JP2007190758A - レジン被覆コンクリート体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 コンクリート体の主面にレジン被覆体を強固に一体化して形成する。
【解決手段】 コンクリート体2に対して、樹脂材を20重量%乃至50重量%としたレジンモルタルを素材として0.5mm乃至5mmの厚み寸法tを有するレジン被覆体3が1.0mm以上の含浸深さhを以って硬化することにより一体化して形成される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、化粧主面を有するブロック塀や門柱等のコンクリート構造物を構築するコンクリートブロック或いはコンクリートパネル等に用いて好適なレジン被覆コンクリート体及びその製造方法に関する。
セメントコンクリート或いはセメントモルタルにより成形されるコンクリート体は、多数個を並べて互いに接合することによりブロック塀や外壁或いは門柱等のコンクリート構造物を構築する。コンクリート体は、一般にその色調がセメントの原料である石灰岩の色調である見栄えのしないグレー色を呈しているが、例えば街並み景観の向上等を図るために適宜の色調とするカラー化の対応が検討されている。
カラー化コンクリート体は、一般に生コンクリートに適宜の色調の着色剤を添加して成形したり、エアーガン等による吹き付け塗装を行って形成されていた。かかるカラー化コンクリート体は、樹脂製品のように平滑で仕上がりが良好な表面を有しかつ光沢、色合い等の特性を得ることが困難であるとともに、色落ち等の問題もあった。
ところで、コンクリート体には、セメントやモルタルに代えて或いはセメントに加えてエポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂或いはポリエステル系樹脂を結合材として用いるいわゆるレジンコンクリートにより成形したレジンコンクリート体も提供されている。レジンコンクリート体は、耐久性、耐食性、耐候性、高強度、軽量といった種々の特性とともに、任意の色調で仕上がりも良好なカラー化も容易であるといった種々の特徴を有している。しかしながら、かかるレジンコンクリート体は、結合材として用いる樹脂材がセメントと比較して極めて高価であるとともに適宜の着色或いは模様を施す場合に着色剤や模様骨材も高価であることから、全体として高コストであった。
コンクリート体においては、セメントコンクリートによって所定形状のセメントコンクリート製芯成形体を成形するとともに、この芯成形体の外周面をレジンコンクリート層によって被覆した様々なレジン被覆コンクリート体が提供されている(特許文献1及び特許文献2を参照)。かかるレジン被覆コンクリート体は、芯成形体をセメントコンクリート製とすることで機械的強度を保持し、レジンコンクリートの使用量を低減して低コスト化を図り、芯成形体を被覆するレジンコンクリート層により上述したレジンコンクリートの特性が発揮されるといった特徴を有している。
特開2002−248611公報。
特開2003−41897公報。
ところで、特許文献1に開示された複合化セメントコンクリート製品は、コアを構成するセメントコンクリート成形物の外側に成形後には消滅する消失部材を介してシェルを構成するレジンコンクリート層が被覆一体化される。複合化セメントコンクリート製品は、外郭成形用一次金型と二次金属金型と中子とガイド金型とが用いられ、一次成形工程によりレジンコンクリート層を成形した後に二次成形工程によりセメントコンクリート成形物を成形する。かかる複合化セメントコンクリート製品においては、上述したように複雑な構造で高価な成形金型を用いることから、新規の設備投資を必要とする。また、複合化セメントコンクリート製品においては、1個の成形工程毎に成形金型内に発泡スチロール等の消失部材をその都度セットする工程を必要とするとともに、水分の存在により硬化が劣化するレジンコンクリートの特性からレジンコンクリート層が硬化した状態のタイミングを見計らってセメントコンクリートの成形を行わなければならず生産効率が悪いといった問題がある。さらに、複合化セメントコンクリート製品においては、例えば一次成形するレジンコンクリート層の一体化面を粗面として二次成形されるセメントコンクリートとの食い付き性をよくし、またセメントコンクリートの収縮に考慮しなければならない。
また、特許文献2に開示されたレジン被覆セグメントは、表面を粗面化した鉄筋コンクリートセグメント芯体と、この芯体の外表面6面を全面的に被覆するレジンモルタルとから構成される。レジン被覆セグメントは、コンクリートセグメント芯体を成形した後に、この芯体を遠心成型ドラム内に設置される遠心成型型枠内に取り付け、遠心成型ドラムを駆動して遠心力を加えながら型枠内にレジンモルタルを注入し、レジンモルタルの硬化後に脱型することによって芯体の外表面にレジンモルタル層を形成する。かかるレジン被覆セグメントの製造方法においては、遠心成型ドラムが大きな設置スペースを必要とするとともに、大型のレジン被覆セグメントを成形する場合には大きな駆動源も必要とすることで設備負担が極めて大きいといった問題がある。また、かかるレジン被覆セグメントの製造方法においては、遠心成型型枠を高速で回転させた状態でキャビティ内にレジンモルタルを注入することから、型枠構造が複雑かつ高価となる。
上述した特許文献に開示された技術によれば、レジンコンクリートの使用量を低減するとともにセメントコンクリートとレジンコンクリートのそれぞれの特性が発揮されたコンクリート体を構成するが、成型金型や遠心成型型枠等の高額かつ大型の新たな製造設備を必要とするとともに一般的なコンクリート製品と比較して生産性も悪いことから、結果としてさほどのコスト低減が達成できないといった問題があった。また、レジン一体型コンクリート製品は、セメントコンクリートとレジンコンクリートとの収縮率の差が大きいために、レジンコンクリート層の剥離やひび割れ等が発生する虞があるとともに、セメントコンクリートの水分によってレジンコンクリートの未硬化が生じる虞もある。
したがって、本発明は、コンクリート体に対してその主面にレジン被覆体が剥離発生を低減されて形成されるレジン被覆コンクリート体及びその製造方法を提供することを目的に提案されたものである。
上述した目的を達成する本発明にかかるレジン被覆コンクリート体は、セメントコンクリートにより所定の形状に形成されたコンクリート体と、樹脂材が20重量%乃至50重量%のレジンコンクリート又はレジンモルタルを素材としてコンクリート体の少なくとも1の主面を被覆して一体に形成されるレジン被覆体とから構成される。レジン被覆コンクリート体は、レジン被覆体が、0.5mm乃至5mmの厚みを有しかつコンクリート体の主面に対して表面から1.0mm以上の深さに含浸して硬化することにより形成される。
以上のように構成されたレジン被覆コンクリート体においては、コンクリート体の主面に収縮率を異にするレジン被覆体が5mm以下の厚みで小さな収縮量とされることで歪みや亀裂の発生が抑制されて形成されるとともに、このレジン被覆体がコンクリート体の主面に対して1.0mm以上の深さに含浸して形成されることで大きな機械的結合強度が保持される。したがって、レジン被覆コンクリート体においては、コンクリート体の主面に対してレジン被覆体が、剥離の発生を低減されて強固に一体化される。レジン被覆コンクリート体においては、コンクリート建造物の表面構成部位のみにレジン被覆体が形成されることから高価なレジン材の使用量が低減され、耐久性、耐食性、耐候性を有するとともに平滑で良好な仕上がり光沢や色合いに優れた表面を有して形成される。
上述した目的を達成する本発明にかかるレジン被覆コンクリート体の製造方法は、セメントコンクリートにより所定形状のコンクリート体を成形するコンクリート体成形工程と、樹脂材が20重量%乃至50重量%のレジンコンクリート又はレジンモルタルを素材としてコンクリート体の少なくとも1の主面を被覆するに足る形状のレジン被覆体を成形するレジン被覆体成形工程と、レジン被覆体が未硬化状態においてその成形型枠内にコンクリート体を装填して型締めを行うことによりコンクリート体の少なくとも1の主面を被覆してレジン被覆体を一体化させる一体化工程とを有する。レジン被覆コンクリート体の製造方法は、コンクリート体の主面に対して、0.5mm乃至5mmの厚みを有するレジン被覆体が表面から1.0mm以上の深さで含浸して硬化することにより一体化されたレジン被覆コンクリート体を製造する。
以上の工程を有するレジン被覆コンクリート体の製造方法においては、コンクリート体の主面に収縮率を異にするレジン被覆体を5mm以下の厚みとすることで収縮量を小さくして歪みや亀裂の発生を抑制して形成するとともに、このレジン被覆体をコンクリート体の主面に対して1.0mm以上の深さに含浸して形成することで大きな機械的結合強度が保持されるようにする。したがって、レジン被覆コンクリート体の製造方法においては、コンクリート体の主面に対してレジン被覆体が剥離の発生を低減されて強固に一体化されたレジン被覆コンクリート体が製造される。レジン被覆コンクリート体の製造方法においては、コンクリート建造物の表面構成部位のみにレジン被覆体を形成したレジン被覆コンクリート体を製造することから、高価なレジン材の使用量が低減され、また耐久性、耐食性、耐候性を有するとともに平滑で良好な仕上がり光沢や色合いに優れた表面を有するレジン被覆コンクリート体を製造する。
また、レジン被覆コンクリート体の製造方法は、コンクリート体成形工程が硬練りセメントコンクリートによりコンクリート体を成形するとともに、レジン被覆体成形工程がプラスチック繊維やガラス繊維等の強化繊維を混入したレジンコンクリート又はレジンモルタルを素材としてレジン被覆体を成形する。
レジン被覆コンクリート体の製造方法においては、硬練りセメントコンクリートにより成形されたコンクリート体が空隙率の大きな表面を有することでレジンコンクリート又はレジンモルタルが良好に含浸する。レジン被覆コンクリート体の製造方法においては、プラスチック繊維やガラス繊維等の強化繊維を混入したレジンコンクリート又はレジンモルタルにより成形されるレジン被覆体の機械的強度の向上が図られる。
本発明にかかるレジン被覆コンクリート体によれば、樹脂材が20重量%乃至50重量%とされ収縮率を異にするレジン被覆体がコンクリート体の主面に5mm以下の厚みで形成されることで小さな収縮量となって歪みや亀裂の発生を抑制されるとともに、このレジン被覆体がコンクリート体の主面に対して1.0mm以上の深さに含浸して硬化することにより形成されることで大きな機械的結合強度を保持され、コンクリート体の主面に対してレジン被覆体が剥離の発生を低減されて強固に一体化されることが可能となる。レジン被覆コンクリート体によれば、コンクリート体を芯材としてコンクリート建造物の表面構成部位に対応する主面のみにレジン被覆体を形成して構成されることから、高価なレジン材の使用量が低減されて低コスト化が図られ、耐久性、耐食性、耐候性を有し、平滑で良好な仕上がりと光沢や色合いに優れた表面特性を有することが可能となる。
また、本発明にかかるレジン被覆コンクリート体の製造方法によれば、樹脂材が20重量%乃至50重量%とされ収縮率を異にするレジン被覆体がコンクリート体の主面に5mm以下の厚みで形成されることで収縮量を小さくして歪みや亀裂の発生を抑制して形成するとともに、このレジン被覆体がコンクリート体の主面に対して1.0mm以上の深さに含浸して硬化することで形成されることで大きな機械的結合強度が保持されることから、コンクリート体の主面に対してレジン被覆体が剥離の発生を低減されて強固に一体化されたレジン被覆コンクリート体を製造することが可能となる。レジン被覆コンクリート体の製造方法によれば、コンクリート建造物の表面構成部位のみにレジン被覆体を形成したレジン被覆コンクリート体を製造することから、高価なレジン材の使用量を低減し、耐久性、耐食性、耐候性を有し、平滑で良好な仕上がりと光沢や色合いに優れた表面特性を有する廉価なレジン被覆コンクリート体を製造することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。実施の形態は、レジン被覆コンクリート体1が、図1に示すようにコンクリート体2の相対する主面2a、2bを被覆してレジン被覆体3A、3B(以下、個別に説明する場合を除いて、レジン被覆体3と総称する。)を一体化した空洞コンクリートブロック体である。レジン被覆コンクリート体1は、例えば基礎に所定の間隔を以って立設した鉄筋を貫通させて縦横に組み合わされ、組み合わせ面に塗ったモルタルにより相互に固定されてレジン被覆体3により表面を構成したブロック塀等のコンクリート建造物を構築する。
なお、本発明は、かかるレジン被覆コンクリート体1及びその製造方法に限定されるものではなく、例えば縁石ブロック或いは側溝蓋やコンクリート平板等の道路付帯設備、その他あらゆる分野のコンクリート製品に適用されることは勿論である。また、レジン被覆コンクリート体1は、レジン被覆体3をレジンコンクリート又はレジンモルタルを素材として成形するが、説明を簡略にするため以下レジンモルタルと総称する。
コンクリート体2は、後述するコンクリート体成形工程により、生コンクリートと比較して流動性が小さい硬練りコンクリート、例えばスランプ0cmの即脱コンクリートを素材として成形される。コンクリート体2は、レジン被覆コンクリート体1の本体部を構成し、従来の空洞コンクリートブロックと同等の形状に形成される。コンクリート体2は、所定の厚みを有して板状に形成された相対する一対のフェイスシェル4a、4bと、それぞれの間に空洞部5を形成してフェイスシェル4a、4b間を所定の対向間隔に保持して連結する複数個のウェブ6とから構成される。
コンクリート体2は、上述したように即脱コンクリートを用いて成形することから、型枠内に即脱コンクリートを投入して脱型を行うまでの成形時間が短縮化されて効率よく製造することが可能である。一方、コンクリート体2は、全面に亘って微細な凹凸を有する粗い仕上がり表面を以って成形されるが、このような仕上がり表面とすることにより後述するようにレジン被覆体3が機械的結合力を高められて強固に一体化されるようにする。コンクリート体2は、具体的には主面2a、2bが、1%乃至95%の空隙率を以って形成される。
レジン被覆体3は、後述するレジン被覆体成形工程により、レジンモルタルを素材として上述したコンクリート体2の主面2a、2bを被覆するに足る外形寸法を有するとともに、所定の厚み寸法t、すなわち0.5mm乃至5mmの厚み寸法tを有する板状に成形される。レジン被覆体3は、後述する一体化工程によりレジンモルタルがコンクリート体2の主面2a、2bから内部に含浸して硬化することによりこのコンクリート体2と一体化される。レジン被覆体3は、図2に示すように、レジンモルタルがコンクリート体2の主面2a、2bからその内部に1.0mm以上の深さhまで含浸して硬化することによりコンクリート体2と一体化して形成される。
レジン被覆体3は、具体的には不飽和ポリエステル樹脂等の樹脂材が20重量%乃至50重量%、硬化剤が0.5重量%乃至2.0重量%、炭酸カルシウム粉末が20重量%乃至50重量%、2mm以下の細骨材が20重量%〜50重量%を基本配合としたレジンモルタルにより成形される。レジンモルタルには、レジン被覆体3の外観仕様を決定する化粧骨材や着色剤(顔料)或いは繊維等が適宜添加されるとともに、耐候性を向上させるための紫外線吸収剤、硬化遅延剤或いはナイロン繊維やポリエステル繊維或いはガラス繊維等の強化繊維が混入される。
上述した基本配合のレジンモルタルは、一般的なレジンモルタルと比較して、樹脂材の割合が大きく全体として粘性が小さい配合である。レジンモルタルは、上述したように一部がコンクリート体2の主面2a、2bから内部に含浸して硬化することによりレジン被覆体3を形成するが、樹脂材の割合が小さく全体として粘性が大きい配合とした場合にコンクリート体2内に効率よく含浸されない。なお、レジンモルタルは、上述した組成に限定されるものではなく、レジン被覆コンクリート体1の仕様に応じて適宜に組成したのものが用いられる。
以上のように構成されたレジン被覆コンクリート体1においては、図1に示すように、コンクリート建造物の表面部位に対応するコンクリート体2の主面2a、2bのみを被覆してレジン被覆体3を一体化する。レジン被覆コンクリート体1においては、セメントコンクリートと比較して高価なレジンモルタルの使用量が低減されることにより、低コスト化が図られる。レジン被覆コンクリート体1においては、レジン被覆体3により、耐久性、耐食性、耐候性を有し、平滑で良好な仕上がりと光沢や色合いに優れた表面特性を有する。
また、レジン被覆コンクリート体1においては、上述したようにコンクリート体2が微細な凹凸を有する粗い仕上がり表面に形成され、このコンクリート体2の主面2a、2bにレジンモルタルが1.0mm以上の深さhまで含浸して硬化することによりレジン被覆体3が一体化される。レジン被覆コンクリート体1においては、主面2a、2bの全域に亘り内部に含浸して硬化したレジンモルタルがアンカ作用を奏することにより、コンクリート体2に対してレジン被覆体3が大きな機械的結合強度を以って一体化され剥離の発生が防止される。
さらに、レジン被覆コンクリート体1においては、即脱コンクリートにより成形されたコンクリート体2と比較して、レジンモルタルにより成形されるレジン被覆体3が大きな収縮量で硬化する。レジン被覆コンクリート体1においては、上述したようにレジン被覆体3を0.5mm乃至5mmの厚み寸法tで形成したことにより、全体の収縮量が抑えられてコンクリート体2と一体化された状態でも歪みや亀裂の発生が低減される。
なお、上述したレジン被覆コンクリート体1においては、コンクリート体2の相対する主面2a、2bにレジン被覆体3A、3Bを一体化したものを示したが、構築するコンクリート建造物の仕様によっては一方の主面にのみレジン被覆体3を形成したものであってもよい。また、レジン被覆コンクリート体1においては、レジン被覆体3A、3Bがそれぞれ色調や模様を異にしたレジンモルタルにより形成されるようにしてもよい。
上述したレジン被覆コンクリート体1は、図3に示した各工程を経て製造される。レジン被覆コンクリート体1は、同図に示すように、コンクリート体成形工程s−1とコンクリート体脱型工程s−2とを経てコンクリート体2を製造し、レジン被覆体成形工程s−3によってレジン被覆体3を製造し、一体化工程s−4によってコンクリート体2とレジン被覆体3とを一体化し、レジン被覆コンクリート体脱型工程s−5を経てレジン被覆コンクリート体1を製造する。
なお、図3に示したレジン被覆コンクリート体1の製造工程は、コンクリート体2の例えば第1主面2aにレジン被覆体3Aを一体化する工程を示したが、第2主面2b側にレジン被覆体3Bを形成した両面型を製造する場合には、レジン被覆コンクリート体脱型工程s−5に引き続いてレジン被覆体3Bの形成工程が施される。レジン被覆体3Bの形成工程は、レジン被覆体成形工程s−3と、一体化工程s−4と、レジン被覆コンクリート体脱型工程s−5と同等であることからその説明を省略する。
コンクリート体成形工程s−1は、詳細を省略する従来の空洞ブロックの成形型枠とほぼ同等のコンクリート体成形型枠が用いられて、上述した硬練りコンクリートをキャビティ内に打設する。なお、コンクリート体成形工程s−1においては、必要に応じて成形型枠に加圧振動装置を付設して加圧振動を負荷して流動性の小さな硬練りコンクリートを締め固めするようにしてもよい。また、コンクリート体成形工程s−1においては、レジン被覆コンクリート体1の製品仕様に応じてコンクリート或いはモルタルのいずれも使用可能であり、また必要に応じて鉄筋等も配筋される。
コンクリート体脱型工程s−2においては、硬練りコンクリートを打設した後、所定時間の経過後に型枠を取り外して成形されたコンクリート体2を取り出す。コンクリート体脱型工程s−2においては、硬練りコンクリートを用いることにより、打設後の養生時間をほとんど不要として型枠を取り外してコンクリート体2の取り出しが可能である。したがって、コンクリート体2の製造工程においては、空洞ブロック成形型枠の転用と同等工程とによる費用低減、養生期間の短縮化による多サイクル化の実現等が図られる。
レジン被覆体成形工程s−3においては、図4(A)に示すようにレジン被覆体成形型枠10が用いられ、この成形型枠10のキャビティ11内にレジンモルタルを打設してレジン被覆体3を成形する。なお、レジン被覆体成形工程s−3においては、後述する一体化工程s−4を引き続いて施すために、同図(B)に示すように例えばレジン被覆体成形型枠10がコンクリート体2を装填することが可能な大きさのキャビティ11を有して構成される。
レジン被覆コンクリート体1の製造工程においては、レジン被覆体成形工程s−3により成形するレジン被覆体3が未硬化状態で一体化工程s−4が実施される。一体化工程s−4は、例えば図4(B)に示すようにキャビティ11内に未硬化状態のレジン被覆体3を残した状態でレジン被覆体成形型枠10に対してコンクリート体2を装填する。一体化工程s−4は、同図(C)に示すようにキャビティ11内において型締め部材12によりコンクリート体2をレジン被覆体3に押し付けた状態で一定時間を保持することで、レジンモルタルがコンクリート体2内に含浸して硬化するようにする。
レジン被覆コンクリート体1の製造工程においては、樹脂材の割合が大きいレジンモルタルを用いることによりコンクリート体2内に奥深くまで効率よく含浸されるようになるが、樹脂材の割合を多くすることによりレジンモルタルが高価となる。一体化工程s−4においては、コストを押さえた上述した割合のレジンモルタルを用いることから、このレジンモルタルがコンクリート体2内に所定の深さまで含浸して硬化するように型締め部材12により型締めを保持した状態で60分以上の硬化時間(脱型が可能な圧縮強度10.0N/mmとなる時間)をとってコンクリート体2とレジン被覆体3とを一体化させるようにする。
一体化工程s−4においては、レジン被覆体成形型枠10を型締め状態に保持した状態で乾燥が行われる。なお、一体化工程s−4においては、例えば低温時にはレジン被覆体成形型枠10を適宜に加温して乾燥を行うようにしてもよい。一体化工程s−4においては、上述したようにコンクリート体2が水分の少ない即脱コンクリートにより成形することから、レジンモルタルの硬化に与える影響が低減され、所定の深さhまで含浸して硬化する。レジン被覆コンクリート体1の製造工程においては、所定の硬化時間が経過した後にレジン被覆コンクリート体脱型工程s−5によりレジン被覆体成形型枠10から成形されたレジン被覆コンクリート体1を取り出して完成する。
レジン被覆コンクリート体1は、上述したようにコンクリート体2に対して、樹脂材を20重量%乃至50重量%としたレジンモルタルを素材として0.5mm乃至5mmの厚み寸法tを有するレジン被覆体3が1.0mm以上の含浸深さhを以って硬化することにより一体化して形成される。かかるレジン被覆コンクリート体1は、図5及び図6に示した試験結果から明らかなように、コンクリート体2に対してレジン被覆体3が強固に一体化されて剥離等の発生が低減され上述した種々の特性を有するコンクリート建造物を構築することを可能とする。
図5は、レジンモルタルの樹脂材の割合と厚み寸法tを異にしてコンクリート体の表面にレジン被覆体を形成した測定対象物に対して行った剥離試験の結果を示した図である。剥離試験は、390×190×100基本型重量ブロックからなるコンクリート体に対して、1面にのみレジンモルタルの樹脂材割合と厚み寸法tを異にしかつ含浸深さhを3.0mmとしたレジン被覆体を形成したそれぞれ3個の測定対象物を対象とし、これら測定対象物を日当たりが良好な場所において3ケ月間自然暴露させた後にレジン被覆体の状態を観察することによって行った。同図において、丸印はレジン被覆体に剥離等が生じなかったもの、×印はレジン被覆体に剥離(ひび割れや浮きを含む)が生じたものを示す。
レジン被覆コンクリート体は、この剥離試験から明らかなように、コンクリート体の表面に厚み寸法tを5.0mm以下としてレジン被覆体を形成することにより、剥離発生が無い結果を得た。レジン被覆コンクリート体においては、レジン被覆体を5.0mm以下の厚み寸法tで形成することにより全体の樹脂量が少なくなってコンクリート体との収縮量の差が緩和されることで、剥離の発生が低減されるようになる。なお、レジン被覆コンクリート体は、レジンモルタルの樹脂材の割合が小さくなれば、同様にして樹脂量が少なくなり剥離の発生が低減される。
図6は、レジンモルタルの樹脂材の割合と含浸深さhを異にしてコンクリート体の表面にレジン被覆体を形成した測定対象物に対して行った剥離試験の結果を示した図である。剥離試験にも、390×190×100基本型重量ブロックからなるコンクリート体に対して、1面にのみレジンモルタルの樹脂材割合と含浸深さhを異にしかつ厚み寸法tを1.5mmとしたレジン被覆体を形成したそれぞれ3個の測定対象物を対象とし、これら測定対象物を日当たりが良好な場所において3ケ月間自然暴露させた後にレジン被覆体の状態を観察することによって行った。同図において、丸印はレジン被覆体に剥離等が生じなかったもの、×印はレジン被覆体に剥離(ひび割れや浮きを含む)が生じたものを示す。
レジン被覆コンクリート体は、この剥離試験から明らかなように、コンクリート体の表面から含浸深さhが1.0mm以上で硬化するようにしてレジン被覆体を形成することにより、剥離発生が無い結果を得た。レジン被覆コンクリート体においては、コンクリート体の内部においてレジンモルタルが1.0mm以上の含浸深さhで硬化してレジン被覆体を形成することから、アンカ作用により大きな機械的結合強度が生じて剥離の発生が低減されるようになる。
ところで、レジン被覆コンクリート体1は、レジンモルタルの樹脂材の割合に応じて硬化時間を制御することにより、コンクリート体2に対する含浸深さhが制御される。図7は、レジンモルタルの樹脂材の割合と硬化時間を異にしてコンクリート体の表面にレジン被覆体を形成した測定対象物について、含浸深さhを測定した結果を示した図である。この測定には、390×190×100基本型重量ブロックからなるコンクリート体に対してレジンコンクリートの樹脂量と硬化時間とを異にしてレジン被覆体を一体化して形成した2個の測定対象物を対象とし、各測定対象物A〜Cについてダイヤモンドカッタで切断した断面に対して1個についてそれぞれ12点を測定ポイントとして含浸深さhを測定して平均値を求めることにより行った。
図7において、Aが樹脂量20重量%のレジンコンクリートによりレジン被覆体を形成した測定対象物の測定結果、Bが樹脂量30重量%のレジンコンクリートによりレジン被覆体を形成した測定対象物の測定結果、Cが樹脂量40重量%のレジンコンクリートによりレジン被覆体を形成した測定対象物の測定結果である。硬化時間は、脱型が可能な圧縮強度が10N/mmに達する時間である。
レジン被覆コンクリート体においては、図7から明らかなようにレジンモルタルが樹脂材の割合が多く粘性が低い配合であればコンクリート体に対してより深く含浸して硬化することによりレジン被覆体を形成する。レジン被覆コンクリート体においては、樹脂材の割合が少なく粘性が高い配合のレジンモルタルを用いた場合でも、60分以上の硬化時間をとることにより、コンクリート体の表面から含浸深さhが1.0mm以上となって硬化してレジン被覆体が形成される。
本発明の実施の形態として示すレジン被覆コンクリート体の斜視図である。 同レジン被覆コンクリート体の要部拡大断面図である。 同レジン被覆コンクリート体の製造工程図である。 コンクリート体とレジン被覆体とを一体化させる一体化工程の説明図であり、同図(A)はレジン被覆体の成形工程を示し、同図(B)はコンクリート体の装填工程を示し、同図(C)は型締め工程を示す。 レジンモルタルの樹脂材の割合と厚み寸法tを異にしてコンクリート体の表面にレジン被覆体を形成した測定対象物の剥離試験の結果を示した図である。 レジンモルタルの樹脂材の割合と含浸深さhを異にしてコンクリート体の表面にレジン被覆体を形成した測定対象物の剥離試験の結果を示した図である。 レジンモルタルの樹脂材の割合と硬化時間を異にしてコンクリート体の表面にレジン被覆体を形成した測定対象物の含浸深さhを測定した結果を示した図である。
符号の説明
1 レジン被覆コンクリート体、2 コンクリート体、3 レジン被覆体、10 レジン被覆体成形型枠、11 キャビティ、12 型締め部材

Claims (3)

  1. セメントコンクリートにより所定の形状に形成されたコンクリート体と、
    樹脂材が20重量%乃至50重量%のレジンコンクリート又はレジンモルタルを素材として上記コンクリート体の少なくとも1の主面を被覆して一体に形成されるレジン被覆体とから構成され、
    上記レジン被覆体が、0.5mm乃至5mmの厚みを有しかつ上記コンクリート体の主面に対して表面から1.0mm以上の深さに含浸して硬化することにより一体化されて形成されることを特徴とするレジン被覆コンクリート体。
  2. セメントコンクリートにより所定形状のコンクリート体を成形するコンクリート体成形工程と、
    樹脂材が20重量%乃至50重量%のレジンコンクリート又はレジンモルタルを素材として上記コンクリート体の少なくとも1の主面を被覆するに足る形状のレジン被覆体を成形するレジン被覆体成形工程と、
    上記レジン被覆体が未硬化状態において、その成形型枠内に上記コンクリート体を装填して型締めを行うことにより上記コンクリート体の少なくとも1の主面を被覆して上記レジン被覆体を一体化させる一体化工程とを有し、
    上記レジン被覆体が、0.5mm乃至5mmの厚みを有しかつ上記コンクリート体の主面に対して表面から1.0mm以上の深さに含浸して硬化することにより一体化されたレジン被覆コンクリート体を製造することを特徴とするレジン被覆コンクリート体の製造方法。
  3. 上記コンクリート体成形工程が硬練りセメントコンクリートにより上記コンクリート体を成形するとともに、上記レジン被覆体成形工程が強化繊維を混入したレジンコンクリート又はレジンモルタルを素材として上記レジン被覆体を成形することを特徴とする請求項2に記載のレジン被覆コンクリート体の製造方法。
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