JPWO2018100612A1 - イオン化装置及び質量分析装置 - Google Patents

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Abstract

キャピラリ(211)、金属細管(212)、ネブライズガス管(213)を含み、液体試料中の成分をESI法によりイオン化することが可能であるイオン化プローブ(21)からの噴霧流の進行方向前方に導電性キャピラリ(22)を設け、高電圧電源部(23)から導電性キャピラリ(22)に高電圧を印加してコロナ放電を生じさせることで、液体試料中の成分をAPCI法によってもイオン化する。装置のチューニング等の際には、導電性キャピラリ(22)に標準試料溶液を供給し、高電圧電源部(23)から導電性キャピラリ(22)に高電圧を印加してESI法により、又は、イオン化プローブ(21)で生成した溶媒分子イオンとのイオン-分子反応により標準試料溶液中の成分をイオン化する。これにより、配管の繋ぎ替えやまたバルブによる流路の切り替えを行うことなく、標準試料中の成分をイオン化して質量分析することができる。

Description

本発明は試料中の成分をイオン化するイオン化装置及び該イオン化装置を備えた質量分析装置に関し、さらに詳しくは、質量分析装置やイオン移動度計などのイオン源として好適なイオン化装置及び該イオン化装置を備えた質量分析装置に関する。
質量分析装置において試料成分をイオン化する手法として、様々なイオン化法が知られている。こうしたイオン化法は、真空雰囲気の下でイオン化を行う手法と、略大気圧雰囲気の下でイオン化を行う手法とに大別でき、後者は一般に、大気圧イオン化法(API=Atmospheric Pressure Ionization)と総称される。大気圧イオン化法は、イオン化室内を真空排気する必要がない、液体状の試料や水分を多く含む試料など真空雰囲気中では扱いが困難である試料も容易にイオン化できる、といった利点がある。
よく知られている大気圧イオン化法の一つとして大気圧化学イオン化法(APCI=Atmospheric Pressure Chemical Ionization)がある。特許文献1、非特許文献1に記載されたAPCI法によるイオン化プローブでは、ネブライズガス流の助けを受けて、300〜500℃程度に加熱されたヒータで囲まれる空間内に試料溶液が噴霧される。これにより、試料溶液中の溶媒と試料分子とが気化する。噴霧流の前方にはニードル電極が配置されており、該ニードル電極に±3〜5kV(イオンの極性により電圧の極性が異なる)程度の高電圧が印加されるとコロナ放電が発生する。この放電によって溶媒分子はイオン化され、この溶媒分子イオンと試料分子との間でプロトン授受を伴う反応が生じる。この反応(イオン-分子反応)により該試料分子はイオン化される。
非特許文献1にも記載されているように、APCI法は主として低・中極性の化合物のイオン化に適しており、高極性の化合物はイオン化されにくい。そこで、低極性化合物から高極性化合物まで幅広い化合物のイオン化が可能であるイオン化装置として、非特許文献2に記載のデュアルイオンソース(DUIS)法が知られている。DUIS法によるイオン源は、エレクトロスプレーイオン化(ESI)法によるイオン化が可能であるイオン化プローブの前方にニードル電極を配置した構成を有する。試料溶液中の試料分子はイオン化プローブから静電噴霧されることでESI法によりイオン化されると同時に、ニードル電極に印加される電圧によって生じる放電により生成される溶媒分子イオンの作用で、つまりはAPCI法によってイオン化される。即ち、DUIS法によるイオン源では、ESI法によるイオン化とAPCI法によるイオン化とが同時に行われるため、試料溶液に含まれる化合物が低極性であっても高極性であってもイオン化が可能である。
ところで、質量分析装置においては一般に、イオンガイド等の各部への印加電圧などのパラメータを最適化するために分析実行前にチューニングが行われる。チューニングは、通常、既知の成分を含む標準試料を用いて行われる。そのため、液体クロマトグラフと質量分析装置とを接続した液体クロマトグラフ質量分析装置(LC−MS)では、チューニングの際に、液体クロマトグラフのカラム出口に一端が接続されている溶出液配管に代えて、標準試料容器に一端が接続されている標準試料配管を、質量分析装置のイオン化プローブに接続するように配管の繋ぎ替えを操作者が行う必要があった。また、そうした繋ぎ替えの作業をなくすには、液体クロマトグラフのカラム出口と質量分析装置のイオン化プローブとの間の配管に流路切替え用のバルブを設ける必要があった。
上述したような配管の繋ぎ替えは大変面倒であり、分析作業の効率を低下させることになる。一方、流路切替え用バルブを設けると装置のコストが上がることになるし、また、イオン化プローブ内の配管やイオン化プローブと流路切替え用バルブとを接続する配管には、標準試料と液体クロマトグラフからの溶出液とが選択的に流されるため、コンタミネーションの問題もある。
特開2011−9240号公報
「LCMS-IT-TOF 液体クロマトグラフ質量分析計 イオン化オブション(APPI, APCI)」、[online]、株式会社島津製作所、[平成28年11月7日検索]、インターネット<URL: http://www.an.shimadzu.co.jp/lcms/it-tof11.htm> 「LCMS-2020 超高速シングル四重極型質量分析計 デュアルイオンソース DUIS-2020」、[online]、株式会社島津製作所、[平成28年11月7日検索]、インターネット<URL: http://www.an.shimadzu.co.jp/lcms/lcms2020/duis.htm>
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、配管の繋ぎ替えを行うことなく、また流路切替え用バルブも設けることなく、装置のチューニング等の際に標準試料中の成分をイオン化して分析部に導入することができるイオン化装置及び該イオン化装置を備えた質量分析装置を提供することである。
上記課題を解決するためになされた本発明に係るイオン化装置は、
a)液体試料を大気圧雰囲気中に噴霧する噴霧部と、
b)前記噴霧部による噴霧流の進行方向前方に設けられた導電性キャピラリと、
c)前記導電性キャピラリに電圧を印加する電圧印加部と、
を備えることを特徴としている。
本発明に係るイオン化装置において、例えば液体クロマトグラフのカラムから溶出した溶出液中の試料成分をイオン化したい場合には、噴霧部により該溶出液を大気圧雰囲気中に噴霧する。また、電圧印加部は導電性キャピラリに所定の高電圧(通常、最大数kV程度)を印加する。この電圧の印加によって、導電性キャピラリの先端の周りには不均一な電界が生じてコロナ放電が発生する。噴霧された溶出液から気化した溶媒分子はコロナ放電によってイオン化され、その溶媒イオンと試料成分分子との化学反応(イオン-分子反応)によって、該成分分子はイオン化される。即ち、本発明に係るイオン化装置では、従来のAPCI法によるイオン化装置においてコロナ放電を生成するために用いられるニードル電極に代えて、導電性キャピラリを用いてAPCI法によるイオン化が達成される。
一方、上記導電性キャピラリは、噴霧部による噴霧流の進行方向前方の空間に任意の液体又は気体を導入するのに利用することができる。本発明に係るイオン化装置において、例えば上記溶出液に代えて標準試料溶液中の成分をイオン化したい場合には、適宜の配管を介して上記導電性キャピラリに標準試料溶液を送給する。また、電圧印加部は該導電性キャピラリに所定の高電圧を印加する。すると、この高電圧の印加によって形成された電場が導電性キャピラリを通過する標準試料溶液に作用し、該溶液は帯電した状態で噴霧される。これにより、標準試料溶液に含まれる成分はESI法によりイオン化される。このようにして本発明に係るイオン化装置では、噴霧部を通すことなく標準試料溶液を導電性キャピラリに直接供給することで、該溶液中の成分をイオン化することができる。
本発明に係るイオン化装置において前記噴霧部は、APCI法によるイオン化の機能のみを有する構成、又は、上述したDUIS法のようにAPCI法によるイオン化の機能とESI法によるイオン化の機能とを併せ持つ構成、のいずれかとすることができる。
即ち、本発明に係る第1の態様によるイオン化装置では、前記噴霧部は、液体試料を噴出するノズルと、該ノズルから噴出された液体試料を乾燥させる加熱部と、を含み、前記電圧印加部から前記導電性キャピラリに印加される電圧により生成されるコロナ放電を利用して前記液体試料中の成分を大気圧化学イオン化法によりイオン化する構成とすることができる。
なお、ノズルから液体試料を噴出させるためにネブライズガス流を利用する構成としてもよい。また、上記加熱部は、ノズルから液体試料が噴霧される空間自体を加熱するものでもよいし、或いは、加熱したガス(通常は不活性ガス)をノズルから噴出した液体試料の液滴に吹き掛けるものでもよい。
また本発明に係る第2の態様によるイオン化装置では、前記噴霧部は、液体試料に片寄った電場を作用させる電場形成部と、該電場によって帯電した液体試料を噴霧するノズルと、を含み、前記液体試料中の成分をエレクトロスプレーイオン化法によりイオン化するとともに、前記電圧印加部から前記導電性キャピラリに印加される電圧により生成されるコロナ放電を利用して前記液体試料中の成分を大気圧化学イオン化法によりイオン化する構成とすることができる。
この構成においても、ノズルから液体試料を噴出させるためにネブライズガス流を利用する構成とすることができる。
上記第1の態様によるイオン化装置では、噴霧部から噴霧する液体試料中の成分をイオン化するために導電性キャピラリに高電圧を印加してコロナ放電を生成する必要がある。一方、上記第2の態様によるイオン化装置では、噴霧部から噴霧する液体試料中の成分をイオン化する際に、導電性キャピラリによるコロナ放電の生成は必ずしも必要ではない。こうした差異のため、上述したように導電性キャピラリに標準試料等を供給し該標準試料中の成分をイオン化する際の手法には違いがある。
上記第1の態様によるイオン化装置では、導電性キャピラリに送給された標準試料溶液中の成分をイオン化するには、上述したように、導電性キャピラリに所定の高電圧を印加することによってESI法により該成分をイオン化する。
即ち、上記第1の態様によるイオン化装置においては、前記導電性キャピラリに第2の液体試料を供給する液体供給部をさらに備え、前記噴霧部からの液体試料の噴霧を行うことなく、前記導電性キャピラリに第2の液体試料を流しつつ該導電性キャピラリに所定の電圧を印加し、該第2の液体試料中の成分をエレクトロスプレーイオン化法によりイオン化する構成とすることができる。ここで、第2の液体試料とは例えば、本イオン化装置が搭載されている質量分析装置等のチューニングや検量線作成のための標準試料溶液である。
一方、上記第2の態様によるイオン化装置でも、上記第1の態様によるイオン化装置と同様に、導電性キャピラリに供給した第2の液体試料中の成分をエレクトロスプレーイオン化法によりイオン化することもできる。即ち、上記第2の態様によるイオン化装置において、前記導電性キャピラリに第2の液体試料を供給する液体供給部をさらに備え、前記噴霧部からの液体試料の噴霧を行うことなく、前記導電性キャピラリに第2の液体試料を流しつつ該導電性キャピラリに所定の電圧を印加し、該第2の液体試料中の成分をエレクトロスプレーイオン化法によりイオン化する構成とすることができる。
また第2の態様によるイオン化装置では、噴霧部においてエレクトロスプレーイオン化法により生成した溶媒分子イオンを利用し、導電性キャピラリを通して導入された液体や気体中の成分をイオン化することもできる。
即ち、第2の態様によるイオン化装置は、前記導電性キャピラリに第2の液体試料を供給する液体供給部をさらに備え、
前記噴霧部にあっては、前記電場形成部により液体試料に片寄った電場を作用させつつ前記ノズルから帯電した液体試料を噴霧することで、該液体試料中の溶媒分子をエレクトロスプレーイオン化法によりイオン化し、生成された溶媒分子イオンを用いて、前記液体供給部から前記導電性キャピラリに送給した第2の液体試料中の成分をイオン−分子反応によりイオン化する構成とすることができる。
また、第2の態様によるイオン化装置は、前記導電性キャピラリに気体試料を供給する気体供給部をさらに備え、
前記噴霧部にあっては、前記電場形成部により液体試料に片寄った電場を作用させつつ前記ノズルから帯電した液体試料を噴霧することで、該液体試料中の溶媒分子をエレクトロスプレーイオン化法によりイオン化し、生成された溶媒分子イオンを用いて、前記気体供給部から前記導電性キャピラリに送給した気体試料中の成分をイオン−分子反応によりイオン化する構成とすることもできる。
この構成では、本イオン化装置が搭載されている質量分析装置等のチューニングや検量線作成のために気体状の標準試料を利用することができる。また、気体になり易い、つまりは揮発性の高い固体状の標準試料も利用することができる。
なお、これらの構成において、さらには後述する構成において、噴霧部に供給される液体試料は、実質的な試料成分を含まない溶媒(液体クロマトグラフにおける移動相も含む)のみの試料(ブランク試料)であることが望ましい。
また、第2の態様によるイオン化装置では、前記導電性キャピラリにヘリウムを送給するヘリウム送給部と、該導電性キャピラリから放出されるガス流を加熱する加熱部と、をさらに備えるとともに、該導電性キャピラリの先端前方に固体又は液体である試料を載置し、
前記噴霧部の前記ノズルに液体試料を供給することなく前記電場形成部により該ノズルに電圧を印加することで又は前記電圧印加部により前記導電性キャピラリに電圧を印加することで放電を生じさせ、前記ヘリウム供給部から前記導電性キャピラリに送給したヘリウムを前記放電の作用により励起し、その励起されたヘリウムを前記試料に当てて該試料中の成分をイオン化する構成とすることができる。
この構成では、導電性キャピラリから放出されるヘリウムが放電によって励起三重項分子ヘリウムに変化する。この励起三重項分子ヘリウムが加熱部により加熱され、大気中の水分子に接触すると、該水分子をペニングイオン化する。高温の励起三重項分子ヘリウムを含むガスが試料に当たると該試料中の成分分子は気化し、この成分分子にペニングイオン化によって励起された水分子イオンが作用すると、反応を生じて該成分分子をイオン化する。こうしたイオン化のメカニズムはDART(Direct Analysis in Real Time)イオン化法と類似しており、固体状や液体状の試料をそのまま、つまり、その場に置いた状態でイオン化することができる。
また、第2の態様によるイオン化装置では、前記導電性キャピラリに水素を送給する水素送給部をさらに備え、
前記噴霧部の前記ノズルに液体試料を供給することなく前記電場形成部により該ノズルに電圧を印加することで又は前記電圧印加部により前記導電性キャピラリに電圧を印加することで放電を生じさせ、
前記水素供給部から前記導電性キャピラリに送給した水素を前記放電の作用によりイオン化する構成としてもよい。
この構成では、水素イオンがクリーニングガスとして機能し、例えば液体試料中の成分をイオン化するイオン化室の内壁面等に付着している汚れを除去することができる。また、この構成によるイオン化装置を備えた質量分析装置では、イオン化室の後段に配置されているイオンガイド等のイオン輸送光学素子などの汚れも除去することができる。
また本発明に係る質量分析装置は、上述した本発明に係るイオン化装置のいずれかをイオン源として備えたことを特徴としている。即ち、本発明に係る質量分析装置は、略大気圧下で液体試料中の成分をイオン化して質量分析する大気圧イオン化質量分析装置であり、例えば液体クロマトグラフと組み合わせて液体クロマトグラフ質量分析装置を構成することができる。
本発明に係るイオン化装置及び質量分析装置によれば、APCI法による試料成分のイオン化に際しコロナ放電を生じさせるために用いられる導電性キャピラリを利用して、液体又は気体である標準試料をイオン生成領域に導入できるようにしたので、分析対象である液体試料中の成分と標準試料中の成分とを選択的にイオン化したい場合でも配管の繋ぎ替えを行うことなく、また流路切替え用バルブを設ける必要もない。それにより、操作者による面倒な配管の繋ぎ替え作業が不要になる。また、例えば液体クロマトグラフのカラムとイオン化プローブとの間に流路切替え用バルブを設けることによるコスト増加を回避し、さらには、分析対象である液体試料と標準試料とが選択的に同じ流路を流れることによるコンタミネーションの問題も避けることができる。
本発明の一実施例である質量分析装置の要部の構成図。 本実施例の質量分析装置におけるイオン源の概略構成図。 本実施例の質量分析装置におけるイオン源の使用形態の一例を示す図。 本実施例の質量分析装置におけるイオン源の使用形態の他の例を示す図。 本実施例の質量分析装置におけるイオン源の使用形態の他の例を示す図。 本実施例の質量分析装置におけるイオン源の使用形態の他の例を示す図。 本発明の他の実施例の質量分析装置におけるイオン源の概略構成図。
本発明に係るイオン化装置を備えた質量分析装置の一実施例について、添付図面を参照して説明する。
図1は本実施例の質量分析装置の要部の構成図、図2は本実施例の質量分析装置におけるイオン源20の概略構成図である。
図1に示すように、本実施例の質量分析装置においてチャンバ10内には、略大気圧雰囲気であるイオン化室11と、図示しない高性能の真空ポンプにより高真空雰囲気に維持される分析室14と、それらイオン化室11と分析室14との間にあって真空度が段階的に高くなっている第1中間真空室12及び第2中間真空室13と、が形成されている。即ち、本実施例の質量分析装置は多段差動排気系の構成を有する。イオン化室11内には後述する特徴的な構成を有するイオン源20が設けられ、該イオン化室11と第1中間真空室12とは細径のイオン導入管30を通して連通している。
第1中間真空室12内及び第2中間真空室13内にはそれぞれ、イオンを収束させつつ後段へ輸送するためのイオンガイド31、33が設置され、第1中間真空室12と第2中間真空室13との間は頂部に小孔を有するスキマー32で隔てられている。また、分析室14内には、イオンを質量電荷比m/zに応じて分離する四重極マスフィルタ34と、四重極マスフィルタ34を通り抜けたイオンを検出するイオン検出器35と、が配置されている。なお、四重極マスフィルタ34を直交加速式飛行時間型質量分析器に置き換える等、各部の構成は適宜に変更可能である。
イオン源20にあって、チャンバ10の壁面に取り付けられたイオン化プローブ21は、図2に示すように、外部から液体試料が供給される例えばガラス製であるキャピラリ211と、該キャピラリ211が挿通される金属細管212と、キャピラリ211及び金属細管212と略同軸円筒状であるネブライズガス管213と、を含む。キャピラリ211の末端(図2では下端)はネブライズガス管213の末端より所定長さだけ突出している。金属細管212にはESI用高電圧電源部25から所定の高電圧(+HV1又は−HV1)が印加される。
イオン化プローブ21からの噴霧流の進行方向(図2では下方向)前方には、金属等から成る導電性キャピラリ22が配置され、該導電性キャピラリ22には高電圧電源部23から所定の電圧(+HV2又は−HV2)が印加されるようになっている。また、イオン化プローブ21からの噴霧流の進行方向前方には、イオン導入管30の入口端であるイオン導入開口30aも配置されている。さらにまた、イオン化プローブ21からの噴霧流に向けて乾燥した不活性ガスを噴き出す加熱ガスポート24が配置されている。なお、ここでは、導電性キャピラリ22の末端部(図2では右端部)はその先端が尖った形状になるようにテーパ状に形成されている。
次に、本実施例の質量分析装置における典型的な質量分析動作を説明する。本実施例の質量分析装置のイオン源20には、図示しない液体クロマトグラフ(LC)のカラムから溶出する溶出液が導入される。この溶出液には、LCのカラムで時間方向に分離された各種成分が含まれる。この成分が本実施例の質量分析装置における分析対象である。
イオン源20において上記溶出液中の成分をイオン化して質量分析に供する場合には、導電性キャピラリ22には何も供給されず、該導電性キャピラリ22は単なるニードル状の電極として機能する。イオン化プローブ21のキャピラリ211に溶出液が供給されると、ESI用高電圧電源部25から金属細管212に印加される高電圧によって形成される片寄った電場がキャピラリ211中の溶出液に作用する。この電場によって溶出液には正又は負の電荷が付与される。キャピラリ211の末端に達した溶出液は、ネブライズガス管213とキャピラリ211との間の流路を通って噴き出すネブライズガスの助けを受け、帯電液滴として略大気圧雰囲気であるイオン化室11内に噴霧される。
イオン化プローブ21から噴出した帯電液滴は周囲の気体と接触することで微細化され、さらにまた、加熱ガスポート24から噴き出す加熱された乾燥ガスに帯電液滴が晒されることで帯電液滴からの溶媒の気化が促進される。そうした帯電液滴の微細化及び脱溶媒化の過程で、帯電液滴に含まれる試料成分はイオン化する。これはESI法によるイオン化である。
また、高電圧電源部23から導電性キャピラリ22に印加される高電圧によって、該導電性キャピラリ22の先端部の周囲にはコロナ放電が生じる。上述したように導電性キャピラリ22の先端部を尖った形状にしておくことで、コロナ放電を生じ易くする、或いは、導電性キャピラリ22の先端部以外の部分で意図しないコロナ放電が生じることを避けることができる。イオン化プローブ21から噴霧された帯電液滴から気化した溶媒分子はコロナ放電によってイオン化される。そして、生成された溶媒分子イオンとイオン化していない試料成分分子とが反応して該試料成分分子はイオン化される。これは、APCI法によるイオン化である。即ち、ESI法によるイオン化とAPCI法によるイオン化との両方で液体試料中の成分分子をイオン化することができる。
生成された試料成分由来のイオンは、主としてイオン化室11内と第1中間真空室12内との圧力差によって生じる空気流に乗って、イオン導入開口30aを経てイオン導入管30に吸い込まれ、第1中間真空室12へと送られる。該イオンはイオンガイド31で収束されてスキマー32頂部の小孔を経て第2中間真空室13へと送られ、さらにイオンガイド33で収束され分析室14へ送られる。四重極マスフィルタ34を構成する4本のロッド電極には図示しない電源から所定の電圧が印加され、その電圧に対応した質量電荷比を有するイオンのみが四重極マスフィルタ34を通り抜けてイオン検出器35に入射する。イオン検出器35は入射したイオンの量に応じた検出信号を出力する。したがって、例えば、四重極マスフィルタ34を構成するロッド電極に印加する電圧を所定範囲で走査すると、四重極マスフィルタ34を通過し得るイオンの質量電荷比が所定の質量電荷比範囲で走査される。図示しないデータ処理部では、このときに順次得られる検出信号に基づき、所定の質量電荷比範囲に亘るイオンの信号強度を示すマススペクトルを得ることができる。
本実施例の質量分析装置では、例えば上記のような分析の実行に先立って、イオンガイド31、33等の各部に印加する電圧を最適化するチューニングが行われる。その際には、既知の成分を含む標準試料が使用される。また、質量電荷比値の較正などの際にも標準試料が使用される。
続いて、標準試料についての質量分析を実施する際の動作を図3を参照して説明する。この場合、図3に示すように、導電性キャピラリ22に至る配管40に標準試料溶液供給部41が接続される。このとき、イオン化プローブ21には実質的な試料成分を含まない溶媒のみの液体試料、例えば液体クロマトグラフに使用される移動相のみが供給される。また、高電圧電源部23から導電性キャピラリ22へは電圧が印加されず、ESI用高電圧電源部25から金属細管212へは所定の高電圧が印加される。さらにまた、加熱ガスポート24からの乾燥ガスの吹き出しはなくてもよいが、あるほうが好ましい。
イオン化プローブ21のキャピラリ211には溶媒のみの液体試料が流され、金属細管212には高電圧が印加されるため、イオン化プローブ21から噴出する帯電液滴からは多量の溶媒分子イオンが生成される。一方、配管40を通して導電性キャピラリ22に送給された標準試料溶液は該導電性キャピラリ22の先端から液滴として噴き出す。この液滴は加熱ガスポート24から吹き出す乾燥ガスに晒されるため、該液滴中の溶媒は迅速に気化し、液滴から標準試料成分分子が飛び出す。該分子は上記溶媒分子イオンと接触し、分子-イオン反応によってイオン化する。こうして生成された標準試料由来のイオンは、主としてイオン化室11内と第1中間真空室12内との圧力差によって生じる空気流に乗って、イオン導入開口30aを経てイオン導入管30に吸い込まれ後段へと送られて質量分析に供される。
このようにして本実施例の質量分析装置では、液体クロマトグラフのカラム出口に接続されている配管をそのまま(通常の分析時と同じ状態)にして、導電性キャピラリ22を通してイオン化室21内に導入した標準試料中の成分をイオン化して質量分析することができる。なお、導電性キャピラリ22の先端部からの標準試料の噴霧をより円滑に行うために、導電性キャピラリ22と同軸に設けたネブライズガス流路から標準試料の流れと同方向にネブライズガスを吹き出すようにしてもよい。また、上記実施例では、イオン化プローブ21とは別に設けた加熱ガスポート24から乾燥ガスを吹き出すようにしていたが、キャピラリ211、金属細管212及びネブライズガス管213と同軸に、例えばネブライズガス管213の外周側に加熱ガス管を配置してもよい。これらは下記に述べる他の各実施例でも同様である。
また、上記実施例の説明では、標準試料溶液が流れる導電性キャピラリ22へは電圧が印加されていないが、高電圧電源部23から導電性キャピラリ22へ数kV程度の高電圧を印加するようにしてもよい。導電性キャピラリ22に高電圧を印加すると、導電性キャピラリ22中を流れる標準試料溶液に片寄った電場が作用し、該溶液は帯電液滴として噴霧される。したがって、標準試料溶液中の成分はESI法によりイオン化される。イオンにならなかった成分分子も上記溶媒分子イオンとの分子-イオン反応によってイオン化する。これにより、標準試料由来のイオンの生成効率を高めることができる。
続いて、上記実施例の質量分析装置におけるイオン源20の使用形態の他の例を図4〜図6を参照して説明する。
図3に示した構成では、標準試料として液体を使用していたが、標準試料は気体であってもよい。この場合、図4に示すように、導電性キャピラリ22に至る配管40に標準試料ガス供給部42が接続される。標準試料ガス供給部42は標準試料ガス貯留部とガス流量を調整する流量調整部を含み、該流量調整部で流量(又は線速度)が調整された標準試料ガスを配管40に流す構成とすることができる。また、標準試料自体は固体や液体であり、該標準試料から揮発したガスの流量を調整して配管40に流す構成としてもよい。
イオン化プローブ21には実質的な試料成分を含まない溶媒のみの液体試料が供給される。また、高電圧電源部23から導電性キャピラリ22へは電圧が印加されず、ESI用高電圧電源部25から金属細管212へは所定の高電圧が印加される。さらにまた、加熱ガスポート24からの乾燥ガスの吹き出しはなくてもよいが、あるほうが好ましい。
イオン化プローブ21のキャピラリ211には溶媒のみの液体試料が流され、金属細管212には高電圧が印加されるため、イオン化プローブ21から噴出する帯電液滴からは多量の溶媒分子イオンが生成される。一方、配管40を通して導電性キャピラリ22に送給された標準試料ガスは該導電性キャピラリ22の先端から噴き出す。このガス中の試料成分分子は上記溶媒分子イオンと接触し、分子-イオン反応によってイオン化する。こうして生成された標準試料由来のイオンは、主としてイオン化室11内と第1中間真空室12内との圧力差によって生じる空気流に乗って、イオン導入開口30aを経てイオン導入管30に吸い込まれ後段へと送られて質量分析に供される。
図5は、上述したイオン源20を利用しながら、全く異なるメカニズムで試料成分のイオン化を行う使用形態の一例である。
この場合、図5に示すように、導電性キャピラリ22に至る配管40にヘリウム供給部43が接続され、分析対象である固体状又は液体状の試料50は導電性キャピラリ22の先端部前方に設置される。イオン化プローブ21には液体試料が供給されず、ネブライズガスの吹き出しも停止される。また、高電圧電源部23から導電性キャピラリ22へは電圧が印加されず、ESI用高電圧電源部25から金属細管212へは所定の高電圧が印加される。さらにまた、加熱ガスポート24からは乾燥ガスが吹き出す。
配管40を通してヘリウム供給部43から導電性キャピラリ22に送給されたヘリウムは該導電性キャピラリ22の先端から噴き出す。イオン化プローブ21においてキャピラリ211に溶液が流されることなく金属細管212に高電圧が印加されるため、これによってイオン化プローブ21の先端付近で放電が生じる。この放電によって、イオン化室11内に放出されたヘリウムは、ヘリウムイオン、電子、及び励起された励起三重項分子ヘリウムの混合物に変化する。この励起三重項分子ヘリウムを含むガスは加熱ガスポート24から吹き出す乾燥ガスによって高温になる。高温の励起三重項分子ヘリウムが大気中の水分子に接触すると、該水分子をペニングイオン化する。これにより生成された水分子イオンは励起状態にある。また励起三重項分子ヘリウムを含む高温のガスが試料50に吹き掛けられると、該試料50中の成分分子は気化する。気化により発生した成分分子に励起状態の水分子イオンが作用すると、反応を生じて該成分分子をイオン化する。こうして生成された試料50由来のイオンがイオン導入管30を通して後段へと送られて質量分析に供される。
上記試料50由来の成分のイオン化のメカニズムはDARTイオン化法と基本的に同じである。なお、分析対象の試料50の種類や観測したい試料成分の種類に応じて、金属細管212に印加する電圧の値や加熱ガスポート24から吹き出す乾燥ガスの温度などを調整するとよい。これにより、観測したい試料成分由来のイオンの生成効率を高くすることができる。また、金属細管212に高電圧を印加してイオン化プローブ21の先端付近で放電を生じさせる代わりに、導電性キャピラリ22に高電圧を印加して放電を生じさせ、その放電を利用してヘリウムから励起三重項分子ヘリウムを生成してもよい。
図6は、上述したイオン源20を利用しながら、イオン化室11や後段のイオンガイド31などの汚れの除去を行う使用形態の一例である。
この場合、図6に示すように、導電性キャピラリ22に至る配管40に水素供給部44が接続される。イオン化プローブ21には液体試料が供給されず、ネブライズガスの吹き出しも停止される。また、高電圧電源部23から導電性キャピラリ22へは電圧が印加されず、ESI用高電圧電源部25から金属細管212へは所定の高電圧が印加される。加熱ガスポート24からの乾燥ガスの吹き出しはなしでもありでもよい。
配管40を通して水素供給部44から導電性キャピラリ22に送給された水素ガスは該導電性キャピラリ22の先端から噴き出す。イオン化プローブ21においてキャピラリ211に溶液が流されることなく金属細管212に高電圧が印加されるため、これによってイオン化プローブ21の先端付近で放電が生じる。この放電によって、イオン化室11内に放出された水素ガス分子はイオン化する。こうして生成された水素イオンはイオン化室11の内壁等に付着している汚染物質を除去する作用を有する。また、イオン導入管30を通して第1中間真空室12に送られた水素ガスはイオンガイド31等に付着している汚染物質を除去する。
従来一般に、イオン化室11の内壁等の洗浄は装置を分解して行われるが、上記のようにして汚染物質を除去することにより、装置の分解洗浄の頻度を低くし、装置が使用できない時間を短縮することができる。
なお、この場合にも、金属細管212に高電圧を印加してイオン化プローブ21の先端付近で放電を生じさせる代わりに、導電性キャピラリ22に高電圧を印加して放電を生じさせ、その放電を利用して水素をイオン化してもよい。
次に、本発明の他の実施例の質量分析装置におけるイオン源について説明する。図7はこのイオン源の概略構成図である。上記図1〜図6中の構成要素と同一の構成要素には同じ符号を付している。
上記実施例におけるイオン化プローブ21は液体試料中の成分をESI法によりイオン化する機能とAPCI法によりイオン化する機能とを併せて持っていたが、本実施例におけるイオン化プローブ21Bは、液体試料中の成分をAPCI法によりイオン化する機能のみを有している。即ち、キャピラリ211の先端部前方の空間は円筒形状のヒータ214で囲われており、そのさらに前方に、導電性キャピラリ22及びイオン導入管30のイオン導入開口30aが配置されている。
イオン化プローブ21Bに供給される液体試料中の成分をイオン化したい場合には、導電性キャピラリ22には何も供給されず、該導電性キャピラリ22は単なるニードル状の電極として機能する。イオン化プローブ21Bのキャピラリ211に例えばLCのカラムからの溶出液が供給されると、該キャピラリ211の末端に達した溶出液はヒータ214とキャピラリ211との間の流路を通って噴き出すネブライズガスの助けを受け噴霧される。噴霧流はヒータ214により加熱されている空間を通過するため、液滴中の溶媒は迅速に気化する。高電圧電源部23から導電性キャピラリ22に印加される高電圧によって、該導電性キャピラリ22の先端部の周囲にはコロナ放電が生じる。イオン化プローブ21Bから噴霧された液滴から気化した溶媒分子はコロナ放電によってイオン化される。そして、生成された溶媒分子イオンと試料成分分子とが反応して該試料成分分子はイオン化される。こうして生成した液体試料由来のイオンをイオン導入管30を通して後段へと送り質量分析する。
一方、導電性キャピラリ22に供給される標準試料溶液中の成分をイオン化したい場合には、高電圧電源部23から導電性キャピラリ22へ数kV程度の高電圧を印加する。導電性キャピラリ22に高電圧を印加すると、導電性キャピラリ22中を流れる標準試料溶液に片寄った電場が作用し、該溶液は帯電液滴として噴霧される。したがって、標準試料溶液中の成分はESI法によりイオン化される。こうして生成した標準試料溶液由来のイオンをイオン導入管30を通して後段へと送り質量分析する。
このように本実施例においても、イオン化プローブ21Bに接続されている配管の繋ぎ替えを行うことなく、また流路切替えバルブを用いることなく、標準試料由来のイオンをイオン化室11内で生成し質量分析することができる。
なお、上記実施例はいずれも本発明の一例にすぎず、本発明の趣旨の範囲で適宜に修正、変更、追加などを行っても本願請求の範囲に包含されることは明らかである。
10…チャンバ
11…イオン化室
12…第1中間真空室
13…第2中間真空室
14…分析室
20…イオン源
21、21B…イオン化プローブ
211…キャピラリ
212…金属細管
213…ネブライズガス管
214…ヒータ
22…導電性キャピラリ
23…高電圧電源部
24…加熱ガスポート
25…ESI用高電圧電源部
30…イオン導入管
30a…イオン導入開口
31、33…イオンガイド
32…スキマー
34…四重極マスフィルタ
35…イオン検出器
40…配管
41…標準試料溶液供給部
42…標準試料ガス供給部
43…ヘリウム供給部
44…水素供給部
50…試料

Claims (10)

  1. a)液体試料を大気圧雰囲気中に噴霧する噴霧部と、
    b)前記噴霧部による噴霧流の進行方向前方に設けられた導電性キャピラリと、
    c)前記導電性キャピラリに電圧を印加する電圧印加部と、
    を備えることを特徴とするイオン化装置。
  2. 請求項1に記載のイオン化装置であって、
    前記噴霧部は、液体試料を噴出するノズルと、該ノズルから噴出された液体試料を乾燥させる加熱部と、を含み、前記電圧印加部から前記導電性キャピラリに印加される電圧により生成されるコロナ放電を利用して前記液体試料中の成分を大気圧化学イオン化法によりイオン化するものであることを特徴とするイオン化装置。
  3. 請求項1に記載のイオン化装置であって、
    前記噴霧部は、液体試料に片寄った電場を作用させる電場形成部と、該電場によって帯電した液体試料を噴霧するノズルと、を含み、前記液体試料中の成分をエレクトロスプレーイオン化法によりイオン化するとともに、前記電圧印加部から前記導電性キャピラリに印加される電圧により生成されるコロナ放電を利用して前記液体試料中の成分を大気圧化学イオン化法によりイオン化するものであることを特徴とするイオン化装置。
  4. 請求項2に記載のイオン化装置であって、
    前記導電性キャピラリに第2の液体試料を供給する液体供給部をさらに備え、
    前記噴霧部からの液体試料の噴霧を行うことなく、前記導電性キャピラリに第2の液体試料を流しつつ該キャピラリに所定の電圧を印加し、該第2の液体試料中の成分をエレクトロスプレーイオン化法によりイオン化することを特徴とするイオン化装置。
  5. 請求項3に記載のイオン化装置であって、
    前記導電性キャピラリに第2の液体試料を供給する液体供給部をさらに備え、
    前記噴霧部からの液体試料の噴霧を行うことなく、前記導電性キャピラリに第2の液体試料を流しつつ該キャピラリに所定の電圧を印加し、該第2の液体試料中の成分をエレクトロスプレーイオン化法によりイオン化することを特徴とするイオン化装置。
  6. 請求項3に記載のイオン化装置であって、
    前記導電性キャピラリに第2の液体試料を供給する液体供給部をさらに備え、
    前記噴霧部にあっては、前記電場形成部により液体試料に片寄った電場を作用させつつ前記ノズルから帯電した液体試料を噴霧することで、該液体試料中の溶媒分子をエレクトロスプレーイオン化法によりイオン化し、生成された溶媒分子イオンを用いて、前記液体供給部から前記導電性キャピラリに送給した第2の液体試料中の成分をイオン−分子反応によりイオン化することを特徴とするイオン化装置。
  7. 請求項3に記載のイオン化装置であって、
    前記導電性キャピラリに気体試料を供給する気体供給部をさらに備え、
    前記噴霧部にあっては、前記電場形成部により液体試料に片寄った電場を作用させつつ前記ノズルから帯電した液体試料を噴霧することで、該液体試料中の溶媒分子をエレクトロスプレーイオン化法によりイオン化し、生成された溶媒分子イオンを用いて、前記気体供給部から前記導電性キャピラリに送給した気体試料中の成分をイオン−分子反応によりイオン化することを特徴とするイオン化装置。
  8. 請求項3に記載のイオン化装置であって、
    前記導電性キャピラリにヘリウムを送給するヘリウム送給部と、該導電性キャピラリから放出されるガス流を加熱する加熱部と、をさらに備えるとともに、該導電性キャピラリの先端前方に固体又は液体である試料を載置し、
    前記噴霧部の前記ノズルに液体試料を供給することなく前記電場形成部により該ノズルに電圧を印加することで又は前記電圧印加部により前記導電性キャピラリに電圧を印加することで放電を生じさせ、前記ヘリウム供給部から前記導電性キャピラリに送給したヘリウムを前記放電の作用により励起し、その励起されたヘリウムを前記試料に当てて該試料中の成分をイオン化することを特徴とするイオン化装置。
  9. 請求項3に記載のイオン化装置であって、
    前記導電性キャピラリに水素を送給する水素送給部をさらに備え、
    前記噴霧部の前記ノズルに液体試料を供給することなく前記電場形成部により該ノズルに電圧を印加することで又は前記電圧印加部により前記導電性キャピラリに電圧を印加することで放電を生じさせ、
    前記水素供給部から前記導電性キャピラリに送給した水素を前記放電の作用によりイオン化することを特徴とするイオン化装置。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載のイオン化装置をイオン源として備えたことを特徴とする質量分析装置。
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