JPWO2018225664A1 - 欠陥検出装置、欠陥検出方法、ウェハ、半導体チップ、ダイボンダ、半導体製造方法、および半導体装置製造方法 - Google Patents

欠陥検出装置、欠陥検出方法、ウェハ、半導体チップ、ダイボンダ、半導体製造方法、および半導体装置製造方法 Download PDF

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Abstract

半導体製品又は半導体製品の一部であるワークにおいて少なくとも傾斜面部を有する欠陥を検出する欠陥検出装置である。ワークに対して明視野照明光を照射する照明手段と、観察光学系を構成し、照明手段にて照射された前記ワークの観察部位を観察する撮像装置と、を有する検査機構を備える。検査機構は、光軸方向において合焦位置からデフォーカスされた非合焦位置から射出したワークからの反射光を観察し、非合焦位置からの反射光により形成された観察画像上の欠陥を、合焦位置からの反射光により形成された観察画像上の欠陥よりも強調する。

Description

本発明は、ウェハ、このウェハから切断されて個片化されたチップ等のワークの表面に形成されるクラックを検出する欠陥検出装置、欠陥検出方法、ダイボンダ、ボンディング方法に関し、さらには、ウェハ、半導体チップ、半導体製造方法、および半導体装置製造方法に関するものである。
チップ(半導体チップ)に発生したクラックを検出する検出装置としては、従来から種々提案されている(特許文献1〜特許文献3)。特許文献1では、半導体表面の画像を撮像手段によって撮像し、検出手段によってこの撮像手段から出力される複数のカラー信号の相関係数を求め、これら相関係数より半導体表面の欠陥を検出するものである。このため、変色・汚れ等の欠陥を検出することができるというものである。
特許文献2では、主面側を封止する樹脂層が形成されたウェハの裏面側から、光軸を前記ウェハの主面に交差させて赤外光線を照射し、その反射光を受光しつつ撮像することによりウェハ内部に発生したクラックを検出するものである。すなわち、ダイシングにより個片化したウェハの裏面側から赤外光線を照射することにより、赤外光線をウェハに透過させることができ、ウェハ内部に生じたクラックの界面で乱反射した赤外光線の反射光を受光しつつこれを結像することによって、ウェハ内部に生じたクラックを顕像化することができるというものである。
特許文献3では、半導体チップからの弾性波を検出することによって、半導体チップの変形およびクラックの発生を検出するものである。
特開平6−82377号公報 特開2008−45965号公報 特開2015−170746号公報
ところで、ワークとして、図23に示すように、配線パターンを配線パターン層1と、配線パターン層上にある被覆層2とを備えた半導体チップ3の場合がある。このような場合、照明光がこのワークの表面に入射された場合、照明光は、被覆層2の表面にて反射され、被覆層2を透過し、被覆層2に吸収され、被覆層2で散乱され、また、配線パターン層1から反射されたりする。
このため、被覆層2の上面に形成された割れ等クラックを特許文献1等に記載された検出装置では検出しにくかった。また、特許文献2に記載の方法では、ウェハの裏面側から赤外光線を照射することにより、赤外光線をウェハに透過させて、ウェハ内部に生じたクラックを顕像化することができるというものであり、ウェハの表面のクラックを検出することができない。特許文献3では、半導体チップからの弾性波を検出して、クラックが発生しているか否か検出するものである。このため、クラックの位置の検出はできない。
本発明は、上記課題に鑑みて、ワークの表面に形成されたクラック等の欠陥の有無等を安定して検出することができる欠陥検出装置及び検出方法を提供する。また、クラック等の欠陥の有無等を安定して検出することが可能なダイボンダ及びボンディング方法を提供する。
本発明の欠陥検出装置は、半導体製品又は半導体製品の一部であるワークにおいて少なくとも傾斜面部を有する欠陥を検出する欠陥検出装置であって、前記ワークに対して明視野照明光を照射する照明器と、観察光学系を構成し、前記照明器にて照射された前記ワークの観察部位を観察する撮像装置と、を有する検査機構を備え、前記検査機構は、光軸方向において合焦位置からデフォーカスされた非合焦位置から射出された前記ワークからの反射光を観察し、前記非合焦位置からの反射光により形成された観察画像上の欠陥を、合焦位置からの反射光により形成された観察画像上の欠陥よりも強調するものである。ここで、半導体製品とは、製品として完成されたものだけではなく、製造途中段階の未完成のものも含む。ここで、合焦位置とは、合焦面(像面(センサ面)と共役な関係にある面)の任意の位置であり、非合焦位置とは、前記合焦面以外の位置である。物体面が合焦位置と一致していない場合をデフォーカスしているという。
本発明の欠陥検出装置によれば、明視野照明光を照射し、反射光を観察するものにおいて、ワークからの反射光を、光軸方向において合焦位置からずれた非合焦位置から見かけ上射出させる、いわゆるデフォーカスを行う。ここで、明視野照明光とは、観察光学系の主光線の延長方向から照明する(略平行光)ことである。これにより、非合焦位置からの反射光により形成された観察画像上の欠陥を強調することができ、見えにくい欠陥が見えやすくなったり、既存の装置では見えなかった欠陥が見えるようになったりすることができる。ここで、強調とは、画像上の欠陥を、合焦位置からの反射光により形成された観察画像上の欠陥よりも拡大したり、観察画像上の欠陥と、その他の部分とのコントラストを大きくしたりすることである。すなわち、本発明における強調とは、拡大するか、コントラストを大きくするか、の少なくともいずれかが生じていることをいう。
前記構成において、合焦位置と非合焦位置との少なくとも非合焦位置を含む2つの異なる位置から反射光が射出されるものとしてもよい。この位置には合焦位置を含む。すなわち、少なくとも2つの異なる位置とは、合焦位置及び1つ以上の非合焦位置である場合と、2つ以上の非合焦位置である場合とがある。また、少なくとも1つの前記位置からの反射光に基づいて検査又は画像上のワークの位置を検出する位置決めを行うものであってもよい。これにより、観察光学系は、検査機能に加えて位置決め機能を有するものとなるとともに、合焦位置の近傍(被写界深度の範囲)で位置決めが必要な装置(特にダイボンダ等)に有効である。
前記検査機構は、前記合焦位置を境界として、前記撮像装置に近接する側の非合焦位置と、前記撮像装置から離間する側の非合焦位置との夫々から射出された反射光に基づいて検査するものであってもよい。これにより、合焦位置を境界として、撮像装置に近接する側の非合焦位置における観察画像上の欠陥の色と、撮像装置から離間する側の非合焦位置における観察画像上の欠陥の色とが異なるものとなる。
前記照明器側のNAが、観察光学系側のNAよりも小さいものとしてもよい。これにより、相対する一対の傾斜面を有する欠陥において、相対する面の傾斜面同士の相対角(本明細書においてクラック角といい、一方の面の傾斜角度をθ1(時計回り方向)、他方の面の傾斜角度をθ2(反時計回り方向)としたとき、θ1+θ2)が小さい場合であっても検査することが可能となる。
前記ワークを非合焦位置に配置することにより、ワークからの反射光を光軸方向において合焦位置からずれた非合焦位置から射出させるようにしてもよい。また、前記検査機構が、ワークからの反射光を光軸方向において合焦位置からずれた非合焦位置から射出させるデフォーカス手段を備え、前記デフォーカス手段は、ワークと光学系とを光軸方向に相対移動させるもの、光学系を変更するもの、合焦位置の異なる複数の光学系及び受光素子を用いるもの、照明又は観察波長を変更するもの、のいずれかとすることができる。
照明手段側のNA及び観察光学系側のNAの少なくとも一方を可変可能な可変手段を設けてもよい。
ワークの傾き又はデフォーカス量に応じて、少なくとも観察光学系側又は照明器側のNAを設定するNA制御部を設けてもよい。
観察光学系における合焦位置から、100μm以上デフォーカスした位置で検査を行うものとしてもよい。
検査対象のワークの欠陥が互いに方向の異なる一対の面部を有するとき、前記ワークの位置から前記非合焦位置までのデフォーカス量は、前記撮像装置の最小検出幅εmin、光軸に直交する線と一方の面部とのなす角θ1、光軸に直交する線と他方の面部とのなす角θ2、一対の面部の離間幅wから、εmin−w/(tan2θ1+tan2θ2)の式で算出される値よりも大きいものとすることができる。これにより、観察画像上の欠陥を拡大できる確実性を高めることができる。
前記構成において、検査対象のワークのθ1及びθ2が、観察光学系の開口数NAで制限されるとき、−sin-1(NA)≦θ1≦sin-1(NA)、かつ、−sin-1(NA)≦θ2≦sin-1(NA)とすることができる。
所定のデフォーカス量となるように前記デフォーカス手段を制御する制御部を設けてもよい。これにより、欠陥検出装置が自動的にデフォーカスを行う。この場合、制御部は、所定のパラメータに基づいてデフォーカス量を演算する演算部を備えてもよい。これにより、ユーザがパラメータを設定するのみで、欠陥検出装置が自動的にデフォーカス量を決定する。
前記照明手段は、検査用光源と、位置決め用光源と、前記光源を切替えて電気的に照明側のNAを切替えるNA切替部とを備えるものであってもよい。
デフォーカス量と離間幅とから、面部の傾斜角度及び欠陥幅を検出する検出部を備えてもよい。これにより、欠陥の面部の角度計測を行うことができる。
合焦位置と非合焦位置との少なくとも非合焦位置を含む2つの異なる位置から検査するとき、欠陥の明暗の変化及び/又は欠陥の大きさの変化に基づいて欠陥を判別する判別手段を備えてもよい。すなわち、欠陥の明暗の変化と大きさの変化とのいずれか、又はこれらの両方を判別することにより、例えば、欠陥の分類(傾斜面を有するいわゆるクラック、異物等)を行うことができる。欠陥の大きさの変化とは、拡大したり縮小したりすることである。
前記ワークは多層構造からなり、検査対象の層から反射又は散乱されて撮像装置に入射する光の強度が、他層からの強度よりも大きい波長であってもよい。
前記構成において、前記ワークは、半導体製造工程に由来する濃淡パターンのある濃淡層と、この濃淡層の濃淡パターンを覆う被覆層とを備え、前記照明手段から照射される照明光は、少なくとも濃淡層から反射し前記撮像装置に入射する光よりも、前記被覆層から反射又は散乱されて撮像装置に入射する光の強度が大きい波長であり、前記濃淡層の濃淡パターンの影響を低くした光とすることができる。濃淡パターンの影響を低くするとは、欠陥を観察する際のこれらの濃淡パターンを消す乃至薄く映って欠陥の観察を損なわない場合をいう。すなわち、この光以外の光を用いたときよりも濃淡パターンによって生じる輝度コントラストが低くなることである。これにより、被覆層の表面から反射又は散乱された光を映し出すことができ、濃淡パターンによって生じる輝度コントラストが低くなって、濃淡パターンの影響を低く(少なく)することができる。
被覆層は有機物層であり、また、その有機物層はポリイミド樹脂であるように設定できる。前記被覆層は膜厚が、1μm〜100μmであるように設定できる。被覆層は2層以上の複数層からなり、各層が同一材質、各層が異なる材質、又は複数層の所定の層が同一材質とされるものであってもよい。
前記照明手段の照明光のうち観察される波長が、450nm以下又は1000nm以上であるのが好ましい。このように、観察される波長が、450nm以下又は1000nm以上であれば、被覆層がポリイミド樹脂にて構成され、かつ、濃淡パターンのある濃淡層が配線パターンの影響を安定して低くすることができる。
前記構成において、ワークが載置されるテーブルを有し、このテーブルのワークの載置部が、ワークを吸引により引き付けて保持する多孔質材料にて形成されたものとできる。また、ワークが載置されるテーブルを有し、このテーブルのワークの載置部が、ワークを静電気により引き付けて保持する静電チャック構造にて構成されたものとできる。テーブルのワークの載置部が、多孔質材料からなるものであったり、静電チャック構造にて構成されていたりすると、ワークは、テーブルに対して全体的に均一に保持される。このため、ワークに反りがあっても平面状とすることができ、観察時に、反り部分が暗く観察されることを防止できる。
ワークとして、その濃淡パターンを配線パターンが構成するウェハであったり、ウェハを個片化した個片体(半導体チップ)等であったりする。すなわち、ワークとしては、リードフレームや基板に搭載される個片体(パッケージされないもの、すなわち、個片体が被覆されないもの)、複数の個片体で構成されるもの(単一の個片体を積み重ねたもの、複数の個片体の集合体)であってもよく、例えば、積層されたメモリチップ、SiP(System in Package)である。
本発明の欠陥検出方法は、半導体製品又は半導体製品の一部である少なくとも傾斜面部を有する欠陥を検出する欠陥検出方法であって、前記ワークに対して明視野照明光を照射し、ワークからの反射光を、光軸方向において合焦位置からデフォーカスされた非合焦位置から射出させて、前記非合焦位置からの反射光により形成された観察画像上の欠陥を、合焦位置からの反射光により形成された観察画像上の欠陥よりも強調するものである。
本発明の欠陥検出方法によれば、明視野照明光を照射し、反射光を観察するものにおいて、ワークからの反射光を、光軸方向において合焦位置からずれた非合焦位置から見かけ上射出させる、いわゆるデフォーカスを行う。ここで、明視野照明光とは、観察光学系の主光線の延長方向から照明する(略平行光)ことである。これにより、非合焦位置からの反射光により形成された観察画像上の欠陥を強調することができ、見えにくい欠陥が見えやすくなったり、既存の装置では見えなかった欠陥が見えるようになったりすることができる。
本発明の第2の欠陥検出方法は、半導体製品又は半導体製品の一部であるワークにおいて少なくとも傾斜面部を有する欠陥を検出する欠陥検出方法であって、ワークを、多孔質材料にて形成されたワークの載置部を有するテーブルに載置して、前記多孔質材料の気孔を介してワークを吸引してテーブルに吸着させて、前記ワークに対して明視野照明光を照射し、ワークからの反射光を、光軸方向において合焦位置からデフォーカスされた非合焦位置から射出させて、前記非合焦位置からの反射光により形成された観察画像上の欠陥を、合焦位置からの反射光により形成された観察画像上の欠陥よりも強調するものである。
本発明の第3の欠陥検出方法は、半導体製品又は半導体製品の一部であるワークにおいて少なくとも傾斜面部を有する欠陥を検出する欠陥検出方法であって、ワークを、静電チャック構造にて構成されたワークの載置部を有するテーブルに載置して、ワークを静電気により引き付けてテーブルに保持させて、前記ワークに対して明視野照明光を照射し、ワークからの反射光を、光軸方向において合焦位置からデフォーカスされた非合焦位置から射出させて、前記非合焦位置からの反射光により形成された観察画像上の欠陥を、合焦位置からの反射光により形成された観察画像上の欠陥よりも強調するものである。
欠陥検出方法として、前記欠陥検出装置を用いるものであってもよい。前記欠陥検出方法にて検出された欠陥が製品として不良か否かの判断基準を予め設定し、欠陥画像を判断基準によって、不良品か良品かの判断を行うものであってもよい。
合焦位置と非合焦位置との少なくとも非合焦位置を含む2つの異なる位置から検査するとき、欠陥の明暗の変化及び/又は欠陥の大きさの変化に基づいて欠陥を判別するものであってもよい。欠陥の大きさの変化とは、拡大したり縮小したりすることである。
また、ウェハ、半導体チップとして、欠陥検出方法にて欠陥が検出されず又は検出された欠陥が前記欠陥検出方法にて良品と判断されているものを提供できる。
半導体装置として、前記欠陥検出方法にて欠陥が検出されず又は検出された欠陥が前記欠陥検出方法にて良品と判断された個片体で構成されているものであってもよい。
本発明のダイボンダは、ピックアップポジションにてワークをピックアップし、このピックアップしたワークをボンディングポジョンに搬送して、そのボンディングポジションにてワークをボンディングするボンディング部を備えたダイボンダであって、前記欠陥検出装置を配置したものである。
本発明のダイボンダによれば、ボンディング部やボンディング部以外の位置、すなわちダイボンダの任意の位置で、ボンディングするワークにおける表面のクラック等の欠陥を検出することができる。すなわち、ボンディング動作前、ボンディング動作中、ボンディング動作後にワーク(半導体チップ等)の欠陥(クラック)を検出し、不良品の出荷を防止できる。また、半導体チップ(ダイ)を積層(スタック)する製品の場合には歩溜まりを大きく改善することができる。例えば、不良チップの上にチップをボンディングしたり、良品チップが積層されている上に不良チップを積層すると、その積層体が不良となったり、製品のランクが下がったりする。
前記ダイボンダにおいて、ピックアップポジションでの位置決め検出を可能とし、ボンディングポジションでの位置決め検出を可能とするようにできる。
ダイボンダとして、ピックアップポジションとボンディングポジションとの間にワークが搬送される中間ステージを有し、この中間ステージにおいても前記本発明の欠陥検出装置を配置したものであってもよく、さらには、ピックアップポジション、ボンディングポジション、ピックアップポジションとボンディングポジションとの間の中間ステージの内少なくとも一つでの位置決め検出が可能であってもよい。
本発明の第1のボンディング方法は、ピックアップポジションにてワークをピックアップし、このピックアップしたワークをボンディングポジョンに搬送して、そのボンディングポジションにてワークをボンディングするボンディング工程を備えたボンディング方法であって、ピックアップ前とピックアップ後の少なくともいずれか一方において、ワークに対して前記欠陥検出装置にて欠陥を検出するものである。
本発明の第2のボンディング方法は、ピックアップポジションにてワークをピックアップし、このピックアップしたワークをボンディングポジョンに搬送して、そのボンディングポジションにてワークをボンディングするボンディング工程を備えたボンディング方法であって、ピックアップポジションとボンディングポジョンとの間に中間ステージを有し、中間ステージへのワーク供給前と中間ステージからのワーク排出後の少なくともいずれか一方において、ワークに対して前記欠陥検出装置にて欠陥を検出するものである。
本発明の第3のボンディング方法は、ピックアップポジションにてワークをピックアップし、このピックアップしたワークをボンディングポジョンに搬送して、そのボンディングポジションにてワークをボンディングするボンディング工程を備えたボンディング方法であって、ボンディング前とボンディング後の少なくともいずれか一方において、ワークに対して前記欠陥検出装置にて欠陥を検出するものである。
本発明の第4のボンディング方法は、ピックアップポジションにてワークをピックアップし、このピックアップしたワークをボンディングポジョンに搬送して、そのボンディングポジションにてワークをボンディングするボンディング工程を備えたボンディング方法であって、ボンディング工程へのワーク供給前と、ボンディング工程からのワーク排出後の少なくともいずれか一方において、前記記載の欠陥検出方法を用いた検査工程を行うものである。
半導体製造方法は、前記欠陥検出方法を用いた検査工程を備え、さらに、ウェハを切断して個片化するダイシング工程と、個片化されてなる半導体チップを樹脂で封止するモールド封止工程の少なくともいずれか一方の工程を備えたものである。
半導体装置製造方法は、複数の個片体からなる個片体集合体を備えた半導体装置を製造する半導体装置製造方法であって、1個の個片体又は所定数の個片体の集合体からなる被対象物と、この被対象物に集合すべき他の個片体の少なくともいずれか一方を前記陥検出方法を用いて検査するものである。
本発明では、非合焦位置からの反射光により形成された観察画像上の欠陥を、合焦位置からの反射光により形成された観察画像上の欠陥よりも拡大して観察したり、既存の装置では見えなかった欠陥を見えるようにできるので、安定して欠陥(クラック)を検出することができる。
本発明に係る欠陥検出装置の簡略図である。 本発明のダイボンダを用いたボンディング工程を示す略図である。 ダイボンダの簡略斜視図である。 本発明のダイボンダを示し、ピックアップポジションにおいて欠陥検出装置を備えたダイボンダの簡略図である。 ウェハを示す簡略斜視図である。 被覆層が単層であるワークの要部拡大断面図である。 被覆層が複層であるワークの要部拡大断面図である。 光の反射を示す説明図であり、照明器側のNAが、観察光学系側のNAよりも小さい場合を示す。 光の反射を示す説明図であり、照明器側のNAが、観察光学系側のNAよりも大きい場合を示す。 ワークに生じる欠陥(クラック)であり、一対の切断端面の上面に傾斜面部が形成された状態の簡略断面図である。 ワークに生じる欠陥(クラック)であり、一方の切断端面の上面に傾斜面部が形成された状態の簡略断面図である。 ワークに生じる欠陥(クラック)であり、断面V字形状とされた状態の簡略断面図である。 ワークに生じる欠陥(クラック)であり、断面直角三角形状とされた状態の簡略断面図である。 ワークに生じる欠陥(クラック)であり、谷折れ状にワークが切断されて、一対の切断端面の上面に傾斜面部が形成された状態の簡略断面図である。 ワークに生じる欠陥(クラック)であり、山折れ状にワークが切断されて、一方の切断端面の上面に傾斜面部が形成された状態の簡略断面図である。 ワークに生じる欠陥(クラック)であり、谷折れ状にワークが折れ曲がった状態の簡略断面図である。 ワークに生じる欠陥(クラック)であり、山折れ状にワークが折れ曲がった状態の簡略断面図である。 ワークに生じる欠陥(クラック)であり、谷折れ状にワークが切断されて、切断端面の上端から平坦に延びる傾斜面部が形成された状態の簡略断面図である。 ワークに生じる欠陥(クラック)であり、山折れ状にワークが切断されて、切断端面の上端から平坦に延びる傾斜面部が形成された状態の簡略断面図である。 谷折れ状に切断された欠陥を有するワークの合焦位置及び非合焦位置の関係を示す説明図である。 傾きθを有する物体面において、照明光と反射光との関係を示す説明図である。 合焦位置からの反射光による像と、非合焦位置からの反射光による像とがずれることを示す説明図である。 谷折れ状に切断された欠陥を有するワークからの反射光束、非合焦位置Faを含む面の輝度断面、及び非合焦位置Fbを含む面の輝度断面を示す図である。 谷折れ状に切断された欠陥を有するワークの観察画像を示し、上方側の非合焦位置における画像である。 谷折れ状に切断された欠陥を有するワークの観察画像を示し、上方側の非合焦位置における画像である。 谷折れ状に切断された欠陥を有するワークの観察画像を示し、上方側の非合焦位置における画像である。 谷折れ状に切断された欠陥を有するワークの観察画像を示し、上方側の非合焦位置における画像である。 谷折れ状に切断された欠陥を有するワークの観察画像を示し、下方側の非合焦位置における画像である。 谷折れ状に切断された欠陥を有するワークの観察画像を示し、下方側の非合焦位置における画像である。 谷折れ状に切断された欠陥を有するワークの観察画像を示し、下方側の非合焦位置における画像である。 山折れ状に切断された欠陥を有するワークの合焦位置及び非合焦位置の関係を示す説明図である。 山折れ状に切断された欠陥を有するワークからの反射光束、非合焦位置Faを含む面の輝度断面、及び非合焦位置Fbを含む面の輝度断面を示す図である。 傾斜角と最小デフォーカス量との関係を示すグラフ図である。 光の透過率の説明図である。 本発明のダイボンダのピックアップステージに半導体チップを吸着する方法を示し、吸着前を示す簡略図である。 本発明のダイボンダのピックアップステージに半導体チップを吸着する方法を示し、吸着途中を示す簡略図である。 本発明のダイボンダのピックアップステージに半導体チップを吸着する方法を示し、吸着後を示す簡略図である。 他のデフォーカス手段を備えた欠陥検出装置の簡略図である。 他のデフォーカス手段を備えた欠陥検出装置の簡略図である。 他のデフォーカス手段を備えた欠陥検出装置の簡略図である。 他の照明手段を備えた欠陥検出装置の簡略図である。 ダイボンダの簡略斜視図である。 ワークである半導体チップに照明光を照射させた状態の簡略断面図である。 半導体製造工程図を示すブロック図である。
以下本発明の実施の形態を図1〜図24に基づいて説明する。
図1に本発明に係るワークの欠陥検出装置の簡略図を示し、この欠陥検出装置は、半導体ウェハ29(図4参照)、この半導体ウェハ29を個片化した半導体チップ21(図2A、図2B参照)やダイ等のワークに形成されるクラック等の欠陥50(図7参照)の有無やその位置を検出するものである。
ワークは、図5A、図5Bに示すように、濃淡パターンである濃淡層11と、この濃淡層11の濃淡パターンを覆う被覆層12とを有するものである。この場合、被覆層12は、図5Aでは一層から構成され、図5Bでは複数の層(この図例では、濃淡層側の第1層13とこの第1層13の上層の第2層14との2層)からなる。なお、濃淡パターンとして、配線パターンで構成することができ、配線パターンで構成した場合、濃淡層11を配線パターン層と呼ぶことができる。
すなわち、本願発明において、濃淡パターンとしては、半導体製造工程に由来するものであって、半導体製造工程によって形成されるものであり、例えば、配線パターンにより生じるパターン、酸化や窒化したSiとこれらSiと異なるSiとを有することにより生じるパターン等がある。このように、ワークの濃淡パターンは、半導体製造工程によって形成されるものであればよく、その基材は半導体であったり、ガラスであったり、高分子材料であったりする。なお、半導体製造前工程のプロセスとして、リソグラフィー(イオン打ち込みやエッチング等も含む)及び、成膜工程等がある。
被覆層12としては、例えば、シリコーン樹脂やポリイミド樹脂等で構成できる。また、図5Bに示すように、複数層を有する場合、第1層13と第2層14とを同一材質であっても、相違する材質であってもよい。すなわち、図5Aに示すように、被覆層12が1層であれば、その材質をシリコーン樹脂やポリイミド樹脂等で構成でき、図5Bに示すように、被覆層12が複数層を有するものであれば、例えば、第1層13をポリイミド樹脂とし、第2層をシリコーン樹脂としたり、第1層13をシリコーン樹脂とし、第2層をポリイミド樹脂としたり、第1層13と第2層14とをポリイミド樹脂とし、第1層13と第2層14とをシリコーン樹脂としたりできる。また、第1層13と第2層14とを同一種の樹脂を用いる場合であっても、特性等が相違するものを用いてもよい。
被覆層12の厚さ寸法として、例えば、図5Aに示す単層であっても、図5Bに示すように、複数層であっても、例えば、1μm〜100μmであるように設定でき、より好ましくは、1μm〜20μm程度とすることができる。また、被覆層は3層以上であってもよく、この場合、各層が同一材質、各層が異なる材質、又は複数層の所定の層が同一材質とされるものであってもよい。
欠陥検出装置100は、本実施形態では図2B及び図22に示すようなダイボンダの任意の位置に配設される。ダイボンダは、ウェハ29(図4参照)から切り出されるチップ21をピックアップポジションPにてピップアップして、リードフレームなどの基板22のボンディングポジションQに移送(搭載)するボンディング部を備える。ウェハ29は、ダイシング工程によって、多数のチップ21に分断(分割)される。このため、このチップ21は図4に示すように、テーブル(ピックアップテーブル)上にマトリックス状に配列される。図2Bに示すダイボンダは、後述するように、ピックアップポジションPとボンディングポジションQとの間にテーブル(中間ステージ)が配置されている。このように中間ステージを配置した場合、ボンディング工程において、ウェハ29からピックアップしたワークを一旦中間ステージに載置し、この中間ステージから再度ワークをピックアップし、ボンディングするようにできる。本発明に係る欠陥検出装置100は、ピックアップポジションP、ボンディングポジションQ、中間ステージ上の少なくともいずれかの位置、ピックアップポジションPからボンディングポジションQまでのいずれかの位置、ボンディング部以外の位置に配置することになる。
テーブル(本実施形態ではピックアップテーブル101)は、図3に示すように、矩形状の多孔質材料102と、多孔質材料102を周囲から支持する支持部103とを備えており、図示省略の真空ポンプ等の吸引機構が接続されている。多孔質材料とは、小さな気孔が無数に空いている材料であって、金属、セラミックス等の種々のものがある。多孔質材料102は、例えば、メッシュ粒径が240、平均細孔径が55μm程度であるのが好ましい。多孔質材料102の上面がワークを載置する載置部となる。多孔質材料102にワークが載置された状態で、吸引機構が駆動すると、多孔質材料102及び支持部103の下方に形成された閉鎖空間、及び多孔質材料102の無数の気孔を介してワークが吸引され、ワークは全面的に多孔質材料102に吸着される。
多孔質材料102は、ワーク(チップ)の外径サイズよりも僅かに大きいものとなっている。例えば、チップサイズが10×15mmである場合、多孔質材料102の外周長さは、チップサイズ+0.1mm程度とするのが好ましい。これにより、チップは外周部まで多孔質材料102に吸着される。
ピックアップテーブル101と吸引機構との間の流路には、真空圧を測定するための真空圧センサ104(又は流量センサ)を設けており、センサの値を読み取ることにより、ピックアップテーブル101においてワークが吸引されているか否かを判別することができる。
従来、ピックアップテーブル101等のテーブルに吸引口を設けてワークを吸引する場合は、吸引口の径は300μm程度と大きく、ワークをピックアップテーブル101等のテーブルに固定する際にワークが吸引口に引き込まれる。これにより、ワークの表面に傾きが発生し、暗く観察される場合があった。また、ワークの形成過程により残留応力が発生して、ワークに反りが生じ、反りの部分が暗く観察される場合があった。本実施形態では、ピックアップテーブル101のワークの載置部を多孔質材料102とすることによって、ワークは、ステージに対して全体的に均一に保持される。このため、ワークに反りがあっても平面状とすることができ、観察時に、反り部分が暗く観察されることを防止できる。また、ピックアップテーブル101には、従来設けていたような大きな吸引口を設けていないため、ワークが吸引口に引き込まれて傾きが発生し、暗く観察されることを防止できる。
このダイボンダは、図2Aに示すように、コレット(吸着コレット)23を備える。このコレット23は、図示省略の移動機構にて、ピックアップポジションP上での矢印a方向の上昇および矢印b方向の下降と、ボンディングポジションQ上での矢印c方向の上昇および矢印d方向の下降と、ピックアップポジションPとボンディングポジションQとの間の矢印e、f方向の往復動とが可能とされる。移動機構は、例えばマイクロコンピュータ等にて構成される制御手段にて前記矢印a、b、c、d、e、fの移動が制御される。なお、移動機構としては、シリンダ機構、ボールねじ機構、リニアモーター機構等の種々の機構にて構成することができる。
吸着コレット23はその下面に開口する吸着孔28を有するヘッド(吸着のノズル)24を備え、吸着孔28を介してチップ21が真空吸引され、このヘッド24の下端面(先端面)にチップ21が吸着する。この真空吸引(真空引き)が解除されれば、ヘッド24からチップ21が外れる。
また、多数のチップ21に分断(分割)されたウェハ29は、例えばXYθテーブル25(図4参照)上に配置され、このXYθテーブル25には突き上げピンを備えた突き上げ手段が配置される。すなわち、突き上げ手段によって、ピックアップしようとするチップ21を下方から突き上げ、粘着シートから剥離しやすくする。この状態で、下降してきた吸着コレット23にこのチップ21が吸着する。
すなわち、コレットをこのピックアップすべきチップ21の上方に位置させた後、矢印bのようにコレット23を下降させてこのチップ21をピックアップする。その後、矢印aのようにコレット23を上昇させる。
次に、コレットを矢印e方向へ移動させて、このアイランド部の上方に位置させた後、コレットを矢印dのように下降移動させて、このアイランド部にチップ21を供給する。また、アイランド部にチップ21を供給した後は、コレットを矢印cのように上昇させた後、矢印fのように、ピップアップ位置Pの上方の待機位置に戻す。
すなわち、コレット23を、順次、矢印b、a、e、d、c、fのように移動させることによって、ピックアップ位置Pでチップ21をコレット23でピックアップし、このチップ21をボンディング位置Qでチップ21に実装することになる。
ところで、ピックアップ位置Pにおいては、ピックアップすべきチップ21の位置確認(位置検出)を行い、ボンディング位置Qにおいても、ボンディングすべきリードフレームのアイランドの位置確認(位置検出)を行う必要がある。このため、一般には、ピックアップ位置Pの上方位置に配設された確認用カメラにてピックアップすべきチップ21を観察し、コレット23をこのピックアップすべきチップ21の上方に位置させ、また、ボンディング位置Qの上方位置に配設された確認用カメラにてリードフレームのアイランドを観察し、コレット23をこのアイランドの上方に位置させる。
このため、ダイボンダではピックアップ位置Pに位置決め装置が配置される。この位置決め装置には、本発明にかかる欠陥検出装置100が含まれる。すなわち、位置決め装置は、図1に示すような検査機構30を備える。検査機構30は、チップ21を観察するための撮像装置31と、チップ21を照明する照明手段32と、照明手段32から照射された光を反射するハーフミラー33と、チップ21からの反射光を、光軸方向において合焦位置からずれた(デフォーカスされた)非合焦位置から射出させるデフォーカス手段39とを備える。ここで、合焦位置は、レンズに平行光束を入れたときに光軸上で光線が交わる位置であり、非合焦位置とは、前記した合焦位置以外の位置であり、合焦位置からデフォーカスされた位置をいう。
観察光学系を構成する撮像装置31は、カメラ34とレンズ35とを有するものである。この場合のカメラ34としては、CCDやCMOSイメージセンサ等から構成できる。すなわち、照明波長の光を画像化できるものであればよい。このため、可視光、紫外、赤外に感度を持ったものを用いてもよい。また、レンズ35として、テレセントリックレンズやノンテレセントリックレンズ等で構成できる。撮像装置31は、制御手段43にて制御される。制御手段43は、欠陥検査を行う検査用プロセッサ44と、画像上のワークの位置を検出する(例えば画像マッチング)ための位置決め用プロセッサ45とを備えている。
照明手段32は、図1に示すように、光源36及びレンズ37を備えた明視野用照明器である。明視野照明とは、観察光学系31の主光線の延長方向から照明する(平行光)ことをいう。すなわち、一般的に明視野は、照明した光が反射もしくは透過した直接光を観察するもので、その場合の照明方法は、直接光照明法という。本実施形態であれば、ワーク表面(チップ21表面)の正常部分が明るく観察され、チップ21表面の大部分(正常部分)で反射された直接光を主に観察する。「観察光学系31の主光線の延長方向から照明する」とは、例えば特開2002−39956のように、発光手段からの射出光をレンズによって屈折させて平行に近い収束する向きの光とするとともに、このレンズで屈折させた光をハーフミラーによって反射させて、検査対象面の略全面に照射し、検査対象面で反射した光を、その光が収束する部位に設けた撮像手段に導く場合等を含む。
本実施形態では、照明手段側のNA(開口数)が、観察光学系側のNAよりも小さいものとしている。すなわち、ワーク(チップ21)の傾いた面での反射(透過)で、図6A及び図6Bに示すように光線が傾く。この場合、図6Bのように、照明手段側のNAが、観察光学系側のNAよりも大きい場合、主光線以外は観察光学系の絞りで遮られて結像しない。このため、デフォーカスしても像の位置が変化しない(拡大されない)。一方、図6Aのように、照明手段側のNAが、観察光学系側のNAよりも小さい場合、観察光学系の絞りで遮られることがなく、デフォーカスすると像の位置が変化する(拡大される)。このため、ワークが傾いている場合や、クラック角が小さい場合であっても像を拡大することが可能となる。
照明手段側のNA及び観察光学系側のNAの少なくとも一方を可変可能な可変手段(図示省略)を設けている。可変手段としては、例えば開口絞り機構とすることができ、この開口絞り機構は、撮像装置31及び照明手段32のいずれか一方、又は両方に設けられる。開口絞り機構は、ワークの傾き又はデフォーカス量に応じて、所定のNAとなるように制御される。例えば、本実施形態では、開口絞り機構を撮像装置31及び照明手段32に夫々設けられており、後述する演算部41においてデフォーカス量が決定されると、このデフォーカス量から、NA制御部47においてNAが演算により決定されて、開口絞り機構を制御する。
本実施形態のデフォーカス手段39は、撮像装置31の下方に設けられ、チップ21を載置するテーブル38と、このテーブル38を上下に往復動させる駆動手段(図示省略)にて構成される。駆動手段は、例えば、シリンダ機構、ボールねじ機構、リニアモーター機構等、公知公用の種々の機構(高精度であることが好ましい)にて構成することができる。これにより、チップ21は、図1の矢印のように上下動が可能なものとなって、撮像装置31に近接したり離間したりする。すなわち、デフォーカス手段39は、チップ21を上下動させて、チップ21を合焦位置に位置させたり、非合焦位置に位置させたりして、チップ21表面からの反射光を、光軸方向において合焦位置からずれた非合焦位置から射出させる、いわゆるデフォーカスを行う。
デフォーカス手段39(駆動手段)は、制御部40の制御に基づいて駆動される。制御部40は、例えば、CPU(Central Processing Unit)を中心としてROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等がバスを介して相互に接続されたマイクロコンピュータで構成できる。制御部40は演算部41を備えており、例えば後述する方法でユーザが所定のパラメータを設定するのみで、演算部41が自動的にデフォーカス量を決定する。
図1に示す欠陥検出装置は、例えば、ピックアップポジションPにて配置される。この場合、ワークがウェハ29となる。まず、ワークをピックアップテーブル101に載置して、多孔質材料102の気孔を介してワークを吸引して、ワークをピックアップテーブル101に吸着させる。また、撮像装置31の下方に別の明視野照明手段42を備え、この明視野照明手段42にてピックアップすべきチップ21の画像上の位置を検出し、位置決め用プロセッサ45にて画像マッチング処理等を行って、ワークの位置決めを行うことができる。その後、ワークの欠陥を検出する。
ところで、ワーク表面の欠陥50には、例えば、図7に示すような種々の形状のものがある。図7Aは一対の切断端面51,52の上端に傾斜面部S,Sが形成されたものであり、図7Bは一方の切断端面51の上端に傾斜面部Sが形成されたものである。また、図7Cは断面V字形状の溝53が形成されたものであり、一対の傾斜面部Sが形成されている。図7Dは断面直角三角形状とされた溝54が形成されたものであり、傾斜面部Sが形成されている。図7Eは谷折れ状にワークの被覆層12が切断されて、一対の切断端面51,52の上端に傾斜面部S,Sが形成されたものであり、図7Fは山折れ状にワークの被覆層12が切断されて、一方の切断端面51の上端に傾斜面部Sが形成されたものである。図7Gは谷折れ状にワークの被覆層12が折れ曲がったものであり、折れ曲り線を介して傾斜面部S、Sが形成されたものであり、図7Hは山折れ状にワークの被覆層12が折れ曲がったものであり、折れ曲り線を介して傾斜面部S、Sが形成されたものであり、図7Iは谷折れ状にワークの被覆層12が切断されて、切断端面51,52の上端から平坦に延びる傾斜面部S,Sが形成されたものであり、図7Jは山折れ状にワークの被覆層12が切断されて、切断端面51,52の上端から平坦に延びる傾斜面部S,Sが形成されたものである。なお、この発明では、図7に示すような被覆層12の欠陥50(割れ、折れ曲がり、及び切断等であって、いずれかの位置に傾斜面部Sを有するもの)をワーク(ウエハや個片体等)の欠陥として検出することになる。
前記本実施形態の欠陥検出装置100により、ワークに形成された欠陥50の観察画像上の欠陥画像を強調して観察することができる。強調とは、画像上の欠陥を、合焦位置からの反射光により形成された観察画像上の欠陥よりも拡大したり、観察画像上の欠陥と、その他の部分とのコントラストを大きくしたりすることである。すなわち、本発明における強調とは、拡大するか、コントラストを大きくするか、の少なくともいずれかが生じていることをいう。その理由について、例えば、図7I及び図8に示すような欠陥(谷折れ状で切断部を有するもの)を検出する場合について説明する。図8において、一方(図8の右側)の傾斜面部S1と他方(図8の左側)の傾斜面部S2との離間幅(クラック幅)をw、光軸に直交する線と一方の傾斜面部S1とのなす角(傾斜角)をθ1、光軸に直交する線と他方の傾斜面部S2とのなす角(傾斜角)をθ2、クラック角θをθ1+θ2とする。なお、図8において点線を照明光、実線を反射光とする。
図9に示すように、傾斜角θの傾斜を有するワーク表面(傾斜面部S)から平行光が発射されるとする。この場合、反射光L2の光線は照射光L1の光軸から2θ傾く。ワークが図10に示す合焦位置Fにある場合、フォーカス面と、照射光L1の主交線との交点を通り、かつ±NA(照明側開口数)の範囲に入る反射光は像IAを結ぶ。これにより、焦点の合っている像(物体面と合焦位置Fとが一致しているときの像)(図12参照)を得ることができる。
図10に示すように、ワークを合焦位置Fから下方の非合焦位置Fbに移動させてデフォーカスすることにより、反射光の発射位置が光軸上で移動(下方にずれる)し、観察側レンズから見ると、合焦位置F上の位置ずれ量だけ図面上の左側に移動した点Pから発射されたように見える。これにより、像面では、像IBが像IAに対して平行方向のずれとして観測される。この場合、像の位置ずれ量は、フォーカス移動量×tan(2θ)として算出することができる。なお、欠陥を検査する前に照明側開口数NAを小さくして、被写界深度(ぼけを許容できる範囲)を大きくすればよい。これにより、デフォーカスした場合でも像がぼけないようにできる。
このように、谷折れ状の場合、ワークを物体面(合焦位置F)から下方の非合焦位置Fbにデフォーカスすると、図11に示すように、反射光束Aと反射光束Bとの見かけ上の位置がずれて広がる。これにより、非合焦位置Fbを含む面における輝度断面は、反射光束Aと反射光束Bとの像の間隔が広がり、欠陥50は黒く(暗く)拡大する(太る)。つまり、物体面から下方にデフォーカスする程、図12E〜図12Gに示すように、画像上の欠陥は黒く拡大することになる。なお、図12Gは、物体面から最も離れた下方の非合焦位置における画像を示しており、欠陥50は最も拡大されている(太っている)。図12Eは、物体面に近い画像である。
また、谷折れ状の場合、ワークを物体面(合焦位置F)から上方の非合焦位置Faにデフォーカスすると、図11に示すように、反射光束Aと反射光束Bとの見かけ上の位置がずれて接近する。この場合、物体面から非合焦位置Fcまでは、反射光束Aと反射光束Bとが重ならないため、コントラストは大きくならず、画像上の欠陥は上方にデフォーカスする程小さくなる。そして、この非合焦位置Fcよりも上方にデフォーカスすると、反射光束Aと反射光束Bとが重なるため、画像上の欠陥は白く(明るく)なるとともに、重なり部分が拡大していくため、画像上の欠陥は上方にデフォーカスする程拡大されていく。非合焦位置Faを含む面における輝度断面は、反射光束Aと反射光束Bとが重なることから、画像上の欠陥は白くなってコントラストが大きくなり、クラック幅wの大きさとなる。そして、非合焦位置Faから上方にデフォーカスする程、図12A〜図12Dに示すように、画像上の欠陥は白く拡大することになる。なお、図12Aは、物体面から最も離れた上方の非合焦位置における画像を示しており、欠陥50は最も拡大されている(太っている)。図12Dは、非合焦位置Fcに近い画像である。
なお、図7Gのようにクラック幅wが存在しない欠陥である場合は、物体面から非合焦位置Fcの領域(コントラストが大きくならず、画像上の欠陥がwより小さくなる領域)が存在しないことになる。このため、物体面から下方にデフォーカスする程、画像上の欠陥は黒く拡大することになり、物体面から上方にデフォーカスする程、画像上の欠陥は白く拡大することになる。
図7Jに示すような欠陥(山折れ状で切断部を有するもの)の場合、ワークを物体面(合焦位置F)から下方の非合焦位置Fbにデフォーカスすると、図13に示すように、反射光束Aと反射光束Bとの見かけ上の位置がずれて接近する。この場合、物体面から非合焦位置Fcまでは、反射光束Aと反射光束Bとが重ならないため、コントラストは大きくならず、画像上の欠陥は下方にデフォーカスする程小さくなる。そして、この非合焦位置Fcよりも下方にデフォーカスすると、反射光束Aと反射光束Bとが重なるため、画像上の欠陥は明るくなるとともに、重なり部分が拡大していくため、画像上の欠陥は下方にデフォーカスする程拡大されていく。非合焦位置Fbを含む面における輝度断面は、反射光束Aと反射光束Bとが重なることから、画像上の欠陥は白くなってコントラストが大きくなり、クラック幅wの大きさとなる。そして、非合焦位置Fbから下方にデフォーカスする程、画像上の欠陥は白く拡大することになる。
また、山折れ状の場合、ワークを物体面(合焦位置F)から上方の非合焦位置Faにデフォーカスすると、図14に示すように、反射光束Aと反射光束Bとの見かけ上の位置がずれて広がる。これにより、非合焦位置Faを含む面における輝度断面は、反射光束Aと反射光束Bとの像の間隔が広がり、欠陥50は黒く拡大する(太る)。つまり、物体面から上方にデフォーカスする程、画像上の欠陥は黒く拡大することになる。
なお、図7Hのようにクラック幅wが存在しない欠陥である場合は、物体面から非合焦位置Fcの領域(コントラストが大きくならず、画像上の欠陥がwより小さくなる領域)が存在しないことになる。このため、物体面から上方にデフォーカスする程、画像上の欠陥は黒く拡大することになり、物体面から下方にデフォーカスする程、画像上の欠陥は白く拡大することになる。
このように、少なくとも2つの異なる位置から反射光が射出されることにより、観察画像上の欠陥を強調(拡大させるか、その他の部分とのコントラストを大きくするか、拡大及びコントラスト大の両方が生じるか)させて、欠陥検査を行うことができる。しかも、少なくとも1つの前記位置からの反射光に基づいて検査又は画像上のワークの位置を検出する位置決めを行うことができる。この場合、観察光学系における合焦位置から、100μm以上デフォーカスした位置で検査を行うのが好ましい。また、合焦位置Fを境界として、撮像装置31に近接する側(上方側)の非合焦位置Faと、撮像装置31から離間する側(下方側)の非合焦位置Fbとの夫々においてデフォーカスすることにより、夫々異なる色で欠陥50を検査することができる。
最小デフォーカス量zは、図11に示すように、欠陥が黒く(暗く)なる場合、数1、数2から、数3のように、光軸に直交する線Lと一方の面部とのなす角θ1、光軸に直交する線Lと他方の面部とのなす角θ2、クラック幅w、最小検出幅εminを用いて算出される。なお、Δx1とは一方の面部側の拡大量、Δx2とは他方の面部側の拡大量、ΔXdとは拡大した欠陥の寸法である。また、欠陥が白く(明るく)なる場合、数4、数5から、数6のように、θ1、θ2、w、εminを用いて算出される。なお、Δx1´(=Δx1)とは一方の面部側の拡大量、Δx2´(=Δx2)とは他方の面部側の拡大量、ΔXlとは拡大した欠陥の寸法である。
図15に、最小検出幅εmin=10μm、クラック幅w=0μmにおけるクラック角θと最小デフォーカス量zとの関係をグラフで示す。また、観察光学系の開口数をNAとして、−sin-1(NA)≦θ1≦sin-1(NA)、かつ、−sin-1(NA)≦θ2≦sin-1(NA)とするのが好ましい。ここで、εminは、例えば撮像装置の分解能の1/5程度とする。これは、クラックは通常、線状に連続して発生すること、画像処理でダイナミックレンジ(DR)の10%程度の輝度変動を安定して検出できるもの、デフォーカスにより、周囲の輝度をDRの中央値とした場合、暗側で0、明側でDRに変化し、輝度変動が中央値と等しい、及び、中央値×1/5=DR×10%の条件を満たす場合である。
制御部40には演算部41を備えており、所定のパラメータに基づいてデフォーカス量を演算する。例えば、演算部41が、前記数1に基づいてデフォーカス量を演算する場合、パラメータεmin、θ1、θ2、wが設定されると、演算部41が最小デフォーカス量zを数1に基づいて演算する。なお、ユーザがパラメータを設定する際、θ1とθ2とを独立して2つのパラメータを設定してもよいし、クラック角θ(θ1+θ2)として1つのパラメータを設定してもよい。1つのパラメータθとして設定する場合は、演算部41は、例えば、θ1=θ/2及びθ2=θ/2として演算したり、θ1=0及びθ2=θとして演算したり等、θをθ1とθ2とに分配して演算する。制御部40は、演算部41にて演算されたデフォーカス量に基づいて、デフォーカス手段39(駆動機構)の駆動を制御する。
ところで、ワークに照明光を照射すれば、図5A及び図5Bに示すように、被覆層12の表面において反射したり、被覆層12を透過したり、被覆層12に吸収されたり、被覆層12で散乱したりする。さらには、濃淡パターン(配線パターン)で反射したりする。
しかしながら、被覆層12の表面の欠陥50を検出するためには、被覆層12の表面からの反射光が撮像装置31に入光すればよい。このため、照明光としては、少なくとも濃淡層から反射し前記撮像装置31に入射する光よりも、前記被覆層12から反射又は散乱されて撮像装置に入射する光の強度が大きい波長であり、前記濃淡層11の濃淡パターンの影響を低くした光であるのが好ましい。ここで、濃淡パターンの影響を低くするとは、欠陥を観察する際のこれらの濃淡パターンを消す乃至薄く映って欠陥の観察を損なわない場合をいう。すなわち、この光以外の光を用いたときよりも濃淡パターンによって生じる輝度コントラストが低くなることである。
この場合、被覆層12における光の透過率に基づいて照明光の波長を設定できる。透過率は、光学および分光法において、特定の波長の入射光が試料を通過する割合であらわされ、図16に示すように、入射光の放射発散度をI0とし、試料(被膜層12)を通過した光の放射発散度をIとしたときに、透過率Tは、次の数7で表される。
濃淡パターンの影響を低くした光として、被覆層12における光の透過率は50%以下であればよい。具体的には、照明手段の照明光のうち観察される波長が、前記被覆層12がポリイミド樹脂であれば、450nm以下又は1000nm以上とするのが好ましい。
このため、照明光に前記したように、濃淡パターンの影響を低く(小さく)することができ、被覆層12から反射又は散乱された光を映し出すことができるので、安定して欠陥(クラック)50を検出することができる。
前記実施形態では、ピックアップポジションPでの欠陥の検出であったが、図1に示すような欠陥検出装置100をボンディングポジションQに配置することも可能である。このように、欠陥検出装置100をボンディングポジションQにおいて、チップ21の表面の欠陥50の検出を行うことができるとともに、リードフレームのアイランドの位置を観察する位置確認(位置決め)に用いることができる。
図2Aや図2B等に示すダイボンダは、半導体チップ21等のワークをピックアップポジションPからボンディングポジションQまで搬送するボンディング部を備えたものであるが、このようなボンディング工程において、ウェハ29からピックアップしたワークを一旦中間ステージに載置し、この中間ステージから再度ワークをピックアップし、ボンディングする場合もある。
このため、中間ステージ上に、図1に示す欠陥検出装置100を配置するようにできる。このように、欠陥検出装置100を中間ステージ101上に配置すれば、この中間ステージ上のワーク(半導体チップ21やダイ等)に対して、ワークに形成された欠陥50の観察画像上の欠陥画像を大きくして観察することができ、しかも、濃淡パターン(配線パターン)の影響を小さくでき、安定して欠陥(クラック)を検出することができる。この欠陥検出装置100を用いれば、この中間ステージにおいても位置決めを行うことができる。
欠陥検出装置100を配置した場所(ピックアップポジションP、中間ステージ上、又はボンディングポジションQ)に設けられるテーブルは、ワークの載置部が多孔質材料にて形成されたものであるのが好ましい。この場合、図17Aに示すように、半導体チップ21を下方から吸引し、さらに図17Bに示すように、コレット23にて半導体チップ21を上方から多孔質材料102に対して押さえる工程を備えることで、図17Cに示すように、半導体チップ21は、テーブルに対して全体的に均一に保持される。このため、ワークに反りがあっても、多孔質材料102とコレット23とで協同して反りを規制して平面状とすることができ、観察時に、反り部分が暗く観察されることを防止できる。
ところで、前記ダイボンダでは、ピックアップポジション、ボンディングポジション、中間ステージ上等で、欠陥検出を行うようにしていたが、ピックアップ前とピックアップ後の少なくもいずれか一方、すなわち、ピックアップ前とピックアップ後とのいずれか、又はピックアップ前とピックアップ後との両者において、欠陥検出を行うようにできる。
また、ボンディング前とボンディング後の少なくもいずれか一方、すなわち、ボンディング前とボンディング後とのいずれか、又はボンディング前とボンディング後との両者において、欠陥検出を行うようにできる。
さらには、中間ステージへのワーク供給前と中間ステージからのワーク排出後の少なくともいずれか一方、すなわち、中間ステージへのワーク供給前と中間ステージからのワーク排出後とのいずれか、又は中間ステージへのワーク供給前と中間ステージからのワーク排出後の両者において、欠陥検出を行うようにできる。また、ボンディング部以外でも欠陥検出を行うことができる。すなわち、ダイボンダ上の任意の位置に欠陥検出装置を配置し、ダイボンダ上の任意の位置で前記欠陥検出を行うことができる。
このように、図1に示す欠陥検出装置100において、検出された欠陥50が製品として不良か否かの判断手段を設けるようにしてもよい。すなわち、欠陥検出装置100にて行う欠陥検出方法において、検出された欠陥が製品として不良か否かの判断基準を予め設定し、この判断基準と観察画像上の欠陥画像を比較して、不良品か良品かの判断を行うようにする。
判断手段としては、撮像装置31を制御する制御部(図示省略)で構成できる。制御部は、例えば、CPU(Central Processing Unit)を中心としてROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等がバスを介して相互に接続されたマイクロコンピュータで構成できる。マイクロコンピュータには記憶装置が接続される。記憶装置には、前記判断手段の判断基準となる判断基準等が記憶される。記憶装置は、HDD(Hard Disc Drive)やDVD(Digital Versatile Disk)ドライブ、CD−R(Compact Disc-Recordable)ドライブ、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)等から構成できる。なお、ROMには、CPUが実行するプログラムやデータが格納されている。
このため、欠陥検出方法にて欠陥が検出されず又は検出された欠陥が前記判断手段にて良品と判断されたものを製品(例えば、ウェハ29、半導体チップ21、又はダイ)とすることができる。
このように、本発明では、非合焦位置Fa、Fbからの反射光により形成された観察画像上の欠陥50を、合焦位置Fからの反射光により形成された観察画像上の欠陥50よりも拡大して観察したり、既存の装置では見えなかった欠陥50を見えるようにできるので、安定して欠陥50を検出することができる。
照明手段32から照射される照明光は、少なくとも濃淡層11から反射し撮像装置31に入射する光よりも、被覆層12から反射又は散乱されて撮像装置31に入射する光の強度が大きい波長であり、濃淡層11の濃淡パターンの影響を低くした光とすれば、被覆層12から反射又は散乱された光を映し出すことができるので、安定して欠陥50を検出することができる。
前記ダイボンダによれば、ダイボンダの任意の位置で、ボンディングするワークにおける表面のクラック等の欠陥50を検出することができる。
また、欠陥検出方法にて検出された欠陥が製品として不良か否かの判断基準を予め設定して、不良品か良品かの判断を行うものであれば、ボンディング動作中等にワーク(半導体チップ等)の欠陥(クラック)50を検出し、不良品の出荷を防止できる。前記ダイボンダにおいて、位置決め検出が可能であり、安定した高精度のボンディング工程を行うことができる。
ところで、半導体製造方法には、図24に示すように、ウェハを切断して個片化するダイシング工程105と、ダイシング工程にて個片化されてなる半導体チップをボンディングする工程(ダイボンディング工程106)と、個片体である半導体チップを樹脂で封止するモールド封止工程(モール工程108)とを備える場合があり、さらには、図24では、ワイヤをボンディングするワイヤボンディング工程107等がある。
このため、このような工程を備えた半導体製造方法において、ボンディング動作中における前記欠陥検出方法を用いた検査工程を備えたものであってもよい。なお、半導体製造方法として、ダイシング工程105と検査工程とを備えたものであっても、検査工程とモールド封止工程108とを備えたものであっても、ダイシング工程105と検査工程とモールド封止工程108とを備えたものであってもよい。
また、ワークとして、前記欠陥検出方法にて欠陥が検出されず又は検出された欠陥が前記欠陥検出方法にて良品と判断された個片体で構成されている半導体装置であってもよい。
また、ワークとして、複数の個片体を集合させた個片体集合体であってもよい。個片体集合体として、上下に積層してなるものであっても、横方向に並設してなるものであっても、さらには積層したものと並設したものとの組み合わせであってもよい。このような個片体集合体からなる半導体装置を製造する場合、1個の個片体又は所定数の個片体の集合体からなる被対象物と、この被対象物に集合すべき他の個片体の少なくともいずれか一方を前記欠陥検出方法を用いて検査するように構成できる。すなわち、1個の個片体又は所定数の個片体の集合体からなる被対象物側のみを前記検査方法にて検査したり、対象物に集合すべき他の個片体側のみを前記検査方法にて検査したり、被対象物側及び他の個片体側の両者を検査したりできる。
また、ダイボンダ等において、いずれかの検出位置で、そのワークに欠陥が見つかれば、その検出位置でワークの搬送を停止し、警報音と警報ライトの点灯の少なくともいずれか一方にて作業者に通知するように設定できる。また、不良品排出機構を設け、ワークに欠陥が見つかれば、その検出位置から装置外にその不良品を排出するように設定できる。
本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、例えば、デフォーカス手段としては、実施形態ではワークのみを上下動させる機構であったが、撮像装置31のみを上下動させたり、ワーク及び撮像装置31を上下動させるものであってもよい。
また、デフォーカス手段として、光学系を変更するものであってもよい。その一例として、例えば図18に示すように、撮像装置31とワークとの間に、大気中とは異なる屈折率を有する物体(例えば厚板ガラス)46を挿入する構成とする。また、光学系の変更としては、合焦位置を変更できるレンズ及びミラー(可変焦点レンズ、可変焦点ミラー)、又は光学的な厚みを変更できるウィンドウを用いてもよい。
また、デフォーカス手段として、合焦位置の異なる複数の光学系及び受光素子を用いるものであってもよい。例えば図19に示すように、第1の撮像装置31a及び第2の撮像装置31bを備えるとともに、ハーフミラー45を配置して、第1の撮像装置31aが合焦位置よりも上方にデフォーカスする側とし、第2の撮像装置31bが合焦位置よりも下方にデフォーカスする側とする。
また、デフォーカス手段として、照明又は観察波長を変更するものであってもよい。例えば図20に示すように、照明手段32は、第1の光源36aと第2の光源36bとを有し、第1の光源36aからの光の波長と、第2の光源36bからの光の波長とを変更する。
さらには、デフォーカス手段を備えていなくてもよい。すなわち、予め、ワークを非合焦位置に配置することにより、ワークからの反射光を光軸方向において合焦位置からずれた非合焦位置から射出させることができる。
図21に示すように、照明手段32は、検査用光源50と、位置決め用光源51と、これらの光源を切替えて電気的に照明側のNAを切替えるNA切替部52と、ハーフミラー46とを備えたものであってもよい。
また、前記実施形態では、ワークに形成された欠陥に対する観察画像上の欠陥を大きくして観察でき、しかも、濃淡パターン(配線パターン)の影響を小さくするものであったが、欠陥検出装置として、ワークに形成された欠陥に対する観察画像上の欠陥を大きくできる構成のみであってもよい。
少なくとも非合焦位置を含む2つの異なる位置から検査するとき、欠陥が明るくなる場合の欠陥検出幅をΔXl、欠陥が暗くなる場合の欠陥検出幅をΔXd、相対する面部同士の相対角(クラック角)をθ=θ1+θ2とすると、θ2=0、θ1=θとして、数8から、欠陥検出幅ΔXl及びΔXdの検出によりθ及びwを検出する検出部(図示省略)を、例えば制御手段43に設けてもよい。これにより、傾斜面部の角度計測を行うことができる。
少なくとも非合焦位置を含む2つの異なる位置から検査するとき、欠陥が明暗の両方に変化した欠陥と、明暗の一方のみに変化した欠陥とを判別する判別手段(図示省略)を、例えば制御手段43に設けてもよい。すなわち、判別手段は、明暗の両方に変化したものは傾斜がある欠陥(クラック)、明暗のいずれか一方のみに変化したものは傾斜がない欠陥(異物等)と判別し、欠陥の分類(クラック、異物等)を行うことができる。これにより、例えば、明暗に変化した欠陥を有するワークのみを除く等とすることができ、歩留まりを向上させることができる。また、判別手段は、欠陥の大きさの変化(拡大したり縮小したりすること)に基づいて、どのような欠陥であるかを判別することもでき、また、欠陥の明暗の変化と大きさの変化との両方に基づいて、どのような欠陥であるのかを判別することもできる。
デフォーカス状態に応じて、撮像条件(露光時間や照明光量など)を適宜設定することができる。また、同一のデフォーカス状態においても、複数の撮像条件で複数の画像を撮影することができる。例えば、欠陥が黒色になると分かっているワークに対しては、周囲(正常部)の平均値を明るく設定すると、コントラストがつきやすくなる。
被覆層の膜厚としては、1μm〜100μmに限定されるものではなく、また、被覆層の材質としても、ポリイミド樹脂やシリコーン樹脂に限るものではない。すなわち、被覆層の材質や被覆層の膜厚に対応して、被覆層の表面を観察する際に、濃淡パターン(配線パターン)の影響を低くする照明光の選択が可能であればよい。
ところで、450nm以下又は1000nm以上の範囲以外の波長の光(可視光)の照明光を用いた暗視野で観察する際に、照明光は配線パターン層に到達した場合に、配線パターン層のパターンピッチが光の波長レベルであれば、回折が発生して、濃淡パターンが撮像装置(カメラ)に入射することになる。しかしながら、可視光以外を使用することで回折を起こす照明光を減衰させ配線パターン層に到達するようにするとともに、回折光自身も減衰させることができる。
ワークの載置部が多孔質材料にて形成されたテーブルとして、実施形態ではピックアップテーブルであったが、前記構成を有するテーブルはピックアップテーブルに限られず、中間ステージ等、他のテーブルであってもよい。すなわち、本発明の欠陥検出装置が配置される場所に応じて、それに対応する場所のテーブルを前記のような構成とするのが好ましい。
ワークの載置部が、ワークを静電気により引き付けて保持する静電チャック構造にて構成されていてもよい。すなわち、載置部は、誘電層の内部に電極を備えたものにて構成され、電極には制御電源に接続されて、電極に電荷を発生させて静電吸着力でワークを載置部に固定してもよい。この場合、まず、ワークをテーブルに載置して、ワークを静電気により引き付けてテーブルに保持させて、その後、前記した方法によりワークの欠陥を検出する。
テーブルのワークの載置部が、多孔質材料にて形成される場合や、静電チャック構造とする場合、ワークの反り方向は上に凸状となっていても、その反りを規制することができる。本発明の欠陥検出装置及び欠陥検出方法は、ダイボンダ以外の装置で、半導体製品又は半導体製品の一部であるワークの欠陥の検出が必要な装置に適用することが可能である。
P ピックアップポジション
Q ボンディングポジション
S 傾斜面部
θ1、θ2 傾斜角
w クラック幅
εmin 最小検出幅
11 濃淡層
12 被覆層
21 半導体チップ
29 ウェハ
30 検査機構
31 撮像装置
32 照明手段
39 デフォーカス手段
47 NA制御部
50 欠陥
52 NA切替部

Claims (21)

  1. 半導体製品又は半導体製品の一部であるワークにおいて少なくとも傾斜面部を有する欠陥を検出する欠陥検出装置であって、
    前記ワークに対して明視野照明光を照射する照明手段と、観察光学系を構成し、前記照明手段にて照射された前記ワークの観察部位を観察する撮像装置と、を有する検査機構を備え、
    前記検査機構は、光軸方向において合焦位置からデフォーカスされた非合焦位置から射出された前記ワークからの反射光を観察し、前記非合焦位置からの反射光により形成された観察画像上の欠陥を、合焦位置からの反射光により形成された観察画像上の欠陥よりも強調することを特徴とする欠陥検出装置。
  2. 合焦位置と非合焦位置との少なくとも非合焦位置を含む2つの異なる位置から反射光が射出されることを特徴とする請求項1に記載の欠陥検出装置。
  3. 前記検査機構は、前記合焦位置を境界として、前記撮像装置に近接する側の非合焦位置と、前記撮像装置から離間する側の非合焦位置との夫々から射出された反射光に基づいて検査することを特徴とする請求項2に記載の欠陥検出装置。
  4. 前記ワークを非合焦位置に配置することにより、ワークからの反射光を光軸方向において合焦位置からずれた非合焦位置から射出させることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の欠陥検出装置。
  5. 前記検査機構が、ワークからの反射光を光軸方向において合焦位置からずれた非合焦位置から射出させるデフォーカス手段を備え、前記デフォーカス手段は、ワークと光学系とを光軸方向に相対移動させるもの、光学系を変更するもの、合焦位置の異なる複数の光学系及び受光素子を用いるもの、照明又は観察波長を変更するもの、のいずれかであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の欠陥検出装置。
  6. 観察光学系における合焦位置から、100μm以上デフォーカスした位置で検査を行うことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の欠陥検出装置。
  7. デフォーカス量と離間幅とから、面部の傾斜角度及び欠陥幅を検出する検出部を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の欠陥検出装置。
  8. 前記ワークは多層構造からなり、検査対象の層から反射又は散乱されて撮像装置に入射する光の強度が、他層からの強度よりも大きい波長であることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の欠陥検出装置。
  9. 前記ワークは、半導体製造工程に由来する濃淡パターンのある濃淡層と、この濃淡層の濃淡パターンを覆う被覆層とを備え、前記照明手段から照射される照明光は、少なくとも濃淡層から反射し前記撮像装置に入射する光よりも、前記被覆層から反射又は散乱されて撮像装置に入射する光の強度が大きい波長であり、前記濃淡層の濃淡パターンの影響を低くした光であることを特徴とする請求項8に記載の欠陥検出装置。
  10. 前記被覆層は、有機物層であることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の欠陥検出装置。
  11. 前記照明手段の照明光のうち観察される波長が、450nm以下又は1000nm以上であることを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の欠陥検出装置。
  12. ワークが載置されるテーブルを有し、このテーブルのワークの載置部が、ワークを吸引により引き付けて保持する多孔質材料にて形成されたことを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載の欠陥検出装置。
  13. ワークが載置されるテーブルを有し、このテーブルのワークの載置部が、ワークを静電気により引き付けて保持する静電チャック構造にて構成されたことを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載の欠陥検出装置。
  14. 半導体製品又は半導体製品の一部であるワークにおいて少なくとも傾斜面部を有する欠陥を検出する欠陥検出方法であって、
    前記ワークに対して明視野照明光を照射し、ワークからの反射光を、光軸方向において合焦位置からデフォーカスされた非合焦位置から射出させて、前記非合焦位置からの反射光により形成された観察画像上の欠陥を、合焦位置からの反射光により形成された観察画像上の欠陥よりも強調することを特徴とする欠陥検出方法。
  15. 半導体製品又は半導体製品の一部であるワークにおいて少なくとも傾斜面部を有する欠陥を検出する欠陥検出方法であって、
    ワークを、多孔質材料にて形成されたワークの載置部を有するテーブルに載置して、
    前記多孔質材料の気孔を介してワークを吸引してテーブルに吸着させて、
    前記ワークに対して明視野照明光を照射し、ワークからの反射光を、光軸方向において合焦位置からデフォーカスされた非合焦位置から射出させて、前記非合焦位置からの反射光により形成された観察画像上の欠陥を、合焦位置からの反射光により形成された観察画像上の欠陥よりも強調することを特徴とする欠陥検出方法。
  16. 半導体製品又は半導体製品の一部であるワークにおいて少なくとも傾斜面部を有する欠陥を検出する欠陥検出方法であって、
    ワークを、静電チャック構造にて構成されたワークの載置部を有するテーブルに載置して、
    ワークを静電気により引き付けてテーブルに保持させて、
    前記ワークに対して明視野照明光を照射し、ワークからの反射光を、光軸方向において合焦位置からデフォーカスされた非合焦位置から射出させて、前記非合焦位置からの反射光により形成された観察画像上の欠陥を、合焦位置からの反射光により形成された観察画像上の欠陥よりも強調することを特徴とする欠陥検出方法。
  17. 請求項14〜請求項16のいずれか1項に記載の欠陥検出方法にて欠陥が検出されず又は検出された欠陥が請求項14〜請求項16のいずれかに記載の欠陥検出方法にて良品と判断されていることを特徴とするウェハ。
  18. 請求項14〜請求項16のいずれか1項に記載の欠陥検出方法にて欠陥が検出されず又は検出された欠陥が請求項14〜請求項16のいずれかに記載の欠陥検出方法にて良品と判断されていることを特徴とする半導体チップ。
  19. ピックアップポジションにてワークとしての個片体をピックアップし、このピックアップした個片体をボンディングポジョンに搬送して、そのボンディングポジションにてワークをボンディングするボンディング部を備えたダイボンダであって、前記請求項1〜請求項13のいずれか1項に記載の欠陥検出装置を配置したことを特徴とするダイボンダ。
  20. 前記請求項14〜請求項16のいずれか1項に記載の欠陥検出方法を用いた検査工程を備え、さらに、ウェハを切断して個片化するダイシング工程と、個片化されてなる半導体チップを樹脂で封止するモールド封止工程の少なくともいずれか一方の工程を備えたことを特徴とする半導体製造方法。
  21. 複数の個片体からなる個片体集合体を備えた半導体装置を製造する半導体装置製造方法であって、
    1個の個片体又は所定数の個片体の集合体からなる被対象物と、この被対象物に集合すべき他の個片体の少なくともいずれか一方を前記請求項14〜請求項16のいずれか1項に記載の欠陥検出方法を用いて検査することを特徴とする半導体装置製造方法。
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