JPWO2018047453A1 - ろ過装置 - Google Patents

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JPWO2018047453A1
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岳志 山川
岳志 山川
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一穂 萩原
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建介 恩田
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Abstract

本発明は、河川水や湖沼水、地下水といった単なる浄水原水や、沈澱池流出水、沈澱池を通らない凝集水、工業用水、排水処理水を原水とする複数のろ過層を有するろ過装置に関する。ろ過装置は、アンスラサイトからなるアンスラサイト層(43)と、該アンスラサイトよりも有効径が小さく、かつ該アンスラサイトよりも密度が大きい珪砂からなる珪砂層(44)とを含むろ層(40)を備える。アンスラサイト層(43)は、珪砂層(44)と等しい厚さか、または珪砂層(44)よりも厚く、ろ層(40)全体の厚さは、600mmを超え、かつ2000mm以下である。

Description

本発明は、河川水や湖沼水、地下水といった単なる浄水原水や、沈澱池流出水、沈澱池を通らない凝集水、工業用水、排水処理水を原水とする複数のろ過層を有するろ過装置に関する。
今後の人口減少に伴う継続的な給水量の減少や技術職員の不足・自治体の財政難などが見込まれるため、浄水場の統廃合などによる浄水設備のダウンサイジングを目指す動きが始まっている。ダウンサイジングの有効な手法のひとつとして、ろ過池におけるろ過速度の高速化が挙げられる。この時、「水道施設設計指針 2012」(非特許文献1参照)によれば、最大で240m/日までのろ過速度が一般的とされてきた。
しかし、より効率的な施設運用のためには、可能であれば更なるろ過池の高速化が望まれている。ろ過池を高速化する場合、ろ過原水の水質やろ層構成等に応じて適正なろ過速度を設定しないと、ろ過水水質の悪化や早期のろ過抵抗上昇によるろ過継続時間の減少の原因となる。
現在、「水道におけるクリプトスポリジウム等対策指針」では、ろ過水濁度を0.1度以下に維持する運転管理が求められている。このため、ろ過池の高流速化を図る場合には、本指針値を満たす良好なろ過水水質と、高速化する前のろ過池と同等以上のろ過継続時間、あるいは、水回収率の確保の両方を達成する必要がある。
一般的に、ろ過水質の安全性を確保する上では、ろ材の調和平均径(D)に対するろ層厚(L)の比(L/D)を大きくすればよいことが知られており、ろ過速度100〜300m/日の場合、L/Dの値は800以上にすればよいことがわかっている(非特許文献1、217頁参照)。
非特許文献2によれば、調和平均径Dは、次式(1)で表されている。
D=1/Σ(xi/di) ・・・・・・(1)
xi : 2つのふるい目にはさまれた平均粒径diの粒子の質量分率
di : 2つのふるい目の幾何平均
ろ材の有効径、均等係数、および調和平均径の関係は、公知である(非特許文献2、120頁、図3.11参照)。ろ材の有効径および均等係数は実測によって求めることができる。したがって、上記式(1)を使用せずに、有効径および均等係数の実測値と、有効径、均等係数、および調和平均径の関係とを用いて、ろ材の調和平均径を求めることが可能である。
L/Dの値を大きくすると、ろ層での圧力損失が高くなり、ろ過抵抗上昇速度も速くなる。すなわち、ろ過水濁度の安全性を確保することと、ろ過抵抗上昇を抑えることはトレードオフの関係にあるため、これらを両立させながら、240m/日以上の高速ろ過を達成するには、それに適したろ層構成を見出す必要がある。
非特許文献1には、高速ろ過(240m/日)向けのろ層構成が例示されているが、それらのL/Dは様々な値となっており、これを見るだけでは、どれが高速ろ過に適切なのかを、当業者が知り得ることは容易ではない。アンスラサイト層と砂層の組み合わせに関しても、アンスラサイト層が砂層より厚い場合、アンスラサイト層と砂層が同等の場合、アンスラサイト層が砂層より薄い場合と、2層構成のろ層の組み合わせで取り得る全ての構成が挙げられており、実質的に、最適なろ層構成は何ら示されていない。
特開2003−93814号公報 特許第4592390号公報
「水道施設設計指針 2012」 社団法人 日本水道協会、217頁、232〜233頁 「水処理工学」 井出哲夫 編著、技報堂出版株式会社、120頁
これまでのろ過速度240m/日を上限とした高速ろ過における一般的なろ層構成は「アンスラサイト(層厚200mm)+珪砂(層厚400mm)」である。このろ層構成でも、ろ過原水である沈澱水の濁度が低ければ(例えば、1度以下)、ろ過抵抗上昇の観点からはろ過速度360m/日での運用も可能である。この時、ろ層の洗浄周期を48時間毎とすれば、これまでの運転条件(ろ過速度120m/日、洗浄周期72時間毎)の2倍の水量を生み出せる。
しかし、従来におけるろ層構成でろ過速度360m/日、洗浄周期48時間で高速ろ過を行うと、その終盤においてろ過水濁度が0.1度を超過する場合があり、ろ過水水質の安全性確保の面で問題がある。また、ろ過水水質の安全性を考えた場合、実用上のろ過水濁度の管理基準値、すなわち、ろ層洗浄の目安となるろ過水濁度は、0.1度よりもさらに低い0.05度程度に設定することが多いため、従来のろ層構成での高流速化では、実際のろ過継続時間は先に挙げた48時間よりも更に短い。
つまり、これまで240m/日のろ過速度に適用されてきたろ層構成で、240m/日以上のろ過速度を適用することは、ろ過水の安全性やろ過継続時間の確保の観点から、実際には難しいことが分かる。
特許文献1には、高速ろ過向けに普及しているろ層構成として、アンスラサイトと珪砂の2層構造が挙げられており、それぞれの層厚が300mm〜500mmであることが一般的であるとされている。しかしながら、非特許文献1と同様に、例示された層厚のうち、アンスラサイトを何mm積んで、珪砂を何mm積むかで、ろ過池としての性能は大きく異なる可能性があり、実質的に最適なろ層構成を示していない。これは本件出願時点において240m/日を超えるろ過速度に適したろ層構成が、知られていないことを示している。
本発明は、上記従来の課題に鑑み成されたものであり、その目的とするところは、これまでの高速ろ過で適用されてきたろ過速度240m/日を超える高速ろ過を行う際に、これまでと同等以上のろ過水の安全性とろ過継続時間(水回収率、あるいは、1ろ過期間における単位ろ過面積当たりの総ろ過水量)を両立させるろ層構成のろ過装置を提供することにある。
発明者らは、240m/日を超える高速ろ過を達成するに当たり、従来の高速ろ過池よりも、ろ層のL/Dを大きくしてろ過水の安全性を担保しつつ、ろ過抵抗上昇を抑え、1ろ過期間で必要な単位ろ過面積当たりの総ろ過水量を得られるろ層構成について鋭意検討を行った。その結果、従来の高速ろ過と同等以上のろ過水水質と、1ろ過期間の単位ろ過面積当たりの総ろ過水量を確保し、かつ、従来の高速ろ過よりも速いろ速でろ過することを可能とするろ層構成を見出した。
本発明は、従来の高速ろ過のろ層構成に比べて、粒径の大きいアンスラサイトのL/Dを大きく、すなわち、層厚を厚くし、粒径の小さい珪砂のL/Dを同等、あるいは小さく、すなわち、同厚、あるいは層厚を薄くして、ろ層全体のL/Dを大きくする方法であり、ろ過抵抗上昇を抑えつつ、ろ過水の安全性を確保でき、1ろ過期間で必要なろ過水量が得られるという特徴を有する。また、粒径の大きいアンスラサイトの層厚を、粒径の小さい珪砂の層厚より同等、あるいは厚くすることも特徴である。
すなわち、本発明の一態様は、ろ過速度が240m/日を超えるろ過装置であって、アンスラサイトからなるアンスラサイト層と、該アンスラサイトよりも有効径が小さく、かつ該アンスラサイトよりも密度が大きい珪砂からなる珪砂層と、を含むろ層を備え、前記アンスラサイト層は、前記珪砂層と等しい厚さか、または前記珪砂層よりも厚く、前記ろ層全体の厚さは、600mmを超え、かつ2000mm以下であることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記アンスラサイト層の厚さは200mmよりも厚く、前記珪砂層の厚さは600mm以下であることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、アンスラサイトの調和平均径に対する前記アンスラサイト層の厚さの比の値は130以上であり、珪砂の調和平均径に対する前記珪砂層の厚さの比の値は800以下であることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記アンスラサイトの有効径は0.8mm以上1.3mm以下であり、前記珪砂の有効径は0.4mm以上0.65mm以下であることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記珪砂の有効径に対する前記アンスラサイトの有効径の比の値は、少なくとも1.7であることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、沈澱池から延びて原水が流入サイフォンを流れ、流入堰により複数に配分される流入渠と、前記流入渠の下方に配置され、前記原水が前記ろ層に流入されるろ過池と、前記ろ過池のろ層を通過したろ過水が流入されるろ過水渠と、前記ろ過池に近接配置され、前記ろ層を逆洗する際、前記ろ過水渠からのろ過水を洗浄水として、前記ろ層を逆流させて洗浄し、その洗浄水を仕切壁を越流させて排水サイフォンを介して排水される排水渠と、を有することを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記ろ層は、前記原水を前記アンスラサイト層に通してから前記珪砂層に通してろ過水を得ることを特徴とする。
本発明に係るろ過装置は、以下の効果を奏する。
(1)ろ過速度の上昇によるろ過池数(=ろ過池面積)の低減
(2)1ろ過期間当たりのろ過水量の向上
(3)ろ過工程でのろ過水水質の安全性確保
(4)ろ過抵抗上昇速度の低減
(5)水回収率の向上(水回収率とは、ろ過水量からろ材洗浄に使用した水量を減じた値を、ろ過原水量で割って得られる値。)
水がろ過されている状態を示した本発明に係るろ過装置の一実施形態の模式図である。 ろ層が逆流洗浄されている状態を示した模式図である。 図1および図2に示すろ層の構造を示す図である。 ろ層構成とろ過性能との関係を調べるために行った実験で用いられた実験装置を示す図である。 実験で使用したろ層のろ材の詳細(有効径、調和平均径、均等係数)とろ層の構成を示す表である。 実験で使用したろ層の厚さおよびL/Dの値を示す表である。 実験結果を示す表である。 実験結果を示す表である。 実験結果を示す表である。 実験結果を示す表である。 実験結果を示す表である。 実験結果を示す表である。 実験結果を示す表である。 実験結果を示す表である。
本発明の実施形態について以下に説明する。
図1および図2に、本発明に係るろ過装置の一実施形態を示す。図1は、水がろ過されている状態を示した模式図であり、図2は、ろ層が逆流洗浄されている状態を示した模式図である。本実施形態に係るろ過装置は、自然平衡型ろ過装置である。
図1に示すように、この自然平衡ろ過装置は、図示しない沈殿池から延びる流入渠1と、この流入渠1の下方に配置されて水をろ過処理するろ過池2と、ろ過池2を通過したろ過水が流れ込むろ過水渠3と、ろ過池2に隣接して設置された排水渠4とを有している。
沈殿池から延びる流入渠1に導入された原水は、流入サイフォン7を通り、流入堰6により複数のろ過池2に均等に配分される。図1では、1つのろ過池2のみが示されている。ろ過池2に流入した原水は、逆洗排水トラフ30を介して、ろ過池2内に配置されたろ層40に流入し、ろ過され、図1の矢印に示すように、ろ過水渠3に流入する。ろ過水渠3に流入したろ過水は、ろ過水越流堰45を越流して浄水渠46に流入する。このように、通常、1つの浄水処理施設につき数〜数十のろ過池2が設けられ、排水渠4は、これら複数のろ過池2に対して共通に1つ設けられている。
流入渠1の内部には、垂直堰5と溢流堰6が設けられていると共に、この垂直堰5を跨いで逆U字状の流入サイフォン7が配置される。この流入サイフォン7の両端部は、水没させた状態におかれている。そして、この流入サイフォン7の頂部には、図示しない流入サイフォン形成弁と流入サイフォン破壊弁とを有する流入サイフォン形成管が連結される。流入サイフォン形成弁は、図示しない真空ポンプなどの真空源に接続される一方で、流入サイフォン破壊弁は、外部の大気と連通している。流入渠1の底部には流入枝管23が接続されている。流入枝管23の上端は溢流堰6の外側に位置しており、流入枝管23の下端はろ過池2内に位置している。
流入サイフォン形成弁を開き、流入サイフォン破壊弁を閉じると、流入サイフォン7内が真空状態となって、この内部を水が流れ、溢流堰6を溢流した水が流入枝管23を通ってろ過池2内に流れ込む。流入サイフォン形成弁を閉じた状態で、流入サイフォン破壊弁を開くと、流入サイフォン7内が大気圧状態になって、この内部の水流が失われ、流入渠1内の水は、垂直堰5と溢流堰6に堰き止められるようになっている。
尚、図1、2では、この流入枝管23は、流入水が砂面直上に落下して砂面を荒すことを防ぐのが可能であり、仕切壁20の右側に原水が導入される役割も果たしている。
本例では、図示の様に流入枝管23を設けた例を示したが、設けなくても良い。
ろ過池2は、仕切壁20によって排水ガリット21とろ過室22とに仕切られる。ろ過室22の内部には、排水ガリット21に連通する逆洗排水トラフ30と、アンスラサイトおよび珪砂からなるろ材から構成されたろ層40が設けられる。逆洗排水トラフ30は、ろ層40の上方に配置されている。このろ過池2は、そのろ層40の下方において、ろ過水連通路42を介して、ろ過水渠3に連通する。このろ過水渠3は、ろ過水越流堰45を介して浄水渠46に連通する。
原水は、流入サイフォン7を通じてろ過池2に流入する。ろ過池2内の水位がろ過水越流堰45よりも高くなると、水がろ層40を通って、ろ過水渠3に流れる。ろ過を継続するに従い、ろ過中に捕捉した濁質(堆積物)がろ過池内のろ層40に蓄積してろ過抵抗が徐々に増大し、ろ過池2の損失水頭が増加する。このため、ろ過池2に配置されたろ層40を必要に応じて逆流洗浄しなければならない。
逆流洗浄を行う場合、図2の矢印に示すように、ろ層40を洗浄する洗浄水は、ろ過水渠3からろ層40の下方に流れ、ろ層40を上方に通過して逆洗排水トラフ30を通り、仕切壁20を越えて、排水ガリット21に流出する。さらに、排水ガリット21内の洗浄水は、排水サイフォン50を通って排水渠4へ排水される。これにより、ろ層40が逆流洗浄される。
上記した逆流洗浄は、上述したように、ろ過水をろ層40内で逆流させることにより、ろ材中に捕捉されていた濁質を洗い出す工程である。この逆流洗浄では、ろ層40内に捕捉された濁質をろ材から剥離し、剥離した濁質をろ層40から逆洗排水トラフ30を通じて排出させる。
逆流洗浄が終了すると、流入サイフォン7を通じて原水がろ過池2に流入する。図1に示すように、ろ過池2内の水位がろ過水越流堰45よりも高くなると、水がろ層40を通って、ろ過水渠3に流れ始め、ろ過が開始される。
図3は、図1および図2に示すろ層40の構造を示す図である。ろ層40は、アンスラサイト層43と珪砂層44から構成されている。本実施形態に係るろ過装置は、ろ過速度が240m/日を超え、厚さが600mmを超えるろ層40を有する。ろ層40は、有効径が大きく、かつ密度が小さいアンスラサイトと、該アンスラサイトよりも有効径が小さく、かつアンスラサイトよりも密度が大きい珪砂と、の異なる二種類のろ材で構成される。アンスラサイト層43は、珪砂層44と等しい厚さか、または珪砂層44よりも厚く構成されている。
図3に示す様に、アンスラサイト層43は200mmよりも厚く、かつ1900mm以下の厚さである。好適には、アンスラサイト層43の厚さは300mm〜600mm、さらに好適には400mm〜500mmである。珪砂層44の厚さは、100mm〜600mm、好適には200mm〜500mm、さらに好適には300mm〜400mmである。アンスラサイト層43および珪砂層44を含むろ層40の全体の層厚は、600mmよりも厚く、かつ2000mm以下の厚さである。好適には、ろ層40の全体の層厚は、600mmよりも厚く、かつ1800mm以下の厚さを有する。
ろ過速度240m/日を上限とする従来ろ過池のろ層厚は600mmが標準である。240m/日を超えるろ過速度を適用する場合でも、ろ層を厚くし過ぎると、ろ過池構造物の土木費が高くなりすぎるため、240m/日を超えるろ過池の上限のろ層厚は、従来ろ過池の3倍、(すなわち、600mm×3=1800mm)程度が適切である。
原水は、沈澱池流出水や、凝集混和池からの流出水などであり、その他、適宜、必要に応じて原水とすることができる。本実施形態では、図1に示す様に、上方からろ層40に原水を供給し、アンスラサイトと、更に珪砂とで原水をろ過し、ろ過水を得る。また、下方から逆洗水を供給し、ろ層40の洗浄を行い、洗浄水を排出することができる。
本実施形態では、アンスラサイトの調和平均径(D)に対するアンスラサイト層43の厚さ(L)の比であるL/Dの値は、130以上である。珪砂の調和平均径(D)に対する珪砂層44の厚さ(L)の比であるL/Dの値は、800以下である。アンスラサイトの有効径が0.8mm〜1.3mm、珪砂の有効径が0.4mm〜0.65mmの組み合わせが好適である。一実施形態では、有効径1.2mmのアンスラサイトを500mmの厚さで、有効径0.6mmの珪砂を300mmの厚さでそれぞれ積層される。
珪砂の有効径に対するアンスラサイトの有効径の比の値は、1.7以上であり、好ましくは1.8以上であり、さらに好ましくは1.9以上である。この有効径の比の値の上限値は、ろ層構成の現実的な観点から3.0である。珪砂の有効径に対するアンスラサイトの有効径の比の値が1.7以上であると、ろ層40の表層(すなわちアンスラサイト層43)の空隙が大きくなる。結果として、原水に含まれる濁質は、一部がアンスラサイト層43に捕捉され、一部がアンスラサイト層43を通過する。アンスラサイト層43を通過した濁質は、珪砂層44で捕捉されることとなり、ろ層40全体を有効に使用することが可能となる。したがって、ろ層40のろ過能力が向上する。これは、表層のみによるろ過作用を低減し、全層でろ過作用を発揮することになるので、ろ層40のろ過抵抗が上がりにくいという利点もある。
本実施形態の特徴は、従来の240m/日のろ層に比べ、アンスラサイトのL/Dを大きく、珪砂のL/Dを同等、あるいは小さくすることでもあり、また、粒径の大きいアンスラサイトからなるアンスラサイト層43の厚さを、粒径の小さい珪砂からなる珪砂層44の厚さと同等、あるいはより厚くすることでもある。
次に、ろ層構成とろ過性能との関係を調べるために行った実験について説明する。実験は、図4に示す実験装置を用いて行った。この実験装置は、原水槽60に接続されたろ過塔61,62と、ろ過塔61,62を通過したろ過水を集めるろ過水槽65とを備えている。ろ過塔61,62は、それぞれろ層63を備えている。このろ層63の構成は、図3に示す実施形態と同じように、アンスラサイト層と珪砂層とから構成されている。
原水槽60内の原水は、原水供給ポンプ66,67によってろ過塔61,62に送られる。原水は、ろ過塔61,62のろ層63を通過することによってろ過され、ろ過水となる。ろ過水はろ過水槽65に送られる。ろ層63を洗浄するために、逆流洗浄が定期的に行われる。この逆流洗浄では、逆洗ポンプ70によってろ過水槽65内のろ過水をろ過塔61,62に逆流させる。ろ過塔61,62のろ層63を逆流した洗浄排水は、洗浄排水槽71に集められる。
次に、実験で採用したL/Dの算出方法について説明する。
L/Dの値は、使用したろ材の有効径、および均等係数を「JWWAA103 2006 水道用濾材」の試験方法に従って実測し、本測定値を「水道施設設計指針 2012」 217頁の「調和平均径と有効径および均等係数との関係」を示したグラフ(参考図5.6.1)にあてはめて求めた調和平均径(D)と、積層したろ層厚さ(L)から算出した。
実験で使用したろ層63のろ材の詳細(有効径、調和平均径、均等係数)とろ層63の構成(以下、ろ層構成という)を図5に、ろ層厚さおよびL/Dの値を図6にそれぞれ示す。
ろ層構成No.1は、ろ過速度240m/日を上限とした高速ろ過における一般的なろ層構成「アンスラサイト(層厚200mm)+珪砂(層厚400mm)」であり、他のろ層構成のろ過性能を評価するための標準構成とした。図5および図6に示すろ層構成No.2〜No.8は、いずれも従来のろ層構成No.1よりもL/Dが同等以上となる様に設定されており、本実施例によるL/Dの増加のさせ方の優位性を示すための構成となっている。
(実施例1)
図4に示す実験装置により、有効径0.6mm、均等係数1.4の珪砂、および有効径1.2mm、均等係数1.4のアンスラサイトをろ材に用いて、ろ過速度360m/日で連続ろ過を行った。ろ過原水には、濁度が1度以下に制御された浄水場の凝集沈澱処理水を用いた。
珪砂層厚を400mm、アンスラサイト層厚を200mmとしたろ層構成No.1(L/D=667)、および珪砂層厚を300mm、アンスラサイト層厚を500mmとしたろ層構成No.8(L/D=733)でそれぞれ84時間の連続ろ過を行い、ろ過性能を比較した。その結果、ろ過水濁度が0.05度、または0.1度を超過するまでのろ過時間は、図7の表に示す通り、アンスラサイト層が厚いNo.8が有意に長かった。但し、60時間ろ過後のろ過抵抗はNo.8とNo.1でほとんど差は見られなかった。
本実験結果より、No.8のろ層構成であれば、実機においてろ層洗浄の目安となる0.05度を超過するまでの時間は58時間であったことから、ろ層洗浄周期を48時間に設定することが可能である。この場合、ろ過水水質の安全性を確保した上で、これまでの運転条件(ろ過速度120m/日、洗浄周期72時間)の2倍のろ過水量を得ることができる。
本実施例の実験結果により、アンスラサイト層の厚さを珪砂層と同等以上にすることで、ろ過水の安全性を確保しながら、ろ過抵抗の上昇を抑制できたことが分かる。
(実施例2)
有効径0.6mm、均等係数1.4の珪砂、および有効径1.2mm、均等係数1.4のアンスラサイトをろ材に用いて、ろ過速度360m/日で連続ろ過を行った。ろ過原水には、濁度が1度以下に制御された浄水場の凝集沈澱処理水を用いた。
ろ層構成No.4(珪砂層の厚さ600mm、アンスラサイト層の厚さ200mm、L/D=933)、およびろ層構成No.5(珪砂層の厚さ400mm、アンスラサイト層の厚さ400mm、L/D=800)でそれぞれ60時間の連続ろ過を行い、ろ過性能を比較した。
その結果、図8の表に示す通り、珪砂層を厚くしたNo.4では、ろ過時間60時間の間にろ過水濁度が0.05度、0.1度を超過したが、アンスラサイト層を厚くしたNo.5ではろ過水濁度が0.05度を超過することは無かった。一方、60時間ろ過後のろ過抵抗は、No.4がNo.5に比べて有意に高かった。
本実施例の実験結果より、ろ層全体の厚さが同じでも、アンスラサイト層の厚さを珪砂層と同等にすることで、ろ過水の安全性を確保しながら、ろ過抵抗の上昇を抑制できたことが分かる。
(実施例3)
有効径0.6mm、均等係数1.4の珪砂、および有効径1.2mm、均等係数1.4のアンスラサイトをろ材に用いて、ろ過速度360m/日で連続ろ過を行った。ろ過原水には、濁度が1度以下に制御された浄水場の凝集沈澱処理水を用いた。
L/Dの値が同じろ層構成No.1(L/D=667、珪砂層厚さ400mm、アンスラサイト層厚さ200mm)およびろ層構成No.7(L/D=667、珪砂層厚さ300mm、アンスラサイト層厚さ400mm)でそれぞれ60時間の連続ろ過を行い、ろ過性能を比較した。
その結果、ろ過水濁度が0.05度を超過するまでのろ過時間は、図9の表に示す通り、アンスラサイト層が厚い方が長かった。一方、60時間ろ過後のろ過抵抗はNo.1とNo.7でほとんど差は見られなかった。
本実施例の実験結果により、アンスラサイト層の厚さを珪砂層と同等以上にすることで、ろ過水の安全性を確保しながら、ろ過抵抗の上昇を抑制できたことが分かる。ちなみに、ろ層No.1は、従来の高速ろ過向けのろ層構成であり、本発明を用いることで、より高いろ過水の安全性とろ過抵抗上昇の抑制を両立することが可能となった。
また、実験結果が示す通り、L/Dの値が同一のろ層でも、ろ過水濁度の安定性やろ過抵抗上昇には差があることが分かり、ろ層全体のL/Dを規定するのみでは、ろ過池の性能を何ら定義していないことが分かる。
(実施例4)
有効径0.6mm、均等係数1.4の珪砂、および有効径1.2mm、均等係数1.4のアンスラサイトをろ材に用いて、ろ過速度360m/日で連続ろ過を行った。ろ過原水には、濁度が1度以下に制御された浄水場の凝集沈澱処理水を用いた。
ろ層構成No.1(珪砂層の厚さ400mm、アンスラサイト層の厚さ200mm)、およびろ層構成No.5(珪砂層の厚さ400mm、アンスラサイト層の厚さ400mm)でそれぞれ60時間の連続ろ過を行い、ろ過性能を比較した。その結果、ろ過水濁度が0.05度、または0.1度を超過するまでのろ過時間は、図10の表に示した通り、アンスラサイト層が厚いろ層構成No.5の方が長かった。一方、60時間ろ過後のろ過抵抗はNo.5とNo.1で大きな差は無かった。
本実施例の実験結果より、ろ過速度360m/日では、珪砂層の厚さとアンスラサイト層の厚さを同等とすることで、ろ過抵抗上昇を抑制しながら、ろ過水の安全性を確保できたことが分かる。
(比較例1)
有効径0.6mm、均等係数1.4の珪砂、および有効径1.2mm、均等係数1.4のアンスラサイトをろ材に用いて、ろ過速度360m/日で連続ろ過を行った。ろ過原水には、濁度が1度以下に制御された浄水場の凝集沈澱処理水を用いた。
ろ層構成No.1(L/D=667、ろ層全体の厚さ600mm)、およびろ層構成No.6(L/D=733、ろ層全体の厚さ600mm、珪砂層の厚さ500mm、アンスラサイト層の厚さ100mm)でそれぞれ連続ろ過を行い、ろ過性能を比較した。
その結果、図11の表に示す通り、ろ過水濁度が0.05度を超過するまでの時間はほぼ同じであったが、0.1度を超過するまでのろ過時間は珪砂層が厚いNo.6が、アンスラサイト層が厚いNo.1に比べて短かった。さらに、60時間ろ過後のろ過抵抗はNo.6が有意に高かった。
ろ層構成No.6のろ層全体のL/Dは、ろ層構成No.1のろ層全体のL/Dよりも大きい。通常、L/Dが大きいほど、ろ過池の性能が高いとされるが、用いるろ材それぞれに対して適切なL/Dや層厚を設定しないと、ろ層全体のL/Dが大きくても、逆に性能が悪くなることが分かる。
(比較例2)
有効径が異なる2種類の珪砂(層厚400mm)、ならびにアンスラサイト(層厚200mm)を用いて、ろ過速度360m/日で連続ろ過を行った。ろ過原水には、濁度が1度以下に制御された浄水場の凝集沈澱処理水を用いた。
ろ層構成No.1(L/D=667)、および有効径0.45mm、均等係数1.4の珪砂、および有効径0.9mm、均等係数1.4のアンスラサイトをろ材に用いたろ層構成No.3(ろ層全体の厚さ600mm、L/D=889)でそれぞれ連続ろ過を行い、ろ過性能を比較した。
その結果、図12の表に示す通り、ろ過水濁度が0.05度、または0.1度を超過するまでの時間は、有効径の小さいNo.3がNo.1に比べて短かった。一方、60時間ろ過後のろ過抵抗は、No.1に比べてNo.3が有意に高かった。
ろ層構成No.3のろ層全体のL/Dは、ろ層構成No.1のろ層全体のL/Dよりも大きい。通常、L/Dが大きいほど、ろ過池の性能が高いとされるが、ろ層全体のL/Dが大きくても、逆に性能が悪くなることが分かる。これは、ろ層構成No.1とろ層構成No.3は共に、「水道施設設計指針 2012」、233頁の表-5.6.4に記載のろ層構成であるが、ろ過水水質及びろ過継続時間に大きな差があり、当該表に示されたろ層構成は、それぞれ全く異なるろ過池性能を保有することを明らかにした。
(比較例3)
有効径0.6mm、均等係数1.2または1.4の珪砂(層厚400mm)、および有効径1.2mm、均等係数1.4のアンスラサイト(層厚200mm)をろ材に用いて、ろ過速度360m/日で連続ろ過を行った。ろ過原水には、濁度が1度以下に制御された浄水場の凝集沈澱処理水を用いた。
ろ層構成No.1(均等係数1.4、L/D=667)、および均等係数1.2の珪砂を用いたろ層構成No.2(ろ層全体の厚さ600mm、L/D=739)でそれぞれ連続ろ過を行い、ろ過性能を比較した。
その結果、図13の表に示す通り、No.1ではろ過時間60時間の間にろ過水濁度が0.05度、または0.1度を超過することはなかった。一方、均等係数の小さい珪砂を用いたNo.2では、ろ過水濁度が0.05度、0.1度を超過した時間が同じであった。さらに、60時間ろ過後のろ過抵抗は、No.1に比べてNo.2の方が高かった。
この比較例からも240m/日を超える高速ろ過のために、本発明を用いずに、ろ層全体のL/Dを高くしても、ろ過水の安全性の確保やろ過抵抗上昇の抑制ができないことが分かる。
(比較例4)
有効径0.6mm、均等係数1.4の珪砂、および有効径1.2mm、均等係数1.4のアンスラサイトをろ材に用いて、ろ過速度360m/日で連続ろ過を行った。ろ過原水には、濁度が1度以下に制御された浄水場の凝集沈澱処理水を用いた。
ろ層構成No.1(アンスラサイト層の厚さ200mm、珪砂層の厚さ400mm、L/D=667)、およびろ層構成No.4(アンスラサイト層の厚さ200mm、珪砂層の厚さ600mm、L/D=933)でそれぞれ60時間の連続ろ過を行い、ろ過性能を比較した。
その結果、ろ過水濁度が0.05度、または0.1度を超過するまでのろ過時間は、図14の表に示す通り、珪砂層が厚いNo.4の方がNo.1よりも短かった。さらに、60時間ろ過後のろ過抵抗はNo.4の方がNo.1よりも有意に高かった。
本比較例の実験結果より、本発明以外の方法を用いて、ろ層全体のL/Dを高くしても、ろ過水の安全性を確保できないばかりか、早期のろ過抵抗上昇を招き、ろ過池の高速化を達成できないことが分かる。
以上のように、従来の240m/日のろ層に比べ、粒径の大きいろ材(アンスラサイト)のL/Dを大きく(すなわち、層厚を厚く)、粒径の小さいろ材(珪砂)のL/Dを同等あるいは小さく(すなわち、層厚を同等あるいは薄く)して、ろ層全体のL/Dを大きくすること、また、粒径の大きいアンスラサイトからなるアンスラサイト層の厚さを、粒径の小さい珪砂からなる珪砂層の厚さと同等、あるいはより厚くすることで、ろ過抵抗の上昇を抑えつつ、ろ過水の安全性を確保でき、必要なろ過水量が得られるろ層構成を見出すことができた。
尚、前述した図1、図2で図示したろ過池は、自己水洗浄型自然平衡型ろ過池を一例として挙げたが、これのみに限定されず、その他、水位制御型ろ過池、流量制御型ろ過池、逆洗ポンプ洗浄型ろ過池、洗浄水保有型ろ過池・逆洗装置移動型ろ過池の何れのろ過池にも適用可能である。
本発明は、河川水や湖沼水、地下水といった単なる浄水原水や、沈澱池流出水、沈澱池を通らない凝集水、工業用水、排水処理水を原水とする複数のろ過層を有するろ過装置に利用可能である。
1 流入渠
2 ろ過池
3 ろ過水渠
4 排水渠
5 垂直堰
6 流入堰
7 流入サイフォン
20 仕切壁
21 排水ガリット
22 ろ過室
23 流入枝管
30 逆洗排水トラフ
40 ろ層
42 ろ過水連通路
43 アンスラサイト層
44 珪砂層
45 ろ過水越流堰
46 浄水渠
50 排水サイフォン
60 原水槽
61,62 ろ過塔
65 ろ過水槽
63 ろ層
66,67 原水供給ポンプ
70 逆洗ポンプ
71 洗浄排水槽
すなわち、本発明の一態様は、凝集沈澱処理水のろ過速度が240m/日を超えるろ過装置であって、アンスラサイトからなるアンスラサイト層と、該アンスラサイトよりも有効径が小さく、かつ該アンスラサイトよりも密度が大きい珪砂からなる珪砂層と、を含むろ層を備え、前記アンスラサイト層は、前記珪砂層と等しい厚さか、または前記珪砂層よりも厚く、前記ろ層全体の厚さは、600mmを超え、かつ2000mm以下であり、前記アンスラサイト層の厚さは200mmよりも厚く、前記珪砂層の厚さは600mm以下であり、前記アンスラサイトの調和平均径に対する前記アンスラサイト層の厚さの比の値は130以上であり、前記珪砂の調和平均径に対する前記珪砂層の厚さの比の値は800以下であり、前記アンスラサイトの調和平均径に対する前記アンスラサイト層の厚さの比の値と、前記珪砂の調和平均径に対する前記珪砂層の厚さの比の値とのろ層全体での合計が、667以上800以下であり、前記アンスラサイトの有効径は0.8mm以上1.3mm以下であり、前記珪砂の有効径は0.4mm以上0.65mm以下であることを特徴とする。
本発明の態様は、凝集沈澱処理水のろ過速度が240m/日を超えるろ過装置であって、アンスラサイトからなるアンスラサイト層と、該アンスラサイトよりも有効径が小さく、かつ該アンスラサイトよりも密度が大きい珪砂からなる珪砂層と、を含むろ層を備え、前記アンスラサイト層は、前記珪砂層と等しい厚さか、または前記珪砂層よりも厚く、前記ろ層全体の厚さは、600mmを超え、かつ2000mm以下であり、前記アンスラサイト層の厚さは500mmであり、前記珪砂層の厚さは300mmであり、前記アンスラサイトの有効径は1.2mmであり、前記珪砂の有効径は0.6mmであり、前記アンスラサイトの調和平均径に対する前記アンスラサイト層の厚さの比の値は333であり、珪砂の調和平均径に対する前記珪砂層の厚さの比の値は400であることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記珪砂の有効径に対する前記アンスラサイトの有効径の比の値は、少なくとも1.7であることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、沈澱池から延びて凝集沈澱処理水が流入サイフォンを流れ、流入堰により複数に配分される流入渠と、前記流入渠の下方に配置され、前記凝集沈澱処理水が前記ろ層に流入されるろ過池と、前記ろ過池のろ層を通過したろ過水が流入されるろ過水渠と、前記ろ過池に近接配置され、前記ろ層を逆洗する際、前記ろ過水渠からのろ過水を洗浄水として、前記ろ層を逆流させて洗浄し、その洗浄水を仕切壁を越流させて排水サイフォンを介して排水される排水渠と、を有することを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記ろ層は、前記凝集沈澱処理水を前記アンスラサイト層に通してから前記珪砂層に通してろ過水を得ることを特徴とする。

Claims (7)

  1. ろ過速度が240m/日を超えるろ過装置であって、
    アンスラサイトからなるアンスラサイト層と、該アンスラサイトよりも有効径が小さく、かつ該アンスラサイトよりも密度が大きい珪砂からなる珪砂層と、を含むろ層を備え、
    前記アンスラサイト層は、前記珪砂層と等しい厚さか、または前記珪砂層よりも厚く、
    前記ろ層全体の厚さは、600mmを超え、かつ2000mm以下であることを特徴とするろ過装置。
  2. 前記請求項1記載のろ過装置であって、
    前記アンスラサイト層の厚さは200mmよりも厚く、前記珪砂層の厚さは600mm以下であることを特徴とするろ過装置。
  3. 前記請求項2記載のろ過装置であって、
    アンスラサイトの調和平均径に対する前記アンスラサイト層の厚さの比の値は130以上であり、珪砂の調和平均径に対する前記珪砂層の厚さの比の値は800以下であることを特徴とするろ過装置。
  4. 前記請求項1乃至3のいずれか一項に記載のろ過装置であって、
    前記アンスラサイトの有効径は0.8mm以上1.3mm以下であり、前記珪砂の有効径は0.4mm以上0.65mm以下であることを特徴とするろ過装置。
  5. 前記請求項1乃至4のいずれか一項に記載のろ過装置であって、
    前記珪砂の有効径に対する前記アンスラサイトの有効径の比の値は、少なくとも1.7であることを特徴とするろ過装置。
  6. 前記請求項1乃至5のいずれか一項に記載のろ過装置であって、
    沈澱池から延びて原水が流入サイフォンを流れ、流入堰により複数に配分される流入渠と、
    前記流入渠の下方に配置され、前記原水が前記ろ層に流入されるろ過池と、
    前記ろ過池のろ層を通過したろ過水が流入されるろ過水渠と、
    前記ろ過池に近接配置され、前記ろ層を逆洗する際、前記ろ過水渠からのろ過水を洗浄水として、前記ろ層を逆流させて洗浄し、その洗浄水を仕切壁を越流させて排水サイフォンを介して排水される排水渠と、
    を有することを特徴とするろ過装置。
  7. 前記請求項6に記載のろ過装置であって、
    前記ろ層は、前記原水を前記アンスラサイト層に通してから前記珪砂層に通してろ過水を得ることを特徴とするろ過装置。
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