JPWO2018105113A1 - 基板処理装置、クーリングユニット及び断熱構造体 - Google Patents

基板処理装置、クーリングユニット及び断熱構造体 Download PDF

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Abstract

ゾーン毎に設けられ、反応管を冷却するガスを供給する吸気管と、該吸気管に設けられ、ガスの流量を調整する制御バルブと、吸気管から供給されたガスを一時的に溜めるバッファ部と、バッファ部で溜められたガスを反応管に向けて吹出すように、ゾーン内で周方向に同じ間隔で設けられる開口部と、を備えた構成により、ゾーンの上下方向の長さ比率に応じて吸気管に導入されるガスの流量を設定することにより、制御バルブを開閉させて開口部から反応管に向けて噴出されるガスの流量及び流速が調整される構成が提供される。

Description

本発明は、基板処理装置、クーリングユニット及び断熱構造体に関する。
基板処理装置の一例として、半導体製造装置があり、さらに半導体製造装置の一例として、縦型装置があることが知られている。縦型装置では、複数の基板(以下、ウエハともいう)を多段に保持する基板保持部としてのボートを、基板を保持した状態で反応管内の処理室に搬入し、複数のゾーンで温度制御しつつ基板を所定の温度で処理することが行われている。近年、冷却機構から冷却ガスを供給し、基板処理後の降温特性を向上させることが行われている。
特許文献1は、開閉弁を開閉することにより、成膜時と降温時と温度リカバリ時のそれぞれで冷却ガスの流れを変更する技術を開示する。また、特許文献2は、吹出し孔の数や配置を変えることによりヒータ各部の降温速度を設定する技術が記載されている。
しかしながら、上述したクーリングユニット構成での冷却ガス流量の制御では、急速冷却中、反応管を均一に冷却することができないため、ゾーン毎の降温速度の変化が異なり、ゾーン間の温度履歴に差を生じてしまうという問題があった。
特開2014−209569号公報 国際特開2008/099449号公報
本発明の目的は、反応管を均一に冷却することにより、複数のゾーンでの温度偏差を均一にする構成を提供することにある。
本発明の一態様によれば、ゾーン毎に設けられ、反応管を冷却するガスを供給する吸気管と、該吸気管に設けられ、ガスの流量を調整する制御バルブと、吸気管から供給されたガスを一時的に溜めるバッファ部と、バッファ部で溜められたガスを反応管に向けて吹出すように、ゾーン内で周方向に同じ間隔で設けられる開口部と、を備えた構成により、ゾーンの上下方向の長さ比率に応じて吸気管に導入されるガスの流量を設定することにより、制御バルブを開閉させて開口部から反応管に向けて噴出されるガスの流量及び流速が調整される構成が提供される。
本発明に係る構成によれば、複数のゾーン間での降温時の温度偏差を均一にすることができるので、基板の温度リカバリ時間が短縮され、炉内温度を迅速に低下させてスループットを向上させることができる。
本発明の一実施形態に係る基板処理装置を示す一部切断正面図である。 本発明の一実施形態に係る基板処理装置の正面断面図である。 本発明の実施形態に係る成膜処理のうち温度に関する処理の一例を示すフローチャートを示す図である。 図3に示したフローチャートにおける炉内の温度変化を示す図である。 本発明の一実施形態に係る基板処理装置の主要構成部を示す断面図である。 図5に示した主要構成部の一部を拡大した図である。 本発明の実施形態に係る基板処理装置における断熱構造体の展開図である。 本発明の実施形態に係る基板処理装置におけるクーリングユニットの流量を示す図である。 本発明の実施形態に係る基板処理装置におけるクーリングユニットの流量を示す図である。 本発明の実施形態に係る基板処理装置におけるクーリングユニットの流速を示す図である。 本発明の実施形態に係る基板処理装置におけるクーリングユニットのゾーン内のエリアを説明する図である。 本発明の実施形態に係る基板処理装置におけるクーリングユニットのゾーン内の温度均一性を示す図である。 本発明の実施形態に係る基板処理装置におけるクーリングユニットのゾーン間の温度均一性を示す図である。 従来の降温特性を示す図である。 本発明の実施形態に係る基板処理装置におけるクーリングユニットの降温特性を示す図である。 本発明の実施形態に係る基板処理装置における制御用コンピュータのハードウェア構成を示す図である。 本発明の第2実施形態に係るクーリングユニットの吸気管の流量と開口穴の流量及び流速との関係を示す図である。
以下、本発明の一実施の形態を図面に即して説明する。
本実施の形態において、図1及び図2に示されているように、本発明に係る基板処理装置は、ICの製造方法における成膜工程を実施するバッチ式縦型装置として構成されている。
(第1実施形態) 図1に示された基板処理装置10は、支持された縦形の反応管としてのプロセスチューブ11を備えており、反応管11は互いに同心円に配置された外管としてのアウタチューブ12と内菅としてのインナチューブ13とから構成されている。外管12は石英(SiO2)が使用されて、上端が閉塞し下端が開口した円筒形状に一体成形されている。内菅13は上下両端が開口した円筒形状に形成されている。内菅13の筒中空部は後記するボート31が搬入される処理室14を形成しており、内菅13の下端開口はボート31を出し入れするための炉口15を構成している。後述するように、ボート31は複数枚のウエハ1(以後、基板ともいう)を長く整列した状態で保持するように構成されている。したがって、内菅13の内径は取り扱う基板1の最大外径(例えば、直径300mm)よりも大きくなるように設定されている。
外管12と内菅13との間の下端部は、略円筒形状に構築された炉口フランジ部としてのマニホールド16によって気密封止されている。外管12および内菅13の交換等のために、マニホールド16は外管12および内菅13にそれぞれ着脱自在に取り付けられている。マニホールド16が基板処理装置10の筐体2に支持されることによって、反応管11は垂直に据え付けられた状態になっている。以後、図では反応管11として内管13を省略する場合もある。
外管12と内菅13との隙間によって排気路17が、横断面形状が一定幅の円形リング形状に構成されている。図1に示されているように、マニホールド16の側壁の上部には排気管18の一端が接続されており、排気管18は排気路17の最下端部に通じた状態になっている。排気管18の他端には圧力コントローラ21によって制御される排気装置19が接続されており、排気管18の途中には圧力センサ20が接続されている。圧力コントローラ21は圧力センサ20からの測定結果に基づいて排気装置19をフィードバック制御するように構成されている。
マニホールド16の下方にはガス導入管22が内菅13の炉口15に通じるように配設されており、ガス導入管22には原料ガス供給装置および不活性ガス供給装置(以下、ガス供給装置という。)23が接続されている。ガス供給装置23はガス流量コントローラ24によって制御されるように構成されている。 ガス導入管22から炉口15に導入されたガスは、内菅13の処理室14内を流通して排気路17を通って排気管18によって排気される。
マニホールド16には下端開口を閉塞する蓋体としてのシールキャップ25が垂直方向下側から接するようになっている。蓋体25はマニホールド16の外径と略等しい円盤形状に構築されており、筐体2の待機室3に設備されたボートエレベータ26によって垂直方向に昇降されるように構成されている。ボートエレベータ26はモータ駆動の送りねじ軸装置およびベローズ等によって構成されており、ボートエレベータ26のモータ27は駆動コントローラ28によって制御されるように構成されている。蓋体25の中心線上には回転軸30が配置されて回転自在に支持されており、回転軸30は駆動コントローラ28によって制御されるモータ29により回転駆動されるように構成されている。回転軸30の上端にはボート31が垂直に支持されている。
ボート31は上下で一対の端板32、33と、これらの間に垂直に架設された三本の保持部材34とを備えており、三本の保持部材34には多数の保持溝35が長手方向に等間隔に刻まれている。三本の保持部材34において同一の段に刻まれた保持溝35、35、35同士は、互いに対向して開口するようになっている。 ボート31は三本の保持部材34の同一段の保持溝35間に基板1を挿入されることにより、複数枚の基板1を水平にかつ互いに中心を揃えた状態に整列させて保持するようになっている。ボート31と回転軸30との間には断熱キャップ部36が配置されている。回転軸30はボート31を蓋体25の上面から持ち上げた状態に支持することにより、ボート31の下端を炉口15の位置から適当な距離だけ離すように構成されている。断熱キャップ部36は炉口15の近傍を断熱するようになっている。
反応管11の外側には、縦置きの加熱装置としてのヒータユニット40が同心円に配置されて、筐体2に支持された状態で設置されている。ヒータユニット40はケース41を備えている。ケース41はステンレス鋼(SUS)が使用されて上端閉塞で下端開口の筒形状、好ましくは円筒形状に形成されている。ケース41の内径および全長は外管12の外径および全長よりも大きく設定されている。また、本実施の形態では、複数の制御ゾーンとして、ヒータユニット40の上端側から下端側にかけて、七つの制御ゾーンU1、U2、CU、C、CL、L1、L2に分割されている。
ケース41内には本発明の一実施の形態である断熱構造体42が設置されている。本実施の形態に係る断熱構造体42は、筒形状好ましくは円筒形状に形成されており、その円筒体の側壁部43が複数層構造に形成されている。すなわち、断熱構造体42は側壁部43のうち外側に配置された側壁外層(以後、外層ともいう)45と、側壁部のうち内側に配置された側壁内層(以後、内層ともいう)44とを備え、外層45と内層44の間には、側壁部43を上下方向で複数のゾーン(領域)に隔離する仕切部105と、該仕切部と隣り合う仕切部の間に設けられる環状のダクトとして構成されるバッファ部としての環状バッファ106と、を備える。
また、ケース41内には、各ゾーンに拡散防止部としてのチェックダンパ104が設けられている。この逆拡散防止体104aの開閉により冷却エア90がガス導入路107を介してバッファ部106に供給されるように構成されている。図示しないガス源から冷却エア90が供給されないときには、この逆拡散防止体104aが蓋となり、内部空間(以後、空間ともいう)75の雰囲気が逆流しないように構成されている。この逆拡散防止体104aの開く圧力をゾーンに応じて変更するよう構成してもよい。また、外層45の外周面とケース41の内周面との間は、金属の熱膨張を吸収するブランケットとしての断熱布111が設けられている。
そして、バッファ部106に供給された冷却エア90は、図2では図示しない内層44内に設けられたガス供給流路108を流れ、該ガス供給流路108を含む供給経路の一部としての開口部としての開口穴110から冷却エア90を空間75に供給するように構成されている。
図1および図2に示されているように、断熱構造体42の側壁部43の上端側には天井部としての天井壁部80が空間75を閉じるように被せられている。天井壁部80には空間75の雰囲気を排気する排気経路の一部としての排気孔81が環状に形成されており、排気孔81の上流側端である下端は内側空間75に通じている。排気孔81の下流側端は排気ダクト82に接続されている。
次に基板処理装置10によるICの製造方法における成膜工程の一例を説明する。
図1に示されているように、予め指定された枚数の基板1がボート31に装填されると、基板1群を保持したボート31は蓋体25がボートエレベータ26によって上昇されることにより、内菅13の処理室14に搬入(ボートローディング)されて行く。上限に達した蓋体25はマニホールド16に押接されることにより、反応管11の内部がシールされた状態になる。ボート31は蓋体25に支持された状態で処理室14に存置される。
続いて、反応管11の内部が排気管18によって排気される。また、温度コントローラ64がシーケンス制御することで発熱体56によって反応管11の内部が、目標温度に加熱される。反応管11の内部の実際の上昇温度と、温度コントローラ64のシーケンス制御の目標温度との誤差は、熱電対65の計測結果に基づくフィードバック制御によって補正される。また、ボート31がモータ29によって回転される。
反応管11の内圧および温度、ボート31の回転が全体的に一定の安定した状態になると、処理室14には原料ガスがガス供給装置23によってガス導入管22から導入される。ガス導入管22によって導入された原料ガスは、内菅13の処理室14内を流通して排気路17を通って排気管18によって排気される。処理室14を流通する際に、例えば、原料ガスが所定の処理温度に加熱された基板1に接触することによる熱CVD反応により、基板1に所定の膜が形成される。
所定の処理時間が経過すると、原料ガスの導入が停止された後に、窒素ガス等のパージガスが反応管11の内部にガス導入管22から導入される。同時に、冷却ガスとしての冷却エア90が吸気管101から拡散防止部104を介してガス導入路107に供給される。供給された冷却エア90はバッファ部106内で一時的に溜められ、複数個の開口部110からガス供給流路108を介して空間75に吹出す。そして、開口部110から空間75に吹き出した冷却エア90は排気孔81および排気ダクト82によって排気される。
以上の冷却エア90の流れにより、ヒータユニット40全体が強制的に冷却されるために、断熱構造体42は反応管11と共に大きいレートをもって急速に冷却されることになる。なお、空間75は処理室14から隔離されているために、冷却ガスとして冷却エア90を使用することができる。しかし、冷却効果をより一層高めるためや、エア内の不純物による高温下での発熱体56の腐蝕を防止するために、窒素ガス等の不活性ガスを冷却ガスとして使用してもよい。
処理室14の温度が所定の温度に下降すると、蓋体25に支持されたボート31はボートエレベータ26によって下降されることにより、処理室14から搬出(ボートアンローディング)される。
以降、上述した成膜工程が繰り返されることにより、基板処理装置10によって基板1に対する成膜処理が実施されて行く。
図13に示すように、制御部としての制御用コンピュータ200は、CPU(Central Precessing Unit)201およびメモリ202などを含むコンピュータ本体203と、通信部としての通信IF(Interface)204と、記憶部としての記憶装置205と、操作部としての表示・入力装置206とを有する。 つまり、制御用コンピュータ200は一般的なコンピュータとしての構成部分を含んでいる。
CPU201は、操作部の中枢を構成し、記憶装置205に記憶された制御プログラムを実行し、操作部206からの指示に従って、記憶装置205に記録されているレシピ(例えば、プロセス用レシピ)を実行する。尚、プロセス用レシピは、図3に示す後述するステップS1からステップS6までの温度制御を含むのは言うまでもない。
また、CPU201の動作プログラム等を記憶する記録媒体207として、ROM(Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュメモリ、ハードディスク等が用いられる。ここで、RAM(Random Access Memory)は、CPUのワークエリアなどとして機能する。
通信部204は、圧力コントローラ21、ガス流量コントローラ24、駆動コントローラ28、温度コントローラ64(これらをまとめてサブコントローラということもある)と電気的に接続され、各部品の動作に関するデータをやり取りすることができる。また、後述するバルブ制御部300とも電気的に接続され、マルチクーリングユニットを制御するためのデータのやり取りをすることができる。
本発明の実施形態において、制御用コンピュータ200を例に挙げて説明したが、これに限らず、通常のコンピュータシステムを用いて実現可能である。例えば、汎用コンピュータに、上述の処理を実行するためのプログラムを格納したCDROM、USB等の記録媒体207から当該プログラムをインストールすることにより、上述の処理を実行することもできる。また、通信回線、通信ネットワーク、通信システム等の通信IF204を用いてもよい。この場合、例えば、通信ネットワークの掲示板に当該プログラムを掲示し、これをネットワークを介して搬送波に重畳して提供してもよい。そして、このように提供されたプログラムを起動し、OS(Operating System)の制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、上述の処理を実行することができる。
次に、図3及び図4を用いて基板処理装置10で行われる制御部200による温度制御の一例について説明する。図4に記されている符号S1〜S6は、図3の各ステップS1〜S6が行われることを示している。
ステップS1は、炉内の温度を比較的低い温度T0に安定させる処理である。ステップS1では、基板18はまだ反応管11内に挿入されていない。
ステップS2は、ボート31に保持された基板1を反応管11内へ挿入する処理である。基板1の温度は、この時点で反応管11内の温度T0より低いので、基板1を反応管11内へ挿入した結果、反応管11内の温度は一時的にT0より低くなるが、後述する温度コントローラ64等により反応管11内の温度は若干の時間を経て再び温度T0に安定する。例えば、温度T0が室温の場合、本ステップは省略されてもよく、必須の工程ではない。
ステップS3は、温度T0から基板1に成膜処理を施すための目標温度T1まで、徐々に反応管11内の温度を上昇させる処理である。
ステップS4は、基板1に成膜処理を施すために反応管11内の温度を目標温度T1で維持して安定させる処理である。
ステップS5は、成膜処理終了後に温度T1から再び比較的低い温度T0まで徐々に反応管11内の温度を下降させる処理である。ステップS5において、冷却エア90が吸気管101から拡散防止部104を介してガス導入路107に供給され、反応管11、ヒータユニット40等を各ゾーンにおいて均一に冷却する処理が行われる。つまり、後述するクーリングユニットによる冷却処理が行われる。尚、温度T0は室温であってもよい。
ステップS6は、成膜処理が施された基板1をボート31と共に反応管11内から引き出す処理である。
成膜処理を施すべき未処理の基板1が残っている場合には、ボート31上の処理済基板1が未処理の基板18と入れ替えられ、これらステップS1〜S6の一連の処理が繰り返される。
ステップS1〜S6の処理は、いずれも目標温度に対し、反応管11内温度が予め定められた微小温度範囲にあり、且つ予め定められた時間だけその状態が続くといった安定状態を得た後、次のステップへ進むようになっている。あるいは、最近では、一定時間での基板1の成膜処理枚数を大きくすることを目的として、ステップS1,S2,S5,S6等においては安定状態を得ずして次のステップへ移行することも行われている。
図5は本実施形態におけるマルチクーリングユニットとしてのクーリングユニット(冷却装置)100を説明するための図示例である。尚、外管12と内菅13を省略して反応管11と一つの構成で示し、加熱装置40に関する構成は省略されている。
図5に示すように、冷却装置100は、上下方向に複数のゾーン(U1,U2,CU,C,CL,L1,L2)を備えた断熱構造体42と、該ゾーン毎に、反応管11内を冷却する冷却ガスとしての冷却エア90を供給する吸気管101と、吸気管101に設けられ、ガスの流量を調整するコンダクタンスバルブとしての制御バルブ102と、吸気管101に設けられ、断熱構造体42側からの雰囲気の逆拡散を防止する拡散防止部としてのチェックダンパ104と、を備えている。また、空間75からの雰囲気を排気する排気孔81と排気ダクト82を含む天井壁部80を冷却装置100の構成としてもよい。
具体的には、冷却装置100は、複数のゾーン毎に反応管11を冷却する冷却エア90を供給する吸気管101と、吸気管101に設けられる制御バルブ102と、ゾーン毎に設けられた吸気管101と連通され、吸気管101から供給されたガスを一時的に溜めるバッファ部106と、該バッファ部106に溜められる冷却エア90を内層44に設けられるガス供給流路108を介して、反応管11に向けてガスを噴出する複数の開口部110と、を少なくとも備えており、各ゾーン内の各開口部110から噴出される冷却エア90の流量及び流速を均等に保持するよう構成されている。
吸気管101のゾーン間の断面積(または管径)は、各ゾーンの高さ方向の長さの比率に応じて決定されている。これにより、各ゾーン間での噴射風量の均一化を図るようにしている。また、吸気管101の断面積は、開口部110の断面積の合計よりも大きくなるように構成されている。同様に、バッファ部106の流路断面積は、開口部110の断面積の合計よりも大きくなるように構成されている。尚、図5では、ゾーン間の高さ方向の長さは略同じであるため、各ゾーン同じサイズの吸気管101、制御バルブ102、拡散防止部104が設けられる。
また、開口部110は、各ゾーン内で周方向及び上下方向に同じ間隔で設けられているので、ガス供給流路108を介して一度バッファ部106に溜められる冷却エア90を空間75に均等に吹出すことができる。
このように、各ゾーン間の高さ方向の長さ比率に応じて吸気管101に導入される冷却エア90の流量を調整し、制御バルブ102を開閉させることにより、開口穴110から反応管11に向けて噴出されるガスの流量及び流速を同じにすることができる。よって、ボート31に載置される製品基板がある領域ARの最上段と略同じ高さから製品基板がある領域ARの最下段までの各ゾーンに対向する反応管11が均等に冷却エア90により冷却される。つまり、領域ARにおいて、ゾーン内、ゾーン間を均等に冷却することができる。
また、この拡散防止部104は、空間75の雰囲気が上側の排気孔81から排気されるため、バッファ部106に冷却エア90を効率よく溜めるように各ゾーンに設けられたバッファ部106の下側に連通されるように構成されている。
また、吸気管101には、開口穴110から噴出する冷却エア90の流量を抑制するオリフィスとしての絞り部103が設けられるよう構成されている。但し、この絞り部103は、必要に応じてゾーン毎に設けられる。図5では、制御バルブ102の下流側に設けられているが、この形態に限定されず、制御バルブ102の上流側に設けてもよい。
例えば、ゾーン毎の高さ方向の長さが異なり、各ゾーンに導入される冷却エア90が異なる場合、各ゾーンに導入される冷却エア90は同じだが、所定のゾーンの冷却能力を抑制するために絞り部103を設け、冷却エア90の流量及び流速を調整する場合に設けるよう構成されている。
また、制御バルブ300が、制御部200からの設定値に基づき、温度コントローラ64や熱電対65からのデータに基づき、制御バルブ102の開度を調整可能に構成されている。制御バルブ102は、反応管101内の構成物に応じて制御バルブ300によりバルブの開度が調整されることにより、各ゾーンに導入される冷却エア90の流量及び流速を変更することができる。これにより、制御バルブ102の開度により各ゾーンの冷却能力を調整するができるので、急冷時における顧客施設排気能力の変動あるいは部品単体のバラツキ、装置への設置具合によって生じる装置間機差を低減することができる。
複数の制御ゾーン(本実施形態では、U1,U2,CU,C,CL,L1,L2)を有する加熱装置40に使用される断熱構造体42は、円筒形状に形成された側壁部43を有し、該側壁部43が内層44と外層45を含む複数層構造に形成されている。また、断熱構造体42は、内層44と外層45の間の円筒状の空間を上下方向で複数のゾーン(U1,U2,CU,C,CL,L1,L2)に隔離する仕切部105と、内層44と外層45の間の円筒状の空間であって、上下方向で隣り合う仕切部105同士の空間で構成されたバッファ部106と、ゾーン毎に側壁部43の複数層のうちの外側に配置された外層45に設けられ、バッファ部106と連通するガス導入路107と、ゾーン毎に側壁部43の複数層のうちの内側に配置された内層44に設けられ、バッファ部106と連通するガス供給流路108と、ゾーン毎にガス供給流路108から内層44の内側に設けられる空間75へ冷却エア90を吹出すように、内層44の周方向及び上下方向に同じ間隔で設けられる開口部110と、を更に備えた構成である。
また、本実施形態では、制御ゾーンの数とゾーンの数が一致するように仕切部105が配置されるよう構成されている。この形態に限定されることなく制御ゾーンの数とゾーンの数が任意に設定される。但し、制御ゾーンの数とゾーンの数を同じにすることにより加熱と冷却の連続的な制御が可能となり、昇降温時の温度リカバリ時間の短縮を図ることができる。
図6は、図5に示す断熱構造体42と拡散防止部104との接続状態の拡大図である。ここでは、図5に示すCLゾーンを拡大した図である。また、内層44に設けられたガス供給流路108及び開口部110は省略している。
外層45と内層44との間に仕切部105が設けられ、この仕切部105同士の空間にバッファ部106が設けられる。そして、このバッファ部106の下側にガス導入路107を介して拡散防止部104が設けられている。また、ケース41と外層45の間には熱膨張を吸収するための断熱布111が設けられている。
図6に示すガス導入路107の径は、複数の開口部110の断面積の合計よりも大きく構成されている。拡散防止部104及び逆拡散防止体104aの材質は、SUSであるため、ヒータユニット40に使用される断熱材に接続されるので、熱耐性を考慮して構成されている。
図6に示すように、逆拡散防止体104aが開いた状態で、冷却エア90がバッファ部106に一度溜められ、図示しないガス供給流路108を介して空間75に供給される。一方、冷却エア90未使用時は、逆拡散防止体104aが閉じられ、吸気管101と断熱構造体42との間の対流を防止している。
また、ガス導入路107は、バッファ部106の下側に連通されるように形成され、開口部110は、ガス導入路107と対向する位置を避けるように設けられており、ガス導入路107から供給された冷却エア90が環状バッファ106を介して開口部110から空間75内に直接導入されることはなく、ガス導入路107から供給された冷却エア90はバッファ部106に一時的に溜められるよう構成されている。
排気孔81及び排気ダクト82が反応管11の上側に設けられている。よって、ガス導入路107の位置を各ゾーンで低い位置に配置し、且つ、ガス導入路107と面している部分には、開口部110を設けないようにして、冷却エア90をバッファ部106で一時的に溜めるようにして、各開口部110に係る供給圧力が同じになるよう構成されている。これにより、バッファ部106に設けられた各開口部110から同じ流量及び同じ流速の冷却エア90が吹出すように構成されている。
更に、各ゾーンにおける吸気管101の流路断面積及びバッファ部106の流路断面積を開口部110の流路断面積の合計よりも大きくしている。これにより、拡散防止体104aを開いて導入された冷却エア90がバッファ部106で溜められやすくし、開口部110から冷却エア90が同じ流量及び同じ流速で供給されるよう構成されている。
図7は内層44の展開図である。 図7に示されているように、仕切部105によって複数のゾーン(U1,U2,CU,C,CL,L1,L2)に隔離されており、開口部110は、上下方向(高さ方向)と横方向(周方向)に規則正しく均等な位置に配置されている。開口部110は各ゾーンに対し上下方向に複数段配置され、横方向には、略均等に複数個配置されている。具体的には、各ゾーンの上下方向の長さに応じて、バッファ部106に設けられる開口部110の段の数が決定されつつ、開口部110は、各段において周方向に略均等に設けられている。また、各ゾーンは周方向に複数エリア(A,B,C,D,E,F,G,H,I,K,L)が構成され、ある一つのゾーン内において、各エリア内では高さ方向にジグザグに配置されている。尚、開口部110は、全ゾーン内において上下方向と横方向に同じ間隔で略均等に配置されている。
また、開口部110はガス導入路107が設けられている位置を避けるようにそれぞれ設けられている。つまり、領域Kに該当する部分に開口部110が設けられていないのは、吸気管101から供給される冷却エア90の影響を避けるために設けていない。但し、ガス導入路107に対向していない位置であれば、開口部110を設けることはできる。また、開口部110から吹出された冷却エア90が発熱体56を避けて吹き出されるように配置されている。また、熱電対65は開口部110から吹出された冷却エア90が直接当たるのを避けるだけでなく、冷却エア90の影響を受けないように風よけ用のブロック112に覆われている。尚、図7では開口部110の大きさが異なっているが模式的な図であり、各開口部110の開口断面積は、略同じサイズで形成されている。
このように、開口部110が規則正しく配置されているので、ゾーンの高さ方向の長さに比率した冷却エア90を吸気管101に供給することにより、各ゾーン内で開口部110から同じ流量及び同じ流速の冷却エア90を反応管11に向けて供給することができる。また、各ゾーン間でも開口部110から同じ冷却エア90の流量及び流速を供給するよう調整することができる。これにより、各ゾーンに対向する位置に設けられる反応管11を効率よく冷却することができ、例えば、急冷時(例えば、上述の降温ステップS5)にゾーン内及びゾーン間で温度偏差を小さくすることができる。
例えば、図7に示されているように、U1ゾーンとL2ゾーンの流路断面積が一番小さく、反対にCゾーンの流路断面積が一番大きく構成されている。本実施の形態では、開口部110が規則正しく配置されているので、各ゾーン(U1,U2,CU,C,CL,L1,L2)の周方向には、それぞれ11個の開口部110が配置されており、U1ゾーンとL2ゾーンは、高さ方向に開口部110が2段、Cゾーンは、高さ方向に開口部110が4段、残りのU2ゾーン、CUゾーン、CLゾーン、L1ゾーンは、それぞれ高さ方向に開口部が3段設けられている。よって、U1ゾーンとL2ゾーンは、開口部110がそれぞれ22個設けられ、Cゾーンは、開口部110が44個設けられ、残りの各ゾーンは、開口部110が33個設けられている。これにより、各ゾーンにそれぞれU1ゾーンとL2ゾーンとCゾーンと残りの各ゾーンのそれぞれに供給する吸気管101に導入される流量比がそれぞれU1ゾーンとL2ゾーン:Cゾーン:残りの各ゾーン=2:4:3(=開口部110が22個:開口部110が44個:開口部110が33個)と決定される。
よって、決定された流量の冷却エア90が各ゾーンの吸気管101に導入されると、拡散防止体104aを開いて導入された冷却エア90が、バッファ部106で溜められ、各開口部110に係る供給圧力を同じになるよう構成している。よって、ガス供給流路108を介して開口部110から全ゾーン内、全ゾーン間で同じ流量及び流速の冷却エア90を供給することができるので、反応管11を均等に冷却することができる。尚、この場合、冷却エア90の流量は、制御バルブ102の調整可能な範囲の流量が好ましい。これにより、より緻密に各ゾーンに導入される冷却エア90の流量を制御できる。このように、本実施の形態では、各ゾーンで各開口部110に係る供給圧力を同じになるようクーリングユニット100が構成されている。
本実施形態によれば、各ゾーンで各開口部110に係る供給圧力を同じになるため、開口部110から冷却エア90が同じ流量及び同じ流速で供給されるよう構成されているので、基板1の温度リカバリ時間及び基板の面内温度均一性が改善され、急速昇温能力の向上が達成される。また、急冷時の温度偏差を各ゾーンで略均等にすることができるので、基板間の温度均一性が改善される。
次に、図8、図9、図10、図11、図12のそれぞれを用いて、本実施形態におけるクーリングユニット100を検証した一実施例について説明する。
図8は、図7等に示すCLゾーンにおけるそれぞれの開口部110から噴出されるときの冷却エア90の噴射風量(流量)を比較した表を示す。円周軸がエリア(A,B,C,D,E,F,G,H,I,K,L)吸気管101に近い領域に属するLower段と遠い領域に属するUpper段を比較し、開口部110から供給される流量が略同じであるか確認した。図8Aは、図7等に示すCLゾーンに設けられた吸気管101に1m3/min、0.1m3/min、0.01m3/minをそれぞれ供給したときの図7に示すUpper段の各エリア(A,B,C,D,E,F,G,H,I,K,L)に設けられた各開口部110から噴出される冷却エア90の流量比(単位は%)を示し、図8Bは、CLゾーンに設けられた吸気管101に1m3/min、0.1m3/min、0.01m3/minをそれぞれ供給したときのLower段の各エリアに設けられた各開口部110から噴出される冷却エア90の流量比を示す。
図8によれば、各段(Upper、Lower)において、0.01m3/minの時に、エリアK側(吸気管101側)の流量比が高くなり、且つ吸気管101と反対側(例えば、エリアD,E,F,G)のエリアの流量比が低くなり、各領域での均一性が低下する傾向があるが、0.1m3/min以上供給されると、Upper段の各エリアであってもLower段の各エリアであっても流量比に目立った差は無く、各開口部110から供給される流量が同じであることが推測される。また、吸気管101に設けられる流量は、0.01m3/minの時に、ゾーン内の均一性が低下する傾向があるが、0.1m3/min以上であれば、CLゾーンの各段(Upper、Middle、Lower)において、各開口部110から反応管11に向けて供給される流量を略同じにすることができる。
図9は、図7等に示すCLゾーンにおけるそれぞれの開口部110から噴出されるときの冷却エア90の噴射風速(流速)を比較した表を示す。温度は室温でCLゾーンの吸気管101に2.5m3/minの冷却エア90を供給したときの開口部110の流速を測定した結果である。図9によれば、各エリアで流速が9±1mm/secの範囲に収束されており、各開口穴110から噴射する速度を概ね同じにすることができる。
図10Aは、CLゾーンの片側半分を1から6までのエリアに分けた様子をモデル化したものである。図示しないが各エリアに開口部110が設けられており、吸気管101に供給されたガスは、バッファ部106で一度溜められ、ガス供給流路108を通り、開口部110からガスを噴出させる。図10Bは、ヒータユニット40を本実施形態におけるクーリングユニット100を使用しない時に750℃で一定になる条件で加熱しつつ、CLゾーンに設けられた吸気管101に、N2ガスを1m3/minを供給したときのULゾーンの片側半分を1から6までのエリアで分けたときの各エリアでの平均温度を示す。概ね600℃程度で収束されており、CLゾーンに対応する反応管11を円周方向で均等に冷却することができる。
図11は、ヒータユニット40を本実施形態におけるクーリングユニット100を使用しない時に750℃で一定になる条件で加熱しつつ、図7に示す各ゾーン(U1、U2、CU、C、CL、L1、L2)にそれぞれU1ゾーンとL2ゾーンに設けられた吸気管101に1m3/min、Cゾーンに設けられた吸気管101に2m3/min、その他のゾーンに設けられた吸気管101に1.5m3/minの流量をそれぞれ供給したときの、各ゾーンにおける温度を計測した結果である。
図11によれば、各ゾーンで約600℃付近に収束していることがわかる。これにより、本実施形態のクーリングユニットによれば、反応管101の高さ方向で均等に冷却することができる。
図12Aは、従来のヒータユニットを用いて800℃から100℃まで冷却したときのグラフを示す。横軸が時間(単位は分)、縦軸の左側が温度(単位は℃)、縦軸の右側が温度偏差(単位は℃)である。線aが各制御ゾーンのうちCLゾーンに設けられた温度検知部(熱電対)が検知した温度の推移を表し、線bが800℃から100℃まで冷却したときの各制御ゾーン(U、CU、C、CL、L)間の温度偏差を示す。温度偏差の最大値は、27.5℃であり、冷却機能を用いない従来の方式では、これ以上、ゾーン間の温度偏差を小さくすることが困難であった。一方、図12Bは、本実施形態におけるクーリングユニット100を用いて、温度800℃から200℃まで降温させたときのグラフを示す。図12Aと同様に、横軸が時間(単位は分)、縦軸の左側が温度(単位は℃)、縦軸の右側が温度偏差(単位は℃)である。また、図12BもCLゾーンに設けられた温度検知部(熱電対)が検知した温度の推移を表し、A線が制御バルブ102の開度を固定した時の温度推移を示し、B線が制御バルブ102の開度を調整しつつ降温させたときの温度推移を示す。また、C線が制御バルブ102の開度を固定して800℃から100℃まで冷却したときの各制御ゾーン(U1、U2、CU、C、CL、L1、L2)間の温度偏差の推移を示す。D線が制御バルブ102の開度を制御して800℃から100℃まで冷却したときの各制御ゾーン間の温度偏差の推移を示す。
また、800℃から200℃の間の温度偏差を計算し、それぞれ比較した。C線が16.2℃、D線が5.9℃であり、図12Aに示す従来の降温時の温度偏差よりも格段に小さくすることができると共に、従来では200℃まで約37分であったが、本実施形態におけるクーリングユニット100によれば、約30分で降温させることができ、これにより、スループットを向上させることができる。
また、設定された温度降下レートとの差を小さくすることができる。特に、ガスの流量を調整する制御バルブ102の開度を調整しつつ温度降下すると、各ゾーンの冷却能力を調整でき、反応管11の温度変化を各ゾーンで均等にすることができる。従って、制御バルブ102の開度を固定した時よりも温度偏差が小さいので、更に温度リカバリ時間を短縮することができる。
このように、図12Bに示すように、本実施形態におけるクーリングユニット100によれば、従来のクーリングユニットよりも降温特性を向上させることができる。更に、制御バルブ102の開度を調整して、各ゾーンの冷却能力を調整しつつ、降温させることにより、ゾーン間の温度偏差を極めて小さくすることができ、降温特性を格段に向上させることができる。
以上、本実施形態によれば、以下に記載の効果を奏する。
(a) 本実施形態によれば、ゾーン毎に設けられ、反応管を冷却するガスを供給する吸気管と、該吸気管に設けられ、ガスの流量を調整する制御バルブと、吸気管から供給されたガスを一時的に溜めるバッファ部と、該バッファ部で溜められたガスを反応管に向けて吹出すように、ゾーン内で周方向に同じ間隔で設けられる開口部と、を備え、ゾーンの上下方向の長さ比率に応じて、吸気管に導入されるガスの流量を設定することにより、制御バルブを開閉させて開口部から反応管に向けて噴出されるガスの流量及び流速が調整されるよう構成されているので、反応管を均等に冷却することができる。
(b) 本実施形態によれば、更に、吸気管に炉内からの雰囲気の逆拡散を防止する拡散防止部が設けられ、該拡散防止部は、バッファ部の下側に連通されるように構成されているので、吸気管から供給されたガスがバッファ部に一時的に溜めることができる。また、逆拡散防止部を設けたので、冷却ガスを未使用の場合に逆拡散が防止されるので、加熱装置40による熱による影響を抑えることができる。
(c)本実施形態によれば、ゾーン毎に設けられる吸気管の流路断面積及びバッファ部の流路断面積は、ゾーン毎に設けられる開口穴の断面積の合計より大きく構成されているので、各ゾーンに設けられた吸気管に供給される冷却ガスの流量を調整することにより、各開口穴から噴出される冷却ガスの流量及び流速をゾーン内で均等にすることができる。更に、ガス供給圧を各開口穴で略同じにすることによりゾーン内だけでなくゾーン間で均等にすることができるので、反応管を均等に冷却することができる。
(d)本実施形態によれば、吸気管に流量を絞り込む絞り部が設けることにより、吸気管の径が大きすぎて流量を抑制する必要がある場合に、吸気管から供給される流量を絞り込むことができる。
(e)本実施形態におけるクーリングユニットを用いて、温度降温時(急冷時)に冷却することにより、所定の温度まで降下する時間を短縮すると共に、温度降温時(急冷時)のゾーン内及びゾーン間での温度偏差を小さくすることができる。さらに、ガスの流量を調整する制御バルブの開度を調整しつつ温度降下することで、各ゾーンの冷却能力を調整でき、反応管の温度変化を各ゾーンで均等にすることができる。従って、制御バルブの開度を固定した時よりも更に温度偏差を小さくすることができる。
(f)本実施形態におけるクーリングユニットを用いて、温度降温時(急冷時)に冷却することにより、所定の温度まで降下する時間を短縮すると共に、温度降温時(急冷時)の設定された温度降下レートとの差を小さくすることができる。特に、ガスの流量を調整する制御バルブの開度を調整しつつ温度降下すると、各ゾーンの冷却能力を調整できるので、反応管の温度変化を各ゾーンで均等にすることができる。従って、制御バルブの開度を固定した時よりも更に温度リカバリ時間を短縮することができる。
(g)本実施形態における断熱構造体によれば、円筒形状に形成された側壁部を有し、該側壁部が複数層構造に形成されており、側壁部を上下方向で複数の領域に隔離する仕切部と、側壁部内において隣り合う仕切部の間に設けられるバッファ部と、側壁部の複数層のうちの外側に配置された外層に設けられ、バッファ部と連通するガス導入路と、側壁部の複数層のうちの内側に配置された内層に設けられ、バッファ部と連通するガス供給流路と、ガス供給流路から前記内層の内側の空間へ冷却ガスを吹出すように、領域内で周方向に同じ間隔で設けられる開口部と、を備えているので、各領域に設けられた吸気管に供給される冷却ガスの流量を調整することにより、各領域内で周方向及び高さ方向に均等に設けられた各開口部から噴出される冷却ガスの流量及び流速を均等にすることができる。
(第2実施形態) 図5に示すように複数のゾーンのうち最上段のU1ゾーンと最下段のL2ゾーンは、反応管11内の基板処理領域から外れた範囲に向けて冷却エア90が供給されている。具体的には、図5に示すように、U1ゾーンとL2ゾーンに対向する反応管11内の構造物は、U1ゾーンは空間(天井空間部)であり、L2ゾーンは断熱キャップ部36を含む断熱領域であり、それぞれ製品基板領域ARと異なるため、実際には、U1ゾーンとL2ゾーンに対向する反応管11の冷却が均等でない可能性がある。
いわゆるU1ゾーンとU2ゾーンの境目及びL1ゾーンとL2ゾーンの境目に対応する反応管11内には、サイドダミーウエハと呼ばれる温度調整の為に用いられるダミーウエハがボート31に載置されている。このようにダミー基板を用いることで、反応管11の冷却の不均一における製品となる基板1への温度に及ぼす影響を低減することができる。
第2実施形態では、図14に示すように反応管11内の加熱対象物を考慮したときの吸気管101に供給される冷却ガス(冷却エア90)と開口穴110から噴出される冷却ガスの関係について説明する。ここで、クーリングユニット100の構成は基本的には変わらない。つまり、図14に関して第1実施形態と異なる点だけ説明し、他のゾーンは同じであるため説明は省略し、U1ゾーンとL2ゾーンに関して説明する。
U1ゾーンの加熱対象物は空間である。具体的には図5に示されるように、ボート31の上方の天井空間部と呼ばれる空間である。この空間では、反応管11が冷却されると反応管11内で対流が起きやすく、空間の熱が逃げやすい。このため、U1ゾーンに吹き付ける冷却エア90の流量を抑える必要がある。
加えて、天井壁部80が反応管11の上側に設けられているため、冷却エア90は反応管11に接触した後、上側から排気される構成となっている。特に、U1ゾーン(必要に応じてU2ゾーン)は、U1ゾーン以外のゾーンから反応管11に向けて供給された冷却エア90が、それぞれU1ゾーンを介して上側から排気される。従い、U1ゾーンに供給する冷却エア90の流量を抑えることにより、反応管11を均等に冷却することが求められる。
以上から、第2実施形態では、U1ゾーンに設けられた吸気管101に絞り部103を設け、開口穴110から反応管11に向けて供給される冷却エア90の流量を他のゾーンよりも小さくするよう構成する。これにより、U1ゾーンの加熱対象物の影響及びクーリングユニット100の排気構成によっても、反応管11をゾーン間で均等に冷却することができる。
次に、L2ゾーンの加熱対象物は断熱板若しくは断熱筒などの断熱物である。基板処理領域AWに対して断熱領域と呼ばれる領域である。この領域では、基板1よりも熱容量が大きい断熱物を冷却する為、反応管11が冷却されても断熱物が冷却されるには時間がかかるため、L2ゾーンに吹き付ける冷却エア90の流量を増やす必要がある。
加えて、天井壁部80が反応管11の上側に設けられているため、冷却エア90は反応管11に接触した後、上側から排気される構成となっている。特に、反応管11に向けて供給された冷却エア90がそれぞれU1ゾーンを介して上側から排気されるため、L2ゾーンは、L2ゾーン以外のゾーンからの冷却エア90による冷却が見込めない。L2ゾーンに供給する冷却エア90の流量を増加して、反応管11を均等に冷却する必要がある。
以上から、第2実施形態では、L2ゾーンに設けられた吸気管101に供給される冷却エア90を、例えば、2倍の流量にしている。これにより、L2ゾーンの開口穴110から反応管11に向けて供給される冷却エア90の流量及び流速を大きくするよう構成する。これにより、L2ゾーンに対向する反応管11の冷却を促進することにより、結果として、反応管11を各ゾーン間で均等に冷却することができる。
また、第2実施形態においてU2ゾーンからL1ゾーンまでに対向する反応管11内の加熱対象物が製品基板1を基準にして、U1ゾーンは開口穴110から噴出される冷却エア90の流量及び流速を1/2とし、一方、L2ゾーンは開口穴110から噴出される冷却エア90の流量及び流速を2倍としている。但し、これらの流量及び流速に関しては、あくまでも本実施例における結果であって適宜変更しても構わない。
要するに、基板1を基準に、例えば、加熱対象物の熱容量が大きい場合は、開口穴110から噴出される冷却エア90の流量及び流速を大きくし、加熱対象物の熱容量が小さい場合は、開口穴110から噴出される冷却エア90の流量及び流速を小さくすればよい。
また、基板処理領域ARにおいて、製品基板1に抜けがあるところには一般的にフィルダミーウエハが使用される。フィルダミーウエハの枚数に応じて制御バルブ102の開度を調整して、開口穴110から噴出される冷却エア90の流量及び流速を制御してもよい。例えば、製品基板1を基準に、ダミーウエハを0.7〜0.8などにすることもできる。
第2実施形態によれば、反応管11内の加熱対象物によらず上述した第1実施形態における効果を奏することができる。
また、本発明は、半導体製造装置だけでなくLCD装置のようなガラス基板を処理する装置にも適用することができる。
本発明は、半導体製造技術、特に、被処理基板を処理室に収容して加熱装置によって加熱した状態で処理を施す熱処理技術に関し、例えば、半導体集積回路装置(半導体デバイス)が作り込まれる半導体ウエハに酸化処理や拡散処理、イオン打ち込み後のキャリア活性化や平坦化のためのリフローやアニール及び熱CVD反応による成膜処理などに使用される基板処理装置に利用して有効なものに適用することができる。
10 基板処理装置11 反応管40 ヒータユニット(加熱装置)100 クーリングユニット(冷却装置)102 制御バルブ(コンダクタンスバルブ)110 開口部(開口穴)

Claims (11)

  1. ゾーン毎に設けられ、反応管を冷却するガスを供給する吸気管と、前記吸気管に設けられ、ガスの流量を調整する制御バルブと、前記吸気管から供給されたガスを一時的に溜めるバッファ部と、前記バッファ部で溜められたガスを前記反応管に向けて吹出すように、前記ゾーン内で周方向に同じ間隔で設けられる開口部と、を備え、前記ゾーンの上下方向の長さ比率に応じて前記吸気管に導入されるガスの流量を設定することにより、前記制御バルブを開閉させて前記開口部から前記反応管に向けて噴出される前記ガスの流量及び流速が調整されるよう構成されているクーリングユニット。
  2. 前記吸気管には、炉内からの雰囲気の逆拡散を防止する拡散防止部が設けられ、前記拡散防止部は、前記バッファ部の下側に連通されるように構成されている請求項1記載のクーリングユニット。
  3. 前記吸気管には、前記開口部から噴出する冷却ガスの流量を抑制する絞り部が設けられるように構成されている請求項1記載のクーリングユニット。
  4. 前記ゾーン毎に設けられる前記吸気管の流路断面積及び前記バッファ部の流路断面積は、前記ゾーン毎に設けられる前記開口部の断面積の合計より大きく構成される請求項1に記載のクーリングユニット。
  5. 上下方向に複数の制御ゾーンを有する加熱装置に使用される断熱構造体であって、円筒形状に形成された側壁部を有し、該側壁部が複数層構造に形成されており、前記側壁部を上下方向で複数の領域に隔離する仕切部と、前記側壁部内において隣り合う仕切部の間に設けられるバッファ部と、前記領域毎に前記側壁部の複数層のうちの外側に配置された外層に設けられ、前記バッファ部と連通するガス導入路と、前記領域毎に前記側壁部の複数層のうちの内側に配置された内層に設けられ、前記バッファ部と連通するガス供給流路と、前記内層の内側に設けられる空間と、前記領域毎に前記ガス供給流路から前記空間へ冷却ガスを吹出すように、前記領域内で周方向に同じ間隔で設けられる開口部と、を備えた断熱構造体。
  6. 前記バッファ部の流路断面積は、前記ゾーン毎に設けられる前記開口部の流路断面積の合計より大きく形成される請求項1に記載の断熱構造体。
  7. 前記ガス導入路は、前記バッファ部の下側に連通されるように形成され、前記開口部は、前記ガス導入路と対向する位置を避けるように設けられる請求項6に記載の断熱構造体。
  8. 前記制御ゾーンの数と前記領域の数が一致するように、前記仕切部が配置されるよう構成されている請求項6に記載の断熱構造体。
  9. 更に、前記断熱構造体の外側は、ケースに囲まれており、前記側壁外層の外周面と前記ケースの内周面との間は、断熱布が設けられる請求項6に記載の断熱構造体。
  10. ゾーン毎に設けられ、反応管を冷却するガスを供給する吸気管と、前記吸気管に設けられ、ガスの流量を調整する制御バルブと、前記ゾーン内で周方向に同じ間隔で設けられ、前記反応管に向けてガスを噴出する開口部と、前記ゾーン毎に前記吸気管と連通され、前記吸気管から供給されたガスを一時的に溜めるバッファ部と、前記ゾーンの高さ方向の長さ比率に応じて前記吸気管に導入されるガスの流量を設定することにより、前記制御バルブを開閉させて前記開口部から反応管に向けて噴出されるガスの流量及び流速が調整されるよう構成されているクーリングユニットと、を備えた基板処理装置。
  11. 更に、前記制御バルブの開度を制御する制御部を備え、前記制御バルブの開度を前記反応管内の構成物に応じて調整することにより、前記開口部から前記反応管に向けて吹出されるガスの流量及び流速を調整するよう構成されている請求項10記載の基板処理装置。
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