JP2016086417A - 周波数混合器、周波数変換器、信号品質測定システム、送信機 - Google Patents
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Abstract
【課題】周波数特性を改善した周波数混合器を提供する。【解決手段】周波数混合器は、IF信号を濾波するIF信号フィルタ101と、局部発振器から入力されるLO信号を濾波するLO信号フィルタ104と、IF信号及びLO信号を混合してRF信号を生成するλ/2バラン100、第1、第2ダイオード108、110、短絡回路109、111を備える。LO信号フィルタとλ/2バラン100との間のLO伝送線路105には、IF信号フィルタ101と同じ周波数帯域の濾波を行うフィルタ106を介して終端器107が設けられる。フィルタ106及び終端器107は、λ/2バラン100からLO信号フィルタ104に入力されるIF信号を吸収することで、反射したIF信号がλ/2バラン100に入力されることを防止して、リップルの発生を抑制する。リップルの発生を抑制することで周波数混合器の周波数特性が改善する。【選択図】図1
Description
本発明は、マイクロ波やミリ波等の高周波信号を利用する、周波数変換機能を備えた装置に関する。
一般的なバランス型の周波数混合器は、バラン、フィルタ、ダイオード等の非線形素子を組み合わせて構成される。このような周波数混合器は、広帯域にわたって周波数特性の良好な変換利得を得るために、広帯域に対応するバランを用いる必要がある。広帯域のバランは物理的な寸法が大きくなる。バランの物理的寸法が大きくなると、変換利得の周波数特性にリップルが発生する。そのために広帯域にわたって周波数特性が良好な変換利得を実現することが困難である。
図6は、このような従来の周波数混合器の例示図である。周波数混合器は、λ/2バラン200、第1、第2ダイオード204、206を備える。第1、第2ダイオード204、206は、一端がλ/2バラン200に接続され、他端が短絡回路205、206に接続される。周波数混合器は、IF(Intermediate Frequency)信号の周波数をLO(Local Oscillator)信号と混合してRF(Radio Frequency)信号の周波数に周波数変換する。λ/2バラン200には、IF信号フィルタ201、RF信号フィルタ202、及びLO信号フィルタ203が接続される。
IF信号フィルタ201は、IF入力ポートから入力されるIF信号を濾波してλ/2バラン200に入力する低域通過フィルタである。RF信号フィルタ202は、λ/2バラン200から出力されるRF信号を濾波してRF出力ポートから出力する帯域通過フィルタである。LO信号フィルタ203は、図示しない局部発振器からLO入力ポートを介して入力されるLO信号を濾波してλ/2バラン200に入力する帯域通過フィルタである。
IF入力ポートから入力されたIF信号は、IF信号フィルタ201及びλ/2バラン200を介して第1、第2ダイオード204、206に入力される。IF信号は、λ/2バラン200を介してRF信号フィルタ202及びLO信号フィルタ203にも入力される。これは、λ/2バラン200が広帯域に対応できず、IF信号の周波数帯域までアイソレーションを確保できないためである。
RF信号フィルタ202及びLO信号フィルタ203は、λ/2バラン200から入力されたIF信号を反射する。反射されたIF信号(以下、「反射IF信号」という。)は、λ/2バラン200を介して第1、第2ダイオード204、206に入力される。IF信号及び反射IF信号の位相差により、変換利得にリップルが生じる。リップル周期は、λ/2バラン200の物理的寸法に依存するIF信号及び反射IF信号の位相差により決まる。図7は、IF信号と反射IF信号とのベクトル合成図である。IF信号と反射IF信号とのなす角(位相差θ)がリップル周期となる。リップルは、一般にIF信号の周波数が高周波になるほど波長が短くなるために、λ/2バラン200の物理的寸法が大きく影響する。
特許文献1は、リップルの発生を抑制する混合器(ミキサ)を開示する。特許文献1では、偶高調波ミキサにおいて、局部発振器とバランとの間に緩衝増幅器を設けることで、バランのアイソレーションを高めてリップルの発生を抑制する。特許文献2は、RF信号をLO信号によりダウンコンバートしたIF信号を生成する周波数変換器を開示する。この周波数変換器は、アンチパラレルダイオードから局部発振器側に入力されるRF信号の周波数帯域を、ダイプレクサ及び終端器で吸収する。
特許文献1の混合器は、ダブルバランス型のミキサに対するリップル抑制であり、シングルバランス型の周波数混合器にそのまま用いることは困難である。そのために、シングルバランス型の周波数混合器に対するリップル抑制のための対策が求められている。また、特許文献2の周波数変換器は、RF信号を吸収する構成であるために、IF信号の周波数成分が局部発振器側に入力されることで周波数特性が劣化する。特にIF信号が広帯域化することで、局部発振器側からアンチパラレルダイオードに再入力されるIF信号の位相差が大きくなり、周波数変換器から出力されるIF信号が周波数特性を持つようになる。
本発明は、このような問題点を解決するもので、リップルの発生を抑制して周波数特性を改善した周波数混合器を提供することを主たる課題とする。
以上のような課題を解決する本発明の周波数混合器は、所定の入力信号を濾波する第1フィルタと、局部発振器から入力される局部発振信号を濾波する第2フィルタと、前記第1フィルタを通過した前記入力信号を前記第2フィルタを通過した前記局部発振信号によりアップコンバートした出力信号を生成するミキサ部と、前記第2フィルタと前記ミキサ部との間の伝送線路に、前記第1フィルタと同じ周波数帯域の濾波を行う第3フィルタを介して設けられる終端器と、を備え、前記第3フィルタ及び前記終端器は、前記ミキサ部から前記第2フィルタに入力される信号から前記入力信号の周波数成分を選択的に吸収することを特徴とする。
以上のような本発明によれば、ミキサ部から第2フィルタ側に入力される入力信号が、第3フィルタおよび終端器により吸収されるために、入力信号が第2フィルタに反射されてミキサ部に入力されることが無くなる。そのために、反射した入力信号により発生するリップルを抑制することができる。リップルの発生を抑制することで、広帯域にわたって周波数特性が良好な変換利得を有する周波数変換器を実現することが可能である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[第1実施形態]
図1は、本実施形態の周波数混合器の構成図である。周波数混合器は、λ/2バラン100、IF信号フィルタ101、RF信号フィルタ102、LO信号フィルタ104、第1、第2ダイオード108、110、及び短絡回路109、111を備える。周波数混合器は、この他にフィルタ106及び終端器107を備える。λ/2バラン100、第1、第2ダイオード108、110、及び短絡回路109、111については、従来と同じ構成である。この周波数混合器は、(RF信号の周波数)=(LO信号の周波数)±(IF信号の周波数)の周波数の希望波(RF信号)をRFポートから出力する。つまり周波数混合器は、IF信号をLO信号によりアップコンバートしたRF信号を出力する。
図1は、本実施形態の周波数混合器の構成図である。周波数混合器は、λ/2バラン100、IF信号フィルタ101、RF信号フィルタ102、LO信号フィルタ104、第1、第2ダイオード108、110、及び短絡回路109、111を備える。周波数混合器は、この他にフィルタ106及び終端器107を備える。λ/2バラン100、第1、第2ダイオード108、110、及び短絡回路109、111については、従来と同じ構成である。この周波数混合器は、(RF信号の周波数)=(LO信号の周波数)±(IF信号の周波数)の周波数の希望波(RF信号)をRFポートから出力する。つまり周波数混合器は、IF信号をLO信号によりアップコンバートしたRF信号を出力する。
IF信号フィルタ101は、IF入力ポートから入力される信号を濾波し、入力信号であるIF信号をλ/2バラン100に入力する低域通過フィルタである。なお、IF信号フィルタ101の出力端は、RF信号フィルタ102の入力端にも接続される。そのためにIF信号は、RF信号フィルタ102に、IF信号フィルタ101から直接入力される。
RF信号フィルタ102は、λ/2バラン100から出力される信号を濾波し、出力信号であるRF信号をRF出力ポートから出力する帯域通過フィルタである。IF信号フィルタ101とRF信号フィルタ102とを接続するRF伝送線路103は、IF信号の周波数に対して高周波的に開放状態となるような長さで構成される。そのために、IF信号フィルタ101から入力されるIF信号がRF信号フィルタ102により反射されることはない。また、IF信号はRF信号フィルタ102により濾波されるために、RFポートから出力されることはない。
LO信号フィルタ104は、図示しない局部発振器からLO入力ポートを介して入力される信号を濾波し、LO信号をλ/2バラン100に入力する帯域通過フィルタである。フィルタ106は、LO信号フィルタ104とλ/2バラン100とを接続するLO伝送線路105上に一端が接続され、他端が終端器107に接続される。フィルタ106は、IF信号フィルタ101と同じ周波数帯域の濾波を行う低域通過フィルタである。LO伝送線路105は、IF信号の周波数に対して高周波的に開放状態となるような長さで構成される。そのためにLO伝送線路105を伝送されるIF信号は、LO信号フィルタ104に反射されることなく、フィルタ106により終端器107に入力される。終端器107は、入力されたIF信号の周波数成分を選択的に吸収する。
IF信号をLO信号によりRF信号にアップコンバートする場合、IF入力ポートから入力されたIF信号は、IF信号フィルタ101及びλ/2バラン100を介して第1、第2ダイオード108、110に入力される。また、IF信号は、λ/2バラン100を介してLO伝送線路105にも送られる。これは、λ/2バラン100が広帯域に対応できず、IF信号の周波数帯域までアイソレーションを確保できないためである。
λ/2バラン100からLO伝送線路105へ送られるIF信号は、フィルタ106及び終端器107により吸収される。そのために、LO信号フィルタ104により反射されてλ/2バラン100に再入力される反射IF信号が低減される。よって、第1、第2ダイオード108、110に入力される反射IF信号が低減される。なお、IF信号フィルタ101からRF信号フィルタ102側に直接入力されるIF信号は、上述の通り、RF信号フィルタ102により反射されることはない。
第1、第2ダイオード108、110の非線形性により、RFポートから、(RF信号の周波数)=m・(LO信号の周波数)±n・(IF信号の周波数)(m、nは整数)の周波数成分のRF信号が出力される。このとき、反射IF信号が第1、第2ダイオード108、110に入力されないために、RF信号にリップルが発生することを抑制することができる。このように、リップルの原因となる反射IF信号をフィルタ106及び終端器107で吸収するため、周波数混合器のRFポートからはリップルが改善した希望波が出力される。
図2は、このような周波数混合器の変換利得のシミュレーション特性を表す図である。図中、破線はフィルタ106及び終端器107を備えない従来の周波数混合器の周波数特性を表し、実線は本実施形態の周波数混合器の周波数特性を表す。ここでは、LO信号の周波数=46.40GHz、IF信号の周波数=14.08GHz、RF信号の周波数=60.48GHzであり、IF周波数を14.08±1.1GHz掃引した場合を例示する。
図から明らかなように、従来の周波数混合器では18[dBp-p]の周波数特性であるのに対して、本実施形態の周波数混合器では9[dBp-p]程度まで周波数特性が改善していることがわかる。
図から明らかなように、従来の周波数混合器では18[dBp-p]の周波数特性であるのに対して、本実施形態の周波数混合器では9[dBp-p]程度まで周波数特性が改善していることがわかる。
なお、IF信号フィルタ101が帯域通過フィルタの場合、フィルタ106もIF信号フィルタ101と同じ周波数帯域の濾波を行う帯域通過フィルタが用いられる。この場合も、低域通過フィルタの場合と同様に、LO伝送線路105に送られたIF信号を吸収するために、低域通過フィルタの場合と同様の効果が得られる。
周波数混合器は、フィルタ106によりLO伝送線路105を伝送される信号からIF信号の周波数成分を選択し、終端器107により選択した信号を吸収する。そのために、IF信号の周波数成分がLO信号フィルタ104に反射されてλ/2バラン100に再入力されることが無くなり、リップルの発生が抑制される。リップルの発生を抑制することで、周波数混合器は、λ/2バラン100の物理的寸法が大きくなっても、広帯域にわたって周波数特性が良好な変換利得を実現することが可能となる。
このような周波数混合器は、広帯域にスペクトラム拡散したデジタル変調信号を利用する通信分野に有効である。例えば、非圧縮画像データ等を送受信する高速通信分野等が該当する。
このような周波数混合器は、広帯域にスペクトラム拡散したデジタル変調信号を利用する通信分野に有効である。例えば、非圧縮画像データ等を送受信する高速通信分野等が該当する。
図3は、このような構成の周波数混合器を用いた送信機の構成図である。周波数混合器は、周波数変換器4に用いられる。周波数変換器4は、所定の信号発生器5からIF信号を取得し、これをアップコンバートしたRF信号を送信する。送信されたRF信号は、受信機6により受信される。本実施形態では、信号発生器5が3[GHz]のIF信号を周波数変換器4に入力する。周波数変換器4は、IF信号をLO信号により60[GHz]のRF信号に変換して出力する。
周波数変換器4は、高出力増幅器40、第1帯域通過フィルタ41、ミキサ部42、局部発振器43、第1増幅器44、第2帯域通過フィルタ45、第3帯域通過フィルタ46、第2増幅器47、及びアンテナ48を備える。第1帯域通過フィルタ41は、RF信号フィルタ102である。第2帯域通過フィルタ45はLO信号フィルタ104である。第3帯域通過フィルタ46はIF信号フィルタ101である。ミキサ部42は、λ/2バラン100、第1、第2ダイオード108、110、短絡回路109、111、フィルタ106、及び終端器107を備えた構成である。この場合、フィルタ106は、第3帯域通過フィルタ46と同じ周波数帯域の濾波を行う帯域通過フィルタである。局部発振器43は、IF信号(3[GHz])をRF信号(60[GHz])にアップコンバートするために、57[GHz]程度の周波数の局部発振信号を出力する。
信号発生器5から出力された信号は、周波数変換器4に入力される。第2増幅器47は、信号発振器5から入力された信号を増幅して第3帯域通過フィルタ46に入力する。第3帯域通過フィルタ46は、第2増幅器47で増幅された信号を濾波してIF信号を通過させ、ミキサ部42に入力する。
局部発振器43は、局部発振信号を第1増幅器44に入力する。第1増幅器44は、入力された局部発振信号を増幅して第2帯域通過フィルタ45に入力する。第2帯域通過フィルタ45は、第1増幅器44で増幅された局部発振信号を濾波してLO信号を通過させ、ミキサ部42に入力する。
ミキサ部42は、IF信号をLO信号によりアップコンバートしてRF信号を生成する。ミキサ部42は、第2帯域通過フィルタとの間の伝送線路にフィルタ106及び終端器107を備えるために、IF信号が局部発振器43側に入力された場合でも、その反射波によるリップルの発生を抑制することができる。RF信号は、第1帯域通過フィルタ41を通過し、高出力増幅器40により増幅されてアンテナ48から送信される。
受信機6は、周波数変換器4から送信されたRF信号を受信する。上記の通り、この周波数変換器4に用いた周波数混合器は、広帯域にスペクトラム拡散したデジタル変調信号を利用する通信分野に有効であり、例えば、非圧縮画像データ等を送受信する高速通信に有効である。
[第2実施形態]
図4は、RF信号をLO信号によりダウンコンバートしたIF信号を出力する周波数混合器の構成図である。周波数混合器は、図1に示す周波数混合器と同様の構成である。即ち周波数混合器は、λ/2バラン300、IF信号フィルタ301、RF信号フィルタ302、LO信号フィルタ304、第1、第2ダイオード308、310、短絡回路309、311、フィルタ306、及び終端器307を備える。この周波数混合器は、(IF信号の周波数)=(RF信号の周波数)−(LO信号の周波数)の周波数の希望波(IF信号)をIFポートから出力する。
図4は、RF信号をLO信号によりダウンコンバートしたIF信号を出力する周波数混合器の構成図である。周波数混合器は、図1に示す周波数混合器と同様の構成である。即ち周波数混合器は、λ/2バラン300、IF信号フィルタ301、RF信号フィルタ302、LO信号フィルタ304、第1、第2ダイオード308、310、短絡回路309、311、フィルタ306、及び終端器307を備える。この周波数混合器は、(IF信号の周波数)=(RF信号の周波数)−(LO信号の周波数)の周波数の希望波(IF信号)をIFポートから出力する。
IF信号フィルタ301は、λ/2バラン300から出力される信号を濾波し、出力信号であるIF信号をIF出力ポートから出力する低域通過フィルタである。RF信号フィルタ302は、RF入力ポートから入力される信号を濾波し、入力信号であるRF信号をλ/2バラン300に入力する帯域通過フィルタである。IF信号フィルタ301の入力端とRF信号フィルタ302の出力端とは接続される。そのためにIF信号は、λ/2バラン300からRF信号フィルタ302にも入力される。IF信号フィルタ301とRF信号フィルタ302とを接続するRF伝送線路303は、IF信号の周波数に対して高周波的に開放状態となるような長さで構成される。これにより、IF信号がRF信号フィルタ302により反射されることを防止する。また、IF信号はRF信号フィルタ302により濾波されるために、RFポートから出力されることはない。
LO信号フィルタ304は、図示しない局部発振器からLO入力ポートを介して入力される信号を濾波し、LO信号をλ/2バラン300に入力する帯域通過フィルタである。フィルタ306は、LO信号フィルタ304とλ/2バラン300とを接続するLO伝送線路305上に一端が接続され、他端が終端器307に接続される。フィルタ306は、IF信号フィルタ301と同じ周波数帯域の濾波を行う低域通過フィルタである。LO伝送線路305は、IF信号の周波数に対して高周波的に開放状態となるような長さで構成される。そのためにLO伝送線路305を伝送されるIF信号は、LO信号フィルタ304に反射されることなく、フィルタ306により終端器307に入力される。終端器307は、入力されたIF信号の周波数成分を選択的に吸収する。
RF信号をLO信号によりIF信号にダウンコンバートする場合、RF入力ポートから入力されたRF信号は、RF信号フィルタ302及びλ/2バラン300を介して第1、第2ダイオード308、310に入力される。RF信号がLO信号とともに第1、第2ダイオード308、310に入力されることで、第1、第2ダイオード308、310の非線形性によりIF信号が生成される。生成されたIF信号は、λ/2バラン300を介して出力される。このとき、λ/2バラン300が広帯域に対応できず、IF信号の周波数帯域までアイソレーションを確保できないために、IF信号がIF信号フィルタ301の他にLO伝送線路305側にも送られる。
λ/2バラン300からLO伝送線路305へ送られるIF信号は、フィルタ306及び終端器307により吸収される。そのために、LO信号フィルタ304により反射されてλ/2バラン300に再入力される反射IF信号が低減される。よって、第1、第2ダイオード308、310に入力される反射IF信号が低減される。なお、λ/2バラン300からRF信号フィルタ302側に直接入力されるIF信号は、上述の通り、RF信号フィルタ302により反射されることはない。
反射IF信号が第1、第2ダイオード308、310に入力されないために、IF信号にリップルが発生することを抑制することができる。このように、リップルの原因となる反射IF信号をフィルタ306及び終端器307で吸収するため、周波数混合器のIFポートからはリップルが改善した希望波が出力される。
なお、IF信号フィルタ301が帯域通過フィルタの場合、フィルタ306もIF信号フィルタ301と同じ周波数帯域の濾波を行う帯域通過フィルタが用いられる。この場合も、低域通過フィルタの場合と同様に、LO伝送線路305に送られたIF信号を吸収するために、低域通過フィルタの場合と同様の効果が得られる。
このような周波数混合器は、測定器にも利用できる。例えば、周波数拡張されたベクトルネットワークアナライザに有効である。
図5は、このような構成の周波数混合器を用いた信号品質測定システムの構成図である。周波数混合器は、周波数変換器に用いられる。信号品質測定システムは、所定の信号発生器2から出力される信号を受信して、信号の品質(周波数、波長、波形等)を解析する。信号品質測定システムは、周波数変換器1の他に信号解析装置3を備える。
本実施形態では、信号発生器2が60[GHz]帯の信号を出力する。信号解析装置3は、通常、5[GHz]帯までの信号解析を行うことができる。そのために信号品質測定システムは、周波数変換器1により周波数変換を行う。周波数変換器1は、RF信号(60[GHz])をLO信号によりIF信号(3[GHz])にダウンコンバートする。
周波数変換器1は、低雑音増幅器10、第1帯域通過フィルタ11、ミキサ部12、局部発振器13、第1増幅器14、第2帯域通過フィルタ15、第3帯域通過フィルタ16、第2増幅器17、及びアンテナ18を備える。第1帯域通過フィルタ11は、RF信号フィルタ302である。第2帯域通過フィルタ15はLO信号フィルタ304である。第3帯域通過フィルタ16はIF信号フィルタ301である。ミキサ部12は、λ/2バラン300、第1、第2ダイオード308、310、短絡回路309、311、フィルタ306、及び終端器307を備えた構成である。この場合、フィルタ306は、第1帯域通過フィルタ11と同じ周波数帯域の濾波を行う帯域通過フィルタである。局部発振器13は、RF信号(60[GHz])をIF信号(3[GHz])にダウンコンバートするために、57[GHz]程度の周波数の局部発振信号を出力する。
信号発生器2から出力された信号は、受信部となるアンテナ18で受信される。低雑音増幅器10は、アンテナ18が受信した信号を増幅して、第1帯域通過フィルタ11に入力する。第1帯域通過フィルタ11は、低雑音増幅器10で増幅された信号を濾波してRF信号を通過させ、ミキサ部12に入力する。
局部発振器13は、局部発振信号を第1増幅器14に入力する。第1増幅器14は、入力された局部発振信号を増幅して第2帯域通過フィルタ15に入力する。第2帯域通過フィルタ15は、第1増幅器14で増幅された局部発振信号を濾波してLO信号を通過させ、ミキサ部12に入力する。
ミキサ部12は、RF信号をLO信号によりダウンコンバートしてIF信号を生成する。ミキサ部12は、第2帯域通過フィルタ15との間の伝送線路にフィルタ306及び終端器307を備えるために、IF信号が局部発振器13側に入力された場合でも、その反射波によるリップルの発生を抑制することができる。IF信号は、第2増幅器17により増幅されて、信号解析装置3に入力される。
信号解析装置3は、IF信号を測定対象の信号として測定する。この場合、信号解析装置3は、周波数変換器1の特性を含めた信号解析を行うことになる。リップルの発生を抑制することで周波数変換器1の周波数特性が改善されているために、信号解析装置3は、周波数変換器1の特性の影響を極力排除して、信号発生器2から出力される信号そのものの解析を行うことができる。
なお、図3に示す送信機と図5に示す信号品質測定システムとを同時に使用してもよい。即ち、送信機から送信されるRF信号を測定対象物となる受信機6が受信する。受信機は、送信機能を有する送受信機であり、受信したRF信号をそのまま信号品質測定システム側に送信する。例えば、受信機が送信機から送信されるRF信号をそのまま信号品質測定システム側に反射する。信号品質測定システムは、RF信号を受信して信号解析を行う。
以上のような第1、第2実施形態の周波数混合器は、フィルタ106、306によりLO伝送線路105、305を伝送される信号からIF信号の周波数成分を選択し、終端器107、307により選択した信号を吸収する。そのために、IF信号の周波数成分がLO信号フィルタ104に反射されてλ/2バラン100に再入力されることが無くなり、リップルの発生が抑制される。また、第1、第2実施形態の周波数混合器は、フィルタ106、306及び終端器107、307の構成は、1つ設けられればよい。そのために、例えば、高周波のRF信号を2つのダイプレクサ及び終端器で吸収する従来の構成よりも、簡素で小型化した周波数混合器を実現することができる。
1,4…周波数変換器、2,5…信号発生器、3…信号解析装置、10…低雑音増幅器、11,41…第1帯域通過フィルタ、12,42…ミキサ部、13,43…局部発振器、14,44…第1増幅器、15,45…第2帯域通過フィルタ、16,46…第3帯域通過フィルタ、17,47…第2増幅器、18,48…アンテナ、100,300…λ/2バラン、101,301…IF信号フィルタ、102,302…RF信号フィルタ、103,303…RF伝送線路、104,304…LO信号フィルタ、105,305…LO伝送線路、106,306…フィルタ、107,307…終端器、108,308…第1ダイオード、109,111,309,311…短絡回路、110,310…第2ダイオード、40…高出力増幅器
Claims (12)
- 所定の入力信号を濾波する第1フィルタと、
局部発振器から入力される局部発振信号を濾波する第2フィルタと、
前記第1フィルタを通過した前記入力信号を前記第2フィルタを通過した前記局部発振信号によりアップコンバートした出力信号を生成するミキサ部と、
前記第2フィルタと前記ミキサ部との間の伝送線路に、前記第1フィルタと同じ周波数帯域の濾波を行う第3フィルタを介して設けられる終端器と、を備え、
前記第3フィルタ及び前記終端器は、前記ミキサ部から前記第2フィルタに入力される信号から前記入力信号の周波数成分を選択的に吸収することを特徴とする、
周波数混合器。 - 前記伝送線路の長さは、前記入力信号の周波数に対して開放状態となるように構成される、
請求項1記載の周波数混合器。 - 前記出力信号を濾波する第4フィルタを備え、前記第1フィルタと前記第4フィルタとの間の線路の長さは、前記入力信号の周波数に対して開放状態となるように構成される、
請求項1又は2記載の周波数混合器。 - 前記第1フィルタ及び前記第3フィルタは、低域通過フィルタ又は帯域通過フィルタである、
請求項1〜3のいずれか1項記載の周波数混合器。 - 請求項1〜4のいずれか1項記載の周波数混合器と、
前記入力信号を増幅して前記周波数混合器に入力する第1増幅器と、
前記局部発振器から出力される前記局部発振信号を増幅して前記周波数混合器に入力する第2増幅器と、
前記出力信号を増幅して出力する第3増幅器と、を備え、
前記周波数混合器は、前記入力信号の周波数を前記局部発振信号により前記出力信号の周波数に変換する、
周波数変換器。 - 請求項5記載の周波数変換器と、
所定の信号発生器から出力される信号を前記入力信号として受信する受信部と、
前記出力信号を解析する信号解析装置と、を備え、
前記第1増幅器は、前記受信部で受信した前記入力信号を増幅して前記周波数変換器に入力し、
前記第3増幅器は、増幅した前記出力信号を前記信号解析装置に入力する、
信号品質測定システム。 - 所定の入力信号を濾波する第1フィルタと、
局部発振器から入力される局部発振信号を濾波する第2フィルタと、
前記第1フィルタを通過した前記入力信号を前記第2フィルタを通過した前記局部発振信号によりダウンコンバートした出力信号を生成するミキサ部と、
前記出力信号を濾波して出力する第3フィルタと、
前記第2フィルタと前記ミキサ部との間の伝送線路に、前記第3フィルタと同じ周波数帯域の濾波を行う第4フィルタを介して設けられる終端器と、を備え、
前記第4フィルタ及び前記終端器は、前記ミキサ部から前記第2フィルタに入力される信号から前記出力信号の周波数成分を選択的に吸収することを特徴とする、
周波数混合器。 - 前記伝送線路の長さは、前記出力信号の周波数に対して開放状態となるように構成される、
請求項7記載の周波数混合器。 - 前記第1フィルタと前記第3フィルタとの間の線路の長さは、前記出力信号の周波数に対して開放状態となるように構成される、
請求項7又は8記載の周波数混合器。 - 前記第3フィルタ及び前記第4フィルタは、低域通過フィルタ又は帯域通過フィルタである、
請求項7〜9のいずれか1項記載の周波数混合器。 - 請求項7〜10のいずれか1項記載の周波数混合器と、
前記入力信号を増幅して前記周波数混合器に入力する第1増幅器と、
前記局部発振器から出力される前記局部発振信号を増幅して前記周波数混合器に入力する第2増幅器と、
前記出力信号を増幅して出力する第3増幅器と、を備え、
前記周波数混合器は、前記入力信号の周波数を前記局部発振信号により前記出力信号の周波数に変換する、
周波数変換器。 - 請求項11記載の周波数変換器と、
前記入力信号を生成する信号発生器と、
前記出力信号を送信する送信部と、を備え、
前記第1増幅器は、前記信号発生器で生成した前記入力信号を増幅して前記周波数変換器に入力し、
前記第3増幅器は、増幅した前記出力信号を前記送信部に入力する、
送信機。
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