JPWO2018101251A1 - バブル保持剤含有液体およびバブル含有液体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明のバブル含有液体は、水性液体と、前記水性液体中に分散した、ガスを含むバブルとを有する。かかるバブル含有液体は、バブルを水性液体中に安定的に保持するように作用するバブル保持剤を含むことを特徴とする。バブル保持剤としては、塩類、糖類およびタンパク質が挙げられ、糖類であるグルコースを含んでいることが好ましい。また、上記ガスとしては、酸素、水素、窒素、ヘリウム、パーフルオロプロパン、パーフルオロブタン、パーフルオロペンタンからなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。

Description

本発明は、マイクロバブルまたはナノバブルを含有するバブル含有液体、およびそのバブル含有液体の製造方法に関する。
近年、医療、食品、魚介類の養殖、排水処理等の様々な分野において、マイクロサイズ(数百マイクロメートル程度)、または、ナノサイズ(数百ナノメートル以下)のバブルの利用が検討されている。
特に、医療分野では、かかるバブルを超音波造影剤として用いて、胸部や腹部等の診断対象部位を診断する超音波診断が知られている。超音波診断では、バブルを血管内へ注入し、バブルが集積した診断対象部位に超音波を照射して、診断対象部位からの反射波(反射エコー)を画像化して診断する。超音波造影剤として用いられるバブルは、例えば、特許文献1に記載されたバブルの製造方法によって製造することができる。
また、近年では、バブルを用いた超音波治療も検討されている(例えば、特許文献2)。超音波治療では、遺伝子や薬剤(薬物)を封入したバブルを体内へ注入し、血流により患部にまで搬送する。そして、バブルが患部付近に到達した際に、超音波をバブルに照射して、バブルを破裂させる。そうすることにより、バブルに封入された薬物を患部に集中的に投与することができる。
このバブルは、水性液体中にバブルが分散したバブル含有液体の状態で使用される。しかしながら、水性液体中でバブルを安定的に保存することは難しかった。例えば、バブル含有液体を調整後、長期間経過したバブル含有液体中のバブルの数は、バブル含有液体が晒される温度、圧力、振動等の外的要因により、調整直後のバブル含有液体中のバブルの数よりも著しく減少することがあった。
特許第5927325号公報 特開2002−209896号公報
本発明は、上記従来の問題点を鑑みたものであり、その目的は、水性液体中に分散したバブルの経時安定性に優れたバブル含有液体を提供することである。また、別の目的は、かかるバブル含有液体を安定かつ容易に製造することができるバブル含有液体の製造方法を提供することである。
このような目的は以下の(1)〜(8)の本発明により達成される。
(1) 水性液体と、前記水性液体中に分散した、ガスを含むバブルとを有するバブル含有液体であって、
前記バブルを前記水性液体中に安定的に保持するように作用するバブル保持剤をさらに含むことを特徴とするバブル含有液体。
(2) 前記バブル保持剤は、塩類、糖類およびタンパク質のうちの少なくとも1種を含む上記(1)に記載のバブル含有液体。
(3) 前記糖類は、グルコースを含む上記(2)に記載のバブル含有液体。
(4) 前記ガスは、酸素、水素、窒素、ヘリウム、パーフルオロプロパン、パーフルオロブタン、パーフルオロペンタンからなる群から選択される少なくとも1種を含む上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のバブル含有液体。
(5) 前記バブル含有液体中の前記水性液体の含有量[wt%]と、前記バブル含有液体中の前記バブル保持剤の含有量[wt%]との比率は、50:50〜99.999:0.001である上記(1)ないし(4)のいずれかに記載のバブル含有液体。
(6) 水性液体と、前記水性液体中に分散した、ガスを含むバブルとを有するバブル含有液体の製造方法であって、
前記水性液体と、前記バブルを前記水性液体中に安定的に保持するように作用するバブル保持剤とを含む混合液を準備する工程と、
前記混合液を、容器の所定の高さまで注入する工程と、
前記混合液が前記容器の内面に繰り返し衝突するように、所定の回転数で前記容器を振動させることにより、前記バブル含有液体を得る工程と、を有することを特徴とするバブル含有液体の製造方法。
(7) 水性液体と、前記水性液体中に分散した、ガスを含むバブルと、前記バブルを前記水性液体中に安定的に保持するように作用するバブル保持剤とを有するバブル含有液体の製造方法であって、
前記水性液体と、前記水性液体中に分散した、ガスを含むバブルとを有する第1の液体と、前記バブル保持剤を含む第2の液体とを準備する工程と、
前記第1の液体と前記第2の液体とを混合して、前記バブル含有液体を得る工程と、を有することを特徴とするバブル含有液体の製造方法。
(8) 前記第1の液体は、前記水性液体を、容器の所定の高さまで注入する工程と、前記水性液体が前記容器の内面に繰り返し衝突するように、所定の回転数で前記容器を振動させる工程と、を経て得られる上記(7)に記載のバブル含有液体の製造方法。
本発明によれば、バブル保持剤の作用により、水性液体中にバブルを安定的に保持(保存)することができる。そのため、本発明のバブル含有液体は、長期間保存した場合でも、含まれるバブルの数およびサイズの変動を抑え、バブルの経時安定性に優れている。
図1は、本発明のバブル含有液体を説明するための模式図である。 図2は、本発明のバブル含有液体中に含まれるバブルの一例について、その一部を切断した状態を示す斜視図である。図2(a)は、ガスが封入されたバブルの一部を切断した状態を示しており、図2(b)および図2(c)は、ガスおよび薬物が封入されたバブルの一部を切断した状態を示す。 図3は、本発明のバブル含有液体の製造方法の第1実施形態を説明するためのフローチャートである。 図4(a)〜(d)は、本発明のバブル含有液体の製造方法の第1実施形態を説明するための断面図である。 図5は、図4(c)に示す容器を振動させる工程において、水性液体と容器の内面(上面)とが激しく衝突した状態を説明するための部分拡大図である。 図6は、本発明のバブル含有液体の製造方法の第2実施形態を説明するためのフローチャートである。 図7(a)〜(d)は、実施例1〜3および比較例1で得られたサンプルの、製造直後、5日後、および10日後のバブル径分布を示すグラフである。 図8(a)〜(c)は、実施例4、5および比較例2で得られたサンプルの、製造直後および10日後のバブル径分布を示すグラフである。 図9(a)は、実施例6〜8で得られたサンプルの製造直後のバブル径分布を示すグラフである。図9(b)は、実施例6〜8で得られたサンプルの12日後のバブル径分布を示すグラフである。 図10(a)は、実施例9で得られたサンプルの製造直後のバブル径分布を示すグラフである。図10(b)は、実施例9で得られたサンプルを4℃で5日間保管した後のバブル径分布である。図10(c)は、実施例9で得られたサンプルを室温で5日間保管した後のバブル径分布である。図10(d)は、実施例9で得られたサンプルを37℃で5日間保管した後のバブル径分布である。 図11は、実施例10〜12および比較例4で得られたサンプルにおける200〜1000nmのバブル径を有するバブルの濃度の経時変化を示すグラフである。 図12は、実施例13〜15および比較例5で得られたサンプルにおける200〜1000nmのバブル径を有するバブルの濃度の経時変化を示すグラフである。 図13は、実施例16〜18および比較例6で得られたサンプルにおける200〜1000nmのバブル径を有するバブルの濃度の経時変化を示すグラフである。 図14(a)〜(c)は、実施例19〜24および比較例4〜6で得られたサンプルにおける、バブル径が200nm未満のバブルの濃度およびバブル径が200nmより大きいバブルの濃度の比率の経時変化を示すグラフである。
以下、本発明のバブル含有液体およびバブル含有液体の製造方法を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて説明する。
1.バブル含有液体
まず、バブル含有液体について説明する。
図1は、本発明のバブル含有液体を説明するための模式図である。
図1に示すように、本実施形態のバブル含有液体100は、水性液体と、水性液体中に分散した、ガス3を含むバブル1(気泡)とを有する。
このバブル含有液体100は、医療、食品、魚介類の養殖、排水処理等の様々な分野に用いることができる。本実施形態では、バブル含有液体100を体内に注入して、バブル含有液体100中のバブル1を超音波診断または超音波治療に用いる場合について説明する。
水性液体としては、例えば、蒸留水、純水、超純水、イオン交換水、RO水等の水、Saline(塩化ナトリウム濃度が0.9%程度の生理食塩水)、PBS(phosphate buffered saline)、KCl点滴液等の塩水溶液、グルコース、スクロース等の糖水溶液、アミノ酸水溶液、タンパク質水溶液、銅、鉄、金、プラチナ等の金属イオンを含む金属イオン水溶液、ナトリウム、マグネシウム、リン、カリウム、カルシウム、マンガン、クロム、亜鉛等の各種ミネラルを含むミネラル水溶液、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB12、ビタミンC等の水溶性ビタミンおよび/またはビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK等の脂溶性ビタミンを含むビタミン水溶液、炭水化物水溶液、抗体水溶液、RNA、DNAおよびこれらの誘導体等を含む核酸を含む核酸水溶液、各種色素を含む色素水溶液、塩化ガドリニウム、硫化ガドリニウム等のガドリニウム化合物を含むガドリニウム水溶液等が挙げられる。これらは、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
バブル含有液体100中の水性液体の含有量は、50wt%以上であるのが好ましい。これにより、バブル保持剤を水性液体に十分に分散または溶解させることができ、より均一な混合液10を得ることができる。
ガス3は、バブル1を製造する際の温度(20℃程度)において、気体状の物質である。また、ガス3は、バブル1を体内に注入した状態において、すなわち、体内の温度(37℃程度)においても、気体状の物質である。
ガス3としては、特に限定されないが、例えば、空気、亜酸化窒素、酸素、二酸化炭素、水素等のガスや、窒素、ヘリウム、アルゴン、キセノン、クリプトンのような不活性ガス、六フッ化硫黄、十フッ化二硫黄、トリフルオロメチル硫黄ペンタフルオリドのようなフッ化硫黄、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、エチレン、プロピレン、プロパジエン、ブテン、アセチレン、プロピン、パーフルオロプロパン、パーフルオロブタン、パーフルオロペンタンのような低分子量炭化水素類またはこれらのハロゲン化物、ジメチルエーテルのようなエーテル類、ケトン類、エステル類等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの物質の中でも、特に、酸素、水素、窒素、ヘリウム、パーフルオロプロパン、パーフルオロブタン、パーフルオロペンタンからなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。バブル1中にこれらのガスが封入されることにより、バブル1の水性液体中での安定性を向上させることができる。また、これらのガスが封入されたバブル1は、体内において安定性が高く、血管を通して患部(治療対象部位)または診断対象部位までより確実に運搬される。
なお、バブル含有液体100中のバブル1は、所定量のガス3が微分散または溶解している水性液体を用いることにより形成される。ここで、水性液体中のガス3の含有量が多いほど、水性液体中に、十分に多量のバブル1を存在させつつ、バブル1同士の衝突による合体や消滅を抑制することができる。これにより、バブル含有液体100中に、バブル1を多量に含ませることができるとともに、バブル1の経時安定性をより向上させることができる。
ところで、水性液体中のバブル1は、その表面(ガス3と水性液体との間の気液界面)に存在する水分子のクラスター構造に起因して、安定化が図られると考えられる。水分子のクラスター構造は、水分子の一部が電離することで生じた若干量の水素イオン(H+)および水酸化物イオン(OH−)を含んでいる。これらのイオン(特に、水酸化物イオン)の影響で、バブル1は帯電している。これにより、バブル1同士は、電気的な反発力により合体(付着)することが抑制されると考えられる。
そこで、本発明者は、バブル1同士の電気的な反発力に加え、バブル1の表面付近や、隣接するバブル1同士の間に何らかの分子、イオンを安定的に存在させることが、水性液体中でのバブル1の経時安定性を向上させると考え、検討を重ねた。その結果、バブル含有液体中に、糖類、塩類およびタンパク質等のバブル保持剤を含ませることにより、水性液体中でのバブルの経時安定性が飛躍的に向上することが明らかとなった。
これは、水性液体中の糖類やタンパク質が、バブル1表面付近やバブル1同士の間に存在し、その立体障害作用により、バブル1同士が付着することを長期間にわたって抑制するからであると考えられる。また、水性液体中の塩類が、イオン化して、バブル1の表面に吸着し、バブル1の帯電性が長期間にわたって維持されるからであると考えられる。
このように、本発明のバブル含有液体は、バブル保持剤をさらに含んでいる。このバブル保持剤は、水性液体中に分散または溶解しており、バブル1を水性液体中に安定的に保持するように作用する。したがって、バブル含有液体100では、水性液体中にバブル1を安定的に保持(保存)することができる。そのため、バブル含有液体100は、長期間保存した場合でも、含まれるバブル1の数およびサイズの変動を抑え、バブル1の経時安定性に優れる。
バブル保持剤は、糖類、塩類およびタンパク質のうちの少なくとも一種を含む。
糖類(多糖類を含む)としては、例えば、グルコース、スクロース、デキストリン等が挙げられる。また、タンパク質としては、例えば、アルブミン、グロブリン等が挙げられる。塩類としては、例えば、NaCl、KCl、NaHPO、KHPOおよびCNaOや、鉄イオン、金イオン、銅イオン等の各種金属イオンの塩化物等が挙げられる。これらの物質の中でも、バブル保持剤としては、糖類が好ましく、グルコースが特に好ましい。
バブル含有液体100中のバブル保持剤の含有量は、特に限定されないが、使用する水性液体の種類に応じて、適宜変更することが好ましい。例えば、バブル含有液体100中のバブル保持剤の含有量は、0.001〜50wt%であることが好ましく、0.005〜50wt%であることがより好ましい。バブル保持剤の含有量が上記範囲内であれば、バブル含有液体100は、長期間保存した場合でも、含まれるバブル1の数およびサイズの変動をより確実に抑えることができ、バブル1の経時安定性をより向上させることができる。
なお、バブル含有液体100中の水性液体の含有量[wt%]と、バブル含有液体100中のバブル保持剤の含有量[wt%]との比率は、50:50〜99.999:0.001であることが好ましい。水性液体とバブル保持剤との含有比率が上記範囲内であれば、バブル含有液体100を長期間保存した場合でも、含まれるバブル1の数およびサイズの変動をより確実に抑えることができ、バブル1の経時安定性をより向上させることができる。
特に、バブル保持剤として糖類(グルコース等)を用いるとともに、水性液体として生理食塩水を用いる場合には、バブル含有液体100中の生理食塩水の含有量[wt%]と、バブル含有液体100中の糖類の含有量[wt%]との比率は、50:50〜85:15であることが好ましく、50:50〜80:20であることがより好ましい。
また、バブル保持剤として糖類(グルコース等)を用いるとともに、水性液体として水を用いる場合には、バブル含有液体100中の水の含有量[wt%]と、バブル含有液体100中の糖類の含有量[wt%]との比率は、50:50〜97:3であることが好ましく、50:50〜96:4であることがより好ましい。
また、バブル保持剤としてタンパク質(アルブミン等)を用いる場合には、バブル含有液体100中の水性液体の含有量[wt%]と、バブル含有液体100中のタンパク質の含有量[wt%]との比率は、50:50〜99.999:0.001であることが好ましく、50:50〜99.995:0.005であることがより好ましい。
このような成分で構成されたバブル1の径は、後述する本発明のバブル含有液体の製造方法の各工程の条件を変更することにより変化する。すなわち、製造されるバブル1は、ミクロンサイズ(数百マイクロメートル程度)、または、ナノサイズ(数百ナノメートル程度)を有することとなる。
具体的に、バブル1の平均径は、特に限定されないが、10nm〜1000μm程度であるのが好ましく、10nm〜100μm程度であるのがより好ましく、50〜2000nm程度であるのがさらに好ましい。バブル1の平均径が上記範囲内であれば、バブル1を静脈注射により体内に注入した際に、バブル1の径が十分に小さいため、血流によりバブル1が血管内を滑らかに移動することができる。また、このような径のバブルは、血管内での安定性が高く、血管内を移動している間に消滅することなく、目的の部位まで確実に運ばれる。特に、ナノバブルは、血管内での安定性が高いため、ほぼ消滅することなく、目的の部位まで確実に搬送される。
一般的に、気体を内包するバブルは、液体と気体との界面において効率良く超音波を反射する性質を有している。そのため、上記範囲の平均径を有するバブル1は、液体(水性液体、または、超音波造影剤として体内に注入された際には、血液)とガス3との界面の面積が十分に大きく、超音波造影剤として有効に用いられる。
また、上述したような構成のバブル1は、食品、魚介類の養殖、排水処理等の医療分野以外の分野にも用いることができる。特に、上記範囲の平均径を有するバブル1は、その安定性を十分に高くすることができ、取扱いが容易なため、様々な分野に適用することができる。
なお、バブル含有液体100中のバブル1としては、図2(a)〜(c)に示す構成のバブルであってもよい。
図2は、本発明のバブル含有液体中に含まれるバブルの一例について、その一部を切断した状態を示す斜視図である。図2(a)は、ガスが封入されたバブルの一部を切断した状態を示しており、図2(b)および図2(c)は、ガスおよび薬物が封入されたバブルの一部を切断した状態を示す。
なお、上述した図1に示すバブル1との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図2(a)に示すバブル1(気泡)は、バブル1の殻を構成する外殻2(球状の膜)と、外殻2内に封入されたガス3とを有している。
このような外殻2は、主として1つの分子中に疎水性と親水性との両方の性質(置換基)を有する、アルブミンのような両親媒性材料(外殻材料)から構成されている。
両親媒性材料としては、特に限定されないが、例えば、アルブミンのような各種タンパク質が挙げられ、そのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、バブル含有液体100中のバブル保持剤の含有量は、外殻材料および水性液体の各種類の組み合わせによって変わるが、0.001〜35wt%であることが好ましく、0.005〜20wt%であることがより好ましい。
図2(b)および図2(c)に示すバブル1は、バブル1の殻を構成する外殻2と、外殻2内に封入されるガス3および薬物4を有している。このバブル1は、超音波治療および超音波診断に用いられる。なお、図2(b)では、薬物4が気体状態あるいは固体状態で外殻2内に封入されているバブル1を示しており、図2(c)では、薬物4が液体状態で外殻2内に封入されているバブル1を示している。
外殻2は、その内側に封入されるガス3や薬物4をバブル1内に保持する機能を有し、バブル1が患部に運ばれるまで薬物4を保護する機能を有している。
また、図2(b)および図2(c)に示すバブル1において、薬物4は、前立腺癌、子宮筋腫、心筋梗塞、脳梗塞等の様々な疾病の治療に有効な成分である。薬物4は、バブル1に包含された状態で患部に運搬され、超音波照射により患部付近で外殻2を破裂させることにより、患部に投与される。なお、図示しないが、薬物4は、外殻2自体に含有されてもよいし、外殻2の外表面に吸着されていてもよい。
なお、薬物4とガス3との体積比率は、1:99〜90:10程度であるのが好ましく、10:90〜70:30程度であるのがより好ましく、40:60〜60:40程度であるのがさらに好ましい。薬物4とガス3との体積比率が上記範囲内であれば、バブル1の安定性が向上し、患部付近までより確実にバブル1を運搬することができる。また、患部付近で外殻2を破裂させた際に、患部に対して、十分な量の薬物を投与することができる。そのため、患部をより効率良く治療することができる。
薬物4としては、疾病の治療に有効であれば特に限定されないが、遺伝子、薬剤等を含む。具体的には、ペプチド、抗体、オリゴ糖、多糖、遺伝子、オリゴヌクレオチド、アンチセンスオリゴヌクレオチド、siRNA、リボザイム、トリプルヘリックス分子、ウイルスベクター、プラスミド、低分子有機化合物、抗癌剤、金属等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、バブル含有液体100中の薬物4の含有量は、0.1〜35wt%であることが好ましく、20〜35wt%であることがより好ましい。
なお、バブル含有液体100中のバブル1の含有量は、1.0×10/ml以上であることが好ましく、1.0×10/ml以上であることがより好ましく、1.0×10/ml以上であることがさらに好ましい。このようなバブル含有液体100を超音波造影剤として用いることにより、少量のバブル含有液体100の使用でより明確な超音波診断画像を得ることができる。また、このようなバブル含有液体100を超音波治療に用いることにより、少量のバブル含有液体100の使用でより効率よく患部を治療することができる。
ここで、癌細胞が存在する患部では、その周囲の血管から癌細胞へと、正常血管よりも細径の新生血管が伸びている。平均径が200〜300nm程度のバブル1であれば、バブル1が、新生血管内にも円滑に搬送され、癌細胞にまで到達することができる。すなわち、かかるバブル1は、癌治療に好適に用いられることができる。また、一部のバブル1を、血管壁を通過させて、癌細胞に取り込ませることもできる。
また、バブル1の平均径が600〜900nm程度のバブル1は、脳の血管内を円滑搬送されるとともに、その位置を超音波画像において確実に特定することができる。そのため、脳治療(例えば、脳血管内治療等)に好適に用いることができる。
なお、図1および図2(a)〜(c)に示すバブル1の平均径は、例えば、レーザー回折・散乱法、ナノ粒子トラッキング解析法、電気抵抗法、AFM(Atomic Force Microscope)、レーザー顕微鏡による観測等により測定することができる。なお、レーザー回折・散乱法によるバブルの平均径を測定する装置としては、ベックマン・コールター社製のフローサイトメーター(商品名;CytoFlex)を用いることができる。また、ナノ粒子トラッキング解析法によるバブルの平均径を測定する装置としては、Malvern社製のナノ粒子解析システム(商品名:nanosight)を用いることができる。また、AFMを測定する装置としては、Malvern社製の共振式粒子計測システム(商品名:アルキメデス)を用いることができる。
上述したようなバブル含有液体100は、以下に記載する本発明のバブル含有液体の製造方法により製造することができる。以下、本発明のバブル含有液体の製造方法について、詳細に説明する。
2.バブル含有液体の製造方法
<第1実施形態>
次に、本発明のバブル含有液体の製造方法の第1実施形態について説明する。
図3は、本発明のバブル含有液体の製造方法の第1実施形態を説明するためのフローチャートである。図4(a)〜(d)は、本発明のバブル含有液体の製造方法の第1実施形態を説明するための断面図である。図5は、図4(c)に示す容器を振動させる工程において、水性液体と容器の内面(上面)とが激しく衝突した状態を説明するための部分拡大図である。
なお、以下の説明では、図4(a)〜(d)および図5中の上側を「上」と言い、図4(a)〜(d)および図5中の下側を「下」と言う。
本実施形態のバブル含有液体の製造方法は、図3に示すように、工程(S1)〜(S5)の5つの工程を有する。工程(S1)は、水性液体とバブル保持剤とを含む混合液、および混合液が注入されるバブル製造用容器(以下、単に「製造容器」という)を準備する工程である。工程(S2)は、混合液を製造容器の所定の高さまで注入する工程である。工程(S3)は、製造容器内にガスを充填して、製造容器内を加圧した状態で製造容器を密閉する工程である。工程(S4)は、混合液が容器の内面に繰り返し衝突するように、所定の回転数で製造容器を振動させる工程である。工程(S5)は、製造容器を静置する工程である。
本実施形態のバブル含有液体の製造方法では、あらかじめ、水性液体中にバブル保持剤を分散または溶解させて混合液とし、この混合液中にバブルを生成させることにより、バブル含有液体を得ることができる。以下、これらの工程について順次説明する。
[S1] 準備工程
図1に示すバブル1を含有するバブル含有液体100を製造する際には、まず、水性液体およびバブル保持剤を調製容器に入れて、バブル保持剤を水性液体に分散または溶解させる。これにより、混合液10を調製する。すなわち、調製容器内にバブル保持剤および水性液体を所定量加えた後、攪拌して、バブル保持剤を水性液体に分散または溶解させる。
なお、バブル保持剤、水性液体を調製容器に入れる順番は、特に限定されない。バブル保持剤を水性液体に分散または溶解させる方法としては、例えば、攪拌子による攪拌、超音波処理等を用いることができる。
水性液体およびバブル保持剤としては、それぞれ、前述した水性液体およびバブル保持剤が使用される。
また、図2(a)のバブル1を含有するバブル含有液体100を製造する際には、上述した水性液体およびバブル保持剤に加え、前述した外殻材料をさらに含有する混合液10を調製する。
また、図2(b)および(c)のバブル1を含有するバブル含有液体100を製造する際には、上述した水性液体およびバブル保持剤に加え、前述した外殻材料および薬物4をさらに含有する混合液10を調製する。
次に、製造容器20を準備する。
製造容器20は、開口部を備え、混合液10を収容する容器本体21と、容器本体21を密閉するための蓋22とを有している。
容器本体21は、特に限定されないが、図4(a)に示すような外形が有底円筒状をなしていることが好ましい。本実施形態では、容器本体21として、容量が0.5〜20ml程度のバイアル瓶を用いる。本発明のバブル含有液体の製造方法では、容器本体21として、このような容量の小さなバイアル瓶を用いた場合であっても、容器本体21を蓋22で密閉した際に、容器本体21内の密閉空間で適切な圧力が混合液10に付与されるので、均一なサイズのバブル1を安定的に得ることができる。特に、容量が0.5〜2.5ml程度のバイアル瓶であれば、1つの製造容器20内に、1回の超音波診断に必要となる0.3〜0.6ml程度のバブル含有液を製造することができる。この場合、超音波診断の際に、1つの製造容器20内のバブル含有液体100を使い切ることができるため、製造されるバブル含有液体100の無駄をなくすことができる。
このように容量の小さいバイアル瓶(容量:0.5〜20ml程度)の寸法は、長手方向の長さXが、35〜60mm程度であり、外径Rが、10〜40mm程度である。
蓋22は、図4(b)〜(d)に示すように、容器本体21の瓶口に密着する円盤状のゴム栓(セプタム)221と、ゴム栓221を容器本体21の瓶口に固定する締付部222とを備えている。
[S2]混合液を製造容器に注入する工程
調製された混合液10を容器本体21(製造容器20)の所定の高さまで注入する。本実施形態では、図4(a)に示すように、Y[mm]まで注入する。したがって、図4(a)に示すように、混合液10が注入された状態の容器本体21は、その上部に空隙部11を有する。
本実施形態では、混合液10が注入された容器本体21(製造容器20)を水平に静置した状態において、容器本体21の高さ(長手方向の長さ)をX[mm]とし、容器本体21における混合液10の液面の高さをY[mm]としたとき、0.2≦Y/X≦0.7の関係を満足するのが好ましい。上記関係を満足することにより、十分な大きさの空隙部11が存在するので、工程(S4)において、混合液10を製造容器20の上下面および側面(特に、上下面)により勢いよく衝突させることができる。この衝突により、混合液10中に衝撃波が生じ、混合液10中にバブル1を容易に形成することができる。
なお、前記関係は、0.3≦Y/X≦0.5の関係を満足するのがより好ましく、0.35≦Y/X≦0.4の関係を満足するのがさらに好ましい。これにより、工程(S4)において、混合液10中にバブル1をより容易に形成することができる。
[S3]製造容器を密閉する工程
次に、容器本体21にガス3を充填させて、製造容器20内を加圧した状態で密閉する(図4(b)参照)。具体的には、混合液10が注入された容器本体21の空隙部11を、ガス3でパージした後、蓋22を容器本体21の開口部(瓶口)に締付ける。これにより、製造容器20内に混合液10とガス3とが密閉される。
容器本体21の空隙部11をガス3でパージする方法としては、例えば、混合液10が注入された容器本体21をチャンバー内に移動させる。次に、チャンバー内の空気をガス3で置換する。その後、蓋22を容器本体21の開口部に締付けることにより、製造容器20内に混合液10とガス3とを密閉することができる。
ガス3としては、前述した各種ガスが使用される。
次に、ガス3が充填された注射器を準備する。そして、注射器の注射針をゴム栓221に刺通する。その後、注射器から製造容器20内にさらにガス3を加えることにより、製造容器20内が加圧される。その後、ゴム栓221から注射針を抜去する。これにより、製造容器20内がガス3により加圧された状態で密閉された製造容器20を得ることができる。
本実施形態のバブル含有液体の製造方法では、製造容器20内の圧力(空隙部11に充填されたガス3の圧力)を1.0atmより大きくする。特に、製造容器20内の圧力は、1.5〜10atmであるのが好ましく、2〜5atmであるのがより好ましい。これにより、ガス3の一部が混合液10に微分散または溶解する。
混合液10にガス3が微分散または溶解することにより、工程(S4)において、混合液10と製造容器20とが衝突して衝撃波が発生する際に、バブル1が発生し易くなる。これにより、工程(S4)において、混合液10中により多くのバブル1を生成させることができる。
また、製造容器20中の圧力を1.0atmよりも大きい任意の値に設定することにより、混合液10中に生成するバブル1の径および含有量をより容易に調整することができる。
なお、本実施形態では、製造容器20内を加圧した状態(製造容器20内の圧力を1.0atmよりも大きくした状態)としているが、製造容器20内を加圧することなく、次工程(S4)を行ってもよい。
[S4]製造容器を振動させる工程
次に、混合液10が、製造容器20の上下面および側面(特に、上下面)に繰り返し衝突するように、製造容器20を振動させる。本実施形態では、図4(c)に示すように、製造容器20が、ほぼその長手方向(図4(c)では、鉛直方向)に往復運動するように、製造容器20を振動させる。
本工程では、工程(S3)で密閉した製造容器20(図4(c)の下図)を上方向に振動させる(図4(c)の真中の図)。これにより、混合液10は、製造容器20の中間付近に移動する。更に製造容器20を上方向に振動させると、混合液10が製造容器20の上部に移動して、蓋22の下面(ゴム栓221)に衝突する(図4(c)の上図)。この際に、図5に示すように、衝撃波が発生する。この衝撃波の圧力により、ガス3が混合液10中に微分散し、バブル1が形成する。このバブル1内には、振動により混合液10に微分散または溶解したガス3が含まれる。
一方、製造容器20(図4(c)の上図)を下方向に振動させる(図4(c)の真中の図)。これにより、混合液10は、製造容器20の中間付近に移動する。更に製造容器20を下方向に振動させると、混合液10が製造容器20の下部に移動して、製造容器20の下面に衝突する(図4(c)の下図)。この時も、図5に示すように、衝撃波が発生する。
また、製造容器20を鉛直方向に振動させる際に、混合液10は、製造容器20の内側の側面とも衝突する。この時も、図5に示すように、衝撃波が発生する。
以上の操作を繰り返し行うことによって、混合液10中に均一なサイズのバブル1を多量に安定的に生成させることができる。
本実施形態のバブル含有液体の製造方法では、十分に微細で、均一なサイズのバブル1を得るために、製造容器20を5000rpm以上で振動させるのが好ましい。これにより、混合液10と製造容器20とが衝突する際に発生する衝撃波の大きさ(圧力)が十分に大きくなり、混合液10中に生じるバブル1が微細化され、そのサイズを均一にすることができる。また、製造容器20の回転数を上記範囲内で低めに設定した場合には、発生する衝撃波の大きさが小さくなるので、比較的径の大きなバブル1を生成することができる。また、回転数を高めに設定した場合には、発生する衝撃波の大きさが大きくなるので、比較的径の小さいバブル1を生成することができる。なお、本明細書において、製造容器20の「回転数」とは、単位時間当たりに、製造容器20がその全振動経路を移動する回数を意味する。例えば、製造容器20が5000rpmで振動するとは、製造容器20が、1分間に全振動経路を5000回移動(振動)することを意味する。
また、製造容器20の回転数は、5500rpm以上であることがより好ましく、6000〜20000rpmであることがさらに好ましい。製造容器20の回転数を上記範囲内とすることにより、振動により生成したバブル1同士が、衝突により崩壊したり、合体して粗大化するのをより確実に防止することができる。これにより、バブル1の径を微細化しつつ、より均一なサイズのバブル1を多量に混合液10中に生成させることができる。
上記のような回転数で製造容器20を振動させることができる装置としては、例えば、ビーズ方式の高速細胞破砕システム(ホモジナイザー)を用いることができる。具体例としては、バーティンテクノロジーズ(bertin Technologies)社製のプレセリーズ(Precellys)等を用いることができる。
また、混合液10と製造容器20とが衝突する際に発生する衝撃波の圧力は、40kPa〜1GPaとなることが好ましい。混合液10と製造容器20との衝突時に発生する衝撃波の圧力が上記範囲内となることにより、混合液10中に生じるバブル1をより微細化し、そのサイズをより均一にすることができる。特に、混合液10と製造容器20との衝突時に発生する衝撃波の圧力が大きくなるほど、より微細なバブル1を生成することができる。
製造容器20を振動させる際に、製造容器20の長手方向の振動幅は、0.7X〜1.5X[mm]程度であるのが好ましく、0.8X〜1X[mm]程度であるのがより好ましい。これにより、製造容器20の振動時に、混合液10と製造容器20の下面および蓋22とを確実に衝突させることができ、混合液10と製造容器20の下面および蓋22との衝突回数を十分に多くすることができる。また、このように十分な振動幅で製造容器20を振動させることにより、混合液10が製造容器20内を移動する速度が大きくなる。そのため、混合液10と製造容器20の下面および蓋22との衝突時に発生する衝撃波の大きさが十分に大きくなる。結果として、混合液10中に微細なバブル1を多量に生成させることができる。
また、製造容器20を鉛直方向に往復運動させる際に、製造容器20は、その短手方向(水平方向)にも振動させるのが好ましい。これにより、製造容器20の内側の側面にも混合液10が衝突するので、混合液10に衝撃波をより多く発生させることができる。製造容器20の短手方向への振動幅は、0.3X〜0.8X[mm]程度であるのが好ましく、0.5X〜0.7X[mm]程度であるのがより好ましい。これにより、上述した効果はより顕著となる。
なお、製造容器20を振動させる方向は、その短手方向のみであってもよい。この場合、製造容器20の短手方向(水平方向)への振動幅は、上述した短手方向への振動幅と同じであることが好ましい。かかる振動幅であれば、製造容器20の内側の側面に混合液10が確実に衝突するので、混合液10に衝撃波をより多く発生させることができる。その結果、混合液10中に微細なバブル1を多量に生成させることができる。
また、本工程では、混合液10を製造容器20の上下面および側面に衝突させる際における製造容器20と製造容器20内の混合液10との瞬間相対速度が40km/h以上となるように製造容器20を振動させることが好ましい。また、かかる瞬間相対速度が50km/h以上となるように製造容器20を振動させることがより好ましい。上記条件を満足することにより、混合液10と製造容器20とが衝突する際に生じる衝撃波の圧力を十分に大きくすることができる。その結果、混合液10中に生じるバブル1をより微細化し、そのサイズをより均一にすることができる。
なお、製造容器20を上記条件で振動させる時間は、10〜120秒程度であるのが好ましく、30〜60秒程度であるのがより好ましい。製造容器20の振動時間を上記範囲内とすることにより、混合液10が製造容器20と衝突する回数が十分に多くなるため、混合液10中に、多量のバブル1を生成させることができる。なお、製造容器20の振動時間を上記範囲内で長く設定することにより、混合液10中に生成されるバブル1の量をより多くすることができる。
なお、混合液10中に生成されるバブル1の平均径は、製造容器20の回転数を前述した範囲内で変更することにより調整することができる。本実施形態では、おおよそ数十〜数百ナノメーターサイズのナノバブルを安定的に生成することができる。
なお、本実施形態では、製造容器20が、ほぼその長手方向に往復運動するように、製造容器20を振動させているが、製造容器20を振動させる方法は、これに限定されない。例えば、製造容器20が、主として、その短手方向および/または長手方向に回転運動するように、製造容器20を振動させてもよい。この場合であっても、製造容器20内の混合液10は、製造容器20の上下面および側面に繰り返し衝突することにより、衝撃波が発生する。このような振動方法を用いても、混合液10中に、均一なサイズのバブル1を多量に安定的に生成することができる。
[S5]製造容器を静置する工程
上記条件で製造容器20を振動させた後、製造容器20を静置する(図4(d)参照)。これにより、製造容器20内に、均一なサイズのバブル1(図1参照)を多量に含有するバブル含有液体100を製造することができる。また、同時に、バブル含有液体100が封入されたバブル含有容器(以下、単に「バブル含有容器」という)を得ることができる。
なお、上述した工程(S2)〜(S4)は、一定の温度下で行われるのが好ましい。製造過程における温度条件が一定であれば、各工程(S2)〜(S4)において、混合液10(水性液体)の特性(粘性等)が安定するため、混合液10中にバブル1を安定的に生成することができる。各溶液の温度を一定に維持するための方法としては、例えば、上述した各工程(S2)〜(S4)をグローブボックスや恒温槽内で行う方法が挙げられる。特に、工程(S4)において、製造容器20を高速で振動させるため、混合液10と製造容器20の内面との衝突により製造容器20が発熱し易い。しかし、恒温槽内で製造容器20を振動させることにより、混合液10の温度が上昇するのを確実に防止することができる。その結果、混合液10中に均一な径のバブル1を安定的に生成することができる。
以上の工程(S1)〜(S5)を経て、平均径が10nm〜1000μm程度のバブル1を含有するバブル含有液体100が製造される。
なお、従来のバブルの製造方法では、大掛かりな還流装置や、バブルの製造装置を構成する様々なシステム(チューブ、ノズル、コンプレッサ等)が必要であった。そのため、食品分野や医療分野等に用いられるバブルを製造する際に、清潔で、かつ無菌環境を維持するのが困難であった。これに対して、本発明では、バブル含有液体100の製造に気密性の高い製造容器20を用いるため、混合液10およびガス3を製造容器20内に含有した状態で、例えば、γ線滅菌等による滅菌処理を製造容器20混合液10に施せばよい。これにより、製造容器20内が滅菌されるため、バブル含有液体100を滅菌環境下で製造することができる。
上記のようにして得られたバブル含有液体100中において、バブル1は安定的に存在することができる。そのため、得られたバブル含有液体100は、室温にて長期保存することができる。具体的には、10〜36か月間もの期間にわたって保存することができる。また、これだけ長期間保存した後でも、混合液10中でのバブル1の安定性が高いため、再度バブル含有容器を振動させたりする必要なく、使用することが可能である。また、製造容器として、容量が小さい製造容器20を用いることができるので、バブル含有容器の単価を抑えることができる。そのため、上記のようにして得られたバブル含有容器は、医療機関等にとっては、取扱い易いというメリットがある。
[S6]遠心分離処理工程
本実施形態のバブル含有液体の製造方法は、工程(S4)後、工程(S5)前に、または、工程(S5)後に、製造容器20に対して、遠心分離処理を行ってもよい。この処理により、製造容器20内に生成されたバブル1を、所望の径別に分離することができる。
具体的には、バブル含有容器に対して遠心分離処理を行うことにより、径の大きいバブル1が製造容器20の上層へ移動する傾向があり、径の小さいバブル1が製造容器20の下層へ移動する傾向がある。したがって、製造容器20の上層の液体(上澄み液)を吸引手段(注射器、ピペット等)により除去すれば、製造容器20内に残存するバブル含有液中のバブル1の平均径は、工程(S5)後に得られたバブル含有液体100中のバブル1の平均径よりも小さくなる。また、吸引手段により吸引したバブル含有液体(上澄み液)中のバブル1の平均径は、工程(S5)後に得られたバブル含有液体100中のバブル1の平均径よりも大きくなる。このように、遠心分離処理を用いることにより、より単分散なバブル径分布を有するバブル1を得ることができる。
また、混合液10と比重の異なる物質をバブル含有液体100に加えて、遠心分離処理することにより、径の大きいバブル1がより上層へと移動し易くなり、径の小さいバブル1がより下層へと移動し易くなる、その結果、より単分散なバブル径分布を有するバブル1を得ることができる。
工程(S1)〜(S4)を経て、例えば、平均径が600nmのバブル1を含有するバブル含有液体100を経た場合、遠心分離の条件を適宜設定することにより、平均径が200〜300nmのバブル1を含有するバブル含有液を得ることができる。このバブル含有液体100を超音波造影剤として用いた場合には、比較的径が大きいバブル1が存在しないため、解像度が高く、より高精細な画像を得ることができる。
遠心分離処理の条件は、分離するバブル1の平均径によって適宜設定され、例えば、バブル含有液体100に1×g〜22000×g程度の遠心加速度が30秒〜24時間程度かかるようにする。遠心加速度を小さく設定(1×g〜100×g程度)する場合には、長時間(12時間〜24時間程度)にわたって処理することにより、より単分散なバブル径分布を有するバブル1を得ることができる。また、遠心加速度を大きく設定(100×g〜22000×g)する場合には、比較的短時間(30秒〜12時間程度)の処理により、より単分散なバブル径分布を有するバブル1を得ることができる。遠心分離処理を上記条件で行うことにより、所望の平均径を有するバブル1を効率良く分離することができる。
上記のような遠心加速度でバブル含有容器に遠心分離処理を行うことができる遠心分離機としては、特に限定されないが、例えば、商品名「TOMY MX−301」(トミー精工社製)等の微量高速冷却遠心機を用いることができる。なお、上記微量高速冷却遠心機を用いる場合には、その回転数が50〜2000rpm程度に設定することにより、上記範囲の遠心加速度(遠心力)がバブル含有液に負荷される。
また、遠心分離処理は、1回でもよいし、複数回にわたって行ってもよい。
上述したように、本実施形態では、工程(S1)〜(S5)を行うことにより、均一なサイズのバブル1を多量に安定的に含有するバブル含有液体100を製造することができる。ただし、本実施形態のバブル含有液体の製造方法は、これに限定されない。例えば、前述した工程(S6)を、工程(S4)を行った後に行い、その後、工程(S5)を経て、バブル含有液体100を得てもよい。また、工程(S5)の後に、工程(S4)を少なくとも1回以上繰り返し行うようにしてもよい。
<第2実施形態>
次に、本発明のバブル含有液体の製造方法およびバブル製造容器の第2実施形態について説明する。
図6は、本発明のバブル含有液体の製造方法の第2実施形態を説明するためのフローチャートである。
以下、第2実施形態のバブル含有液体の製造方法について、前記第1実施形態のバブル含有液体の製造方法との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本実施形態のバブル含有液体の製造方法は、図6に示すように、工程(S1)〜(S5)の5つの工程を有する。工程(S1)は、水性液体を含む第1の液体と、バブル保持剤を含む第2の液体と、第1および第2の液体が注入される製造容器とを準備する工程である。工程(S2)は、第1の液体を製造容器の所定の高さまで注入する工程である。工程(S3)は、製造容器内にガスを充填して、製造容器内を加圧した状態で製造容器を密閉する工程である。工程(S4)は、第1の液体が容器の内面に繰り返し衝突するように、所定の回転数で製造容器を振動させる工程である。工程(S5)は、振動後の製造容器内に第2の液体を注入し、第1の液体と第2の液体とを混合して、バブル含有液体を得る工程である。
すなわち、本実施形態のバブル含有液体の製造方法では、バブル保持剤を含まない水性液体(第1の液体)中にバブル1を生成させた後、工程(S5)においてバブル保持剤を含む第2の液体を添加する以外は、前述した第1実施形態のバブル含有液体の製造方法と同様である。
[S1] 準備工程
まず、前述した水性液体を含む第1の液体、バブル保持剤を含む第2の液体、および製造容器を準備する。
第1の液体は、前述した水性液体が用いられる。なお、図2(a)〜(c)に示すバブル1を含有するバブル含有液体100を製造する場合には、第1の液体として、水性液体と、外殻材料等(外殻材料、または、外殻材料および薬物4)とを調製容器に入れて、外殻材料等を水性液体に溶解させる。これにより、第1の液体を調製する。外殻材料等を水性液体に溶解させる方法としては、例えば、攪拌子による攪拌、超音波処理等を用いることができる。
また、第2の液体は、前述したバブル保持剤を、水性液体中に分散または溶解させることにより得られる。なお。第2の液体を構成する水性液体は、第1の液体で用いる水性液体と同じ水性液体が好ましいが、異なる種類の水性液体を用いることもできる。
このようにして調整された第1の液体を用いて、前述した第1実施形態と同様に、工程(S2)〜(S4)を行う。これにより、第1の液体中に、均一なサイズのバブル1を多量に生成することができる。
[S5]第1の液体と第2の液体とを混合する工程
次に、工程(S4)で振動させた後の製造容器20の蓋22を外し、第2の液体を容器本体21に注入する。これにより、第1の液体と第2の液体とが混合されて、バブル含有液体100を得る。
なお、第2の液体を容器本体21に注入した後、第1の液体と第2の液体とを、例えば、撹拌子による撹拌、超音波処理等を用いて混合してもよい。
また、製造容器20内は加圧されている。そのため、製造容器20の蓋22を外す際に、製造容器20内を急激に減圧すると、第1の液体中のバブル1の粒径が変化し、含有量が減少する等の現象が生じる可能性がある。そのため、本工程において、製造容器20の蓋22を外す際に、あらかじめ、製造容器20内の圧力を大気圧まで減圧しておくことが好ましい。
例えば、製造容器20内を減圧するための減圧用注射器を用意し、その注射針をゴム栓221に刺通する。その際に、減圧用注射器の注射針が第1の液体に接触しないようにする。次に、減圧用注射器のプランジャーを操作して、製造容器20内のガス3を吸引することにより、製造容器20内の圧力を大気圧まで減圧する。その後、製造容器20から蓋22を外す。かかる方法を用いれば、生成されたバブル1に上述したような現象が生じない。
以上の工程(S1)〜(S5)を経て、平均径が10nm〜1000μm程度のバブル1を含有するバブル含有液体100が製造される。
また、工程(S5)を行った後に、前述した第1実施形態の工程(S6)を行うこともできる。これにより、製造容器20内により均一なサイズのバブル1を多量に安定的に含有するバブル含有液体100を得ることができる。
なお、上記の説明では、バブル1が生成された第1の液体にバブル保持剤が含まれる第2の液体を添加し、その後混合してバブル含有液体を得ているが、これに限定されない。第1の液体として、上記工程(S1)〜(S4)以外の方法を用いてナノバブルが分散した第1の液体を用いることもできる。例えば、市販されている平均径が10nm〜1000nm程度のナノバブルを含有するナノバブル(ウルトラファインバブル)水等を第1の液体として用いることができる。
かかる第2実施形態のバブル含有液体の製造方法によっても、前記第1実施形態のバブル含有液体の製造方法と同様の作用・効果を生じる。
以上、本発明のバブル含有液体およびバブル含有液体の製造方法を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、各工程は、同様の機能を発揮し得る任意の工程と置換することができる。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
(実施例1)
[準備工程]
まず、調整容器としての15mlのバイアル瓶に、生理食塩水(0.9w/v%NaCl水溶液)6mlと、生理食塩水20mlに対して10gのブドウ糖が溶解した50%ブドウ糖液(大塚製薬社製、大塚糖液50%)4mlとを入れた。その後、生理食塩水と50%ブドウ糖液とを撹拌することにより、混合液を得た。なお、混合液中のブドウ糖(グルコース)の含有量は、20wt%であった。また、製造容器としての2mlのバイアル瓶(高さX:45mm、外径R:13mm)を準備した。なお、このバイアル瓶は、図4に示す製造容器20と同様の形状をなしている。
[混合液を容器に注入する工程]
2mlバイアル瓶内に、混合液700μlを注入した。なお、混合液の液面の高さYは、25mmであった。
[容器を密閉する工程]
次に、混合液が注入されたバイアル瓶内の空隙をパーフルオロプロパンでパージした後、バイアル瓶の瓶口に図4に示す蓋22と同様の形状の蓋を挿着した。次に、パーフルオロプロパンが充填された注射器を準備した。注射器の注射針で蓋のゴム栓を刺通して、注射器からバイアル瓶内にさらに2mlのパーフルオロプロパンを加えた。これにより、内部の圧力が1.3atmの密閉バイアル瓶を得た。
[容器を振動させる工程]
次に、bertin Technologies社製のPrecellys(高速細胞破砕システム)を用いて、密閉バイアル瓶を、6500rpmで120秒間振動させた後に20秒間静置させた。本工程において、密閉バイアル瓶は、上下方向および左右方向に往復運動し、混合液がバイアル瓶の上下面および側面に繰り返し衝突することを確認した。なお、密閉バイアル瓶を振動させる際に、密閉バイアル瓶の長手方向(鉛直方向)の振動幅は、40mmであり、密閉バイアル瓶の短手方向(水平方向)の振動幅は、20mmであった。上記条件に設定することにより、いずれのバイアル瓶についても、バイアル瓶と混合液との瞬間相対速度が40km/h以上となるようにした。
[容器を静置させる工程]
振動後、密閉バイアル瓶を静置させ、バブル含有液体を得た。
(実施例2)
実施例1の混合液を、生理食塩水2mlと、50%ブドウ糖液8mlとの混合液に代えた以外は、前記実施例1と同様にして、バブル含有液体を得た。なお、混合液中のブドウ糖の含有量は、40wt%であった。
(実施例3)
実施例1の混合液を、50%ブドウ糖液10mlにした以外は、前記実施例1と同様にして、バブル含有液体を得た。なお、混合液中のブドウ糖の含有量は、50wt%であった。
(実施例4)
実施例1の混合液を、蒸留水2mlと、生理食塩水20mlに対して1gのブドウ糖が溶解した5%ブドウ糖液(大塚製薬社製、大塚糖液5%)8mlとの混合液に代えた以外は、前記実施例1と同様にして、バブル含有液体を得た。なお、混合液中のブドウ糖の含有量は、4wt%であった。
(実施例5)
実施例1の混合液を、蒸留水4mlと、5%ブドウ糖液6mlとの混合液に代えた以外は、前記実施例1と同様にして、バブル含有液体を得た。なお、混合液中のブドウ糖の含有量は、3wt%であった。
(実施例6)
使用するガスとして、パーフルオロプロパンの代わりに窒素(N)を用いた以外は、前記実施例1と同様にして、バブル含有液体を得た。なお、混合液中のブドウ糖の含有量は、20wt%であった。
(実施例7)
使用するガスとして、パーフルオロプロパンの代わりに窒素を用いた以外は、前記実施例2と同様にして、バブル含有液体を得た。なお、混合液中のブドウ糖の含有量は、40wt%であった。
(実施例8)
使用するガスとして、パーフルオロプロパンの代わりに窒素を用いた以外は、前記実施例3と同様にして、バブル含有液体を得た。なお、混合液中のブドウ糖の含有量は、50wt%であった。
(実施例9)
実施例1の混合液を、生理食塩水12mlと、アルブミンが250mg/ml含まれるアルブミン溶液(CSL Behring社製 アルブミナー25%)30μlとの混合液に代えた以外は、前記実施例1と同様にして、バブル含有液体を得た。なお、混合液中のアルブミンの含有量は、0.06wt%であった。
(実施例10)
蒸留水中に、酸素を含む平均バブル径100nm程度の酸素ウルトラファインバブル(ナノバブル)水(株式会社ナノクス社製)12mlに、アルブミン溶液(CSL Behring社製 アルブミナー25%)30μlを添加して、撹拌した。これにより、バブル含有液体を得た。なお、混合液中のアルブミンの含有量は、0.06wt%であった。
(実施例11)
蒸留水中に、酸素ウルトラファインバブル(ナノバブル)水(株式会社ナノクス社製)12mlに、アルブミン溶液(CSL Behring社製 アルブミナー25%)57μlを添加して、撹拌した。これにより、バブル含有液体を得た。なお、混合液中のアルブミンの含有量は、0.12wt%であった。
(実施例12)
蒸留水中に、酸素ウルトラファインバブル(ナノバブル)水(株式会社ナノクス社製)12mlに、アルブミン溶液(CSL Behring社製 アルブミナー25%)121μlを添加して、撹拌した。これにより、バブル含有液体を得た。なお、混合液中のアルブミンの含有量は、0.25wt%であった。
(実施例13)
蒸留水中に、窒素を含む平均バブル径100nm程度の窒素ウルトラファインバブル(ナノバブル)水(株式会社ナノクス社製)12mlに、アルブミン溶液(CSL Behring社製 アルブミナー25%)30μlを添加して、撹拌した。これにより、バブル含有液体を得た。なお、混合液中のアルブミンの含有量は、0.06wt%であった。
(実施例14)
蒸留水中に、窒素ウルトラファインバブル(ナノバブル)水(株式会社ナノクス社製)12mlに、アルブミン溶液(CSL Behring社製 アルブミナー25%)57μlを添加して、撹拌した。これにより、バブル含有液体を得た。なお、混合液中のアルブミンの含有量は、0.12wt%であった。
(実施例15)
蒸留水中に、窒素ウルトラファインバブル(ナノバブル)水(株式会社ナノクス社製)12mlに、アルブミン溶液(CSL Behring社製 アルブミナー25%)121μlを添加して、撹拌した。これにより、バブル含有液体を得た。なお、混合液中のアルブミンの含有量は、0.25wt%であった。
(実施例16)
蒸留水中に、空気を含む平均バブル径100nm程度の空気ウルトラファインバブル(ナノバブル)水(株式会社ナノクス社製)12mlに、アルブミン溶液(CSL Behring社製 アルブミナー25%)30μlを添加して、撹拌した。これにより、バブル含有液体を得た。なお、混合液中のアルブミンの含有量は、0.06wt%であった。
(実施例17)
蒸留水中に、空気ウルトラファインバブル(ナノバブル)水(株式会社ナノクス社製)12mlに、アルブミン溶液(CSL Behring社製 アルブミナー25%)57μlを添加して、撹拌した。これにより、バブル含有液体を得た。なお、混合液中のアルブミンの含有量は、0.12wt%であった。
(実施例18)
蒸留水中に、空気ウルトラファインバブル(ナノバブル)水(株式会社ナノクス社製)12mlに、アルブミン溶液(CSL Behring社製 アルブミナー25%)121μlを添加して、撹拌した。これにより、バブル含有液体を得た。なお、混合液中のアルブミンの含有量は、0.25wt%であった。
(実施例19)
蒸留水中に、酸素ウルトラファインバブル(ナノバブル)水(株式会社ナノクス社製)12mlに、アルブミン溶液(CSL Behring社製 アルブミナー25%)245μlを添加して、撹拌した。これにより、バブル含有液体を得た。なお、混合液中のアルブミンの含有量は、0.5wt%であった。
(実施例20)
蒸留水中に、酸素ウルトラファインバブル(ナノバブル)水(株式会社ナノクス社製)12mlに、アルブミン溶液(CSL Behring社製 アルブミナー25%)3mlを添加して、撹拌した。これにより、バブル含有液体を得た。なお、混合液中のアルブミンの含有量は、5wt%であった。
(実施例21)
蒸留水中に、窒素ウルトラファインバブル(ナノバブル)水(株式会社ナノクス社製)12mlに、アルブミン溶液(CSL Behring社製 アルブミナー25%)245μlを添加して、撹拌した。これにより、バブル含有液体を得た。なお、混合液中のアルブミンの含有量は、0.5wt%であった。
(実施例22)
蒸留水中に、窒素ウルトラファインバブル(ナノバブル)水(株式会社ナノクス社製)12mlに、アルブミン溶液(CSL Behring社製 アルブミナー25%)3mlを添加して、撹拌した。これにより、バブル含有液体を得た。なお、混合液中のアルブミンの含有量は、5wt%であった。
(実施例23)
蒸留水中に、空気ウルトラファインバブル(ナノバブル)水(株式会社ナノクス社製)12mlに、アルブミン溶液(CSL Behring社製 アルブミナー25%)245μlを添加して、撹拌した。これにより、バブル含有液体を得た。なお、混合液中のアルブミンの含有量は、0.5wt%であった。
(実施例24)
蒸留水中に、空気ウルトラファインバブル(ナノバブル)水(株式会社ナノクス社製)12mlに、アルブミン溶液(CSL Behring社製 アルブミナー25%)3mlを添加して、撹拌した。これにより、バブル含有液体を得た。なお、混合液中のアルブミンの含有量は、5wt%であった。
(比較例1)
実施例1の混合液を、生理食塩水10mlのみに代えた以外は、前記実施例1と同様にして、バブル含有液体を得た。
(比較例2)
実施例1の混合液を、水10mlのみに代えた以外は、前記実施例1と同様にして、バブル含有液体を得た。
(比較例3)
使用するガスとして、パーフルオロプロパンの代わりに窒素を用いた以外は、前記比較例1と同様にして、バブル含有液体を得た。
(比較例4)
バブル含有液体として、酸素ウルトラファインバブル(ナノバブル)水(株式会社ナノクス社製)を用いた。
(比較例5)
バブル含有液体として、窒素ウルトラファインバブル(ナノバブル)水(株式会社ナノクス社製)を用いた。
(比較例6)
バブル含有液体として、空気ウルトラファインバブル(ナノバブル)水(株式会社ナノクス社製)を用いた。
<バブルの経時安定性評価>
上記のようにして得られた実施例1〜9および比較例1〜3のバブル含有液体を含むバブル含有容器に対して、微量高速冷却遠心機(トミー精工社製、「TOMY MX−301」)を用いて、1200rpmで5分間遠心分離処理を行った。この遠心分離処理により、バブル含有液体は、バブル含有容器の上側に濃い白濁部分と、バブル含有容器の中間に淡い白濁部分と、バブル含有容器の下側にほぼ透明な部分との3つの部分に分離された。次に、マイクロピペットにより、バブル含有容器の上側の濃い白濁部分を吸引して除去した。その後、他のマイクロピペットを、その先端がバブル含有容器の底付近に到達するように、バブル含有容器に挿入し、バブル含有容器の下側のほぼ透明な部分を吸引した。次に、吸引したバブル含有液体をエッペンドルフテストチューブ内に吐出して、サンプルを得た。
実施例1〜3および比較例1のサンプルについては、大気圧下、4℃の条件で容器の蓋を開けた状態で保管し、バブル含有液体の製造直後、5日後、および10日後のサンプル中のバブルの径分布を、ナノ粒子解析システム(商品名:nanosight)を用いて測定した。
また、実施例4、5および比較例2のサンプルについては、大気圧下、4℃の条件で容器の蓋を開けた状態で保管し、バブル含有液体の製造直後および10日後のサンプル中のバブルの径分布を、上記と同様にして測定した。
また、実施例6〜8および比較例3のサンプルについては、大気圧下、4℃の条件で容器の蓋を開けた状態で保管し、バブル含有液体の製造直後および12日後のサンプル中のバブルの径分布を、上記と同様にして測定した。
さらに、実施例9については、3つのサンプルを準備した。各サンプルを、大気圧下にて、4℃、室温(20℃程度)および37℃のそれぞれの温度下で、容器の蓋を開けた状態で保管し、バブル含有液体の製造直後および5日後のサンプル中のバブルの径分布を、上記と同様にして測定した。
これらの結果を、図7〜図10に示す。
図7(a)〜(d)は、実施例1〜3および比較例1で得られたサンプルの、製造直後、5日後、および10日後のバブル径分布を示すグラフである。図8(a)〜(c)は、実施例4、5および比較例2で得られたサンプルの、製造直後および10日後のバブル径分布を示すグラフである。図9(a)は、実施例6〜8で得られたサンプルの製造直後のバブル径分布を示すグラフである。また、図9(b)は、実施例6〜8で得られたサンプルの12日後のバブル径分布を示すグラフである。図10(a)は、実施例9で得られたサンプルの製造直後のバブル径分布を示すグラフである。図10(b)は、実施例9で得られたサンプルを4℃で5日間保管した後のバブル径分布である。図10(c)は、実施例9で得られたサンプルを室温で5日間保管した後のバブル径分布である。図10(d)は、実施例9で得られたサンプルを37℃で5日間保管した後のバブル径分布である。
まず、図7(a)〜(c)に示すように、実施例1〜3のサンプルは、5日後のサンプル中のバブルの含有量が、製造直後のサンプル中のバブルの含有量よりも減少していることが分かった。具体的には、実施例1のサンプルでは、バブル径が100〜300nmの範囲において、約70%減少していた。また、実施例2のサンプルでは、バブル径が100〜300nmの範囲において、約33%減少していた。また、実施例3のサンプルでは、バブル径が100〜300nmの範囲において、約30%減少していた。しかし、そのバブル径分布曲線の形状は、大きく変わっていなかった(図7(a)〜(c)参照)。すなわち、実施例1〜3のサンプルでは、製造してから5日間経っても、含まれるバブルの粒径の変動が抑えられていた。
また、実施例1のサンプルでは、10日後のサンプル中のバブルの含有量が、5日後のサンプル中のバブルの含有量とほとんど変わらず、そのバブル径分布曲線の形状もほぼ変わらなかった。また、実施例2のサンプルでは、10日後のサンプル中のバブルの含有量は、バブル径が100〜200nmの範囲において、5日後のサンプル中のバブルの含有量よりも減少するものの、バブル径が200nmよりも大きい範囲において、ほとんど変わらなかった。また、実施例3のサンプルでは、10日後のサンプル中のバブルの含有量は、バブル径が0〜200nmの範囲において、製造直後のサンプル中のバブルの含有量よりも減少するものの、バブル径が200nmよりも大きい範囲において、ほとんど変わらなかった。
これに対して、比較例1のサンプルでは、5日後の時点でサンプル中のバブルの含有量が約95%も減少しており、10日後の時点では、ほとんどのバブルが消失していた(図7(d)参照)。
したがって、本発明のバブル含有液体では、含まれるバブルの経時安定性が優れており、バブル径の変動も小さいことが分かった。
また、図8(a)および(b)に示すように、蒸留水と低濃度のブドウ糖溶液(5%ブドウ糖溶液)とを混合して得られた実施例4および5のサンプルでは、実施例1〜3のサンプルよりも低濃度のブドウ糖が、バブルの経時安定性を向上させることが分かった。なお、実施例4のサンプルでは、バブル径が100〜300nmの範囲において、10日後のサンプル中のバブルの含有量が、製造直後のサンプル中のバブルの含有量よりも約90%減少していた。また、実施例5のサンプルでは、バブル径が100〜300nmの範囲において、10日後のサンプル中のバブルの含有量が、製造直後のサンプル中のバブルの含有量よりも約90%減少していた。また、比較例2のサンプルでは、10日後のサンプル中のバブルが、バブル径が100〜300nmの範囲において、完全に消失していた。
また、上記実施例1〜5のサンプルについて、ガスをヘリウム(He)および酸素(O)に代えてバブル含有液体を作製し、上記のバブルの経時安定性評価を行ったところ、上記実施例1〜5のバブル含有液体と同様の評価結果が得られた。
また、図9に示すように、バブル保持剤を含有する実施例6〜8のバブル含有液体では、上記実施例1〜5と同様に、含まれるバブルの経時安定性が高いことが確認された。具体的には、実施例6のサンプルでは、12日後のサンプル中のバブルの含有量が、製造直後のサンプル中のバブルの含有量よりも約20%減少していた。また、実施例7および8のサンプルでは、12日後のサンプル中のバブルの含有量が、製造直後のサンプル中のバブルの含有量とほぼ同じであった。一方、比較例3のサンプルでは、12日後のサンプル中のバブルの含有量が、製造直後のサンプル中のバブルの含有量よりも約94%減少していた(図9(b)参照)。
また、図10に示すように、実施例9のバブル含有液体では、含まれるバブル保持剤の含有量が少ない(アルブミン含有量:0.06wt%)のにもかかわらず、上記実施例1〜5と同様に、含まれるバブルの経時安定性が高いことが確認された。また、低温(4℃)で保管されたバブル含有液体は、室温および室温よりも高い温度(37℃)で保管されたバブル含有液体に比べ、より単分散なバブル径分布を有していた。
次に、市販のナノバブルを含む水(ウルトラファインバブル水)にバブル保持剤としてのアルブミンを添加して得られたバブル含有液体について、バブルの経時安定性を評価した。
実施例10〜18および比較例4〜6のバブル含有液体(サンプル)について、大気圧下、4℃の条件で容器の蓋を開けた状態で保管し、バブル含有液体の製造直後(0day)、1日後(1day)、3日後(3day)および7日後(7day)のサンプル中のバブルの径分布を、ベックマン・コールター社製のフローサイトメーター(商品名;CytoFlex)を用いて測定した。
また、実施例19〜24および比較例4〜6のバブル含有液体(サンプル)について、4℃の条件で容器の蓋を開けた状態で保管し、以下の条件で保管したバブルの径分布を、ナノ粒子解析システム(商品名:nanosight)を用いて測定した。
実施例19:3日後(3day)
実施例20:13日後(13day)
実施例21:13日後(13day)、14日後(14day)、35日後(35day)
実施例22:13日後(13day)、14日後(14day)、38日後(38day)
実施例23:製造直後(0day)
実施例24:10日後(10day)
比較例4:3日後(3day)
比較例5:製造直後(0day)
比較例6:製造直後(0day)
これらの結果を、図11〜図14に示す。
図11は、実施例10〜12および比較例4で得られたサンプルにおける200〜1000nmのバブル径を有するバブルの濃度の経時変化を示すグラフである。図12は、実施例13〜15および比較例5で得られたサンプルにおける200〜1000nmのバブル径を有するバブルの濃度の経時変化を示すグラフである。図13は、実施例16〜18および比較例6で得られたサンプルにおける200〜1000nmのバブル径を有するバブルの濃度の経時変化を示すグラフである。図14(a)〜(c)は、実施例19〜24および比較例4〜6で得られたサンプルにおける、バブル径が200nm未満のバブルの濃度およびバブル径が200nmより大きいバブルの濃度の比率の経時変化を示すグラフである。
図11〜13に示すように、市販のウルトラファインバブル水にバブル保持剤としてのアルブミンを添加した場合でも、200〜1000nmのバブルの濃度が経時的に減少するのを抑制する効果が確認された。また、バブルに含まれるガスとして、酸素(O)や窒素(N)を用いた場合には、ガスとして空気を用いたバブルよりもバブルの経時安定性が優れていることが分かった。さらに、アルブミンの添加量が多くなるに従い、バブルの経時安定性が向上することも確認された。
さらに、図14に示すように、200nm未満のバブル径を測定することが可能なナノ粒子解析システム(商品名:nanosight)によるバブル径分布測定では、長期間にわたって保管した場合でも、200nm未満の極小バブルがバブル含有液体中に十分な量存在していることが確認された。
なお、上記評価は、バブル含有液体を保管する容器の蓋を開けた状態で保管した場合の評価であり、短期間でバブルの経時安定性を評価するために行った。したがって、製造後、製造容器の蓋を開けずに各実施例のバブル含有液体を保管した場合には、数年の長期間にわたって、バブル含有液体中に含まれるバブルの数およびバブル径の変動が抑えられた、バブルの経時安定性に優れるバブル含有液体となると思われる。
本発明のバブル含有液体は、医療、食品、魚介類の養殖、排水処理等の様々な分野に用いることができる。本発明によれば、バブル含有液体が、バブルを水性液体中に安定的に保持するように作用するバブル保持剤を含むことにより、バブル保持剤の作用により、水性液体中にバブルを安定的に保持(保存)することができる。そのため、本発明のバブル含有液体は、長期間保存した場合でも、含まれるバブルの数およびサイズの変動を抑え、バブルの経時安定性に優れている。すなわち、長期間にわたって品質が維持されたバブル含有液体を提供することができる。したがって、本発明の分子標的薬バブルは、産業上の利用可能性を有する。
本実施形態のバブル含有液体の製造方法は、図6に示すように、工程(S1)〜(S5)の5つの工程を有する。工程(S1)は、水性液体を含む第1の液体と、バブル保持剤を含む第2の液体(バブル保持剤含有液体)と、第1および第2の液体が注入される製造容器とを準備する工程である。工程(S2)は、第1の液体を製造容器の所定の高さまで注入する工程である。工程(S3)は、製造容器内にガスを充填して、製造容器内を加圧した状態で製造容器を密閉する工程である。工程(S4)は、第1の液体が容器の内面に繰り返し衝突するように、所定の回転数で製造容器を振動させる工程である。工程(S5)は、振動後の製造容器内に第2の液体を注入し、第1の液体と第2の液体とを混合して、バブル含有液体を得る工程である。
すなわち、本実施形態のバブル含有液体の製造方法では、バブル保持剤を含まない水性液体(第1の液体)中にバブル1を生成させた後、工程(S5)においてバブル保持剤を含むバブル保持剤含有液体(第2の液体を添加する以外は、前述した第1実施形態のバブル含有液体の製造方法と同様である。

Claims (8)

  1. 水性液体と、前記水性液体中に分散した、ガスを含むバブルとを有するバブル含有液体であって、
    前記バブルを前記水性液体中に安定的に保持するように作用するバブル保持剤をさらに含むことを特徴とするバブル含有液体。
  2. 前記バブル保持剤は、塩類、糖類およびタンパク質のうちの少なくとも1種を含む請求項1に記載のバブル含有液体。
  3. 前記糖類は、グルコースを含む請求項2に記載のバブル含有液体。
  4. 前記ガスは、酸素、水素、窒素、ヘリウム、パーフルオロプロパン、パーフルオロブタン、パーフルオロペンタンからなる群から選択される少なくとも1種を含む請求項1ないし3のいずれかに記載のバブル含有液体。
  5. 前記バブル含有液体中の前記水性液体の含有量[wt%]と、前記バブル含有液体中の前記バブル保持剤の含有量[wt%]との比率は、50:50〜99.999:0.001である請求項1ないし4のいずれかに記載のバブル含有液体。
  6. 水性液体と、前記水性液体中に分散した、ガスを含むバブルとを有するバブル含有液体の製造方法であって、
    前記水性液体と、前記バブルを前記水性液体中に安定的に保持するように作用するバブル保持剤とを含む混合液を準備する工程と、
    前記混合液を、容器の所定の高さまで注入する工程と、
    前記混合液が前記容器の内面に繰り返し衝突するように、所定の回転数で前記容器を振動させることにより、前記バブル含有液体を得る工程と、を有することを特徴とするバブル含有液体の製造方法。
  7. 水性液体と、前記水性液体中に分散した、ガスを含むバブルと、前記バブルを前記水性液体中に安定的に保持するように作用するバブル保持剤とを有するバブル含有液体の製造方法であって、
    前記水性液体と、前記水性液体中に分散した、ガスを含むバブルとを有する第1の液体と、前記バブル保持剤を含む第2の液体とを準備する工程と、
    前記第1の液体と前記第2の液体とを混合して、前記バブル含有液体を得る工程と、を有することを特徴とするバブル含有液体の製造方法。
  8. 前記第1の液体は、前記水性液体を、容器の所定の高さまで注入する工程と、前記水性液体が前記容器の内面に繰り返し衝突するように、所定の回転数で前記容器を振動させる工程と、を経て得られる請求項7に記載のバブル含有液体の製造方法。
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