JPWO2018096924A1 - 圧電積層体素子ならびにそれを用いた荷重センサおよび電源 - Google Patents

圧電積層体素子ならびにそれを用いた荷重センサおよび電源 Download PDF

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Abstract

従来の圧電素子では出力電圧が得られない静的な荷重であっても、一定の出力電圧が出力される圧電積層体素子を提供する。ポリ乳酸フィルムなどの面方向に圧電性を発現する圧電性高分子フィルム層を、複数層積層した圧電積層体を圧電積層体素子に用いる。圧電積層体を円筒状、角丸長方形などの一部に曲線部を有する形状としたところ、出力電圧が付加される荷重の増減に追随するとともに、一定の荷重が継続して付加された場合は、一定の出力電圧が継続して出力され、静的な荷重であっても一定の出力電圧が出力される圧電積層体素子が得られる。

Description

本発明は、圧電性高分子フィルムを用いた圧電積層体素子に関する。
延伸を施したポリ乳酸フィルムに導電層を設けることで、高分子圧電材料として用いられることが知られている。特許文献1にはこのような圧電材料を用いて、機械的な振動を電圧に変換して検出するセンサや、電極に信号電圧を加えることにより発生する振動を利用した圧電スピーカが提案されている。
従来の圧電素子では変位の加速度に応じて電圧が出力されるため、マイクロ秒レベルの短時間で瞬間的に変化する動的な荷重が加わると大きな出力電圧が得られる。しかし、数秒以上かけてゆっくりと変化する荷重や一定に保たれた荷重である静的な荷重では、圧電素子の変位の加速度は小さくなるため、圧電素子の出力電圧もほぼゼロになり、荷重を検知することが難しい。そこで、圧電素子の出力電圧がほぼゼロとなるような静的な荷重を検出するために、特許文献2のような非線形たわみ部材を設けた感圧センサや、特許文献3のような動的な荷重を生じさせる圧電素子を別途設けた荷重センサが提案されている。
特開2014−27038号公報 特開2003−106911号公報 実開平5−75634号公報
特許文献2の感圧センサは、速度の遅い荷重変化を非線形たわみ部材の瞬間的な変形として検知する。このため、静的な荷重が継続して付加されていることを知るためには、圧電素子に加えて判定手段回路を必要とする。また、特許文献3の荷重センサは、検出部となる圧電素子の他に、交流電源が接続され伸縮を繰り返して振動する圧電素子を必要とする。このように、圧電素子により静的な荷重を検知するためには、他の回路、素子などを必要とし、圧電素子単体で静的な荷重を検知することは難しい。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、従来の圧電素子では出力電圧が得られない静的な荷重であっても、加えられた静的な荷重に応じた略一定の出力電圧が、継続して出力される圧電積層体素子を提供することを目的とする。
本発明者らは、フィルムの面方向に圧電性を発現する圧電性高分子フィルム層を複数層積層した積層体では、荷重が一定となった後にも略一定の電圧が継続して出力されることを見出し、更なる検討の結果、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下の(1)〜(11)の態様を含む。
(1)本発明の圧電積層体素子は、フィルムの面方向に圧電性を発現する圧電性高分子フィルム層が複数層積層された積層体を備え、出力電圧が前記積層体に付加される荷重の増減に追随し、前記付加される荷重が一定のとき前記出力電圧は略一定であることを特徴とする。
(2)(1)において、前記圧電性高分子フィルム層の断面は、少なくとも曲線部を有することを特徴とする。
(3)(2)において、前記圧電性高分子フィルム層の断面は、前記曲線部と前記曲線部に連続する直線部とを有することを特徴とする。
(4)(1)から(3)のいずれかにおいて、前記圧電性高分子フィルム層は、ポリL−乳酸フィルム層および/またはポリD−乳酸フィルム層であることを特徴とする。
(5)(1)から(4)のいずれかにおいて、前記積層体は、第1導電層と前記圧電性高分子フィルム層と第2導電層と絶縁層とが巻回された巻回積層体であることを特徴とする。
(6)(5)において、前記圧電性高分子フィルム層および前記絶縁層は、光学キラルな高分子からなるフィルム層であり、前記積層体は、前記圧電性高分子フィルム層に電圧を付加したときに圧電特性を示す方向と、前記絶縁層に前記電圧とは逆の電圧を付加したときの圧電特性を示す方向が同一方向になるように積層されていることを特徴とする。
(7)(5)または(6)において、前記巻回積層体の一方の側面に前記第1導電層と導通する第1電極が形成され、前記巻回積層体の他方の側面に前記第2導電層と導通する第2電極が形成されることを特徴とする。
(8)(5)から(7)のいずれかにおいて、前記巻回積層体の中心部は空間を有していないことを特徴とする。
(9)(5)から(7)のいずれかにおいて、前記巻回積層体の中心部は空間を有することを特徴とする。
(10)(5)から(7)のいずれかにおいて、 前記巻回積層体の中心部に、コア部材が挿入されていることを特徴とする。
(11)(5)から(7)のいずれかにおいて、高分子計器株式会社製のASKERゴム硬度計C型で測定した硬度が、70から100の範囲であることを特徴とする。
(12)(1)から(11)のいずれかにおいて、前記圧電性高分子フィルム層の積層数が80層以上であることを特徴とする。
(13)また、本発明の荷重センサは、(1)から(12)のいずれかに記載された圧電積層体素子及び前記圧電積層体素子に接続してその出力を検出する検出装置を含むことを特徴とする。
(14)また、本発明の電源は、(1)から(12)のいずれかに記載された圧電積層体素子を用いたことを特徴とする。
本発明によれば、従来の圧電素子では出力電圧が得られない静的な荷重であっても、加えられた静的な荷重に応じた略一定の出力電圧が、継続して出力される圧電積層体素子を提供することができる。
圧電積層体素子を模式的に示す図である。 圧電積層体の層構成を示す図である。 圧電積層体素子の評価方法を示す図である。 実施例1の荷重と出力電圧の関係を示す図である。 実施例1の繰返し荷重に対する出力電圧を示す図である。 実施例2〜5の荷重と出力電圧の関係を示す図である。 比較例である平板圧電積層体素子の荷重と出力電圧の関係を示す図である。 円筒状の圧電積層体素子と出力電圧を示す図である。 2個の圧電積層体素子を直列接続したときの出力電圧を示す図である。
本発明の圧電積層体素子は、フィルムの面方向に圧電性を発現する圧電性高分子フィルム層が複数層積層された積層体を備え、出力電圧が前記積層体に付加される荷重の増減に追随し、付加される荷重が一定のとき出力電圧は略一定であることを特徴とする。本発明における一定の荷重に対して出力電圧が略一定であるとは、一定の荷重が付加されている間、数秒間以上の間連続して同一極性の電圧が出力され続けることをいう。一定の荷重が付加されている間の出力電圧が時間と共に減少する場合、5秒間の出力電圧の減少率が50%以下であればよい。5秒間の出力電圧の減少率が50%以下であれば、同一極性の電圧が出力され続けていることにより、荷重が継続して付加されていることを出力電圧から判定できるので出力電圧が略一定であるという。本発明の圧電積層体素子は、静的な荷重を検知する他の手段を含まずに、付加される荷重が一定のときに略一定な出力電圧を提供することができる。
本発明において圧電性高分子フィルムは、フィルムの面方向に圧電性を発現する圧電性高分子フィルムである。また、圧電積層体素子は、フィルムの面方向に圧電性を発現する圧電性高分子フィルム層の断面の少なくとも一部に、曲線部が形成されるように積層された圧電積層体を備える。圧電積層体素子に荷重が加えられると、圧電性高分子フィルムの厚さ方向と面方向に応力が生じる。本発明の圧電積層体素子では、荷重が一定になった後も、面方向の応力による歪が曲線部に沿って継続的に発生し、それによって数秒以上の長時間で継続して出力電圧を維持することができると考えられる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は本発明の実施形態の圧電積層体素子1を、模式的に示す図である。実施形態の圧電積層体素子1は、フィルムの面方向に圧電性を発現する圧電性高分子フィルムを巻回して巻回積層体とした圧電積層体2の側面に、第1電極8および第2電極9を形成し、取出し電極3を配置したものである。圧電積層体2の形状は、図1(a)のような円筒状であってもよく、図1(b)に示すような側面形状が曲線部と曲線部に連続した直線部を有する角丸長方形であってもよい。
角丸長方形の圧電積層体2は、円筒状に圧電性高分子フィルムを巻回後、プレス加工して作製することができる。図1(b)のような角丸長方形では、上下に平面部が存在するため、圧電積層体素子1を安定して設置することが容易であり、圧電積層体素子1を荷重が加わる台座として利用できる。プレス加工の際は、圧電積層体素子1の中心部に空間が残らないようにプレス加工してもよいし、空間が残るようにプレス加工してもよい。
また、圧電積層体素子1の中心部にコア部材を挿入して巻回積層体が形成されていてもよい。コア部材としては、特に限定されないが、例えばウレタンゴムやシリコンゴム、プロピレンゴムなどのゴム類、アクリルエラストマー、ウレタンエラストマー、ポリエステルエラストマーなどのエラストマー類、あるいはその他、軟質塩ビなどの可塑剤を添加したプラスチック素材など、といった柔軟性を有する素材や、発泡スチロール、スポンジなどといった多孔体、あるいは、木材、金属、陶器、硬質塩ビ、アクリル、ポリカーボネートなどの硬質素材を挙げることができる。また、これら単一素材のみならず各種素材を組み合わせても構わない。ただし、柔軟な素材であることが比較的好ましい。また、形状も特に制限されるものではなく、円柱、楕円柱といった形状や、多角柱、異形のものであっても構わない。
圧電積層体2は図2(a)に模式的に示すように、長尺の第1導電層4、圧電性高分子フィルム層5、第2導電層6、および絶縁層7が重ねられ巻回された積層体である。圧電積層体2の積層構造の一部を図2(b)に示す。巻回により、第1導電層4/圧電性高分子フィルム層5/第2導電層6/絶縁層7がこの順に積層された構造が、繰り返し複数積層される。圧電積層体2の側面には、第1電極8および第2電極9が形成され、圧電性高分子フィルム層5で生じた電圧信号は、第1電極8および第2電極9に取り付けられた取出し電極3から出力される。
第1導電層4および第2導電層6は、図2に示すようにそれぞれ圧電性高分子フィルム層5の一方または他方の端部から間隙を有するように形成される。より具体的には、第1導電層4は圧電積層体2の第1電極8側では側面に露出するが、第2電極9側の側面には露出しない。一方、第2導電層6は圧電積層体2の第2電極9側で側面に露出し、第1電極8側の側面には露出しない。このため、巻回後に圧電積層体2の側面に導電性物質の溶射(メタリコン)、めっき、蒸着などによる電極形成、または導電性ゴムなどの変形容易な材料による電極形成を行うことにより、第1導電層4と電気的に接続された第1電極8、および第2導電層6と電気的に接続された第2電極9を形成することができる。なお、第1電極8および第2電極9の材料としては、アルミニウム、亜鉛、錫、鉛、ニッケル、鉄、銅、真鍮などと、これらの合金を用いることができる。また、導電性ペーストや導電性接着剤の塗布、導電性シートなどの接着により形成しても構わない。
圧電性高分子フィルム層5は、フィルムの面方向に圧電性を発現する圧電性高分子フィルムによって形成される。すなわち、圧電性高分子フィルム層5は、フィルムの面方向に力が加わることによって、フィルムの厚み方向に電位差が生じる。フィルムの面方向に圧電性を発現する圧電性高分子フィルムの例としては、光学キラルな高分子であるポリL−乳酸(PLLA)フィルム、ポリD−乳酸(PDLA)フィルムなどがある。なお、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)フィルムは、フィルムの面方向に圧電性を発現する圧電性高分子フィルムではない。PLLA、PDLAは、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)のような、イオンの分極によって厚さ方向に圧電性を発現するものではなく、所定の軸方向に配向させることでフィルムの面方向に圧電性を発現する性質を有している。
圧電性高分子フィルム層5の1層の厚みは、0.5μm以上、1μm以上、3μm以上、5μm以上、又は10μm以上であってもよく、100μm以下、50μm以下、3025μm以下、20μm以下、15μm以下、10μm以下、又は8μm以下であってもよい。
PLLAの配向フィルムの圧電性を発現する方向は、配向フィルム層における主配向方向で、簡単には延伸方向に対して45°傾いた方向である。PLLAの配向フィルム層の厚み方向に電圧を付与した場合、フィルムの延伸方向に対して45°傾いた方向にずり変
形として発現する。
フィルムの面方向に圧電性を発現する圧電性高分子フィルムであるポリL−乳酸(PLLA)またはポリD−乳酸(PDLA)は、光学純度が80モル%以上である。光学純度が80モル%以上であれば、圧電特性が高く本発明の効果が発現されやすい。ポリ乳酸の光学純度は、好ましくは90モル%以上、より好ましくは95モル%以上、さらに好ましくは98モル%以上である。実質的にL−乳酸単位のみから構成されるポリL−乳酸もしくはD−乳酸単位のみから構成されるポリD−乳酸が特に好ましい。光学純度は、以下の方法で決定される。
まず、ポリプロピレン製チューブに0.1gのサンプルを秤り込み、メタノール1mLと、5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液1mLとを加える。次に、サンプル溶液が入った前記チューブを、温度60℃の水浴に入れ、サンプルが完全に加水分解するまで、30分間攪拌する。さらに、前記サンプル溶液を室温まで冷却後、0.25mol/L硫酸を加えて中和し、サンプル溶液の0.1mLを9ccスクリュー管に取り分け、移動相で3mLとしてHPLC試料溶液を調製する。最後に、HPLC試料溶液を、HPLC装置に5μL注入し、下記HPLC条件で、ポリ乳酸のD/L体ピーク面積を求めてL体の量とD体の量を算出し、下記式にて光学純度を算出する:
光学純度(%ee)=100×|L体量−D体量|/(L体量+D体量)
圧電性高分子フィルム層5には、PLLAもしくはPDLAとその他のモノマーとの共重合体も用いることができる。L−(D−)乳酸単位以外の単位の含有量は、好ましくは0〜10モル%、より好ましくは0〜5モル%、さらに好ましくは0〜2モル%である。
絶縁層7は、第1導電層4と第2導電層6を電気的に絶縁するための層であり、一般に用いられる絶縁材料を利用することができる。例えば、2軸延伸ポリプロピレン(OPPなどポリプロピレン系樹脂またはポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエチレン系樹脂のフィルムを絶縁層7として利用できる。
また、絶縁層7にもフィルムの面方向に圧電性を発現する圧電性高分子フィルムを用いて、第1導電層4/第1圧電性高分子フィルム層5/第2導電層6/第2圧電性高分子フィルム層7とした積層構造としてもよい。例えば、第1圧電性高分子フィルム層5をPLLA層、第2圧電性高分子フィルム層7をPDLA層とする。そして、PLLA層の厚み方向に電圧を加えたときに圧電特性を示す方向と、これとは逆の電圧をPDLA層の厚み方向に加えたときの圧電特性を示す方向が、同一方向になるように積層する。つまり、PLLA層とPDLA層は、同一方向の変形に対して、厚み方向に正反対の電荷が発生するように積層する。このように積層すれば、PLLA層で発生した電荷とPDLA層で発生した電荷が打ち消し合うことなく、より大きな出力電圧を得ることが可能である。
第1圧電性高分子フィルム層5と、第2圧電性高分子フィルム層7の双方をPLLA層とする場合、または双方をPDLA層とする場合は、積層する際にフィルムの延伸方向を調整し、同一方向の変形に対して、第1圧電性高分子フィルム層5と第2圧電性高分子フィルム層7とが、厚み方向に正反対の電荷が発生するように積層する。このように積層すれば、お互いに発生した電荷を打ち消し合うことなく、より大きな出力電圧を得ることが可能である。
第1導電層4および第2導電層6は、導電性材料であれば特に限定されないが、インジウム、スズ、亜鉛、ガリウム、アンチモン、チタン、珪素、ジルコニウム、マグネシウム、アルミニウム、金、銀、銅、パラジウム、タングステンからなる群より選択される少なくとも1種の金属、または上記群より選択される少なくとも1種の金属の酸化物が好ましく用いられる。第1導電層4および第2導電層6の形成方法は特に限定されないが、導電性を均一に形成するためには、蒸着法またはスパッタリング法を採用することが好ましい。例えば、導電材料にアルミニウムを用い、圧電性高分子フィルム表面に蒸着法またはスパッタリング法でアルミニウム層を成膜すれば、比較的低温で成膜できるため圧電性高分子フィルムの熱ダメージを抑制でき生産性にも優れる。また、アルミニウム層を成膜する前に、密着性を向上させるためのコーティングを施すこともできる。なお、これらの手段の他に導電性ペーストや導電性接着剤の塗布、金属箔などの導電性シート状積層により形成してもよい。
第1導電層4および第2導電層6の厚さは特に制限されないが、その表面抵抗値が好ましくは1×10Ω/□以下、より好ましくは5×10Ω/□以下、さらに好ましくは1×10 Ω/□以下となるような厚みを選択すればよく、例えば、厚さ15nm以上とするのが好ましい。さらに、導電性と層形成のし易さの観点から、20nm〜200nmであることが好ましく、より好ましくは20nm〜100nmである。このような厚さの場合には、表面抵抗値が低くなり、かつ連続被膜としやすくなる。また、製膜時の熱で圧電性フィルムにダメージを与えることがなく、巻回して圧電積層体を形成することもよういであり、圧電積層体の層間の強度も確保できる傾向にある。
圧電積層体2は、巻回コンデンサと同様の製造方法で作製することができる。例えば、圧電性高分子フィルムの一方の面に第1導電層4、他方の面に第2導電層6を蒸着により形成したフィルムを、絶縁層7用のフィルムと重ねボビンに巻回して形成される。
圧電性高分子フィルム層5の積層数は80層以上であることが好ましい。ここで積層数とは、圧電積層体2の直径方向に積層されている圧電性高分子フィルム層5の層数であり、巻回数の2倍に相当する。積層数が80層以上であると安定した出力電圧が得られる傾向がある。積層数はより好ましくは400層以上であり、さらに好ましくは800層以上である。積層数が400層以上であれば良好な出力電圧の維持性が得られ、さらに800層以上とすることにより加えた荷重に対する出力電圧の荷重応答性を高くすることができる。圧電性高分子フィルム層5の積層数は5000層以下、4000層以下、3000層以下、2000層以下、又は1500層以下であってもよい。
また、圧電積層体2はASKERゴム硬度計C型(高分子計器株式会社製)で測定した硬度が、70から100の範囲であると安定した出力がえられるため好ましい。この範囲であれば、圧電性高分子フィルム層間の拘束が適切になり静的な荷重による継続的な歪が曲線部に与えやすい傾向にある。より高い出力電圧を得るためには、硬度を80から95の範囲とすることが好ましく、83から95の範囲とすることがより好ましい。一方、荷重の変化に対する応答速度を短くするためには、硬度は94から100の高めの範囲とすることが好ましく、95から100の範囲とすることがより好ましい。
静的な荷重に対して安定した出力電圧を得るためには、積層数、硬度を調整するとともに、圧電積層体素子の静電容量を大きくすることが好ましい。
(1)実施例1
・圧電積層体素子の作製
フィルムの面方向に圧電性を発現する圧電性高分子フィルム層5にポリL−乳酸(PLLA)フィルム、絶縁層7にポリD−乳酸(PDLA)フィルムを用いて、実施例1の圧電積層体素子1を作製した。実施例1は、絶縁層7のPDLAフィルムも面方向に圧電性を発現する圧電性高分子フィルム層であるため、第1導電層4/第1圧電性高分子フィルム層5/第2導電層6/第2圧電性高分子フィルム層7の積層構造となる。
アルミニウム蒸着により膜厚が25nmとなるように一方の面に第1導電層4、他方の面に第2導電層6を形成したフィルム幅54mm、厚さ9μmのPLLAフィルムと、厚さ9μm、フィルム幅54mmのPDLAフィルムとを一対として重ねた多層フィルムを準備した。第1導電層4は絶縁マージンとしてPLLAフィルムの一方の端部から2mmの間隙を開けて形成し、第2導電層6はPLLAフィルムの他方の端部から2mmの間隙を開けて形成した。したがって、PLLAフィルムを挟んで対向する第1導電層4と第2導電層6の重なり幅である有効電極幅は50.0mmである。PLLAフィルムとPDLAフィルムは、同一方向の変形に対して、厚み方向に正反対の電荷が発生するように、各フィルムの延伸方向を調整して積層している。
準備した多層フィルムを500回巻回し、得られた円筒状の巻回体を上下方向から平板で挟み、中心の空間が無くなるまでにプレス加工し、図1(b)に示すような角丸長方形の積層体を形成した。角丸長方形の積層体を熱ラミネートして各層を固着し、アルミニウム溶射(メタリコン)により圧電積層体2の側面に第1電極層と第2電極層を形成した後、熱処理して実施例1の圧電積層体素子1を得た。実施例1の形状は表1に示す。表1における積層数は、PLLAフィルムの積層数を示すもので巻回数の2倍の1000層となる。PLLAフィルム層(第1圧電性高分子フィルム層5)の積層数とPDLAフィルム層(第2圧電性高分子フィルム層7)を合わせた積層数は2000層となる。以下、実施例、比較例においては、特段の説明がない限り積層数はPLLAフィルム層(第1圧電性高分子フィルム層5)の積層数である。
圧電積層体素子1の外形の幅は、表1におけるフィルム幅に側面の第1電極層8と第2電極層9の厚さを加えた値でフィルム幅に略等しい。有効電極幅は、PLLAフィルム層を挟んで対向する第1導電層と第2導電層が重なる幅である。外長は角丸長方形の圧電積層体素子1の外形の長さであり、内長はプレス加工によって潰された中心部の長さである。硬度は熱処理した圧電積層体素子1をステンレス板の上に静置し、角丸長方形の平面部の中央をASKERゴム硬度計C型(高分子計器株式会社製)で3点測定した平均値である。この硬度の測定は、JIS K7312及びJIS S6050に記載の硬さ試験に準拠して行なわれた。ここで、この試験機は、試験片表面を加圧する加圧面、加圧面に設けた穴からばね圧力によって突き出している押針、及び押針が試験片面によって押し戻される距離を硬さとして示す目盛で構成されており、加圧面の中心穴の直径は5.5mmで、加圧面の寸法が44mm×18mmの大きさの長方形状であり、押針の形状が高さ2.54mm、直径5.08mmの半球状であり、スプリング荷重が目盛0の時に539mN(55g)で、目盛100の時に8379mN(855g)であった。
Figure 2018096924
・圧電積層体素子の評価
圧電積層体素子1について、荷重を加えたときの出力電圧を測定した。測定は図3に示すように圧電積層体素子1の一方の平面部を下側として剛体11上に置き、上側の平面部に50mm×60mm、25mm×30mm、12mm×15mm、厚さ各1.9mmの3枚のアクリル板10を重ねて置き、平面部全体に均一な荷重が加わるようにして荷重試験機12で図の矢印方向に荷重を加えた。
測定結果から、圧電積層体素子1の出力電圧の維持性と、出力電圧の荷重応答性を評価した。出力電圧の維持性は、荷重試験機12で圧電積層体素子1に加える荷重を一定とした後の出力電圧の減少率により評価した。出力電圧が最大となった時点から、5秒後の出力電圧の減少率が50%以下であるものを△、20%以下であるものを○、10%以下であるものを◎とした。出力電圧の荷重応答性は、圧電積層体素子1に加える荷重を15N、50N、100N、200N、400Nで一定として測定を行い、それぞれの荷重における出力電圧の最大値から評価した。15N〜400Nの範囲で、荷重の値と出力電圧の最大値に比例関係が認められたものを◎とし、低荷重では比例関係が認められるものの、荷重が大きくなるに従い出力電圧が飽和し、400Nでは比例関係から外れるものを○とした。結果を表1に示す。
図4(a)〜(d)は、実施例1の圧電積層体素子1に、15N〜300Nをピークとする静的な荷重を加えたときの出力電圧を、負荷10MΩで測定した結果である。何れの測定においても、圧電積層体素子1からの出力電圧は、付加される荷重の増加に追随して上昇し、荷重をピーク荷重で固定すると出力電圧も略一定となる。ピーク荷重を付加し続けた後、荷重を減少させていくと、出力電圧も追随して減少し、荷重がゼロになると出力電圧はゼロとなる。図4(a)〜(d)から、実施例1の圧電積層体素子1では、出力電圧が付加される荷重の増減に追随し、付加される荷重が一定になると、継続して略一定の出力電圧が得られることがわかる。
従来の圧電素子では、一定荷重のような変化しない静的な荷重の付加に対する出力電圧はほぼゼロとなる。しかし、実施例1では静的な荷重の付加に対して、出力電圧が得られる圧電積層体素子1が実現できている。
図5は実施例1の圧電積層体素子1に、周期的な荷重を加えたときの出力電圧である。図5(a)と(c)は、それぞれ10Nと25Nの荷重を10秒間加える作業を、10回繰り返して付加したときの出力電圧である。図5(b)と(d)は、それぞれ10Nと25Nの荷重を5秒間加える作業を、20回繰り返して付加したときの結果である。図5(a)〜(d)のいずれにおいても、圧電積層体素子の出力電圧は、荷重の周期的な変化に追随して周期的に変化する。そして、荷重が一定の間は、出力電圧も略一定であることがわかる。
(2)実施例2〜5
実施例2〜5として、表1に示す積層数、有効電極幅、外長、内長、フィルム幅、厚さ、硬度を有する圧電積層体素子1を作製した。製造方法は実施例1と同様に、一方の面に第1導電層4、他方の面に第2導電層6をアルミニウム蒸着により形成した厚さ9μmのPLLAフィルムと、厚さ9μmのPDLAフィルムとを重ねた多層フィルムを巻回して作製した。
実施例2〜5について、荷重変動がない静的な荷重を付加したときの出力電圧を測定した。結果を図6に示す。図6(a)、(b)、(c)、(d)はそれぞれ実施例2、3、4、5の測定結果である。積層数が100層の実施例2では、他の実施例に比べて荷重を一定にした後、出力電圧が低下する傾向が大きい。しかし、出力電圧がゼロになることはなく継続して一定の電圧が出力されており、静的な荷重の検出ができている。積層数が500層である実施例3、および積層数が900層である実施例4、5では実施例2と比べ、より静的な荷重に対応した電圧が出力されていることがわかる。実施例1と同じ方法で、実施例2〜5の出力電圧の維持性と、出力電圧の荷重応答性を評価した結果を表1に示す。
比較のため曲線部の無い平積圧電積層体素子を作製し、出力電圧の測定を行った。70mm×30mmの短冊状で厚さ9μmのPLLAフィルムとPDLAフィルムをそれぞれ100枚準備し、アルミニウム蒸着によりPLLAフィルムの一方の面に第1導電層4、PDLAフィルムの一方の面に第2導電層6を形成した。そして、PLLAフィルムとPDLAフィルムを交互に積層し熱ラミネートで固着後、アルミニウム溶射(メタリコン)により、圧電積層体の長手方向の側面に第1電極層8と第2電極層9を形成して、比較例1の平積圧電積層体素子を得た。比較例1の積層構造は、図2(b)に示す第1導電層4/第1圧電性高分子フィルム層5/第2導電層6/第2圧電性高分子フィルム層7と同じ構造であり、積層数100層(PLLAフィルムのみの積層数)、有効電極面積50mm×30mmである。比較例1の中央で、ASKERゴム硬度計C型(高分子計器株式会社製)で3点測定した硬度の平均値は99.0であった。
図7は比較例1の平積圧電積層体素子に、200Nの荷重を継続して加えたときの出力電圧を、10MΩの負荷で測定した結果である。比較例1では荷重を200Nで一定とした状態の出力電圧はほぼ0Vで、静的な荷重に応じた出力電圧は得られていない。曲線部の無い平積圧電積層体素子の比較例1では静的な荷重に応じた出力電圧は得られず、静的な荷重を検出できない。これに対し、一部に曲線部を有する実施例1〜5では、静的な荷重に応じた出力電圧が得られ、静的な荷重センサなどとして利用可能であることがわかる。
(3)実施例6
実施例6として、図1(a)の円筒型の圧電積層体素子1を作製し評価を行った。実施例1と同じように、アルミニウム蒸着により一方の面に第1導電層4、他方の面に第2導電層6を形成した厚さ9μm、幅54mmのPLLAフィルムと、厚さ9μm、幅54mmのPDLAフィルムとを重ねた多層フィルムを150回巻回し、中心に直径12mmの空洞がある円筒型の圧電積層体素子1を得た。実施例6の積層数は300層、有効電極幅50mmである。円筒型の中心部の空洞には、荷重を加えても潰れないように、円柱状のウレタンゴムコア13を設けた。ASKERゴム硬度計C型(高分子計器株式会社製)で3点測定した硬度の平均値は84.0であった。
実施例6の圧電積層体素子1を、図8(a)に示すように剛体11の上に置き、上部にアクリル板10を配置して、荷重試験機12で図の矢印方向に荷重を加えた。荷重試験機12で200Nの荷重を加え、10MΩの負荷で出力電圧を測定した結果を図8(b)に示す。実施例6の圧電積層体素子1からの出力電圧は、荷重の増加に追随して上昇し、荷重が200Nで一定になると、出力電圧も略一定で継続して出力される。その後、荷重を減少させると、出力電圧も追随して減少する。円筒型の圧電積層体素子1でも、静的な荷重に応じて電圧が出力され、静的荷重センサなどとして利用できることがわかる。
図9は剛体上においた実施例4の圧電積層体素子1上に、実施例5の圧電積層体素子1を重ねて置き、実施例5の平面部に荷重試験機で400Nの荷重を加えた測定結果である。実施例4と実施例5は電気的に直列となるように接続し、10MΩの負荷で出力電圧を測定した。
実施例4と実施例5の単体に400Nの荷重を加えたときの出力電圧は、図6(c)、(d)に示すように約1Vと約0.7Vである。図9では実施例4と実施例5を直列に接続することにより1.6Vの出力が得られている。従来の圧電素子では、出力が瞬間的で位相を一致させることが難しいため、複数の圧電素子を直列に接続しても、単体の圧電素子の場合より大きな出力電圧を得ることは困難である。しかし、本発明の圧電積層体素子では、静的な荷重によって継続的に出力が得られるため、複数の圧電積層体素子を直列に接続して静的な荷重を加えることにより、単体での出力より大きな出力電圧を得ることが容易である。
実施例1〜6の圧電積層体素子1は、静的な荷重に対しても電圧が出力されるため、圧電積層体素子1を荷重センサとして用いれば、簡単な回路構成で荷重検出システムを実現できる。したがって、本発明は、荷重センサとしての圧電積層体素子の使用又は使用方法にも関する。圧電積層体素子1を荷重センサとして用いる場合、その荷重センサは、圧電積層体素子から信号を取り出せる配線などの要素、検出装置などを含む。また、圧電性高分子フィルム単体より剛性が高く強度、耐久性に優れ、大きな荷重が加えられても破損するおそれが少ない。例えば、本発明の圧電積層体素子を、座席の台座などに用いれば、人が座ることによって数秒間以上一定の荷重が加わる状態の信号と、座席が蹴られるなど衝撃が加わったことによって生じるノイズ信号とを圧電積層体素子1の出力信号から判定できる。
また、圧電積層体素子1を荷重センサとして靴の底に設ければ、走っているときに生じる信号と、歩いているときに生じる信号を、出力電圧が継続する時間長さから判定することが可能である。
さらに、本発明の圧電積層体素子は、静的荷重によっても出力電圧が得られるため、これまで利用されていない、より低周期の振動を電気エネルギーに変換するエネルギーハーベスト装置としても利用可能である。したがって、本発明は、エネルギーハーベスト装置又は電源としての圧電積層体素子の使用又は使用方法にも関する。特に、整流回路や位相整合回路を設けることなく、複数の圧電積層体素子を直列に接続するだけで電圧が加算されるので、大きな出力電圧の電源として利用できる。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
1 圧電積層体素子
2 圧電積層体
3 取出し電極
4 第1導電層
5 圧電性高分子フィルム層、第1圧電性高分子フィルム層
6 第2導電層
7 絶縁層、第2圧電性高分子フィルム層
8 第1電極
9 第2電極
10 アクリル板
11 剛体
12 荷重試験機
13 ウレタンゴムコア

Claims (14)

  1. フィルムの面方向に圧電性を発現する圧電性高分子フィルム層が複数層積層された積層体を備え、
    出力電圧が前記積層体に付加される荷重の増減に追随し、前記付加される荷重が一定のとき前記出力電圧は略一定であることを特徴とする圧電積層体素子。
  2. 前記圧電性高分子フィルム層の断面は、少なくとも曲線部を有することを特徴とする請求項1に記載の圧電積層体素子。
  3. 前記圧電性高分子フィルム層の断面は、前記曲線部と前記曲線部に連続する直線部とを有することを特徴とする請求項2に記載の圧電積層体素子。
  4. 前記圧電性高分子フィルム層は、ポリL−乳酸フィルム層および/またはポリD−乳酸フィルム層であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の圧電積層体素子。
  5. 前記積層体は、第1導電層と前記圧電性高分子フィルム層と第2導電層と絶縁層とが巻回された、巻回積層体であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の圧電積層体素子。
  6. 前記圧電性高分子フィルム層および前記絶縁層は、光学キラルな高分子からなるフィルム層であり、
    前記積層体は、前記圧電性高分子フィルム層に電圧を付加したときに圧電特性を示す方向と、前記絶縁層に前記電圧とは逆の電圧を付加したときの圧電特性を示す方向が同一方向になるように積層されていることを特徴とする請求項5に記載の圧電積層体素子。
  7. 前記巻回積層体の一方の側面に前記第1導電層と導通する第1電極が形成され、前記巻回積層体の他方の側面に前記第2導電層と導通する第2電極が形成されることを特徴とする請求項5または6に記載の圧電積層体素子。
  8. 前記巻回積層体の中心部は空間を有していないことを特徴とする請求項5から7のいずれか一項に記載の圧電積層体素子。
  9. 前記巻回積層体の中心部は空間を有することを特徴とする請求項5から7のいずれか一項に記載の圧電積層体素子。
  10. 前記巻回積層体の中心部に、コア部材が挿入されていることを特徴とする請求項5から7のいずれか一項に記載の圧電積層体素子。
  11. 高分子計器株式会社製のASKERゴム硬度計C型で測定した硬度が、70から100の範囲であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の圧電積層体素子。
  12. 前記圧電性高分子フィルム層の積層数が80層以上であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の圧電積層体素子。
  13. 請求項1から12のいずれか一項に記載された圧電積層体素子及び前記圧電積層体素子に接続してその出力を検出する検出装置を含む、荷重センサ。
  14. 請求項1から12のいずれか一項に記載された圧電積層体素子を用いた電源。
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