以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一又は相当部分には同一符号を付す。
図1に、実施の形態に係る電力管理システム1の全体構成を示す。電力管理システム1は、家屋Hで消費される電力を管理する、いわゆるHEMS(Home Energy Management System)と呼ばれるシステムである。図1に示すように、電力管理システム1は、発電設備2と、電力計測装置3と、給湯機4と、複数の電気機器5(5a、5b、…)と、制御装置6と、操作端末7と、管理サーバ8と、気象サーバ9と、を備える。
<発電設備2>
発電設備2は、家屋Hに設置され、自然エネルギーである太陽光によって発電する自家発電設備である。商用電力系統10が家屋Hを含む不特定多数の需要地に電力を供給するのに対して、発電設備2は、特定の需要家によって所有され、特定の需要地である家屋Hに電力を供給する。発電設備2は、分散型電源とも呼ぶ。
発電設備2は、太陽光発電するPV(Photovoltaic)パネル20と、パワーコンディショニングシステムであるPV−PCS21と、を備える。PVパネル20は、例えば多結晶シリコン型のソーラパネルである。PVパネル20は、家屋Hの屋根の上に設置され、太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換することで発電する。
PV−PCS21は、PVパネル20において発電された電力の供給を受け、供給された電力を、電力線D2を介して分電盤11に出力する。その際、PV−PCS21は、PVパネル20から供給された電力を、家屋H内で使用できるように、直流電力から交流電力に規定の変換効率で変換して出力する。
PV−PCS21は、いずれも図示しないが、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、無線通信インタフェース及び読み書き可能な不揮発性の半導体メモリを備える。PV−PCS21は、家屋H内に構築された図示しない宅内ネットワークを介して、制御装置6と通信する。宅内ネットワークは、例えば、エコーネットライト(ECHONET Lite)に準じたネットワークである。なお、PV−PCS21は、外付けの通信アダプタ(図示せず)を介して、宅内ネットワークに接続される仕様であっても良い。
<電力計測装置3>
電力計測装置3は、家屋Hに配設された電力線D1〜D3のそれぞれを送電される電力の値を計測する。電力線D1は、商用電力系統10と分電盤11との間に配設され、電力線D2は、発電設備2と分電盤11との間に配設され、電力線D3は、分電盤11と給湯機4との間に配設されている。電力計測装置3は、電力線D1〜D3にそれぞれ接続されたCT(Current Transformer)1〜CT3の各々と通信線を介して接続される。CT1〜CT3は、交流電流を計測するセンサである。
電力線D1に配設されたCT1は、商用電力系統10から家屋Hに供給される電力P1を計測する。電力P1は、家屋Hにおいて当該需要家が電気事業者から買った電力である商用電力に相当する。電力線D2に配設されたCT2は、発電設備2から分電盤11に出力される電力P2を計測する。電力P2は、発電設備2による発電電力であって、家屋H内に供給され、家屋H内で使用可能な電力に相当する。電力線D3に配設されたCT3は、分電盤11から給湯機4に供給される電力P3を計測する。電力P3は、給湯機4において消費される電力に相当する。
給湯機4及び複数の電気機器5を含む家屋H内の全ての電気機器で消費される総消費電力である電力Ptは、CT1によって計測される電力P1と、CT2によって計測される電力P2と、の和に相当する。
図2に、一般的な家庭における電力P2と電力Ptの一日における推移の例を示す。図2中の実線で示される曲線は、電力P2の推移を表しており、日射量が多くなる正午をピークとして昼間に大きくなる。これに対して、図2中の破線で示される曲線は、電力Ptを表しており、午後から夕方にかけて大きくなる。
図2における期間T1,T3のように、電力P2が電力Ptより小さい場合、電力P2だけでは家屋Hで必要な電力を供給できないため、商用電力系統10から電力の供給を受ける、すなわち、買電する必要がある。そのため、商用電力である電力P1は正の値になる。これに対して、図2における期間T2のように、電力P2が電力Ptより大きい場合、家屋Hの需要家は、余った電力を逆潮電力として商用電力系統10へ供給することで、電気事業者に電力を売る、すなわち、売電することができる。このように、家屋Hから商用電力系統10へ電力が供給されることで電力が需要家側から電気事業者側へ戻ることを、「逆潮流」という。逆潮流が生じている間は、電力P1は負の値になり、逆潮電力(売電電力)は(−P1)として表される。
また、電力計測装置3は、無線通信インタフェースを備え、宅内ネットワークを介して、制御装置6と通信する。なお、電力計測装置3は、外付けの通信アダプタ(図示せず)を介して、宅内ネットワークに接続される仕様であっても良い。
電力計測装置3は、自装置の機器ID(identification)と、現在時刻(計測時刻を意味する。)と、電力P1〜P3それぞれの計測値と各電力線の電力線IDとを互いに対応付けたデータと、を含む電力計測データを制御装置6に定期的に(例えば、1分毎に)送信する。機器IDは、制御装置6に接続する機器(電力計測装置3、給湯機4、電気機器5(5a,5b,…))を識別するためのIDである。電力線IDは、電力線を識別するためのIDである。なお、電力計測装置3によって制御装置6に送信される電力の計測値は、電力(ワット)の単位で表されるものであっても良いし、電力を予め設定された積算時間に亘って積算した電力量の単位で表されるものであっても良い。
<給湯機4>
図1に戻って、給湯機4は、ヒートポンプユニット40とタンクユニット41とを備える貯湯式の給湯機である。ヒートポンプユニット40とタンクユニット41とは、湯水が流れる水配管42で接続されている。給湯機4は、分電盤11により分岐された電力線D3を介して、商用電力系統10及び発電設備2と電気的に接続されており、商用電力系統10又は発電設備2から電力を得て動作する。
ヒートポンプユニット40は、CO2(二酸化炭素)又はHFC(ハイドロフルオロカーボン)を冷媒として用いたヒートポンプ式の熱源器である。ヒートポンプユニット40は、周辺の空気を熱源として、貯湯タンク410内の低温水を高温水に沸き上げる。図3に示すように、ヒートポンプユニット40は、圧縮機400と、第1の熱交換器401と、膨張弁402と、第2の熱交換器403と、送風機404と、水ポンプ405と、制御基板406と、を備える。
圧縮機400と、第1の熱交換器401と、膨張弁402と、第2の熱交換器403と、は、冷媒配管407により環状に接続される。これにより、冷媒が循環する冷媒回路が形成されている。冷媒回路は、ヒートポンプ又は冷凍サイクルともいう。水配管42は、貯湯タンク410の下部を起点に、水ポンプ405及び第1の熱交換器401を経て貯湯タンク410の上部に戻る。これにより、湯水が循環する沸き上げ回路が形成されている。
圧縮機400は、冷媒を圧縮して温度及び圧力を上昇させる。圧縮機400は、駆動周波数に応じて、単位当たりの送り出し量である容量を変化させることができるインバータ回路を備える。圧縮機400は、制御基板406からの指示に従って上記の容量を変更する。
第1の熱交換器401は、市水を目標の沸き上げ温度まで昇温加熱するための加熱源である。沸き上げ温度は、貯湯温度ともいう。第1の熱交換器401は、プレート式、二重管式等の熱交換器であり、冷媒配管407を循環する冷媒と貯湯タンク410から送られてきた水との間で熱交換を行う。第1の熱交換器401における熱交換により、冷媒は放熱して温度が下降し、水は吸熱して温度が上昇する。
膨張弁402は、冷媒を膨張させて温度及び圧力を下降させる。膨張弁402は、制御基板406からの指示に従って弁開度を変更する。
第2の熱交換器403は、送風機404により送られてきた外気と冷媒との間で熱交換を行う。第2の熱交換器403における熱交換により冷媒は吸熱して温度が上昇し、外気は放熱して温度が下降する。
水ポンプ405は、貯湯タンク410の下部からの低温水を第1の熱交換器401へ搬送する。水ポンプ405は、インバータ回路を備え、制御基板406から指示される制御値に従って駆動回転数を変更することにより、搬送する際の水流量を変化させる。
制御基板406は、CPU、ROM、RAM、通信インタフェース及び読み書き可能な不揮発性の半導体メモリを備える。制御基板406は、圧縮機400、膨張弁402、送風機404及び水ポンプ405のそれぞれと図示しない通信線を介して通信可能に接続され、これらの動作を制御する。また、制御基板406は、図示しない通信線を介してタンクユニット41の給湯コントローラ411と通信可能に接続されている。
図1に戻って、タンクユニット41は、貯湯タンク410、給湯コントローラ411及び混合弁412を備える。これらの構成部品は、金属製の外装ケース内に収められている。
貯湯タンク410は、ステンレス等の金属、樹脂等で形成されている。貯湯タンク410の外側には断熱材が配置されている。これにより、貯湯タンク410内で、高温の湯を長時間に亘って保温することができる。
給湯コントローラ411は、いずれも図示しないが、CPU、ROM、RAM、通信インタフェース及び読み書き可能な不揮発性の半導体メモリを備え、給湯機4を統括的に制御する。給湯コントローラ411は、ヒートポンプユニット40の制御基板406と図示しない通信線を介して通信可能に接続する。また、給湯コントローラ411は、通信線43を介してリモコン44と通信可能に接続する。さらに、給湯コントローラ411は、宅内ネットワークを介して、制御装置6と通信可能に接続する。
リモコン44は、家屋Hにおける浴室に設置され、ユーザから、沸き上げ、給湯等に関する操作入力を受け付けたり、給湯機4の運転状態、貯湯状態等を表示してユーザに提示したりするための給湯機4専用の端末装置である。
リモコン44は、いずれも図示しないが、CPU、ROM、RAM、読み書き可能な不揮発性の半導体メモリ、押しボタン、タッチパネル、タッチパッド等の入力デバイス、有機ELディスプレイ、液晶ディスプレイ等の表示デバイス、及び、通信インタフェースを備える。
続いて、給湯機4における基本的な動作について説明する。給湯機4は、大別すると、沸き上げ動作と給湯動作を行う。
<<沸き上げ動作>>
沸き上げ動作の開始時には、貯湯タンク410内の高温水は消費されており、貯湯タンク410の下部には市水の温度に近い低温水が貯留している。水ポンプ405を作動させることで、この低温水がヒートポンプユニット40の第1の熱交換器401に入水され、冷媒との熱交換により昇温し、高温水となる。この高温水は貯湯タンク410の上部に戻され、貯湯タンク410内では、上部に高温水、下部に低温水が滞留して温度成層が形成され、高温水と低温水との間には温度境界層が生成される。
沸き上げ量が増えて、高温水の領域が大きくなると貯湯タンク410の下部に温度境界層が近づき、第1の熱交換器401に入水する水の温度である入水温度が次第に上昇する。
<<給湯動作>>
貯湯タンク410の上部には出湯管が接続されており、貯湯タンク410からこの出湯管を介して出湯した高温水が、混合弁412にて市水と混合される。これにより、ユーザが所望する温度(例えば40℃)の湯水となって、例えば浴室に配設されたシャワー45、蛇口46等の給湯端末に供給される。このとき、貯湯タンク410では、上部から流出した高温水の体積分、水道圧により、下部に接続された給水管(図示せず)から市水が供給される。これにより、貯湯タンク410内では温度境界層が上方へ移動する。高温水が予め設定された起動貯湯量Wonよりも少なくなると、給湯機4は、追加沸き上げを行う。
上述した出湯管には、貯湯タンク410から出湯される湯の量である使用湯量(給湯量ともいう。)を計測する図示しない使用湯量センサが設けられている。使用湯量は、家屋Hで使用される湯の量に相当する。また、貯湯タンク410には、貯湯タンク410内に貯留する湯の量である貯湯量を計測する図示しない貯湯量センサが設けられている。使用湯量センサ及び貯湯量センサは、図示しない通信線を介して給湯コントローラ411と通信可能に接続されている。給湯コントローラ411は、使用湯量センサの計測によって得られた使用湯量と、貯湯量センサの計測によって得られた貯湯量と、を含む湯量計測データを生成し、制御装置6に定期的に送信する。具体的に、給湯コントローラ411は、1分毎に湯量計測データを生成し、制御装置6に送信する。送信される湯量計測データは、給湯機4の機器ID及び計測時刻を含む。
給湯機4は、複数の制御モードを備え、当該複数の制御モードのうちユーザによって選択された何れかの制御モードに従って湯を沸き上げる。具体的に、給湯機4は、制御モードとして、停止モード、通常モード、多めモード、少なめモード、自動モード及び提案モードを備えている。各制御モードの詳細については、後述する。
<電気機器5a、5b、…>
電気機器5(電気機器5a,5b,…)は、例えば、エアコン、照明器、床暖房システム、冷蔵庫、IH(Induction Heating)調理器、テレビ等の電気機器である。電気機器5a,5b,…は、家屋H又はその敷地内に設置され、分電盤11により分岐された電力線D4,D5,…を介して、商用電力系統10及び発電設備2と電気的に接続されている。
各電気機器5は、無線通信インタフェースを備え、宅内ネットワークを介して、制御装置6と通信する。なお、各電気機器5は、外付けの通信アダプタ(図示せず)を介して、宅内ネットワークに接続される仕様であっても良い。各電気機器5は、制御装置6からの要求に応答して、機器IDと現在時刻と現在の運転状態を示す情報とを格納した運転状態データを、宅内ネットワークを介して制御装置6に送信する。
<制御装置6>
制御装置6は、家屋H内の適切な場所に設置され、家屋H内に設置された各機器から宅内ネットワークを介して送信される情報を収集する情報収集ユニットである。制御装置6は、一例として、家屋H内に設置された各機器を統合的に制御することが可能なHEMSコントローラである。図4に示すように、制御装置6は、制御部60と、記憶部61と、計時部62と、宅内通信部63と、宅外通信部64と、を備える。これら各部はバス65を介して接続されている。
制御部60は、いずれも図示しないが、CPU、ROM及びRAMを備える。CPUは、様々な処理及び演算を実行する処理部であって、中央処理装置、中央演算装置、プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSP(Digital Signal Processor)等とも呼ばれる。制御部60において、CPUは、ROMに格納されたプログラム及びデータを読み出し、RAMをワークエリアとして用いて、制御装置6を統括制御する。
記憶部61は、例えば、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)等の不揮発性の半導体メモリ又はHDD(Hard Disk Drive)であって、いわゆる二次記憶装置(補助記憶装置ともいう。)としての役割を担う。記憶部61は、制御部60が各種処理を行うために使用する各種プログラム及びデータ、並びに、制御部60が各種処理を行うことにより生成又は取得する各種データを記憶する。
計時部62は、RTC(Real Time Clock)を備えており、制御装置6の電源がオフの間も計時を継続する計時デバイスである。
宅内通信部63は、家屋H内に構築された宅内ネットワークを介して通信するためのNIC(Network Interface Card controller)を備える。宅内通信部63は、制御部60の制御のもと、発電設備2、電力計測装置3、給湯機4及び電気機器5のそれぞれと宅内ネットワークを介して通信する。
また、宅内通信部63は、操作端末7と無線通信又は有線通信するためのNICを備える。宅内通信部63は、操作端末7と、Wi−Fi(登録商標)、Wi−SUN(登録商標)、有線LAN等の周知の通信規格に則った通信を行う。
宅外通信部64は、ルータ12を介して広域ネットワークNに接続するための通信インタフェースを備え、制御部60の制御のもと、広域ネットワークNを介して管理サーバ8及び気象サーバ9を含む外部の機器と通信する。ルータ12は、広域ネットワークNを介して外部の機器と通信することができる装置であって、例えばブロードバンドルータである。広域ネットワークNは、例えばインターネットである。
制御装置6の機能の詳細については、後述する。
<操作端末7>
図1に戻って、操作端末7は、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話、ノート型パソコン等の携帯機器であって、ユーザインタフェースとして機能する。操作端末7は、本発明に係る出力端末の一例である。操作端末7は、押しボタン、タッチパネル、タッチパッド等の入力デバイスと、有機EL(Electroluminescence)ディスプレイ、液晶ディスプレイ等の表示デバイスと、通信インタフェースとを備える。操作端末7は、ユーザからの操作を受け付け、受け付けた操作内容を示す情報を制御装置6に送信する。また、操作端末7は、制御装置6から送信された、ユーザに提示するための情報を受信し、受信した情報をユーザに提示する。
<管理サーバ8>
管理サーバ8は、制御装置6のメーカ、販売会社等によって管理され、制御装置6と連携して電力管理システム1を機能させるサーバである。管理サーバ8は、例えばクラウドコンピューティングにおけるリソースを提供するサーバである。管理サーバ8は、家屋Hを含む顧客宅におけるエネルギー使用状況を管理する。図5に示すように、管理サーバ8は、制御部80と、記憶部81と、通信部82と、を備える。これら各部はバス83を介して接続されている。
制御部80は、CPU、ROM及びRAMを備える。CPUは、様々な処理及び演算を実行する処理部であって、中央処理装置、中央演算装置、プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSP等とも呼ぶ。制御部80において、CPUは、ROMに格納されたプログラム及びデータを読み出し、RAMをワークエリアとして用いて、管理サーバ8を統括制御する。
記憶部81は、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROM等の不揮発性の半導体メモリ又はHDDであって、いわゆる二次記憶装置としての役割を担う。記憶部81は、制御部80が各種処理を行うために使用するプログラム及びデータ、並びに、制御部80が各種処理を行うことにより生成又は取得するデータを記憶する。
通信部82は、広域ネットワークNに接続するための通信インタフェースを備え、制御部80の制御のもと、広域ネットワークNを介して制御装置6及び気象サーバ9と通信する。管理サーバ8の機能の詳細については後述する。
<気象サーバ9>
図1に戻って、気象サーバ9は、気象庁、気象事業者等によって運営されるデータサーバであって、気象情報を一般に利用可能に提供する。気象情報とは、天気、気温、日射量、日照時間、風向き等のような、気象の予報及び実績に関する情報である。気象サーバ9は、各需要地に設置された制御装置6と広域ネットワークNを介して通信可能に接続されており、広域ネットワークNを介して気象情報を配信する。
続いて管理サーバ8の機能について詳細に説明する。管理サーバ8は、機能的に、図6に示すように、気象情報取得部800と、電力取得部810と、湯量取得部820と、予測部830と、予測情報送信部840と、湯量情報生成部850と、湯量情報送信部860と、を備える。これらの各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、又は、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現される。ソフトウェア及びファームウェアは、プログラムとして記述され、管理サーバ8におけるROM又は記憶部81に格納される。そして、制御部80において、CPUが、ROM又は記憶部81に記憶されたプログラムを実行することによって、各部の機能を実現する。また、管理サーバ8は、データベース870を備える。データベース870は、記憶部81の記憶領域に構築される。
気象情報取得部800は、制御部80が通信部82と協働することによって実現され、気象サーバ9から気象情報を取得する。気象情報は、家屋Hを含む地域における天気、日射量、日照時間、気温等の予報である気象予報と、これらの過去の実績である気象実績と、を含んでおり、発電設備2による発電電力である電力P2を予測するためのパラメータとして用いられる。
気象情報取得部800は、広域ネットワークNを介して気象サーバ9に要求を送信し、要求に対する応答として気象サーバ9から気象情報を取得する。気象情報取得部800は、気象サーバ9において気象情報が更新される毎に気象サーバ9から気象情報を取得し、取得した気象情報をデータベース870に格納する。
電力取得部810は、制御部80が通信部82と協働することによって実現され、各顧客の制御装置6から、商用電力である電力P1の計測値と、発電電力である電力P2の計測値と、給湯機4に供給される電力P3の計測値と、家屋Hにおける総消費電力である電力Ptの計測値と、を取得する。詳細には、電力取得部810は、後述する制御装置6によって、電力P1〜P3、Ptの計測値の一定期間分(例えば、1時間分)の履歴が格納された電力履歴データが広域ネットワークNを介して送信されると、かかる電力履歴データを受信して、各電力の計測値の履歴を取得する。電力取得部810は、取得した各電力の計測値の履歴をデータベース870に格納する。また、電力取得部810は、電力Ptの計測値の各履歴から電力P3の計測値の各履歴を差し引いて、消費電力(以下、電力Pcという。)の値をそれぞれ算出し、これらの値を電力Pcの計測値の履歴としてデータベース870に格納する。
電力取得部810によって取得される電力P1〜P3、Ptの計測値は、電力(ワット)の単位で表されるものであっても良いし、電力を予め設定された積算時間に亘って積算した電力量の単位で表されるものであっても良い。
湯量取得部820は、制御部80が通信部82と協働することによって実現され、各顧客の制御装置6から、使用湯量の計測値と、貯湯量の計測値と、を取得する。具体的に説明すると、湯量取得部820は、後述する制御装置6によって、使用湯量の計測値及び貯湯量の計測値の一定期間分(例えば、1時間分)の履歴が格納された湯量履歴データが広域ネットワークNを介して送信されると、かかる湯量履歴データを受信して、使用湯量及び貯湯量の計測値の履歴を取得する。湯量取得部820は、取得した計測値の履歴をデータベース870に格納する。
データベース870は、顧客別に、気象情報取得部800によって取得された気象情報と、電力取得部810によって取得された電力P1〜P3、Ptの計測値と、湯量取得部820によって取得された使用湯量及び貯湯量の計測値と、を記憶する。具体的に説明すると、データベース870は、図7に示すように、気象予報情報871と、気象実績情報872と、発電電力情報873と、消費電力情報874と、使用湯量情報875と、貯湯量情報876と、を記憶する。
気象予報情報871は、家屋Hを含む地域における翌日の気象予報を示す情報である。気象実績情報872は、家屋Hを含む地域における過去の気象実績を示す情報である。発電電力情報873は、家屋Hにおける発電電力である電力P2の計測値を示す情報である。消費電力情報874は、家屋Hにおける電力P1、P3、Ptの計測値を示す情報である。使用湯量情報875は、家屋Hにおける使用湯量の計測値を示す情報である。貯湯量情報876は、給湯機4の貯湯タンク410内の貯湯量の計測値を示す情報である。気象実績情報872、発電電力情報873及び消費電力情報874は、それぞれ予め定めた蓄積期間分(例えば、1年分)の気象実績、電力P2の計測値及び電力P1、P3、Ptの計測値を、時系列順に格納している。また、使用湯量情報875及び貯湯量情報876は、それぞれ上記蓄積期間分の使用湯量の計測値及び貯湯量の計測値を、時系列順に格納している。データベース870に記憶されているこれらの情報は、気象情報取得部800、電力取得部810又は湯量取得部820によってデータが取得される毎に更新される。
図6に戻って、予測部830は、制御部80が記憶部81と協働することによって実現され、気象情報取得部800によって取得された気象情報と、電力取得部810によって取得された電力P2、P3、Ptの計測値と、に基づいて、家屋Hにおける翌日の余剰電力の推移を予測する。ここでの余剰電力(以下、電力Psという。)とは、発電設備2による発電電力である電力P2が、家屋Hの消費電力である電力Pcを超えた際の超過分の電力のことをいう。すなわち、電力Psは、電力P2と電力Pcとの差に相当する。
以下、余剰電力である電力Psの推移の予測について詳細に説明する。第1に、予測部830は、家屋Hにおける翌日の発電電力である電力P2の推移を予測する。そのために、予測部830は、データベース870に記憶された気象実績情報872と発電電力情報873とに基づいて、発電予測モデルを作成する。発電予測モデルは、電力P2を予測するためのモデルであって、本日以前の過去の予め定めた対象期間(例えば、2週間〜1ヶ月等)分の電力P2の計測値を時刻(例えば、1分単位で示される時刻)及び天気でグループ化し、各グループにおいて、電力P2を平均化したモデルである。
詳細には、予測部830は、過去の上記対象期間における気象実績を参照して、その対象期間における各時刻の電力P2の計測値を、晴れ、曇り、雨等のような天気別にグループ化し、各グループにおける電力P2の計測値の平均値を算出する。そして、予測部830は、算出した電力P2の計測値の平均値を、各時刻及び天気に対応付けることによって、発電予測モデルを作成する。
予測部830は、データベース870に記憶された気象予報情報871から、家屋Hを含む地域における翌日の天気情報を取得する。そして、予測部830は、発電予測モデルを参照して、翌日の天気に対応する各時刻の電力P2の計測値の平均値を、翌日の各時刻における電力P2の予測値とする。このようにして、予測部830は、翌日の電力P2の推移を予測する。
第2に、予測部830は、家屋Hにおける翌日の消費電力である電力Pcの推移を予測する。電力Pcは、上述したように、総消費電力である電力Ptと給湯機4に供給される電力P3との差に相当する。電力Pcの推移を予測するために、予測部830は、データベース870に記憶された消費電力情報874に基づいて、消費予測モデルを作成する。消費予測モデルは、家屋Hにおける消費電力である電力Pcを予測するためのモデルであって、上記の対象期間分の電力Pcの計測値を時刻(例えば、1分単位で示される時刻)及び曜日でグループ化し、各グループにおいて、電力Pcを平均化したモデルである。
詳細には、予測部830は、過去の対象期間における各時刻の電力Pcの計測値を曜日別にグループ化し、各グループにおける電力Pcの計測値の平均値を算出する。そして、予測部830は、算出した電力P2の計測値の平均値を、曜日に対応付けることによって、消費予測モデルを作成する。予測部830は、消費予測モデルを参照して、翌日の曜日に対応する各時刻の電力Pcの計測値の平均値を、翌日の各時刻における電力Pcの予測値とする。このようにして、予測部830は、翌日の電力Pcの推移を予測する。
第2に、予測部830は、それぞれ予測した、翌日の電力P2の推移と電力Pcの推移から、余剰電力である電力Psの推移を予測する。詳細には、予測部830は、翌日の各時刻(例えば、1分単位で示される時刻)において、電力P2の予測値から電力Pcの予測値を減算することで、当該時刻における電力Psの予測値を算出する。このようにして、予測部830は、図8に示すように、余剰電力である電力Psの推移を予測する。
図6に戻って、予測情報送信部840は、制御部80が通信部82と協働することによって実現され、予測部830によって予測された電力Psの推移を示す予測情報を制御装置6に送信する。具体的に説明すると、予測情報送信部840は、図8に示した翌日の各時刻における電力Psの予測値を示す予測情報を、広域ネットワークNを介して制御装置6に送信する。予測情報送信部840は、定期的に、又は制御装置6からの要求に応答して、予測情報を制御装置6に送信する。
湯量情報生成部850は、制御部80が記憶部81と協働することによって実現され、データベース870に記憶された使用湯量情報875と貯湯量情報876とに基づいて、予め設定された学習期間における使用湯量の平均値と、この学習期間における貯湯量の最小値である最低貯湯量Wlowと、を表す湯量情報を生成する。本実施形態において、学習期間は2週間であり、湯量情報生成部850は、過去2週間における使用湯量の平均値と、過去2週間における貯湯量の最小値である最低貯湯量Wlowと、を表す湯量情報を生成する。
湯量情報送信部860は、制御部80が通信部82と協働することによって実現され、湯量情報生成部850によって生成された湯量情報を制御装置6に送信する。湯量情報送信部860は、定期的に、又は制御装置6からの要求に応答して、湯量情報を、広域ネットワークNを介して制御装置6に送信する。
次に、図9を参照して、制御装置6の機能的な構成について説明する。制御装置6は、機能的に、図9に示すように、計測データ取得部600と、履歴データ送信部610と、情報受信部620と、動作設定部630と、動作制御部640と、情報入出力部650と、を備える。これらの各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、又は、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現される。ソフトウェア及びファームウェアは、プログラムとして記述され、制御装置6におけるROM又は記憶部61に格納される。そして、制御部60において、CPUが、ROM又は記憶部61に記憶されたプログラムを実行することによって、各部の機能を実現する。また、制御装置6は、計測データ記憶部660と、情報記憶部670と、を備える。計測データ記憶部660及び情報記憶部670は、記憶部61内の記憶領域に構築される。
計測データ取得部600は、制御部60が宅内通信部63及び記憶部61と協働することによって実現され、商用電力である電力P1、発電電力である電力P2及び給湯機4に供給される電力P3の計測値が格納された電力計測データを、宅内ネットワークを介して電力計測装置3から取得する。詳細には、電力計測装置3は、上述したように、電力P1〜P3の計測値と計測時刻を含む電力計測データを定期的(例えば、1分毎に)に制御装置6に送信する。なお、計測データ取得部600が、定期的に電力計測装置3に電力計測データの要求を送信し、電力計測装置3がこの要求に応答して電力計測データを制御装置6に送信しても良い。計測データ取得部600は、電力計測装置3からの電力計測データを受信して取得すると、取得した電力計測データを計測データ記憶部660に格納する。その際、計測データ取得部600は、電力P1と電力P2を合算して電力Ptを算出し、算出した電力Ptも電力計測データに含めて計測データ記憶部660に格納する。
また、計測データ取得部600は、使用湯量及び貯湯の計測値が格納された湯量計測データを、宅内ネットワークを介して給湯機4から取得する。詳細には、給湯機4は、上述したように、使用湯量及び貯湯量の計測値と計測時刻を含む湯量計測データを定期的(例えば、1分毎に)に制御装置6に送信する。なお、計測データ取得部600が、定期的に給湯機4に湯量計測データの要求を送信し、給湯機4がこの要求に応答して湯量計測データを制御装置6に送信しても良い。計測データ取得部600は、給湯機4からの湯量計測データを受信して取得すると、取得した湯量計測データを計測データ記憶部660に格納する。
計測データ記憶部660には、過去一定期間分の(例えば、2週間分の)電力計測データ及び湯量計測データが記憶される。
履歴データ送信部610は、制御部60が宅外通信部64と協働することによって実現され、定期的(例えば、1時間毎)に電力履歴データを生成し、広域ネットワークNを介して管理サーバ8に送信する。電力履歴データには、商用電力である電力P1、発電電力である電力P2、給湯機4に供給される電力P3及び総消費電力である電力Ptの各計測値の履歴が、一定期間分(例えば、1時間分)格納される。なお、履歴データ送信部610は、電力P1〜電力P3、Ptの計測値の履歴を別々に送信しても良い。また、履歴データ送信部610は、管理サーバ8からの要求に応じて、電力履歴データを管理サーバ8に送信しても良い。
また、履歴データ送信部610は、定期的(例えば、1時間毎)に湯量履歴データを生成し、広域ネットワークNを介して管理サーバ8に送信する。湯量履歴データには、使用湯量の計測値と貯湯量の計測値の履歴が、一定期間分(例えば、1時間分)格納される。なお、履歴データ送信部610は、使用湯量の計測値と貯湯量の計測値の履歴を別々に送信しても良い。また、履歴データ送信部610は、管理サーバ8からの要求に応じて、履歴履歴データを管理サーバ8に送信しても良い。
情報受信部620は、制御部60が宅外通信部64と協働することによって実現され、広域ネットワークNを介して管理サーバ8と通信し、管理サーバ8から送信された予測情報及び湯量情報を受信する。管理サーバ8は、予測情報及び湯量情報を例えば定期的に制御装置6に送信する。或いは、情報受信部620が、必要に応じて管理サーバ8に予測情報及び湯量情報の要求を送信し、管理サーバ8がこの要求に応答して、予測情報及び湯量情報を制御装置6に送信しても良い。情報受信部620は、予測情報及び湯量情報を受信すると、受信した予測情報及び湯量情報を情報記憶部670に格納する。
また、情報受信部620は、広域ネットワークNを介して気象サーバ9と通信し、気象サーバ9から送信された気象情報を受信する。気象サーバ9は、気象情報を例えば定期的に制御装置6に送信する。或いは、情報受信部620は、必要に応じて気象サーバ9に気象情報の要求を送信し、気象サーバ9がこの要求に応答して、気象情報を制御装置6に送信しても良い。情報受信部620は、気象情報を受信すると、受信した気象情報を情報記憶部670に格納する。
情報記憶部670は、情報受信部620によって受信された予測情報、湯量情報及び気象情報を記憶する。また、情報記憶部670は、情報入出力部650によって操作端末7から受信されたモード情報及びカレンダー情報を記憶する。また、情報記憶部670は、情報入出力部650によって生成された後述する通知情報を記憶する。情報記憶部670に記憶されている予測情報、湯量情報及び気象情報は、情報受信部620がこれらの情報を受信する度に更新される。また、情報記憶部670に記憶されているモード情報及びカレンダー情報は、情報入出力部650がこれらの情報を受信する度に更新される。また、情報記憶部670に記憶されている通知情報は、情報入出力部650が通知情報を生成する度に更新される。
モード情報は、給湯機4が備える複数の制御モードのうち何れがユーザによって選択されているかを示す情報である。後述するように、操作端末7は、ユーザによる制御モードを選択する操作を受け付けることによってモード情報を生成し、生成したモード情報を通信インタフェースにより制御装置6に送信する。情報入出力部650は、操作端末7によって送信されたモード情報を受信し、受信したモード情報を情報記憶部670に格納する。
カレンダー情報は、家屋Hにおけるイベントの発生予定を示す情報である。後述するように、操作端末7は、ユーザによるイベントの発生予定の入力を受け付けることによってカレンダー情報を生成し、生成したカレンダー情報を通信インタフェースにより制御装置6に送信する。情報入出力部650は、操作端末7によって送信されたカレンダー情報を受信し、受信したカレンダー情報を情報記憶部670に格納する。
カレンダー情報は、図10に示すように、家屋Hにおいて発生が予定されているイベントに関する情報であるイベント情報を含んでいる。イベント情報には、イベントの内容を表すデータと、イベントが発生する予定の日時を表すデータと、人数マージンを示すデータと、湯量マージンを示すデータと、が互いに対応付けて含まれている。
人数マージンは、イベントの影響による家屋Hにおける在宅人数の変化量である。イベントの影響により在宅人数が増加する場合には人数マージンは正の値をとり、イベントの影響により在宅人数が減少する場合には人数マージンは負の値をとる。人数マージンは、イベントの影響による給湯機4によって給湯される湯を使用する人間の数の増減量に相当する。湯量マージンは、イベントの影響による家屋Hにおける使用湯量の変化量である。イベントの影響により使用湯量が増加する場合には湯量マージンは正の値をとり、イベントの影響により使用湯量が減少する場合には負の値をとる。湯量マージンは、イベントの内容に応じて予め設定されている。湯量マージンは、イベントの影響による給湯機4の給湯量の増減量に相当する。
動作設定部630は、図11に示すように、一日の沸き上げ湯量決定部631と、期間決定部632と、昼間沸き上げ湯量設定部633と、夜間目標貯湯量算出部634と、昼間沸き上げ湯量算出部635と、を備えている。動作設定部630は、制御部60が記憶部61と協働することによって実現される。
一日の沸き上げ湯量決定部631は、給湯機4の一日当たりの給湯量の予測値である一日の沸き上げ湯量Wdayを決定する。一日の沸き上げ湯量Wdayは、家屋Hにおける一日当たりの使用湯量の予測値に相当する。
一日の沸き上げ湯量決定部631は、情報記憶部670が記憶している湯量情報が示す過去2週間の使用湯量の平均値に、カレンダーマージンと、季節マージンと、を加算した値を一日の沸き上げ湯量Wdayとして決定する。
カレンダーマージンは、家屋Hにおけるイベントの発生予定に応じた給湯量の調整値である。給湯機4による給湯量は、家屋Hにおいて発生するイベントの影響によって変化する。一日の沸き上げ湯量決定部631は、カレンダーマージンに基づいて一日の沸き上げ湯量Wdayを決定することにより、湯切れが発生する可能性を低減すると共に、過剰に湯を沸き上げてしまい電力を浪費する可能性を低減する。一日の沸き上げ湯量決定部631は、情報記憶部670が記憶するカレンダー情報に基づいて、イベントの影響による家屋Hにおける在宅人数の変化量に応じたカレンダーマージンを決定する。具体的に説明すると、一日の沸き上げ湯量決定部631は、カレンダー情報が含むイベント情報のうち、翌日に発生が予定されているイベントに関するイベント情報を抽出し、抽出されたイベント情報に含まれている人数マージンを合計することによって、家屋Hにおける翌日の在宅人数の変化量を算出する。一日の沸き上げ湯量決定部631は、算出した在宅人数の変化量に、予め設定された1人当たりの平均使用湯量を乗算した値をカレンダーマージンとして決定する。本実施形態において、1人当たりの平均使用湯量は、75Lに設定されている。
季節マージンは、季節に応じた給湯量の調整値である。給湯機4による給湯量は、季節によって変化する。例えば、一般に、秋から冬への季節の変わり目である初冬には、給湯量が急激に増加する傾向がある。一日の沸き上げ湯量決定部631は、季節マージンに基づいて一日の沸き上げ湯量Wdayを決定することにより、湯切れが発生する可能性を低減すると共に、過剰に湯を沸き上げてしまい電力を浪費する可能性を低減する。具体的に説明すると、一日の沸き上げ湯量決定部631は、翌日が初冬であるか否かを判定する。そして、一日の沸き上げ湯量決定部631は、翌日が初冬であると判定した場合には予め設定された初冬用湯量(例えば、100L)を季節マージンとして決定する一方、翌日が初冬ではないと判定した場合には当該初冬用湯量よりも少ない予め設定された湯量(例えば、0L)を季節マージンとして決定する。
一日の沸き上げ湯量決定部631は、翌日が初冬であるか否かを、当日の日付と、情報記憶部670によって記憶された気象情報が示す、家屋Hを含む地域における当日の気温の実績値及び家屋Hを含む地域における翌日の気温の予測値と、に従って判定する。具体的に説明すると、一日の沸き上げ湯量決定部631は、当日の日付が11月又は12月であり、かつ、翌日の気温の予測値が当日の気温の実績値に比べて摂氏5度以上低いと予測されている場合、翌日が初冬であると判定する。一方、一日の沸き上げ湯量決定部631は、当日の日付が11月及び12月の何れでもない場合、又は、翌日の気温の予測値が当日の気温の実績値に比べて摂氏5度以上低くないと予測されている場合、翌日が初冬ではないと判定する。
期間決定部632は、昼間沸き上げ期間を決定する。昼間沸き上げ期間は、余剰電力である電力Psが生じている昼間に、電力Psのみを利用して給湯機4を動作させ、給湯機4に湯を沸き上げさせる期間である。
図12に、給湯機4が昼間に湯を沸き上げる場合と昼間に湯を沸き上げない場合とのそれぞれにおける貯湯タンク410内の貯湯量の推移を示す。図12において、実線L1は、昼間に湯を沸き上げない場合の貯湯量を表しており、破線L2は、昼間に湯を沸き上げる場合の貯湯量を表している。
例えば雨又は曇りの日のように、余剰電力である電力Psが少ない又は生じない場合には、給湯機4は、昼間に湯を沸き上げない。この場合、実線L1に示すように、給湯機4は、電力料金が安い夜間に一日の沸き上げ湯量Wdayの湯を沸き上げる。これに対して、晴れの日のように多くの電力Psが生じる場合には、給湯機4は、破線L2に示すように、一日の沸き上げ湯量WdayのうちのV1の量の湯を、電力Psを利用して昼間に沸き上げる。この場合、夜間に沸き上げる湯量はV1だけ減少する。これにより、夜間に湯の沸き上げに使用される商用電力の量が削減される。
期間決定部632は、情報記憶部670に記憶された予測情報が示す余剰電力である電力Psの推移の予測に基づいて、昼間沸き上げ期間を決定する。具体的に説明すると、期間決定部632は、電力Psの予測値が、給湯機4の消費電力を示す電力Pwよりも大きい期間を、昼間沸き上げ期間として決定する。期間決定部632は、予測情報を参照することによって、電力Psが生じる期間に含まれる各時刻における電力Psの予測値と電力Pwとの大小を判定する。期間決定部632は、電力Psの予測値が電力Pwを超える期間が複数ある場合には、この複数の期間のうちの最長の期間を、昼間沸き上げ期間として決定する。このように、なるべく長い時間を昼間沸き上げ期間として決定することによって、給湯機4の発停回数を少なくできるため、給湯機4を効率的に動作させることができる。
ここで、電力Pwは、給湯機4が、沸き上げ動作を行っている、すなわち、沸き上げ運転を行っている際の消費電力の定格を意味する。期間決定部632は、電力Pwの情報を、宅内通信部63を介して給湯機4と通信することによって給湯機4から取得する。或いは、期間決定部632は、給湯機4の消費電力の実績、即ち、電力計測装置3により計測された電力P3の履歴に基づいて、電力Pwを決定しても良いし、ユーザによって入力された又は初期値として設定された固定値を電力Pwとして使用しても良い。
また、期間決定部632は、決定した昼間沸き上げ期間の時間長である沸き上げ可能時間Tmaxを算出する。沸き上げ可能時間Tmaxは、給湯機4が余剰電力を用いて湯を沸き上げることが可能な時間の最大値に相当する。沸き上げ可能時間Tmaxは、本発明に係る最長継続時間の一例である。また、期間決定部632は、本発明に係る時間取得手段の一例である。
図11に戻って、昼間沸き上げ湯量設定部633は、一日の沸き上げ湯量決定部631が決定した一日の沸き上げ湯量Wdayから予め設定された湯切れ防止湯量である起動貯湯量Wonを減算した値を昼間沸き上げ湯量Wnoonの初期値として設定する。起動貯湯量Wonは、例えば100Lであって、固定値である。
夜間目標貯湯量算出部634は、給湯機4が夜間に商用電力のみを利用して動作して沸き上げる湯の量の目標値である夜間目標貯湯量Wnightを算出する。夜間目標貯湯量Wnightは、本発明に係る第1湯量の一例である。また、夜間目標貯湯量算出部634は、本発明に係る第1湯量算出手段の一例である。
上述したように、給湯機4は、制御モードとして、停止モード、通常モード、少なめモード、多めモード、自動モード及び停止モードを備えており、これらの複数の制御モードのうち、ユーザによって選択された制御モードに従って動作する。夜間目標貯湯量算出部634は、情報記憶部670に記憶されているモード情報が示すユーザによって選択された制御モードに応じて夜間目標貯湯量Wnightを算出する。
具体的に説明すると、停止モードは、給湯機4に余剰電力を用いた湯の沸き上げを行わせない制御モードである。言い換えると、停止モードは、給湯機4に、一日の沸き上げ湯量Wdayの全てを、夜間に商用電力を用いて沸き上げさせる制御モードである。給湯機4の制御モードとして停止モードがユーザによって選択されている場合、夜間目標貯湯量算出部634は、一日の沸き上げ湯量決定部631によって決定された一日の沸き上げ湯量Wdayを夜間目標貯湯量Wnightとして算出する。
通常モードは、給湯機4に余剰電力を用いた湯の沸き上げを行わせることにより、停止モードに比べて、湯の沸き上げに使用される商用電力の量を削減し、湯の沸き上げに活用される余剰電力の量を増大させる制御モードである。
給湯機4の制御モードとして通常モードがユーザによって選択されている場合、夜間目標貯湯量算出部634は、期間決定部632によって算出された沸き上げ可能時間Tmaxが必要沸き上げ時間Tnoonより大きいか否かを判定し、判定結果に応じて夜間目標貯湯量Wnightを算出する。必要沸き上げ時間Tnoonは、昼間沸き上げ湯量設定部633によって設定された昼間沸き上げ湯量Wnoonを給湯機4が沸き上げるために要する時間である。夜間目標貯湯量算出部634は、昼間沸き上げ湯量設定部633によって設定された昼間沸き上げ湯量Wnoonを給湯機4の沸き上げ能力で除算した値を必要沸き上げ時間Tnoonとして算出する。給湯機4の沸き上げ能力は、給湯機4がいかに高速に湯を沸き上げることができるかを示す指標であって、給湯機4が単位時間当たりに沸き上げ可能な湯量によって表される。夜間目標貯湯量算出部634は、給湯機4の沸き上げ能力の情報を、宅内通信部63を介して給湯機4と通信することによって給湯機4から取得する。或いは、夜間目標貯湯量算出部634は、給湯機4の沸き上げ能力として、ユーザによって入力された又は初期値として設定された固定値を用いても良い。
具体的に説明すると、給湯機4の制御モードとして通常モードがユーザによって選択されている場合、夜間目標貯湯量算出部634は、沸き上げ可能時間Tmaxが必要沸き上げ時間Tnoonより大きいと判定すると、一日の沸き上げ湯量決定部631によって決定された一日の沸き上げ湯量Wdayから昼間沸き上げ湯量設定部633によって設定された昼間沸き上げ湯量Wnoonを減算した値を夜間目標貯湯量Wnightとして算出する。一方、夜間目標貯湯量算出部634は、沸き上げ可能時間Tmaxが必要沸き上げ時間Tnoon以下であると判定すると、一日の沸き上げ湯量決定部631によって決定された一日の沸き上げ湯量Wdayから沸き上げ可能湯量Wmaxを減算した値を夜間目標貯湯量Wnightとして算出する。沸き上げ可能湯量Wmaxは、給湯機4が沸き上げ可能時間Tmaxにわたって動作することによって沸き上げられる湯の量である。夜間目標貯湯量算出部634は、沸き上げ可能時間Tmaxに給湯機4の沸き上げ能力を乗算した値を沸き上げ可能湯量Wmaxとして算出する。
少なめモードは、通常モードに比べて昼間沸き上げ湯量Wnoonを少なく設定する制御モードである。言い換えると、少なめモードは、給湯機4に比べて夜間目標貯湯量Wnightを多く設定する制御モードである。夜間目標貯湯量Wnightが多いほど、当日の夜間から翌日の昼間にかけて発生したイベントによって湯が使用されて湯切れが発生する可能性は低減する。すなわち、少なめモードは、夜間目標貯湯量Wnightを通常モードに比べて多めに設定することにより、湯切れが発生する可能性を通常モードに比べて低減する制御モードである。
給湯機4の制御モードとして少なめモードがユーザによって選択されている場合、夜間目標貯湯量算出部634は、上述した通常モードにおける処理と同様の処理を実行することによって夜間目標貯湯量Wnightを算出した後、さらに、予め設定された調整湯量Wadjを加算することで夜間目標貯湯量Wnightを調整する。本実施形態において、調整湯量Wadjは、シャワー1回分の平均使用湯量と湯張り1回分の平均使用湯量との和である230Lに設定されている。
多めモードは、通常モードに比べて昼間沸き上げ湯量Wnoonを多く設定する制御モードである。言い換えると、多めモードは、通常モードに比べて夜間目標貯湯量Wnightを少なく設定する制御モードである。夜間目標貯湯量Wnightが少ないほど、給湯機4が夜間に湯の沸き上げに使用する商用電力の量は少なくなる。すなわち、多めモードは、夜間目標貯湯量Wnightを通常モードに比べて少なめに設定することにより、通常モードに比べて、湯の沸き上げに使用される商用電力の量を削減し、湯の沸き上げに活用される余剰電力の量を増大させる制御モードである。
給湯機4の制御モードとして多めモードがユーザによって選択されている場合、夜間目標貯湯量算出部634は、沸き上げ可能時間Tmaxが必要沸き上げ時間Tnoonより大きいか否かを判定し、判定結果に応じて夜間目標貯湯量Wnightを算出する。具体的に説明すると、夜間目標貯湯量算出部634は、沸き上げ可能時間Tmaxが必要沸き上げ時間Tnoon以下であると判定すると、一日の沸き上げ湯量決定部631によって決定された一日の沸き上げ湯量Wdayから沸き上げ可能湯量Wmaxを減算した値を夜間目標貯湯量Wnightとして算出する。一方、夜間目標貯湯量算出部634は、沸き上げ可能時間Tmaxが必要沸き上げ時間Tnoonより大きいと判定すると、一日の沸き上げ湯量決定部631によって決定された一日の沸き上げ湯量Wdayが、沸き上げ可能湯量Wmaxと過去2週間における貯湯量の最小値である最低貯湯量Wlowとの和より大きいか否かを判定し、判定結果に応じて夜間目標貯湯量Wnightを算出する。夜間目標貯湯量算出部634は、情報受信部620が管理サーバ8から受信した湯量情報を参照することによって、最低貯湯量Wlowを取得する。夜間目標貯湯量算出部634は、一日の沸き上げ湯量Wdayが沸き上げ可能湯量Wmaxと最低貯湯量Wlowとの和より大きいと判定すると、一日の沸き上げ湯量Wdayから沸き上げ可能湯量Wmaxを減算した値を夜間目標貯湯量Wnightとして算出する。一方、夜間目標貯湯量算出部634は、一日の沸き上げ湯量Wdayが沸き上げ可能湯量Wmaxと最低貯湯量Wlowとの和以下であると判定すると、最低貯湯量Wlowを夜間目標貯湯量Wnightとして決定する。
自動モードは、多めモードと概ね同様の制御モードである。ただし、自動モードは、夜間目標貯湯量Wnightを家屋Hにおけるイベントの発生予定に応じて調整する点において多めモードと相違している。
具体的に説明すると、給湯機4の制御モードとして自動モードがユーザによって選択されている場合、夜間目標貯湯量算出部634は、上述した多めモードにおける処理と同様の処理を実行して夜間目標貯湯量Wnightを算出した後、算出した夜間目標貯湯量Wnightを、情報記憶部670に記憶されているカレンダー情報に従って調整する。
より具体的に説明すると、夜間目標貯湯量算出部634は、カレンダー情報に含まれているイベント情報のうち、当日の夜間から翌日の昼間にかけて発生が予定されているイベントに関するイベント情報を抽出する。夜間目標貯湯量算出部634は、抽出したイベント情報が含む湯量マージンの合計値を加算することによって夜間目標貯湯量Wnightを調整する。湯量マージンの合計値が正の値であれば、当日の夜間から翌日の昼間にかけて、使用湯量を増加させるイベントの発生が予定されていることを意味する。この場合、夜間目標貯湯量算出部634は、正の値をとる湯量マージンの合計値を加算することによって夜間目標貯湯量Wnightを増加させることにより、当日の夜間から翌日の昼間にかけて湯切れが発生する可能性を低減させる。一方、湯量マージンの合計値が負の値であれば、当日の夜間から翌日の昼間にかけて、使用湯量を減少させるイベントの発生が予定されていることを意味する。この場合、夜間目標貯湯量算出部634は、負の値をとる湯量マージンの合計値を加算することによって夜間目標貯湯量Wnightを減少させる。これにより、不必要に多い湯を夜間に商用電力を用いて沸き上げてしまうことが防止され、商用電力の浪費が抑制されると共に、湯の沸き上げに活用される余剰電力の量が増大する。このように、給湯機4の制御モードとして自動モードがユーザによって選択されている場合、夜間目標貯湯量算出部634は、当日の夜間から翌日の昼間にかけて発生が予定されるイベントに応じて夜間目標貯湯量を調整することで、湯切れが発生する可能性を低減すると共に、商用電力の浪費を抑制し、湯の沸き上げに活用される余剰電力の量を増大させる。
提案モードは、自動モードと概ね同様の制御モードである。ただし、提案モードは、家屋Hにおけるイベントの発生予定に応じて夜間目標貯湯量Wnightを調整することを許可するか否かをユーザに問い合わせ、この問い合せに対するユーザの応答に従って夜間目標貯湯量Wnightを算出する点において自動モードと相違している。
具体的に説明すると、給湯機4の制御モードとして提案モードがユーザによって選択されている場合、夜間目標貯湯量算出部634は、上述した自動モードにおける処理と同様の処理を実行することにより、上述した多めモードにおける処理と同様の処理を実行して算出された夜間目標貯湯量Wnightを家屋Hにおけるイベント発生予定に応じて調整した場合の夜間目標貯湯量Wnightを算出する。以下、夜間目標貯湯量Wnightを家屋Hにおけるイベントの発生予定に応じて調整する制御を、調整制御と呼ぶ。
後述するように、給湯機4の制御モードとして提案モードがユーザによって選択されている場合、調整制御を行った場合の夜間目標貯湯量Wnightを夜間目標貯湯量算出部634が算出したことに応答して、情報入出力部650は、操作端末7に、通知情報をユーザへ提示させる。この通知情報には、調整制御を行うことを許可するか否かをユーザに問い合わせる問合せ情報が含まれている。通知情報がユーザへ提示された後、ユーザが、操作端末7を操作することによって、調整制御を行うことを許可する操作、又は、調整制御を行うことを拒否する操作の何れかを行うと、これに応答して、操作端末7が、調整制御を行うことをユーザが許可したか否かを示す応答情報を生成する。操作端末7は、生成した応答情報を、制御装置6へ送信する。情報入出力部650は、操作端末7によって送信された応答情報を受信する。
夜間目標貯湯量算出部634は、調整制御を行うことをユーザが許可したか否かを、情報入出力部650が受信した応答情報に従って判定する。調整制御を行うことをユーザが許可したと判定すると、夜間目標貯湯量算出部634は、上述した自動モードにおける処理と同様の処理を実行して算出した夜間目標貯湯量Wnightを夜間目標貯湯量Wnightとして決定する。一方、調整制御を行うことをユーザが拒否したと判定すると、夜間目標貯湯量算出部634は、上述した多めモードにおける処理と同様の処理を実行して算出した夜間目標貯湯量Wnightを夜間目標貯湯量Wnightとして決定する。
図11に戻って、昼間沸き上げ湯量算出部635は、一日の沸き上げ湯量決定部631によって決定された一日の沸き上げ湯量Wdayから夜間目標貯湯量算出部634によって算出された夜間目標貯湯量Wnightを減算した値を昼間沸き上げ湯量Wnoonとして算出する。これにより、昼間沸き上げ湯量算出部635は、給湯機4が備える複数の制御モードのうちユーザが選択した制御モードに応じた昼間沸き上げ湯量Wnoonを算出する。昼間沸き上げ湯量算出部635は、算出した昼間沸き上げ湯量Wnoonによって、昼間沸き上げ湯量算出部635が設定した昼間沸き上げ湯量Wnoonを更新する。更新された昼間沸き上げ湯量Wnoonは、本発明に係る第2湯量の一例である。また、昼間沸き上げ湯量算出部635は、本発明に係る第2湯量算出手段の一例である。
図9に戻って、動作制御部640は、期間決定部632によって決定された昼間沸き上げ期間の開始時刻及び終了時刻と、夜間目標貯湯量算出部634によって算出された夜間目標貯湯量Wnightと、昼間沸き上げ湯量算出部635によって算出された昼間沸き上げ湯量Wnoonと、を表す沸き上げスケジュールを生成する。動作制御部640は、生成した沸き上げスケジュールを宅内通信部63を介して給湯機4に送信することにより、給湯機4にこの沸き上げスケジュールに従った湯を沸き運転を実行させる。動作制御部640は、制御部60が宅内通信部63と協働することによって実現される。
動作制御部640は、給湯機4に、夜間において、沸き上げスケジュールが表す夜間目標貯湯量Wnightの湯を、商用電力のみを用いて沸き上げさせる。また、動作制御部640は、給湯機4に、沸き上げスケジュールが表す昼間沸き上げ期間において、沸き上げスケジュールが表す昼間沸き上げ湯量Wnoonの湯を、余剰電力のみを用いて沸き上げさせる。
給湯機4は、動作制御部640から沸き上げスケジュールを受信すると、現在時刻が当該沸き上げスケジュールで示される夜間の開始時刻になったことに応答して、商用電力のみを用いた湯の沸き上げ運転を開始する。給湯機4は、沸き上げ運転を開始した後、定期的に(例えば、30秒毎に)貯湯量センサから貯湯量を取得することによって、貯湯タンク410内の貯湯量を監視する。給湯機4は、貯湯量を監視した結果、夜間の開始時刻における貯湯量からの増分量が、沸き上げスケジュールが表す夜間目標貯湯量Wnightに達すると、商用電力のみを用いた湯の沸き上げ運転を停止する。給湯機4は、商用電力のみを用いた湯の沸き上げ運転を停止した後、沸き上げスケジュールが表す昼間沸き上げ期間の到来を待機する。給湯機4は、現在時刻が沸き上げスケジュールが表す昼間沸き上げ期間の開始時刻になったことに応答して、余剰電力である電力Psのみを用いた湯の沸き上げ運転を開始する。給湯機4は、電力Psのみを用いた湯の沸き上げ運転を開始した後、定期的に貯湯量センサから貯湯量を取得することによって、貯湯タンク410内の貯湯量を監視する。給湯機4は、貯湯量を監視した結果、昼間沸き上げ期間の開始時刻における貯湯量からの増分量が、沸き上げスケジュールが表す昼間沸き上げ湯量Wnoonに達すると、電力Psのみを用いた湯の沸き上げ運転を停止する。なお、給湯機4は、現在時刻が沸き上げスケジュールが表す昼間沸き上げ期間の終了時刻になると、沸き上げスケジュールが表す昼間沸き上げ湯量Wnoonがその時点において沸き上げられているか否かに関わらず、電力Psのみを用いた湯の沸き上げ運転を停止する。
情報入出力部650は、操作端末7がユーザによる操作を入力デバイスで受け付けることによって生成した各種情報を、宅内ネットワークを介して操作端末7から受信する。操作端末7は、情報を生成したことに応答して、生成された情報を、通信インタフェースを用いて情報入出力部650に送信する。或いは、情報入出力部650は、必要に応じて操作端末7に情報の要求を送信し、操作端末7が、この要求に応答して情報入出力部650に情報を送信してもよい。また、情報入出力部650は、操作端末7に、各種情報をユーザへ提示させる。具体的に説明すると、情報入出力部650は、各種情報を操作端末7に宅内ネットワークを介して送信し、操作端末7は、受信した情報を表す画像を表示デバイスに表示することによって、この情報をユーザへ提示する。情報入出力部650は、制御部60が宅内通信部63と協働することによって実現される。
例えば、情報入出力部650は、操作端末7から上述したモード情報を受信する。情報入出力部650は、受信したモード情報を、情報記憶部670に格納する。操作端末7は、図13に示す設定画面WW1を表示デバイスに表示した状態において、ユーザによる制御モードを選択する操作を受け付けることによってモード情報を生成する。具体的に説明すると、設定画面WW1において、ユーザは、「昼間沸き上げ制御」の項目をOFFに設定すると、給湯機4の制御モードとして停止モードを選択することができる。また、ユーザは、「昼間沸き上げ制御」の項目をONに設定し、かつ、「昼間沸き上げ制御モード」の項目で「自動」を選択した状態において、「調整制御許可」の項目で「常に許可」を選択すると、自動モードを選択することができる。また、ユーザは、「昼間沸き上げ制御」の項目をONに設定し、かつ、「昼間沸き上げ制御モード」の項目で「自動」を選択した状態において、「調整制御許可」の項目で「制御前に確認」を選択すると、提案モードを選択することができる。また、ユーザは、「昼間沸き上げ制御」の項目をONに設定し、かつ、「昼間沸き上げ制御モード」の項目で「通常」を選択すると、通常モードを選択することができる。また、ユーザは、「昼間沸き上げ制御」の項目をONに設定し、かつ、「昼間沸き上げ制御モード」の項目で「多め」を選択すると、多めモードを選択することができる。また、ユーザは、「昼間沸き上げ制御」の項目をONに設定し、かつ、「昼間沸き上げ制御モード」の項目で「少なめ」を選択すると、少なめモードを選択することができる。
また、情報入出力部650は、操作端末7から、上述したカレンダー情報を受信する。情報入出力部650は、受信したカレンダー情報を情報記憶部670に格納する。操作端末7は、ユーザによるイベントの発生予定の入力を受け付けることによってカレンダー情報を生成する。
また、情報入出力部650は、給湯機4の制御モードとして提案モードが選択されている場合、上述した問合せ情報を含む通知情報を生成する。情報入出力部650は、生成した通知情報を、情報記憶部670に格納する。また、情報入出力部650は、操作端末7に、生成した通知情報をユーザへ提示させる。具体的に説明すると、情報入出力部650は、生成した通知情報を操作端末7へ送信し、この通知情報を表す許可画面を操作端末7の表示デバイスに表示させる。図14は、許可画面WW2の一例を示している。情報入出力部650は、調整制御を行った場合の夜間目標貯湯量Wnightを夜間目標貯湯量算出部634が算出したことに応答して、操作端末7に通知情報の提示を行わせる。
通知情報は、調整制御を行った場合の夜間目標貯湯量Wnight、昼間沸き上げ湯量Wnoon及び余剰活用電力量を表す情報を含んでいる。すなわち、通知情報は、自動モードに対応する夜間目標貯湯量Wnight、昼間沸き上げ湯量Wnoon及び余剰活用電力量を表す情報を含んでいる。余剰活用電力量は、給湯機4によって湯の沸き上げに利用された余剰電力である電力Psの量である。さらに、通知情報は、給湯機4の制御モードとして通常モードが選択された場合の夜間目標貯湯量Wnight及び昼間沸き上げ湯量Wnoonを表す情報を含んでいる。さらに、通知情報は、給湯機4の制御モードとして停止モードが選択された場合の夜間目標貯湯量Wnight及び昼間沸き上げ湯量Wnoonを表す情報を含んでいる。情報入出力部650は、これらの情報を、問合せ情報と共に格納することによって、通知情報を生成する。
具体的に説明すると、情報入出力部650は、夜間目標貯湯量算出部634から、イベントの発生予定に応じて調整を行った場合の夜間目標貯湯量Wnightを取得する。情報入出力部650は、一日の沸き上げ湯量決定部631によって決定された一日の沸き上げ湯量Wdayから、調整制御を行った場合の夜間目標貯湯量Wnightを減算した値を、調整制御を行った場合の昼間沸き上げ湯量Wnoonとして算出する。また、情報入出力部650は、調整制御を行った場合の昼間沸き上げ湯量Wnoonを給湯機4の沸き上げ能力で除算した値を、調整制御を行った場合の余剰活用電力量として算出する。
また、情報入出力部650は、上述した通常モード時に夜間目標貯湯量算出部634が実行する処理と同様の処理を実行することによって、給湯機4の制御モードとして通常モードが選択された場合の夜間目標貯湯量Wnight及び昼間沸き上げ湯量Wnoonを取得する。すなわち、情報入出力部650は、期間決定部632によって算出された沸き上げ可能時間Tmaxが必要沸き上げ時間Tnoonより大きいか否かを判定し、沸き上げ可能時間Tmaxが必要沸き上げ時間Tnoonより大きいと判定すると、一日の沸き上げ湯量決定部631によって決定された一日の沸き上げ湯量Wdayから昼間沸き上げ湯量設定部633によって設定された昼間沸き上げ湯量Wnoonを減算した値を夜間目標貯湯量Wnightとして算出する。一方、情報入出力部650は、沸き上げ可能時間Tmaxが必要沸き上げ時間Tnoon以下であると判定すると、一日の沸き上げ湯量決定部631によって決定された一日の沸き上げ湯量Wdayから沸き上げ可能湯量Wmaxを減算した値を夜間目標貯湯量Wnightとして算出する。
また、情報入出力部650は、一日の沸き上げ湯量決定部631によって決定された一日の沸き上げ湯量Wdayを、停止モードの場合の夜間目標貯湯量Wnightとして取得する。また、情報入出力部650は、0Lを停止モードの場合の昼間沸き上げ湯量Wnoonとして取得する。また、情報入出力部650は、0kWhを停止モードの場合の余剰活用電力量として取得する。
操作端末7は、表示デバイスに許可画面WW2が表示された状態において、ユーザによる、家屋Hにおけるイベントの発生予定に応じて夜間目標貯湯量Wnightを調整することを許可する操作、又は、家屋Hにおけるイベントの発生予定に応じて夜間目標貯湯量Wnightを調整することを拒否する操作の何れかを受け付ける。操作端末7は、ユーザによる操作に従って、夜間目標貯湯量Wnightを調整することをユーザが許可したか否かを示す応答情報を生成する。具体的に説明すると、許可画面WW2において、「許可」の項目を選択することによって、夜間目標貯湯量Wnightの調整を許可することができる。また、許可画面WW2において、「許可しない」の項目を選択することによって、夜間目標貯湯量Wnightの調整を拒否することができる。
また、情報入出力部650は、給湯機4の制御モードとして停止モード以外の制御モードが選択されている場合、給湯機4が余剰電力である電力Psのみを用いた湯の沸き上げ運転を行う旨をユーザに報知する運転報知情報を生成する。情報入出力部650は、操作端末7に、運転報知情報をユーザへ提示させる。具体的に説明すると、情報入出力部650は、生成した運転報知情報を操作端末7に送信し、この運転報知情報を表す運転報知画面を操作端末7に表示させる。図15は、運転報知画面WW3の一例を示している。情報入出力部650は、動作制御部640が沸き上げスケジュールを給湯機4に送信したことに応答して、操作端末7に運転報知情報の提示を行わせる。
また、情報入出力部650は、給湯機4の制御モードとして提案モードが選択されている場合、給湯機4が余剰電力である電力Psのみを用いて沸き上げた湯の量の実測値である実測湯量に関する情報である効果報知情報を生成する。情報入出力部650は、操作端末7に、効果報知情報をユーザへ提示させる。具体的に説明すると、情報入出力部650は、生成した効果報知情報を操作端末7に送信し、この効果報知情報を表す効果報知画面を操作端末7に表示させる。図16は、効果報知画面WW4の一例を示している。情報入出力部650は、現在時刻が期間決定部632によって決定された昼間沸き上げ期間の開始時刻となったことに応答して、操作端末7に効果報知情報の提示を行わせる。
効果報知情報は、余剰活用電力量の実測値と、昼間沸き上げ時間の実測値と、電気料金削減額の実績と、を表す情報を含んでいる。余剰活用電力量の実測値は、実測湯量の湯を沸き上げるために給湯機4が用いた余剰電力である電力Psの量に相当する。実測湯量は、給湯機4が沸き上げ運転を余剰電力のみで行った際の湯量に相当する。余剰活用電力量は、給湯機4が沸き上げ運転を余剰電力のみで行った際に給湯機4が消費した余剰電力の量に相当する。昼間沸き上げ時間は、給湯機4が余剰電力である電力Psのみを用いて湯の沸き上げを行った時間の長さである。昼間沸き上げ時間は、実測湯量の湯を沸き上げるために給湯機4が要した時間の長さに相当する。電気料金削減額は、実測湯量の湯を商用電力の代わりに余剰電力である電力Psを用いて沸き上げることによって削減できた電気料金である。すなわち、電気料金削減額は、余剰活用電力量と同じ量の商用電力の消費量に相当する買電価格である。言い換えると、電気料金削減額は、給湯機4が余剰電力である電力Psを用いて湯の沸き上げを行った際に消費した電力Psの量の実測値と同じ量の商用電力の価格に相当する。また、効果報知情報は、給湯機4の制御モードとして通常モードが選択されていた場合の昼間沸き上げ時間の予測値と、余剰活用電力量の予測値と、を表す情報を含んでいる。言い換えると、効果報知情報は、給湯機4の制御モードとして通常モードが選択されていた場合の昼間沸き上げ湯量Wnoonの予測値に関する情報を含んでいる。さらに、効果報知情報は、給湯機4の制御モードとして停止モードが選択されていた場合の昼間沸き上げ時間の予測値と、余剰活用電力量の予測値と、を表す情報を含んでいる。言い換えると、効果報知情報は、給湯機4の制御モードとして停止モードが選択されていた場合の昼間沸き上げ湯量Wnoonの予測値に関する情報を含んでいる。情報入出力部650は、これらの情報を格納することによって、効果報知情報を生成する。
具体的に説明すると、情報入出力部650は、計測データ記憶部660に記憶されている給湯機4に供給された電力P3の計測値を参照し、期間決定部632によって決定された昼間沸き上げ期間における電力P3の量を余剰活用電力量の実測値として取得する。情報入出力部650は、取得した余剰活用電力量の実測値を、給湯機4の消費電力を示す電力Pwで除算した値を昼間沸き上げ時間の実測値として取得する。また、情報入出力部650は、取得した余剰活用電力量の実測値に、夜間における商用電力の買電単価を乗算した値を電気料金削減額の実績として取得する。夜間における商用電力の買電単価は、電気料金データから得られる。電気料金データは、電気料金単価(電気料金の時間帯別単価)を示すデータであり、ユーザにより操作端末7を介して制御装置6に設定され、記憶部61に保存されているものとする。或いは、制御装置6は、管理サーバ8又は他の図示しないサーバから通信により電気料金データを取得してもよい。
また、情報入出力部650は、情報記憶部670に格納された通知情報が示す通常モードの場合の昼間沸き上げ湯量Wnoonを給湯機4の沸き上げ能力で除算した値を、通常モードの場合の昼間沸き上げ時間の予測値として算出する。情報入出力部650は、算出した通常モードの場合の昼間沸き上げ時間の予測値に電力Pwを乗算した値を、通常モードの場合の余剰活用電力量の予測値として算出する。
また、情報入出力部650は、0時間を停止モードの場合の昼間沸き上げ時間の予測値として決定する。また、情報入出力部650は、0kWhを停止モードの場合の余剰活用電力量の予測値として決定する。
以上のように構成された電力管理システム1において実行される処理の流れについて、図17から図28を参照して説明する。
現在時刻が予め設定された処理開始時刻になると、制御装置6は、図17に示す制御処理を開始する。本実施形態において、制御装置6は、現在時刻が午後6時になったことに応答して、制御処理を開始する。なお、制御処理の開始時点において、制御装置6の情報記憶部670には、それぞれ最新の、予測情報、湯量情報、気象情報、カレンダー情報及びモード情報が記憶されているものとする。
制御処理を開始すると、まず、制御部60は、一日の沸き上げ湯量決定処理を実行する(ステップS101)。以下、ステップS101の一日の沸き上げ湯量決定処理の詳細について、図18のフローチャートを参照して説明する。
一日の沸き上げ湯量決定処理を開始すると、まず、一日の沸き上げ湯量決定部631が、情報記憶部670に記憶された湯量情報が表す過去2週間の平均使用湯量を取得する(ステップS201)。次に、一日の沸き上げ湯量決定部631は、カレンダーマージン決定処理を実行する(ステップS202)。以下、ステップS202のカレンダーマージン決定処理の詳細について、図19のフローチャートを参照して説明する。
カレンダーマージン決定処理を開始すると、まず、一日の沸き上げ湯量決定部631は、情報記憶部670に記憶されたカレンダー情報に含まれるイベント情報のうち、翌日に発生が予定されているイベントに関するイベント情報を全て抽出する(ステップS301)。一日の沸き上げ湯量決定部631は、ステップS301で抽出したイベント情報が含む人数マージンを合計することによって、翌日の家屋Hにおける在宅人数の変化量を算出する(ステップS302)。一日の沸き上げ湯量決定部631は、ステップS303で算出した在宅人数の変化量に、予め設定された1人当たりの使用湯量である75Lを乗算した値をカレンダーマージンとして決定し(ステップS303)、カレンダーマージン決定処理を終了する。
図18に戻って、ステップS202でカレンダーマージンを決定した後、一日の沸き上げ湯量決定部631は、季節マージン決定処理を実行する(ステップS203)。以下、ステップS203の季節マージン決定処理の詳細について、図20のフローチャートを参照して説明する。
季節マージン決定処理を開始すると、まず、一日の沸き上げ湯量決定部631は、当日の日付が11月と12月との何れかであるか否かを判定する(ステップS401)。当日の日付が11月でも12月でもないと判定すると(ステップS401;No)、一日の沸き上げ湯量決定部631は、0Lを季節マージンとして決定し(ステップS405)、季節マージン決定処理を終了する。
当日の日付が11月と12月との何れかであると判定すると(ステップS401;Yes)、一日の沸き上げ湯量決定部631は、情報記憶部670に記憶されている気象情報を取得し(ステップS402)、ステップS402で取得した気象情報が示す、家屋Hを含む地域における翌日の気温の予測値が、この気象情報が示す、家屋Hを含む地域における当日の気温の実績値より摂氏5度以上低いか否かを判定する(ステップS403)。翌日の気温の予測値が当日の気温の実績値より摂氏5度以上低くないと判定すると(ステップS403;No)、一日の沸き上げ湯量決定部631は、0Lを季節マージンとして決定し(ステップS405)、季節マージン決定処理を終了する。一方、翌日の気温の予測値が当日の気温の実績値より摂氏5度以上低いと判定すると(ステップS403;Yes)、一日の沸き上げ湯量決定部631は、100Lを季節マージンとして決定し(ステップS404)、季節マージン決定処理を終了する。
図18に戻って、一日の沸き上げ湯量決定部631は、ステップS201で取得した過去2週間の平均使用湯量に、ステップS202で決定したカレンダーマージンと、ステップS203で決定した季節マージンと、を加算した値を一日の沸き上げ湯量として決定し(ステップS204)、一日の沸き上げ湯量決定処理を終了する。
図17に戻って、ステップS101の一日の沸き上げ湯量決定処理が終了した後、制御部60は、夜間目標貯湯量算出処理を実行する(ステップS102)。以下、ステップS102の夜間目標貯湯量算出処理の詳細について、図21のフローチャートを参照して説明する。
夜間目標貯湯量算出処理を開始すると、まず、制御部60は、共通処理を実行する(ステップS501)。以下、ステップS501の共通処理の詳細について、図22のフローチャートを参照して説明する。
共通処理を開始すると、まず、期間決定部632が、情報記憶部670によって記憶された予測情報に基づいて、昼間沸き上げ期間を決定する(ステップS601)。具体的に説明すると、期間決定部632は、予測情報が示す余剰電力である電力Psの予測値が給湯機4の消費電力である電力Pwよりも大きい期間を、昼間沸き上げ期間として決定する。電力Psの予測値が電力Pwを超える期間が複数ある場合には、期間決定部632は、この複数の期間のうちの最長の期間を、昼間沸き上げ期間として決定する。また、期間決定部632は、ステップS601で決定した昼間沸き上げ期間の時間長である沸き上げ可能時間Tmaxを算出する(ステップS602)。夜間目標貯湯量算出部634は、ステップS602で算出された沸き上げ可能時間Tmaxに給湯機4の沸き上げ能力を乗算した値を沸き上げ可能湯量Wmaxとして算出する(ステップS603)。
次に、昼間沸き上げ湯量設定部633が、ステップS101で決定された一日の沸き上げ湯量Wdayに基づいて、昼間沸き上げ湯量Wnoonの初期値を設定する(ステップS604)。具体的に説明すると、昼間沸き上げ湯量設定部633は、ステップS101で決定された一日の沸き上げ湯量Wdayから起動貯湯量Wonを減算した値を、昼間沸き上げ湯量Wnoonの初期値として設定する。
夜間目標貯湯量算出部634は、ステップS604で設定された昼間沸き上げ湯量Wnoonを、給湯機4の沸き上げ能力で除算した値を必要沸き上げ時間Tnoonとして算出し(ステップS605)、共通処理を終了する。
図21に戻って、ステップS501の共通処理が終了した後、夜間目標貯湯量算出部634は、情報記憶部670に記憶されたモード情報に基づいて、給湯機4の制御モードとして停止モードがユーザによって選択されているか否かを判定する(ステップS502)。停止モードが選択されていると判定すると(ステップS502;Yes)、夜間目標貯湯量算出部634は、ステップS101で決定された一日の沸き上げ湯量Wdayを夜間目標貯湯量Wnightとして算出し(ステップS506)、夜間目標貯湯量算出処理を終了する。
一方、停止モードが選択されていないと判定すると(ステップS502;No)、夜間目標貯湯量算出部634は、情報記憶部670に記憶されたモード情報に基づいて、通常モードと少なめモードとの何れかがユーザによって給湯機4の制御モードとして選択されているか否かを判定する(ステップS503)。通常モードと少なめモードとの何れかが制御モードとして選択されていると判定すると(ステップS503;Yes)、夜間目標貯湯量算出部634は、第1処理を実行し(ステップS505)、夜間目標貯湯量算出処理を終了する。以下、ステップS505の第1処理の詳細について、図23のフローチャートを参照して説明する。
第1処理を開始すると、夜間目標貯湯量算出部634は、ステップS602で算出された沸き上げ可能時間TmaxがステップS605で算出された必要沸き上げ時間Tnoonより大きいか否かを判定する(ステップS701)。沸き上げ可能時間Tmaxが必要沸き上げ時間Tnoonより大きいと判定すると(ステップS701;Yes)、夜間目標貯湯量算出部634は、ステップS101で決定された一日の沸き上げ湯量WdayからステップS604で設定された昼間沸き上げ湯量Wnoonを減算した値を夜間目標貯湯量Wnightとして算出し(ステップS702)、処理はステップS703へ移る。一方、沸き上げ可能時間Tmaxが必要沸き上げ時間Tnoon以下であると判定すると(ステップS701;No)、夜間目標貯湯量算出部634は、ステップS101で決定された一日の沸き上げ湯量WdayからステップS603で算出された沸き上げ可能湯量Wmaxを減算した値を、夜間目標貯湯量Wnightとして算出し(ステップS705)、処理はステップS703へ移る。
次に、夜間目標貯湯量算出部634は、情報記憶部670に記憶されたモード情報に基づいて、給湯機4の制御モードとして少なめモードがユーザによって選択されているか否かを判定する(ステップS703)。制御モードとして少なめモードが選択されていないと判定すると(ステップS703;No)、夜間目標貯湯量算出部634は、第1処理を終了する。一方、制御モードとして少なめモードが選択されていると判定すると(ステップS703;Yes)、夜間目標貯湯量算出部634は、ステップS702又はS705で算出された夜間目標貯湯量Wnightを、予め設定された調整湯量Wadjを加算することによって調整し(ステップS704)、第1処理を終了する。
図21に戻って、通常モードと少なめモードとの何れも給湯機4の制御モードとしてユーザによって選択されていないと判定すると(ステップS503;No)、夜間目標貯湯量算出部634は、第2処理を実行し(ステップS504)、夜間目標貯湯量算出処理を終了する。以下、ステップS504の第2処理の詳細について、図24のフローチャートを参照して説明する。
第2処理を開始すると、夜間目標貯湯量算出部634は、ステップS602で算出された沸き上げ可能時間TmaxがステップS605で算出された必要沸き上げ時間Tnoonより大きいか否かを判定する(ステップS801)。沸き上げ可能時間Tmaxが必要沸き上げ時間Tnoon以下であると判定すると(ステップS801;No)、夜間目標貯湯量算出部634は、ステップS101で決定された一日の沸き上げ湯量WdayからステップS603で算出された沸き上げ可能湯量Wmaxを減算した値を夜間目標貯湯量Wnightとして算出し(ステップS813)、処理はステップS804へ移る。
沸き上げ可能時間Tmaxが必要沸き上げ時間Tnoonより大きいと判定すると(ステップS801;Yes)、夜間目標貯湯量算出部634は、ステップS101で決定された一日の沸き上げ湯量Wdayが、ステップS603で算出された沸き上げ可能湯量Wmaxと情報記憶部670に記憶されている湯量情報が示す最低貯湯量Wlowとの和より大きいか否かを判定する(ステップS802)。一日の沸き上げ湯量Wdayが沸き上げ可能湯量Wmaxと最低貯湯量Wlowとの和より大きいと判定すると(ステップS802;Yes)、夜間目標貯湯量算出部634は、ステップS101で決定された一日の沸き上げ湯量WdayからステップS603で算出された沸き上げ可能湯量Wmaxを減算した値を夜間目標貯湯量Wnightとして算出し(ステップS803)、処理はステップS804へ移る。一方、一日の沸き上げ湯量Wdayが沸き上げ可能湯量Wmaxと最低貯湯量Wlowとの和以下であると判定すると(ステップS802;No)、夜間目標貯湯量算出部634は、情報記憶部670によって記憶された湯量情報が示す最低貯湯量Wlowを夜間目標貯湯量Wnightとして算出し(ステップS812)、処理はステップS804へ移る。
次に、夜間目標貯湯量算出部634は、情報記憶部670に記憶されているモード情報に基づいて、給湯機4の制御モードとして多めモードが選択されているか否かを判定する(ステップS804)。制御モードとして多めモードが選択されていると判定すると(ステップS804;Yes)、夜間目標貯湯量算出部634は、第2処理を終了する。
制御モードとして多めモードが選択されていないと判定すると(ステップS804;No)、夜間目標貯湯量算出部634は、ステップS803,S812又はS813で算出された夜間目標貯湯量Wnightを、調整制御を行うことによって調整した場合の夜間目標貯湯量Wnightを算出する(ステップS805)。具体的に説明すると、夜間目標貯湯量算出部634は、情報記憶部670が記憶するカレンダー情報に含まれているイベント情報のうち、当日の夜間と翌日の昼間との間に発生が予定されているイベントに関するイベント情報を抽出し、抽出されたイベント情報が含む湯量マージンの合計値を加算することによって、調整制御を行った場合の夜間目標貯湯量Wnightを算出する。
夜間目標貯湯量算出部634は、情報記憶部670に記憶されているモード情報に基づいて、給湯機4の制御モードとして自動モードが選択されているか否かを判定する(ステップS806)。制御モードとして自動モードが選択されていると判定すると(ステップS806;Yes)、処理はステップS811へ移る。
制御モードとして自動モードが選択されていないと夜間目標貯湯量算出部634が判定すると(ステップS806;No)、情報入出力部650が、情報生成処理を実行する(ステップS807)。以下、ステップS807の情報生成処理の詳細について、図25に示すフローチャートを参照して説明する。
情報生成処理を開始すると、まず、情報入出力部650は、調整制御を行った場合における昼間沸き上げ湯量Wnoon及び余剰活用電力量を取得する(ステップS901)。具体的に説明すると、情報入出力部650は、ステップS101で決定された一日の沸き上げ湯量WdayからステップS805で算出された夜間目標貯湯量Wnightを減算した値を、調整制御を行った場合の昼間沸き上げ湯量Wnoonとして算出する。また、情報入出力部650は、算出した調整制御を行った場合の昼間沸き上げ湯量Wnoonを給湯機4の沸き上げ能力で除算した値を、調整制御を行った場合の余剰活用電力量として算出する。
情報入出力部650は、給湯機4の制御モードとして通常モードが選択された場合の夜間目標貯湯量Wnight及び昼間沸き上げ湯量Wnoonを取得する(ステップS902)。具体的に説明すると、情報入出力部650は、ステップS602で算出された沸き上げ可能時間TmaxがステップS605で算出された必要沸き上げ時間Tnoonより大きいか否かを判定し、沸き上げ可能時間Tmaxが必要沸き上げ時間Tnoonより大きいと判定すると、ステップS101で決定された一日の沸き上げ湯量WdayからステップS604で設定された昼間沸き上げ湯量Wnoonを減算した値を夜間目標貯湯量Wnightとして算出する。一方、沸き上げ可能時間Tmaxが必要沸き上げ時間Tnoon以下であると判定すると、情報入出力部650は、ステップS101で決定された一日の沸き上げ湯量WdayからステップS603で算出された沸き上げ可能湯量Wmaxを減算した値を、夜間目標貯湯量Wnightとして算出する。また、情報入出力部650は、ステップS101で決定された一日の沸き上げ湯量Wdayから、夜間目標貯湯量算出部634によって算出された通常モードの場合の夜間目標貯湯量Wnightを減算した値を、通常モードの場合の昼間沸き上げ湯量Wnoonとして算出する。
情報入出力部650は、給湯機4の制御モードとして停止モードが選択された場合の夜間目標貯湯量Wnight、昼間沸き上げ湯量Wnoon及び余剰活用電力量を取得する(ステップS903)。具体的に説明すると、情報入出力部650は、ステップS101で決定された一日の沸き上げ湯量Wdayを、停止モードの場合の夜間目標貯湯量Wnightとして取得する。また、情報入出力部650は、0Lを停止モードの場合の昼間沸き上げ湯量Wnoonとして取得し、0kWhを停止モードの場合の余剰活用電力量として取得する。
次に、情報入出力部650は、家屋Hにおけるイベントの発生予定に応じて夜間目標貯湯量Wnightを調整することを許可するか否かをユーザに問い合わせる問合せ情報を生成する(ステップS904)。
情報入出力部650は、ステップS805及びステップS901〜S903で取得された各数値を表す情報を、ステップS904で生成された問合せ情報と共に格納することにより通知情報を生成する(ステップS905)。情報入出力部650は、ステップS905で生成された通知情報を情報記憶部670に格納し(ステップS906)、情報生成処理を終了する。
図24に戻って、ステップS807の情報生成処理が終了した後、情報入出力部650は、操作端末7に、ステップS905で生成された通知情報をユーザへ提示させる(ステップS808)。具体的に説明すると、情報入出力部650は、ステップS905で生成された通知情報を操作端末7に送信し、操作端末7に、この通知情報を表す許可画面WW2を表示させる。
次に、情報入出力部650は、操作端末7から応答情報を受信したか否かを判定する(ステップS809)。応答情報を受信していないと情報入出力部650が判定すると(ステップS809;No)、夜間目標貯湯量算出部634が、ステップS808で通知情報をユーザへ提示させてから予め設定された待機時間が経過したか否かを判定する(ステップS814)。待機時間が経過していないと判定すると(ステップS814;No)、処理はステップS809へ戻り、応答情報の受信を待機する。待機時間が経過したと判定すると(ステップS814;Yes)、処理はステップS811へ移る。
一方、応答情報を受信したと情報入出力部650が判定すると(ステップS809;Yes)、夜間目標貯湯量算出部634は、受信された応答情報に基づいて、夜間目標貯湯量Wnightをイベントの発生予定に応じて調整することをユーザが許可したか否かを判定する(ステップS810)。ユーザが調整を許可したと判定すると(ステップS810;Yes)、夜間目標貯湯量算出部634は、ステップS803,S812又はS813で算出された夜間目標貯湯量Wnightを、ステップS805で算出された夜間目標貯湯量Wnightへ調整し(ステップS811)、第2処理を終了する。一方、ユーザが調整を許可しなかったと判定すると(ステップS810;No)、夜間目標貯湯量算出部634は、ステップS803,S812又はS813で算出された夜間目標貯湯量Wnightを調整することなく、第2処理を終了する。
図17に戻って、ステップS102の夜間目標貯湯量算出処理が終了した後、昼間沸き上げ湯量算出部635は、ステップS101で決定された一日の沸き上げ湯量WdayからステップS102で算出された夜間目標貯湯量Wnightを減算した値を昼間沸き上げ湯量Wnoonとして算出し、算出した昼間沸き上げ湯量WnoonによってステップS604で設定された昼間沸き上げ湯量Wnoonを更新する(ステップS103)。
次に、制御部60は、沸き上げ処理を実行する(ステップS104)。以下、ステップS104の沸き上げ処理の詳細について、図26のフローチャートを参照して説明する。
沸き上げ処理を開始すると、動作制御部640は、ステップS102で算出された夜間目標貯湯量Wnightと、ステップS103で更新された昼間沸き上げ湯量Wnoonと、ステップS601で決定された昼間沸き上げ期間の開始時刻及び終了時刻と、を表す沸き上げスケジュールを生成する(ステップS1001)。動作制御部640は、ステップS1001で生成された沸き上げスケジュールを給湯機4に送信し(ステップS1002)、給湯機4にこの沸き上げスケジュールに従った湯の沸き上げ運転を実行させる。
次に、情報入出力部650が、情報記憶部670に記憶されたモード情報に基づいて、給湯機4の制御モードとして停止モードが選択されているか否かを判定する(ステップS1003)。制御モードとして停止モードが選択されていると判定すると(ステップS1003;Yes)、情報入出力部650は、沸き上げ処理を終了する。一方、制御モードとして停止モードが選択されていないと判定すると(ステップS1003;No)、情報入出力部650は、運転報知情報を生成する(ステップS1004)。情報入出力部650は、操作端末7に、ステップS1004で生成された運転報知情報をユーザへ提示させ(ステップS1005)、沸き上げ処理を終了する。具体的に説明すると、情報入出力部650は、ステップS1004で生成された運転報知情報を操作端末7に送信し、操作端末7に、この運転報知情報を表す運転報知画面WW3を表示させる。
図17に戻って、ステップS104の沸き上げ処理が終了した後、情報入出力部650は、効果報知処理を実行し(ステップS105)、制御処理を終了する。以下、ステップS105の効果報知処理の詳細について、図27のフローチャートを参照して説明する。
効果報知処理を開始すると、まず、情報入出力部650が、情報記憶部670に記憶されたモード情報に基づいて、給湯機4の制御モードとして提案モードが選択されているか否かを判定する(ステップS1101)。提案モードが選択されていないと判定すると(ステップS1101;No)、情報入出力部650は、効果報知処理を終了する。一方、提案モードが選択されていると判定すると(ステップS1101;Yes)、情報入出力部650は、現在時刻がステップS601で決定された昼間沸き上げ期間の終了時刻であるか否かを判定する(ステップS1102)。現在時刻が昼間沸き上げ期間の終了時刻ではないと判定すると(ステップS1102;No)、処理はステップS1102に戻り、昼間沸き上げ期間の終了時刻の到来を待機する。
現在時刻が昼間沸き上げ期間の終了時刻であると判定すると(ステップS1102;Yes)、情報入出力部650は、余剰活用電力量の実測値と、昼間沸き上げ時間の実測値と、電気料金削減額の実績と、を取得する(ステップS1103)。具体的に説明すると、情報入出力部650は、計測データ記憶部660に記憶されている給湯機4に供給された電力P3の計測値を参照し、ステップS601で決定された昼間沸き上げ期間における電力P3の量を余剰活用電力量の実測値として取得する。情報入出力部650は、取得した余剰活用電力量の実測値を、給湯機4の消費電力で除算した値を昼間沸き上げ時間の実測値として取得する。また、情報入出力部650は、取得した余剰活用電力量の実測値に、夜間における商用電力の買電単価を乗算した値を電気料金削減額の実績として取得する。
次に、情報入出力部650は、給湯機4の制御モードとして通常モードが選択されていた場合の昼間沸き上げ時間の予測値と、余剰活用電力量の予測値と、を算出する(ステップS1104)。具体的に説明すると、情報入出力部650は、ステップS906で情報記憶部670に格納された通知情報が示す通常モードの場合の昼間沸き上げ湯量Wnoonを給湯機4の沸き上げ能力で除算した値を、通常モードの場合の昼間沸き上げ時間の予測値として算出する。情報入出力部650は、算出した通常モードの場合の昼間沸き上げ時間の予測値に、給湯機4の消費電力である電力Pwを乗算した値を、通常モードの場合の余剰活用電力量の予測値として算出する。
情報入出力部650は、給湯機4の制御モードとして停止モードが選択されていた場合の昼間沸き上げ時間の予測値と、余剰活用電力量の予測値と、を算出する(ステップS1105)。具体的に説明すると、情報入出力部650は、0時間を停止モードの場合の昼間沸き上げ時間の予測値として算出する。また、情報入出力部650は、0kWhを停止モードの場合の余剰活用電力量の予測値として算出する。
情報入出力部650は、ステップS1103〜S1105で取得された各数値を表す情報を格納することによって効果報知情報を生成する(ステップS1106)。情報入出力部650は、操作端末7に、生成した効果報知情報をユーザへ提示させ(ステップS1107)、効果報知処理を終了する。具体的に説明すると、情報入出力部650は、ステップS1106で生成された効果報知情報を操作端末7に送信し、操作端末7に、この効果報知情報を表す効果報知画面WW4を表示させる。
以上説明したように、電力管理システム1によれば、給湯機4の制御モードとして提案モードが選択されている場合、制御装置6が、操作端末7に、夜間目標貯湯量Wnightに関する情報と、昼間沸き上げ湯量Wnoonに関する情報と、を含む通知情報をユーザへ提示させる。ユーザは、通知情報を参照することにより、余剰電力を活用した給湯機4の沸き上げ運転が及ぼす影響を直感的に把握することができる。
また、通知情報は、調整制御の実行を許可するか否かをユーザへ問い合わせる問合せ情報を含んでいる。制御装置6は、調整制御の実行をユーザが許可したか否かに応じて、夜間目標貯湯量Wnightを決定する。これにより、ユーザの意図に反して調整制御が行われる可能性を低減することができる。
また、制御装置6は、給湯機4の制御モードとして提案モードが選択されている場合、操作端末7に、効果報知情報をユーザへ提示させる。これにより、ユーザは、湯の沸き上げに使用される商用電力の量を削減する制御の効果を把握することができる。
また、給湯機4は、複数の制御モードのうちユーザによって選択された制御モードに従って沸き上げ運転を行う。これにより、給湯機4は、ユーザによる湯の使用予定に即して沸き上げ運転を行い、沸き上げ運転で使用される余剰電力の量を増大させたり、湯切れが発生する可能性を低減したりすることができる。
また、制御装置6は、給湯機4の制御モードとして自動モードが選択されている場合、調整制御を実行することにより、湯切れが発生する可能性を低減しつつ、湯の沸き上げに活用される余剰電力の量を増大させることができる。すなわち、給湯機4の制御モードとして自動モードが選択されている場合、ユーザが操作を行うことなく、制御装置6が、湯切れが発生する可能性を低減しつつ、湯の沸き上げに活用される余剰電力の量を増大させるために必要な調整処理を実行する。従って、操作性が向上する。
また、制御装置6は、給湯機4の制御モードとして提案モードが選択されている場合、操作端末7に、調整制御を行った場合の夜間目標貯湯量Wnight及び昼間沸き上げ湯量Wnoonを示す情報と、通常モード時の夜間目標貯湯量Wnight及び昼間沸き上げ湯量Wnoonを示す情報と、を含む通知情報をユーザへ提示させる。ユーザは、この通知情報を参照し、調整制御を行った場合の夜間目標貯湯量Wnight及び昼間沸き上げ湯量Wnoonを、通常モード時及び停止モード時の夜間目標貯湯量Wnight及び昼間沸き上げ湯量Wnoonと比較することによって、調整制御を行うことによる影響を直感的に把握することができる。
また、制御装置6は、家屋Hにおけるイベントの発生予定に応じたカレンダーマージンに基づいて一日の沸き上げ湯量Wdayを決定することにより、一日の沸き上げ湯量Wdayを家屋Hにおけるイベントの発生予定に応じて調整する。これにより、湯切れが発生する可能性を低減すると共に、過剰に湯を沸き上げてしまい電力を浪費する可能性を低減することができる。
さらに、制御装置6は、翌日が初冬であるか否かを判定し、この判定の結果に応じて季節マージンを決定することにより、一日の沸き上げ湯量Wdayを季節に応じて調整する。これにより、湯切れが発生する可能性を低減すると共に、過剰に湯を沸き上げてしまい電力を浪費する可能性を低減することができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明を実施するにあたっては、種々の形態による変形及び応用が可能である。
例えば、制御装置6が、ユーザからの操作を受け付けるための入力デバイスと、ユーザに情報を提示するための表示デバイスをさらに含んで構成されるようにしてもよい。
また、制御装置6を家屋Hに設置せずに、図28に示すように、ルータ12と管理サーバ8とが協調して制御装置6と同等の役割を果たすようにしてもよい。
上記実施の形態では、操作端末7が、通知情報、運転報知情報及び効果報知情報をユーザへ提示するものとして説明した。しかし、これは一例に過ぎず、任意の機器が、通知情報、運転報知情報及び効果報知情報をユーザへ提示することができる。例えば、給湯機4の備えるリモコン44が、通知情報、運転報知情報及び効果報知情報をユーザへ提示してもよい。この場合、制御装置6は、宅内ネットワークを介して、通知情報、運転報知情報及び効果報知情報をリモコン44へ送信する。リモコン44は、制御装置6によって送信された通知情報、運転報知情報及び効果報知情報を通信インタフェースによって受信する。リモコン44は、受信した通知情報、運転報知情報及び効果報知情報をそれぞれ表す許可画面WW2、運転報知画面WW3及び効果報知画面WW4を表示デバイスに表示する。これにより、通知情報、運転報知情報及び効果報知情報がユーザへ提示される。
上記実施の形態では、制御装置6と操作端末7とが宅内ネットワークを介して情報を送受信するものとして説明した。しかし、これは一例に過ぎず、制御装置6と操作端末7とは、任意の方法で情報を送受信することができる。例えば、制御装置6と操作端末7とは、広域ネットワークNを介して情報を送受信してもよい。すなわち、制御装置6は、通知情報、運転報知情報及び効果報知情報を、広域ネットワークNを介して操作端末7に送信し、操作端末7にこれらの情報をユーザへ提示させてもよい。また、操作端末7は、ユーザの操作に従って生成したモード情報、カレンダー情報及び応答情報を、広域ネットワークNを介して制御装置6に送信してもよい。この形態によれば、ユーザが家屋Hから離れた遠隔地にいる場合であっても、制御装置6は、操作端末7に、通知情報、運転報知情報及び効果報知情報をユーザへ提示させることができる。また、ユーザは、家屋Hから離れた遠隔地にいる場合であっても、操作端末7を操作することにより、制御装置6に指示を送信することができる。なお、制御装置6と操作端末7とは、広域ネットワークNを介して、情報を直接に送受信してもよいし、管理サーバ8を経由して情報を送受信してもよい。すなわち、制御装置6は、通知情報、運転報知情報及び効果報知情報を、広域ネットワークNを介して管理サーバ8に送信し、管理サーバ8に、これらの情報を、広域ネットワークNを介して操作端末7に送信させてもよい。また、操作端末7は、モード情報、カレンダー情報及び応答情報を、広域ネットワークNを介して管理サーバ8に送信し、管理サーバ8に、これらの情報を、広域ネットワークNを介して操作端末7に送信させてもよい。
上記実施の形態では、給湯機4の制御モードとして提案モードが選択されている場合、制御装置6は、操作端末7に問合せ情報をユーザへ提示させてから待機時間が経過すると、多めモードの場合と同様の処理によって算出された夜間目標貯湯量Wnightを家屋Hにおけるイベントの発生予定に応じて調整した場合の夜間目標貯湯量Wnightを夜間目標貯湯量Wnightとして決定するものとして説明した。しかし、これは一例に過ぎず、制御装置6は、操作端末7に問合せ情報をユーザへ提示させてから待機時間が経過すると、多めモードの場合と同様の処理によって算出された夜間目標貯湯量Wnightを夜間目標貯湯量Wnightとして決定してもよい。この形態によれば、ユーザの意思に反して夜間目標貯湯量Wnightが調整されてしまう可能性を低減することができる。
上記実施の形態では、給湯機4の制御モードとして提案モードが選択されている場合、制御装置6は、夜間目標貯湯量Wnightを調整することをユーザが拒否したと判定すると、上述した多めモードにおける処理と同様の処理を実行して算出した夜間目標貯湯量Wnightを夜間目標貯湯量Wnightとして決定するものとして説明した。しかし、これは一例に過ぎず、制御装置6は、夜間目標貯湯量Wnightを調整することをユーザが拒否したと判定した場合、上述した停止モード、少なめモード又は通常モードの何れかにおける処理と同様の処理を実行して算出した夜間目標貯湯量Wnightを夜間目標貯湯量Wnightとして決定してもよい。言い換えると、制御装置6は、夜間目標貯湯量Wnightを調整することをユーザが拒否したと判定した場合、自動モードとも多めモードとも異なる制御モードが選択された場合における夜間目標貯湯量Wnightへ夜間目標貯湯量Wnightを調整してもよい。
上記実施の形態では、給湯機4の制御モードとして自動モードが選択されている場合、制御装置6は、上述した多めモードにおける処理と同様の処理を実行することによって算出された夜間目標貯湯量Wnightを、家屋Hにおけるイベントの発生予定に応じて調整するものとして説明した。しかし、これは一例に過ぎず、制御装置6は、給湯機4の制御モードとして自動モードが選択されている場合、上述した通常モード又は少なめモードにおける処理と同様の処理を実行することによって算出された夜間目標貯湯量Wnightを、家屋Hにおけるイベントの発生予定に応じて調整してもよい。
上記実施の形態では、制御装置6は、給湯機4の制御モードとして提案モードが選択されている場合に、操作端末7に通知情報をユーザへ提示させるものとして説明した。しかし、これは一例に過ぎず、制御装置6は、給湯機4の制御モードとして提案モード以外の制御モードが選択されている場合においても、操作端末7に通知情報をユーザへ提示させてもよい。
上記実施の形態では、操作端末7が、通知情報を表す許可画面WW2を表示することによって通知情報をユーザへ提示するものとして説明した。しかし、これは一例に過ぎず、操作端末7は、任意の方法によって通知情報をユーザへ提示できる。例えば、操作端末7は、音声出力手段を備え、通知情報を表す音声を発音することによって通知情報をユーザへ提示してもよい。
上記実施の形態では、通知情報が、図14に示すように、自動モードに対応する夜間目標貯湯量Wnight及び昼間沸き上げ湯量Wnoonを示す情報と共に、停止モード及び通常モードに対応する夜間目標貯湯量Wnight及び昼間沸き上げ湯量Wnoonをそれぞれ示す情報を含んでいるものとして説明した。しかし、これは一例に過ぎず、通知情報は、多めモード又は少なめモードに対応する夜間目標貯湯量Wnight及び昼間沸き上げ湯量Wnoonを示す情報を含んでいてもよい。なお、自動モードに対応する夜間目標貯湯量Wnight及び昼間沸き上げ湯量Wnoonを示す情報と共に、多めモードに対応する夜間目標貯湯量Wnight及び昼間沸き上げ湯量Wnoonを示す情報が通知情報に含まれている場合、ユーザは、この通知情報を参照することにより、調整制御を行う前後の夜間目標貯湯量Wnight及び昼間沸き上げ湯量Wnoonを把握できる。このため、ユーザは、調整制御の効果を直感的に把握することができる。
上記実施の形態では、制御装置6は、給湯機4の制御モードとして提案モードが選択されている場合に、操作端末7に通知情報をユーザへ提示させるものとして説明した。しかし、これは一例に過ぎず、制御装置6は、給湯機4の制御モードとして提案モード以外の制御モードが選択されている場合においても、操作端末7に通知情報をユーザへ提示させることができる。
上記実施の形態では、通知情報は、図14に示すように、自動モード、停止モード及び通常モードにそれぞれ対応する夜間目標貯湯量Wnight及び昼間沸き上げ湯量Wnoonを示す情報と、停止モード及び自動モードに対応する余剰活用電力量を示す情報と、を含んでいるものとして説明した。しかし、これは一例に過ぎず、通知情報は、夜間目標貯湯量Wnight及び昼間沸き上げ湯量Wnoonに関する任意の情報を含むことができる。
例えば、通知情報は、停止モード、通常モード及び自動モードにそれぞれ対応する余剰活用電力量を示す情報を含んでいてもよい。この場合、制御装置6は、操作端末7に、図29に示す許可画面WW2を表示させることにより、この通知情報をユーザへ提示させればよい。
或いは、通知情報は、停止モード、通常モード及び自動モードにそれぞれ対応する電気料金削減額を示す情報を含んでいてもよい。この場合、制御装置6は、操作端末7に、図30に示す許可画面WW2を表示させることにより、この通知情報をユーザへ提示させればよい。
或いは、通知情報は、湯切れが発生する可能性をユーザに警告する情報と、湯の使用用途と平均使用湯量とを互いに対応付けて含む情報と、を含んでいてもよい。この場合、制御装置6は、操作端末7に、図31に示す許可画面WW2を表示させることにより、この通知情報をユーザへ提示させればよい。
或いは、通知情報は、ユーザに夜間目標貯湯量Wnight及び昼間沸き上げ湯量Wnoonの調整をユーザに促す情報と、ユーザによる操作に従って調整された夜間目標貯湯量Wnightに関する情報と、を含んでいてもよい。この場合、制御装置6は、操作端末7に、図32に示す許可画面WW2を表示させることにより、この通知情報をユーザへ提示させればよい。図32に示す許可画面WW2には、ユーザによる操作に従って調整された夜間目標貯湯量Wnightに関する情報として、夜間目標貯湯量Wnightを調整する前後の余剰活用電力量の変化を示す情報が含まれている。なお、通知情報は、ユーザによる操作に従って調整された夜間目標貯湯量Wnightに関する情報として、夜間目標貯湯量Wnightを調整する前後における昼間沸き上げ湯量Wnoon、電気料金削減額又は昼間沸き上げ時間の変化を示す情報を含んでいてもよい。
或いは、通知情報は、昼間沸き上げ湯量Wnoonを沸き上げるために必要な時間である昼間沸き上げ時間を示す情報を含んでいてもよい。
上記実施の形態では、給湯機4の制御モードとして停止モード以外の制御モードが選択されている場合、何れの制御モードが選択されているかに関わらず一律に図15に示す運転報知画面WW3を表示するものとして説明した。しかし、これは一例に過ぎず、制御装置6は、給湯機4の制御モードとして停止モード以外の制御モードが選択されている場合、操作端末7に、何れの制御モードが選択されているかに応じて異なる運転報知情報をユーザへ提示させてもよい。例えば、通常モード又は少なめモードが選択されている場合には、図15に示す運転報知画面WW3が表す運転報知情報をユーザへ提示させる一方、多めモード又は自動モードが選択されている場合には、図33に示す運転報知画面WW3が表す、湯切れが発生する可能性をユーザへ警告する情報を含む運転報知情報をユーザへ提示させてもよい。
上記実施の形態では、制御装置6は、給湯機4の制御モードとして提案モードが選択されている場合、操作端末7に、効果報知情報をユーザへ提示させるものとして説明した。しかし、これは一例に過ぎず、制御装置6は、給湯機4の制御モードとして提案モード以外の制御モードが選択されている場合にも、操作端末7に、効果報知情報をユーザへ提示させてもよい。
上記実施の形態では、効果報知情報は、昼間沸き上げ時間の実測値を示す情報と、余剰活用電力量の実測値を示す情報と、電気料金削減額の実績を示す情報と、停止モード及び通常モードがそれぞれ選択されていた場合における昼間沸き上げ湯量Wnoonの予測値に関する情報と、を含んでいるものとして説明した。しかし、これは一例に過ぎず、効果報知情報は、他の情報を含んでいてもよい。例えば、効果報知情報は、給湯機4が余剰電力である電力Psのみを用いて湯の沸き上げを行った際に沸き上げられた湯量である昼間沸き上げ湯量の実測値を示す情報を含んでいてもよい。また、効果報知情報は、停止モード及び通常モードがそれぞれ選択されていた場合における昼間沸き上げ湯量Wnoonの予測値に関する情報として、当該昼間沸き上げ湯量Wnoonを示す情報、当該昼間沸き上げ湯量Wnoonを給湯機4が沸き上げるために要する時間の予測値を示す情報、当該昼間沸き上げ湯量Wnoonを給湯機4が沸き上げるために消費する余剰電力の量の予測値を示す情報、当該昼間沸き上げ湯量Wnoonを給湯機4が沸き上げるために消費する余剰電力の量の予測値と同じ量の商用電力の価格を示す情報、の少なくとも一つを含んでいてもよい。
上記実施の形態では、効果報知情報は、停止モード及び通常モードが選択された場合における昼間沸き上げ湯量Wnoonの予測値に関する情報を含んでいるものとして説明した。しかし、これは一例に過ぎず、効果報知情報は、多めモード又は少なめモードが選択された場合における昼間沸き上げ湯量Wnoonの予測値に関する情報を含んでいてもよい。或いは、効果報知情報は、昼間沸き上げ湯量算出部635によって算出された、提案モードが選択された場合における昼間沸き上げ湯量Wnoonの予測値に関する情報を含んでいてもよい。この形態によれば、ユーザは、提案モードに従って給湯機4が湯の沸き上げを行った際の昼間沸き上げ湯量Wnoonの実測値に関する情報を、昼間沸き上げ湯量算出部635によって算出された、提案モードが選択された場合における昼間沸き上げ湯量Wnoonの予測値に関する情報と比較することができる。これにより、ユーザは、昼間沸き上げの効果を直感的に把握することができる。
上記実施の形態では、一日の沸き上げ湯量決定部631が、イベントの影響による家屋Hにおける在宅人数の変化量に応じたカレンダーマージンを決定するものとして説明した。しかし、これは一例に過ぎず、一日の沸き上げ湯量決定部631は、任意の方法によって、家屋Hにおけるイベントの発生予定に応じたカレンダーマージンを決定することができる。例えば、一日の沸き上げ湯量決定部631は、情報記憶部670が記憶するカレンダー情報に基づいて、イベントの影響による家屋Hにおける使用湯量の変化量に応じたカレンダーマージンを決定することができる。
具体的に、一日の沸き上げ湯量決定部631は、図34のフローチャートに示すカレンダーマージン決定処理を実行することにより、使用湯量の変化量に応じたカレンダーマージンを決定すればよい。カレンダーマージン決定処理を開始すると、一日の沸き上げ湯量決定部631は、まず、カレンダー情報が含むイベント情報のうち、翌日に発生が予定されているイベントに関するイベント情報を抽出する(ステップS1201)。一日の沸き上げ湯量決定部631は、ステップS1201で抽出されたイベント情報に含まれている湯量マージンを合計した値をカレンダーマージンとして決定し(ステップS1202)、カレンダーマージン決定処理を終了する。
なお、上記実施の形態に係るカレンダーマージンの決定方法と、本変形例に係るカレンダーマージンの決定方法と、は併用することができる。例えば、これら2つの決定方法によってそれぞれ決定したカレンダーマージンの重み付き平均値をカレンダーマージンとして決定してもよい。
上記実施の形態では、一日の沸き上げ湯量決定部631は、翌日が初冬であるか否かを、当日の日付と、情報記憶部670によって記憶された気象情報が示す当日の気温の実績値及び翌日の気温の予測値と、に従って判定し、この判定の結果に応じて季節マージンを決定するものとして説明した。しかし、これは一例に過ぎず、一日の沸き上げ湯量決定部631は、任意の方法によって翌日が初冬であるか否かを判定し、この判定の結果に応じて季節マージンを決定することができる。例えば、一日の沸き上げ湯量決定部631は、翌日が初冬であるか否かを、当日の日付と、情報記憶部670によって記憶された過去2週間の使用湯量を示す湯量情報と、に従って判定し、この判定の結果に応じて季節マージンを決定することができる。
具体的に、一日の沸き上げ湯量決定部631は、図35のフローチャートに示す季節マージン決定処理を実行することにより、季節マージンを決定すればよい。季節マージン決定処理を開始すると、一日の沸き上げ湯量決定部631は、まず、当日の日付が11月と12月との何れかであるか否かを判定する(ステップS1301)。当日の日付が11月でも12月でもないと判定すると(ステップS1301;No)、一日の沸き上げ湯量決定部631は、0Lを季節マージンとして決定し(ステップS1304)、季節マージン決定処理を終了する。当日の日付が11月と12月との何れかであると判定すると(ステップS1301;Yes)、一日の沸き上げ湯量決定部631は、情報記憶部670によって記憶された湯量情報が示す当日の使用湯量が、この湯量情報が示す前日の使用湯量より100L以上多いか否かを判定する(ステップS1302)。当日の使用湯量が前日の使用湯量より100L以上多くないと判定すると(ステップS1302;No)、一日の沸き上げ湯量決定部631は、0Lを季節マージンとして決定し(ステップS1304)、季節マージン決定処理を終了する。一方、当日の使用湯量が前日の使用湯量より100L以上多いと判定すると(ステップS1302;Yes)、一日の沸き上げ湯量決定部631は、100Lを季節マージンとして決定し(ステップS1303)、季節マージン決定処理を終了する。
なお、上記実施の形態に係る季節の判定方法と、本変形例に係る季節の判定と、は併用することができる。例えば、これら2つの判定方法によってそれぞれ翌日が初冬であるか否かを判定し、両方の判定方法によって翌日が初冬であると判定された場合に、翌日が初冬であると判定してもよい。なお、上記実施の形態では、一日の沸き上げ湯量決定部631は、イベントの発生予定に応じたイベントマージンと、季節の判定結果に応じた季節マージンと、の両方に応じて一日の沸き上げ湯量Wdayを決定するものとして説明した。しかし、これは一例に過ぎず、一日の沸き上げ湯量決定部631は、任意の方法で一日の沸き上げ湯量Wdayを決定できる。例えば、一日の沸き上げ湯量決定部631は、イベントマージンと季節マージンとの何れか一方のみに応じて一日の沸き上げ湯量Wdayを決定してもよい。具体的に、一日の沸き上げ湯量決定部631は、湯量情報が示す過去2週間の平均使用湯量に、イベントマージンと季節マージンとの何れか一方のみを加算することによって一日の沸き上げ湯量Wdayを算出すればよい。また、一日の沸き上げ湯量決定部631は、過去2週間の平均使用湯量の代わりに予め設定された湯量に基づいて一日の沸き上げ湯量Wdayを決定してもよい。具体的に、一日の沸き上げ湯量決定部631は、予め設定された湯量にイベントマージンと季節マージンとを加算することによって一日の沸き上げ湯量Wdayを算出すればよい。
上記実施の形態では、一日の沸き上げ湯量決定部631は、翌日が初冬であるか否かを判定し、この判定の結果に応じて季節マージンを決定するものとして説明した。しかし、これは一例に過ぎず、一日の沸き上げ湯量決定部631は、翌日が任意の季節であるか否かを判定し、この判定の結果に応じて季節マージンを決定することができる。例えば、一日の沸き上げ湯量決定部631は、翌日が、春から夏への季節の変わり目である初夏であるか否かを判定し、この判定の結果に応じて季節マージンを決定することができる。この場合、一日の沸き上げ湯量決定部631は、翌日が初夏であると判定した場合には予め設定された一の湯量を季節マージンとして決定する一方、翌日が初夏ではないと判定した場合には当該一の湯量よりも少ない予め設定された他の湯量を季節マージンとして決定すればよい。なお、一日の沸き上げ湯量決定部631は、翌日が初夏であるか否かを、当日の日付と、情報記憶部670によって記憶された気象情報が示す当日の気温の実績値及び翌日の気温の予測値と、に従って判定すればよい。具体的に説明すると、一日の沸き上げ湯量決定部631は、当日の日付が5月と6月との何れかであり、かつ、翌日の気温の予測値が当日の気温の実績値よりも摂氏5度以上高い場合に、翌日が初夏であると判定すればよい。また、一日の沸き上げ湯量決定部631は、当日の日付が5月と6月との何れでもない場合、及び、翌日の気温の予測値が当日の気温の実績値よりも摂氏5度以上高くない場合には、翌日が初夏ではないと判定すればよい。或いは、一日の沸き上げ湯量決定部631は、翌日が初夏であるか否かを、当日の日付と、情報記憶部670によって記憶された、過去2週間の使用湯量を示す湯量情報と、に従って判定すればよい。具体的に説明すると、一日の沸き上げ湯量決定部631は、当日の日付が5月と6月との何れかであり、かつ、湯量情報が示す当日の使用湯量が、この湯量情報が示す前日の使用湯量より100L以上多い場合に、翌日が初夏であると判定すればよい。また、一日の沸き上げ湯量決定部631は、当日の日付が5月と6月との何れでもない場合、及び、湯量情報が示す当日の使用湯量が、この湯量情報が示す前日の使用湯量より100L以上多くない場合に、翌日が初夏ではないと判定すればよい。
上記実施の形態では、発電設備2が、太陽光発電により電力を発電するものとして説明した。しかし、これは一例に過ぎず、発電設備2は、風力発電、地熱発電等の任意の方法で電力を発電することができる。
上記実施の形態では、電力管理システム1が適用される対象として、家屋Hを例に挙げて説明した。しかしながら、本発明において、電力管理システム1が適用される対象は、家屋Hのような一般住宅であることに限らず、集合住宅、施設、ビル、工場等であっても良い。
上記実施の形態では、制御装置6の制御部60及び管理サーバ8の制御部80において、CPUがROM又は記憶部61,81に記憶されたプログラムを実行することによって、図6及び図9に示した各部として機能した。しかしながら、本発明において、制御部60,80は、専用のハードウェアであってもよい。専用のハードウェアとは、例えば単一回路、複合回路、プログラム化されたプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又は、これらの組み合わせである。制御部60,80が専用のハードウェアである場合、各部の機能それぞれを個別のハードウェアで実現してもよいし、各部の機能をまとめて単一のハードウェアで実現してもよい。
また、各部の機能のうち、一部を専用のハードウェアによって実現し、他の一部をソフトウェア又はファームウェアによって実現してもよい。このように、制御部60,80は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又は、これらの組み合わせによって、上述の各機能を実現することができる。
本発明に係る制御装置6及び管理サーバ8の動作を規定する動作プログラムを既存のパーソナルコンピュータ、情報端末装置等のコンピュータに適用することで、当該コンピュータを、本発明に係る制御装置6及び管理サーバ8として機能させることも可能である。
また、このようなプログラムの配布方法は任意であり、例えば、CD−ROM(Compact Disk ROM)、DVD(Digital Versatile Disk)、MO(Magneto Optical Disk)、メモリカード等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布してもよいし、インターネット等の通信ネットワークを介して配布してもよい。
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。すなわち、本発明の範囲は、実施の形態ではなく、請求の範囲によって示される。そして請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。