[実施形態の概要]
無線端末が、ユーザが着用可能な無線端末であるウェアラブル端末(Wearable UE)のデータを近傍サービスにより中継することが議論されている。中継端末を経由したウェアラブル端末とネットワークとの間に接続が確立された後、当該接続を介して、ウェアラブル端末のデータが伝送されることが想定される。
しかしながら、例えば、中継端末がRRCアイドル状態へ移行することにより、接続の一部が切断された場合には、ウェアラブル端末のデータを伝送できないという問題がある。
一の実施形態に係る無線端末は、他の無線端末とネットワークとの間で中継を行うよう構成される。前記無線端末は、前記無線端末が前記他の無線端末の中継端末であることを示す第1情報を前記ネットワークへ通知するよう構成されるトランスミッタと、前記無線端末を経由する前記他の無線端末と前記ネットワークとの間の接続を介して、前記他の無線端末宛てのデータを前記他の無線端末へ転送するよう構成されるコントローラと、前記接続の少なくとも一部が解放されている場合に、前記他の無線端末宛てのデータが存在することを示すメッセージを前記ネットワークから受信するよう構成されるレシーバと、を備える。前記コントローラは、前記メッセージの受信に応じて、前記他の無線端末宛てのデータを転送するために、前記接続を確立するための制御を開始するよう構成される。
前記コントローラは、前記無線端末と前記他の無線端末との間の接続を確立することによって、前記接続を確立するよう構成されてもよい。
前記コントローラは、前記無線端末と前記ネットワークとの間の接続を確立することによって、前記接続を確立するよう構成されてもよい。
前記レシーバは、前記無線端末と前記ネットワークとの間の接続が解放されている場合に、前記メッセージとして、ページングメッセージを受信するよう構成されてもよい。
前記トランスミッタは、前記無線端末が前記他の無線端末の中継端末であることを前記ネットワークから削除するための第2情報を前記ネットワークへ通知するよう構成されてもよい。
前記トランスミッタは、前記他の無線端末への中継が不要になったことに応じて、前記第2情報を前記ネットワークへ通知するよう構成されてもよい。
前記トランスミッタは、前記他の無線端末との通信が不能になったことに応じて、前記第2情報を前記ネットワークへ通知するよう構成されてもよい。
前記コントローラは、前記無線端末の位置が変更されたことに応じて、前記他の無線端末の代わりに、前記ネットワークに登録される前記他の無線端末の位置を更新するよう構成されてもよい。
前記トランスミッタは、前記無線端末の位置が変更されたことに応じて、前記ネットワークに登録される前記他の無線端末の位置を更新させるための通知を前記他の無線端末へ送信するよう構成されてもよい。
前記コントローラは、前記ネットワークに登録される前記無線端末の位置が更新されたことに応じて、前記無線端末の位置が変更されたと判定するよう構成されてもよい。
前記コントローラは、選択セルが変更されたことに応じて、前記無線端末の位置が変更されたと判定するよう構成されてもよい。
ネットワーク装置は、コントローラを備える。前記コントローラは、第1の無線端末が第2の無線端末の中継端末であることを示す第1情報を受け取り、前記第1の無線端末を経由する前記第2の無線端末と前記ネットワーク装置との間の接続を介して、前記第2の無線端末宛てのデータを前記第2の無線端末へ送り、前記接続の少なくとも一部が解放されている場合に、前記第1情報に基づいて、前記第2の無線端末宛てのデータが存在することを示すメッセージを前記第1の無線端末へ通知する、よう構成される。
[実施形態]
(移動通信システム)
以下において、実施形態に係る移動通信システムであるLTEシステムについて説明する。図1は、LTEシステムの構成を示す図である。
図1に示すように、LTEシステムは、UE(User Equipment)100、E−UTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network)10、及びEPC(Evolved Packet Core)20を備える。
UE100は、通信装置(無線端末)に相当する。UE100は、移動型の通信装置である。UE100は、セル(後述するeNB200)と無線通信を行う。UE100の構成については後述する。
E−UTRAN10は、無線アクセスネットワークに相当する。E−UTRAN10は、eNB200(evolved Node−B)を含む。eNB200は、基地局に相当する。eNB200は、X2インターフェイスを介して相互に接続される。eNB200の構成については後述する。
eNB200は、1又は複数のセルを管理する。eNB200は、eNB200が管理するセルとの接続を確立したUE100との無線通信を行う。eNB200は、無線リソース管理(RRM)機能、ユーザデータ(以下、「データ」と称することがある)のルーティング機能、モビリティ制御・スケジューリングのための測定制御機能等を有する。「セル」は、無線通信エリアの最小単位を示す用語として使用される。「セル」は、UE100との無線通信を行う機能を示す用語としても使用されてもよい。
EPC20は、コアネットワークに相当する。EPC20は、E−UTRAN10と共にネットワークを構成してもよい。EPC20は、MME(Mobility Management Entity)300、及びSGW(Serving Gateway)400、PGW500を含む。
MME300は、例えば、UE100に対する各種モビリティ制御を行う。SGW400は、例えば、データの転送制御を行う。MME300及びSGW400は、S1インターフェイスを介してeNB200と接続される。PGW(Packet data Network Gateway)500は、外部ネットワークから(及び外部ネットワークに)ユーザデータを中継する制御を行う。
LTEシステムは、HSS(Home Subscriber Server)600を備えてもよい。HSS600は、ユーザ情報を管理する。HSS600は、例えば、サービス制御及び加入者データを取り扱う。HSS600は、MME300と通信を行う。
図2は、LTEシステムにおける無線インターフェイスのプロトコルスタック図である。図2に示すように、無線インターフェイスプロトコルは、OSI参照モデルの第1層乃至第3層に区分される。第1層は、物理(PHY)層である。第2層は、MAC(Medium Access Control)層、RLC(Radio Link Control)層、及びPDCP(Packet Data Convergence Protocol)層を含む。第3層は、RRC(Radio Resource Control)層を含む。
物理層は、符号化・復号化、変調・復調、アンテナマッピング・デマッピング、及びリソースマッピング・デマッピングを行う。UE100の物理層とeNB200の物理層との間では、物理チャネルを介してデータ及び制御信号が伝送される。
MAC層は、データの優先制御、ハイブリッドARQ(HARQ)による再送処理、及びランダムアクセス手順等を行う。UE100のMAC層とeNB200のMAC層との間では、トランスポートチャネルを介してデータ及び制御信号が伝送される。eNB200のMAC層は、スケジューラ(MAC スケジューラ)を含む。スケジューラは、上下リンクのトランスポートフォーマット(トランスポートブロックサイズ、変調・符号化方式(MCS))及びUE100への割当リソースブロックを決定する。
RLC層は、MAC層及び物理層の機能を利用してデータを受信側のRLC層に伝送する。UE100のRLC層とeNB200のRLC層との間では、論理チャネルを介してデータ及び制御信号が伝送される。
PDCP層は、ヘッダ圧縮・伸張、及び暗号化・復号化を行う。
RRC層は、制御信号を取り扱う制御プレーンでのみ定義される。UE100のRRC層とeNB200のRRC層との間では、各種設定のためのメッセージ(RRCメッセージ)が伝送される。RRC層は、無線ベアラの確立、再確立及び解放に応じて、論理チャネル、トランスポートチャネル、及び物理チャネルを制御する。UE100のRRCとeNB200のRRCとの間にRRC接続がある場合、UE100は、RRCコネクティッド状態である。UE100のRRCとeNB200のRRCとの間にRRC接続がない場合、UE100は、RRCアイドル状態である。
RRC層の上位に位置するNAS(Non−Access Stratum)層は、例えば、セッション管理及びモビリティ管理を行う。
図3は、LTEシステムで使用される無線フレームの構成図である。LTEシステムにおいて、下りリンクにはOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)が適用される。上りリンクにはSCFDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)が適用される。
図3に示すように、無線フレームは、時間方向に並ぶ10個のサブフレームで構成される。各サブフレームは、時間方向に並ぶ2個のスロットで構成される。各サブフレームの長さは1msである。各スロットの長さは0.5msである。各サブフレームは、周波数方向に複数のリソースブロック(RB:Resource Block)を含む。各サブフレームは、時間方向に複数のシンボルを含む。各リソースブロックは、周波数方向に複数のサブキャリアを含む。1つのシンボル及び1つのサブキャリアにより、1つのリソースエレメント(RE:Resource Element)が構成される。UE100には、無線リソース(時間・周波数リソース)が割り当てられる。周波数方向において、無線リソース(周波数リソース)は、リソースブロックにより構成される。時間方向において、無線リソース(時間リソース)は、サブフレーム(又はスロット)により構成される。
下りリンクにおいて、各サブフレームの先頭数シンボルの区間は、下りリンク制御信号を伝送するための物理下りリンク制御チャネル(PDCCH:Physical Downlink. Control Channel)として使用可能な領域である。各サブフレームの残りの部分は、下りリンクデータを伝送するための物理下りリンク共有チャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)として使用可能な領域である。
上りリンクにおいて、各サブフレームにおける周波数方向の両端部は、上りリンク制御信号を伝送するための物理上りリンク制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)として使用可能な領域である。各サブフレームにおける残りの部分は、上りリンクデータを伝送するための物理上りリンク共有チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)として使用可能な領域である。
(近傍サービス)
近傍サービス(ProSe:Proximity−based Services)について説明する。近傍サービスは、互いに近傍にある通信装置(例えば、UE100)に基づいて3GPPシステムにより提供され得るサービスである。
ProSeでは、eNB200を経由せずにノード間(例えば、UE間)で直接的な無線リンクを介して各種の無線信号が送受信される。ProSeにおける直接的な無線リンクは、「サイドリンク(Sidelink)」と称される。
サイドリンクは、サイドリンク通信及びサイドリンクディスカバリのためのインターフェイス(例えば、UEとUEとの間のインターフェイス)であってもよい。サイドリンク通信は、ProSe直接通信(以下、「直接通信」と適宜称する)を可能にする機能(AS functionality)である。サイドリンクティスカバリは、ProSe直接ディスカバリ(以下、「直接ディスカバリ」と適宜称する)を可能にする機能(AS functionality)である。
サイドリンクは、PC5インターフェイス(PC5接続)に対応する。PC5は、ProSe直接ディスカバリ、ProSe直接通信及びProSe UE−to−ネットワーク中継のための制御プレーン及びユーザプレーンのために用いられるProSe使用可能なUE(ProSe−enabled UE)間の参照ポイントである。
ProSeは、「直接ディスカバリ(Direct Discovery)」及び「直接通信(Direct Communication)」及び「Relay」のモードが規定されている。「Relay」については後述する。
直接ディスカバリは、特定の宛先を指定しないディスカバリメッセージ(ディスカバリ信号)をUE間で直接的に伝送することにより、相手先を探索するモードである。直接ディスカバリは、PC5を介してE−UTRA(Evolved Universal Terrestrial Radio Access)における直接無線信号を用いて、UEの近傍における他のUEを発見するための手順である。或いは、直接ディスカバリは、E−UTRA技術で2つのUE100の能力のみを用いて、近傍サービスを実行可能な他のUE100を発見するために近傍サービスを実行可能なUE100によって採用される手順である。直接ディスカバリは、UE100がE−UTRAN(eNB200(セル))によってサービスが提供される場合にのみ、サポートされる。UE100は、セル(eNB200)に接続又はセルに在圏している場合、E−UTRANによってサービスが提供され得る。
ディスカバリメッセージ(ディスカバリ信号)の送信(アナウンスメント)のためのリソース割り当てタイプには、「タイプ1」と「タイプ2(タイプ2B)」とがある。「タイプ1」では、UE100が無線リソースを選択する。「タイプ2」では、eNB200が無線リソースを割り当てる。タイプ1では、UE100は、eNB200から提供されたリソースプールの中から無線リソースを選択してもよい。
「Sidelink Direct Discovery」プロトコルスタックは、物理(PHY)層、MAC層、及びProSeプロトコルを含む。UE(A)の物理層とUE(B)の物理層との間では、物理サイドリンクディスカバリチャネル(PSDCH)と称される物理チャネルを介してディスカバリ信号が伝送される。UE(A)のMAC層とUE(B)のMAC層との間では、サイドリンクディスカバリチャネル(SL−DCH)と称されるトランスポートチャネルを介してディスカバリ信号が伝送される。
直接通信は、特定の宛先(宛先グループ)を指定してデータをUE間で直接的に伝送するモードである。直接通信は、いずれのネットワークノードを通過しない経路を介してE−UTRA技術を用いたユーザプレーン伝送による、近傍サービスを実行可能である2以上のUE間の通信である。
直接通信のリソース割り当てタイプには、「モード1」と「モード2」とがある。「モード1」では、直接通信の無線リソースをeNB200が指定する。「モード2」では、直接通信の無線リソースをUE100が選択する。モード2では、UE100は、eNB200から提供されたリソースプールの中から無線リソースを選択してもよい。
直接通信プロトコルスタックは、物理(PHY)層、MAC層、RLC層、及びPDCP層を含む。UE(A)の物理層とUE(B)の物理層との間では、物理サイドリンク制御チャネル(PSCCH)を介して制御信号が伝送され、物理サイドリンク共有チャネル(PSSCH)を介してデータが伝送される。物理サイドリンクブロードキャストチャネル(PSBCH)を介して同期信号等が伝送されてもよい。UE(A)のMAC層とUE(B)のMAC層との間では、サイドリンク共有チャネル(SL−SCH)と称されるトランスポートチャネルを介してデータが伝送される。UE(A)のRLC層とUE(B)のRLC層との間では、サイドリンクトラフィックチャネル(STCH)と称される論理チャネルを介してデータが伝送される。
(近傍サービスを利用した中継)
近傍サービスを利用した中継(ProSe中継/ProSe UE−to−ネットワーク中継)について、図4を用いて説明する。図4は、実施形態に係る近傍サービスを利用した中継を説明するための図である。
図4において、リモートUE(Remote UE)は、リレーUE(ProSe UE−to−Network Relay)を介してPDN(Packet Data Network)と通信を行うUE100である。リモートUEは、公衆安全(Public Safety)のためのUE(ProSe−enabled Public Safety UE)であってもよい。
「ProSe−enabled Public Safety UE」は、HPLMN(Home Public Land Mobile Network)が公衆安全のための使用を認証するように構成されている。「ProSe−enabled Public Safety UE」は、近傍サービスを利用可能であり、近傍サービスにおける手順及び公衆安全のための特定の能力をサポートしている。例えば、「ProSe−enabled Public Safety UE」は、公衆安全のための情報を近傍サービスにより送信する。公衆安全のための情報とは、例えば、災害(地震・火災など)に関する情報、消防関係者又は警察関係者に用いられる情報などである。
リモートUEは、ネットワーク圏外(Out−of−Network)に位置するUEであってもよい。すなわち、リモートUEは、セルのカバレッジ外に位置してもよい。リモートUEは、セルのカバレッジ内に位置する場合も有り得る。従って、リモートUEは、E−UTRAN10によって直接サービスが提供されないUE100(E−UTRAN10によってサーブ(serve)されないUE100)であってもよい。リモートUEは、後述するように、リレーUEからProSe中継サービスを提供される。ProSe中継サービスが提供されるリモートUEとProSe中継サービスを提供するリレーUEとの間で中継が実行される。
リレーUE(ProSe UE−to−Network Relay)は、リモートUEのための「ユニキャスト」サービスの接続性をサポートするための機能を提供する。従って、リレーUEは、ProSe中継サービスをリモートUEのために提供する。リレーUEは、リモートUEとネットワークとの間でデータ(ユニキャストトラフィック)を中継できる。リレーUEは、近傍サービス(直接通信)によりリモートUEのデータ(トラフィック)を中継できる。具体的には、リレーUEは、PC5インターフェイスを介してリモートUEから受信したデータ(上りトラフィック)を、Uuインターフェイス(LTE−Uu)又はUnインターフェイス(LTE−Un)を介してeNB200に中継できる。リレーUEは、Uuインターフェイス又はUnインターフェイスを介してeNB200から受信したデータ(下りトラフィック)をPC5インターフェイスを介してリモートUEへ中継できる。リレーUEは、ネットワーク内(セルのカバレッジ内)にのみ位置してもよい。
リレーUEは、公衆安全のための通信に関係する任意のタイプのトラフィックを中継できる包括的な機能を提供することができる。
リレーUEとリモートUEとは、物理層間でデータ及び制御信号を伝送できる。同様に、リレーUEとリモートUEとは、MAC層間、RLC層間及びPDCP層間でデータ及び制御信号を伝送できる。リレーUEは、PDCP層の上位層としてIPリレー(IPRelay)層を有してもよい。リモートUEは、PDCP層の上位層としてIP層を有してもよい。リレーUEとリモートUEとは、IPリレー層とIP層との間でデータ及び制御信号を伝送できる。リレーUEは、IPリレー層とIP−GW350のIP層との間でデータを伝送できる。
リレーUEは、AS層(Access Stratum)において、ブロードキャストを用いてリモートUEにデータ(トラフィック)を送信できる。リレーUEは、AS層において、ユニキャストを用いてリモートUEにデータを送信してもよい。ProSe中継サービスがブロードキャストを用いて実行されている場合、リレーUEとリモートUEとの間において、AS層におけるフィードバックを行わずに、NAS層(Non Access Stratum)におけるフィードバックが行われてもよい。ProSe UE−to−ネットワーク中継がユニキャストを用いて実行されている場合、AS層におけるフィードバックが行われてもよい。
(無線端末)
実施形態に係るUE100(無線端末/ウェアラブル端末)について説明する。図5は、UE100のブロック図である。図5に示すように、UE100は、レシーバ(Receiver:受信部)110、トランスミッタ(Transmitter:送信部)120、及びコントローラ(Controller:制御部)130を備える。レシーバ110とトランスミッタ120とは、一体化されたトランシーバ(送受信部)であってもよい。
レシーバ110は、コントローラ130の制御下で各種の受信を行う。レシーバ110は、アンテナを含む。レシーバ110は、アンテナが受信する無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換する。レシーバ110は、ベースバンド信号をコントローラ130に出力する。
トランスミッタ120は、コントローラ130の制御下で各種の送信を行う。トランスミッタ120は、アンテナを含む。トランスミッタ120は、コントローラ130が出力するベースバンド信号(送信信号)を無線信号に変換する。トランスミッタ130は、無線信号をアンテナから送信する。
コントローラ130は、UE100における各種の制御を行う。コントローラ130は、プロセッサ及びメモリを含む。メモリは、プロセッサにより実行されるプログラム、及びプロセッサによる処理に使用される情報を記憶する。プロセッサは、ベースバンドプロセッサとCPU(Central Processing Unit)とを含む。ベースバンドプロセッサは、例えば、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号化を行う。CPUは、メモリに記憶されるプログラムを実行することにより、各種の処理を行う。プロセッサは、音声・映像信号の符号化・復号化を行うコーデックを含んでもよい。プロセッサは、後述する各種の処理及び上述した各種の通信プロトコルを実行する。
UE100は、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機を備えていてもよい。GNSS受信機は、UE100の地理的な位置を示す位置情報を得るために、GNSS信号を受信できる。GNSS受信機は、GNSS信号をコントローラ130に出力する。UE100は、UE100の位置情報を取得するためのGPS(Global Positioning System)機能を有していてもよい。
本明細書では、UE100が備えるレシーバ110、トランスミッタ120及びコントローラ130の少なくともいずれかが実行する処理を、便宜上、UE100が実行する処理(動作)として説明する。
(基地局)
実施形態に係るeNB200(基地局)について説明する。図6は、eNB200のブロック図である。図6に示すように、eNB200は、レシーバ(受信部)210、トランスミッタ(送信部)220、コントローラ(制御部)230、及びネットワークインターフェイス240を備える。トランスミッタ210とレシーバ220は、一体化されたトランシーバ(送受信部)であってもよい。
レシーバ210は、コントローラ230の制御下で各種の受信を行う。レシーバ210は、アンテナを含む。レシーバ210は、アンテナが受信する無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換する。レシーバ210は、ベースバンド信号をコントローラ230に出力する。
トランスミッタ220は、コントローラ230の制御下で各種の送信を行う。トランスミッタ220は、アンテナを含む。トランスミッタ220は、コントローラ230が出力するベースバンド信号(送信信号)を無線信号に変換する。トランスミッタ220は、無線信号をアンテナから送信する。
コントローラ230は、eNB200における各種の制御を行う。コントローラ230は、プロセッサ及びメモリを含む。メモリは、プロセッサにより実行されるプログラム、及びプロセッサによる処理に使用される情報を記憶する。プロセッサは、ベースバンドプロセッサとCPUとを含む。ベースバンドプロセッサは、例えば、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号化等を行う。CPUは、メモリに記憶されるプログラムを実行することにより各種の処理を行う。プロセッサは、後述する各種の処理及び上述した各種の通信プロトコルを実行する。
ネットワークインターフェイス240は、X2インターフェイスを介して隣接eNB200と接続される。ネットワークインターフェイス240は、S1インターフェイスを介してMME300及びSGW400と接続される。ネットワークインターフェイス240は、例えば、X2インターフェイス上で行う通信及びS1インターフェイス上で行う通信に使用される。ネットワークインターフェイス240は、HSS600との通信に使用される。
本明細書では、eNB200が備えるトランスミッタ210、レシーバ220、コントローラ230、及びネットワークインターフェイス240の少なくともいずれかが実行する処理を、便宜上、eNB200が実行する処理(動作)として説明する。
(ネットワーク装置)
実施形態に係るネットワーク装置(NW装置)について説明する。一例として、MME300について説明する。
図7は、MME300のブロック図である。図7に示すように、MME300は、コントローラ(制御部)330、及びネットワークインターフェイス340を備える。
コントローラ330は、MME300における各種の制御を行う。コントローラ330は、プロセッサ及びメモリを含む。メモリは、プロセッサにより実行されるプログラム、及びプロセッサによる処理に使用される情報を記憶する。プロセッサは、ベースバンドプロセッサとCPUとを含む。ベースバンドプロセッサは、例えば、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号化等を行う。CPUは、メモリに記憶されるプログラムを実行することにより各種の処理を行う。プロセッサは、後述する各種の処理及び上述した各種の通信プロトコルを実行する。
ネットワークインターフェイス340は、他のノード(eNB200及び/又は他のネットワーク装置)と所定のインターフェイスを介して接続される。ネットワークインターフェイス340は、所定のインターフェイス上で行う他のネットワーク装置との通信に使用される。
他のNW装置は、MME300と同様の構成を有するため、説明を省略する。本明細書では、NW装置が備えるコントローラ、及びネットワークインターフェイスの少なくともいずれかが実行する処理を、便宜上、NW装置が実行する処理(動作)として説明する。
(実施形態に係る動作)
次に、実施形態に係る動作について、動作例1から4により説明する。
(A)動作例1
動作例1について、図8及び図9を用いて説明する。図8は、動作環境を説明するための図である。図9は、動作例1を説明するためのシーケンス図である。
図8に示すように、UE100は、eNB200が制御するセルに在圏する。UE100は、eNB200(セル)とRRC接続状態であってもよい。UE100は、RRCアイドル状態であってもよい。
UE100(が備えるレシーバ110、トランスミッタ120、及びコントローラ130)は、セルラ通信(上り信号の送信及び下り信号の受信)及びサイドリンク動作(サイドリンク信号の送信及び/又は受信)を実行することが可能である。サイドリンク信号は、直接通信における信号及び直接ディスカバリにおける信号の少なくとも一方であってもよい。サイドリンク信号は、サイドリンクにおける同期のための同期信号(SLSS:SidelinkSynchronizationSignal)を含んでもよい。サイドリンク信号は、PC5上での制御プレーン信号のために用いられるPC5信号であってもよい。
wUE150は、eNB200が制御するセル内に位置する。wUE150は、セル外に位置してもよい。wUE150は、eNB200(セル)とRRCアイドル状態である。
wUE150(が備えるレシーバ110、トランスミッタ120、及びコントローラ130)は、サイドリンク動作を実行するために用いることができる。wUE150は、下り信号の受信を実行可能である。wUE150は、上り信号の送信が実行可能であってもよいし、実行不能であってもよい。従って、wUE150は、上り信号を送信するためのトランスミッタ120を備えていなくてもよい。
本実施形態において、wUE150は、ウェアラブルUEである。すなわち、wUE150は、ユーザが着用可能な通信装置である。UE100とwUE150とは、ユーザに保持されているため、UE100とwUE150とは、近距離状態である。ユーザの移動に伴って、UE100とwUE150とは近距離状態を維持しながら共に移動する。
wUE150は、近距離用の装置であってもよい。wUE150は、サイドリンク動作が近距離(数m(例えば、2m)の範囲内)で実行されることが想定される通信装置であってもよい。
本明細書において、「近距離」は、通信可能な距離(例えば、数mの範囲)によって規定されてもよい。例えば、近距離な装置間(UE−wUE間/wUE−wUE間)でのサイドリンク信号の最大到達距離(最大到達範囲)は、通常のUE間(UE−UE間)でのサイドリンク信号の最大到達距離よりも短い。近距離な装置間でのサイドリンク信号の最大到達距離は、UE−eNB間の上りリンク信号の最大到達距離よりも短いことは勿論である。
「近距離」は、サイドリンク信号の(最大)送信電力(例えば、最大送信電力が0dBm以下)によって規定されてもよい。例えば、近距離な装置間(UE−wUE間/wUE−wUE間)でのサイドリンク信号の最大送信電力は、通常のUE間(UE−UE間)でのサイドリンク信号の最大送信電力よりも小さい。近距離な装置間でのサイドリンク信号の最大送信電力は、UE−eNB間の上りリンク信号の最大送信電力よりも短いことは勿論である。
「近距離」は、wUE150が利用可能なリソースプール(の条件/設定)により、規定されてもよい。
wUE150は、既存のUE100と異なり、既存のSIM(Subscriber Identity Module Card)の装着が不要であってもよい。wUE150は、近距離用のSIM(D2D SIM)が装着可能であってもよい。
図9において、wUE150とネットワークとの間で中継のための接続(以下、中継接続)が確立される。中継接続は、wUE150とeNB200との間の接続であってもよい。中継接続は、wUE150とeNB200との間のRRC接続であってもよい。中継接続は、wUE150とMME300との間の接続であってもよい。
UE100とwUE150との間の接続は、PC5インターフェイスを介した接続(PC5接続)であってもよい。UE100とwUE150との間の接続は、non−3GPPアクセスに基づく接続であってもよい。この場合、non−3GPPの仕様書に従って、UE100とwUE150との間でデータが伝送される。UE100とeNB200との間の接続は、RRC接続であってもよい。UE100とwUE150との間の接続及びUE100とeNB200との間の接続により、wUE150とネットワークとの間に、UE100を経由する中継接続が確立されてもよい。
UE100とwUE150とは、中継接続を確立する際に、又は中継接続を確立した後、後述のWearable Attach情報に含まれる情報を交換又は送信/受信をしてもよい。
図9に示すように、ステップS110Aにおいて、wUE150は、UE100がwUE150のリレーUE(中継端末)であることを示す情報(Wearable Attach情報)をネットワークへ通知してもよい。例えば、wUE150は、中継接続を介して、Wearable Attach情報をMME300へ通知する。wUE150が、Wearable Attach情報をUE100へ送り、UE100が、MME300へWearable Attach情報を通知してもよい。或いは、wUE150は、Wearable Attach情報をMME300へ直接通知してもよい。すなわち、UE100がWearable Attach情報を認識せずに、UE100が、wUE150からのWearable Attach情報をMME300へ送ってもよい。
wUE150は、中継接続が確立されたことに応じて、Wearable Attach情報をネットワークへ通知してもよい。wUE150は、HSS600又は他のネットワーク装置(例えば、近傍サービスによる中継を管理するネットワーク装置)へWearable Attach情報を通知してもよい。
Wearable Attach情報は、リレーUEであるUE100の情報(Relay UE’s information)を含む。Wearable Attach情報は、UE100の識別子(例えば、Relay ID、ProSe ID、Destination ID、Destination Index、IMEI(International Mobile Equipment Identity)、IMSI(International Mobile Subscriber Identity)、IPアドレス(IP address)、MACアドレス(MAC address)など)を含んでもよい。ProSe IDは、ProSeを管理するネットワーク装置によりUE100へ割り当てられた識別子である。Destination ID(Destination Index)は、wUE150の送信先(すなわち、UE100)を示す識別子である。Wearable Attach情報は、リモートUEであるwUE150の識別子を含んでもよい。
Wearable Attach情報は、wUE150が、wUE150宛てのUE terminated service(データ/パケット)をリレーUEを通じて受信可能であることを示す情報を含んでいてもよい。ネットワークは、当該情報を受け取った場合にのみ、以下で説明する動作を実行してもよい。
ステップS110Bにおいて、UE100は、Wearable Attach情報をネットワークへ通知してもよい。
Wearable Attach情報は、リモートUEであるwUE150の情報(wUE’s information)を含む。Wearable Attach情報は、wUE150の識別子(例えば、ProSe ID、Destination ID、Destination Index、IMEI、IMSI、IPアドレス(IP address)、MACアドレス(MAC address)など)を含んでもよい。
Destination IDは、wUE150の送信先(すなわち、UE100)を示す識別子である。Destination IDは、UE100の送信先(すなわち、wUE150)を示す識別子である。Wearable Attach情報は、リレーUEであるUE100の識別子を含んでもよい。
Wearable Attach情報は、UE100が、wUE150宛てのUE terminated service(データ/パケット)を転送(中継)可能であることを示す情報を含んでいてもよい。ネットワークは、当該情報を受け取った場合にのみ、以下で説明する動作を実行してもよい。
ステップS110A及びステップ110Bの処理の少なくとも一方が実行されてもよい。
MME300は、Wearable Attach情報に基づいて、リレーUEとリモートUEとの関係を記憶してもよい。MME300は、wUE150のリレーUEが、UE100であることを記憶してもよい。MME300は、リレーUEとリモートUEとの関係に関するリストを保持していてもよい。MME300は、Wearable Attach情報に基づいて、リストを更新してもよい。MME300は、Wearable Attach情報をHSS600へ転送してもよい。HSS600が、リレーUEとリモートUEとの関係を記憶してもよい。MME300は、近傍サービスによる中継を管理するネットワーク装置へWearable Attach情報を転送してもよい。ネットワーク装置が、リレーUEとリモートUEとの関係を記憶してもよい。
その後、UE100とwUE150との間の接続が解放されたと仮定する。UE100とeNB200との間のRRC接続は、維持されていると仮定する。これにより、中継接続の一部が解放されている。
UE100とwUE150との間の接続が解放された場合であっても、MME300(又はHSS600等)は、リレーUEとリモートUEとの関係に関する情報(リスト)を保持する。
ステップS120において、MME300は、wUE150宛てのデータが存在する(到着した)ことを示すメッセージ(Indication of arrival of wUE’s traffic)をUE100へ送る。MME300は、wUE150宛てのデータが到着したことをSGW400から知らされたことに応じて、前記メッセージをUE100へ送ってもよい。
MME300は、リストに基づいて、wUE150のリレーUEであるUE100を特定できる。すなわち、MME300は、メッセージの送り先であるUE100を特定できる。MME300は、wUE150のリレーUEを問い合わせるメッセージをHSS600(又はネットワーク装置)へ送ってもよい。MME300は、HSS600(又はネットワーク装置)からの応答メッセージ(に含まれるUE100の識別子)に基づいて、UE100を特定してもよい。
メッセージは、中継接続の確立を促すためのメッセージであってもよい。メッセージは、UE100とwUE150との間の接続の確立を促すためのメッセージであってもよい。メッセージは、wUE150宛てのデータの伝送を促すためのメッセージであってもよい。メッセージは、eNB200からwUE150への直接的なデータの伝送ではなく、中継接続を介した間接的なデータの伝送を実行することを示すためのメッセージであってもよい。
UE100は、中継接続の一部が開放されている場合に、メッセージをネットワーク(MME300)から受信する。
ステップS130において、UE100は、メッセージの受信に応じて、UE100とwUE150との間の接続を確立するための制御を開始する。UE100は、UE100とwUE150との間の接続を確立することによって、wUE150とネットワークとの間の中継接続を(再)確立する。
UE100は、eNB200からのメッセージをwUE150へ送ってもよい。UE100は、eNB200からのメッセージ(RRCメッセージ)をwUE150とeNB200との間にRRC接続を介して、転送してもよい。UE100は、eNB200からのメッセージを含むPC5メッセージをPC5接続を介して、転送してもよい。wUE150は、wUE150がセルのカバレッジ内に位置する場合であっても、eNB200からのメッセージにより、中継接続によりデータが伝送されることを把握することができる。wUE150は、拡張カバレッジにいる場合には、eNB200(ネットワーク)からの繰り返し送信(Repetition)に対するモニタを実行しなければならない。このため、wUE150は、eNB200からのメッセージにより、繰り返し送信(Repetition)に対するモニタを省略できる。その結果、wUE150の負荷を低減できる。
ステップS140において、wUE150宛てのデータ(wUE‘s traffic)が、中継接続を介して、ネットワークからwUE150へ伝送される。具体的には、UE100は、中継接続を介して、wUE150宛てのデータをネットワークから受信し、当該データをwUE150へ転送する。
従来であれば、UE100とwUE150との間の接続が解放された場合、中継不能であるため、ネットワーク上に記憶されたUE100とwUE150との関係が破棄されることが想定される。このため、SGW400(又はPGW500)にwUE150宛てのデータが届いても、wUE150宛てのデータが存在することをwUE150へ通知することができなかった。
上記動作例1によれば、UE100とwUE150との間の接続が解放されている場合であっても、ネットワークからのメッセージにより、UE100は、UE100とwUE150との間の接続を確立するための制御を開始する。これにより、中継接続が(再)確立されるため、wUE150は、データを受信することができる。
wUE150は、ウェアラブルUEであるため、ウェアラブルUEを身に付けている使用者が保持する特定のUE100(例えば、携帯電話など)の傍にいる可能性が高い。従って、中継接続が(一時的に)解放されている場合であっても、UE terminated service伝送のために、すぐに中継接続を(再)確立することができる。
ステップS150Aにおいて、wUE150は、UE100がwUE150のリレーUEであることをネットワークから削除(解放)するための情報(Wearable Detach情報)をネットワークへ通知してもよい。wUE150は、UE terminated serviceの伝送が必要とないことに応じて、Wearable Detach情報をネットワーク(MME300、HSS600等)へ通知してもよい。例えば、wUE150は、電源をオフにする動作を開始したことに応じて、Wearable Detach情報をネットワークへ通知してもよい。
Wearable Detach情報は、ネットワークに記憶されたリレーUEとリモートUEとの関係を削除(解放)するための情報であってもよい。Wearable Detach情報は、UE100の識別子を含んでいてもよい。Wearable Detach情報は、wUE150の識別子を含んでいてもよい。
ステップS150Bにおいて、UE100は、Wearable Detach情報をネットワークへ通知してもよい。
UE100は、wUE150への中継が不要になったことに応じて、Wearable Detach情報をネットワークへ通知してもよい。UE100は、UE terminated serviceの伝送を終了することに応じて、Wearable Detach情報をネットワークへ通知してもよい。UE100は、UE terminated serviceの伝送が必要とないことを示す情報をwUE150から受信したことに応じて、Wearable Detach情報をネットワークへ通知してもよい。
UE100は、wUE150がUE100から離れたとみなされる場合に、Wearable Detach情報をネットワークへ通知してもよい。例えば、UE100は、wUE150との通信が不能になったことに応じて、Wearable Detach情報をネットワークへ通知してもよい。UE100は、UE100とwUE150との間の接続が意図せず切断されたことに応じて、Wearable Detach情報をネットワークへ通知してもよい。
ステップS150A及びステップ150Bの処理の少なくとも一方が実行されてもよい。
ネットワーク(MME300、HSS600、ネットワーク装置)は、Wearable Detach情報の受信に応じて、UE100とwUE150との関係を削除(解放)してもよい。ネットワークは、Wearable Detach情報の受信に応じて、UE100とwUE150との関係を削除するために、リストを更新してもよい。
ネットワークは、UE100とwUE150との関係を記憶してから、所定時間が経過したことに応じて、UE100とwUE150との関係を削除してもよい。ネットワークは、所定時間を計測するためのタイマを用いて、所定時間を計測してもよい。ネットワークは、所定時間が経過する前、又は経過した後に、UE100及び/又はwUE150に、UE100とwUE150との関係を削除することを通知してもよい。UE100及び/又はwUE150は、当該通知に基づいて、Wearable Attach情報をネットワークへ再度通知してもよい。
(B)動作例2
動作例2について、図10を用いて説明する。図10は、動作例2を説明するためのシーケンス図である。上述と同様の部分は、説明を省略する。
動作例2では、UE100とeNB200との間のRRC接続が解放されることによって、中継接続の一部が解放されている。
ステップS210A及びS210Bは、ステップS110A及び110Bに対応する。
その後、UE100とeNB200との間のRRC接続が解放されたと仮定する。UE100は、RRCアイドル状態である。
UE100とwUE150との間の接続が解放されてもよい。UE100とwUE150との間の接続が維持されていてもよい。
ステップS220において、wUE150宛てのデータが存在することを知ったMME300は、UE100とeNB200との間のRRC接続が解放されている場合、ページングメッセージ(wUE’s information)をUE100へ送ってもよい。MME300は、UE100宛てのデータ伝送ではなく、wUE150宛てのデータ伝送を目的として、ページングメッセージをUE100へ送ってもよい。
当該ページングメッセージは、中継接続の確立を促すためのメッセージであってもよい。メッセージは、中継接続の確立のために、UE100とeNB200との間のRRC接続の確立を促すためのメッセージであってもよい。メッセージは、wUE150宛てのデータの伝送を促すためのメッセージであってもよい。
MME300は、UE100がDRX(Discontinuous reception)動作を実行している場合には、UE100のDRXサイクルに基づくタイミングで、ページングメッセージを送信してもよい。すなわち、MME300は、UE100がページングメッセージをモニタするタイミング(ページング機会:PO)でページングメッセージを送信してもよい。
MME300は、所定のタイミングで、ページングメッセージを送信してもよい。例えば、所定のタイミングは、wUE150の識別子(例えば、IMSI)により算出されるタイミングであってもよい。UE100は、UE100がDRX動作を実行している場合であっても、所定のタイミングにおいてページングメッセージのモニタを実行してもよい。
ページングメッセージは、少なくとも以下のいずれかの情報を含んでいてもよい。
・wUE150の識別子(例えば、IMSI、ProSe ID、Destination ID、Destination Index、IPアドレス、MACアドレスなど)
・UE100の識別子(例えば、IMSI、ProSe ID、Destination ID、Destination Index、IPアドレス、MACアドレスなど)
・wUE宛てのページングメッセージであることを示す識別子(例えば、remoteUEPagingIndication)
wUE150の識別子及び/又はUE100の識別子は、Wearable Attach情報によりネットワークへ通知された識別子であってもよい。UE100の識別子に対して、wUE150の識別子のリストが関連付けられていてもよい。当該リストは、UE100が複数のwUEのリレーUEである場合に、有効である。
UE100は、ページングメッセージをネットワークから受信する。UE100は、ページングメッセージに含まれる情報に基づいて、wUE150宛てのデータが存在することを知ってもよい。UE100は、ページングメッセージを受信したタイミングに基づいて、wUE150宛てのデータが存在することを知ってもよい。
ステップS230において、UE100は、ページングメッセージの受信に応じて、UE100とeNB200との間の接続を確立するための制御を開始する。
ステップS240において、UE100は、ページングメッセージの受信に応じて、UE100とeNB200との間の接続を確立するための制御を開始する。
UE100は、wUE150とネットワークとの間の中継接続を(再)確立する。
ステップS240の処理がステップS230の処理よりも先に開始されてもよい。ステップS230の処理とステップS240の処理とが同時に開始されてもよい。
ステップS250、S260A、及びS260Bは、ステップS140、S150A、及びS150Bに対応する。
従来であれば、UE100とeNB200との間の接続が解放された場合、中継不能であるため、ネットワーク上に記憶されたUE100とwUE150との関係が破棄されることが想定される。このため、SGW400(又はPGW500)にwUE150宛てのデータが届いても、wUE150宛てのデータが存在することをwUE150へ通知することができなかった。
上記動作例2によれば、UE100とeNB200との間の接続(RRC接続)が解放されている場合であっても、ネットワークからのページングメッセージにより、UE100は、UE100とeNB200との間の接続を確立するための制御を開始する。これにより、中継接続が(再)確立されるため、wUE150は、データを受信することができる。
(C)動作例3
動作例3について、図11を用いて説明する。図11は、動作例3を説明するためのシーケンス図である。上述と同様の部分は、説明を省略する。
動作例3では、eNB200が、wUE150宛てのデータが存在する(到着した)ことを示すメッセージ(ページングメッセージ)をUE100へ送る。
ステップS310A及びS310Bは、ステップS110A及びS110Bに対応する。wUE150は、Wearable Attach情報をeNB200へ通知してもよい。UE100は、Wearable Attach情報をeNB200へ通知してもよい。
eNB200は、上位のネットワーク装置(例えば、MME300、HSS600、ネットワーク装置等)からWearable Attach情報(又はリレーUEとリモートUEとの関係を示す情報)を受け取ってもよい。
eNB200は、上述のMME300と同様に、Wearable Attach情報に基づいて、リレーUEとリモートUEとの関係を記憶してもよい。eNB200は、リレーUEとリモートUEとの関係に関する情報を更新してもよい。
eNB200は、Wearable Attach情報に基づくリレーUEに対して、RANページングを適用すると判定してもよい。RANページングは、E−UTRAN10(eNB200)によりページングが制御される所定ページングエリア単位でページングを行う。所定ページングエリアは、トラッキングエリアよりも狭いエリアである。所定ページングエリアを導入することにより、1のUE100に対してページングを行うセルの数を削減することができるため、シグナリングを削減することができる。以下において、このような所定ページングエリアを「RANページングエリア」と称する。
ステップS320において、wUE150宛てのデータが存在することを知ったMME300は、wUE150宛てのデータが存在することを示すシグナリングをeNB200へ送る。
eNB200は、シグナリングの受信UE100に対して、RANページングメッセージを送る。eNB200は、上述のMME300と同様に、RANページングメッセージを送る。RANページングメッセージは、上述のページングメッセージと同様の情報を含んでいてもよい。
ステップS330からS350は、ステップS230からS250に対応する。
ステップS360A及びS360Bは、ステップS150A及びS150Bに対応する。wUE150は、Wearable Detach情報をeNB200へ通知してもよい。UE100は、Wearable Detach情報をeNB200へ通知してもよい。eNB200は、上位のネットワーク装置(例えば、MME300、HSS600、ネットワーク装置等)からWearable Detach情報(又はリレーUEとリモートUEとの関係を削除(解放)するための情報)を受け取ってもよい。eNB200は、Wearable Detach情報の受信に応じて、UE100とwUE150との関係を削除(解放)してもよい。
(D)動作例4
動作例4について、図12及び図13を用いて説明する。図12は、UE100(リレーUE)の動作を説明するためのフローチャートである。図13は、wUE150(リモートUE)の動作を説明するためのフローチャートである。上述と同様の部分は、説明を省略する。
動作例4では、ネットワークにおいて、UE100とwUE150との関係が保持されている場合に、UE100がアイドル状態へ遷移したと想定する。アイドル状態であるUE100(及びwUE150)が移動することにより、セルが変更された場合であっても、上述のwUE150宛てのデータが存在することを示すメッセージをネットワークから適切に受信するための動作について説明する。
図12に示すように、ステップS410において、UE100は、UE100の位置が変更されたか否かを判定する。例えば、UE100は、以下の少なくともいずれかの方法により、UE100の位置が変更されたか否かを判定する。
第1に、UE100は、ネットワークに登録されるUE100の位置が更新されたことに応じて、UE100の位置が更新されたと判定する。例えば、UE100は、UE100のトラッキングエリアが変更されたことに応じて、UE100の位置が変更されたと判定してもよい。UE100は、UE100のRANページングエリアが変更されたことに応じて、UE100の位置が変更されたと判定してもよい。
第2に、UE100は、セル(再)選択により、選択セルが変更されたことに応じて、UE100の位置が変更されたと判定してもよい。選択セルは、UE100に(通信)サービスを提供するセル(サービングセル/プライマリセル)である。
UE100は、UE100の位置が変更されたと判定した場合に、ステップS420の処理を行う。UE100は、UE100の位置が変更されていないと判定した場合には、処理を終了してもよい。
ステップS420において、UE100は、UE100の位置が変更されたことに応じて、以下の少なくともいずれかの動作を実行してもよい。
第1に、UE100は、wUE150の代わりに、ネットワークに登録されるwUE150の位置を更新してもよい。
UE100は、UE100のトラッキングエリアを更新する場合に、wUE150のトラッキングエリアを更新してもよい。UE100は、UE100のRANページングエリアを更新する場合に、wUE150のRANページングエリアを更新してもよい。UE100は、自身のエリアを更新するためのメッセージに、wUE150のエリアを更新するための情報を含めてもよい。UE100は、当該メッセージをネットワークへ通知してもよい。
UE100は、ネットワークに登録されるwUE150の位置を更新する場合、wUE150の位置をUE100の位置を見なしてもよい。eNB200は、ネットワークに登録されているwUE150の位置(例えば、トラッキングエリア、RANページングエリアなど)を示すエリア情報を、(例えば、SIBにより)ブロードキャストしてもよい。UE100は、エリア情報とUE100の位置とが異なる場合に、wUE150の位置を更新してもよい。
wUE150の位置を登録するネットワーク装置は、例えば、eNB200、PGW500、HSS600、ローカルのゲートウェイ(Local GW)、又は、その他のネットワーク装置である。wUE150の位置を登録するネットワーク装置は、リレーUEとリモートUEとの関係に関する情報(リスト)を管理するネットワーク装置(ノード)であってもよい。UE100は、wUE150の位置を更新するためのメッセージをwUE150の位置を登録するネットワーク装置へ送信してもよい。当該ネットワーク装置は、wUE150の位置が更新されたことに応じて、wUE150宛てのデータが存在することを示すメッセージ(ページングメッセージ)を送信するネットワーク装置(例えば、MME300、eNB200など)へ、UE100とwUE150との関係を示す情報を送ってもよい。
第2に、UE100は、ネットワークに登録されるwUE150の位置を更新させるための通知をwUE150へ送ってもよい。UE100は、当該通知を送るために、UE100とwUE150との間の接続を確立してもよい。UE100は、中継接続を確立するための動作を実行してもよい。
図13のステップS510において、wUE150は、ネットワークへ登録されるwUE150の位置をwUE150に更新させるための通知をUE100から受信する。
ステップS520において、wUE150は、UE100からの通知の受信に応じて、中継接続を介して、wUE150の位置を更新するためのメッセージをネットワークへ送信する。ネットワーク装置は、当該メッセージの受信に応じて、wUE150の位置を更新する。
以上によれば、UE100及びwUE150が移動した場合であっても、ネットワークに登録されるwUE150の位置が適切に更新される。従って、UE100の位置とwUE150との位置とが離れたと、ネットワークが認識することによって、上述のwUE150宛てのデータが存在することを示すメッセージが適切に送信されないという状態を抑制することができる。
[その他の実施形態]
上述した実施形態によって、本出願の内容を説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本出願の内容を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
上述では、wUE150とネットワークとの間に1つの中継接続が確立されているケースを主に説明したが、これに限られない。wUE150とネットワークとの間に複数の中継接続が確立できてもよい。例えば、ベアラ毎に中継接続が確立される場合には、wUE150とネットワークとの間に複数の中継接続が確立できてもよい。ネットワークは、複数の中継接続のうち、解放されている中継接続により伝送すべきwUE150宛てのデータが届いた場合に、wUE150宛てのデータが存在する(到着した)ことを示すメッセージ(ページングメッセージ)をUE100へ送信してもよい。当該メッセージは、解放されている中継接続を識別するための識別情報(例えば、ベアラ識別子)を含んでいてもよい。UE100(及びwUE150)は、メッセージに基づいて、解放された中継接続を(再)確立するための動作を開始してもよい。
上述において、UE100は、eNB200からのSIB(System Information Block)が変更された場合、SIBが変更されたことを示す通知をwUE150へ送ってもよい。UE100は、UE100とwUE150との間の接続(例えば、PC5接続)が確立されていない場合には、当該接続を確立するための動作を実行してもよい。UE100は、確立した接続を介して、SIBが変更されたことを示す通知をwUE150へ送ってもよい。
UE100は、UE100とwUE150との間の接続(例えば、PC5接続)が確立されなくてもwUE150が受信可能な無線信号により、SIBが変更されたことを示す通知をwUE150へ送ってもよい。UE100は、例えば、サイドリンク共通制御情報を搬送するMIB−SL(MasterInformationBlock−SL)により、SIBが変更されたことを示す通知をwUE150へ送ってもよい。
上述した実施形態では、ウェアラブルUEを例に挙げて説明したが、これに限られない。例えば、移動体(例えば、車両)においてネットワークに接続される通信装置と、移動体内のUE(又は移動体内のIoT(Internet of Things)デバイス)とにおいて上述の内容が適用されてもよい。人が介在しない通信であるマシンタイプコミュニケーション(MTC:Machine Type Communication)用の通信装置どうしにおいて上述の内容が適用されてもよい。
上述した実施形態に係る動作は、適宜組み合わせて実行されてもよい。上述した各シーケンスにおいて、必ずしも全ての動作が必須の構成ではない。例えば、各シーケンスにおいて、一部の動作のみが実行されてもよい。
上述した実施形態では特に触れていないが、上述した各ノード(UE100、eNB200、NW装置など)のいずれかが行う各処理をコンピュータに実行させるプログラムが提供されてもよい。プログラムは、コンピュータ読取り可能媒体に記録されていてもよい。コンピュータ読取り可能媒体を用いれば、コンピュータにプログラムをインストールすることが可能である。ここで、プログラムが記録されたコンピュータ読取り可能媒体は、非一過性の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD−ROMやDVD−ROM等の記録媒体であってもよい。
或いは、UE100、eNB200、及びNW装置のいずれかが行う各処理を実行するためのプログラムを記憶するメモリ及びメモリに記憶されたプログラムを実行するプロセッサ)によって構成されるチップが提供されてもよい。
上述した実施形態では、移動通信システムの一例としてLTEシステムを説明したが、LTEシステムに限定されるものではなく、LTEシステム以外のシステムに本出願に係る内容を適用してもよい。
日本国特許出願第2016−194383号(2016年9月30日出願)の全内容が、参照により、本願明細書に組み込まれている。