JPWO2018123145A1 - Δς変調器、送信機、半導体集積回路、処理方法、システム、及びコンピュータプログラム - Google Patents

Δς変調器、送信機、半導体集積回路、処理方法、システム、及びコンピュータプログラム Download PDF

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    • H03M3/02Delta modulation, i.e. one-bit differential modulation

Abstract

ΔΣ変調器は、ベースバンド信号が与えられるループフィルタと、ループフィルタの出力の周波数変換を行う第1周波数変換器と、第1周波数変換器の出力を量子化する第1量子化器と、第1量子化器の出力の周波数変換を行う第2周波数変換器と、第1周波数変換器が用いるローカル信号を量子化する第2量子化器とを備え、第2周波数変換器は、第1周波数変換器が行う周波数変換の逆変換となるように周波数変換を行う。第1周波数変換器は、第2量子化器の出力に基づいてループフィルタの周波数変換を行う。

Description

本発明は、ΔΣ変調器、送信機、半導体集積回路、処理方法、システム、及びコンピュータプログラムに関するものである。
本出願は、2016年12月28日出願の日本出願第2016−255706号に基づく優先権を主張し、前記日本出願に記載された全ての記載内容を援用するものである。
特許文献1には、ΔΣ変調を行った信号を無線送信する送信機が記載されている。
図8は、ΔΣ変調器を備えた送信機の一例を示す図である。図8に示すように、この送信機100は、ベースバンド信号(I/Q信号)を直交変調する直交変調部101と、直交変調部101の出力を無線周波数に周波数変換しRF(Radio Frequency)信号を出力する周波数変換器102と、RF信号が与えられるΔΣ変調器(DSM)103と、バンドパスフィルタ104とを備えている。
ΔΣ変調器103は、周波数変換器102の出力であるRF信号にΔΣ変調を行い、ΔΣ変調信号を出力する。ΔΣ変調信号は、信号伝送路105を通じてバンドパスフィルタ104に与えられる。
バンドパスフィルタ104は、前記RF信号を通過させる通過帯域を有している。よって、バンドパスフィルタ104は、前記RF信号を通過させつつ当該ΔΣ変調信号に含まれている量子化雑音を除去する。これによって、バンドパスフィルタ104はRF信号を出力する。
バンドパスフィルタ104から出力されたRF信号は、後段のパワーアンプ106によって増幅され、アンテナ107から無線波として送信される。
特開2014−165846号公報
一実施形態であるΔΣ変調器は、入力信号が与えられるループフィルタと、前記ループフィルタの出力の周波数変換を行う第1周波数変換器と、前記第1周波数変換器の出力を量子化する第1量子化器と、前記第1量子化器の出力の周波数変換を行う第2周波数変換器と、前記第1周波数変換器が周波数変換に用いるローカル信号を量子化する第2量子化器と、を備え、前記ループフィルタは、前記第2周波数変換器の出力をフィードバック信号として受け付け、前記入力信号の周波数近傍の雑音を阻止し、前記第2周波数変換器は、前記第1周波数変換器が行う周波数変換の逆変換となるように周波数変換を行い、前記第1周波数変換器は、前記第2量子化器の出力に基づいて前記ループフィルタの出力の周波数変換を行う。
また、一実施形態である送信機は、上記ΔΣ変調器と、前記第1量子化器の出力が与えられる送信部と、を備え、前記第1周波数変換器は、前記入力信号を送信するための搬送波周波数に周波数変換し、前記送信部は、前記第1量子化器の出力に含まれる前記搬送波周波数に周波数変換された前記入力信号を送信する。
また、一実施形態である半導体集積回路は、入力信号に対してΔΣ変調を行うΔΣ変調器に用いられる半導体集積回路であって、前記入力信号が与えられるループフィルタと、前記ループフィルタの出力の周波数変換を行う第1周波数変換器と、前記第1周波数変換器の出力を量子化する第1量子化器と、前記第1量子化器の出力の周波数変換を行う第2周波数変換器と、前記第1周波数変換器が周波数変換に用いるローカル信号を量子化する第2量子化器と、を備え、前記ループフィルタは、前記第2周波数変換器の出力をフィードバック信号として受け付け、前記入力信号の周波数近傍の雑音を阻止し、前記第2周波数変換器は、前記第1周波数変換器が行う周波数変換の逆変換となるように周波数変換を行い、前記第1周波数変換器は、前記第2量子化器の出力に基づいて前記ループフィルタの出力の周波数変換を行う。
また、一実施形態である処理方法は、入力信号に対してΔΣ変調を行うための処理方法であって、前記入力信号に対してループフィルタ処理を行うフィルタステップと、前記フィルタステップによる出力の周波数変換を行う第1変換ステップと、前記第1変換ステップによる出力を量子化する第1量子化ステップと、前記第1量子化ステップによる出力の周波数変換を行う第2変換ステップと、前記第1変換ステップにおいて周波数変換に用いるローカル信号を量子化する第2量子化ステップと、を含み、前記フィルタステップは、前記第2変換ステップによる出力をフィードバック信号として受け付け、前記入力信号の周波数近傍の雑音を阻止するループフィルタによって前記ループフィルタ処理を行い、前記第2変換ステップは、前記第1変換ステップが行う周波数変換の逆変換となるように周波数変換を行い、前記第1変換ステップは、前記第2量子化ステップによる出力に基づいて前記フィルタステップによる出力の周波数変換を行う。
また、一実施形態であるコンピュータプログラムは、入力データに対してΔΣ変調を行うための処理をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、コンピュータに前記入力データに対してループフィルタ処理を行うフィルタステップと、前記フィルタステップによる出力の周波数変換を行う第1変換ステップと、前記第1変換ステップによる出力を量子化する第1量子化ステップと、前記第1量子化ステップによる出力の周波数変換を行う第2変換ステップと、前記第1変換ステップにおいて周波数変換に用いるローカル信号を量子化する第2量子化ステップと、を含む処理を実行させるコンピュータプログラムであり、前記フィルタステップは、前記第2変換ステップによる出力をフィードバックデータとして受け付け、前記入力信号の周波数近傍の雑音を阻止するループフィルタによって前記ループフィルタ処理を行い、前記第2変換ステップは、前記第1変換ステップが行う周波数変換の逆変換となるように周波数変換を行い、前記第1変換ステップは、前記第2量子化ステップによる出力に基づいて前記フィルタステップによる出力の周波数変換を行う。
また、一実施形態であるシステムは、プログラム可能な集積回路と、前記集積回路の回路構成に関する回路構成情報を前記集積回路に与え、前記回路構成情報に従って前記集積回路に回路を構成させる制御部と、を備えたシステムであって、前記回路構成情報によって構成される前記回路は、入力信号が与えられるループフィルタと、前記ループフィルタの出力の周波数変換を行う第1周波数変換器と、前記第1周波数変換器の出力を量子化する第1量子化器と、前記第1量子化器の出力の周波数変換を行う第2周波数変換器と、前記第1周波数変換器が周波数変換に用いるローカル信号を量子化する第2量子化器と、を備え、前記ループフィルタは、前記第2周波数変換器の出力をフィードバック信号として受け付け、前記入力信号の周波数近傍の雑音を阻止し、前記第2周波数変換器は、前記第1周波数変換器が行う周波数変換の逆変換となるように周波数変換を行い、前記第1周波数変換器は、前記第2量子化器の出力に基づいて前記ループフィルタの出力の周波数変換を行うΔΣ変調器である。
図1は、送信機のブロック図である。 図2は、本実施形態のΔΣ変調器の一例を示すブロック図である。 図3は、第1周波数変換器の構成の一例を示すブロック図である。 図4は、第2周波数変換器の構成の一例を示すブロック図である。 図5は、比較例に係るΔΣ変調器の要部を示すブロック図である。 図6は、シミュレーションによって得た実施例による出力信号Wのパワースペクトラムの一例を示す図である。 図7は、シミュレーションによって得た比較例による出力信号Wのパワースペクトラムの一例を示す図である。 ΔΣ変調器を備えた送信機の一例を示す図である。
[本開示が解決しようとする課題]
図8に示す送信機において、周波数変換器102と、ΔΣ変調器103とは互いに独立して設けられている。
しかし、周波数変換器102をΔΣ変調器103に組み込んで一体的に設ければ、周波数変換器102と、ΔΣ変調器103とを物理的に近づけて設けることができ、FPGA等を用いて周波数変換器102及びΔΣ変調器103を設けるのに有利な場合がある。
ここで、信号の周波数を変換する場合、変換対象の信号にローカル信号を乗算するための乗算器が必要となる。乗算器は、一般に回路構成が大きくかつ処理負荷も大きくなることから、仮に、ΔΣ変調器に周波数変換器の機能を組み込んだ場合、乗算器を含むことによって、ΔΣ変調器全体としての回路構成が大きくかつ複雑になってしまうことが考えられる。
本開示はこのような事情に鑑みてなされたものであり、簡易な回路構成で周波数変換器の機能を組み込んだΔΣ変調器の提供を目的とする。
[本開示の効果]
本開示によれば、簡易な回路構成で周波数変換器の機能を組み込んだΔΣ変調器を得ることができる。
最初に実施形態を列記して説明する。
[実施形態の概要]
(1)一実施形態であるΔΣ変調器は、入力信号が与えられるループフィルタと、前記ループフィルタの出力の周波数変換を行う第1周波数変換器と、前記第1周波数変換器の出力を量子化する第1量子化器と、前記第1量子化器の出力の周波数変換を行う第2周波数変換器と、前記第1周波数変換器が周波数変換に用いるローカル信号を量子化する第2量子化器と、を備え、前記ループフィルタは、前記第2周波数変換器の出力をフィードバック信号として受け付け、前記入力信号の周波数近傍の雑音を阻止し、前記第2周波数変換器は、前記第1周波数変換器が行う周波数変換の逆変換となるように周波数変換を行い、前記第1周波数変換器は、前記第2量子化器の出力に基づいて前記ループフィルタの出力の周波数変換を行う。
上記構成のΔΣ変調器によれば、ローカル信号を量子化する第2量子化器の出力に基づいてループフィルタの出力の周波数変換を行うので、ローカル信号をそのまま用いた場合と比較してより少ない演算量で周波数変換を行うことができる。この結果、より簡易な回路構成で周波数変換器の機能をΔΣ変調器に組み込むことができる。
なお、第2周波数変換器によって行われる、第1周波数変換器が行う周波数変換の逆変換となるような周波数変換とは、以下のような変換をいう。すなわち、第1周波数変換器が行う周波数変換が、変換対象の出力に対して所定周波数だけアップコンバートする周波数変換である場合、第2周波数変換器が行う逆変換となる周波数変換は、変換対象の出力に対して所定周波数だけダウンコンバートする周波数変換である。また、第1周波数変換器が行う周波数変換が、変換対象の出力に対して所定周波数だけダウンコンバートする周波数変換である場合、第2周波数変換器が行う逆変換となる周波数変換は、変換対象の出力に対して前記所定周波数だけアップコンバートする周波数変換である。このように、第1周波数変換器が行う周波数変換の逆変換となるような周波数変換とは、第1周波数変換器によって周波数変換される前の周波数に戻すように周波数変換することをいう。
(2)上記ΔΣ変調器において、前記第1周波数変換器は、前記ループフィルタの出力を反転する第1反転部と、前記第2量子化器の出力に応じて、前記ループフィルタの出力及び前記第1反転部の出力のいずれかを前記第1量子化器へ出力する第1選択部と、を備えていることが好ましい。
この場合、ループフィルタの出力及び第1反転部の出力のいずれかを出力する第1選択部によってループフィルタの出力の周波数変換を行うことができ、一般的な乗算器を用いる場合と比較して回路構成をより簡易にすることができる。
(3)また、上記ΔΣ変調器において、前記第1量子化器の出力は、前記入力信号が周波数変換された信号を含み、前記ローカル信号の周波数は、前記入力信号が周波数変換された信号の周波数の4倍よりも低く、前記入力信号の周波数よりも高くてもよい。
上記(2)の場合、ループフィルタの出力及び第1反転部の出力のいずれかを出力する。このため、量子化されるローカル信号の周波数は、少なくとも、入力信号が周波数変換された信号の周波数の4倍に設定しなければ、入力信号に関する情報量が不足し、当該入力信号が周波数変換された信号に誤差が生じるおそれがある。
この点、第1周波数変換器の出力は、第1量子化器を介してループフィルタにフィードバックされる。このため、第1周波数変換器による周波数変換に生じる誤差に起因する雑音はループフィルタによって抑圧される。
この結果、入力信号が周波数変換された信号の周波数、及びローカル信号の周波数は、相互に制限されることがなく、入力信号が周波数変換された信号の周波数を比較的高く設定する場合にも、ローカル信号としてさらに高い周波数の信号を発生させる必要がない。
(4)上記ΔΣ変調器において、前記第2周波数変換器は、前記ローカル信号を反転する第2反転部と、前記第1量子化器の出力に応じて、前記ローカル信号及び前記第2反転部の出力のいずれかを前記ループフィルタへ出力する第2選択部と、を備えていることが好ましい。
この場合、ローカル信号及び第2反転部の出力のいずれかを出力する第2選択部によって第1量子化器の出力の周波数変換を行うことができ、一般的な乗算器を用いる場合と比較して回路構成をより簡易にすることができる。
(5)また、前記第1量子化器及び前記第2量子化器の出力は、2値信号であることが好ましい。
(6)また、一実施形態である送信機は、上記ΔΣ変調器と、前記第1量子化器の出力が与えられる送信部と、を備え、前記第1周波数変換器は、前記入力信号を送信するための搬送波周波数に周波数変換し、前記送信部は、前記第1量子化器の出力に含まれる前記搬送波周波数に周波数変換された前記入力信号を送信する。
上記構成によれば、ΔΣ変調器に入力される入力信号はΔΣ変調器によって搬送波周波数に周波数変換されるので、送信部は第1量子化器の出力から得られる入力信号をそのまま送信することができる。
(7)また、一実施形態である半導体集積回路は、入力信号に対してΔΣ変調を行うΔΣ変調器に用いられる半導体集積回路であって、前記入力信号が与えられるループフィルタと、前記ループフィルタの出力の周波数変換を行う第1周波数変換器と、前記第1周波数変換器の出力を量子化する第1量子化器と、前記第1量子化器の出力の周波数変換を行う第2周波数変換器と、前記第1周波数変換器が周波数変換に用いるローカル信号を量子化する第2量子化器と、を備え、前記ループフィルタは、前記第2周波数変換器の出力をフィードバック信号として受け付け、前記入力信号の周波数近傍の雑音を阻止し、前記第2周波数変換器は、前記第1周波数変換器が行う周波数変換の逆変換となるように周波数変換を行い、前記第1周波数変換器は、前記第2量子化器の出力に基づいて前記ループフィルタの出力の周波数変換を行う。
(8)また、一実施形態である処理方法は、入力信号に対してΔΣ変調を行うための処理方法であって、前記入力信号に対してループフィルタ処理を行うフィルタステップと、前記フィルタステップによる出力の周波数変換を行う第1変換ステップと、前記第1変換ステップによる出力を量子化する第1量子化ステップと、前記第1量子化ステップによる出力の周波数変換を行う第2変換ステップと、前記第1変換ステップにおいて周波数変換に用いるローカル信号を量子化する第2量子化ステップと、を含み、前記フィルタステップは、前記第2変換ステップによる出力をフィードバック信号として受け付け、前記入力信号の周波数近傍の雑音を阻止するループフィルタによって前記ループフィルタ処理を行い、前記第2変換ステップは、前記第1変換ステップが行う周波数変換の逆変換となるように周波数変換を行い、前記第1変換ステップは、前記第2量子化ステップによる出力に基づいて前記フィルタステップによる出力の周波数変換を行う。
(9)また、一実施形態であるコンピュータプログラムは、入力データに対してΔΣ変調を行うための処理をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、コンピュータに前記入力データに対してループフィルタ処理を行うフィルタステップと、前記フィルタステップによる出力の周波数変換を行う第1変換ステップと、前記第1変換ステップによる出力を量子化する第1量子化ステップと、前記第1量子化ステップによる出力の周波数変換を行う第2変換ステップと、前記第1変換ステップにおいて周波数変換に用いるローカル信号を量子化する第2量子化ステップと、を含む処理を実行させるコンピュータプログラムであり、前記フィルタステップは、前記第2変換ステップによる出力をフィードバックデータとして受け付け、前記入力信号の周波数近傍の雑音を阻止するループフィルタによって前記ループフィルタ処理を行い、前記第2変換ステップは、前記第1変換ステップが行う周波数変換の逆変換となるように周波数変換を行い、前記第1変換ステップは、前記第2量子化ステップによる出力に基づいて前記フィルタステップによる出力の周波数変換を行う。
(10)また、一実施形態であるシステムは、プログラム可能な集積回路と、前記集積回路の回路構成に関する回路構成情報を前記集積回路に与え、前記回路構成情報に従って前記集積回路に回路を構成させる制御部と、を備えたシステムであって、前記回路構成情報によって構成される前記回路は、入力信号が与えられるループフィルタと、前記ループフィルタの出力の周波数変換を行う第1周波数変換器と、前記第1周波数変換器の出力を量子化する第1量子化器と、
前記第1量子化器の出力の周波数変換を行う第2周波数変換器と、前記第1周波数変換器が周波数変換に用いるローカル信号を量子化する第2量子化器と、を備え、前記ループフィルタは、前記第2周波数変換器の出力をフィードバック信号として受け付け、前記入力信号の周波数近傍の雑音を阻止し、前記第2周波数変換器は、前記第1周波数変換器が行う周波数変換の逆変換となるように周波数変換を行い、前記第1周波数変換器は、前記第2量子化器の出力に基づいて前記ループフィルタの出力の周波数変換を行うΔΣ変調器である。
[実施形態の詳細]
以下、好ましい実施形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、以下に記載する各実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
〔送信機の全体構成について〕
図1は、本実施形態に係る送信機を示している。この送信機1は、デジタル信号処理部2と、アナログフィルタ3と、を有している。デジタル信号処理部2は、アナログ信号であるRF(Radio Frequency)信号を周波数成分として含んだデジタル信号(パルス信号)を出力する。このRF信号は、無線波として空間に放射される信号であり、例えば、移動体通信や放送サービスのための送信信号である。
デジタル信号処理部2から出力されたパルス信号は、アナログフィルタ(バンドパスフィルタ又はローパスフィルタ)3に与えられる。デジタル信号処理部2から出力されたパルス信号は、RF信号の周波数以外の帯域に雑音成分を含んでいる。
アナログフィルタ3は、RF信号である送信信号を通過させる通過帯域を有している。これにより、アナログフィルタ3は、パルス信号におけるRF信号の周波数以外の帯域に存在する雑音成分を除去しつつRF信号を通過させることができる。
よって、パルス信号が与えられたアナログフィルタ3は、アナログ信号であるRF信号を出力する。
なお、デジタル信号処理部2とアナログフィルタ3との間の信号伝送路4は、回路基板に形成された信号配線であってもよいし、光ファイバー又は電気ケーブルなどの通信ケーブルであってもよい。
アナログフィルタ3から出力されるRF信号は、後段に接続されたパワーアンプ7によって増幅され、アンテナ8に与えられる。アンテナ8に与えられたRF信号は、無線信号として空間に放射され送信される。
デジタル信号処理部2は、送信信号であるベースバンド信号(I信号及びQ信号)を出力するベースバンド部5と、ΔΣ変調器(DSM)6とを備えている。
デジタル信号処理部2は、CPUや、記憶部等を含んだコンピュータによって構成することができる。この場合、コンピュータは、前記記憶部に記憶されたプログラム等を読み出して実行することによってデジタル信号処理部2が有するベースバンド部5、及びΔΣ変調器6といった各機能部を実現することができる。
また、デジタル信号処理部2は、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の半導体集積回路によって構成することができる。
デジタル信号処理部2を半導体集積回路で構成した場合、デジタル信号処理部2が有するベースバンド部5、及びΔΣ変調器6といった各機能部は、半導体集積回路に含まれている各種半導体素子を用いて構成される。
さらに、デジタル信号処理部2は、プログラム可能な集積回路であるFPGAと、このFPGAの回路構成に関する回路構成情報をFPGAに与え、前記回路構成情報に従ってFPGAに回路を構成させる機能を有するコンピュータとを備えたシステムによって構成することもできる。
この場合、コンピュータの記憶部には、回路構成情報をFPGAに与えるための処理を前記コンピュータに実行させるためのプログラムや、1又は複数の回路構成情報が記憶されている。
前記コンピュータは、前記記憶部に記憶された回路構成情報をFPGAに与える。回路構成情報が与えられたFPGAは、与えられた回路構成情報に従った回路を構成する。
前記コンピュータの記憶部には、ベースバンド部5やΔΣ変調器6を含むデジタル信号処理部2をFPGAに構成させるための回路構成を示す回路構成情報が記憶されている。
前記コンピュータは、デジタル信号処理部2を構成するための回路構成情報をFPGAに与えることで、FPGAにデジタル信号処理部2を構成させることができる。
なお、ベースバンド部5、及びΔΣ変調器6は、一つの半導体集積回路にまとめて設けてもよいし、複数の半導体集積回路に分散して設けてもよい。
ベースバンド部5は、ベースバンド信号(I(In−phase)信号及びQ(Quadrature−phase)信号)をデジタルデータとして出力する。
ベースバンド部5から出力されるベースバンド信号(I信号及びQ信号)は、例えば、周波数がfinである。ベースバンド部5から出力されるベースバンド信号は、ΔΣ変調器6に与えられる。
本実施形態のΔΣ変調器6は、ベースバンド信号が与えられると、パルス信号(ΔΣ変調信号)を出力する。このΔΣ変調信号はベースバンド信号を直交変調した直交変調信号を周波数成分として含んでいる。
また、ΔΣ変調信号に成分として含まれる直交変調信号は、入力信号であるベースバンド信号に対して周波数変換が行われ、無線周波数(搬送波周波数)である周波数foutとされている。
つまり、ΔΣ変調器6は、ベースバンド信号に対してΔΣ変調するとともにベースバンド信号を直交変調し、その直交変調信号をデジタル信号であるパルス信号(ΔΣ変調信号)に含まれる成分として出力する機能を有している。さらに、ΔΣ変調器6は、ベースバンド信号の周波数変換を行う機能も有している。
〔ΔΣ変調器6について〕
図2は、本実施形態のΔΣ変調器6の一例を示すブロック図である。
ΔΣ変調器6は、I信号が入力される第1入力ポート10、Q信号が入力される第2入力ポート11、及びΔΣ変調信号を出力する出力ポート12を備えている。ΔΣ変調器6は、両入力ポート10,11それぞれに対応するループフィルタ(第1ループフィルタ13、第2ループフィルタ14)と、両ループフィルタ13,14それぞれに対応する周波数混合(周波数変換)器(第1周波数変換器15及び第2周波数変換器16)と、加算器17と、第1量子化器18とを備えている。
両ループフィルタ13,14は、それぞれ、対応する入力ポート10,11に接続された第1入力部13a,14aと、フィードバック経路21,22を介して第1量子化器18の出力側に接続された第2入力部13b,14bと、を備えている。
第1入力部13aには、第1入力ポート10に入力されたI信号が与えられる。
第2入力部13bには、第1量子化器18の出力信号Wをダウンコンバートしたフィードバック信号Vが与えられる。
第1入力部14aには、第2入力ポート11に入力されたQ信号が与えられる。
第2入力部14bには、第1量子化器18の出力信号Wをダウンコンバートしたフィードバック信号Vが与えられる。
ループフィルタ13,14は、それぞれ、差分器13c,14cを備えている。差分器13c,14cには、それぞれ、第1入力部13a,14aに接続された第1経路13d,14dと、第2入力部13b,14bに接続された第2経路13e,14eと、が接続されている。
差分器13cは、I信号と、フィードバック信号Vとの差分を求める。
差分器14cは、Q信号と、フィードバック信号Vとの差分を求める。
差分器13c,14cによって求められた差分は、各ループフィルタ13,14に設けられた内部フィルタ13f,14fに入力される。なお、第1ループフィルタ13の内部フィルタ13fと、第2ループフィルタ14の内部フィルタ14fとは、同じ伝達関数L(z)とされている。
各内部フィルタ13f,14fの出力は、各ループフィルタ13,14に設けられた加算器13g,14gに与えられる。
加算器13gには、第1入力部13aに入力されるI信号を加算器13gに入力させるためのフィードフォワード経路13hが接続されている。したがって、加算器13gは、I信号と、内部フィルタ13fの出力とを加算する。
また、加算器14gには、第1入力部14aに入力されるQ信号を加算器14gに入力させるためのフィードフォワード経路14hが接続されている。したがって、加算器14gは、Q信号と、内部フィルタ14fの出力とを加算する。
よって、 加算器13gの出力(第1ループフィルタ13の出力)Y、及び加算器14gの出力(第2ループフィルタ14の出力)Yには、I信号及びQ信号が含まれている。
加算器13gの出力Y、及び加算器14gの出力Yは、第1周波数変換器15,16に与えられる。
第1周波数変換器15,16は、加算器13gの出力Y、及び加算器14gの出力Yの周波数変換を行う。
ΔΣ変調器6は、第1周波数変換器15,16が周波数変換に用いる第1ローカル信号及び第2ローカル信号を生成する発振器23,24と、発振器23,24及び第1周波数変換器15,16の間に接続された第2量子化器31,32とをさらに備えている。
発振器23が発振する第1ローカル信号は、例えば0Vを振幅の中心とするcos波とされている。また、発振器24が発振する第2ローカル信号は、例えば0Vを振幅の中心とするsin波とされている。このように、発振器23が生成する第1ローカル信号と、発振器24が生成する第2ローカル信号とは、90度の位相差を有するように生成される。
発振器23は、第1ローカル信号を第2量子化器31及び後述する第2周波数変換器25に与える。
発振器24は、第2ローカル信号を第2量子化器32及び後述する第2周波数変換器26に与える。
第2量子化器31は、第1ローカル信号の符号に応じて当該第1ローカル信号を2値化(量子化)する。第2量子化器32は、第2ローカル信号の符号に応じて当該第2ローカル信号を2値化する。
第2量子化器31は、例えば、第1ローカル信号の電圧が正である場合、Hiレベルの信号を出力し、第1ローカル信号の電圧が負である場合、Hiレベルの信号よりも低いレベルの信号であるLoレベルの信号を出力する。
第2量子化器32は、例えば、第2ローカル信号の電圧が正である場合、Hiレベルの信号を出力し、第2ローカル信号が負である場合、Loレベルの信号を出力する。
つまり、第2量子化器31,32は、第1ローカル信号,第2ローカル信号を矩形波に変換する。
なお、第2量子化器31,32が行う量子化とは、多値で表された信号を示すデジタルデータを、前記多値よりも少ない値で表された信号を示すデジタルデータに変換することをいう。特に、本実施形態において第2量子化器31,32が行う2値化とは、多値(例えば、4値以上)で表された第1ローカル信号,第2ローカル信号を表すデジタルデータを2値(Hiレベル及びLoレベル)で表された信号を表すデジタルデータにすることをいう。
第2量子化器31は、第1ローカル信号を2値化した信号である第1量子化ローカル信号Ls1を第1周波数変換器15に与える。
第2量子化器32は、第2ローカル信号を2値化した信号である第2量子化ローカル信号Ls2を第1周波数変換器16に与える。
第1周波数変換器15は、加算器13gの出力Yを第2量子化器31の出力(第1量子化ローカル信号Ls1)に基づいて周波数変換を行う機能を有している。
第1周波数変換器16は、加算器14gの出力Yを第2量子化器32の出力(第2量子化ローカル信号Ls2)に基づいて周波数変換を行う機能を有している。
図3は、第1周波数変換器15の構成の一例を示すブロック図である。なお、第1周波数変換器16の構成も第1周波数変換器15の構成と同様である。
図3に示すように、第1周波数変換器15は、ビット反転部41(第1反転部)と、セレクタ42(第1選択部)とを備えている。
第1周波数変換器15に与えられる加算器13gの出力Yは、ビット反転部41と、セレクタ42の第1入力端子43とに分配される。
ビット反転部41は、出力Yが与えられると、出力Yをビット反転する。ビット反転部41は、出力Yをビット反転した反転出力をセレクタ42の第2入力端子44に与える。
セレクタ42には、出力Yと、出力Yをビット反転した反転出力が与えられる。
セレクタ42は、第2量子化器31から与えられる第1量子化ローカル信号Ls1に応じて、出力Y及び反転出力のいずれかを出力端子45から出力する。
より具体的に、セレクタ42は、第1量子化ローカル信号Ls1がLoレベルである場合、反転出力を出力する。一方、第1量子化ローカル信号Ls1がHiレベルである場合、出力Yを出力する。
これにより、セレクタ42は、出力Yと、第1量子化ローカル信号Ls1とを乗算した信号を出力する。
ここで、発振器23が生成する第1ローカル信号は、周波数finであるI信号に乗算されたときに得られる信号の周波数を周波数foutに周波数変換しうる周波数fLOに設定されている。
また、第2量子化器31によって第1ローカル信号を2値化した第1量子化ローカル信号Ls1は、基本周波数が周波数fLOである矩形波である。つまり、第1量子化ローカル信号Ls1は、第1ローカル信号(周波数fLOのcos波)の成分の他に高調波成分を含んだ信号となっている。
よって、セレクタ42の出力には、出力Yと、高調波成分とが乗算された信号成分が含まれているが、出力Yと、第1ローカル信号とが乗算された信号成分も含まれている。
出力Yと、第1ローカル信号とが乗算された信号成分は、第1ローカル信号で出力Yを周波数変換した信号成分Y´である。
このように、第1周波数変換器15は、第1ループフィルタ13の出力Yと、第2量子化器31の出力とを乗算し、第1ループフィルタ13の出力Yの周波数変換を行う。
本実施形態において、周波数foutは、送信機1がRF信号の送信に用いる使用周波数(無線周波数)であり、周波数finよりも高い周波数である。
よって、第1周波数変換器15は、周波数変換後の信号成分Y´の周波数が、出力Yの周波数に対して周波数fLOを加算した値となるように出力Yを周波数変換(アップコンバート)する。
出力Yをアップコンバートした信号成分Y´を含むセレクタ42の出力は、第1周波数変換器15の出力として加算器17に与えられる。
図2に戻って、発振器24が生成する第2ローカル信号も、第1ローカル信号と同様、周波数finであるQ信号に乗算されたときに得られる信号の周波数を周波数foutに周波数変換しうる周波数fLOに設定されている。つまり、第1ローカル信号及び第2ローカル信号は、同じ周波数fLOである。
また、第2量子化器32によって第2ローカル信号を2値化した第2量子化ローカル信号Ls2は、第2ローカル信号(周波数fLOのsin波)の成分の他に高調波成分を含んだ信号となっている。
よって、第1周波数変換器16の出力には、出力Yと、高調波成分とが乗算された信号成分が含まれているが、出力Yと、第2ローカル信号とが乗算された信号成分も含まれている。
出力Yと、第2ローカル信号とが乗算された信号成分は、第2ローカル信号で出力Yを周波数変換した信号成分Y´である。
このように、第1周波数変換器16は、第2ループフィルタ14の出力Yと、第2量子化器32の出力とを乗算し、第2ループフィルタ14の出力Yの周波数変換を行う。
また、第1周波数変換器16は、周波数変換後の信号成分Y´の周波数が、出力Yの周波数に対して周波数fLOを加算した値となるように出力Yを周波数変換(アップコンバート)する。
出力Yをアップコンバートした信号成分Y´を含む第1周波数変換器16の出力は、第1周波数変換器15の出力と同様、加算器17に与えられる。
第1周波数変換器15,16の出力は、互いに加算器17によって加算される。
ここで、発振器23が生成する第1ローカル信号と、発振器24が生成する第2ローカル信号とは、90度の位相差を有しているので、第1周波数変換器15の出力に含まれる信号と、第1周波数変換器16の出力に含まれる信号との間にも90度の位相差が与えられる。
第1周波数変換器15の出力は、出力Yをアップコンバートした信号成分Y´を含んでいる。また、出力Yは、I信号を含んでいる。
また、第1周波数変換器16の出力は、出力Yをアップコンバートした信号成分Y´を含んでいる。また、出力Yは、Q信号を含んでいる。
よって、第1周波数変換器15の出力に含まれるI信号をアップコンバートした信号と、第1周波数変換器16の出力に含まれるQ信号をアップコンバートした信号との間に90度の位相差が与えられる。
よって、第1周波数変換器15,16の出力を加算した加算器17の出力Yは、I信号(をアップコンバートした信号)とQ信号(をアップコンバートした信号)とを直交変調した直交変調信号を含む。この直交変調信号については後に説明する。
加算器17の出力Yは、第1量子化器18に与えられる。第1量子化器18は、加算器17の出力Yを2値化する。第1量子化器18は、出力Yを2値化することで得た1bitのパルス列を量子化信号(ΔΣ変調信号)として出力する。この量子化信号がΔΣ変調器6の出力信号Wとなる。
なお、第1量子化器18が行う2値化とは、多値で表された出力Y(信号)を示すデジタルデータを2値(Hiレベル及びLoレベル)で表された信号を示すデジタルデータにすることをいう。
出力信号Wは、第2周波数変換器25,26に与えられる。
第2周波数変換器25は、出力信号Wに対して、発振器23が生成する第1ローカル信号を乗算し、出力信号Wを周波数変換(ダウンコンバート)する。第2周波数変換器25は、出力信号Wをダウンコンバートした信号であるフィードバック信号Vを出力する。
第2周波数変換器26は、出力信号Wに対して、発振器24が生成する第2ローカル信号を乗算し、出力信号Wを周波数変換(ダウンコンバート)する。第2周波数変換器26は、出力信号Wをダウンコンバートした信号であるフィードバック信号Vを出力する。
図4は、第2周波数変換器25の構成の一例を示すブロック図である。なお、第2周波数変換器26の構成も第2周波数変換器25の構成と同様である。
図4に示すように、第2周波数変換器25は、ビット反転部51(第2反転部)と、セレクタ52(第2選択部)とを備えている。
第2周波数変換器25には、上述したように、発振器23から第1ローカル信号が与えられるとともに、出力信号Wが与えられる。
第2周波数変換器25に与えられる第1ローカル信号は、ビット反転部51と、セレクタ52の第1入力端子53とに分配される。
ビット反転部51は、第1ローカル信号が与えられると、第1ローカル信号をビット反転する。ビット反転部51は、第1ローカル信号をビット反転した反転出力をセレクタ52の第2入力端子54に与える。
セレクタ52には、第1ローカル信号と、第1ローカル信号をビット反転した反転出力が与えられる。
セレクタ52は、第1量子化器18から与えられる2値化された出力信号Wに応じて、第1ローカル信号及び反転出力のいずれかを出力端子55から出力する。
より具体的に、セレクタ52は、2値化された出力信号WがLoレベルである場合、反転出力を出力する。一方、2値化された出力信号WがHiレベルである場合、第1ローカル信号を出力する。
これにより、セレクタ52は、第1ローカル信号と、出力信号Wとを乗算した信号をフィードバック信号Vとして出力する。
ここで、加算器17の出力Yを量子化した信号である出力信号Wは、第1周波数変換器15の出力を含んでいる。よって、出力信号Wは、第1ローカル信号を乗算することで出力Yを周波数変換(アップコンバート)した信号成分Y´を含んでいる。
よって、セレクタ52が出力信号Wに第1ローカル信号を乗算することにより信号成分Y´がダウンコンバートされる。
よって、フィードバック信号Vには、出力Yが含まれる。また、出力YにはI信号が含まれる。
加算器17の出力Yを2値化した信号である出力信号Wは、I信号とQ信号とを直交変調した直交変調信号を含む。
つまり、セレクタ52は、出力信号Wに第1ローカル信号を乗算することで、出力信号Wに含まれる直交変調信号を復調してI信号を得る。
このように、セレクタ52は、出力信号Wをダウンコンバートした信号であるフィードバック信号Vを第2周波数変換器25の出力として出力する。
なお、第2周波数変換器25は、周波数変換後の出力Yの周波数が、信号成分Y´の周波数から周波数fLOを減算した値となるように出力信号Wを周波数変換(ダウンコンバート)する。
図2に戻って、第2周波数変換器25から出力されたフィードバック信号Vは、フィードバック経路21を介して第1ループフィルタ13に与えられる。
第2周波数変換器26も、出力信号Wと第2ローカル信号との基づいて第2周波数変換器25と同様の処理を行い、フィードバック信号Vを出力する。
第2周波数変換器26が出力信号Wに第2ローカル信号を乗算することにより、出力Wに含まれる信号成分Y´がダウンコンバートされる。
よって、フィードバック信号Vには、出力Yが含まれる。また、出力YにはQ信号が含まれる。
つまり、第2周波数変換器26も、出力信号Wに第2ローカル信号を乗算することで、出力信号Wに含まれる直交変調信号を復調してQ信号を得る。
なお、第2周波数変換器25,26が行う復調については後に説明する。
このように、第2周波数変換器26は、出力信号Wをダウンコンバートした信号であるフィードバック信号Vを第2周波数変換器26の出力として出力する。
なお、第2周波数変換器26は、周波数変換後の出力Yの周波数が、信号成分Y´の周波数から周波数fLOを減算した値となるように出力信号Wを周波数変換(ダウンコンバート)する。
また、出力信号Wが量子化される前の出力Yには、第1周波数変換器15,16の出力が含まれる。第1周波数変換器15,16の出力には、信号成分Y´,Y´以外に、上述したように、出力Yと、第2量子化器31が生じさせる高調波成分とが乗算された信号成分、及び、出力Yと、第2量子化器32が生じさせる高調波成分とが乗算された信号成分とが含まれている。
よって、第2周波数変換器25,26が出力するフィードバック信号V,Vにも、第2量子化器31,32による高調波成分に起因する信号成分が含まれている。第2量子化器31,32による高調波成分に起因する信号成分は、雑音成分としてフィードバック信号V,Vに含まれる。
〔周波数変換について〕
ここで、第1ループフィルタ13の出力Yにのみ着目し、さらに、第1周波数変換器15及び第2周波数変換器25を有さず、出力Yが第1量子化器18に与えられ、出力信号Wがフィードバック信号Vとしてフィードバックされる構成とした場合におけるΔΣ変調器6の動作について説明する。
出力Yにのみ着目した場合のΔΣ変調器6の出力信号Wは、下記の式(1)のようにz領域における関数で表される。式(1)において、STF(z)は入力信号であるI信号(以下、入力信号U(z)ともいう)についての信号伝達関数であり、NTF(z)は、ΔΣ変調器6の雑音伝達関数であり、E(z)は第1量子化器18の量子化雑音や、その他の雑音である。
W(z) = STF(z)U(z) + NTF(z)E(z)
・・・(1)
NTF(z)は、下記の式(2)のように表される。よって、第1ループフィルタ13の内部フィルタ13fは、雑音伝達関数NTF(z)を用いて示される伝達関数L(z)を持つ。
NTF(z) = 1 / (1 + L(z)) ・・・(2)
また、上記式(1)より差分器13cの出力は、下記式(3)のように表される。
STF(z)U(z) − W(z) = −NTF(z)E(z)
・・・(3)
式(3)より、差分器13cの出力は、出力信号W(z)に含まれる雑音成分の逆特性となる。
本実施形態の内部フィルタ13fは、第1ループフィルタ13に入力される入力信号U(I信号)の周波数近傍に通過帯域を有し、通過帯域以外の帯域においては信号の通過を阻止するフィルタ特性(雑音伝達関数NTF(z))となるように設定されている。
よって、内部フィルタ13fは、当該内部フィルタ13fの通過帯域における雑音成分の逆特性を出力し、加算器13gに与える。前記逆特性は、加算器13gによって入力信号Uに加算される。前記逆特性が加算された入力信号Uは、第1量子化器18によって量子化され出力信号Wとされる。出力信号Wは、フィードバック信号Vとして第1ループフィルタ13へ向けてフィードバックされる。
このように、本実施形態第1ループフィルタ13は、内部フィルタ13fの通過帯域における雑音成分の逆特性の加算を入力信号Uに対して繰り返すことで、出力信号Wにおける入力信号Uの周波数近傍の通過帯域の雑音を抑圧する。
よって、第1ループフィルタ13は、入力信号U(I信号)の周波数近傍の帯域における雑音を抑制する特性(バンドストップ特性)を有するように設定される。つまり、雑音伝達関数NTF(z)における雑音を抑制しうる帯域(雑音阻止帯域)の中心周波数は、入力信号U(I信号)の周波数finとなるように設定される。
なお、雑音を抑制しうる帯域(雑音阻止帯域)の中心周波数は、入力信号Uが雑音を抑制しうる帯域に含まれていればよく、任意の周波数に設定することができる。
ΔΣ変調器6は、第1入力ポート10に入力されたI信号を、出力信号W(z)であるΔΣ変調信号に含めて出力することができる。
次に、第1周波数変換器15及び第2周波数変換器26を有する構成とした場合おけるΔΣ変調器6の動作について説明する。
本実施形態において、第1ループフィルタ13(の加算器13g)と第1量子化器18との間には、第1ループフィルタ13の出力Yをアップコンバートする第1周波数変換器15が設けられている。また、第1量子化器18と第1ループフィルタ13(の差分器13c)との間には、第1量子化器18の出力である出力信号Wをダウンコンバートして出力W(z)を出力する第2周波数変換器25が設けられている。
第1周波数変換器15は、上述のように、周波数変換後の信号成分Y´の周波数が、出力Yの周波数に対して周波数fLOを加算した値となるように出力Yを周波数変換(アップコンバート)する。
また、第2周波数変換器25は、周波数変換後の出力Yの周波数が、信号成分Y´の周波数から周波数fLOを減算した値となるように出力信号Wを周波数変換(ダウンコンバート)する。
つまり、第2周波数変換器25は、第1周波数変換器15が行う周波数変換の逆変換となるように周波数変換を行う。
なお、第2周波数変換器25によって行われる、第1周波数変換器15が行う周波数変換の逆変換となるような周波数変換とは、以下のような変換をいう。すなわち、第1周波数変換器15が行う周波数変換が、変換対象の信号に対して所定周波数だけアップコンバートする周波数変換である場合、第2周波数変換器25が行う逆変換となる周波数変換は、変換対象の信号に対して所定周波数だけダウンコンバートする周波数変換である。また、第1周波数変換器15が行う周波数変換が、変換対象の信号に対して所定周波数だけダウンコンバートする周波数変換である場合、第2周波数変換器25が行う逆変換となる周波数変換は、変換対象の信号に対して前記所定周波数だけアップコンバートするものである。このように、第1周波数変換器15が行う周波数変換の逆変換となるような周波数変換とは、第1周波数変換器15によって周波数変換される前の周波数に戻すように周波数変換することをいう。
第2周波数変換器25は、上述のように、第1周波数変換器15によって周波数変換される前の周波数に戻すように、出力信号Wの周波数変換を行う。
このように第1量子化器18の前段及び後段において信号に対する周波数変換を行ったとしても、上記式(1)に影響が及ばないことは明らかである。
よって、第1周波数変換器15及び第2周波数変換器25による周波数変換は、ΔΣ変調器6によるΔΣ変調に影響を与えることはない。
出力信号W(z)は、第1周波数変換器15及び第2周波数変換器25が接続されているとしても、上記式(1)で表すことができる。
本実施形態では、第2周波数変換器25は、第1周波数変換器15が行う周波数変換の逆変換となるように周波数変換を行うので、第1周波数変換器15によって周波数変換される前の周波数に戻すように、出力信号Wの周波数変換を行う。
これにより、第2周波数変換器25によって出力信号Wに含まれる信号成分Y´がダウンコンバートされることで出力Yを得ることができる。得られた出力Yは、第1フィードバック信号Vに含まれた状態で第1ループフィルタ13にフィードバックされる。これにより、第1周波数変換器15による周波数変換の影響がΔΣ変調に及ぶのを防止できる。
一方、出力ポート12から出力される出力信号Wに含まれる入力信号U(z)(I信号)は、第1周波数変換器15によって周波数foutにアップコンバートされている。
言い換えると、出力信号Wは、周波数finであるI信号を周波数foutにアップコンバートした信号を含んでいる。
このように、ΔΣ変調器6は、入力信号であるI信号の周波数変換を行うことができる。
以上のように本実施形態のΔΣ変調器6は、適切にΔΣ変調を行いつつ、入力信号であるI信号に対して周波数変換を行うことができる。すなわち、入力信号に対して周波数変換を行う周波数変換器の機能をΔΣ変調器6に組み込むことができる。
また、上記説明は、第1ループフィルタ13の出力Yにのみ着目して考えた場合を示したが、第2ループフィルタ14の出力Yに着目して考えた場合も同様である。
また、本実施形態では、第1周波数変換器15,16が、第1ローカル信号及び第2ローカル信号を量子化する第2量子化器31,32の出力に基づいて出力Y,Yの周波数変換を行うので、例えば、ローカル信号をそのまま用いた場合と比較してより少ない演算量で周波数変換を行うことができる。この結果、より簡易な回路構成で周波数変換器の機能をΔΣ変調器6に組み込むことができる。
さらに、本実施形態では、第1周波数変換器15,16が、第1及び第2ローカル信号を量子化する第2量子化器31,32の出力に基づいて出力Y,Yの周波数変換を行うので、当該第1周波数変換器15,16を、ループフィルタ13,14の出力Y,Yを反転するビット反転部41と、第2量子化器31,32の出力に応じてループフィルタ13,14の出力Y,Y及びビット反転部41の反転出力のいずれかを第1量子化器18へ出力するセレクタ42とによって構成することができる。
この場合、ループフィルタ13,14の出力Y,Y及びこれらの反転出力のいずれかを選択するセレクタ42によってループフィルタ13,14の出力Y,Yの周波数変換を行うことができ、一般的な乗算器を用いる場合と比較して回路構成をより簡易にすることができる。
また、本実施形態では、第2周波数変換器25,26を、第1及び第2ローカル信号を反転するビット反転部51と、第1量子化器18の出力に応じて、第1及び第2ローカル信号及び前記ビット反転部51の反転出力のいずれかをループフィルタ13,14へ出力するセレクタ52とによって構成したので、第1及び第2ローカル信号及びこれらの反転出力のいずれかを選択するセレクタ52によって第1量子化器18の出力信号Wの周波数変換を行うことができ、一般的な乗算器を用いる場合と比較して回路構成をより簡易にすることができる。
また、本実施形態において、第1周波数変換器15,16の出力には、上述したように、第2量子化器31,32が生じさせる高調波成分に起因する雑音成分が含まれている。
このため、この雑音成分が出力信号Wに影響を与える可能性が考えられる。
この点、第2量子化器31,32による高調波成分に起因する雑音成分は、第2周波数変換器25,26が出力するフィードバック信号V,Vに含められ、ループフィルタ13,14に与えられる。
よって、第2量子化器31,32による高調波成分に起因する雑音成分は、第1量子化器18の量子化雑音と同様、ループフィルタ13,14によって抑圧される。
この結果、第1周波数変換器15,16の出力に含まれる第2量子化器31,32による高調波成分に起因する雑音成分が出力信号Wに影響を与えるのが抑制される。
また、第1周波数変換器15,16は、第2量子化器31,32から与えられる量子化ローカル信号Ls1,Ls2に応じて、出力Y,Y及び反転出力のいずれかを出力する。
これにより、第1周波数変換器15,16は、出力Y,Yと、第1量子化ローカル信号Ls1,Ls2とを乗算し、出力Y,Yに含まれるI信号及びQ信号を周波数foutにアップコンバートする。
ここで、第1周波数変換器15,16が、I信号及びQ信号を周波数foutへ誤差なくアップコンバートするためには、第1及び第2ローカル信号の周波数が、少なくとも周波数foutの4倍である必要があることが考えられる。
第1及び第2ローカル信号は、2値化された信号である量子化ローカル信号Ls1,Ls2とされ、かつ、I信号及びQ信号との間に90度の位相差を与える必要がある。このため、第1及び第2ローカル信号は、誤差を生じさせないために、I信号及びQ信号をアップコンバートした信号に対して、少なくとも4倍のデータレートが必要となるためである。
これに対し、本実施形態では、発振器23が生成する第1及び第2ローカル信号は、周波数finであるI信号及びQ信号に乗算されたときに得られる信号の周波数を周波数foutに周波数変換しうる周波数fLOに設定されている。
つまり、本実施形態では、第1及び第2ローカル信号の周波数fLOは、I信号及びQ信号が周波数変換された信号の周波数foutよりも低く設定されている。
第1及び第2ローカル信号の周波数が、周波数foutの4倍よりも低い場合、I信号及びQ信号に関する情報量が不足し、I信号及びQ信号をアップコンバートした信号に誤差が生じるおそれがある。
この点、第1周波数変換器15,16におけるアップコンバートの際に生じる誤差に起因する雑音成分は、第2量子化器31,32による高調波成分と同様、フィードバック信号V,Vに含められ、ループフィルタ13,14に与えられる。よって、アップコンバートの際の誤差に起因する雑音成分は、第1量子化器18の量子化雑音と同様、ループフィルタ13,14によって抑圧される。
このため、本実施形態にΔΣ変調器6によれば、第1及び第2ローカル信号の周波数が、周波数foutの4倍よりも低い場合であっても、それによって生じる誤差が抑圧される。この結果、I信号及びQ信号を周波数変換した信号の周波数fout、及びローカル信号の周波数fLOは、相互に制限されることなく、任意に設定することができる。さらに、周波数foutの周波数を比較的高く設定する場合にも、ローカル信号としてさらに高い周波数の信号を発生させる必要がない。
なお、第1及び第2ローカル信号の周波数fLOは、入力信号の周波数finよりも高く設定されている。
なお、本実施形態では、I信号及びQ信号をアップコンバートした信号を直交変調するため、第1及び第2ローカル信号は、誤差を生じさせないために、I信号及びQ信号をアップコンバートした信号に対して、少なくとも4倍のデータレートが必要となる。
一方、、第1ループフィルタ13の出力Yにのみ着目し、第2ループフィルタ14の出力Yを考慮せず、直交変調することなくI信号をアップコンバートした信号を出力信号Wに含める場合、第1ローカル信号は、誤差を生じさせないために、I信号をアップコンバートした信号に対して、少なくとも2倍のデータレートが必要となる。
この場合、I信号が周波数変換された信号には誤差が生じるおそれがあるが、第1ローカル信号の周波数fLOを、I信号が周波数変換された信号の周波数foutの2倍よりも低い値に設定することができる。
第1周波数変換器による周波数変換に生じる誤差に起因する雑音はループフィルタによって抑圧されるからである。
〔直交変復調について〕
加算器17は、アップコンバートされた第1ループフィルタ13の出力Yと、アップコンバートされた第2ループフィルタ14の出力Yとを加算することで出力Yを出力する。
ここで、出力Yを量子化した信号である出力信号Wは、下記の式(4)のように表すことができる。
W =
Icos(ωt) + Qsin(ωt) + E/(1 + L)
・・・(4)
上記式(4)中、Iは第1ループフィルタ13に与えられるI信号、Qは第2ループフィルタ14に与えられるQ信号、ωは第1ローカル信号(第2ローカル信号)の角周波数、tは時間、Eは量子化雑音、Lは内部フィルタ13f,14fの伝達関数である。
式(3)のように、出力信号Wは、第1量子化器18の量子化による量子化雑音と、I信号とQ信号とを直交変調した直交変調信号とを含んでいる。
第1量子化器18の前段における出力Yと、第1量子化器18の後段における出力信号Wとは、第1量子化器18による量子化雑音が加算されたか否かの相違のみである。
よって、出力Yも、I信号とQ信号とを直交変調した直交変調信号を含んでいる。このことから、周波数変換器15、第2周波数変換器16、及び加算器17は、I信号とQ信号とを直交変調して直交変調信号を生成する直交変調部を構成している。
出力信号Wは、上記式(4)のように、I信号とQ信号とを直交変調した直交変調信号を含んでいる。
よって、第2周波数変換器25が出力信号Wに第1ローカル信号を乗算することで、出力信号Wに含まれる直交変調信号が復調される。第2周波数変換器25が出力するフィードバック信号Vには、I信号を含む第1ループフィルタ13の出力Yが含まれる。
また、第2周波数変換器26が出力信号Wに第2ローカル信号を乗算することで、出力信号Wに含まれる直交変調信号が復調される。第2周波数変換器26が出力するフィードバック信号Vには、Q信号を含む第2ループフィルタ14の出力Yが含まれる。
このように、第3周波数変換器25及び第4周波数変換器26は、対応するループフィルタ13,14の出力に含まれていた信号を復調するので、ループフィルタ13,14に対して適切なフィードバック信号V,Vを与えることができる。
〔ΔΣ変調器の出力信号Wについて〕
ΔΣ変調器6の出力信号Wは、周波数foutの直交変調信号を成分として含んでいる。
このようにΔΣ変調器6は、送信信号であるベースバンド信号に対してΔΣ変調するとともにベースバンド信号を直交変調する。さらにΔΣ変調器6は、直交変調した直交変調信号を含むΔΣ変調信号(出力信号W)を出力する。さらに、ΔΣ変調器6は、周波数finのベースバンド信号に対して周波数変換を行い、無線周波数(搬送波周波数)である周波数foutの直交変調信号を含むΔΣ変調信号を出力する。
ΔΣ変調器6は出力信号Wを出力ポート12から出力する。ΔΣ変調器6は出力信号Wを後段のアナログフィルタ3(図1)に与える。アナログフィルタ3は、出力信号Wに含まれる、無線周波数である周波数foutの直交変調信号(RF信号)を通過させる。よって、アナログフィルタ3は、周波数foutの帯域外に存在する雑音成分を除去し、周波数foutの直交変調信号を後段のパワーアンプ7(図1)に与える。
直交変調信号は、パワーアンプ7によって増幅され、アンテナ8から無線信号として空間に放射される。
このように、本実施形態のΔΣ変調器6において、第1周波数変換器15,16が、ベースバンド信号の周波数を、当該ベースバンド信号を送信信号として送信する際の無線周波数(搬送波周波数)に周波数変換するように構成したので、第1量子化器18の出力をΔΣ変調信号として取り出し、第1量子化器18の出力に含まれる雑音を除去すれば、無線周波数に周波数変換された信号を得ることができる。
なお、本実施形態では、ΔΣ変調器6がループフィルタを2つ備え、ベースバンド信号(I信号及びQ信号)を送信する場合を例示したが、ΔΣ変調器6はループフィルタを1つ備えた構成とすることもできる。この場合、例えば、直交変調した後の直交変調信号をΔΣ変調器6に与え、直交変調信号に対してΔΣ変調するとともにこの直交変調信号の周波数変換を行うように構成することができる。この場合も、入力信号に対して周波数変換を行う周波数変換器の機能をΔΣ変調器6に組み込むことができる。
また、上記実施形態では、第1周波数変換器15,16がループフィルタ13,14の出力Y,Yに対してアップコンバートを行い、第2周波数変換器25,26が第1量子化器18の出力である出力信号Wに対してダウンコンバートを行う場合を示したが、第1周波数変換器15,16がループフィルタ13,14の出力Y,Yに対してダウンコンバートを行い、第2周波数変換器25,26が第1量子化器18の出力である出力信号Wに対してアップコンバートを行うように構成してもよい。なお、この場合においても、第2周波数変換器25,26は、第1周波数変換器15,16が行う周波数変換の逆変換となるように周波数変換を行う。
〔評価試験について〕
本実施形態のΔΣ変調器6の出力信号Wにおける雑音レベルについて行った評価試験について説明する。
実施例としては、上述のΔΣ変調器6を採用した。
比較例としては、図5に示すように、ΔΣ変調器6が有する第1周波数変換器15,16に代えて、発振器23,24から第1及び第2ローカル信号が与えられる乗算器61,62を備えたΔΣ変調器を採用した。
上記実施例及び比較例について、コンピュータによるシミュレーションによって出力信号Wを出力させた。
実施例及び比較例に対して、LTE(Long Term Evolution)のベースバンド信号を与え、搬送波周波数600MHz、帯域幅5MHzの直交変調信号を含む出力信号Wを出力させた場合についてシミュレーションを行った。
図6は、シミュレーションによって得た実施例による出力信号Wのパワースペクトラムの一例を示す図である。図6中の(a)は、実施例による出力信号Wのパワースペクトラムの一例を示す図であり、図6中の(b)は、図6中の(a)の要部拡大図である。
図6中の(a)中、UI,Qは、直交変調信号であり、図6中の(b)では、直交変調信号Uを拡大している。
この実施例では、ACLR(隣接チャネル漏洩電力比:Adjacent Channel Leakage power Ratio)が、56.7dB、57.7dBであった。
図7は、シミュレーションによって得た比較例による出力信号Wのパワースペクトラムの一例を示す図である。図7中の(a)は、比較例による出力信号Wのパワースペクトラムの一例を示す図であり、図7中の(b)は、図7中の(a)の要部拡大図である。
図7中の(a)中、UI,Qは、直交変調信号であり、図7中の(b)では、直交変調信号Uを拡大している。
比較例では、ACLRが、59.7dB、60.5dBであった。
このように、実施例では、比較例と比較して約3dBの劣化しか認められず、実用上問題のない信号品質を得ることができることが確認できる。
この結果から、ループフィルタ13,14の出力をアップコンバートするために、ビット反転部41と、セレクタ42とによって簡易な構成とされた第1周波数変換器15,16を用いたとしても、実用上問題のない信号品質を得ることができることが判った。
〔その他〕
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。
例えば、上記実施形態では、第2量子化器31,32が、第1及び第2ローカル信号を2値化した信号である量子化ローカル信号Ls1,Ls2を出力する場合を例示したが、第2量子化器31,32は、第1及び第2ローカル信号を3値で量子化した信号を出力するように構成してもよい。
この場合、第2量子化器31,32は、例えば、第1及び第2ローカル信号の電圧が正である場合、Hiレベルの信号を出力し、第1及び第2ローカル信号の電圧が負である場合、Loレベルの信号を出力し、第1及び第2ローカル信号の電圧が0Vの場合、「0」を出力する。
また、上記実施形態では、第1周波数変換器15,16に第1及び第2ローカル信号を量子化した信号を与え、第2周波数混合器25,26には、第1及び第2ローカル信号をそのまま与えた場合を示したが、第2周波数混合器25,26にも第1及び第2ローカル信号を量子化した信号を与えてもよい。
本発明の範囲は、上記した意味ではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味、及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 送信機
2 デジタル信号処理部
3 アナログフィルタ
4 信号伝送路
5 ベースバンド部
6 変調器
7 パワーアンプ
8 アンテナ
10 第1入力ポート
11 第2入力ポート
12 出力ポート
13 第1ループフィルタ
13a 第1入力部
13b 第2入力部
13c 差分器
13d 第1経路
13e 第2経路
13f 内部フィルタ
13g 加算器
13h フィードフォワード経路
14 第2ループフィルタ
14a 第1入力部
14b 第2入力部
14c 差分器
14d 第1経路
14e 第2経路
14f 内部フィルタ
14g 加算器
14h フィードフォワード経路
15 第1周波数変換器
16 第1周波数変換器
17 加算器
18 第1量子化器
21 フィードバック経路
22 フィードバック経路
23,24 発振器
25 第2周波数変換器
26 第2周波数変換器
31 第2量子化器
32 第2量子化器
41 ビット反転部
42 セレクタ
43 第1入力端子
44 第2入力端子
51 ビット反転部
52 セレクタ
53 第1入力端子
54 第2入力端子
55 出力端子
61,62 乗算器

Claims (10)

  1. 入力信号が与えられるループフィルタと、
    前記ループフィルタの出力の周波数変換を行う第1周波数変換器と、
    前記第1周波数変換器の出力を量子化する第1量子化器と、
    前記第1量子化器の出力の周波数変換を行う第2周波数変換器と、
    前記第1周波数変換器が周波数変換に用いるローカル信号を量子化する第2量子化器と、
    を備え、
    前記ループフィルタは、前記第2周波数変換器の出力をフィードバック信号として受け付け、前記入力信号の周波数近傍の雑音を阻止し、
    前記第2周波数変換器は、前記第1周波数変換器が行う周波数変換の逆変換となるように周波数変換を行い、
    前記第1周波数変換器は、前記第2量子化器の出力に基づいて前記ループフィルタの出力の周波数変換を行う
    ΔΣ変調器。
  2. 前記第1周波数変換器は、
    前記ループフィルタの出力を反転する第1反転部と、
    前記第2量子化器の出力に応じて、前記ループフィルタの出力及び前記第1反転部の出力のいずれかを前記第1量子化器へ出力する第1選択部と、を備えている
    請求項1に記載のΔΣ変調器。
  3. 前記第1量子化器の出力は、前記入力信号が周波数変換された信号を含み、
    前記ローカル信号の周波数は、前記入力信号が周波数変換された信号の周波数の4倍よりも低く、前記入力信号の周波数よりも高い
    請求項2に記載のΔΣ変調器。
  4. 前記第2周波数変換器は、
    前記ローカル信号を反転する第2反転部と、
    前記第1量子化器の出力に応じて、前記ローカル信号及び前記第2反転部の出力のいずれかを前記ループフィルタへ出力する第2選択部と、を備えている
    請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のΔΣ変調器。
  5. 前記第1量子化器及び前記第2量子化器の出力は、2値信号である
    請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のΔΣ変調器。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のΔΣ変調器と、
    前記第1量子化器の出力が与えられる送信部と、を備え、
    前記第1周波数変換器は、前記入力信号を送信するための搬送波周波数に周波数変換し、
    前記送信部は、前記第1量子化器の出力に含まれる前記搬送波周波数に周波数変換された前記入力信号を送信する
    送信機。
  7. 入力信号に対してΔΣ変調を行うΔΣ変調器に用いられる半導体集積回路であって、
    前記入力信号が与えられるループフィルタと、
    前記ループフィルタの出力の周波数変換を行う第1周波数変換器と、
    前記第1周波数変換器の出力を量子化する第1量子化器と、
    前記第1量子化器の出力の周波数変換を行う第2周波数変換器と、
    前記第1周波数変換器が周波数変換に用いるローカル信号を量子化する第2量子化器と、
    を備え、
    前記ループフィルタは、前記第2周波数変換器の出力をフィードバック信号として受け付け、前記入力信号の周波数近傍の雑音を阻止し、
    前記第2周波数変換器は、前記第1周波数変換器が行う周波数変換の逆変換となるように周波数変換を行い、
    前記第1周波数変換器は、前記第2量子化器の出力に基づいて前記ループフィルタの出力の周波数変換を行う
    半導体集積回路。
  8. 入力信号に対してΔΣ変調を行うための処理方法であって、
    前記入力信号に対してループフィルタ処理を行うフィルタステップと、
    前記フィルタステップによる出力の周波数変換を行う第1変換ステップと、
    前記第1変換ステップによる出力を量子化する第1量子化ステップと、
    前記第1量子化ステップによる出力の周波数変換を行う第2変換ステップと、
    前記第1変換ステップにおいて周波数変換に用いるローカル信号を量子化する第2量子化ステップと、を含み、
    前記フィルタステップは、前記第2変換ステップによる出力をフィードバック信号として受け付け、前記入力信号の周波数近傍の雑音を阻止するループフィルタによって前記ループフィルタ処理を行い、
    前記第2変換ステップは、前記第1変換ステップが行う周波数変換の逆変換となるように周波数変換を行い、
    前記第1変換ステップは、前記第2量子化ステップによる出力に基づいて前記フィルタステップによる出力の周波数変換を行う
    処理方法。
  9. 入力信号を表すデータに対してΔΣ変調を行うための処理をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、
    コンピュータに
    前記入力データに対してループフィルタ処理を行うフィルタステップと、
    前記フィルタステップによる出力の周波数変換を行う第1変換ステップと、
    前記第1変換ステップによる出力を量子化する第1量子化ステップと、
    前記第1量子化ステップによる出力の周波数変換を行う第2変換ステップと、
    前記第1変換ステップにおいて周波数変換に用いるローカル信号を量子化する第2量子化ステップと、を含む処理を実行させるコンピュータプログラムであり、
    前記フィルタステップは、前記第2変換ステップによる出力をフィードバックデータとして受け付け、前記入力信号の周波数近傍の雑音を阻止するループフィルタによって前記ループフィルタ処理を行い、
    前記第2変換ステップは、前記第1変換ステップが行う周波数変換の逆変換となるように周波数変換を行い、
    前記第1変換ステップは、前記第2量子化ステップによる出力に基づいて前記フィルタステップによる出力の周波数変換を行う
    コンピュータプログラム。
  10. プログラム可能な集積回路と、前記集積回路の回路構成に関する回路構成情報を前記集積回路に与え、前記回路構成情報に従って前記集積回路に回路を構成させる制御部と、を備えたシステムであって、
    前記回路構成情報によって構成される前記回路は、
    入力信号が与えられるループフィルタと、
    前記ループフィルタの出力の周波数変換を行う第1周波数変換器と、
    前記第1周波数変換器の出力を量子化する第1量子化器と、
    前記第1量子化器の出力の周波数変換を行う第2周波数変換器と、
    前記第1周波数変換器が周波数変換に用いるローカル信号を量子化する第2量子化器と、
    を備え、
    前記ループフィルタは、前記第2周波数変換器の出力をフィードバック信号として受け付け、前記入力信号の周波数近傍の雑音を阻止し、
    前記第2周波数変換器は、前記第1周波数変換器が行う周波数変換の逆変換となるように周波数変換を行い、
    前記第1周波数変換器は、前記第2量子化器の出力に基づいて前記ループフィルタの出力の周波数変換を行うΔΣ変調器である
    システム。
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