JPWO2018117067A1 - 分子インプリント高分子を表面に有する粒子を用いたセンサ - Google Patents

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Abstract

本発明の課題は、分子インプリント高分子を表面上に固定化したセンサであって、性能が均質であり、測定の再現性に優れたセンサを提供することである。本発明によれば、分子インプリント高分子を表面上に有する導電性粒子と、支持体とから構成されるセンサが提供される。

Description

本発明は、分子インプリント高分子を表面に有する粒子を用いたセンサ、及び前記センサを用いた測定方法に関する。
副作用の強い治療薬を有効に使用するためには、その血中濃度が有効域にあることを確認する治療薬モニタリング(TDM)が求められている。しかし適切なセンシング技術が存在せず、医療現場におけるTDMの普及は進んでいない。
分子インプリント高分子(MIP)は、認識対象物質(鋳型)の存在下で、それに対して親和性を持つモノマー(機能性モノマー)と架橋性モノマーと共重合することで得られる分子認識素子である。簡便かつ経済的なプロセスで、任意の対象物質に対してテーラーメイド的に調製できる分子認識素子である。本発明者は、表面にMIPをグラフトした電極における酸化還元電流は、鋳型の濃度に依存することを見出した。これは鋳型とMIPの特異的相互作用によって、レドックス種の基盤電極へのアクセシビリティの変化(ゲート効果)が生じるためと考えられる。この電流を測定することで鋳型を簡便かつ迅速にセンシングできる。この知見に基づいて、特許文献1には、分子インプリント高分子を固定化した基板から構成される抗凝固薬測定用センサが記載されている。また、特許文献2には、分子インプリント高分子を表面上に直接固定化した基板から構成されるセンサであって、レドックス種が、前記分子インプリント高分子及び/又は前記基板に固定化されている前記センサが記載されている。
国際公開WO2012/124800号公報 国際公開WO2016/140337号公報
特許文献1及び特許文献2の技術においては、重合開始剤を固定したITOを各モノマーと鋳型を含む溶液中で紫外線照射することでMIPをグラフトする方法を採用している。重合の過程で、電極に大きな液層を薄くしたり、照射強度光源を強くすることにより、作製される電極間のバラツキを小さくすることを試みてきたが、単回使い捨て使用に耐えうるだけの再現性を確保することは難しかった。これは、ラジカル重合で均質な生成物を得ることが困難であるという問題によるものと考えられる。
本発明は、上記の問題点を解消することを解決すべき課題とした。即ち、本発明は、分子インプリント高分子を表面上に固定化したセンサであって、性能が均質であり、測定の再現性に優れたセンサを提供することを解決すべき課題とする。さらに本発明は、高感度のセンサを提供することを解決すべき課題とする。
本発明者は上記課題を解決すべく鋭意検討し、分子インプリント高分子を表面上に有する導電性粒子と、支持体とから構成されるセンサを作製し、サイクリックボルタンメトリー法を行い、ヘパリンに対する選択応答を確認することにより、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の態様は以下に関する。
(1) 分子インプリント高分子を表面上に有する導電性粒子と、支持体とから構成されるセンサ。
(2) 導電性粒子が、グラファイト粒子である、(1)に記載のセンサ。
(3) 分子インプリント高分子を表面上に有する導電性粒子が、開始剤を固定化した粒子に、機能性モノマーと架橋性モノマーと測定物質とを接触させて重合させることにより得られる導電性粒子である、(1)又は(2)に記載のセンサ。
(4) 機能性モノマーが、カチオン性モノマーである、(3)に記載のセンサ。
(5) 機能性モノマーが、メタクリル酸エチルトリメチルアンモニウムクロリドである、(3)又は(4)に記載のセンサ。
(6) 架橋性モノマーが、メチレンビスアクリルアミドである、(3)から(5)の何れか一に記載のセンサ。
(7) 重合の際に、さらに架橋度調整用モノマーを基板に接触させる、(3)から(6)の何れか一に記載のセンサ。
(8) 架橋度調整用モノマーがアクリルアミドである、(7)に記載のセンサ。
(9) 測定物質が、ホルモン、抗菌剤、又は抗凝固薬である、(1)から(8)の何れか一に記載のセンサ。
(10) 測定物質が、ヘパリン類、ワルファリン、セロトニン、又はバンコマイシンである、(1)から(9)の何れか一に記載のセンサ。
(11) (1)から(10)の何れか一に記載のセンサに、測定物質を含有する試料を接触させ、信号の変化を検出することを含む、測定物質の測定方法。
(12) 信号の変化として電流の変化を検出することを含む、(11)に記載の測定物質の測定方法。
(13) 前記試料が全血または血液成分である、(11)又は(12)に記載の測定方法。
本発明のセンサによれば、センサの性能が均質であり、再現性に優れた測定を行うことができる。また、本発明のセンサは、全血でも水溶性でも安定した性能を発揮することができる。また、本発明で用いる分子インプリント高分子を表面上に有する導電性粒子ペースト状にできることから、支持体の種類や形態が特には限定されず、広範な支持体に適用することができる。また、本発明のセンサによれば、測定物質の濃度の変化による電流密度の変化が大きく、従来と比較してより高感度の測定を行うことができる。
図1は、分子インプリントの原理を示す。 図2は、MIPで修飾していない導電性粒子で作製した電極の表面のSEM画像を示す。 図3は、MIPで修飾した導電性粒子で作製した電極の表面のSEM画像を示す。 図4は、本発明のセンサを使用した場合におけるヘパリン濃度と電流密度の変化を示す。 図5は、従来技術のセンサを使用した場合におけるヘパリン濃度と電流密度の変化を示す。 図6は、本発明のセンサを使用した場合における全血中(牛血)と生理食塩中のヘパリン濃度と電流密度の変化を示す。 図7は、従来技術のセンサを使用した場合における全血中(牛血)と生理食塩中のヘパリン濃度と電流密度の変化を示す。 図8は、本発明のセンサを使用した場合におけるバンコマイシン濃度と電流密度の変化を示す。 図9は、異なる2本のバンコマイシンMIP固定カーボンペースト電極のバンコマイシン添加による電流相対変化を示す。 図10は、ワルファリンンMIP固定カーボンペースト電極(白抜き:ロットの異なる2本)または非インプリント高分子固定カーボンペースト電極(塗りつぶし:ロットの異なる2本)におけるフェロシアン化物イオンのピーク酸化電流とワルファリン濃度の関係を示す。 図11は、非インプリント高分子(NIP)をグラフトしたペースト電極における電流のヘパリン濃度依存性を示す。 図12は、MIPカーボンペースト電極について、牛全血中と生理食塩中における、未分画ヘパリン濃度と相対電流変化の関係、及び硫酸コンドロイチンC濃度と相対電流変化の関係を示す。 図13は、平板化した電極の側面図(左)と平面図(右)を示す。 図14は、オイルを含めずにMIPをグラフトしたカーボンを平板化したものの液滴滴下前の表面を示す。 図15は、液滴滴下後の上記表面を示す。 図16は、MIP-CP電極のヘパリン溶液浸漬前後での親水性変化を示す。 図17は、ヘパリン溶液浸漬前の平板化MIPカーボンペースト電極表面における液滴を示す。 図18は、ヘパリン溶液浸漬後平板化MIPカーボンペースト電極表面における液滴を示す。 図19は、MIP-CP電極の生理食塩水浸漬前後での親水性を示す。 図20は、MIP-CP電極のCSC溶液浸漬前後での親水性変化を示す。 図21は、NIP-CP電極のヘパリン溶液浸漬前後での親水性変化を示す。 図22は、前進接触角の比較を示す。 図23は、後退接触角の比較を示す。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明のセンサは、分子インプリント高分子を表面上に有する導電性粒子と、支持体とから構成されるセンサである。
特定の物質(鋳型)とそれに可逆的に結合する機能性モノマーが自己組織した状態で、機能性モノマーを架橋性モノマーと共重合させることで鋳型の分子構造を記憶し、それと特異的に再結合する分子インプリント高分子を合成することができる(図1)。この分子インプリント高分子は、生体高分子に比べると化学的かつ物理的安定性に富み、低コストかつ短時間に調製できる。分子インプリント高分子をセンサ用素子として用いるには、鋳型の特異結合に応じた電気信号などのシグナルを発生させる必要がある。しかし、この方法が確立されていなかったため、分子インプリント高分子のバイオセンサへの応用は進んでいなかった。本発明者は、鋳型と特異反応することで分子インプリント高分子の薄膜内部の空隙の大きさが変化し、さらに、分子インプリント高分子薄膜の中の溶質の通過する速度が著しく変化することを見出し(J.Chem.Eng.Jpn., 34, 1466-1469, 2001)、この現象をゲート効果と命名している。
本発明においては、分子インプリント高分子を表面上に有する導電性粒子を使用する。導電性粒子の種類は特に限定されないが、グラファイト粒子、カーボンブラック粒子、酸化チタン粒子、酸化スズ粒子などを使用することができる。導電性粒子の粒径は特に限定されないが、一般的には1μm〜100μmであり、好ましくは3μm〜50μmであり、より好ましくは3μm〜20μmであり、特に好ましくは3μm〜10μmである。
分子インプリント高分子を表面上に有する導電性粒子は、分子インプリント高分子を表面上に有する導電性粒子が、開始剤を固定化した粒子に、機能性モノマーと架橋性モノマーと測定物質とを接触させて重合させることにより製造することができる。例えば、分子インプリント高分子を表面上に有する導電性粒子は、導電性粒子に開始剤(光重合開始剤など)を固定し、機能性モノマー、架橋度調整用モノマー、架橋性モノマー及び測定物質(鋳型)を含む重合用溶液に、開始剤を固定した導電性粒子を分散させ、光重合を行うことにより製造することができる。
本発明で用いる機能性モノマーは、特に限定されず、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、ビニルフェニルボロン酸、アクリルアミドボロン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-(トリフルオロメチル)アクリル酸などを使用することができる。また、ヘパリンを測定するセンサを製造するためには、カチオン性モノマーを使用することが好ましい。ヘパリンは、スルホン酸基を多数含むため、カチオン性の機能性モノマーを使用することにより、ヘパリンと特異結合する分子インプリント高分子を合成することが可能になる。カチオン性モノマーとしては、1〜3級アミノ基含有(メタ)アクリルアミド、1〜3級アミノ基含有(メタ)アクリレート、4級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリルアミド、4級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリレート、ジアリルジアルキルアンモニウムハライド等のように、分子内にカチオン性基を有するものである。3級アミノ基含有(メタ)アクリルアミドとしては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。3級アミノ基含有(メタ)アクリレートとしては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、1〜2級アミノ基含有(メタ)アクリルアミドとしては、アミノエチル(メタ)アクリルアミドなどの1級アミノ基含有(メタ)アクリルアミド、或は、メチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、エチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリルアミドなどの2級アミノ基含有(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。1〜2級アミノ基含有(メタ)アクリレートとしては、アミノエチル(メタ)アクリレートなどの1級アミノ基含有(メタ)アクリレート、或は、メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどの2級アミノ基含有(メタ)アクリレート等が挙げられる。4級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリルアミドおよび4級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリレートとしては、3級アミノ基含有(メタ)アクリルアミド又は3級アミノ基含有(メタ)アクリレートを、塩化メチル、塩化ベンジル、硫酸メチル、エピクロルヒドリンなどの4級化剤で4級化したモノ4級塩基含有モノマーが挙げられる。具体的には、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、アクリルアミドプロピルベンジルジメチルアンモニウムクロリド、メタクリロイロキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、アクリロイロキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、(メタ)アクリロイルアミノエチルトリメチルアンモニウムクロリド、(メタ)アクリロイルアミノエチルトリエチルアンモニウムクロリド、(メタ)アクリロイロキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド、(メタ)アクリロイロキシエチルトリエチルアンモニウムクロリドなどが挙げられる。上記の中でも、カチオン性モノマーの具体例としては、例えば、メタクリル酸エチルトリメチルアンモニウムクロリド、ビニルピリジン、ジエチルアミノエチルメタクリレートなどがある。これらを1種または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明で用いる架橋性モノマーとしては、例えば、メチレンビスアクリルアミド、1,4−ブチルジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ノナエチレングリコールジメタクリレート、ジビニルベンゼン、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、トリメチロールプルパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレートなどが挙げられる。上記の中でも特に好ましくは、例えば、メチレンビスアクリルアミド、ポリエチレングリコールジメタクリレートなどがある。これらを1種または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
重合の際には、架橋度調整用モノマーを使用することができる。架橋度調整用モノマーとしては、アクリルアミドなどを使用することができる。これらを1種または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のセンサを用いては測定する測定物質は特に限定されず、ホルモン(セロトニン、ドーパミン、アドレナリン、アセチルコリン、γ-アミノ酪酸など)、抗菌剤(バンコマイシン、テイコプラニンなど)、抗凝固薬、麻酔薬、農薬、抗がん剤(ゲフィチニブ、フルオロウラシル、メトトレキサートなど)など任意の物質を測定することができる。
抗凝固薬としては、ヘパリン、ヘパリン類似物質(低分子量ヘパリンなどを含む)、ワルファリン、アセノクマロール、フェニンジオンなどを挙げることができるが、特にこれらに限定されるものではない。なお、本明細書の実施例で用いたヘパリンは、未分画ヘパリンで分子量範囲は7000〜25000(大部分は1万〜2万)のものであるが、本発明では未分画ヘパリンのみならず、低分子量ヘパリン(分子量4000〜8000)を測定対象とすることもできる。
機械型人工弁は、耐久性に優れており、一度体内に留置すると半永久的に使用が可能である。また補助人工心臓も、移植に匹敵する治療効果を示すに至っている。しかしいずれも人工物を長期に渡って血液と接触させているため、血液が凝固しやすい状態にある。血液凝固が生じれば、凝固塊が脳などの毛細血管を閉塞し、生命を危険に陥れる。この血液凝固の防止のために、機械型人工弁や補助人工心臓を使用している患者は、抗血液凝固剤の投与が必須である。しかし、これらの患者の大部分は院外で日常生活を送っているため、ヘパリンのような注射を必要とする抗凝固薬の投与は難しく、経口抗凝固薬の投与が中心となる。経口抗凝固薬で最もよく用いられているものはワルファリンというビタミンK拮抗剤である。抗凝固剤の過剰投与は、出血(特に脳内出血)の原因となる。そしてワルファリンの抗凝固能はビタミンKを豊富に含む食物(納豆、パセリなど)の摂取など、外的因子の影響を受けやすいため、抗凝固能のモニタリングに基づいた投薬設計が必要である。ワルファリンの抗凝固能のモニタリングには、血漿にカルシウムとトロンボプラスチンを加えて凝固時間(プロトロンビン時間)を測定し、正常値と比較して相対値(国際標準比)を算出するか、ビタミンK依存性凝固因子の機能低下を測る方法(トロンボテスト)がとられる。いずれも血液凝固能を評価する方法としては優れている。しかし、先述の通りワルファリンの抗凝固能は、外的因子の影響を強く受けるため、プロトロンビン時間やトロンボテストの結果がワルファリンの濃度の過不足を直接的に示すとは限らない。ワルファリンの腸内吸収速度や代謝速度は、個体差が大きく、健康状態など内外因子でも大きく変わるため、本来は血液中のワルファリン濃度変化を監視しながら、投薬設計を立てる治療薬モニタリング(Therapeutic Drug Monitoring: TDM)が求められる。しかし血液中のワルファリンを選択的に測定する方法は、質量分析を検出法とする液体クロマトグラフィー(LC-MS)など大がかりな装置を必要とするものに限られるのが現状である。このような分析法で、血中ワルファリン濃度を頻繁に測定するのは現実的では無い。低コストで簡便に操作できるワルファリン用センサを開発することが求められている。
また、抗菌剤バンコマイシンは、グラム陽性菌感染症の第一選択治療薬である。このバンコマイシンを過剰投与すれば、難聴や腎障害などの副作用を生じさせるが、それを怖れて過少投与すれば、治療効果が表れないだけでなく、耐性菌の発生を促してしまう。そのため、バンコマイシンは血中濃度の監視(治療薬モニタリング)が必要とされる薬剤の代表例とされている。しかし、現状では大病院以外は血中バンコマイシンの定量を検査機関に外注しているため、リアルタイムに投与量調整ができないという問題がある。ベッドサイドで使えるような簡便バンコマイシンセンサが求められている。
本発明のセンサとしては、電気化学的センサでもよいし、非電気化学的センサでもよい。分子インプリント高分子を固定化した基板として、分子インプリント高分子を固定化した電極を使用することにより、電気化学的センサを構成することができる。また、非電気化学的センサとしては、表面プラズモン共鳴(SPR)センサ(例えばBIACORE)、水晶発振子マイクロバランス(QCM)センサなどを構成することができる。
本発明の一例によれば、ヘパリンを電気化学的に測定するヘパリンセンサが提供される。鋳型であるヘパリンナトリウム、機能性モノマーであるメタクリル酸エチルトリメチルアンモニウムクロライド、親水性モノマーであるアクリルアミドを水に溶解し、架橋性モノマーであるメチレンビスアクリルアミドを有機溶媒のジメチルホルムアミドに溶解した。両液を混合し、準安定溶液にして、分子インプリント高分子の合成に用いることができる。導電性粒子に予め、ラジカル重合剤を共有結合によって固定し、上記の準安定溶液に導電性粒子を分散し、光照射してグラフト重合することによって分子インプリント高分子を表面に有する導電性粒子を製造することができる。
上記のようにして製造した分子インプリント高分子を表面に有する導電性粒子は、支持体(絶縁性の支持体)の表面に、印刷技術等で塗布することによって、均質な表面を有するMIP固定電極を製造することができる。分子インプリント高分子を表面に有する導電性粒子は、管に充填することによってMIP電極としてもよい。
本発明によれば、上記したセンサに、測定物質を含有する試料を接触させ、信号の変化(好ましくは電流の変化)を検出することによって、測定物質を測定することができる。試料としては、全血または血液成分(例えば、血漿又は血清など)を使用することができる。
本発明の分子インプリント固定電極をセンサとして用いる場合は、上記電極を対極、参照電極と共に浸し、ファリシアン化カリウム、フェロシアン化カリウム、ベンゾキノン、ヒドロキノンなどのメディエーター(レドックスマーカーなど)を加えて試験液に浸し、電位を印加して、得られる酸化還元電流を測定する方法を採用することができる。また、メディエーター(レドックスマーカーなど)としては、体内に存在する、尿酸やアスコルビン酸の他、グルコース、乳酸、ビリルビンおよびコレステロール等を使用することができ、また、酸化還元酵素(例えば、グルコースオキシダーゼ、ラクテートオキシダーゼ、コレステロールオキシダーゼ、ビリルビンオキシダーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ、ラクテートデヒドロゲナーゼ等)を使用してもよい。体内の尿酸やアスコルビン酸自体をメディエーターに使えば、灌流血から直接測定ができるので、失血させることなく、低侵襲の測定が可能となる。本発明のセンサは、体外循環用の装置に装着することができる。例えば、本発明のセンサに、灌流血液を接触させ、変化を検出することによって、血液中の測定物質を測定することもできる。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例により特に限定されるものではない。
実施例1:
(1)グラファイト粒子への開始剤固定
グラファイト粒子の表面に、光ラジカル重合開始剤であるジメチルジチオカルバミルメチレン基を導入した。
最初に、塩化水素とホルムアルデヒドを用いて、クロロメチル基をグラファイト表面に導入した。粒直径8 μmの球状グラファイト粒子(SG-BH8, 伊藤黒鉛工業株式会社)5 gを、塩化亜鉛0.25 gを溶解した濃塩酸65 gと酢酸65 gの混合液とともに、三ツ口フラスコ内に投入した。氷で冷却しながらマグネティックスターラーで激しく撹拌しながら1時間アルゴンガスをバブリングした。次に、このフラスコ内にホルムアルデヒド(37.0 %)水溶液19.0 gを加え、塩化水素ガスをバブリングしながら、氷冷中で撹拌を4h続けた。次に、塩化水素の供給を停め、室温で6時間撹拌した。吸引濾過器で、蒸留水700mL、メタノール200 mLの順序で洗浄し、真空乾燥した。
クロロメチル化したグラファイト粒子を50 mLのジメチルジチオカルバミン酸ナトリウムの0.3 Mエタノール溶液中に分散させ、24時間室温中で撹拌し、脱塩化ナトリウム縮合により、開始剤機能を持つジメチルジチオカルバミルメチレン基を導入した。吸引濾過器で、蒸留水700mL、メタノール200 mLの順で洗浄し、真空乾燥した。ここまでの操作で得られた開始剤導入グラファイトは、遮光して冷蔵庫に保管した。
(2)グラファイトグラフト重合
ヘパリンナトリウム(和光純薬、大阪)0.16 g、メタクリル酸エチルトリメチルアンモニウムクロリド(METMAC)(Sigma-Aldrich)0.87 g、アクリルアミド(和光純薬、大阪)1.0 gを蒸留水6 mLに溶解させた。さらにN,N-ジメチルホルムアルデヒド(DMF)(和光純薬、大阪)18 mLにメチレンビスアクリルアミド(MBAA)(和光純薬、大阪)1.0 g溶解させた。両者を混合し、重合用溶液とした。開始剤導入グラファイト 0.6 gを石英試験管内で重合用溶液に分散させ、マグネットスターラーで撹拌しながら、蒸留水とDMFの混合液(体積比1:3)で飽和した窒素ガスを30 min間バブリングし、酸素を除去した。その後、バブリングと撹拌を続けたまま、キセノンランプ(浜松ホトニクス LC5 波長185 nm〜2000 nm)の光を、光ファイバーを介して照射した。その後、グラファイト粒子を、蒸留水とDMFの混合液(体積比1:3)、1Mの塩化ナトリウム水溶液、蒸留水の順で、吸引濾過洗浄をした後、真空乾燥した。得られたMIP固定グラファイト粒子は、真空乾燥してデシケーター中で保管した。
(3)電極の作製
MIPを表面に固定したグラファイトを、シリコーンオイル(KF-96-300CS:信越シリコーン(株))と重量比7:3の割合で混合し、メノウ乳鉢で練り合わせ、ペースト状にした。
リード線を装着したポリエーテルエーテルケトン管またはガラス管の先端に、ペースト状にしたMIPグラフトグラファイト粒子を充填した。その後、充填部を圧迫しながら薬包紙で研磨し、MIP固定カーボンペースト電極を得た。
MIPで修飾していない導電性粒子で作製した電極の表面のSEM画像を図2に示す。
MIPで修飾した導電性粒子で作製した電極の表面のSEM画像を図3に示す。
(4)電気化学手法によるヘパリンのセンシング
生理食塩水または牛全血に、フェロシアン化カリウム 5 mM、ヘパリン 0-8 unit/mLを加え、MIP固定カーボンペースト電極(本発明のセンサ)を作用極としたサイクリックボルタメトリー(対極: 白金、参照極: 銀/塩化銀電極、電位走査速度:200 mV/s)を行い、電流とヘパリン濃度の関係を比較した。
なお、比較例としては、以下の方法で製造したMIP固定電極を使用した。
(比較用のMIP固定電極の製造)
インジウム・スズ酸化物薄膜(ITO)の表面を3-アミノプロピルトリメトキシシランの10 wt%トルエン溶液中で加熱処理し、アミノ基を導入した。ジメチルホルムアミド溶媒中で水溶性カルボジイミド(0.2 M)を用いて、ITOに導入したアミノ基とクロロメチル安息香酸(0.1 M)をペプチド結合させ、ITO表面にクロロメチルベンジル基を導入した。ITO表面のクロロベンジル基をジエチルジチオカルバミン酸ナトリウムのエタノール溶液(0.3 M)中で反応させ、ITO表面にラジカル重合開始剤であるジエチルジチオカルバミルベンジル基を導入した。
鋳型として80 mgのヘパリンナトリウムとカチオン性機能性モノマーとしてのメタクリロキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド 225 mg、架橋度調整用モノマーとしてのアクリルアミド250 mgを1mLの水に溶解した。上記の水溶液を、架橋性モノマーのメチレンビスアクリルアミド 250 mgをジメチルホルムアミドに3 mLに溶解した溶液と混合した。混合液を石英管に仕込み、ジエチルジチオカルバミルベンジル基導入ITOをそれぞれ浸し、殺菌灯の紫外線を同時に24 時間照射してグラフト重合した。その後、蒸留水中で超音波洗浄した。ヘパリンを含む溶液で処理したITOをMIP(Molecularly Imprinted Polymer)電極とした。
(ヘパリン濃度の変化による電流密度の変化度合い)
図4、図6は、本発明のセンサを使用した場合におけるヘパリンの濃度と電流密度の変化を示したものである(図4:ヘパリン濃度と電流密度の関係、図6:全血中(牛血)と生理食塩中のヘパリン濃度と電流密度の関係)。これに対し、図5、図7は、従来技術で作製されたセンサを使用した場合におけるヘパリンの濃度と電流密度の関係を示したものである(図5:ヘパリン濃度と電流密度の関係、図7:全血中(牛血)と生理食塩中のヘパリン濃度と電流密度の関係)。
本発明のセンサと従来技術のセンサにおけるヘパリン濃度に対する電流密度を比較すると、従来技術のセンサが、200μA/cm2程度の幅であるのに対し、本発明のセンサでは、6000μA/cm2と非常にヘパリン濃度の変化による電流密度の変化が大きいことが示される。以上のことから、本発明は従来のセンサと比較してより高感度の測定を行うことが可能となる。
(センサ性能のばらつき)
図4は、本発明のMIPカーボンペースト電極を複数製造しそのヘパリン濃度とその電流密度の変化を調べたものであり、図5は、従来技術で作られたMIP固定電極であって、電流密度を測定できた電極におけるヘパリン濃度とその電流密度の変化を調べたものである。
図4、図5より本発明のセンサを比較すると、本発明の電極は作成した電極のすべてが測定可能な電極であって、そのばらつきは少ない(図4)。一方、従来の電極では、全く性能が発揮できない電極(電極C、D)ができることもあり、また、性能に20%〜50%のばらつきが発生する(図5)。
以上のように本発明のセンサは性能のばらつきが小さいセンサを製造することが可能となり、再現性の高い測定が可能となる。
(水系、血液系における性能比較)
図6は、本発明のMIP固定カーボンペースト電極を用いて水系(生理食塩水)と、血液系(全血)におけるヘパリン濃度と電流密度の関係を示したものである。図7は、比較するために従来技術で製造したMIP固定電極を用いて水系と血液系におけるヘパリン濃度と電流密度の変化を示したものである。
これによるとMIP固定電極が、水系ではヘパリン濃度変化に対して電流密度の変化が大きいのに対し、血液系ではその電流密度の変化が小さく、センサとしての性能発揮できていないことが示される。一方、本発明のMIP固定カーボンペースト電極の応答電流は、水系、血液系での感度の差は小さく、いずれの場合においても安定した性能を発揮できることが示される。
実施例2:
(1)グラフト重合
鋳型物質にバンコマイシン塩酸塩、架橋度調整用モノマーにアクリルアミド、機能性モノマーにイタコン酸、架橋性モノマーにトリエチレングリコールジメタクリレート (TEDMA)をジメチルホルムアミド(DMF)と水の混合溶媒に溶解した。この溶液を重合溶液とした。開始剤導入グラファイトを石英管内で重合溶媒に分散させ、マグネットスターラーで撹拌しながら、DMFと水の混合液(重合溶媒と同じ組成)で飽和した窒素ガスを30 min間バブリングし、溶存酸素を除去した。その後、バブリングと撹拌を続けたまま、キセノンランプ光を3 h照射した。その後、グラファイト粒子を、DMF、1 M NaCl水溶液、蒸留水の順で、吸引ろ過洗浄をした後、真空乾燥した。
(2)電極の作製
バンコマイシンMIPを表面に固定したグラファイトを、シリコーンオイルと重量比7:3の割合で混合し、PTFE乳鉢で練り合わせ、ペースト状にした。リード線を装着したヘマトクリット毛細管の先端に、ペースト状にしたバンコマイシンMIP固定グラファイト粒子を充填することで、バンコマイシンMIP固定カーボンペースト電極とした。
(3)電気化学センシング
塩化ナトリウムを0.1 M、リン酸緩衝塩を0.05 Mを含む水溶液にバンコマイシン塩酸塩を0〜1000 μM溶解した試料を調製し、サイクリックボルタンメトリー (Cyclic Voltammetry: CV)によって、電流と濃度の関係を求めた。この時、マーカー物質に5 mMのフェロシアン化カリウムを使用した。
(4)結果
測定結果を図8に示す。図8に示す通り、TEDMAを用いたバンコマイシンMIP電極は、バンコマイシン濃度が高くなるにつれて電流値は増加した。
実施例3:
(1)グラフト重合
鋳型物質にバンコマイシン塩酸塩0.0899 g 、架橋度調整用モノマーにアクリルアミド 0.5002 g、機能性モノマーにイタコン酸 0.5002 g、架橋性モノマーにトリエチレングリコールジメタクリレート (TEDMA) 2.9781 g をジメチルホルムアミド(DMF)24 mLと水4 mLの混合溶媒に溶解した。この溶液を重合溶液とした。開始剤導入グラファイト0.6018 g を石英管内で重合溶媒に分散させ、マグネットスターラーで撹拌しながら、DMFと水の混合液(重合溶媒と同じ組成)で飽和した窒素ガスを30 min間バブリングし、溶存酸素を除去した。その後、バブリングと撹拌を続けたまま、キセノンランプ光を5.5 h照射した。その後、グラファイト粒子を、DMF、1 M NaCl水溶液、蒸留水の順で、吸引ろ過洗浄をした後、真空乾燥した。
(2)電極の作製
バンコマイシンに対するMIPを表面に固定したグラファイトを、シリコーンオイルと重量比7:3の割合で混合し、PTFE乳鉢内で練り合わせ、ペースト状にした。リード線を装着したヘマトクリット毛細管の先端に、ペースト状にしたバンコマイシンMIP固定グラファイト粒子を充填することで、バンコマイシンMIP固定カーボンペースト電極とした。
(3)電気化学センシング
支持電解質として塩化ナトリウムを0.1 M、pH 7.4のリン酸緩衝塩を0.05 M、レドックスマーカーとして5 mMのフェロシアン化カリウムを含む水溶液にバンコマイシン塩酸塩を0〜80 μg/mL溶解した試料を調製した。バンコマイシンMIP固定カーボンペースト電極によるサイクリックボルタメトリー(Cyclic Voltammetry: CV)によって、フェロシアン化物イオン酸化電流とバンコマイシン濃度の関係を求めた。
(4)結果
バンコマイシン添加によるフェロシアン化物イオンのピーク酸化電流の変化を図9に示す。バンコマイシン濃度の増加に伴って、電流が上昇している。電流の上昇が見られるダイナミックレンジは、バンコマインの有効血中濃度範囲(10-45 μg/mL)をカバーしている。本電極は簡便にバンコマイシン濃度を定量するセンサとして期待できる。
実施例4:
(1)グラフト重合
鋳型としてワーファリンナトリウム0.24 g 、機能性モノマーにメタクリロキシエチル0.76 g、架橋性モノマーにエチレングリコールジメタクリレート2.5 gをジメチルホルムアミド(DMF)15 mLと水5 mLの混合溶媒に溶解した。この溶液を重合溶液とした。開始剤導入グラファイト0.32 g を石英管内で重合溶媒に分散させ、マグネットスターラーで撹拌しながら、DMFと水の混合液(体積比3:1)で飽和した窒素ガスを30 min間バブリングし、溶存酸素を除去した。その後、バブリングと撹拌を続けたまま、キセノンランプ光を2 h照射した。その後、グラファイト粒子を、DMFと水の体積比3:1混合液、蒸留水、1 M NaCl水溶液、蒸留水、メタノールの順で、吸引ろ過洗浄をした後、真空乾燥し、遮光しながら冷蔵庫に保管した。これをワーファリンMIP固定グラファイトとする。
(2)電極の作製
バンコマイシンMIPを表面に固定したグラファイトを、シリコーンオイルと重量比7:3の割合で混合し、PTFE乳鉢で練り合わせ、ペースト状にした。リード線を装着したヘマトクリット毛細管の先端に、ペースト状にしたワーファリンMIP固定グラファイト粒子または非インプリント高分子グラファイト粒子を充填することで、ワーファリンMIP固定カーボンペースト電極または非インプリント高分子固定カーボンペースト電極とした。
(3)電気化学センシング
支持電解質として塩化ナトリウムを0.1 M、pH 7.4のリン酸緩衝塩を0.05 M、レドックスマーカーとして5 mMのフェロシアン化カリウムを含む水溶液にワーファリンを0〜0.8 μg/mLで溶解した試料を調製し、ワーファリンンMIP固定カーボンペースト電極または非インプリント高分子固定カーボンペースト電極によるCVによって、電流と濃度の関係を求めた。
(4)結果
ワーファリン濃度とフェロシアン化物イオンのピーク酸化電流の関係を図10に示す。バンコマイシン濃度の増加に伴って、電流が上昇している。電流の上昇が見られるダイナミックレンジは、ワーファリンの有効血中濃度範囲(10-45 μg/mL)をカバーしている。本電極は簡便にワーファリン濃度を定量するセンサとしても期待できる。
参考例1:ヘパリン濃度の変化による電流密度の変化
実施例1のMIP固定カーボンペースト電極の製造において、鋳型であるヘパリンナトリウムを使用しないこと以外は実施例1と同様の方法により、NIP(Non-imprinted polymer)固定カーボンペースト電極を製造した。
NIP固定カーボンペースト電極を使用した場合におけるヘパリンの濃度と電流密度の変化を図11に示す。NIP固定カーボンペースト電極はヘパリンに応答を示さないことが確認された。
また、実施例1で製造した本発明のMIPカーボンペースト電極について、牛全血中と生理食塩中における、未分画ヘパリン濃度と相対電流変化の関係、及び硫酸コンドロイチンC濃度と相対電流変化の関係を図12に示す。実施例1で製造した本発明のMIPカーボンペースト電極は、硫酸コンドロイチンCに反応を示さないことが分かる。
参考例2:MIPカーボンぺースト(MIP-CP)電極及びNIPカーボンぺースト(NIP -CP)電極表面の接触角測定
MIP-CP電極がヘパリンに対して選択応答する理由が、MIPがヘパリンと反応することで親水性が高まりMIPに付着したオイルが後退し、MIPの電極としての有効面積が増大したからであるという仮説を検証するために水の電極表面における接触角を測り、ヘパリンの添加前後での電極表面の親水性の変化を測定した。
(1)実験操作
(1−1)カーボンペースト(CP)平板電極の作製
MIPグラファイト粉末としては、実施例1で製造したMIP固定グラファイト粒子を使用した。
MIP-CP(流動パラフィン)は、MIPグラファイト粉末を油(流動パラフィン)と重量比7:3で20分間乳鉢中で練り合わせることにより製造したペーストである。
NIP-CP(流動パラフィン)は、実施例1のMIP固定グラファイト粒子の製造において鋳型であるヘパリンナトリウムを使用しないこと以外は実施例1と同様の方法により製造したグラファイト粉末を、油(流動パラフィン)と重量比7:3で20分間乳鉢中で練り合わせることにより製造したペーストである。
図13に示すように、洗浄済みITOガラス上に4×4 mmの穴をあけたPETフィルム(100μm/枚)を1 枚重ね、そのくぼみにMIP-CP(流動パラフィン)、NIP-CP(流動パラフィン)あるいは MIPグラファイト粉末を充填し、表面は薬包紙で研磨した。
(1−2)電極表面の接触角測定(ヘパリン溶液、生理食塩水あるいは硫酸コンドロイチンC(CSC)溶液浸漬前)
(i)試料台上にMIP-CP電極、NIP-CP電極あるいはMIPグラファイト粉末充填電極を置き、純水をシリンジに充填した。純水を滴下速度4.0 μL/s、滴下量20 μLで自動接触角測定装置により測定試料上に滴下した。
(ii)解析ソフト(SCA20)を用いて液滴の接触角(前進接触角)を計測した。
(iii)電極上の液滴を4.0 μL/sで10 μL吸い取り、(ii)と同様にして接触角(後退接触角)を計測した。
(iv)ドライヤーで液滴を乾燥させ、同じ電極で(i)〜(iii)の操作を合計3 回繰り返した。
(v)電極を変更し、試行回数を3回まで増やした。
(1−3)電極のヘパリン溶液浸漬
電極をセルに固定し、セル内に10 units/mLヘパリン溶液、生理食塩水あるいはCSC溶液を加え10 分間電極を浸漬させた。その後電極上に残った溶液をN2で吹き飛ばし、残った溶液を除去した。ドライヤーを用いて、電極を乾燥させた。
(1−4)電極表面の接触角測定(ヘパリン溶液、生理食塩水あるいはCSC溶液浸漬後)
(1−2)と同様の実験を行った。
(2)結果および考察
(2−1)MIPグラファイト粉末充填電極の接触角測定
グラファイト粉末充填電極の接触角測定を試みた。しかし、液滴は図15のようにMIPグラファイト粉末中に浸み込んでしまった。よって、MIPグラファイト粉末自体の表面親水性が非常に高いことが示された。
(2−2)MIP-CP電極の接触角測定(ヘパリン溶液)
MIP-CP電極の接触角を測定した。
ヘパリン溶液浸漬前後の接触角は以下のようになった。接触角は左右の接触角の平均値としている。図16に示すように、MIP-CP電極にヘパリン溶液に浸漬させると親水性が高くなることが分かる。前進接触角の変化率は‐18 %、後退接触角の変化率は‐23 %であった。
また、親水性の変化は目視でも確認することが出来た(図17及び図18)。
(2−3)MIP-CP電極の接触角測定(生理食塩水)
ヘパリン溶液は、ヘパリンナトリウムを生理食塩水に溶かしたものである。今回の親水性の変化に生理食塩水が関与していないか調べるため、MIP-CP電極を生理食塩水中に浸漬し、浸漬前後での親水性を評価した。図19は生理食塩水浸漬前後でのセンサの親水性変化である。前進接触角の変化率は0.2 %であり、後退接触角の変化率は3 %である。よって生理食塩水は電極の親水性に影響を与えないことが示唆された。
(2−4)MIP-CP電極の接触角測定(CSC溶液)
CSC溶液に電極を浸漬させ、その前後での親水性の変化を調べた。CSC(硫酸コンドロイチンC)はヘパリンの類似物質である。CSC溶液に電極を浸漬させて親水性に変化がなければ、MIPはヘパリンに対して選択的に応答しているということが示唆される。図20はCSC溶液浸漬前後での接触角をまとめたグラフである。前進接触角の変化率は‐2 %であり、後退接触角の変化率は5 %である。よってMIPはヘパリンに対して選択的に応答しているということが示唆された。
(2−5)NIP-CP電極の接触角測定(ヘパリン溶液)
NIP-CP電極のヘパリン溶液浸漬前後での親水性変化を調べた。NIP-CP電極のヘパリン溶液浸漬前後での親水性変化をMIP-CP電極のそれと比較することで、親水性変化にMIPが関与しているかがわかる。図21はNIP-CP電極のヘパリン溶液浸漬前後での親水性変化である。前進接触角の変化率は‐0.3 %であり、後退接触角の変化率は‐5 %であった。よってヘパリン溶液に電極を浸漬した際に起こる親水性変化にMIPが関与していることが示唆された。
(2−6)各電極の接触角のまとめ
それぞれの結果を比較した。前進接触角の結果を図22に示す。MIP-CP電極をヘパリン溶液に浸漬させる条件でしか親水性は大きく変化しない。
後退接触角の結果を図23に示す。後退接触角も、MIP-CP電極をヘパリン溶液に浸漬させる条件でしか親水性は大きく変化しない。
上記の結果から、MIP-CP電極がヘパリンに対して選択応答する理由が、MIPがヘパリンと反応することで親水性が高まりMIPに付着したオイルが後退し、MIPの電極としての有効面積が増大したからであることが実証された。

Claims (13)

  1. 分子インプリント高分子を表面上に有する導電性粒子と、支持体とから構成されるセンサ。
  2. 導電性粒子が、グラファイト粒子である、請求項1に記載のセンサ。
  3. 分子インプリント高分子を表面上に有する導電性粒子が、開始剤を固定化した粒子に、機能性モノマーと架橋性モノマーと測定物質とを接触させて重合させることにより得られる導電性粒子である、請求項1又は2に記載のセンサ。
  4. 機能性モノマーが、カチオン性モノマーである、請求項3に記載のセンサ。
  5. 機能性モノマーが、メタクリル酸エチルトリメチルアンモニウムクロリドである、請求項3又は4に記載のセンサ。
  6. 架橋性モノマーが、メチレンビスアクリルアミドである、請求項3から5の何れか一項に記載のセンサ。
  7. 重合の際に、さらに架橋度調整用モノマーを基板に接触させる、請求項3から6の何れか一項に記載のセンサ。
  8. 架橋度調整用モノマーがアクリルアミドである、請求項7に記載のセンサ。
  9. 測定物質が、ホルモン、抗菌剤、又は抗凝固薬である、請求項1から8の何れか一項に記載のセンサ。
  10. 測定物質が、ヘパリン類、ワルファリン、セロトニン、又はバンコマイシンである、請求項1から9の何れか一項に記載のセンサ。
  11. 請求項1から10の何れか一項に記載のセンサに、測定物質を含有する試料を接触させ、信号の変化を検出することを含む、測定物質の測定方法。
  12. 信号の変化として電流の変化を検出することを含む、請求項11に記載の測定物質の測定方法。
  13. 前記試料が全血または血液成分である、請求項11又は12に記載の測定方法。
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