JPWO2018025663A1 - 成形用白色ポリエステルフィルム及びそれを用いた白色樹脂成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】直下型バックライトユニットに好適な白色樹脂成形体、あるいはその白色樹脂成形体への加工に好適な白色ポリエステルフィルムを提供する。【解決手段】少なくとも三層からなり、表層のガラス転移温度(Tg)が80℃以上120℃以下であり、フィルムの比重が0.8〜1.1であることを特徴とする成形用白色ポリエステルフィルム【選択図】図1

Description

本発明は、直下型バックライトユニットなどとして好適に用いられる成形用白色ポリエステルフィルム及び白色樹脂成形体に関するものである。
近年、パソコン、テレビ、スマートフォン、タブレット、携帯電話などの表示装置として、液晶を利用したディスプレイが数多く用いられている。これらの液晶ディスプレイは、それ自体は発光体でないために、裏側からバックライトと呼ばれる面光源を設置して光を照射することにより表示が可能となっている。また、バックライトは、単に光を照射するだけでなく、画面全体を均一に照射せねばならないという要求に応えるため、エッジライト型もしくは直下型と呼ばれる面光源の構造をとっている。なかでも、薄型・小型化が望まれるノート型パソコンやモニター、タブレット等に使用される薄型液晶ディスプレイ用途には、エッジライト型、つまり画面に対し側面から光を照射するタイプのバックライトが適用されている。一方、液晶テレビのような大画面用では、直下型、つまり画面に対し裏面から光を照射するタイプのバックライトが適用されている。
このような液晶画面用の面光源に用いられるランプリフレクターや反射板(以下、反射フィルム、面光源反射部材などと総称することもある)には、高い光反射性能が要求され、従来、白色顔料を添加したフィルムや内部に微細な気泡を含有させたフィルムが単独で、もしくはこれらのフィルムと金属板、プラスチック板などを張り合わせたものが使用されてきた。特に内部に微細な気泡を含有させたフィルムは、輝度の向上効果や、画面輝度の均一化に一定の効果があることから広く使用されている(特許文献1、2)。
直下型バックライトを搭載した大型テレビでは、「ローカルディミング」と言われる機能が搭載される。液晶バックライトを細かく区分し、表示する画像の明暗に合わせてバックライトを区分ごとに明暗をつけることで、よりコントラストを高く、きれいな画像を表示することができる技術である。「ローカルディミング」の技術的課題として、隣り合うLEDの明暗の差が大きい場合、光が隣の領域まで漏れてしまい、効果が薄れるというものがあった。また、直下型バックライトでは、構成によってはLEDがある部分だけ明るくなるムラが生じる場合があった。
これらの課題を解決する手法として、凹状の光反射面が形成されている光反射板(特許文献3)などが使用できるが、発泡シートは成形時に負荷がかかるとボイドが潰れやすいという課題がある。
特開2003−160682号公報 特公平8−16175号公報 特開2012−022089号公報
本発明は、上記の問題を解決し、直下型バックライトユニットに好適な成形用白色ポリエステルフィルム及び白色樹脂成形体を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、係る課題について鋭意検討した結果以下の構成を有する。
(1)少なくとも三層からなり、表層のガラス転移温度(Tg)が80℃以上120℃以下であり、フィルムの比重が0.8〜1.1であることを特徴とする成形用白色ポリエステルフィルム
(2)表層のガラス転移温度(Tg)+60℃における貯蔵弾性率(E’)が10MPa以上300MPa以下である(1)に記載の成形用白色ポリエステルフィルム
(3)少なくとも三層からなり、芯層にボイド核剤を含有する気泡を有していることを特徴とする(1)または(2)に記載の成形用白色ポリエステルフィルム
(4)反射率98%以上かつ透過率3%未満である(1)〜(3)のいずれかに記載の成形用白色ポリエステルフィルム
(5)(1)〜(4)のいずれかに記載の成形用白色ポリエステルフィルムを成形した白色樹脂成形体
(6)LED照明ユニットに使用される(5)に記載の白色樹脂成形体。
(7)直下型LEDバックライトユニットに使用される(5)に記載の白色樹脂成形体。
本発明によれば、成形性と成形後の形状保持に優れた白色ポリエステルフィルムを提供でき、その白色ポリエステルフィルムを成形することで輝度ムラの少ない直下型バックライトユニットに好適な白色樹脂成形体提供することができる。
得られたS−Sカーブから弾性変形と塑性変形の境界を表す図面
本発明者らは、係る課題について鋭意検討した結果、形状を付与した反射板を得るには、高い反射率と成形性を備えるのみならず、高い形状維持性を持つことが重要であることを究明し、本発明をなすに到った。直下型バックライトユニットのコントラスト比を向上し、ムラを消すために成形された反射板を適用する場合、その形状は緻密な計算により光学的に最適化されたものである。反射板は、直下型バックライトユニットに組み込んだ後、電気回路やLEDから出る熱にさらされる。その際、反射板が形状を保持できなければ、コントラスト比の向上やムラ消しの効果が薄れることになる。
本発明者らが鋭意検討したところによれば、少なくとも三層からなり、表層のガラス転移温度(Tg)が80℃以上120℃未満であり、フィルムの比重が0.8〜1.1であることを特徴とする成形用白色ポリエステルフィルムを用いれば、成形性と形状保持性に優れた成形用白色ポリエステルを供することができる。
以下に本発明の詳細を記載する。
[フィルム構成]
本発明の成形用白色ポリエステルフィルムは、少なくとも三層からなり、表層のガラス転移温度(Tg)が80℃以上120℃未満であることが必要である。
ガラス転移温度とは、ポリマーを示差走査型熱量計(DSC)において窒素雰囲気下、10℃/min.の昇温速度で測定したときの、比熱容量変化を伴う階段状吸熱ピークの中点の温度のことをいう。表層のガラス転移温度が80℃より低いと、フィルムを成形した後の形状保持性が低下する場合があり好ましくない。また、120℃より高い場合、加工性が悪化する場合があり好ましくない。より好ましくは、ガラス転移温度が85℃以上115℃未満であり、さらに好ましくは90℃以上110℃未満である。
本発明の成形用白色ポリエステルの積層形態は、三層以上であれば特に限定されないが、たとえば1層をアルファベット一文字で表した場合、X/Y/X、X/Y/Zなどの積層形態を挙げることができる。両表層が異なる原料からなる層である場合、いずれの表層もガラス転移温度(Tg)が80℃以上120℃未満であることが必要である。
表層のガラス転移温度(Tg)を上記の範囲にする方法としては、特に限定されるものではないが、ガラス転移温度が80℃以上である樹脂を表層に含有せしめることが挙げられる。ガラス転移温度が80℃以上である樹脂はポリエステル樹脂であることが好ましく、さらに好ましくは芳香族ポリエステル樹脂である。
本発明の成形用白色ポリエステルフィルムは、ポリエステル樹脂を主成分としている必要がある。成形用白色ポリエステルフィルムを構成する樹脂のうち、ポリエステル樹脂が少なくとも50重量%以上であれば、主成分といえる。ポリエステル樹脂について、好ましい態様を以下に記載する。ポリエステル樹脂とはエステル結合を主鎖に持つ高分子をいうが、本発明に用いるポリエステル樹脂は、ジカルボン酸とジオールとが縮重合した構造を持つポリエステル樹脂が好ましい。ジカルボン酸成分としては、例えば、芳香族ジカルボン酸では、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、マレイン酸、フマル酸などの脂肪族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸、パラオキシ安息香酸などのオキシカルボン酸などの各成分を挙げることができる。また、ジカルボン酸エステル誘導体成分として、上記ジカルボン酸化合物のエステル化物、たとえばテレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジエチル、テレフタル酸2−ヒドロキシエチルメチルエステル、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル、イソフタル酸ジメチル、アジピン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、ダイマー酸ジメチルなどの各成分を挙げることができる。ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸が主成分であることが、ガラス転移温度を上記の範囲とするために好ましい。これらのジカルボン酸成分が、ジカルボン酸成分のうち50モル%以上であれば主成分であるといえる。
また、ジオール成分としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)などの脂肪族ジヒドロキシ化合物、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリオキシアルキレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、スピログリコール、1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−グルシトール(イソソルビド)などの脂環族ジヒドロキシ化合物、ビスフェノールA、ビスフェノールSなどの芳香族ジヒドロキシ化合物など各成分が挙げられる。これらはそれぞれ1種だけであっても2種以上用いられるものであっても良い。また、フィルムとして製膜性に影響が出なければまたトリメリット酸、ピロメリット酸およびそのエステル誘導体を少量共重合されたものであっても構わない。ジオール成分としては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、スピログリコール、イソソルビドが主成分であることが、後述する貯蔵弾性率(E’)を調整する上で好ましい。
本発明の成形用白色ポリエステルフィルムは、比重が0.8〜1.1である必要がある。比重をかかる範囲とする手法として、フィルムの内部に気泡を含有させることが好ましい。内部に気泡を含有させる方法としては、(1)ポリエステル樹脂に発泡剤を含有せしめ、押出や製膜時の加熱により発泡、あるいは化学的分解により発泡させて気泡を形成する方法、(2)ポリエステル樹脂の押出時にガスまたは気化可能物質を添加する方法、(3)ポリエステル樹脂に無機粒子および/または該樹脂と非相溶の熱可塑性樹脂(A)を添加し、それを一軸または二軸延伸することにより微細な気泡を発生させる方法等が挙げられるが、本発明においては、製膜性、内部に含有せしめる気泡の量の調整し易さ、製造コストなどの総合的な点から、上記の(3)の方法を用いることが好ましい。上記の(3)の方法における無機粒子としては、シリカ、コロイダルシリカ、炭酸カルシウム、珪酸アルミ、リン酸カルシウム、アルミナ、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、酸化チタン、酸化亜鉛(亜鉛華)、酸化アンチモン、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化錫、酸化ランタン、酸化マグネシウム、炭酸バリウム、塩基性炭酸鉛(鉛白)、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸鉛、硫化亜鉛、マイカ、雲母チタン、タルク、クレー、カオリン、などの無機粒子が挙げられる。また、それらは単独もしくは2種類以上の混合で使用することが出来るが、中でも高い光学特性を製膜安定性が得られることから、硫酸バリウム粒子、二酸化チタン粒子が特に好ましい。無機粒子により気泡を含有させる場合、無機粒子は本発明の成形用白色ポリエステルフィルムの総重量に対して1〜50重量%含有されていることが好ましい。無機粒子が1重量%より少ない場合、比重を1.1以下にすることが困難となり、50重量%より多い場合は、ポリエステル樹脂の機械強度、耐熱性、製造コストを損ねる場合があり好ましくない。
ポリエステル樹脂と非相溶な熱可塑性樹脂(A)とは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、環状オレフィンのようなオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、フッ素系樹脂などが選ばれる。なかでも好ましいのはオレフィン系樹脂またはスチレン系樹脂であり、オレフィン系樹脂としてはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ4−メチルペンテン−1(以下、「ポリメチルペンテン」または「PMP」と略称することがある)、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、環状オレフィンが、スチレン系樹脂としてはポリスチレン、ポリメチルスチレン、ポリジメチルスチレンなどが好ましい。これらは単独重合体であっても共重合体であってもよく、さらには2種以上の熱可塑性樹脂(A)を併用してもよい。熱可塑性樹脂(A)は、本発明の成形用白色ポリエステルフィルムの総重量に対して1〜50重量%含有されていることが好ましい。熱可塑性樹脂(A)が1重量%より少ない場合、比重を1.1以下にすることが困難となり、50重量%より多い場合は、ポリエステル樹脂の機械強度、耐熱性、製造コストを損ねる場合があり好ましくない。比重を0.8〜1.1とすることで、後に記載する反射率、貯蔵弾性率(E’)、成形後の荷重に対する形状保持性を好ましい範囲にすることができる。比重が1.1より大きい場合、気泡の形成が不十分であり、フィルムの反射率が低下する場合があり好ましくない。また、比重が0.8より小さい場合、成形後に荷重に対する形状保持性が低下する場合があり好ましくない。より好ましくは、比重が0.82〜1.05であり、さらにこのましくは0.85〜1.0である。
ポリエステル樹脂と熱可塑性樹脂(A)の重量比を求める手法としては、それぞれの樹脂の種類に応じて、複数の分析を組み合わせる手法が考えられる。ポリエステル樹脂のみを溶媒で除去し、残った熱可塑性樹脂(A)を遠心分離機にて分離し、得られる残留物の重量から重量比を求める方法、IR(赤外分光法)、1H−NMRや13C−NMRによりそれぞれの樹脂を同定したのち、ポリエステル樹脂と熱可塑性樹脂(A)がいずれも可溶な溶媒に溶解し、遠心分離により不純物や無機物を除去し、吸光度により濃度を求めることにより重量比を求める方法が使用できる。ポリエステル樹脂を可溶な溶媒としては、トリフルオロ酢酸や1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロー2−プロパノール、o―クロロフェノールなどが用いられる。
本発明の成形用白色ポリエステルフィルムは、表層のガラス転移温度(Tg)+60℃における貯蔵弾性率(E’)が10MPa以上300MPa以下であることが好ましい。ある温度での貯蔵弾性率(E’)が小さければ、その温度において小さな力で変形しやすいことを示し、大きければ変形に大きな力が必要なことを示す。表層のガラス転移温度(Tg)+60℃における貯蔵弾性率(E’)が10MPaより低い場合、フィルムの自重により垂れるなど自己支持性が低下する場合があり好ましくない。また、300MPaより大きければ、特定の形状を付与するための成形が困難になるため好ましくない。より好ましくは20MPa以上250MPaであり、さらに好ましくは50MPa以上200MPa以下である。表層のガラス転移温度(Tg)+60℃における貯蔵弾性率(E’)をかかる範囲にする方法としては、特に限定されないが、上記のように表層のガラス転移温度を80℃以上にする、比重を1.1以下にするなどの方法を組み合わせた上で、下記に記載の方法でフィルムを製造することで貯蔵弾性率を上記の範囲とすることができる。フィルムの内部に気泡を含有させる方法で比重を調整する場合、比重の増減に応じて貯蔵弾性率(E’)を調整することが可能である。気泡の含有によって見た目の断面積が大きくなり、貯蔵弾性率(E’)が低くなるためである。また、本発明で用いられるポリエステル樹脂として、共重合ポリエステル樹脂を使用しても良い。共重合ポリエステルは、一般的にホモポリマーと比較して結晶性が低下しやすいことが知られており、貯蔵弾性率(E’)を低くできる場合があり好ましい。共重合ポリエステルは、上記のポリエステル樹脂のジカルボン酸成分としてあげている中から2種以上、および/またはジオール成分としてあげている中から2種以上が共重合されていることが好ましい。特に、テレフタル酸と2,6−ナフタレンジカルボン酸の組み合わせ、エチレングリコールとスピログリコールの組み合わせは、ポリエチレンテレフタレートホモポリマーと比較して、ガラス転移温度を80℃以上120℃以下としやすいため好ましい。共重合成分を導入する方法としては、原料であるポリエステルペレットの重合時に共重合成分を添加し、あらかじめ共重合成分が重合されたペレットとして用いても良いし、また、例えば、ポリエチレンナフタレートのように単独で重合されたペレットとポリエチレンテレフタレートペレットの混合物を押出し機に供給し、溶融時にエステル交換反応によって共重合化する方法を用いても良い。
本発明の成形用白色ポリエステルフィルムの表層に使用されるポリエステル樹脂は、2種類以上のポリエステル樹脂を混合したものであっても構わない。2種類以上のポリエステル樹脂を混合すると、表層のガラス転移温度が二つ以上、測定される場合がある。その場合は、「表層のガラス転移温度+60℃」の起点となるガラス転移温度は、最も温度が高いガラス転移温度とする。
本発明の成形用白色ポリエステルフィルムは、芯層にボイド核剤を含有する気泡を有していることが好ましい。ここでいう芯層とは、三層以上のポリエステルフィルムにおいて、両表層を除くすべての層を指す。四層以上の場合は、芯層が二層以上存在する。芯層が二層以上ある場合は、少なくともいずれか一層にボイド核剤を含有する気泡を有していることが好ましい。ボイド核剤は成形用白色ポリエステルフィルムを構成する主たる樹脂成分と同一ではなく、かつ樹脂成分中に粒子状に分散し得るものであればよく、例えば無機微粒子、有機微粒子、各種熱可塑性樹脂、などが挙げられる。ボイド核剤を含有する気泡を得る方法は特に限定されないが、上記のポリエステル樹脂に無機粒子および/または該樹脂と非相溶の熱可塑性樹脂(A)を添加し、それを一軸または二軸延伸することにより微細な気泡を発生させる方法等が好ましく用いられる。ボイド核剤を含有する気泡を有していることで、成形加工時にボイドがつぶれにくく、成形用白色ポリエステルフィルムを成形して白色樹脂成形体としたときに、反射率の低下、透過率の増大が起こりにくくなるため好ましい。
本発明の成形用白色ポリエステルフィルムは、反射率98%以上かつ透過率3%未満であることが好ましい。ここでいう反射率とは、光の波長領域400〜700nmにおける平均反射率とし、透過率は、可視光領域の波長(400〜800nm)の光を用いて、JIS−K−7361−1に準拠して測定した光の透過率のことである。全光線透過率という場合もある。反射率が98%未満あるいは透過率が3%以上となる場合、直下型バックライトに組み込んだ際に十分な輝度が出ない場合があり好ましくない。反射率および透過率を上記の範囲とする方法としては、特に限定されないが、ポリエステル樹脂に無機粒子および/または該樹脂と非相溶の熱可塑性樹脂(A)を添加し、それを一軸または二軸延伸することにより微細な気泡を発生させる方法が好ましく用いられる。
本発明の成形用白色ポリエステルフィルムは、製膜性、成形性の観点および反射・透過率、成形後の荷重に対する形状保持性を好ましい範囲にするために、フィルム厚みは100〜500μmであることが好ましく、125〜400μmであればより好ましく、160〜350μmであることがさらに好ましい。
次に本発明の成形用白色ポリエステルフィルムの製造方法について、その一例を説明するが特に限定されるものではない。少なくとも2台の一軸または二軸押出機、主押出機と副押出機を有する複合製膜装置において、主押出機に芯層(Y)の原料となる樹脂、副押出機に表層(X)の原料となる樹脂を投入する。それぞれの原料は水分率が50ppm以下となるように乾燥されていることが好ましい。このようにして各押出機に原料を供給し、例えば2台の押出機とTダイ上部に設置したフィードブロックやマルチマニホールドにてX/Y/Xの3層積層フィルムとすることができる。押出された未延伸シートは、冷却されたドラム上で密着冷却固化し、未延伸積層フィルムを得る。このとき、均一なフィルムを得るために静電気を印加してドラム上に密着させることが望ましい。その後、必要により延伸工程、熱処理工程を経て目的のポリエステルフィルムを得る。
この未延伸フィルムをロール加熱、必要に応じて赤外線加熱等でポリマーのガラス転移温度(Tg)以上に加熱し、長手方向(以降、縦方向と呼ぶ)に延伸して縦延伸フィルムを得る。この延伸は2個以上のロールの周速差を利用して行う。縦延伸の倍率は用途の要求特性にもよるが、好ましくは2〜6倍、より好ましくは3〜4倍である。2倍未満とすると反射率が低い場合があり、6倍を超えると製膜中に破断が発生し易くなる場合がある。縦延伸後のフィルムは、続いて、縦方向と直交する方向(以降、横方向と呼ぶ)に延伸、熱固定、熱弛緩の処理を順次施して二軸配向フィルムとするが、これら処理はフィルムを走行させながら行う。このとき、横延伸のための予熱および延伸温度はポリマーのガラス転移温度(Tg)以上(Tg+20℃)で行うのが好ましい。横延伸の倍率は、用途の要求特性にもよるが、好ましくは2.5〜6倍、より好ましくは3〜4倍である。2.5倍未満であると反射率が低い場合がある。6倍を超えると製膜中に破断が発生し易くなる場合がある。得られた二軸延伸積層フィルムの結晶配向を完了させて、平面性と寸法安定性を付与するために、引き続きテンター内にて180〜230℃の温度で1〜60秒間の熱処理を行ない、均一に徐冷後、室温まで冷却し、ロールに巻き取る。なお、かかる熱処理はフィルムをその長手方向および/または幅方向に弛緩させつつ行ってもよい。
またここでは逐次二軸延伸法によって延伸する場合を例に詳細に説明したが、本発明のポリエステルフィルムは逐次二軸延伸法、同時二軸延伸法のいずれの方法で延伸してもよく、さらに必要に応じて、二軸延伸後、再縦延伸および/または再横延伸を行ってもよい。
こうして得られた二軸延伸積層フィルムに平面安定性、寸法安定性を付与するため、引き続いてテンター内で熱処理(熱固定)を行い、均一に徐冷後、室温付近まで冷却した後、巻き取ることにより、本発明の白色フィルムを得ることができる。
また、本発明の効果が損なわれない範囲で、樹脂層(A)の少なくとも片面に、易滑性や帯電防止性、紫外光吸収性能等を付与するために、周知の技術を用いて種々の塗液を塗布したり、耐衝撃性を高めるためにハードコート層などを設けても良い。塗布は、フィルム製造時に塗布(インラインコーティング)してもよいし、フィルム製造後の白色フィルム上に塗布(オフラインコーティング)してもよい。
また、本発明は上記に記載の成形用白色ポリエステルフィルムを成形した白色樹脂成形体であってもよい。成形方法としては特に限定されないが、真空成形、圧空成形、真空圧空成形、プレス成形、プラグアシスト真空圧空成形のようにフィルムのみを成形する方法、インサート成形、TOM(Three dimension Overlay Method)成形、三次元ラミネート成形などのように基材がある成形方法など、一般に公知の成形方法で成形できる。例えば、真空圧空成形を行う場合は、400℃の遠赤外線ヒーターで、フィルム表面温度がTg+50℃以上の温度になるようにフィルムを加熱し、50℃に加熱した金型に沿って真空圧空成形(圧力:1MPa)を行うことで、本発明の反射板が得られる。本発明の成形体の形状は特に限定されるものではないが、一つもしくは以上の凹みを形成していることが好ましい。凹みの形状としては、錐台状、半球状、球冠状、柱状、これらの組み合わせ、中間形状、楕円ように歪ませた形状、角にRがついて丸みを帯びた形状であってもよい。中でも四角錐台形状、六角錐台形状であれば、面を同一形状で埋めやすく後述する用途として使いやすく好ましい。
本発明の白色樹脂成形体は、LED照明ユニット用の反射板として好適に用いることができる。本発明の白色樹脂成形体を使用したLED照明ユニットの場合、隣り合うLEDの光漏れが起こりにくく部分駆動機能を搭載する照明用途として好ましい。特に平面型LED照明ユニット用の反射板として好ましい。
本発明の白色樹脂成形体は、直下型LEDバックライトユニット用の反射板として好適に用いることができる。本発明の反射板を使用した直下型LEDバックライトユニットの場合、隣り合うLEDの光漏れが起こりにくくローカルディミング機能を搭載したバックライトに好ましい。特に液晶ディスプレイ、液晶テレビ、液晶モニターなどに使用される直下型LEDバックライトユニット用の反射板として好ましい。
以下、実施例により本発明を詳述する。なお、各特性値は以下の方法で測定した。
(1)ガラス転移温度
示差走査熱量計(セイコー電子工業製、RDC220)を用い、JIS K7121−1987、JIS K7122−1987に準拠して測定および、解析を行った。ポリエステル層もしくはポリエステルフィルムを5mg、サンプルに用い、25℃から20℃/分で300℃まで昇温した際のDSC曲線より得られた、ガラス状態からゴム状態への転移に基づく比熱変化を読み取り、各ベースラインの延長した直線から縦軸(熱流を示す軸)方向に等距離にある直線と、ガラス転移の階段状変化部分の曲線とが交わる点の中間点ガラス転移温度を求め、ガラス転移温度とした。なお、ベースライン上に見られる、極微小なピーク面積(結晶融解エネルギー換算で0.5J/g以下)の吸熱ピークについてはノイズとして除去した。表層のみを測定する場合は、カッターで表層を削りとって測定を行った。
(2)貯蔵弾性率(E‘)
フィルムを長手方向および幅方向に長さ60mm×幅5mmの矩形に切り出しサンプルとした。動的粘弾性測定装置(セイコーインスツルメンツ製、DMS6100)を用い、下記の条件下で、フィルム表層のTg+50℃での弾性率(E‘)を求めた。
周波数:1Hz、試長:20mm、最小荷重:約100mN、振幅:10μm、
測定温度範囲:20℃〜230℃、昇温速度:5℃/分。
(3)比重
フィルムから1辺が5cmである正方形サンプルを5枚切りだし、それぞれJIS K7112−1980に基づいて電子比重計SD−120L(ミラージュ貿易(株)製)を用いて測定した。得られた計5点の測定値の相加平均を求め、当該フィルムの比重とした。
(4)反射率
日立ハイテクノロジーズ製分光光度計(U―3310)に60mmφ積分球を取り付け、酸化アルミニウムの標準白色板(日立ハイテクノロジーズ製、部品No.210−0740)を100%としたときの反射率を400〜700nmにわたって測定する。得られたチャートより5nm間隔で反射率を読み取り、算術平均値を計算し、反射率とする。
(5)透過率(全光線透過率)
日本電色工業(株)製濁度計「NDH5000」を用いて、全光線透過率の測定はJIS「プラスチック透明材料の全光線透過率の試験方法」(K7361−1、1997年版)に従って測定した。
(6)成形性
浅野研究所製成形機(FKS−0631−20)を用いて400℃の遠赤外線ヒーターで、フィルム表面温度がTg+50℃以上の温度になるようにフィルムを加熱し、50℃に加熱した金型(底面直径50mm、円筒形状)に沿って真空圧空成形(圧力:1MPa)を行った。金型に沿って成形できた状態を成形度合い(絞り比:成形高さ/底面直径)を用いて以下の基準で評価した。
◎:絞り比0.7以上で成形できた。
○:絞り比0.7〜0.4で成形できた。
△:絞り比0.4〜0.1で成形できた。
×:破れが発生し、絞り比0.1で成形できなかった。もしくは、追従性が低く、成形できなかった。
△以上を合格とした。
(7)形状保持性(耐荷重)
浅野研究所製成形機(FKS−0631−20)を用いて400℃の遠赤外線ヒーターで、フィルム表面温度がTg+50℃以上の温度になるようにフィルムを加熱し、50℃に加熱した金型(底面直径50mm、高さ25mm、円錐形状)に沿って真空圧空成形(圧力:1MPa)を行った。成形された円錐体を強伸度測定装置(株式会社ボールドウィン社製、RTF−1210)と圧縮試験冶具を用いて圧縮試験を行った。得られたS−Sカーブから弾性変形と塑性変形の境界(図1)を読み取り、その試験力(N)から耐荷重性を評価した
◎:試験力 15N以上
○:試験力 10N以上15N未満
△:試験力 5N以上10N未満
×:試験力 5N未満
△以上を合格とした。
(8)形状保持性(耐熱)
浅野研究所製成形機(FKS−0631−20)を用いて400℃の遠赤外線ヒーターで、フィルム表面温度がTg+60℃以上の温度になるようにフィルムを加熱し、50℃に加熱した金型(底面直径50mm、高さ25mm、円錐形状)に沿って真空圧空成形(圧力:1MPa)を行った。成形された円錐体を80℃のオーブンに30分投入し、加熱前後の高さの変化率を測定した。高さの測定には、ワンショット3D形状測定機VR−3200((株)キーエンス社製)を用いた。
◎:変化率 3%未満
○:変化率 3%以上 5%未満
△:変化率 5%以上 8%未満
×:変化率 8%以上
△以上を合格とした。
(9)光学ムラ
浅野研究所製成形機(FKS−0631−20)を用いて400℃の遠赤外線ヒーターで、フィルム表面温度がTg+60℃以上の温度になるようにフィルムを加熱し、50℃に加熱した金型(1辺50mmの2×2マス、高さ10mm、厚さ10mmの壁を有する箱型)に沿って真空圧空成形(圧力:1MPa)を行った。各マスの底に直径12mmの穴を開け、穴からLEDとレンズキャップが出るように市販テレビ(ハイアール社製、LE42A7000)のバックライトに組み込み、光学フィルム群を乗せてLEDを点灯させて見た目を観察した。
◎:箱の四隅まで明るく見える
○:明るく見える
×:暗く見える
[使用原料]
(1)ポリエステル樹脂(a)
テレフタル酸およびエチレングリコールから、三酸化アンチモンを触媒として、常法により重合を行い、ポリエチレンテレフタレート(PET)を得た。得られたPETのガラス転移温度は77℃、融点は255℃、固有粘度は0.63dl/g、末端カルボキシル基濃度は40eq./tであった。
(2)ポリエステル樹脂(b)
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルおよびエチレングリコールから、酢酸マンガンを触媒として、エステル交換反応を実施した。エステル交換反応終了後、三酸化アンチモンを触媒として常法によりポリエチレンナフタレート(PEN)を得た。得られたPENのガラス転移温度は124℃、融点は265℃、固有粘度は0.62dl/g、末端カルボキシル基濃度は25eq./tであった。
(3)共重合ポリエステル樹脂(c)
市販の1,4−シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエステル(イーストマン・ケミカル社製 GN001)を使用した。ガラス転移温度は85℃、固有粘度は0.75dl/gであった。
(4)共重合ポリエステル樹脂(d)
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸成分が82.5モル%、イソフタル酸成分が17.5モル%、グリコール成分としてエチレングリコール成分が100モル%であるイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂を使用した。ガラス転移温度は70℃、固有粘度は0.7dl/gであった。
(5)共重合ポリエステル樹脂(e)
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸成分が100モル%、グリコール成分としてエチレングリコール成分が70モル%、ネオペンチルグリコール成分が30モル%であるネオペンチルグリコール共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂を使用した。固有粘度は0.75dl/gであった。
(6)ポリエステル樹脂(f)
市販のポリブチレンテレフタレート樹脂、東レ(株)社製“トレコン”(登録商標)1200Sを用いた。融点は224℃、固有粘度は1.26dl/gであった。
(7)共重合ポリエステル樹脂(g)
市販のスピログリコール共重合ポリエステル樹脂、三菱ガス化学(株)社製“アルテスター”(登録商標)S2000を用いた。ガラス転移温度は95℃、固有粘度は0.75dl/gであった。
(8)共重合ポリエステル樹脂(h)
市販のイソフタル酸共重合ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート(Eastman CHEMICAL社製「Eastar AN004」)を使用した。ガラス転移温度83℃、固有粘度0.75dl/gであった。
(9)二酸化チタンマスター(i)
ポリエステル樹脂(a)を50重量部と二酸化チタン粒子(数平均粒径0.5μm)50重量部を二軸押出機にて混練し、二酸化チタンマスターペレット(k)を得た。
(10)熱可塑性樹脂(j)
市販のポリメチルペンテン原料「TPX RT18」(三井化学株式会社、融点233℃)
(11)環状オレフィン樹脂(k)
市販の環状オレフィン樹脂「TOPAS 6017」(日本ポリプラスチックス株式会社)を用いた。
(12)共重合ポリエステル(l)
市販のイソソルビドおよび1,4−シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエステル樹脂(SK Chemicals社製「ECOZEN BS300」)を使用した。
(13)共重合ポリエステル(m)
ジカルボン酸成分として2,6−ナフタレンジカルボン酸成分が100モル%、グリコール成分としてエチレングリコール成分が85モル%、ネオペンチルグリコール成分が15モル%であるネオペンチルグリコール共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂を使用した。ガラス転移温度は112℃、固有粘度は0.70dl/gであった。
(実施例1,3〜7、9)
表1示した組成の原料を180℃の温度で6時間真空乾燥した後に主押出機に芯層(Y)の原料を供給し280℃の温度で溶融押出後30μmカットフィルターにより濾過を行い、副押出機に表層(X)の原料を供給し290℃の温度で溶融押出後30μmカットフィルターにより濾過を行った後に、Tダイ複合口金内で、表層(X)が芯層(Y)の両表層に積層(X/Y/X)されるよう合流せしめた。
次いで、シート状に押出して溶融シートとし、該溶融シートを、表面温度25℃に保たれたドラム上に静電印加法で密着冷却固化させて未延伸フィルムを得た。続いて、該未延伸フィルムを80℃の温度に加熱したロール群で予熱した後、赤外線ヒーターで両面から照射しながら、長手方向(縦方向)に表2の倍率にて延伸を行い、25℃の温度のロール群で冷却して一軸延伸フィルムを得た。その後、一軸延伸フィルムの両端をクリップで把持しながらテンター内の110℃の予熱ゾーンに導き、引き続き120 ℃ で長手方向に垂直な方向(横方向)に表2の倍率にて延伸した。さらに引き続いて、テンター内の熱処理ゾーンで表2の温度の熱処理を施し、次いで均一に徐冷後、ロールに巻き取り、表2に記載の厚みの成形用白色ポリエステルフィルムを得た。
(実施例2、8、11〜20)
表1に示した組成の原料を180℃の温度で6時間真空乾燥した後に主押出機に芯層(Y)の原料を、副押出機に表層(X)の原料を供給しそれぞれ280℃の温度で溶融押出後30μmカットフィルターにより濾過を行った後に、Tダイ複合口金内で、表層(X)が芯層(Y)の両表層に積層(X/Y/X)されるよう合流せしめた。
次いで、シート状に押出して溶融シートとし、該溶融シートを、表面温度25℃に保たれたドラム上に静電印加法で密着冷却固化させて未延伸フィルムを得た。続いて、該未延伸フィルムを70℃の温度に加熱したロール群で予熱した後、赤外線ヒーターで両面から照射しながら、長手方向(縦方向)に表2の倍率にて延伸を行い、25℃の温度のロール群で冷却して一軸延伸フィルムを得た。その後、一軸延伸フィルムの両端をクリップで把持しながらテンター内の110℃の予熱ゾーンに導き、引き続き120 ℃ で長手方向に垂直な方向(横方向)に表2の倍率にて延伸した。さらに引き続いて、テンター内の熱処理ゾーンで表2の温度の熱処理を施し、次いで均一に徐冷後、ロールに巻き取り、表2に記載の厚みの成形用白色ポリエステルフィルムを得た。
(実施例10)
表1に示した組成の原料を180℃の温度で6時間真空乾燥した後に主押出機に芯層(Y)の原料を供給し280℃の温度で溶融押出後30μmカットフィルターにより濾過を行い、副押出機に表層(X)の原料を供給し270℃の温度で溶融押出後30μmカットフィルターにより濾過を行った後に、Tダイ複合口金内で、表層(X)が芯層(Y)の両表層に積層(X/Y/X)されるよう合流せしめた。
次いで、シート状に押出して溶融シートとし、該溶融シートを、表面温度25℃に保たれたドラム上に静電印加法で密着冷却固化させて未延伸フィルムを得た。続いて、該未延伸フィルムを70℃の温度に加熱したロール群で予熱した後、赤外線ヒーターで両面から照射しながら、長手方向(縦方向)に表2の倍率にて延伸を行い、25℃の温度のロール群で冷却して一軸延伸フィルムを得た。その後、一軸延伸フィルムの両端をクリップで把持しながらテンター内の110℃の予熱ゾーンに導き、引き続き120 ℃ で長手方向に垂直な方向(横方向)に表2の倍率にて延伸した。さらに引き続いて、テンター内の熱処理ゾーンで表2の温度の熱処理を施し、次いで均一に徐冷後、ロールに巻き取り、表2に記載の厚みの成形用白色ポリエステルフィルムを得た。
(比較例1、2、6)
表1に示した組成の原料を180℃の温度で6時間真空乾燥した後に主押出機に芯層(Y)の原料を、副押出機に表層(X)の原料を供給しそれぞれ280℃の温度で溶融押出後30μmカットフィルターにより濾過を行った後に、Tダイ複合口金内で、表層(X)が芯層(Y)の両表層に積層(X/Y/X)されるよう合流せしめた。
次いで、シート状に押出して溶融シートとし、該溶融シートを、表面温度25℃に保たれたドラム上に静電印加法で密着冷却固化させて未延伸フィルムを得た。続いて、該未延伸フィルムを70℃の温度に加熱したロール群で予熱した後、赤外線ヒーターで両面から照射しながら、長手方向(縦方向)に表2の倍率にて延伸を行い、25℃の温度のロール群で冷却して一軸延伸フィルムを得た。その後、一軸延伸フィルムの両端をクリップで把持しながらテンター内の110℃の予熱ゾーンに導き、引き続き120 ℃ で長手方向に垂直な方向(横方向)に表2の倍率にて延伸した。さらに引き続いて、テンター内の熱処理ゾーンで表2の温度の熱処理を施し、次いで均一に徐冷後、ロールに巻き取り、表2に記載の厚みの白色ポリエステルフィルムを得た。
(比較例3〜5)
表1に示した組成の原料を180℃の温度で6時間真空乾燥した後に主押出機に芯層(Y)の原料を供給し280℃の温度で溶融押出後30μmカットフィルターにより濾過を行い、副押出機に表層(X)の原料を供給し290℃の温度で溶融押出後30μmカットフィルターにより濾過を行った後に、Tダイ複合口金内で、表層(X)が芯層(Y)の両表層に積層(X/Y/X)されるよう合流せしめた。
次いで、シート状に押出して溶融シートとし、該溶融シートを、表面温度25℃に保たれたドラム上に静電印加法で密着冷却固化させて未延伸フィルムを得た。続いて、該未延伸フィルムを80℃の温度に加熱したロール群で予熱した後、赤外線ヒーターで両面から照射しながら、長手方向(縦方向)に表2の倍率にて延伸を行い、25℃の温度のロール群で冷却して一軸延伸フィルムを得た。その後、一軸延伸フィルムの両端をクリップで把持しながらテンター内の110℃の予熱ゾーンに導き、引き続き120 ℃ で長手方向に垂直な方向(横方向)に表2の倍率にて延伸した。さらに引き続いて、テンター内の熱処理ゾーンで表2の温度の熱処理を施し、次いで均一に徐冷後、ロールに巻き取り、表2に記載の厚みの成形用白色ポリエステルフィルムを得た。
Figure 2018025663
Figure 2018025663
Figure 2018025663
本発明は高い反射率と成形性を備えるのみならず、高い形状維持性を持つため、直下型のLEDバックライトユニットに用いられる光反射板などとして好適に用いられる。

Claims (7)

  1. 少なくとも三層からなり、表層のガラス転移温度(Tg)が80℃以上120℃未満であり、フィルムの比重が0.8〜1.1であることを特徴とする成形用白色ポリエステルフィルム。
  2. 表層のガラス転移温度(Tg)+60℃における貯蔵弾性率(E’)が10MPa以上300MPa以下である請求項1に記載の成形用白色ポリエステルフィルム
  3. 芯層にボイド核剤を含有する気泡を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の成形用白色ポリエステルフィルム。
  4. 反射率98%以上かつ透過率3%未満である請求項1に記載の成形用白色ポリエステルフィルム
  5. 請求項1に記載の成形用白色ポリエステルフィルムを成形した白色樹脂成形体
  6. LED照明ユニットに使用される請求項5に記載の白色樹脂成形体。
  7. 直下型LEDバックライトユニットに使用される請求項5に記載の白色樹脂成形体。
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