JPWO2018110481A1 - テラヘルツ波信号解析装置、テラヘルツ波信号解析方法およびテラヘルツ波信号解析用プログラム - Google Patents

テラヘルツ波信号解析装置、テラヘルツ波信号解析方法およびテラヘルツ波信号解析用プログラム Download PDF

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Abstract

テラヘルツ波信号から取得された周波数スペクトルに対し、中心周波数、振幅および幅の少なくとも1つが異なる複数の正規分布関数の合成波形をフィッティングさせるフィッティング処理部13と、当該フィッティングに用いた複数の正規分布関数の中心周波数、振幅および幅の少なくとも1つをパラメータとしてグラフを生成するグラフ生成部14とを備え、試料の特性の違いが波形の特徴となって明確に現れにくい周波数スペクトルを、当該試料の特性を引き継いだ形で複数の正規分布関数の合成波形によって近似し、その近似に用いた複数の正規分布関数のパラメータをもとにグラフを生成することにより、試料の特性に応じた特徴をグラフの形態で分かりやすく可視化できるようにする。

Description

本発明は、テラヘルツ波信号解析装置、テラヘルツ波信号解析方法およびテラヘルツ波信号解析用プログラムに関し、特に、分光装置の光路上に配置した試料を経由したテラヘルツ波の特性を解析する装置に用いて好適なものである。
従来、電磁波の一種であるテラヘルツ波を用いて物質の特性を計測する分光装置が提供されている。分光法は、電磁波により計測される物理量に応じていくつかの方法に分類されるが、その中に吸収分光法や反射分光法がある。吸収分光法では、分光計測の対象となる試料に電磁波を透過させ、試料を通過中に電磁波と試料とが相互作用することによって生じる電磁波の変化から、試料の物理的性質あるいは化学的性質を計測する。また、反射分光法は、光を透過しない材料や光を散乱する材料などの分光測定に利用されるものであり、試料表面からの反射光を解析することによって試料の性質を計測する。
分光計測によって観測される分子の周波数スペクトルは、分子固有のスペクトル構造を持つ。特に、テラヘルツ波を用いた吸収分光法では、水素結合などに起因する分子間振動が観測される。しかしながら、テラヘルツ波に応答して試料に生じる分子間相互作用は複雑な過程を有し、スペクトルが重なり合って明確な特徴が乏しいものとなりがちである。そのため、テラヘルツスペクトルの中のどこに試料の特徴が表れているのか、あるいは、どのような波形に試料の特徴が表れているのかが分かりにくく、その特徴を見つけるのが極めて困難であるという問題があった。
なお、物質内の組織の違いから、透過率や吸光率の差を測定し、これらを可視化するのに好適なテラヘルツ時間領域分光分析用の偏光感受性テラヘルツ波検出器が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の検出器では、2組以上の電極を利用したTHz用アンテナを用いることで、偏光の状態を1回の測定で評価可能にしている。また、微細な中央部開口を形成することで、0.25〜0.8THz帯域の信号であっても偏光状態の検出を可能にしている。
また、吸光度から検量線評価用試料の成分含有量を演算し、その結果を表示する吸光度測定値推定装置も知られている(例えば、特許文献2参照)。この特許文献2に記載の装置では、既知の測定値を持つ測定試料に対して、紫外部、可視部または近赤外部領域の電磁波を照射し、近赤外部の電磁波のみから構成されない2以上の波長の吸収信号値を検知する。そして、当該2以上の波長の吸収信号値を説明変数とするとともに、測定試料の測定値を目的変数として、重回帰分析を行うことによって検量線を求め、この検量線により、未知の測定値を持つ測定試料の2以上の波長の吸収信号値から測定値を推定する。さらに、この推定した測定値と目視法による測定値との相関グラフを求めて表示するようにしている。
特開2015−49096号公報 特開2001−141648号公報
しかしながら、特許文献1には、透過率や吸光率の差をどのように可視化するかの具体的な方法は開示されていない。また、特許文献2に記載の装置では、重回帰分析により求めた検量線から推定した測定値と目視法による測定値との相関グラフを表示するだけであり、これを見ても、試料の特性に応じた特徴を判別することはできない。
本発明は、上述のような問題を解決するために成されたものであり、分光装置によって検出されるテラヘルツ波信号を解析して、試料の特性に応じた特徴を分かりやすく可視化できるようにすることを目的とする。
上記した課題を解決するために、本発明では、テラヘルツ波信号から取得された周波数スペクトルに対し、複数のフィッティング用関数の合成波形をフィッティングさせ、当該フィッティングに用いた複数のフィッティング用関数の性質を定める少なくとも1つの値を用いて、周波数スペクトルとは異なるグラフを生成するようにしている。
上記のように構成した本発明によれば、試料の特性の違いが波形の特徴となって明確に現れにくい周波数スペクトルが、当該試料の特性を引き継いだ形で複数のフィッティング用関数の合成波形によって近似され、その近似に用いた複数のフィッティング用関数のパラメータをもとにグラフが生成される。フィッティング用関数は、その性質を定めるパラメータで特徴を表すことが可能であるため、このパラメータをもとに生成されるグラフは、試料の特性に応じた特徴を分かりやすく可視化したものとなっている。これにより、本発明によれば、分光装置によって検出されるテラヘルツ波信号を解析して、試料の特性に応じた特徴を分かりやすく可視化することができる。
第1の実施形態によるテラヘルツ波信号解析装置の機能構成例を示すブロック図である。 第1の実施形態によるフィッティング処理部の具体的な機能構成例を示す図である。 第1の実施形態の周波数スペクトル取得部により求められる周波数スペクトルの一例を示す図である。 第1の実施形態の間引き処理部による処理内容を説明するための図である。 第1の実施形態の第1のフィッティング処理部による処理内容を説明するための図である。 第1の実施形態の中心周波数特定部による処理内容を説明するための図である。 第1の実施形態の第2のフィッティング処理部による処理内容を説明するための図である。 第1の実施形態のグラフ生成部により生成されるグラフの一例を示す図である。 第1の実施形態のグラフ生成部により生成されるグラフの他の例を示す図である。 第1の実施形態のグラフ生成部により生成されるグラフの他の例を示す図である。 第1の実施形態のグラフ生成部により生成されるグラフの他の例を示す図である。 第1の実施形態によるテラヘルツ波信号解析装置の動作例を示すフローチャートである。 第2の実施形態によるテラヘルツ波信号解析装置の機能構成例を示すブロック図である。 第2の実施形態によるグラフ生成部により生成されるグラフの一例を示す図である。 第2の実施形態によるフィッティング処理部の具体的な 第2の実施形態による第2のグラフ生成部により生成されるグラフの一例を示す図である。機能構成例を示す図である。 第2の実施形態によるテラヘルツ波信号解析装置の動作例を示すフローチャートである。 第2の実施形態によるテラヘルツ波信号解析装置の他の機能構成例を示すブロック図である。
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、第1の実施形態によるテラヘルツ波信号解析装置の機能構成例を示すブロック図である。第1の実施形態によるテラヘルツ波信号解析装置101は、分光装置20によって検出される試料のテラヘルツ波信号を解析するものであって、その機能構成として、周波数スペクトル取得部11、間引き処理部12、フィッティング処理部13およびグラフ生成部14を備えている。
上記各機能ブロック11〜14は、ハードウェア、DSP(Digital Signal Processor)、ソフトウェアの何れによっても構成することが可能である。例えばソフトウェアによって構成する場合、上記各機能ブロック11〜14は、実際にはコンピュータのCPU、RAM、ROMなどを備えて構成され、RAMやROM、ハードディスクまたは半導体メモリ等の記録媒体に記憶されたテラヘルツ波信号解析用プログラムが動作することによって実現される。
周波数スペクトル取得部11は、分光装置20により検出されるテラヘルツ波信号をもとに、周波数に対する吸光度を表した周波数スペクトルを求めるものである。分光装置20は、光路上に配置した計測対象の試料にテラヘルツ波を透過または反射させ、そのように試料に作用させたテラヘルツ波を検出するものである。本実施形態では、この分光装置20として、公知の種々のタイプのものを用いることが可能である。
図3は、周波数スペクトル取得部11により求められる周波数スペクトルの一例を示す図である。この周波数スペクトルは、性質の異なる試料毎に異なる波形となるが、波形の中のどこに試料の特徴が表れているのか、あるいは、どのような波形に試料の特徴が表れているのかが分かりにくいものとなっている。本実施形態のテラヘルツ波信号解析装置101は、この周波数スペクトルを解析することにより、試料の特性に応じた特徴を分かりやすく可視化するものである。
間引き処理部12は、周波数スペクトル取得部11により求められた周波数スペクトルにおける各周波数に対する吸光度データのうち、試料以外の水蒸気によってテラヘルツ波の吸収が大きくなる周波数における極値を間引きする。分光装置20の光路上には、試料以外に水蒸気が存在する。テラヘルツ波は、水蒸気にも吸収されるため、取得した周波数スペクトルの中に水蒸気の特性が含まれている可能性がある。そこで、間引き処理部12は、水蒸気によるテラヘルツ波の吸収が大きくなる周波数における極値を間引きする処理を行う。
なお、どの周波数において水蒸気によるテラヘルツ波の吸収が大きくなるかについては、例えば、NICT(国立研究開発法人 情報通信研究機構)から提供されているデータを用いて特定することが可能である。NICTは、テラヘルツ波通信のために、空気(水蒸気を含む)の電波減衰率のデータを公開している。このデータを用いることにより、水蒸気によるテラヘルツ波の吸収が大きくなる周波数を特定することが可能である。
図4は、間引き処理部12による処理内容を説明するための図である。この図4は、周波数スペクトルの吸光度データと、周波数毎の電波減衰率を吸光度に換算したデータとを重ねて示したものである。間引き処理部12は、図4に示した周波数スペクトルの各周波数に対する吸光度データのうち、NICTのデータから換算される吸光度が設定閾値以上となる周波数の極値(□印で示す)を間引きする処理を行う。なお、ここでは電波減衰率を吸光度に換算した上で、その吸光度が設定閾値以上となる周波数の極値を間引きする例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、電波減衰率が設定閾値以上となる周波数の極値を間引きするようにしてもよい。
なお、真空環境あるいはそれと同等の水蒸気が非常に少ない環境を構築し、その環境内に分光装置20を設置することも可能である。このようにした場合、間引き処理部12は省略することが可能である。
フィッティング処理部13は、周波数スペクトル取得部11により求められた周波数スペクトルに対し、中心周波数、振幅および幅の少なくとも1つが異なる複数の正規分布関数の合成波形をフィッティングさせる。本実施形態では、フィッティング処理部13は、間引き処理部12により間引きされた後の複数の吸光度データに対し、複数の正規分布関数の合成波形をフィッティングさせる処理を行う。
すなわち、フィッティング処理部13は、複数の正規分布波形の重なりで周波数スペクトルを近似できるという前提のもと、周波数スペクトルの各周波数における吸光度データ(間引き処理部12により間引きされた後の複数の吸光度データ)と、それに対応する各周波数における合成波形の値との残差が最小化するような複数の正規分布関数を、中心周波数、振幅および幅を変数とする最適化計算により算出する。
本実施形態では、フィッティングに用いる関数の一例として、正規分布関数(ガウス関数)を用いる。また、正規分布関数の幅の一例として、1/e幅を用いる。また、本実施形態では、合成する正規分布関数の数を任意に設定することができるようにしている。後述するように、本実施形態では周波数スペクトルの解析結果をレーダーグラフの形態にて提供するが、フィッティングに使用する正規分布関数の数は、レーダーグラフの軸の数よりも多くなるように設定するのが好ましい。
図2は、フィッティング処理部13の具体的な機能構成例を示す図である。図2に示すように、フィッティング処理部13は、より具体的な機能構成として、第1のフィッティング処理部13A、中心周波数特定部13Bおよび第2のフィッティング処理部13Cを備えている。ここで、本実施形態では、分光装置20により複数の試料のテラヘルツ波信号を検出して、それぞれのテラヘルツ波信号に対して周波数スペクトル取得部11、間引き処理部12およびフィッティング処理部13の処理を行うものとする。
第1のフィッティング処理部13Aは、複数の試料について求められた複数の周波数スペクトルのそれぞれ毎に、中心周波数、振幅および幅をパラメータとし、少なくとも中心周波数が異なる複数の正規分布関数の合成波形で周波数スペクトルに対するフィッティングを行う。
図5は、第1のフィッティング処理部13Aによる処理内容を説明するための図である。なお、この図5は、1つの試料の周波数スペクトルに関してフィティングを行った状態の一例を示している。図5に示すように、第1のフィッティング処理部13Aは、周波数スペクトルの各周波数における吸光度の値(□印で示す)と、中心周波数、振幅および幅をパラメータとして可変設定した複数の正規分布関数(ガウス1〜6)の合成波形上の各周波数における値との残差が最小化するように最適化計算を行う。
中心周波数特定部13Bは、第1のフィッティング処理部13Aによる複数の周波数スペクトルに対する複数回のフィッティングに用いた正規分布関数の各中心周波数をグループ化し、各グループ内から代表の中心周波数を特定する。例えば、中心周波数特定部13Bは、フィッティング処理によって求められた複数の正規分布関数の各中心周波数が固まりとなっている単位でグループ化し、各グループ内から1つまたは複数の代表の中心周波数をそれぞれ特定することにより、合計n個の中心周波数を特定する。
図6は、中心周波数特定部13Bによる処理内容を説明するための図である。図6は、複数の試料から求められた複数の周波数スペクトルをもとに第1のフィッティング処理部13Aにより求められた複数の正規分布関数の各中心周波数における値と、当該複数の周波数スペクトルにおける吸光度の値で上記各中心周波数に対応する周波数おける値との残差を示したものである。
図6に示すように、0.2〜0.4THzの辺りに複数の中心周波数が固まりとして存在し、0.5〜0.7THzの辺りに複数の中心周波数が固まりとして存在し、0.8〜1.4THzの辺りに複数の中心周波数が固まりとして存在し、1.5〜2.8THzの辺りに複数の中心周波数が固まりとして存在する。中心周波数特定部13Bは、このような中心周波数の固まり毎に、4つのグループGr1〜Gr4を設定する。
そして、中心周波数特定部13Bは、各グループGr1〜Gr4の中から、1つまたは複数の代表の中心周波数を特定する。代表周波数の特定方法は、任意に設定することが可能である。例えば、グループ内で複数の中心周波数が最も多く集中している1つの周波数を代表として特定することが可能である。あるいは、グループ内に属する複数の中心周波数の平均値を算出し、その平均値に最も近い1つの中心周波数を代表として特定するようにしてもよい。また、グループGr3,Gr4のように、グループの周波数範囲が広く、複数の中心周波数が比較的広く分散しているグループに関しては、等間隔で複数の中心周波数を代表として特定するようにしてもよい。
なお、中心周波数の固まり毎にグループ化をする際に、残差の値が所定値よりも小さくなっている中心周波数のみを用いるようにしてもよい。
第2のフィッティング処理部13Cは、複数の試料について求められた複数の周波数スペクトルのそれぞれ毎に、中心周波数特定部13Bにより特定されたn個の中心周波数を固定して振幅および幅をパラメータとし、n個の正規分布関数の合成波形で周波数スペクトルに対するフィッティングを再度行う。すなわち、第2のフィッティング処理部13Cは、周波数スペクトルの各周波数における吸光度の値と、それに対応する各周波数における合成波形の値との残差が最小化するようなn個の正規分布関数(中心周波数は中心周波数特定部13Bにより特定されたもの)を、振幅および幅を変数とする最適化計算により算出する。
図7は、第2のフィッティング処理部13Cによる処理内容を示す波形図である。なお、この図7は、図5と同様、1つの試料の周波数スペクトルに関してフィティングを行った状態の一例を示している。また、この図7は、図6に示したグループGr1から0.3THz、グループGr2から0.6THz、グループGr3から等間隔に0.9THz,1.2THz、グループGr4から1.8THzの5つの中心周波数を中心周波数特定部13Bにより特定した場合の例を示している。グループGr4に関しては、周波数範囲がかなり広く、複数の中心周波数が広範囲に分散しているので、ノイズが含まれる可能性が高いとして、代表として1つのみ中心周波数を特定している。
図7に示すように、第2のフィッティング処理部13Cは、周波数スペクトルの各周波数における吸光度の値と、振幅および幅をパラメータとして可変設定したn個の正規分布関数(ガウス1〜5)の合成波形上の各周波数における値との残差が最小化するように最適化計算を行う。
グラフ生成部14は、第2のフィッティング処理部13Cによるフィッティングに用いたn個の正規分布関数の中心周波数、振幅および幅の少なくとも1つを用いて、周波数スペクトルとは異なるグラフを生成する。例えば、グラフ生成部14は、n個の正規分布関数ごとに、中心周波数における振幅および1/e幅から正規分布波形の所定領域(1/e幅となる振幅以上の振幅を有する波形領域)の面積を算出し、中心周波数と面積との関係を示したグラフを生成する。このグラフは、正規分布関数の中心周波数、振幅および幅の3つ全てを用いて生成したものと言える。
より具体的には、グラフ生成部14は、図8に示すように、n個の中心周波数をn個の軸とし、面積を各軸の値として示したレーダーグラフを生成する。図8のレーダーグラフは、中心周波数特定部13Bにより0.3THz,0.6THz,0.9THz,1.2THz,1.8THzの5つの中心周波数を特定した場合に生成されるグラフの例を示している。
図8(a)に示すレーダーグラフは、ある1つの試料に関するテラヘルツ波信号から生成したものである。図8(b)に示すレーダーグラフは、別の試料に関するテラヘルツ波信号から生成したものである。このように、グラフ生成部14により生成されるグラフは、試料の特性の違いを反映したものであり、その特性の違いがグラフの形状の違いとなって明確に現れる。これにより、試料の特性に応じた特徴を、グラフの形態で分かりやすく可視化することができる。例えば、従前は人間の感覚でしか捉えることのできなかった試料の特徴を、レーダーグラフの形状として客観的に可視化することも可能である。
なお、複数のテラヘルツ波信号から生成した複数のレーダーグラフを重ねて可視化するようにしてもよい。図9は、その一例を示す図である。図9に示す例は、純水にエタノールを10%混合した水溶液を試料として用い、混合後30分を経過したときの試料、混合後60分を経過したときの試料、混合後24時間を経過したときの試料について、それぞれレーダーグラフを生成して重ねて可視化したものである。この例では、エタノールの混合の度合が進むにつれて、水溶液の特性がどのように変化するかを可視化している。
上記図9の例は、1つの試料(エタノール水溶液)の時間経過に伴う状態変化を複数のレーダーグラフにて表したものであるが、複数の試料から生成した複数のレーダーグラフを重ねて可視化するようにしてもよい。この場合、複数の試料が同じ特性を持つものであれば、生成される複数のレーダーグラフは、ほぼ同じ形状として重なり合う。一方、複数の試料が異なる特性を持つものであれば、生成されるレーダーグラフは異なる形状となる。
これにより、特性が未知の複数の試料についてレーダーグラフを生成することにより、それらの試料が互いに同じ特性を持つものか、異なる特性を持つものかの判定を容易に行うことができる。また、特性が既知の1つの試料および特性が未知の複数の試料のそれぞれからレーダーグラフを生成することにより、既知の特性と同じ特性を持った試料の同定を行うことも容易にできる。
なお、生成するグラフの形態は、レーダーグラフに限定されない。例えば、図10に示すように、横軸を中心周波数、縦軸を面積として、中心周波数と面積との関係を折れ線グラフとして生成するようにしてもよい。また、折れ線に代えて棒グラフ、散布グラフなどを生成するようにしてもよい。
また、ここでは、振幅および幅から面積を算出し、中心周波数と面積との関係を示したグラフを生成する例について説明しているが、これに限定されない。例えば、縦軸を振幅、横軸を幅、中心周波数を円の大きさで表したバブルグラフを生成するようにしてもよい。
また、中心周波数、振幅および幅のうち、何れか2つを用いてグラフを生成するようにしてもよい。例えば、n個の正規分布関数については、何れも中心周波数が共通しているので、中心周波数はグラフの要素には取り入れず、振幅と幅との関係を示したグラフ(レーダーグラフ、折れ線グラフ、棒グラフ、散布グラフなど)を生成するようにしてもよい。あるいは、中心周波数ごとの振幅の大きさ、または中心周波数ごとの幅の大きさを円グラフにより生成するようにしてもよい。
その他、図11に示すようなグラフを生成するようにしてもよい。図11(a)は、n個の中心周波数をn個の軸とし、正規分布関数の面積を各軸の長さで表すとともに、軸の先端に描いた円形の大きさで正規分布関数の幅(1/e幅など)を表したものである。図11(b)は、n個の中心周波数をn個の軸とし、中心周波数における振幅を各軸の長さで表すとともに、軸の先端に描いた円形の大きさで正規分布関数の幅(1/e幅など)を表したものである。図11(c)は、n個の中心周波数をn個の軸とし、各軸の交差部分(原点位置)に描いた円形の大きさで全吸収量を表し、規格化された正規分布関数の面積を各軸の長さで表すとともに、軸の先端に描いた円形の大きさで規格化された正規分布関数の幅を表したものである。
図12は、以上のように構成した第1の実施形態によるテラヘルツ波信号解析装置101の動作例を示すフローチャートである。まず、周波数スペクトル取得部11は、ある1つの試料について分光装置20により検出されるテラヘルツ波信号をもとに、周波数に対する吸光度を表した周波数スペクトルを取得する(ステップS1)。
次いで、間引き処理部12は、NICTの電波減衰率のデータを利用して、周波数スペクトル取得部11により求められた周波数スペクトルにおける各周波数に対する吸光度データのうち、水蒸気によってテラヘルツ波の吸収が大きくなる周波数における極値を間引きする(ステップS2)。
そして、第1のフィッティング処理部13Aは、正規分布関数の中心周波数、振幅および幅をパラメータとした最適化計算を行うことにより、少なくとも中心周波数が異なる複数の正規分布関数の合成波形によって、ステップS1で取得した周波数スペクトルに対するフィッティングを行う(ステップS3)。これにより、当該周波数スペクトルを最もよく近似する複数の正規分布関数を求める。
ここで、周波数スペクトル取得部11は、解析対象とする複数の試料の全てについて、ステップS1〜S3の処理を行ったか否かを判定する(ステップS4)。ここで言う解析対象とする複数の試料とは、図6のように中心周波数を特定する際に使用する複数の試料のことである。全ての試料についてステップS1〜S3の処理が終わっていない場合、処理はステップS1に戻り、次の試料に関するテラヘルツ波信号を対象として、ステップS1〜S3の処理を行う。
一方、解析対象とする複数の試料の全てについてステップS1〜S3の処理が終わった場合、中心周波数特定部13Bは、ステップS1〜S3のループ処理において複数回のフィッティングに用いた複数の正規分布関数の各中心周波数をグループ化し、各グループ内から代表の中心周波数を特定する(ステップS5)。これにより、n個の中心周波数を特定する。
次に、第2のフィッティング処理部13Cは、ループ処理によってステップS1で取得された複数の周波数スペクトルの中の1つについて、中心周波数特定部13Bにより特定されたn個の中心周波数を固定し、振幅および幅をパラメータとした最適化計算を行うことにより、n個の正規分布関数の合成波形で周波数スペクトルに対するフィッティングを再度行う(ステップS6)。これにより、当該周波数スペクトルを最もよく近似するn個の正規分布関数を求める。
ここで、第2のフィッティング処理部13Cは、ループ処理によってステップS1で取得された複数の周波数スペクトルの全てについて、ステップS6で第2のフィッティング処理を行ったか否かを判定する(ステップS7)。全ての周波数スペクトルについて第2のフィッティング処理が終わっていない場合、処理はステップS6に戻り、次の試料の周波数スペクトルを対象として、第2のフィッティング処理を行う。
一方、複数の周波数スペクトルの全てについて第2のフィッティング処理を行った場合、グラフ生成部14は、何れかの試料を指定するユーザ操作を受け付ける(ステップS8)。指定する試料は、1つでもよいし、複数でもよい。グラフ生成部14は、ステップS8で指定された試料に関して、第2のフィッティング処理部13Cによるフィッティングに用いたn個の正規分布関数の中心周波数、振幅および幅の少なくとも1つを用いて、グラフを生成する(ステップS9)。
なお、この図12に示すフローチャートでは、複数の試料に関する周波数スペクトルの全てについて第2のフィッティング処理を行った後、グラフ生成対象とする何れかの試料を指定する例について説明したが、これに限定されない。例えば、グラフ生成対象とする何れかの試料を指定した後、指定された試料に関する周波数スペクトルについてのみ、第2のフィッティング処理を行うようにしてもよい。
以上詳しく説明したように、第1の実施形態では、テラヘルツ波信号から取得された周波数スペクトルに対し、中心周波数、振幅および幅の少なくとも1つが異なる複数の正規分布関数の合成波形をフィッティングさせ、当該フィッティングに用いた複数の正規分布関数の中心周波数、振幅および幅の少なくとも1つを用いてグラフを生成するようにしている。
このように構成した第1の実施形態によれば、試料の特性の違いが波形の特徴となって明確に現れにくい周波数スペクトルが、当該試料の特性を引き継いだ形で複数の正規分布関数の合成波形によって近似され、その近似に用いた複数の正規分布関数のパラメータをもとにグラフが生成される。正規分布関数は、中心周波数、振幅および幅といったパラメータでその特徴を表すことが可能であるため、このパラメータをもとに生成されるグラフは、試料の特性に応じた特徴を分かりやすく可視化したものとなっている。これにより、本実施形態のテラヘルツ波信号解析装置101によれば、分光装置20によって検出されるテラヘルツ波信号を解析して、試料の特性に応じた特徴を分かりやすく可視化することができる。
なお、上記第1の実施形態では、複数の試料に関する周波数スペクトルについて第1のフィッティング処理を行った後、n個の中心周波数を特定して第2のフィッティング処理を行う例について説明したが、第1のフィッティング処理のみとしてもよい。この場合、グラフ生成部14は、第1のフィッティング処理部13Aによる最適化計算によって求められた複数の正規分布関数の中心周波数、振幅および幅の少なくとも1つを用いてグラフを生成する。この場合、n個の中心周波数を特定する必要がないので、複数の試料に関する周波数スペクトルについて第1のフィッティング処理を行うことは必須ではなく、特性を解析したい1つの周波数スペクトルについてのみ第1のフィッティング処理を行うようにしてもよい。なお、上記実施形態のように第2のフィッティング処理も行った方が、ノイズを抑制できる点で好ましい。以上の変形例は、後述する第2の実施形態にも同様に適用可能である。
また、上記第1の実施形態では、フィッティングに用いる関数の一例として正規分布関数(ガウス関数)を用いたが、ローレンツ関数を用いても実現可能である。また、中心対称ではない、非対称な形であるポアソン分布の関数(確率質量関数、累積分布関数)やカイ二乗分布の関数(確率密度関数、累積分布関数)などの確率分布関数を用いてもよいし、波形形状が山型となるその他の関数を用いるようにしてもよい。確率分布関数を用いる場合は、確率分布の性質を表す値(例えば、振幅の中央値または最頻値、当該振幅値が得られる周波数、振幅が所定値以上または所定値以下となる周波数幅など)をパラメータとしてフィッティングを行う。山型の関数を用いる場合は、頂点となる最大振幅、当該最大振幅が得られる周波数、振幅が所定値以上または所定値以下となる周波数幅などをパラメータとしてフィッティングを行う。以上の変形例は、後述する第2の実施形態にも同様に適用可能である。
また、上記第1の実施形態では、テラヘルツ波信号の特性値として吸光度を用い、周波数に対する吸光度を表した周波数スペクトルを求める例について説明したが、透過率などの他の特性値を用いてもよい。以上の変形例は、後述する第2の実施形態にも同様に適用可能である。
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態を図面に基づいて説明する。図13は、第2の実施形態によるテラヘルツ波信号解析装置102の機能構成例を示すブロック図である。第2の実施形態によるテラヘルツ波信号解析装置102は、分光装置20によって検出される試料のテラヘルツ波信号を解析するものであって、その機能構成として、周波数スペクトル取得部21、間引き処理部22、フィッティング処理部23、グラフ生成部24、グラフフィッティング処理部25および第2のグラフ生成部26を備えている。
上記各機能ブロック21〜26は、ハードウェア、DSP、ソフトウェアの何れによっても構成することが可能である。例えばソフトウェアによって構成する場合、上記各機能ブロック21〜26は、実際にはコンピュータのCPU、RAM、ROMなどを備えて構成され、RAMやROM、ハードディスクまたは半導体メモリ等の記録媒体に記憶されたテラヘルツ波信号解析用プログラムが動作することによって実現される。
周波数スペクトル取得部21は、第1の実施形態で説明した周波数スペクトル取得部11と同様、分光装置20により検出されるテラヘルツ波信号をもとに、周波数に対する吸光度を表した周波数スペクトルを求めるものである。ただし、第2の実施形態では、分光装置20においてテラヘルツ波を検出する試料として、両親媒性分子を有する所定物質の濃度を変えて生成した複数の所定物質混合水溶液を用いる。すなわち、周波数スペクトル取得部21は、所定物質混合水溶液から成る複数の試料について分光装置20によってそれぞれ検出される複数のテラヘルツ波信号をもとに、周波数スペクトルを所定物質の濃度ごとに求める。
ここで、所定物質とは、例えば、界面活性剤(乳化剤とも呼ばれる)である。界面活性剤は、親水基と疎水基とが結合した両親媒性分子を有する。界面活性剤混合水溶液では、混合比や濃度によって、両親媒性分子が、球状の構造体であるミセルやベシクルなど様々な会合体を自発的に形成する。ミセルとベシクルは、その内部に他の分子を包み込むことができるため、石鹸や化粧品、食品分野などの身近な応用だけでなく、人工血液やドラッグデリバリー等の医療分野への応用が期待されている。
複数の両親媒性分子が溶液内で形成するミセルやベシクルは、分子間の結合状態に強い相関があり、溶液の混合状態を正確に把握する上で、その直接的な観測手法が望まれていた。従来、液体試料の分析に頻繁に使用されている液体クロマトグラフ装置では、混合状態にある溶液内の分子を単離することで成分分子を分析することはできるが、混合状態にある複数の分子が混在することで作り出す固有の状態を捉えることはできなかった。赤外分光やNMRでは巨大な分子の弱い会合に対して適切な情報を得ることが難しい。
ミセルやベシクルは、疎水的相互作用、静電的相互作用、水素結合などの分子間相互作用だけで形成される分子集合体であり、外乱要因で状態が容易に変化する。溶液のほんの一部を取り出し、顕微鏡でその変化後の形状を捉えることは可能であるが、より多くの濁った濃厚溶液をリアルタイム観測することは難しい。そのため、ミセルやベシクルの状態を直接観測することができないため、間接的な観測手段や経験に依存した研究開発や製造が行われていた。これにより、球構造をとらない両親媒性分子とミセルとの間、ミセルとベシクルとの間の転移の挙動が現状では十分に把握することができていない。
このように実情に対し、第2の実施形態によるテラヘルツ波信号解析装置102は、両親媒性分子とミセルとの間の転移の挙動を示すミセル臨界濃度、ミセルとベシクルとの間の転移の挙動を示すベシクル臨界濃度を容易に検出できるようにしたものである。なお、ここでは、両親媒性分子を有する所定物質として界面活性剤を例示しているが、これに限定されるものではない。すなわち、両親媒性分子を有してミセルやベシクルの状態をとり得る物質であればよい。
間引き処理部22は、第1の実施形態で説明した間引き処理部12と同様、周波数スペクトル取得部21により求められた周波数スペクトルにおける各周波数に対する吸光度データのうち、試料以外の水蒸気によってテラヘルツ波の吸収が大きくなる周波数における極値を間引きする処理を行う。特に、第2の実施形態では、間引き処理部22は、界面活性剤の濃度が異なる複数の界面活性剤混合水溶液ごとに周波数スペクトル取得部21により求められた複数の周波数スペクトルのそれぞれについて、個別に間引き処理を行う。
フィッティング処理部23は、第1の実施形態で説明したフィッティング処理部13と同様、周波数スペクトル取得部21により求められた周波数スペクトルに対し、中心周波数、振幅および幅の少なくとも1つが異なる複数の正規分布関数の合成波形をフィッティングさせる処理を行う。特に、第2の実施形態では、フィッティング処理部23は、界面活性剤の濃度が異なる複数の界面活性剤混合水溶液ごとに周波数スペクトル取得部21により求められた複数の周波数スペクトルに対するフィッティング処理を、界面活性剤の濃度ごとに実行する。
すなわち、フィッティング処理部23は、ある1つの濃度の界面活性剤混合水溶液に関する周波数スペクトルの各周波数における吸光度データ(間引き処理部22により間引きされた後の複数の吸光度データ)と、それに対応する各周波数における合成波形の値との残差が最小化するような複数の正規分布関数を、中心周波数、振幅および幅を変数とする最適化計算により算出する。これを複数の濃度の周波数スペクトルについて個別に行う。
図15は、フィッティング処理部23が備える具体的な機能構成例を示すブロック図である。図15に示すように、フィッティング処理部23は、より具体的な機能構成として、第1のフィッティング処理部23A、中心周波数特定部23Bおよび第2のフィッティング処理部23Cを備えている。
第1のフィッティング処理部23Aは、濃度を変えて生成した複数の界面活性剤混合水溶液について求められた複数の周波数スペクトルのそれぞれ毎に、中心周波数、振幅および幅をパラメータとし、少なくとも中心周波数が異なる複数の正規分布関数の合成波形で周波数スペクトルに対するフィッティングを行う。この処理は、図5を例示して説明したのと同様である。
中心周波数特定部23Bは、第1のフィッティング処理部23Aが複数の濃度の周波数スペクトルに対して複数回のフィッティングを行う際に用いた正規分布関数の各中心周波数をグループ化し、各グループ内から1つまたは複数の代表の中心周波数を特定することにより、合計n個の中心周波数を特定する。
第2のフィッティング処理部23Cは、複数の濃度の界面活性剤混合水溶液について求められた複数の周波数スペクトルのそれぞれ毎に、中心周波数特定部23Bにより特定されたn個の中心周波数を固定して振幅および幅をパラメータとしたn個の正規分布関数を用いて、当該n個の正規分布関数の合成波形で周波数スペクトルに対するフィッティングを再度行う。
グラフ生成部24は、第1の実施形態で説明したグラフ生成部14と同様、フィッティングに用いた複数の正規分布関数の性質を定める少なくとも1つの値を用いて、周波数スペクトルとは異なるグラフを生成する。ただし、第2の実施形態では、グラフ生成部24は、試料として用いた複数の界面活性剤混合水溶液が含有する界面活性剤の濃度ごとに、正規分布関数の中心周波数における振幅および所定の幅(例えば、1/e幅)から、正規分布波形の所定領域(1/e幅となる振幅以上の振幅を有する波形領域)の面積(特許請求の範囲の指標値に相当)を算出し、界面活性剤の濃度と面積とを2方向の軸とする明示的または黙示的なグラフを生成する。本実施形態では、フィッティング処理部23においてn個の中心周波数を特定しているので、それぞれの中心周波数ごとに、界面活性剤の濃度と面積とを2方向の軸とするグラフを生成する。このグラフは、正規分布関数の中心周波数における振幅および所定の幅の2つを用い、さらに界面活性剤の濃度を用いて生成したグラフと言える。
ここで、明示的なグラフとは、人間が目で見て確認できる状態に可視化したグラフを意味する。また、黙示的なグラフとは、コンピュータが内部的な処理として生成したグラフを意味し、必ずしも人間が目で見て確認できる状態に可視化することを必須としないものである。なお、ここでは、グラフ生成部24は、明示的なグラフを生成するものとして説明する。
図14は、グラフ生成部24により生成されるグラフの一例を示す図である。図14に示すグラフは、界面活性剤の濃度を横軸、正規分布関数の中心周波数における振幅および1/e幅から算出された面積を縦軸として、各濃度に対する各面積の値をプロットしたグラフである。ここでは、フィッティング処理部23により0.6THz,1.2THz,1.7THz,2.1THzの4つの中心周波数が特定された場合に生成されるグラフの例を示している。
図14の例は、0.01[g/L]刻みで0〜0.1[g/L]の11個の濃度の界面活性剤混合水溶液を対象として、分光装置20によってそれぞれ検出された11個のテラヘルツ波信号の解析結果を示している。すなわち、図14は、横軸に11個の濃度をとり、縦軸に面積をとった座標平面上に、各濃度に対する各面積の値をプロットしたグラフを示している。
グラフフィッティング処理部25は、グラフ生成部24により生成されたグラフを濃度の軸方向に複数の領域に分割する。そして、分割した領域ごとに、領域内に含まれる各濃度に対する各面積の値に対し、濃度と面積との関係を示す所定のグラフフィッティング用関数の値をフィッティングさせる。このとき、グラフフィッティング処理部25は、領域を分割する境界の濃度およびグラフフィッティング用関数の係数を変数として、各濃度に対する各面積の値とグラフフィッティング用関数の値との残差を最小化する最適化計算を行うことにより、フィッティング処理を行う。
例えば、グラフフィッティング処理部25は、グラフ生成部24により生成されたグラフを、濃度の軸方向に2つの領域に分割する。そして、分割した2つの領域(以下、それぞれの領域を低濃度領域および高濃度領域という)ごとに、領域内に含まれる各濃度に対する各面積の値に対し、所定のグラフフィッティング用関数の値をフィッティングさせる。
本実施形態では、所定のグラフフィッティング用関数として、例えば次の(式1)に示すような2次関数を用いる。ただし、これに限定されるものではない。
i(x)=aix2+bi x+ci (i=1,2) ・・・(式1)
ここで、iは分割した領域の番号を示し、i=1が低濃度領域、i=2が高濃度領域に相当する。xは界面活性剤の濃度、Si(x)はi番目の領域内に含まれる濃度xについて算出される面積相当値、ai,bi ,ciは、i番目のグラフフィッティング用関数の係数を示す。
グラフフィッティング処理部25は、領域を分割する境界の濃度D(0<D<0.1[g/L]の任意の値。以下、境界濃度Dという)と、当該境界濃度Dによって分割された2つの領域におけるグラフフィッティング用関数Si(x)の係数ai,bi ,ciとを変数として、各濃度xに対する各面積の値(グラフ上にプロットされた値)と、各濃度xに対するグラフフィッティング用関数Si(x)の値との残差を最小化する最適化計算を行う。
例えば、境界濃度Dを0.04[g/L]とすると、低濃度領域内に含まれる濃度xは0,0.01,0.02.0.03,0.04[g/L]の5つ、高濃度領域内に含まれる濃度xは0.05,0.06.0.07,0.08,0.09.0.1[g/L]の6つとなる。この場合、グラフフィッティング処理部25は、低濃度領域のグラフフィッティング用関数S1(x)の係数a1,b1 ,c1を変数として、低濃度領域内に含まれる5つの濃度x(0〜0.04[g/L])に対する各面積の値(濃度xの界面活性剤混合水溶液を解析した結果得られる面積の値で、グラフ上にプロットされた値)に対し、低濃度領域のグラフフィッティング用関数S1(x)の値をフィッティングさせる。すなわち、低濃度領域内に含まれる5つの濃度xに対する各面積の値(グラフ上にプロットされた値)と、各濃度xに対するグラフフィッティング用関数S1(x)の値との残差を最小化するような係数をa1,b1 ,c1を求める。
同様に、グラフフィッティング処理部25は、高濃度領域のグラフフィッティング用関数S2(x)の係数a2 ,b2 ,c2を変数として、高濃度領域内に含まれる6つの濃度x(0.05〜0.1[g/L])に対する各面積の値(グラフ上にプロットされた値)に対し、高濃度領域のグラフフィッティング用関数S2(x)の値をフィッティングさせる。すなわち、高濃度領域内に含まれる6つの濃度xに対する各面積の値(グラフ上にプロットされた値)と、各濃度xに対するグラフフィッティング用関数S2(x)の値との残差を最小化するような係数をa2,b2 ,c2を求める。
さらに、グラフフィッティング処理部25は、低濃度領域において最小化された残差と、高濃度領域において最小化された残座との合計値を算出する。グラフフィッティング処理部25は、境界濃度Dを変数として最適化計算を行うことにより、低濃度領域の残差および高濃度領域の残差の合計値が最小となるような境界濃度Dを求める。このような最適化計算により算出された境界濃度Dと、その境界濃度Dにおいて2つに分割された各領域におけるグラフフィッティング用関数Si(x)の係数ai ,bi ,ciが、グラフフィッティング処理部25のアウトプットとなる。
第2のグラフ生成部26は、グラフフィッティング処理部25の最適化計算により求められた境界濃度Dおよびグラフフィッティング用関数Si(x)の係数ai ,bi ,ciに従い、当該境界濃度Dで分割された2つの領域(低濃度領域および高濃度領域)において、グラフフィッティング用関数Si(x)により示されるグラフを生成する。
図16は、第2のグラフ生成部26により生成されるグラフの一例を示す図である。図16に示すグラフは、界面活性剤の濃度を横軸、正規分布関数の中心周波数における振幅および1/e幅から算出された面積を縦軸とする座標平面において、図14に示した各プロットの値をもとにグラフフィッティング処理部25により算出された境界濃度Dを境として、2つのグラフフィッティング用関数Si(x)により示される曲線を左右に示したグラフである。
この図16は、残差を最小化する境界濃度Dが0.04[g/L]であることがグラフフィッティング処理部25により求められた場合のグラフを示している。図16の例においても図14と同様、フィッティング処理部23により特定された複数の中心周波数(0.6THz,1.2THz,1.7THz,2.1THz)のそれぞれについて、グラフフィッティング用関数Si(x)の曲線を示している。
ここで、1.2THzについて描かれた曲線および2.1THzについて描かれた曲線に着目すると、境界濃度D(0.04[g/L])における2つのグラフフィッティング用関数S1(x),S2(x)の値は同じで、低濃度領域のグラフフィッティング用関数S1(x)の曲線と、高濃度領域のグラフフィッティング用関数S2(x)の曲線とが連続している。
これに対し、0.6THzについて描かれた曲線および1.7THzについて描かれた曲線に着目すると、境界濃度Dにおける2つのグラフフィッティング用関数S1(x),S2(x)の値が所定値以上乖離していることが分かる。すなわち、0.6THzについて描かれた2つのグラフフィッティング用関数S1(x),S2(x)の曲線については、境界濃度Dにおける低濃度領域のグラフフィッティング用関数S1(D)の値と、境界濃度Dにおける高濃度領域のグラフフィッティング用関数S2(D)の値との差は0.03ほどあり、低濃度領域のグラフフィッティング用関数S1(x)の曲線と、高濃度領域のグラフフィッティング用関数S2(x)の曲線とは非連続となっている。
また、1.7THzについて描かれた2つのグラフフィッティング用関数S1(x),S2(x)の曲線については、境界濃度Dにおける低濃度領域のグラフフィッティング用関数S1(D)の値と、境界濃度Dにおける高濃度領域のグラフフィッティング用関数S2(D)の値との差は0.06ほどあり、低濃度領域のグラフフィッティング用関数S1(x)の曲線と、高濃度領域のグラフフィッティング用関数S2(x)の曲線とは非連続となっている。
このように、境界濃度Dにおける2つのグラフフィッティング用関数S1(x),S2(x)の値が所定値以上乖離している場合(あるいは、2つのグラフフィッティング用関数S1(x),S2(x)が非連続である場合)、その境界濃度Dにおいて、低濃度領域側と高濃度領域側とで界面活性剤混合水溶液の性質が急激に変わっていることを示していると言える。よって、このような性質を持つ境界濃度Dは、界面活性剤混合水溶液の臨界濃度を示していると言える。本実施形態では、0〜0.1[g/L]の濃度を2つの領域に分割して解析を行っているので、この境界濃度Dは、両親媒性分子とミセルとの間の転移の挙動を示すミセル臨界濃度であると言える。
なお、界面活性剤の濃度を3つの領域に分割して解析を行い、2つの境界濃度D1,D2(D1<D2)を算出した場合において、境界濃度D2における2つのグラフフィッティング用関数S2(x),S3(x)の値が所定値以上乖離している場合(あるいは、2つのグラフフィッティング用関数S2(x),S3(x)が非連続である場合)、その境界濃度D2は、ミセルとベシクルとの間の転移の挙動を示すベシクル臨界濃度であると推測できる。
従って、第2のグラフ生成部26により生成されるグラフを明示的なグラフとして可視化(例えば、ディスプレイにグラフを表示)すれば、そのグラフを目視することによって、界面活性剤混合水溶液のミセル臨界濃度またはベシクル臨界濃度を容易に把握することが可能である。
なお、グラフ生成部24により生成される図14のグラフだけでも、ある濃度を境として低濃度領域側と高濃度領域側とでグラフの性質が異なることが明らかに読み取れる場合もあり得る。よって、グラフフィッティング処理部25および第2のグラフ生成部26は設けず、グラフ生成部24により生成されるグラフを明示的なグラフとする構成としてもよい。この場合、図14のように単に値をプロットするだけのグラフとせず、各プロットの間を線で接続した折れ線グラフを生成して可視化することにより、低濃度領域側と高濃度領域側とでグラフの性質が異なるか否かを判別しやすくすることができる。ただし、図16のようにグラフフィッティングした結果を可視化して表示した方が、臨界濃度の有無をより判別しやすくなるため、グラフフィッティング処理部25および第2のグラフ生成部26は設けるのが好ましい。
図17は、以上のように構成した第2の実施形態によるテラヘルツ波信号解析装置102の動作例を示すフローチャートである。まず、周波数スペクトル取得部21は、界面活性剤をある濃度にした界面活性剤混合水溶液を試料として、当該試料について分光装置20により検出されたテラヘルツ波信号をもとに、周波数に対する吸光度を表した周波数スペクトルを取得する(ステップS11)。
次いで、間引き処理部22は、NICTの電波減衰率のデータを利用して、周波数スペクトル取得部21により求められた周波数スペクトルにおける各周波数に対する吸光度データのうち、水蒸気によってテラヘルツ波の吸収が大きくなる周波数における極値を間引きする(ステップS12)。
そして、フィッティング処理部23(第1のフィッティング処理部23A)は、正規分布関数の中心周波数、振幅および幅をパラメータとした最適化計算を行うことにより、少なくとも中心周波数が異なる複数の正規分布関数の合成波形によって、ステップS11で取得した周波数スペクトルに対するフィッティングを行う(ステップS13)。これにより、当該周波数スペクトルを最もよく近似する複数の正規分布関数を求める。
ここで、周波数スペクトル取得部21は、解析対象とする複数の試料の全てについて、ステップS11〜S13の処理を行ったか否かを判定する(ステップS14)。ここで言う解析対象とする複数の試料とは、界面活性剤の濃度が異なる複数の界面活性剤混合水溶液のことをいう。全ての試料についてステップS11〜S13の処理が終わっていない場合、処理はステップS11に戻り、界面活性剤の濃度を変えた次の試料に関するテラヘルツ波信号を対象として、ステップS11〜S13の処理を行う。
一方、解析対象とする複数の試料の全てについてステップS11〜S13の処理が終わった場合、フィッティング処理部23(中心周波数特定部23B)は、ステップS11〜S13のループ処理において複数回のフィッティングに用いた複数の正規分布関数の各中心周波数をグループ化し、各グループ内から代表の中心周波数を特定する(ステップS15)。これにより、n個の中心周波数を特定する。
次に、フィッティング処理部23(第2のフィッティング処理部23C)は、ループ処理によってステップS11で取得された複数の周波数スペクトルの中の1つについて、中心周波数特定部23Bにより特定されたn個の中心周波数を固定し、振幅および幅をパラメータとした最適化計算を行うことにより、n個の正規分布関数の合成波形で周波数スペクトルに対するフィッティングを再度行う(ステップS16)。これにより、当該周波数スペクトルを最もよく近似するn個の正規分布関数を求める。
ここで、第2のフィッティング処理部23Cは、ループ処理によってステップS11で取得された複数の周波数スペクトルの全てについて、ステップS16で第2のフィッティング処理を行ったか否かを判定する(ステップS17)。全ての周波数スペクトルについて第2のフィッティング処理が終わっていない場合、処理はステップS16に戻り、次の試料の周波数スペクトルを対象として、第2のフィッティング処理を行う。
一方、複数の周波数スペクトルの全てについて第2のフィッティング処理を行った場合、グラフ生成部24は、界面活性剤の濃度ごとに、正規分布関数の中心周波数における振幅および所定の幅(例えば、1/e幅)から、正規分布波形の所定領域(1/e幅となる振幅以上の振幅を有する波形領域)の面積を算出し、界面活性剤の濃度と面積とを2方向の軸として図14のようなグラフを生成する(ステップS18)。
さらに、グラフフィッティング処理部25は、グラフ生成部24により生成されたグラフを境界濃度Dを境として2つの領域に分割し、分割した領域ごとに、領域内に含まれる各濃度に対する各面積の値(図14のグラフ上でプロットされた値)に対し、上述した(式1)に示すグラフフィッティング用関数Si(x)の値をフィッティングさせる。このとき、グラフフィッティング処理部25は、境界濃度Dおよびグラフフィッティング用関数Si(x)の係数ai,bi ,ciを変数として残差を最小化する最適化計算を行うことにより、最適化された境界濃度Dおよびグラフフィッティング用関数Si(x)の係数ai,bi ,ciを算出する(ステップS19)。
そして、第2のグラフ生成部26は、グラフフィッティング処理部25の最適化計算により求められた境界濃度Dおよびグラフフィッティング用関数Si(x)の係数ai ,bi ,ciに従い、当該境界濃度Dで分割された2つの領域(低濃度領域および高濃度領域)において、グラフフィッティング用関数Si(x)により示されるグラフを生成する(ステップS20)。これにより、図17に示すフローチャートの処理は終了する。
以上詳しく説明したように、第2の実施形態では、試料として用いた界面活性剤混合水溶液が含有している界面活性剤の濃度ごとに、フィッティング処理部23で用いた正規分布関数の波形における所定領域の面積を算出し、界面活性剤の濃度と面積とを2方向の軸とするグラフ(図14参照)を生成するようにしている。このグラフを可視化して表示することにより、ある濃度を境として低濃度領域側と高濃度領域側とでグラフの性質が異なるか否かを目視により確認し、急激に性質が変わる部分の濃度を界面活性剤混合水溶液の臨界濃度として把握することが可能となる。
また、第2の実施形態では、グラフ生成部24により生成されたグラフに対し、グラフフィッティング処理部25によるグラフフィッティング処理を行うことにより、最適化された境界濃度Dと、グラフ生成部24により生成されたグラフ上の各プロット位置の値に対して低濃度領域側および高濃度領域側のそれぞれにおいてフィッティングされたグラフフィッティング用関数Si(x)とを求めている。そして、第2のグラフ生成部26により、境界濃度Dを境として低濃度領域側および高濃度領域側において、グラフフィッティング用関数Si(x)のグラフを生成するようにしている。このグラフを可視化して表示することにより、境界濃度Dを境として低濃度領域側と高濃度領域側とでグラフの性質が異なるか否かを判別しやすくすることができ、界面活性剤混合水溶液の臨界濃度をより容易に把握することが可能となる。
なお、上記第2の実施形態では、第2のグラフ生成部26によりグラフフィッティング用関数Si(x)のグラフを生成する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、図18に示すように、第2のグラフ生成部26に代えて、臨界濃度検出部27を設けるようにしてもよい。
臨界濃度検出部27は、グラフフィッティング処理部25の最適化計算により求められた複数の領域におけるグラフフィッティング用関数Si(x)の係数数ai ,bi ,ciに従い、最適化計算により求められた境界濃度Dの濃度に対するグラフフィッティング用関数Si(x)の値を、複数の領域におけるグラフフィッティング用関数Si(x)のそれぞれについて算出する。そして、算出したそれぞれの値が所定値以上乖離しているか否かを判定し、乖離している場合に、境界濃度Dを臨界濃度として検出する。
このようにすれば、ユーザがグラフを目視して確認することなく、テラヘルツ波信号解析装置102が臨界濃度を検出し、その結果をユーザに提示するようにすることができる。なお、第2のグラフ生成部26に代えて臨界濃度検出部27を設ける場合、グラフ生成部24が生成するグラフは、黙示的なグラフとしてよい。
また、上記第2の実施形態では、グラフ生成部24は、フィッティング処理部23によるフィッティングに用いた複数の正規分布関数の中心周波数における振幅と1/e幅とから算出した面積を指標値として用い、当該指標値と界面活性剤の濃度とを2方向の軸とするグラフを生成する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、グラフ生成部24は、中心周波数における振幅または所定の幅の何れかを指標値として用い、当該指標値と界面活性剤の濃度とを2方向の軸とするグラフを生成するようにしてもよい。このようにした場合、グラフフィッティング処理部25、第2のグラフ生成部26および臨界濃度検出部27は、振幅または所定の幅の何れかと界面活性剤の濃度とから生成されたグラフを対象として、上述した処理を実行する。
その他、上記第1および第2の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
11 周波数スペクトル取得部
12 間引き処理部
13 フィッティング処理部
13A 第1のフィッティング処理部
13B 中心周波数特定部
13C 第2のフィッティング処理部
14 グラフ生成部
21 周波数スペクトル取得部
22 間引き処理部
23 フィッティング処理部
24 グラフ生成部
25 グラフフィッティング処理部
26 第2のグラフ生成部
27 臨界濃度検出部
101,102 テラヘルツ波信号解析装置

Claims (21)

  1. 分光装置によって検出される試料のテラヘルツ波信号を解析するテラヘルツ波信号解析装置であって、
    上記テラヘルツ波信号をもとに、周波数に対する特性値を表した周波数スペクトルを求める周波数スペクトル取得部と、
    上記周波数スペクトル取得部により求められた上記周波数スペクトルに対し、複数のフィッティング用関数の合成波形をフィッティングさせるフィッティング処理部と、
    上記フィッティングに用いた上記複数のフィッティング用関数の性質を定める少なくとも1つの値を用いて、上記周波数スペクトルとは異なるグラフを生成するグラフ生成部とを備えたことを特徴とするテラヘルツ波信号解析装置。
  2. 上記周波数スペクトル取得部により求められた上記周波数スペクトルにおける各周波数に対する上記特性値のうち、上記試料以外の水蒸気によるテラヘルツ波の吸収が大きくなる周波数における上記特性値を間引きする間引き処理部を更に備え、
    上記フィッティング処理部は、上記間引き処理部により間引きされた後の上記特性値に対して、上記複数のフィッティング用関数の合成波形をフィッティングさせることを特徴とする請求項1に記載のテラヘルツ波信号解析装置。
  3. 上記フィッティング処理部は、上記複数のフィッティング用関数として、中心周波数、振幅および幅の少なくとも1つが異なる複数の正規分布関数を用いて上記フィッティングを行い、
    上記グラフ生成部は、上記フィッティングに用いた上記複数の正規分布関数の中心周波数、当該中心周波数における振幅および所定の幅の少なくとも1つを用いて上記グラフを生成することを特徴とする請求項1または2に記載のテラヘルツ波信号解析装置。
  4. 上記フィッティング処理部は、上記周波数スペクトルの各周波数における特性値と、当該特性値に対応する各周波数における上記合成波形の値との残差が最小化するような上記複数の正規分布関数を、上記中心周波数、振幅および幅の少なくとも1つを変数とする最適化計算により算出することを特徴とする請求項3に記載のテラヘルツ波信号解析装置。
  5. 上記フィッティング処理部は、
    複数の試料について上記周波数スペクトル取得部により求められた複数の上記周波数スペクトルのそれぞれ毎に、上記中心周波数、振幅および幅をパラメータとし、少なくとも中心周波数が異なる複数の正規分布関数の合成波形で上記周波数スペクトルに対するフィッティングを行う第1のフィッティング処理部と、
    上記第1のフィッティング処理部による上記複数の周波数スペクトルに対するフィッティングに用いた正規分布関数の各中心周波数をグループ化し、各グループ内から1または複数の代表の中心周波数をそれぞれ特定することにより、合計n個の中心周波数を特定する中心周波数特定部と、
    上記複数の試料について上記周波数スペクトル取得部により求められた上記複数の周波数スペクトルのそれぞれ毎に、上記中心周波数特定部により特定された上記n個の中心周波数を固定して振幅および幅をパラメータとし、n個の正規分布関数の合成波形で上記周波数スペクトルに対するフィッティングを行う第2のフィッティング処理部とを備え、
    上記グラフ生成部は、上記第2のフィッティング処理部によるフィッティングに用いた上記n個の正規分布関数の中心周波数、振幅および幅の少なくとも1つを用いてグラフを生成することを特徴とする請求項3または4に記載のテラヘルツ波信号解析装置。
  6. 上記グラフ生成部は、上記振幅および幅から正規分布波形の所定領域の面積を算出し、上記中心周波数と上記面積との関係を示したグラフを生成することを特徴とする請求項3〜5の何れか1項に記載のテラヘルツ波信号解析装置。
  7. 上記グラフ生成部は、複数の上記中心周波数を複数の軸とし、上記面積を各軸の値として示したレーダーグラフを生成することを特徴とする請求項6に記載のテラヘルツ波信号解析装置。
  8. 上記周波数スペクトル取得部は、両親媒性分子を有する所定物質の濃度を変えて生成した所定物質混合水溶液から成る複数の上記試料について上記分光装置によってそれぞれ検出される複数の上記テラヘルツ波信号をもとに、上記周波数スペクトルを上記所定物質の濃度ごとに求め、
    上記フィッティング処理部は、上記周波数スペクトル取得部により上記所定物質の濃度ごとに求められた複数の上記周波数スペクトルに対するフィッティング処理を上記所定物質の濃度ごとに実行し、
    上記グラフ生成部は、上記中心周波数における振幅、所定の幅、または、当該振幅および所定の幅から算出した正規分布波形の所定領域の面積の何れかを指標値として用い、当該指標値と上記所定物質の濃度とを2方向の軸とする明示的または黙示的なグラフを生成することを特徴とする請求項3に記載のテラヘルツ波信号解析装置。
  9. 上記グラフ生成部により生成されたグラフを上記濃度の軸方向に複数の領域に分割し、分割した領域ごとに、領域内に含まれる各濃度に対する各指標値に対し、上記濃度と上記指標値との関係を示す所定のグラフフィッティング用関数の値をフィッティングさせ、上記領域を分割する境界の濃度および上記グラフフィッティング用関数の係数を変数として、上記各濃度に対する各指標値と上記グラフフィッティング用関数の値との残差を最小化する最適化計算を行うグラフフィッティング処理部を更に備えたことを特徴とする請求項8に記載のテラヘルツ波信号解析装置。
  10. 上記グラフフィッティング処理部の上記最適化計算により求められた上記境界の濃度および上記グラフフィッティング用関数の係数に従い、上記境界で上記濃度の軸方向に分割された複数の領域において、上記グラフフィッティング用関数により示されるグラフを生成する第2のグラフ生成部を更に備えたことを特徴とする請求項9に記載のテラヘルツ波信号解析装置。
  11. 上記グラフフィッティング処理部の上記最適化計算により求められた上記複数の領域における上記グラフフィッティング用関数の係数に従い、上記最適化計算により求められた上記境界の濃度に対する上記グラフフィッティング用関数の値を、上記複数の領域における上記グラフフィッティング用関数のそれぞれについて算出し、算出したそれぞれの値が所定値以上乖離している場合に、上記境界の濃度を臨界濃度として検出する臨界濃度検出部を更に備えたことを特徴とする請求項9に記載のテラヘルツ波信号解析装置。
  12. 分光装置によって検出される試料のテラヘルツ波信号をテラヘルツ波信号解析装置により解析するテラヘルツ波信号解析方法であって、
    上記テラヘルツ波信号解析装置の周波数スペクトル取得部が、上記テラヘルツ波信号をもとに、周波数に対する特性値を表した周波数スペクトルを求める第1のステップと、
    上記テラヘルツ波信号解析装置のフィッティング処理部が、上記周波数スペクトル取得部により求められた上記周波数スペクトルに対し、複数のフィッティング用関数の合成波形をフィッティングさせる第2のステップと、
    上記テラヘルツ波信号解析装置のグラフ生成部が、上記フィッティングに用いた上記複数のフィッティング用関数の性質を定める少なくとも1つの値を用いて、上記周波数スペクトルとは異なるグラフを生成する第3のステップとを有すことを特徴とするテラヘルツ波信号解析方法。
  13. 上記第1のステップにおいて、上記周波数スペクトル取得部は、両親媒性分子を有する所定物質の濃度を変えて生成した所定物質混合水溶液から成る複数の上記試料について上記分光装置によってそれぞれ検出される複数の上記テラヘルツ波信号をもとに、上記周波数スペクトルを上記所定物質の濃度ごとに求め、
    上記第2のステップにおいて、上記フィッティング処理部は、上記複数のフィッティング用関数として、中心周波数、振幅および幅の少なくとも1つが異なる複数の正規分布関数を用いて、上記周波数スペクトル取得部により上記所定物質の濃度ごとに求められた複数の上記周波数スペクトルに対するフィッティング処理を上記所定物質の濃度ごとに実行し、
    上記第3のステップにおいて、上記グラフ生成部は、上記中心周波数における振幅、所定の幅、または、当該振幅および所定の幅から算出した正規分布波形の所定領域の面積の何れかを指標値として用い、当該指標値と上記所定物質の濃度とを2方向の軸とする明示的または黙示的なグラフを生成することを特徴とする請求項12に記載のテラヘルツ波信号解析方法。
  14. 上記テラヘルツ波信号解析装置のグラフフィッティング処理部が、上記グラフ生成部により生成されたグラフを上記濃度の軸方向に複数の領域に分割し、分割した領域ごとに、領域内に含まれる各濃度に対する各指標値に対し、上記濃度と上記指標値との関係を示す所定のグラフフィッティング用関数の値をフィッティングさせ、上記領域を分割する境界の濃度および上記グラフフィッティング用関数の係数を変数として、上記各濃度に対する各指標値と上記グラフフィッティング用関数の値との残差を最小化する最適化計算を行う第4のステップを更に有することを特徴とする請求項13に記載のテラヘルツ波信号解析方法。
  15. 上記テラヘルツ波信号解析装置の第2のグラフ生成部が、上記グラフフィッティング処理部の上記最適化計算により求められた上記境界の濃度および上記グラフフィッティング用関数の係数に従い、上記境界で上記濃度の軸方向に分割された複数の領域において、上記グラフフィッティング用関数により示されるグラフを生成する第5のステップを更に有することを特徴とする請求項14に記載のテラヘルツ波信号解析方法。
  16. 上記テラヘルツ波信号解析装置の臨界濃度検出部が、上記グラフフィッティング処理部の上記最適化計算により求められた上記複数の領域における上記グラフフィッティング用関数の係数に従い、上記最適化計算により求められた上記境界の濃度に対する上記グラフフィッティング用関数の値を、上記複数の領域における上記グラフフィッティング用関数のそれぞれについて算出し、算出したそれぞれの値が所定値以上乖離している場合に、上記境界の濃度を臨界濃度として検出する第5のステップを更に有することを特徴とする請求項14に記載のテラヘルツ波信号解析方法。
  17. 分光装置によって検出される試料のテラヘルツ波信号を解析するテラヘルツ波信号解析用プログラムであって、
    上記テラヘルツ波信号をもとに、周波数に対する特性値を表した周波数スペクトルを求める周波数スペクトル取得手段、
    上記周波数スペクトル取得手段により求められた上記周波数スペクトルに対し、複数のフィッティング用関数の合成波形をフィッティングさせるフィッティング処理手段、および
    上記フィッティングに用いた上記複数のフィッティング用関数の性質を定める少なくとも1つの値を用いて、上記周波数スペクトルとは異なるグラフを生成するグラフ生成手段
    としてコンピュータを機能させるためのテラヘルツ波信号解析用プログラム。
  18. 上記周波数スペクトル取得手段は、両親媒性分子を有する所定物質の濃度を変えて生成した複数の所定物質混合水溶液から成る複数の上記試料について上記分光装置によってそれぞれ検出される複数の上記テラヘルツ波信号をもとに、上記周波数スペクトルを上記所定物質の濃度ごとに求め、
    上記フィッティング処理手段は、上記周波数スペクトル取得手段により上記所定物質の濃度ごとに求められた複数の上記周波数スペクトルに対するフィッティング処理を上記所定物質の濃度ごとに実行し、
    上記グラフ生成手段は、上記複数のフィッティング用関数として、中心周波数、振幅および幅の少なくとも1つが異なる複数の正規分布関数を用いて、上記中心周波数における振幅、所定の幅、または、当該振幅および所定の幅から算出した正規分布波形の所定領域の面積の何れかを指標値として用い、当該指標値と上記所定物質の濃度とを2方向の軸とする明示的または黙示的なグラフを生成することを特徴とする請求項17に記載のテラヘルツ波信号解析用プログラム。
  19. 上記グラフ生成手段により生成されたグラフを上記濃度の軸方向に複数の領域に分割し、分割した領域ごとに、領域内に含まれる各濃度に対する各指標値に対し、上記濃度と上記指標値との関係を示す所定のグラフフィッティング用関数の値をフィッティングさせ、上記領域を分割する境界の濃度および上記グラフフィッティング用関数の係数を変数として、上記各濃度に対する各指標値と上記グラフフィッティング用関数の値との残差を最小化する最適化計算を行うグラフフィッティング処理手段
    としてコンピュータを更に機能させるための請求項18に記載のテラヘルツ波信号解析用プログラム。
  20. 上記グラフフィッティング処理手段の上記最適化計算により求められた上記境界の濃度および上記グラフフィッティング用関数の係数に従い、上記境界で上記濃度の軸方向に分割された複数の領域において、上記グラフフィッティング用関数により示されるグラフを生成する第2のグラフ生成手段
    としてコンピュータを更に機能させるための請求項19に記載のテラヘルツ波信号解析用プログラム。
  21. 上記グラフフィッティング処理手段の上記最適化計算により求められた上記複数の領域における上記グラフフィッティング用関数の係数に従い、上記最適化計算により求められた上記境界の濃度に対する上記グラフフィッティング用関数の値を、上記複数の領域における上記グラフフィッティング用関数のそれぞれについて算出し、算出したそれぞれの値が所定値以上乖離している場合に、上記境界の濃度を臨界濃度として検出する臨界濃度検出手段
    としてコンピュータを更に機能させるための請求項19に記載のテラヘルツ波信号解析用プログラム。
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