JPWO2018069993A1 - 水素エネルギー貯蔵システム、水素エネルギー貯蔵システムの制御方法、及びプログラム - Google Patents
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Abstract
本実施形態に係る水素エネルギー貯蔵システムは、再生可能エネルギーにより発電する発電部から供給された電力を用いて、水の電気分解により水素を製造する水素製造部と、水素製造部が製造した水素を貯蔵する水素貯蔵部と、水素貯蔵部と連通する経路を介して取得した水素を用いて発電した電力を負荷に供給する水素発電部と、水素貯蔵部に貯蔵された水素を水素発電部に供給する経路と異なる経路により供給する供給部と、供給部が特定期間に供給する第1水素量を取得する水素量取得部と、第1水素量に応じて、水素発電部及び水素製造部のうちの少なくとも一方を制御する制御部と、を備える。
Description
本発明の実施形態は、水素エネルギー貯蔵システム、及び水素エネルギー貯蔵システムの制御方法、及びプログラムに関する。
太陽光や風力等の再生可能エネルギーにより発電した電力を負荷に供給し、余剰電力を用いて生成した水素を水素貯蔵部に貯蔵する水素電力貯蔵システムが知られている。この水素電力貯蔵システムでは、電力が不足した際には、貯蔵した水素を用いて水素発電部が発電した電力が負荷に供給される。また、貯蔵した水素は、燃料電池自動車などに供給されることがある。
ところが、貯蔵した水素の需要量が考慮されておらず、この貯蔵した水素の不足により水素エネルギー貯蔵システムの動作に支障が生じてしまう恐れがある。
本発明が解決しようとする課題は、水素使用量の制御が可能な水素エネルギー貯蔵システムを提供することである。
本実施形態に係る水素エネルギー貯蔵システムは、再生可能エネルギーにより発電する発電部から供給された電力を用いて、水の電気分解により水素を製造する水素製造部と、前記水素製造部が製造した水素を貯蔵する水素貯蔵部と、前記水素貯蔵部に貯蔵された水素を用いて発電した電力を負荷に供給する水素発電部と、前記水素貯蔵部に貯蔵された水素を前記水素発電部に供給する経路と異なる経路により供給する供給部と、前記供給部が特定期間に供給する第1水素量を取得する水素量取得部と、前記第1水素量に応じて、前記水素製造部及び前記水素発電部のうちの少なくとも一方の制御を行う制御部と、を備える。
本実施形態によれば、水素使用量の制御が可能な水素エネルギー貯蔵システムを提供することができる。
(第1実施形態)
第1実施形態に係る水素エネルギー貯蔵システムは、供給部が特定期間に供給する第1水素量に応じて水素発電部を制御することにより、水素貯蔵部内の水素量を制御しようとしたものである。より詳しく、以下に説明する。
第1実施形態に係る水素エネルギー貯蔵システムは、供給部が特定期間に供給する第1水素量に応じて水素発電部を制御することにより、水素貯蔵部内の水素量を制御しようとしたものである。より詳しく、以下に説明する。
まず、図1に基づき、第1実施形態に係る水素エネルギー貯蔵システム1の全体構成を説明する。図1は、第1実施形態に係る水素エネルギー貯蔵システム1の構成を示すブロック図である。この図1に示すように、本実施形態に係る水素電力貯蔵システムは、再生可能エネルギーを用いて分解生成した水素を用いた発電が可能なシステムであり、動作制御装置100と、発電部102と、水素製造部104と、水素貯蔵部106と、供給部108と、水素発電部110とを、備えて構成されている。
動作制御装置100は、発電部102と、水素製造部104と、水素貯蔵部106と、供給部108と、水素発電部110とに接続され、発電部102、水素製造部104、供給部108、及び水素発電部110との制御を行う。動作制御装置100の詳細な構成は後述する。
発電部102は、再生可能エネルギーを用いて発電する。例えば、発電部102は、太陽光を用いた太陽光発電装置(PV:Photvltaics )で構成される。或いは、風力を用いた風力発電装置などで構成される。この発電部102は、化石燃料などの燃料が不要であるが、その発電量は天候や風力などの環境の影響を受ける。より詳細には、発電部102は、動作制御装置100と、負荷2と、水素製造部104とに接続され、動作制御装置100の制御に従い、負荷2、及び水素製造部104に発電電力を供給する。また、発電部102は、発電電力量を動作制御装置100に出力している。
水素製造部104は、発電部102から供給された電力を用いて、水の電気分解により水素を製造し、この製造した水素を水素貯蔵部106に蓄える。水素製造部104は、例えば、アルカリ性の溶液に電流を流すことにより、水素と酸素とを製造する電気水分解装置(EC:Electrodialytical Hydorogen Clearance Device)である。すなわち、水素製造部104は、水素配管4を介して、生成した水素を水素貯蔵部106に蓄える。これにより、水素製造部104は、余剰電力を用いて水素を生成し、蓄積可能である。より詳細には、水素製造部104は、動作制御装置100と接続され、動作制御装置100の制御に従い水の電気分解を行い、水素と酸素とを生成する。また、水素製造部104は、製造した水素量を動作制御装置100に出力している。
水素貯蔵部106は、例えば水素タンクで構成され、水素製造部104から移相された水素を貯蔵する。すなわち、水素貯蔵部106は、水素配管4、6を介して水素製造部104と、水素発電部110とに連通している。また、水素貯蔵部106は、貯蔵している水素量を動作制御装置100に出力している。
供給部108は、水素貯蔵部106から、例えば燃料電池自動車(FCV:Full Cell Vechill )に水素を供給する。すなわち、供給部108は、水素貯蔵部106に貯蔵した水素を水素発電部110に供給する経路と異なる経路により、燃料電池自動車に供給する。より詳細には、供給部108は、動作制御装置100の制御に従い、水素貯蔵部106に貯蔵された水素を燃料電池自動車に供給する。また、供給部108は、供給した水素量を動作制御装置100に出力している。なお、ここでは、供給部108は、燃料電池自動車に水素を供給しているが、燃料電池自動車以外に水素を供給するように構成してもよい。
水素発電部110は、例えば燃料電池(FC:Fuel Cell)であり、水素貯蔵部106に蓄えられた水素を用いて発電した電力を負荷2に供給する。すなわち、この水素発電部110は、動作制御装置100の制御に従い、酸素と、水素配管6から供給される水素とを用いて電気を発電する。酸素は空気中の酸素を利用してもよいし、水素製造部104が水素製造に伴い出力する酸素を酸素タンクに蓄積したものを使用してもよい。これにより、不足電力を水素発電部110による発電により補うことが可能である。また、水素製造部104は、発電に使用した水素量及び発電した発電量を動作制御装置100に出力している。
次に、図2に基づき動作制御装置100の詳細な構成を説明する。図2は、動作制御装置100の構成を示すブロック図である。この図2に示すように、動作制御装置100は、供給部108が特定期間に供給する第1水素量を取得すると共に、発電部102、水素製造部104、及び水素発電部110の制御を行う。すなわち、この動作制御装置100は、例えばコンピュータであり、記憶部112と、水素量取得部114と、制御部116とを備えて構成されている。
記憶部112は、動作制御装置100にて行われる各処理機能をコンピュータによって実行可能なプログラム形態で、記憶している。また、記憶部112は、磁気的もしくは光学的記録媒体または半導体メモリなどの、読み取り可能な記録媒体を含んだ構成を有している。
水素量取得部114は、供給部108が特定期間に供給する第1水素量を取得する。すなわち、この水素量取得部114は、情報記憶部118と、取得部120とを備えて構成されている。
ここでの特定期間は、時間である。例えば、1時間、4時間、8時間、24時間、48時間などの中から設定された時間である。また、特定期間を秒単位や分単位に設定してもよい。例えば特定期間を秒単位で設定した場合には、リアルタイムの制御を水素エネルギー貯蔵システム1に行うことが可能である。
一方で、特定期間を24時間などのようにより長く設定すると、より長期間のシステム状況を考慮した水素エネルギー貯蔵システム1の制御が可能になる。例えば、供給部108からの供給需要が増加することが予測される場合には、水素貯蔵部106に貯蔵される水素を水素発電部110が使用することを予め制限することが可能である。なお、特定期間を24時間などのようにより長く設定すると、予測の要素が増加する。例えば、特定期間を長くするに従い、特定期間における第1水素量と供給部108から実際に供給された水素量との差が開く可能性が高くなる。
情報記憶部118は、水素エネルギー貯蔵システム1に関するデータを有している。すなわち、この情報記憶部118は、第1の記憶部122と、第2の記憶部124と、第3の記憶部126とを備えて構成されている。
第1の記憶部122は、供給部108から過去に供給された水素量に関するデータを記憶している。この第1の記憶部122は、FCV運用実績DB記憶部であり、供給部108から過去に燃料電池自動車に供給された水素量に関するデータを収集し、記憶している。本実施形態では、供給部108から燃料電池自動車に供給された水素量は、燃料電池自動車が使用した需要水素量に対応している。
第2の記憶部124は、再エネ発電実績DB記憶部であり、発電部102が過去に発電した発電電力量に関するデータを記憶している。すなわち、第2の記憶部124は、再生可能エネルギーの過去実績データを収集し、記憶している。第3の記憶部126は、負荷需要実績DB記憶部であり、負荷2が過去に消費した消費電力量に関するデータを収集し、記憶している。
取得部120は、特定期間に供給部108が供給する第1水素量H1nと、特定期間nに水素製造部104が製造する水素量と水素発電部110が使用する水素量との差分である第2水素量H2nとを取得する。ここで、nは、n番目の特定期間を示している。例えば、特定期間が30分であれば、ここでのnは、現在時点から30分後までの時間を示し、(n+1)であれば、30分後から60分後までの時間を示し、(n−1)であれば、現在時点から30分前までの時間を示している。
本実施形態では、特定期間を24時間、すなわち1日として説明する。このため、nは、現在時点から24時間後までの時間を示し、(n+1)であれば、24時間後から48時間後までの時間を示し、(n−1)であれば、24時間前から現在時点までの時間を示している。
また、第2水素量H2nは、例えば、後述する(1)式、又は(2)式に示す水素量である。すなわち、(負荷2の消費電力量ξn―発電部102の発電量ωn)で示される電力量を水素量に換算した値である。例えば、(負荷2の消費電力量ξn―発電部102の発電量ωn)が正であれば、不足電力が生じることを示している。この場合、水素発電部が(負荷2の消費電力量ξn―発電部102の発電量ωn)で示す不足電力量を発電するために用いる水素量に換算される。
一方、(負荷2の消費電力量ξn―発電部102の発電量ωn)が負であれば、余剰電力が生じることを示している。この場合、水素製造部が−(負荷2の消費電力量ξn―発電部102の発電量ωn)で示す余剰電力量を用いて製造する水素量に換算される。
より詳細には、取得部120は、第1取得部128と、第2取得部130と、第3取得部132と、第2水素量取得部134とを有している。第1取得部128は、供給部108が過去に供給した水素量に基づき、特定期間nにおける第1水素量H1nを取得する。すなわち、この第1取得部128は、FC運用データ取得部136と、クラスター処理部138と、FC運用計画決定部140と、を有している。
FC運用データ取得部136は、第1の記憶部122に記憶されるデータの中から第1取得条件に対応する水素量を取得する。この第1取得条件は後述するように、年月日、曜日、平日/休日、気温、湿度、雲量、風速、天候などの中から選択される条件である。例えば、「月曜日」、「9月」、「気温20度」が第1取得条件として、FC運用データ取得部136に入力されると、9月において気温が20度であった日に供給部108から供給された水素量が取得される。FC運用データ取得部136の詳細は後述する。
クラスター処理部138は、複数のデータのうち類似データを適用して距離計算により取得点を算出する。より詳細には、クラスター処理部138は、データ間およびクラスターとデータ間の距離を定義する方法として、最長距離法、群平均法のいずれかを適用する。ここでのクラスター処理部138は、第1取得部128、第2取得部130、及び第3取得部132に共有されている。このため、動作制御装置100のデータ容量を、各取得部120がクラスター処理部138を有する場合よりも低減可能である。すなわち、クラスター処理部138は、第1取得部128が第1水素量を取得する場合には、FC運用データ取得部136が取得した複数の水素量を用いて、第1水素量H1nを取得する。FC運用計画決定部140は、クラスター処理部138により取得された第1水素量H1nを制御に用いる第1水素量H1nとして決定する。クラスター処理部138における処理の詳細は後述する。
第2取得部130は、発電部102の過去の発電量に基づき、特定期間nにおける発電部102の発電量ωnを取得する。すなわち、第2取得部130は、再エネデータ取得部142と、クラスター処理部138と、PV出力取得決定部146とを有している。再エネデータ取得部142は、取得に用いるデータを第2の記憶部124から取得する。すなわち、再エネデータ取得部142は、発電部102が過去に発電した発電量に関するデータの中から、第2取得条件に対応する発電量を取得する。この第2取得条件は、前述の第1取得条件と同様であり、年月日、曜日、平日/休日、気温、湿度、雲量、風速、天候などの中から選択される条件である。再エネデータ取得部142の詳細も後述する。
クラスター処理部138は、第2取得部130が発電部102の発電量ωnを取得する場合には、再エネデータ取得部142が取得した発電量に関するデータを用いて、発電量ωnを取得する。PV出力取得決定部146は、クラスター処理部138により取得された発電量ωnを制御に用いる発電量ωnをとして決定する。
第3取得部132は、負荷2の過去の消費電力に基づき、特定期間nにおける負荷2の消費電力量ξnを取得する。すなわち、第3取得部132は、負荷需要データ取得部148と、クラスター処理部138と、負荷需要取得決定部150とを有している。負荷需要データ取得部148は、取得に用いるデータを第2の記憶部124から取得する。すなわち、負荷需要データ取得部148は、負荷2が過去に消費した消費電力量に関するデータの中から、第3取得条件に対応する消費電力量を取得する。この第3取得条件も、前述の第1取得条件と同様であり、年月日、曜日、平日/休日、気温、湿度、雲量、風速、天候などの中から選択される条件である。負荷需要データ取得部148の詳細も後述する。
クラスター処理部138は、第3取得部132が負荷2の消費電力量を取得する場合には、負荷需要データ取得部148が取得した消費電力量を用いて、負荷2の消費電力量ξnを取得する。負荷需要取得決定部150は、クラスター処理部138により取得された負荷2の消費電力量ξnを制御に用いる負荷2の消費電力量ξnとして決定する。
第2水素量取得部134は、負荷需要取得決定部150が決定した負荷2の消費電力量ξnからPV出力取得決定部146が決定した発電部102の発電量ωnを減算し、下述する(1)式又は(2)式に従い、第2水素量H2nを取得する。すなわち、特定期間の(負荷2の消費電力量ξn―発電部102の発電量ωn)が正である場合には、第2水素量H2nは(1)式に従い算出される。上述のように、正である場合は、不足電力が発生していることを示している。
第2水素量H2n=K1x(負荷2の消費電力量ξn―発電部102の発電量ωn) (1)式
第2水素量H2n=K1x(負荷2の消費電力量ξn―発電部102の発電量ωn) (1)式
ここで係数K1は、水素発電部110が発電する単位電力量を得るために使用する水素量の割合を示す係数である。例えば、水素発電部110が1ワット発電するために使用する水素量は、K1リットルである。
一方で、(負荷2の消費電力量ξn―発電部102の発電量ωn)が負の場合には、第2水素量H2nは(2)式に従い算出される。上述のように、負である場合は、余剰電力が発生していることを示している。
第2水素量H2n=K2x(負荷2の消費電力量ξn―発電部102の発電量ωn) (2)式
第2水素量H2n=K2x(負荷2の消費電力量ξn―発電部102の発電量ωn) (2)式
ここで係数K2は、水素製造部104が消費する単位電力量に対して生成する水素量の割合を示す係数である。例えば、水素製造部104が1ワットの電力を使用すると、K2リットルの水素が生成される。これから分かるように、第2水素量H2nは、不足電力が生じる特定期間nでは、正の値をとり、余剰電力が生じる特定期間nでは、負の値をとる。すなわち、第2水素量H2nは、特定期間nにおいて増減する。
制御部116は、第1水素量H1nに応じて水素発電部110と水素製造部104とを制御する。より具体的には、制御部116は、水素貯蔵部残量取得結果処理部152と、FC制御量算出処理部154と、EC制御量算出処理部156と、再エネ活用率算出部158とを有している。
水素貯蔵部残量取得結果処理部152は、水素貯蔵部106の残量計算を(3)式に従い行う。
水素貯蔵残量取得値δn=δn−1−(H1n+H2n)
(3)式
水素貯蔵残量取得値δn=δn−1−(H1n+H2n)
(3)式
ここでのδn−1は現在から一つ前の特定期間(n−1)における水素貯蔵残量を示している。すなわち現在の水素貯蔵残量に対応する。δnは、現在から特定期間nが経過した後の水素貯蔵残量を示す。また、第1水素量H1nは、正の値であり、第2水素量H2nは、上述の様に、正、負いずれの値もとり得る。すなわち、水素発電部110が水素を用いて発電する場合には正の値を示し、水素製造部104が水素を生成する場合には負の値を示す。ここで、δn−1は実測値を用いてもよい。或いは、δn−1は、水素貯蔵残量取得値δn−2を用いて、連続的に演算してもよい。すなわち、水素貯蔵残量取得値δn−2を用いる演算処理は、現時点の24時間前の時点から、現時点の24時間後の時点の素貯蔵残量取得値を演算していることと同等の演算処理である。このように、第1水素量H1nと、第2水素量H2nとの加算値に基づき、水素貯蔵残量取得値δnが算出される。なお、動作制御装置100が、特定期間を秒単位又は分単位とし、リアルタイムで水素エネルギー貯蔵システム1の制御を行う場合には、一つ前の特定期間(n−1)におけるデータ、すなわち現時点のデータには実測値を用いる。
水素貯蔵残量取得値δnが0以下になる場合、水素の枯渇が発生してしまい、供給部108からの水素供給が困難になる可能性が高い。このため、水素貯蔵残量取得値δnが0以下になる場合、且つ(δn−1−H1n)が正の場合、FC制御量算出処理部154は、(δn−1−H1n)の水素量をFC制御量として水素発電部110に出力し、(δn−1−H1n)の水素量を用いて水素発電部110に発電を行わせる。すなわち、FC制御量算出処理部154は、供給部108が特定期間nに供給する第1水素量H1nを確保しつつ、残りの水素量を水素発電部110に供給させる。換言すると、水素貯蔵部106に貯蔵される水素量が所定値である0以下になる場合に、FC制御量算出処理部154は、水素発電部110の発電を(δn−1−H1n)の水素量を使用するまでの範囲に制限する。つまり、FC制御量算出処理部154は、水素発電部110の発電を水素貯蔵部106に貯蔵される水素量と第1水素量H1nとの差分の水素量以下になるように、水素発電部110の発電を制限する制御を行う。
また、水素貯蔵残量取得値δnが0以下になる場合、且つ(δn−1−H1n)が負の場合、FC制御量算出処理部154は、水素発電部110の発電を停止させる。換言すると、水素発電部110の発電を停止させることで、δn−1の水素量を供給部108から供給可能にしている。すなわち、水素貯蔵残量取得値δn−1が第1水素量H1nより少ない場合に、FC制御量算出処理部154は、水素発電部110の発電を停止させ、供給部108による水素貯蔵残量取得値δn−1で示す水素量の供給を可能にしている。
一方で、水素貯蔵残量取得値δnが0以下にならない場合、且つ第2水素量H2nが正の値の場合には、FC制御量算出処理部154は、第2水素量H2nの水素量をFC制御量として水素発電部110に出力し、第2水素量H2nの水素量を用いて水素発電部110に発電を行わせる。換言すると、FC制御量算出処理部154は、水素貯蔵残量取得値δnが0以下、すなわち水素貯蔵部106の貯蔵水素が空にならない場合には、第2水素量H2nを使用して不足電力量を発電させる。
このように、供給部108からの水素の供給を、水素発電部110の発電よりも優先させた運用が可能である。すなわち、FC制御量算出処理部154は、特定期間nに供給部108から供給される第1水素量H1nに応じて水素発電部110における発電量の制御を行う。
水素貯蔵残量取得値δnが水素貯蔵部106の容量Fを超過する場合、水素が水素貯蔵部106からあふれてしまう。このため、ここでは、容量F以上の水素の生成はしないこととする。
すなわち、EC制御量算出処理部156は、水素貯蔵残量取得値δnが水素貯蔵部106の容量Fを超える場合には、(F―δn−1)の水素量をEC制御量として水素製造部104に出力し、(F―δn−1)の水素量を水素製造部104に生成させる。換言すると、EC制御量算出処理部156は、水素貯蔵部106が満タンになる水素量(F―δn−1)を水素製造部104に生成させるのである。すなわち、EC制御量算出処理部156は、水素貯蔵部106が所定値以上にならない範囲の水素を水素製造部104に生成させる。
そして、EC制御量算出処理部156は、(F―δn−1)の水素量を水素製造部104が生成した後に、発電部102の発電を停止し、発電部102の発電ロスを低減させる。なお、水素貯蔵部106が満タンになる前に発電部102の発電を制限してもよい。例えば、水素貯蔵部106の貯蔵水素量が、容量Fの95%である所定上限値になる場合に、発電部102の発電を制限する。
一方で、水素貯蔵残量取得値δnが水素貯蔵部106の容量Fを超えない場合、且つH2nが負の値の場合には、EC制御量算出処理部156は、−H2nの水素量をEC制御量として水素製造部104に出力し、−H2nの水素量を製造させる。すなわち余剰電力を使用して、水素製造部104に−H2nの水素量を製造させるのである。これにより、水素貯蔵部106の容量Fを超過しない運用が可能である。これから分かる様に、EC制御量算出処理部156は、供給部108から供給される第1水素量H1nに応じて水素製造部104における水素製造量の制御を行う。
再エネ活用率算出部158は、特定期間nが経過した後に、実測の発電部102の発電電力量と、水素製造部104及び負荷2が消費した実測の消費電力量との比率を算出する。この比率を発電部102における発電電力量の活用効率の指標の一つとする。
次に、図4を参照にしつつ、図3に基づき、FC運用データ取得部136の詳細な構成を説明する。図3は、FC運用データ取得部136の構成を示すブロック図である。この図3に示すようにFC運用データ取得部136は、計画日データ格納部160と、第1の計画日情報取得部162と、第1の条件振り分け部164と、第1計算データ抽出部166とを有している。
図4は、FC運用データ取得部136における処理内容を説明する図であり、図4(a)は、第1の記憶部122であるFCV運用実績DB記憶部内のデータ例を示す図であり、図4(b)は、計画日データ格納例、及び第1取得条件の一例を示す図であり、図4(c)は、第1取得条件による振り分けられたデータの一例を示す図である。
図3に示すように、計画日データ格納部160は、燃料電池自動車を運用する特定期間のデータを格納する。ここでは、例えば図4(b)に示すように、「2016年」、「7月」、「11日」、「月曜日」、「祭日」、「晴れ」などが格納されている。このように、計画日データ格納部160は、特定期間の年、月、曜日、曜日の種類、天候、気温などを格納する。なお、曜日の種類は、平日、休日、祭日などを意味する。すなわち、天候、気温などは、例えば特定期間の気象予報データなどから取得した値である。
第1の計画日情報取得部162は、第1の記憶部122から水素需要量のデータを抽出するための第1取得条件を選択取得する。すなわち、第1の計画日情報取得部162は、計画日データ格納部160に格納されるデータの中から第1取得条件を選択し、取得する。例えば図4(b)に示すように、第1の計画日情報取得部162は、例えば操作者の指示情報に従い、第1取得条件として「月曜日」を取得する。なお、ここでの水素需要量は、供給部108から供給された水素量に対応する。
第1の条件振り分け部164は、第1取得条件に基づき、第1の記憶部122から水素需要量のデータを抽出する。例えば図4(c)に示すように、第1取得条件として、「月曜日」のデータを第1の記憶部122から抽出する。この場合、条件を追加してもよく、例えば気温20〜25度、9月などを追加してもよい。これにより、「月曜日」、「気温20〜25度」、「9月」の条件を満たすデータが第1の条件振り分け部164により抽出される。
第1計算データ抽出部166は、第1の条件振り分け部164で抽出されたデータを保管する。すなわち、第1計算データ抽出部166で保管されたデータは、クラスター処理部138に出力され、第1水素量の取得に用いられる。
次に、図6を参照にしつつ、図5に基づき、再エネデータ取得部142の詳細な構成を説明する。図5は、再エネデータ取得部142の構成を示すブロック図である。この図5に示すように、再エネデータ取得部142は、第2の気象予報データ格納部168と、第2の計画日情報取得部170と、第2の条件振り分け部172と、第2計算データ抽出部174とを有している。
図6は、再エネデータ取得部142における処理内容を説明する図であり、図6(a)は、第2の記憶部124である再エネ発電実績DB記憶部内のデータ例を示す図であり、図6(b)は、気象予報データ格納例、及び第2取得条件の一例を示す図であり、図6(c)は、第2取得条件による振り分けられたデータの一例を示す図である。
第2の気象予報データ格納部168は、再生可能エネルギーを取得する特定期間(例えば取得日)の気象予報データを格納する。ここでは、例えば図6(b)に示すように、特定期間の気象予報データとして、年月日、曜日、平日/休日、気温、湿度、雲量、風速、PV発電、天候などを格納する。
第2の計画日情報取得部170は、第1の計画日情報取得部162と同様に、第2の記憶部124から発電部102の発電量のデータを抽出するための第2取得条件を選択し、取得する。すなわち、第2の計画日情報取得部170は、第2の気象予報データ格納部168に格納されるデータの中から第2取得条件を選択し、取得する。例えば図6(b)に示すように、第2の計画日情報取得部170は、操作者の指示情報に従い、第2取得条件として「晴れ」を取得する。
第2の条件振り分け部172は、第2取得条件に基づき、第2の記憶部124から発電電力量のデータを抽出する。例えば図6(c)に示すように、第2取得条件として、「晴れ」の日のデータを第2の記憶部124から抽出する。この場合、条件を追加してもよく、例えば気温20〜25度、9月などを追加してもよい。これにより、「晴れ」、「気温20〜25度」、「9月」の条件を満たすデータが第2の条件振り分け部172により抽出される。
第2計算データ抽出部174は、第2の条件振り分け部172で抽出されたデータを保管する。すなわち、第2計算データ抽出部174で保管されたデータは、クラスター処理部138に出力され、発電部102の発電電力量の取得に用いられる。
次に、図8を参照にしつつ図7に基づき、負荷需要データ取得部148の詳細な構成を説明する。図7は、負荷需要データ取得部148の構成を示すブロック図である。この図7に示すように、負荷需要データ取得部148は、第3の気象予報データ格納部176と、第3の計画日情報取得部178と、第3の条件振り分け部180と、第3計算データ抽出部182とを有している。
図8は、負荷需要データ取得部148における処理内容を説明する図であり、図8(a)は、第3の記憶部126である負荷需要実績DB記憶部内のデータ例を示す図であり、図8(b)は、気象予報データ格納例、及び第3取得条件の一例を示す図であり、図8(c)は、第3取得条件による振り分けられたデータの一例を示す図である。
第3の気象予報データ格納部176は、上述の第2の気象予報データ格納部168と同様の処理を行う。すなわち、負荷需要エネデータを取得する特定期間の気象予報データを格納する。ここでは、例えば図8(b)に示すように、特定期間の気象予報データとして、年月日、曜日、平日/休日、気温、湿度、雲量、風速、PV発電、天候などを格納する。
第3の計画日情報取得部178は、第1の計画日情報取得部162と同様に、第3の記憶部126から負荷2の消費電力量のデータを抽出するための第3取得条件を選択し、取得する。すなわち、第3の計画日情報取得部178は、第3の気象予報データ格納部176に格納されるデータの中から第3取得条件を選択し、取得する。例えば図8(C)に示すように、第3の計画日情報取得部178は、例えば操作者の指示情報に従い、第3取得条件として「晴れ」を取得する。
第3の条件振り分け部180は、第3の記憶部126から第3取得条件に基づいて負荷2の消費電力量のデータを抽出する。例えば図8(c)に示すように、第3取得条件として、「晴れ」の日のデータを第3の記憶部126から抽出する。この場合、条件を追加してもよく、例えば気温20〜25度、9月などを追加してもよい。
第3計算データ抽出部182は、第3の条件振り分け部180で抽出されたデータを保管する。すなわち、第3計算データ抽出部182で保管されたデータは、クラスター処理部138に出力され、負荷2の消費電力量の取得に用いられる。なお、本実施形態では、第1の計画日情報取得部162、第2の計画日情報取得部170、及び第3の計画日情報取得部178が入力部に対応する。
次に、図9に基づきクラスタリング処理部の処理の一例を詳細に説明する。図9は、クラスター処理部138において最長距離法を用いてクラスタリングを実施した一例を示す図である。ここでは、第1取得条件を「月曜日」として抽出されたデータのクラスター処理例について説明する。すなわち、ここでは定量的数値で取得可能な充電実施台数データ、水素需要実績データを対象に、最長距離法を適用する。
図9において縦軸は水素量を示している。ここでの水素量は、「月曜日」に燃料電池自動車に使用された水素需要実績データに対応する。すなわち、第1の記憶部122から取得された水素需要実績データは、γ=15、ω=18、δ=25、ξ=29である。ここでの単位は、例えば「Nm3」である。
図9中のSTEP1として示すように、各水素需要データ(γ、ω、δ、ξ)について各々の距離を計算するとν1=dγω=3、ν2=dωσ=7、ν3=dσξ=4、ν4=dωδ=7、ν5=dγδ=11、ν6=dγδ=10、ν7=dγξ=14となる。次に、STEP2として示すように、最短距離はdγωであるため、γとωを一つのクラスターとし、クラスターAに分類する。
図9中のSTEP2として示すように、δとクラスターA間(以下、δ−γωと表す)の距離をν4=dδω=7と、ν6=dδγ=10とのうち最長のものと定義すれば、dδ−γω=10となる。同様に、ξとクラスターA間(以下、ξ−γω)の距離をν5=dξω=11とν7=dξγ=14とのうちの最長のものと定義する。このとき、dξ−γω=14である。
図9中のSTEP3として示すように、dδ−γω=10、dξ−γω=14、ν8=dδξ=4を比較し、dδξが最短であることより、δとξを一つのクラスターとし、このクラスターをクラスターBに分類する。このようなグルーピングを行うと、所謂、デンドログラムが生成される。
クラスタリング処理部は、グルーピングされたグループの中で、例えば最後にグルーピングされたデータを除き、例えば平均値を算出する。すなわち、取得されたデータの中から、距離的に離れた位置にあるデータを除き、水素量の平均値を求めることが可能である。これにより、第1選択条件で選択されたデータの中から特性の異なるデータを除くことが可能であり、特定期間における第1水素量、すなわち、ここでは水素需要量の予測精度をより向上させることが可能である。なお、第1選択条件で選択された全データを第1水素量の演算に用いてもよい。この場合、第1選択条件で選択された全データの重心、すなわち平均値として算出される。
このように、最長距離法とは、最長のサンプル間距離をクラスター間距離とする手法であり、順序データも適用可能で、分類感度が高い。このため、データの種類に限られることなくより分類精度の高い結果を得ることが可能である。これより、定量的に計測された各々のデータの特性によって、グルーピングすることができるため、より精度の高いFCV運用の計画値、すなわち第1水素量の取得が可能である。同様に、第2取得条件、第3取得条件に従い抽出されたデータに対してもクラスター処理を行う。
次に、図10に基づき群平均法を用いたクラスタリング処理部の処理の一例を詳細に説明する。図10は、クラスター処理部138において群平均法を用いてクラスタリングを実施した一例を示す図である。ここでは、第1取得条件を「月曜日」として抽出されたデータのクラスター処理例について説明する。すなわち、定量的数値が取得可能である充電実施台数データ「台」、水素需要実績データ「Nm3」を対象に、各々群平均法を適用する。水素需要実績データを対象に、各々群平均法を適用する。例えば、点ΨとクラスターAの要素α11との距離をdΨα_11、同様にdΨα_12、dΨα_13、dΨα_14、…とし、これらの平均値をσ1、点ΨとクラスターBの要素β11との距離をdΨβ_11、同様にdΨβ_12、dΨβ_13、dΨβ_14、…とし、これらの平均値をσ2とする。このとき、Ψを平均値の小さいクラスターに属するように分類する分類方法である。
クラスタリング処理部は、例えばグルーピングされたグループの中から特異なグループを除き、残ったグループ内のデータの平均値を算出する。すなわち、取得されたデータの中から、距離的に離れた位置にあるデータを除き、水素量の平均値を求めることが可能である。これにより、特性の異なるデータを除くことが可能であり、特定期間における第1水素量、すなわち、ここでは水素需要量の予測精度をより向上させることが可能である。なお、群平均法を用いた場合にも、第1選択条件で選択された全データを第1水素量の演算に用いてもよい。この場合、第1選択条件で選択された全データの重心、すなわち平均値として算出される。
このように、群平均法とは、各クラスター同士ですべての組み合わせのサンプルに対し、サンプル間距離の平均をクラスター間距離とする方法である。このため、クラスターの要素に偏りや要素の拡散が起こりにくい。これにより、外れ値による影響を受けにくいグルーピング結果が得られる。このため、複雑なアルゴリズムを適用することなく、簡易な距離の計算でグルーピングすることができ、計算負荷を低減させることが可能である。
図11は、水素エネルギー貯蔵システム1の制御の流れの一例であるフローチャートを示す図であり、図11に基づき水素エネルギー貯蔵システム1の制御の流れの一例を説明する。ここでは、(3)式に示す水素貯蔵残量取得値δnに基づく水素発電部110と、水素製造部104との制御に関して説明する。
第1取得部128が特定期間nにおける第1水素量H1nを取得する(ステップS110)。続いて、第2取得部130が特定期間nにおける発電部102の発電量ωnを取得する(ステップS112)。更に続いて、第3取得部132が特定期間nにおける負荷2の消費電力量ξnを取得する(ステップS114)。
次に、第2水素量取得部134が、消費電力量ξnから発電部102の発電量ωnを減算し、第2水素量H2nを演算し、取得する(ステップS116)。そして、水素貯蔵部残量取得結果処理部152が水素貯蔵残量取得値δnを(3)式に従い取得する(ステップS118)。
次に、FC制御量算出処理部154は、水素貯蔵残量取得値δnが水素貯蔵部106の容量Fを超えるか否かを判定し(ステップS120)、超えない場合(ステップS120:NO)に、水素貯蔵残量取得値δnが0未満になる否かを判定する(ステップS122)。ここで、0未満になる場合(ステップS122:YES)に、水素発電部110の発電を制限し(ステップS124)、特定期間nの経過後に次の特定期間(n+1)の処理を行う。
一方で、水素貯蔵残量取得値δnが水素貯蔵部106の容量Fを超える場合(ステップS120:YES)に、水素製造部104の水素製造量を制限し(ステップS126)、特定期間nの経過後に次の特定期間(n+1)の処理を行う。
また、水素貯蔵残量取得値δnが0未満にならない場合(ステップS122:NO)に、特定期間nの経過後に次の特定期間(n+1)の処理を行う。
以上説明したように、本実施形態では、供給部108が特定期間nに供給する第1水素量H1nに応じて水素発電部110を制御することとした。これにより、特定期間nにおいて供給部108からの水素供給を優先して行うことができる。また、本実施形態では、供給部108が特定期間nに供給する第1水素量H1nに応じて水素製造部104を制御することとした。これにより、特定期間nにおいて水素貯蔵部106に貯蔵される水素量が所定の上限値を超えることを抑制できる。
(変形例)
第1実施形態では、水素貯蔵部106に貯蔵される水素量が所定値である0以下になる場合に、FC制御量算出処理部154は、水素発電部110の発電を制限していた。本変形例では、水素発電部110と、供給部108との間に優先順を設定可能であり、制御部116は、水素貯蔵部106に貯蔵される水素量が所定値以下になる場合に、優先順に基づき水素発電部110及び供給部108の制御を行うことで第1実施形態に係る動作制御装置100と相違する。以下に相違する部分を説明する。水素エネルギー貯蔵システム1の構成は第1実施形態と同等であるので説明を省略する。
第1実施形態では、水素貯蔵部106に貯蔵される水素量が所定値である0以下になる場合に、FC制御量算出処理部154は、水素発電部110の発電を制限していた。本変形例では、水素発電部110と、供給部108との間に優先順を設定可能であり、制御部116は、水素貯蔵部106に貯蔵される水素量が所定値以下になる場合に、優先順に基づき水素発電部110及び供給部108の制御を行うことで第1実施形態に係る動作制御装置100と相違する。以下に相違する部分を説明する。水素エネルギー貯蔵システム1の構成は第1実施形態と同等であるので説明を省略する。
制御部116は、水素発電部110と、供給部108との間の優先順を操作者の操作情報に従い設定する。制御部116は、特定期間nにおいて(3)式で示す水素貯蔵残量取得値δnがしきい値th以下になる場合、水素発電部110、及び供給部108の中の優先順の低い方の動作を制限する。ここでのしきい値thは、例えば水素貯蔵部106に貯蔵可能である水素量の10%である。
より詳細には、制御部116は、水素発電部110の優先順が高い場合、供給部108からの水素供給に制限をかける。一方で、制御部116は、供給部108の優先順が高い場合、水素発電部110の発電に制限をかける。
以上説明したように、本変形例では、制御部116が、水素貯蔵部106に貯蔵される水素量が特定期間に所定値th以下になる場合に、優先順に基づき供給部108、及水素発電部110の制御を行うこととした。これにより、水素貯蔵部106に貯蔵される水素量が所定値以下になった場合でも、状況に応じて供給部108、及水素発電部110の内の一方を優先的に使用可能である。
(第2実施形態)
第1実施形態では、水素貯蔵残量取得値δnが0以下になる場合に水素発電部110の発電を制限していたのに対し、第2実施形態では、水素貯蔵残量取得値δnが所定値以下になる場合に、商用系統から供給される電力を使用することで第1実施形態と相違する。以下に第1実施形態と相違する点を説明する。
第1実施形態では、水素貯蔵残量取得値δnが0以下になる場合に水素発電部110の発電を制限していたのに対し、第2実施形態では、水素貯蔵残量取得値δnが所定値以下になる場合に、商用系統から供給される電力を使用することで第1実施形態と相違する。以下に第1実施形態と相違する点を説明する。
図12は第2実施形態の構成を示すブロック図である。この図12に示すように、水素エネルギー貯蔵システム1には商用系統が接続されている。
FC制御量算出処理部154は、水素貯蔵残量取得値δnが所定値以下になる場合に、商用系統の商用電源184から不足する電力の供給を受ける。すなわち、水素製造部104は、外部電源から電力を受電可能であり、水素貯蔵残量取得値δnが所定値以下になる場合に、水素製造部104は、商用系統から受電した電力を用いて水素を製造する。ここでは、上述のthが所定値に対応する。図13は、第2実施系の水素エネルギー貯蔵システム1の動作の一例を示すフローチャート示す図である。図11と同様の処理には同一の番号を付して説明を省略する。
水素貯蔵残量取得値δnが0未満になる否かを判定し(ステップS128)、th未満になる場合(ステップS128:YES)に、商用電源184から供給を受ける(ステップS130)。すなわち、水素貯蔵部106の貯蔵量がth以下になる場合に、商用系統から不足する電力の供給を受ける制御行う。そして、水素製造部104は、商用系統から受電した電力を用いて水素を生成し、特定期間nの経過後に次の特定期間(n+1)の処理を行う。
一方で、th未満になる場合(ステップS128:NO)に、特定期間nの経過後に次の特定期間(n+1)の処理を行う。なお、所定値は0にしてもよい。0にすれば、水素貯蔵部106の貯蔵量が完全に無くなる場合に、商用電源184から電力供給を受けることが可能である。すなわち、買電電力をより低減させることが可能である。
このように、水素エネルギー貯蔵システム1における発電電力が不足する場合にのみ、商用系統から不足する電力の供給を受ける。このため、買電電力を低減させることが可能である。また、天候の急変により発電部104が発電しなくなった場合でも、計画通り燃料電池自動車への水素供給が可能となる。
以上説明したように、本実施形態では、制御部116が、水素貯蔵部106に貯蔵される水素量が特定期間に所定値th以下になる場合に、商用系統から受電した電力を用いて水素製造部104に水素を製造させることとした。これにより、水素貯蔵部106内の水素を維持しつつ、買電電力をより低減させることが可能である。
以上、いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例としてのみ提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図したものではない。本明細書で説明した新規な装置、方法及びプログラムは、その他の様々な形態で実施することができる。また、本明細書で説明した装置、方法及びプログラムの形態に対し、発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々の省略、置換、変更を行うことができる。添付の特許請求の範囲およびこれに均等な範囲は、発明の範囲や要旨に含まれるこのような形態や変形例を含むように意図されている。
Claims (10)
- 再生可能エネルギーにより発電する発電部から供給された電力を用いて、水の電気分解により水素を製造する水素製造部と、
前記水素製造部が製造した水素を貯蔵する水素貯蔵部と、
前記水素貯蔵部に貯蔵された水素を用いて発電した電力を負荷に供給する水素発電部と、
前記水素貯蔵部に貯蔵された水素を前記水素発電部に供給する経路と異なる経路により供給する供給部と、
前記供給部が特定期間に供給する第1水素量を取得する水素量取得部と、
前記第1水素量に応じて、前記水素製造部及び前記水素発電部のうちの少なくとも一方の制御を行う制御部と、
を備える水素エネルギー貯蔵システム。 - 前記制御部は、前記水素貯蔵部に貯蔵される水素量が前記特定期間に所定値以下になる場合に、前記水素発電部の発電を制限する制御を行う請求項1に記載の水素エネルギー貯蔵システム。
- 前記制御部は、前記水素発電部が発電に用いる水素量が、前記水素貯蔵部に貯蔵される水素量と前記第1水素量との差分の水素量以下になるように、前記水素発電部の発電を制限する制御を行う請求項1に記載の水素エネルギー貯蔵システム。
- 前記制御部は、前記水素貯蔵部に貯蔵される水素量が前記第1水素量より少ない場合に、前記水素発電部の発電を停止させる制御を行う請求項1に記載の水素エネルギー貯蔵システム。
- 前記制御部は、前記第1水素量を前記水素貯蔵部から供給しても、前記水素貯蔵部に貯蔵される水素量が前記特定期間に所定値以上になる場合に、前記水素製造部の水素製造量を制限する制御を行う請求項1乃至4のいずれか一項に記載の水素エネルギー貯蔵システム。
- 前記水素発電部と、前記供給部との間に優先順を設定可能であり、
前記制御部は、前記第1水素量の供給に応じて、前記水素貯蔵部に貯蔵される水素量が前記特定期間に所定値以下になる場合に、前記優先順に基づき前記水素発電部及び前記供給部の制御を行う請求項1に記載の水素エネルギー貯蔵システム。 - 前記水素製造部は、商用電源から電力を受電可能であり、
前記制御部は、前記水素貯蔵部に貯蔵される水素量が前記特定期間に所定値以下になる場合に、前記水素製造部における水素の製造を前記商用電源から供給される電力を用いて行なわせる制御を行う請求項1に記載の水素エネルギー貯蔵システム。 - 前記水素量取得部は、
前記供給部から過去に供給された水素量に関するデータ、前記発電部が過去に発電した発電電力量に関するデータ、及び前記負荷が過去に消費した消費電力量に関するデータを少なくとも記憶する情報記憶部と、
第1取得条件、第2取得条件、及び第3取得条件を入力する入力部と、
前記第1取得条件に対応する前記水素量を前記情報記憶部から取得し、当該水素量に基づき前記特定期間における前記第1水素量を取得する第1取得部と、
前記第2取得条件に対応する前記発電電力量を前記情報記憶部から取得し、当該発電電力量に基づき前記特定期間における前記発電部の発電電力量を取得する第2取得部と、
前記第3取得条件に対応する前記消費電力量を前記情報記憶部から取得し、当該消費電力量に基づき前記特定期間における前記負荷の消費電力量を取得する第3取得部と、
前記特定期間における前記発電部の発電電力量と、前記特定期間における前記負荷の消費電力量とに基づき、前記特定期間に増減する第2水素量を取得する第2水素量取得部と、
を有し、
前記制御部は、前記第1水素量と前記第2水素量との加算値に基づき、前記特定期間において前記水素貯蔵部に貯蔵される水素量を得る請求項1乃至7のいずれか一項に記載の水素エネルギー貯蔵システム。 - 再生可能エネルギーにより発電する発電部から供給された電力を用いて、水の電気分解により水素を製造する水素製造部と、前記水素製造部が製造した水素を貯蔵する水素貯蔵部と、前記水素貯蔵部と連通する経路を介して取得した水素を用いて発電した電力を負荷に供給する水素発電部と、前記水素貯蔵部に貯蔵された水素を前記水素発電部に供給する経路と異なる経路により供給する供給部と、を備える水素エネルギー貯蔵システムの制御方法であって、
前記供給部が特定期間に供給する第1水素量を取得する取得ステップと、
前記第1水素量に応じて前記水素製造部および前記水素発電部のいずれかを制御する制御ステップと、
を備える水素エネルギー貯蔵システムの制御方法。 - 請求項9に記載の水素エネルギー貯蔵システムの制御方法をコンピュータに実行させるプログラム。
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