JP2017151651A - 余剰電力買取価格決定システム、余剰電力買取単価決定システム、及び、基準買取単価設定システム - Google Patents

余剰電力買取価格決定システム、余剰電力買取単価決定システム、及び、基準買取単価設定システム Download PDF

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Abstract

【課題】 分散型発電装置のユーザと余剰電力を買い取る事業者の双方にとって利益の生じる分散型発電装置の余剰電力量の買取価格を決定する余剰電力買取価格決定システムを提供する。
【解決手段】 余剰電力買取価格決定システム10は、買取対象期間での買取単価である対象期間別買取単価を基準買取単価に基づいて算出する買取単価算出部11と、買取対象期間における対象期間別買取価格を算出して記憶装置30に記憶する買取価格算出部12を備える。基準買取単価は、ユーザの夫々に対して基準買取単価がユーザ別に定まる余剰電力量の単位発電原価の推定値を上回る第1条件、及び、逆潮流買取電力の卸単価から基準買取単価を差し引いた推定損益単価と余剰電力量の単位量当たりの原料ガスの消費量の増加により見込まれるガス事業者の利益の増加分の合計が正値となる第2条件の両方を満足するように設定されている。
【選択図】 図2

Description

ガス事業体から供給される原料ガスを消費して発電する余剰電力買取対象の分散型発電装置が商用系統に逆潮流させた前記分散型発電装置の余剰電力量を、前記ガス事業体が前記分散型発電装置のユーザから買い取る場合における、前記余剰電力量の買取価格を決定する余剰電力買取価格決定システム、前記余剰電力量の買取単価を決定する余剰電力買取単価決定システム、及び、前記余剰電力量の買取単価を決定するための基準買取単価を前記ユーザの全てに対して共通に設定する基準買取単価設定システムに関する。
上記の原料ガスを消費して発電する分散型発電装置としては、原料ガス(例えば、都市ガス)中の炭化水素ガスを改質処理して水素を生成し、当該水素を燃料として発電する燃料電池を備えた燃料電池発電システムがある。燃料電池発電システムは、システム内で発生する廃熱を回収して熱負荷を賄うことができるため、コジェネレーションシステム(熱電併給システム)の一種である。
都市ガス等を原料ガスとするコジェネレーションシステムとしては、原料ガスの燃焼によるガスエンジンの回転により発電機を駆動して発電するガスエンジン式のコジェネレーションシステムがあり、燃料電池発電システムが普及する以前に普及していた。燃料電池発電システムは、このガスエンジン式のコジェネレーションシステムと比較して発電効率が高いため、電力負荷に追従する運転制御が可能である(例えば、下記の特許文献1〜5等参照)。
しかし、家庭用のコジェネレーションシステムは、商用系統電源と系統連系して使用する場合には、通常、余剰電力を商用系統側に逆潮流させないことが求められている。このため、燃料電池発電システムでは、発電量が電力負荷を超えないように、つまり、余剰電力が発生しないように、電力負荷に追従する運転制御が行われている。尚、当該負荷追従運転が、電力負荷の変動に敏速に追従できない場合に備えて、僅かに発生した余剰電力を、電気ヒータ等で消費して蓄熱または放熱する方法や、蓄電池を備えて充電する方法等で、逆潮流を発生させない工夫が取られていた(例えば、下記の特許文献1〜5等参照)。
特開2004−296267号公報 特開2004−297905号公報 特開2005−025986号公報 特開2005−085663号公報 特開2005−135738号公報
都市ガス(天然ガス)を原料とする燃料電池発電システムは、環境負荷の低い天然ガスを使用する分散型発電装置であるため、送配電ロスがなく、発電効率が高く、省エネ効果及び省CO効果の大きいことが知られている。従って、斯かる分散型発電装置の余剰電力を有効に活用することができれば、社会全体における省エネ効果及び省CO効果の増大が見込まれ、更には、電力需要ピークを余剰電力で補完することでピークカット効果も見込まれる。
しかしながら、仮に、都市ガス等を原料とする分散型発電装置の余剰電力を逆潮流させて買い取る場合、商用系統の送配電事業者が買い取ることになるため、当該送配電事業者において、分散型発電装置の余剰電力の買い取りによって損失が生じないように、分散型発電装置のユーザからの買い取り価格は、低く抑えられることになる。このため、分散型発電装置のユーザにおいて余剰電力に対してコストメリットが生じない。更に、分散型発電装置の余剰電力の買い取りによって、余剰電力の発生に伴うガス需要が増大し、都市ガス等を供給するガス事業者のみが利益を得ることになるため、当該逆潮流電力の買い取りは、未だ実現していない。従って、省エネ効果及び省CO効果等の大きい燃料電池発電システムの発電能力が社会的に十分に活用されておらず、社会的損失が放置されている。
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、燃料電池発電システム等の原料ガスを消費して発電する分散型発電装置の余剰電力の有効活用を促進するために、分散型発電装置のユーザと余剰電力を買い取る事業者の双方にとって利益の生じる分散型発電装置の余剰電力量の買取価格を決定する余剰電力買取価格決定システム、前記余剰電力量の買取単価を決定する余剰電力買取単価決定システム、または、前記余剰電力量の買取単価を決定するための基準買取単価を前記ユーザの全てに対して共通に設定する基準買取単価設定システムを提供することにある。
本願発明者は、分散型発電装置に原料ガスを供給するガス事業体が、当該分散型発電装置の余剰電力を買い取ることで、分散型発電装置のユーザと余剰電力を買い取る事業者の双方にとって利益の生じる余剰電力量の買取価格の設定が可能であることを見出し、以下に説明する本発明に至った。
本発明に係る余剰電力買取価格決定システムは、ガス事業体から供給される原料ガスを消費して発電する余剰電力買取対象の分散型発電装置が商用系統に逆潮流させた前記分散型発電装置の余剰電力量を、前記ガス事業体が前記分散型発電装置のユーザから買い取る場合における、前記余剰電力量の買取価格を決定する情報処理システムであって、
前記原料ガスの価格変動の要因となる所定の原料価格または前記原料価格に相当する値の買取対象期間より前の所定時点または所定期間の値を第1入力値として受け付け、前記買取対象期間での前記買取単価である対象期間別買取単価を、前記第1入力値の変化に対して正の相関関係を有して単調または段階的に変化する基準買取単価に基づいて、前記ユーザの全てに対して共通に、前記買取対象期間別に前記第1入力値に応じて算出する買取単価算出部と、前記分散型発電装置の余剰電力を個別に計測可能な電力計が測定した前記余剰電力の前記買取対象期間における前記ユーザ別の累積余剰電力量を第2入力値として、前記対象期間別買取単価を第3入力値として受け付け、前記第2入力値及び前記第3入力値に基づいて、前記買取対象期間における対象期間別買取価格を前記ユーザ別に算出して、記憶装置に記憶する買取価格算出部を備え
前記基準買取単価が、所定の変動範囲内の任意の前記第1入力値において、前記ユーザの夫々に対して前記基準買取単価が前記ユーザ別に定まる前記余剰電力量の単位発電原価の推定値を上回る第1条件、及び、逆潮流買取電力の卸単価から前記基準買取単価を差し引いた推定損益単価と、前記余剰電力量の単位量当たりの前記原料ガスの消費量の増加により見込まれる前記ガス事業体の利益の増加分の合計が正値となる第2条件の両方を満足するように設定されていることを第1の特徴とする。
更に、本発明に係る余剰電力買取単価決定システムは、ガス事業体から供給される原料ガスを消費して発電する余剰電力買取対象の分散型発電装置が商用系統に逆潮流させた前記分散型発電装置の余剰電力量を、前記ガス事業体が前記分散型発電装置のユーザから買い取る場合における、前記余剰電力量の買取単価を決定する情報処理システムであって、
前記原料ガスの価格変動の要因となる所定の原料価格または前記原料価格に相当する値の買取対象期間より前の所定時点または所定期間の値を第1入力値として受け付け、前記買取対象期間での前記買取単価である対象期間別買取単価を、前記第1入力値の変化に対して正の相関関係を有して単調または段階的に変化する基準買取単価に基づいて、前記ユーザの全てに対して共通に、前記買取対象期間別に前記第1入力値に応じて算出する買取単価算出部を備え、
前記基準買取単価は、所定の変動範囲内の任意の前記第1入力値において、前記ユーザの夫々に対して前記基準買取単価が前記ユーザ別に定まる前記余剰電力量の単位発電原価の推定値を上回る第1条件、及び、逆潮流買取電力の卸単価から前記基準買取単価を差し引いた推定損益単価と、前記余剰電力量の単位量当たりの前記原料ガスの消費量の増加により見込まれる前記ガス事業体の利益の増加分の合計が正値となる第2条件の両方を満足するように設定されていることを第1の特徴とする。
上記第1の特徴の余剰電力買取価格決定システム及び余剰電力買取単価決定システムによれば、所定の変動範囲内の任意の第1入力値(原料ガスの価格変動の要因となる所定の原料価格またはその相当値)において、各ユーザ側の利益を個別に確保する第1条件とガス事業体側の利益を確保する第2条件を満足する基準買取単価を用いて、特定の買取対象期間における対象期間別買取単価を算出することができる。ところで、当該第1入力値は、分散型発電装置のユーザに適用するガス単価の設定にも使用されるため、対象期間別買取単価は、買取対象期間毎のガス料金の変動と正の相関関係を持って変動するため、第1入力値の変動の影響を抑制して、上記第1条件と第2条件を同時に満足する対象期間別買取単価を算出することができる。この結果、買取対象期間毎に、ガス料金が変動しても、複数の買取対象期間を通して長期間に亘って、分散型発電装置の余剰電力の買い取りを安定的に維持することが可能となる。
ここで、「ガス事業体」とは、ガス事業者単体の場合の他、ガス事業者とその関連事業者の複合企業体である場合を含む。従って、原料ガスの供給と余剰電力量の買い取りを同じガス事業者が行う場合以外に、原料ガスの供給をガス事業者が行い、余剰電力量の買い取りをその関連事業者が行う場合も想定される。
また、「分散型発電装置のユーザ」は、現に、余剰電力買取対象となっているユーザに限定されず、分散型発電装置を使用しているが、未だ余剰電力買取対象となっていないユーザ、分散型発電装置を所有していないが、将来、分散型発電装置を使用して余剰電力買取対象となるユーザを含む。但し、将来の余剰電力買取対象となるユーザの場合、余剰電力量の買取価格または買取単価は、余剰電力買取対象のユーザとなった場合のシミュレーションに応用される。
また、「分散型発電装置の余剰電力量」とは、「分散型発電装置の発電量」が「ユーザの電力負荷(消費電力量)」より大きい場合における前者から後者を差し引いた電力量(正値)となる。「分散型発電装置の余剰電力」とは、「分散型発電装置の出力電力」が「ユーザの電力負荷(消費電力)」より大きい場合における前者から後者を差し引いた電力(正値)となる。
また、「原料価格に相当する値」とは、原料価格の基準額に対する差額や比率、及び、原料価格に連動して変動する他の燃料価格等を意味する。
また、「個別に計測可能な電力計」とは、逆潮流される電力の内の分散型発電装置の余剰電力だけを個別に抜き出して計測可能な電力計を意味しており、当該電力計は必ずしも1台とは限らない。また、逆潮流電力が常に分散型発電装置の余剰電力と等しい場合は、「個別に計測可能な電力計」は逆潮流電力を計測可能な電力計となる。
また、「推定損益単価」は、逆潮流買取電力の卸単価が基準買取単価より大きい場合には、利益(正値)となり、基準買取単価が逆潮流買取電力の卸単価より大きい場合には、損失(負値)となる。つまり、基準買取単価と逆潮流買取電力の卸単価は、何れも第1入力値(原料ガスの価格変動の要因となる所定の原料価格またはその相当値)の変動に伴って変化するが、その変化の程度が異なるため、上述のように利益または損失が発生する可能性がある。
更に、対象期間別買取単価を、余剰電力買取対象の分散型発電装置のユーザの全てに対して共通に算出することで、全てのユーザに対して同時に第1条件及び第2条件を満足する対象期間別買取単価及び対象期間別買取価格の算出が簡素化されるとともに、対象期間別買取単価の基礎となる基準買取単価を、ユーザ別に設定する必要がなくなるため、基準買取単価を設定する処理の簡素化も図れ、演算負荷の軽減が大幅に図れる。
更に、本発明に係る余剰電力買取価格決定システム及び余剰電力買取単価決定システムは、上記第1の特徴に加えて、前記ユーザ毎のエネルギ負荷、使用する前記分散型発電装置の運転特性、及び、適用ガス料金に関する第1ユーザ特性情報を入力として受け付け、前記第1ユーザ特性情報に基づいて、前記第1入力値の前記所定の変動範囲内において、前記ユーザの夫々に対して前記第1条件と前記第2条件の両方を満足するように、前記基準買取単価を、前記ユーザの全てに対して共通に設定する基準買取単価設定部を備えることを第2の特徴とする。
上記第2の特徴の余剰電力買取価格決定システム及び余剰電力買取単価決定システムによれば、上記第1の特徴の余剰電力買取価格決定システム及び余剰電力買取単価決定システムにおいて使用する基準買取単価を、第1ユーザ特性情報に基づいて予め設定しておくことができる。
更に、本発明に係る余剰電力買取価格決定システム及び余剰電力買取単価決定システムは、上記第2の特徴に加えて、前記基準買取単価設定部が、前記ユーザの夫々に対して、前記所定の変動範囲内の複数の異なる前記第1入力値に対して前記余剰電力量の単位発電原価の推定値を夫々算出し、前記第1入力値を独立変数とし、対応する前記単位発電原価の推定値を従属変数とする前記独立変数と前記従属変数の対からなる標本点を複数導出し、前記標本点の分布に対して回帰分析を行い、前記第1入力値を独立変数とし前記単位発電原価の推定値を従属変数とする線形回帰式を導出し、更に、前記第1入力値の前記所定の変動範囲内において、前記線形回帰式の従属変数の値が、前記独立変数が同じ前記標本点の前記従属変数の値より大きくなるように前記線形回帰式の定数項を増加させて、前記第1条件を満足するように前記線形回帰式を修正し、当該修正後の線形回帰式を用いて前記基準買取単価を設定することを第3の特徴とする。
上記第3の特徴の余剰電力買取価格決定システム及び余剰電力買取単価決定システムによれば、所定の変動範囲内の任意の第1入力値において、各ユーザ側の利益を個別に確保する第1条件とガス事業体側の利益を確保する第2条件を満足する基準買取単価を、確実に設定することができる。
更に、本発明に係る余剰電力買取価格決定システム及び余剰電力買取単価決定システムは、上記何れかの特徴に加えて、前記ユーザの全てに対して、前記分散型発電装置の運転制御モードが、前記余剰電力量が発生しないように発電量を負荷に追従させる第1運転制御モードと、前記余剰電力量の発生を許容する第2運転制御モードの内の、前記第2運転制御モードに設定されていることを第4の特徴とする。
更に、本発明に係る余剰電力買取価格決定システム及び余剰電力買取単価決定システムは、上記第4の特徴に加えて、前記基準買取単価設定部が、前記ユーザ毎のエネルギ負荷、使用する前記分散型発電装置の運転特性、適用ガス料金、及び、適用電気料金に関する第2ユーザ特性情報を入力として受け付け、所与の前記第1入力値に対する前記余剰電力量の単位発電原価の推定値を、前記ユーザ別に、前記第1運転制御モードから前記第2運転制御モードへの前記分散型発電装置の運転制御モードの変更により増加する前記原料ガスの消費量に対するガス料金の推定増加額から、当該運転制御モードの変更で減少する前記商用系統から供給される電力使用量に対する電気料金の推定減少額を差し引いた差額を、前記ユーザ別に予め推定された前記余剰電力量の推定値で除して算出する単位発電原価算出部を備えることを第5の特徴とする。
上記第5の特徴の余剰電力買取価格決定システム及び余剰電力買取単価決定システムによれば、運転制御モードの変更に伴う電力使用量の減少を考慮して、正確な単位発電原価を算出できるため、過度に第1条件を満足させずに、第2条件に対するマージンを確保できる。尚、第2ユーザ特性情報の適用ガス料金と適用電気料金の基礎となるガス単価及び電気単価は第1入力値の変動に応じて変化するので、上記のガス料金の推定増加額と電気料金の推定減少額は、夫々、第1入力値が反映された値となる。
更に、本発明に係る余剰電力買取価格決定システム及び余剰電力買取単価決定システムは、上記第4または第5の特徴に加えて、前記第2運転制御モードでは、前記ユーザの一部または全てに対して、前記分散型発電装置は、前記余剰電力量が最大となるように運転制御されることが好ましい。
更に、本発明に係る余剰電力買取価格決定システム及び余剰電力買取単価決定システムは、上記第4または第5の特徴に加えて、前記第2運転制御モードでは、前記ユーザの一部または全てに対して、前記分散型発電装置は、定格運転されることが好ましい。
更に、本発明に係る余剰電力買取価格決定システム及び余剰電力買取単価決定システムは、上記第4または第5の特徴に加えて、前記第2運転制御モードでは、前記ユーザの一部または全てに対して、前記分散型発電装置は、前記第1入力値の前記所定の変動範囲内において、前記基準買取単価が前記第1条件と前記第2条件の両方を満足できる運転効率で運転されることが好ましい。
更に、本発明に係る余剰電力買取価格決定システム及び余剰電力買取単価決定システムは、上記第4または第5の特徴に加えて、前記ユーザの一部または全てに対して、前記分散型発電装置の運転制御モードが、常時、前記第2運転制御モードに設定されていることが好ましい。
更に、本発明に係る余剰電力買取価格決定システム及び余剰電力買取単価決定システムは、上記何れかの特徴に加えて、前記第1条件が、前記所定の変動範囲内において前記第1入力値が減少するに従い、或る前記第1入力値における前記基準買取単価から同じ前記第1入力値における前記余剰電力量の単位発電原価の推定値の最大値を差し引いたユーザ利益最小単価が単調または段階的に増加する第3条件を更に含むことを第6の特徴とする。
上記第6の特徴の余剰電力買取価格決定システム及び余剰電力買取単価決定システムによれば、第1条件におけるユーザ側の利益の少ないユーザにおいて、第1入力値(原料ガスの価格変動の要因となる所定の原料価格またはその相当値)が減少して、余剰電力の買い取りによる利益が増える状況において、当該利益をユーザ側の利益の少ないユーザに確実に分配でき、特に、ユーザ側の利益の少ないユーザに対して、余剰電力の買い取りに対するインセンティブを与えることができ、斯かるユーザが余剰電力の買い取りに協力できる条件が良くなり、分散型発電装置の発電能力の有効活用に貢献する。
更に、本発明に係る余剰電力買取価格決定システム及び余剰電力買取単価決定システムは、上記何れかの特徴に加えて、前記第1入力値の前記所定の変動範囲内において、前記ユーザの夫々に対して、前記分散型発電装置として、前記基準買取単価が前記第1条件と前記第2条件の両方を満足できるように、高効率運転可能な所定の余剰電力買取対象機種が選定されていることが好ましい。
更に、本発明に係る余剰電力買取価格決定システム及び余剰電力買取単価決定システムは、上記何れかの特徴に加えて、前記分散型発電装置が、都市ガスを前記原料ガスとする燃料電池を備えた熱電併給装置であることが好ましく、更には、前記分散型発電装置が、固体酸化物型燃料電池を備えた熱電併給装置を含むことが好ましい。
更に、本発明に係る基準買取単価設定システムは、ガス事業体から供給される原料ガスを消費して発電する余剰電力買取対象の分散型発電装置が商用系統に逆潮流させた前記分散型発電装置の余剰電力量を、前記ガス事業体が前記分散型発電装置のユーザから買い取る場合における、前記余剰電力量の買取単価を決定するための基準買取単価を、前記ユーザの全てに対して共通に設定する情報処理システムであって、
前記基準買取単価が、前記原料ガスの価格変動の要因となる所定の原料価格または前記原料価格に相当する値の買取対象期間より前の所定時点または所定期間の値を独立変数とし、前記独立変数の変化に対して正の相関関係を有して単調または段階的に変化する従属変数として与えられ、
前記ユーザ毎のエネルギ負荷、使用する前記分散型発電装置の運転特性、及び、適用ガス料金に関する第1ユーザ特性情報を入力として受け付け、前記第1ユーザ特性情報に基づいて、前記独立変数の所定の変動範囲内において、前記ユーザの夫々に対して、前記基準買取単価を、第1条件と第2条件の両方を満足するように設定する基準買取単価設定部を備え、
前記第1条件が、前記所定の変動範囲内の任意の前記独立変数において、前記ユーザの夫々に対して前記基準買取単価が前記ユーザ別に定まる前記余剰電力量の単位発電原価の推定値を上回ることであり、
前記第2条件が、逆潮流買取電力の卸単価から前記基準買取単価を差し引いた推定損益単価と、前記余剰電力量の単位量当たりの前記原料ガスの消費量の増加により見込まれる前記ガス事業体の利益の増加分の合計が正値となることであることを第1の特徴とする。
上記第1の特徴の基準買取単価設定システムによれば、上記第1の特徴の余剰電力買取価格決定システム及び余剰電力買取単価決定システムに対し、基準買取単価を、第1ユーザ特性情報に基づいて予め設定しておくことができ、上記第1の特徴の余剰電力買取価格決定システム及び余剰電力買取単価決定システムにおいて、所定の変動範囲内の任意の第1入力値(原料ガスの価格変動の要因となる所定の原料価格またはその相当値)において、各ユーザ側の利益を個別に確保する第1条件とガス事業体側の利益を確保する第2条件を満足する基準買取単価を用いて、特定の買取対象期間における対象期間別買取単価を算出することができる。
更に、本発明に係る基準買取単価設定システムは、上記第1の特徴に加えて、前記基準買取単価設定部が、前記ユーザの夫々に対して、前記所定の変動範囲内の複数の異なる前記独立変数に対して前記余剰電力量の単位発電原価の推定値を夫々算出し、前記独立変数と対応する前記単位発電原価の推定値の対からなる標本点を複数導出し、前記標本点の分布に対して回帰分析を行い、前記余剰電力量の単位発電原価の推定値を従属変数とする線形回帰式を導出し、更に、前記独立変数の前記所定の変動範囲内において、前記線形回帰式の従属変数の値が、前記独立変数が同じ前記標本点の前記単位発電原価の推定値より大きくなるように前記線形回帰式の定数項を増加させて、前記第1条件を満足するように前記線形回帰式を修正し、当該修正後の線形回帰式を用いて前記基準買取単価を設定することを第2の特徴とする。
上記第2の特徴の基準買取単価設定システムによれば、所定の変動範囲内の任意の第1入力値において、各ユーザ側の利益を個別に確保する第1条件とガス事業体側の利益を確保する第2条件を満足する基準買取単価を、確実に設定することができる。
更に、本発明に係る基準買取単価設定システムは、上記第1または第2の特徴に加えて、前記ユーザの全てに対して、前記分散型発電装置の運転制御モードが、前記余剰電力量が発生しないように発電量を負荷に追従させる第1運転制御モードと、前記余剰電力量の発生を許容する第2運転制御モードの内の、前記第2運転制御モードに設定され、
前記基準買取単価設定部が、前記ユーザ毎のエネルギ負荷、使用する前記分散型発電装置の運転特性、適用ガス料金、及び、適用電気料金に関する第2ユーザ特性情報を入力として受け付け、所与の前記独立変数に対する前記余剰電力量の単位発電原価の推定値を、前記ユーザ別に、前記第1運転制御モードから前記第2運転制御モードへの前記分散型発電装置の運転制御モードの変更により増加する前記原料ガスの消費量に対するガス料金の推定増加額から、当該運転制御モードの変更で減少する前記商用系統から供給される電力使用量に対する電気料金の推定減少額を差し引いた差額を、前記ユーザ別に予め推定された前記余剰電力量の推定値で除して算出する単位発電原価算出部を備えることを第3の特徴とする。
上記第3の特徴の基準買取単価設定システムによれば、運転制御モードの変更に伴う電力使用量の減少を考慮して、正確な単位発電原価を算出できるため、過度に第1条件を満足させずに、第2条件に対するマージンを確保できる。
本発明に係る余剰電力買取価格決定システム及び余剰電力買取単価決定システムによれば、分散型発電装置のユーザと余剰電力を買い取る事業者の双方にとって利益の生じる分散型発電装置の余剰電力量の買取価格を決定することができるため、燃料電池発電システム等の原料ガスを消費して発電する分散型発電装置の余剰電力の有効活用を促進することができる。この結果、省エネ及び省COが社会全体において広く効果的に促進される。
余剰電力買取対象である分散型発電装置のユーザが有する機器の構成例を示すブロック図。 本発明の実施形態に係る余剰電力買取価格決定システムの構成例について示すブロック図。 対象期間別買取単価の算出方法について示す模式的なグラフ。 基準買取単価設定システムの構成例について示すブロック図。 基準買取単価の設定方法について示す模式的なグラフ。 基準買取単価の設定方法について示す模式的なグラフ。 基準買取単価の設定方法について示す模式的なグラフ。
以下、本発明の実施形態に係る余剰電力買取価格決定システムについて説明する。本発明の実施形態に係る余剰電力買取価格決定システムは、ガス事業体から供給される原料ガスを消費して発電する余剰電力買取対象の分散型発電装置が商用系統に逆潮流させた分散型発電装置の余剰電力量を、ガス事業体が分散型発電装置のユーザから買い取る場合における、余剰電力量の買取価格を決定するものである。なお、ガス事業体とは、少なくともガスの供給事業を行うガス事業者を含む事業者群であり、ガス事業者のみで構成される場合もあれば、ガス事業者を含む複数の事業者(複合企業体)で構成される場合もある。例えば、ガス事業者を含む企業グループや、ガス事業者と経済的な協力関係にある他業種の事業者とでガス事業体が構成され得る。したがって、原料ガスの供給を行うガス事業体である事業者と、分散型発電装置の余剰電力を買い取る事業者は、同一のガス事業体ではあるが、異なる事業者(別の法人)である場合も当然にあり得る。ただし、以下では説明の簡略化のため、同一のガス事業者が、原料ガスの供給を行うとともに分散型発電装置の余剰電力を買い取る場合を例示する。
また、分散型発電装置とは、典型的には、固体酸化物型燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)や固体高分子形燃料電池(PEFC:Polymer Electrolyte Fuel Cell)に代表される燃料電池であり、都市ガスを消費して発電するとともに連続運転時の発電効率が大きい固体酸化物型燃料電池であると好ましい。なお、以下では、分散型発電装置が固体酸化物型燃料電池である場合を例に挙げて説明する。
<余剰電力買取対象である分散型発電装置のユーザが有する機器>
最初に、本発明の実施形態に係る余剰電力買取価格決定システムが決定する余剰電力量の買取価格が適用される、余剰電力買取対象である分散型発電装置のユーザが有する機器の構成例について図面を参照して説明する。図1は、余剰電力買取対象である分散型発電装置のユーザが有する機器の構成例を示すブロック図である。なお、図1は、1人(1世帯)のユーザのみを示している。
図1に示すように、ユーザ100は、分散型発電装置101と、屋内配線102と、電力負荷103と、熱負荷104と、電力計105を有している。上記の通り、分散型発電装置101は、余剰電力買取対象の分散型発電装置である
分散型発電装置101は、上述のように都市ガスを消費して発電する固体酸化物型燃料電池である。分散型発電装置101は、発電した直流電力を、様々な機器で使用可能であるとともに商用系統200に対する逆潮流が可能である交流電力に変換して出力するためのインバータを内蔵している。
分散型発電装置101は、余剰電力量が発生しないように発電量を負荷に追従させる運転制御モード(以下、「第1運転制御モード」と称する)で動作させずに、余剰電力の発生を許容する運転制御モード(以下、「第2運転制御モード」と称する)で動作するように、例えばガス事業者のサービスマン等によって設定されている。特に、分散型発電装置101が、余剰電力を最大化する(発電量を最大化する)第2運転制御モードや、定格運転する第2運転制御モードで動作するように設定されていると、分散型発電装置101の発電効率を最大値またはその近傍まで高めることができるため、好ましい。
電力負荷103は、電力を消費する機器で構成され、屋内配線102を介して分散型発電装置101及び商用系統200から供給される電力を消費する。なお、蓄電装置も、充電時に電力を消費するため、電力負荷103に含まれ得る。また、熱負荷103は、分散型発電装置101の廃熱を利用して水を加熱するボイラなどで構成される。
電力計105は、例えば測定値の情報を含むデータを送信するスマートメータで構成される。電力計105は、商用系統200からユーザ100に供給される電力の電力量を測定するとともに、ユーザ100から商用系統200に逆潮流する余剰電力の電力量である余剰電力量を測定する。ここで、余剰電力量とは、分散型発電装置101が商用系統200に逆潮流させた分散型発電装置101の余剰電力量であり、分散型発電装置101が発電した電力量から電力負荷103が消費した電力量を減じた電力量である。
なお、図1では、ユーザ100が、太陽光発電装置などの他の発電装置を有しない場合について例示しているが、ユーザ100がこれらの装置を有していてもよい。ただし、電力計105が、他の発電装置が逆潮流した余剰電力とは別に、分散型発電装置101が逆潮流した余剰電力を独立して計測可能であるものとする。
<余剰電力買取価格決定システム>
次に、本発明の実施形態に係る余剰電力買取価格決定システムの構成例について図2を参照して説明する。図2は、本発明の実施形態に係る余剰電力買取価格決定システムの構成例について示すブロック図である。
図1に示すように、本発明の実施形態に係る余剰電力買取価格決定システム10は、買取単価算出部11と、買取価格算出部12(「余剰電力買取単価決定システム」に相当)を備える。
買取単価算出部11及び買取価格算出部12の夫々は、例えばCPU(Central Processing Unit)などの演算装置と半導体メモリなどのメモリ装置とで構成され、演算装置が所定のプログラムを実行することによって動作を行う。なお、買取単価算出部11及び買取価格算出部12は、共通の演算装置及びメモリ装置で構成されていてもよい。
買取単価算出部11及び買取価格算出部12は、所定の期間である買取対象期間(例えば、1ヶ月)にユーザ100が逆潮流した余剰電力量の買取価格である対象期間別買取価格を算出する。以下、買取単価算出部11及び買取価格算出部12の夫々の処理について説明する。
まず、買取単価算出部11は、予め設定される(例えば、不揮発性のメモリ装置に記憶される)基準買取単価を用いて、買取対象期間における買取単価である対象期間別買取単価を算出する。この算出方法について、図面を参照して説明する。図3は、対象期間別買取単価の算出方法について示す模式的なグラフである。
図3に示す基準買取単価は、原油価格(例えば、1バレル当たりの単価)と買取単価(例えば、1kWh当たりの単価)の関係を表した関数であり、原油価格が大きくなるほど買取単価が大きくなるという正の相関関係があることを表す関数である。原油価格は、分散型発電装置101の原料ガスである都市ガスの単価の算定に用いられるものであり、都市ガスの単価に連動する値(原料価格に相当する値)である。なお、基準買取単価が、原料価格そのもの(例えば、都市ガスの1m当たりの単価)と買取単価の関係を表した関数であってもよい。また、基準買取単価は、原料価格または原料価格に相当する値の変化に対して正の相関関係を有して単調または段階的に変化するような関数であればよく、図3に示すような線形の関数(1次関数)ではない非線形の関数であってもよい。また、買取単価算出部11が、基準買取単価を関数のデータとして記憶していてもよいし、テーブルデータとして記憶していてもよい。
買取単価算出部11は、例えばハードディスクなどの大容量のデータを記録可能な記録装置で構成されるデータベース20から入力される原油価格である第1入力値を、図3に示す基準買取単価に適用することで、対象期間別買取単価を算出する。
第1入力値は、買取対象期間より前の所定時点または所定期間における原油価格である。具体的に例えば、第1入力値は、買取対象期間の5ヶ月前から2ヶ月前までの3ヶ月間における平均的な原油価格(例えば、都市ガスの単価を決定する際に使用する原油価格)である。また、買取単価算出部11が算出する対象期間別買取単価は、ユーザ#1〜#nの全てに共通する値である。なお、買取単価算出部11が、所定期間中の所定の時点(1日毎)における原油価格を取得するとともに、当該原油価格を平均化するなどして、第1入力値を算出してもよい。
買取価格算出部12は、ユーザ#1〜#nの夫々が有する電力計105が送信する余剰電力量のデータを記録するサーバ300から入力される、買取対象期間におけるユーザ別の累積余剰電力量である第2入力値を受け付ける。また、買取価格算出部12は、買取単価算出部11から入力される、買取単価算出部11が算出した対象期間別買取単価である第3入力値を受け付ける。なお、サーバ300は、ガス事業者が管理しているものであってもよいが、送配電を行う一般電気事業者などが管理しているものであってもよい。
そして、買取価格算出部12は、第2入力値及び第3入力値に基づいて(典型的には第2入力値に第3入力値を乗算する、さらに必要に応じて調整することで)、対象期間別買取価格をユーザ別に算出して、例えばハードディスクなどの大容量のデータを記録可能な記録装置で構成される記憶装置30に記憶する。なお、記憶装置30とデータベース20は、共通の記憶装置で構成されていてもよい。
次に、上述した余剰電力買取価格決定システム10における買取単価算出部11に対して基準買取単価を設定する基準買取単価設定システムの構成例について図4を参照して説明する。図4は、基準買取単価設定システムの構成例について示すブロック図である。
図4に示すように、基準買取単価設定システム50(「基準買取単価設定部」に相当)は、単位発電原価算出部51と、条件確認部52を備える。
単位発電原価算出部51及び条件確認部52の夫々は、例えばCPUなどの演算装置と半導体メモリなどのメモリ装置とで構成され、演算装置が所定のプログラムを実行することによって動作を行う。なお、単位発電原価算出部51及び条件確認部52の一部または全部は、共通の演算装置及びメモリ装置で構成されていてもよい。また、単位発電原価算出部51及び条件確認部52の一部または全部は、上述した余剰電力買取価格決定システム10における買取単価算出部11及び買取価格算出部12の一部または全部と共通の演算装置及びメモリ装置で構成されていてもよい。
単位発電原価算出部51及び条件確認部52は、例えばハードディスクなどの大容量のデータを記録可能な記録装置で構成されるデータベース40から入力されるユーザ特性情報を受け付ける。ユーザ特性情報は、ユーザ毎のエネルギ負荷(電力負荷及び熱負荷(給湯負荷))、使用する分散型発電装置101の運転特性、適用ガス料金(ユーザに適用される都市ガス料金の計算方法)及び適用電気料金(ユーザに適用される電気料金の計算方法)に関する情報である。なお、演算を簡略化する等の目的で、エネルギ負荷に熱負荷を含めないようにしてもよい。また、データベース40は、記憶装置30及びデータベース20の一部または全部と共通の記憶装置で構成されていてもよい。
ここで、単位発電原価算出部51及び条件確認部52による基準買取単価の設定方法について図面を参照して説明する。図5〜7は、基準買取単価の設定方法について示す模式的なグラフである。
最初に、単位発電原価算出部51が、図5に示すような余剰電力量の単位発電原価の推定値(図中のドット領域内の各点)を算出する。単位発電原価とは、単位量の余剰電力量を発電するために必要な原価である。
まず、単位発電原価算出部51は、ユーザ別に、第1運転制御モードから第2運転制御モードへの分散型発電装置101の運転制御モードの変更により増加する都市ガスの消費量に対するガス料金の推定増加額から、当該運転制御モードの変更で減少する商用系統200から供給される電力使用量に対する電気料金の推定減少額を差し引いた差額を、ユーザ別に予め推定された余剰電力量の推定値で除すことで、余剰電力量の単位発電原価の推定値を算出する。なお、ガス料金の推定増加額、電気料金の推定減少額及び余剰電力量の推定値の夫々は、1年間などの所定の期間の推定値である。また、ガス料金の推定増加額は、ユーザの電力負荷、熱負荷及び分散型発電装置101の運転特性に基づいて推定されるガス消費量の増加分と、適用ガス料金に基づいて算出することができる。また、電気料金の推定減少額は、ユーザの電力負荷及び分散型発電装置101の運転特性に基づいて推定される電力消費量の減少分と、適用電気料金に基づいて算出することができる。ただし、ユーザに適用される都市ガス料金及び電気料金は、原油価格(即ち、第1入力値)に応じて変動するものであるため、この演算を行うためには原油価格を仮定する必要がある。そのため、この演算で算出される余剰電力量の単位発電原価の推定値は、仮定した特定の原油価格の場合における余剰電力量の単位発電原価の推定値である。このように、余剰電力量の単位発電原価の推定値は、ユーザ毎のエネルギ負荷、使用する分散型発電装置101の運転特性、適用ガス料金及び適用電気料金に関する情報であるユーザ特性情報(「第2ユーザ特性情報」に相当)に基づいて算出することができる。
単位発電原価算出部51による上記の演算結果である、特定の原油価格の場合における余剰電力量の単位発電原価の推定値は、分散型発電装置101を第2運転モードで運転制御した場合における光熱費の推定額(ガス料金の推定額及び電気料金の推定額の合算額)から、分散型発電装置101を第1運転モードで運転制御した場合における光熱費の推定額を差し引いた差額を、ユーザ別に予め推定された余剰電力量の推定値で除すことでも算出することができる。なお、光熱費の推定額及び余剰電力量の推定値の夫々は、1年間などの所定の期間における推定値である。また、ガス料金の推定額は、ユーザの電力負荷、熱負荷及び分散型発電装置101の運転特性に基づいて推定されるガス消費量と、適用ガス料金に基づいて算出することができる。また、電気料金の推定額は、ユーザの電力負荷及び分散型発電装置101の運転特性に基づいて推定される電気消費量と、適用電気料金に基づいて算出することができる。
そして、単位発電原価算出部51は、上記の演算によって得られる仮定した特定の原油価格の場合における余剰電力量の単位発電原価の推定値を、所定の変動範囲内(P1以上P2以下)で原油価格を変動させながら複数算出することで、図5に示すような様々な原油価格の場合における単位発電原価の推定値(図中のドット領域)を算出する。なお、必要に応じて、算出された余剰電力量の単位発電原価に対して所定の関数を適用して調整を行ってもよい。
上記の方法によって算出される余剰電力量の単位発電原価の推定値は、図5に示すように、変動範囲内において原油価格が大きくなるほど、余剰電力量の単位発電原価の推定値の変動幅が広がるような分布(図中のドット領域)となる。具体的に、当該分布は、原油価格の変動範囲の下限値P1における余剰電力量の単位発電原価の推定値の変動幅(上限値Q12―下限値Q11)よりも、原油価格の上限値P2における余剰電力量の単位発電原価の推定値の変動幅(上限値Q22―下限値Q21)が大きくなる。また、当該分布は、余剰電力量の単位発電原価の推定値の下限値Q11及びQ12を結ぶ直線の傾きよりも、上限値Q12及びQ22を結ぶ直線の傾きの方が大きくなる。
次に、条件確認部52が、図6に示すような余剰電力量の単位発電原価の推定値の各点(図中のドット領域の各点)を標本点とする線形回帰式(図中の破線)を導出する。具体的に、条件確認部52は、単位発電原価算出部51の演算によって得られた余剰電力量の単位発電原価の推定値の各点である標本点の分布に対して、原油価格を独立変数、余剰電力量の単位発電原価の推定値を従属変数とする回帰分析を行い、図6に示すような線形回帰式を導出する。なお、線形回帰式の導出方法として、最小二乗法などの周知の方法を採用することができる。また、非線形回帰式を導出してもよく、この場合は非線形の関数である基準買取単価が設定されることになる。
上記の方法によって算出される線形回帰式は、図6に示すように、余剰電力量の単位発電原価の推定値の分布(図中のドット領域)の中間を通るような直線となる。具体的に、線形回帰式は、原油価格の変動範囲の下限値P1における余剰電力量の単位発電原価の推定値の上限値Q12及び下限値Q11の間と、原油価格の上限値P2における余剰電力量の単位発電原価の推定値の上限値Q22及び下限値Q21の間を通過する。また、線形回帰式の傾きは、余剰電力量の単位発電原価の推定値の下限値Q11及びQ12を結ぶ直線の傾きよりも大きく、余剰電力量の単位発電原価の推定値の上限値Q12及びQ22を結ぶ直線の傾きよりも小さくなる。
次に、条件確認部52は、得られた線形回帰式を修正することで、図6に示す基準買取単価(図中の実線)を設定する。このとき、条件確認部52は、少なくとも第1条件及び第2条件という2つの条件を満たすような基準買取単価を設定する。
第1条件とは、原油価格の所定の変動範囲(P1以上P2以下)内において、基準買取単価が、ユーザ別に定まる余剰電力量の単位発電原価の推定値(余剰電力量の単位発電原価の推定値の分布)を上回ることである。即ち、第1条件は、逆潮流した分散型発電装置101の余剰電力量の買取が、全てのユーザの利益になるための条件である。
具体的に、この第1条件を満たすようにするために、条件確認部52は、線形回帰式における余剰電力量の単位発電原価の推定値(従属変数の値)が、原油価格(独立変数)が同じ標本点の余剰電力量の単位発電原価の推定値(従属変数の値)より大きくなるように、線形回帰式の定数項を増加する修正を行うことで、基準買取単価を設定する。なお、この定数項の増加量の上限は、後述する第2条件によって決まる。
このとき、余剰電力量の単位発電原価の推定値の分布が図6に示すような状態であれば、第1条件を満たした基準買取単価は、原油価格の減少に従ってある原油価格における基準買取単価から同じ原油価格における余剰電力量の単位発電原価の推定値の最大値を差し引いたユーザ利益最小単価が単調または段階的に増加するという、第3条件を満たすものとなる。
第2条件とは、逆潮流買取電力の卸単価(ユーザから買い取った逆潮流された余剰電力を小売電気事業者等に卸売した場合の単価)から基準買取単価を差し引いた推定損益単価(ユーザの余剰電力の買取及び卸売によってガス事業者に生じる損益の単価)と、余剰電力量の単位量当たりの都市ガスの消費量の増加により見込まれるガス事業者の利益の増加分の合計が正値となることである。この第2条件について、図7を参照して説明する。
図7に示すように、逆潮流買取電力の卸単価(図中の破線)が基準買取単価(図中の実線)よりも大きくなる場合(図中で原油価格がP3より小さい範囲)、推定損益単価が正値になり、ガス事業者の利益となる。一方、逆潮流買取電力の卸単価が基準買取単価よりも小さくなる場合(図中で原油価格がP3より大きい範囲)、推定損益単価が負値になり、ガス事業者の損失になる。しかし、この場合でも、逆潮流をするためにユーザが都市ガスを大量に消費しているためにガス事業者に利益が生じており、当該利益が上記の損失を上回れば、損益相殺の結果、最終的にガス事業者の利益になり得る。そこで、条件確認部52は、基準買取単価が逆潮流買取電力の卸単価よりも小さくなる場合であっても、最終的にはガス事業者の利益になるように、基準買取単価を設定する。なお、ガス事業者の利益は、ユーザ毎のガス料金の推定額に基づいて算出することができるため、ユーザ毎のエネルギ負荷、使用する分散型発電装置101の運転特性及び適用ガス料金に関する情報であるユーザ特性情報(「第1ユーザ特性情報」に相当)に基づいて算出することができる。
以上のとおり、本発明の実施形態に係る余剰電力買取価格決定システム10によれば、分散型発電装置101のユーザと余剰電力を買い取るガス事業者の双方にとって利益の生じる分散型発電装置101の余剰電力量の買取価格を決定することができるため、都市ガスを消費して発電する分散型発電装置101の余剰電力の有効活用を促進することができる。この結果、省エネ及び省COが社会全体において広く効果的に促進される。
なお、上述の実施形態では、余剰電力買取価格決定システム10の買取単価算出部11に設定される基準買取単価が、基準買取単価設定システム50によって設定されるとしたが、例えば人がコンピュータ等を用いた演算によって得られた基準買取単価が買取単価算出部11に設定されるようにしてもよい。
また、上述の実施形態では、ユーザ100が、現実に分散型電源101を有しており余剰電力買取対象となっているユーザであるように説明しているが、基準買取単価の設定(図4〜7参照)で参照されるユーザは、このようなユーザに限られず、将来的に分散型発電装置101を使用して余剰電力買取対象となるユーザ含まれ得る。また、対象期間別買取価格が算出されるユーザも同様であり、当該ユーザにも将来的に分散型発電装置101を使用して余剰電力買取対象となるユーザが含まれ得る。ただし、将来的に分散型発電装置101を使用して余剰電力買取対象となるユーザに対して算出される対象期間別買取価格とは、例えば分散型発電装置101の導入を検討しているユーザに対して提案されるシミュレーション結果などの仮想的な情報である。
また、本発明は、ガス事業体が、原料ガスを供給するとともに分散型発電装置の余剰電力量を買い取ることを前提としているが、ガス事業体に属さない別事業者(例えば、ハウスメーカや燃料電池メーカなど)が余剰電力を買い取る場合に変形して適用することも可能である。この場合、別事業者は、ユーザの利益が確保されるように(即ち、第1条件が充足するように)基準買取単価を設定してもよいし、さらに別事業者における特定の利益も併せて確保されるように(即ち、第1条件に加えて、ガス事業体における第2条件に相当する別の条件も充足するように)基準買取単価を設定してもよい。ここで、別事業者における特定の利益として、ハウスメーカにおける家の購入が促進される利益や、燃料電池メーカにおける燃料電池の購入が促進される利益等が想定される。
本発明の電力需要予測システムは、ガス事業者から供給される原料ガスを消費して発電する余剰電力買取対象の分散型発電装置が商用系統に逆潮流させた前記分散型発電装置の余剰電力量を、前記ガス事業者が前記分散型発電装置のユーザから買い取る場合における、前記余剰電力量の買取価格を決定する余剰電力買取価格決定システム、前記余剰電力量の買取単価を決定する余剰電力買取単価決定システム、及び、前記余剰電力量の買取単価を決定するための基準買取単価を、前記ユーザの全てに対して共通に設定する基準買取単価設定システムに利用することができる。
10 : 余剰電力買取価格決定システム
11 : 買取単価算出部(余剰電力買取単価決定システム)
12 : 買取価格算出部
20 : データベース
30 : 記憶部
40 : データベース
50 : 基準買取単価設定システム(基準買取単価設定部)
51 : 単位発電原価算出部
52 : 条件確認部
100 : ユーザ
101 : 分散型発電装置
102 : 屋内配線
103 : 電力負荷
104 : 熱負荷
105 : 電力計
200 : 商用系統
300 : サーバ

Claims (20)

  1. ガス事業体から供給される原料ガスを消費して発電する余剰電力買取対象の分散型発電装置が商用系統に逆潮流させた前記分散型発電装置の余剰電力量を、前記ガス事業体が前記分散型発電装置のユーザから買い取る場合における、前記余剰電力量の買取価格を決定する余剰電力買取価格決定システムであって、
    前記原料ガスの価格変動の要因となる所定の原料価格または前記原料価格に相当する値の買取対象期間より前の所定時点または所定期間の値を第1入力値として受け付け、前記買取対象期間での前記買取単価である対象期間別買取単価を、前記第1入力値の変化に対して正の相関関係を有して単調または段階的に変化する基準買取単価に基づいて、前記ユーザの全てに対して共通に、前記買取対象期間別に前記第1入力値に応じて算出する買取単価算出部と、
    前記分散型発電装置の余剰電力を個別に計測可能な電力計が測定した前記余剰電力の前記買取対象期間における前記ユーザ別の累積余剰電力量を第2入力値として、前記対象期間別買取単価を第3入力値として受け付け、前記第2入力値及び前記第3入力値に基づいて、前記買取対象期間における対象期間別買取価格を前記ユーザ別に算出して、記憶装置に記憶する買取価格算出部を備え
    前記基準買取単価は、所定の変動範囲内の任意の前記第1入力値において、前記ユーザの夫々に対して前記基準買取単価が前記ユーザ別に定まる前記余剰電力量の単位発電原価の推定値を上回る第1条件、及び、逆潮流買取電力の卸単価から前記基準買取単価を差し引いた推定損益単価と、前記余剰電力量の単位量当たりの前記原料ガスの消費量の増加により見込まれる前記ガス事業体の利益の増加分の合計が正値となる第2条件の両方を満足するように設定されていることを特徴とする余剰電力買取価格決定システム。
  2. 前記ユーザ毎のエネルギ負荷、使用する前記分散型発電装置の運転特性、及び、適用ガス料金に関する第1ユーザ特性情報を入力として受け付け、前記第1ユーザ特性情報に基づいて、前記第1入力値の前記所定の変動範囲内において、前記ユーザの夫々に対して前記第1条件と前記第2条件の両方を満足するように、前記基準買取単価を、前記ユーザの全てに対して共通に設定する基準買取単価設定部を備えることを特徴とする請求項1に記載の余剰電力買取価格決定システム。
  3. 前記基準買取単価設定部は、前記ユーザの夫々に対して、前記所定の変動範囲内の複数の異なる前記第1入力値に対して前記余剰電力量の単位発電原価の推定値を夫々算出し、前記第1入力値を独立変数とし、対応する前記単位発電原価の推定値を従属変数とする前記独立変数と前記従属変数の対からなる標本点を複数導出し、前記標本点の分布に対して回帰分析を行い、前記第1入力値を独立変数とし前記単位発電原価の推定値を従属変数とする線形回帰式を導出し、更に、前記第1入力値の前記所定の変動範囲内において、前記線形回帰式の従属変数の値が、前記独立変数が同じ前記標本点の前記従属変数の値より大きくなるように前記線形回帰式の定数項を増加させて、前記第1条件を満足するように前記線形回帰式を修正し、当該修正後の線形回帰式を用いて前記基準買取単価を設定することを特徴とする請求項2に記載の余剰電力買取価格決定システム。
  4. 前記ユーザの全てに対して、前記分散型発電装置の運転制御モードが、前記余剰電力量が発生しないように発電量を負荷に追従させる第1運転制御モードと、前記余剰電力量の発生を許容する第2運転制御モードの内の、前記第2運転制御モードに設定されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の余剰電力買取価格決定システム。
  5. 前記基準買取単価設定部が、前記ユーザ毎のエネルギ負荷、使用する前記分散型発電装置の運転特性、適用ガス料金、及び、適用電気料金に関する第2ユーザ特性情報を入力として受け付け、所与の前記第1入力値に対する前記余剰電力量の単位発電原価の推定値を、前記ユーザ別に、前記第1運転制御モードから前記第2運転制御モードへの前記分散型発電装置の運転制御モードの変更により増加する前記原料ガスの消費量に対するガス料金の推定増加額から、当該運転制御モードの変更で減少する前記商用系統から供給される電力使用量に対する電気料金の推定減少額を差し引いた差額を、前記ユーザ別に予め推定された前記余剰電力量の推定値で除して算出する単位発電原価算出部を備えることを特徴とする請求項4に記載の余剰電力買取価格決定システム。
  6. 前記第2運転制御モードでは、前記ユーザの一部または全てに対して、前記分散型発電装置は、前記余剰電力量が最大となるように運転制御されることを特徴とする請求項4または5に記載の余剰電力買取価格決定システム。
  7. 前記第2運転制御モードでは、前記ユーザの一部または全てに対して、前記分散型発電装置は、定格運転されることを特徴とする請求項4または5に記載の余剰電力買取価格決定システム。
  8. 前記第2運転制御モードでは、前記ユーザの一部または全てに対して、前記分散型発電装置は、前記第1入力値の前記所定の変動範囲内において、前記基準買取単価が前記第1条件と前記第2条件の両方を満足できる運転効率で運転されることを特徴とする請求項4〜6の何れか1項に記載の余剰電力買取価格決定システム。
  9. 前記ユーザの一部または全てに対して、前記分散型発電装置の運転制御モードが、常時、前記第2運転制御モードに設定されていることを特徴とする請求項4〜8の何れか1項に記載の余剰電力買取価格決定システム。
  10. 前記第1条件は、前記所定の変動範囲内において前記第1入力値が減少するに従い、或る前記第1入力値における前記基準買取単価から同じ前記第1入力値における前記余剰電力量の単位発電原価の推定値の最大値を差し引いたユーザ利益最小単価が単調または段階的に増加する第3条件を更に含むことを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の余剰電力買取価格決定システム。
  11. 前記第1入力値の前記所定の変動範囲内において、前記ユーザの夫々に対して、前記分散型発電装置として、前記基準買取単価が前記第1条件と前記第2条件の両方を満足できるように、高効率運転可能な所定の余剰電力買取対象機種が選定されていることを特徴とする請求項1〜10の何れか1項に記載の余剰電力買取価格決定システム。
  12. 前記分散型発電装置は、都市ガスを前記原料ガスとする燃料電池を備えた熱電併給装置であることを特徴とする請求項1〜11の何れか1項に記載の余剰電力買取価格決定システム。
  13. 前記分散型発電装置は、固体酸化物型燃料電池を備えた熱電併給装置を含むことを特徴とする請求項1〜12の何れか1項に記載の余剰電力買取価格決定システム。
  14. ガス事業体から供給される原料ガスを消費して発電する余剰電力買取対象の分散型発電装置が商用系統に逆潮流させた前記分散型発電装置の余剰電力量を、前記ガス事業体が前記分散型発電装置のユーザから買い取る場合における、前記余剰電力量の買取単価を決定する余剰電力買取単価決定システムであって、
    前記原料ガスの価格変動の要因となる所定の原料価格または前記原料価格に相当する値の買取対象期間より前の所定時点または所定期間の値を第1入力値として受け付け、前記買取対象期間での前記買取単価である対象期間別買取単価を、前記第1入力値の変化に対して正の相関関係を有して単調または段階的に変化する基準買取単価に基づいて、前記ユーザの全てに対して共通に、前記買取対象期間別に前記第1入力値に応じて算出する買取単価算出部を備え、
    前記基準買取単価は、所定の変動範囲内の任意の前記第1入力値において、前記ユーザの夫々に対して前記基準買取単価が前記ユーザ別に定まる前記余剰電力量の単位発電原価の推定値を上回る第1条件、及び、逆潮流買取電力の卸単価から前記基準買取単価を差し引いた推定損益単価と、前記余剰電力量の単位量当たりの前記原料ガスの消費量の増加により見込まれる前記ガス事業体の利益の増加分の合計が正値となる第2条件の両方を満足するように設定されていることを特徴とする余剰電力買取単価決定システム。
  15. 前記ユーザ毎のエネルギ負荷、使用する前記分散型発電装置の運転特性、及び、適用ガス料金に関する第1ユーザ特性情報を入力として受け付け、前記第1ユーザ特性情報に基づいて、前記第1入力値の前記所定の変動範囲内において、前記ユーザの夫々に対して前記第1条件と前記第2条件の両方を満足するように、前記基準買取単価を、前記ユーザの全てに対して共通に設定する基準買取単価設定部を備えることを特徴とする請求項14に記載の余剰電力買取単価決定システム。
  16. 前記基準買取単価設定部は、前記ユーザの夫々に対して、前記所定の変動範囲内の複数の異なる前記第1入力値に対して前記余剰電力量の単位発電原価の推定値を夫々算出し、前記第1入力値を独立変数とし、対応する前記単位発電原価の推定値を従属変数とする前記独立変数と前記従属変数の対からなる標本点を複数導出し、前記標本点の分布に対して回帰分析を行い、前記第1入力値を独立変数とし前記単位発電原価の推定値を従属変数とする線形回帰式を導出し、更に、前記第1入力値の前記所定の変動範囲内において、前記線形回帰式の従属変数の値が、前記独立変数が同じ前記標本点の前記従属変数の値より大きくなるように前記線形回帰式の定数項を増加させて、前記第1条件を満足するように前記線形回帰式を修正し、当該修正後の線形回帰式を用いて前記基準買取単価を設定することを特徴とする請求項15に記載の余剰電力買取単価決定システム。
  17. 前記ユーザの全てに対して、前記分散型発電装置の運転制御モードが、前記余剰電力量が発生しないように発電量を負荷に追従させる第1運転制御モードと、前記余剰電力量の発生を許容する第2運転制御モードの内の、前記第2運転制御モードに設定され、
    前記基準買取単価設定部が、前記ユーザ毎のエネルギ負荷、使用する前記分散型発電装置の運転特性、適用ガス料金、及び、適用電気料金に関する第2ユーザ特性情報を入力として受け付け、所与の前記第1入力値に対する前記余剰電力量の単位発電原価の推定値を、前記ユーザ別に、前記第1運転制御モードから前記第2運転制御モードへの前記分散型発電装置の運転制御モードの変更により増加する前記原料ガスの消費量に対するガス料金の推定増加額から、当該運転制御モードの変更で減少する前記商用系統から供給される電力使用量に対する電気料金の推定減少額を差し引いた差額を、前記ユーザ別に予め推定された前記余剰電力量の推定値で除して算出する単位発電原価算出部を備えることを特徴とする請求項14〜16の何れか1項に記載の余剰電力買取単価決定システム。
  18. ガス事業体から供給される原料ガスを消費して発電する余剰電力買取対象の分散型発電装置が商用系統に逆潮流させた前記分散型発電装置の余剰電力量を、前記ガス事業体が前記分散型発電装置のユーザから買い取る場合における、前記余剰電力量の買取単価を決定するための基準買取単価を、前記ユーザの全てに対して共通に設定する基準買取単価設定システムであって、
    前記基準買取単価は、前記原料ガスの価格変動の要因となる所定の原料価格または前記原料価格に相当する値の買取対象期間より前の所定時点または所定期間の値を独立変数とし、前記独立変数の変化に対して正の相関関係を有して単調または段階的に変化する従属変数として与えられ、
    前記ユーザ毎のエネルギ負荷、使用する前記分散型発電装置の運転特性、及び、適用ガス料金に関する第1ユーザ特性情報を入力として受け付け、前記第1ユーザ特性情報に基づいて、前記独立変数の所定の変動範囲内において、前記ユーザの夫々に対して、前記基準買取単価を、第1条件と第2条件の両方を満足するように設定する基準買取単価設定部を備え、
    前記第1条件が、前記所定の変動範囲内の任意の前記独立変数において、前記ユーザの夫々に対して前記基準買取単価が前記ユーザ別に定まる前記余剰電力量の単位発電原価の推定値を上回ることであり、
    前記第2条件が、逆潮流買取電力の卸単価から前記基準買取単価を差し引いた推定損益単価と、前記余剰電力量の単位量当たりの前記原料ガスの消費量の増加により見込まれる前記ガス事業体の利益の増加分の合計が正値となることであることを特徴とする基準買取単価設定システム。
  19. 前記基準買取単価設定部は、前記ユーザの夫々に対して、前記所定の変動範囲内の複数の異なる前記独立変数に対して前記余剰電力量の単位発電原価の推定値を夫々算出し、前記独立変数と対応する前記単位発電原価の推定値の対からなる標本点を複数導出し、前記標本点の分布に対して回帰分析を行い、前記余剰電力量の単位発電原価の推定値を従属変数とする線形回帰式を導出し、更に、前記独立変数の前記所定の変動範囲内において、前記線形回帰式の従属変数の値が、前記独立変数が同じ前記標本点の前記単位発電原価の推定値より大きくなるように前記線形回帰式の定数項を増加させて、前記第1条件を満足するように前記線形回帰式を修正し、当該修正後の線形回帰式を用いて前記基準買取単価を設定することを特徴とする請求項18に記載の基準買取単価設定システム。
  20. 前記ユーザの全てに対して、前記分散型発電装置の運転制御モードが、前記余剰電力量が発生しないように発電量を負荷に追従させる第1運転制御モードと、前記余剰電力量の発生を許容する第2運転制御モードの内の、前記第2運転制御モードに設定され、
    前記基準買取単価設定部が、前記ユーザ毎のエネルギ負荷、使用する前記分散型発電装置の運転特性、適用ガス料金、及び、適用電気料金に関する第2ユーザ特性情報を入力として受け付け、所与の前記独立変数に対する前記余剰電力量の単位発電原価の推定値を、前記ユーザ別に、前記第1運転制御モードから前記第2運転制御モードへの前記分散型発電装置の運転制御モードの変更により増加する前記原料ガスの消費量に対するガス料金の推定増加額から、当該運転制御モードの変更で減少する前記商用系統から供給される電力使用量に対する電気料金の推定減少額を差し引いた差額を、前記ユーザ別に予め推定された前記余剰電力量の推定値で除して算出する単位発電原価算出部を備えることを特徴とする請求項18または19に記載の基準買取単価設定システム。
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