JPWO2018158802A1 - スタッドピン、およびスタッドタイヤ - Google Patents

スタッドピン、およびスタッドタイヤ Download PDF

Info

Publication number
JPWO2018158802A1
JPWO2018158802A1 JP2019502306A JP2019502306A JPWO2018158802A1 JP WO2018158802 A1 JPWO2018158802 A1 JP WO2018158802A1 JP 2019502306 A JP2019502306 A JP 2019502306A JP 2019502306 A JP2019502306 A JP 2019502306A JP WO2018158802 A1 JPWO2018158802 A1 JP WO2018158802A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flange
stud
tire
contour shape
protrusions
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019502306A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6849053B2 (ja
Inventor
将一 森
将一 森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yokohama Rubber Co Ltd
Original Assignee
Yokohama Rubber Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yokohama Rubber Co Ltd filed Critical Yokohama Rubber Co Ltd
Publication of JPWO2018158802A1 publication Critical patent/JPWO2018158802A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6849053B2 publication Critical patent/JP6849053B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C11/00Tyre tread bands; Tread patterns; Anti-skid inserts
    • B60C11/14Anti-skid inserts, e.g. vulcanised into the tread band
    • B60C11/16Anti-skid inserts, e.g. vulcanised into the tread band of plug form, e.g. made from metal, textile
    • B60C11/1643Anti-skid inserts, e.g. vulcanised into the tread band of plug form, e.g. made from metal, textile with special shape of the plug-body portion, i.e. not cylindrical
    • B60C11/1668Anti-skid inserts, e.g. vulcanised into the tread band of plug form, e.g. made from metal, textile with special shape of the plug-body portion, i.e. not cylindrical with an additional collar
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C11/00Tyre tread bands; Tread patterns; Anti-skid inserts
    • B60C11/14Anti-skid inserts, e.g. vulcanised into the tread band
    • B60C11/16Anti-skid inserts, e.g. vulcanised into the tread band of plug form, e.g. made from metal, textile
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C11/00Tyre tread bands; Tread patterns; Anti-skid inserts
    • B60C11/14Anti-skid inserts, e.g. vulcanised into the tread band
    • B60C11/16Anti-skid inserts, e.g. vulcanised into the tread band of plug form, e.g. made from metal, textile
    • B60C11/1643Anti-skid inserts, e.g. vulcanised into the tread band of plug form, e.g. made from metal, textile with special shape of the plug-body portion, i.e. not cylindrical
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C11/00Tyre tread bands; Tread patterns; Anti-skid inserts
    • B60C11/14Anti-skid inserts, e.g. vulcanised into the tread band
    • B60C11/16Anti-skid inserts, e.g. vulcanised into the tread band of plug form, e.g. made from metal, textile
    • B60C11/1643Anti-skid inserts, e.g. vulcanised into the tread band of plug form, e.g. made from metal, textile with special shape of the plug-body portion, i.e. not cylindrical
    • B60C11/1656Anti-skid inserts, e.g. vulcanised into the tread band of plug form, e.g. made from metal, textile with special shape of the plug-body portion, i.e. not cylindrical concave or convex, e.g. barrel-shaped
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C11/00Tyre tread bands; Tread patterns; Anti-skid inserts
    • B60C11/14Anti-skid inserts, e.g. vulcanised into the tread band
    • B60C11/16Anti-skid inserts, e.g. vulcanised into the tread band of plug form, e.g. made from metal, textile
    • B60C11/1675Anti-skid inserts, e.g. vulcanised into the tread band of plug form, e.g. made from metal, textile with special shape of the plug- tip

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Tires In General (AREA)

Abstract

スタッドピンは、チップと、ボディ部と、下部フランジ部と、を備える。前記下部フランジ部のフランジ輪郭形状は、長さの異なる短辺及び長辺を備える異方性形状であり、前記長辺に平行な長手方向に向かって突出する4つ以上の第1フランジ凸部(F1)と、前記短辺に平行な短手方向に向かって突出する2つの第2フランジ凸部(F2)と、を備える。前記ボディ部のボディ輪郭形状は、直線状に延びる複数のボディ直線部を含む形状である。前記ボディ直線部は、前記第1フランジ凸部(F1)および前記第2フランジ凸部(F2)のうちの前記フランジ輪郭形状の外周に沿って隣り合う2つの凸部の間の前記フランジ輪郭形状の部分と対向するように設けられている。

Description

本発明は、タイヤに装着されるスタッドピン、およびスタッドタイヤに関する。
従来、氷雪路用のスタッドタイヤでは、トレッド部にスタッドピンが装着され、氷上路面においてグリップが得られるようになっている。
一般に、スタッドピンは、トレッド部に設けられたピン埋め込み用孔(以降、単に孔ともいう)に埋め込まれる。孔にスタッドピンを埋め込むとき、孔径を拡張した状態の孔にスタッドピンを挿入することで、スタッドピンが孔及びトレッド部にきつく締め付けられてトレッド部に装着される。これにより、スタッドタイヤの転動中に路面から受ける制駆動力や横力によるスタッドピンの孔からの抜け落ちを防いでいる。スタッドピンが抜け落ちないことによって、氷上路面における制駆動性あるいは操縦性が確保される。
氷上路面での制駆動性あるいは操縦性を高めるために、スタッドピンの上部フランジあるいは下部フランジの輪郭形状が非円弧形状になっている場合がある。
例えば、スタッドピンの下部フランジが、互いに反対方向に円弧状に突出した凸部と、凸部の突出方向に対して直交する直交方向に円弧状に凹んだ湾曲部と、を備えた輪郭形状であって、凸部の突出方向に沿った輪郭形状の長さが、上記直交方向に沿った輪郭形状の長さに比べて長い異方性を有するスタッドピンが知られている(特許文献1)。
国際公開第2014/027145号
上記スタッドピンは、下部フランジの輪郭形状が非円弧形状の異方性形状であるので、タイヤに対する向きを定めて孔に打ち込む必要がある。スタッドピンの打ち込みは、一般に、装着フィンガーを備えるスタッドピン装着装置を用いて行われる。しかし、異方性形状の下部フランジを備えるスタッドピンは、装着フィンガーで把持したときの向きを適切な状態に安定させることが難く、打ち損じが生じやすい。
そこで、本発明は、氷上路面での制駆動性および操縦性が優れていながら、ピン打ち性にも優れた、スタッドピン及びこのスタッドピンを装着したスタッドタイヤを提供することを目的とする。
本発明の一態様は、スタッダブルタイヤに装着されるスタッドピンであって、
路面と接触するための先端面を有するチップと、
前記チップを一方の側の端面から突出させるように前記チップを保持するボディ部と、
前記ボディ部の前記端面と反対側の端に接続した下部フランジ部と、を備え、
前記チップ、前記ボディ部、及び前記下部フランジ部の配列方向から見た前記下部フランジ部のフランジ輪郭形状は、前記輪郭形状に外接する仮想の矩形のうち、四辺の中で長さの最も短い辺が最小となる第1最小矩形、及び、四辺の中で長さの最も長い辺が最小となる第2最小矩形のうち、少なくともいずれか一方の最小矩形が、長さの異なる短辺及び長辺を備える、異方性形状であり、
前記フランジ輪郭形状は、前記長辺に平行な長手方向に向かって突出する4つ以上の第1フランジ凸部F1と、前記短辺に平行な短手方向に向かって突出する2つの第2フランジ凸部F2と、を備え、
前記配列方向から見た前記ボディ部のボディ輪郭形状は、直線状に延びる複数のボディ直線部を含む形状であり、
前記ボディ直線部は、前記第1フランジ凸部F1および前記第2フランジ凸部F2のうちの前記フランジ輪郭形状の外周に沿って隣り合う2つの凸部の間の前記フランジ輪郭形状の部分と対向するように設けられている、ことを特徴とする。
前記第1フランジ凸部F1は、2対の第1フランジ凸部F1で構成され、
前記ボディ輪郭形状は、前記ボディ直線部として、前記対それぞれの第1フランジ凸部F1の間の前記フランジ輪郭形状の部分と対向するように設けられた2つのボディ直線部B1を備え、前記第2フランジ凸部F2それぞれと前記第1フランジ凸部F1の1つとの間に挟まれる前記フランジ輪郭形状の部分と対向するように設けられた4つのボディ直線部B2を備えることが好ましい。
前記フランジ輪郭形状は、前記対それぞれに対して、前記対それぞれの第1フランジ凸部F1の間に挟まれるように、前記フランジ輪郭形状の図心に向かって湾曲した第1フランジ凹部F3を2つ備え、前記第2フランジ凸部F2それぞれと前記第1フランジ凸部F1の1つとの間に挟まれるように、前記図心に向かって湾曲し、前記第1フランジ凸部F1の1つに滑らかに接続した第2フランジ凹部F4を4つ備え、
前記ボディ直線部B1は、前記第1フランジ凹部F3と対向するように設けられ、前記ボディ直線部B2は、前記第2フランジ凹部F4と対向するように設けられていることが好ましい。
前記2つの第2フランジ凸部F2は、前記長手方向に平行な2つのフランジ直線部を含み、前記フランジ直線部は、前記短手方向に最も突出した部分であることが好ましい。
前記ボディ部は、前記配列方向から見て、前記フランジ輪郭形状の輪郭内に含まれ、
前記ボディ輪郭形状は、前記第2フランジ凸部F2に向かって突出する2つのボディ凸部B4を備え、前記ボディ凸部B4は、互いに接続された2つの前記ボディ直線部B2からなることが好ましい。
前記ボディ部は、前記配列方向から見て、前記フランジ輪郭形状の輪郭内に含まれ、
前記ボディ輪郭形状は、前記最小矩形の短辺に向かって突出する2つのボディ凸部B3を備え、
前記ボディ凸部B3は、前記ボディ直線部B1を含み、前記ボディ直線部B1は、前記最小矩形の長辺に平行な長手方向に最も突出した部分であることが好ましい。
本発明の別の一態様は、スタッダブルタイヤに、スタッドピンを装着したスタッドタイヤであって、
前記スタッドピンを、前記長手方向または短手方向がタイヤ周方向に向くように装着したトレッド部を備える、ことを特徴とする。
本発明によれば、氷上路面での制駆動性および操縦性が優れていながら、ピン打ち性にも優れた、スタッドピン及びスタッドタイヤが得られる。
本実施形態のタイヤの断面の一例を示すタイヤ断面図である。 本実施形態のタイヤの外観斜視図である。 本実施形態のスタッドタイヤのトレッドパターンの一例を平面上に展開したトレッドパターンの一部の平面展開図である。 (a),(b)は、本実施形態のスタッドピンの外観斜視図と平面図である。 一実施形態の下部フランジおよびボディの輪郭形状を説明する図である。 一実施形態のスタッドピンを、スタッドピン装着装置の装着フィンガーで把持した状態の例を示す図である。 (a)〜(d)は、図5に示す輪郭形状を有する下部フランジおよびボディを把持する装着フィンガーの把持位置の例を示す図である。 (a),(b)は、タイヤに装着されるスタッドピンの向きを説明する図である。
(タイヤの全体説明)
以下、本実施形態のスタッドタイヤについて説明する。図1は、本実施形態のスタッドタイヤ(以降、タイヤという)10の断面の一例を示すタイヤ断面図である。図2は、タイヤ10の外観斜視図である。
タイヤ10は、トレッド部にスタッドピンが埋め込まれたタイヤである(図1,2では、スタッドピンは図示されていない)。
タイヤ10は、例えば、乗用車用タイヤである。乗用車用タイヤは、JATMA YEAR BOOK 2012(日本自動車タイヤ協会規格)のA章に定められるタイヤをいう。この他、B章に定められる小型トラック用タイヤおよびC章に定められるトラック及びバス用タイヤに適用することもできる。
以降で具体的に説明する各パターン要素の寸法の数値は、乗用車用タイヤにおける数値例であり、スタッドタイヤはこれらの数値例に限定されない。
以降で説明するタイヤ周方向C(図2参照)とは、タイヤ回転軸Axis(図2参照)を中心にタイヤ10を回転させたとき、トレッド面の回転する方向をいい、タイヤ径方向Rとは、タイヤ回転軸Axisに対して直交して延びる放射方向をいい、タイヤ径方向外側とは、タイヤ回転軸Axisからタイヤ径方向Rに離れる側をいう。タイヤ幅方向Wとは、タイヤ回転軸Axisに平行な方向をいい、タイヤ幅方向外側とは、タイヤ10のタイヤ赤道線CL(図3参照)から離れる両側をいう。
(タイヤ構造)
タイヤ10は、骨格材として、カーカスプライ12と、ベルト14と、ビードコア16とを有する。タイヤ10は、これらの骨格材の周りに、トレッドゴム18と、サイドゴム20と、ビードフィラーゴム22と、リムクッションゴム24と、インナーライナゴム26と、を主に有する。
カーカスプライ12は、一対の円環状のビードコア16の間を巻きまわしてトロイダル形状を成した、有機繊維をゴムで被覆したカーカスプライ材12a,12bを含む。図1に示すタイヤ10では、カーカスプライ12は、カーカスプライ材12a,12bで構成されているが、1つのカーカスプライ材で構成されてもよい。カーカスプライ12のタイヤ径方向外側に2枚のベルト材14a,14bで構成したベルト14が設けられている。ベルト14は、タイヤ周方向Cに対して、所定の角度、例えば20〜30度傾斜して配されたスチールコードにゴムを被覆した部材であり、下層のベルト材14aのタイヤ幅方向の幅が上層のベルト材14bの幅に比べて広い。2層のベルト材14a,14bのスチールコードの傾斜方向はタイヤ周方向Cからタイヤ幅方向Wに向かって互いに異なる方向に傾いている。このため、ベルト材14a,14bは、交錯層となっており、充填された空気圧によるカーカスプライ12の膨張を抑制する。
ベルト14のタイヤ径方向外側には、トレッドゴム18が設けられ、トレッドゴム18の両端部には、サイドゴム20が接続されてサイドウォール部を形成している。トレッドゴム18は2層のゴムで構成され、タイヤ径方向外側に設けられる上層トレッドゴム18aとタイヤ径方向内側に設けられる下層トレッドゴム18bとを有する。サイドゴム20のタイヤ径方向内側の端には、リムクッションゴム24が設けられ、タイヤ10を装着するリムと接触する。ビードコア16のタイヤ径方向外側には、ビードコア16の周りに巻きまわす前のカーカスプライ12の部分と、ビードコア16の周りに巻きまわした後のカーカスプライ12の部分との間に挟まれるようにビードフィラーゴム22が設けられている。タイヤ10とリムとで囲まれる空気を充填するタイヤ空洞領域に面するタイヤ10の内表面には、インナーライナゴム26が設けられている。
この他に、タイヤ10は、ベルト14のタイヤ径方向外側からベルト14を覆う、有機繊維をゴムで被覆したベルトカバー層28を備える。
タイヤ10は、このようなタイヤ構造を有するが、本実施形態のタイヤ構造は、図1に示すタイヤ構造に限定されない。
(トレッドパターン)
図3は、タイヤ10の、一例であるトレッドパターン30を平面上に展開したトレッドパターンの一部の平面展開図である。図3では、トレッド部に装着されるスタッドピンの図示は省略されている。タイヤ10は図3に示されるように、タイヤ周方向Cの一方の向きを示すタイヤ回転方向Xが指定されている。タイヤ回転方向Xの向きの情報は、タイヤ10のサイドウォール表面に設けられた数字、記号(例えば、矢印の記号)等の情報表示部に示されている。スタッドピン(図4(a)参照)は、図3に示される複数のピン埋め込み用孔29に装着される。
トレッドパターン30は、傾斜溝32と、周方向連絡溝34と、突出溝36と、サイプ38と、を有する。
傾斜溝32は、タイヤ周方向(図3の上下方向)に所定の間隔で複数形成されている。
傾斜溝32は、タイヤ回転方向X(図3では、下方向)と逆方向(図3では、上方向)に、かつタイヤ幅方向外側に延びている。傾斜溝32は、タイヤ赤道線CLの、タイヤ幅方向Wの一方の側の、タイヤ赤道線CLの近傍の位置を始端として、タイヤ赤道線CLを横切って、タイヤ幅方向Wの他方の側に向かって進み、パターンエンドPEに至る。
傾斜溝32の溝幅は、タイヤ赤道線CLの近傍の始端から徐々に大きくなっている。傾斜溝32のタイヤ幅方向Wに対する傾斜は、始端を含むタイヤ赤道線CL近傍で最も小さく、タイヤ赤道線CLを横切った後、タイヤ幅方向Wに対する傾斜角度が大きくなるように屈曲してタイヤ幅方向外側で、タイヤ回転方向Xと逆方向に進む。さらに、タイヤ幅方向外側に進むに連れて上記傾斜角度は、徐々に小さくなっている。このような傾斜溝32は、タイヤ赤道線CLの両側に設けられる。
トレッド部のタイヤ赤道線CLを挟んだ一方の側に設けられる傾斜溝32は、他方の側に設けられる傾斜溝32に対してタイヤ周方向Cに対して位置ずれしており、一方の側に設けられる傾斜溝32の始端は、他方の側に設けられる傾斜溝32と接続されない構成となっている。
タイヤ周方向Cに複数設けられる傾斜溝32のうち隣り合う傾斜溝32は、周方向連絡溝34によって連通している。より詳細には、周方向連絡溝34は、傾斜溝32の1つの途中からタイヤ周方向Cに向かって延びて、タイヤ周方向Cに隣り合う傾斜溝32を横切り、この隣り合う傾斜溝32に対してさらにタイヤ周方向Cに隣り合う傾斜溝32まで進む。すなわち、周方向連絡溝34の始端は、傾斜溝32の1つにあり、終端は、始端のある傾斜溝32からタイヤ周方向Cに沿って2つ目の傾斜溝32にある。このように、周方向連絡溝34は、タイヤ周方向Cに沿って隣り合う3つの傾斜溝32を接続するように設けられる。周方向連絡溝34は、タイヤ回転方向Xと反対方向に進むにつれて、タイヤ赤道線CLに近づくように、タイヤ周方向Cに対して傾斜している。
突出溝36は、周方向連絡溝34からタイヤ赤道線CLの方向に向かって突出し、タイヤ赤道線CLに到達する前に閉塞するように設けられている。
傾斜溝32と周方向連絡溝34によって、トレッド部の陸部は、センター領域とショルダー領域に分けられている。トレッド部のセンター領域及びショルダー領域の双方の領域には、傾斜溝32及び周方向連絡溝34に接続された複数のサイプ38が設けられている。
さらに、トレッド部のセンター領域及びショルダー領域の双方の領域には、複数のピン埋め込み用孔29が設けられている。
傾斜溝32、周方向連絡溝34、及び突出溝36の溝深さは、例えば8.5〜10.5mmであり、溝幅の最大幅は12mmである。図3に示すトレッドパターンは一例であり、本実施形態のスタッドピンを装着するタイヤのトレッドパターンは、図3に示す形態に限定されない。
(スタッドピン)
図4(a),(b)は、本実施形態のスタッドピン50の外観斜視図と平面図である。
スタッドピン50は、チップ52と、ボディ部54と、下部フランジ56と、を備える。ボディ部54は、上部フランジ58と、シャンク部60と、を備える。ボディ部54及び下部フランジ56は、タイヤ10のピン埋め込み用孔29に装着されるとき、トレッドゴム18(図1)に埋設されてトレッドゴム18と接触する。
チップ52は、路面と接触するチップ先端面を有する。チップ52は、タングステンカーバイト等の超鋼合金で構成される。一実施形態によれば、チップ52は、サーメット材料で構成することもできる。チップ52は、ボディ部54の上端面54aに設けられた孔に固定される。このスタッドピン50がタイヤ10に装着された時、スタッドピン50のチップ52がトレッド表面から突出するようになっている。
ボディ部54は、チップ52を一方の側の上端面54aから突出させるようにチップ52を保持する部分であり、チップ52が突出する方向とは反対側の方向に延在している。ボディ部54の延在方向は、チップ52、ボディ部54、及び下部フランジ56の配列方向でもあり、この方向を方向Hと表す。
ボディ部54の上部フランジ58は、タイヤ10のトレッド部に埋め込まれる時、トレッド表面からチップ52が突出するように構成されている。チップ52は、ボディ部54の上端面54aで固定される。
下部フランジ56は、タイヤ10のトレッド部に埋め込まれる時、ピン埋め込み用孔29の底に接触するように構成されている。下部フランジ56は、ボディ部54の上端面54aと反対側のシャンク部60の端に接続されている。
シャンク部60は、上部フランジ58と下部フランジ56を接続する部分で、シャンク部60の、方向Hに直交する断面は、上部フランジ58及び下部フランジ56それぞれの断面に比べて細い。
ボディ部54の材料は特に制限されないが、チップ52の材料と異なっていることが好ましい。一実施形態によれば、ボディ部54は、スタッドピン50の軽量化のためにアルミニウム合金等で構成される。
本実施形態では、図4(b)に示すように、チップ52を方向Hから見た場合、チップ52の先端面の輪郭形状は、円形状である。一実施形態によれば、チップ52の先端面の輪郭形状は、楕円形状、複数の円弧形状を組み合わせた曲線形状、凸多角形形状、凹多角形形状、これらの形状の一部を直線形状、凹部を成した円弧形状、あるいは凹凸を成した波線形状に変更した形状であることも好ましい。
本実施形態では、図4(b)に示すように、上部フランジ58を方向Hから見た場合、上部フランジ58の輪郭形状(以下、ボディ輪郭形状ともいう)は、直線状に延びる複数のボディ直線部を含む形状、すなわち、直線状の複数の辺を備える形状である。ボディ直線部は、図4(b)に示す例において、ボディ輪郭形状は、凸多角形形状である。図4(b)に示す例において、ボディ輪郭形状は、凸六角形形状であるが、一例によれば、凸八角形形状、凸十二角形形状等の他の凸多角形形状であることも好ましい。また、一例によれば、ボディ輪郭形状は、凸多角形形状以外に、凹多角形形状であってもよい。凹多角形状は、複数の凸多角形を、隣り合う凸多角形が、一辺を共有するように、あるいは、1つの頂角同士が重なるように、複数の凸多角形を接続した形状である。
一例によれば、上部フランジ58の輪郭形状は、図4(b)に示す例のように、複数のボディ直線部のみで構成されることが好ましい。しかし、一実施形態によれば、上部フランジ58の輪郭形状は、円形状、楕円形状、複数の円弧形状を組み合わせた曲線形状、の一部を直線形状に変更した形状であることも好ましく、凸多角形形状、凹多角形形状の一部を、凸部を成した円弧形状、凹部を成した円弧形状、あるいは凹凸を成した波線形状に変更した形状であることも好ましい。
一例によれば、ボディ輪郭形状は、図4(b)に示すように、長手方向Lのボディ輪郭形状の長さと短手方向Sのボディ輪郭形状の長さが異なる異方性形状であることが好ましい。
方向Hから下部フランジ56を見た下部フランジ56のフランジ輪郭形状62は異方性形状である。ここで、異方性形状は、図4(b)に示すように、フランジ輪郭形状62に外接する種々の方向に傾斜した仮想の矩形のうち、四辺の中で長さの最も短い辺が最小となる第1最小矩形、及び、四辺の中で長さの最も長い辺が最小となる第2最小矩形のうち、少なくともいずれか一方の最小矩形が、長さの異なる短辺及び長辺を備える、形状である。図4(b)には、第1最小矩形100が示されている。この場合、第1最小矩形100は長さの最も短い辺が最小となる辺100aを有する。第1最小矩形100は、第2最小矩形でもある。すなわち、第2最小矩形は、長さの最も長い辺が最小となる辺100bを有する。第2最小矩形でもある第1最小矩形100の各辺のうち辺100aは短辺であり、辺100bは長辺である。このように、下部フランジ56のフランジ輪郭形状62は、異方性形状である。
このような異方性形状の下部フランジ56のフランジ輪郭形状62は、長辺(辺100b)に平行な長手方向Lに向かって突出する4つの第1フランジ凸部F1と、短辺(辺100a)に平行な短手方向Sに向かって突出する2つの第2フランジ凸部F2と、を備える。以降、辺100bは、長辺100bといい、辺100aは短辺100aという。
ここで、第1フランジ凸部F1とは、第1最小矩形100の中心(2つの対角線の交点)を通る短手方向Sに平行な直線から短辺100aまでの距離の半分以上、上記平行な直線から長手方向Lに離れた領域内にあって、長手方向Lに対して凸形状を成した部分を意味する。凸形状とは、フランジ輪郭形状62のある点からフランジ輪郭形状62の外周に沿って両側に進むほど上記平行な直線(第1最小矩形100の中心を通る短手方向Sに平行な直線)に近づく部分の形状をいう。
第2フランジ凸部F2とは、第1最小矩形100の中心(2つの対角線の交点)を通る長手方向Lに平行な直線から長辺100bまでの距離の半分以上、上記平行な直線から短手方向Sに離れた領域内にあって、短手方向Sに対して凸形状を成した部分である。凸形状とは、フランジ輪郭形状62のある点からフランジ輪郭形状62の外周に沿って両側に進むほど上記平行な直線(第1最小矩形100の中心を通る長手方向Lに平行な直線)に近づく部分の形状をいう。
本実施形態では、下部フランジ56のフランジ輪郭形状62は、4つの第1フランジ凸部F1と、2つの第2フランジ凸部F2と、を備え、2つの第1フランジ凸部F1は長手方向Lのうち第1の方向に向き、残りの2つの第1フランジ凸部F1は第1の方向と反対側の第2の方向に向き、1つの第2フランジ凸部F2は短手方向Sのうち第3の方向に向き、残りの1つの第2フランジ凸部F2は第3の方向と反対側の第4の方向に向く。長手方向Lの第1の方向に向く第1フランジ凸部F1の数と、第2の方向に向く第1フランジ凸部F1の数は、同じである。一実施形態によれば、3つの第1フランジ凸部F1は長手方向Lの第1の方向に向き、残りの1つの第1フランジ凸部F1は第1の方向と反対側の第2の方向に向き、1つの第2フランジ凸部F2は短手方向Sの第3の方向に向き、残りの1つの第2フランジ凸部F2は第3の方向と反対側の第4の方向に向くことも好ましい。
また、一実施形態によれば、下部フランジ56のフランジ輪郭形状62は、5つ、6つ、あるいは7つの第1フランジ凸部F1と、2つの第2フランジ凸部F2と、を備えることも好ましい。この場合、長手方向Lの第1の方向に向く第1フランジ凸部F1の数と、第2の方向に向く第1フランジ凸部F1の数は、同じであってもよく、あるいは異なってもよい。
本実施形態では、ボディ直線部は、第1フランジ凸部F1および第2フランジ凸部F2のうちのフランジ輪郭形状の外周に沿って隣り合う2つの凸部の間のフランジ輪郭形状の部分と対向するように設けられている。ここで、ボディ直線部が、隣り合う2つの凸部の間のフランジ輪郭形状の部分(以下、凸部間部分ともいう)と対向するとは、ボディ直線部が、凸部間部分の両端を結ぶ仮想直線が長手方向Lに対して傾斜した方向(以下、傾斜方向ともいう)に沿って延びていることをいう。凸部間部分が、後述する第1フランジ凹部F3または第2フランジ凹部F4である場合、凸部間部分の両端は、それぞれの凹部の両端である。凹部および凸部が、円弧形状である場合あるいは複数の円弧を組み合わせた形状である場合の両端は、次のように定められる。すなわち、凹部から、フランジ輪郭形状の周に沿ってこの凹部と隣り合う両側の凸部に向かって進む途中で、曲率半径の中心がフランジ輪郭形状の外側から、フランジ輪郭形状の周上あるいは内側に移る境界の位置が、凹部の両端である。また、ボディ直線部が、凸部間部分の傾斜方向に沿って延びるとは、ボディ直線部が、凸部間部分の傾斜方向に対して所定の角度差(例えば、15度以内)、長手方向Lに対して傾斜して延びることをいう。
このように、ボディ直線部が凸部間部分と対向するように設けられていることで、スタッドピン50をピン埋め込み用孔29に埋め込むときに用いるスタッドピン装着装置の装着フィンガーが、スタッドピン50の上部フランジ58を補助しやすい。
図6に、スタッドピン50を、スタッドピン装着装置の装着フィンガーで把持した状態の例を示す。
装着フィンガー70が下部フランジ56を把持した状態では、スタッドピン50の中心軸(下部フランジ56またはボディ部54の図心を通ってボディ部54の延在方向に延びる軸線)Zが傾く場合がある。下部フランジ56は、装着フィンガー70の先端部70aで把持されるため、スタッドピン50が傾くと、装着フィンガー70の先端部70aから離れた部分(装着フィンガーの腹とも呼ばれる。図6において楕円で囲んだ部分)70bに上部フランジ58が接触する。装着フィンガー70の腹70bに接触した上部フランジ58の部位が凹部又は凸部になっていると、装着フィンガー70の腹70bに沿って上部フランジ58が滑るように容易に動くため、スタッドピン50は姿勢を崩しやすい。スタッドピン50が姿勢を崩すと、スタッドピン50を目標とする向き(中心軸Zの周りの方位)に揃え難くなり、スタッドピン50がタイヤに対して正しい向きで装着されない可能性が高くなる。
本実施形態では、装着フィンガーによって把持されやすい下部フランジ56の凸部間部分と対向するようボディ直線部が設けられている。このため、スタッドピン50が傾いて上部フランジ58が装着フィンガーの腹に接触しても、装着フィンガーの腹に沿って上部フランジ58が滑るように動くことが抑制され、スタッドピン50を安定して把持することができる。そのため、スタッドピン50を目標とする向きに揃えやすく、スタッドピン50がタイヤに対して正しい向きで装着され易くなる。
本実施形態では、図5に示すように、凸部間部分とボディ直線部が同数あり、凸部間部分1つにつき、1つのボディ直線部が配置されていることが好ましい。すなわち、凸部間部分ごとに、凸部間部分と対向するボディ直線部が1つ配置されていることが好ましい。しかし、一実施形態によれば、凸部間部分の数とボディ直線部の数は異なっていることも好ましく、その場合も、凸部間部分1つにつき、1つのボディ直線部が配置されていることが好ましい。
また、本実施形態では、下部フランジ56のフランジ輪郭形状62が、長手方向Lに向かって突出する4つ以上の第1フランジ凸部F1と、短手方向Sに向かって突出する2つの第2フランジ凸部F2と、を備えるため、フランジ輪郭形状62の外周に沿って複数の凸部間部分が種々の方位に位置している。凸部間部分を装着フィンガーの把持位置と定めて、装着フィンガーで下部フランジ56を把持したとき、フランジ輪郭形状62の外周に沿った凸部間部分の両側には凸部が位置しているため、装着フィンガーが凸部に当接しても、凸部の外周に沿って滑るように凸部間部分に案内されやすい。したがって、装着フィンガーが、目標とする下部フランジの把持位置を把持しやすい。この点でも、スタッドピン50の向き(中心軸Zの周りの方位)を目標とする向きに揃えやすく、スタッドピン50がタイヤに対して正しい向きで装着され易くなる。
このように、本実施形態のスタッドピン50は、ピン打ち込み性に優れている。
本実施形態では、下部フランジ輪郭形状66の輪郭形状62は、4つの第1フランジ凸部F1と、2つの第2フランジ凸部F2と、を備えることにより、氷上路面での制駆動性および操縦性が向上する。
具体的に、氷上路面からスタッドピン50がせん断力を受けても、下記説明するように、スタッドピン50とピン埋め込み用孔29との間の隙間が形成され難いので、スタッドピン50はピン埋め込み用孔29内で位置の変動が生じ難い(ぐらぐらしない)。このため、スタッドピン50はピン埋め込み用孔29から抜け落ち難い他、氷上路面からスタッドピン50が受けたせん断力はベルト14に効率よく伝達され、さらに、スタッドタイヤ10全体、さらには、スタッドタイヤ10を装着した車両に伝達されるので、氷上路面での制駆動性あるいは操縦性が向上する。
また、本実施形態では、下部フランジ56の輪郭形状62は、4つの第1フランジ凸部F1と、2つの第2フランジ凸部F2と、を備えることにより、タイヤ10のピン埋め込み用孔29から抜け落ち難いスタッドピン50であって、抜け落ちの初期要因となるスタッドピン50の回転を抑制することができる。
具体的には、下部フランジ56のフランジ輪郭形状62は、長辺100bに沿って大きな第2フランジ凸部F2を備えるので、氷上路面からせん断力を受けたスタッドピン50が傾斜してピン埋め込み用孔から抜け出す動きを阻止する保持力が高くなる。このため、スタッドピン50は、ピン埋め込み用孔29から抜け難い。
一方、スタッドピン50は、スタッドタイヤから抜け落ちるとき、スタッドピン50が、孔に対して回転しながら抜け落ちる。すなわち、スタッドピン50がピン埋め込み用孔29から抜け落ちる前に、スタッドピン50はピン埋め込み用孔29内で回転する。一般に、スタッドピン50は、氷上路面からせん断力を受けると、スタッドピン50が装着されたピン埋め込み用孔29に対して転倒するように傾斜することで、この孔29によるスタッドピン50の締め付け力は低下する。これにより、ピン埋め込み用孔29内でスタッドピンがその中心軸Z周りに回転し易くなる。さらに、氷上路面から大きなせん断力を受けると、ピン埋め込み用孔29の締め付け力の低下によってスタッドピン50は、スタッドピン50が中心軸Z周りに回転する。この回転に伴って、氷上路面から受けるせん断力に対してピン埋め込み用孔29あるいはトレッドゴム18がスタッドピン50をピン埋め込み用孔29内に保持しようとする抗力は低下して、ピン埋め込み用孔29から抜け易くなる。しかし、スタッドピン50の下部フランジ56のフランジ輪郭形状62は第1フランジ凸部F1を4つ備え、凹凸が複数存在し、この凹凸に対応して変形したトレッドゴム18が変形した状態で下部フランジ56を締め付けてピン埋め込み用孔29に固定するので、氷上路面からせん断力を受けて転倒する方向にスタッドピン50が傾斜することによって生じるスタッドピン50とピン埋め込み用孔29との間の隙間が形成され難い。このため、トレッドゴム18(ピン埋め込み用孔の内壁面)による下部フランジ56の強い締め付けは維持され、スタッドピン50の抜け落ちの初期要因となるピン埋め込み用孔29内でのスタッドピン50の回転を抑制することができる。下部フランジの輪郭形状が上述した非円弧形状である従来のスタッドピンは、スタッドピンの抜け落ちを防止するために、スタッドピンが孔に対して回転しないよう機能するが、本実施形態のスタッドピン50は、そのような非円弧形状である従来のスタッドピンに比べてよりいっそうスタッドピン50の抜け落ちを抑制することができる。
図5は、一実施形態の下部フランジ56のフランジ輪郭形状62を説明する図である。
一実施形態によれば、図5に示すように、第1フランジ凸部F1は、2対の第1フランジ凸部F1で構成される。すなわち、図5の紙面において、長手方向Lのうち上方向に突出した2つの第1フランジ凸部F1を1つの対とし、長手方向Lのうち下方向に突出した2つの第1フランジ凸部F1をもう1つの対とする。このとき、ボディ輪郭形状は、ボディ直線部として、対それぞれの第1フランジ凸部F1の間のフランジ輪郭形状の部分と対向するように設けられた2つのボディ直線部B1を備えることが好ましい。このとき、さらに、第2フランジ凸部F2それぞれと第1フランジ凸部F1の1つとの間に挟まれるフランジ輪郭形状の部分と対向するように設けられた4つのボディ直線部B2を備えることが好ましい。
一実施形態によれば、フランジ輪郭形状62は、対それぞれの第1フランジ凸部F1の間に挟まれるように、フランジ輪郭形状62の図心に向かって湾曲した第1フランジ凹部F3を2つ備えることが好ましい。このとき、フランジ輪郭形状62は、第2フランジ凸部F2それぞれと第1フランジ凸部F1の1つとの間に挟まれるように、図心に向かって湾曲し、第1フランジ凸部F1の1つに滑らかに接続した第2フランジ凹部F4を4つ備えることが好ましい。このとき、さらに、ボディ直線部B1は、第1フランジ凹部F3と対向するように設けられ、ボディ直線部B2は、第2フランジ凹部F4と対向するように設けられていることが好ましい。
下部フランジ56のフランジ輪郭形状62は第2フランジ凹部F4を4箇所に備えることにより、フランジ輪郭形状62の周に沿って4つの窪みができる。また、下部フランジ56のフランジ輪郭形状62は第1フランジ凹部F3を2箇所に備えることにより、フランジ輪郭形状62の周に沿って2つの窪みができる。このため、スタッドピン50をピン埋め込み用孔29に埋め込むときに用いるスタッドピン装着装置の装着フィンガーが、スタッドピン50の下部フランジ56を把持し易い。すなわち、装着フィンガーは、異方性形状の下部フランジ56を把持する時、異方性形状の向きが適切な向きになるように把持してスタッドピン50をピン埋め込み用孔29に埋め込むことができ、ピン打ち込み性が向上する。
また、下部フランジ56のフランジ輪郭形状62は第1フランジ凹部F3を備えることにより、下部フランジ56がピン埋め込み用孔29の内壁面と接触する、短手方向Sに沿った接触面の面積を大きくすることができ、スタッドピン50がピン埋め込み用孔29から抜け出す動きを阻止する保持力は向上する。このため、スタッドピン50のピン埋め込み用孔29からの抜け落ちは抑制される。
一実施形態によれば、図5に示すように、2つの第2フランジ凸部F2は、長手方向Lに平行な2つのフランジ直線部F5を含み、フランジ直線部F5は、短手方向Sに最も突出した部分であることが好ましい。このような構成により、スタッドピン50をピン埋め込み用孔29に埋め込むときに用いるスタッドピン装着装置の装着フィンガーが、スタッドピン50の下部フランジ56を把持し易くなる。例えば、フランジ直線部F5を装着フィンガーの把持位置とする場合、装着フィンガーの把持位置がフランジ直線部F5内の所定の位置から外れたとしても、装着フィンガーが把持するフランジ直線部F5の範囲は広いので、スタッドピン50を安定して把持することができる。このため、スタッドピン50のピン埋め込み用孔29への埋め込みを失敗する回数が低くなる。
図7(a)〜(d)は、図5に示す輪郭形状62を有する下部フランジ56を把持するスタッドピン装着装置の装着フィンガーの把持位置の例を示す図である。図7(a)〜(d)において、“△”で示された位置で、装着フィンガーが把持することを示している。図7(a),(b)は、装着フィンガーが4本である場合を、図7(c),(d)は、装着フィンガーが3本である場合を、示している。図7(a)〜(d)に示す例では、少なくとも2つの凹部を把持位置とし、残りの把持位置をフランジ直線部F5あるいは凹部とする。このように、3本の装着フィンガーであっても、4本の装着フィンガーであっても、装着フィンガーは、下部フランジ56の凹部の位置でスタッドピン50を把持する形態が複数あるので、装着フィンガーの種類によらず安定してスタッドピン50をピン埋め込み用孔29に埋め込むことができる。
一実施形態によれば、ボディ部54は、配列方向Hから見て、フランジ輪郭形状62の輪郭内に含まれ、ボディ輪郭形状64は、第2フランジ凸部F2に向かって突出する2つのボディ凸部B4を備えることが好ましい。このとき、ボディ凸部B4は、互いに接続された2つのボディ直線部B2からなることが好ましい。ボディ凸部B4を構成する2つのボディ直線部B2は、それぞれ、第2フランジ凸部F2と第1フランジ凸部F1との間の凸部間部分(例えば、第2フランジ凹部F4)と対向するよう設けられている。したがって、この凸部間部分を把持位置に定めて、装着フィンガーの先端部で把持した場合に、把持されたスタッドピン50が傾いて上部フランジ58が装着フィンガーの腹に接触しても、装着フィンガーの腹に沿って上部フランジ58が滑るように動くことが抑制され、スタッドピン50を安定して把持することができる。この形態において、第2フランジ凸部F4は、フランジ直線部F5であることが好ましい。
一実施形態によれば、ボディ部54は、配列方向Hから見て、フランジ輪郭形状62の輪郭内に含まれ、ボディ輪郭形状64は、最小矩形の短辺に向かって突出する2つのボディ凸部B3を備えることが好ましい。このとき、ボディ凸部B3は、ボディ直線部B1を含み、ボディ直線部B1は、長手方向Lに最も突出した部分であることが好ましい。ボディ直線部B1は、第1フランジ凸部F1の間の凸部間部分(例えば、第1フランジ凹部F3)と対向するよう設けられている。したがって、この凸部間部分を把持位置に定めて、装着フィンガーの先端部で把持した場合に、把持されたスタッドピン50が傾いて上部フランジ58が装着フィンガーの腹に接触しても、装着フィンガーの腹に沿って上部フランジ58が滑るように動くことが抑制され、スタッドピン50を安定して把持することができる。
一実施形態によれば、図5に示すように、2つの第1フランジ凹部F3は、図心Gを通る短手方向Sに平行な第1仮想直線AL1(図5参照)に関して線対称形状を成していること、及び、図心Gを通る長手方向Lに平行な第2仮想直線AL2(図5参照)に関して線対称形状を成していること、の少なくとも一方を満足する、ことが好ましい。これにより、スタッドピン50をピン埋め込み用孔29に埋め込む際、装着フィンガーは、スタッドピン50を目標とする向きに揃えて把持することが容易にできる。
一実施形態によれば、図5に示すように、4つの第2フランジ凹部F4は、図心Gを通る短手方向Sに平行な第1仮想直線AL1に関して線対称形状を成していること、及び、図心Gを通る長手方向Lに平行な第2仮想直線AL2に関して線対称形状を成していること、の少なくとも一方を満足する、ことが好ましい。これにより、スタッドピン50をピン埋め込み用孔29に埋め込む際、装着フィンガーは、スタッドピン50を目標とする向きに揃えて把持することが容易にできる。
一実施形態によれば、図5に示すように、フランジ輪郭形状62は2つのフランジ直線部F5を備える場合、2つのフランジ直線部F5は、図心Gを通る短手方向Sに平行な第1仮想直線AL1に関して線対称形状を成していること、及び、図心Gを通る長手方向Lに平行な第2仮想直線AL2に関して線対称形状を成していること、の少なくとも一方を満足することが好ましい。これにより、スタッドピン50をピン埋め込み用孔29に埋め込む際、装着フィンガーは、スタッドピン50を目標とする向きに揃えて把持することが容易にできる。
また、一実施形態によれば、図5に示すように、第1フランジ凹部F3の凹み深さは、第2フランジ凹部F4の凹み深さと同じ、または、第2フランジ凹部F4の凹み深さに比べて深い、ことが好ましい。ここで、凹み深さとは、第1フランジ凹部F3及び第2フランジ凹部F4を挟む両側の2つの第1フランジ凸部F1に接する直線、あるいは1つの第1フランジ凸部F1と1つの第2フランジ凸部F2に接する直線から、第1フランジ凹部F3及び第2フランジ凹部F4それぞれにおいて最も遠くに位置する点までの距離をいう。このような凹み深さが定められた形状により、下部フランジ56がピン埋め込み用孔29の内壁面と接触する短手方向Sに沿った接触面の面積を大きくすることができるとともに短手方向Sに沿った辺の凹みが大きくなるので、スタッドピン50の回転をより一層抑制することができる。さらに、スタッドピン50がピン埋め込み用孔29から抜け出す動きを阻止する保持力が高くなる。
一実施形態によれば、第1フランジ凹部F3の湾曲形状及び第2フランジ凹部F4の湾曲形状は、曲率半径によって定まる円弧形状であることが好ましい。第1フランジ凹部F3の湾曲形状及び第2フランジ凹部F4の湾曲形状が単一の曲率半径で形成されている場合、第1フランジ凹部F3の曲率半径は、第2フランジ凹部F4の曲率半径以下であることが好ましい。例えば、第1フランジ凹部F3の曲率半径は、第2フランジ凹部F4の曲率半径の50%以下であることが上記保持力を向上させる点で好ましい。
一実施形態によれば、図5に示すように、2つの第2フランジ凸部F2は、長手方向Lに平行な2つのフランジ直線部F5を含み、フランジ直線部F5は、短手方向Sに最も突出した部分であり、2つのフランジ直線部F5のそれぞれの両端は、4つの第2フランジ凹部F4のうち2つの第2フランジ凹部F4と接続する、ことが好ましい。すなわち、1つの第2フランジ凸部F2は、1つのフランジ直線部F5と、2つの第2フランジ凹部F4とによって形成されることが好ましい。これにより、下部フランジ56は、短手方向Sに突出した大きな第2フランジ凸部F2を有することになるので、スタッドピン50がピン埋め込み用孔29から抜け出す動きを阻止する保持力が高くなる。
このように、下部フランジ56のフランジ輪郭形状62が異方性形状であるスタッドピン50は、タイヤに装着される。図8(a),(b)は、タイヤに装着されるスタッドピン50の向きを説明する図である。
図8(a)は、下部フランジ56の短手方向Sがタイヤ幅方向Wに向き、長手方向Lがタイヤ周方向Cに向くように配置方向を定めて、ピン埋め込み用孔29に埋め込む例である。図8(b)は、下部フランジ56の長手方向Lがタイヤ幅方向Wに向き、短手方向Sがタイヤ周方向Cに向くようにスタッドピン50の配置の向きを定めて、ピン埋め込み用孔29に埋め込む例である。ここで、下部フランジ56の長手方向Lまたは短手方向Sがタイヤ幅方向Wに向くとは、下部フランジ56の長手方向Lまたは短手方向Sが、タイヤ幅方向Wに対して所定の角度範囲(例えば、15度以内)で傾斜していることをいう。
図8(a)に示すように、長手方向Lがタイヤ周方向Cになるようにスタッドピン50を配置した場合、制動力あるいは駆動力をせん断力として受けたスタッドピン50は、ピン埋め込み用孔29内で転倒するように傾斜しようとするが、下部フランジ56の4つの第1フランジ凸部F1によって作られる凹凸に対応して変形したトレッドゴム18が下部フランジ56をピン埋め込み用孔29の内壁面で強く締め付けているので、氷上路面からタイヤ周方向Cにスタッドピン50が傾斜することによって生じるスタッドピン50とピン埋め込み用孔29との間の隙間が形成され難い(ぐらぐらしない)。このため、スタッドピン50はピン埋め込み用孔29内で回転し難い。このため、制駆動力は、スタッドピン50からトレッドゴム18を介してベルト14に効率よく伝達されるので、制動に対するスタッドタイヤの応答は早くなる。すなわち、氷上制動性は向上する他、スタッドピン50のピン埋め込み用孔29からの抜け落ちは抑制される。また、第2フランジ凹部F4は、タイヤ幅方向Wに対して傾斜した方向に向いた部分であるので、制駆動時にスリップ角がついてスタッドピン50が受ける制駆動力の向きが傾斜しても、ピン埋め込み用孔29の内壁面による、第2フランジ凹部F4及び第2フランジ凹部F4を挟んだ両側の凸部(第1フランジ凸部F1及び第2フランジ凸部F2)への強い締め付けにより、制駆動に対するスタッドタイヤの応答は早くなる。このように、雪氷路面上の制駆動性および制駆動時における耐ピン抜け性が向上する。さらに、下部フランジ56のフランジ輪郭形状62は、タイヤ幅方向Wに向いた大きな第2フランジ凸部F2を備えるので、旋回時に大きな横力をスタッドピン50が受けても、スタッドピン50が傾斜してピン埋め込み用孔から抜け出す動きを阻止する保持力が高くなる。このため、氷上路面における操縦性は向上するほか、旋回時の耐ピン抜け性も向上する。
一方、図8(b)に示すように、短手方向Sがタイヤ周方向Cになるようにスタッドピン50を配置した場合、横力をせん断力として受けたスタッドピン50は、ピン埋め込み用孔29内で転倒するように傾斜しようとするが、下部フランジ56の4つの第1フランジ凸部F1によって作られる凹凸に対応して変形したトレッドゴム18が下部フランジ56をピン埋め込み用孔29の内壁面で強く締め付けているので、タイヤ幅方向Wにスタッドピン50が傾斜することによって生じるスタッドピン50とピン埋め込み用孔29との間の隙間が形成され難い(ぐらぐらしない)。このため、スタッドピン50はピン埋め込み用孔29内で回転し難い。このため、横力は、スタッドピン50からトレッドゴム18を介してベルト14に効率よく伝達されるので、横力に対するスタッドタイヤの応答は早くなる他、スタッドピン50のピン埋め込み用孔29からの抜け落ちは抑制される。また、第2フランジ凹部F4は、タイヤ幅方向Wに対して傾斜した方向に向いた部分であるので、タイヤの旋回中、制駆動が付加されてスタッドピン50が受ける横力の向きが傾斜しても、ピン埋め込み用孔29の内壁面による、第2フランジ凹部F4及び第2フランジ凹部F4を挟んだ両側の凸部(第1フランジ凸部F1及び第2フランジ凸部F2)への締め付けにより、横力に対するスタッドタイヤの応答は早くなる。このように、旋回時における雪氷路面上の操縦性および耐ピン抜け性が向上する。さらに、下部フランジ56のフランジ輪郭形状62は、タイヤ周方向Cに向いた大きな第2フランジ凸部F2を備えるので、制動あるいは駆動時に大きな制駆動力をスタッドピン50が受けても、スタッドピン50が傾斜してピン埋め込み用孔から抜け出す動きを阻止する保持力が高くなる。このため、氷上路面における制駆動性は向上するほか、制駆動時の耐ピン抜け性も向上する。
このように、スタッドタイヤの目標とする特性に応じて、スタッドピン50の向きを設定することができる。
また、一実施形態によれば、トレッド部のタイヤ赤道線CL側の内側領域に装着するスタッドピン50の向きを、図8(a),(b)に示すいずれか一方の向きに定め、この内側領域に対してタイヤ幅方向外側にある外側領域に装着するスタッドピン50の向きを、図8(a),(b)に示す残りの向きに定めることも好ましい。トレッド部のタイヤ幅方向の位置で、制駆動性及び操縦性に与える影響度が異なるため、効率よく制駆動性及び操縦性を向上させるには、スタッドピン50を装着するタイヤ幅方向の位置に応じて、図8(a),(b)に示すスタッドピン50のいずれか一方の向きを択一的に選択することが好ましい。
(実施例、従来例、比較例)
下部フランジのフランジ輪郭形状およびボディ部のボディ輪郭形状が異なるスタッドピンを種々作製し、作製したスタッドピンを図1〜3に示すタイヤ10に埋め込んでスタッドタイヤを作製し、スタッドタイヤを試験車である乗用車に装着して、スタッドピンを評価した。
作製したタイヤのタイヤサイズは、205/55R16とした。乗用車は、排気量2000ccの前輪駆動のセダン型乗用車を用いた。タイヤの内圧条件は、前輪、後輪ともに230(kPa)とした。各タイヤの荷重条件は、前輪荷重を450kg重、後輪荷重を300kg重とした。スタッドピンの評価項目は、以下の通りである。
(ピン打ち安定性)
スタッドピン装着装置の装着フィンガーでスタッドピンを把持してタイヤにスタッドピンを装着し、正常にスタッドピンをピン埋め込み用孔29に装着できた比率を求めた。スタッドピンの装着は、比較例3〜7、及び実施例1〜3に関しては、下部フランジの長手方向がタイヤ周方向を向くことを目標にして行った。従来例、及び比較例1、2に関しては、下部フランジにおいて予め定めた向きがタイヤ周方向を向くことを目標にして行った。スタッドピンがピン埋め込み用孔29に対して斜めに埋め込まれ(上記所定の角度範囲を超えて傾斜して埋め込まれ)、また、ピン埋め込み用孔29に埋め込めなかった回数をNG数とし、タイヤに装着したスタッドピンの全数に対するNG数の比率(%)を100%から差し引いた値を、ピン打ち安定性として求めた。ピン打ち安定性(%)は95%以上であれば、ピン打ち安定性に優れるといえる。
(氷上制動性)
氷上路面上を試験車が走行し、速度30km/時から制動を開始し、5km/時になるまでの走行距離を制動距離として計測した。従来例の制動距離の逆数を基準(指数100)として、各例における制動距離の逆数を指数化した。指数が高いほど、制動距離は短く、氷上制動性が優れていることを意味する。
(氷上操縦性)
2名の評価ドライバーそれぞれが、整備されたクローズドコースの氷上路面上を試験車で走行し、操縦性の主観評価を行った。従来例の評価を基準(指数100)として、2名の評点を平均化して指数化した。指数が高いほど、氷上操縦性が優れていることを意味する。
下記表1,2には、従来例、比較例、及び実施例の各仕様と評価結果を示す。
表1,2に記載の“輪郭形状に外接する第1,2最小矩形の形状”とは、図4(b)に示す第1,2最小矩形の形状のいずれか一方の形状をいう。従来例における“円形状”は、第1,2最小矩形の形状ではなく、下部フランジ部のフランジ輪郭形状そのものをいう。比較例3、4及び各実施例における“長方形”の短辺の長さに対する長辺の長さの比は1:1.13とした。
表1,2に記載の“突出部数(第1フランジ凸部F1, 第2フランジ凸部F2)”において、第1フランジ凸部F1の数が偶数の場合は、長手方向の両側の方向に突出した数が同じになるようにした。第2フランジ凸部F2の数はいずれも偶数であり、短手方向Sの両側の方向に突出した数が同じになるようにした。第1フランジ凸部F1の数が3の場合は、長手方向の両側の方向に突出した数が2,1になるようにし、第1フランジ凸部F1の数が5の場合は、長手方向の両側の方向に突出した数が3,2になるようにした。
表2に記載の“ボディ直線部の配置”とは、ボディ輪郭形状に含まれるボディ直線部が、フランジ輪郭形状の凸部間部分と対向して配置されているか否かを意味する。“非対向”とは、全てのボディ直線部が凸部間部分と対向していないことを意味する。“一部対向”とは、比較例7において、4つのボディ直線部のうち、2つのボディ直線部が短手方向を向いていて、凸部間部分と対向しており、残る2つのボディ直線部が長手方向を向いていて、凸部間部分と対向していないことを意味する。“対向”とは、全てのボディ直線部が凸部間部分と対向していることを意味する。なお、第1フランジ凸部F1の数が5である実施例2において、突出した数が3である長手方向の側の2つの凸部間部分と対向するボディ直線部は、共通する1つの直線部とした。
Figure 2018158802
Figure 2018158802
従来例、比較例1〜7、及び実施例1〜3の比較より、下部フランジ56のフランジ輪郭形状62が、フランジ輪郭形状62に外接する第1最小矩形あるいは第2最小矩形が長方形となる、異方性形状であって、フランジ輪郭形状62が長手方向Lに向かって突出する4つ以上の第1フランジ凸部F1と、短手方向Sに向かって突出する2つの第2フランジ凸部F2を備え、ボディ輪郭形状が、複数のボディ直線部を含む形状であり、ボディ直線部は、凸部間部分と対向するように設けられていることにより、氷上路面での制動性および操縦性が優れていながら、ピン打ち性にも優れていることがわかる。
実施例1,3の比較より、フランジ直線部F5を備えることにより、ピン打ち性がさらに優れていることがわかる。
以上、本発明のスタッドピン、及びスタッドタイヤについて説明したが、本発明は上記実施形態及び実施例に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
10 空気入りタイヤ
12 カーカスプライ
14 ベルト
14a,14b ベルト材
16 ビードコア
18 トレッドゴム
18a 上層トレッドゴム
18b 下層トレッドゴム
20 サイドゴム
22 ビードフィラーゴム
24 リムクッションゴム
26 インナーライナゴム
28 ベルトカバー層
29 ピン埋め込み用孔
30 トレッドパターン
32 傾斜溝
34 周方向連絡溝
36 突出溝
50 スタッドピン
52 チップ
54 ボディ部
54a 上端面
56 下部フランジ部
58 上部フランジ部
60 シャンク部
62 フランジ輪郭形状
64 ボディ輪郭形状
100 第1最小矩形
100a 辺(短辺)
100b 辺(長辺)

Claims (7)

  1. スタッダブルタイヤに装着されるスタッドピンであって、
    路面と接触するための先端面を有するチップと、
    前記チップを一方の側の端面から突出させるように前記チップを保持するボディ部と、
    前記ボディ部の前記端面と反対側の端に接続した下部フランジ部と、を備え、
    前記チップ、前記ボディ部、及び前記下部フランジ部の配列方向から見た前記下部フランジ部のフランジ輪郭形状は、前記輪郭形状に外接する仮想の矩形のうち、四辺の中で長さの最も短い辺が最小となる第1最小矩形、及び、四辺の中で長さの最も長い辺が最小となる第2最小矩形のうち、少なくともいずれか一方の最小矩形が、長さの異なる短辺及び長辺を備える、異方性形状であり、
    前記フランジ輪郭形状は、前記長辺に平行な長手方向に向かって突出する4つ以上の第1フランジ凸部F1と、前記短辺に平行な短手方向に向かって突出する2つの第2フランジ凸部F2と、を備え、
    前記配列方向から見た前記ボディ部のボディ輪郭形状は、直線状に延びる複数のボディ直線部を含む形状であり、
    前記ボディ直線部は、前記第1フランジ凸部F1および前記第2フランジ凸部F2のうちの前記フランジ輪郭形状の外周に沿って隣り合う2つの凸部の間の前記フランジ輪郭形状の部分と対向するように設けられている、ことを特徴とするスタッドピン。
  2. 前記第1フランジ凸部F1は、2対の第1フランジ凸部F1で構成され、
    前記ボディ輪郭形状は、前記ボディ直線部として、前記対それぞれの第1フランジ凸部F1の間の前記フランジ輪郭形状の部分と対向するように設けられた2つのボディ直線部B1を備え、前記第2フランジ凸部F2それぞれと前記第1フランジ凸部F1の1つとの間に挟まれる前記フランジ輪郭形状の部分と対向するように設けられた4つのボディ直線部B2を備える、請求項1に記載のスタッドピン。
  3. 前記フランジ輪郭形状は、前記対それぞれに対して、前記対それぞれの第1フランジ凸部F1の間に挟まれるように、前記フランジ輪郭形状の図心に向かって湾曲した第1フランジ凹部F3を2つ備え、前記第2フランジ凸部F2それぞれと前記第1フランジ凸部F1の1つとの間に挟まれるように、前記図心に向かって湾曲し、前記第1フランジ凸部F1の1つに滑らかに接続した第2フランジ凹部F4を4つ備え、
    前記ボディ直線部B1は、前記第1フランジ凹部F3と対向するように設けられ、前記ボディ直線部B2は、前記第2フランジ凹部F4と対向するように設けられている、請求項2に記載のスタッドピン。
  4. 前記2つの第2フランジ凸部F2は、前記長手方向に平行な2つのフランジ直線部を含み、前記フランジ直線部は、前記短手方向に最も突出した部分である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のスタッドピン。
  5. 前記ボディ部は、前記配列方向から見て、前記フランジ輪郭形状の輪郭内に含まれ、
    前記ボディ輪郭形状は、前記第2フランジ凸部F2に向かって突出する2つのボディ凸部B4を備え、前記ボディ凸部B4は、互いに接続された2つの前記ボディ直線部B2からなる、請求項1〜4のいずれか1項に記載のスタッドピン。
  6. 前記ボディ部は、前記配列方向から見て、前記フランジ輪郭形状の輪郭内に含まれ、
    前記ボディ輪郭形状は、前記最小矩形の短辺に向かって突出する2つのボディ凸部B3を備え、
    前記ボディ凸部B3は、前記ボディ直線部B1を含み、前記ボディ直線部B1は、前記最小矩形の長辺に平行な長手方向に最も突出した部分である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のスタッドピン。
  7. スタッダブルタイヤに、スタッドピンを装着したスタッドタイヤであって、
    請求項1〜6のいずれか1項に記載のスタッドピンを、前記長手方向または短手方向がタイヤ周方向に向くように装着したトレッド部を備える、ことを特徴とするスタッドタイヤ。
JP2019502306A 2017-02-28 2017-02-28 スタッドピン、およびスタッドタイヤ Active JP6849053B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2017/007676 WO2018158802A1 (ja) 2017-02-28 2017-02-28 スタッドピン、およびスタッドタイヤ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2018158802A1 true JPWO2018158802A1 (ja) 2019-12-19
JP6849053B2 JP6849053B2 (ja) 2021-03-24

Family

ID=63370794

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019502306A Active JP6849053B2 (ja) 2017-02-28 2017-02-28 スタッドピン、およびスタッドタイヤ

Country Status (6)

Country Link
US (1) US11524530B2 (ja)
EP (1) EP3590734B1 (ja)
JP (1) JP6849053B2 (ja)
CN (1) CN110290941B (ja)
RU (1) RU2716522C1 (ja)
WO (1) WO2018158802A1 (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63242703A (ja) * 1987-03-31 1988-10-07 Agency Of Ind Science & Technol スパイクタイヤ
KR20090132896A (ko) * 2008-06-23 2009-12-31 금호타이어 주식회사 스노우 타이어용 스터드핀
KR20150071293A (ko) * 2013-12-18 2015-06-26 한국타이어 주식회사 스노우 타이어용 스터드
WO2015114813A1 (ja) * 2014-01-31 2015-08-06 横浜ゴム株式会社 スタッドピン及び空気入りタイヤ
JP2016097834A (ja) * 2014-11-21 2016-05-30 株式会社ブリヂストン スタッド、及び、スタッダブルタイヤ

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1199193B1 (de) * 2000-10-18 2007-12-19 Continental Aktiengesellschaft Spike für Fahrzeugreifen
FI123775B (fi) * 2002-12-11 2013-10-31 Nokian Renkaat Oyj Ei-pyöreiden liukuestenastojen asennus ajoneuvon renkaaseen
SE0700689L (sv) * 2007-03-19 2008-02-12 Nokian Renkaat Oyj Slirskyddsdubb och ett bildäck försett med sådan
FR2931727B1 (fr) * 2008-05-29 2010-06-11 Michelin Soc Tech Crampon pour pneumatique, pourvu d'evidements destines a ameliorer sa tenue dans le pneumatique
FI123780B (fi) * 2008-08-27 2013-10-31 Nokian Renkaat Oyj Nastoitettu ajoneuvon rengas
FI125427B2 (fi) 2012-08-17 2019-03-29 Scason Oy Nastarenkaan nasta ja nastarengas
FI125983B (en) * 2014-01-16 2016-05-13 Black Donuts Engineering Oy A non-slip and a vehicle tire comprising at least one non-slip pin
WO2016098394A1 (ja) * 2014-12-15 2016-06-23 横浜ゴム株式会社 空気入りタイヤ
EP3088170B1 (de) * 2015-04-29 2019-09-18 Continental Reifen Deutschland GmbH Positioniermechanismus zum positionieren einer spike-setzpistole gegenüber einem fahrzeugluftreifen sowie vorrichtung und verfahren zum bespiken von fahrzeugluftreifen
FI127185B (fi) * 2016-06-27 2017-12-29 Nokian Renkaat Oyj Menetelmä ajoneuvon renkaan nastoittamiseksi ja nastoitettu ajoneuvon rengas

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63242703A (ja) * 1987-03-31 1988-10-07 Agency Of Ind Science & Technol スパイクタイヤ
KR20090132896A (ko) * 2008-06-23 2009-12-31 금호타이어 주식회사 스노우 타이어용 스터드핀
KR20150071293A (ko) * 2013-12-18 2015-06-26 한국타이어 주식회사 스노우 타이어용 스터드
WO2015114813A1 (ja) * 2014-01-31 2015-08-06 横浜ゴム株式会社 スタッドピン及び空気入りタイヤ
JP2016097834A (ja) * 2014-11-21 2016-05-30 株式会社ブリヂストン スタッド、及び、スタッダブルタイヤ

Also Published As

Publication number Publication date
US11524530B2 (en) 2022-12-13
EP3590734A1 (en) 2020-01-08
EP3590734B1 (en) 2021-11-24
CN110290941B (zh) 2021-09-07
WO2018158802A1 (ja) 2018-09-07
EP3590734A4 (en) 2020-09-09
CN110290941A (zh) 2019-09-27
JP6849053B2 (ja) 2021-03-24
RU2716522C1 (ru) 2020-03-12
US20190381838A1 (en) 2019-12-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6844544B2 (ja) スタッドピン及びスタッドタイヤ
JP5831646B2 (ja) スタッドピン及び空気入りタイヤ
JP2015136942A (ja) スタッドピン及び空気入りタイヤ
JP2017197042A (ja) スタッドピン、空気入りタイヤ、空気入りタイヤの製造方法、及びスタッドピン装着方法
CN108025602B (zh) 充气轮胎以及防滑钉
JP6860063B2 (ja) スタッドピン、及びスタッドタイヤ
WO2015107864A1 (ja) スタッドピン及び空気入りタイヤ
JP6849052B2 (ja) スタッドピン、およびスタッドタイヤ
JP7070034B2 (ja) スタッドピン、及びスタッドタイヤ
JP6849053B2 (ja) スタッドピン、およびスタッドタイヤ
JP6860062B2 (ja) スタッドピン、及びスタッドタイヤ
JP2018140703A (ja) スタッドピン、および空気入りタイヤ
JP2017213960A (ja) 空気入りタイヤ、スタッドピン

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200221

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201124

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210121

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210202

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210215

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6849053

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250