本発明は、ファイルやストリーミングデータなどのデータ、或いはスクリプトやコードもしくはプログラムなどのコンテンツをカプセルにセットして配信や配布を行うにあたって、特定のサーバを用いない非集中型アーキテクチャーを実現する新規なカプセル化の構造ならびにそれを用いるコンテンツ提供方法およびシステムに関するものであり、主に教育、いわゆるe−ラーニングに好適に実施され、またe−コマースのWebサービスに幅広く利用可能なものに関する。
前記e−ラーニング、すなわちインターネットを利用して教育を行うオンライン教育は、1990 年代に始まり、今日では多くの学校や企業で導入されている。オンライン教育は、場所や時間の制約を受けず、効率的に多数の人々に学習を提供することが可能であり、学校教育、企業内教育、生涯教育など様々な教育の場面で利用されている。さらに近年は、世界中の数百万人単位の大規模な人々が国境を越えて学ぶオンライン教育(たとえば非特許文献1)や、発展途上国などで学校施設等のインフラや教師が不足している地域での教育など、前記オンライン教育の利用の範囲は拡大されている。
このようなオンライン教育を実現する手段として、教育支援システムが提案されている。特許文献1に見られるように、従来の教育支援システムは、特定の集中管理されているサーバコンピュータに繋がる多数の学習者のコンピュータに対し、ネットワークを通じて、学習コンテンツや教育支援機能、また学習支援機能などを提供する集中管理型のサーバ・クライアント方式が主流である。
上記集中管理型のサーバ・クライアント方式には、以下の課題がある。すなわち、(1)特定のシステムから提供される機能だけでは、個々の教育提供者、学習者の教育学習目的、手法、嗜好に応じた多様な学習環境を提供できない。(2)学習者の要望に対応する様々な機能や、インターネット技術の発展に伴い開発される新たな機能が次々と組込まれるので、次第に複雑にそして大規模になり(特許文献2,3)、システムの開発費用を高額にする。(3)特許文献4および特許文献5において、高額なシステムを共同で利用することで安価に利用できるサービスプロバイダの提案がされているが、それは、上述の課題を解決するものではなく、また特定のサーバによって多数の学習者に対するサービスを継続して安定稼働し続ける必要があるため、耐障害性対応が高額になる。(4)ひとたび特定のシステムを利用すると、そのシステムから他のシステムへの移行が困難である。(5)そのような課題を解決する手段として、特定のサーバを利用せず、インターネット上の多様で最新のサービスをオンライン教育に有効活用する試みも行われているが(たとえば非特許文献2)、それを効率的に実現する仕組みは提案されておらず、現状では相当のITスキルと手間を要するという課題がある。
そこで、上述のような集中管理型のサーバ・クライアント方式の対局として、特許文献6では、コンテンツと必要な学習支援システムの機能とをセットにして、USB等の記憶媒体に保存し、配布する方式をとっている。しかしこの方式は、ネットワーク上の資源の利用を考慮したものでは無く、一度配布してしまったコンテンツや学習支援システムを更新することが難しい。また、コンテンツとして動画ファイルなどの大容量のものを利用する場合、ファイル容量が大きくなってインターネットなどのネットワークを介した配布が困難になるケースがある。
特表2003−503780号公報
特開2015−90452号公報
特開2004−212895号公報
特開2003−108681号公報
特開2003−85353号公報
特開2008−46610号公報
MOOCs: Expectations and Reality Full Reporthttp://cbcse.org/wordpress/wp-content/uploads/2014/05/MOOCs#Expectations#and#Reality.pdf
Places to go: Connectivism and connective knowledge. Innovate Online 5(1).Retrieved fromhttps://www.academia.edu/2869475/Places#to#go#Connectivism#and#connectiv e#knowledge
そこで本発明は、コンテンツを配信・配布して流通させるにあたって、その配信・配布のためのシステムの柔軟性と拡張性とを高め、それに伴い開発や運用保守費用の高額化を防ぎ、特にオンライン教育の場合に、学習支援システムの開発等に係わる負担を縮小でき、安価で多様なオンラインコースの提供が可能になるコンテンツのカプセル化構造ならびにそれを用いるコンテンツ提供方法およびシステムを提供することを目的とする。
本発明のコンテンツのカプセル化構造ならびにそれを用いるコンテンツ提供方法およびシステムは、以上のように、コンテンツを、その配信や配布を可能にするためにカプセル化するにあたって、ファイルやプログラムなどのコンテンツに固有の識別情報(URL,URNなど)を付与してメタデータ部に格納しておき、カプセルエンジン部は、その識別情報を参照し、外部ストレージからその識別情報に該当するコンテンツのファイルやプログラムの少なくとも一部の実体を取得し、所定の処理を行う。
それゆえ、カプセルに、ファイルやプログラムの実体の総てを格納しておく必要は無く、カプセルエンジン部が識別情報(URL,URNなど)を参照し、外部ストレージから適宜、前記実体を取得するので、利用者は、手軽に、コンテンツの配信や配布を行うことができる。したがって、オンライン教育、e−コマース等の様々なWebサービスを提供するにあたって、特定のサーバが不要となる非集中型アーキテクチャーを実現することができる。その結果として、システム開発や運用保守に係わる負担やシステムの複雑化を抑えながら、耐障害性、可用性、拡張性、柔軟性に優れたサービスを、提供することが可能となる。
本発明の実施の一形態に係るコンテンツ提供システムの構成を示すブロック図である。
本発明の実施の一形態に係るコンテンツのカプセル化した一構造例およびカプセルを組込んだ学習者側の情報処理装置のカスタマイズの手順を示す図である。
カプセルを作成する手順を説明する図である。
カプセルを組込んだ学習者側の情報処理装置における起動動作を示すシーケンス図である。
e−ラーニングにおける本発明のコンテンツ提供システムと従来技術のコンテンツ提供システムとのシステム構成の違いを説明するための図である。
本発明の実施の他の形態に係るコンテンツ提供システムの構成を示すブロック図である。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の一形態に係るコンテンツのカプセル化構造を適用するコンテンツ提供システムの構成を示すブロック図である。本実施形態は、大学などの教育機関におけるオンラインコースを想定した学習支援システム(e−ラーニングシステム)を例として説明する。しかしながら、本システムは、提供するコンテンツが異なるだけで、後述のように、e−コマースシステムなどにも適用可能である。
e−ラーニングのための本システムは、コンテンツ提供者である教師側の情報処理装置1a,1b,1c,1d(以下、総称する際は、参照符号1で示す)と、利用者である学習者側の情報処理装置2a,2b,2c(以下、総称する際は、参照符号2で示す)と、それらを接続するネットワーク3と、ネットワーク3上に存在する多数のサーバ41,42,・・・(以下、総称する際は、参照符号4で示す)および51,52,・・・(以下、総称する際は、参照符号5で示す)とを備えて構成される。
情報処理装置1は、教師が使用し、カプセル化したコンテンツ(コンテンツカプセル、以下カプセル7と言う)を作成する作成者用情報処理装置である。情報処理装置2は、学習者が使用し、カプセルを取得する情報処理装置である。教師や学習者が所有する情報処理装置1,2は、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン等、種々考えられ、また多数が存在するが、図面を簡略化するために、図1では一部しか記載していない。
サーバ4は、所望のコンテンツとなるデータやプログラムを予め記憶しており、後述する識別情報(URL,URNなど)を指定されることで、前記情報処理装置2へ、それらの読込みを可能にする外部ストレージとなるものである。前記データとしては、画像や音声のファイルやストリーミングデータなど、プログラムとしては、データ処理の方法を示すスクリプトやコード或いはアプリケーションなどが挙げられる。
サーバ5は、メタデータ・リポジトリなどで実現され、後述の情報処理装置2からの識別情報(URI,URNなど)の照会に応答して、該識別情報(URI,URNなど)に対応したコンテンツのデータやプログラムを記憶している外部ストレージにおける所在場所の識別情報(URL,URNなど)を回答するデータディクショナリとなるものである。サーバ4,5も、多数がネットワーク3上に存在する。
ネットワーク3は、それらの情報処理装置1,2およびサーバ4,5間を相互に接続するものであり、有線、無線のネットワークを適宜組合わせて(入混じって)構成される。このネットワーク3上には、教師側の情報処理装置1を1次配信手段とするとき、2次配信手段となる配信手段6を備える。配信手段6は、クラウド環境(Web)6a、メール6b、学内サーバ6c、モバイルアドホック通信6dなどの種々のネットワーク中継手段(ノード)で構成され、それらを総称する。
外部ストレージとなるサーバ4には、それぞれに、各種のデータやプログラムの実体が予め格納され、適宜更新されている。その実体のデータとしては、動画ファイル、画像ファイル、テキストファイルなどの主に静的なコンテンツリソースである。また、実体のプログラムとしては、ビデオ再生ソフトや電子書籍閲覧ソフト、ライブ配信、TV会議、チャット機能、課金機能などのスクリプトやコードを含むプログラムなどの、主に動的で、前記のデータに表示や所望の機能を実現するために必要なデータ処理の方法である。一方、データディクショナリとなるサーバ5は、ソフトウェアのバージョンやOS対応、それらの実体が格納されているサーバ4における前記所在場所の識別情報(URL,URNなど)を格納しているリポジトリサーバなどで実現される。
本e−ラーニングシステムでは、教師は、後述するように、情報処理装置1において、コンテンツとして、データやプログラムを1または複数個、1つのカプセル7にセット(封入)し、前述のクラウド環境(Web)6a、メール6b、学内サーバ6c、モバイルアドホック通信6d等の任意のノードを介して配信する。配信されたカプセル7を学習者が受取ると、その学習者の情報処理装置2に組込まれる。カプセル7が学習者側の情報処理装置2に組込まれると、後に詳述するように、それぞれのIT環境や学習者の学習履歴に対応してアクティベイトされ、さらに学習が進むと、学習者同士で交換されたりして、パーソナライズされる。そのカプセル7の組込みや交換は、参照符号6aで示すようにクラウド環境で行われたり、参照符号6bで示すようにメール添付で行われたり、参照符号6cで示すようにWebサーバからの配布によって行われたり、参照符号6dで示すように学習者の情報処理装置2間の直接の通信などで行われたりすることができる。
図2に、本実施形態のカプセル7の一構成例およびそのカスタマイズの手順を示す。本実施形態のカプセル7は、カプセルエンジン部71と、メタデータ部72とを、少なくとも備えて構成される。カプセルエンジン部71の基本機能としては、データやプログラムなどのコンテンツに、表示などの適切な処理を行うことである。
メタデータ部72は、カプセル7に関する情報を記述するものであり、大略的に、属性情報721と、構造情報722とを備えて構成される。属性情報721は、コンテンツファイルやプログラムの名前(タイトル)、作成者名、作成日時等の特徴を示す情報である。
構造情報722は、コンテンツカプセル作成者が利用者に提供したいデータやプログラムならびに表示順などの情報を示すものであり、構成情報7221、識別情報7222およびデータ処理情報7223などから構成される。構成情報7221は、後述するように実際に表示すべきデータや、その表示に用いるプログラム(スクリプトやコード或いはアプリケーションなど)の一覧情報である。識別情報7222は、前記構成情報7221に含まれるデータやプログラムのURNなどの実体ファイルの所在場所を示すアドレス、或いはRFC2396に定められるURNやアメリカ出版協会の定めるDOI(デジタルオブジェクト識別子)などのファイルやプログラムを一意に示すID(ユニークID)であり、本件明細書では、これらを識別情報と総称することとする。データ処理情報7223は、リソースが複数の場合の前記表示順やレイアウトを示す情報である。
注目すべきは、本実施形態では、カプセル7には、前記の動画ファイル、画像ファイル、テキストファイルなどのデータや、プログラム(スクリプトやコード或いはアプリケーションなど)の少なくとも一部で、実体のデータやプログラムそのものを格納するのではなく、メタデータ部72に識別情報(URL,URN,URIなど)7222を格納し、カプセルエンジン部71がその識別情報7222を解読して、サーバ4,5から適宜入手することである。
図2においてステップs1で示すように、前記識別情報(URL,URN,URIなど)7222を解読したカプセルエンジン部71は、該識別情報7222がURLなどの、実体ファイル(データ、ストリーミングデータなどのリソース)や実体プログラム(スクリプトやコード或いはアプリケーションなど)の所在場所を示している場合には、ステップs2で示すように、外部ストレージとなるサーバ4にアクセスして、所望のデータやプログラムの実体を、ステップs3で示すように情報処理装置2の記憶領域に読込みを行い、必要な場合、さらにインストールする。
一方、識別情報7222がURIやURNなどのユニークIDである場合、カプセルエンジン部71は、先ず、ステップs2’で示すように、一旦、ディクショナリとなるサーバ5のアドレステーブルにアクセス(照会)して、ステップs3’で示すように、対象のデータやプログラムのURLなどの格納場所を取得(つまりデータやプログラムの実体の所在場所を探索)する。次に、カプセルエンジン部71は、前記ステップs2で示すように、該当のサーバ4にアクセスして、前記ステップs3で示すように、前記所望のデータやプログラムの実体を、読込み・インストールする。
このサーバ5への照会を、詳しく説明する。先ず、カプセルエンジン部71は、サーバ5に、当該カプセル7が読込まれた情報処理装置2のデバイスの種類、オペレーティングシステムの種類、カプセル7を表示しようとしているブラウザまたはリーダーの種類、通信環境の状況などの、その情報処理装置2の置かれている環境情報と、データやプログラムのURNなどのユニークIDとを送信する(s2’)。次に、サーバ5は、送信されて来た環境情報に適応したデータやプログラムのバージョンを判断し、そのデータやプログラムの実体ファイルそのもの、または読込みを実現する機能を持つプログラムの所在場所(URL)を返す(s3’)。続いて、カプセルエンジン部71が、サーバ5から返信されてきた所在場所(URL)に示されたデータやプログラムを、サーバ4から取得する。
カプセルエンジン部71は、自機に予め格納されているOSやアプリケーションプログラムなどを適宜使用して、上述のようにして自律的に収集したコンテンツの、データには表示などの所定の処理を施し、プログラムにはその機能を実現させる。具体的にたとえば、データの場合には、カプセルエンジン部71は、表示順情報7223に従い、ステップs4で示すように、Webブラウザや電子書籍リーダーなどの表示アプリケーションで閲覧状態に整えて表示を行う(s4)。
このようにして、カプセルエンジン部71は、メタデータ部72を解釈した上で、たとえば自機が、パーソナルコンピュータ2aなのか、タブレット端末2cなのか、スマートフォン2bなのか、さらにオペレーティングシステムが何か等、該情報処理装置2が備えるソフトウェアや通信環境等のIT環境(デバイスの情報)に応じて、たとえば、コンテンツとなるデータの実体を取得するとともに、そのデータに表示などの処理を行うために必要なプログラムを判断し、自機に導入されていなければ、前記サーバ4,5を使用して、自律的に収集を行う。或いは、コンテンツとして所望の機能を実現するプログラムの場合も、カプセルエンジン部71は、メタデータ部72を解釈した上で、そのプログラムを取得するとともに、自機のIT環境などに応じて、自機に予め導入されているプログラム(アプリケーションなど)や、外部からさらに必要となるプログラム(アプリケーションなど)を取得して、前記所望の機能を実現する。これによって、利用者がコンテンツを利用する環境を意識することなく、また予め特定のプログラム(アプリケーションなど)を導入しておくこともなく、様々な環境でコンテンツを利用することができるとともに、外部のディクショナリサーバ5を利用することで、メタデータ部72の処理を効率化することもできる。
本発明のカプセル7は、データとプログラム(アプリケーションなど)との両方を外部のサーバ4から取得するのではなく、少なくとも一方を取得するようにすればよい。識別情報7222は、1または複数の識別情報(URL,URL,URNなど)のリストから構成される。
以下に、このような必要なデータやプログラムをカプセル7にパッケージし、配信・配布を行うコンテンツ作成者側の情報処理装置1、およびカプセル7を取得することで前記必要なデータやプログラムを自律的に収集し、処理を実現する情報処理装置2の動作について詳述する。
図3は、コンテンツカプセル7を作成する手順を説明する図である。作成者は、ステップs11で示すように、コンテンツカプセル作成プログラム11に、コンテンツカプセル7に梱包したいデータやプログラムの識別情報(URL,URN,URIなど)を含む識別情報7222およびデータキャッシュ部73に蓄えるべきデータ、それらのデータ処理情報7223、その他属性情報7221を登録する。
次に、作成者が、外部ストレージのサーバ4に前記データやプログラムを保管するのではなく、ディクショナリのサーバ5への登録を希望する場合は、コンテンツカプセル作成プログラム11は、ステップs12で、そのディクショナリのサーバ5に、データやプログラムの実体、或いはURLを登録し、ステップs13で、その登録先のURL,URN,URIなどのユニークIDを受取る。コンテンツカプセル作成プログラム11は、ステップs14で、ディクショナリのサーバ5から返されたユニークIDと、作成者から登録された情報とを組合わせて、コンテンツカプセル7を作成する。こうして作成されたコンテンツカプセル7は、SNS(6a)、ホームページ(6c)、メール(6b)、モバイル端末同士の通信手段(6d)などによって、配信・配布され、ステップs15で利用者側の情報処理装置2に読込まれる(インストールされる)。
図4は、カプセル7を取込んだ学習者側の情報処理装置2における起動動作を示す。取込まれたカプセル7は、メタデータ部72の識別情報7222から、ステップs41において、ディクショナリのサーバ5にアクセスし、前記データやプログラムのURI,URNなどのユニークIDのリストおよび自機の備えるソフトウェアや通信環境等のIT環境(デバイスの情報)を送信する。
ディクショナリのサーバ5は、送られてきたリストに基づいて、必要な前記データやプログラムの所在場所(URL)リストを、ステップs42で返信する。この所在場所(URL)リストを受信した情報処理装置2は、ステップs43で、その所在場所(URL)リストの外部ストレージであるサーバ4にアクセスし、ステップs44で実体のファイルなどを受取る。情報処理装置2は、受取った実体のファイルなどをステップs45で組込み、利用環境を整える。
その後、情報処理装置2は、前記識別情報7222から元々登録されていたデータやプログラムの所在場所(URL)リスト、および上述のようにしてステップs41,s42で取得されたデータやプログラムの所在場所(URL)リストの所在場所(URL)に、ステップs46で順次アクセスし、ステップs47で、それらの機能やコンテンツを取込む。取込んだ機能やコンテンツは、ステップs48で該情報処理装置2に組込まれ、該情報処理装置2がオンライン学習の利用可能な環境が構築される。
このように本実施形態のコンテンツカプセル7は、配信や配布のためにカプセル化(パッケージ化)されて流通し、利用者側の情報処理装置2に取込まれて利用されるコンテンツカプセルにおいて、動画ファイル、画像ファイル、テキストファイルなどのリソースのデータ、および/または該データを処理するのに必要なプログラムの識別情報(URL,URN,URIなど)7222を記述したメタデータ部72を添付し、カプセルエンジン部71が、そのメタデータ部72を解釈して、その中の識別情報(URL,URN,URIなど)7222を参照し、外部環境(サーバ4,5)を利用して、その識別情報(URL,URN,URIなど)7222に該当するデータやプログラムの実体ファイルを取得し、表示などの処理を行う。
つまり、コンテンツカプセル7のデータキャッシュ73には、コンテンツとしてのデータやプログラムの実体がそのまま格納されているのでは無く、カプセルエンジン部71が、識別情報(URL,URN,URIなど)7222を参照し、必要に応じてメタデータ・リポジトリなどのディクショナリのサーバ5に問い合わせて(s2’,s3’)、インターネット上の外部ストレージであるサーバ4などの外部環境にアクセスして、その識別情報(URL,URN,URIなど)7222に該当するデータやプログラムを読込む(s2,s3)。その後、カプセルエンジン部71は、データやプログラムを適宜処理し、たとえば表示方法に応じて組立て、Webブラウザや電子書籍リーダーなどの表示処理アプリケーションと、パソコンやスマートフォンなどの自機が有する表示ハードウェアとに合わせて、表示可能なデータ形式とデザインとに変換し、表示を行う(s4)。
したがって、コンテンツカプセル7にはデータやプログラムの実体が添付されないので、たとえば、そのままでは配信や配布が困難であったような比較的容量の大きなデータやプログラム、或いは、Webページなどの動画ファイルと画像ファイルとテキストファイルとのような複数のファイル(データ)、もしくは利用者の多様なニーズや技術革新に伴い逐次導入・更新されるようなデータやプログラムを含むコンテンツカプセル7を、Webアクセス(6c)、メール添付(6b)、SNS(6a)、或いは情報処理装置2同士の直接の通信などで、手軽に配信や配布を行うことができる。また、利用者側の情報処理装置2も、大掛かりにならず、種々のデータ処理の方法(アプリケーションなど)に対応できる。
特に、コンテンツカプセル7をWeb標準に準拠したフォーマットにすれば、専用のシステムや自前のWebサイトを持たなくても、SNSやブログなどの第三者のプラットフォームやWebサービスに直接該コンテンツカプセル7を配置して、手軽に、コンテンツの1次配信や配布を行うことができる。そのコンテンツカプセル7を受取った利用者も、他の利用者に、容易に、2次配信や配布を行うことができる。こうして、コンテンツを流通させるためにカプセル化するにあたって、自前のサーバが不要となる非集中型アーキテクチャーを実現することができ、システム開発や運用保守に係わる負担を縮小することができる。
なお、上述のように、情報処理装置1や他の情報処理装置2からのコンテンツカプセル7を受信した各情報処理装置2は、それぞれのIT環境や機器の能力などに応じて、見掛け上、カスタマイズされる。見掛け上とは、情報処理装置2がカスタマイズされるだけで、後述するように、コンテンツカプセル7に意図的な改変、たとえばファイルの追加などが行われない限り、2次、3次・・・と配信されても、該コンテンツカプセル7は同じ内容を留めているためである。これによって、常に、コンテンツ作成者の意図通りに、表示などの所望の処理を行うことができ。
ところで、コンテンツカプセル7には、通常、図2で示すように、データキャッシュ部73が実装されるので、そこにも、一部のデータやプログラムの実体を格納することができる。詳しくは、カプセルエンジン部71が上述のようにデータやプログラムの全部を外部環境から取得するのではなく、そのデータやプログラムの少なくとも一部を該カプセル7内に格納しておくことである。たとえば、データが動画とテキストとの2つのコンテンツファイル(コンテンツリソース)から成る場合に、テキストファイルはカプセル7自体、つまりデータキャッシュ部73に埋込み、動画ファイルはWebのサーバ4などから取得すると言う具合である。図2の例では、データキャッシュ部73に、動画ファイルとテキストファイルとの両方が含まれていることを示している。これによって、その一部のデータ(コンテンツファイル(コンテンツリソース))については、カプセルエンジン部71が前記Webのサーバ4などの外部環境から取得する必要はなく、表示処理を速やかに行うことができる。
同様に、コンテンツとしてプログラム(アプリケーション)についても、少なくとも一部は、コンテンツカプセル7内に格納しておくようにしてもよい。これによって、インターネット上で一般に公開されていない特殊なソフトウェアなども、カプセル作成者(教師)が必要とすれば、適宜実装することができる。図2の例では、データキャッシュ部73に、学習支援機能として、テスト機能とライブ授業機能とが実装されている。
ここで、コンテンツカプセル7で配信・配布されるコンテンツが、学習教材である場合、コンテンツ作成者である教師が、コンテンツカプセル7に、利用者である学習者に、提供したいコンテンツとして、講義ビデオや資料および/またはクイズなどの学習支援機能をパッケージングしておくことで、コンテンツカプセル7は、上述のように、自律的に、必要なデータやプログラムをコンテンツとして、学習者毎のIT環境に適応して取得し、教師が意図した通りの学習内容を提供できる。したがって、本システムをe−ラーニングに用いた場合、e−ラーニングを、安い費用で提供することができ、極めて好適である。また、学習機関側でも、専用の学習管理システムやWebサイトを用意する必要が無いので、高等教育機関などの専門教育機関だけでなく、企業研修から一般参加の生涯学習にまで、利用者の裾野を拡げることができる。
図5に、e−ラーニングシステムにおける本発明(a)と従来技術(b)とのシステム構成の違いを示す。特に、e−ラーニングシステムの場合には、従来では、図5(b)で示すように、システム構成に、学習コンテンツだけでなく、教育支援の機能に、色々な機能が付加されて、極めて肥大化してしまっている。図5(b)は、その教育支援機能として主立ったものを示すものであるが、それでも、教育コースの開設機能、ビデオ配信機能、ソーシャルネットワーク(SNS)機能、受講管理機能、オンラインテスト機能、掲示板機能、ファイル配信機能、課題提出機能、ブログ機能などである。前記受講管理機能は、たとえばコースによりどの講座を受講すべきかや、どこまで受講したのかを管理する機能である。課題提出機能は、レポート提出などである。他にも、e−ラーニングシステムの場合の学習支援機能としては、ライブ授業機能、バッジ(修了証)の発行管理機能、TV会議機能等である。
従来のe−ラーニングシステムでは、教育機関側では、受講当初に、このような必要と思われる総ての機能を盛り込んだシステムを設計・制作して、動作等を確認しておき、また機能の追加などの改変の要求が生じた場合には、全体を通した見直しが必要になったりする。さらに、コンテンツ作成者である教師には、インターネット上の便利な機能や最新の機能があっても、e−ラーニングシステムがその機能を提供していなければ利用することができず、e−ラーニングシステムが提供する機能のみを利用してオンライン教育を提供するしか無かった。
これに対して、本発明では、上述のように、教師は必要なコンテンツのデータやプログラムに関する識別情報(URL,URN,URIなど)をコンテンツカプセル7にパッケージングするだけで、該コンテンツカプセル7を読込みおよびインストールした情報処理装置2が、クラウド環境(6a)などから、自律的に、各利用者のIT環境などに応じたそれらの必要なデータやプログラムを収集し、自機をカスタマイズすることで、各情報処理装置2がオンライン学習可能な状態になるとともに、コンテンツ作成者である教師の意図通りに、表示などの所望とする処理を行うことができる。さらに、コンテンツカプセル7の作成および配信を行う情報処理装置1および受信側の情報処理装置2の構成を大幅に簡素化し、e−ラーニングシステムの導入および維持・管理を容易にすることができる。また、コンテンツの配信・配布を行う教師にとっても、インターネットで提供されている便利な機能、最新の機能を自由に組合わせてコンテンツカプセル7を作成し、容易にオンライン教育を提供することができる。
ここで、上述のように、コンテンツカプセル7は、再配信されても、同じ内容を留めているが、情報処理装置2は、自機のIT環境に応じて適宜カスタマイズされることになる。そのカスタマイズをコンテンツにまで広めてもよい。具体的には、データキャッシュ部73の学習支援機能に、学習履歴やログの収集機能を埋め込むことである。収集したデータは、コンテンツカプセル7外のROMなどに格納される。そして、たとえば学習履歴の収集機能の場合、情報処理装置2は、利用者の学習履歴を蓄積してゆき、所定の段階でカプセルエンジン部71が該学習履歴を、教師によって予め指定されたメタデータ・リポジトリなどのディクショナリのサーバ5に問い合わせる。問合せの結果、学習の進捗が遅れている場合には、情報処理装置2は、補修資料や補助教材のように、追加で入手することが好ましいデータやプログラムを、新たに外部ストレージであるサーバ4から入手するというものである。これによって、たとえば繰返し受講してもテストに合格できない受講者に、前記補修資料を配布したりすることが可能になり、学習効果を高めることができる。
一方、前記ログの収集機能の場合、たとえば各コンテンツカプセル7の前記データキャッシュ部73には、暗号化等により変更不可能なユニークIDと、コンテンツ(データ(ファイル))表示のログを収集する機能が埋め込まれる。そのログ収集機能によって、任意の利用者などから、再配信、再々配信されたコンテンツカプセルであっても、配信元の教師の情報処理装置1には、IDが同じならログが集まってきて、どのコンテンツ(データ(ファイル))に、何時、どれだけ、表示などの所定の処理が行われたかのデータが収集される。これによって、前記の通りに分散し、複製され、再配布されたコンテンツカプセル7の閲覧などの利用履歴を、一元的に取得することができる。そのため、コンテンツ作成者である教師や教育機関側では、提供するコンテンツに、適宜改良を加えてゆくことができる。
本発明は、分散型ウェブアーキテクチャーを実現する1つの手段であり、Webサービスで一般的とされていたサーバ・クライアント方式によるウェブアーキテクチャーを変革するにあたって、インターネット上の外部ストレージ(4,5)にある多様なコンテンツを組立てて、オンライン学習環境等を自律的に構築するコンテンツカプセル7により、その変革を実現する。これは、本発明のコンテンツカプセル7は、利用者から見ると、容量が小さな1つのファイルやプログラムに見えるものの、コンテンツカプセル7の内部はメタデータ部72とカプセルエンジン部71を主とした構造をとっており、前記ファイルやプログラムの実体の一部または全部を持たないためである。詳しくは、メタデータ部72にはコンテンツに固有のURL,URN,URIなどの識別情報7222が記述されており、利用者がコンテンツカプセル7を自機の情報処理装置2に取込むと、そのメタデータ部72の識別情報7222に従って、カプセルエンジン部71が必要なファイルやプログラムを外部のストレージ(4,5)等から取得して、オンライン学習環境などを自律的に構築する。このような仕組みにより、コンテンツカプセル7を、SNSなどの様々な Web サイトに配置することで、教師などは、特定のサーバを必要としない非集中型アーキテクチャーによるオンライン学習などを提供することができる。
(実施の形態2)
図6は、本発明の実施の他の形態に係るコンテンツのカプセル化構造を適用するコンテンツ提供システムの構成を示すブロック図である。本実施形態は、e−コマースシステムに適用したもので、図6において、図1のe−ラーニングシステムに類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。本発明でも、上述のように、コンテンツカプセル7が、メタデータ部72の識別情報7222に記述されている識別情報(URL,URN,URIなど)に応じて、自律的に、コンテンツとして、必要なデータや、利用者毎のIT環境に適応したプログラム(アプリケーション)を取得して、コンテンツ作成者が意図した通りの処理が行われる。
これによって、コンテンツの配信側、すなわち販売業者側は、e−コマースシステムを、安い費用で容易に導入することができる。また、利用者も、e−コマースシステムのために、特別なIT環境を予め準備しておく必要も無い。さらに、コンテンツの配信(販売業者)側では、識別情報(URL,URN,URIなど)7222を変更するだけで、新しい商品に差替えたりすることができ、或いは同じ商品でも、識別情報(URL,URN,URIなど)7222を変更するだけで、新しいデータ処理の方法(アプリケーション、すなわち表示方法)を使用したりすることができる。たとえば、同じ商品でも、複数のコンテンツカプセル7に分けてセットすることで、たとえば旅行商品の場合、現地までの交通手段、宿泊施設、食事、レンタカー、その他のオプションなどの各商品を任意に組合わせたパッケージ商品の提供が可能になる。
また、本発明では、上述のように第三者のプラットフォームやSNSなどの既に利用者の集まっている任意のプラットフォームでカプセル7を配信可能である。そこで、上述のe−ラーニングシステムの場合、教師や学校などの作成者用の情報処理装置1が、コンテンツカプセル7の直接の配信元となるケースが多くを占めるが、本実施形態のe−コマースシステムで注目すべきは、その第三者のプラットフォーム8を、配信用の情報処理装置として利用することである。
図6では、コンテンツ提供者側の情報処理装置1’は、販売業者などが所有し、該情報処理装置1’はコンテンツカプセル7の作成を主とし、配信は前記第三者のプラットフォーム8におけるホームページ8a,8b,8cが主として行うことになる。そのため、販売業者は、作成者用の情報処理装置1’で作成したコンテンツカプセル7を、配信用の情報処理装置となる第三者のプラットフォーム8にアップロード(配置および/または登録)する。情報処理装置2は、購入者や閲覧者が使用することになる。
ホームページ8a,8b,8cには、有名サイトのポータルページなどを使用することができ、たとえばホームページ8aはビジネスマン向け、ホームページ8bは子供向け、ホームページ8cは若者向けというように分類することができる。したがって、ホームページ8a,8b,8cを選択することで、購入者のターゲット層を変化したりすることも可能になる。こうして、e−コマースシステムを、導入だけでなく、維持・管理も低コストに行うことができるとともに、非常に高い発展性を持たせることができる。
ここで、特開2011−70644号公報では、ネットワークに散在する複数のリソースに、それぞれ同じフォーマットでAPI情報およびユーザインターフェイス情報を加えて、Magicellと称するカプセルにし、それら複数のリソースの論理関係に従ってマッシュアップ(大きなカプセルに)することで、既存のリソースを効率的に組合わせて、新たなWebリソースとして流通できるようにした装置(アセンブリ・サービス・アーキテクチャ)が示されている。すなわち、カプセル化の手法については詳しく示されている。
しかしながら、この先行技術では、1からコードを書かなければならない、つまり、この先行技術では、追加の組合わせのコードだけでなく、組合わせ前のそれぞれのリソースのコードを認識している必要があり、それ以前の従来技術と比べては、コード化作業の負担が軽減されているが、それでも開発者が組合わせの論理のコードを開発する必要があり、本発明のようにコンテンツとなるデータやプログラムを、順序も含めて逐次指定するだけのような簡単な作業(コードの認識の無い)で、カプセル化はできない。またこの先行技術では、カプセルが、コンテンツの配布や配信を意識したものでは無く、本発明のように、コンテンツを配布したい利用者がパーソナルコンピュータやモバイル端末などの簡易な方法でコンテンツをカプセル化し、任意のWebサーバに配置して利用者に提供できるというものではない。さらにこの先行技術には、利用者の環境やレベル(学習ではカリュキュラムの進捗度合い等)に応じて、動的に進化するような発想も無い。
また、特開2007−41702号公報は、Webサーバ機能とコンテンツとをカプセル化することで、簡易にコンテンツ配信を行うカプセル化文書の手法を提案している。しかしながら、本先行技術では、Webブラウザからのコマンドを解釈し、対応するファイルを送信するだけであるので、Web上の多様な最新のサービスを取り込むことはできない。
本発明のコンテンツのカプセル化構造は、コンテンツを流通させるためにカプセル化する構造であって、前記コンテンツを構成すべきデータに固有で、かつ外部ストレージを参照するための(URL,URNなどの)識別情報、ならびに前記データを処理するために必要な処理情報(データ処理方法や表示方法など)が記述された1または複数のメタデータから成るメタデータ部と、前記識別情報(URL,URNなど)を参照し、前記外部ストレージからその識別情報(URL,URNなど)に該当するデータを取得し、自機に予め導入されている(OS、JAVA(登録商標)等のライブラリ、エンコーダー等の変換プログラム、Webブラウザや電子書籍リーダー等の表示プログラムなどの)処理プログラムに引渡し、前記処理情報(データ処理方法や表示方法など)に従って処理させるカプセルエンジン部とを含むことを特徴とする。
また、本発明のコンテンツ提供方法は、コンテンツをカプセル化して、利用者に提供する方法において、前記カプセルには、コンテンツを構成すべきデータの処理を行うカプセルエンジン部と、前記コンテンツのデータに固有で、かつ外部ストレージを参照するための識別情報(URL,URNなど)、ならびに前記データを処理するために必要な処理情報(データ処理の方法や表示順など)が記載された1または複数のメタデータから成るメタデータ部とを含み、コンテンツ作成者側の作成者用情報処理装置から、利用者側の情報処理装置が前記カプセルを取得するステップと、前記利用者側の情報処理装置において能動化した前記カプセルエンジン部で行われ、前記識別情報(URL,URNなど)を参照し、外部ストレージからその識別情報(URL,URNなど)に該当するデータを取得するステップと、取得したデータを、前記処理情報(データ処理の方法や表示順など)に基づき処理を行うステップとを含むことを特徴とする。
上記の構成によれば、配信や配布のためにコンテンツをカプセル化(パッケージ化)して流通させるための構造であって、前記コンテンツを構成すべきデータが静的なもの、たとえば動画ファイル、画像ファイル、テキストファイルの場合には、通常、該データには固有の属性情報(ファイル作成者名、作成日時)、ならびに該データを利用可能とするために必要な処理情報(データ処理方法や表示方法など)が記述された1または複数のメタデータから成るメタデータ部が添付されるが、本発明では、そのメタデータ部に、外部ストレージを参照するための識別情報(URL,URNなど)を加えておき、カプセルエンジン部が、前記識別情報(URL,URNなど)を参照し、外部ストレージから、その識別情報(URL,URNなど)に該当するコンテンツを構成すべきデータ(実体ファイルなど)を読込み、OS、JAVA(登録商標)等のライブラリ、エンコーダー等の変換プログラム、Webブラウザや電子書籍リーダー等の処理プログラムに引渡し、前記処理情報(データ処理方法や表示方法など)に従って処理させる。
つまり、カプセル内には、コンテンツの容量の大きなデータ(実体ファイルなど)がそのまま格納されているのでは無く、カプセルエンジン部が、識別情報(URL,URNなど)を参照して、ネットワーク上の素材サーバやWebサーバなどの外部ストレージにアクセスし、該当するコンテンツのデータ(実体ファイル)を利用者側の情報処理装置(自機)に読込む。その後、カプセルエンジン部は、メタデータ部に記述されている処理情報(データ処理方法や表示方法)に従って、前記データ(実体ファイル)を組立てたり変換したりして処理し、さらに、自機に予め導入されているOS、JAVA(登録商標)等のライブラリ、エンコーダー等の変換プログラム、Webブラウザや電子書籍リーダー等の処理アプリケーションと、パソコンやスマートフォンなどの自機が有するハードウェアとに合せて、データ形式やデザインを変換し、表示などの処理を完結させる。
したがって、カプセルには、コンテンツを構成するデータ(実体ファイルなど)が添付されず、また複数のコンテンツを纏められるので、たとえばそのままでは比較的容量が大きくなってしまうコンテンツや、逐次更新されるコンテンツ(気象情報や株価など)、或いは、動画ファイル、画像ファイル、テキストファイルなどの複数のコンテンツで構成される文書を、サイズの小さな1つのカプセルとして、Webサイト、メール添付、USBフラッシュメモリなどの記憶メディアで、手軽に配信や配布を行うことができる。
特に、カプセルをWeb標準に準拠したフォーマットにすれば、専用のシステムや自前のWebサイトを持たなくても、SNSやブログなどの第三者のプラットフォームやWebサービスに直接カプセルを配置して、手軽に、所有するカプセルの配信や配布を行うことができる非集中型アーキテクチャーを実現することができる。また、コンテンツをカプセル化して流通させるにあたって、システム開発や運用保守に係わる負担を縮小することができる。
さらにまた、本発明のコンテンツのカプセル化構造は、コンテンツを流通させるためにカプセル化する構造であって、前記コンテンツを構成すべきデータに予め定める処理を行うために必要となり、スクリプトやコードを含む1または複数のプログラムに固有の(URL,URNなどの)識別情報が記述されたメタデータ部と、前記識別情報(URL,URNなど)を参照し、外部ストレージからその識別情報(URL,URNなど)に該当するプログラムを取得し、そのプログラムに前記データを引渡し、適宜、自機に導入済の他のプログラムと協働させて、前記データに前記予め定める処理を行うカプセルエンジン部とを含むことを特徴とする。
また、本発明のコンテンツ提供方法は、コンテンツをカプセル化して、利用者に提供する方法において、前記カプセルには、コンテンツを構成すべきデータの処理を行うカプセルエンジン部と、前記データに予め定める処理を行うために必要となり、スクリプトやコードを含む1または複数のプログラムに固有の(URL,URNなどの)識別情報が記述されたメタデータ部とを含み、コンテンツ作成者側の作成者用情報処理装置から、利用者側の情報処理装置が前記カプセルを取得するステップと、前記利用者側の情報処理装置において能動化した前記カプセルエンジン部で行われ、前記識別情報(URL,URNなど)を参照し、外部ストレージからその識別情報(URL,URNなど)に該当するプログラムを取得するステップと、取得したプログラムに前記データを引渡し、適宜、自機に導入済の他のプログラムと協働させて前記データに前記予め定める処理を行うステップとを含むことを特徴とする。
上記の構成によれば、配信や配布のためにコンテンツをカプセル化(パッケージ化)して流通させるための構造であって、コンテンツを構成すべきデータ、たとえば動画ファイル、画像ファイル、テキストファイルなどには、該コンテンツのファイル名や作成者名などの属性情報を記述したメタデータ部が添付されるが、本発明では、前記メタデータ部に、そのコンテンツのデータに表示などの予め定める処理を行うために必要となるスクリプトやコード或いはプログラムの1または複数に固有の識別情報(URL,URN))や、必要に応じて表示順などを記載しておく。そして、その予め定める処理を行うカプセルエンジン部が、前記メタデータ部を解釈して、たとえば自機が、パーソナルコンピュータなのか、タブレット端末なのか、スマートフォンなのか、さらにオペレーティングシステムが何か等、該情報処理装置が備えるソフトウェアや通信環境等のIT環境(デバイスの情報)に応じて、データの表示などを行うために必要となる1または複数のプログラムを、自律的に収集し、前記表示処理を行う。
つまり、カプセルエンジン部がメタデータ部の識別情報(URL,URNなど)を参照し、データの処理に必要なプログラム(スクリプトやコード或いはアプリケーションなど)を判定し、そのプログラムが利用者側の情報処理装置に導入されていない場合には、クラウドなどの外部ストレージから、その識別情報(URL,URNなど)に該当するプログラム、たとえばビデオ再生ソフトや電子書籍閲覧ソフトなどのプログラムを取得して、自機のWebブラウザ等の、自機に導入済の他のプログラムと適宜協働させて、表示などの予め定める処理を行う。
したがって、利用者側の情報処理装置に、コンテンツデータの表示などのデータの処理に必要なプログラムが導入されていなくても、またカプセルにそのようなプログラムを添付していなくても、カプセルエンジン部が該プログラムを取得して、表示などの予め定める処理を行うので、利用者側の情報処理装置は、大掛かりにならず、種々のプログラムに対応できる。
これによって、コンテンツの配信や配布を行う側では、コンテンツのデータの処理に使用するプログラムの自由度を向上することができるとともに、最新のプログラムを使用することができる。また、カプセルが大型化せず、Webサイト、メール添付、USBフラッシュメモリなどの記憶メディアで、手軽に配信や配布を行うことができる。
特に、カプセルをWeb標準に準拠したフォーマットにすれば、専用のシステムや自前のWebサイトを持たなくても、SNSやブログなどの第三者のプラットフォームやWebサービスに直接カプセルを配置して、或いは前記プラットフォームやWebサービスを第三者と共有して利用することで、手軽に、所有するカプセルの配信や配布を行うことができる非集中型アーキテクチャーを実現することができる。また、コンテンツをカプセル化して流通させるにあたって、システム開発や運用保守に係わる負担を縮小することができる。
さらにまた、本発明のコンテンツのカプセル化構造は、コンテンツを流通させるためにカプセル化する構造であって、所望の機能を実現し、前記コンテンツを構成すべき、スクリプトやコードを含む1または複数のプログラムに固有の(URL,URNなどの)識別情報が記述されたメタデータ部と、前記識別情報(URL,URNなど)を参照し、外部ストレージからその識別情報(URL,URNなど)に該当するプログラムを取得し、そのプログラムを、適宜、自機に導入済の他のプログラムと協働させて、前記所望の機能を実現させるカプセルエンジン部とを含むことを特徴とする。
また、本発明のコンテンツ提供方法は、コンテンツをカプセル化して、利用者に提供する方法において、前記カプセルには、所望の機能を実現させるカプセルエンジン部と、前記所望の機能を実現する1または複数のプログラムに固有の(URL,URNなどの)識別情報が記述されたメタデータ部とを含み、コンテンツ作成者側の配信サーバから、利用者側の情報処理装置が前記カプセルを取得するステップと、前記利用者側の情報処理装置において能動化した前記カプセルエンジン部で行われ、前記識別情報(URL,URNなど)を参照し、外部ストレージからその識別情報(URL,URNなど)に該当するプログラムを取得するステップと、取得したプログラムを適宜、自機に導入済の他のプログラムと協働させて前記所望の機能を実現するステップとを含むことを特徴とする。
上記の構成によれば、配信や配布のためにコンテンツをカプセル化(パッケージ化)して流通させるための構造であって、そのコンテンツとしては所望の機能を実現するための1または複数の動的なプログラム、たとえばライブ配信、TV会議、チャット機能、課金機能などのスクリプトやコードを含むプログラムに対して、本発明では、固有の識別情報(URL,URNなど)を付与し、その識別情報(URL,URNなど)をカプセルのメタデータ部に記載しておく。そして、そのコンテンツのカプセルに要求される処理を行うカプセルエンジン部が、前記のメタデータ部を解釈して、たとえば自機が、パーソナルコンピュータなのか、タブレット端末なのか、スマートフォンなのか、さらにオペレーティングシステムが何か等、該情報処理装置が備えるソフトウェアや通信環境等のIT環境(デバイスの情報)に応じて、前記所望の機能を実現できるプログラムを自律的に収集する。
つまり、カプセルエンジン部がメタデータ部の識別情報(URL,URNなど)を参照し、所望の機能を実現するのに必要なプログラム(スクリプトやコード或いはアプリケーションなど)を判定し、そのプログラムが利用者側の情報処理装置に導入されていない場合には、クラウドなどの外部ストレージから、その識別情報(URL,URNなど)に該当するプログラムを取得して、自機に予め導入されているWebブラウザ等の他のプログラムと適宜協働させて前記所望の機能を実現する。
したがって、利用者側の情報処理装置に、前記所望の機能を実現するのに必要なプログラムが導入されていなくても、またカプセルにそのようなプログラムの実体を添付していなくても、カプセルエンジン部が該プログラムを取得して前記所望の機能を実現するので、利用者側の情報処理装置は、大掛かりにならず、種々のプログラム(アプリケーションなど)に対応できる。
これによって、プログラムのコンテンツの配信や配布を行う側では、プログラムの容量などに拘わらず任意のプログラムの配信や配布を行うことができるとともに、最新のプログラムの配信や配布を行うこともできる。さらにまた、複数の識別情報(URL,URNなど)を記載しておくことで、複数のプログラムを柔軟に組合わせることもでき、多様な機能を実現することができる。また、カプセルが大型化せず、Webサイト、メール添付、USBフラッシュメモリなどの記憶メディアで、手軽に配信や配布を行うことができる。
特に、カプセルをWeb標準に準拠したフォーマットにすれば、専用のシステムや自前のWebサイトを持たなくても、SNSやブログなどの第三者のプラットフォームやWebサービスに直接カプセルを配置して、或いは前記プラットフォームやWebサービスを第三者と共有して利用することで、手軽に、所有するカプセルの配信や配布を行うことができる非集中型アーキテクチャーを実現することができる。また、コンテンツをカプセル化して流通させるにあたって、システム開発や運用保守に係わる負担を縮小することができる。
さらにまた、本発明のコンテンツのカプセル化構造では、データキャッシュ部をさらに備え、該データキャッシュ部は少なくとも一部のコンテンツを格納していることを特徴とする。
上記の構成によれば、カプセルエンジン部がコンテンツを構成するデータやプログラム(スクリプトやコード或いはアプリケーションなど)の全部を外部ストレージから取得するのではなく、少なくとも一部をカプセル内に格納しておくようにする。たとえば、コンテンツのデータが動画とテキストとの2つのファイルから成る場合に、テキストファイルはカプセルに埋込み、動画ファイルは上述のようにしてWebなどから取得するようになる。
したがって、その一部のコンテンツについては、カプセルエンジン部がクラウドなどの外部ストレージから取得する必要はなく、表示などのデータの処理やプログラム(アプリケーションなど)による前記所望の機能を速やかに行うことができる。
また、本発明のコンテンツのカプセル化構造では、前記コンテンツのデータが、学習教材であることを特徴とする。
上記の構成によれば、コンテンツ作成者である教師が、カプセルに、利用者である学習者に、提供したい講義ビデオや資料などの静的なコンテンツの識別情報(URL,URN)をパッケージングしておくことで、カプセルは、上述のように、自律的に、必要なコンテンツのデータを取得して、教師が意図した通りの学習教材を提供できる。こうして、専用の学習管理システムやWebサイトを用意する必要が無く、e−ラーニングを、安い費用で提供することができる。特に、e−ラーニングを提供する場合には、従来では、必要な学習教材の総てを格納した配信サーバを用意しておく必要があったのに対して、本発明では、上述のように、必要なコンテンツ(学習教材)は、その識別情報(URL,URN)をカプセルにパッケージングするだけで、該カプセルが自律的に収集するので、配信サーバが不要となる。そのため、e−ラーニング実施のコスト削減につながり、高等教育機関などの専門教育機関だけでなく、塾、予備校、民間企業から個人に至るまで、手軽に低価格でe−ラーニングを提供することができ、e−ラーニングの普及拡大や、利用者の裾野を拡げることができる。
さらにまた、本発明のコンテンツのカプセル化構造では、前記コンテンツのプログラムが、学習支援機能のプログラムであることを特徴とする。
上記の構成によれば、コンテンツ作成者である教師が、カプセルに、利用者である学習者に、提供したいライブ授業やTV会議などの動的なコンテンツの識別情報(URL,URN)をパッケージングしておくことで、カプセルは、上述のように、自律的に、必要な学習支援機能のプログラムを取得して、教師が意図した通りの学習内容を提供できる。こうして、専用の学習管理システムやWebサイトを用意する必要が無く、e−ラーニングを、安い費用で提供することができる。特に、e−ラーニングを提供する場合には、従来では、色々な学習支援機能を格納した配信サーバを用意しておく必要があったのに対して、本発明では、上述のように、必要なプログラム(学習支援機能)は、その識別情報(URL,URN))をカプセルにパッケージングするだけで、該カプセルが自律的に収集するので、配信サーバが不要となる。そのため、e−ラーニング実施のコスト削減につながり、高等教育機関などの専門教育機関だけでなく、塾、予備校、民間企業から個人に至るまで、手軽に低価格でe−ラーニングを提供することができ、e−ラーニングの普及拡大や、利用者の裾野を拡げることができる。
また、本発明のコンテンツのカプセル化構造では、前記コンテンツのデータが、販売すべき商品に関する資料であることを特徴とする。
上記の構成によれば、カプセルが、自律的に、必要なコンテンツのデータを取得して、コンテンツ作成者が意図した通りの処理が行われるとともに、そのカプセルを、SNSなどの既に利用者の集まっている任意のWebサイトで配信できるので、コンテンツの配信(販売業者)側が自社専用のWebサイトに利用者を集めなくても、e−コマースシステムを、安い費用で容易に導入することができる。また、コンテンツの配信(販売業者)側では、(URL,URNなどの)識別情報を変更するだけで、新しい商品に差替えたりすることができる。また、カプセルを配信するWebサイトを変更するだけで、顧客とするターゲット層の変更もできる。そのため、e−コマースシステムを、導入だけでなく、維持・管理も低コストに、さらに新たな顧客の開拓も行うことができる。
さらにまた、本発明のコンテンツ提供システムは、前記のカプセルを作成する作成者用情報処理装置と、利用者が使用し、前記カプセルを取得する情報処理装置と、所望のコンテンツのデータを予め記憶している外部ストレージと、前記情報処理装置からの前記識別情報(URL,URNなど)の照会に応答して、該識別情報(URL,URNなど)に対応した前記コンテンツのデータを記憶している前記外部ストレージにおける所在場所を回答するデータディクショナリと、前記作成者用情報処理装置、情報処理装置、外部ストレージおよびデータディクショナリ間を相互に接続するネットワークとを備え、前記情報処理装置は、前記データディクショナリからの回答に従い、前記外部ストレージにおける前記所在場所にアクセスすることで、前記作成者用情報処理装置から取得したカプセルにおけるコンテンツのデータを取得し、該データの処理を行うことを特徴とする。
上記の構成によれば、メタデータ・リポジトリなどで実現され、カプセルのメタデータ部に記述される識別情報を読替えるデータディクショナリを設けるので、前記識別情報として直接外部ストレージにアクセス可能なURLだけでなく、URI,URNなどを使用することができ、利便性を向上することができる。
また、本発明のコンテンツ提供システムは、前記のカプセルを作成する作成者用情報処理装置と、前記利用者が使用し、前記カプセルを取得する情報処理装置と、前記所望の機能を実現させるコンテンツのプログラムを予め記憶している外部ストレージと、前記情報処理装置からの前記識別情報(URL,URNなど)の照会に応答して、該識別情報(URL,URNなど)に対応した前記コンテンツのプログラムを記憶している前記外部ストレージにおける所在場所を回答するデータディクショナリと、前記作成者用情報処理装置、情報処理装置、外部ストレージおよびデータディクショナリ間を相互に接続するネットワークとを備え、前記情報処理装置は、前記データディクショナリからの回答に従い、前記外部ストレージにおける前記所在場所にアクセスすることで、前記作成者用情報処理装置から取得したカプセルにおけるコンテンツのプログラムデータを取得し、前記所望の機能を実現することを特徴とする。
上記の構成によれば、メタデータ・リポジトリなどで実現され、カプセルのメタデータ部に記述される識別情報を読替えるデータディクショナリを設けるので、前記識別情報として直接外部ストレージにアクセス可能なURLだけでなく、URI,URNなどを使用することができ、利便性を向上することができる。
さらにまた、本発明のコンテンツ提供システムでは、前記作成者用情報処理装置で作成されたカプセルを受取り、該カプセルの前記利用者側の情報処理装置による閲覧および前記利用者側の情報処理装置への配信を行う配信用情報処理装置をさらに備えることを特徴とする。
上記の構成によれば、本発明では、上述のように第三者のプラットフォームやSNSなどの既に利用者の集まっている任意のプラットフォームでカプセルを配信可能であるので、作成者用情報処理装置で作成されたカプセルを受取り、該カプセルの前記利用者側の情報処理装置による閲覧および配信を行う専用の配信用情報処理装置を設ける。
したがって、有名サイトのポータルページなどを使用することができ、利用者を容易に拡大することができるとともに、前記第三者のプラットフォームとして任意のホームページを使い分けるなどして、利用者のターゲット層を変化したりすることも可能になり、特にe−コマースシステムで有利である。
また、本発明のコンテンツ提供システムでは、前記情報処理装置は、前記ネットワークを介して、或いは該情報処理装置同士の直接通信で、もしくは記憶メディアを媒介して、取得したカプセルを他の情報処理装置に再配信・配布することを特徴とする。
上記の構成によれば、本発明では、上述のように、カプセルの作成および配信に、特別なサーバは必要は無い。そこで、一旦カプセルを取得した利用者の情報処理装置が再配信元の情報処理装置となって、知人などに、ネットワークを介して再配信を行うことができる。或いは、利用者が再配布元となって、ビアツービアなどの情報処理装置同士の直接通信で、またはUSBメモリなどの記憶メディアを媒介して、再配布を行うことができる。
しかも、本発明では、こうして再配信・配布されて拡散しても、その再配信・配布した情報処理装置の機能の影響を受けることなく、カプセルは各情報処理装置において、上述のようにカスタマイズされ、常に、前記コンテンツ作成者の意図通りの処理を行うことができる。
さらにまた、本発明のコンテンツ提供方法では、前記各カプセルには、変更不可能なユニークIDと、該カプセルの受渡しを記録する機能とが埋め込まれており、前記情報処理装置は、ネットワークを介して配信され、或いは該情報処理装置同士の直接通信で、もしくは記憶メディアを媒介して配布され、取得したカプセルを他の情報処理装置に再配信・配布することを特徴とする。
上記の構成によれば、本発明では、上述のように、カプセルにデータや機能をパッケージすることができる。そこで、カプセル毎に暗号化等により変更不可能なユニークIDと、該カプセルの受渡しを記録する機能を埋め込むことで、前記のとおりに分散し、複製され、再配布されたコンテンツの閲覧などの利用履歴を、一元的に取得することができる。
本発明に係るコンテンツのカプセル化構造ならびにそれを用いるコンテンツ提供方法およびシステムは、コンテンツを、その配信や配布を可能にするためにカプセル化するにあたって、ファイルやプログラムなどの該コンテンツに固有の識別情報(URL,URNなど)を付与してメタデータ部に格納しておき、カプセルエンジン部がその識別情報を参照し、外部ストレージからその識別情報に該当するコンテンツのファイルやプログラムの少なくとも一部の実体を取得し、所定の処理を行う。
したがって、カプセルに、ファイルやプログラムの実体の総てを格納しておく必要は無くなり、コンテンツの配布や配信、特にオンライン教育やe−コマースに好適である。
本発明は、ファイルやストリーミングデータなどのデータ、或いはスクリプトやコードもしくはプログラムなどのコンテンツをカプセルにセットして配信や配布を行うにあたって、特定のサーバを用いない非集中型アーキテクチャーを実現する新規なコンテンツ流通プログラムならびにコンテンツ提供方法およびシステムに関するものであり、主に教育、いわゆるe−ラーニングに好適に実施され、またe−コマースのWebサービスに幅広く利用可能なものに関する。
前記e−ラーニング、すなわちインターネットを利用して教育を行うオンライン教育は、1990 年代に始まり、今日では多くの学校や企業で導入されている。オンライン教育は、場所や時間の制約を受けず、効率的に多数の人々に学習を提供することが可能であり、学校教育、企業内教育、生涯教育など様々な教育の場面で利用されている。さらに近年は、世界中の数百万人単位の大規模な人々が国境を越えて学ぶオンライン教育(たとえば非特許文献1)や、発展途上国などで学校施設等のインフラや教師が不足している地域での教育など、前記オンライン教育の利用の範囲は拡大されている。
このようなオンライン教育を実現する手段として、教育支援システムが提案されている。特許文献1に見られるように、従来の教育支援システムは、特定の集中管理されているサーバコンピュータに繋がる多数の学習者のコンピュータに対し、ネットワークを通じて、学習コンテンツや教育支援機能、また学習支援機能などを提供する集中管理型のサーバ・クライアント方式が主流である。
上記集中管理型のサーバ・クライアント方式には、以下の課題がある。すなわち、(1)特定のシステムから提供される機能だけでは、個々の教育提供者、学習者の教育学習目的、手法、嗜好に応じた多様な学習環境を提供できない。(2)学習者の要望に対応する様々な機能や、インターネット技術の発展に伴い開発される新たな機能が次々と組込まれるので、次第に複雑にそして大規模になり(特許文献2,3)、システムの開発費用を高額にする。(3)特許文献4および特許文献5において、高額なシステムを共同で利用することで安価に利用できるサービスプロバイダの提案がされているが、それは、上述の課題を解決するものではなく、また特定のサーバによって多数の学習者に対するサービスを継続して安定稼働し続ける必要があるため、耐障害性対応が高額になる。(4)ひとたび特定のシステムを利用すると、そのシステムから他のシステムへの移行が困難である。(5)そのような課題を解決する手段として、特定のサーバを利用せず、インターネット上の多様で最新のサービスをオンライン教育に有効活用する試みも行われているが(たとえば非特許文献2)、それを効率的に実現する仕組みは提案されておらず、現状では相当のITスキルと手間を要するという課題がある。
そこで、上述のような集中管理型のサーバ・クライアント方式の対局として、特許文献6では、コンテンツと必要な学習支援システムの機能とをセットにして、USB等の記憶媒体に保存し、配布する方式をとっている。しかしこの方式は、ネットワーク上の資源の利用を考慮したものでは無く、一度配布してしまったコンテンツや学習支援システムを更新することが難しい。また、コンテンツとして動画ファイルなどの大容量のものを利用する場合、ファイル容量が大きくなってインターネットなどのネットワークを介した配布が困難になるケースがある。
特表2003−503780号公報
特開2015−90452号公報
特開2004−212895号公報
特開2003−108681号公報
特開2003−85353号公報
特開2008−46610号公報
MOOCs: Expectations and Reality Full Reporthttp://cbcse.org/wordpress/wp-content/uploads/2014/05/MOOCs_Expectations_and_Reality.pdf
Places to go: Connectivism and connective knowledge. Innovate Online 5(1).Retrieved fromhttps://www.academia.edu/2869475/Places_to_go_Connectivism_and_connectiv e_knowledge
そこで本発明は、コンテンツを配信・配布して流通させるにあたって、その配信・配布のためのシステムの柔軟性と拡張性とを高め、それに伴い開発や運用保守費用の高額化を防ぎ、特にオンライン教育の場合に、学習支援システムの開発等に係わる負担を縮小でき、安価で多様なオンラインコースの提供が可能になるコンテンツ流通プログラムならびにコンテンツ提供方法およびシステムを提供することを目的とする。
本発明のコンテンツの流通プログラムならびにコンテンツ提供方法およびシステムは、コンテンツを、その配信や配布を可能にするためにカプセル化するにあたって、ファイルやプログラムなどのコンテンツに固有の識別情報(URL,URNなど)を付与してメタデータ部に格納しておき、カプセルエンジン部は、その識別情報を参照し、外部ストレージからその識別情報に該当するコンテンツのファイルやプログラムの少なくとも一部の実体を取得し、所定の処理を行う。
それゆえ、カプセルに、ファイルやプログラムの実体の総てを格納しておく必要は無く、カプセルエンジン部が識別情報(URL,URNなど)を参照し、外部ストレージから適宜、前記実体を取得するので、利用者は、手軽に、コンテンツの配信や配布を行うことができる。したがって、オンライン教育、e−コマース等の様々なWebサービスを提供するにあたって、特定のサーバが不要となる非集中型アーキテクチャーを実現することができる。その結果として、システム開発や運用保守に係わる負担やシステムの複雑化を抑えながら、耐障害性、可用性、拡張性、柔軟性に優れたサービスを、提供することが可能となる。
本発明の実施の一形態に係るコンテンツ提供システムの構成を示すブロック図である。
本発明の実施の一形態に係るコンテンツのカプセル化した一構造例およびカプセルを組込んだ学習者側の情報処理装置のカスタマイズの手順を示す図である。
カプセルを作成する手順を説明する図である。
カプセルを組込んだ学習者側の情報処理装置における起動動作を示すシーケンス図である。
e−ラーニングにおける本発明のコンテンツ提供システムと従来技術のコンテンツ提供システムとのシステム構成の違いを説明するための図である。
本発明の実施の他の形態に係るコンテンツ提供システムの構成を示すブロック図である。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の一形態に係るコンテンツ流通プログラムを適用するコンテンツ提供システムの構成を示すブロック図である。本実施形態は、大学などの教育機関におけるオンラインコースを想定した学習支援システム(e−ラーニングシステム)を例として説明する。しかしながら、本システムは、提供するコンテンツが異なるだけで、後述のように、e−コマースシステムなどにも適用可能である。
e−ラーニングのための本システムは、コンテンツ提供者である教師側の情報処理装置1a,1b,1c,1d(以下、総称する際は、参照符号1で示す)と、利用者である学習者側の情報処理装置2a,2b,2c(以下、総称する際は、参照符号2で示す)と、それらを接続するネットワーク3と、ネットワーク3上に存在する多数のサーバ41,42,・・・(以下、総称する際は、参照符号4で示す)および51,52,・・・(以下、総称する際は、参照符号5で示す)とを備えて構成される。
情報処理装置1は、教師が使用し、カプセル化したコンテンツ(コンテンツカプセル、以下カプセル7と言う)を作成する作成者用情報処理装置である。情報処理装置2は、学習者が使用し、カプセルを取得する情報処理装置である。教師や学習者が所有する情報処理装置1,2は、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン等、種々考えられ、また多数が存在するが、図面を簡略化するために、図1では一部しか記載していない。
サーバ4は、所望のコンテンツとなるデータやプログラムを予め記憶しており、後述する識別情報(URL,URNなど)を指定されることで、前記情報処理装置2へ、それらの読込みを可能にする外部ストレージとなるものである。前記データとしては、画像や音声のファイルやストリーミングデータなど、プログラムとしては、データ処理の方法を示すスクリプトやコード或いはアプリケーションなどが挙げられる。
サーバ5は、メタデータ・リポジトリなどで実現され、後述の情報処理装置2からの識別情報(URI,URNなど)の照会に応答して、該識別情報(URI,URNなど)に対応したコンテンツのデータやプログラムを記憶している外部ストレージにおける所在場所の識別情報(URL,URNなど)を回答するデータディクショナリとなるものである。サーバ4,5も、多数がネットワーク3上に存在する。
ネットワーク3は、それらの情報処理装置1,2およびサーバ4,5間を相互に接続するものであり、有線、無線のネットワークを適宜組合わせて(入混じって)構成される。このネットワーク3上には、教師側の情報処理装置1を1次配信手段とするとき、2次配信手段となる配信手段6を備える。配信手段6は、クラウド環境(Web)6a、メール6b、学内サーバ6c、モバイルアドホック通信6dなどの種々のネットワーク中継手段(ノード)で構成され、それらを総称する。
外部ストレージとなるサーバ4には、それぞれに、各種のデータやプログラムの実体が予め格納され、適宜更新されている。その実体のデータとしては、動画ファイル、画像ファイル、テキストファイルなどの主に静的なコンテンツリソースである。また、実体のプログラムとしては、ビデオ再生ソフトや電子書籍閲覧ソフト、ライブ配信、TV会議、チャット機能、課金機能などのスクリプトやコードを含むプログラムなどの、主に動的で、前記のデータに表示や所望の機能を実現するために必要なデータ処理の方法である。一方、データディクショナリとなるサーバ5は、ソフトウェアのバージョンやOS対応、それらの実体が格納されているサーバ4における前記所在場所の識別情報(URL,URNなど)を格納しているリポジトリサーバなどで実現される。
本e−ラーニングシステムでは、教師は、後述するように、情報処理装置1において、コンテンツとして、データやプログラムを1または複数個、1つのカプセル7にセット(封入)し、前述のクラウド環境(Web)6a、メール6b、学内サーバ6c、モバイルアドホック通信6d等の任意のノードを介して配信する。配信されたカプセル7を学習者が受取ると、その学習者の情報処理装置2に組込まれる。カプセル7が学習者側の情報処理装置2に組込まれると、後に詳述するように、それぞれのIT環境や学習者の学習履歴に対応してアクティベイトされ、さらに学習が進むと、学習者同士で交換されたりして、パーソナライズされる。そのカプセル7の組込みや交換は、参照符号6aで示すようにクラウド環境で行われたり、参照符号6bで示すようにメール添付で行われたり、参照符号6cで示すようにWebサーバからの配布によって行われたり、参照符号6dで示すように学習者の情報処理装置2間の直接の通信などで行われたりすることができる。
図2に、本実施形態のカプセル7の一構成例およびそのカスタマイズの手順を示す。本実施形態のカプセル7は、カプセルエンジン部71と、メタデータ部72とを、少なくとも備えて構成される。カプセルエンジン部71の基本機能としては、データやプログラムなどのコンテンツに、表示などの適切な処理を行うことである。
メタデータ部72は、カプセル7に関する情報を記述するものであり、大略的に、属性情報721と、構造情報722とを備えて構成される。属性情報721は、コンテンツファイルやプログラムの名前(タイトル)、作成者名、作成日時等の特徴を示す情報である。
構造情報722は、コンテンツカプセル作成者が利用者に提供したいデータやプログラムならびに表示順などの情報を示すものであり、構成情報7221、識別情報7222およびデータ処理情報7223などから構成される。構成情報7221は、後述するように実際に表示すべきデータや、その表示に用いるプログラム(スクリプトやコード或いはアプリケーションなど)の一覧情報である。識別情報7222は、前記構成情報7221に含まれるデータやプログラムのURNなどの実体ファイルの所在場所を示すアドレス、或いはRFC2396に定められるURNやアメリカ出版協会の定めるDOI(デジタルオブジェクト識別子)などのファイルやプログラムを一意に示すID(ユニークID)であり、本件明細書では、これらを識別情報と総称することとする。データ処理情報7223は、リソースが複数の場合の前記表示順やレイアウトを示す情報である。
注目すべきは、本実施形態では、カプセル7には、前記の動画ファイル、画像ファイル、テキストファイルなどのデータや、プログラム(スクリプトやコード或いはアプリケーションなど)の少なくとも一部で、実体のデータやプログラムそのものを格納するのではなく、メタデータ部72に識別情報(URL,URN,URIなど)7222を格納し、カプセルエンジン部71がその識別情報7222を解読して、サーバ4,5から適宜入手することである。
図2においてステップs1で示すように、前記識別情報(URL,URN,URIなど)7222を解読したカプセルエンジン部71は、該識別情報7222がURLなどの、実体ファイル(データ、ストリーミングデータなどのリソース)や実体プログラム(スクリプトやコード或いはアプリケーションなど)の所在場所を示している場合には、ステップs2で示すように、外部ストレージとなるサーバ4にアクセスして、所望のデータやプログラムの実体を、ステップs3で示すように情報処理装置2の記憶領域に読込みを行い、必要な場合、さらにインストールする。
一方、識別情報7222がURIやURNなどのユニークIDである場合、カプセルエンジン部71は、先ず、ステップs2’で示すように、一旦、ディクショナリとなるサーバ5のアドレステーブルにアクセス(照会)して、ステップs3’で示すように、対象のデータやプログラムのURLなどの格納場所を取得(つまりデータやプログラムの実体の所在場所を探索)する。次に、カプセルエンジン部71は、前記ステップs2で示すように、該当のサーバ4にアクセスして、前記ステップs3で示すように、前記所望のデータやプログラムの実体を、読込み・インストールする。
このサーバ5への照会を、詳しく説明する。先ず、カプセルエンジン部71は、サーバ5に、当該カプセル7が読込まれた情報処理装置2のデバイスの種類、オペレーティングシステムの種類、カプセル7を表示しようとしているブラウザまたはリーダーの種類、通信環境の状況などの、その情報処理装置2の置かれている環境情報と、データやプログラムのURNなどのユニークIDとを送信する(s2’)。次に、サーバ5は、送信されて来た環境情報に適応したデータやプログラムのバージョンを判断し、そのデータやプログラムの実体ファイルそのもの、または読込みを実現する機能を持つプログラムの所在場所(URL)を返す(s3’)。続いて、カプセルエンジン部71が、サーバ5から返信されてきた所在場所(URL)に示されたデータやプログラムを、サーバ4から取得する。
カプセルエンジン部71は、自機に予め格納されているOSやアプリケーションプログラムなどを適宜使用して、上述のようにして自律的に収集したコンテンツの、データには表示などの所定の処理を施し、プログラムにはその機能を実現させる。具体的にたとえば、データの場合には、カプセルエンジン部71は、表示順情報7223に従い、Webブラウザや電子書籍リーダーなどの表示アプリケーションで閲覧状態に整えて表示を行う(s4)。
このようにして、カプセルエンジン部71は、メタデータ部72を解釈した上で、たとえば自機が、パーソナルコンピュータ2aなのか、タブレット端末2cなのか、スマートフォン2bなのか、さらにオペレーティングシステムが何か等、該情報処理装置2が備えるソフトウェアや通信環境等のIT環境(デバイスの情報)に応じて、たとえば、コンテンツとなるデータの実体を取得するとともに、そのデータに表示などの処理を行うために必要なプログラムを判断し、自機に導入されていなければ、前記サーバ4,5を使用して、自律的に収集を行う。或いは、コンテンツとして所望の機能を実現するプログラムの場合も、カプセルエンジン部71は、メタデータ部72を解釈した上で、そのプログラムを取得するとともに、自機のIT環境などに応じて、自機に予め導入されているプログラム(アプリケーションなど)や、外部からさらに必要となるプログラム(アプリケーションなど)を取得して、前記所望の機能を実現する。これによって、利用者がコンテンツを利用する環境を意識することなく、また予め特定のプログラム(アプリケーションなど)を導入しておくこともなく、様々な環境でコンテンツを利用することができるとともに、外部のディクショナリサーバ5を利用することで、メタデータ部72の処理を効率化することもできる。
本発明のカプセル7は、データとプログラム(アプリケーションなど)との両方を外部のサーバ4から取得するのではなく、少なくとも一方を取得するようにすればよい。識別情報7222は、1または複数の識別情報(URL,URL,URNなど)のリストから構成される。
以下に、このような必要なデータやプログラムをカプセル7にパッケージし、配信・配布を行うコンテンツ作成者側の情報処理装置1、およびカプセル7を取得することで前記必要なデータやプログラムを自律的に収集し、処理を実現する情報処理装置2の動作について詳述する。
図3は、コンテンツカプセル7を作成する手順を説明する図である。作成者は、ステップs11で示すように、コンテンツカプセル作成プログラム11に、コンテンツカプセル7に梱包したいデータやプログラムの識別情報(URL,URN,URIなど)を含む識別情報7222およびデータキャッシュ部73に蓄えるべきデータ、それらのデータ処理情報7223、その他属性情報7221を登録する。
次に、作成者が、外部ストレージのサーバ4に前記データやプログラムを保管するのではなく、ディクショナリのサーバ5への登録を希望する場合は、コンテンツカプセル作成プログラム11は、ステップs12で、そのディクショナリのサーバ5に、データやプログラムの実体、或いはURLを登録し、ステップs13で、その登録先のURL,URN,URIなどのユニークIDを受取る。コンテンツカプセル作成プログラム11は、ステップs14で、ディクショナリのサーバ5から返されたユニークIDと、作成者から登録された情報とを組合わせて、コンテンツカプセル7を作成する。こうして作成されたコンテンツカプセル7は、SNS(6a)、ホームページ(6c)、メール(6b)、モバイル端末同士の通信手段(6d)などによって、配信・配布され、ステップs15で利用者側の情報処理装置2に読込まれる(インストールされる)。
図4は、カプセル7を取込んだ学習者側の情報処理装置2における起動動作を示す。取込まれたカプセル7は、メタデータ部72の識別情報7222から、ステップs41において、ディクショナリのサーバ5にアクセスし、前記データやプログラムのURI,URNなどのユニークIDのリストおよび自機の備えるソフトウェアや通信環境等のIT環境(デバイスの情報)を送信する。
ディクショナリのサーバ5は、送られてきたリストに基づいて、必要な前記データやプログラムの所在場所(URL)リストを、ステップs42で返信する。この所在場所(URL)リストを受信した情報処理装置2は、ステップs43で、その所在場所(URL)リストの外部ストレージであるサーバ4にアクセスし、ステップs44で実体のファイルなどを受取る。情報処理装置2は、受取った実体のファイルなどをステップs45で組込み、利用環境を整える。
その後、情報処理装置2は、前記識別情報7222から、元々登録されていたデータやプログラムの所在場所(URL)リスト、および上述のようにしてステップs41,s42で取得されたデータやプログラムの所在場所(URL)リストの所在場所(URL)に、ステップs46で順次アクセスし、ステップs47で、それらの機能やコンテンツを取込む。取込んだ機能やコンテンツは、ステップs48で該情報処理装置2に組込まれ、該情報処理装置2がオンライン学習の利用可能な環境が構築される。
このように本実施形態のコンテンツカプセル7は、配信や配布のためにカプセル化(パッケージ化)されて流通し、利用者側の情報処理装置2に取込まれて利用されるコンテンツカプセルにおいて、動画ファイル、画像ファイル、テキストファイルなどのリソースのデータ、および/または該データを処理するのに必要なプログラムの識別情報(URL,URN,URIなど)7222を記述したメタデータ部72を添付し、カプセルエンジン部71が、そのメタデータ部72を解釈して、その中の識別情報(URL,URN,URIなど)7222を参照し、外部環境(サーバ4,5)を利用して、その識別情報(URL,URN,URIなど)7222に該当するデータやプログラムの実体ファイルを取得し、表示などの処理を行う。
つまり、コンテンツカプセル7のデータキャッシュ73には、コンテンツとしてのデータやプログラムの実体がそのまま格納されているのでは無く、カプセルエンジン部71が、識別情報(URL,URN,URIなど)7222を参照し、必要に応じてメタデータ・リポジトリなどのディクショナリのサーバ5に問い合わせて(s2’,s3’)、インターネット上の外部ストレージであるサーバ4などの外部環境にアクセスして、その識別情報(URL,URN,URIなど)7222に該当するデータやプログラムを読込む(s2,s3)。その後、カプセルエンジン部71は、データやプログラムを適宜処理し、たとえば表示方法に応じて組立て、Webブラウザや電子書籍リーダーなどの表示処理アプリケーションと、パソコンやスマートフォンなどの自機が有する表示ハードウェアとに合わせて、表示可能なデータ形式とデザインとに変換し、表示を行う(s4)。
したがって、コンテンツカプセル7にはデータやプログラムの実体が添付されないので、たとえば、そのままでは配信や配布が困難であったような比較的容量の大きなデータやプログラム、或いは、Webページなどの動画ファイルと画像ファイルとテキストファイルとのような複数のファイル(データ)、もしくは利用者の多様なニーズや技術革新に伴い逐次導入・更新されるようなデータやプログラムを含むコンテンツカプセル7を、Webアクセス(6c)、メール添付(6b)、SNS(6a)、或いは情報処理装置2同士の直接の通信などで、手軽に配信や配布を行うことができる。また、利用者側の情報処理装置2も、大掛かりにならず、種々のデータ処理の方法(アプリケーションなど)に対応できる。
特に、コンテンツカプセル7をWeb標準に準拠したフォーマットにすれば、専用のシステムや自前のWebサイトを持たなくても、SNSやブログなどの第三者のプラットフォームやWebサービスに直接該コンテンツカプセル7を配置して、手軽に、コンテンツの1次配信や配布を行うことができる。そのコンテンツカプセル7を受取った利用者も、他の利用者に、容易に、2次配信や配布を行うことができる。こうして、コンテンツを流通させるためにカプセル化するにあたって、自前のサーバが不要となる非集中型アーキテクチャーを実現することができ、システム開発や運用保守に係わる負担を縮小することができる。
なお、上述のように、情報処理装置1や他の情報処理装置2からのコンテンツカプセル7を受信した各情報処理装置2は、それぞれのIT環境や機器の能力などに応じて、見掛け上、カスタマイズされる。見掛け上とは、情報処理装置2がカスタマイズされるだけで、後述するように、コンテンツカプセル7に意図的な改変、たとえばファイルの追加などが行われない限り、2次、3次・・・と配信されても、該コンテンツカプセル7は同じ内容を留めているためである。これによって、常に、コンテンツ作成者の意図通りに、表示などの所望の処理を行うことができる。
ところで、コンテンツカプセル7には、通常、図2で示すように、データキャッシュ部73が実装されるので、そこにも、一部のデータやプログラムの実体を格納することができる。詳しくは、カプセルエンジン部71が上述のようにデータやプログラムの全部を外部環境から取得するのではなく、そのデータやプログラムの少なくとも一部を該カプセル7内に格納しておくことである。たとえば、データが動画とテキストとの2つのコンテンツファイル(コンテンツリソース)から成る場合に、テキストファイルはカプセル7自体、つまりデータキャッシュ部73に埋込み、動画ファイルはWebのサーバ4などから取得すると言う具合である。図2の例では、データキャッシュ部73に、動画ファイルとテキストファイルとの両方が含まれていることを示している。これによって、その一部のデータ(コンテンツファイル(コンテンツリソース))については、カプセルエンジン部71が前記Webのサーバ4などの外部環境から取得する必要はなく、表示処理を速やかに行うことができる。
同様に、コンテンツとしてプログラム(アプリケーション)についても、少なくとも一部は、コンテンツカプセル7内に格納しておくようにしてもよい。これによって、インターネット上で一般に公開されていない特殊なソフトウェアなども、カプセル作成者(教師)が必要とすれば、適宜実装することができる。図2の例では、データキャッシュ部73に、学習支援機能として、テスト機能とライブ授業機能とが実装されている。
ここで、コンテンツカプセル7で配信・配布されるコンテンツが、学習教材である場合、コンテンツ作成者である教師が、コンテンツカプセル7に、利用者である学習者に、提供したいコンテンツとして、講義ビデオや資料および/またはクイズなどの学習支援機能をパッケージングしておくことで、コンテンツカプセル7は、上述のように、自律的に、必要なデータやプログラムをコンテンツとして、学習者毎のIT環境に適応して取得し、教師が意図した通りの学習内容を提供できる。したがって、本システムをe−ラーニングに用いた場合、e−ラーニングを、安い費用で提供することができ、極めて好適である。また、学習機関側でも、専用の学習管理システムやWebサイトを用意する必要が無いので、高等教育機関などの専門教育機関だけでなく、企業研修から一般参加の生涯学習にまで、利用者の裾野を拡げることができる。
図5に、e−ラーニングシステムにおける本発明(a)と従来技術(b)とのシステム構成の違いを示す。特に、e−ラーニングシステムの場合には、従来では、図5(b)で示すように、システム構成に、学習コンテンツだけでなく、教育支援の機能に、色々な機能が付加されて、極めて肥大化してしまっている。図5(b)は、その教育支援機能として主立ったものを示すものであるが、それでも、教育コースの開設機能、ビデオ配信機能、ソーシャルネットワーク(SNS)機能、受講管理機能、オンラインテスト機能、掲示板機能、ファイル配信機能、課題提出機能、ブログ機能などである。前記受講管理機能は、たとえばコースによりどの講座を受講すべきかや、どこまで受講したのかを管理する機能である。課題提出機能は、レポート提出などである。他にも、e−ラーニングシステムの場合の学習支援機能としては、ライブ授業機能、バッジ(修了証)の発行管理機能、TV会議機能等である。
従来のe−ラーニングシステムでは、教育機関側では、受講当初に、このような必要と思われる総ての機能を盛り込んだシステムを設計・制作して、動作等を確認しておき、また機能の追加などの改変の要求が生じた場合には、全体を通した見直しが必要になったりする。さらに、コンテンツ作成者である教師には、インターネット上の便利な機能や最新の機能があっても、e−ラーニングシステムがその機能を提供していなければ利用することができず、e−ラーニングシステムが提供する機能のみを利用してオンライン教育を提供するしか無かった。
これに対して、本発明では、上述のように、教師は必要なコンテンツのデータやプログラムに関する識別情報(URL,URN,URIなど)をコンテンツカプセル7にパッケージングするだけで、該コンテンツカプセル7を読込みおよびインストールした情報処理装置2が、クラウド環境(6a)などから、自律的に、各利用者のIT環境などに応じたそれらの必要なデータやプログラムを収集し、自機をカスタマイズすることで、各情報処理装置2がオンライン学習可能な状態になるとともに、コンテンツ作成者である教師の意図通りに、表示などの所望とする処理を行うことができる。さらに、コンテンツカプセル7の作成および配信を行う情報処理装置1および受信側の情報処理装置2の構成を大幅に簡素化し、e−ラーニングシステムの導入および維持・管理を容易にすることができる。また、コンテンツの配信・配布を行う教師にとっても、インターネットで提供されている便利な機能、最新の機能を自由に組合わせてコンテンツカプセル7を作成し、容易にオンライン教育を提供することができる。
ここで、上述のように、コンテンツカプセル7は、再配信されても、同じ内容を留めているが、情報処理装置2は、自機のIT環境に応じて適宜カスタマイズされることになる。そのカスタマイズをコンテンツにまで広めてもよい。具体的には、データキャッシュ部73の学習支援機能に、学習履歴やログの収集機能を埋め込むことである。収集したデータは、コンテンツカプセル7外のROMなどに格納される。そして、たとえば学習履歴の収集機能の場合、情報処理装置2は、利用者の学習履歴を蓄積してゆき、所定の段階でカプセルエンジン部71が該学習履歴を、教師によって予め指定されたメタデータ・リポジトリなどのディクショナリのサーバ5に問い合わせる。問合せの結果、学習の進捗が遅れている場合には、情報処理装置2は、補修資料や補助教材のように、追加で入手することが好ましいデータやプログラムを、新たに外部ストレージであるサーバ4から入手するというものである。これによって、たとえば繰返し受講してもテストに合格できない受講者に、前記補修資料を配布したりすることが可能になり、学習効果を高めることができる。
一方、前記ログの収集機能の場合、たとえば各コンテンツカプセル7の前記データキャッシュ部73には、暗号化等により変更不可能なユニークIDと、コンテンツ(データ(ファイル))表示のログを収集する機能が埋め込まれる。そのログ収集機能によって、任意の利用者などから、再配信、再々配信されたコンテンツカプセルであっても、配信元の教師の情報処理装置1には、IDが同じならログが集まってきて、どのコンテンツ(データ(ファイル))に、何時、どれだけ、表示などの所定の処理が行われたかのデータが収集される。これによって、前記の通りに分散し、複製され、再配布されたコンテンツカプセル7の閲覧などの利用履歴を、一元的に取得することができる。そのため、コンテンツ作成者である教師や教育機関側では、提供するコンテンツに、適宜改良を加えてゆくことができる。
本発明は、分散型ウェブアーキテクチャーを実現する1つの手段であり、Webサービスで一般的とされていたサーバ・クライアント方式によるウェブアーキテクチャーを変革するにあたって、インターネット上の外部ストレージ(4,5)にある多様なコンテンツを組立てて、オンライン学習環境等を自律的に構築するコンテンツカプセル7により、その変革を実現する。これは、本発明のコンテンツカプセル7は、利用者から見ると、容量が小さな1つのファイルやプログラムに見えるものの、コンテンツカプセル7の内部はメタデータ部72とカプセルエンジン部71を主とした構造をとっており、前記ファイルやプログラムの実体の一部または全部を持たないためである。詳しくは、メタデータ部72にはコンテンツに固有のURL,URN,URIなどの識別情報7222が記述されており、利用者がコンテンツカプセル7を自機の情報処理装置2に取込むと、そのメタデータ部72の識別情報7222に従って、カプセルエンジン部71が必要なファイルやプログラムを外部のストレージ(4,5)等から取得して、オンライン学習環境などを自律的に構築する。このような仕組みにより、コンテンツカプセル7を、SNSなどの様々な Web サイトに配置することで、教師などは、特定のサーバを必要としない非集中型アーキテクチャーによるオンライン学習などを提供することができる。
(実施の形態2)
図6は、本発明の実施の他の形態に係るコンテンツ流通プログラムを適用するコンテンツ提供システムの構成を示すブロック図である。本実施形態は、e−コマースシステムに適用したもので、図6において、図1のe−ラーニングシステムに類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。本実施形態でも、上述のように、コンテンツカプセル7が、メタデータ部72の識別情報7222に記述されている識別情報(URL,URN,URIなど)に応じて、自律的に、コンテンツとして、必要なデータや、利用者毎のIT環境に適応したプログラム(アプリケーション)を取得して、コンテンツ作成者が意図した通りの処理が行われる。
これによって、コンテンツの配信側、すなわち販売業者側は、e−コマースシステムを、安い費用で容易に導入することができる。また、利用者も、e−コマースシステムのために、特別なIT環境を予め準備しておく必要も無い。さらに、コンテンツの配信(販売業者)側では、識別情報(URL,URN,URIなど)7222を変更するだけで、新しい商品に差替えたりすることができ、或いは同じ商品でも、識別情報(URL,URN,URIなど)7222を変更するだけで、新しいデータ処理の方法(アプリケーション、すなわち表示方法)を使用したりすることができる。たとえば、同じ商品でも、複数のコンテンツカプセル7に分けてセットすることで、たとえば旅行商品の場合、現地までの交通手段、宿泊施設、食事、レンタカー、その他のオプションなどの各商品を任意に組合わせたパッケージ商品の提供が可能になる。
また、本発明では、上述のように第三者のプラットフォームやSNSなどの既に利用者の集まっている任意のプラットフォームでカプセル7を配信可能である。そこで、上述のe−ラーニングシステムの場合、教師や学校などの作成者用の情報処理装置1が、コンテンツカプセル7の直接の配信元となるケースが多くを占めるが、本実施形態のe−コマースシステムで注目すべきは、その第三者のプラットフォーム8を、配信用の情報処理装置として利用することである。
図6では、コンテンツ提供者側の情報処理装置1’は、販売業者などが所有し、該情報処理装置1’はコンテンツカプセル7の作成を主とし、配信は前記第三者のプラットフォーム8におけるホームページ8a,8b,8cが主として行うことになる。そのため、販売業者は、作成者用の情報処理装置1’で作成したコンテンツカプセル7を、配信用の情報処理装置となる第三者のプラットフォーム8にアップロード(配置および/または登録)する。情報処理装置2は、購入者や閲覧者が使用することになる。
ホームページ8a,8b,8cには、有名サイトのポータルページなどを使用することができ、たとえばホームページ8aはビジネスマン向け、ホームページ8bは子供向け、ホームページ8cは若者向けというように分類することができる。したがって、ホームページ8a,8b,8cを選択することで、購入者のターゲット層を変化したりすることも可能になる。こうして、e−コマースシステムを、導入だけでなく、維持・管理も低コストに行うことができるとともに、非常に高い発展性を持たせることができる。
ここで、特開2011−70644号公報では、ネットワークに散在する複数のリソースに、それぞれ同じフォーマットでAPI情報およびユーザインターフェイス情報を加えて、Magicellと称するカプセルにし、それら複数のリソースの論理関係に従ってマッシュアップ(大きなカプセルに)することで、既存のリソースを効率的に組合わせて、新たなWebリソースとして流通できるようにした装置(アセンブリ・サービス・アーキテクチャ)が示されている。すなわち、カプセル化の手法については詳しく示されている。
しかしながら、この先行技術では、1からコードを書かなければならない、つまり、この先行技術では、追加の組合わせのコードだけでなく、組合わせ前のそれぞれのリソースのコードを認識している必要があり、それ以前の従来技術と比べては、コード化作業の負担が軽減されているが、それでも開発者が組合わせの論理のコードを開発する必要があり、本発明のようにコンテンツとなるデータやプログラムを、順序も含めて逐次指定するだけのような簡単な作業(コードの認識の無い)で、カプセル化はできない。またこの先行技術では、カプセルが、コンテンツの配布や配信を意識したものでは無く、本発明のように、コンテンツを配布したい利用者がパーソナルコンピュータやモバイル端末などの簡易な方法でコンテンツをカプセル化し、任意のWebサーバに配置して利用者に提供できるというものではない。さらにこの先行技術には、利用者の環境やレベル(学習ではカリュキュラムの進捗度合い等)に応じて、動的に進化するような発想も無い。
また、特開2007−41702号公報は、Webサーバ機能とコンテンツとをカプセル化することで、簡易にコンテンツ配信を行うカプセル化文書の手法を提案している。しかしながら、本先行技術では、Webブラウザからのコマンドを解釈し、対応するファイルを送信するだけであるので、Web上の多様な最新のサービスを取り込むことはできない。
本発明のコンテンツ流通プログラムは、利用者が使用する情報処理装置へ、所望のコンテンツデータが取込まれるようにするために必要な情報とプログラムとをカプセルにして流通させるコンテンツ流通プログラムであって、前記必要な情報とプログラムとは、それぞれメタデータ部とカプセルエンジン部とで構成され、前記メタデータ部は、前記コンテンツデータに固有で、かつ外部ストレージを参照するための(URL,URNなどの)識別情報、ならびに前記コンテンツデータを処理するために必要な処理情報(データ処理方法や表示方法など)が記述された1または複数のメタデータから成り、前記カプセルを取得した情報処理装置に、前記カプセルエンジン部における第1のプログラムに従い、前記識別情報(URL,URNなど)を参照させ、前記外部ストレージからその識別情報(URL,URNなど)に該当する前記コンテンツデータを取得させ、自機に予め導入されている(OS、JAVA(登録商標)等のライブラリ、エンコーダー等の変換プログラム、Webブラウザや電子書籍リーダー等の表示プログラムなどの)処理プログラムに引渡させて、前記処理情報(データ処理方法や表示方法など)に従って処理させることを特徴とする。
また、本発明のコンテンツ提供方法は、コンテンツをカプセル化して、利用者に提供する方法において、前記カプセルには、コンテンツを構成すべきデータの処理を行うカプセルエンジン部と、前記コンテンツのデータに固有で、かつ外部ストレージを参照するための識別情報(URL,URNなど)、ならびに前記データを処理するために必要な処理情報(データ処理の方法や表示順など)が記載された1または複数のメタデータから成るメタデータ部とを含み、コンテンツ作成者側の作成者用情報処理装置から、利用者側の情報処理装置が前記カプセルを取得するステップと、前記利用者側の情報処理装置において能動化した前記カプセルエンジン部で行われ、前記識別情報(URL,URNなど)を参照し、外部ストレージからその識別情報(URL,URNなど)に該当するデータを取得するステップと、取得したデータを、前記処理情報(データ処理の方法や表示順など)に基づき処理を行うステップとを含むことを特徴とする。
上記の構成によれば、配信や配布のためにコンテンツをカプセル化(パッケージ化)して流通させるにあたって、前記コンテンツを構成すべきデータが静的なもの、たとえば動画ファイル、画像ファイル、テキストファイルの場合には、通常、該データには固有の属性情報(ファイル作成者名、作成日時)、ならびに該データを利用可能とするために必要な処理情報(データ処理方法や表示方法など)が記述された1または複数のメタデータから成るメタデータ部が添付されるが、本発明では、そのメタデータ部に、外部ストレージを参照するための識別情報(URL,URNなど)を加えておき、カプセルエンジン部が、前記識別情報(URL,URNなど)を参照し、外部ストレージから、その識別情報(URL,URNなど)に該当するコンテンツを構成すべきデータ(実体ファイルなど)を読込み、OS、JAVA(登録商標)等のライブラリ、エンコーダー等の変換プログラム、Webブラウザや電子書籍リーダー等の処理プログラムに引渡し、前記処理情報(データ処理方法や表示方法など)に従って処理させる。
つまり、カプセル内には、コンテンツの容量の大きなデータ(実体ファイルなど)がそのまま格納されているのでは無く、カプセルエンジン部が、識別情報(URL,URNなど)を参照して、ネットワーク上の素材サーバやWebサーバなどの外部ストレージにアクセスし、該当するコンテンツのデータ(実体ファイル)を利用者側の情報処理装置(自機)に読込む。その後、カプセルエンジン部は、メタデータ部に記述されている処理情報(データ処理方法や表示方法)に従って、前記データ(実体ファイル)を組立てたり変換したりして処理し、さらに、自機に予め導入されているOS、JAVA(登録商標)等のライブラリ、エンコーダー等の変換プログラム、Webブラウザや電子書籍リーダー等の処理アプリケーションと、パソコンやスマートフォンなどの自機が有するハードウェアとに合せて、データ形式やデザインを変換し、表示などの処理を完結させる。
したがって、カプセルには、コンテンツを構成するデータ(実体ファイルなど)が添付されず、また複数のコンテンツを纏められるので、たとえばそのままでは比較的容量が大きくなってしまうコンテンツや、逐次更新されるコンテンツ(気象情報や株価など)、或いは、動画ファイル、画像ファイル、テキストファイルなどの複数のコンテンツで構成される文書を、サイズの小さな1つのカプセルとして、Webサイト、メール添付、USBフラッシュメモリなどの記憶メディアで、手軽に配信や配布を行うことができる。
特に、カプセルをWeb標準に準拠したフォーマットにすれば、専用のシステムや自前のWebサイトを持たなくても、SNSやブログなどの第三者のプラットフォームやWebサービスに直接カプセルを配置して、手軽に、所有するカプセルの配信や配布を行うことができる非集中型アーキテクチャーを実現することができる。また、コンテンツをカプセル化して流通させるにあたって、システム開発や運用保守に係わる負担を縮小することができる。
さらにまた、本発明のコンテンツ流通プログラムは、利用者が使用する情報処理装置へ、所望のコンテンツデータおよび第2のプログラムが取込まれるようにするために必要な情報とプログラムとをカプセルにして流通させるコンテンツ流通プログラムであって、前記必要な情報とプログラムとは、それぞれメタデータ部とカプセルエンジン部とで構成され、前記メタデータ部には、前記コンテンツデータに予め定める処理を行うために必要となり、スクリプトやコードを含む1または複数の前記第2のプログラムに固有で、かつ外部ストレージを参照するための識別情報(URL,URNなど)が記述されており、前記カプセルを取得した情報処理装置に、前記カプセルエンジン部における第3のプログラムに従い、前記識別情報(URL,URNなど)を参照させ、前記外部ストレージからその識別情報(URL,URNなど)に該当する前記第2のプログラムを取得させ、その第2のプログラムに前記コンテンツデータを引渡させ、自機に導入済の他の第4のプログラムと協働させて、前記コンテンツデータに前記予め定める処理を行わせることを特徴とする。
また、本発明のコンテンツ提供方法は、コンテンツをカプセル化して、利用者に提供する方法において、前記カプセルには、コンテンツを構成すべきデータの処理を行うカプセルエンジン部と、前記データに予め定める処理を行うために必要となり、スクリプトやコードを含む1または複数のプログラムに固有の(URL,URNなどの)識別情報が記述されたメタデータ部とを含み、コンテンツ作成者側の作成者用情報処理装置から、利用者側の情報処理装置が前記カプセルを取得するステップと、前記利用者側の情報処理装置において能動化した前記カプセルエンジン部で行われ、前記識別情報(URL,URNなど)を参照し、外部ストレージからその識別情報(URL,URNなど)に該当するプログラムを取得するステップと、取得したプログラムに前記データを引渡し、適宜、自機に導入済の他のプログラムと協働させて前記データに前記予め定める処理を行うステップとを含むことを特徴とする。
上記の構成によれば、配信や配布のためにコンテンツをカプセル化(パッケージ化)して流通させるにあたって、コンテンツを構成すべきデータ、たとえば動画ファイル、画像ファイル、テキストファイルなどには、該コンテンツのファイル名や作成者名などの属性情報を記述したメタデータ部が添付されるが、本発明では、前記メタデータ部に、そのコンテンツのデータに表示などの予め定める処理を行うために必要となるスクリプトやコード或いはプログラムの1または複数に固有の識別情報(URL,URN))や、必要に応じて表示順などを記載しておく。そして、その予め定める処理を行うカプセルエンジン部が、前記メタデータ部を解釈して、たとえば自機が、パーソナルコンピュータなのか、タブレット端末なのか、スマートフォンなのか、さらにオペレーティングシステムが何か等、該情報処理装置が備えるソフトウェアや通信環境等のIT環境(デバイスの情報)に応じて、データの表示などを行うために必要となる1または複数のプログラムを、自律的に収集し、前記表示処理を行う。
つまり、カプセルエンジン部がメタデータ部の識別情報(URL,URNなど)を参照し、データの処理に必要なプログラム(スクリプトやコード或いはアプリケーションなど)を判定し、そのプログラムが利用者側の情報処理装置に導入されていない場合には、クラウドなどの外部ストレージから、その識別情報(URL,URNなど)に該当するプログラム、たとえばビデオ再生ソフトや電子書籍閲覧ソフトなどのプログラムを取得して、自機のWebブラウザ等の、自機に導入済の他のプログラムと適宜協働させて、表示などの予め定める処理を行う。
したがって、利用者側の情報処理装置に、コンテンツデータの表示などのデータの処理に必要なプログラムが導入されていなくても、またカプセルにそのようなプログラムを添付していなくても、カプセルエンジン部が該プログラムを取得して、表示などの予め定める処理を行うので、利用者側の情報処理装置は、大掛かりにならず、種々のプログラムに対応できる。
これによって、コンテンツの配信や配布を行う側では、コンテンツのデータの処理に使用するプログラムの自由度を向上することができるとともに、最新のプログラムを使用することができる。また、カプセルが大型化せず、Webサイト、メール添付、USBフラッシュメモリなどの記憶メディアで、手軽に配信や配布を行うことができる。
特に、カプセルをWeb標準に準拠したフォーマットにすれば、専用のシステムや自前のWebサイトを持たなくても、SNSやブログなどの第三者のプラットフォームやWebサービスに直接カプセルを配置して、或いは前記プラットフォームやWebサービスを第三者と共有して利用することで、手軽に、所有するカプセルの配信や配布を行うことができる非集中型アーキテクチャーを実現することができる。また、コンテンツをカプセル化して流通させるにあたって、システム開発や運用保守に係わる負担を縮小することができる。
さらにまた、本発明のコンテンツ流通プログラムは、利用者が使用する情報処理装置へ、所望のコンテンツプログラムが取込まれるようにするために必要な情報とプログラムとをカプセルにして流通させるコンテンツ流通プログラムであって、前記必要な情報とプログラムとは、それぞれメタデータ部とカプセルエンジン部とで構成され、前記メタデータ部には、所望の機能を実現し、前記コンテンツプログラムを構成すべき、スクリプトやコードを含む1または複数の前記コンテンツプログラムに固有で、かつ外部ストレージを参照するための識別情報(URL,URNなど)が記述されており、前記カプセルを取得した情報処理装置に、前記カプセルエンジン部における第5のプログラムに従い、前記識別情報(URL,URNなど)を参照させ、前記外部ストレージからその識別情報(URL,URNなど)に該当する前記コンテンツプログラムを取得させ、そのコンテンツプログラムを、自機に導入済の他の第6のプログラムと協働させて、前記所望の機能を実現させることを特徴とする。
また、本発明のコンテンツ提供方法は、コンテンツをカプセル化して、利用者に提供する方法において、前記カプセルには、所望の機能を実現させるカプセルエンジン部と、前記所望の機能を実現する1または複数のプログラムに固有の(URL,URNなどの)識別情報が記述されたメタデータ部とを含み、コンテンツ作成者側の配信サーバから、利用者側の情報処理装置が前記カプセルを取得するステップと、前記利用者側の情報処理装置において能動化した前記カプセルエンジン部で行われ、前記識別情報(URL,URNなど)を参照し、外部ストレージからその識別情報(URL,URNなど)に該当するプログラムを取得するステップと、取得したプログラムを適宜、自機に導入済の他のプログラムと協働させて前記所望の機能を実現するステップとを含むことを特徴とする。
上記の構成によれば、配信や配布のためにコンテンツをカプセル化(パッケージ化)して流通させるための構造であって、そのコンテンツとしては所望の機能を実現するための1または複数の動的なプログラム、たとえばライブ配信、TV会議、チャット機能、課金機能などのスクリプトやコードを含むプログラムに対して、本発明では、固有の識別情報(URL,URNなど)を付与し、その識別情報(URL,URNなど)をカプセルのメタデータ部に記載しておく。そして、そのコンテンツのカプセルに要求される処理を行うカプセルエンジン部が、前記のメタデータ部を解釈して、たとえば自機が、パーソナルコンピュータなのか、タブレット端末なのか、スマートフォンなのか、さらにオペレーティングシステムが何か等、該情報処理装置が備えるソフトウェアや通信環境等のIT環境(デバイスの情報)に応じて、前記所望の機能を実現できるプログラムを自律的に収集する。
つまり、カプセルエンジン部がメタデータ部の識別情報(URL,URNなど)を参照し、所望の機能を実現するのに必要なプログラム(スクリプトやコード或いはアプリケーションなど)を判定し、そのプログラムが利用者側の情報処理装置に導入されていない場合には、クラウドなどの外部ストレージから、その識別情報(URL,URNなど)に該当するプログラムを取得して、自機に予め導入されているWebブラウザ等の他のプログラムと適宜協働させて前記所望の機能を実現する。
したがって、利用者側の情報処理装置に、前記所望の機能を実現するのに必要なプログラムが導入されていなくても、またカプセルにそのようなプログラムの実体を添付していなくても、カプセルエンジン部が該プログラムを取得して前記所望の機能を実現するので、利用者側の情報処理装置は、大掛かりにならず、種々のプログラム(アプリケーションなど)に対応できる。
これによって、プログラムのコンテンツの配信や配布を行う側では、プログラムの容量などに拘わらず任意のプログラムの配信や配布を行うことができるとともに、最新のプログラムの配信や配布を行うこともできる。さらにまた、複数の識別情報(URL,URNなど)を記載しておくことで、複数のプログラムを柔軟に組合わせることもでき、多様な機能を実現することができる。また、カプセルが大型化せず、Webサイト、メール添付、USBフラッシュメモリなどの記憶メディアで、手軽に配信や配布を行うことができる。
特に、カプセルをWeb標準に準拠したフォーマットにすれば、専用のシステムや自前のWebサイトを持たなくても、SNSやブログなどの第三者のプラットフォームやWebサービスに直接カプセルを配置して、或いは前記プラットフォームやWebサービスを第三者と共有して利用することで、手軽に、所有するカプセルの配信や配布を行うことができる非集中型アーキテクチャーを実現することができる。また、コンテンツをカプセル化して流通させるにあたって、システム開発や運用保守に係わる負担を縮小することができる。
さらにまた、本発明のコンテンツ流通プログラムでは、データキャッシュ部をさらに備え、該データキャッシュ部は少なくとも一部のコンテンツを格納していることを特徴とする。
上記の構成によれば、カプセルエンジン部がコンテンツを構成するデータやプログラム(スクリプトやコード或いはアプリケーションなど)の全部を外部ストレージから取得するのではなく、少なくとも一部をカプセル内に格納しておくようにする。たとえば、コンテンツのデータが動画とテキストとの2つのファイルから成る場合に、テキストファイルはカプセルに埋込み、動画ファイルは上述のようにしてWebなどから取得するようになる。
したがって、その一部のコンテンツについては、カプセルエンジン部がクラウドなどの外部ストレージから取得する必要はなく、表示などのデータの処理やプログラム(アプリケーションなど)による前記所望の機能を速やかに行うことができる。
また、本発明のコンテンツ流通プログラムでは、前記コンテンツのデータが、学習教材であることを特徴とする。
上記の構成によれば、コンテンツ作成者である教師が、カプセルに、利用者である学習者に、提供したい講義ビデオや資料などの静的なコンテンツの識別情報(URL,URN)をパッケージングしておくことで、カプセルは、上述のように、自律的に、必要なコンテンツのデータを取得して、教師が意図した通りの学習教材を提供できる。こうして、専用の学習管理システムやWebサイトを用意する必要が無く、e−ラーニングを、安い費用で提供することができる。特に、e−ラーニングを提供する場合には、従来では、必要な学習教材の総てを格納した配信サーバを用意しておく必要があったのに対して、本発明では、上述のように、必要なコンテンツ(学習教材)は、その識別情報(URL,URN)をカプセルにパッケージングするだけで、該カプセルが自律的に収集するので、配信サーバが不要となる。そのため、e−ラーニング実施のコスト削減につながり、高等教育機関などの専門教育機関だけでなく、塾、予備校、民間企業から個人に至るまで、手軽に低価格でe−ラーニングを提供することができ、e−ラーニングの普及拡大や、利用者の裾野を拡げることができる。
さらにまた、本発明のコンテンツ流通プログラムでは、前記コンテンツのプログラムが、学習支援機能のプログラムであることを特徴とする。
上記の構成によれば、コンテンツ作成者である教師が、カプセルに、利用者である学習者に、提供したいライブ授業やTV会議などの動的なコンテンツの識別情報(URL,URN)をパッケージングしておくことで、カプセルは、上述のように、自律的に、必要な学習支援機能のプログラムを取得して、教師が意図した通りの学習内容を提供できる。こうして、専用の学習管理システムやWebサイトを用意する必要が無く、e−ラーニングを、安い費用で提供することができる。特に、e−ラーニングを提供する場合には、従来では、色々な学習支援機能を格納した配信サーバを用意しておく必要があったのに対して、本発明では、上述のように、必要なプログラム(学習支援機能)は、その識別情報(URL,URN))をカプセルにパッケージングするだけで、該カプセルが自律的に収集するので、配信サーバが不要となる。そのため、e−ラーニング実施のコスト削減につながり、高等教育機関などの専門教育機関だけでなく、塾、予備校、民間企業から個人に至るまで、手軽に低価格でe−ラーニングを提供することができ、e−ラーニングの普及拡大や、利用者の裾野を拡げることができる。
また、本発明のコンテンツ流通プログラムでは、前記コンテンツのデータが、販売すべき商品に関する資料であることを特徴とする。
上記の構成によれば、カプセルが、自律的に、必要なコンテンツのデータを取得して、コンテンツ作成者が意図した通りの処理が行われるとともに、そのカプセルを、SNSなどの既に利用者の集まっている任意のWebサイトで配信できるので、コンテンツの配信(販売業者)側が自社専用のWebサイトに利用者を集めなくても、e−コマースシステムを、安い費用で容易に導入することができる。また、コンテンツの配信(販売業者)側では、(URL,URNなどの)識別情報を変更するだけで、新しい商品に差替えたりすることができる。また、カプセルを配信するWebサイトを変更するだけで、顧客とするターゲット層の変更もできる。そのため、e−コマースシステムを、導入だけでなく、維持・管理も低コストに、さらに新たな顧客の開拓も行うことができる。
さらにまた、本発明のコンテンツ提供システムは、前記のカプセルを作成する作成者用情報処理装置と、利用者が使用し、前記カプセルを取得する情報処理装置と、所望のコンテンツのデータを予め記憶している外部ストレージと、前記情報処理装置からの前記識別情報(URL,URNなど)の照会に応答して、該識別情報(URL,URNなど)に対応した前記コンテンツのデータを記憶している前記外部ストレージにおける所在場所を回答するデータディクショナリと、前記作成者用情報処理装置、情報処理装置、外部ストレージおよびデータディクショナリ間を相互に接続するネットワークとを備え、前記情報処理装置は、前記データディクショナリからの回答に従い、前記外部ストレージにおける前記所在場所にアクセスすることで、前記作成者用情報処理装置から取得したカプセルにおけるコンテンツのデータを取得し、該データの処理を行うことを特徴とする。
上記の構成によれば、メタデータ・リポジトリなどで実現され、カプセルのメタデータ部に記述される識別情報を読替えるデータディクショナリを設けるので、前記識別情報として直接外部ストレージにアクセス可能なURLだけでなく、URI,URNなどを使用することができ、利便性を向上することができる。
また、本発明のコンテンツ提供システムは、前記のカプセルを作成する作成者用情報処理装置と、前記利用者が使用し、前記カプセルを取得する情報処理装置と、前記所望の機能を実現させるコンテンツのプログラムを予め記憶している外部ストレージと、前記情報処理装置からの前記識別情報(URL,URNなど)の照会に応答して、該識別情報(URL,URNなど)に対応した前記コンテンツのプログラムを記憶している前記外部ストレージにおける所在場所を回答するデータディクショナリと、前記作成者用情報処理装置、情報処理装置、外部ストレージおよびデータディクショナリ間を相互に接続するネットワークとを備え、前記情報処理装置は、前記データディクショナリからの回答に従い、前記外部ストレージにおける前記所在場所にアクセスすることで、前記作成者用情報処理装置から取得したカプセルにおけるコンテンツのプログラムデータを取得し、前記所望の機能を実現することを特徴とする。
上記の構成によれば、メタデータ・リポジトリなどで実現され、カプセルのメタデータ部に記述される識別情報を読替えるデータディクショナリを設けるので、前記識別情報として直接外部ストレージにアクセス可能なURLだけでなく、URI,URNなどを使用することができ、利便性を向上することができる。
さらにまた、本発明のコンテンツ提供システムでは、前記作成者用情報処理装置で作成されたカプセルを受取り、該カプセルの前記利用者側の情報処理装置による閲覧および前記利用者側の情報処理装置への配信を行う配信用情報処理装置をさらに備えることを特徴とする。
上記の構成によれば、本発明では、上述のように第三者のプラットフォームやSNSなどの既に利用者の集まっている任意のプラットフォームでカプセルを配信可能であるので、作成者用情報処理装置で作成されたカプセルを受取り、該カプセルの前記利用者側の情報処理装置による閲覧および配信を行う専用の配信用情報処理装置を設ける。
したがって、有名サイトのポータルページなどを使用することができ、利用者を容易に拡大することができるとともに、前記第三者のプラットフォームとして任意のホームページを使い分けるなどして、利用者のターゲット層を変化したりすることも可能になり、特にe−コマースシステムで有利である。
また、本発明のコンテンツ提供システムでは、前記情報処理装置は、前記ネットワークを介して、或いは該情報処理装置同士の直接通信で、もしくは記憶メディアを媒介して、取得したカプセルを他の情報処理装置に再配信・配布することを特徴とする。
上記の構成によれば、本発明では、上述のように、カプセルの作成および配信に、特別なサーバは必要は無い。そこで、一旦カプセルを取得した利用者の情報処理装置が再配信元の情報処理装置となって、知人などに、ネットワークを介して再配信を行うことができる。或いは、利用者が再配布元となって、ビアツービアなどの情報処理装置同士の直接通信で、またはUSBメモリなどの記憶メディアを媒介して、再配布を行うことができる。
しかも、本発明では、こうして再配信・配布されて拡散しても、その再配信・配布した情報処理装置の機能の影響を受けることなく、カプセルは各情報処理装置において、上述のようにカスタマイズされ、常に、前記コンテンツ作成者の意図通りの処理を行うことができる。
さらにまた、本発明のコンテンツ提供方法では、前記各カプセルには、変更不可能なユニークIDと、該カプセルの受渡しを記録する機能とが埋め込まれており、前記情報処理装置は、ネットワークを介して配信され、或いは該情報処理装置同士の直接通信で、もしくは記憶メディアを媒介して配布され、取得したカプセルを他の情報処理装置に再配信・配布することを特徴とする。
上記の構成によれば、本発明では、上述のように、カプセルにデータや機能をパッケージすることができる。そこで、カプセル毎に暗号化等により変更不可能なユニークIDと、該カプセルの受渡しを記録する機能を埋め込むことで、前記のとおりに分散し、複製され、再配布されたコンテンツの閲覧などの利用履歴を、一元的に取得することができる。
本発明に係るコンテンツ流通プログラムならびにコンテンツ提供方法およびシステムは、コンテンツを、その配信や配布を可能にするためにカプセル化するにあたって、ファイルやプログラムなどの該コンテンツに固有の識別情報(URL,URNなど)を付与してメタデータ部に格納しておき、カプセルエンジン部がその識別情報を参照し、外部ストレージからその識別情報に該当するコンテンツのファイルやプログラムの少なくとも一部の実体を取得し、所定の処理を行う。
したがって、カプセルに、ファイルやプログラムの実体の総てを格納しておく必要は無くなり、コンテンツの配布や配信、特にオンライン教育やe−コマースに好適である。