JPWO2018061222A1 - シールリング - Google Patents

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Abstract

軸回転数またはハウジング回転数が高い状態においても、フリクションが少なく低オイルリーク性を有し、軸回転トルクの低減可能なシールリングを提供することである。シールリングの円周方向縦断面形状において、シールリング外周面13側からシールリング内周面12側に向かって、第1幅a1より小さい第2幅a21、a211を形成する段差部分が形成され、段差部分は、密封流体が流入するシールリング円周方向における第2幅の中心線M2が円周方向に沿って一端のシールリング合い口部内周側の合い口端面から他端のシールリング合い口部内周側の合い口端面に向かってシールリング接触面14側に移動していく軌跡を描くように形成される。

Description

本発明は、自動車のオートマチックトランスミッション(以下、ATと記す)や無段変速機(以下、CVTと記す)など、油圧作動油(以下、「作動油」という。)などの流体の流体圧を利用した機器において、使用されるシールリングに関する。
近年、自動車の燃費向上を図るため、ATまたはCVT等の自動変速機の駆動損失の低減が求められている。自動変速機には、油圧シールを目的としてシールリングが装着されるが、シールリングのフリクションロスは自動変速機の駆動損失につながる。そのため、シールリングのフリクションの低減が重要な課題となっている。また、自動変速機のオイルポンプの容量は、駆動損失の中で大きなウエイトを占めるため、シールリングと軸環状溝またはハウジングとの間からのオイル漏れ量を低減し、オイルポンプを小容量化することが望まれている。このように、自動変速機の駆動損失を低減し、自動車の燃費を向上させるため、シールリングには低フリクション性能及び高いオイルシール性能が要求されている。
図1にシールリングが装着された油圧密封装置の基本構造を示す。シールリング1は、軸2の外周面の作動油通路3の軸方向両側に形成された軸環状溝4に装着され、作動油通路3から供給される作動油をシールリング受圧面11と内周面12で受け、シールリング外周面13がハウジング5の内周面と接触し、シールリング接触面14が軸環状溝4の側面と接触することにより、作動油の漏れを封じる。一般的には軸2が回転し、ハウジング5が固定されるが、その逆の組み合わせもある。
シールリングのフリクション(フリクションロス)を低減するためには、通常、摺動主体面となるシールリング接触面を軸環状溝に押し付ける受圧荷重を低減する手法が採用されている。具体的には、シールリング接触面と軸環状溝との間に作動油油圧が作用する断面形状を有するシールリングを採用して、シールリング受圧面に作用する作動油油圧による軸環状溝の受圧荷重を低減させている。
以下の特許文献1には、シールリングの両側面部の内径面側に断面形状が多角形又は凸型となるように形成したヌスミ部を、複合ステップカット形状を有する合い口部を繋げることによりリング状に繋げたシールリング全周に亘って連続させた樹脂製シールリングが開示されている。
以下の特許文献2には、シールリングは、軸孔を有するハウジングおよび上記軸孔に挿通される回転軸の一方の部材に設けられた環状溝に装着されて、他方の部材表面に接触し、かつ環状溝の非密封流体側の側壁面に摺動自在に接触して、これら部材間の環状隙間を封止するものであり、少なくとも上記側壁面との摺動面となるリング側面の内径側端部の一部に、上記側壁面と非接触部となるリング周方向に沿ったV字状の凹部が設けられているシールリングが開示されている。
特開第2007−078041号公報 特開第2015−028382号公報
特許文献1では、シールリング寸法が外径50mm 、リング幅2.0mm、リングの半径方向の厚さ1.8mmにおいて、回転トルク試験条件が、温度80℃、軸回転数4000rpm、油圧0.4MPa、0.8MPa、1.2MPaの結果、およびオイルリーク試験条件が、自動車用オートマチックトランスミッションオイル(昭和シェル石油(株)製: ゲルコATF)を使用し、材質がS45Cであるシリンダーと軸との間に装着し、油圧0.5MPaでオイルシールし、この軸を4000rpmで回転させた際のオイルリーク量を30℃ から120℃ に亘ってメスシリンダーにより測定した結果がある。
シールリング側面が接触する面積が減ることで引き摺りトルクを小さくすることが出来、軸との間で生じるエネルギーロスを小さくすることができるとしているが、軸回転数が6000rpm以上の高回転域での評価が実施されていない。
特許文献2では、シールリング寸法が外径φ50mm、内径φ47mm、リング幅1.5mm、リング厚さ1.5mmにおいて、回転トルク試験の条件が、油圧0.5〜3.0MPa、油温30〜150℃、回転数1000〜7000rpmとし、オイルリーク試験の条件が、油圧0.5〜3.0MPa、回転数1000〜7000rpm、油温30〜150℃(30℃、70℃、110℃、150℃の4条件)とした結果があるが、詳細な結果は不明である。環状溝の側壁面との摺動面となるリング側面の内径側端部の一部に、側壁面との非接触部となる、リング周方向に沿ったV字状の凹部が設けられているので、密封流体である作動油等がこの凹部を介して摺動面に適度に流出しやすいが、環状溝の側壁面との摺動面となるリング側面との接触面積が大きく、軸回転トルクを小さくできない。
本発明は、軸回転数またはハウジング回転数が高い状態においても、フリクションが少なく低オイルリーク性を有し、軸回転トルクの低減可能なシールリングを提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために、本発明の一の観点によると、軸穴を有するハウジングと軸穴に挿入される軸を有する油圧密封装置を構成するシールリングであって、軸に設けられた軸環状溝に装着されて、ハウジングの内周面に接触し、かつ密封流体が流入する側に対向する軸環状溝の側壁面に摺動自在に接触して、これら部材間の環状隙間を封止するシールリングにおいて、
シールリングの円周方向縦断面形状は、シールリング外周面の軸方向幅を第1幅とするとき、第1幅がシールリングの軸方向の最大の幅であり、シールリング外周面側からシールリング内周面側に向かって軸外周面より軸心側の位置で、第1幅より小さい第2幅を形成する段差部分を形成し、
段差部分は、第1幅を形成する軸環状溝の側壁面に摺動自在に接触するシールリング側面(接触面)とシールリング接触面に対向するシールリング側面(受圧面)のうち、少なくともシールリング接触面側において円周方向全周に亘って存在し、段差部分は、シールリングの相互に対向するシールリング合い口部において、密封流体が流入する側にシールリングの合い口端面が位置する一端のシールリング合い口部内周側の合い口端面における第2幅の中心線が、シールリングの円周方向同一縦断面における第1幅の中心線に対してシールリング受圧面側に位置するように形成され、段差部分は、他端のシールリング合い口部内周側の合い口端面における第2幅の中心線が、一端のシールリング合い口部内周側の合い口端面における前記第2幅の中心線に対してシールリング接触面側に位置するように形成され、段差部分は、密封流体が流入するシールリング円周方向における第2幅の中心線が円周方向に沿って一端のシールリング合い口部内周側の合い口端面から他端のシールリング合い口部内周側の合い口端面に向かってシールリング接触面側に移動していく軌跡を描くように形成されることを特徴とするシールリングが得られる。
ここで、段差部分は、密封流体が流入するシールリング円周方向における第2幅の中心線が円周方向に沿って一端のシールリング合い口部内周側の合い口端面から他端のシールリング合い口部内周側の合い口端面に向かってシールリング接触面側に移動し、合い口部を除く円周部分の一部に第1幅の中心線の軌跡に平行となる軌跡または一致する軌跡を描くように形成されるようにしてもよい。
また、段差部分は、密封流体が流入するシールリング円周方向における第2幅の中心線が、円周方向に沿って一端のシールリング合い口部内周側の合い口端面から、他端のシールリング合い口部内周側の合い口端面に向かってシールリング接触面側に直線状に移動していく軌跡を描くように形成されるようにしてもよい。
段差部分は、密封流体が流入するシールリング円周方向における第2幅の中心線が、相互に対向するシールリング合い口部の少なくとも1つの合い口部において、合い口端面から任意の円周方向位置まで、シールリング円周方向における第1幅の中心線の軌跡から離れて平行となる軌跡を描くように形成されるようにしてもよい。
第2幅を形成する段差部分がシールリングの両側面に存在するようにしてもよく、シールリングの円周方向縦断面形状が、シールリング内周面方向に向かって凸形状、台形状または円弧形状であることが好ましい。
第2幅を形成する段差部分がシールリング接触面側のみに存在し、シールリングの円周方向縦断面形状が、シールリング受圧面側において、シールリング内周面方向に向かって、軸環状溝側壁面との距離が大きくなるように円弧形状を有するようにしてもよい。
シールリング外周面側から前記第2幅を形成する段差部分より内周側に、第2幅より小さい軸方向幅としての第3幅を形成する段差部分を有するようにしてもよく、第3幅を形成する円周方向縦断面形状が、シールリング内周面方向に凸形状、台形形状または円弧形状であることが好ましい。
本発明によれば、軸回転数またはハウジング回転数が高い状態においても、フリクションが少なく低オイルリーク性を有し、軸回転トルクの低減可能なシールリングを提供することができる。
シールリングが装着された油圧密封装置の基本構造を示す断面図である。 (A)は本発明の一態様に係るシールリングであって、シールリング接触面側のみに段差を有するシールリングの接触面側から見た斜視図であり、(B)は(A)の破線円で囲まれた部分の拡大図であり、(C)は合い口部を内周面側から見た斜視図である。α=α1度位置およびα=α2度位置は図3を参照する。 図2(A)のシールリングについて、ハウジングに装着した時のシールリング接触面側から見た平面図である。 (A)は本発明の他の態様に係るシールリングであって、シールリング接触面側およびシールリング受圧面側の両方に段差を有するシールリングの受圧面側から見た斜視図であり、(B)は(A)の破線円で囲まれた部分の拡大図であり、(C)は(A)の合い口部を内周面側から見た正面図である。 図3のシールリングについて、作動油流入方向から見た円周方向縦断面図であり、(A)は5A−5A断面図であり、(B)は5B−5B断面図であり、(C)は5C−5C断面図であり、(D)は5D−5D断面図であり、(E)は5E−5E断面図である。 図4のシールリングについて、作動油流入方向から見た円周方向縦断面図であり、(A)は6A−6A断面図であり、(B)は6B−6B断面図であり、(C)は6C−6C断面図であり、(D)は6D−6D断面図であり、(E)は6E−6E断面図である。 (A)は図2のシールリングの内周面の展開図であり、(B)はα=90度位置の縦断面図である。 (A)は図4のシールリングの内周面の展開図であり、(B)はα=90度位置の縦断面図である。 図8(A)の部分拡大図である。 本発明の他の態様に係るシールリングであって、第2幅を形成する段差がシールリング接触面側のみにある場合であって、シールリングの円周方向の一部(本図では、α=135度からα=225度まで)に、第2幅中心線が第1幅中心線の軌跡に平行になる軌跡を有する場合の内周面の展開図を示す。 本発明の図2、図7(B)におけるシールリングが軸環状溝に装着された時の状態図を示す。 (A)は比較例1に係るシールリングの接触面側から見た斜視図であり、(B)は、合い口部を内周面側から見た正面図であり、(C)は合い口部を内周面側から見た展開図である。 (A)は比較例2に係るシールリングの接触面側から見た斜視図であり、(B)は、合い口部を内周面側から見た正面図であり、(C)V溝の斜視図である。 本発明のシールリングの他の実施例であって、作動油流入側α=90度位置の円周方向縦断面図であり、(A)はシールリング接触面側のみに段差を有するシールリングであって、第2幅を形成する段差部分が、シールリング外周面と平行ではなく、テーパ形状である実施例を示した図であり、(B)はシールリング接触面側およびシールリング受圧面側の両方に段差を有するシールリングであって、シールリング内周面が円弧形状である実施例を示した図であり、(C)はシールリング接触面側のみに段差を有するシールリングであって、シールリング内周面が円弧形状である実施例を示した図であり、(D)はシールリング接触面側およびシールリング受圧面側の両方に段差を有するシールリングであって、第3幅を有する実施例を示した図であり、(E)はシールリング接触面側およびシールリング受圧面側の両方に段差を有するシールリングであって、第3幅を有する他の実施例を示した図である。 シールリング試験機を示した模式図である。 実施例1〜2及び比較例1〜2における油圧を変化させたときの軸回転数と軸回転トルクの関係を示すグラフである。
以下に本発明のシールリングについて図面を参照して詳細に説明する。
図2(A)に、本発明の一態様である接触面側のみに段差を有するシールリング1であって、シールリング1の接触面(以下、「シールリング接触面」と呼ぶ。)側の斜視図を示し、図2(B)に図2(A)の破線円で囲まれた部分の拡大図を示す。シールリング接触面14側に第2幅の形成面である接触面側非接触面141が全周に亘り形成されている。
図2(C)に、複合ステップカット型合い口の形状を有する合い口部15を内周面側から見たシールリング接触面14側の斜視図を示す。図中の矢印はシールリング1に対して作動油が流入する方向を示している。一端のシールリング合い口部内周側の合い口端面151と他端のシールリング合い口部内周側の合い口端面152にそれぞれ第2幅を形成する接触面側非接触面141が存在する
図3に、図2のシールリング1について、ハウジングに装着時のシールリング接触面14側の平面図を示す。図中の矢印はシールリング1に対して作動油が流入する方向を示している。相互に対向する合い口部15は円環状に重なり合っていて、合い口重なり部中央位置とハウジング内径中心であるシールリング中心Oとを結ぶ線分のシールリング円周方向の位置を0度とし、作動油流入方向に、シールリング1の円周方向位置をα度とする。合い口部15となる円周方向の位置をα1度、α2度の位置とすると、合い口部15を挟むα1度とα2度との範囲を合い口部といい、通常はα1=α2であり5度から20度の範囲にある。第1幅を形成する接触面14の半径方向の長さeは、合い口部15以外で一定であるが、合い口部の範囲においては合い口部の形状により好適に設定する。円周方向における各断面位置は、5A−5A断面がα=α1度、5B−5B断面がα=90度、5C−5C断面がα=180度、5D−5D断面がα=270度、5E−5E断面がα=α2度である。
図4(A)に、本発明の他の態様であるシールリング接触面側およびシールリングの受圧面側の両方に段差を有するシールリング30であって、シールリング1の受圧面(以下、「シールリング受圧面」と呼ぶ。)11側の斜視図を示し、図3と同様にハウジングに装着時の合い口重なり部中央位置とハウジング内径中心であるシールリング中心Oとを結ぶ線分のシールリング円周方向の位置を0度とした場合、作動油流入方向に、シールリング30の円周方向位置をα度としすると、円周方向における各断面位置は、6A−6A断面がα=α1度、6B−6B断面がα=90度、6C−6C断面がα=180度、6D−6D断面がα=270度、6E−6E断面がα=α2度である。なお、合い口部15となる円周方向の位置をα1度、α2度の位置とする。図4(B)に図4(A)の破線円で囲まれた部分の拡大図を示す。図4(C)に、合い口部15を内周面側から見た正面図を示す。
合い口部15の形状については、直角(ストレート)合口型、斜め(アングル)合口型、段付き(ステップ)合口型などにすることも可能であるが、合口隙間部への油の流通を遮断し、シール性を向上させるためには、複合ステップカット型を採用することが好ましい。
図5に、第2幅a2を形成する段差がシールリング接触面14側のみにある場合の図3に示す5A-5A断面から5E-5E断面までの位置におけるシールリング1の円周方向縦断面形状と円周方向位置を示す角度とを対応して示す。
第1幅a1および第2幅a2はいずれの断面も同一の幅であるが、第2幅a2の中心線M2はαが0度から360度までの間、第1幅の中心線M1のシールリング受圧面11側にある(α=0度およびα=360度の縦断面形状は不図示)。
図6に、第2幅a2を形成する段差がシールリング接触面14側とシールリング受圧面11側の両側にある場合の図4に示す6A-6A断面から6E-6E断面までの位置における円周方向縦断面図を示す。第1幅a1および第2幅a2はいずれの断面も同一の幅であるが、第2幅a2の中心線M2は、αが0度から180度手前までの間、第1幅の中心線M1のシールリング受圧面11側にあるが、180度位置で第1幅中心線M1と一致し、180度位置を超え360度までの間は、第1幅中心線M1のシールリング接触面14側にある(α=0度およびα=360度の縦断面形状は不図示)。
図7(A)に、第2幅a2を形成する段差がシールリング接触面14側のみにある場合のシールリング内周面12の展開図を示す。なお、図7(B)はα=90度におけるシールリング1の縦断面図である。第1幅はa1、作動油流入方向の一端の合い口端面の第2幅をa21、他端の合い口端面の第2幅をa211としている。円周方向全周に亘り第1幅中心線M1の軌跡と第2幅中心線M2の軌跡とはθ1の角度を形成している。
また、第1幅及び第2幅については、a1/2≦a21≦3a1/4、a21<a211、a1−a211≧0.15mmの関係を有することが好ましい。
シールリングの展開長さをLとすれば、
tanθ1=(a211−a21)/2Lの関係を有する。
この第2幅中心線の軌跡が第1幅中心線の軌跡と成す角度θの存在により、本発明における作動油の動圧効果を発生することができる。
図8(A)に、第2幅a2を形成する段差がシールリング接触面14側とシールリング受圧面11側の両側にある場合のシールリング内周面12の展開図を示す。なお、図8(B)はα=90度におけるシールリング1の縦断面図である。第2幅a2を形成する段差をシールリング接触面14とシールリング受圧面11の両側面に設け、本図のように接触面側と受圧面側の空間の断面積の形成を真逆にすると、シールリングを軸に組み付ける際、本来と逆に組み込んでも全く同じ機能を有することになる。
図9は図8(A)の展開図におけるシールリング1の合い口部の部分拡大図を示す。第1幅はa1、作動油流入方向の一端の合い口端面の第2幅をa22、シールリング接触面14と接触面側非接触面141の合い口端面の段差の幅をb、シールリング受圧面11と受圧面側非接触面111の合い口端面の段差の幅をc、他端の合い口端面の第2幅をa221としている。円周方向全周に亘り第1幅中心線M1の軌跡と第2幅中心線M2の軌跡とが成すθ2の角度を形成している。
図8、図9では、a22=a221であり、1/4a1≦b≦1/2a1、c≧0.15mm、の関係を有することが好ましい。
シールリングの展開長さをLとすれば、
tanθ2=(b−c)/Lの関係を有する。
また、a22=a221=a1-b−cの関係を有する。
図10に、本発明の他の態様に係るシールリングであって、第2幅a2を形成する段差がシールリング接触面14側のみにある場合であって、シールリング1の円周方向の一部(本図では、α=135度からα=225度まで)に、第2幅中心線M2が第1幅中心線M1の軌跡から離れて第1幅中心線M1の軌跡に平行になる軌跡を有する場合における内周面の展開図を示す。
第1幅をa1、作動油流入方向の一端(α=0度の位置)の合い口端面の第2幅をa23、第2幅中心線M2が第1幅中心線M1の軌跡から離れて第1幅中心線M1の軌跡に平行になる軌跡の部分(α=180度の位置)で第2幅a231を有し、他端(α=360度の位置)の合い口端面の第2幅をa232としている。シールリング1の展開長さがLで、一端の合い口部側の展開長さがL1の範囲で第1幅中心線M1の軌跡と第2幅中心線M2の軌跡とが成す角度がθ3、他端の合い口部側の展開長さがL2の範囲で第1幅中心線M1の軌跡と第2幅中心線M2の軌跡とが成す角度がθ31を形成している。
ここで、tanθ3=(a231−a23)/2L1、tanθ31=(a232−a231)/2L2の関係を有する。
図7(A)と図10において、a21=a23かつa211=a232のとき、θ3>θ1、θ31>θ1とすることが可能となり、図10の実施例では、図7(A)に比べ動圧効果を部分的に高めることが可能になる。
第2幅中心線M2が第1幅中心線M1の軌跡に平行になる軌跡は、シールリング円周方向のどの位置にも、任意の長さで適用可能である。また、図8に示すシールリング接触面14側およびシールリング受圧面11側の両方に段差を有するシールリング1においても、第1幅中心線M1の軌跡に平行な面を有する接触面側非接触面141および受圧面側非接触面111とを形成し、図10のような第2幅中心線M2の軌跡と同様な実施を適用可能である。
図11に、本発明の図2、図5、図7(B)のシールリングが軸環状溝に装着された状態図を示す。シールリングの縦断面形状は、円周方向位置α=90度相当の位置を示す。
シールリングの第2幅中心線M2の軌跡は円周方向全周に亘って、第1幅中心線M1の軌跡の受圧面側に位置している。図示しているSは、軸環状溝側面と接触面側非接触面141との隙間を表し、Sはa1−a21≧S≧a1−a211の範囲(図7(A)参照)であり、シールリング円周方向の位置α=0度からα=360度に向かって隙間Sが狭くなることから、流入する作動油が動圧効果を発生する。シールリング接触面14と軸環状溝との半径方向の接触長さをdで示す。
シールリングの耐摩耗性の観点からはd≧0.35mmが好ましく、オイルリークの観点からはd≧0.2mmがより好ましい。また、シールリング厚さをTとすると、シールリング接触面の半径方向の長さeに関して2e≦T≦4eが好適である。尚、eとdについてはe>dの関係を有する。
図12に比較例1として、シールリング50を接触面側から見た斜視図(図12(A)参照)、合い口部を内周面側から見た正面図(図12(B)参照)、及び内周面側から見た展開図(図12(C)参照)を示す。
図13に比較例2として、シールリング70を接触面側から見た斜視図(図13(A)参照)、合い口部を内周面側から見た正面図(図13(B)参照)、V溝72の斜視図(図13(C)参照)を示す。
図14(A)〜(E)に、さらに他の実施例に係るシールリングの作動油流入方向から見た円周方向の縦断面図を示す。
図14(A)に示すシールリング101は、接触面側14のみに段差を有するシールリング101であって、第2幅a2を形成する段差部分が、シールリング外周面13と平行ではなく、テーパ形状を有するものである。
図14(B)は、軸環状溝4を含めた断面形状の一例を示した図である。図14(B)に示すシールリング103は、シールリング接触面14側およびシールリング受圧面11側の両方に段差を有するシールリング103であって、シールリング内周面12が円弧形状を有するものである。本シールリングは、作動油のシールリング接触面側14へ流入性が良く、矩形断面より早期にハウジング方向への押しつけ圧力が作用することが可能な形状であり、また、軸環状溝4の内周側隅部との干渉を避けるには好適である。
図14(C)は、軸環状溝4を含めた断面形状の一例を示した図である。
図14(C)に示すシールリング105は、接触面側14のみに段差を有するシールリング105であって、シールリング内周面12が円弧形状を有するものである。シールリング105は、ハウジング方向および軸環状溝4の側面壁方向の両方向にシールリングを押しつける圧力が作用する形状として好適である。
図14(D)に示すシールリング107は、シールリング接触面14側およびシールリング受圧面11側の両方に段差を有するシールリング107であって、第3幅a3を有するものである。
図14(E)に示すシールリング109は、シールリング接触面14側およびシールリング受圧面11側の両方に段差を有するシールリングであって、第3幅a3を有するものである。
図14(D)、(E)に示すシールリングは、シールリング内周面12と軸環状溝4の内周面とのクリアランスが大きい場合、シールリング外周面13が軸外周面から大きく飛び出し、ハウジングの軸穴に挿入時スムーズに挿入できないという組み付け性不具合を改善するには好適な形状である。
本発明のシールリングの材料は、特に限定されず、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)等の他、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、変性ポリテトラフルオロエチレン、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)等のフッ素系樹脂等が用いられる。一般に、これらの樹脂にカーボン粉末、強化繊維、固体潤滑剤等の添加剤を充填した材料が好ましく用いられる。
本発明のシールリングの製造方法は、特に限定されないが、シールリング材料として、PEEK、PPS、PI等の熱可塑性樹脂を用いる場合は、射出成形で製造するのが好ましい。また、フッ素樹脂を用いる場合には、圧縮成型後、機械加工することにより製造することができる。
以下に本発明のシールリングの実施例について説明するが、本発明は以下に示す実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1:図2、図3、図5、図7参照)
実施例1のシールリング1は、第2幅を形成する段差が接触面側のみで図5の断面形状を有し、図7において、シールリング円周方向全周に亘って第2幅中心線の軌跡が第1幅中心線の軌跡に対して、θ1=0.13度であり、すなわち接触面14と接触面側非接触面141との隙間S(図11参照)がシールリングの他端合い口に向かって減少している。合い口形状は複合ステップ型で、ハウジング内に装着されたときの合い口の隙間は0.5 mmである。
シールリング材質:ポリフェニレンサルファイド(PPS)材、シールリング外径:53mm、第1幅a1:1.5mm、シールリング厚さT:1.95mm、第1幅厚さe:0.65mm(軸環状溝側壁面と接触する半径方向長さd(設計値):0.35mm)、第2幅a21(α=0度の位置):0.97mm、第2幅a211(α=360度の位置):1.35mm、である。
(実施例2:図4、図6,図8、図9参照)
実施例2のシールリング30は、実施例1のシールリング1に対して、第2幅を形成する段差が接触面側と受圧面側の両面に存在し、図6の断面形状を有し、図8において、シールリング円周方向全周に亘って第2幅中心線の軌跡が第1幅中心線の軌跡に対して、θ1=0.13度であり、すなわち接触面14と接触面側非接触面141との隙間S(図11参照)がシールリングの他端合い口に向かって減少し、シールリング受圧面11側はシールリング接触面14側と真逆で、シールリングの他端合い口に向かって隙間S(図11参照)相当が増加している。合い口形状は複合ステップ型で、ハウジング内に装着されたときの合い口の隙間は0.5 mmである。
シールリング材質:ポリフェニレンサルファイド(PPS)材、シールリング外径:53mm、第1幅a1:1.5mm、シールリング厚さT:1.95mm、第1幅厚さe:0.65mm(軸環状溝側壁面と接触する半径方向長さd(設計値):0.35mm)、b=0.53mm、第2幅a22(α=0度の位置):0.82mm、第2幅a221(α=360度の位置):0.82mm、である。
(比較例1)
図12に示す、比較例1のシールリング50は、図8(A)において、シールリング円周方向全周に亘って第2幅中心線の軌跡が第1幅中心線の軌跡と一致し、θ2=0度であり、すなわち図11におけるシールリング接触面14と接触面側非接触面141との隙間S(図11参照)およびシールリング受圧面11と受圧面側非接触面111との隙間S(不図示)がシールリング円周方向全周に亘って一定である形状であり、特許文献1に類似のシールリングである。合い口形状は複合ステップ型で、ハウジング内に装着されたときの合い口の隙間は0.5mmである。
シールリング材質:ポリフェニレンサルファイド(PPS)材、シールリング外径:53mm、第1幅a1:1.5mm、シールリング厚さT:1.95mm、第1幅厚さe:0.65mm(軸環状溝側壁面と接触する半径方向長さd(設計値):0.35mm)、b=0.34mm,第2幅a24(α=0度の位置):0.82mm、第2幅a24(α=360度の位置):0.82mm、である。
(比較例2)
図13に示す、比較例2に係るシールリング70は、シールリング接触面の内周側端部の一部に軸環状溝側壁面と非接触部となるリング円周方向に沿ったV字状の凹部(V溝)72が設けられていて、特許文献2に類似のシールリングである。合い口形状は複合ステップ型で、ハウジング内に装着されたときの合い口の隙間は0.5mmである。
シールリング材質:ポリフェニレンサルファイド(PPS)材、シールリング外径:53mm、第1幅a1:1.5mm、シールリング厚さT:1.95mm、第1幅厚さe1:0.65mm(軸環状溝側壁面と接触する半径方向長さd(設計値):0.35mm)である。V溝形状は、円周方向幅T1=6mm、T2=2mm、β=11度であり、受圧面および接触面にそれぞれ15ヶ所のV溝72がある。
(シールリング試験)
図15にシールリング試験機80の概略図を示す。本シールリング試験機で、軸回転トルク試験およびオイルリーク試験を実施する。トルク検出器((株)小野測器製:TH−2504)から回転トルク・ロスを検出した。
(1)ハウジングは材料:JIS S45C、ハウジング内径:53mm
(2)軸は材質:JIS S45C、軸外径:52.4mm、軸環状溝:溝幅1.5mm、溝底径:48mm(溝深さ:1.95mm)、側壁面あらさ:Ra0.8μmとしている。
(3)試験条件は、以下の通りである。
作動油油種:オートマチックトランスミッションフルード(ATF)
油温:80℃
油圧(MPa):0.3、0.6、1.2の3水準
軸回転数(rpm):1000〜9000
フリクション測定時間(sec):60
オイルリーク測定時間(sec):60
(軸回転トルクの試験結果)
図16に油圧を0.3MPaから1.2MPaまで変化させたときの軸回転数(rpm)と軸回転トルク(N・m)の関係を示すグラフを示す。実施例1,2は、軸回転数が3000rpmを超えても、油圧が1.2MPaまでの範囲で、急激な軸回転トルクの増加はない。
一方、比較例1は、軸回転数が3000rpmを超えると、油圧が0.3MPaから1.2MPaまでの範囲で、軸回転トルクが軸回転数に比例し、油圧が高くなる程、グラフの傾きが大きくなる。
比較例2は、軸回転数が1000rpmから9000rpmまでの全範囲で、実施例1,2および比較例1に対して各油圧において軸回転トルクが高い。ただし、軸回転数が5000rpmと9000rpmとの軸回転トルクの差は少ない。
(考察)
実施例1,2は共に、軸回転トルクの水準が全範囲で低く、軸回転数が3000rpmを超える領域で、動圧効果が作用している結果と考えられる。比較例1は、軸回転数が3000rpm以上で軸回転トルクが軸回転数に比例していることから、動圧効果の発生がない結果となっている。尚、実施例1,2および比較例1のシールリング接触面と軸環状溝側壁面との接触面積は同等であり、軸回転数が3000rpm以下で比較例1は、実施例1,2の軸回転トルクと同水準にある。
比較例2は、軸回転数が3000rpmを超えても軸回転トルク急激な増加が見られないことから、動圧効果が作用している結果と考えられる。また、比較例2は、実施例1,2および比較例1に比べ、シールリング接触面と軸環状溝側壁面との接触面積が大きく軸回転トルクの水準が全範囲で高いものになっている要因と考えられる。
(オイルリーク量の試験結果)
以下の表1にオイルリーク量の試験結果を示す。
実施例1,2および比較例1は、以下の表1に示すように軸回転数、油圧の変動範囲で略同一のオイルリーク量の結果であり、良好である
比較例2は、オイルリーク量の水準が全範囲で高く、油圧が0.6MPa以下の低いレベル程、オイルリーク量が多く、油圧が高い1.2MPaのレベルではオイルリーク量が低い水準に安定しているが、実施例1,2および比較例1に比較すると、3倍から4倍の数値となっている。
(考察)
比較例2については、軸回転トルクの試験で軸回転数が3000rpm以上かつ油圧が0.3MPa以上の領域で動圧効果がみられており、これが原因でシールリング接触面と軸環状溝側壁面との間に隙間が発生しているためと考えられる。
Figure 2018061222
1、30、50,70 シールリング
2 軸
3 作動油通路
4 軸環状溝
5 ハウジング
11 シールリング受圧面
12 シールリング内周面
13 シールリング外周面
14 シールリング接触面
15 シールリング合い口部
111 受圧面側非接触面
112 受圧面側第2非接触面
141 接触面側非接触面
142 接触面側第2非接触面
151 シールリング合い口端面
152 シールリング合い口端面
80 シールリング試験機
上記課題を解決するために、本発明の一の観点によると、軸穴を有するハウジングと軸穴に挿入される軸を有する油圧密封装置を構成するシールリングであって、軸に設けられた軸環状溝に装着されて、ハウジングの内周面に接触し、かつ密封流体が流入する側に対向する軸環状溝の側壁面に摺動自在に接触して、これら部材間の環状隙間を封止するシールリングにおいて、
シールリングの円周方向縦断面形状は、シールリング外周面の軸方向幅を第1幅とするとき、第1幅がシールリングの軸方向の最大の幅であり、シールリング外周面側からシールリング内周面側の位置で、第1幅より小さい第2幅を形成する段差部分を形成し、
段差部分は、第1幅を形成する軸環状溝の側壁面に摺動自在に接触するシールリング側面(接触面)とシールリング接触面に対向するシールリング側面(受圧面)のうち、少なくともシールリング接触面側において円周方向全周に亘って存在し、段差部分は、シールリングの相互に対向するシールリング合い口部において、密封流体が流入する側にシールリングの合い口端面が位置する一端のシールリング合い口部内周側の合い口端面における第2幅の中心線が、シールリングの円周方向同一縦断面における第1幅の中心線に対してシールリング受圧面側に位置するように形成され、段差部分は、他端のシールリング合い口部内周側の合い口端面における第2幅の中心線が、一端のシールリング合い口部内周側の合い口端面における前記第2幅の中心線に対してシールリング接触面側に位置するように形成され、段差部分は、密封流体が流入するシールリング円周方向における第2幅の中心線が円周方向に沿って一端のシールリング合い口部内周側の合い口端面から他端のシールリング合い口部内周側の合い口端面に向かってシールリング接触面側に移動していく軌跡を描くように形成されることを特徴とするシールリングが得られる。
図3に、図2のシールリング1について、ハウジングに装着時のシールリング接触面14側の平面図を示す。図中の矢印はシールリング1に対して作動油が流入する方向を示している。相互に対向する合い口部15は円環状に重なり合っていて、合い口重なり部中央位置とハウジング内径中心であるシールリング中心Oとを結ぶ線分のシールリング円周方向の位置を0度とし、作動油流入方向に、シールリング1の円周方向位置をα度とする。合い口部15となる円周方向の位置をα1度、α2度の位置とすると、合い口部15を挟むα1度とα2度との範囲を合い口部といい、通常はα1=360−α2であり5度から20度の範囲にある。第1幅を形成する接触面14の半径方向の長さeは、合い口部15以外で一定であるが、合い口部の範囲においては合い口部の形状により好適に設定する。円周方向における各断面位置は、5A−5A断面がα=α1度、5B−5B断面がα=90度、5C−5C断面がα=180度、5D−5D断面がα=270度、5E−5E断面がα=α2度である。

Claims (7)

  1. 軸穴を有するハウジングと前記軸穴に挿入される軸を有する油圧密封装置を構成するシールリングであって、前記軸に設けられた軸環状溝に装着されて、前記ハウジングの内周面に接触し、かつ密封流体が流入する側に対向する前記軸環状溝の側壁面に摺動自在に接触して、これら部材間の環状隙間を封止するシールリングにおいて、
    シールリングの円周方向縦断面形状は、シールリング外周面の軸方向幅を第1幅とするとき、前記第1幅がシールリングの軸方向の最大の幅であり、前記シールリング外周面側からシールリング内周面側に向かって前記軸外周面より軸心側の位置で、前記第1幅より小さい第2幅を形成する段差部分を形成し、
    前記段差部分は、
    前記第1幅を形成する軸環状溝の側壁面に摺動自在に接触するシールリング接触面とシールリング接触面に対向するシールリング受圧面のうち、少なくとも前記シールリング接触面側において円周方向全周に亘って存在し、
    前記段差部分は、前記シールリングの相互に対向するシールリング合い口部において、密封流体が流入する側にシールリングの合い口端面が位置する一端のシールリング合い口部内周側の合い口端面における前記第2幅の中心線が、前記シールリングの円周方向同一縦断面における前記第1幅の中心線に対して前記シールリング受圧面側に位置するように形成され、
    前記段差部分は、他端のシールリング合い口部内周側の合い口端面における前記第2幅の中心線が、前記一端のシールリング合い口部内周側の合い口端面における前記第2幅の中心線に対して前記シールリング接触面側に位置するように形成され、
    前記段差部分は、前記密封流体が流入する前記シールリング円周方向における前記第2幅の中心線が円周方向に沿って前記一端のシールリング合い口部内周側の合い口端面から前記他端のシールリング合い口部内周側の合い口端面に向かってシールリング接触面側に移動していく軌跡を描くように、形成される、
    ことを特徴とするシールリング。
  2. 前記段差部分は、
    前記密封流体が流入する前記シールリング円周方向における前記第2幅の中心線が円周方向に沿って前記一端のシールリング合い口部内周側の合い口端面から前記他端のシールリング合い口部内周側の合い口端面に向かってシールリング接触面側に移動し、合い口部を除く円周部分の一部に第1幅の中心線の軌跡に平行となる軌跡または一致する軌跡を描くように、
    形成される、
    ことを特徴とする請求項1に記載のシールリング。
  3. 前記段差部分は、
    前記密封流体が流入する前記シールリング円周方向における前記第2幅の中心線が、円周方向に沿って前記一端のシールリング合い口部内周側の合い口端面から、前記他端のシールリング合い口部内周側の合い口端面に向かってシールリング接触面側に直線状に移動していく軌跡を描くように、
    形成される、
    ことを特徴とする請求項1に記載のシールリング。
  4. 前記段差部分は、
    前記密封流体が流入する前記シールリング円周方向における前記第2幅の中心線が、相互に対向する前記シールリング合い口部の少なくとも1つの合い口部において、合い口端面から任意の円周方向位置まで、シールリング円周方向における第1幅の中心線の軌跡から離れて平行となる軌跡を描くように、
    形成される、
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のシールリング。
  5. 前記第2幅を形成する段差部分がシールリングの両側面に存在し、前記シールリングの円周方向縦断面形状が、前記シールリング内周面方向に向かって凸形状、台形状または円弧形状であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のシールリング。
  6. 前記第2幅を形成する段差部分がシールリング接触面側のみに存在し、前記シールリングの円周方向縦断面形状が、前記シールリング受圧面側において、前記シールリング内周面方向に向かって、前記軸環状溝側壁面との距離が大きくなるように円弧形状を有する、
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のシールリング。
  7. 前記シールリング外周面側から前記第2幅を形成する段差部分より内周側に、前記第2幅より小さい軸方向幅としての第3幅を形成する段差部分を有し、第3幅を形成する円周方向縦断面形状が、前記シールリング内周面方向に凸形状、台形形状または円弧形状である、
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のシールリング。
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