JPWO2018062114A1 - マイクロニードルアレイの薬剤担持方法及び薬剤担持装置 - Google Patents

マイクロニードルアレイの薬剤担持方法及び薬剤担持装置 Download PDF

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Abstract

マイクロニードルアレイの各ニードルの先端部に担持される薬剤の量を簡便に均一化できるマイクロニードルアレイの薬剤担持方法及び薬剤担持装置を提供する。基材16の平坦な表面上に所定厚みの薬液層15を形成し、基材16に対して薬液層15の層厚み方向に沿ってマイクロニードルアレイ11を移動させてマイクロニードル13の先端部を該薬液層に接触させ、その後、薬液層15の層厚み方向に沿ってマイクロニードルアレイを移動させてマイクロニードル13を薬液層15から離し、マイクロニードル13の先端部に付着した薬液18を乾燥させる。

Description

本発明は、マイクロニードルアレイの薬剤担持方法及び薬剤担持装置に関する。
薬剤の経皮投与法として、先端部に薬剤を担持したマイクロニードルのアレイによって皮膚穿刺し、穿刺後、マイクロニードルのアレイを皮膚から除去する際に皮内に薬剤を残す方法が知られている。
マイクロニードルアレイの各ニードルに薬剤を担持させる方法としては、ニードルの先端部を薬液槽に浸すディッピング法が知られており(例えば、特許文献1参照)、また、インクジェットにて各ニードルの先端部に薬液を塗布するインクジェット法も知られている(例えば、特許文献2参照)。
日本国特表2004−504120号公報 日本国特開2010−131123号公報
特許文献1に記載されたディッピング法では、薬液の表面張力に起因して薬液槽内の薬液表面に高低差が生じ、マイクロニードルアレイの各ニードルの微細な先端部に薬液を均一に付着させることが困難である。薬液表面の高低差の影響を軽減するには、マイクロニードルアレイの大きさに対して広くかつ深い薬液槽が必要となり、薬液の無駄が大きいという問題もあった。
また、特許文献2に記載されたインクジェット法では、マイクロニードルアレイの各ニードルの微細な先端部に対するインクジェットヘッドの位置決め精度、及び吐出された液滴の着弾精度に高精度を要し、制御が複雑である。
本発明は、上述した事情に鑑みなされたものであり、マイクロニードルアレイの各ニードルの先端部に担持される薬剤の量を簡便に均一化できるマイクロニードルアレイの薬剤担持方法及び薬剤担持装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様のマイクロニードルアレイの薬剤担持方法は、基材の平坦な表面上に所定厚みの薬液層を形成し、上記基材に対して上記薬液層の層厚み方向に沿ってマイクロニードルアレイを移動させてマイクロニードルの先端部を上記薬液層に接触させ、その後、上記薬液層の層厚み方向に沿って上記マイクロニードルアレイを移動させて上記マイクロニードルを上記薬液層から離し、上記マイクロニードルの上記先端部に付着した薬液を乾燥させる。
また、本発明の一態様のマイクロニードルアレイの薬剤担持装置は、マイクロニードルアレイのマイクロニードルの先端部を薬液に接触させて上記先端部に薬剤を担持させるマイクロニードルアレイの薬剤担持装置であって、平坦な表面に所定厚みの薬液層が形成された基材を保持する基材保持部と、上記マイクロニードルアレイを保持し、上記薬液層の厚み方向に沿って上記マイクロニードルを移動可能なアレイ保持部と、上記マイクロニードルアレイと上記アレイ保持部との間に介在し、上記アレイ保持部の移動方向に弾性変形可能な緩衝部材と、を備える。
本発明によれば、マイクロニードルアレイの各ニードルの先端部に担持される薬剤を簡便に均一化できるマイクロニードルアレイの薬剤担持方法及び薬剤担持装置を提供することができる。
本発明の実施形態を説明するためのマイクロニードルアレイの薬剤担持装置の一例の模式図である。 図1の薬剤担持装置の要部を拡大して示す斜視図である。 図1の薬剤担持装置を用いてマイクロニードルアレイの各ニードルの先端部に薬剤を担持させる工程を説明する模式図である。 図1の薬剤担持装置を用いてマイクロニードルアレイの各ニードルの先端部に薬剤を担持させる工程を説明する模式図である。 図1の薬剤担持装置を用いてマイクロニードルアレイの各ニードルの先端部に薬剤を担持させる工程を説明する模式図である。 図1の薬剤担持装置を用いてマイクロニードルアレイの各ニードルの先端部に薬剤を担持させる工程を説明する模式図である。 本発明の実験例の評価結果を示す表である。 本発明の実験例の評価結果を示す表である。
図1及び図2は、本発明の実施形態を説明するための薬剤担持装置の一例を示す。
薬剤担持装置1は、例えばテーブル等に設置される台座2と、台座2に垂直に立設された支柱3と、支柱3に沿って上下方向に延びたガイド4と、上下移動可能にガイド4に支持されているアレイ保持部5と、アレイ保持部5を上下移動させるべく支柱3の上部に設けられた駆動部6とを備える。アレイ保持部5を上下移動させる構成としては、特に限定されるものではないが、送りねじ機構を例示でき、ねじ軸に螺合するナットがアレイ保持部5に設けられ、ねじ軸が駆動部6によって回転されることによってアレイ保持部5は上下移動される。
アレイ保持部5の移動は、コントローラ7の制御部8によって制御され、例えば移動速度や停止位置といったアレイ保持部5の動作パターンが、操作部9を介して制御部8に設定される。設定された動作パターンに基づき制御部8が駆動部6を動作させることによってアレイ保持部5が移動される。
アレイ保持部5は、緩衝部材10を介してマイクロニードルアレイ11を保持する。マイクロニードルアレイ11は、支持体12と、支持体12の一面に配列された多数の円錐状のマイクロニードル13を有する。アレイ保持部5に保持されたマイクロニードルアレイ11の下方には、基材保持部14が設けられており、基材保持部14には、表面に所定厚みの薬液層15が形成された基材16が設置される。
緩衝部材10は、アレイ保持部5の移動方向に弾性変形可能に構成され、本例では、図2に示すように、二つの可撓な帯片10aを含み、これらの帯片10aが円輪状に丸められ且つアレイ保持部5の移動方向と平行な中心軸Xを中心として回転対称に配置されて構成されている。二つの帯片10aの上側の交差部分がアレイ保持部5に取り付けられ、二つの帯片10aの下側の交差部分には、マイクロニードルアレイ11の支持体12を取り付け可能な取付部17が設けられている。なお、帯片10aの材料としては、例えばプラスチックフィルムや紙を用いることができ、また、図示の例では、緩衝部材10は、二つの帯片10aによって構成されているが、帯片10aの数及び材料は、緩衝部材10に必要な弾性率に応じて変更可能である。好ましくは、帯片10aは透明な材料からなり、これにより、取付部17に取り付けられたマイクロニードルアレイ11、及びマイクロニードルアレイ11の下方に設置される基材16が緩衝部材10を通して視認可能となる。
マイクロニードルアレイ11は、各マイクロニードル13の先端を下に向けた状態で取付部17に取り付けられ、マイクロニードル13の先端は、基材保持部14の水平な上面及びこの上面に設置された基材16に対向して配置される。
基材16は、例えば樹脂製のフィルムであり、基材16の表面は平坦に形成されている。そして、基材16の平坦な表面には、マイクロニードルアレイ11の各マイクロニードル13の先端部に担持させる薬剤を含んだ所定厚みの薬液層15が形成されている。薬液層15は、例えばロールコータやアプリケーターやディスペンサーを用いて形成することができる。ロールコータやアプリケーターやディスペンサーは、塗工精度に優れ、薬液の塗布厚を任意に決定でき、さらには広範な粘度範囲の薬液に対応することができる。
図3から図6は、薬剤担持装置1を用いたマイクロニードルアレイ11の薬剤担持方法を示す。
先ず、図3に示すように、表面に所定厚みTの薬液層15が形成された基材16が薬剤担持装置1の基材保持部14(図2参照)の上面に設置される。また、マイクロニードルアレイ11が緩衝部材10を介して薬剤担持装置1のアレイ保持部5に保持され、各マイクロニードル13の先端が、基材保持部14に設置された基材16に対向して配置される。薬液層15の厚みTは、マイクロニードル13の先端部に担持させる薬剤量に応じて適宜設定されるが、少なくともマイクロニードル13の針高さHより小さく設定される。
ここで、基材16の表面に塗布された薬液には表面張力が作用し、この表面張力は薬液表面を丸めるように働くところ、基材16の表面に塗布された薬液表面は重力の影響によって基材16の表面に沿って平坦化される。これにより、薬液層15の表面に高低差が生じることが抑制される。
続いて、図4に示す、コントローラ7の制御部8(図1参照)の制御のもと、アレイ保持部5が薬液層15の層厚み方向である下方に移動される。これにより、マイクロニードルアレイ11の各マイクロニードル13が薬液層15に接触する。上記のとおり薬液層15の厚みTがマイクロニードル13の針高さHより小さく設定されていることから、マイクロニードル13の先端部のみが薬液層15に接触する。
本例では、下方に移動されるアレイ保持部5の停止位置は、マイクロニードル13の先端が基材16の表面に当接した状態となる位置に設定されており、図5に示すように、マイクロニードル13の先端と基材16の表面との当接において、円輪状に丸められた二つの帯片10aの撓みを伴い、緩衝部材10がアレイ保持部5の移動方向である上下方向に弾性的に圧縮される。これにより、基材16の表面との当接によってマイクロニードル13の先端に負荷される衝撃が緩和される。
その後、図6に示すように、コントローラ7の制御部8(図1参照)の制御のもと、アレイ保持部5が上方に移動され、マイクロニードルアレイ11の各マイクロニードル13が薬液層15から離間される。薬液層15に接触したマイクロニードル13の先端部には薬液18が付着しており、マイクロニードル13の先端部に付着した薬液18が乾燥され、マイクロニードル13の先端部に薬剤が担持される。
以上の薬剤担持方法によれば、基材16の平坦な表面に形成された薬液層15は、表面張力に起因する高低差の発生が重力の影響によって抑制されているので、マイクロニードルアレイ11の各マイクロニードル13の先端部に均一に薬液を付着させることができ、各マイクロニードル13の先端部に担持される薬剤の量を均一化することができる。また、薬液層15が上記のとおり平坦化されることから、マイクロニードルアレイ11の大きさに対して薬液層15を過度に広げる必要がなくなり、薬液の無駄を省くこともできる。
そして、本例では、薬液層15の厚みTをマイクロニードル13の針高さHより小さく設定し、マイクロニードル13の先端を基材16に当接させてマイクロニードル13の先端部を薬液層15に接触させている。これにより、薬液層15の厚みTの設定によってマイクロニードル13の先端部の薬液層15との接触高さを簡便且つ正確に制御することができる。
さらに、本例では、アレイ保持部5の移動方向に弾性変形可能な緩衝部材10を介してマイクロニードルアレイ11を保持し、基材16の表面との当接によってマイクロニードル13の先端に負荷される衝撃を緩和している。これにより、基材16の表面との当接によってマイクロニードル13の先端が潰れることを抑制することができ、マイクロニードル13の先端部の薬液層15との接触高さを一層簡便且つ正確に制御することができる。
以下、本発明の実験例について説明する。
実験例1及び実験例2では、基材の平坦な表面に形成した薬液層にマイクロニードルアレイの各マイクロニードルの先端部を接触させ、マイクロニードルの先端部の薬液との接触高さ及び先端部に担持された薬剤量のばらつき及びマイクロニードルの先端部の潰れの有無について評価した。
<マイクロニードルアレイ>
実験例1及び実験例2には、直径8mmの円板状の支持体の一面に、ポリカーボネートからなる円錐状(高さ300μm×底面の直径300μm)の305本のマイクロニードルが配列されたマイクロニードルアレイを用いた。
<薬液及び基材>
接触高さのばらつきの評価用として薬液Aを、薬剤の担持量の評価用として薬液Bを、以下に示す配合比(質量%)で調整した。
・薬液A
ヒドロキシプロピルセルロースL(NISSO製) 15%
エバンスブルー(関東化学製) 1%
水 84%
・薬液B
ヒドロキシプロピルセルロースL(NISSO製) 15%
デキサメタゾンリン酸エステルナトリウム
(Crystal pharma製) 10%
水 75%
ポリエチレンテレフタレートフィルムを基材とし、上記の薬液A及び薬液Bを基材の表面に厚み150μmとなるように塗布し、基材の表面に薬液層を形成した。
<実験例1>
実験例1では、図1及び図2に示した薬剤担持装置1、すなわち緩衝部材10を備える薬剤担持装置を用い、マイクロニードルアレイの各マイクロニードルの先端を基材に当接させた状態で、マイクロニードルの先端部を薬液層に約5秒接触させた後、マイクロニードルを薬液層から離した。その後、マイクロニードルの先端部を上向きにした状態で12時間〜24時間室温にて乾燥させた。薬液Aを付着させたマイクロニードルアレイについては、マイクロニードルの先端部をマイクロスコープにて観察し、薬液Aによって着色された範囲の軸方向長さを接触高さとして測定し、また先端部の潰れの有無を確認した。また、薬液Bを付着させたマイクロニードルアレイについては、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により薬剤担持量を測定した。
<実験例2>
実験例2では、緩衝部材10を省略した薬剤担持装置を用い、マイクロニードルアレイの各マイクロニードルの先端を基材に当接させた状態で、マイクロニードルの先端部を薬液層に接触させた。その他の条件は実験例1と同じとし、薬液Aを付着させたマイクロニードルアレイについては、マイクロニードルの先端部をマイクロスコープにて観察し、薬液Aによって着色された範囲の軸方向長さを接触高さとして測定し、また先端部の潰れの有無を確認した。また、薬液Bを付着させたマイクロニードルアレイについては、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により薬剤担持量を測定した。
<高速液体クロマトグラフィー(HPLC)>
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)による薬物担持量の測定方法について説明する。遠心チューブに超純水を1ミリリットル加え、薬剤を担持したマイクロニードルの先端部が超純水に浸かるようにセットした。この状態で、室温にて12時間〜24時間静置し、その後、遠心チューブ中の溶液を回収して測定サンプルとした。
測定サンプルの分析に用いた装置および測定条件は、下記のとおりである。
・装置 :LC−2010HT(島津製作所製)
・カラム :Kinetex5 C8 100A,5μm,4.6×250mm
(島津ジーエルシー製)
・カラム温度:40°C
・注入量 :50μL
・流速 :0.65mL/min
・検出波長 :254nm
・移動相 :0.1%リン酸緩衝液/アセトニトリル/メタノール=54/35/11
実験例1及び実験例2それぞれのマイクロニードルの先端形状、接触高さのばらつき、及び薬液担持量のばらつきを図7の表に示す。マイクロニードルの先端形状については、緩衝部材10を備える薬剤担持装置を用いた実験例1ではマイクロニードルの先端の潰れが生じていないのに対し、緩衝部材10を省略した薬剤担持装置を用いた実験例2では、マイクロニードルの先端の潰れが確認された。また、接触高さのばらつきについては、相対標準偏差(R.S.D.)で、実験例1は7.1%であったのに対し、実験例2は14.8%であった。また、薬剤担持量については、相対標準偏差(R.S.D.)で、実験例1は4.0%であったのに対し、実験例2は13.0%であった。
このように、基材の表面との当接によってマイクロニードルの先端に負荷される衝撃を緩衝部材を用いて緩和することにより、マイクロニードルの先端の潰れを抑制し、接触高さ及び薬液担持量のばらつきを軽減できることがわかる。すなわち、緩衝部材が安定した薬剤の担持に有用であることがわかる。
<実験例3>
実験例3では、大容量の薬剤担持におけるばらつきの評価を目的として、一辺5mmの正方形状の支持体の一面に、環状オレフィンコポリマーからなる円錐状 (高さ500μm×底面の直径400μm)の9本のマイクロニードルが配列されたマイクロニードルアレイを用い、薬剤の担持量を評価した。
<薬液及び基材>
薬剤の担持量の評価用として薬液Cを、以下に示す配合比(質量%)で調整した。
・薬液C
ヒドロキシプロピルセルロースL(NISSO製) 5%
デキサメタゾンリン酸エステルナトリウム
(Crystal pharma製) 40%
エバンスブルー(関東化学製) 0.1%
水 54.9%
ポリエチレンテレフタレートフィルムを基材とし、上記の薬液Cを基材の表面に厚み450μmとなるように塗布し、基材の表面に薬液層を形成した。
実験例3では、図1及び図2に示した薬剤担持装置1、すなわち緩衝部材10を備える薬剤担持装置を用い、マイクロニードルアレイの各マイクロニードルの先端を基材に当接させた状態で、マイクロニードルの先端部を薬液層に0.1〜0.5秒程度接触させた後、マイクロニードルを薬液層から離した。その後、マイクロニードルの先端部を上向きにした状態で2時間室温にて乾燥させた。さらに図1及び図2に示した薬剤担持装置1、すなわち緩衝部材10を備える薬剤担持装置を用い、マイクロニードルアレイの各マイクロニードルの先端を基材に当接させた状態で、マイクロニードルの先端部を薬液層に0.1〜0.5秒程度接触させた後、マイクロニードルを薬液層から離した。その後、マイクロニードルの先端部を上向きにした状態で12時間〜24時間室温にて乾燥させた。マイクロニードルの先端部をマイクロスコープにて観察し、先端部の潰れの有無を確認した。その後、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により薬剤担持量を測定した。
<高速液体クロマトグラフィー(HPLC)>
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)による薬物担持量の測定方法について説明する。遠心チューブに超純水を1ミリリットル加え、薬剤を担持したマイクロニードルの先端部が超純水に浸かるようにセットした。この状態で、室温にて12時間〜24時間静置し、その後、遠心チューブ中の溶液を回収して測定サンプルとした。
測定サンプルの分析に用いた装置および測定条件は、下記のとおりである。
・装置 :LC−2010HT(島津製作所製)
・カラム :Kinetex5 C8 100A,5μm,4.6×250mm
(島津ジーエルシー製)
・カラム温度:40°C
・注入量 :50μL
・流速 :0.65mL/min
・検出波長 :254nm
・移動相 :0.1%リン酸緩衝液/アセトニトリル/メタノール=54/35/11
実験例3のマイクロニードルの先端形状、及び薬液担持量のばらつきを図8の表に示す。マイクロニードルの先端形状については、緩衝部材10を備える薬剤担持装置を用いた実験例3ではマイクロニードルの先端の潰れが生じていないことが確認された。また、薬剤担持量については、相対標準偏差(R.S.D.)で、実験例3は6.1%であった。
このように、大容量の薬剤担持においても、基材の表面との当接によってマイクロニードルの先端に負荷される衝撃を緩衝部材を用いて緩和することにより、マイクロニードルの先端の潰れを抑制し、薬液担持量のばらつきを軽減できることがわかる。すなわち、緩衝部材が安定した薬剤の担持に有用であることがわかる。
本発明は、薬剤を経皮投与するためのマイクロニードルアレイに用いることができる。
以上本発明の実施形態を詳述したがこれはあくまで一例示であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた態様で実施可能である。本出願は、2016年9月30日出願の日本特許出願(特願2016−193818)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
1 薬剤担持装置
2 台座
3 支柱
4 ガイド
5 アレイ保持部
6 駆動部
7 コントローラ
8 制御部
9 操作部
10 緩衝部材
10a 帯片
11 マイクロニードルアレイ
12 支持体
13 マイクロニードル
14 基材保持部
15 薬液層
16 基材
17 取付部
18 薬液
X 中心軸

Claims (5)

  1. 基材の平坦な表面上に所定厚みの薬液層を形成し、
    前記基材に対して前記薬液層の層厚み方向に沿ってマイクロニードルアレイを移動させてマイクロニードルの先端部を該薬液層に接触させ、
    その後、前記薬液層の層厚み方向に沿って前記マイクロニードルアレイを移動させて前記マイクロニードルを前記薬液層から離し、
    前記マイクロニードルの前記先端部に付着した薬液を乾燥させるマイクロニードルアレイの薬剤担持方法。
  2. 請求項1記載のマイクロニードルアレイの薬剤担持方法であって、
    前記薬液層の層厚みは、前記マイクロニードルの高さより小さく、
    前記マイクロニードルの先端部を前記薬液層に接触させる際に、前記マイクロニードルの先端を前記基材に当接させるマイクロニードルアレイの薬剤担持方法。
  3. 請求項2記載のマイクロニードルアレイの薬剤担持方法であって、
    前記マイクロニードルアレイの移動方向に該マイクロニードルアレイを弾性的に支持した状態で前記マイクロニードルの先端を前記基材に当接させるマイクロニードルアレイの薬剤担持方法。
  4. マイクロニードルアレイのマイクロニードルの先端部を薬液に接触させて該先端部に薬剤を担持させるマイクロニードルアレイの薬剤担持装置であって、
    平坦な表面に所定厚みの薬液層が形成された基材を保持する基材保持部と、
    前記マイクロニードルアレイを保持し、前記薬液層の厚み方向に沿って前記マイクロニードルを移動可能なアレイ保持部と、
    前記マイクロニードルアレイと前記アレイ保持部との間に介在し、前記アレイ保持部の移動方向に弾性変形可能な緩衝部材と、
    を備えるマイクロニードルアレイの薬剤担持装置。
  5. 請求項4記載のマイクロニードルアレイの薬剤担持装置において、
    前記緩衝部材は、前記アレイ保持部の移動方向と平行な軸を中心として回転対称に配置された複数の可撓な帯片によって構成されているマイクロニードルアレイの薬剤担持装置。
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