JPWO2018055868A1 - 吸湿発熱性繊維 - Google Patents

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Abstract

吸湿発熱性に関して初期の温度の立ち上がりの速さを有し、しかも高いレベルの嵩高性を有する吸湿発熱性繊維を提供する。架橋構造及びNa塩型又はK塩型のカルボキシル基を有する表層部と、アクリロニトリル含有率が異なる二種類のアクリロニトリル系重合体からなるサイドバイサイド型構造の中心部とからなる複合繊維であって、複合繊維の横断面における表層部の占める面積が5%以上20%未満であり、かつ、20℃、相対湿度65%の環境下における飽和吸湿率が20%以上であることを特徴とする吸湿発熱性繊維。

Description

本発明は、吸湿発熱性に関して初期の温度の立ち上がりの速さを有し、しかも高いレベルの嵩高性を有する、人体に対して快適な暖かい環境を早期に実感することができる吸湿発熱性繊維に関する。
吸湿発熱性繊維としては、架橋アクリレート系繊維が衣料分野や産業資材分野で最も広く使用されている。かかる架橋アクリレート系繊維は、pH緩衝性、制電性、保水性等の調和機能や高吸湿率、高吸湿速度、高吸湿率差あるいはそれに由来する調温・調湿機能を有することが知られている(例えば、特許文献1、2)。
しかしながら、架橋アクリレート系繊維は、高吸湿率を有するため、その吸湿した水分によって嵩高性及び形態安定性が低下するという特徴を有している。このため、カード加工が難しく、また、中綿などの嵩高性が求められる用途等への展開が進まない状況にあった。
かかる状況に対して、出願人は、2種類のアクリロニトリル系重合体からなるサイド・バイ・サイド構造を有するアクリロニトリル系繊維に窒素含有化合物による架橋処理および加水分解処理を施して得られた架橋アクリレート系繊維を提案した(特許文献3)。この繊維は、吸湿発熱性と嵩高性を実用的なレベルで併せ持つが、嵩高性の高さからMg,Caなどの多価金属塩型の架橋アクリレート系繊維を採用しているため、吸湿発熱性に関して吸湿後に短時間で高い温度に上昇しにくく、布団の中綿などに使用した場合に使用者が暖かさをすぐに実感できないという問題があり、さらなる改善の余地があった。
特開平7−216730号公報 特開平5−132858号公報 WO2015/041275号公報
本発明は、かかる特許文献3を含む従来技術の問題を解消するために創案されたものであり、吸湿発熱性に関して初期の発熱温度の立ち上がりの速さを有し、しかも高いレベルの嵩高性を有する吸湿発熱性繊維を提供することにある。
本発明者は、上記の目的を達成するために鋭意検討した結果、架橋ポリアクリレート系繊維としてNa塩型またはK塩型を採用して初期の吸湿発熱性を高めるとともに、Na塩型またはK塩型の欠点である嵩高性の低さを、吸湿発熱性を発現する表層部を小さくした特定の複合構造と、表層部のカルボキシル基量を高める技術とを採用して補うことにより、高い嵩高性を維持しながら吸湿発熱性による初期の高い上昇温度を発現できることを見出し、本発明の完成に至った。
具体的には、架橋ポリアクリレート系繊維として吸湿発熱性に関してMg塩型又はCa塩型の多価金属塩型より優れるNa塩型又はK塩型のアルカリ金属塩型を採用したうえで、中心部を特定の二種類のアクリロニトリル系重合体からなるサイドバイサイド構造とし、その周囲の吸湿発熱性を発揮する表層部を極力小さくして嵩高性を高めた複合構造をとり、表層部の形成にあたり加水分解処理を従来より低濃度のアルカリ金属化合物の緩い条件で行い、その後の酸処理を従来より高温での厳しい条件で行うことにより、狭い表層部でも従来より高濃度でカルボキシル基を存在させて高い吸湿発熱性を発現させることができることを見出した。
なお、ISO18782:2015の測定方法及び条件に準拠して測定したNa塩型またはMg塩型の架橋ポリアクリレート系繊維の経過時間ごとの温度の推移を示すグラフを図1に示す。図1からわかるように、架橋ポリアクリレート系繊維の吸湿発熱性に基づく初期の立ち上がり温度に関してNa塩型がMg塩型より優れていることがわかる。
即ち、本発明は、上記の知見に基づいて完成されたものであり、以下の(1)〜(4)の構成を有するものである。
(1)架橋構造及びNa塩型又はK塩型のカルボキシル基を有する表層部と、アクリロニトリル含有率が異なる二種類のアクリロニトリル系重合体からなるサイドバイサイド型構造の中心部とからなる複合繊維であって、複合繊維の横断面における表層部の占める面積が5%以上20%未満であり、かつ、20℃、相対湿度65%の環境下における飽和吸湿率が20%以上であることを特徴とする吸湿発熱性繊維。
(2)全カルボキシル基量が3.5mmol/g以上であることを特徴とする(1)に記載の吸湿発熱性繊維。
(3)ISO18782:2015に準拠して測定した上昇温度が4〜10℃であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の吸湿発熱性繊維。
(4)比容積が15〜50cm/gであることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の吸湿発熱性繊維。
本発明の吸湿発熱性繊維は、従来のMg塩型およびCa塩型等の多価金属塩型架橋ポリアクリレート系繊維では達成できなかった、吸湿発熱性による初期の高い上昇温度を有するとともに、高レベルの嵩高性を併せ持つという効果を有する。かかる効果は、Na塩型またはK塩型の架橋ポリアクリレート系繊維が持つ早期に高い上昇温度を示す吸湿発熱性と特定の複合構造と高濃度のカルボキシル基量の存在からもたらされるものである。本発明の吸湿発熱性繊維は、その高い嵩高性と迅速に温度上昇する高い吸湿発熱性により取り込んでいる大量の湿った空気を迅速に吸湿発熱させてすぐに低湿度の暖かい空気に変化させることが可能であるため、寝装品、秋冬アウトドア衣料の中綿として使用されると、装着者は極めて速い段階で暖かさと保温性を実感することができる。
ISO18782:2015の測定方法及び条件に準拠して測定したNa塩型またはMg塩型の架橋ポリアクリレート系繊維の経過時間ごとの温度の推移を示すグラフである。
以下に本発明の吸湿発熱性繊維を詳細に説明する。
本発明の吸湿発熱性繊維は、架橋構造及びNa塩型又はK塩型のカルボキシル基を有する表層部と、アクリロニトリル含有率が異なる二種類のアクリロニトリル系重合体からなるサイドバイサイド型構造の中心部とからなる複合繊維であって、複合繊維の横断面における表層部の占める面積が5%以上20%未満であり、かつ、20℃、相対湿度65%の環境下における飽和吸湿率が20%以上であることを特徴とする。かかる特徴により、迅速に吸湿して高い発熱性を示す吸湿発熱性と、持続的な保温性をもたらす嵩高性との両方を高いレベルでもたらすものである。
本発明の吸湿発熱性繊維は、一価金属のNa塩型またはK塩型のカルボキシル基を有する架橋ポリアクリレート系繊維であることが必要である。Mg塩型またはCa塩型の二価金属塩型は、高い吸湿発熱性を持ちながら、嵩高性も適度に高いが、吸湿発熱時の初期の上昇温度が低いため、早期に暖かさや保温性を実感することを希望する場合には問題がある。また、Zn塩型等の他の二価金属塩型では、そもそも吸湿発熱性に劣り、快適な環境が得られないため、好ましくない。Na塩型またはK塩型の一価の金属塩型は、吸湿発熱時の初期の上昇温度が高いため、早期に暖かさを実感することができる。但し、Na塩型またはK塩型の架橋ポリアクリレート系繊維は、通常の繊維形態では、嵩高性が不足し、保温性が持続できないため、本発明では後述するような特殊な複合構造をとる。
本発明の吸湿発熱性繊維は、架橋構造およびNa塩型またはK塩型のカルボキシル基を有する表層部と、アクリロニトリル含有率が異なる二種類のアクリロニトリル系重合体からなるサイドバイサイド型構造の中心部とからなる複合繊維であり、複合繊維の横断面における表層部の占める面積が5%以上20%未満であることが必要である。本発明の吸湿発熱性繊維では、中心部とその周囲の表層部からなる複合構造を有しており、中心部で硬い構造をできるだけ大きく作ることにより嵩高性の向上に寄与させ、表層部で架橋構造およびNa塩型またはK塩型のカルボキシル基を存在させることにより高い吸湿発熱性の役割を担うようにしていることが特徴である。本発明では、吸湿発熱性繊維の横断面における表層部の占める面積を20%未満と極力少なくしているため、高い吸湿発熱性を実現できないように思われるが、後述するような方法で少ない表層部でもカルボキシル基量を増加しているため、高い吸湿発熱性を発現することができる。但し、表層部の占める面積が5%未満では、十分に高い吸湿発熱性を発揮できないため、好ましくない。本発明の吸湿発熱性繊維は、全カルボキシル基量に関して3.5mmol/g以上有することができ、最大10mmol/g程度まで可能である。実際には、このカルボキシル基量は、実質的に全量が表層部に存在する。また、後述の実施例で規定した吸湿率に関して20%以上、さらには30%以上を達成することができ、最大70%程度まで可能である。
本発明の吸湿発熱性繊維は、原料繊維としてアクリロニトリル系繊維を使用し、アクリロニトリル系繊維は、アクリロニトリル系重合体から公知の方法で製造されることができる。アクリロニトリル系重合体は、アクリロニトリルが50重量%以上であることが好ましく、より好ましくは80重量%以上である。アクリロニトリルの含有量が少ない場合は、架橋構造が少なくなり、繊維物性が低下するおそれがある。架橋構造は、アクリロニトリル系重合体のニトリル基とヒドラジン系化合物等の窒素含有化合物を反応させることによって繊維中に導入されることができる。
本発明の吸湿発熱性繊維は、アクリロニトリル含有率が異なる2種のアクリロニトリル系重合体をサイドバイサイドで接合した複合構造を有する。このようにアクリロニトリル含有率に差を持たせた2種のアクリロニトリル重合体をサイドバイサイドで配置することにより加水分解処理時の収縮の度合いに差が発生して捲縮を発現させることができ、結果として嵩高性の向上に寄与することができる。なお、嵩高性を十分に向上させるためには、2種のアクリロニトリル系重合体間のアクリロニトリル含有率の差は1〜8重量%、さらには1〜5重量%であることが好ましく、2種のアクリロニトリル系重合体の複合比率(重量比)は20/80〜80/20、さらには30/70〜70/30であることが好ましい。
上記のような複合構造の繊維に対して表層部に架橋構造が導入される。架橋構造の導入には、従来公知の架橋剤を使用してもよいが、架橋構造の導入効率の点から窒素含有化合物を使用することが好ましい。窒素含有化合物としては、2個以上の1級アミノ基を有するアミノ化合物やヒドラジン系化合物を使用することが好ましい。2個以上の1級アミノ基を有するアミノ化合物としては、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどのジアミン系化合物、ジエチレントリアミン、3,3’−イミノビス(プロピルアミン)、N−メチル−3,3’−イミノビス(プロピルアミン)などのトリアミン系化合物、トリエチレンテトラミン、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)−1,3−プロピレンジアミン、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)−1,4−ブチレンジアミンなどのテトラミン系化合物、ポリビニルアミン、ポリアリルアミンなどであって2個以上の1級アミノ基を有するポリアミン系化合物などが例示される。また、ヒドラジン系化合物としては、水加ヒドラジン、硫酸ヒドラジン、塩酸ヒドラジン、臭化水素酸ヒドラジン、ヒドラジンカーボネートなどが例示される。なお、1分子中の窒素原子の数の上限は特に限定されないが、12個以下であることが好ましく、さらに好ましくは6個以下であり、特に好ましくは4個以下である。1分子中の窒素原子の数が上記上限を超えると、架橋剤分子が大きくなり、繊維内に架橋構造を導入しにくくなる場合がある。架橋構造を導入する条件としては、特に限定されるものではなく、採用する架橋剤とアクリロニトリル系繊維との反応性や架橋構造の量などを勘案し、適宜選定することができる。例えば、架橋剤としてヒドラジン系化合物を用いる場合は、ヒドラジン濃度として0.1〜10重量%となるように上記のヒドラジン系化合物を添加した水溶液に、上述したアクリロニトリル系繊維を浸漬し、80〜150℃、2〜10時間で処理する方法などが挙げられる。
架橋構造が導入された後は、アルカリ性金属化合物による加水分解処理が施され、繊維の表層部に存在しているニトリル基が加水分解され、カルボキシル基が形成される。具体的な処理条件としては、上述したカルボキシル基量などを勘案し、処理薬剤の濃度、反応温度、反応時間等の諸条件を適宜設定すればよいが、好ましくは0.5〜10重量%、さらに好ましくは1〜5重量%の処理薬剤水溶液中、温度80〜150℃で2〜10時間処理する手段が工業的、繊維物性的にも好ましい。本発明においては、上述の架橋導入処理および加水分解処理は、上述のように順に行なうより、それぞれの処理薬剤を混合した水溶液を用いて、一括して同時処理することが好ましい。さらに、本発明では、この同時処理において、従来より低濃度のアルカリ金属化合物の緩い条件で行い、その後の酸処理を従来より高温での厳しい条件で行なうことが好ましい。このようにすることにより、本発明の吸湿発熱性繊維は、狭い表層部に従来より多くのカルボキシル基が存在し、中心部に比較的硬いアクリロニトリル系重合体が温存された構造をとることができる。
形成されたカルボキシル基には、そのカウンターイオンが水素イオン以外の陽イオンである塩型カルボキシル基と、そのカウンターイオンが水素イオンであるH型カルボキシル基がある。高い吸湿率を得るためにカルボキシル基の50%以上を塩型カルボキシル基とすることが望ましい。塩型カルボキシル基を構成する陽イオンは、ナトリウムまたはカリウムのアルカリ金属である。多価の金属イオンであるマグネシウム、カルシウム、亜鉛などを採用した場合には、嵩高性が高いが、吸湿による初期の上昇温度が低いため、好ましくない。例えば、本発明の吸湿発熱性繊維は、アクリロニトリル含有率が異なる二種類のアクリロニトリル系重合体をサイド・バイ・サイドに接合したアクリロニトリル系繊維に対して、上述したような本発明に特有の条件で架橋導入、加水分解を施して、カルボキシル基を形成し、カウンターイオンにナトリウムまたはカリウムを選択すると得られる。
塩型カルボキシル基とH型カルボキシル基との比率を上記の範囲に調整する方法としては、硝酸塩、硫酸塩、塩酸塩などの金属塩によるイオン交換処理、硝酸、硫酸、塩酸、蟻酸などによる酸処理、あるいは、アルカリ性金属化合物などによるpH調整処理などを施す方法が挙げられる。
本発明の吸湿発熱性繊維は、横断面における表層部の占める面積が5%以上20%未満、好ましくは10%以上20%未満である。表層部の面積が上記範囲未満であると、繊維中にカルボキシル基を十分に存在させることができず、高い吸湿発熱性を発揮することができない。また、上記範囲を超えると、吸湿で繊維がへたりやすくなり、嵩高性に問題を生じる。本発明の繊維の表層部の占める面積は極めて少なく、カルボキシル基が実質的に存在しない中心部の面積が多くを占めるため、吸湿による繊維のへたりやNa塩型やK塩型を採用したことによる嵩高性の低下の影響が小さく、高い嵩高性を達成することができる。また、Na塩型またはK塩型の架橋ポリアクリレート系繊維は、図1に示すようにMg塩型等の二価の金属塩と比べて高い吸湿発熱性(特に初期の上昇温度)の特徴を有しており、本発明では、その特徴をそのまま享受することができる。
本発明の吸湿発熱性繊維は、上述の特殊な複合構造のNa塩型またはK塩型の架橋ポリアクリレート系繊維からなるので、20℃×65%RHの環境下で5分以内に6.0〜40%の範囲の吸湿率を容易に達成することができる。特に、本発明の吸湿発熱性繊維は、人間の肌が接触したときの最初の5分以内に高い吸湿発熱効果(高い上昇温度)を実感することができる。
また、本発明の吸湿発熱性繊維は、上述の特殊な複合構造のNa塩型またはK塩型の架橋ポリアクリレート系繊維からなるので、50〜100cm/gの範囲の比容積を達成することができる。このような高い嵩高性は、特殊な複合構造のNa塩型またはK塩型の架橋ポリアクリレート系繊維が持つ高い嵩高性によってもたらされる。比容積が低い場合、十分な空気を取り込んでいないために保温性が不十分となるおそれがある。比容積が高い場合、少しの力を加えただけで簡単に型崩れを起こしてしまい、保形性が不足するおそれがある。
本発明の吸湿発熱性繊維は、単独で、あるいは、他の素材と組み合わせて、従来公知の方法で繊維構造物を形成させることができる。かかる繊維構造物の外観形態としては、綿、糸、編地、織物、不織布、パイル布帛、紙状物等がある。該構造物内における本発明の吸湿発熱性繊維の含有形態としては、他素材との混合により、実質的に均一に分布させたものや、複数の層を有する構造の場合には、いずれかの層(単数でも複数でも良い)に本発明の吸湿発熱性繊維を集中して存在させたものや、各層に本発明の吸湿発熱性繊維を特定比率で分布させたもの等が挙げられる。
繊維構造物において本発明の吸湿発熱性繊維と併用しうる他素材としては、例えば、天然繊維、有機繊維、半合成繊維、合成繊維が挙げられ、さらには無機繊維、ガラス繊維等も用途によっては採用しうる。具体的な併用素材としては、綿、麻、絹、羊毛、ナイロン、レーヨン、ポリエステル、アクリル繊維などを挙げることができる。また、併用される素材は、羽毛、樹脂、粒子等の素材であってもよい。
例えば、繊維構造物が中綿の場合であれば、ポリエステルとの組み合わせが好適である。具体的には、ポリエステル繊維を40〜90重量%含有し、かつNa塩型および/またはK塩型の架橋ポリアクリレート系繊維を10〜60重量%含有する中綿であって、Na塩型および/またはK塩型の架橋ポリアクリレート系繊維が、架橋構造およびNa塩型および/またはK塩型のカルボキシル基を有する表層部と、アクリロニトリル含有率が異なる二種類のアクリロニトリル系重合体からなるサイドバイサイド型構造の中心部とからなる複合繊維であり、複合繊維の横断面における表層部の占める面積が5%以上20%未満であることを特徴とする中綿が提供される。
以上のように本発明の吸湿発熱性繊維は、繊維構造物として、必要により他の素材と併用することにより、早期に実感できる吸湿発熱性と高い嵩高性の利点を享受することができ、従来にない早期の低湿度の暖かさを実感できるという快適性を有している。このため、本発明の吸湿発熱性繊維を使用した寝装品(掛け布団、敷き布団、枕など)あるいは秋冬用アウター衣料は、人体から放出される水分を吸着して早期に高い温度で発熱することですぐに暖かくなり、またこの暖かさを高い嵩高性による保温性により持続して実感することが可能である。
以下の実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中の比率は断りのない限り重量基準で示す。実施例中の特性の評価方法は以下の通りである。
(1)カルボキシル基量
繊維試料約1gを、50mlの1mol/l塩酸水溶液に30分間浸漬する。次いで、繊維試料を、浴比1:500で水に浸漬する。15分後、浴pHが4以上であることを確認したら、乾燥させる(浴pHが4未満の場合は、再度水洗する)。次に、十分乾燥させた繊維試料約0.2gを精秤し(W1[g])、100mlの水を加え、さらに、15mlの0.1mol/l水酸化ナトリウム水溶液、0.4gの塩化ナトリウムおよびフェノールフタレインを添加して撹拌する。15分後、濾過によって試料繊維と濾液に分離し、引き続き試料繊維を、フェノールフタレインの呈色がなくなるまで水洗する。このときの水洗水と濾液をあわせたものを、フェノールフタレインの呈色がなくなるまで0.1mol/l塩酸水溶液で滴定し、塩酸水溶液消費量(V1[ml])を求める。得られた測定値から、次式によって全カルボキシル基量を算出する。
カルボキシル基量[mmol/g]=(0.1×15−0.1×V1)/W1
(2)20℃×65%RH吸湿率
繊維試料約2.5gを、熱風乾燥器で105℃、16時間乾燥して重量を測定する(W2[g])。次に、該繊維試料を、温度20℃、65%RHに調節した恒温恒湿器に5分間入れておく。このようにして吸湿した繊維試料の重量を測定する(W3[g])。これらの測定結果から、次式によって20℃×65%RH吸湿率を算出する。
20℃×65%RH吸湿率[%]=(W3−W2)/W2×100
(3)比容積
繊維試料50gを軽く開繊してから、カード機で開繊し、積層する。試験片を10cm×10cmの大きさになるように6個切り出し、バットに入れて恒温恒湿機内に24hr以上放置する。恒温恒湿機から取出し、質量が10.0g〜10.5gになるように積み重ね、作られた試験片を正確に秤量する。試験片に10cm×10cmのアクリル板を載せ、おもり500gを30秒間載せ、次にこのおもりを除き、30秒間放置する。この操作を3回繰り返し、おもり500gを除いて30秒間放置した後、四すみの高さを測定して平均値を求め、次式により比容積を算出する。
比容積(cm/g)=10×10×試料の四すみの高さの測定平均値(mm)/10/試験片の質量(g)
(4)表層部の占める面積割合
試料繊維を、繊維重量に対して2.5%のカチオン染料(Nichilon Black G 200)および2%の酢酸を含有する染色浴に、浴比1:80となるように浸漬し、30分間煮沸処理した後に、水洗、脱水、乾燥する。得られた染色済みの繊維を、繊維軸に垂直に薄くスライスし、繊維断面を光学顕微鏡で観察する。このとき、アクリロニトリル系重合体からなる中心部は黒く染色され、カルボキシル基が多く有する表層部は染料が十分に固定されず緑色になる。繊維断面における、繊維の直径(D1)、および、緑色から黒色へ変色し始める部分を境界として黒く染色されている中心部の直径(D2)を測定し、以下の式により表層部面積割合を算出する。なお、10サンプルの表層部面積割合の平均値をもって、試料繊維の表層部面積割合とする。
表層部面積割合(%)=[{((D1)/2)π−((D2)/2)π}/((D1)/2)π]×100
(5)上昇温度
ISO18782:2015に準拠して試料繊維の上昇温度を測定した。
[実施例1]
アクリロニトリル90重量%、アクリル酸メチルエステル10重量%のアクリロニトリル系重合体Ap(30℃ジメチルホルムアミド中での極限粘度[η]=1.5)、アクリロニトリル88重量%、酢酸ビニル12重量%のアクリロニトリル系重合体Bp([η]=1.5)をそれぞれ48重量%のロダンソーダ水溶液で溶解して、紡糸原液を調製した。特公昭39−24301号による複合紡糸装置にAp/Bpの複合比率(重量比)が50/50となるようにそれぞれの紡糸原液を導き、常法に従って紡糸、水洗、延伸、捲縮、熱処理をして、単繊維繊度3.3dtexの重合体ApとBpを複合させたサイド・バイ・サイド型原料繊維を得た。
該原料繊維に、水加ヒドラジン0.5重量%および水酸化ナトリウム1.4重量%を含有する水溶液中で、100℃×2時間、架橋導入処理および加水分解処理を同時に行い、8重量%硝酸水溶液で、120℃×3時間処理し、水洗した。得られた繊維を水に浸漬し、水酸化ナトリウムを添加してpH9に調整し、水洗、乾燥することにより、Na塩型カルボキシル基を有するNa塩型架橋ポリアクリレート系繊維(表層部面積13%)を得た。得られた架橋ポリアクリレート系繊維の詳細と評価結果を表1に示す。なお、かかる繊維の赤外線吸収測定においては、ニトリル基に由来する2250cm−1付近に吸収があり、繊維表層部においてはニトリル基の加水分解が進行しているが、繊維中心部においてはニトリル基が残存していることが確認された。
[実施例2]
実施例1において架橋導入・加水分解処理に用いる水酸化ナトリウムの濃度を1.4重量%から1.2重量%に変更した以外は同じ方法でNa塩型架橋ポリアクリレート系繊維(表層部面積8%)を得た。得られた架橋ポリアクリレート系繊維の詳細と評価結果を表1に示す。
[実施例3]
実施例1において架橋導入・加水分解処理に用いる水酸化ナトリウムの濃度を1.4重量%から1.6重量%に変更した以外は同じ方法でNa塩型架橋ポリアクリレート系繊維(表層部面積18%)を得た。得られた架橋ポリアクリレート系繊維の詳細と評価結果を表1に示す。
[実施例4]
実施例1においてpH9に調整するために添加される水酸化ナトリウムの代わりに水酸化カリウムを使用した以外は同じ方法でK塩型架橋ポリアクリレート系繊維(表層部面積13%)を得た。得られた架橋ポリアクリレート系繊維の詳細と評価結果を表1に示す。
[実施例5]
実施例4において架橋導入・加水分解処理に用いる水酸化カリウムの濃度を1.4重量%から1.2重量%に変更した以外は同じ方法でK塩型架橋ポリアクリレート系繊維(表層部面積8%)を得た。得られた架橋ポリアクリレート系繊維の詳細と評価結果を表1に示す。
[実施例6]
実施例4において架橋導入・加水分解処理に用いる水酸化カリウムの濃度を1.4重量%から1.6重量%に変更した以外は同じ方法でK塩型架橋ポリアクリレート系繊維(表層部面積18%)を得た。得られた架橋ポリアクリレート系繊維の詳細と評価結果を表1に示す。
[実施例7]
実施例1においてアクリロニトリル系重合体Apの組成をアクリロニトリル92重量%、アクリル酸メチルエステル8重量%に変更した以外は同じ方法でNa塩型架橋ポリアクリレート系繊維を得た。得られた架橋ポリアクリレート系繊維の詳細と評価結果を表1に示す。
[実施例8]
実施例1においてAp/Bpの複合比率(重量比)を50/50から40/60に変更した以外は同じ方法でNa塩型架橋ポリアクリレート系繊維を得た。得られた架橋ポリアクリレート系繊維の詳細と評価結果を表1に示す。
[実施例9]
実施例1においてAp/Bpの複合比率(重量比)を50/50から60/40に変更した以外は同じ方法でNa塩型架橋ポリアクリレート系繊維を得た。得られた架橋ポリアクリレート系繊維の詳細と評価結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1において架橋導入・加水分解処理に用いる水酸化ナトリウムの濃度を1.4重量%から0.5重量%に変更した以外は同じ方法でNa塩型架橋ポリアクリレート系繊維(表層部面積3%)を得た。得られた架橋ポリアクリレート系繊維の詳細と評価結果を表1に示す。
[比較例2]
実施例1において架橋導入・加水分解処理に用いる水酸化ナトリウムの濃度を1.4重量%から1.8重量%に変更した以外は同じ方法でNa塩型架橋ポリアクリレート系繊維(表層部面積25%)を得た。得られた架橋ポリアクリレート系繊維の詳細と評価結果を表1に示す。
[比較例3]
アクリロニトリル90重量%、アクリル酸メチルエステル10重量%のアクリロニトリル系重合体Ap(30℃ジメチルホルムアミド中での極限粘度[η]=1.5)、アクリロニトリル88重量%、酢酸ビニル12重量%のアクリロニトリル系重合体Bp([η]=1.5)をそれぞれ48重量%のロダンソーダ水溶液で溶解して、紡糸原液を調製した。特公昭39−24301号による複合紡糸装置にAp/Bpの複合比率が50/50となるようにそれぞれの紡糸原液を導き、常法に従って紡糸、水洗、延伸、捲縮、熱処理をして、単繊維繊度3.3dtexの重合体ApとBpを複合させたサイド・バイ・サイド型原料繊維を得た。
該原料繊維に、水加ヒドラジン0.5重量%および水酸化ナトリウム1.4重量%を含有する水溶液中で、100℃×2時間、架橋導入処理および加水分解処理を同時に行い、8重量%硝酸水溶液で、120℃×3時間処理し、水洗した。得られた繊維を水に浸漬し、水酸化ナトリウムを添加してpH9に調整した後、繊維に含まれるカルボキシル基量の2倍に相当する硝酸マグネシウムを溶解させた水溶液に50℃×1時間浸漬することによりイオン交換処理を実施し、水洗、乾燥することによりMg塩型カルボキシル基を有するMg塩型架橋ポリアクリレート系繊維(表層部面積13%)を得た。得られた架橋ポリアクリレート系繊維の詳細と評価結果を表1に示す。
[比較例4]
アクリロニトリル90重量%、アクリル酸メチルエステル10重量%のアクリロニトリル系重合体Ap(30℃ジメチルホルムアミド中での極限粘度[η]=1.5)、アクリロニトリル88重量%、酢酸ビニル12重量%のアクリロニトリル系重合体Bp([η]=1.5)をそれぞれ48重量%のロダンソーダ水溶液で溶解して、紡糸原液を調製した。特公昭39−24301号による複合紡糸装置にAp/Bpの複合比率が50/50となるようにそれぞれの紡糸原液を導き、常法に従って紡糸、水洗、延伸、捲縮、熱処理をして、単繊維繊度3.3dtexの重合体ApとBpを複合させたサイド・バイ・サイド型原料繊維を得た。
該原料繊維に、水加ヒドラジン0.5重量%および水酸化ナトリウム1.4重量%を含有する水溶液中で、100℃×2時間、架橋導入処理および加水分解処理を同時に行い、8重量%硝酸水溶液で、120℃×3時間処理し、水洗した。得られた繊維を水に浸漬し、水酸化ナトリウムを添加してpH9に調整した後、繊維に含まれるカルボキシル基量の2倍に相当する硝酸カルシウムを溶解させた水溶液に50℃×1時間浸漬することによりイオン交換処理を実施し、水洗、乾燥することによりCa塩型カルボキシル基を有するCa塩型架橋ポリアクリレート系繊維(表層部面積13%)を得た。得られた架橋ポリアクリレート系繊維の詳細と評価結果を表1に示す。
[比較例5]
実施例1において得られたサイド・バイ・サイド型原料繊維に、水加ヒドラジン0.5重量%および水酸化ナトリウム2.0重量%を含有する水溶液中で、100℃×1時間、架橋導入処理及び加水分解処理を同時に行い、さらに100℃×1時間、8重量%硝酸水溶液で処理し、水洗した。得られた繊維を水に浸漬し、水酸化ナトリウムを添加してpH9に調整した後、繊維に含まれるカルボキシル基量の2倍に相当する硝酸マグネシウムを溶解させた水溶液に50℃×1時間浸漬することによりイオン交換処理を実施し、水洗、乾燥することにより、Mg塩型カルボキシル基を有するMg塩型架橋ポリアクリレート系繊維(表層部面積35%)を得た。得られた架橋ポリアクリレート系繊維の詳細と評価結果を表1に示す。なお、比較例5の加水分解処理は、実施例1より厳しい条件で行われ、酸処理は、実施例1より緩い条件で行われている。
表1からわかるように、実施例1〜9の吸湿発熱性繊維は、高い吸湿発熱性(吸湿率及び上昇温度)と高い嵩高性(比容積)を両立しているのに対して、Na塩型架橋ポリアクリレート系繊維の表層部面積が少ない比較例1は、吸湿性に劣り、Na塩型架橋ポリアクリレート系繊維の表層部面積が多い比較例2は、嵩高性に劣り、Mg塩型架橋ポリアクリレート系繊維の比較例3,4は、吸湿性に劣る問題があった。また、従来条件で製造され、本発明のような特殊な構造を有していないMg塩型架橋ポリアクリレート系繊維の比較例5は、吸湿性に劣る問題があった。
本発明の吸湿発熱性繊維は、早期に実感できる高い吸湿発熱性と保温性をもたらす高い嵩高性とを併せ持つので、人肌に触れる寝装品や衣料品等において快適に使用することができる。

Claims (4)

  1. 架橋構造及びNa塩型又はK塩型のカルボキシル基を有する表層部と、アクリロニトリル含有率が異なる二種類のアクリロニトリル系重合体からなるサイドバイサイド型構造の中心部とからなる複合繊維であって、複合繊維の横断面における表層部の占める面積が5%以上20%未満であり、かつ、20℃、相対湿度65%の環境下における飽和吸湿率が20%以上であることを特徴とする吸湿発熱性繊維。
  2. 全カルボキシル基量が3.5mmol/g以上であることを特徴とする請求項1に記載の吸湿発熱性繊維。
  3. ISO18782:2015に準拠して測定した上昇温度が4〜10℃であることを特徴とする請求項1又は2に記載の吸湿発熱性繊維。
  4. 比容積が15〜50cm/gであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の吸湿発熱性繊維。
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