以下、本開示を実施するための形態(以下実施の形態とする)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.GNSS信号に基づく送受信制御
2.第1の実施の形態(送信装置・時刻制御)
3.第2の実施の形態(高感度受信装置・時刻制御)
4.第3の実施の形態(送信装置・周波数制御)
5.第4の実施の形態(高感度受信装置・周波数制御)
6.その他
<1.GNSS信号に基づく送受信制御>
<位置通知システム>
図1は、本技術を適用した信号送受信システムの一実施の形態である位置通知システムの主な構成例を示す図である。図1に示される位置通知システム100は、送信装置101が自身の位置を通知するシステムである。このシステムは、例えば、対象の位置の監視や管理に利用される。図1に示されるように位置通知システム100は、送信装置101、高感度受信装置102、サーバ104、端末装置105等のデバイスを有する。送信装置101、高感度受信装置102、サーバ104、および端末装置105の数は任意であり、それぞれ、複数であってもよい。
送信装置101は、本技術を適用した送信装置の一実施の形態であり、例えば自身を識別する識別情報や自身の位置を示す位置情報等を、無線信号として送信する。高感度受信装置102は、本技術を適用した受信装置の一実施の形態であり、その無線信号を受信して送信装置101の識別情報や位置情報等を取得し、それらを、ネットワーク103を介してサーバ104に供給する。つまり、高感度受信装置102は、送信装置101から送信された情報を中継してサーバ104に伝送する中継局として機能する。サーバ104は、識別情報に位置情報を紐づけして管理することにより、各送信装置101の位置を管理する。送信装置101の位置を知りたいユーザに操作される端末装置105は、ネットワーク103を介してサーバ104にアクセスし、所望の送信装置101の識別情報を供給してその位置情報を要求する。サーバ104は、要求された識別情報に対応する位置情報を端末装置105に供給する。端末装置105は、その位置情報を取得し、例えば地図データ等とともに表示する等して、ユーザに送信装置101の位置を通知する。
このような送信装置101を、位置を監視(管理)したい対象により携帯(所持や装着等を含む)させることにより、サーバ104は、間接的にその位置監視(管理)対象の位置を管理することができる。図1の例では、ユーザが高齢者111を位置監視の対象としており、その高齢者111に送信装置101を携帯させている。上述のように、送信装置101の位置はサーバ104により管理され、端末装置105に提供される。したがって、ユーザは、端末装置105を操作して、その送信装置101を携帯している高齢者111の位置を把握することができる。
なお、位置監視の対象は、任意である。例えば、子供であってもよいし、犬や猫等の動物であってもよいし、企業の社員等であってもよい。送信装置101は、専用の装置として構成されるようにしてもよいが、例えば、携帯電話機やスマートフォンのような携帯型の情報処理装置に組み込むようにしてもよい。
送信装置101の位置情報は、送信装置101の位置を示すものであればどのような情報であってもよく、どのように生成されるようにしてもよい。例えば、送信装置101が、GNSS(Global Navigation Satellite System)衛星からGNSS信号を受信し、そのGNSS信号に基づいて自身の位置情報(例えば、緯度および経度)を求めるようにしてもよい。また、例えば、送信装置101がGNSS以外の専用の位置特定システムを用いて自身の位置を特定するようにしてもよい。さらに、この位置情報は、例えば高感度受信装置102、サーバ104、または別途設けられた専用の情報処理装置(サーバ等)等のような、送信装置101以外において生成されるようにしてもよい。
例えば、送信装置101が受信したGNSS信号を他の装置に供給し、他の装置がそのGNSS信号から送信装置101の位置情報を求めるようにしてもよい。また、例えば、送信装置101がGNSS以外の専用の位置特定システムを用いて得られた情報を他の装置に供給し、他の装置がその情報に基づいて送信装置101の位置情報を求めるようにしてもよい。また、例えば、他の装置が、送信装置101と高感度受信装置102との通信状況に基づいて送信装置101の位置情報を求めるようにしてもよい。例えば、送信装置101からの信号を受信した高感度受信装置102を特定することにより、送信装置101がその高感度受信装置102の通信可能範囲内に位置することを特定するようにしてもよい。さらに、その高感度受信装置102が受信した受信信号の信号強度や遅延時間等に基づいて、送信装置101のさらに詳細な位置情報を求めるようにしてもよい。また、例えば、送信装置101からの信号を受信した複数の高感度受信装置102の位置情報を用いて三角法等により送信装置101の位置情報を求めるようにしてもよい。
高感度受信装置102の設置位置は任意である。例えば、ビル、マンション、家屋等の建造物112の屋根や屋上等でもよい。建造物112は、送信装置101を携帯する位置監視対象(例えば高齢者111)が活動する可能性が高い都市部に数も多く、また、設置も容易であるので、好適である。特に、位置監視対象が人の場合、その位置監視対象の自宅は、その周辺に位置監視対象が位置する可能性がより高く、好適である。また、設置場所の確保という面についても、この位置通知サービス提供事業者が独自に場所を確保して高感度受信装置102を設置する場合よりも、同意を得やすく容易である。
なお、高感度受信装置102の設置場所は、この他にも例えば、自動車、バイク、自転車等の移動可能な物体(移動体とも称する)に設置するようにしてもよい。つまり、高感度受信装置102の位置が可変であってもよい。
ネットワーク103は、任意の通信網であり、有線通信の通信網であってもよいし、無線通信の通信網であってもよいし、それらの両方により構成されるようにしてもよい。また、ネットワーク103が、1の通信網により構成されるようにしてもよいし、複数の通信網により構成されるようにしてもよい。例えば、インターネット、公衆電話回線網、所謂3G回線や4G回線等の無線移動体用の広域通信網、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)規格に準拠した通信を行う無線通信網、NFC(Near Field Communication)等の近距離無線通信の通信路、赤外線通信の通信路、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)やUSB(Universal Serial Bus)等の規格に準拠した有線通信の通信網等、任意の通信規格の通信網や通信路がネットワーク103に含まれるようにしてもよい。
サーバ104や端末装置105は、情報を処理する情報処理装置である。サーバ104や端末装置105は、ネットワーク103に通信可能に接続されており、このネットワーク103を介してネットワーク103に接続される他の通信装置と通信を行い、情報を授受することができる。
サーバ104は、各送信装置101の位置を管理する。また、サーバ104は、送信装置101の位置情報の提供を許可するユーザも管理することができる。例えば、サーバ104は、各送信装置101の位置情報を、その送信装置101の位置情報の取得が許可されたユーザに対してのみ提供するようにすることができる。
上述のように、送信装置101から提供される情報が高感度受信装置102により中継されてサーバ104に供給されることにより、サーバ104は、送信装置101の位置を管理する。つまり、送信装置101が、いずれかの高感度受信装置102の通信可能範囲内に位置する状態において、サーバ104は、その送信装置101の位置を管理することができる。換言するに、送信装置101の位置が、いずれの高感度受信装置102の通信可能範囲からも外れると、サーバ104は、その位置を管理することができなくなる。したがって、高感度受信装置102の送信装置101との通信可能範囲網がより広範囲になる程、サーバ104は、送信装置101の位置をより正確に管理することができる。
ここで、より正確な管理とは、より広範囲において送信装置101の位置を管理する(つまり、送信装置101の位置の管理が不可能な領域を少なくする)ことを意味する。送信装置101の位置を管理可能な範囲をより広範囲とするためには、送信装置101と高感度受信装置102とがより遠くまで無線信号を送受信することができる程(各高感度受信装置102の通信可能範囲がより広い程)好ましい。送信装置101と高感度受信装置102との間の無線信号の送受信の方法は任意であり、どのような通信規格に準拠するようにしてもよいが、例えば、925MHzを含む周波数帯(920MHz帯とも称する)を用いて、長距離の通信が可能な方法で行われるようにしてもよい。
例えば、送信装置101が無線信号を送信する時刻や周波数が既知(高感度受信装置102が知っている)であれば、高感度受信装置102は、その既知の時刻および周波数において無線信号の検出を行えば良いので、検出がより容易になる。したがって、受信感度を向上させることができる。つまり、高感度受信装置102の通信可能範囲をより拡大させることができる。なお、このような時刻や周波数の制御の精度が低減すると検出がより困難になり、受信感度が低減するおそれがある。換言するに、時刻や周波数の制御精度を向上させることにより、受信感度を向上させることができる。
また、このような位置通知システム100においては、図2に示されるように、1台の高感度受信装置102が複数の送信装置101(送信装置101−1乃至送信装置101−N)からの無線信号を受信する場合が考えられる。このような場合、高感度受信装置102が、各送信装置101からの無線信号を識別して受信することができるように、各無線信号を互いに混信しないように多重化する必要がある。従来の信号の多重化方法として、例えば特許文献1に記載のように、周波数分割多重化(FDM(Frequency Division Multiplexing))、時分割多重化(TDM(Time Division Multiplexing))、スペクトル拡散等があった。また、送信信号の変調方式として、例えば特許文献2に記載のように、位相変調信号をチャープ変調する方法が考えられた。
一般的には、通信可能範囲が拡大するほど、図2のような送信装置101の数(N)が増大するので、より多くの信号の多重化が求められる。ただし、通信品質を低減させないようにするためには、信号の多重化を各信号が混ざらないように行う必要がある。つまりより多くの信号を多重化するためには、信号同士が混ざらないように時刻や周波数の制御をより正確(より細かく)行わなければならない。換言するに、時刻や周波数の制御精度を向上させることにより、より多くの信号を多重化させることができる。
<時刻制御>
例えば、図1に示されるような位置通知システム100において時分割多重化を行う場合、時刻制御に約10μ秒程度の精度が求められるとする。しかしながら、送信装置101や高感度受信装置102に一般的に内蔵される発振器でこのような精度を実現することは困難であった。そこで、GNSS(Global Navigation Satellite System)信号を用いて時刻制御を行うことが考えられた。
GNSS(全地球航法衛星システム)は、複数の航法衛星が航法信号を地上の不特定多数に向けて電波送信し、それを受信する受信機を用いて自己の位置や進路を知るシステムである。GNSS信号は、その航法衛星が送信する航法信号である。
例えば、このGNSSにおいて、図3のAに示されるように、地球120上の受信機が4基の航法衛星(航法衛星121乃至航法衛星124)からのGNSS信号を受信し、それらを基に測位を行うとする。ここで、航法衛星121の位置を(X1,Y1,Z1)とし、その衛星時刻をT1とする。また航法衛星122の位置を(X2,Y2,Z2)とし、その衛星時刻をT2とする。さらに航法衛星123の位置を(X3,Y3,Z3)とし、その衛星時刻をT3とする。さらに航法衛星124の位置を(X4,Y4,Z4)とし、その衛星時刻をT4とする。そして、受信機の位置を(Xu,Yu,Zu)とし、その受信機時刻をTuとする。
受信機は、GNSS信号の拡散コード(C/Aコード)の同期情報から自身の位置を算出する。例えば、受信機において、航法衛星121のGNSS信号S1、航法衛星122のGNSS信号S2、航法衛星123のGNSS信号S3、航法衛星124のGNSS信号S4は、図3のBのような時刻に受信されるとする。この場合、各GNSS信号の受信時刻の関係は、時刻T1,T2,T3,T4,Tuにより表現することができ、例えば光速をCとすると、以下の式(1)乃至式(4)のような連立方程式が成り立つ。
{(X1-Xu)2+(Y1-Yu)2+(Z1-Zu)2}1/2 = C・(Tu-T1) ・・・(1)
{(X2-Xu)2+(Y2-Yu)2+(Z2-Zu)2}1/2 = C・(Tu-T2) ・・・(2)
{(X3-Xu)2+(Y3-Yu)2+(Z3-Zu)2}1/2 = C・(Tu-T3) ・・・(3)
{(X4-Xu)2+(Y4-Yu)2+(Z4-Zu)2}1/2 = C・(Tu-T4) ・・・(4)
以上のような連立方程式を解くことにより、受信機の位置(Xu,Yu,Zu)と受信機時刻Tuを求めることができる。つまり、4基以上の航法衛星からGNSS信号を十分な品質で受信する事ができれば、受信機の位置や受信機時刻を求めることができる。
このような航法衛星は、高精度なセシウムの発振器を有しており、受信機等に通常内蔵される発振器よりも正確な時刻情報を得ることができる。したがって、一般的に、受信機において上述のようにGNSS信号に基づいて得られる時刻情報(受信機時刻)は、受信機に内蔵される発振器を用いて得られる時刻情報よりも正確である。
また、GNSS信号から得られる情報には、「うるう秒」を補正するための事前情報が含まれている。受信機は、この情報を基に「うるう秒」を挿入することで、より正しい時刻情報を得ることができる。
したがって、位置通知システム100において送信装置101や高感度受信装置102が、このようなGNSS信号から得られる時刻情報を用いることにより、信号送受信の際の時刻制御の精度を向上させることができる。つまり、より高品質な通信を実現することができる。
ただし、GNSS信号の受信は常に良好であるとは限らない。受信したGNSS信号の品質が十分でなく観測した各航法衛星の座標や時刻に誤差が含まれる場合、受信機の位置(Xu,Yu,Zu)と受信機時刻Tuの精度も低減する。また、受信できたGNSS信号が不足する場合、つまり、受信機が十分な品質で受信する事ができたGNSS信号の数が3以下の場合、受信機は、補間式を用いて受信機の位置や受信機時刻を求める。そのため、得られた受信機の位置や受信機時刻の精度が低減するおそれがあった。その結果、時刻制御の精度が低減するおそれがあった。時刻制御の精度が低減すると、時分割多重化において各信号が混ざったり、信号の送受信の時刻の誤差増大により受信感度が低減したりして、通信品質が低減するおそれがあった。
そこで、GNSS信号または発振器の発振周波数に基づいて、送信信号の送信を制御するための情報を設定し、その設定された情報に基づいて送信信号の送信制御を行い、その送信制御に従って送信信号を送信するようにする。このようにすることにより、時刻制御の精度の低減を抑制し、通信品質の低減を抑制することができる。
<2.第1の実施の形態>
<送信装置の時刻制御>
図4は、送信装置101の主な構成例を示すブロック図である。図4に示されるように、送信装置101は、基準値設定部211、GNSS受信部212、補正判断部213、発振器214、時計カウンタ215、時計部216、送信スケジュール制御部217、送信制御部218、発振部219、および送信部220を有する。
基準値設定部211は、送信時刻の制御についての判断に関する基準値の設定に関する処理を行う。基準値設定部211は、任意の構成により実現することができる。例えば、基準値設定部211が、回路、LSI(Large Scale Integration)、システムLSI、プロセッサ、モジュール、ユニット、セット、デバイス、装置、またはシステム等により構成されるようにしてもよい。また、それらを複数組み合わせるようにしてもよい。その際、例えば、複数の回路、複数のプロセッサ等のように同じ種類の構成を組み合わせるようにしてもよいし、回路とLSI等のように異なる種類の構成を組み合わせるようにしてもよい。例えば、基準値設定部211が、CPUとメモリを有し、CPU(Central Processing Unit)がメモリを用いてプログラムを実行することにより、上述の処理を行うようにしてもよい。
GNSS受信部212は、GNSS信号の受信に関する処理を行う。GNSS受信部212は、任意の構成により実現することができる。例えば、GNSS受信部212が、回路、LSI、システムLSI、プロセッサ、モジュール、ユニット、セット、デバイス、装置、またはシステム等により構成されるようにしてもよい。また、それらを複数組み合わせるようにしてもよい。その際、例えば、複数の回路、複数のプロセッサ等のように同じ種類の構成を組み合わせるようにしてもよいし、回路とLSI等のように異なる種類の構成を組み合わせるようにしてもよい。例えば、GNSS受信部212が、アンテナ、受信回路、信号処理回路等により構成されるようにしてもよい。
補正判断部213は、送信時刻の制御についての判断に関する処理を行う。補正判断部213は、任意の構成により実現することができる。例えば、補正判断部213が、回路、LSI、システムLSI、プロセッサ、モジュール、ユニット、セット、デバイス、装置、またはシステム等により構成されるようにしてもよい。また、それらを複数組み合わせるようにしてもよい。その際、例えば、複数の回路、複数のプロセッサ等のように同じ種類の構成を組み合わせるようにしてもよいし、回路とLSI等のように異なる種類の構成を組み合わせるようにしてもよい。例えば、補正判断部213が、CPUとメモリを有し、CPUがメモリを用いてプログラムを実行することにより、上述の処理を行うようにしてもよい。
発振器214は、所定の発振周波数で発振し、その発振周波数の信号を生成する。発振器214は、任意の構成により実現することができる。例えば、発振器214が、回路、LSI、システムLSI、プロセッサ、モジュール、ユニット、セット、デバイス、装置、またはシステム等により構成されるようにしてもよい。また、それらを複数組み合わせるようにしてもよい。その際、例えば、複数の回路、複数のプロセッサ等のように同じ種類の構成を組み合わせるようにしてもよいし、回路とLSI等のように異なる種類の構成を組み合わせるようにしてもよい。例えば、発振器214が、発振回路等により構成されるようにしてもよい。なお、この発振器214の発振方法は任意である。
時計カウンタ215は、発振器214により生成された信号に基づく時刻の生成に関する処理を行う。時計カウンタ215は、任意の構成により実現することができる。例えば、時計カウンタ215が、回路、LSI、システムLSI、プロセッサ、モジュール、ユニット、セット、デバイス、装置、またはシステム等により構成されるようにしてもよい。また、それらを複数組み合わせるようにしてもよい。その際、例えば、複数の回路、複数のプロセッサ等のように同じ種類の構成を組み合わせるようにしてもよいし、回路とLSI等のように異なる種類の構成を組み合わせるようにしてもよい。例えば、時計カウンタ215が、CPUとメモリを有し、CPUがメモリを用いてプログラムを実行することにより、上述の処理を行うようにしてもよい。
時計部216は、送信タイミングの制御に用いられる時刻情報の生成に関する処理を行う。時計部216は、任意の構成により実現することができる。例えば、時計部216が、回路、LSI、システムLSI、プロセッサ、モジュール、ユニット、セット、デバイス、装置、またはシステム等により構成されるようにしてもよい。また、それらを複数組み合わせるようにしてもよい。その際、例えば、複数の回路、複数のプロセッサ等のように同じ種類の構成を組み合わせるようにしてもよいし、回路とLSI等のように異なる種類の構成を組み合わせるようにしてもよい。例えば、時計部216が、CPUとメモリを有し、CPUがメモリを用いてプログラムを実行することにより、上述の処理を行うようにしてもよい。
送信スケジュール制御部217は、送信スケジュールの制御に関する処理を行う。送信スケジュール制御部217は、任意の構成により実現することができる。例えば、送信スケジュール制御部217が、回路、LSI、システムLSI、プロセッサ、モジュール、ユニット、セット、デバイス、装置、またはシステム等により構成されるようにしてもよい。また、それらを複数組み合わせるようにしてもよい。その際、例えば、複数の回路、複数のプロセッサ等のように同じ種類の構成を組み合わせるようにしてもよいし、回路とLSI等のように異なる種類の構成を組み合わせるようにしてもよい。例えば、送信スケジュール制御部217が、CPUとメモリを有し、CPUがメモリを用いてプログラムを実行することにより、上述の処理を行うようにしてもよい。
送信制御部218は、送信の制御に関する処理を行う。送信制御部218は、任意の構成により実現することができる。例えば、送信制御部218が、回路、LSI、システムLSI、プロセッサ、モジュール、ユニット、セット、デバイス、装置、またはシステム等により構成されるようにしてもよい。また、それらを複数組み合わせるようにしてもよい。その際、例えば、複数の回路、複数のプロセッサ等のように同じ種類の構成を組み合わせるようにしてもよいし、回路とLSI等のように異なる種類の構成を組み合わせるようにしてもよい。例えば、送信制御部218が、CPUとメモリを有し、CPUがメモリを用いてプログラムを実行することにより、上述の処理を行うようにしてもよい。
発振部219は、送信周波数の設定に関する処理を行う。発振部219は、任意の構成により実現することができる。例えば、発振部219が、回路、LSI、システムLSI、プロセッサ、モジュール、ユニット、セット、デバイス、装置、またはシステム等により構成されるようにしてもよい。また、それらを複数組み合わせるようにしてもよい。その際、例えば、複数の回路、複数のプロセッサ等のように同じ種類の構成を組み合わせるようにしてもよいし、回路とLSI等のように異なる種類の構成を組み合わせるようにしてもよい。例えば、発振部219が、発振回路等により構成されるようにしてもよい。なお、この発振部219の発振方法は任意である。
送信部220は、送信に関する処理を行う。送信部220は、任意の構成により実現することができる。例えば、送信部220が、回路、LSI、システムLSI、プロセッサ、モジュール、ユニット、セット、デバイス、装置、またはシステム等により構成されるようにしてもよい。また、それらを複数組み合わせるようにしてもよい。その際、例えば、複数の回路、複数のプロセッサ等のように同じ種類の構成を組み合わせるようにしてもよいし、回路とLSI等のように異なる種類の構成を組み合わせるようにしてもよい。例えば、送信部220が、信号処理回路、送信回路、アンテナ等により構成されるようにしてもよい。
このような構成の送信装置101において、時計部216は、GNSS受信部212により受信されたGNSS信号、または、発振器214の発振周波数(発振器214により生成される信号の周波数)に基づいて、送信信号の送信を制御するための情報である時刻情報を設定する。送信制御部218(および送信スケジュール制御部217)は、その時刻情報に基づいて、送信信号の送信を制御する。送信部220は、その制御に従って、すなわち、時刻情報により指定される送信時刻において送信信号を送信する。
GNSS受信部212が受信したGNSS信号が高品質の場合、そのGNSS信号に基づいて得られる時刻情報は、発振器214の発振周波数に基づいて得られる時刻情報よりも正確である。しかしながら、GNSS受信部212が受信したGNSS信号が低品質の場合、そのGNSS信号に基づいて得られる時刻情報は、発振器214の発振周波数に基づいて得られる時刻情報よりも正確でないことがありうる。したがって、上述のように、GNSS信号と発振器214の発振周波数の両方を適宜利用して時刻情報を設定するようにすることにより、GNSS信号の受信品質が十分でない場合も、時刻制御の精度の低減を抑制することができる。つまり、より正確に所望のタイミング(送信時刻)において送信信号を送信することができる。
なお、この送信時刻は、受信側にとって既知のタイミングである。つまり、このようにすることにより、送信装置101は、送信時刻が、その受信側にとって既知のタイミングからずれることを抑制することができる。つまり、送信装置101は、高感度受信装置102が受信時刻(信号を受信するタイミング)を、より正確に、送信信号の送信時刻に対応するタイミング(すなわち、送信信号を受信するのに好適なタイミング)に合わせることができるようにすることができる。
また、時分割多重化においても、送信装置101は、以上のようにすることにより、GNSS信号の受信品質が十分でない場合も時刻制御の精度の低減を抑制し、信号同士が混ざらないようにしながらより多くの信号を多重化することができる。
したがって、送信装置101は、GNSS信号の受信品質が十分でない場合も、高感度受信装置102の受信感度の低減を抑制することができ、通信品質の低減を抑制することができる。
時計部216は、GNSS信号の受信状況に応じてGNSS信号または発振周波数を選択し、選択した方を用いて時刻情報を設定することができる。したがって、GNSS信号の受信品質が十分でない場合も、制御の精度の低減を抑制することができるので、通信品質の低減を抑制することができる。
時計部216は、受信されたGNSS信号が所定の基準値より高品質である場合、そのGNSS信号を用いて時刻情報を設定し、受信されたGNSS信号がその基準値より低品質である場合、発振周波数を用いて時刻情報を設定することができる。より具体的には、時計部216は、受信されたGNSS信号が所定の基準値より高品質である場合、そのGNSS信号から得られる時刻を時刻情報として設定し、受信されたGNSS信号がその基準値より低品質である場合、時計カウンタ215において発振周波数に同期したタイミングでカウントして得られる時刻を時刻情報として設定することができる。したがって、GNSS信号の受信品質が十分でない場合も、制御の精度の低減を抑制することができるので、通信品質の低減を抑制することができる。
送信制御部218(および送信スケジュール制御部217)は、送信部220を制御して、時計部216により設定された時刻情報に基づいて、送信信号を、予め定められた受信側に既知の送信タイミングにおいて送信させることができる。したがって、より正確な送信時刻において送信信号を送信することができるので、通信品質の低減を抑制することができる。また、送信制御部218は、送信信号を時分割多重化する場合も、時計部216により設定された時刻情報を用いることにより、各信号の送信タイミングをより正確なタイミングで送信することができるので、信号同士が混ざらないようにしながらより多くの信号を多重化することができ、通信品質の低減を抑制することができる。
ところで、発振器214は、発振周波数で発振し、その周波数の信号を生成する。発振器214は、その信号を時計カウンタ215に供給する。時計カウンタ215は、その発振器214から供給される信号の周波数(つまり発振周波数)に同期したタイミングでカウントを行い、発振周波数に基づく時刻(発振器生成時刻とも称する)を設定する。時計カウンタ215は、その発振器生成時刻を時計部216に供給する。時計部216は上述のようにその発振器生成時刻を利用して時刻情報を設定することができる。
このような時計カウンタ215は、受信されたGNSS信号が所定の基準値より高品質である場合、補正判断部213においてそのGNSS信号から得られる時刻を用いて、発振器214により与えられる発振周波数に同期したタイミングでカウントして得られる時刻を補正することができる。これにより、発振周波数に基づく時刻をより正確にすることができるので、GNSS信号の受信品質が十分でない場合も、より正確な時刻情報を設定することができ、通信品質の低減を抑制することができる。
GNSS受信部212は、例えば、GNSS信号を受信する。時計部216は、そのGNSS受信部212において受信されたGNSS信号または発振周波数に基づいて時刻情報を設定することができる。また、補正判断部213は、例えば、GNSS受信部212において受信されたGNSS信号の品質が十分に高品質であるか否かを、基準値設定部211により設定された基準値に基づいて判断する。そして、そのGNSS信号が十分に高品質であると判断した場合、補正判断部213は、例えば、GNSS受信部212において受信されたGNSS信号に基づいて時刻(補正込み時刻)を設定する。補正判断部213は、このGNSS信号に基づく時刻を時計カウンタ215および時計部216に供給する。時計部216は、上述のように、このGNSS信号に基づく時刻から時刻情報を生成することができる。また、時計カウンタ215は、上述のように、このGNSS信号に基づく時刻を用いて発振周波数に基づく時刻を補正することができる。
<送信処理の流れ>
図5のフローチャートを参照して、送信装置101により実行される送信処理の流れの例を説明する。送信処理が開始されると、基準値設定部211は、ステップS101において、補正判断部213による判断において閾値として利用される補正適用判断基準値を設定する。この基準値の設定方法は任意である。例えば、予め定められた値が設定されるようにしてもよいし、ユーザ等により指定されるようにしてもよいし、例えば外部環境や内部環境等に応じて設定されるようにしてもよい。基準値設定部211は、設定した補正適用判断基準値を補正判断部213に供給する。
ステップS102において、GNSS受信部212は、GNSS信号を受信する。このGNSS信号には、そのGNSS信号を送信した航法衛星の時刻情報や位置情報等、様々な情報が含まれる。GNSS受信部212は、受信したGNSS信号に含まれるそれらの情報を受信情報として補正判断部213に供給する。ステップS103において、補正判断部213は、その受信情報の品質を判断する。補正判断部213は、GNSS信号を受信できた衛星数、各衛星のCNR(Carrier to Noise ratio)、ドップラ周波数、高度、うるう秒等の情報に基づいて、受信情報の品質を判断(評価)する。そして、ステップS104において、補正判断部213は、基準値設定部211により設定された補正適用判断基準値を閾値として、受信情報の品質が高品質であるか否かを判定する。受信情報の品質が、補正適用判断基準値を超えており、十分に高品質であると判定された場合、処理はステップS105に進む。
ステップS105において、補正判断部213は、受信情報を用いてGNSS信号に基づく時刻(補正込み時刻)を設定し、その補正込み時刻を時計カウンタ215および時計部216に供給する。この補正込み時刻は、上述のように航法衛星の時刻情報に基づく時刻であり、発振周波数に基づく時刻よりも正確な時刻である。つまり、発振周波数に基づく時刻に対する補正分も含まれる時刻である。
ステップS106において、時計部216は、その補正込み時刻を時刻情報として設定する。時計部216は、設定した時刻情報を送信スケジュール制御部217に供給する。受信したGNSS信号が十分に高品質であれば、そのGNSS信号に基づいて得られる補正込み時刻も十分に正確である。したがって、時計部216は、その正確な補正込み時刻を用いることにより、より正確な時刻情報を設定することができる。したがって、送信装置101は、そのより正確な時刻情報に基づいて送信信号を送信することにより、通信品質の低減を抑制することができる。
ステップS107において、時計カウンタ215は、ステップS105の処理により生成された補正込み時刻で、自身のカウント値、すなわち、発振器生成時刻を補正する。したがって、時計カウンタ215は、その正確な補正込み時刻を用いて発振器生成時刻を補正することにより、発振器生成時刻(カウント値)をより正確な時刻とすることができる。したがって、送信装置101は、GNSS信号の受信品質が十分でない場合も、より正確な時刻情報を設定することができるようになり、通信品質の低減を抑制することができる。
ステップS107の処理が終了すると処理はステップS110に進む。また、ステップS104において、受信情報の品質が、補正適用判断基準値を超えておらず、十分に高品質ではない(低品質である)と判定された場合、処理はステップS108に進む。
ステップS108において、時計カウンタ215は、発振器214の発振周波数から発振器生成時刻を生成する。ステップS109において、時計部216は、ステップS108の処理により生成された発振器生成時刻を時刻情報として設定する。つまり、GNSS信号の受信品質が低品質の場合、GNSS信号に頼らず、送信装置101内部において生成される発振周波数に基づく時刻を用いて時刻情報を設定する。したがって、送信装置101は、GNSS信号の受信品質が十分でない場合も、補間式の利用などによる時刻情報の正確さの低減を抑制することができ、通信品質の低減を抑制することができる。
ステップS109の処理が終了すると処理はステップS110に進む。ステップS110において、送信スケジュール制御部217は、時計部216から供給される時刻情報と、予め設定されている(受信側にとっても既知の)送信スケジュールに基づいて、送信信号を送信する送信タイミングを設定する。この送信タイミングは、受信側にとって既知のタイミングである。送信スケジュール制御部217は、上述のように設定された時刻情報を用いてこの送信タイミングを設定することにより、送信タイミングをより正確な時刻に設定することができる。したがって、通信品質の低減を抑制することができる。送信スケジュール制御部217は、設定した送信タイミングを送信制御部218に供給する。
ステップS111において、送信制御部218は、発振部219および送信部220を制御し、送信信号を、ステップS110において設定された送信タイミングにおいて送信させる。発振部219は、送信制御部218の制御に従って、所定の発振周波数(例えば920MHz帯)で発振し、その発振周波数の信号を送信部220に供給する。送信部220は、送信信号を生成し、送信制御部218の制御に従って、その送信信号を、上述の送信タイミングにおいて、発振部219の発振周波数で送信する。したがって、送信部220は、GNSS信号の受信品質が十分でない状態であってもより正確な送信タイミングにおいて送信信号を送信することができるので、通信品質の低減を抑制することができる。
なお、送信信号の生成方法は任意である。また、送信信号の内容も任意である。例えば、送信装置101の時刻情報や位置情報等が含まれるようにしてもよい。また、送信信号を時分割多重化して送信するようにしてもよい。その場合も、送信部220は、送信制御部218の制御に従って送信信号を送信することにより、GNSS信号の受信品質が十分でない状態であってもより正確な送信タイミングにおいて送信信号を送信することができ、信号同士が混ざらないようにしながらより多くの信号を多重化することができる。したがって、通信品質の低減を抑制することができる。
ステップS111の処理が終了すると送信処理が終了される。以上のように各処理を実行することにより、送信装置101は、通信品質の低減を抑制することができる。
<3.第2の実施の形態>
<受信装置の時刻制御>
高感度受信装置102においても、送信装置101の場合と同様に、GNSS信号を利用することにより、より正確な時刻制御を行うことができるが、受信したGNSS信号の品質が十分でなく観測した各航法衛星の座標や時刻に誤差が含まれる場合、通信品質が低減するおそれがあった。
そこで、GNSS信号または発振器の発振周波数に基づいて、送信側から送信された信号の受信を制御するための情報を設定し、その設定された情報に基づいて、信号の受信制御を行い、その受信制御に従って信号を受信するようにする。このようにすることにより、制御の精度の低減を抑制し、通信品質の低減を抑制することができる。
図6は、高感度受信装置102の主な構成例を示すブロック図である。図6に示されるように、高感度受信装置102は、基準値設定部311、GNSS受信部312、補正判断部313、発振器314、時計カウンタ315、時計部316、受信スケジュール制御部317、受信制御部318、発振部319、および受信部320を有する。
基準値設定部311は、受信時刻の制御についての判断に関する基準値の設定に関する処理を行う。基準値設定部311は、任意の構成により実現することができる。例えば、基準値設定部311が、回路、LSI、システムLSI、プロセッサ、モジュール、ユニット、セット、デバイス、装置、またはシステム等により構成されるようにしてもよい。また、それらを複数組み合わせるようにしてもよい。その際、例えば、複数の回路、複数のプロセッサ等のように同じ種類の構成を組み合わせるようにしてもよいし、回路とLSI等のように異なる種類の構成を組み合わせるようにしてもよい。例えば、基準値設定部311が、CPUとメモリを有し、CPUがメモリを用いてプログラムを実行することにより、上述の処理を行うようにしてもよい。
GNSS受信部312は、GNSS信号の受信に関する処理を行う。GNSS受信部312は、任意の構成により実現することができる。例えば、GNSS受信部312が、回路、LSI、システムLSI、プロセッサ、モジュール、ユニット、セット、デバイス、装置、またはシステム等により構成されるようにしてもよい。また、それらを複数組み合わせるようにしてもよい。その際、例えば、複数の回路、複数のプロセッサ等のように同じ種類の構成を組み合わせるようにしてもよいし、回路とLSI等のように異なる種類の構成を組み合わせるようにしてもよい。例えば、GNSS受信部312が、アンテナ、受信回路、信号処理回路等により構成されるようにしてもよい。
補正判断部313は、受信時刻の制御についての判断に関する処理を行う。補正判断部313は、任意の構成により実現することができる。例えば、補正判断部313が、回路、LSI、システムLSI、プロセッサ、モジュール、ユニット、セット、デバイス、装置、またはシステム等により構成されるようにしてもよい。また、それらを複数組み合わせるようにしてもよい。その際、例えば、複数の回路、複数のプロセッサ等のように同じ種類の構成を組み合わせるようにしてもよいし、回路とLSI等のように異なる種類の構成を組み合わせるようにしてもよい。例えば、補正判断部313が、CPUとメモリを有し、CPUがメモリを用いてプログラムを実行することにより、上述の処理を行うようにしてもよい。
発振器314は、所定の発振周波数で発振し、その発振周波数の信号を生成する。発振器314は、任意の構成により実現することができる。例えば、発振器314が、回路、LSI、システムLSI、プロセッサ、モジュール、ユニット、セット、デバイス、装置、またはシステム等により構成されるようにしてもよい。また、それらを複数組み合わせるようにしてもよい。その際、例えば、複数の回路、複数のプロセッサ等のように同じ種類の構成を組み合わせるようにしてもよいし、回路とLSI等のように異なる種類の構成を組み合わせるようにしてもよい。例えば、発振器314が、発振回路等により構成されるようにしてもよい。なお、この発振器314の発振方法は任意である。
時計カウンタ315は、発振器314により生成された信号に基づく時刻の生成に関する処理を行う。時計カウンタ315は、任意の構成により実現することができる。例えば、時計カウンタ315が、回路、LSI、システムLSI、プロセッサ、モジュール、ユニット、セット、デバイス、装置、またはシステム等により構成されるようにしてもよい。また、それらを複数組み合わせるようにしてもよい。その際、例えば、複数の回路、複数のプロセッサ等のように同じ種類の構成を組み合わせるようにしてもよいし、回路とLSI等のように異なる種類の構成を組み合わせるようにしてもよい。例えば、時計カウンタ315が、CPUとメモリを有し、CPUがメモリを用いてプログラムを実行することにより、上述の処理を行うようにしてもよい。
時計部316は、受信タイミングの制御に用いられる時刻情報の生成に関する処理を行う。時計部316は、任意の構成により実現することができる。例えば、時計部316が、回路、LSI、システムLSI、プロセッサ、モジュール、ユニット、セット、デバイス、装置、またはシステム等により構成されるようにしてもよい。また、それらを複数組み合わせるようにしてもよい。その際、例えば、複数の回路、複数のプロセッサ等のように同じ種類の構成を組み合わせるようにしてもよいし、回路とLSI等のように異なる種類の構成を組み合わせるようにしてもよい。例えば、時計部316が、CPUとメモリを有し、CPUがメモリを用いてプログラムを実行することにより、上述の処理を行うようにしてもよい。
受信スケジュール制御部317は、受信スケジュールの制御に関する処理を行う。受信スケジュール制御部317は、任意の構成により実現することができる。例えば、受信スケジュール制御部317が、回路、LSI、システムLSI、プロセッサ、モジュール、ユニット、セット、デバイス、装置、またはシステム等により構成されるようにしてもよい。また、それらを複数組み合わせるようにしてもよい。その際、例えば、複数の回路、複数のプロセッサ等のように同じ種類の構成を組み合わせるようにしてもよいし、回路とLSI等のように異なる種類の構成を組み合わせるようにしてもよい。例えば、受信スケジュール制御部317が、CPUとメモリを有し、CPUがメモリを用いてプログラムを実行することにより、上述の処理を行うようにしてもよい。
受信制御部318は、受信の制御に関する処理を行う。受信制御部318は、任意の構成により実現することができる。例えば、受信制御部318が、回路、LSI、システムLSI、プロセッサ、モジュール、ユニット、セット、デバイス、装置、またはシステム等により構成されるようにしてもよい。また、それらを複数組み合わせるようにしてもよい。その際、例えば、複数の回路、複数のプロセッサ等のように同じ種類の構成を組み合わせるようにしてもよいし、回路とLSI等のように異なる種類の構成を組み合わせるようにしてもよい。例えば、受信制御部318が、CPUとメモリを有し、CPUがメモリを用いてプログラムを実行することにより、上述の処理を行うようにしてもよい。
発振部319は、受信周波数の設定に関する処理を行う。発振部319は、任意の構成により実現することができる。例えば、発振部319が、回路、LSI、システムLSI、プロセッサ、モジュール、ユニット、セット、デバイス、装置、またはシステム等により構成されるようにしてもよい。また、それらを複数組み合わせるようにしてもよい。その際、例えば、複数の回路、複数のプロセッサ等のように同じ種類の構成を組み合わせるようにしてもよいし、回路とLSI等のように異なる種類の構成を組み合わせるようにしてもよい。例えば、発振部219が、発振回路等により構成されるようにしてもよい。なお、この発振部319の発振方法は任意である。
受信部320は、受信に関する処理を行う。受信部320は、任意の構成により実現することができる。例えば、受信部320が、回路、LSI、システムLSI、プロセッサ、モジュール、ユニット、セット、デバイス、装置、またはシステム等により構成されるようにしてもよい。また、それらを複数組み合わせるようにしてもよい。その際、例えば、複数の回路、複数のプロセッサ等のように同じ種類の構成を組み合わせるようにしてもよいし、回路とLSI等のように異なる種類の構成を組み合わせるようにしてもよい。例えば、受信部320が、アンテナ、受信回路、信号処理回路等により構成されるようにしてもよい。
このような構成の高感度受信装置102において、時計部316は、GNSS受信部312により受信されたGNSS信号、または、発振器314の発振周波数(発振器314により生成される信号の周波数)に基づいて、信号の受信を制御するための情報である時刻情報を設定する。受信制御部318(および受信スケジュール制御部317)は、その時刻情報に基づいて、信号の受信を制御する。受信部320は、その制御に従って、すなわち、時刻情報により指定される受信時刻において受信信号を送信する。この受信時刻は、送信装置101の送信時刻に対応する時刻である。つまり、このようにすることにより、GNSS信号の受信品質が十分でない場合も、制御の精度の低減を抑制することができるので、通信品質の低減を抑制することができる。
時計部316は、GNSS信号の受信状況に応じてGNSS信号または発振周波数を選択し、選択した方を用いて時刻情報を設定することができる。したがって、GNSS信号の受信品質が十分でない場合も、制御の精度の低減を抑制することができるので、通信品質の低減を抑制することができる。
時計部316は、受信されたGNSS信号が所定の基準値より高品質である場合、そのGNSS信号を用いて時刻情報を設定し、受信されたGNSS信号がその基準値より低品質である場合、発振周波数を用いて時刻情報を設定することができる。より具体的には、時計部316は、受信されたGNSS信号が所定の基準値より高品質である場合、そのGNSS信号から得られる時刻を時刻情報として設定し、受信されたGNSS信号がその基準値より低品質である場合、時計カウンタ315において発振周波数に同期したタイミングでカウントして得られる時刻を時刻情報として設定することができる。したがって、GNSS信号の受信品質が十分でない場合も、時刻制御の精度の低減を抑制することができるので、通信品質の低減を抑制することができる。
受信制御部318(および受信スケジュール制御部317)は、受信部320を制御して、時計部316により設定された時刻情報に基づいて、信号を予め定められた送信側に既知の受信タイミングに受信させることができる。したがって、より正確な受信タイミングにおいて信号を受信することができるので、通信品質の低減を抑制することができる。
ところで、発振器314は、発振周波数で発振し、その周波数の信号を生成する。発振器314は、その信号を時計カウンタ315に供給する。時計カウンタ315は、その発振器314から供給される信号の周波数(つまり発振周波数)に同期したタイミングでカウントを行い、発振周波数に基づく時刻(発振器生成時刻とも称する)を設定する。時計カウンタ315は、その発振器生成時刻を時計部316に供給する。時計部316は上述のようにその発振器生成時刻を利用して時刻情報を設定することができる。
このような時計カウンタ315は、受信されたGNSS信号が所定の基準値より高品質である場合、補正判断部313においてそのGNSS信号から得られる時刻を用いて、発振器314により与えられる発振周波数に同期したタイミングでカウントして得られる時刻を補正することができる。これにより、発振周波数に基づく時刻をより正確にすることができるので、GNSS信号の受信品質が十分でない場合も、より正確な時刻情報を設定することができ、通信品質の低減を抑制することができる。
GNSS受信部312は、例えば、GNSS信号を受信する。時計部316は、そのGNSS受信部312において受信されたGNSS信号または発振周波数に基づいて時刻情報を設定することができる。また、補正判断部313は、例えば、GNSS受信部312において受信されたGNSS信号の品質が十分に高品質であるか否かを、基準値設定部311により設定された基準値に基づいて判断する。そして、そのGNSS信号が十分に高品質であると判断した場合、補正判断部313は、例えば、GNSS受信部312において受信されたGNSS信号に基づいて時刻(補正込み時刻)を設定する。補正判断部313は、このGNSS信号に基づく時刻を時計カウンタ315および時計部316に供給する。時計部316は、上述のように、このGNSS信号に基づく時刻から時刻情報を生成することができる。また、時計カウンタ315は、上述のように、このGNSS信号に基づく時刻を用いて発振周波数に基づく時刻を補正することができる。
<受信処理の流れ>
図7のフローチャートを参照して、高感度受信装置102により実行される受信処理の流れの例を説明する。受信処理が開始されると、基準値設定部311は、ステップS201において、補正判断部313による判断において閾値として利用される補正適用判断基準値を設定する。この基準値の設定方法は任意である。例えば、予め定められた値が設定されるようにしてもよいし、ユーザ等により指定されるようにしてもよいし、例えば外部環境や内部環境等に応じて設定されるようにしてもよい。基準値設定部311は、設定した補正適用判断基準値を補正判断部313に供給する。
ステップS202において、GNSS受信部312は、GNSS信号を受信する。このGNSS信号には、そのGNSS信号を送信した航法衛星の時刻情報や位置情報等、様々な情報が含まれる。GNSS受信部312は、受信したGNSS信号に含まれるそれらの情報を受信情報として補正判断部313に供給する。ステップS203において、補正判断部313は、その受信情報の品質を判断する。補正判断部313は、GNSS信号を受信できた衛星数、各衛星のCNR(Carrier to Noise ratio)、ドップラ周波数、高度、うるう秒等の情報に基づいて、受信情報の品質を判断(評価)する。そして、ステップS204において、補正判断部313は、基準値設定部311により設定された補正適用判断基準値を閾値として、受信情報の品質が高品質であるか否かを判定する。受信情報の品質が、補正適用判断基準値を超えており、十分に高品質であると判定された場合、処理はステップS205に進む。
ステップS205において、補正判断部313は、受信情報を用いてGNSS信号に基づく時刻(補正込み時刻)を設定し、その補正込み時刻を時計カウンタ315および時計部316に供給する。この補正込み時刻は、上述のように航法衛星の時刻情報に基づく時刻であり、発振周波数に基づく時刻よりも正確な時刻である。つまり、発振周波数に基づく時刻に対する補正分も含まれる時刻である。
ステップS206において、時計部316は、その補正込み時刻を時刻情報として設定する。時計部316は、設定した時刻情報を受信スケジュール制御部317に供給する。受信したGNSS信号が十分に高品質であれば、そのGNSS信号に基づいて得られる補正込み時刻も十分に正確である。したがって、時計部316は、その正確な補正込み時刻を用いることにより、より正確な時刻情報を設定することができる。したがって、高感度受信装置102は、そのより正確な時刻情報に基づいて信号を受信することにより、通信品質の低減を抑制することができる。
ステップS207において、時計カウンタ315は、ステップS205の処理により生成された補正込み時刻で、自身のカウント値、すなわち、発振器生成時刻を補正する。したがって、時計カウンタ315は、その正確な補正込み時刻を用いて発振器生成時刻を補正することにより、発振器生成時刻(カウント値)をより正確な時刻とすることができる。したがって、高感度受信装置102は、GNSS信号の受信品質が十分でない場合も、より正確な時刻情報を設定することができるようになり、通信品質の低減を抑制することができる。
ステップS207の処理が終了すると処理はステップS210に進む。また、ステップS204において、受信情報の品質が、補正適用判断基準値を超えておらず、十分に高品質ではない(低品質である)と判定された場合、処理はステップS208に進む。
ステップS208において、時計カウンタ315は、発振器314の発振周波数から発振器生成時刻を生成する。ステップS209において、時計部316は、ステップS208の処理により生成された発振器生成時刻を時刻情報として設定する。つまり、GNSS信号の受信品質が低品質の場合、GNSS信号に頼らず、高感度受信装置102内部において生成される発振周波数に基づく時刻を用いて時刻情報を設定する。したがって、高感度受信装置102は、GNSS信号の受信品質が十分でない場合も、補間式の利用などによる時刻情報の正確さの低減を抑制することができ、通信品質の低減を抑制することができる。
ステップS209の処理が終了すると処理はステップS210に進む。ステップS210において、受信スケジュール制御部317は、時計部316から供給される時刻情報と、既知の送信スケジュールに対応する受信スケジュール(予め定められた受信スケジュール)に基づいて、信号を受信する受信タイミングを設定する。この受信タイミングは、送信装置101における送信タイミングに対応するタイミング、すなわち、送信タイミングにおいて送信された信号を受信するのに好適なタイミングである。受信スケジュール制御部317は、上述のように設定された時刻情報を用いてこの受信タイミングを設定することにより、GNSS信号の受信品質が十分でない状態であっても受信タイミングをより正確な時刻に設定することができる。したがって、通信品質の低減を抑制することができる。受信スケジュール制御部317は、設定した受信タイミングを受信制御部318に供給する。
ステップS211において、受信制御部318は、発振部319および受信部320を制御し、送信装置101から送信された送信信号を、ステップS210において設定された受信タイミングにおいて受信させる。発振部319は、受信制御部318の制御に従って、所定の発振周波数(例えば920MHz帯)で発振し、その発振周波数の信号を受信部320に供給する。受信部320は、受信制御部318の制御に従って、上述の受信タイミングにおいて、発振部319の発振周波数で信号を受信する(つまり、発振部319の発振周波数と同じ周波数で送信される信号を受信する)。
受信部320は、受信制御部318の制御に従ってこのように信号を受信することにより、GNSS信号の受信品質が十分でない状態であってもより正確な受信タイミングにおいて信号を受信することができる。したがって、通信品質の低減を抑制することができる。
なお、受信する信号が時分割多重化されている場合、受信部320は、受信制御部318の制御に従って信号を受信することにより、GNSS信号の受信品質が十分でない状態であっても多重化された各信号の識別精度が低減してしまうのを抑制することができる。つまり、より多くの信号が多重化された信号をより正確に受信することができる。したがって、通信品質の低減を抑制することができる。
受信部320は、受信信号から送信装置101の識別情報や位置情報等を抽出し、それをサーバ104に供給する。
ステップS211の処理が終了すると受信処理が終了される。以上のように各処理を実行することにより、高感度受信装置102は、通信品質の低減を抑制することができる。
<4.第3の実施の形態>
<周波数制御>
送信装置101は、送信信号の送信において、上述のような送信時刻だけでなく、送信周波数を制御することができる。上述のように周波数分割多重化を行う場合、送信信号の周波数の制御精度を向上させることにより、より多くの信号を多重化させることができる。例えば、図1に示されるような位置通知システム100において周波数分割多重化を行う場合、周波数制御に約10Hz程度の精度が求められるとする。しかしながら、送信装置101や高感度受信装置102に一般的に内蔵される発振器でこのような精度を実現することは困難であった。そこで、上述の時刻制御の場合と同様に、GNSS信号を用いて周波数の制御を行うことが考えられた。
例えば、図8に示されるように、航法衛星の速度(衛星速度)のベクトルをVsとし、ドップラ周波数をfdとし、受信機の速度(受信機速度)のベクトルをVuとし、航法衛星から受信機までのベクトルをDとし、その向きの単位ベクトルをe(=D/|D|)とする。航法衛星に対する受信機の相対速度Vdは、これらを用いて以下の式(5)のように表すことができる。
Vd=((Vs-Vu)・e) ・・・(5)
また、光速をCとし、航法衛星のドップラ周波数をfdとし、GNSS信号のキャリア周波数をfcとし、波長をλすると、航法衛星に対する受信機の相対速度Vdは、これらを用いて以下の式(6)のように表すことができる。
Vd=C・fd/fc=fd・λ ・・・(6)
図3のAの例において、航法衛星121の衛星速度をVs1(=(VX1,VY1,VZ1))とし、ドップラ周波数をfd1とする。また、航法衛星122の衛星速度をVs2(=(VX2,VY2,VZ2))とし、ドップラ周波数をfd2とする。さらに、航法衛星123の衛星速度をVs3(=(VX3,VY3,VZ3))とし、ドップラ周波数をfd3とする。さらに、航法衛星124の衛星速度をVs4(=(VX4,VY4,VZ4))とし、ドップラ周波数をfd4とする。
また、航法衛星121から受信機に向かう単位ベクトルをe1(=(eX1,eY1,eZ1))とする。航法衛星122から受信機に向かう単位ベクトルをe2(=(eX2,eY2,eZ2))とする。航法衛星123から受信機に向かう単位ベクトルをe3(=(eX3,eY3,eZ3))とする。航法衛星124から受信機に向かう単位ベクトルをe4(=(eX4,eY4,eZ4))とする。
これらの航法衛星に関する情報は軌道情報と受信機のキャリア同期等から既知である。したがって、式(5)および式(6)から、以下の式(7)乃至式(10)の連立方程式を解くことにより、受信機速度Vu(=(VXu,VYu,VZu))と、発振器周波数のオフセットdfuを求めることができる。
(VX1-VXu)・eX1+(VY1-VYu)・eY1+(VZ1-VZu)・eZ1 = C・(fd1-dfu)/fc ・・・(7)
(VX2-VXu)・eX2+(VY2-VYu)・eY2+(VZ2-VZu)・eZ2 = C・(fd2-dfu)/fc ・・・(8)
(VX3-VXu)・eX3+(VY3-VYu)・eY3+(VZ3-VZu)・eZ3 = C・(fd3-dfu)/fc ・・・(9)
(VX4-VXu)・eX4+(VY4-VYu)・eY4+(VZ4-VZu)・eZ4 = C・(fd4-dfu)/fc ・・・(10)
副次的に正確なXtal発振周波数もわかる。5衛星以上からGNSS信号を受信できる場合は、最小2乗法で解くことができる。
このような航法衛星は、高精度なセシウムの発振器を有しており、受信機等に通常内蔵される発振器よりも正確な周波数を得ることができる。したがって、一般的に、受信機において上述のようにGNSS信号に基づいて得られる周波数は、受信機に内蔵される発振器の発振周波数よりも正確である(周波数が変動しない)。
したがって、位置通知システム100において送信装置101や高感度受信装置102が、このようなGNSS信号から得られる周波数を用いることにより、信号送受信の際の周波数制御の精度を向上させることができる。つまり、より高品質な通信を実現することができる。
ただし、GNSS信号の受信は常に良好であるとは限らない。受信したGNSS信号の品質が十分でなく観測した各航法衛星の衛星速度、ドップラ周波数、キャリア周波数等に誤差が含まれる場合、受信機の発振器周波数のオフセットの精度も低減する。また、受信できたGNSS信号が不足する場合、つまり、受信機が十分な品質で受信する事ができたGNSS信号の数が3以下の場合、受信機は、補間式を用いて受信機の位置や受信機時刻を求める。そのため、得られた受信機の発振器周波数のオフセットの精度が低減するおそれがあった。その結果、周波数制御の精度が低減するおそれがあった。周波数制御の精度が低減すると、周波数分割多重化において各信号が混ざったり、信号の送受信の時刻の誤差増大により受信感度が低減したりして、通信品質が低減するおそれがあった。
そこで、GNSS信号または発振器の発振周波数に基づいて、送信信号の送信を制御するための情報を設定し、その設定された情報に基づいて送信信号の送信制御を行い、その送信制御に従って送信信号を送信するようにする。このようにすることにより、周波数制御の精度の低減を抑制し、通信品質の低減を抑制することができる。
<送信装置の周波数制御>
図9は、周波数制御をおこなう場合の送信装置101の主な構成例を示すブロック図である。図9に示されるように、この場合、送信装置101は、図4の補正判断部213の代わりに補正判断部413を有し、時計カウンタ215、時計部216、および送信スケジュール制御部217の代わりに発振周波数演算部416を有する。
補正判断部413は、送信周波数の制御についての判断に関する処理を行う。補正判断部413は、任意の構成により実現することができる。例えば、補正判断部413が、回路、LSI、システムLSI、プロセッサ、モジュール、ユニット、セット、デバイス、装置、またはシステム等により構成されるようにしてもよい。また、それらを複数組み合わせるようにしてもよい。その際、例えば、複数の回路、複数のプロセッサ等のように同じ種類の構成を組み合わせるようにしてもよいし、回路とLSI等のように異なる種類の構成を組み合わせるようにしてもよい。例えば、補正判断部413が、CPUとメモリを有し、CPUがメモリを用いてプログラムを実行することにより、上述の処理を行うようにしてもよい。
発振周波数演算部416は、補正後の送信周波数(誤差込み送信周波数)の設定に関する処理を行う。発振周波数演算部416は、任意の構成により実現することができる。例えば、発振周波数演算部416が、回路、LSI、システムLSI、プロセッサ、モジュール、ユニット、セット、デバイス、装置、またはシステム等により構成されるようにしてもよい。また、それらを複数組み合わせるようにしてもよい。その際、例えば、複数の回路、複数のプロセッサ等のように同じ種類の構成を組み合わせるようにしてもよいし、回路とLSI等のように異なる種類の構成を組み合わせるようにしてもよい。例えば、発振周波数演算部416が、CPUとメモリを有し、CPUがメモリを用いてプログラムを実行することにより、上述の処理を行うようにしてもよい。
このような構成の送信装置101において、発振周波数演算部416は、GNSS受信部212により受信されたGNSS信号、または、発振器214の発振周波数(発振器214により生成される信号の周波数)に基づいて、送信信号の送信を制御するための情報である送信制御用周波数(誤差込み送信周波数とも称する)を設定する。送信制御部218は、その送信制御用周波数に基づいて、送信信号の送信を制御する。発振部219は、その制御に従って、すなわち、指定される送信制御用周波数に基づく送信周波数で発振し、送信部220は、その送信周波数で送信信号を送信する。このようにすることにより、GNSS信号の受信品質が十分でない場合も、制御の精度の低減を抑制することができる。つまり、より正確に所望の周波数(送信周波数)で送信信号を送信することができる。
なお、この送信周波数は、受信側にとって既知の周波数である。つまり、このようにすることにより、送信装置101は、送信周波数が、その受信側にとって既知の周波数からずれることを抑制することができる。つまり、送信装置101は、高感度受信装置102が受信周波数を、より正確に、送信信号の周波数に合わせることができるようにすることができる。
また、周波数分割多重化やチャープ変調を用いた時分割多重化等の場合においても、送信装置101は、以上のようにすることにより、GNSS信号の受信品質が十分でない場合も周波数制御の精度の低減を抑制し、信号同士が混ざらないようにしながらより多くの信号を多重化することができる。
したがって、送信装置101は、GNSS信号の受信品質が十分でない場合も、高感度受信装置102の受信感度の低減を抑制することができ、通信品質の低減を抑制することができる。
発振周波数演算部416は、GNSS信号の受信状況に応じてGNSS信号または発振周波数を選択し、選択した方を用いて送信制御用周波数を設定することができる。したがって、GNSS信号の受信品質が十分でない場合も、制御の精度の低減を抑制することができるので、通信品質の低減を抑制することができる。
発振周波数演算部416は、受信されたGNSS信号が所定の基準値より高品質である場合、そのGNSS信号を用いて誤差込み送信周波数を設定し、受信されたGNSS信号がその基準値より低品質である場合、発振周波数を用いて誤差込み送信周波数を設定することができる。より具体的には、受信されたGNSS信号が所定の基準値より高品質である場合、発振周波数演算部416は、発振器214から供給される信号の周波数(発振周波数)を、今回受信されたGNSS信号から得られる周波数誤差を用いて補正し、それを送信制御用周波数として設定することができる。これに対して、受信されたGNSS信号がその基準値より低品質である場合、発振周波数演算部416は、発振器214から供給される信号の周波数(発振周波数)を、前回の補正に用いられた補正値を用いて補正し、それを送信制御用周波数として設定することができる。前回の補正値は、GNSS信号が高品質の場合に得られた値であるので、この値を用いることにより、今回の低品質なGNSS信号から得られる補正値を用いる場合よりも正確な送信制御用周波数が得られる。したがって、GNSS信号の受信品質が十分でない場合も、制御の精度の低減を抑制することができるので、通信品質の低減を抑制することができる。
送信制御部218は、発振部219を制御して、発振周波数演算部416により設定された送信制御用周波数に基づく送信周波数で発振させる。そして、送信制御部218は、送信部220を制御して、送信信号をその送信周波数で送信させることができる。したがって、より正確な送信周波数で送信信号を送信することができ、通信品質の低減を抑制することができる。
また、送信制御部218は、送信信号を周波数分割多重化する場合も、発振周波数演算部416により設定された送信制御用周波数に基づく送信周波数で送信させることにより、多重化される各信号をより正確な周波数に設定することができる。また、送信制御部218は、送信信号に対してチャープ変調を利用した時分割多重化を適用する場合も、発振周波数演算部416により設定された送信制御用周波数に基づく送信周波数で送信させることにより、各信号の帯域幅をより狭くすることができる。したがって、信号同士が混ざらないようにしながらより多くの信号を多重化することができ、通信品質の低減を抑制することができる。
GNSS受信部212は、例えば、GNSS信号を受信する。発振周波数演算部416は、そのGNSS受信部212において受信されたGNSS信号または発振周波数に基づいて送信制御用周波数を設定することができる。また、補正判断部213は、例えば、GNSS受信部212において受信されたGNSS信号の品質が十分に高品質であるか否かを、基準値設定部211により設定された基準値に基づいて判断する。そして、そのGNSS信号が十分に高品質であると判断した場合、補正判断部213は、例えば、GNSS受信部212において受信されたGNSS信号に基づいて周波数(周波数誤差)を設定する。補正判断部213は、このGNSS信号に基づく周波数誤差を発振周波数演算部416に供給する。発振周波数演算部416は、上述のように、このGNSS信号に基づく周波数誤差から送信制御用周波数を生成することができる。
<送信処理の流れ>
図10のフローチャートを参照して、この場合の送信装置101により実行される送信処理の流れの例を説明する。送信処理が開始されると、ステップS301乃至ステップS304の各処理が、図5のステップS101乃至ステップS104の各処理と同様に実行される。ただし、ステップS303およびステップS304の処理は、補正判断部413が行う。ステップS304において、受信情報の品質が、補正適用判断基準値を超えており、十分に高品質であると判定された場合、処理はステップS305に進む。
ステップS305において、補正判断部413は、受信情報を用いてGNSS信号に基づく周波数(周波数誤差)を設定し、その周波数誤差を発振周波数演算部416に供給する。この周波数誤差は、上述のように航法衛星の衛星速度等の情報に基づく補正値である。
ステップS306において、発振周波数演算部416は、発振器214において得られる発振周波数を、ステップS305において設定された周波数誤差で補正し、その補正後の周波数を誤差込み送信周波数として設定する。発振周波数演算部416は、その誤差込み送信周波数を送信制御部218に供給する。
受信したGNSS信号が十分に高品質であれば、そのGNSS信号に基づいて得られる周波数誤差も十分に正確である。したがって、発振周波数演算部416は、その正確な周波数誤差を用いて発振周波数を補正することにより、より正確な誤差込み送信周波数を設定することができる。したがって、送信装置101は、そのより正確な誤差込み送信周波数に基づく送信周波数で送信信号を送信することにより、通信品質の低減を抑制することができる。
ステップS306の処理が終了すると処理はステップS308に進む。また、ステップS304において、受信情報の品質が、補正適用判断基準値を超えておらず、十分に高品質ではない(低品質である)と判定された場合、処理はステップS307に進む。
ステップS307において、発振周波数演算部416は、発振器214の発振周波数を、前回と同じ周波数誤差で補正する。発振周波数演算部416は、その誤差込み送信周波数を送信制御部218に供給する。つまり、GNSS信号の受信品質が低品質の場合、その低品質なGNSS信号に頼らず、高品質なGNSS信号に基づく周波数誤差を用いて発振周波数を補正する。したがって、送信装置101は、GNSS信号の受信品質が十分でない場合も、補間式の利用などによる周波数の正確さの低減を抑制することができ、通信品質の低減を抑制することができる。
ステップS307の処理が終了すると処理はステップS308に進む。ステップS308において、送信制御部218は、発振部219および送信部220を制御し、送信信号を、ステップS306またはステップS307の処理により得られた誤差込み送信周波数に基づく送信周波数で送信させる。発振部219は、送信制御部218の制御に従って、その送信周波数で発振し、その送信周波数の信号を送信部220に供給する。送信部220は、送信信号を生成し、送信制御部218の制御に従って、その送信信号を、発振部219より供給される信号の周波数(送信周波数)で送信する。なお、この送信周波数は、受信側にとって既知の周波数である。したがって、送信部220は、GNSS信号の受信品質が十分でない状態であってもより正確な送信周波数で送信信号を送信することができるので、通信品質の低減を抑制することができる。
なお、送信信号の生成方法は任意である。また、送信信号の内容も任意である。例えば、送信装置101の時刻情報や位置情報等が含まれるようにしてもよい。また、送信信号を周波数分割多重化して送信するようにしてもよい。その場合も送信部220は、送信制御部218の制御に従って送信信号を送信することにより、GNSS信号の受信品質が十分でない状態であってもより正確な送信周波数で送信信号を送信することができ、信号同士が混ざらないようにしながらより多くの信号を多重化することができる。したがって、通信品質の低減を抑制することができる。
また、送信信号を、チャープ変調を利用して時分割多重化するようにしてもよい。その場合も送信部220は、送信制御部218の制御に従って送信信号を送信することにより、各信号の帯域幅をより狭くすることができる。したがって、信号同士が混ざらないようにしながらより多くの信号を多重化することができる。したがって、通信品質の低減を抑制することができる。
ステップS308の処理が終了すると送信処理が終了される。以上のように各処理を実行することにより、送信装置101は、通信品質の低減を抑制することができる。
<5.第4の実施の形態>
<受信装置の周波数制御>
高感度受信装置102においても、送信装置101の場合と同様に、GNSS信号を利用することにより、より正確な周波数制御を行うことができるが、受信したGNSS信号の品質が十分でなく観測した各航法衛星の速度、ドップラ周波数、キャリア周波数等に誤差が含まれる場合、周波数制御の精度が低減し、通信品質が低減するおそれがあった。
そこで、GNSS信号または発振器の発振周波数に基づいて、送信側から送信された信号の受信を制御するための情報を設定し、その設定された情報に基づいて、信号の受信制御を行い、その受信制御に従って信号を受信するようにする。このようにすることにより、周波数制御の精度の低減を抑制し、通信品質の低減を抑制することができる。
図11は、周波数制御をおこなう場合の高感度受信装置102の主な構成例を示すブロック図である。図11に示されるように、この場合、高感度受信装置102は、図6の補正判断部313の代わりに補正判断部513を有し、時計カウンタ315、時計部316、および受信スケジュール制御部317の代わりに発振周波数演算部516を有する。
補正判断部513は、受信周波数の制御についての判断に関する処理を行う。補正判断部513は、任意の構成により実現することができる。例えば、補正判断部513が、回路、LSI、システムLSI、プロセッサ、モジュール、ユニット、セット、デバイス、装置、またはシステム等により構成されるようにしてもよい。また、それらを複数組み合わせるようにしてもよい。その際、例えば、複数の回路、複数のプロセッサ等のように同じ種類の構成を組み合わせるようにしてもよいし、回路とLSI等のように異なる種類の構成を組み合わせるようにしてもよい。例えば、補正判断部513が、CPUとメモリを有し、CPUがメモリを用いてプログラムを実行することにより、上述の処理を行うようにしてもよい。
発振周波数演算部516は、補正後の受信周波数(誤差込み受信周波数)の設定に関する処理を行う。発振周波数演算部516は、任意の構成により実現することができる。例えば、発振周波数演算部516が、回路、LSI、システムLSI、プロセッサ、モジュール、ユニット、セット、デバイス、装置、またはシステム等により構成されるようにしてもよい。また、それらを複数組み合わせるようにしてもよい。その際、例えば、複数の回路、複数のプロセッサ等のように同じ種類の構成を組み合わせるようにしてもよいし、回路とLSI等のように異なる種類の構成を組み合わせるようにしてもよい。例えば、発振周波数演算部516が、CPUとメモリを有し、CPUがメモリを用いてプログラムを実行することにより、上述の処理を行うようにしてもよい。
このような構成の高感度受信装置102において、発振周波数演算部516は、GNSS受信部312により受信されたGNSS信号、または、発振器314の発振周波数(発振器314により生成される信号の周波数)に基づいて、信号の受信を制御するための情報である受信制御用周波数(誤差込み受信周波数とも称する)を設定する。受信制御部318は、その受信制御用周波数に基づいて、(送信装置101から送信された)信号の受信を制御する。発振部319は、その制御に従って、すなわち、指定される受信制御用周波数に基づく受信周波数で発振し、受信部320は、その受信周波数で信号を受信する。このようにすることにより、GNSS信号の受信品質が十分でない場合も、周波数制御の精度の低減を抑制することができる。つまり、より正確に所望の周波数(受信周波数)で信号を受信することができる。
なお、この受信周波数は、送信装置101から送信される送信信号の送信周波数に対応する周波数(送信側にとって既知の周波数)である。つまり、このようにすることにより、高感度受信装置102は、受信周波数が、送信装置101から送信された送信信号を受信するのに好適な周波数からずれることを抑制することができる。
また、受信する信号に周波数分割多重化やチャープ変調を用いた時分割多重化等が適用される場合、高感度受信装置102は、以上のようにすることにより、GNSS信号の受信品質が十分でない状態であっても多重化された各信号の識別精度が低減してしまうのを抑制することができる。つまり、より多くの信号が多重化された信号をより正確に受信することができる。したがって、通信品質の低減を抑制することができる。
したがって、高感度受信装置102は、GNSS信号の受信品質が十分でない場合も、受信感度の低減を抑制することができ、通信品質の低減を抑制することができる。
発振周波数演算部516は、GNSS信号の受信状況に応じてGNSS信号または発振周波数を選択し、選択した方を用いて受信制御用周波数を設定することができる。したがって、GNSS信号の受信品質が十分でない場合も、制御の精度の低減を抑制することができるので、通信品質の低減を抑制することができる。
発振周波数演算部516は、受信されたGNSS信号が所定の基準値より高品質である場合、そのGNSS信号を用いて誤差込み受信周波数を設定し、受信されたGNSS信号がその基準値より低品質である場合、発振周波数を用いて誤差込み受信周波数を設定することができる。より具体的には、受信されたGNSS信号が所定の基準値より高品質である場合、発振周波数演算部516は、発振器314から供給される信号の周波数(発振周波数)を、今回受信されたGNSS信号から得られる周波数誤差を用いて補正し、それを受信制御用周波数として設定することができる。これに対して、受信されたGNSS信号がその基準値より低品質である場合、発振周波数演算部516は、発振器314から供給される信号の周波数(発振周波数)を、前回の補正に用いられた補正値を用いて補正し、それを受信制御用周波数として設定することができる。前回の補正値は、GNSS信号が高品質の場合に得られた値であるので、この値を用いることにより、今回の低品質なGNSS信号から得られる補正値を用いる場合よりも正確な受信制御用周波数が得られる。したがって、GNSS信号の受信品質が十分でない場合も、制御の精度の低減を抑制することができるので、通信品質の低減を抑制することができる。
受信制御部318は、発振部319を制御して、発振周波数演算部516により設定された受信制御用周波数に基づく受信周波数で発振させることができる。そして、受信制御部318は、受信部320を制御して、その受信周波数で信号を受信させることができる。したがって、より正確な受信周波数で信号を受信することができ、通信品質の低減を抑制することができる。
また、受信制御部318は、受信する信号が周波数分割多重化されている場合や、受信する信号に対してチャープ変調を利用した時分割多重化を適用されている場合も、発振周波数演算部516により設定された受信制御用周波数に基づく受信周波数で受信させることにより、多重化された各信号の識別精度が低減してしまうのを抑制することができる。つまり、通信品質の低減を抑制することができる。
GNSS受信部312は、例えば、GNSS信号を受信する。発振周波数演算部516は、そのGNSS受信部312において受信されたGNSS信号または発振周波数に基づいて受信制御用周波数を設定することができる。また、補正判断部513は、例えば、GNSS受信部312において受信されたGNSS信号の品質が十分に高品質であるか否かを、基準値設定部311により設定された基準値に基づいて判断する。そして、そのGNSS信号が十分に高品質であると判断した場合、補正判断部513は、例えば、GNSS受信部312において受信されたGNSS信号に基づいて周波数(周波数誤差)を設定する。補正判断部513は、このGNSS信号に基づく周波数誤差を発振周波数演算部516に供給する。発振周波数演算部516は、上述のように、このGNSS信号に基づく周波数誤差から受信制御用周波数を生成することができる。
<受信処理の流れ>
図12のフローチャートを参照して、この場合の高感度受信装置102により実行される受信処理の流れの例を説明する。受信処理が開始されると、ステップS401乃至ステップS404の各処理が、図7のステップS201乃至ステップS204の各処理と同様に実行される。ただし、ステップS403およびステップS404の処理は、補正判断部513が行う。ステップS404において、受信情報の品質が、補正適用判断基準値を超えており、十分に高品質であると判定された場合、処理はステップS405に進む。
ステップS405において、補正判断部513は、受信情報を用いてGNSS信号に基づく周波数(周波数誤差)を設定し、その周波数誤差を発振周波数演算部516に供給する。この周波数誤差は、上述のように航法衛星の衛星速度等の情報に基づく補正値である。
ステップS406において、発振周波数演算部516は、発振器314において得られる発振周波数を、ステップS405において設定された周波数誤差で補正し、その補正後の周波数を誤差込み受信周波数として設定する。発振周波数演算部516は、その誤差込み受信周波数を受信制御部318に供給する。
受信したGNSS信号が十分に高品質であれば、そのGNSS信号に基づいて得られる周波数誤差も十分に正確である。したがって、発振周波数演算部516は、その正確な周波数誤差を用いて発振周波数を補正することにより、より正確な誤差込み受信周波数を設定することができる。したがって、高感度受信装置102は、そのより正確な誤差込み受信周波数に基づく受信周波数で信号を受信することにより、通信品質の低減を抑制することができる。
ステップS406の処理が終了すると処理はステップS408に進む。また、ステップS404において、受信情報の品質が、補正適用判断基準値を超えておらず、十分に高品質ではない(低品質である)と判定された場合、処理はステップS407に進む。
ステップS407において、発振周波数演算部516は、発振器314の発振周波数を、前回と同じ周波数誤差で補正する。つまり、GNSS信号の受信品質が低品質の場合、その低品質なGNSS信号に頼らず、高品質なGNSS信号に基づく周波数誤差を用いて発振周波数を補正する。したがって、高感度受信装置102は、GNSS信号の受信品質が十分でない場合も、補間式の利用などによる時刻情報の正確さの低減を抑制することができ、通信品質の低減を抑制することができる。
ステップS407の処理が終了すると処理はステップS408に進む。ステップS408において、受信制御部318は、発振部319および受信部320を制御し、ステップS406またはステップS407の処理により得られた誤差込み受信周波数に基づく受信周波数で信号を受信させる。発振部319は、受信制御部318の制御に従って、その受信周波数で発振し、その受信周波数の信号を受信部320に供給する。受信部320は、受信制御部318の制御に従って、発振部319より供給される信号の周波数(受信周波数)で信号を受信する(つまり、発振部319の発振周波数と同じ周波数で送信される信号を受信する)。
受信部320は、受信制御部318の制御に従ってこのように信号を受信することにより、GNSS信号の受信品質が十分でない状態であってもより正確な受信周波数で信号を受信することができる。したがって、通信品質の低減を抑制することができる。
なお、受信する信号に周波数分割多重化やチャープ変調を用いた時分割多重化等が適用される場合、受信部320は、受信制御部318の制御に従って信号を受信することにより、GNSS信号の受信品質が十分でない状態であっても多重化された各信号の識別精度が低減してしまうのを抑制することができる。つまり、より多くの信号が多重化された信号をより正確に受信することができる。したがって、通信品質の低減を抑制することができる。
受信部320は、受信信号から送信装置101の識別情報や位置情報等を抽出し、それをサーバ104に供給する。
ステップS408の処理が終了すると受信処理が終了される。以上のように各処理を実行することにより、高感度受信装置102は、通信品質の低減を抑制することができる。
<6.その他>
<送受信制御・時刻周波数制御>
本技術は、送信装置101にのみ適用するようにしてもよいし、高感度受信装置102にのみ適用するようにしてもよいし、送信装置101と高感度受信装置102の両方に適用するようにしてもよい。また、本技術は、送信機能および受信機能を有する送受信装置に適用するようにしてもよい。その場合、本技術を、送信機能にのみ適用するようにしてもよいし、受信機能にのみ適用するようにしてもよいし、送信機能と受信機能の両方に適用するようにしてもよい。
また、送信装置101が信号送信について、時刻制御と周波数制御の両方を行うようにしてもよい。その場合、本技術は、時刻制御にのみ適用するようにしてもよいし、周波数制御にのみ適用するようにしてもよいし、時刻制御と周波数制御の両方に適用するようにしてもよい。また、高感度受信装置102が信号受信について、時刻制御と周波数制御の両方を行うようにしてもよい。その場合、本技術は、時刻制御にのみ適用するようにしてもよいし、周波数制御にのみ適用するようにしてもよいし、時刻制御と周波数制御の両方に適用するようにしてもよい。
<盗難防止システム>
以上においては、位置通知システム100を例に説明したが、本技術は、任意の通信システムに適用することができる。例えば、送信装置101は、人物だけでなく、移動体等に設置するようにしてもよい。
例えば、本技術は、図13に示されるような自動車やバイク等の盗難を防ぐための盗難防止システム800に適用することもできる。この盗難防止システム800の場合、送信装置101は、ユーザが位置を監視する対象物、例えばユーザが所有する自動車801やバイク802に設置される。送信装置101は、位置通知システム100の場合と同様に、自身の位置情報(すなわち、自動車801やバイク802の位置情報)を、適宜、高感度受信装置102に通知する。つまり、ユーザは、位置通知システム100の場合と同様に、端末装置105からサーバ104にアクセスして、自動車801やバイク802の位置を把握することができる。したがって、ユーザは、盗難にあった場合であっても、自動車801やバイク802の位置を把握することができるので、その自動車801やバイク802を容易に取り戻すことができる。
このような盗難防止システム800の場合も、送信装置101や高感度受信装置102に対して各実施の形態において上述した本技術を適用することにより、通信品質の低減を抑制することができ、自身の位置情報(すなわち、自動車801やバイク802の位置情報)を、より正確に高感度受信装置102に通知することができる。つまり、ユーザは、盗難にあった場合であっても、自動車801やバイク802の位置をより容易かつ正確に把握することができる。
<その他の通信システム>
なお、送受信される情報は任意である。例えば送信装置101が、画像、音声、測定データ、機器等の識別情報、パラメータの設定情報、または指令等の制御情報等を含む送信情報を送信するようにしてもよい。また、この送信情報には、例えば、画像と音声、識別情報と設定情報と制御情報等のように、複数種類の情報が含まれるようにしてもよい。
また、送信装置101が、例えば、他の装置から供給される情報を含む送信情報を送信することができるようにしてもよい。例えば、送信装置101が、画像、光、明度、彩度、電気、音、振動、加速度、速度、角速度、力、温度(温度分布ではない)、湿度、距離、面積、体積、形状、流量、時刻、時間、磁気、化学物質、または匂い等、任意の変数について、またはその変化量について、検出または計測等を行う各種センサから出力される情報(センサ出力)を含む送信情報を生成し、送信するようにしてもよい。
つまり、本技術は、例えば、立体形状計測、空間計測、物体観測、移動変形観測、生体観測、認証処理、監視、オートフォーカス、撮像制御、照明制御、追尾処理、入出力制御、電子機器制御、アクチュエータ制御等、任意の用途に用いられるシステムに適用することができる。
また、本技術は、例えば、交通、医療、防犯、農業、畜産業、鉱業、美容、工場、家電、気象、自然監視等、任意の分野のシステムに適用することができる。例えば、本技術は、ディジタルカメラや、カメラ機能付きの携帯機器等を用いる、鑑賞の用に供される画像を撮影するシステムにも適用することができる。また、例えば、本技術は、自動停止等の安全運転や、運転者の状態の認識等のために、自動車の前方や後方、周囲、車内等を撮影する車載用システム、走行車両や道路を監視する監視カメラシステム、車両間等の測距を行う測距システム等の、交通の用に供されるシステムにも適用することができる。さらに、例えば、本技術は、防犯用途の監視カメラや、人物認証用途のカメラ等を用いる、セキュリティの用に供されるシステムにも適用することができる。また、例えば、本技術は、ウェアラブルカメラ等のようなスポーツ用途等向けに利用可能な各種センサ等を用いる、スポーツの用に供されるシステムにも適用することができる。さらに、例えば、本技術は、畑や作物の状態を監視するためのカメラ等の各種センサを用いる、農業の用に供されるシステムにも適用することができる。また、例えば、本技術は、豚や牛等の家畜の状態を監視するための各種センサを用いる、畜産業の用に供されるシステムにも適用することができる。さらに、本技術は、例えば火山、森林、海洋等の自然の状態を監視するシステムや、例えば天気、気温、湿度、風速、日照時間等を観測する気象観測システムや、例えば鳥類、魚類、ハ虫類、両生類、哺乳類、昆虫、植物等の野生生物の生態を観測するシステム等にも適用することができる。
<通信装置>
さらに、送受信される無線信号や情報の仕様は任意である。また、以上においては、本技術を送信装置101や高感度受信装置102に適用する例を説明したが、本技術は、任意の送信装置、任意の受信装置、任意の送受信装置にも適用することができる。つまり、本技術は、任意の通信装置や通信システムに適用することができる。
<コンピュータ>
上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行させることもできるし、ソフトウエアにより実行させることもできる。また、一部の処理をハードウエアにより実行させ、他の処理をソフトウエアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウエアにより実行する場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、コンピュータにインストールされる。ここでコンピュータには、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータや、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータ等が含まれる。
図14は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウエアの構成例を示すブロック図である。
図14に示されるコンピュータ900において、CPU(Central Processing Unit)901、ROM(Read Only Memory)902、RAM(Random Access Memory)903は、バス904を介して相互に接続されている。
バス904にはまた、入出力インタフェース910も接続されている。入出力インタフェース910には、入力部911、出力部912、記憶部913、通信部914、およびドライブ915が接続されている。
入力部911は、例えば、キーボード、マウス、マイクロホン、タッチパネル、入力端子などよりなる。出力部912は、例えば、ディスプレイ、スピーカ、出力端子などよりなる。記憶部913は、例えば、ハードディスク、RAMディスク、不揮発性のメモリなどよりなる。通信部914は、例えば、ネットワークインタフェースよりなる。ドライブ915は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリなどのリムーバブルメディア921を駆動する。
以上のように構成されるコンピュータでは、CPU901が、例えば、記憶部913に記憶されているプログラムを、入出力インタフェース910およびバス904を介して、RAM903にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。RAM903にはまた、CPU901が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
コンピュータ(CPU901)が実行するプログラムは、例えば、パッケージメディア等としてのリムーバブルメディア921に記録して適用することができる。その場合、プログラムは、リムーバブルメディア921をドライブ915に装着することにより、入出力インタフェース910を介して、記憶部913にインストールすることができる。また、このプログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供することもできる。その場合、プログラムは、通信部914で受信し、記憶部913にインストールすることができる。その他、このプログラムは、ROM902や記憶部913に、あらかじめインストールしておくこともできる。
<補足>
本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
例えば、本技術は、装置またはシステムを構成するあらゆる構成、例えば、システムLSI(Large Scale Integration)等としてのプロセッサ、複数のプロセッサ等を用いるモジュール、複数のモジュール等を用いるユニット、ユニットにさらにその他の機能を付加したセット等(すなわち、装置の一部の構成)として実施することもできる。
なお、本明細書において、システムとは、複数の構成要素(装置、モジュール(部品)等)の集合を意味し、全ての構成要素が同一筐体中にあるか否かは問わない。したがって、別個の筐体に収納され、ネットワークを介して接続されている複数の装置、及び、1つの筐体の中に複数のモジュールが収納されている1つの装置は、いずれも、システムである。
また、例えば、1つの装置(または処理部)として説明した構成を分割し、複数の装置(または処理部)として構成するようにしてもよい。逆に、以上において複数の装置(または処理部)として説明した構成をまとめて1つの装置(または処理部)として構成されるようにしてもよい。また、各装置(または各処理部)の構成に上述した以外の構成を付加するようにしてももちろんよい。さらに、システム全体としての構成や動作が実質的に同じであれば、ある装置(または処理部)の構成の一部を他の装置(または他の処理部)の構成に含めるようにしてもよい。
また、例えば、本技術は、1つの機能を、ネットワークを介して複数の装置で分担、共同して処理するクラウドコンピューティングの構成をとることができる。
また、例えば、上述したプログラムは、任意の装置において実行することができる。その場合、その装置が、必要な機能(機能ブロック等)を有し、必要な情報を得ることができるようにすればよい。
また、例えば、上述のフローチャートで説明した各ステップは、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。さらに、1つのステップに複数の処理が含まれる場合には、その1つのステップに含まれる複数の処理は、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。換言するに、1つのステップに含まれる複数の処理を、複数のステップの処理として実行することもできる。逆に、複数のステップとして説明した処理を1つのステップとしてまとめて実行することもできる。
コンピュータが実行するプログラムは、プログラムを記述するステップの処理が、本明細書で説明する順序に沿って時系列に実行されるようにしても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで個別に実行されるようにしても良い。つまり、矛盾が生じない限り、各ステップの処理が上述した順序と異なる順序で実行されるようにしてもよい。さらに、このプログラムを記述するステップの処理が、他のプログラムの処理と並列に実行されるようにしても良いし、他のプログラムの処理と組み合わせて実行されるようにしても良い。
本明細書において複数説明した本技術は、矛盾が生じない限り、それぞれ独立に単体で実施することができる。もちろん、任意の複数の本技術を併用して実施することもできる。例えば、いずれかの実施の形態において説明した本技術の一部または全部を、他の実施の形態において説明した本技術の一部または全部と組み合わせて実施することもできる。また、上述した任意の本技術の一部または全部を、上述していない他の技術と併用して実施することもできる。
本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1) GNSS信号または発振器の発振周波数に基づいて、送信信号の送信を制御するための情報を設定する設定部と、
前記設定部により設定された前記情報に基づいて、前記送信信号の送信を制御する送信制御部と、
前記送信制御部の制御に従って前記送信信号を送信する送信部と
を備える送信装置。
(2) 前記設定部は、前記GNSS信号の受信状況に応じて前記GNSS信号または前記発振周波数を選択し、選択した方を用いて前記情報を設定する
(1)に記載の送信装置。
(3) 前記設定部は、
受信された前記GNSS信号が所定の基準値より高品質である場合、前記GNSS信号を用いて前記情報を設定し、
受信された前記GNSS信号が前記基準値より低品質である場合、前記発振周波数を用いて前記情報を設定する
(2)に記載の送信装置。
(4) 前記情報は、時刻情報を含み、
前記設定部は、
受信された前記GNSS信号が所定の基準値より高品質である場合、前記GNSS信号から得られる時刻を前記時刻情報として設定し、
受信された前記GNSS信号が前記基準値より低品質である場合、前記発振周波数に同期したタイミングでカウントして得られる時刻を前記時刻情報として設定するように構成される
(3)に記載の送信装置。
(5) 前記送信制御部は、前記送信部を制御して、前記設定部により設定された前記時刻情報に基づいて、前記送信信号を予め定められた受信側に既知の送信タイミングに送信させる
(4)に記載の送信装置。
(6) 前記設定部は、受信された前記GNSS信号が所定の基準値より高品質である場合、前記GNSS信号から得られる時刻を用いて、前記発振周波数に同期したタイミングでカウントして得られる前記時刻を補正する
(4)または(5)に記載の送信装置。
(7) 前記情報は、送信制御用周波数を含み、
前記設定部は、
受信された前記GNSS信号が所定の基準値より高品質である場合、前記発振周波数を、今回受信した前記GNSS信号から得られる周波数を用いて補正し、補正後の前記発振周波数を前記送信制御用周波数として設定し、
受信された前記GNSS信号が前記基準値より低品質である場合、前記発振周波数を、前回の補正値で補正し、補正後の前記発振周波数を前記送信制御用周波数として設定するように構成される
(3)乃至(6)のいずれかに記載の送信装置。
(8) 前記送信制御部は、前記送信部を制御して、前記設定部により設定された前記送信制御用周波数に基づく送信周波数で前記送信信号を送信させる
(7)に記載の送信装置。
(9) 前記GNSS信号を受信するGNSS受信部をさらに備え、
前記設定部は、前記GNSS受信部により受信された前記GNSS信号または前記発振周波数に基づいて前記情報を設定するように構成される
(1)乃至(8)のいずれかに記載の送信装置。
(10) GNSS信号または発振器の発振周波数に基づいて、送信信号の送信を制御するための情報を設定し、
設定された前記情報に基づいて、前記送信信号の送信制御を行い、
前記送信制御に従って前記送信信号を送信する
送信方法。
(11) GNSS信号または発振器の発振周波数に基づいて、送信側から送信された信号の受信を制御するための情報を設定する設定部と、
前記設定部により設定された前記情報に基づいて、前記信号の受信を制御する受信制御部と、
前記受信制御部の制御に従って前記信号を受信する受信部と
を備える受信装置。
(12) 前記設定部は、前記GNSS信号の受信状況に応じて前記GNSS信号または前記発振周波数を選択し、選択した方を用いて前記情報を設定する
(11)に記載の受信装置。
(13) 前記設定部は、
受信された前記GNSS信号が所定の基準値より高品質である場合、前記GNSS信号を用いて前記情報を設定し、
受信された前記GNSS信号が前記基準値より低品質である場合、前記発振周波数を用いて前記情報を設定する
(12)に記載の受信装置。
(14) 前記情報は、時刻情報を含み、
前記設定部は、
受信された前記GNSS信号が所定の基準値より高品質である場合、前記GNSS信号から得られる時刻を前記時刻情報として設定し、
受信された前記GNSS信号が前記基準値より低品質である場合、前記発振周波数に同期したタイミングでカウントして得られる時刻を前記時刻情報として設定するように構成される
(13)に記載の受信装置。
(15) 前記受信制御部は、前記受信部を制御して、前記設定部により設定された前記時刻情報に基づいて、前記信号を予め定められた送信側に既知の受信タイミングに受信させる
(14)に記載の受信装置。
(16) 前記設定部は、受信された前記GNSS信号が所定の基準値より高品質である場合、前記GNSS信号から得られる時刻を用いて、前記発振周波数に同期したタイミングでカウントして得られる前記時刻を補正する
(14)または(15)に記載の受信装置。
(17) 前記情報は、受信制御用周波数を含み、
前記設定部は、
受信された前記GNSS信号が所定の基準値より高品質である場合、前記発振周波数を、今回受信した前記GNSS信号から得られる周波数を用いて補正し、補正後の前記発振周波数を前記受信制御用周波数として設定し、
受信された前記GNSS信号が前記基準値より低品質である場合、前記発振周波数を、前回の補正値で補正し、補正後の前記発振周波数を前記受信制御用周波数として設定するように構成される
(13)乃至(16)のいずれかに記載の受信装置。
(18) 前記受信制御部は、前記受信部を制御して、前記設定部により設定された前記受信制御用周波数に基づく受信周波数で前記信号を受信させる
(17)に記載の受信装置。
(19) 前記GNSS信号を受信するGNSS受信部をさらに備え、
前記設定部は、前記GNSS受信部により受信された前記GNSS信号または前記発振周波数に基づいて前記情報を設定するように構成される
(11)乃至(18)のいずれかに記載の受信装置。
(20) GNSS信号または発振器の発振周波数に基づいて、送信側から送信された信号の受信を制御するための情報を設定し、
設定された前記情報に基づいて、前記信号の受信制御を行い、
前記受信制御に従って前記信号を受信する
受信方法。