JPWO2018105675A1 - 剥離層の製造方法 - Google Patents

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Abstract

式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物を含むテトラカルボン酸二無水物成分と、少なくとも1つのアミノ基のオルト位に少なくとも1つのヒドロキシ基を有する芳香族ジアミン、少なくとも1つのアミノ基のオルト位に少なくとも1つのメルカプト基を有する芳香族ジアミン及びカルボキシ基を有する芳香族ジアミンから選ばれる少なくとも1種の芳香族ジアミンを含むジアミン成分とを反応させて得られるポリアミック酸、及び有機溶媒を含む剥離層形成用組成物を基体に塗布し、最高温度400℃以上で焼成する剥離層の製造方法を提供する。(式(1)中、X1は、4価のベンゼン環、2個以上のベンゼン環同士が縮環してなる4価の基、及び2個以上のベンゼン環同士が単結合を介して結合してなる4価の基から選ばれる4価の基を表す。)

Description

本発明は、剥離層の製造方法に関する。
近年、電子デバイスには薄型化及び軽量化という特性に加え、曲げることができるという機能を付与することが求められている。このことから、従来の重く脆弱で曲げることができないガラス基板に代わって、軽量なフレキシブルプラスチック基板を用いることが求められる。
特に、新世代ディスプレイでは、軽量なフレキシブルプラスチック基板(以下、樹脂基板と表記する)を用いたアクティブマトリクス型フルカラーTFTディスプレイパネルの開発が求められている。この新世代ディスプレイに関する技術は、フレキシブルディスプレイや、フレキシブルスマートフォン、ミラーディスプレイ等の様々な分野への転用が期待されている。
そこで、樹脂フィルムを基板とした電子デバイスの製造方法が各種検討され始めており、新世代ディスプレイでは、既存のTFTディスプレイパネル製造用の設備が転用可能なプロセスの検討が進められている。
例えば、特許文献1、2及び3では、ガラス基板上にアモルファスシリコン薄膜層を形成し、その薄膜層上にプラスチック基板を形成した後に、ガラス基板側からレーザーを照射してアモルファスシリコンを結晶化させ、その結晶化に伴い発生する水素ガスによりプラスチック基板をガラス基板から剥離する方法が開示されている。
また、特許文献4では、特許文献1〜3で開示された技術を用いて被剥離層(特許文献4において「被転写層」と記載されている)をプラスチックフィルムに貼りつけて液晶表示装置を完成させる方法が開示されている。
しかし、特許文献1〜4で開示された方法、特に特許文献4で開示された方法では、レーザー光を透過させるために透光性の高い基板を使用することが必須であること、基板を通過させ、更にアモルファスシリコンに含まれる水素を放出させるのに十分な、比較的大きなエネルギーのレーザー光の照射が必要とされること、レーザー光の照射によって被剥離層に損傷を与えてしまう場合があること、といった問題がある。
しかも、被剥離層が大面積である場合には、レーザー処理に長時間を要するため、デバイス作製の生産性を上げることが難しい。
特開平10−125929号公報 特開平10−125931号公報 国際公開第2005/050754号 特開平10−125930号公報
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、フレキシブル電子デバイスの樹脂基板に損傷を与えることなく剥離することができる剥離層の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、樹脂基板の製造において、基体上に形成される剥離層を、特定のテトラカルボン酸二無水物を含むテトラカルボン酸二無水物成分と特定の芳香族ジアミンを含む芳香族ジアミン成分とを反応させて得られるポリアミック酸、及び有機溶媒を含む剥離層形成用組成物を用い、400℃以上の焼成温度で形成することにより、基体との優れた密着性、及びフレキシブル電子デバイスとして用いられる樹脂基板との適度な密着性と適度な剥離性とを有する剥離層が得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、
1. 下記式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物を含むテトラカルボン酸二無水物成分と、少なくとも1つのアミノ基のオルト位に少なくとも1つのヒドロキシ基を有する芳香族ジアミン、少なくとも1つのアミノ基のオルト位に少なくとも1つのメルカプト基を有する芳香族ジアミン、及びカルボキシ基を有する芳香族ジアミンから選ばれる少なくとも1種の芳香族ジアミンを含むジアミン成分とを反応させて得られるポリアミック酸、及び有機溶媒を含む剥離層形成用組成物を基体に塗布し、最高温度400℃以上で焼成する工程を含むことを特徴とする剥離層の製造方法、
Figure 2018105675
(式(1)中、X1は、4価のベンゼン環、2個以上のベンゼン環同士が縮環してなる4価の基、及び2個以上のベンゼン環同士が単結合を介して結合してなる4価の基から選ばれる4価の基を表す。)
2. 前記芳香族ジアミンが、下記式(B1)〜(B4)から、群から選ばれる少なくとも1種である1の剥離層の製造方法、
Figure 2018105675
3. 前記式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物が、式(C1)〜(C12)からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む1又は2の剥離層の製造方法、
Figure 2018105675
4. 1〜3のいずれかの製造方法を用いて形成される剥離層を用いることを特徴とする、樹脂基板を備えるフレキシブル電子デバイスの製造方法、
5. 1〜3のいずれかの製造方法を用いて形成した剥離層上に、樹脂基板形成用組成物を塗布した後、最高温度400℃以上で焼成して樹脂基板を形成する工程を含むフレキシブル電子デバイスの製造方法、
6. 前記樹脂基板が、ポリイミド樹脂基板である4又は5のフレキシブル電子デバイスの製造方法
を提供する。
本発明の剥離層剥離層の製造方法を採用することで、基体との優れた密着性、及び樹脂基板との適度な密着性と適度な剥離性とを有する膜を再現性よく得ることができる。本発明の製造方法を実施することで、フレキシブル電子デバイスの製造プロセスにおいて、基体上に形成された樹脂基板や、更にその上に設けられる回路等に損傷を与えることなく、当該回路等とともに当該樹脂基板を当該基体から分離することが可能となる。したがって、本発明の製造方法は、樹脂基板を備えるフレキシブル電子デバイスの製造プロセスの簡便化やその歩留り向上等に寄与し得る。
以下、本発明について、より詳細に説明する。
本発明に係る剥離層の製造方法は、下記式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物を含むテトラカルボン酸二無水物成分と、少なくとも1つのアミノ基のオルト位に少なくとも1つのヒドロキシ基を有する芳香族ジアミン、少なくとも1つのアミノ基のオルト位に少なくとも1つのメルカプト基を有する芳香族ジアミン、及びカルボキシ基を有する芳香族ジアミンから選ばれる少なくとも1種の芳香族ジアミンを含むジアミン成分とを反応させて得られるポリアミック酸、及び有機溶媒を含む剥離層形成用組成物を基体に塗布し、最高温度400℃以上で焼成することを特徴とする。
本発明における剥離層とは、所定の目的でガラス基体直上に設けられる層であって、その典型例としては、フレキシブル電子デバイスの製造プロセスにおいて、基体と、ポリイミドといった樹脂からなるフレキシブル電子デバイスの樹脂基板との間に、当該樹脂基板を所定のプロセス中において固定するために設けられ、かつ、当該樹脂基板上に電子回路等の形成した後において当該樹脂基板が当該基体から容易に剥離できるようにするために設けられるものが挙げられる。
Figure 2018105675
式(1)において、X1は4価のベンゼン環、2個以上のベンゼン環同士が縮環してなる4価の基、及び2個以上のベンゼン環同士が単結合を介して結合してなる4価の基から選ばれる4価の基を表す。
2個以上のベンゼン環同士が縮環してなる4価の基の具体例としては、4価のナフタレン環、4価のアントラセン環、4価のフェナントレン環、4価のテトラセン環等が挙げられる。
2個以上のベンゼン環同士が単結合を介して結合してなる4価の基の具体例としては、4価のビフェニレン、4価のターフェニレン等が挙げられる。
前述した式(1)で表される芳香族テトラカルボン酸二無水物の具体例としては、ピロメリット酸二無水物、ベンゼン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,2,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,2,6,7−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,2,7,8−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、ビフェニル−2,2',3,3'−テトラカルボン酸二無水物、ビフェニル−2,3,3',4'−テトラカルボン酸二無水物、ビフェニル−3,3',4,4'−テトラカルボン酸二無水物、アントラセン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、アントラセン−1,2,5,6−テトラカルボン酸二無水物、アントラセン−1,2,6,7−テトラカルボン酸二無水物、アントラセン−1,2,7,8−テトラカルボン酸二無水物、アントラセン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、フェナントレン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、フェナントレン−1,2,5,6−テトラカルボン酸二無水物、フェナントレン−1,2,6,7−テトラカルボン酸二無水物、フェナントレン−1,2,7,8−テトラカルボン酸二無水物、フェナントレン−1,2,9,10−テトラカルボン酸二無水物、フェナントレン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、フェナントレン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、フェナントレン−2,3,9,10−テトラカルボン酸二無水物、フェナントレン−3,4,5,6−テトラカルボン酸二無水物、フェナントレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物等が挙げられるが、これらに限定されない。これらは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
特に、前記式(1)で表される芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、耐熱性を確保する観点から、式(C1)〜(C12)からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、式(C1)及び式(C9)からなる群から選ばれる少なくとも1種がより好ましい。
Figure 2018105675
本発明においては、前述した式(1)で表される芳香族テトラカルボン酸二無水物とともに、それ以外のテトラカルボン酸二無水物を用いることができる。
このようなテトラカルボン酸二無水物は、脂肪族テトラカルボン酸二無水物や、芳香族テトラカルボン酸二無水物であって上記式(1)以外の芳香族テトラカルボン酸二無水物が好ましい。
本発明において、前述した式(1)で表される芳香族テトラカルボン酸二無水物とともに、それ以外のテトラカルボン酸二無水物を用いる場合、式(1)で表される芳香族テトラカルボン酸二無水物の使用量は、全テトラカルボン酸二無水物中、好ましくは70モル%以上、より好ましくは80モル%以上、より一層好ましくは90モル%以上、更に好ましくは95モル%以上である。このような使用量を採用することで、良好な剥離性を有する膜を再現性よく得ることができる。
前記アミノ基のオルト位にヒドロキシ基を有する芳香族ジアミン、アミノ基のオルト位にメルカプト基を有する芳香族ジアミン、及びカルボキシ基を有する芳香族ジアミンから選ばれる少なくとも1種の芳香族ジアミン(以下、アルカリ可溶性基を有する芳香族ジアミンともいう)は、フェノール性水酸基、カルボキシ基、チオフェノール基からなる群より選ばれた少なくとも1種類以上の基を1個又は複数個有する芳香族ジアミンである。
以下にフェノール性水酸基、カルボキシ基、チオフェノール基を有するジアミン及びこれらの基を有しない芳香族ジアミンの具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではなく、また、これらは1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
フェノール性水酸基を有する芳香族ジアミンとしては、2,4−ジアミノフェノール、2,5−ジアミノフェノール、4,6−ジアミノレゾルシノール、2,5−ジアミノハイドロキノン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−アミノ−3,5−ジヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−アミノ−3,5−ジヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3,5−ジヒドロキシフェニル)スルホン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3,5−ジヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ケトン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)ケトン、2,2−ビス(4−アミノ−3,5−ジヒドロキシフェニル)ケトン、3−アミノ−N−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−4−ヒドロキシベンズアミド、4−アミノ−N−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)−3−ヒドロキシベンズアミド、4,4'−ジアミノ−3,3'−ジヒドロキシビフェニル、4,4'−ジアミノ−3,3'−ジヒドロキシ−5,5'−ジメチルビフェニル、4,4'−ジアミノ−3,3'−ジヒドロキシ−5,5'−ジメトキシビフェニル、1,4−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、ビス[4−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン等が挙げられる。
カルボキシ基を有する芳香族ジアミンとしては、2,4−ジアミノ安息香酸、2,5−ジアミノ安息香酸、3,5−ジアミノ安息香酸、4,6−ジアミノ−1,3−ベンゼンジカルボン酸、2,5−ジアミノ−1,4−ベンゼンジカルボン酸、ビス(4−アミノ−3−カルボキシフェニル)エーテル、ビス(4−アミノ−3,5−ジカルボキシフェニル)エーテル、ビス(4−アミノ−3−カルボキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3,5−ジカルボキシフェニル)スルホン、4,4'−ジアミノ−3,3'−ジカルボキシビフェニル、4,4'−ジアミノ−3,3'−ジカルボキシ−5,5'−ジメチルビフェニル、4,4'−ジアミノ−3,3'−ジカルボキシ−5,5'−ジメトキシビフェニル、1,4−ビス(4−アミノ−3−カルボキシフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−3−カルボキシフェノキシ)ベンゼン、ビス[4−(4−アミノ−3−カルボキシフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノ−3−カルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノ−3−カルボキシフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−カルボキシフェニル)ケトン、2,2−ビス(4−アミノ−3−カルボキシフェニル)ケトン、2,2−ビス(4−アミノ−3,5−ジカルボキシフェニル)ケトン、3−アミノ−N−(3−アミノ−4−カルボキシフェニル)−4−カルボキシベンズアミド、4−アミノ−N−(4−アミノ−3−カルボキシフェニル)−3−カルボキシベンズアミド等が挙げられる。
チオフェノール基を有する芳香族ジアミンとしては、1,3−ジアミノ−4−メルカプトベンゼン、1,3−ジアミノ−5−メルカプトベンゼン、1,4−ジアミノ−2−メルカプトベンゼン、ビス(4−アミノ−3−メルカプトフェニル)エーテル、2,2−ビス(3−アミノ−4−メルカプトフェニル)ヘキサフルオロプロパン等が挙げられる。
更に、2種以上のアルカリ可溶性基を有する芳香族ジアミンとしては、ビス(4−アミノ−4−カルボキシ−5−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−アミノ−3−カルボキシ−5−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−アミノ−3−カルボキシ−5−ヒドロキシフェニル)スルホン、2,2−ビス(4−アミノ−3−カルボキシ−5−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−カルボキシ−5−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン等が挙げられる。
これらの芳香族ジアミンの中でも、アミノ基のオルト位にヒドロキシ基を有する芳香族ジアミン、同オルト位にカルボキシ基を有する芳香族ジアミンから選ばれる少なくとも1種の芳香族ジアミンが好ましく、下記式(B1)〜(B4)から選ばれる1種または2種以上の芳香族ジアミンがより好ましい。
Figure 2018105675
また、触媒イミド化により容易に製造しうる溶媒可溶性ポリイミド樹脂を得るには、カルボキシ基を有する芳香族ジアミンが好ましい。
本発明においては、前述したアルカリ可溶性基を含む芳香族ジアミンとともに、その他のジアミンを用いることができる。このようなジアミンは、脂肪族ジアミン、芳香族ジアミンのいずれでもよいが、得られる薄膜の強度と耐熱性を確保する観点から、エステル結合及びエーテル結合のいずれも含まない芳香族ジアミンが好ましい。
上記その他のジアミンとしては、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、2,5−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、4,6−ジメチル−m−フェニレンジアミン、2,5−ジメチル−p−フェニレンジアミン、2,6−ジメチル−p−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、5−トリフルオロメチルベンゼン−1,3−ジアミン、5−トリフルオロメチルベンゼン−1,2−ジアミン、3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン−1,2−ジアミン、1,2−ナフタレンジアミン、1,3−ナフタレンジアミン、1,4−ナフタレンジアミン、1,5−ナフタレンジアミン、1,6−ナフタレンジアミン、1,7−ナフタレンジアミン、1,8−ナフタレンジアミン、2,3−ナフタレンジアミン、2,6−ナフタレンジアミン、4,4'−ビフェニルジアミン、2,2'−ビス(トリフルオロメチル)−4,4'−ジアミノビフェニル、3,3'−ジメチル−4,4'−ジアミノジフェニルメタン、3,3',5,5'−テトラメチル−4,4'−ジアミノジフェニルメタン、4,4'−ジアミノベンズアニリド、3,3'−ジクロロベンジジン、3,3'−ジメチルベンジジン、2,2'−ジメチルベンジジン、3,3'−ジアミノジフェニルメタン、3,4'−ジアミノジフェニルメタン、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、3,3'−ジアミノジフェニルスルホキシド、3,4'−ジアミノジフェニルスルホキシド、4,4'−ジアミノジフェニルスルホキシド、3,3'−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル−4,4'−ジアミン、3,3',5,5'−テトラフルオロビフェニル−4,4'−ジアミン、4,4'−ジアミノオクタフルオロビフェニル、1,5−ジアミノアントラセン、2,6−ジアミノアントラセン、9,10−ジアミノアントラセン、1,8−ジアミノフェナントレン、2,7−ジアミノフェナントレン、3,6−ジアミノフェナントレン、9,10−ジアミノフェナントレン、1,3−ビス(3−アミノフェニル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェニル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェニルスルフィド)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェニルスルフィド)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニルスルフィド)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェニルスルホン)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェニルスルホン)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニルスルホン)ベンゼン、1,3−ビス[2−(4−アミノフェニル)イソプロピル]ベンゼン、1,4−ビス[2−(3−アミノフェニル)イソプロピル]ベンゼン、1,4−ビス[2−(4−アミノフェニル)イソプロピル]ベンゼン、4,4−メチレン−ビス(2,6−エチルアニリン)、4,4'−メチレン−ビス(2−イソプロピル−6−メチルアニリン)、4,4'−メチレン−ビス(2,6−ジイソプロピルアニリン)、2,4,6−トリメチル−1,3−フェニレンジアミン、2,3,5,6−テトラメチル−1,4−フェニレンジアミン、o−トリジン、m−トリジン、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4'−ジアミノ−3,3'−ジメチルジシクロヘキシルメタン、4,4'−ジアミノジフェニルエーテル、3,4−ジアミノジフェニルエーテル、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス(4−アニリノ)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アニリノ)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−トルイル)ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパンなどが挙げられ、これらは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの中でもポリイミドの溶媒可溶性の点からは4,4'−メチレン-ビス(2,6−エチルアニリン)、4,4'−メチレン-ビス(2−イソプロピル−6−メチルアニリン)、4,4'−メチレン-ビス(2,6−ジイソプロピルアニリン)、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン等が好ましい。
本発明において、アルカリ可溶性基を有する芳香族ジアミンとともに、それ以外のジアミンを用いる場合、アルカリ可溶性基を有する芳香族ジアミンの使用量は、全ジアミン中、好ましくは70モル%以上、より好ましくは80モル%以上、より一層好ましくは90モル%以上、更に好ましくは95モル%以上である。このような使用量を採用することで、良好な剥離性を有する膜を再現性よく得ることができる。
以上説明したテトラカルボン酸二無水物成分とジアミン成分とを反応させることで、本発明に係る剥離層形成用組成物に含まれるポリアミック酸を得ることができる。
このような反応に用いる有機溶媒は、反応に悪影響を及ぼさない限り特に限定されないが、その具体例としては、m−クレゾール、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピルアミド、3−エトキシ−N,N−ジメチルプロピルアミド、3−プロポキシ−N,N−ジメチルプロピルアミド、3−イソプロポキシ−N,N−ジメチルプロピルアミド、3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピルアミド、3−sec−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピルアミド、3−tert−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピルアミド、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。なお、有機溶媒は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
特に、反応に用いる有機溶媒は、ジアミン及びテトラカルボン酸二無水物並びにポリアミック酸をよく溶解することから、式(S1)で表されるアミド類、(S2)で表されるアミド類及び式(S3)で表されるアミド類から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
Figure 2018105675
式中、R1及びR2は、互いに独立して、炭素数1〜10のアルキル基を表す。R3は、水素原子、又は炭素数1〜10のアルキル基を表す。hは、自然数を表すが、好ましくは1〜3、より好ましくは1又は2である。
炭素数1〜10のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等が挙げられる。これらのうち、炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、炭素数1又は2のアルキル基がより好ましい。
反応温度は、用いる溶媒の融点から沸点までの範囲で適宜設定すればよく、通常0〜100℃程度であるが、得られるポリアミック酸の溶液中でのイミド化を防いでポリアミック酸単位の高含有量を維持するためには、好ましくは0〜70℃程度であり、より好ましくは0〜60℃程度であり、より一層好ましくは0〜50℃程度である。
反応時間は、反応温度や原料物質の反応性に依存するため一概に規定できないが、通常1〜100時間程度である。
以上説明した方法によって、目的とするポリアミック酸を含む反応溶液を得ることができる。
このようにして得られる、上記ポリアミック酸の重量平均分子量は、通常5,000〜500,000程度であるが、得られる膜の剥離層としての機能を向上させる観点から、好ましくは6,000〜200,000程度、より好ましくは7,000〜150,000程度である。なお、本発明において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定によるポリスチレン換算値である。
本発明においては、通常、前記反応溶液をそのまま、又は希釈若しくは濃縮して得られる溶液を、本発明の剥離層形成用組成物として用いることができる。なお、上記反応溶液は必要に応じてろ過してもよい。ろ過することで、得られる剥離層の密着性、剥離性等の悪化の原因となり得る不純物の混入を低減できるだけでなく、効率よく剥離層形成用組成物を得ることができる。また、前記反応溶液からポリアミック酸を単離した後、再度溶媒に溶解して剥離層形成用組成物としてもよい。この場合の溶媒としては、前述した反応に用いる有機溶媒等が挙げられる。
希釈に用いる溶媒は、特に限定されず、その具体例としては、前記反応の反応溶媒の具体例と同様のものが挙げられる。希釈に用いる溶媒は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。中でも、ポリアミック酸をよく溶解することから、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−エチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトンが好ましく、N−メチル−2−ピロリドンがより好ましい。
また、単独ではポリアミック酸を溶解しない溶媒であっても、ポリアミック酸が析出しない範囲であれば、本発明の剥離層形成用組成物に混合することができる。特に、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、エチルカルビトールアセテート、エチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、1−ブトキシ−2−プロパノール、1−フェノキシ−2−プロパノール、プロピレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート、プロピレングリコール−1−モノエチルエーテル−2−アセテート、ジプロピレングリコール、2−(2−エトキシプロポキシ)プロパノール、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−プロピル、乳酸n−ブチル、乳酸イソアミル等の低表面張力を有する溶媒を適度に混在させることができる。これにより、基板への塗布時に塗膜均一性が向上することが知られており、本発明の剥離層形成用組成物においても好適に用いられる。
本発明の剥離層形成用組成物におけるポリアミック酸の濃度は、作製する剥離層の厚み、組成物の粘度等を勘案して適宜設定するものではあるが、通常1〜30質量%程度、好ましくは1〜20質量%程度である。このような濃度とすることで、0.05〜5μm程度の厚さの剥離層を再現性よく得ることができる。ポリアミック酸の濃度は、ポリアミック酸の原料であるジアミンとテトラカルボン酸二無水物の使用量を調整する、前記反応溶液をろ過した後そのろ液を希釈又は濃縮する、単離したポリアミック酸を溶媒に溶解させる際にその量を調整する等して調整することができる。
また、剥離層形成用組成物の粘度は、作製する剥離層の厚み等を勘案して適宜設定するものではあるが、特に0.05〜5μm程度の厚さの膜を再現性よく得ることを目的とする場合、通常、25℃で10〜10,000mPa・s程度、好ましくは20〜5,000mPa・s程度である。
ここで、粘度は、市販の液体の粘度測定用粘度計を使用して、例えば、JIS K7117−2に記載の手順を参照して、組成物の温度25℃の条件にて測定することができる。好ましくは、粘度計としては、円錐平板型(コーンプレート型)回転粘度計を使用し、好ましくは同型の粘度計で標準コーンロータとして1°34’×R24を使用して、組成物の温度25℃の条件にて測定することができる。このような回転粘度計としては、例えば、東機産業(株)製TVE−25Lが挙げられる。
なお、本発明に係る剥離層形成用組成物は、ポリアミック酸と有機溶媒のほかに、例えば膜強度を向上させるために、架橋剤等の成分を含んでもよい。
以上説明した剥離層形成用組成物を基体上に塗布した後、最高温度400℃以上で焼成する工程を含む焼成法にて、ポリアミック酸を熱イミド化することで、基体との優れた密着性及び樹脂基板との適度な密着性と適度な剥離性とを有する、ポリイミド膜からなる剥離層を得ることができる。
本発明において、上記焼成時の最高温度は400℃以上、かつ、ポリイミドの耐熱温度以下の範囲であれば特に限定されるものではないが、上述した基体との密着性や、樹脂基板との適度な密着性及び剥離性を向上させることを考慮すると、450℃以上が好ましく、500℃以上がより好ましい。また、その上限は通常550℃程度であるが、510℃程度が好ましい。加熱温度を上記範囲とすることで、得られる膜の脆弱化を防ぎつつ、イミド化反応や、アミノ基のオルト位にフェノール性水酸基を有するジアミンを用いた場合のベンゾオキサゾールの環化及び脱炭酸反応を十分に進行させることも可能となる。
加熱時間は、加熱温度によって異なるため一概に規定できないが、通常5分〜5時間である。また、イミド化率は、50〜100%の範囲であればよい。
また、上記焼成時の温度は、最高温度が上記範囲となる限り、それ以下の温度で焼成する工程を含んでいてもよい。
本発明における加熱態様の好ましい一例としては、50〜150℃で加熱した後に、そのまま段階的に加熱温度を上昇させて最終的に400℃以上で加熱する手法が挙げられる。特に、加熱態様のより好ましい一例としては、50〜100℃で加熱し、100℃超〜400℃未満で加熱し、400℃以上で加熱する手法が挙げられる。更に、加熱態様のより好ましい他の一例としては、50〜150℃で加熱した後に、150℃超〜350℃で加熱し、次いで350℃超〜400℃で加熱し、最後に400℃超〜510℃で加熱する手法が挙げられる。
また、焼成時間を考慮した場合の加熱態様の好ましい一例としては、50〜150℃で1分〜2時間加熱した後に、そのまま段階的に加熱温度を上昇させて最終的に400℃以上で30分〜4時間加熱する手法が挙げられる。特に、加熱態様のより好ましい一例としては、50〜100℃で1分〜2時間加熱し、100℃超〜400℃未満で5分〜2時間加熱し、400℃以上で30分〜4時間加熱する手法が挙げられる。更に、加熱態様のより好ましい他の一例としては、50〜150℃で1分間〜2時間加熱した後に、150℃超〜350℃で5分〜2時間、次いで350℃超〜400℃で30分〜4時間、最後に400℃超〜510℃で30分〜4時間加熱する手法が挙げられる。
本発明の製造方法では、剥離層を基体上に形成する場合、剥離層は基体の一部表面に形成されていてもよいし、全面に形成されていてもよい。基体の一部表面に剥離層を形成する態様としては、基体表面のうち所定の範囲にのみ剥離層を形成する態様、基体表面全面にドットパターン、ラインアンドスペースパターン等のパターン状に剥離層を形成する態様等がある。なお、本発明において、基体とは、その表面に本発明に係る剥離層形成用組成物が塗られるものであって、フレキシブル電子デバイス等の製造に用いられるものを意味する。
基体(基材)としては、例えば、ガラス、金属(シリコンウエハ等)、スレート等が挙げられるが、特に、本発明に係る剥離層形成用組成物を用いて得られる剥離層がそれに対する十分な密着性を有することから、ガラスが好ましい。なお、基体表面は、単一の材料で構成されていてもよく、2以上の材料で構成されていてもよい。2以上の材料で基体表面が構成される態様としては、基体表面のうち、ある範囲はある材料で構成され、その余の表面はその他の材料で構成されている態様、基体表面全体にドットパターン、ラインアンドスペースパターン等のパターン状にある材料がその他の材料中に存在する態様等がある。
塗布する方法は、特に限定されないが、例えば、キャストコート法、スピンコート法、ブレードコート法、ディップコート法、ロールコート法、バーコート法、ダイコート法、インクジェット法、印刷法(凸版、凹版、平版、スクリーン印刷等)等が挙げられる。
加熱に用いる器具としては、例えば、ホットプレート、オーブン等が挙げられる。加熱雰囲気は、空気下であっても不活性ガス下であってもよく、また、常圧下であっても減圧下であってもよい。
剥離層の厚さは、通常0.01〜50μm程度、生産性の観点から、好ましくは0.05〜20μm程度、より好ましくは0.05〜5μm程度であり、加熱前の塗膜の厚さを調整して所望の厚さを実現する。
以上説明した剥離層は、基体、特にガラスの基体との優れた密着性及び樹脂基板との適度な密着性と適度な剥離性を有する。それ故、本発明で作製される剥離層は、フレキシブル電子デバイスの製造プロセスにおいて、当該デバイスの樹脂基板に損傷を与えることなく、当該樹脂基板を、その樹脂基板上に形成された回路等とともに、基体から剥離させるために好適に用いることができる。
以下、本発明の製造方法によりフレキシブル電子デバイスを製造する方法の一例について説明する。
本発明の剥離層形成用組成物を用いて、上述の方法によって、ガラス基体上に剥離層を形成する。この剥離層の上に、樹脂基板を形成するための樹脂基板形成用溶液を塗布し、この塗膜を焼成することで、本発明の剥離層を介して、ガラス基体に固定された樹脂基板を形成する。
上記塗膜の焼成温度は、樹脂の種類等に応じて適宜設定されるものであるが、本発明では、この焼成時の最高温度を400℃以上とすることが好ましく、450℃以上とすることがより好ましく、480℃以上とすることがより一層好ましく、500℃以上とすることがさらに好ましい。樹脂基板作製の際の焼成時の最高温度をこの範囲とすることで、下地である剥離層と基体との密着性や、剥離層と樹脂基板との適度な密着性及び剥離性をより向上させることができる。
この場合も、最高温度が上記範囲となる限り、それ以下の温度で焼成する工程を含んでいてもよい。
樹脂基板作製時の加熱態様の好ましい一例としては、50〜150℃で加熱した後に、そのまま段階的に加熱温度を上昇させて最終的に400℃以上で加熱する手法が挙げられる。特に、加熱態様のより好ましい一例としては、50〜100℃で加熱し、100℃超〜400℃未満で加熱し、400℃以上で加熱する手法が挙げられる。更に、加熱態様のより好ましい他の一例としては、50〜100℃で加熱した後に、100℃超〜200℃で加熱し、次いで200℃超〜300℃未満で加熱し、300℃〜400℃未満で加熱し、400℃〜450℃未満で加熱し、最後に450〜510℃で加熱する手法が挙げられる。
また、焼成時間を考慮した場合の加熱態様の好ましい一例としては、50〜150℃で1分〜2時間加熱した後に、そのまま段階的に加熱温度を上昇させて最終的に400℃以上で30分〜4時間加熱する手法が挙げられる。特に、加熱態様のより好ましい一例としては、50〜100℃で1分〜2時間加熱し、100℃超〜400℃未満で5分〜2時間加熱し、400℃以上で30分〜4時間加熱する手法が挙げられる。更に、加熱態様のより好ましい他の一例としては、50〜100℃で1分〜2時間加熱した後に、100℃超〜200℃で5分〜2時間、次いで200℃超〜300℃未満で30分〜4時間、300℃〜400℃未満で30分〜4時間、400℃〜450℃未満で30〜4時間、最後に450〜510℃で30分〜4時間加熱する手法が挙げられる。
樹脂基板は剥離層を全て覆うようにして、剥離層の面積と比較して大きい面積で、基板を形成する。樹脂基板としては、フレキシブル電子デバイスの樹脂基板として代表的なポリイミドからなる樹脂基板が挙げられ、それを形成するための樹脂溶液としては、ポリイミド溶液やポリアミック酸溶液が挙げられる。当該樹脂基板の形成方法は、常法に従えばよい。
次に、本発明に係る剥離層を介して基体に固定された当該樹脂基板の上に、所望の回路を形成し、その後、例えば剥離層に沿って樹脂基板をカットし、この回路とともに樹脂基板を剥離層から剥離して、樹脂基板と基体とを分離する。この際、基体の一部を剥離層とともにカットしてもよい。
なお、特開2013−147599号公報では、これまで高輝度LEDや三次元半導体パッケージ等の製造において使用されてきたレーザーリフトオフ法(LLO法)をフレキシブルディスプレイの製造に適用することが報告されている。上記LLO法は、回路等が形成された面とは反対の面から、特定の波長の光線、例えば、波長308nmの光線をガラス基体側から照射することを特徴とするものである。照射された光線は、ガラス基体を透過し、ガラス基体近傍のポリマー(ポリイミド)のみがこの光線を吸収して蒸発(昇華)する。その結果、ディスプレイの性能を決定づけることとなる、樹脂基板上に設けられた回路等に影響を与えることなく、ガラス基体から樹脂基板を選択的に剥離することが可能となる。
本発明の剥離層は、上記LLO法の適用が可能となる特定波長(例えば308nm)の光線を十分に吸収するという特徴を持つため、LLO法の犠牲層として用いることができる。そのため、本発明に組成物を用いて形成した剥離層を介してガラス基体に固定された樹脂基板の上に、所望の回路を形成し、その後、LLO法を実施して308nmの光線を照射すると、該剥離層のみがこの光線を吸収して蒸発(昇華)する。これにより、上記剥離層が犠牲となり(犠牲層として働く)、ガラス基体から樹脂基板を選択的に剥離することが可能となる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
[1]化合物の略語
NMP:N−メチルピロリドン
BCS:ブチルセロソルブ
p−PDA:p−フェニレンジアミン
TPDA:4,4”−ジアミノ−p−ターフェニル
DBA:3,5−ジアミノ安息香酸
HAB:3,3’−ジヒドロキシベンジシン
6FAP:2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン
TFMB:2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン
BPDA:3,3−4,4−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
PMDA:ピロメリット酸二無水物
PA:フタル酸無水物
CBDA:1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸−1,2:3,4−二無水物
[2]重量平均分子量及び分子量分布の測定
ポリマーの重量平均分子量(以下Mwと略す)と分子量分布は、日本分光(株)製GPC装置(Shodex(登録商標)カラムKF803LおよびKF805L)を用い溶出溶媒としてジメチルホルムアミドを流量1ml/分、カラム温度50℃の条件で測定した。なお、Mwはポリスチレン換算値とした。
[3]ポリマーの合成
以下の方法によって、ポリアミック酸を合成した。
なお、得られたポリマー含有反応液からポリマーを単離せず、後述の通りに、反応液を希釈することで、樹脂基板形成用組成物又は剥離層形成用組成物を調製した。
<合成例S1 フィルム用ポリアミック酸(S1)の合成>
p−PDA20.261g(0.1875モル)とTPDA12.206g(0.0469モル)をNMP617.4gに溶解し、15℃に冷却後、PMDA50.112g(0.2298モル)を添加し、窒素雰囲気下、50℃で48時間反応させた。得られたポリマーのMwは82,100、分子量分布は2.7であった。
<合成例S2 フィルム用ポリアミック酸(S2)の合成>
p−PDA3.176g(0.0294モル)をNMP88.2gに溶解し、BPDA8.624g(0.0293モル)を添加した後、窒素雰囲気下、23℃で24時間反応させた。得られたポリマーのMwは107,300、分子量分布4.6であった。
<合成例L1 ポリアミック酸(L1)の合成>
p−PDA1.413g(0.0131モル)とDBA0.221g(0.0015モル)をNMP35.2gに溶解し、PMDA3.166g(0.0145モル)を添加した後、窒素雰囲気下、23℃で24時間反応させた。得られたポリマーのMwは64,400、分子量分布2.9であった。
<合成例L2 ポリアミック酸(L2)の合成>
p−PDA1.070g(0.0099モル)とDBA0.645g(0.0042モル)をNMP35.2gに溶解し、PMDA3.084g(0.0141モル)を添加した後、窒素雰囲気下、23℃で24時間反応させた。得られたポリマーのMwは57,700、分子量分布2.9であった。
<合成例L3 ポリアミック酸(L3)の合成>
p−PDA1.404g(0.0124モル)とHAB0.312g(0.0014モル)をNMP35.2gに溶解し、PMDA3.084g(0.0141モル)を添加した後、窒素雰囲気下、23℃で24時間反応させた。得られたポリマーのMwは32,900、分子量分布2.5であった。
<合成例L4 ポリアミック酸(L4)の合成>
p−PDA1.025g(0.0095モル)とHAB0.879g(0.0041モル)をNMP35.2gに溶解し、PMDA2.896g(0.0133モル)を添加した後、窒素雰囲気下、23℃で24時間反応させた。得られたポリマーのMwは22,000、分子量分布2.0であった。
<合成例L5 ポリアミック酸(L5)の合成>
p−PDA1.5206g(0.0141モル)と6FAP0.105g(0.0029モル)をNMP35.2gに溶解し、PMDA3.004g(0.0138モル)を添加した後、窒素雰囲気下、23℃で22時間反応させた。その後、更にPA0.170g(0.0012モル)を添加した後、窒素雰囲気下、23℃で22時間反応させた。得られたポリマーのMwは22,100、分子量分布1.9であった。
<比較合成例B1 ポリアミック酸(B1)の合成>
p−PDA1.29g(0.0011モル)をNMP43.2gに溶解し、BPDA3.509g(0.0012モル)を添加した後、窒素雰囲気下、23℃で24時間反応させた。得られたポリマーのMwは34,000、分子量分布2.0であった。
<比較合成例B2 ポリアミック酸(B2)の合成>
TFMB2.86g(0.0089モル)をNMP35.2gに溶解し、CBDA1.944g(0.0099モル)を加え、窒素雰囲気下、23℃で24時間反応させた。得られたポリマーのMwは69,200、分子量分布2.2であった。得られた溶液は、PGMEに可溶であった。
[4]樹脂基板形成用組成物の調製
合成例S1及びS2で得られた反応液を、それぞれ、そのまま樹脂基板形成用組成物として用いた。
[5]剥離層形成用組成物の調製
[実施例1−1]
合成例L1で得られた反応液に、BCSとNMPを加え、ポリマー濃度が5wt%、BCSが20質量%となるように希釈し、剥離層形成用組成物を得た。
[実施例1−2〜1−5]
合成例L1で得られた反応液の代わりに、それぞれ合成例L2〜L5で得られた反応液を用いた以外は、実施例1−1と同様の方法で、剥離層形成用組成物を得た。
[比較例1−1〜1−2]
合成例L1で得られた反応液の代わりに、それぞれ比較合成例B1とB2で得られた反応液を用いた以外は、実施例1−1と同様の方法で、剥離層形成用組成物を得た。
[6]剥離層及び樹脂基板の作製
[実施例2−1]
スピンコーター(条件:回転数3,000rpmで約30秒)を用いて、実施例1−1で得られた剥離層形成用組成物を、ガラス基体としての100mm×100mmガラス基板(以下同様)の上に塗布した。
そして、得られた塗膜を、ホットプレートを用いて80℃で10分間加熱し、その後、オーブンを用いて、300℃で30分間加熱し、加熱温度を400℃まで昇温(10℃/分)し、さらに400℃で30分間加熱し、ガラス基板上に厚さ約0.1μmの剥離層を形成し、剥離層付きガラス基板を得た。なお、昇温の間、膜付き基板をオーブンから取り出すことはせず、オーブン内で加熱した。
バーコーター(ギャップ:250μm)を用いて、上記で得られたガラス基板上の剥離層(樹脂薄膜)の上に樹脂基板形成用組成物S1を塗布した。そして、得られた塗膜を、ホットプレートを用いて80℃で30分間加熱し、その後、オーブンを用いて、窒素雰囲気にした後、140℃で30分間加熱し、加熱温度を210℃まで昇温(2℃/分、以下同様)し、210℃で30分間加熱し、加熱温度を300℃まで昇温し、300℃で30分間、加熱温度を400℃まで昇温し、400℃で60分間加熱し、剥離層上に厚さ約20μmのポリイミド樹脂基板を形成し、樹脂基板・剥離層付きガラス基板を得た。昇温の間、膜付き基板をオーブンから取り出すことはせず、オーブン内で加熱した。
[実施例2−2]
樹脂基板形成用組成物S1の代わりに樹脂基板形成用組成物S2を用いた以外は、実施例2−1と同様の方法で、剥離層及びポリイミド樹脂基板を形成し、剥離層付きガラス基板及び樹脂基板・剥離層付きガラス基板を得た。
[実施例2−3]
実施例1−1で得られた剥離層形成用組成物の代わりに、実施例1−2で得られた剥離層形成用組成物L2を用いた以外は、実施例2−2と同様の方法で、剥離層及びポリイミド樹脂基板を形成し、剥離層付きガラス基板及び樹脂基板・剥離層付きガラス基板を得た。
[実施例2−4]
実施例1−1で得られた剥離層形成用組成物の代わりに、実施例1−3で得られた剥離層形成用組成物L3を用いた以外は、実施例2−1と同様の方法で、剥離層及びポリイミド樹脂基板を形成し、剥離層付きガラス基板及び樹脂基板・剥離層付きガラス基板を得た。
[実施例2−5]
実施例1−1で得られた剥離層形成用組成物の代わりに、実施例1−3で得られた剥離層形成用組成物L3を用いた以外は、実施例2−2と同様の方法で、剥離層及びポリイミド樹脂基板を形成し、剥離層付きガラス基板及び樹脂基板・剥離層付きガラス基板を得た。
[実施例2−6]
実施例1−1で得られた剥離層形成用組成物の代わりに、実施例1−4で得られた剥離層形成用組成物L4を用いた以外は、実施例2−1と同様の方法で、剥離層及びポリイミド樹脂基板を形成し、剥離層付きガラス基板及び樹脂基板・剥離層付きガラス基板を得た。
[実施例2−7]
実施例1−1で得られた剥離層形成用組成物の代わりに、実施例1−4で得られた剥離層形成用組成物L4を用いた以外は、実施例2−2と同様の方法で、剥離層及びポリイミド樹脂基板を形成し、剥離層付きガラス基板及び樹脂基板・剥離層付きガラス基板を得た。
[実施例2−8]
スピンコーター(条件:回転数3,000rpmで約30秒)を用いて、実施例1−5で得られた剥離層形成用組成物L5を、ガラス基体としての100mm×100mmガラス基板(以下同様)の上に塗布した。
そして、得られた塗膜を、ホットプレートを用いて100℃で2分間加熱し、その後、オーブンを用いて、300℃で30分間加熱し、加熱温度を400℃まで昇温(10℃/分)し、400℃で30分間加熱し、さらに、500℃まで昇温(10℃/分)し、500℃で10分間加熱し、ガラス基板上に厚さ約0.1μmの剥離層を形成し、剥離層付きガラス基板を得た。なお、昇温の間、膜付き基板をオーブンから取り出すことはせず、オーブン内で加熱した。
バーコーター(ギャップ:250μm)を用いて、上記で得られたガラス基板上の剥離層(樹脂薄膜)の上に樹脂基板形成用組成物S2を塗布した。そして、得られた塗膜を、ホットプレートを用いて80℃で30分間加熱し、その後、オーブンを用いて、窒素雰囲気にした後、140℃で30分間加熱し、加熱温度を210℃まで昇温(2℃/分、以下同様)し、210℃で30分間加熱し、加熱温度を300℃まで昇温し、300℃で30分間加熱し、加熱温度を400℃まで昇温し、400℃で30分間加熱し、加熱温度を500℃まで昇温し、500℃で60分間加熱し、剥離層上に厚さ約20μmのポリイミド樹脂基板を形成し、樹脂基板・剥離層付きガラス基板を得た。昇温の間、膜付き基板をオーブンから取り出すことはせず、オーブン内で加熱した。
[比較例2−1〜2−2]
実施例1−1で得られた剥離層形成用組成物の代わりに、それぞれ比較例1−1〜1−2で得られた剥離層形成用組成物を用いた以外は、実施例2−2と同様の方法で、剥離層を形成した。
[7]剥離性の評価
上記実施例2−1〜2−8及び比較例2−1〜2−2で得られた剥離層付きガラス基板について、剥離層とガラス基板との剥離性を、下記手法にて確認した。なお、下記の試験は、同一のガラス基板で行った。
<樹脂薄膜のクロスカット試験剥離性評価>
実施例2−1〜2−8及び比較例2−1〜2−2で得られた剥離層付きガラス基板上の剥離層をクロスカット(縦横1mm間隔、以下同様)し、100マスカットを行った。すなわち、このクロスカットにより、1mm四方のマス目を100個形成した。
そして、この100マスカット部分に粘着テープを貼り付けて、そのテープを剥がし、以下の基準(5B〜0B,B,A,AA)に基づき、剥離性を評価した。結果を表1に示す。
<判定基準>
5B:0%剥離(剥離なし)
4B:5%未満の剥離
3B:5〜15%未満の剥離
2B:15〜35%未満の剥離
1B:35〜65%未満の剥離
0B:65%〜80%未満の剥離
B:80%〜95%未満の剥離
A:95%〜100%未満の剥離
AA:100%剥離(すべて剥離)
<樹脂基板の剥離性の評価>
実施例2−1〜2−8及び比較例2−1〜2−2で得られた樹脂基板・剥離層付きガラス基板の樹脂基板を、カッターを用いて25mm幅の短冊状にカットした。そして、カットした樹脂基板の先端にセロハンテープを貼り付け、これを試験片とした。この試験片を、(株)アトニック製プッシュプルテスターを用いて剥離角度が90°となるように剥離試験を行い、下記の基準に基づいて剥離性を評価した。結果を表1に示す。
<判定基準>
5B:0%剥離(剥離なし)
4B:5%未満の剥離
3B:5〜15%未満の剥離
2B:15〜35%未満の剥離
1B:35〜65%未満の剥離
0B:65%〜80%未満の剥離
B:80%〜95%未満の剥離
A:95%〜100%未満の剥離
AA:100%剥離(すべて剥離)
Figure 2018105675
表1の結果より、実施例2−1〜2−8の剥離層は、ガラス基板から剥離層が剥がれることなく樹脂基板のみを剥離することができたが、比較例2−1と2−2では剥離できなかったことが確認された。

Claims (6)

  1. 下記式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物を含むテトラカルボン酸二無水物成分と、少なくとも1つのアミノ基のオルト位に少なくとも1つのヒドロキシ基を有する芳香族ジアミン、少なくとも1つのアミノ基のオルト位に少なくとも1つのメルカプト基を有する芳香族ジアミン、及びカルボキシ基を有する芳香族ジアミンから選ばれる少なくとも1種の芳香族ジアミンを含むジアミン成分とを反応させて得られるポリアミック酸、及び有機溶媒を含む剥離層形成用組成物を基体に塗布し、最高温度400℃以上で焼成する工程を含むことを特徴とする剥離層の製造方法。
    Figure 2018105675
    (式(1)中、X1は、4価のベンゼン環、2個以上のベンゼン環同士が縮環してなる4価の基、及び2個以上のベンゼン環同士が単結合を介して結合してなる4価の基から選ばれる4価の基を表す。)
  2. 前記芳香族ジアミンが、下記式(B1)〜(B4)から、群から選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の剥離層の製造方法。
    Figure 2018105675
  3. 前記式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物が、式(C1)〜(C12)からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む請求項1又は2記載の剥離層の製造方法。
    Figure 2018105675
  4. 請求項1〜3のいずれか1項記載の製造方法を用いて形成される剥離層を用いることを特徴とする、樹脂基板を備えるフレキシブル電子デバイスの製造方法。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項記載の製造方法を用いて形成した剥離層上に、樹脂基板形成用組成物を塗布した後、最高温度400℃以上で焼成して樹脂基板を形成する工程を含むフレキシブル電子デバイスの製造方法。
  6. 前記樹脂基板が、ポリイミド樹脂基板である請求項4又は5記載のフレキシブル電子デバイスの製造方法。
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