せて考慮して化合物候補を抽出することにより、同定の精度を高めることができる。
化合物候補提示部46が、上記の処理によって予め決められた一致度以上の化合物候補を抽出することができない場合に以下の処理を行うようにしてもよい。例えば、化合物データベースに保存されているプロダクトイオンスペクトルデータの1つ(つまり、ある化合物の部分構造に対応するスペクトルデータ)のマスピークが全て、統合プロダクトイオンスペクトルに現れている場合、試料に含まれている化合物が当該部分構造を有するものとし、異なる化合物の部分構造に対応するプロダクトイオンデータを組み合わせて統合プロダクトイオンスペクトルを再構成するようにしてもよい。この場合には、組み合わせに用いた複数の部分構造候補を表示部7に表示する。また、複数の部分構造候補を組み合わせても統合プロダクトイオンスペクトルを再構成できない場合には、統合プロダクトイオンスペクトルから既知の部分構造に対応するマスピークを除いて(あるいは他のマスピークと識別可能な形式で表示して)、未知の部分構造に対応するマスピークを表示部7に表示することもできる。
上記実施例は一例であって、本発明の主旨に沿って適宜に変更することができる。
上記実施例では、液体クロマトグラフ質量分析装置を例に説明したが、液体クロマトグラフと同様に試料に含まれる化合物を時間的に分離することができる、ガスクロマトグラフ質量分析装置や電気泳動装置を質量分析装置と組み合わせて用いることもできる。また、予め化合物が単離されている場合には、質量分析装置のみを用いて上記実施例と同様にプロダクトイオンスキャン測定等を行うことができる。また、上記実施例では質量分析装置として、四重極−イオントラップ−飛行時間型の質量分析装置を用いたが、前段質量分離部、開裂部、後段質量分離部を有する他の質量分析装置(例えばイオントラップ−飛行時間型、三連四重極型、飛行時間−飛行時間型など)を用いてもよい。
また、上記実施例では、各質量窓群を用いたプロダクトイオンスキャン測定について、質量窓以外の測定パラメータの詳細を説明しなかったが、それらの測定パラメータは質量窓群毎に同一であってもよく、あるいは異なっていてもよい。そうした測定パラメータとして、例えば、プリカーサイオンを開裂させるための衝突エネルギーの値、イオントラップ等におけるイオン蓄積モードの設定値等を挙げることができる。さらに、上記実施例において、イベント1(第1質量窓群)のチャンネル1(最も質量電荷比が小さい質量窓)を用いてプリカーサイオンを選別し、選別したプリカーサイオンを開裂させて生成したプロダクトイオンをスキャン測定してプロダクトイオンスキャンデータを取得する、という測定を、26個のチャンネル全てについて順に実行する動作を1セットとし、セット毎に測定パラメータを変更するようにしてもよい。例えば、プリカーサイオンを開裂させる際に用いる衝突エネルギーの値を質量窓群毎及び/又はセット毎に少しずつ変更することにより、ある衝突エネルギーでは解離しにくいプリカーサイオンを別の衝突エネルギーで開裂させることができるため、より網羅的にプロダクトイオンを測定することができる。あるいは、イオントラップにおけるイオン蓄積モードなどの測定パラメータを、質量窓群毎及び/又はセット毎に変更してもよい。質量窓群毎及び/又はセット毎に変更する測定パラメータは1つであってもよく、あるいは複数であってもよい。
さらに、統合プロダクトイオンスペクトルが作成された時点で、使用者が、既知の部分構造あるいは夾雑化合物由来のイオンの質量電荷比を入力すると、化合物候補提示部46が、入力された質量電荷比のマスピークを統合プロダクトイオンスペクトルから除外し、そのスペクトルを表示部7に表示した上で、上記の化合物候補の抽出等を行うように構成することもできる。これにより、未知のマスピークのみを対象として化合物候補あるいは部分構造候補を抽出させることができる。
1…液体クロマトグラフ部
10…移動相容器
11…ポンプ
12…インジェクタ
13…カラム
2…質量分析部
20…イオン化室
201…ESIプローブ
202…加熱キャピラリ
21…第1中間室
211…イオンガイド
212…スキマー
22…第2中間室
23…第3中間室
231…四重極マスフィルタ
232…コリジョンセル
233…多重極イオンガイド
234…イオンガイド
24…分析室
241…イオン輸送電極
242…直交加速電極
243…加速電極
244…リフレクトロン電極
245…検出器
246…フライトチューブ
4…制御部
41…記憶部
42…質量窓群設定情報入力受付部
43…質量窓群設定部
44…プロダクトイオンスキャン測定部
45…プロダクトイオンスペクトル生成部
46…化合物候補提示部
6…入力部
7…表示部

Claims (9)

  1. 質量電荷比の幅を持つ質量窓を用いて試料由来のイオンの中からプリカーサイオンを選択し、該プリカーサイオンを開裂させて生成したプロダクトイオンをスキャン測定するMS n分析(nは2以上の整数)を行う装置であって、
    a) プリカーサイオンの質量電荷比の測定対象範囲に対して設定する質量窓群の数と、それぞれの質量窓群を構成する複数の質量窓の数及び該質量窓の質量電荷比の幅とに関する情報の入力を受け付ける質量窓群設定情報入力受付部と、
    b) 前記入力された情報に基づいて、それぞれが質量電荷比の幅を有する複数の質量窓の組からなる第1質量窓群と、それぞれが質量電荷比の幅を有する複数の質量窓の組からなり隣接する質量窓の境界の質量電荷比が前記第1質量窓群の質量窓の境界の質量電荷比とは異なる第2質量窓群を設定する質量窓群設定部と、
    c) 複数の質量窓を順に用いてプロダクトイオンスキャン測定を実行してプロダクトイオンスキャンデータを取得する動作を、前記第1質量窓群と前記第2質量窓群のそれぞれについて行うプロダクトイオンスキャン測定部と、
    d) 前記プロダクトイオンスキャンデータを統合してプロダクトイオンスペクトルを生成するプロダクトイオンスペクトル生成部と
    を備えることを特徴とする質量分析装置。
  2. 前記プロダクトイオンスペクトル生成部が、複数の前記プロダクトイオンスキャンデータについて、同一の質量電荷比の最大強度を抽出してプロダクトイオンスペクトルを生成する
    ことを特徴とする請求項1に記載の質量分析装置。
  3. 前記プリカーサイオンの質量電荷比の測定対象範囲において質量窓の境界が均等に分散されるように、前記第1質量窓群と前記第2質量窓群が設定されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の質量分析装置。
  4. さらに、
    e) 1乃至複数の化合物のプロダクトイオンスペクトルデータが保存された化合物データベースと、
    f) 前記プロダクトイオンスペクトル生成部により生成されたプロダクトイオンスペクトルを前記プロダクトイオンスペクトルデータと照合することにより、化合物候補又は部分構造候補を抽出する化合物候補提示部と
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の質量分析装置。
  5. 前記プロダクトイオンスペクトル生成部が、複数の前記プロダクトイオンスキャンデータについて、予め指定された質量電荷比のマスピークを除外したプロダクトイオンスペクトルを生成する
    ことを特徴とする請求項1に記載の質量分析装置。
  6. 前記第1質量窓群を用いたプロダクトイオンスキャン測定と前記第2質量窓群を用いたプロダクトイオンスキャン測定の間で、質量電荷比以外の、1乃至複数の測定条件が異なる
    ことを特徴とする請求項1に記載の質量分析装置。
  7. 前記1乃至複数の測定条件に、プリカーサイオンを開裂させるための衝突エネルギーの値が含まれる
    ことを特徴とする請求項6に記載の質量分析装置。
  8. 質量電荷比の幅を持つ質量窓を用いて試料由来のイオンの中からプリカーサイオンを選択し、該プリカーサイオンを開裂させて生成したプロダクトイオンをスキャン測定するMS n分析(nは2以上の整数)を行う方法であって、
    a) プリカーサイオンの質量電荷比の測定対象範囲に対して、それぞれが質量電荷比の幅を有する複数の質量窓の組からなる第1質量窓群を設定し、
    b) 前記測定対象範囲に対して、それぞれが質量電荷比の幅を有する複数の質量窓の組からなる質量窓群であって、隣接する質量窓の境界の質量電荷比が前記第1質量窓群の質量窓の境界の質量電荷比とは異なる第2質量窓群を設定し、
    c) 前記第1質量窓群及び第2質量窓群についてそれぞれ、複数の質量窓についてプロダクトイオンスキャン測定を実行してそれぞれプロダクトイオンスキャンデータを取得する動作を行い、
    d) 前記プロダクトイオンスキャンデータを統合してプロダクトイオンスペクトルを生成する
    ことを特徴とする質量分析方法。
  9. 質量電荷比の幅を持つ質量窓を用いて試料由来のイオンの中からプリカーサイオンを選択し、該プリカーサイオンを開裂させて生成したプロダクトイオンをスキャン測定するMS n分析(nは2以上の整数)を行うために用いられるプログラムであって、コンピュータを
    a) プリカーサイオンの質量電荷比の測定対象範囲に対して設定する質量窓群の数と、それぞれの質量窓群を構成する複数の質量窓の数及び該質量窓の質量電荷比の幅とに関する情報の入力を受け付ける質量窓群設定情報入力受付部と、
    b) 前記入力された情報に基づいて、それぞれが質量電荷比の幅を有する複数の質量窓の組からなる第1質量窓群と、それぞれが質量電荷比の幅を有する複数の質量窓の組からなり隣接する質量窓の境界の質量電荷比が前記第1質量窓群の質量窓の境界の質量電荷比とは異なる第2質量窓群を設定する質量窓群設定部と、
    c) 複数の質量窓を順に用いてプロダクトイオンスキャン測定を実行してプロダクトイオンスキャンデータを取得する動作を、前記第1質量窓群と前記第2質量窓群のそれぞれについて行うプロダクトイオンスキャン測定部と、
    d) 前記プロダクトイオンスキャンデータを統合してプロダクトイオンスペクトルを生成するプロダクトイオンスペクトル生成部
    として動作させることを特徴とする質量分析用プログラム。
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