以下、図面を参照して、本発明の1又は複数の実施形態が説明される。しかし、発明の範囲は、開示された実施形態に限定されない。
実施形態を説明する前に、測定領域と測光領域とについて説明する。図7は、上述したように、DUTと二次元測色装置300との関係を示す図である。図19は、図7の二次元測色装置300に内蔵されている二次元撮像素子3の一例の平面図である。二次元撮像素子3において、第1画素31は、マトリクス状に配置されている。この例では、水平方向の画素数が20、垂直方向の画素数が20である。実際には、水平方向、垂直方向の画素数は、もっと多く、例えば、水平方向の画素数が1600、垂直方向の画素数が1200である。
図20は、図7のDUTに備えられるDUT画面1の一例の平面図である。図19と図20とにおいて、二次元撮像素子3とDUT画面1とがほぼ同じ大きさに描かれているが、実際の両者のサイズは大きく異なる。例えばDUT画面1が、55インチのテレビの場合、水平方向の表示サイズは、1217mmであり、垂直方向の表示サイズは、684mmである。二次元撮像素子3が、1インチのCCDの場合、水平方向の撮像サイズは、22mmであり、垂直方向の撮像サイズは、12mmである。図20は、垂直方向に同じ色が並んだ構造を持つDUT画面1において、第2画素13を構成するSub-Pixel11を、赤色Sub-Pixel11−r、緑色Sub-Pixel11−g、青色Sub-Pixel11−bで示している。第2画素13は、横方向(水平方向)に繰返し並んでいる状況を示す為に、第2画素13を3つ記載している。
図21は、図19に示す二次元撮像素子3に図20に示すDUT画面1が結像された状態を示す平面図である。二次元測色装置300は、DUT画面1の全体を撮像する必要があるので、二次元撮像素子3は、通常、DUT画面1より大きくなるように設定されている。尚、この図では、二次元撮像素子3の第1画素31は、DUT画面1の第2画素13より大きい状態を示しているが、逆であっても構わない。
図22は、図21の一部を拡大した拡大図である。図22を参照して、DUT画面1は、垂直方向に同じ色のSub-Pixel11が並び、水平方向に沿って、RGBの順番で配列されたSub-Pixel11を備える。Sub-Pixel11には、赤色Sub-Pixel11−rと、緑色Sub-Pixel11−gと、青色Sub-Pixel11−bと、がある。Sub-Pixel11は、赤色、緑色、青色の順番で繰り返し並んでいる。一組の赤色Sub-Pixel11−r、緑色Sub-Pixel11−g、青色Sub-Pixel11−bによって、1つの第2画素13が構成される。
測定領域とは、測定者が測りたいDUT画面1上の位置であり、DUT画面1の第2画素13の座標によって定められる。測光領域とは、測色装置が実際に測定する領域である。二次元測色装置300の場合、測光領域は、第1画素31の座標によって定められる。
二次元測色装置300の場合、測光領域は、二次元撮像素子3の第1画素31の位置で定まる。例えば、図22に示す例では、第1画素31の座標(501,501)、第1画素31の座標(504,501)、第1画素31の座標(501,505)、および、第1画素31の座標(504,505)で規定される領域が、測光領域33−1とされている。測光に使用される第1画素31の数(測光領域33−1を構成する第1画素31の数)は、20(=水平方向4画素*垂直方向5画素)である。
二次元測色装置300の場合、図22を参照して、水平方向において、赤色Sub−Pixel11−rの数が4、緑色Sub−Pixel11−gの数が3、青色Sub−Pixel11−bの数が3.6となる。よって、測光領域33−1内の第2画素13の数は、3.53(=(4+3+3.6)/3)となる。
以上の説明から分かるように、測光領域内の第2画素13の数は、整数にならない。言い換えれば、赤色Sub-Pixel11−rの数と、緑色Sub-Pixel11−gの数と、青色Sub-Pixel11−bの数とは、等しくならない。このような事象が発生するのは、測定領域と測光領域の位置が一致しないからである。二次元測色装置300の場合、二次元撮像素子3の第1画素31のサイズと二次元撮像素子3上に結像した、DUT画面1の第2画素13のサイズとが異なるからである。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳細に説明する。まず、実施形態に係る二次元測色装置300の特徴を、比較例と比較して説明する。実施形態に係る二次元測色装置300は、1つの測定領域に対応する1つの測光領域の設定位置を複数設け、それぞれの設定位置で得られた、その測定領域の測光量を基にして、その測定領域の測光量を決定する。詳しくは、1つの測定領域に対して設定される1つの測光領域の設定位置をずらし(例えば、第1画素31を1つまたは2つずらした設定位置にする)、それぞれの設定位置で得られた測光量を平均化する。これにより、測光領域内の赤色Sub-Pixel11−rの数、緑色Sub-Pixel11−gの数、青色Sub-Pixel11−bの数の差を小さくし、色度、輝度の測定精度を向上させる。
図1〜図5は、実施形態に係る二次元測色装置300について、第1設定位置〜第5設定位置に配置された測光領域33−3を説明する説明図である。図1は、比較例1の測光領域33−3でもある。測光領域33−3を構成する第1画素31の数は、30である(=水平方向5画素*垂直方向6画素)。図6は、比較例2の測光領域33−4を説明する説明図である。測光領域33−4を構成する第1画素31の数は、54である(=水平方向9画素*垂直方向6画素)。これらの図において、DUT画面1が二次元撮像素子3(撮像面)に結像された状態であり、二次元撮像素子3の一部(撮像面の一部)およびDUT画面1の一部が平面で示されている。二次元撮像素子3の構造およびDUT画面1の構造は、図19〜図22に示す二次元撮像素子3の構造およびDUT画面1の構造と同じである。「501」〜「512」は、第1画素31の座標(平面座標)を示す。第1画素31は、二次元撮像素子3の画素である。図1において、測光領域33−3の設定位置は、座標(504,503)、座標(508,503)、座標(504,508)および座標(508,508)で規定される位置である。これを基準の設定位置(第1設定位置)とする。図2において、測光領域33−3の第2設定位置は、第1設定位置から第1画素31が1つ右にずれている。図3において、測光領域33−3の第3設定位置は、第1設定位置から第1画素31が2つ右にずれている。図4において、測光領域33−3の第4設定位置は、第1設定位置から第1画素31が1つ左にずれている。図5において、測光領域33−3の第5設定位置は、第1設定位置から第1画素31が2つ左にずれている。このように、実施形態では、測光領域33−3をWobblingさせる。ここでのWobblingとは、測光領域33−3の設定位置を、第1設定位置を基準にして、上下左右に動かすことである。
図6を参照して、比較例2の測光領域33−4は、実施形態および比較例1の測光領域33−3より面積が大きい。測光領域33−4の設定位置は、座標(502,503)、座標(510,503)、座標(502,508)および座標(510,508)で規定される位置である。
比較例1(図1)は、測定者が指定した測定領域を測光領域33−3にして、測光量を演算し、この測光量を基にして色度、輝度を測定する。この方法では、測定者が指定した、図1の測定領域の位置を中心にした測光領域33−3から測光量が得られるので、指定した位置が座標での測光量の寄与度が高くなる。比較例1の長所は、以下の通りである。(1)測定領域の面積が一定となる。(2)測定領域の中心位置が測定者が指定した位置となる。比較例1の短所は、以下の通りである。図23で説明したように、二次元撮像素子3とDUT画面1との位置関係がわずかに変化すると(測光領域33−3の設定位置がわずかに変化)、測定結果(色度、輝度)に比較的大きな測定バラツキが生じる。
比較例2(図6)の測光領域33−4は、比較例1(図1)の測光領域33−3と比べて、面積が大きくなる。図26で説明したように、比較例2は、比較例1と比べて、測定結果(色度、輝度)に生じる測定バラツキを小さくできるが、DUTの空間的な輝度等の評価が不十分となる。
実施形態(図1〜図5)の短所は、以下の通りである。(1)測定領域の中心位置は、測定者によって指定されるが、測光領域33−3がWobblingするので、この中心位置が多少ずれる。(2)測光領域33−3の面積は、測定者が指定した測定領域の面積より大きくなる。実施形態の長所は、以下の通りである。(1)二次元撮像素子3とDUT画面1との位置関係がわずかに変化しても(測光領域33−3の設定位置がわずかに変化)、測定結果(色度、輝度)に生じる測定バラツキは比較的小さい。(2)比較例2(図6)は、測光領域33−4の面積が大きくなるので、測定領域の面積が大きくなり、測定領域の中心位置が、測定結果に与える影響が少なくなる(測定者は、測定領域の中心位置の色度、輝度を知りたい)。実施形態の測光領域33−3は、比較例2の測光領域33−4と比べて、面積を小さくできるので、測定領域の中心位置が、測定結果に与える影響を大きくできる。
測光領域33内の赤色Sub-Pixel11−rの数、緑色Sub-Pixel11−gの数、青色Sub-Pixel11−bの数の違いについて、実施形態(図1〜図5)と、比較例1(図1)と、比較例2(図6)とを比較して説明する。表3は、実施形態について、測光領域33−3内の赤色Sub-Pixel11−rの数、緑色Sub-Pixel11−gの数、青色Sub-Pixel11−bの数に関する表である。
表3について、Wobblingが−2を例にして説明する。図5を参照して、測光領域33−3内の赤色Sub-Pixel11−rの数は、3.4であり、測光領域33−3内の緑色Sub-Pixel11−gの数は、3.2であり、測光領域33−3内の青色Sub-Pixel11−bの数は、4である。これらの合計は、10.6である。
図1〜図5について、測光領域33−3内の赤色Sub-Pixel11−rの数の平均値は、3.48であり、測光領域33−3内の緑色Sub-Pixel11−gの数の平均値は、3.50であり、測光領域33−3内の青色Sub-Pixel11−bの数の平均値は、3.62であり、合計の平均値は、10.6である。
表4は、比較例1、比較例2、実施形態について、測光領域33内の赤色Sub-Pixel11−rの数、緑色Sub-Pixel11−gの数、青色Sub-Pixel11−bの数に関する表である。
比較例1(図1)について、測光領域33−3内の赤色Sub-Pixel11−rの数は、3.7であり、測光領域33−3内の緑色Sub-Pixel11−gの数は、3.9であり、測光領域33−3内の青色Sub-Pixel11−bの数は、3.0である。比較例2(図6)について、測光領域33−4内の赤色Sub-Pixel11−rの数は、6.1であり、測光領域33−4内の緑色Sub-Pixel11−gの数は、6.3であり、測光領域33−4内の青色Sub-Pixel11−bの数は、7.0である。実施形態(図1〜図5)について、測光領域33−3内の赤色Sub-Pixel11−rの数の平均値は、3.48であり、測光領域33−3内の緑色Sub-Pixel11−gの数の平均値は、3.50であり、測光領域33−3内の青色Sub-Pixel11−bの数の平均値は、3.62である。
差異は、以下の式で表される値である。
差異={ (最大値/最小値)−1}*100
比較例1の場合、差異は、30%(={(3.9/3.0)−1}*100)となる。比較例2の場合、差異は、15%(≒{(7.0/6.1)−1}*100)となる。実施形態の場合(表3に示す平均)、差異は、4%(≒{(3.62/3.48)−1}*100)となる。このように、実施形態によれば、比較例1および比較例2と比べて、測光領域33内の赤色Sub-Pixel11−rの数、緑色Sub-Pixel11−gの数、青色Sub-Pixel11−bの数の差を小さくできるので、色度、輝度の測定精度を向上させることができる。また、実施形態によれば、測定者が指定した中心位置(図1)を中心にして、測光領域33−3をWobblingさせるので(図2〜図5)、測定領域の中心位置が測定結果に与える影響を大きくできる。
図7を参照して、DUT画面1には、カラー画像(例えば、白色画像)が表示される。二次元測色装置300の測定対象は、DUT画面1(二次元領域)である。二次元測色装置300は、測定者の指示に基づいて、DUT画面1に複数の測定領域を設定し、複数の測定領域を同時に測色する。図8は、DUT画面1の平面の模式図である。ここでは、DUT画面1に、例えば、25個の測定領域15が設定されている。
図9Aは、二次元測色装置300の構成を示すブロック図である。二次元測色装置300は、光学レンズ301と、光学フィルター302と、二次元撮像素子3と、信号処理部303と、A/D変換部304と、演算処理部305と、通信部306と、を備える。光学レンズ301は、DUT画面1の全体からの光Lを収束する。光学レンズ301で収束された光Lは、光学フィルター302を介して、二次元撮像素子3で受光される。
二次元撮像素子3は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)、または、CMOS(Complementary MOS)であり、二次元領域を測定範囲とする光学センサーである。二次元撮像素子3は、光学フィルター302を介して光Lを受光することにより、DUT画面1の全体に表示されたカラー画像を撮影し、撮影したカラー画像の情報を示す電気信号(カラー画像情報信号SG)を出力する。
光学フィルター302について、図9Bを参照して説明する。図9Bは、光学フィルター302の一例を示す模式図である。光学フィルター302は、X成分を透過するXフィルター302a、Y成分を透過するYフィルター302b、Z成分を透過するZフィルター302c、および、これらのフィルターを保持する円盤型のホルダー302dを備える回転式フィルターである。第1画素31の分光応答度とXフィルター302aとの合成分光感度が、CIE1931で規定されたx(λ)になるように、Xフィルター302aは設定されている。第1画素31の分光応答度とYフィルター302bとの合成分光感度が、CIE1931で規定されたy(λ)になるように、Yフィルター302bは設定されている。第1画素31の分光応答度とZフィルター302cとの合成分光感度が、CIE1931で規定されたz(λ)になるように、Zフィルター302cは設定されている。ホルダー302dは、不図示の回転機構により回転させられ、Xフィルター302a、Yフィルター302b、Zフィルター302cの位置を、二次元撮像素子3と対向する位置に、順番に切り替えることができる。二次元撮像素子3は、これと対向する位置にあるフィルターを透過した光Lを受光する。
光学フィルター302と二次元撮像素子3とにより、二次元撮像部310が構成される。二次元撮像部310は、第1画素31が二次元に配置された構造を有し、DUT画面1(カラーディスプレイ画面の一例)に表示されたカラー画像を撮像する。
信号処理部303は、二次元撮像素子3から出力されたカラー画像情報信号SGに対して、公知の信号処理をする回路。例えば、二次元撮像素子3がCCDの場合、信号処理部303は、CDS(Correlated Double Sampling)を備え、CDSがカラー画像情報信号SGからリセットノイズを除去する。
A/D変換部304は、信号処理部303で信号処理がされたカラー画像情報信号SGを、アナログからデジタルに変換する回路である。
演算処理部305は、色度、輝度の測定に必要な各種の設定、演算を実行する。演算処理部305は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、および、ROM(Read Only Memory)等によって実現されるマイクロコンピュータである。CPUは、ハードウェアプロセッサの一例である。演算処理部305は、機能ブロックとして、記憶部307、決定部308、第1算出部309、および、第2算出部310を備える。これらについては後で説明する。
なお、演算処理部305の機能の一部又は全部は、CPUによる処理に替えて、又は、これと共に、DSP(Digital Signal Processor)による処理によって実現されてもよい。又、同様に、演算処理部305の機能の一部又は全部は、ソフトウェアによる処理に替えて、又は、これと共に、専用のハードウェア回路による処理によって実現されてもよい。
通信部306は、二次元測色装置300の外部のPC(Personal Computer)400と通信する通信インターフェイス(通信インターフェイス回路)である。測定者は、PC400を操作することにより、二次元測色装置300に対して、DUT画面1の測色に必要な各種設定(例えば、測定領域15の中心位置の指定、測定領域15の数)、測色を実行する命令等をする。
DUT画面1を構成する第2画素13には、様々なタイプがある。ここでは、2つのタイプについて説明する。図10Aは、DUT画面1を構成する第2画素13のタイプ1を示す模式図である。図10Bは、DUT画面1を構成する第2画素13のタイプ2を示す模式図である。図10Aを参照して、第2画素13のタイプ1は、1つの赤色Sub-Pixel11−rと、1つの緑色Sub-Pixel11−gと、1つの青色Sub-Pixel11−bとにより構成される。図10Bを参照して、第2画素13のタイプ2は、1つの赤色Sub-Pixel11−rと、2つの緑色Sub-Pixel11−gと、1つの青色Sub-Pixel11−bとにより構成される。
実施形態に係る二次元測色装置300を用いた測光量の測定について説明する。図18は、これを説明するフローチャートである。DUT画面1には、複数の測定領域15(例えば、図8に示す25個の測定領域15)が設定される。図9Aを参照して、決定部308は、複数の測光領域33を複数の測定領域15に対応させて設定し(別の表現を用いれば、複数の測光領域33を複数の測定領域15に1対1に対応させて設定する。さらに別の表現を用いれば、複数の測光領域33を、二次元撮像素子3が撮像したカラー画像(DUT画面1に表示されたカラー画像)に写された複数の測定領域15に対応させて設定する)、複数の測光領域33のそれぞれに対応する複数の測定領域15の測光量を決定する。これらの測定領域15の測光量の決定方法は同じなので、1つの測定領域15を例にして説明する。図11は、DUT画面1の一部の平面図である。第2画素13は、上記タイプ1である。DUT画面1を構成する各第2画素13は、xy平面座標で特定される。x座標、y座標は、それぞれ、301〜309が示されている。
図9Aおよび図11を参照して、測定者は、PC400を操作して、測定領域15の中心となる座標および測定領域15のサイズを入力する。ここでは、座標として、(305,305)が入力され、サイズとして、3*3が入力されたとする。3*3は、xy方向の第2画素13の数がそれぞれ3を意味する。
PC400は、入力された座標およびサイズを二次元測色装置300へ送信し、決定部308は、入力された座標(305,305)に位置する第2画素13、および、この第2画素13の周囲に位置する8個の第2画素13を測定領域15として設定する(図18のステップS1)。測定領域15の設定位置は、座標(304,304)、座標(306,304)、座標(304,306)および座標(306,306)で規定される位置である。測定領域15を構成する第2画素13の数は、9である。測定領域15内の赤色Sub-Pixel11−rの数と、緑色Sub-Pixel11−gの数と、青色Sub-Pixel11−bの数とは、等しい。この例では、いずれの数も9である。
次に、決定部308は、図11に示す測定領域15に対応する測光領域33−5(図12)を設定する(図18のステップS2)。図12は、二次元撮像素子3の一部の平面図である。二次元撮像素子3(撮像面)を構成する各第1画素31は、xy平面座標で特定される。x座標は、501〜516が示され、y座標は、501〜515が示されている。決定部308は、図12に示す二次元撮像素子3に図11に示すDUT画面1が結像された状態で、DUT画面1の座標(304,304)とxy座標上の位置が最も近い、二次元撮像素子3上の座標を求める。ここでは、座標(507,506)が求められたとする。決定部308は、座標(306,304)、座標(304,306)、座標(306,306)についても同様に、二次元撮像素子3上の座標を求める。ここでは、座標(510,506)、座標(507,509)、座標(510,509)が求められたとする。
決定部308は、測光領域33−5を設定する。測光領域33−5の設定位置は、座標(507,506)、座標(510,506)、座標(507,509)および座標(510,509)で規定される位置である。これを第1設定位置とする。測光領域33−5を構成する第1画素31の数は、16である。なお、測光領域33−5を構成する第1画素31の数は、16に限定されず、2以上であればよい。第1画素31のサイズと第2画素13のサイズとが異なるので、測定領域15(図11)のサイズと測光領域33−5(図12)のサイズとが一致しない。設定位置には、第1設定位置に加えて、後で説明する第2設定位置から第5設定位置がある(図14〜図17)。これら5つの設定位置のうち、第1設定位置は、測定領域15と測光領域33−5との重なりが最も大きい設定位置である。残りの設定位置は、第1設定位置に対して第1画素31が1つずれた設定位置である。
図13は、第1設定位置に配置された測光領域33−5と、DUT画面1と、二次元撮像素子3との関係を示す平面図である。DUT画面1は、図11に示すDUT画面1である。二次元撮像素子3は、図12に示す二次元撮像素子3である。図13には、二次元撮像素子3にDUT画面1が結像された状態が示されている。以下の図14〜図17も同じである。
第1設定位置の測光領域33−5において、赤色Sub-Pixel11−rの数は、6.0であり、緑色Sub-Pixel11−gの数は、6.6であり、青色Sub-Pixel11−bの数は、4.7である。これらの数は、実施形態の内容の理解のために(言い換えれば、設定位置毎にこれらの数が異なることを説明するために)、図13に示す第1設定位置の測光領域33−5内に位置する各Sub-Pixel11の数の具体的な値を示しているだけである。二次元測色装置300がこれらの数を計算しているのではない。以下に説明する各設定位置でのSub-Pixel11の数も同様である。
図9Aを参照して、二次元測色装置300は、Xフィルター302a(図9B)が二次元撮像素子3と対向した状態で、DUT画面1に表示された白色画像を撮像し、白色画像を記憶部307に記憶させる(図18のステップS3)。二次元撮像素子3は、Xフィルター302aと対向しているので、Xフィルター302aを通過した光を受光する。同様に、二次元測色装置300は、Yフィルター302b(図9B)が二次元撮像素子3と対向した状態で、DUT画面1に表示された白色画像を撮像し、白色画像を記憶部307に記憶させ、Zフィルター302c(図9B)が二次元撮像素子3と対向した状態で、DUT画面1に表示された白色画像を撮像し、白色画像を記憶部307に記憶させる。決定部308は、これらの白色画像のそれぞれに対して、測光量を決定する第1処理をする。第1処理のやり方は、同じなので、Xフィルター302aと二次元撮像素子3とが対向した状態で、撮像された白色画像を例にして説明する。
決定部308は、記憶部307に記憶されている白色画像(Xフィルター302aと二次元撮像素子3とが対向した状態で、撮像された白色画像)を読み出して、測光領域33−5の設定位置を第1設定位置〜第5設定位置にして、それぞれの設定位置で測定領域15(図11)の測光量を求める。詳しく説明すると、決定部308は、第1設定位置の測光領域33−5(図13)内のSub-Pixel11から出力されたカラー画像情報信号SGの値を用いて、測定領域15の測光量を演算する(図18のステップS4)。
次に、決定部308は、測光領域33−5の設定位置を第2設定位置に変える。図14は、第2設定位置(第1設定位置に対して、右に1画素Wobbling)に配置された測光領域33−5と、DUT画面1と、二次元撮像素子3との関係を示す平面図である。第2設定位置は、座標(508,506)、座標(511,506)、座標(508,509)および座標(511,509)で規定される位置である。第2設定位置は、第1設定位置(図13)からx方向に第1画素31がプラス1ずれた位置である。
第2設定位置の測光領域33−5において、赤色Sub-Pixel11−rの数は、8.7であり、緑色Sub-Pixel11−gの数は、7.0であり、青色Sub-Pixel11−bの数は、5.1である。上述したように、二次元測色装置300は、これらの数を計算しているのではない。
決定部308は、第2設定位置の測光領域33−5(図14)内のSub-Pixel11から出力されたカラー画像情報信号SGの値を用いて、測定領域15の測光量を演算する(図18のステップS5)。
次に、決定部308は、測光領域33−5の設定位置を第3設定位置に変える。図15は、第3設定位置(第1設定位置に対して、左に1画素Wobbling)に配置された測光領域33−5と、DUT画面1と、二次元撮像素子3との関係を示す平面図である。第3設定位置は、座標(506,506)、座標(509,506)、座標(506,509)および座標(509,509)で規定される位置である。第3設定位置は、第1設定位置(図13)からx方向に第1画素31がマイナス1ずれた位置である。
第3設定位置の測光領域33−5において、赤色Sub-Pixel11−rの数は、6.0であり、緑色Sub-Pixel11−gの数は、8.0であり、青色Sub-Pixel11−bの数は、4.6である。
決定部308は、第3設定位置の測光領域33−5(図15)内のSub-Pixel11から出力されたカラー画像情報信号SGの値を用いて、測定領域15の測光量を演算する(図18のステップS6)。
次に、決定部308は、測光領域33−5の設定位置を第4設定位置に変える。図16は、第4設定位置(第1設定位置に対して、上に1画素Wobbling)に配置された測光領域33−5と、DUT画面1と、二次元撮像素子3との関係を示す平面図である。第4設定位置は、座標(507,505)、座標(510,505)、座標(507,508)および座標(510,508)で規定される位置である。第4設定位置は、第1設定位置(図13)からy方向に第1画素31がマイナス1ずれた位置である。
第4設定位置の測光領域33−5において、赤色Sub-Pixel11−rの数は、4.0であり、緑色Sub-Pixel11−gの数は、4.4であり、青色Sub-Pixel11−bの数は、7.5である。
決定部308は、第4設定位置の測光領域33−5(図16)内のSub-Pixel11から出力されたカラー画像情報信号SGの値を用いて、測定領域15の測光量を演算する(図18のステップS7)。
次に、決定部308は、測光領域33−5の設定位置を第5設定位置に変える。図17は、第5設定位置(第1設定位置に対して、下に1画素Wobbling)に配置された測光領域33−5と、DUT画面1と、二次元撮像素子3との関係を示す平面図である。第5設定位置は、座標(507,507)、座標(510,507)、座標(507,510)および座標(510,510)で規定される位置である。第5設定位置は、第1設定位置(図13)からy方向に第1画素31がプラス1ずれた位置である。
第5設定位置の測光領域33−5において、赤色Sub-Pixel11−rの数は、4.8であり、緑色Sub-Pixel11−gの数は、5.3であり、青色Sub-Pixel11−bの数は、6.9である。
決定部308は、第5設定位置の測光領域33−5(図17)内のSub-Pixel11から出力されたカラー画像情報信号SGの値を用いて、測定領域15の測光量を演算する(図18のステップS8)。
決定部308は、測光領域33−5が第1設定位置(図13)で算出された測定領域15の測光量(ステップS4)、測光領域33−5が第2設定位置(図14)で算出された測定領域15の測光量(ステップS5)、測光領域33−5が第3設定位置(図15)で算出された測定領域15の測光量(ステップS6)、測光領域33−5が第4設定位置(図16)で算出された測定領域15の測光量(ステップS7)、および、測光領域33−5が第5設定位置(図17)で算出された測定領域15の測光量(ステップS8)の平均値を求め、この平均値を、測定領域15(図11)の測光量と決定する(ステップS9)。決定部308は、DUT画面1内の複数の測定領域15のそれぞれに対して、ステップS4〜S9の処理をする。このように、決定部308は、測定領域15に対応する測光領域33−5の設定位置を複数設け(ここでは、5つの設定位置)、それぞれの設定位置で得られた測定領域15の測光量を基にして、測定領域15の測光量を決定する第1処理を、複数の測定領域15のそれぞれに対して実行する。なお、設定位置が5つを例に説明したが、設定位置の数はこれより多くてもよい。
以上により、Xフィルター302aと二次元撮像素子3とが対向した状態で、撮像された白色画像についての測定領域15の測光量が決定される。二次元測色装置300は、Yフィルター302bと二次元撮像素子3とが対向した状態で、撮像された白色画像、Zフィルター302cと二次元撮像素子3とが対向した状態で、撮像された白色画像についても、同様にして、測定領域15の測光量を決定する。図9Aを参照して、第1算出部309は、これらの測光量を基にして、複数の測定領域15のそれぞれについて、色度(測色値)を算出する。第2算出部310は、これらの測光量を基にして、複数の測定領域15のそれぞれについて、輝度を算出する。
実施形態の主な効果を説明する。図9Aおよび図18を参照して、決定部308は、測定領域15(図11)に対応する測光領域33−5の設定位置を複数設け(図13〜図17)、それぞれの設定位置で得られた測定領域15の測光量を基にして(ステップS4〜ステップS8)、測定領域15の測光量を決定する第1処理をする(ステップS9)。決定部308は、第1処理を、DUT画面1内の複数の測定領域15のそれぞれに対して実行する。このため、複数の測定領域15のそれぞれについて、測光量を平均化できる(測光領域33−5内の赤色Sub-Pixel11−rの数、緑色Sub-Pixel11−gの数、青色Sub-Pixel11−bの数を差を小さくできる)。このように、実施形態に係る二次元測色装置300によれば、複数の測定領域15のそれぞれについて、測光量を平均化できるので、DUT画面1(カラーディスプレイ画面の一例)であっても、測光領域33−5を過度に大きくすることなく、測光量の測定精度を向上させることができる。
決定部308は、ステップS3で記憶部307に記憶された白色画像を記憶部307から読み出し、この白色画像を用いて(この白色画像に写された複数の測定領域15のそれぞれに対して)、第1処理を実行する(ステップS4〜ステップS9)。このように、実施形態によれば、測光領域33−5の設定位置を変える毎に、DUT画面1に表示された白色画像を撮像する必要がないので、DUT画面1を高速で測色することができる。
第1設定位置〜第5設定位置のそれぞれに設定される測光領域33−5(図13〜図17)の面積は、互いに同じである。このように、実施形態によれば、設定位置に応じて測光領域33−5の面積を変えないので、ステップS4〜ステップS9の処理を簡素化することができる。
DUT画面1に表示されたカラー画像として、白色画像を例に説明したが、これに限定されない。DUT画面1に表示されたカラー画像は、原色以外の色のカラー画像でもよい。例えばシアン、マゼンタのような補色、中間色でもよい。原色画像の場合、各Sub-Pixel11の数が異なっても、色度は同じだから、本実施形態による測定バラツキの軽減効果がない。
第2画素13を構成するSub-Pixel11が、赤色Sub-Pixel11−r、緑色Sub-Pixel11−g、青色Sub-Pixel11−bの三つを例に説明したが、これに限定されない。例えば、第2画素13を構成するSub-Pixel11が、赤色Sub-Pixel、緑色Sub-Pixel、青色Sub-Pixel、白色Sub-Pixelの4つの場合についても、実施形態を適用することができ、赤色Sub-Pixel、緑色Sub-Pixel、青色Sub-Pixel、黄色Sub-Pixelの4つ場合についても、実施形態を適用することができる。
測光領域33−5の設定位置が、第1設定位置(図13)〜第5設定位置(図17)を例にして、測定領域15(図11)の測光量の決定について説明したが、設定位置は、これらに限定されない。測光領域33−5の設定位置として、例えば、第6設定位置〜第13設定位置がある。
第6設定位置(第1設定位置に対して、右に2画素Wobbling)は、図12に示す第1設定位置からx方向に第1画素31がプラス2ずれた位置である。第6設定位置は、座標(509,506)、座標(512,506)、座標(509,509)および座標(512,509)で規定される位置である。第6設定位置の測光領域33−5において、赤色Sub-Pixel11−rの数は、6.0であり、緑色Sub-Pixel11−gの数は、7.8であり、青色Sub-Pixel11−bの数は、5.0である。上述したように、二次元測色装置300は、これらの数を計算しているのではない。以下同様である。
第7設定位置(第1設定位置に対して、左に2画素Wobbling)は、図12に示す第1設定位置からx方向に第1画素31がマイナス2ずれた位置である。第7設定位置は、座標(505,506)、座標(508,506)、座標(505,509)および座標(508,509)で規定される位置である。第7設定位置の測光領域33−5において、赤色Sub-Pixel11−rの数は、8.0であり、緑色Sub-Pixel11−gの数は、6.0であり、青色Sub-Pixel11−bの数は、4.7である。
第8設定位置(第1設定位置に対して、上に2画素Wobbling)は、図12に示す第1設定位置からy方向に第1画素31がマイナス2ずれた位置である。第8設定位置は、座標(507,504)、座標(510,504)、座標(507,507)および座標(510,507)で規定される位置である。第8設定位置の測光領域33−5において、赤色Sub-Pixel11−rの数は、5.6であり、緑色Sub-Pixel11−gの数は、6.3であり、青色Sub-Pixel11−bの数は、6.0である。
第9設定位置(第1設定位置に対して、下に2画素Wobbling)は、図12に示す第1設定位置からy方向に第1画素31がプラス2ずれた位置である。第9設定位置は、座標(507,508)、座標(510,508)、座標(507,511)および座標(510,511)で規定される位置である。第9設定位置の測光領域33−5において、赤色Sub-Pixel11−rの数は、6.0であり、緑色Sub-Pixel11−gの数は、6.8であり、青色Sub-Pixel11−bの数は、7.4である。
第10設定位置(第1設定位置に対して、右に1画素、上に1画素Wobbling)は、図12に示す第1設定位置からx方向に第1画素31がプラス1、y方向に第1画素31がマイナス1ずれた位置である。第10設定位置は、座標(508,505)、座標(511,505)、座標(508,508)および座標(511,508)で規定される位置である。第10設定位置の測光領域33−5において、赤色Sub-Pixel11−rの数は、5.5であり、緑色Sub-Pixel11−gの数は、4.7であり、青色Sub-Pixel11−bの数は、6.8である。
第11設定位置(第1設定位置に対して、左に1画素、上に1画素Wobbling)は、図12に示す第1設定位置からx方向に第1画素31がマイナス1、y方向に第1画素31がマイナス1ずれた位置である。第10設定位置は、座標(506,505)、座標(509,505)、座標(506,508)および座標(509,508)で規定される位置である。第11設定位置の測光領域33−5において、赤色Sub-Pixel11−rの数は、4.0であり、緑色Sub-Pixel11−gの数は、5.3であり、青色Sub-Pixel11−bの数は、6.8である。
第12設定位置(第1設定位置に対して、右に1画素、下に1画素Wobbling)は、図12に示す第1設定位置からx方向に第1画素31がプラス1、y方向に第1画素31がプラス1ずれた位置である。第12設定位置は、座標(508,507)、座標(511,507)、座標(508,510)および座標(511,510)で規定される位置である。第12設定位置の測光領域33−5において、赤色Sub-Pixel11−rの数は、6.6であり、緑色Sub-Pixel11−gの数は、5.5であり、青色Sub-Pixel11−bの数は、6.0である。
第13設定位置(第1設定位置に対して、左に1画素、下に1画素Wobbling)は、図12に示す第1設定位置からx方向に第1画素31がマイナス1、y方向に第1画素31がプラス1ずれた位置である。第13設定位置は、座標(506,507)、座標(510,507)、座標(506,510)および座標(510,510)で規定される位置である。第13設定位置の測光領域33−5において、赤色Sub-Pixel11−rの数は、4.8であり、緑色Sub-Pixel11−gの数は、6.5であり、青色Sub-Pixel11−bの数は、6.4である。
表5は、第1設定位置〜第13設定位置の測光領域33−5において、赤色Sub-Pixel11−rの数、緑色Sub-Pixel11−gの数、青色Sub-Pixel11−bの数を示す表である。
表6は、表5の結果を基にして求めた各種の値を示す表である。
「Wobblingなし」とは、第1設定位置の場合を示し、「上下左右1画素」とは 、第1設定位置から第5設定位置の場合の平均値を示し、「上下左右2画素」とは、第1設定位置から第13設定位置の場合の平均値を示す。赤色Sub-Pixel11−rで説明すると、「Wobblingなし」は、表5に示す第1設定位置(図13)の場合の値6.0であり、「上下左右1画素」は、表5に示す第1設定位置から第5設定位置の場合の平均値5.90(=(6.0+8.7+6.0+4.0+4.8)÷5)であり、上下左右2画素」は、表5に示す第1設定位置から第13設定位置の場合の平均値5.85(表5中の赤色Sub-Pixelの数の合計値÷13)。
Δr、Δg、Δbは、赤色Sub-Pixel11−rの数、緑色Sub-Pixel1−gの数、青色Sub-Pixel11−bの数のそれぞれを、最大値で割った値の100分率である。「Wobblingなし」で説明すると、赤色Sub-Pixel11−rの数(6.0)、緑色Sub-Pixel1−gの数(6.6)、青色Sub-Pixel11−bの数(4.7)のうち、緑色Sub-Pixel11−gの数が最大である。Δrは、91%(=(6.0/6.6)*100)であり、Δgは、100%(=(6.6/6.6)*100)であり、Δbは、71%(=(4.7/6.6)*100)である。
ΔMaxは、Δr、Δg、Δbのうちの最大値であり、ΔMinは、Δr、Δg、Δbのうちの最小値である。「Wobblingなし」で説明すると、Δr(91%)、Δg(100%)、Δb(71%)のうち、最大値は、Δg(100%)であり、最小値は、Δb(71%)である。
「上下左右1画素」、および、「上下左右2画素」は、「Wobblingなし」と比べて、ΔMaxとΔMinとの差が小さくなることが分かる。すなわち、「上下左右1画素」、および、「上下左右2画素」は、「Wobblingなし」と比べて、測光領域33−5内の赤色Sub-Pixel11−rの数、緑色Sub-Pixel11−gの数、青色Sub-Pixel11−bの数の差を小さくすることができる。従って、「上下左右1画素」、および、「上下左右2画素」は、「Wobblingなし」と比べて、測光量の測定精度を向上させることができる。
(実施形態の纏め)
実施形態の一態様に係る二次元測色装置は、カラーディスプレイ画面内の複数の測定領域を測色する二次元測色装置であって、二次元に配置された第1画素を有し、前記カラーディスプレイ画面に表示されたカラー画像を撮像する二次元撮像部と、2以上の前記第1画素を含む複数の測光領域を、前記複数の測定領域に対応させて設定し、前記複数の測光領域のそれぞれに対応する前記複数の測定領域の測光量を決定する決定部と、を備え、前記決定部は、前記測定領域に対応する前記測光領域の設定位置を複数設け、それぞれの前記設定位置で得られた前記測定領域の測光量を基にして、前記測定領域の測光量を決定する第1処理を、前記複数の測定領域のそれぞれに対して実行する。
カラーディスプレイ画面は、二次元に配置された第2画素を有する。第2画素は、複数の色のSub-Pixel(例えば、赤色Sub-Pixel、緑色Sub-Pixel、青色Sub-Pixel)を含む。カラーディスプレイ画面に表示されたカラー画像は、白色画像でもよいし、原色以外の色の画像でもよい。原色画像の場合、各Sub-Pixelの数が異なっても、色度は同じだから、実施形態による測定バラツキの軽減効果がない。
決定部は、測定領域に対応する測光領域の設定位置を複数設け、それぞれの設定位置で得られた測定領域の測光量を基にして、測定領域の測光量を決定する第1処理をする。決定部は、第1処理を、複数の測定領域のそれぞれに対して実行する。このため、複数の測定領域のそれぞれについて、測光量を平均化できる(カラーディスプレイ画面の場合、測光領域内に位置する各色のSub-Pixelの数の差を小さくできる)。このように、実施形態の一態様に係る二次元測色装置によれば、複数の測定領域のそれぞれについて、測光量を平均化できるので、二次元領域がカラーディスプレイ画面であっても、測光領域を過度に大きくすることなく、測光量の測定精度を向上させることができる。
前記第1処理は、例えば、それぞれの前記設定位置で得られた前記測定領域の測光量の平均値を、前記測定領域の測光量と決定する処理である。
前記複数の設定位置は、例えば、前記測定領域と前記測光宇領域との重なりが最も大きい第1設定位置と、前記第1設定位置に対して前記1画素が1つ以上ずれた残りの前記設定位置と、を含む(1つ以上とは、整数である)。
上記構成において、前記画像を記憶する記憶部をさらに備え、前記決定部は、前記記憶部から読み出された前記カラー画像を用いて、前記第1処理を実行する。
この構成によれば、測光領域の設定位置を変える毎に、カラーディスプレイ画面に表示されたカラー画像を撮像する必要がないので、カラーディスプレイ画面を高速で測色することができる。なお、測光領域の設定位置を変える毎に、二次元撮像部が、カラーディスプレイ画面に表示されたカラー画像を撮像する態様も可能である。例えば、設定位置を5回変える場合、二次元撮像部は、カラーディスプレイ画面に表示されたカラー画像を5回撮像する。
上記構成において、前記複数の設定位置のそれぞれに設定される前記測光領域の面積は、互いに同じである。
この構成によれば、設定位置に応じて測光領域の面積を変えないので、第1処理を簡素化することができる。
上記構成において、前記決定部が決定した、前記測定領域の測光量を基にして、前記測定領域の測色値を算出する第2処理を、前記複数の測定領域のそれぞれに対して実行する第1算出部をさらに備える。
この構成によれば、測定精度が向上された測光量を基にして、測色値を算出するので、測色値の精度を向上することができる。
上記構成において、前記決定部が決定した、前記測定領域の測光量を基にして、前記測定領域の輝度値を算出する第3処理を、前記複数の測定領域のそれぞれに対して実行する第2算出部をさらに備える。
この構成によれば、測定精度が向上された測光量を基にして、輝度値を算出するので、輝度値の精度を向上することができる。
実施形態の他の態様に係る二次元測色方法は、カラーディスプレイ画面内の複数の測定領域を測色する二次元測色方法であって、二次元に配置された第1画素を有する二次元撮像部によって、前記カラーディスプレイ画面に表示されたカラー画像を撮像する撮像ステップと、2以上の前記第1画素を含む複数の測光領域を、前記複数の測定領域に対応させて設定し、前記複数の測光領域のそれぞれに対応する前記複数の測定領域の測光量を決定する決定ステップと、を備え、前記決定ステップは、前記測定領域に対応する前記測光領域の設定位置を複数設け、それぞれの前記設定位置で得られた前記測定領域の測光量を基にして、前記測定領域の測光量を決定する第1処理を、前記複数の測定領域のそれぞれに対して実行する。
実施形態の他の態様に係る二次元測色方法は、実施形態の一態様に係る二次元測色装置を方法の観点から規定しており、実施形態の一態様に係る二次元測色装置と同様の作用効果を有する。
本発明の実施形態が詳細に図示され、かつ、説明されたが、それは単なる図例及び実例であって限定ではない。本発明の範囲は、添付されたクレームの文言によって解釈されるべきである。
2017年6月14日に提出された日本国特許出願特願2017−116617は、その全体の開示が、その全体において参照によりここに組み込まれる。