JP6878209B2 - シールリング - Google Patents

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本発明は、オートマチックトランスミッション(以下、ATと記す)や無段変速機(以下、CVTと記す)など、油圧作動油などの流体の流体圧を利用した機器において、該流体を封止するために使用されるシールリングに関する。
AT、CVTなどの機器では、作動油を密封するためのオイルシールリングが要所に取り付けられている。例えば、ハウジングの軸孔に挿通される回転軸に設けられた対の離間した環状溝に取り付けられ、両環状溝間にある油路から供給される作動油を両シールリングの側面と内周面で受け、反対側の側面と外周面とで環状溝の側壁とハウジング内周面とをシールする。シールリングにおける各シール面は、環状溝の側壁、ハウジング内周面とそれぞれ摺動接触しつつ、両シールリング間の作動油の油圧を保持している。このようなシールリングは、摩擦損失が少なく、かつ充分なオイルシール性が要求される。特に近年では、燃費向上が重要な課題とされており、AT、CVTなどの機器において、良好なシール性を維持しつつ、更なる低トルク性の向上が望まれている。
従来、このようなシールリングとして、図7に示すような特許文献1の樹脂製のシールリングが提案されている。図7は該シールリングの斜視図である。図7に示すように、このシールリング11は、摺動面となるリング側面11aの内径側端部に、環状溝の側壁面との非接触部となる、リング周方向に沿ったV字状の凹部12を有している。この凹部12に作動油が導入され、摺動面間の面圧を軽減するように動圧を発生させている。
特開2015−28382号公報
特許文献1の樹脂製のシールリングは、回転時での動圧による油膜形成効果が期待でき、低トルク性に優れる。しかし、近年、自動車における燃費向上は重要な課題とされており、燃費基準は今後益々厳しくなることが予想される。このため、シールリングには、オイルシール性を維持しつつ、より一層トルクを低減することが求められている。
本発明はこのような問題に対処するためになされたものであり、優れた低トルク性を有する樹脂製のシールリングを提供することを目的とする。
本発明のシールリングは、ハウジングの軸孔に挿通される回転軸に設けられた環状溝に装着されて、該環状溝の非密封流体側の側壁面に摺動自在に接触し、かつ上記軸孔の内周面に接触して、これら回転軸と軸孔との間の環状隙間を封止するシールリングであって、該シールリングは、合成樹脂製であり、上記側壁面との摺動面となるリング側面の内径側端部に、上記側壁面との非接触部となる、リング周方向に沿ったV字状の複数の凹部と、隣り合う上記凹部同士の間を連結する柱部を有し、上記柱部が、上記側壁面との非接触部であることを特徴とする。
上記柱部は、周方向に沿って、上記側壁面との摺動面となるリング側面からリング幅方向内側に凹んで形成され、該リング側面に平行な面で構成されていることを特徴とする。
上記凹部の上記リング側面からの深さは、該凹部のリング周方向の端部以外に最深部があり、該最深部からリング周方向の両端部に向けて浅くなっており、上記凹部のリング周方向の端部と上記柱部との境界部が上記柱部に対して急勾配に形成されていることを特徴とする。
上記凹部のリング周方向の端部の上記リング側面からの深さは、上記柱部の上記リング側面からの深さに対して1.6〜5.5倍であることを特徴とする。
上記合成樹脂がポリフェニレンサルファイド(以下、PPSと記す)樹脂またはポリエーテルエーテルケトン(以下、PEEKと記す)樹脂であることを特徴とする。
本発明のシールリングは、ハウジングの軸孔に挿通される回転軸に設けられた環状溝に装着されて、該環状溝の非密封流体側の側壁面に摺動自在に接触し、かつ軸孔の内周面に接触して、これら回転軸と軸孔との間の環状隙間を封止する合成樹脂製のシールリングであり、側壁面との摺動面となるリング側面の内径側端部に、側壁面との非接触部となる、リング周方向に沿ったV字状の複数の凹部と、隣り合う凹部同士の間を連結する柱部を有し、柱部は、側壁面との非接触部となっているので、回転軸の環状溝との接触面積を小さくでき、面圧の増加により摩擦係数を下げることができる。この結果、該柱部が非接触部でない場合、つまり該柱部が接触する場合に比べて、低トルクとなる。これにより、優れた低トルク性を有するシールリングを得ることができる。
柱部は、周方向に沿って、側壁面との摺動面となるリング側面からリング幅方向内側に凹んで形成されているので、確実に回転軸の環状溝との接触面積を小さくでき、低トルクとすることができる。また、上記柱部は、該リング側面に平行な面で構成されているので、摺動面が摩耗した場合でも、接触面積の増加を抑制することができ、低トルクを維持することができる。
凹部の上記リング側面からの深さは、該凹部のリング周方向の端部以外に最深部があり、該最深部からリング周方向の両端部に向けて浅くなっており、凹部のリング周方向の端部と柱部との境界部が柱部に対して急勾配に形成されているので、作動油が凹部および柱部に沿って流れる際に、流路の大きさの変化に伴って負荷容量が生じる。この負荷容量によって、シールリングが側壁面に押し付けられる力を軽減することができるため、低トルクとすることができる。
凹部のリング周方向の端部のリング側面からの深さは、柱部の上記リング側面からの深さに対して1.6〜5.5倍であるので、流路のすきま比と負荷容量との関係から、高い負荷容量を生じさせることができる。これにより、シールリングが側壁面に押し付けられる力を軽減することができる。
シールリングを構成する合成樹脂がPPS樹脂またはPEEK樹脂であるので、曲げ弾性率、耐熱性などに優れ、溝に組み込む際に拡径しても割れることがなく、シールする作動油の油温が高くなる場合でも使用できる。
本発明のシールリングの一例を示す平面図である。 図1のシールリングの断面図である。 図1のシールリングを環状溝に組み込んだ状態を示す断面図である。 図1のシールリングの一部をリング内径側から見た図である。 図4におけるB図の拡大断面図である。 流体による負荷容量と流路のすきま比との関係を示す図である。 従来のシールリングの一例を示す図である。
本発明のシールリングの一例を図1〜図3に基づいて説明する。図1はシールリングの平面図であり、図2(a)はA−A線断面図であり、図2(b)はB−B線断面図である。また、図3は、このシールリングを油圧装置の環状溝に組み込んだ状態の断面図である。図1に示すように、シールリング1は、樹脂組成物の成形体であり、一箇所の合い口5を有する断面が略矩形の環状体である。リングの両側面2の内径側端部には、リング周方向に沿ったV字状の凹部3が離間して複数個設けられている。さらに、内径側端部には、隣り合う凹部3同士の間を連結する柱部4が設けられている。リング内周面1bとリングの両側面2(凹部3および柱部4を含む)との角部は直線状、曲線状の面取りが設けられていてもよく、シールリングを射出成形で製造する場合、該部分に金型からの突出し部分となる段部1cを設けてもよい(図2参照)。
図3に示すように、シールリング1は、ハウジング7の軸孔7aに挿通される回転軸6に設けられた環状溝6aに装着される。図中の矢印が作動油からの圧力が加わる方向であり、図中右側が非密封流体側である。シールリング1は、そのリング側面2で、環状溝6aの非密封流体側の側壁面6bに摺動自在に接触している。また、その外周面1aで軸孔7aの内周面に接触している。このシール構造により、回転軸6と軸孔7aとの間の環状隙間を封止している。また、作動油は用途に応じた種類が適宜用いられる。本発明では、油温として30〜150℃程度、油圧として0.5〜3.0MPa程度、回転軸の回転数として1000〜7000rpm程度の条件を主に想定している。
シールリング1は、一箇所の合い口5(図1参照)を有するカットタイプのリングであり、弾性変形により拡径して環状溝6aに装着される。シールリング1は、合い口5を有することから、使用時において作動油の油圧によって拡径されて、外周面1aが軸孔7aの内周面と密着する。合い口5の形状については、ストレートカット型、アングルカット型などにすることも可能であるが、シール性に優れることから、図1に示す複合ステップカット型を採用することが好ましい。
図1〜図3に示すように、シールリング1は、一方のリング側面2が環状溝6aの側壁面6bとの摺動面となり、このリング側面(摺動面)2のリング内径側端部に、側壁面6bとの非接触部となるV字状の凹部3が形成されており、その隣り合う凹部3同士の間が柱部4となっている。柱部4は、リング側面(摺動面)2からリング幅方向内側に凹んで形成されており、側壁面6bとの非接触部となっている。図7に示す従来のシールリング11では、隣り合う凹部12同士の間は、摺動面の一部を構成している。つまり、当該部分は側壁面6bとの接触部となっている。これに対して、本発明のシールリング(図1)は、シールリング11の隣り合う凹部12同士の間に肉ぬすみ部としての柱部4を設けた構成となっている。このように、側壁面6bとの非接触部となる柱部4を設けることで、環状溝6aの側壁面6bとの接触面積を小さくすることができる。ここで、樹脂の特徴として面圧依存性があり、面圧が高くなると摩擦係数が下がる。シールリングにおいて、上記のとおり環状溝との接触面積を小さくすることで、摺動面における面圧としては大きくなり、上記特性により該摺動面での摩擦係数を下げることができる。
図4には、図1のシールリングの一部をリング内径側から見た図を示す。柱部4は、リング側面(摺動面)2からリング幅方向内側に凹んで形成されており、リング側面(摺動面)2に対し平行な面で構成されている。なお、柱部4の摺動面からの深さは、リング径方向には一定である。柱部4と凹部3は連続的な形状となっており、凹部3は、柱部4からリング幅方向内側にさらに凹んでおり、周方向に沿ってV字状の構成となっている。つまり、凹部3および柱部4は、一体的に摺動面から凹んだ溝部を形成している。一方、摺動面と凹部3および柱部4との境界部は非連続的な形状(段差)となっているため、作動油は、摺動面に流出しにくくなっている。このため、オイルシール性が維持されている。
図4において、凹部3の摺動面からの深さは、凹部3のリング周方向の端部以外に最深部3cがあり、最深部3cからリング周方向の両端部(両柱部4)に向けて浅くなる。すなわち、リング周方向で柱部に近い領域程浅くなる。また、凹部3の摺動面からの深さは、リング径方向には一定である。図4では、凹部3の底面は、柱部4から、リング幅方向内側に向けてリング周方向に沿って傾斜した平面3aと平面3bとから構成される。
凹部3の最深部3cの摺動面からの深さは、リング総幅の45%以下とすることが好ましく、30%以下とすることが更に好ましい。なお、ここでの「深さ」は、凹部をリングの両側面に形成する場合には、各側面の凹部の深さを合計したものである。リング総幅の45%をこえる場合、リングが使用時に大きく変形する等のおそれがある。また、凹部3のそれぞれのリング周方向の長さは、個数に応じて、リング全周の約3〜20%とすることが好ましい。潤滑溝のリング径方向の長さは、リング総厚みの10〜45%とすることが好ましい。
凹部3のリング周方向の端部と柱部4との境界部について図5に基づいて説明する。図5は図4におけるB部(境界部)の拡大断面図である。図5に示すように、凹部3のリング周方向の端部と柱部4との境界部3dは、柱部4に対して急勾配に形成されている。すなわち、凹部3において、境界部3dの柱部4の表面に対する勾配は、該境界部3d以外の部分の柱部4に対する勾配よりも大きくなっている。
以下に、柱部4の摺動面からの深さの寸法について説明する。まず、図3に示すように、側壁面6b側の凹部および柱部4には密封流体である作動油が入りこんでいる。シールリング1が回転すると、作動油は溝部を構成する凹部および柱部4を周方向に移動することになる。例えば、図4を参照すると、作動油が図中左側から図中右側に向かって流れることになる。この際、凹部3(特に柱部4との境界部)から柱部4にかけて作動油の流路が狭くなるため、作動油が凹部3に対して力を及ぼすことになる。つまりこの場合、凹部3を押え付けるように力(負荷容量)が働く。図3において、この負荷容量は、側壁面6bからみると、シールリング1を側壁面6bから離そうとする力である。そのため、負荷容量を適度に生じさせることで、シールリング1を摺動面に押し付ける力を弱め、トルクを低減させることができる。
ここで、流動体が入口すきま(h1)と出口すきま(h2)が異なる流路を流れる際に生じる負荷容量の変化を図6に示す(参考文献:J.Frene、D.Nicolas、B.Degueurce、D.Berthe、M.Godet著、「Hydrodynamic Lubrication Bearings and Thrust Bearings」、Elsevier、1997年)。図6では、傾斜面で構成された流路1と段差面で構成された流路2の異なる形態の流路における、すきま比(h1/h2)と負荷容量Wの関係を示している。図6より、負荷容量Wは、いずれの流路においてもすきま比(h1/h2)が2の時に、最も高い値となっている。すなわち、入口すきま(h1)が出口すきま(h2)の2倍である場合に、最大の負荷容量を得ることができる。このことから、流路の大きさが変化する場合において、負荷容量を得るためには、すきま比(h1/h2)が1.6〜5.5であることが好ましく、1.7〜3.0であることがより好ましい。
図6に示す結果を、柱部4の摺動面からの深さの寸法に反映するとよい。図5において、図6のh1を、凹部3のリング周方向の端部の摺動面からの深さHaとみなし、図6のh2を、柱部4の摺動面からの深さHbとみなすことができる。この場合、凹部3の端部の深さHaは、柱部4の深さHbの1.6〜5.5倍であることが好ましく、1.7〜3.0倍であることがより好ましい。また、凹部3端部の柱部4からの深さをHcとすると、HcとHbの比は、Hc:Hb=50:10〜50:90であることが好ましく、50:30〜50:70であることが好ましい。なお、凹部3の端部の柱部4からの深さHcは、リング総幅にもよるが、例えば0.05mmに設定され、Hbは0.03〜0.07mmに設定される。このように、柱部4の深さHbを、凹部3の端部の深さに対して相対的に規定することで、適度な負荷容量を生じさせ、トルクを低減させることができる。
ここで、柱部4のリング径方向の長さの寸法について説明する。柱部4のリング径方向の長さは、凹部3のリング径方向の長さの長さ以下とすることができる。図1および図2では、柱部4のリング径方向の長さTbは、凹部3のリング径方向の長さTaと同じ長さとなっている。この場合、TbおよびTaは、リング総厚みの10〜80%とすることが好ましい。また、柱部4のリング径方向の長さTbのその他の形態として、凹部3のリング径方向の長さTaよりも短く(例えば半分の長さ)することができる。この場合でも、柱部4を設けない場合に比べ、側壁面との接触面積を減少させることができる。
図1のシールリング1のその他の形態として、リング側面の外径側端部に、周方向に沿って環状溝の側壁部との非接触部となるヌスミ部を設けてもよい。ヌスミ部は肉ぬすみ部であり、リング側面2における凹部として形成される。ヌスミ部を設けることで、側壁面との摺動面積をより小さくすることができる。なお、ヌスミ部の大きさは、凹部3とは干渉しない大きさとする。
また、図1のシールリング1のその他の形態として、シールリング1では、凹部3のリング周方向の端部と柱部4との境界部を、柱部4に対して急勾配としたが、これに限定されない。例えば、境界部を急勾配とせずに、V字状の傾斜面に沿って滑らかに凹部3と柱部4を連結してもよい。
本発明のシールリングは、上述のとおり合成樹脂の成形体とする。使用できる合成樹脂としては、例えば、熱硬化性ポリイミド樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、PEEK樹脂、全芳香族ポリエステル樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEと記す)樹脂等のフッ素樹脂、PPS樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂などが挙げられる。なお、これらの樹脂は単独で使用しても、2種類以上混合したポリマーアロイとしてもよい。
凹部、柱部、複合ステップカットの合い口などを有するシールリングの製造が容易であり低コストであること、機械加工された場合より回転トルクが低く安定すること等から、シールリングは合成樹脂を射出成形してなる射出成形体にすることが好ましい。このため、合成樹脂としては、射出成形が可能である熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。その中でも特に、摩擦摩耗特性、曲げ弾性率、耐熱性、摺動性などに優れることから、PEEK樹脂またはPPS樹脂を用いることが好ましい。これらの樹脂は高い弾性率を有し、溝に組み込む際に拡径しても割れることがなく、シールする作動油の油温が高くなる場合でも使用でき、また、ソルベントクラックの心配もない。
また、必要に応じて上記合成樹脂に、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維などの繊維状補強材、球状シリカや球状炭素などの球状充填材、マイカやタルクなどの鱗状補強材、チタン酸カリウムウィスカなどの微小繊維補強材を配合できる。また、PTFE樹脂、グラファイト、二硫化モリブデンなどの固体潤滑剤、リン酸カルシウム、硫酸カルシウムなどの摺動補強材、カーボンブラックなども配合できる。これらは単独で配合することも、組み合せて配合することもできる。特に、PEEK樹脂またはPPS樹脂に、繊維状補強材である炭素繊維と、固体潤滑剤であるPTFE樹脂とを含むものが、本発明のシールリングに要求される特性を得やすいので好ましい。炭素繊維を配合することで、曲げ弾性率などの機械的強度の向上が図れ、PTFE樹脂の配合により摺動特性の向上が図れる。
射出成形体とする場合には、以上の諸原材料を溶融混練して成形用ペレットとし、これを用いて公知の射出成形法により所定形状に成形する。射出成形のゲート位置は特に限定されないが、シール性の確保の観点および後加工が不要になることからリング内周面に設けた方が好ましい。また、ゲート位置は、リング内周面の合い口対向部に設けることが、射出成形における流動バランスの面から好ましい。
本発明のシールリングは、優れた低トルク性を有するので、回転軸とハウジングとの間で低トルク性が要求されるシールリングとして使用できる。特に、自動車におけるATやCVTなどの油圧機器に燃費向上のために好適に使用できる。
1 シールリング
2 リング側面
3 凹部
4 柱部
5 合い口
6 回転軸
7 ハウジング

Claims (3)

  1. ハウジングの軸孔に挿通される回転軸に設けられた環状溝に装着されて、該環状溝の非密封流体側の側壁面に摺動自在に接触し、かつ前記軸孔の内周面に接触して、これら回転軸と軸孔との間の環状隙間を封止するシールリングであって、
    該シールリングは、合成樹脂製であり、前記側壁面との摺動面となるリング側面の内径側端部に、前記側壁面との非接触部となる、リング周方向に沿ってリングの幅方向内側に凹んでV字状の複数の凹部と、隣り合う前記凹部同士の間を連結する柱部を有し、
    前記柱部は、該柱部と前記凹部のリング周方向の端部との境界部を合わせた部分の径方向断面が台形状であり、
    前記柱部における上底面が、前記側壁面との非接触部であり、周方向に沿って、前記側壁面との摺動面となるリング側面からリング幅方向内側に凹んで形成され、該リング側面に平行な面で構成され、
    前記凹部の前記リング側面からの深さは、該凹部のリング周方向の中央部に最深部があり、該最深部からリング周方向の両端部に向けて浅くなっており、前記境界部が前記上底面に対して急勾配に形成され、前記凹部において、前記境界部の前記上底面に対する勾配は、該境界部以外の部分の前記上底面に対する勾配よりも大きくなっており、
    前記凹部のリング周方向の端部の前記リング側面からの深さHaは、前記上底面の前記リング側面からの深さHbに対して1.6〜3.0倍であることを特徴とするシールリング。
  2. 前記凹部のリング周方向の端部の前記上底面からの深さHcと、前記上底面の前記リング側面からの深さHbの比が、Hc:Hb=50:10〜50:90であることを特徴とする請求項1記載のシールリング。
  3. 前記合成樹脂がポリフェニレンサルファイド樹脂またはポリエーテルエーテルケトン樹脂であることを特徴とする請求項1または請求項2記載のシールリング。
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