JPWO2018078672A1 - 建造物用ブロック構造体およびその製造方法 - Google Patents

建造物用ブロック構造体およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

[課題] ブロック構造体の寿命を化学的に延ばし、耐久性、耐水性、強度、圧縮弾性が高く製造容易な、建築用材として利用可能な建造物用ブロック構造体とその製造方法を提供する。[解決手段] 水を混合したカルシウムシリケートからなる第一組成物と水を混合した水酸化カルシウムからなる第二組成物とを攪拌混成して成る混合物と、酸化珪素を含有する珪砂と、炭酸カルシウムと、ケイ酸ナトリウム(水ガラス)と、を攪拌混成して成る中間混合物に、二酸化炭素を注入して得られる固結体からなり、前記固結体は、一定の形状を有するブロック体に形成される構成である。

Description

本発明は、建造物に用いられるブロック状の構造体に関し、特に、カルシウムシリケートと水酸化カルシウムとの混合物、珪砂、炭酸カルシウム、および水ガラスを攪拌混成した上で、二酸化炭素を注入することにより固結させた固結体をブロック形に成形した、強度、水密性の高い建築用材として利用可能な建造物用ブロック構造体とその製造方法に関する。
従前より、強度、耐摩耗性、耐水性、弾性回復性等に優れた建築物用の構造体が開発され、利用されている。例えば、国際公開2014/159832号(特表2016−519038号)では、ケイ酸カルシウムを主に含むコアと、シリカを多く含む内層と、炭酸カルシウムを多く含む外層とを備える結着成分と、充填微粒子を含む複数の充填粒子とを備える建材であって、複数の結着成分と充填粒子が結着マトリックスを形成しており、結着成分と充填粒子は、50%超の二酸化炭素を含む気体の中で互いに結着されるよう反応させて構成する建材に関する技術が開示されている。これにより、美的特性および物理的特性に優れた、適切な炭素排出量で低コストかつ大量生産可能な複合材料による建材を提供することが可能になる事が示唆されている。
また、特開2010−126420号では、水硬性石灰と水を含む混合物を、型枠に充填し炭酸ガス養生を行うことにより、水硬性石灰中の水酸化カルシウム結晶と2CaO・SiO水和物が二酸化炭素と結合して炭酸カルシウム結晶に変化する際に体積が膨張することを利用して、これを型枠で拘束することにより結晶間の結合を強固なものにして高い強度を実現した高強度建材に関する技術が開示されている。
しかしながら、上記各技術を用いた建築用材は、いずれも耐久性、特に耐水性の観点から充分な技術とは言えず、上記技術によって生成された建材を建造物の外壁に用いることは、現実的には困難という問題点があった。
また、特開平7−41343号では、石灰石、ガラス微粉末に膨剤の炭化珪素等を添加して粘結性粘土を用いて造粒し、これを低火度焼成して形成される人工軽量骨材が開示されている。これにより、軽量かつ高硬質な人工軽量骨材を提供でき、高層建築物等建築用材に用いる可能性が示唆されている。
しかしながら、この方法であっても、耐久性、耐水性の問題が充分解決されているという事は出来ず、さらに、製造するための機器等の設備が複雑かつ巨大なものとなる可能性があり、容易に耐久性のある建材を構成することが困難という問題点があった。更に、その生産過程等で二酸化炭素が発生するなど、環境への負荷がかかる可能性があり、環境への配慮の観点において優れているとはいえなかった。特に、地球温暖化防止が至上命題とされている今日では、二酸化炭素の放出の抑制という観点からの環境に配慮した建築用材の開発は必須であると考えられる。
そこで、耐久性、耐水性、強度、耐衝撃性等を有し、かつ、その製造過程等において二酸化炭素の発生を抑制し自然環境について充分考慮した、製造容易な建築用材の開発が望まれていた。
国際公開2014/159832号(特表2016−519038号) 特開2010−126420号 特開平7−41343号
本発明は上記問題を解決するために、建造物に用いられるブロック状の構造体であって、特に、カルシウムシリケートと水酸化カルシウムとの混合物、珪砂、炭酸カルシウム、および水ガラスを攪拌混成した上で、二酸化炭素を注入して固結させた固結体をブロック形状とすることにより、ブロック構造体の寿命を化学的に延ばし、耐久性、耐水性、強度、圧縮弾性が高く製造容易な、建築用材として利用可能な建造物用ブロック構造体とその製造方法を提供する。
上記の目的を達成するために本発明に係る建造物用ブロック構造体は、水を混合したカルシウムシリケートからなる第一組成物と水を混合した水酸化カルシウムからなる第二組成物とを攪拌混成して成る混合物と、酸化珪素を含有する珪砂と、炭酸カルシウムと、ケイ酸ナトリウム(水ガラス)と、を攪拌混成してなる中間混合物に、二酸化炭素を注入して得られる固結体からなり、前記固結体は、一定の形状を有するブロック体に形成される構成である。
また、前記建造物用ブロック構造体は、更に前記固結体にポリマー系樹脂を含浸させてなる構成である。
また、前記建造物用ブロック構造体は、前記攪拌混成過程において前記固結体内に生じる水酸化ナトリウムを中和して前記固結体の耐久性を向上するため、水酸化ナトリウムとの反応で加水分解されることにより水酸化ナトリウムを中和するためのカルボン酸を生成するポリエステルを含浸させてなる構成である。
更に、前記建造物用ブロック構造体は、前記固結体の耐久性を向上するため、前記攪拌混成過程において前記固結体内に生じる水酸化ナトリウムと中和反応を起こすポリメタクリル酸を含浸させてなる構成でもある。
また、本発明に係る建造物用ブロック構造体の製造方法は、一定の形状を有するブロック体を形成するための建造物用ブロック構造体の製造方法が、水を混合したカルシウムシリケートを攪拌するとともに水を混合した水酸化カルシウムを攪拌した上で、得られる両部材を更に攪拌混成する第一工程と、前記第一工程で得られた混成部材を一定時間養生する第二工程と、前記第二工程で得られた混成部材に酸化珪素を含有する珪砂を攪拌混成する第三工程と、前記第三工程で得られた混成部材にケイ酸ナトリウム(水ガラス)を攪拌混成する第四工程と、前記第四工程で得られた混成部材に更に炭酸カルシウムを攪拌混成する第五工程と、前記第五工程で得られた混成部材に二酸化炭素を注入して固結体を形成する第六工程と、からなる構成である。
また、前記建造物用ブロック構造体の製造方法は、前記第五工程による炭酸カルシウムの攪拌混成後に、混成部材を一定の形状からなる型枠に封入した上で、二酸化炭素を注入する構成である。
また、前記第二工程は、前記第一工程で得られた混成部材を2乃至5時間一定条件下で安置する構成である。
また、前記建造物用ブロック構造体の製造方法は、更に、前記第六工程で得られた固結体にポリマー系樹脂、ポリエステル、ポリメタクリル酸から選択される一又は複数の物質を含浸させる第七工程と、からなる構成でもある。
本発明は、上記詳述した通りの構成であるので、以下のような効果がある。
1.カルシウムシリケートと水酸化カルシウムとの混合物と、珪砂と、炭酸カルシウムおよび水ガラスを攪拌混成し二酸化炭素を注入する構成としたため、多孔質かつ耐水性を有する構造体を構成することが可能となる。また、該構造体を一定の形状を有するブロック体に形成するため、建造物用の建材として利用可能な建造物用ブロック構造体を構成することが可能となる。
2.固結体にポリマー系樹脂を含浸させる構成としたため、コンクリートよりも比重が小さく、耐久性、圧縮弾性及び耐水性の高い構造体を構成することが可能となる。
3.固結体にポリエステルを含浸させる構成としたため、固結体内に生じる水酸化ナトリウムを中和するための物質が生成されることとなり、結果として固結体の耐久性を向上することが可能となる。
4.固結体にポリメタクリル酸を含浸させる構成としたため、固結体内に生じる水酸化ナトリウムと中和反応を起こすことにより、固結体の耐久性を向上することが可能となる。
5.第二工程において、カルシウムシリケートと水酸化カルシウムとを攪拌した混合部材を一定時間養生するため、強固な固結体を形成することが可能となり、建造物への利用に十分耐え得る耐久性の高いブロック構造体を提供することが可能となる。
6.第五工程による炭酸カルシウムの攪拌混成後、混成部材を型枠に封入した上で二酸化炭素を注入する構成としたため、一定の形状を有する固結体からなる耐久性の高いブロック構造体を容易に構成することが可能となり、あらゆる用途に応じた建造物用ブロック構造体を提供することが可能となる。
7.第二工程における養生時間を2乃至5時間とし、一定条件下で安置する構成としたため、固結体をより強固に形成することが可能となり、より耐久性の高いブロック構造体を提供することが可能となる。
8.第六工程で得られた固結体にポリマー系樹脂、ポリエステル、ポリメタクリル酸から選択される一又は複数の物質を含浸させる第七工程を設けたため、固結体内に生じる水酸化ナトリウムの中和反応を行う事が可能となり、耐久性、耐水性の高いブロック構造体を提供することが可能となる。
以下、本発明に係る建造物用ブロック構造体およびその製造方法を、図面に示す実施例に基づいて詳細に説明する。図1は、建造物用ブロック構造体の製造工程を示すフロー図であり、図2は、逆T字型に形成した建造物用ブロック構造体の斜視図であり、図3は、逆T字型建造物用ブロック構造体の実施例を示す斜視図である。
本発明に係る建造物用ブロック構造体1は、第一組成物12と第二組成物14とを攪拌混成して成る混合物10と、珪砂20と、炭酸カルシウム30と、ケイ酸ナトリウム(水ガラス)40と、を攪拌混成して得られる中間混合物100に、二酸化炭素200を注入して得られる固結体300からなるものであり、該固形体300が、一定の形状を有するブロック状に形成されるものである。
第一組成物12は、水を混合したカルシウムシリケートからなる。カルシウムシリケートは、生石灰(酸化カルシウム:CaO)とシリカ(SiO)を高温で反応させた鉱物からなるものであり、セメントの原料として用いられる。このカルシウムシリケートに水を混合し、カルシウムシリケート水和物(C−S−H)を生成する。
第二組成物14は、水を混合した水酸化カルシウム(Ca(OH))からなる。水酸化カルシウムは、消石灰と呼ばれるものであり、水と混合することで、強アルカリ性の石灰水となる。なお、石灰水は、二酸化炭素を吸収する性質があり、一般的には、これに二酸化炭素を吹き込むことにより、反応して炭酸カルシウム(CaCO)が生じる。
本実施例では、図1に示すように、生成された第一組成物12と第二組成物14を一定の時間攪拌混成することで、混合物10を形成する構成となっている。
次に、該混合物10と、珪砂20と、炭酸カルシウム30と、ケイ酸ナトリウム(水ガラス)40と、を攪拌混成する。珪砂20は、石英粒からなる砂であり、本実施例では、酸化珪素(SiO)を含有する珪砂を使用している。
炭酸カルシウム30は、カルシウムの炭酸塩であり、白色粉末からなる物質である。また、ケイ酸ナトリウム40(NaSiO)は、水ガラスとも呼ばれるものであり、本実施例では、ケイ酸ナトリウム水溶液を使用する。
本実施例では、混合物10と、珪砂20と、炭酸カルシウム30と、ケイ酸ナトリウム(水ガラス)40を一定の時間攪拌混成することにより、中間混合物100を生成する構成となっている。
更に、この中間混合物100を一定の形状からなる型枠内に収納する。中間混合物100は、粘度を有する流動体からなるため、筒状や立方体状、その他所望する形状からなり型枠に流し込むことによって、任意の形状に形成することが可能となる。
次に、型枠に収納した中間混合物100に二酸化炭素(CO)200を注入する。本実施例では、筒状や立方体状、その他所望する形状からなり型枠に複数の孔を穿設し、該型枠に穿設された複数の孔から二酸化炭素200を中間混合物100に注入する構成とすることが可能である。この後、一定時間安置することにより、中間混合物100が固化し、固結体300が形成される。
この固結体300は、多孔質であるとともに、湿気などで形状を崩し難い耐水性を有する性質を持っており、実験結果としては、コンクリートと同等の強度、耐久性を有しており、更に曲げる力に対してはコンクリート以上の強度を有することが判明している。すなわち、上記の構成とすることにより、一定の形状を有するブロック体に形成された耐久性・耐水性、高い圧縮弾性を有する固結体300からなる建造物用ブロック構造体1を形成することが可能となった。
固結体300は、立方体状、円柱状や、図2に示すように逆T字型ブロックの形状に構成することが可能である。図2に示す逆T字型ブロックを積層することにより、図3に示すような組積造からなる壁体を形成することが可能となる。この構成とすることにより、構造的に軸力が支配的な構造物となり、格子形状となることから外圧、特に曲げる力を分散することが可能となり、より強固な建造物を構成するための建材としての建造物用ブロック構造体1を構成することが可能となる。
本発明に係る建造物用ブロック構造体1は、更に、固結体300にポリマー系樹脂を含浸させる構成である。本実施例では、ポリマー系樹脂としては、例えば、耐水性と環境的な理由から、ポリエステル系を使用し、また、外気より常に熱の影響を受ける環境では、アクリル系を使用する構成である。この構成としたため、コンクリートよりも比重が小さく、強度及び耐水性の高い建装物用ブロック構造体を構成することが可能となった。
本発明の実施例では、固結体300にポリエステルを含浸させる構成とすることが可能である。固結体300中には、各物質を攪拌混合することで化学反応が進み、水ガラスより水酸化ナトリウム(NaOH)が生じる。この水酸化ナトリウムは、建造物用ブロック構造体1の耐水性を下げる原因となることが分かっている。固結体300にポリエステルを含浸させることにより、水酸化ナトリウムとの反応でエステルの加水分解が起こり、その結果としてカルボン酸が生成される。このカルボン酸が水酸化ナトリウムを中和する役割を果たす(分解に伴うアルカリの中和)。これにより、攪拌混成過程において固結体300内に生じる水酸化ナトリウムが中和され、固結体300の耐久性を向上することが可能となった。
また、本発明に係る建造物用ブロック構造体1は、固結体300にポリメタクリル酸を含浸させる構成とすることが可能である。前述の通り、固結体300中には、水ガラスより水酸化ナトリウム(NaOH)が生じ、この水酸化ナトリウムが、建造物用ブロック構造体1の耐水性を下げる原因となる。固結体300にポリメタクリル酸を含浸させることにより、既にカルボン酸がポリマーに付いているため、攪拌混成過程において固結体300内に生じた水酸化ナトリウムと中和反応を起こす。これにより、固結体300の耐久性を向上することが可能となった。
ポリメタクリル酸は、長期的に、固結体300に含まれる水酸化ナトリウムの中和に供され、また、ポリエステルは、短期的に、固結体300に含まれる水酸化ナトリウムの中和に供される。これらの特徴を利用することにより、固結体300の耐水性を長期的、短期的の両面において維持することが期待できる。
前記ポリエステルまたはポリメタクリル酸の含浸は、本実施例では、真空圧入方法を用いる事としている。この真空圧入の際、ブロック構造体の1面を残してモルタル系および/または樹脂系の素材でコーティングする構成としている。これにより、均一な含浸・注入を行う事を可能としている。
次に、本発明に係る建造物用ブロック構造体1の製造方法について、説明する。建造物用ブロック構造体1は、図1に示すように、下記各工程を順番に行う事によって生成される。
第一工程では、水を混合したカルシウムシリケートを攪拌して第一組成物12を生成するとともに、水を混合した水酸化カルシウムを攪拌して第二組成物14を生成し、得られた第一組成物12および第二組成物14を更に攪拌混成する工程である。これにより、混合物10が得られる。
第二工程では、第一工程で得られた混成部材である混合物10を一定時間養生する。これにより、反応が促進して、強固な固結体を形成することが可能となり、建造物への利用に十分耐え得る耐久性の高いブロック構造体を提供することが可能となる。
第三工程では、第二工程で得られた混成部材に酸化珪素を含有する珪砂20を攪拌して混成する。また、第四工程では、第三工程で得られた混成部材にケイ酸ナトリウム(水ガラス)40を攪拌混成する。更に、第五工程では、第四工程で得られた混成部材に更に炭酸カルシウム30を攪拌混成する。
以上の工程で、粘度を有する中間混合物100が生成される。第六工程では、得られた中間混合物100に二酸化炭素を注入する。これにより、固結体300が得られる。これにより、一定の形状を有する建造物用ブロック構造体を製造することが可能となる。
本発明に係る建造物用ブロック構造体の製造方法は、第五工程による炭酸カルシウム30の攪拌混成後に、混成部材である中間混合物100を一定の形状からなる型枠に封入した上で、第六工程で二酸化炭素を注入する構成とすることが可能である。この構成とすることにより、一定の形状を有する固結体からなる耐久性・圧縮弾性の高い建造物用ブロック構造体1を容易に製造することが可能となり、あらゆる用途に応じた建造物用ブロック構造体1を提供することが可能となった。
第二工程では、第一工程で得られた混成部材である混合物10を2乃至5時間一定条件下で安置する構成とすることが可能となる。この構成とすることにより、固結体300をより強固に形成することが可能となり、より耐久性・耐水性・圧縮弾性の高い建造物用ブロック構造体1を製造することが可能となった。
本発明に係る建造物用ブロック構造体の製造方法は、更に、第六工程で得られた固結体300にポリマー系樹脂、ポリエステル、ポリメタクリル酸から選択される一又は複数の物質を含浸させる第七工程とからなる構成とすることが可能である。この構成とする事により、水酸化ナトリウムの中和反応処理を行う事が可能となり、長期および短期の両面に渡ってより耐久性、耐水性の高いブロック構造体を提供することが可能となった。
建造物用ブロック構造体の製造工程を示すフロー図 逆T字型に形成した建造物用ブロック構造体の斜視図 逆T字型建造物用ブロック構造体の実施例を示す斜視図
1 建造物用ブロック構造体
10 混合物
12 第一組成物
14 第二組成物
20 珪砂
30 炭酸カルシウム
40 ケイ酸ナトリウム(水ガラス)
100 中間混合物
200 二酸化炭素
300 固結体
上記の目的を達成するために本発明に係る建造物用ブロック構造体は、水を混合したカルシウムシリケートからなる第一組成物と水を混合した水酸化カルシウムからなる第二組成物とを攪拌混成して成る混合物と、酸化珪素を含有する珪砂と、炭酸カルシウムと、ケイ酸ナトリウム(水ガラス)と、を攪拌混成してなる中間混合物に、二酸化炭素を注入して得られる固結体からなり、前記固結体は、一定の形状を有するブロック体に形成されるとともに、前記攪拌混成過程において前記固結体内に生じる水酸化ナトリウムを中和して前記固結体の耐久性を向上するため、水酸化ナトリウムとの反応で加水分解されることにより水酸化ナトリウムを中和するためのカルボン酸を生成するポリエステルを含浸させてなる構成である。
また、前記建造物用ブロック構造体は、前記固結体の耐久性を向上するため、前記攪拌混成過程において前記固結体内に生じる水酸化ナトリウムと中和反応を起こすポリメタクリル酸を含浸させてなる構成である。
また、本発明に係る建造物用ブロック構造体は、水を混合したカルシウムシリケートからなる第一組成物と水を混合した水酸化カルシウムからなる第二組成物とを攪拌混成して成る混合物と、酸化珪素を含有する珪砂と、炭酸カルシウムと、ケイ酸ナトリウム(水ガラス)と、を攪拌混成してなる中間混合物に、二酸化炭素を注入して得られる固結体からなり、前記固結体は、一定の形状を有するブロック体に形成されるとともに、前記固結体の耐久性を向上するため、前記攪拌混成過程において前記固結体内に生じる水酸化ナトリウムと中和反応を起こすポリメタクリル酸を含浸させてなる構成である。
更に、前記建造物用ブロック構造体は、更に前記固結体にポリマー系樹脂を含浸させてなる構成でもある。

Claims (8)

  1. 建造物用ブロック構造体が、
    水を混合したカルシウムシリケートからなる第一組成物と水を混合した水酸化カルシウムからなる第二組成物とを攪拌混成して成る混合物と、酸化珪素を含有する珪砂と、炭酸カルシウムと、ケイ酸ナトリウム(水ガラス)と、を攪拌混成してなる中間混合物に、二酸化炭素を注入して得られる固結体からなり、
    前記固結体は、一定の形状を有するブロック体に形成されることを特徴とする建造物用ブロック構造体。
  2. 前記建造物用ブロック構造体は、更に前記固結体にポリマー系樹脂を含浸させてなることを特徴とする請求項1記載の建造物用ブロック構造体。
  3. 前記建造物用ブロック構造体は、前記攪拌混成過程において前記固結体内に生じる水酸化ナトリウムを中和して前記固結体の耐久性を向上するため、水酸化ナトリウムとの反応で加水分解されることにより水酸化ナトリウムを中和するためのカルボン酸を生成するポリエステルを含浸させてなることを特徴とする請求項1または請求項2記載の建造物用ブロック構造体。
  4. 前記建造物用ブロック構造体は、前記固結体の耐久性を向上するため、前記攪拌混成過程において前記固結体内に生じる水酸化ナトリウムと中和反応を起こすポリメタクリル酸を含浸させてなることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の建造物用ブロック構造体。
  5. 一定の形状を有するブロック体を形成するための建造物用ブロック構造体の製造方法が、
    水を混合したカルシウムシリケートを攪拌するとともに水を混合した水酸化カルシウムを攪拌した上で、得られる両部材を更に攪拌混成する第一工程と、
    前記第一工程で得られた混成部材を一定時間養生する第二工程と、
    前記第二工程で得られた混成部材に酸化珪素を含有する珪砂を攪拌混成する第三工程と、
    前記第三工程で得られた混成部材にケイ酸ナトリウム(水ガラス)を攪拌混成する第四工程と、
    前記第四工程で得られた混成部材に更に炭酸カルシウムを攪拌混成する第五工程と、
    前記第五工程で得られた混成部材に二酸化炭素を注入して固結体を形成する第六工程と、
    からなることを特徴とする建造物用ブロック構造体の製造方法。
  6. 前記建造物用ブロック構造体の製造方法は、前記第五工程による炭酸カルシウムの攪拌混成後に、混成部材を一定の形状からなる型枠に封入した上で、二酸化炭素を注入することを特徴とする請求項5記載の建造物用ブロック構造体の製造方法。
  7. 前記第二工程は、前記第一工程で得られた混成部材を2乃至5時間一定条件下で安置することを特徴とする請求項5記載の建造物用ブロック構造体の製造方法。
  8. 前記建造物用ブロック構造体の製造方法は、更に、前記第六工程で得られた固結体にポリマー系樹脂、ポリエステル、ポリメタクリル酸から選択される一又は複数の物質を含浸させる第七工程と、からなることを特徴とする請求項7記載の建造物用ブロック構造体の製造方法。
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