JPWO2018131628A1 - キット、半導体素子の製造方法および半導体素子の基板の洗浄方法 - Google Patents

キット、半導体素子の製造方法および半導体素子の基板の洗浄方法 Download PDF

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Abstract

シリコーン化合物を含む仮接着剤と上記仮接着剤の洗浄剤を含むキットであって、各種残渣を適切に洗浄可能なキット、半導体素子の製造方法および半導体素子の基板の洗浄方法の提供。シリコーン化合物およびシリコーン化合物の前駆体からなる群より選択されるケイ素含有化合物の少なくとも1種を含む仮接着剤と、有機酸であって、有機酸に含まれる酸基がイオウ原子またはリン原子を含む有機酸の少なくとも1種と、有機溶剤とを含む、洗浄剤組成物Aと、有機カルボン酸化合物と、水および水溶性溶剤の少なくとも1種とを含む、洗浄剤組成物Bとを含むキット。

Description

本発明は、キット、半導体素子の製造方法および半導体素子の基板の洗浄方法に関する。
従来から、仮接着剤を除去するための洗浄剤組成物が検討されている。
例えば、特許文献1には、水添スチレン系エラストマーを含む接着剤を剥離するための剥離用組成物であって、環式テルペン系溶剤と、ノニオン系界面活性剤およびシリコン系界面活性剤のうち少なくとも一つとを含むことを特徴とする剥離用組成物が開示されている。
また、特許文献2には、A)水溶性有機溶媒、B)スルホン酸もしくはその対応する塩、およびC)水を含んでなる組成物が開示されている。
さらに、特許文献3には、水を滴下したときの表面の接触角が70度以上である半導体基板の洗浄に用いられる洗浄液組成物であって、脂肪族ポリカルボン酸類と水酸基および/またはエーテル基を有する有機溶剤を含み、上記半導体基板に滴下したときの接触角が40度以下となる、上記洗浄液組成物が開示されている。
特開2016−11361号公報 特表2006−505629号公報 特開2004−307725号公報
しかしながら、本発明者らが検討したところ、シリコーン化合物やシリコーン化合物の前駆体(以下、単に、「ケイ素含有化合物」ということがある)を含む仮接着剤を上記のような洗浄剤組成物で洗浄しようとしたところ、仮接着剤由来の炭素原子残渣やケイ素原子残渣が残ってしまうことが分かった。そこで、本出願人は、有機スルホン酸と有機溶剤を含む組成物を用いて除去することを検討した。しかしながら、ケイ素含有化合物を含む仮接着剤を有機スルホン酸と有機溶剤を含む組成物で洗浄したところ、有機スルホン酸由来のイオウ原子残渣が残ってしまうことが分かった。このようなイオウ原子残渣は、仮接着の対象である被加工基板が銅などの金属を有し、かつ、上記金属の表面に凹凸が多い場合、酸成分が金属の表面の腐食や金属配線の断線などを引き起こす場合がある。本発明は、かかる課題を解決することを目的とするものであって、ケイ素含有化合物を含む仮接着剤と上記仮接着剤の洗浄剤を含むキットであって、各種残渣を適切に洗浄可能なキット、半導体素子の製造方法および半導体素子の基板の洗浄方法を提供することを目的とする。
上記課題のもと、本発明者が検討を行った結果、ケイ素含有化合物を含む仮接着剤を、有機スルホン酸等を含む洗浄剤組成物で洗浄した後、さらに、有機カルボン酸と水等を含む洗浄剤組成物で洗浄することにより、ケイ素含有化合物由来の残渣を効果的に除去し、さらに、有機スルホン酸等由来の残渣も効果的に除去できることを見出し、本発明を完成するに至った。
具体的には、下記手段<1>により、好ましくは<2>〜<29>により、上記課題は解決された。
<1>シリコーン化合物およびシリコーン化合物の前駆体からなる群より選択されるケイ素含有化合物の少なくとも1種を含む仮接着剤と、有機酸であって、上記有機酸に含まれる酸基がイオウ原子またはリン原子を含む有機酸の少なくとも1種と、有機溶剤とを含む、洗浄剤組成物Aと、有機カルボン酸化合物と、水および水溶性溶剤の少なくとも1種とを含む、洗浄剤組成物Bとを含むキット。
<2>上記有機酸が、有機スルホン酸、有機リン酸および有機ホスホン酸からなる群より選択される有機酸の少なくとも1種を含む、<1>に記載のキット。
<3>上記ケイ素含有化合物が、シリコーンオイルを含む、<1>に記載のキット。
<4>上記ケイ素含有化合物が、ポリエーテル変性シリコーンを含む、<1>〜<3>のいずれか1つに記載のキット。
<5>上記仮接着剤におけるケイ素含有化合物の含有量が0.001〜1.0質量%である、<1>〜<4>のいずれか1つに記載のキット。
<6>上記仮接着剤がエラストマーを含む、<1>〜<5>のいずれか1つに記載のキット。
<7>上記エラストマーがポリスチレン系エラストマーである、<6>に記載のキット。
<8>上記有機酸の酸解離定数であるpKaが−4〜5である、<1>〜<7>のいずれか1つに記載のキット。
<9>上記有機酸が、アルキルスルホン酸、芳香族スルホン酸、アルキルリン酸、芳香族リン酸、アルキルホスホン酸および芳香族ホスホン酸からなる群より選択される、<1>〜<8>のいずれか1つに記載のキット。
<10>上記洗浄剤組成物Aに含まれる有機溶剤が、アルキル基を有する芳香族炭化水素系溶剤を含む、<1>〜<9>のいずれか1つに記載のキット。
<11>上記アルキル基を有する芳香族炭化水素系溶剤が、ベンゼン環と、炭素数1〜10のアルキル基を1〜3つ有する溶剤である、<10>に記載のキット。
<12>上記洗浄剤組成物Aにおける、上記有機酸と上記有機溶剤の質量比が0.0001:99.9999〜50:50である、<1>〜<11>のいずれか1つに記載のキット。
<13>上記有機カルボン酸化合物が、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、ヒドロキシ酸および芳香族カルボン酸からなる群より選択される、<1>〜<12>のいずれか1つに記載のキット。
<14>上記有機カルボン酸化合物の1−オクタノール中および水中の平衡濃度の比を表す1−オクタノール/水分配係数であるPを、底10に対する対数logPの形態で表した値が−5〜6である、<1>〜<13>のいずれか1つに記載のキット。
<15>上記洗浄剤組成物Bに含まれる溶剤が、水を含む、<1>〜<14>のいずれか1つに記載のキット。
<16>上記有機カルボン酸化合物の酸解離定数であるpKaが1〜7である、<1>〜<15>のいずれか1つに記載のキット。
<17>上記洗浄剤組成物Bにおける、上記有機カルボン酸化合物と上記溶剤の質量比が0.0001:99.9999〜50:50である、<1>〜<16>のいずれか1つに記載のキット。
<18>さらに、水およびアルコールの少なくとも1種を含むリンス組成物Cを含む、<1>〜<17>のいずれか1つに記載のキット。
<19>シリコーン化合物を表面に有する基板を、洗浄剤組成物Aを用いて洗浄する工程と、上記洗浄した基板を、さらに、洗浄剤組成物Bを用いて洗浄する工程を含み、
上記洗浄剤組成物Aが、有機酸であって、上記有機酸に含まれる酸基がイオウ原子またはリン原子を含む有機酸の少なくとも1種と、有機溶剤とを含み、上記洗浄剤組成物Bが、有機カルボン酸化合物と、水および水溶性溶剤の少なくとも1種とを含む、半導体素子の製造方法。
<20>上記有機酸が、有機スルホン酸、有機リン酸および有機ホスホン酸からなる群より選択される有機酸の少なくとも1種を含む、<19>に記載の半導体素子の製造方法。
<21>上記基板上に仮接着剤から形成される仮接着層を含み、上記仮接着層の少なくとも一部が上記有機酸によって洗浄され、かつ、上記仮接着剤は、上記シリコーン化合物および上記シリコーン化合物の前駆体の少なくとも1種を含む、<19>または<20>に記載の半導体素子の製造方法。
<22>上記洗浄剤組成物Aを用いて洗浄する工程および上記洗浄剤組成物Bを用いて洗浄する工程は、枚葉方式で洗浄する、<19>〜<21>のいずれか1つに記載の半導体素子の製造方法。
<23>上記洗浄剤組成物Aを用いて洗浄する工程の後および上記洗浄剤組成物Bを用いて洗浄する工程の後に、それぞれ、乾燥工程を含む、<19>〜<22>のいずれか1つに記載の半導体素子の製造方法。
<24>上記基板一枚の、上記洗浄剤組成物Aを用いて洗浄する工程の開始から、上記洗浄剤組成物Bを用いて洗浄する工程の終了までの時間が、30〜300秒である、<19>〜<23>のいずれか1つに記載の半導体素子の製造方法。
<25>上記洗浄剤組成物Bを用いて洗浄する工程の後に、水およびアルコールの少なくとも1種を含むリンス組成物Cを用いてリンス処理する工程を含む、<19>〜<24>のいずれか1つに記載の半導体素子の製造方法。
<26><1>〜<18>のいずれか1つに記載のキットを用いる、<19>〜<25>のいずれか1つに記載の半導体素子の製造方法。
<27>シリコーン化合物を表面に有する基板を、洗浄剤組成物Aを用いて洗浄する工程と、上記洗浄した基板を、さらに、洗浄剤組成物Bを用いて洗浄する工程を含み、上記洗浄剤組成物Aが、有機酸であって、上記有機酸に含まれる酸基がイオウ原子またはリン原子を含む有機酸の少なくとも1種と、有機溶剤とを含み、上記洗浄剤組成物Bが、有機カルボン酸化合物と、水および水溶性溶剤の少なくとも1種とを含む、半導体素子の基板の洗浄方法。
<28>上記洗浄剤組成物Bを用いて洗浄する工程の後に、水およびアルコールの少なくとも1種を含むリンス組成物Cを用いてリンス処理することを含む、<27>に記載の半導体素子の基板の洗浄方法。
<29><1>〜<18>のいずれか1つに記載のキットを用いる、<27>または<28>に記載の半導体素子の基板の洗浄方法。
本発明により、ケイ素含有化合物を含む仮接着剤と上記仮接着剤の洗浄剤を含むキットであって、各種残渣を適切に洗浄可能なキット、半導体素子の製造方法および半導体素子の基板の洗浄方法を提供可能になった。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。尚、本明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換および無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレートおよびメタクリレートを表し、「(メタ)アクリル」は、アクリルおよびメタクリルを表し、「(メタ)アクリロイル」は、「アクリロイル」および「メタクリロイル」を表す。
本明細書において、重量平均分子量および数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定によるポリスチレン換算値として定義される。本明細書において、重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、例えば、HLC−8220(東ソー(株)製)を用い、カラムとしてTSKgel Super AWM−H(東ソー(株)製、内径(ID)6.0mm×15.0cm)を用い、溶離液として10mmol/L リチウムブロミドNMP(N−メチルピロリドン)溶液を用いることによって求めることができる。
キット
本発明のキットは、シリコーン化合物およびシリコーン化合物の前駆体からなる群より選択されるケイ素含有化合物の少なくとも1種を含む仮接着剤と、有機酸であって、上記有機酸に含まれる酸基がイオウ原子またはリン原子を含む有機酸の少なくとも1種(以下、単に「有機酸」ということがある)と、有機溶剤とを含む、洗浄剤組成物Aと、有機カルボン酸化合物と、水および水溶性溶剤の少なくとも1種とを含む、洗浄剤組成物Bとを含むことを特徴とする。このような組成物を用いることにより、各種残渣を効果的に除去することができる。半導体プロセスにおいて、金属上のケイ素含有化合物由来の残渣は、絶縁層の剥がれの原因やハンダの密着不良の原因となるため、適切に除去することが求められる。このような洗浄剤として、上記有機酸を含む洗浄剤組成物を用いることが考えられる。しかしながら、被加工基板の金属の表面に凹凸がある場合、上記有機酸を含む洗浄剤組成物由来のイオウやリンが凹部に残りやすい。イオウやリンが凹部に残ると金属表面の腐食、配線の断線などの原因となるので、イオウやリン成分をただちに洗浄する必要がある。
本発明では、ケイ素含有化合物由来の残渣を有機酸と有機溶剤とを含む洗浄剤組成物Aを用いて適切に取り除き、さらに、有機酸由来の残渣を、有機カルボン酸化合物と水等を含む洗浄剤組成物Bを用いて適切に取り除くことにより、上記問題を解決し、成功したものである。さらに、本発明のキットを用いることにより、銅層の変色も効果的に抑制できる。銅層の変色は、有機カルボン酸化合物の配位で銅層の表面が保護されることによるものと推定される。
本発明のキットは、さらに、水およびアルコールの少なくとも1種を含むリンス組成物Cを含んでいてもよい。
以下、本発明のキットについて詳細に説明する。
<仮接着剤>
<<シリコーン化合物またはシリコーン化合物の前駆体>>
本発明で用いる仮接着剤は、シリコーン化合物およびシリコーン化合物の前駆体からなる群より選択されるケイ素含有化合物の少なくとも1種を含む。ケイ素含有化合物は、離型剤として働き、仮接着剤を被加工基板から容易に除去することが可能になる。
ケイ素含有化合物としてはシリコーンオイルが好ましい。シリコーンオイルとは、25℃で液体の化合物をいう。
また、ケイ素含有化合物は、重合性基などの反応性基を含まないことが好ましい。
ケイ素含有化合物は、ポリエーテル変性シリコーンであることが好ましい。
本発明で用いるポリエーテル変性シリコーンは、式(A)で表される比率が80%以上である。
式(A) {(MO+EO)/AO}×100
上記式(A)中、MOは、ポリエーテル変性シリコーン中のポリエーテル構造に含まれるメチレンオキシドのモル%であり、EOは、ポリエーテル変性シリコーン中のポリエーテル構造に含まれるエチレンオキシドのモル%であり、AOは、ポリエーテル変性シリコーン中のポリエーテル構造に含まれるアルキレンオキシドのモル%をいう。
上記式(A)で表される比率は、90%以上であることが好ましく、95%以上であることがより好ましく、98%以上であることがさらに好ましく、99%以上であることが一層好ましく、100%がより一層好ましい。
ポリエーテル変性シリコーンの重量平均分子量は、500〜100000が好ましく、1000〜50000がより好ましく、2000〜40000がさらに好ましい。
本発明において、ポリエーテル変性シリコーンは、ポリエーテル変性シリコーンを窒素気流60mL/分のもと、20℃から280℃まで20℃/分の昇温速度で昇温し、280℃の温度で30分間保持したときの質量減少率が50質量%以下であることが好ましい。このような化合物を用いることにより、加熱を伴う基板の加工後の面性状がより向上する傾向にある。上記ポリエーテル変性シリコーンの質量減少率は、45質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、35質量%以下がさらに好ましく、30質量%以下が一層好ましい。上記ポリエーテル変性シリコーンの質量減少率の下限値は0質量%であってもよいが、15質量%以上、さらには20質量%以上でも十分に実用レベルである。
本発明において、ポリエーテル変性シリコーンの光の屈折率は、1.440以下であることが好ましい。下限値については、特に定めるものではないが、1.400以上であっても十分実用レベルである。
本発明で用いるポリエーテル変性シリコーンは、下記式(101)〜式(104)のいずれかで表されるポリエーテル変性シリコーンが好ましい。
式(101)
Figure 2018131628
上記式(101)中、R11およびR16は、それぞれ独立に、置換基であり、R12およびR14は、それぞれ独立に、2価の連結基であり、R13およびR15は、水素原子または炭素数1〜5のアルキル基であり、m11、m12、n1およびp1は、それぞれ独立に0〜20の数であり、x1およびy1は、それぞれ独立に2〜100の数である。
式(102)
Figure 2018131628
上記式(102)中、R21、R25およびR26は、それぞれ独立に、置換基であり、R22は、2価の連結基であり、R23は、水素原子または炭素数1〜5のアルキル基であり、m2およびn2は、それぞれ独立に0〜20の数であり、x2は、2〜100の数である。
式(103)
Figure 2018131628
上記式(103)中、R31およびR36は、それぞれ独立に、置換基であり、R32およびR34は、それぞれ独立に、2価の連結基であり、R33およびR35は、水素原子または炭素数1〜5のアルキル基であり、m31、m32、n3およびp3は、それぞれ独立に0〜20の数であり、x3は、2〜100の数である。
式(104)
Figure 2018131628
上記式(104)中、R41、R42、R43、R44、R45およびR46は、それぞれ独立に、置換基であり、R47は、2価の連結基であり、R48は、水素原子または炭素数1〜5のアルキル基であり、m4およびn4は、それぞれ独立に0〜20の数であり、x4およびy4は、それぞれ独立に2〜100の数である。
上記式(101)中、R11およびR16は、それぞれ独立に、置換基であり、炭素数1〜5のアルキル基またはフェニル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
上記式(101)中、R12およびR14は、それぞれ独立に、2価の連結基であり、カルボニル基、酸素原子、炭素数1〜6のアルキレン基、炭素数6〜16のシクロアルキレン基、炭素数2〜8のアルケニレン基、炭素数2〜5のアルキニレン基、および炭素数6〜10のアリーレン基が好ましく、酸素原子がより好ましい。
式(101)中、R13およびR15は、水素原子または炭素数1〜5のアルキル基であり、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基がより好ましい。
上記式(102)中、R21、R25およびR26は、それぞれ独立に、置換基であり、式(101)におけるR11およびR16と同義であり、好ましい範囲も同様である。
上記式(102)中、R22は、2価の連結基であり、式(101)におけるR12と同義であり、好ましい範囲も同様である。
上記式(102)中、R23は、水素原子または炭素数1〜5のアルキル基であり、式(101)におけるR13およびR15と同義であり、好ましい範囲も同様である。
上記式(103)中、R31およびR36は、それぞれ独立に、置換基であり、式(101)におけるR11およびR16と同義であり、好ましい範囲も同様である。
上記式(103)中、R32およびR34は、それぞれ独立に、2価の連結基であり、式(101)におけるR12と同義であり、好ましい範囲も同様である。
上記式(103)中、R33およびR35は、水素原子または炭素数1〜5のアルキル基であり、式(101)におけるR13およびR15と同義であり、好ましい範囲も同様である。
上記式(104)中、R41、R42、R43、R44、R45およびR46は、それぞれ独立に、置換基であり、式(101)におけるR11およびR16と同義であり、好ましい範囲も同様である。
上記式(104)中、R47は、2価の連結基であり、式(101)におけるR12と同義であり、好ましい範囲も同様である。
上記式(104)中、R48は、水素原子または炭素数1〜5のアルキル基であり、式(101)におけるR13およびR15と同義であり、好ましい範囲も同様である。
式(101)〜式(104)中、式(103)または式(104)が好ましく、式(104)がより好ましい。
本発明で用いるポリエーテル変性シリコーンにおける、ポリオキシアルキレン基の分子中での含有量は特に限定されないが、ポリオキシアルキレン基の含有量が全分子量中1質量%を超えるものが望ましい。
ポリオキシアルキレン基の含有率は、「{(1分子中のポリオキシアルキレン基の式量)/1分子の分子量}×100」で定義される。
シリコーン化合物の前駆体としては、シランカップリング剤が例示される。シランカップリング剤の例としては、フッ素原子含有シランカップリング剤が挙げられ、トリエトキシ(1H,1H,2H,2H−ノナフルオロヘキシル)シランが好ましい。
さらに、シランカップリング剤の例としては、特開昭62−36663号、特開昭61−226746号、特開昭61−226745号、特開昭62−170950号、特開昭63−34540号、特開平7−230165号、特開平8−62834号、特開平9−54432号、特開平9−5988号、特開2001−330953号各公報に記載の界面活性剤も挙げられる。
本発明で用いるケイ素含有化合物は、市販品を用いることもできる。
例えば、ADVALON FA33、FLUID L03、FLUID L033、FLUID L051、FLUID L053、FLUID L060、FLUID L066、IM22、WACKER−Belsil DMC 6038(以上、旭化成ワッカーシリコーン(株)製)、KF−352A、KF−353、KF−615A、KP−112、KP−341、X−22−4515、KF−354L、KF−355A、KF−6004、KF−6011、KF−6011P、KF−6012、KF−6013、KF−6015、KF−6016、KF−6017、KF−6017P、KF−6020、KF−6028、KF−6028P、KF−6038、KF−6043、KF−6048、KF−6123、KF−6204、KF−640、KF−642、KF−643、KF−644、KF−945、KP−110、KP−355、KP−369、KS−604、Polon SR−Conc、X−22−4272、X−22−4952(以上、信越化学工業(株)製)、8526 ADDITIVE、FZ−2203、FZ−5609、L−7001、SF 8410、2501 COSMETIC WAX、5200 FORMULATION AID、57 ADDITIVE、8019 ADDITIVE、8029 ADDITIVE、8054 ADDITIVE、BY16−036、BY16−201、ES−5612 FORMULATION AID、FZ−2104、FZ−2108、FZ−2123、FZ−2162、FZ−2164、FZ−2191、FZ−2207、FZ−2208、FZ−2222、FZ−7001、FZ−77、L−7002、L−7604、SF8427、SF8428、SH 28 PAINR ADDITIVE、SH3749、SH3773M、SH8400、SH8700(以上、東レ・ダウコーニング(株)製)、BYK−378、BYK−302、BYK−307、BYK−331、BYK−345、BYK−B、BYK−347、BYK−348、BYK−349、BYK−377(以上、ビックケミー・ジャパン(株)製)、Silwet L−7001、Silwet L−7002、Silwet L−720、Silwet L−7200、Silwet L−7210、Silwet L−7220、Silwet L−7230、Silwet L−7605、TSF4445、TSF4446、TSF4452、Silwet Hydrostable 68、Silwet L−722、Silwet L−7280、Silwet L−7500、Silwet L−7550、Silwet L−7600、Silwet L−7602、Silwet L−7604、Silwet L−7607、Silwet L−7608、Silwet L−7622、Silwet L−7650、Silwet L−7657、Silwet L−77、Silwet L−8500、Silwet L−8610、TSF4440、TSF4441、TSF4450、TSF4460(以上、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)が例示される。
また、ケイ素含有化合物としては、商品名「BYK−300」、「BYK−306」、「BYK−310」、「BYK−315」、「BYK−313」、「BYK−320」、「BYK−322」、「BYK−323」、「BYK−325」、「BYK−330」、「BYK−333」、「BYK−337」、「BYK−341」、「BYK−344」、「BYK−370」、「BYK−375」、「BYK−UV3500」、「BYK−UV3510」、「BYK−UV3570」、「BYK−3550」、「BYK−SILCLEAN3700」、「BYK−SILCLEAN3720」(以上、ビックケミー・ジャパン(株)製)、商品名「AC FS 180」、「AC FS 360」、「AC S 20」(以上、Algin Chemie製)、商品名「ポリフローKL−400X」、「ポリフローKL−400HF」、「ポリフローKL−401」、「ポリフローKL−402」、「ポリフローKL−403」、「ポリフローKL−404」、「ポリフローKL−700」(以上、共栄社化学(株)製)、商品名「KP−301」、「KP−306」、「KP−109」、「KP−310」、「KP−310B」、「KP−323」、「KP−326」、「KP−341」、「KP−104」、「KP−110」、「KP−112」、「KP−360A」、「KP−361」、「KP−354」、「KP−357」、「KP−358」、「KP−359」、「KP−362」、「KP−365」、「KP−366」、「KP−368」、「KP−330」、「KP−650」、「KP−651」、「KP−390」、「KP−391」、「KP−392」(以上、信越化学工業(株)製)、商品名「LP−7001」、「LP−7002」、「8032 ADDITIVE」、「FZ−2110」、「FZ−2105」、「67 ADDITIVE」、「8618 ADDITIVE」、「3 ADDITIVE」、「56 ADDITIVE」(以上、東レ・ダウコーニング(株)製)、「TEGO WET 270」(エボニック・デグサ・ジャパン(株)製)、「NBX−15」(ネオス(株)製)なども使用することができる。
本発明で用いる仮接着剤におけるケイ素含有化合物の含有量は、仮接着剤の固形分の0.001〜1.0質量%であることが好ましい。上記ケイ素含有化合物の含有量の下限は、0.004質量%以上がより好ましく、0.006質量%以上がさらに好ましく、0.008質量%以上が一層好ましく、0.009質量%以上がより一層好ましい。上記ケイ素含有化合物の含有量の上限は、0.8質量%以下が好ましく、0.6質量%以下がより好ましく、0.3質量%以下がさらに好ましく、0.15質量%以下が一層好ましく、0.09質量%以下がより一層好ましい。
本発明で用いる仮接着剤は、ケイ素含有化合物を1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<他の離型剤>>
本発明では、ケイ素含有化合物以外の他の離型剤を含んでいてもよい。他の離型剤としては、フッ素系液体状化合物が例示される。
他の離型剤を含有する場合、その含有量は、0.001〜0.005質量%の範囲が好ましい。これらの他の離型剤は、1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
また、本発明では、他の離型剤を実質的に含まない構成とすることができる。実質的に含まないとは、ケイ素含有化合物の含有量の1質量%以下であることをいう。
<<樹脂>>
本発明で用いる仮接着剤は、樹脂を少なくとも1種含むことが好ましい。
樹脂は、ブロック共重合体、ランダム共重合体、グラフト共重合体が挙げられ、ブロック共重合体が好ましい。ブロック共重合体であれば、加熱プロセス時の仮接着剤の流動を抑えることができるため、加熱プロセス時においても接着を維持でき、また加熱プロセス後でも剥離性が変化しないという効果が期待できる。
本発明で用いる仮接着剤において、樹脂はエラストマーが好ましい。樹脂としてエラストマーを使用することで、基板(キャリア基板やデバイスウェハ等の被加工基板)の微細な凹凸にも追従し、適度なアンカー効果により、接着性に優れた仮接着剤を形成できる。エラストマーは、1種または2種以上を併用することができる。
なお、本明細書において、エラストマーとは、弾性変形を示す高分子化合物を表す。すなわち外力を加えたときに、その外力に応じて瞬時に変形し、かつ外力を除いたときには、短時間に元の形状を回復する性質を有する高分子化合物と定義する。
<<<エラストマー>>>
本発明において、エラストマーの重量平均分子量は、2,000〜200,000が好ましく、10,000〜200,000がより好ましく、50,000〜100,000がさらに好ましい。重量平均分子量がこの範囲にあるエラストマーは、溶剤への溶解性が優れるため、キャリア基板を被加工基板から剥離した後、溶剤を用いて、被加工基板やキャリア基板の上に残存するエラストマー由来の残渣を除去する際、残渣が容易に溶剤に溶解して除去される。このため、被加工基板やキャリア基板などに残渣が残らないなどの利点がある。
本発明において、エラストマーとしては、特に限定されず、スチレン由来の繰り返し単位を含むエラストマー(ポリスチレン系エラストマー)、ポリエステル系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリアクリル系エラストマー、シリコーン系エラストマー、ポリイミド系エラストマーなどが使用できる。特に、ポリスチレン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマーが好ましく、耐熱性と剥離性の観点からポリスチレン系エラストマーがさらに好ましい。
本発明において、エラストマーは、水添物であることが好ましい。特に、ポリスチレン系エラストマーの水添物が好ましい。エラストマーが水添物であると、熱安定性や保存安定性が向上する。さらには、剥離性および剥離後の仮接着剤の除去性が向上する。ポリスチレン系エラストマーの水添物を使用した場合、上記効果が顕著である。なお、水添物とは、エラストマーが水添された構造の重合体を意味する。
本発明において、エラストマーは、25℃から、20℃/分の昇温速度で昇温した際の5%熱質量減少温度が、250℃以上であることが好ましく、300℃以上であることがより好ましく、350℃以上であることがさらに好ましく、400℃以上であることが一層好ましい。また、上限値は特に限定はないが、例えば1000℃以下が好ましく、800℃以下がより好ましい。この態様によれば、耐熱性に優れた仮接着剤とすることができる。
本発明におけるエラストマーは、元の大きさを100%としたときに、室温(20℃)において小さな外力で200%まで変形させることができ、かつ外力を除いたときに、短時間で130%以下に戻る性質を有することが好ましい。
<<<<ポリスチレン系エラストマー>>>>
ポリスチレン系エラストマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、ポリスチレン−ポリ(エチレン−プロピレン)ジブロック共重合体(SEP)、ポリスチレン−ポリ(エチレン−プロピレン)−ポリスチレントリブロック共重合体(SEPS)、ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレントリブロック共重合体(SEBS)、ポリスチレン−ポリ(エチレン/エチレン−プロピレン)−ポリスチレントリブロック共重合体(SEEPS)から選ばれる少なくとも1種のポリスチレン系エラストマーであることが好ましい。
ポリスチレン系エラストマーにおける、スチレン由来の繰り返し単位の割合は90質量%以下が好ましく、55質量%以下がより好ましく、48質量%以下がさらに好ましく、35質量%以下が一層好ましく、33質量%以下がより一層好ましい。上記スチレン由来の繰り返し単位の割合の下限は、0質量%であってもよいが、10質量%以上とすることもできる。このような範囲とすることにより、基板同士を仮接着剤で貼り合わせてなる積層体の反りをより効果的に抑制することができる。
本発明におけるポリスチレン系エラストマーの一実施形態として、スチレン由来の繰り返し単位を全繰り返し単位中に10質量%以上55質量%以下の割合で含有するエラストマーAと、スチレン由来の繰り返し単位を全繰り返し単位中に55質量%を超えて95質量%以下の割合で含有するエラストマーBとを組み合わせて用いることが挙げられる。エラストマーAとエラストマーBとを併用することで、反りの発生を効果的に抑制できる。このような効果が得られるメカニズムは、以下によるものと推測できる。すなわち、エラストマーAは、比較的柔らかい材料であるため、弾性を有する層状の仮接着剤(仮接着層)を形成しやすい。このため、仮接着剤を用いて基板とキャリア基板との積層体を製造し、基板を研磨して薄膜化する際に、研磨時の圧力が局所的に加わっても、仮接着剤(仮接着層)が弾性変形して元の形状に戻り易い。その結果、優れた平坦研磨性が得られる。また、研磨後の、キャリア基板と被加工基板と仮接着剤の積層体を、加熱処理し、その後冷却しても、冷却時に発生する内部応力を仮接着剤(仮接着層)によって緩和でき、反りの発生を効果的に抑制できる。
また、上記エラストマーBは、比較的硬い材料であるため、エラストマーBを含むことで、剥離性に優れた仮接着剤とすることができる。
上記エラストマーAと上記エラストマーBを配合する場合の質量比は、エラストマーA:エラストマーB=1:99〜99:1が好ましく、3:97〜97:3がより好ましく、5:95〜95:5がさらに好ましく、10:90〜90:10が一層好ましい。上記範囲であれば、反りの発生をより効果的に抑制できる。
ポリスチレン系エラストマーは、スチレンと他のモノマーとのブロック共重合体であることが好ましく、片末端または両末端がスチレンブロックであるブロック共重合体であることがより好ましく、両末端がスチレンブロックであることが特に好ましい。ポリスチレン系エラストマーの両端を、スチレンブロック(スチレン由来の繰り返し単位)とすると、耐熱性がより向上する傾向にある。これは、耐熱性の高いスチレン由来の繰り返し単位が末端に存在することとなるためである。特に、スチレン由来の繰り返し単位のブロック部位が反応性のポリスチレン系ハードブロックであることにより、耐熱性、耐薬品性により優れる傾向にあり好ましい。加えて、このようなエラストマーは、溶剤への溶解性およびレジスト溶剤への耐性の観点からもより好ましい。
また、ポリスチレン系エラストマーは水添物であると、熱に対する安定性が向上し、分解や重合等の変質が起こりにくい。さらに、溶剤への溶解性およびレジスト溶剤への耐性の観点からもより好ましい。
ポリスチレン系エラストマーの不飽和二重結合量としては、剥離性の観点から、ポリスチレン系エラストマー1gあたり、15mmol未満であることが好ましく、5mmol未満であることがより好ましく、0.5mmol未満であることがさらに好ましい。なお、ここでいう不飽和二重結合量は、スチレン由来のベンゼン環内の不飽和二重結合の量を含まない。不飽和二重結合量は、NMR(核磁気共鳴)測定により算出することができる。
なお、本明細書において「スチレン由来の繰り返し単位」とは、スチレンまたはスチレン誘導体を重合した際に重合体に含まれるスチレン由来の構造単位であり、置換基を有していてもよい。スチレン誘導体としては、例えば、α−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−プロピルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン等が挙げられる。置換基としては、例えば、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数2〜5のアルコキシアルキル基、アセトキシ基、カルボキシル基等が挙げられる。
ポリスチレン系エラストマーの市販品としては、例えば、タフプレンA、タフプレン125、タフプレン126S、ソルプレンT、アサプレンT−411、アサプレンT−432、アサプレンT−437、アサプレンT−438、アサプレンT−439、タフテックH1272、タフテックP1500、タフテックH1052、タフテックH1062、タフテックM1943、タフテックM1911、タフテックH1041、タフテックMP10、タフテックM1913、タフテックH1051、タフテックH1053、タフテックP2000、タフテックH1043(以上、旭化成(株)製)、エラストマーAR−850C、エラストマーAR−815C、エラストマーAR−840C、エラストマーAR−830C、エラストマーAR−860C、エラストマーAR−875C、エラストマーAR−885C、エラストマーAR−SC−15、エラストマーAR−SC−0、エラストマーAR−SC−5、エラストマーAR−710、エラストマーAR−SC−65、エラストマーAR−SC−30、エラストマーAR−SC−75、エラストマーAR−SC−45、エラストマーAR−720、エラストマーAR−741、エラストマーAR−731、エラストマーAR−750、エラストマーAR−760、エラストマーAR−770、エラストマーAR−781、エラストマーAR−791、エラストマーAR−FL−75N、エラストマーAR−FL−85N、エラストマーAR−FL−60N、エラストマーAR−1050、エラストマーAR−1060、エラストマーAR−1040(以上、アロン化成(株)製)、クレイトンD1111、クレイトンD1113、クレイトンD1114、クレイトンD1117、クレイトンD1119、クレイトンD1124、クレイトンD1126、クレイトンD1161、クレイトンD1162、クレイトンD1163、クレイトンD1164、クレイトンD1165、クレイトンD1183、クレイトンD1193、クレイトンDX406、クレイトンD4141、クレイトンD4150、クレイトンD4153、クレイトンD4158、クレイトンD4270、クレイトンD 4271、クレイトンD 4433、クレイトンD 1170、クレイトンD 1171、クレイトンD 1173、カリフレックスIR0307、カリフレックスIR 0310、カリフレックスIR 0401、クレイトンD0242、クレイトンD1101、クレイトンD1102、クレイトンD1116、クレイトンD1118、クレイトンD1133、クレイトンD1152、クレイトンD1153、クレイトンD1155、クレイトンD1184、クレイトンD1186、クレイトンD1189、クレイトンD1191、クレイトンD1192、クレイトンDX405、クレイトンDX408、クレイトンDX410、クレイトンDX414、クレイトンDX415、クレイトンA1535、クレイトンA1536、クレイトンFG1901、クレイトンFG1924、クレイトンG1640、クレイトンG1641、クレイトンG1642、クレイトンG1643、クレイトンG1645、クレイトンG1633、クレイトンG1650、クレイトンG1651、クレイトンG1652(G1652MU−1000)、クレイトンG1654、クレイトンG1657、クレイトンG1660、クレイトンG1726、クレイトンG1701、クレイトンG1702、クレイトンG1730、クレイトンG1750、クレイトンG1765、クレイトンG4609、クレイトンG4610(以上、クレイトンポリマージャパン(株)製)、TR2000、TR2001、TR2003、TR2250、TR2500、TR2601、TR2630、TR2787、TR2827、TR1086、TR1600、SIS5002、SIS5200、SIS5250、SIS5405、SIS5505、ダイナロン6100P、ダイナロン4600P、ダイナロン6200P、ダイナロン4630P、ダイナロン8601P、ダイナロン8630P、ダイナロン8600P、ダイナロン8903P、ダイナロン6201B、ダイナロン1321P、ダイナロン1320P、ダイナロン2324P、ダイナロン9901P(以上、JSR(株)製)、デンカSTRシリーズ(デンカ(株)製)、クインタック3520、クインタック3433N、クインタック3421、クインタック3620、クインタック3450、クインタック3460(以上、日本ゼオン製)、TPE−SBシリーズ(住友化学(株)製)、ラバロンシリーズ(三菱化学(株)製)、セプトン1001、セプトン1020、セプトン2002、セプトン2004、セプトン2005、セプトン2006、セプトン2007、セプトン2063、セプトン2104、セプトン4033、セプトン4044、セプトン4055、セプトン4077、セプトン4099、セプトンHG252、セプトン8004、セプトン8006、セプトン8007、セプトン8076、セプトン8104、セプトンV9461、セプトンV9475、セプトンV9827、ハイブラー7311、ハイブラー7125、ハイブラー5127、ハイブラー5125(以上、(株)クラレ製)、スミフレックス(住友ベークライト(株)製)、レオストマー、アクティマー(以上、リケンテクノス(株)製)などが挙げられる。
ポリスチレン系エラストマー以外のエラストマーとしては、ポリエステル系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリアクリル系エラストマー等を用いることができる。
<<<樹脂の配合量>>>
本発明で用いる仮接着剤は、樹脂を、仮接着剤の全固形分中に50.00〜99.99質量%の割合で含むことが好ましく、70.00〜99.99質量%の割合で含むことがより好ましく、88.00〜99.99質量%の割合で含むことが特に好ましい。樹脂の含有量が上記範囲であれば、接着性および剥離性に優れる。
樹脂としてエラストマーを用いる場合、エラストマーは、仮接着剤の全固形分中に50.00〜99.99質量%の割合で含むことが好ましく、70.00〜99.99質量%の割合で含むことがより好ましく、88.00〜99.99質量%の割合で含むことが特に好ましい。エラストマーの含有量が上記範囲であれば、接着性および剥離性に優れる。エラストマーを2種以上使用した場合は、合計が上記範囲であることが好ましい。
また、樹脂としてエラストマーを用いる場合、樹脂全質量におけるエラストマーの含有量は、50〜100質量%であることが好ましく、70〜100質量%であることがより好ましく、80〜100質量%であることがさらに好ましく、90〜100質量%であることが一層好ましい。また、樹脂は、実質的にエラストマーのみであってもよい。なお、樹脂が、実質的にエラストマーのみである場合、樹脂全質量におけるエラストマーの含有量が、99質量%以上が好ましく、99.9質量%以上がより好ましく、エラストマーのみからなることが一層好ましい。
<<可塑剤>>
本発明で用いる仮接着剤は、必要に応じて可塑剤を含んでいてもよい。可塑剤を配合することにより、上記諸性能を満たす仮接着層とすることができる。
可塑剤としては、フタル酸エステル、脂肪酸エステル、芳香族多価カルボン酸エステル、ポリエステルなどが使用できる。
フタル酸エステルとしては例えば、DMP、DEP、DBP、#10、BBP、DOP、DINP、DIDP(以上、大八化学工業(株)製)、PL−200、DOIP(以上、シージーエスター(株)製)、サンソサイザーDUP(新日本理化(株)製)などが挙げられる。
脂肪酸エステルとしては例えば、ブチルステアレート、ユニスターM−9676、ユニスターM−2222SL、ユニスターH−476、ユニスターH−476D、パナセート800B、パナセート875、パナセート810(以上、日油(株)製)、DBA、DIBA、DBS、DOA、DINA、DIDA、DOS、BXA、DOZ、DESU(以上、大八化学製)などが挙げられる。
芳香族多価カルボン酸エステルとしては、TOTM(大八化学工業(株)製)、モノサイザーW−705(大八化学工業(株)製)、UL−80、UL−100((株)ADEKA製)などが挙げられる。
ポリエステルとしては、ポリサイザーTD−1720、ポリサイザーS−2002、ポリサイザーS−2010(以上、DIC(株)製)、BAA−15(大八化学工業(株)製)などが挙げられる。
上記可塑剤の中では、DIDP、DIDA、TOTM、ユニスターM−2222SL、ポリサイザーTD−1720が好ましく、DIDA、TOTMがより好ましく、TOTMが特に好ましい。
可塑剤は1種のみを用いてもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。
可塑剤は、加熱中の昇華防止の観点から、窒素気流下、20℃/分の一定速度の昇温条件のもとで重量変化を測定したとき、その重量が1質量%減少する温度が、250℃以上であることが好ましく、270℃以上であることがより好ましく、300℃以上であることが特に好ましい。上限は特に定めるものではないが、例えば、500℃以下とすることができる。
可塑剤の添加量は、仮接着剤の全固形分に対して、0.01質量%〜5.0質量%の割合で含むことが好ましく、より好ましくは0.1質量%〜2.0質量%である。
<<溶剤>>
本発明で用いる仮接着剤は、溶剤を含有することが好ましい。溶剤は、公知のものを制限なく使用でき、有機溶剤が好ましい。
有機溶剤としては、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、アルキルオキシ酢酸アルキル(例:アルキルオキシ酢酸メチル、アルキルオキシ酢酸エチル、アルキルオキシ酢酸ブチル(例えば、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル等))、3−オキシプロピオン酸アルキルエステル類(例:3−オキシプロピオン酸メチル、3−アルキルオキシプロピオン酸エチル等(例えば、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル等))、2−オキシプロピオン酸アルキルエステル類(例:2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−アルキルオキシプロピオン酸プロピル等(例えば、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル))、2−アルキルオキシ−2−メチルプロピオン酸メチルおよび2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル(例えば、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル等)、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル、1−メトキシ−2−プロピルアセテート等のエステル類;
ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート等のエーテル類;
メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン等のケトン類;
トルエン、キシレン、アニソール、メシチレン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、クメン、n−ブチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、イソブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、アミルベンゼン、イソアミルベンゼン、(2,2−ジメチルプロピル)ベンゼン、1−フェニルへキサン、1−フェニルヘプタン、1−フェニルオクタン、1−フェニルノナン、1−フェニルデカン、シクロプロピルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、2−エチルトルエン、1,2−ジエチルベンゼン、o−シメン、インダン、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン、3−エチルトルエン、m−シメン、1,3−ジイソプロピルベンゼン、4−エチルトルエン、1,4−ジエチルベンゼン、p−シメン、1,4−ジイソプロピルベンゼン、4−tert−ブチルトルエン、1,4−ジ−tert−ブチルベンゼン、1,3−ジエチルベンゼン、1,2,3−トリメチルベンゼン、1,2,4−トリメチルベンゼン、4−tert−ブチル−o−キシレン、1,2,4−トリエチルベンゼン、1,3,5−トリエチルベンゼン、1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、5−tert−ブチル−m−キシレン、3,5−ジ−tert−ブチルトルエン、1,2,3,5−テトラメチルベンゼン、1,2,4,5−テトラメチルベンゼン、ペンタメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;
リモネン、p−メンタン、ノナン、デカン、ドデカン、デカリン等の炭化水素類などが好適に挙げられる。
これらの中でも、メシチレン、tert−ブチルベンゼン、1,2,4−トリメチルベンゼン、p−メンタン、γ−ブチロラクトン、アニソール、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル、およびプロピレングリコールメチルエーテルアセテートが好ましい。
これらの溶剤は、塗布面性状の改良などの観点から、2種以上を混合する形態も好ましい。この場合、特に好ましくは、メシチレン、tert−ブチルベンゼン、1,2,4−トリメチルベンゼン、p−メンタン、γ−ブチロラクトン、アニソール、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル、およびプロピレングリコールメチルエーテルアセテートから選択される2種以上で構成される混合溶液である。
仮接着剤の溶剤の含有量は、塗布性の観点から、仮接着剤の全固形分濃度が5〜80質量%になる量が好ましく、10〜50質量%の割合で含むことがさらに好ましく、15〜40質量%の割合で含むことが特に好ましい。
溶剤は1種のみでもよいし、2種以上であってもよい。溶剤が2種以上の場合は、その合計が上記範囲であることが好ましい。
尚、仮接着剤を層状に適用し、乾燥させて得られる仮接着層における溶剤の含有率は、1質量%以下が好ましく、0.1質量%以下がより好ましく、全く含有しないことが特に好ましい。
<<酸化防止剤>>
本発明で用いる仮接着剤は、酸化防止剤を含有してもよい。酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、キノン系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤などが使用できる。
フェノール系酸化防止剤としては例えば、p−メトキシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、Irganox1010、Irganox1330、Irganox3114、Irganox1035(以上、BASFジャパン(株)製)、Sumilizer MDP−S、Sumilizer GA−80(以上、住友化学(株)製)などが挙げられる。
イオウ系酸化防止剤としては例えば、3,3’−チオジプロピオネートジステアリル、Sumilizer TPL-R、Sumilizer TPM、Sumilizer TPS、Sumilizer MB、Sumilizer TP−D(以上、住友化学(株)製)などが挙げられる。
リン系酸化防止剤としては例えば、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフィト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスフィト、ポリ(ジプロピレングリコール)フェニルホスフィト、ジフェニルイソデシルホスフィト、2−エチルヘキシルジフェニルホスフィト、トリフェニルホスフィト、Irgafos168、Irgafos38(以上、BASFジャパン(株)製)、Sumilizer GP(住友化学(株)製)などが挙げられる。
キノン系酸化防止剤としては例えば、p−ベンゾキノン、2−tert−ブチル−1,4−ベンゾキノンなどが挙げられる。
アミン系酸化防止剤としては例えば、ジメチルアニリンやフェノチアジンなどが挙げられる。
酸化防止剤は、Irganox1010、Irganox1330、3,3’−チオジプロピオネートジステアリル、Sumilizer TP−Dが好ましく、Irganox1010、Irganox1330がより好ましく、Irganox1010が特に好ましい。
また、上記酸化防止剤のうち、フェノール系酸化防止剤と、イオウ系酸化防止剤またはリン系酸化防止剤とを併用することが好ましく、フェノール系酸化防止剤とイオウ系酸化防止剤とを併用することが最も好ましい。特に、エラストマーとして、ポリスチレン系エラストマーを使用した場合において、フェノール系酸化防止剤とイオウ系酸化防止剤とを併用することが好ましい。このような組み合わせにすることにより、酸化反応による仮接着剤の劣化を、効率よく抑制できる効果が期待できる。フェノール系酸化防止剤とイオウ系酸化防止剤とを併用する場合、フェノール系酸化防止剤とイオウ系酸化防止剤との質量比は、フェノール系酸化防止剤:イオウ系酸化防止剤=95:5〜5:95が好ましく、25:75〜75:25がより好ましい。
酸化防止剤の組み合わせとしては、Irganox1010とSumilizer TP−D、Irganox1330とSumilizer TP−D、および、Sumilizer GA−80とSumilizer TP−Dが好ましく、Irganox1010とSumilizer TP−D、Irganox1330とSumilizer TP−Dがより好ましく、Irganox1010とSumilizer TP−Dが特に好ましい。
酸化防止剤の分子量は加熱中の昇華防止の観点から、400以上が好ましく、600以上がさらに好ましく、750以上が特に好ましい。
仮接着剤が酸化防止剤を含有する場合、酸化防止剤の含有量は、仮接着剤の全固形分に対して、0.001〜20.0質量%の割合で含むことが好ましく、0.005〜10.0質量%の割合で含むことがより好ましい。
酸化防止剤は1種のみでもよいし、2種以上であってもよい。酸化防止剤が2種以上の場合は、その合計が上記範囲であることが好ましい。
<<その他の添加剤>>
本発明で用いる仮接着剤には、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、各種添加物、例えば、界面活性剤、硬化剤、硬化触媒、充填剤、密着促進剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤等を配合することができる。これらの添加剤を配合する場合、その合計配合量は仮接着剤の全固形分の3質量%以下が好ましい。
<<仮接着層の形成>>
仮接着層は、仮接着剤を、スピンコート法、スプレー法、スリットコート法、ローラーコート法、フローコート法、ドクターコート法、浸漬法などによって、基板の上に適用することによって、形成することができる。
仮接着層は、仮接着する2つの基板の少なくとも一方の基板の表面に形成する。基板の一方のみに仮接着層を形成して他方の基板と貼り合わせてもよいし、両方の基板に仮接着層を設けて両者を貼り合わせてもよい。
次いで、仮接着剤は通常、溶剤を含むため、加熱を行って溶剤を揮発させる。この加熱温度としては、溶剤の沸点よりも高い温度であることが好ましく、110℃以上であることがより好ましく、130℃〜200℃がさらに好ましく、160℃〜190℃が特に好ましい。
<<仮接着剤の調製>>
本発明で用いる仮接着剤は、上述の各成分を混合して調製することができる。各成分の混合は、通常、0℃〜100℃の範囲で行われる。また、各成分を混合した後、例えば、フィルタでろ過することが好ましい。ろ過は、多段階で行ってもよいし、多数回繰り返してもよい。また、ろ過した液を再ろ過することもできる。
フィルタとしては、従来からろ過用途等に用いられているものであれば特に限定されることなく用いることができる。例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素樹脂、ナイロン6、ナイロン6,6等のポリアミド系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン樹脂等によるフィルタが挙げられる。これら素材の中でもポリプロピレンおよびナイロンが好ましい。
フィルタの孔径は、例えば、0.003〜5.0μm程度が適している。この範囲とすることにより、ろ過詰まりを抑えつつ、組成物に含まれる不純物や凝集物など、微細な異物を確実に除去することが可能となる。
フィルタを使用する際、異なるフィルタを組み合わせてもよい。その際、第一のフィルタでのフィルタリングは、1回のみでもよいし、2回以上行ってもよい。異なるフィルタを組み合わせて2回以上フィルタリングを行う場合は、1回目のフィルタリングの孔径に対し、2回目以降の孔径が同じ、もしくは小さい方が好ましい。また、上述した範囲内で異なる孔径の第一のフィルタを複数組み合わせてもよい。ここでの孔径は、フィルタメーカーの公称値を参照することができる。市販のフィルタとしては、例えば、日本ポール(株)、アドバンテック東洋(株)、日本インテグリス(株)または(株)キッツマイクロフィルタ等が提供する各種フィルタの中から選択することができる。
<洗浄剤組成物A>
本発明における洗浄剤組成物Aは、有機酸であって、上記有機酸に含まれる酸基がイオウ原子またはリン原子を含む有機酸の少なくとも1種と、有機溶剤とを含む。このような構成とすることにより、ケイ素含有化合物由来の残渣を効果的に除去し、その後に積層する絶縁層の剥がれを効果的に抑制することができる。
<<有機酸>>
本発明で用いる有機酸は、低分子化合物(例えば、分子量1000未満、さらには、分子量500以下、下限としては、例えば、98以上)であってもよいし、高分子化合物(例えば、分子量1000以上、さらには2000以上、上限としては、例えば、5000以下)であってもよい。本発明で用いる有機酸は、低分子化合物であることが好ましい。
本発明で用いる有機酸は、酸解離定数pKaが−4〜5であることが好ましく、−3〜4であることがより好ましい。
本発明で用いる有機酸は、有機酸の1−オクタノール中および水中の平衡濃度の比を表す1−オクタノール/水分配係数であるPを、底10に対する対数logPの形態で表した値が−5〜6であることが好ましく、−3〜5であることがより好ましい。
本発明で用いる有機酸は、アルキルスルホン酸、芳香族スルホン酸、アルキルリン酸、芳香族リン酸、アルキルホスホン酸および芳香族ホスホン酸から選択されることが好ましい。ここでの芳香族とは、芳香族炭化水素であっても、芳香族複素環であってもよいが、芳香族炭化水素であることが好ましい。
本発明で用いる有機酸は、有機スルホン酸、有機リン酸、有機ホスホン酸、有機スルフィン酸および有機ホスフィン酸からなる群より選択される有機酸の少なくとも1種を含むことが好ましく、有機スルホン酸、有機リン酸および有機ホスホン酸からなる群より選択される有機酸の少なくとも1種を含むことがより好ましく、有機スルホン酸の少なくとも1種を含むことがさらに好ましく、環状基を有するアルキルスルホン酸および芳香族スルホン酸の少なくとも1種を含むことが一層好ましい。
本発明で用いる有機酸は、イオウ原子またはリン原子を含む酸基以外の酸基を有していてもよいし、有していなくてもよい。本発明では、好ましくは、カルボキシル基を有さない有機酸であり、より好ましくは、スルホン酸基、リン酸基およびホスホン酸基以外の酸基を有さない有機酸である。
有機スルホン酸としては、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ブタンスルホン酸、ビニルスルホン酸、1,5−プロパンジスルホン酸、3−ヒドロキシプロパンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、p−エチルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、2,4,5−トリメチルベンゼンスルホン酸、ノナフルオロ−1−ブタンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、1,5−ナフタレンジスルホン酸、ヘプタデカフルオロオクタスルホン酸、カンファースルホン酸、3−シクロヘキシルアミノプロパンスルホン酸、m−キシレン−4−スルホン酸、p−キシレン−2−スルホン酸、ダンシル酸、4,4’−ビフェニルジスルホン酸、8−アニリノ−1−ナフタレンスルホン酸、2−モルホリノエタンスルホン酸、3−モルホリノプロパンスルホン酸、ピペラジン−1,4−ビス(2−ヒドロキシプロパンスルホン酸)、7−アニリノ−4−ヒドロキシ−2−ナフタレンスルホン酸、7−アニリノ−1−ナフトール−3−スルホン酸、4−スルホフタル酸、2−ヒドロキシ−3−モルホリノプロパンスルホン酸、4−ニトロトルエン−2−スルホン酸、ピクリルスルホン酸が例示される。有機スルホン酸は、アルキルスルホン酸または芳香族スルホン酸が好ましく、芳香族スルホン酸がより好ましい。
有機リン酸としては、リン酸メチル、リン酸ジメチル、リン酸エチル、リン酸ジエチル、リン酸ブチル、リン酸ジブチル、リン酸ブトキシエチル、リン酸2−エチルヘキシルなどのアルキルリン酸、フェニルリン酸、ジフェニルリン酸などの芳香族リン酸などが例示される。有機リン酸は、アルキルリン酸および芳香族リン酸が好ましく、芳香族リン酸がより好ましく、ジアリールリン酸がさらに好ましい。
有機ホスホン酸としては、ビニルホスホン酸、メチレンジホスホン酸、エチルホスホン酸、プロピルホスホン酸、1,3−プロピレンジホスホン酸、ブチルホスホン酸、1,4−ブチレンジホスホン酸、ペンチルホスホン酸、1,5−ペンチレンジホスホン酸、ヘキシルホスホン酸、1,6−ジヘキシレンホスホン酸、オクチルホスホン酸、デシルホスホン酸、ドデシルホスホン酸などのアルキルホスホン酸、フェニルホスホン酸、フェニレンジホスホン酸、キシリレンジホスホン酸、(4−ヒドロキシフェニル)ホスホン酸、(2−フェニルエチル)ホスホン酸、o−キシレンジホスホン酸、ベンズヒドリルホスホン酸、シンナミルホスホン酸、(4−ヒドロキシベンジル)ホスホン酸などの芳香族ホスホン酸が例示される。有機ホスホン酸は、アルキルホスホン酸および芳香族ホスホン酸が好ましく、芳香族ホスホン酸がより好ましい。
洗浄剤組成物Aにおける、有機酸の含有量は、洗浄剤組成物Aに含まれる有機溶剤1Lに対し、0.08mg〜0.8gであることが好ましい。
また、洗浄剤組成物Aにおける、有機酸の含有量は、洗浄剤組成物の0.000008質量%以上が好ましく、0.000080質量%以上がより好ましく、0.000800質量%以上がさらに好ましく、0.008000質量%以上が一層好ましく、0.08質量%以上がより一層好ましい。本発明の洗浄剤組成物における、有機酸の含有量は、洗浄剤組成物の1.0質量%以下が好ましく、0.8質量%以下がより好ましく、0.5質量%以下がさらに好ましく、0.3質量%以下が一層好ましい。
洗浄剤組成物Aは、有機酸を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<有機溶剤>>
洗浄剤組成物Aは、有機溶剤を含む。上記有機溶剤は、仮接着剤がエラストマーを含む場合、エラストマーを溶解する有機溶剤が好ましく、芳香族化合物、飽和脂環式化合物、環式ケトンおよび環式テルペンから選択される少なくとも1種であることがより好ましく、芳香族化合物、脂環式化合物および環式テルペンから選択される少なくとも1種であることがさらに好ましく、芳香族化合物から選択される少なくとも1種であることが一層好ましい。
上記芳香族化合物としての有機溶剤は、アルキル基を有する芳香族炭化水素系溶剤を含むことが好ましく、ベンゼン環と、炭素数1〜10のアルキル基を1〜3つ有する溶剤であることがより好ましい。
本発明で用いる、アルキル基を有する芳香族炭化水素系溶剤を構成するアルキル基としては、直鎖、分岐または環状のアルキル基であり、直鎖または分岐のアルキル基が好ましい。アルキル基を構成する炭素数は、1〜10であることが好ましく、1〜6であることがより好ましく、1〜4であることがさらに好ましい。
本発明で用いる、アルキル基を有する芳香族炭化水素系溶剤は、ベンゼン環と、炭素数1〜10のアルキル基を1〜3つ有する溶剤であることが好ましく、下記式(X)で表される溶剤であることがより好ましい。
式(X)
Figure 2018131628
上記式(X)において、Rは炭素数1〜4のアルキル基であり、nは1〜3の整数である。
Rは、直鎖または分岐の炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、tert−ブチル基がより好ましい。また、Rを構成する炭素数の合計が2〜5の整数であることが好ましく、3または4がより好ましい。
本発明で用いるアルキル基を有する芳香族炭化水素系溶剤の沸点としては、50〜250℃が好ましく、80〜200℃がより好ましく、120〜170℃がさらに好ましい。
本発明で用いるアルキル基を有する芳香族炭化水素系溶剤の具体例としては、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン(好ましくは、1,3,5−トリメチルベンゼン(メシチレン)、1,2,4−トリメチルベンゼン(プソイドクメン))、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、1−メチルエチルベンゼン、ブチルベンゼン(好ましくは、n−ブチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、イソブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、より好ましくは、tert−ブチルベンゼン)、アミルベンゼン、イソアミルベンゼン、(2,2−ジメチルプロピル)ベンゼン、1−フェニルへキサン、1−フェニルヘプタン、1−フェニルオクタン、1−フェニルノナン、1−フェニルデカン、シクロプロピルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、2−エチルトルエン、1,2−ジエチルベンゼン、o−シメン(2−イソプロピルトルエン)、3−エチルトルエン、m−シメン、1,3−ジイソプロピルベンゼン、4−エチルトルエン、1,4−ジエチルベンゼン、p−シメン、1,4−ジイソプロピルベンゼン、4−tert−ブチルトルエン、1,4−ジ−tert−ブチルベンゼン、1,3−ジエチルベンゼン、1,2,3−トリメチルベンゼン、1,2,4−トリメチルベンゼン、4−tert−ブチル−o−キシレン、1,2,4−トリエチルベンゼン、1,3,5−トリエチルベンゼン、1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、5−tert−ブチル−m−キシレン、3,5−ジ−tert−ブチルトルエン、1,2,3,5−テトラメチルベンゼン、1,2,4,5−テトラメチルベンゼン、ペンタメチルベンゼン等が挙げられる。
アルキル基を有する芳香族炭化水素系溶剤は、好ましくは、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン(好ましくは、メシチレン)、ブチルベンゼン(好ましくは、tert−ブチルベンゼン)およびジエチルベンゼンの少なくとも1種であり、より好ましくは、キシレン、ならびに、トリメチルベンゼンおよびブチルベンゼンの少なくとも1種である。
飽和脂環式化合物としては、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン、シクロデカン、シクロウンデカン、シクロドデカン、シクロプロペン、シクロブテン、シクロプロペン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、ビシクロウンデカン、デカヒドロナフタレン、ノルボルネン、ノルボルナジエン、キュバン、バスケタン、ハウサンが例示される。
環式ケトンとしては、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、イソホロン、アセトフェノン、ベンゾフェノンが例示される。
環式テルペンとしては、クリサンテモール、グランジソール、ジュニオノン、チオテルピネオール、イリドイド、セコイリドイド、メンタン、リモネン、フェランドレン、テルピノレン、テルピネン、シメン、メントール、プレゴール、ピペリトール、テルピネオール、カルベオール、チモール、ジヒドロカルベオール、メントン、プレゴン、フェランドラール、カルボン、カルベノン、ピペリトン、1,8−シネオール、1,4−シネオール、アスカリドールなどの単環式テルペン、カラン、ツジャン、ピナン、ボルナン、フェンカン、イソボルナン、イソカンファン、3−カレン、ツジェン、サビネン、ツジョン、ツジャノール、ピネン、ベルベノール、ベルベノン、ピノカルボン、カンファー、ボルネオール、イソボルネオール、フェンコン、フェンコールフェンケンなどの二環式テルペンが例示される。
洗浄剤組成物Aにおける、有機溶剤の含有量は、洗浄剤組成物Aの50.0000〜99.9999質量%であることが好ましく、99.0000〜99.9990質量%であることがより好ましい。
本発明の洗浄剤組成物は、有機溶剤を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
また、上記洗浄剤組成物Aにおける、有機酸と有機溶剤の質量比が0.0001:99.9999〜50:50であることが好ましく、0.0010:99.9990〜10:90であることがより好ましく、0.0100:99.9900〜1.0000:99.0000であることがさらに好ましい。このような範囲とすることにより、仮接着剤の除去性がより効果的に向上する。
<<他の成分>>
洗浄剤組成物Aは、上記有機酸と、有機溶剤以外の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、トリポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸−4−ナトリウム、ピロリン酸カリウム、ケイ酸アルミニウムナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸、クエン酸ナトリウムなどの洗浄助剤、硫酸ナトリウムなどのミセル増強剤、IRGAMET 30、IRGAMET 39、IRGAMET 42(以上、BASFジャパン(株)製)、Belclene 510、Belclene 511、Belclene 512、Belclene 515(以上、汎アジア貿易(株)製)、BT−120、BT−LX、CBT−1、TT−LX、TT−LYK、JCL−400(以上、城北化学工業(株)製)、VERZONE Crystal #120、VERZONE MA−10、VERZONE A3−T、VERZONE Crystal #130、VERZONE Crystal #150、VERZONE Crystal #270、VERZONE Crystal #260、VERZONE SG Powder、VERZONE グリン SH−K、VERZONE Oil #1022、VERZONE Origin Oil #1030、VERZONE Origin Oil #220、VERZONE OIL−HD、VERZONE OIL−U(以上、大和化成(株)製)、トップ防錆剤Y、トップ防錆剤511(以上、奥野製薬工業(株)製)CBブライト(菱紅化学(株)製)などの防錆剤、IRGACOR L12、IRGACOR DSS G、IRGACOR NPA、IRGALUBE 349、SARKOSYL O(以上、BASFジャパン(株)製)などの腐食防止剤、VERZONE COR−280、シルバーリップ、VERZONE DA−1、New Dain Silver S−1、New Dain Silver V−2、New Dain Silver、シーユーガード 1000R、シーユーガード 1000N、シーユーガード 1000、シーユーガード D、VERZONE NFS−Oil、VERZONE OA−386、VERZONE C−BTA、VERZONE TTA、VERZONE Crystal #120(以上、大和化成(株)製)、Cu−423Y、Ag−422Y、Ag−420Y(以上、ディップソール(株)製)、エンテックCU−560、エンテックCU−56、メルディップAG−6801(以上、メルテックス(株)製)、トップリンスCU−5、トップリンス CU−3(以上、奥野製薬工業(株)製)、BT−5、BT−7、BT−8、BT−14(以上、(株)ASAHI製)などの金属表面の変色防止剤、CU−500、CU−600(以上、(株)ASAHI製)、エスクリンS−800、エスクリンS−800FR、エスクリンS−101PN、エスピュアSJ−400、エスピュアSJジェル、エスクリンSK−507、エスクリンW−2550、エスクリンS−105、エスクリンS−109、エスクリンAG−301、エスクリンS−1000(以上、佐々木化学薬品(株)製)、ピクル25、ピクル27、Z−2218(日本表面化学(株)製)などの金属酸化膜除去剤、帯電防止剤、酸化防止剤、界面活性剤が例示される。
<<洗浄剤組成物Aの調製>>
洗浄剤組成物Aの調製は、洗浄剤組成物Aの各成分を混合した後、ろ過を行うことが好ましい。ろ過は、孔径が0.003〜10μmのフィルタを用いることが好ましい。ろ過を行うことにより、洗浄剤組成物A由来の不純物による基板表面への汚染を低減することができる。フィルタは、ポリテトラフルオロエチレン製であることが好ましい。
本発明で用いる洗浄剤組成物Aの収納容器としては従来公知の収納容器を用いることができる。また、収納容器としては、原材料や組成物中への不純物混入を抑制することを目的に、容器内壁を6種6層の樹脂で構成された多層ボトルや、6種の樹脂を7層構造にしたボトルを使用することも好ましい。このような容器としては例えば特開2015−123351号公報に記載の容器が挙げられる。
<洗浄剤組成物B>
本発明における洗浄剤組成物は、有機カルボン酸化合物と、水および水溶性溶剤からなる溶剤の少なくとも1種とを含む。このような構成とすることにより、有機酸由来の残渣を効果的に除去できる。
<<有機カルボン酸化合物>>
本発明で用いる有機カルボン酸化合物は、低分子化合物(例えば、分子量1000未満、さらには、分子量500以下、下限としては、例えば、46以上)であってもよいし、高分子化合物(例えば、分子量1000以上、さらには2000以上、上限としては、例えば、5000以下)であってもよい。本発明で用いる有機カルボン酸化合物は、低分子化合物であることが好ましい。
本発明で用いる有機カルボン酸化合物は、酸解離定数pKaが1〜7であることが好ましく、2〜7であることがより好ましく、2〜5であることがさらに好ましく、2〜4であってもよい。
本発明で用いる有機カルボン酸化合物は、1−オクタノール中および水中の平衡濃度の比を表す1−オクタノール/水分配係数であるPを、底10に対する対数logPの形態で表した値が−5〜2であることが好ましく、−5〜1であることがより好ましい。
本発明で用いる有機カルボン酸は、モノカルボン酸、ジカルボン酸またはトリカルボン酸が好ましく、モノカルボン酸およびジカルボン酸がより好ましい。
本発明で用いる有機カルボン酸化合物は、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、ヒドロキシ酸、芳香族カルボン酸、オキソカルボン酸およびハロゲン含有カルボン酸からなる群より選択されることが好ましく、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、ヒドロキシ酸および芳香族カルボン酸からなる群より選択されることがより好ましく、飽和脂肪酸および芳香族カルボン酸からなる群より選択されることがさらに好ましい。
飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸およびヒドロキシ酸は、モノカルボン酸であることが好ましく、芳香族カルボン酸は、モノカルボン酸またはジカルボン酸であることがより好ましい。
本発明で用いる有機カルボン酸化合物は、カルボキシル基以外の酸基を有していてもよいし、有していなくてもよい。本発明で用いる有機カルボン酸化合物は、スルホン酸基、リン酸基およびホスホン酸基を有さないことが好ましく、カルボキシル基以外の酸基を有さないことがより好ましい。
有機カルボン酸化合物としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸などの飽和脂肪酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、ソルビン酸、アコニット酸などの不飽和脂肪酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸などのヒドロキシ酸、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、サリチル酸、3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸、メリト酸、ケイ皮酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、フマル酸、マレイン酸などの芳香族カルボン酸、ピルビン酸、オキサロ酢酸などのオキソカルボン酸、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸などのハロゲン含有カルボン酸が例示される。
洗浄剤組成物Bにおける、有機カルボン酸化合物の含有量は、洗浄剤組成物Bに含まれる溶剤1Lに対し、0.8mg〜1.6gであることが好ましい。
また、洗浄剤組成物Bにおける、有機カルボン酸化合物の含有量は、洗浄剤組成物Bの0.0016質量%以上が好ましく、0.0016質量%以上がより好ましく、0.1600質量%以上がさらに好ましく、1.6000質量%以上が一層好ましい。本発明の洗浄剤組成物Bにおける、有機カルボン酸化合物の含有量は、洗浄剤組成物Bの10.0質量%以下が好ましく、8.0質量%以下がより好ましく、5.0質量%以下がさらに好ましく、4.0質量%以下が一層好ましい。
洗浄剤組成物Bは、有機カルボン酸化合物を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<溶剤>>
洗浄剤組成物Bに含まれる溶剤は、水および水溶性溶剤からなる溶剤の少なくとも1種であり、水であることが好ましい。
水溶性溶剤とは、水への溶解度が1000mg/L以上の有機化合物を意味し、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、tert−ブチルアルコール、エチレングリコールが例示される。
洗浄剤組成物Bにおける、溶剤の含有量は、洗浄剤組成物Bの50.0000〜99.9999質量%であることが好ましく、99.0000〜99.9990質量%であることがより好ましい。
本発明の洗浄剤組成物Bは、溶剤を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
また、上記洗浄剤組成物Bにおける、有機カルボン酸化合物と溶剤の質量比が0.0001:99.9999〜50:50であることが好ましく、0.0010:99.9990〜10:90であることがより好ましく、0.0100:99.9900〜1.0000:99.0000であることがさらに好ましい。このような範囲とすることにより、洗浄剤組成物A由来の残渣の除去性がより効果的に向上する。
<<他の成分>>
洗浄剤組成物Bは、上記有機カルボン酸化合物と、溶剤以外の成分を含んでいてもよい。具体的には、洗浄剤組成物Aのところで述べた他の成分を用いることができる。
<<洗浄剤組成物Bの調製>>
洗浄剤組成物Bの調製は、洗浄剤組成物Bの各成分を混合した後、ろ過を行うことが好ましい。ろ過は、孔径が0.003〜10μmのフィルタを用いることが好ましい。ろ過を行うことにより、洗浄剤組成物B由来の不純物による基板表面への汚染を低減することができる。フィルタは、ポリテトラフルオロエチレン製であることが好ましい。
本発明で用いる洗浄剤組成物Bの収納容器としては従来公知の収納容器を用いることができる。また、収納容器としては、原材料や組成物中への不純物混入を抑制することを目的に、容器内壁を6種6層の樹脂で構成された多層ボトルや、6種の樹脂を7層構造にしたボトルを使用することも好ましい。このような容器としては例えば特開2015−123351号公報に記載の容器が挙げられる。
<洗浄剤組成物Aと洗浄剤組成物B>
本発明では、上記有機カルボン酸化合物の酸解離定数であるpKaと、上記有機酸の酸解離定数であるpKaの差が2〜10であることが好ましい。このような範囲とすることにより、本発明の効果がより効果的に発揮される。
また、本発明では、洗浄剤組成物Aに含まれる酸の当量に対して洗浄剤組成物Bに含まれる酸の当量が2〜100倍となることが好ましい。このような範囲とすることにより、本発明の効果がより効果的に発揮される。
<リンス組成物C>
本発明のキットは、さらに、リンス組成物Cを含んでいてもよい。
リンス組成物は、水およびアルコールの少なくとも1種を含む。アルコールとしては、炭素原子数1〜10の直鎖または分岐のアルキル基と水酸基からなるアルコールが好ましい。
アルコールの具体例としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、tert−ブチルアルコールおよびエチレングリコールが例示される。
<<他の成分>>
リンス組成物Cは、水およびアルコールの少なくとも1種以外の成分を含んでいてもよい。具体的には、洗浄剤組成物Aのところで述べた他の成分を用いることができる。
<<リンス組成物Cの調製>>
リンス組成物Cの調製は、リンス組成物Cの各成分を混合した後、ろ過を行うことが好ましい。ろ過は、孔径が0.003〜10μmのフィルタを用いることが好ましい。ろ過を行うことにより、洗浄剤組成物AおよびB由来の残渣の除去性がより向上する傾向にある。フィルタは、ポリテトラフルオロエチレン製であることが好ましい。
半導体素子の製造方法
本発明の半導体素子の製造方法は、シリコーン化合物を表面に有する基板を、洗浄剤組成物Aを用いて洗浄する工程と、上記洗浄した基板を、さらに、洗浄剤組成物Bを用いて洗浄する工程を含み、上記洗浄剤組成物Aが、有機酸であって、上記有機酸に含まれる酸基がイオウ原子またはリン原子を含む有機酸の少なくとも1種と、有機溶剤とを含み、上記洗浄剤組成物Bが、有機カルボン酸化合物と、水および水溶性溶剤の少なくとも1種とを含む。本発明の半導体素子の製造方法は、上記洗浄剤組成物Bを用いて洗浄する工程の後に、水およびアルコールの少なくとも1種を含むリンス組成物Cを用いてリンス処理する工程を含むことが好ましい。
また、基板上に仮接着剤から形成される仮接着層を含み、上記仮接着層の少なくとも一部が上記有機酸によって洗浄され、かつ、上記仮接着剤は、上記シリコーン化合物および上記シリコーン化合物の前駆体の少なくとも1種を含むことが好ましい。従って、ケイ素含有化合物を表面に有する基板とは、被加工基板やキャリア基板が例示される。
ケイ素含有化合物を含む仮接着剤を除去する態様としては、被加工基板上の仮接着層を除去すること、被加工基板とキャリア基板とを仮接着する工程中における余剰な仮接着剤を除去すること、および、キャリア基板の再利用のため、キャリア基板上に残存する仮接着剤を除去することなどが例示される。
本発明の半導体素子の製造方法は、仮接着剤がキャリア基板と被加工基板の仮接着に用いられ、洗浄剤組成物Aを用いて仮接着剤の一部または全部を除去して、被加工基板を洗浄し、その後、洗浄剤組成物Bを用いて、さらに被加工基板を洗浄することが好ましい。洗浄剤組成物Aを用いて除去する仮接着剤は、キャリア基板を剥離した後の被加工基板上に残る仮接着剤もしくは仮接着層、または、キャリア基板を剥離し、さらに、仮接着層をピールオフした後の被加工基板上に残る仮接着剤であるであることが好ましい。仮接着層のピールオフは、40℃以下の温度で行うことが好ましく、10〜40℃の温度で行うことがより好ましい。また、仮接着層のピールオフは、手での剥離または機械剥離であることが好ましい。
被加工基板としては、シリコンやガラス、SiC、GaN、GaAsなどの化合物半導体、モールド樹脂などを基板とし、その表面と内部とに構造体が形成されたデバイスウェハが例示される。特に、本発明では、被加工基板の表面に構造体として好ましくは金属層、より好ましくは銅層を有する。本発明の半導体素子の製造方法では、銅層の表面に残ってしまう、洗浄剤組成物A由来のイオウ原子残渣やリン原子残渣も、洗浄剤組成物Bを用いることにより、効果的に除去することが可能になる。
さらに、本発明の半導体素子の製造方法は、基板の表面に銅層を有し、かつ、銅層の表面にハンダボールを設ける態様に好ましく用いられる。ハンダボールを設ける場合、不純物を除去してハンダボールと銅層間の密着性を高める効果という点で本発明の半導体素子の製造方法を用いる価値が高い。
また、半導体の構造により、銅層を含む配線層に凹凸段差が存在することがある。特に凹部分が直径400〜800μmの円形盆地状に形成された、深さ5〜50μmの銅パッド底面上に、洗浄剤組成物A由来のイオウ原子やリン原子を含む残渣が残りやすい。
さらに、上記洗浄剤組成物Aを用いて洗浄する工程および上記洗浄剤組成物Bを用いて洗浄する工程は、枚葉方式で洗浄することが好ましい。さらに、上記リンス処理する工程も、枚葉方式でスピン乾燥と洗浄をすることが好ましい。
加えて、洗浄剤組成物Aを用いて洗浄する工程の後および洗浄剤組成物Bを用いて洗浄する工程の後に、それぞれ、乾燥工程を含むことが好ましい。このように、各洗浄工程の後に乾燥工程を設けることにより、本発明の効果がより効果的に発揮される。さらに、上記リンス処理する工程の後にも、乾燥工程を含むことが好ましい。
洗浄剤組成物Aを用いて洗浄した後の乾燥は、80〜200℃で行うことが好ましい。乾燥時間は30〜180秒であることが好ましい。上記乾燥の後、180秒以内に洗浄剤組成物Bを用いて洗浄することが好ましい。洗浄剤組成物Bを用いて洗浄した後の乾燥は、80〜200℃で行うことが好ましい。乾燥時間は30〜180秒であることが好ましい。上記乾燥の後、30秒以内に、リンス組成物Cを用いたリンスを行うことが好ましい。リンス処理の適用後、3秒以内に乾燥を開始することが好ましい。リンス組成物Cを用いてリンス処理した後の乾燥は、80〜200℃で行うことが好ましい。乾燥時間は30〜180秒であることが好ましい。
本発明の半導体素子の製造方法では、上記基板一枚の、上記洗浄剤組成物Aを用いて洗浄する工程の開始から、上記洗浄剤組成物Bを用いて洗浄する工程の終了までの時間が、30〜540秒であることが好ましく、60〜240秒がより好ましい。このような時間とすることにより、仮接着剤の除去とケイ素含有化合物の残渣除去を1ステップで効果的に行うことができる。さらに、洗浄剤組成物Aを用いて洗浄を開始した時点から、リンス組成物Cを用いて洗浄を終了するまでの時間は60〜660秒であることが好ましく、90〜540秒であることがより好ましい。
さらに、上記洗浄剤組成物Aを用いて洗浄する工程の開始から、上記洗浄剤組成物Bを用いて洗浄する工程の開始までの時間Aと、上記洗浄剤組成物Bを用いて洗浄する工程の開始から、上記リンス組成物Cを用いて洗浄する工程の開始までの時間Bの比が、1:10〜10:1であることが好ましく、4:6〜6:4であることがより好ましい。このような比率とすることにより、枚葉処理における、基板ごとの洗浄効果の一層の均質化をはかることができる。
本発明の半導体素子の製造方法における、洗浄剤組成物A、洗浄剤組成物B、リンス組成物C、仮接着剤については、それぞれ、上述の洗浄剤組成物A、洗浄剤組成物B、リンス組成物C、仮接着剤と同義である。したがって、本発明の半導体素子の製造方法では、本発明のキットを好ましく用いることができる。
その他、半導体素子の製造方法については、特に、仮接着の方法については、WO2016/181879号公報の段落0074〜0099および図1〜3の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
半導体素子の基板の洗浄方法
本発明の半導体素子の基板の洗浄方法は、シリコーン化合物を表面に有する基板を、洗浄剤組成物Aを用いて洗浄する工程と、上記洗浄した基板を、さらに、洗浄剤組成物Bを用いて洗浄する工程を含み、上記洗浄剤組成物Aが、有機酸であって、上記有機酸に含まれる酸基がイオウ原子またはリン原子を含む有機酸の少なくとも1種と、有機溶剤とを含み、上記洗浄剤組成物Bが、有機カルボン酸化合物と、水および水溶性溶剤の少なくとも1種とを含む。
本発明の半導体素子の基板の洗浄方法は、上記洗浄剤組成物Bを用いて洗浄する工程の後に、水およびアルコールの少なくとも1種を含むリンス組成物Cを用いてリンス処理することを含むことが好ましい。
本発明の半導体素子の基板の洗浄方法における、洗浄剤組成物A、洗浄剤組成物B、リンス組成物C、仮接着剤については、それぞれ、上述の洗浄剤組成物A、洗浄剤組成物B、リンス組成物C、仮接着剤と同義である。したがって、本発明の半導体素子の基板の洗浄方法では、本発明のキットを好ましく用いることができる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。尚、特に断りのない限り、「部」、「%」は質量基準である。
<仮接着剤の調製>
下記表1に示す通り、仮接着剤の各成分を混合して均一な溶液とした後、0.2μmの孔径を有するポリテトラフルオロエチレン製フィルタを用いてろ過して、仮接着剤を調製した。
Figure 2018131628
用いた化合物の詳細は以下の通りである。
<<エラストマー>>
P−1:セプトン4033((株)クラレ製、ポリスチレン系エラストマー)
P−2:セプトン2104((株)クラレ製、ポリスチレン系エラストマー)
P−3:セプトン8004((株)クラレ製、ポリスチレン系エラストマー)
<<ケイ素含有化合物>>
Si−1:TSF4446(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン)
Si−2:TSF4445(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン)
Si−3:Silwet L−7605(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン)
Si−4:KF−6017(信越化学工業(株)製、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン)
Si−5:Silwet L−7200(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン)
Si−6:KP−323(信越化学工業(株)製、シリコーン単一物)
Si−7:フッ素原子含有シランカップリング剤(シリコーン化合物の前駆体)(東京化成工業(株)製、トリエトキシ(1H,1H,2H,2H−ノナフルオロヘキシル)シラン)
<<その他の添加剤>>
A−1:Irganox1010 (BASFジャパン(株)製)
A−2:Sumilizer TP−D (住友化学(株)製)
<<有機溶剤>>
S−1:1,3,5−トリメチルベンゼン(メシチレン、東洋合成工業(株)製)
<洗浄剤組成物Aの調製>
下記表2および表3に示す通り、洗浄剤組成物Aの各成分を混合して均一な溶液とした後、0.2μmの孔径を有するポリテトラフルオロエチレン製フィルタを用いてろ過して洗浄剤組成物Aを調製した。
Figure 2018131628
Figure 2018131628
<洗浄剤組成物Bの調製>
下記表4および表5に示す通り、洗浄剤組成物Bの各成分を混合して均一な溶液とした後、0.2μmの孔径を有するポリテトラフルオロエチレン製フィルタを用いてろ過して洗浄剤組成物Bを調製した。
Figure 2018131628
Figure 2018131628
<リンス組成物Cの調製>
下記表6に示す通り、リンス組成物Cの成分を、0.2μmの孔径を有するポリテトラフルオロエチレン製フィルタを用いてろ過してリンス組成物Cを調製した。
Figure 2018131628
評価方法
キャリア基板として、直径12インチの円盤状のシリコンウェハ(1インチは、2.54cmである)を用い、その表面に、上記仮接着剤をコーティング装置(イーヴィグループジャパン(株)製、EVG 101)を用いて、層状に成膜した。ホットプレート(イーヴィグループジャパン(株)製、EVG 105)を用いて、100℃で3分間加熱し、さらに、180℃で3分間加熱することで、キャリア基板の表面に仮接着層を製膜した積層体Aを得た。仮接着層の厚さは、60μmであった。
得られた積層体Aのキャリア基板を下側にしてコーティング装置(イーヴィグループジャパン(株)製、EVG 101)にセットし、回転数1250rpmから、50rpm/sの加速度で回転数を2000rpmまで加速しながら、流量20mL/分のメシチレンで、キャリア基板のべベル部について、BSR(Back Side Rince)処理を行うことで、ベベル部に付着した仮接着層を洗浄した。
直径12インチの円盤状のシリコンウェハ表面にスパッタリングにより、厚さ10nmのチタン層と、厚さ50nmの銅層を、この順で製膜して被加工基板を得た。
上記で得られた積層体Aと、上記で得られた被加工基板を、ウェハボンディング装置(イーヴィグループジャパン(株)製、EVG 540)を用い、気圧1Pa下、温度200℃、0.3MPaの圧力下で1分間熱圧着し、積層体Bを得た。圧着に際し、銅層と仮接着層が接するように配置した。
上記で得られた積層体Bの、被加工基板の裏面(仮接着層を設けていない側)を、バックグラインダー((株)ディスコ製、DFG8540)を用いて40μmの厚さまで研磨し、バックグラインド加工(薄膜化)した積層体Cを得た。
上記積層体Cの、バックグラインド加工を施した面を下側にし、下側のシリコンウェハを、ダイシングテープマウンターを用いてダイシングテープ中央にダイシングフレームと共に固定した。その後、ウェハデボンダー装置(東京エレクトロン(株)製、Synapse Z)を用いて、25℃で、上側のシリコンウェハを下側のシリコンウェハに対して垂直方向に、3mm/分の速さで引き上げ、仮接着層(または仮接着剤由来の残渣)と被加工基板からなる積層体Dを得た。上側のシリコンウェハを、下側のシリコンウェハが割れたりせずに、剥離できた。
上記剥離を行い得られた積層体Dを、ウェハデボンダー装置(東京エレクトロン(株)製、Synapse Z)を用いて、積層体Dの被加工基板を回転させながら洗浄剤組成物Aを供給することで洗浄した。洗浄後の被加工基板を110℃で2分加熱して乾燥させた。
<表面観察(炭素原子残渣およびケイ素原子残渣)>
上記洗浄剤組成物Aを用いて洗浄し、乾燥した後の被加工基板の表面を、Quantera SXM装置(アルバック・ファイ(株)製)を使用し、X線源として単色化Al−Kα線(エネルギー値;1486.6eV、出力;25W、電圧;15kV、ビーム直径200μm)を用いて測定した。測定領域は1400×700μm、測定条件はPass Energy=140eV、ステップサイズ=0.1eV、積算回数1〜3回で行い、炭素原子とケイ素原子の存在割合(炭素原子残渣、ケイ素原子残渣)について以下の基準で評価を行った。
<<炭素原子残渣>>
A:炭素原子が40mol%未満
B:炭素原子が40mol%以上50mol%未満
C:炭素原子が50mol%以上60mol%未満
D:炭素原子が60mol%以上
<<ケイ素原子残渣>>
A:ケイ素原子が0.1mol%未満
B:ケイ素原子が0.1mol%以上1mol%未満
C:ケイ素原子が1mol%以上3mol%未満
D:ケイ素原子が3mol%以上
上記洗浄剤組成物Aを用いて洗浄し、乾燥した後の被加工基板の表面を、ウェハデボンダー装置(東京エレクトロン(株)製、Synapse Z)を用いて、被加工基板を回転させながら洗浄剤組成物Bを供給することで洗浄した。洗浄後の被加工基板をスピン乾燥させた。
次いで、上記洗浄剤組成物Bを用いて洗浄し、乾燥した後の被加工基板の表面を、ウェハデボンダー装置(東京エレクトロン(株)製、Synapse Z)を用いて、積層体Dを回転させながら上記リンス組成物Cを供給することでリンスした。100℃で1分加熱して乾燥させた。
<表面観察(イオウ原子残渣およびリン原子残渣)>
上記洗浄剤組成物Bによる洗浄後の被加工基板の表面を、Quantera SXM装置(アルバック・ファイ(株)製)を使用し、X線源として単色化Al−Kα線(エネルギー値;1486.6eV、出力;25W、電圧;15kV、ビーム直径200μm)を用いて測定した。測定領域は1400×700μm、測定条件はPass Energy=140eV、ステップサイズ=0.1eV、積算回数1〜3回で行い、イオウ原子とリン原子の存在割合(イオウ原子残渣、リン原子残渣)について以下の基準で評価を行った。
<<イオウ原子残渣>>
A:イオウ原子が0.1mol%未満
B:イオウ原子が0.1mol%以上1mol%未満
C:イオウ原子が1mol%以上3mol%未満
D:イオウ原子が3mol%以上
<<リン原子残渣>>
A:イオウ原子が0.1mol%未満
B:イオウ原子が0.1mol%以上1mol%未満
C:イオウ原子が1mol%以上3mol%未満
D:イオウ原子が3mol%以上
<銅変色改善>
直径12インチの円盤状のシリコンウェハ表面にスパッタリングにより、厚さ50nmの銅層を設けた基板を作製した。ウェハデボンダー装置(東京エレクトロン(株)製、Synapse Z)を用いて、シリコンウェハの銅層を回転させながら洗浄剤組成物Aを供給した。洗浄後の被加工基板を110℃で2分加熱して乾燥させた。次いで、洗浄剤組成物Bを供給することで洗浄した。次いで、洗浄後の被加工基板を、リンス組成物Cを供給することでリンスした。100℃で1分加熱して乾燥させた。上記洗浄剤組成物Aを用いて洗浄する工程の開始から、上記洗浄剤組成物Bを用いて洗浄する工程の開始までの時間は200秒であった。上記洗浄剤組成物Bを用いて洗浄する工程の開始から、上記リンス組成物Cを用いて洗浄する工程の開始までの時間は140秒であった。さらに、洗浄剤組成物Aを用いて洗浄を開始した時点から、リンス組成物Cを用いて洗浄を終了するまでの時間は460秒であった。
その後、室温23度、相対湿度55%のクリンルーム内で48時間放置し、目視で観察し、以下の通り評価した。
A:銅層の変色が見られなかった。
B:銅層が薄茶色へわずか変色した。
C:銅層が茶色に変色が見られた。
結果を下記表7および表8に示す。
Figure 2018131628
Figure 2018131628
上記結果から明らかなとおり、本発明のキットを用いた場合、炭素原子残渣、ケイ素原子残渣、イオウ原子残渣およびリン原子残渣のいずれも認められなかった。また、銅層の変色も認められなかった。
一方、洗浄剤組成物Bを用いない場合(比較例1〜11)、炭素原子残渣およびケイ素原子残渣は認められなかったが、イオウ原子残渣またはリン原子残渣が認められた。また、多少の銅層の変色が認められた。
一方、洗浄剤組成物Aを用いない場合(比較例12〜23)、炭素原子残渣およびケイ素原子残渣が認められた。また、銅層が茶色に変色してしまった。
さらに、洗浄剤組成物Aの代わりに、他の洗浄剤組成物を用いた場合(比較例24および25)、炭素原子残渣、ケイ素原子残渣、イオウ原子残渣およびリン原子残渣のいずれの残渣も認められた。さらに、銅層の変色も認められた。
一方、洗浄剤組成物Bの代わりに、他の洗浄剤組成物を用いた場合(比較例26〜28)、イオウ原子残渣およびリン原子残渣の残渣が認められた。さらに、多少の銅層の変色が認められた。
本発明の方法で得られた基板は、炭素原子残渣、ケイ素原子残渣、イオウ原子残渣およびリン原子残渣がなく、銅層も変色していないことから、半導体素子の基板として好ましく用いることができる。

Claims (29)

  1. シリコーン化合物およびシリコーン化合物の前駆体からなる群より選択されるケイ素含有化合物の少なくとも1種を含む仮接着剤と、
    有機酸であって、前記有機酸に含まれる酸基がイオウ原子またはリン原子を含む有機酸の少なくとも1種と、有機溶剤とを含む、洗浄剤組成物Aと、
    有機カルボン酸化合物と、水および水溶性溶剤の少なくとも1種とを含む、洗浄剤組成物Bと
    を含むキット。
  2. 前記有機酸が、有機スルホン酸、有機リン酸および有機ホスホン酸からなる群より選択される有機酸の少なくとも1種を含む、請求項1に記載のキット。
  3. 前記ケイ素含有化合物が、シリコーンオイルを含む、請求項1に記載のキット。
  4. 前記ケイ素含有化合物が、ポリエーテル変性シリコーンを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のキット。
  5. 前記仮接着剤におけるケイ素含有化合物の含有量が0.001〜1.0質量%である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のキット。
  6. 前記仮接着剤がエラストマーを含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載のキット。
  7. 前記エラストマーがポリスチレン系エラストマーである、請求項6に記載のキット。
  8. 前記有機酸の酸解離定数であるpKaが−4〜5である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のキット。
  9. 前記有機酸が、アルキルスルホン酸、芳香族スルホン酸、アルキルリン酸、芳香族リン酸、アルキルホスホン酸および芳香族ホスホン酸からなる群より選択される、請求項1〜8のいずれか1項に記載のキット。
  10. 前記洗浄剤組成物Aに含まれる有機溶剤が、アルキル基を有する芳香族炭化水素系溶剤を含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載のキット。
  11. 前記アルキル基を有する芳香族炭化水素系溶剤が、ベンゼン環と、炭素数1〜10のアルキル基を1〜3つ有する溶剤である、請求項10に記載のキット。
  12. 前記洗浄剤組成物Aにおける、前記有機酸と前記有機溶剤の質量比が0.0001:99.9999〜50:50である、請求項1〜11のいずれか1項に記載のキット。
  13. 前記有機カルボン酸化合物が、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、ヒドロキシ酸および芳香族カルボン酸からなる群より選択される、請求項1〜12のいずれか1項に記載のキット。
  14. 前記有機カルボン酸化合物の1−オクタノール中および水中の平衡濃度の比を表す1−オクタノール/水分配係数であるPを、底10に対する対数logPの形態で表した値が−5〜6である、請求項1〜13のいずれか1項に記載のキット。
  15. 前記洗浄剤組成物Bに含まれる溶剤が、水を含む、請求項1〜14のいずれか1項に記載のキット。
  16. 前記有機カルボン酸化合物の酸解離定数であるpKaが1〜7である、請求項1〜15のいずれか1項に記載のキット。
  17. 前記洗浄剤組成物Bにおける、前記有機カルボン酸化合物と前記溶剤の質量比が0.0001:99.9999〜50:50である、請求項1〜16のいずれか1項に記載のキット。
  18. さらに、水およびアルコールの少なくとも1種を含むリンス組成物Cを含む、請求項1〜17のいずれか1項に記載のキット。
  19. シリコーン化合物を表面に有する基板を、洗浄剤組成物Aを用いて洗浄する工程と、前記洗浄した基板を、さらに、洗浄剤組成物Bを用いて洗浄する工程を含み、
    前記洗浄剤組成物Aが、有機酸であって、前記有機酸に含まれる酸基がイオウ原子またはリン原子を含む有機酸の少なくとも1種と、有機溶剤とを含み、
    前記洗浄剤組成物Bが、有機カルボン酸化合物と、水および水溶性溶剤の少なくとも1種とを含む、
    半導体素子の製造方法。
  20. 前記有機酸が、有機スルホン酸、有機リン酸および有機ホスホン酸からなる群より選択される有機酸の少なくとも1種を含む、請求項19に記載の半導体素子の製造方法。
  21. 前記基板上に仮接着剤から形成される仮接着層を含み、前記仮接着層の少なくとも一部が前記有機酸によって洗浄され、かつ、前記仮接着剤は、前記シリコーン化合物および前記シリコーン化合物の前駆体の少なくとも1種を含む、請求項19または20に記載の半導体素子の製造方法。
  22. 前記洗浄剤組成物Aを用いて洗浄する工程および前記洗浄剤組成物Bを用いて洗浄する工程は、枚葉方式で洗浄する、請求項19〜21のいずれか1項に記載の半導体素子の製造方法。
  23. 前記洗浄剤組成物Aを用いて洗浄する工程の後および前記洗浄剤組成物Bを用いて洗浄する工程の後に、それぞれ、乾燥工程を含む、請求項19〜22のいずれか1項に記載の半導体素子の製造方法。
  24. 前記基板一枚の、前記洗浄剤組成物Aを用いて洗浄する工程の開始から、前記洗浄剤組成物Bを用いて洗浄する工程の終了までの時間が、30〜300秒である、請求項19〜23のいずれか1項に記載の半導体素子の製造方法。
  25. 前記洗浄剤組成物Bを用いて洗浄する工程の後に、水およびアルコールの少なくとも1種を含むリンス組成物Cを用いてリンス処理する工程を含む、請求項19〜24のいずれか1項に記載の半導体素子の製造方法。
  26. 請求項1〜18のいずれか1項に記載のキットを用いる、請求項19〜25のいずれか1項に記載の半導体素子の製造方法。
  27. シリコーン化合物を表面に有する基板を、洗浄剤組成物Aを用いて洗浄する工程と、前記洗浄した基板を、さらに、洗浄剤組成物Bを用いて洗浄する工程を含み、
    前記洗浄剤組成物Aが、有機酸であって、前記有機酸に含まれる酸基がイオウ原子またはリン原子を含む有機酸の少なくとも1種と、有機溶剤とを含み、
    前記洗浄剤組成物Bが、有機カルボン酸化合物と、水および水溶性溶剤の少なくとも1種とを含む、
    半導体素子の基板の洗浄方法。
  28. 前記洗浄剤組成物Bを用いて洗浄する工程の後に、水およびアルコールの少なくとも1種を含むリンス組成物Cを用いてリンス処理することを含む、請求項27に記載の半導体素子の基板の洗浄方法。
  29. 請求項1〜18のいずれか1項に記載のキットを用いる、請求項27または28に記載の半導体素子の基板の洗浄方法。
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