JPWO2018008673A1 - 有機エレクトロルミネッセンス材料及びこれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス材料及びこれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子 Download PDF

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Abstract

一般式:(Cz)n−Arで表される化合物は、ホールブロック材料として優れた化合物である。Czは、フルオロアルキル基およびシアノ基からなる群より選択される置換基で少なくとも2箇所が置換されている9−カルバゾリル基を表し、Arはトリアジン環、ピリダジン環、ピリミジン環またはピラジン環を表し、これらの環は前記9−カルバゾリル基以外の置換基を有していてもよい。nは1もしくは2である。

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス材料及びこれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。特に本発明は、ホールブロック材料として優れた化合物、ホールブロック材料、その化合物を用いた有機発光素子に関する。
有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)などの有機発光素子の発光効率を高める研究が盛んに行われている。特に、有機エレクトロルミネッセンス素子を構成する発光材料や他の機能材料を新たに開発して組み合わせることにより、発光効率を高める工夫が種々なされてきている。その中には、発光層の陰極側に接する層に含有され、発光層中に注入されたホールや発光層中で発生したエキシトン(励起子)が発光層外へ拡散するのを阻止するホールブロック材料に関する研究も見受けられる。
例えば、特許文献1には、発光層に接する層が下記式で表されるTmPyPB等のm−フェニル−ピリジル型化合物を含んでいると、発光層中で発生した青色リン光材料の三重項励起子が、その層が接する側から発光層外へ移動することが抑えられることが記載されている。
また、ホールブロック層に、下記式で表されるPPT、DPEPOが用いられた例も知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2013−115066号公報 特開2016−036025号公報
上記のように、ホールブロック材料として機能しうる化合物として、従来からTmPyPB、PPT、DPEPOが知られている。しかしながら、本発明者らが、これらの化合物をホールブロック材料に用い、青色発光材料と組み合わせて有機EL素子を作製したところ、いずれも十分に満足のゆく発光効率や青色純度が得られないことが判明した。特に、ホスフィンオキシド型化合物は酸化されやすく、これをホールブロック材料に用いると素子の耐久性を損なう危険性があることも判明した。
そこで本発明者らは、ホールブロック材料として優れている新たな化合物を見出すことを目指して研究を重ねた。そして、ホールブロック材料として有用な化合物の一般式を導きだし、発光効率が高い有機発光素子の構成を一般化することを目的として鋭意検討を進めた。
本発明者らは、ホールブロック材料に用いる化合物にはホールブロック性とエキシトンブロック性、高い電子輸送性、安定性を持つことが必要であり、特に、最低励起三重項エネルギー準位T1が高い青色発光材料に対しても十分なエキシトンブロック性を奏するには、その最低励起三重項エネルギー準位T1が十分に高いことが重要であると考えた。そして、このような考えに基づいて、種々の芳香環や置換基を組み合わせて化合物を設計し、そのエキシトンブロック性とホールブロック性を評価する検討を網羅的に行った。その結果、電子吸引性基で置換されたカルバゾリル基を有する化合物群にホールブロック材料として有用性があることを初めて見出し、さらに検討を進めることにした。
上記のように、TmPyPBmはフェニル-ピリジル型化合物である。また、PPTおよびDPEPOはホスフィンオキシド型の化合物である。これらの化合物はいずれも電子吸引性基で置換されたカルバゾリル基を有していない。このため、これらの化合物からは、電子吸引性基で置換されたカルバゾリル基を有する化合物のホールブロック材料としての有用性は予測がつかない。
このような状況下で鋭意検討を進めた結果、本発明者らは、フルオロアルキル基やシアノ基で置換された9−カルバゾリル基が特定の窒素含有芳香族6員環に置換した構造を有する化合物が、最低励起三重項エネルギー準位T1が顕著に高く、エキシトンブロック性とホールブロック性に優れていることを見出した。そして、そのような化合物をホールブロック層に用いることにより発光効率が高い有機発光素子を提供しうることを明らかにした。本発明者らは、これらの知見に基づいて、上記の課題を解決する手段として、以下の本発明を提供するに至った。
[1] 下記一般式(1)で表される化合物。
一般式(1)
(Cz)n−Ar
[一般式(1)において、Czは、フルオロアルキル基およびシアノ基からなる群より選択される置換基で少なくとも2箇所が置換されている9−カルバゾリル基を表し、Arはトリアジン環、ピリダジン環、ピリミジン環またはピラジン環を表し、これらの環は前記9−カルバゾリル基以外の置換基を有していてもよい。nは1もしくは2の整数である。]
[2] 前記フルオロアルキル基およびシアノ基からなる群より選択される置換基の前記9−カルバゾリル基における置換位置が2位と7位であるか、3位と6位であるか、2位と3位と6位と7位である、[1]に記載の化合物。
[3] 前記フルオロアルキル基およびシアノ基からなる群より選択される置換基の前記9−カルバゾリル基における置換位置が3位と6位である、[1]または[2]に記載の化合物。
[4] 前記Arが表す環がトリアジン環またはピリミジン環である、[1]〜[3]のいずれか1項に記載の化合物。
[5] 前記Arが表す環がトリアジン環である、[1]〜[4]のいずれか1項に記載の化合物。
[6] 前記Arが表す環が1,3,5−トリアジン環である、[1]〜[5]のいずれか1項に記載の化合物。
[7] 前記Arが表す環がピリミジン環である、[1]〜[4]のいずれか1項に記載の化合物。
[8] 前記Arが表す環がピリミジン環であって、そのピリミジン環の4位と6位が前記9−カルバゾリル基で置換されている、[7]に記載の化合物。
[9] nが1である、[1]〜[8]のいずれか1項に記載の化合物。
[10] 前記Arが表す環が前記9−カルバゾリル基以外の置換基を有する、[1]〜[9]のいずれか1項に記載の化合物。
[11] 前記9−カルバゾリル基以外の置換基が、アリール基およびフルオロアルキル基からなる群から選択される置換基である、[10]に記載の化合物。
[12] HOMO準位が−6.1eV未満である、[1]〜[11]のいずれか1項に記載の化合物。
[13] 最低励起三重項エネルギー準位T1が2.8eVよりも大きい、[1]〜[12]のいずれか1項に記載の化合物。
[14] [1]〜[13]のいずれか1項に記載の化合物を含有するホールブロック材料。
[15] [1]〜[13]のいずれか1項に記載の化合物と発光材料を用いた有機発光素子。
[16] 前記発光材料が青色発光材料である、[15]に記載の有機発光素子。
[17] 前記発光材料が遅延蛍光材料である、[15]または[16]に記載の有機発光素子。
[18] 前記発光材料と前記化合物が別の層に含まれている、[15]〜[17]のいずれか1項に記載の有機発光素子。
[19] 前記発光材料を含む層の陰極側に接するように、前記化合物を含む層が形成されている、[15]〜[18]のいずれか1項に記載の有機発光素子。
[20] 有機エレクトロルミネッセンス素子である、[15]〜[19]のいずれか1項に記載の有機発光素子。
本発明の化合物は、エキシトンブロック性およびホールブロック性に優れており、ホールブロック材料として有用である。本発明の化合物をホールブロック材料として用いた有機発光素子は、高い発光効率を実現しうる。
有機エレクトロルミネッセンス素子の層構成例を示す概略断面図である。 実施例1および比較例1、2、3で製造した電子オンリー素子の電圧−電流密度特性を示すグラフである。 実施例1および比較例1、2で製造した電子オンリー素子に一定電流密度で電子を流した際の経時による電圧変化特性を示すグラフである。 実施例2および比較例4、5で使用した化合物のHOMO準位およびLUMO準位を示すエネルギー準位図である。 実施例2および比較例4,5で製造した有機エレクトロルミネッセンス素子の発光スペクトルである。 実施例2および比較例4,5で製造した有機エレクトロルミネッセンス素子の電圧−電流密度−輝度特性を示すグラフである。 実施例2および比較例4,5で製造した有機エレクトロルミネッセンス素子の輝度−外部量子効率特性を示すグラフである。 実施例3および比較例6で使用した化合物のHOMO準位およびLUMO準位を示すエネルギー準位図である。 実施例3および比較例6で製造した有機エレクトロルミネッセンス素子の発光スペクトルである。 実施例3および比較例6で製造した有機エレクトロルミネッセンス素子の電圧−電流密度−輝度特性を示すグラフである。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様や具体例に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。また、本発明に用いられる化合物の分子内に存在する水素原子の同位体種は特に限定されず、例えば分子内の水素原子がすべて1Hであってもよいし、一部または全部が2H(デューテリウムD)であってもよい。
[一般式(1)で表される化合物]
本発明の化合物は、フルオロアルキル基およびシアノ基からなる群より選択される置換基で少なくとも2箇所が置換されている9−カルバゾリル基が特定の窒素含有芳香族6員環に置換した構造を有する。こうした化合物は、エキシトンブロック性およびホールブロック性に優れ、ホールブロック材料として高い有用性を有する。本発明の化合物がホールブロック材料として優れているのは、いかなる理論にも拘泥するものではないが、以下のメカニズムによるものと推測している。
まず、「ホールブロック材料」とは、発光層からのホールやエキシトンの漏れ(拡散)を抑制して発光層での効率のよい発光を実現するものである。このため、ホールブロック材料として有用な化合物は、ホールブロック性とともにエキシトンブロック性を有する化合物である。ここで、化合物のホールブロック性についてはHOMO準位が指標になり、エキシトンブロック性については最低励起三重項エネルギー準位T1が指標になる。すなわち、HOMO準位が低い(深い)もの程、発光層からのホールがHOMOに注入されにくく、ホールブロック性が高い傾向があり、最低励起三重項エネルギー準位T1が高いもの程、発光層からエキシトンのエネルギーを受け取りにくく、エキシトンブロック性が高い傾向がある。
以上の点において、従来からホールブロック材料として使用されているTmPyPBを見ると、HOMO準位(−6.4eV)は低いものの、最低励起三重項エネルギー準位T1が十分に高いとはいえない(2.78eV)。このため、特に最低励起三重項エネルギー準位T1が高い青色発光材料を発光層が含む場合には、そのエキシトンのエネルギーをホールブロック材料が受け取りやすく、発光層からのエキシトンの拡散を十分に抑制することができないと推測される。
これに対して、本発明の化合物は、その9−カルバゾリル基が高い最低励起三重項エネルギー準位T1を有しており、その9−カルバゾリル基にフルオロアルキル基やシアノ基といった電子求引性基が置換していることでHOMO準位が低いものになっている。また、トリアジン環、ピリミジン環等の窒素含有芳香族6員環は、電気陰性度が高い窒素原子を含むために炭素原子上のπ電子密度が小さく、高い電子輸送性を奏すると推測される。本発明の化合物は、こうした部分構造を併せ持つことにより、発光層からのホールの注入、発光層からのエキシトンエネルギーの移動を受けにくく、優れたホールブロック性およびエキシトンブロック性を発揮する。特に、上記のような9−カルバゾリル基を有することが、青色発光材料のように、最低励起三重項エネルギー準位T1が高い発光材料のエキシトンの拡散阻止に大きく寄与すると推測される。以上のことから、本発明の化合物は、ホールブロック性およびエキシトンブロック性に非常に優れており、ホールブロック材料として極めて高い有用性を有する。
さらに、本発明の化合物は、ホスフィンオキシドのような酸化に弱い構造を有していないため、安定性が高く、また、電子輸送性にも優れている。このため、各種素子の機能材料として幅広く用いることもできる。
以下、本発明の化合物について具体的に説明する。
本発明の化合物は、下記一般式(1)で表される。
一般式(1)
(Cz)n−Ar
一般式(1)において、Czは、フルオロアルキル基およびシアノ基からなる群より選択される置換基で少なくとも2箇所が置換されている9−カルバゾリル基を表す。以下の説明では、「フルオロアルキル基およびシアノ基からなる群より選択される置換基で少なくとも2箇所が置換されている9−カルバゾリル基」を「置換基修飾9−カルバゾリル基」ということがある。
9−カルバゾリル基は、フルオロアルキル基のみで置換されていても、シアノ基のみで置換されていてもよく、フルオロアルキル基とシアノ基の両方で置換されていてもよい。
フルオロアルキル基は、アルキル基の全ての水素原子がフッ素原子で置換されたパーフルオロアルキル基であってもよいし、アルキル基の水素原子の一部だけがフッ素原子で置換された部分フッ素化アルキル基であってもよい。フルオロアルキル基の炭素数は、1〜20であることが好ましく、1〜10であることがより好ましく、1〜5であることがさらに好ましく、1〜3であることが特に好ましい。フルオロアルキル基の炭素数が3以上であるとき、フルオロアルキル基は直鎖状であってもよいし、分枝状であってもよい。
フルオロアルキル基およびシアノ基からなる群より選択される置換基は9−カルバゾリル基の少なくとも2箇所に置換しており、2〜6箇所に置換していることが好ましく、2〜4箇所に置換していることがより好ましく、2箇所に置換していることが最も好ましい。また、フルオロアルキル基およびシアノ基からなる群より選択される置換基は、カルバゾリル基の両方のベンゼン環に同じ数で置換していてもよいし、カルバゾリル基の両方のベンゼン環に異なる数で置換していてもよいし、一方のベンゼン環にのみ置換基が結合していて、他方のベンゼン環には置換基が置換していなくても構わない。
フルオロアルキル基およびシアノ基からなる群より選択される置換基のカルバゾリル基における置換位置は、2〜7位のいずれかであることが好ましく、2位と7位、3位と6位、または2位と3位と6位と7位であることがより好ましい。9−カルバゾリル基の3位と6位がシアノ基で置換されていると、化合物のHOMO準位が下がる傾向がある。9−カルバゾリル基の2位と7位がフルオロアルキル基で置換されていると、化合物のHOMO準位が下がる傾向がある。
9−カルバゾリル基のフルオロアルキル基およびシアノ基で置換されていないメチン基は、置換基で置換されていても無置換であってもよいが、無置換であることが好ましい。9−カルバゾリル基に置換しうるフルオロアルキル基およびシアノ基以外の置換基として、アリール基、ヘテロアリール基、アルキル基(例えばメチル基、tert-ブチル基)等を挙げることができる。
Arはトリアジン環、ピリダジン環、ピリミジン環またはピラジン環を表し、これらの環は置換基修飾9−カルバゾリル基(すなわち、フルオロアルキル基およびシアノ基からなる群より選択される置換基で少なくとも2箇所が置換されている9−カルバゾリル基)以外の置換基を有していてもよい。Arはトリアジン環またはピリミジン環であることが好ましい。トリアジン環は、1,2,3−トリアジン環、1,2,4−トリアジン環、1,3,5−トリアジン環のいずれであってもよいが、1,3,5−トリアジン環であることが最も好ましい。
nは、Arが表す環への置換基修飾9−カルバゾリル基の置換数を表し、1もしくは2である。Arが表す環がいずれの環である場合にも、nは1であることが特に好ましい。nが1もしくは2である化合物は、nが3以上である化合物に比べて良好な電子輸送性を発揮する。これは、nが1もしくは2である化合物は、nが3以上である化合物よりも平面構造をとりやすく、基板上に堆積させて層を形成したときのパッキング性がよいためと考えられる。また、nが1もしくは2である化合物は、nが3以上である化合物に比べて昇華温度が低く、また、各種溶媒に対する溶解性にも優れるために蒸着法および塗布法のどちらの手法を用いても製膜可能であり、ハンドリングに優れる。例えば、シアノ基で修飾された9−カルバゾリル基を有し、nが3以上の化合物の場合、昇華温度に達する前に熱分解が起こる。そのために蒸着法による製膜は行えず、また、各種溶媒に対する溶解性に劣るために塗布製膜にも制限が生じる。n=1もしくは2の場合、これらの問題は生じ難い。修飾置換位置については特に限定されないが、Arが表す環がピリミジン環である場合、置換基修飾9−カルバゾリル基の置換位置は、4位および6位の少なくとも一方、もしくは、4位と6位の両方であることが好ましい。
Arが表す環の置換基修飾9−カルバゾリル基で置換されていないメチン基は、置換基修飾9−カルバゾリル基以外の置換基で置換されていてもよいし、無置換であってもよい。Arが表す環に置換していてもよい、置換基修飾9−カルバゾリル基以外の置換基としては、特に限定されないが、アリール基、ヘテロアリール基、アルキル基、シアノ基であることが好ましい。アリール基は、炭素数6〜40のアリール基であることが好ましく、フェニル基、ナフチル基であることがより好ましい。ヘテロアリール基は、炭素数3〜40のヘテロアリール基であることが好ましく、ピリジル基、ピリミジル基であることがより好ましい。アルキル基は、炭素数1〜20のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜10のアルキル基であることがより好ましい。また、アルキル基は、その水素原子の少なくとも一部がフッ素原子で置換されたフルオロアルキル基であることが好ましい。フルオロアルキル基は、アルキル基の全ての水素原子がフッ素原子で置換されたパーフルオロアルキル基であってもよいし、アルキル基の水素原子の一部だけがフッ素原子で置換された部分フッ素化アルキル基であってもよい。これらの置換基のうち、さらに置換基により置換可能なものは、これらの置換基群から選択される置換基で置換されていてもよい。
上記のように、本発明の化合物は、そのHOMO準位が低く、最低励起三重項エネルギー準位T1が高いことがホールブロック性とエキシトンブロック性に寄与していると推測される。具体的には、本発明の化合物のHOMO準位は−6.1eV未満であることが好ましく、−6.2eV未満であることがより好ましい。HOMO準位が上記の範囲である化合物は、そのHOMOに発光層からのホールが注入されにくく、発光層外へのホールの拡散をより効果的に阻止することができる。一方、本発明の化合物の最低励起三重項エネルギー準位T1は2.8eVよりも大きいことが好ましく、2.87eVよりも大きいことがより好ましい。最低励起三重項エネルギー準位T1が上記の範囲である化合物は、発光層で発生した三重項励起子(エキシトン)のエネルギーを受け取りにくく、発光層外への三重項励起子の拡散をより効果的に阻止することができる。また、最低励起三重項エネルギー準位T1が上記の範囲である化合物は、最低励起三重項エネルギー準位S1も高いため、発光層で発生した一重項励起子(エキシトン)のエネルギーも受け取りにくく、発光層外への一重項励起子の拡散も効果的に阻止することが可能である。
また、本発明の化合物のLUMO準位は、例えば−2.7eV以下の範囲内や、−3.3eV以上の範囲内であってもよいし、また、例えば−2.8eV以下の範囲内や、−3.2eV以上の範囲内であってもよい。
ここで、本明細書中における「HOMO準位」、「LUMO準位」、「最低励起三重項エネルギー準位T1」は、実施例の項で説明する方法により測定される測定値であることとする。
以下にZ01 〜 Z22として、本発明に係る化合物の部分構造をなすカルバゾリル基の具体例を示し、これらを部分構造とする本発明に係る化合物の具体例をAr01〜Ar30に例示するが、本発明において用いることができる一般式(1)で表される化合物はこれらの具体例によって限定的に解釈されるべきものではない。なお、Z01〜Z22の構造式中に示されている*は結合部位を示す。Ar01〜Ar30の構造式中に示されているZXXは、Z01〜Z22のいずれかのカルバゾリル基を表す。
一般式(1)で表される化合物の分子量は、例えば一般式(1)で表される化合物を含む有機層を蒸着法により製膜して利用することを意図する場合には、1500以下であることが好ましく、1200以下であることがより好ましく、1000以下であることがさらに好ましく、800以下であることがさらにより好ましい。分子量の下限値は、通常247以上であり、好ましくは290以上である。特に好ましい組み合わせはZ01とA01の組み合わせである。
一般式(1)で表される化合物は、分子量にかかわらず塗布法で成膜してもよい。
本発明を応用して、分子内に一般式(1)で表される構造を複数個含む化合物を、有機発光素子のホールブロック層に用いることも考えられる。
例えば、一般式(1)で表される構造を有する重合性モノマーを重合させた重合体を、有機発光素子のホールブロック層に用いることが考えられる。具体的には、一般式(1)のCz、Arのいずれかに重合性官能基を有するモノマーを用意して、これを単独で重合させるか、他のモノマーとともに共重合させることにより、繰り返し単位を有する重合体を得て、その重合体を有機発光素子のホールブロック層に用いることが考えられる。あるいは、一般式(1)で表される構造を有する化合物どうしをカップリングさせることにより、二量体や三量体を得て、それらを有機発光素子のホールブロック層に用いることも考えられる。
一般式(1)で表される構造を含む重合体を構成する繰り返し単位の構造例として、一般式(1)のCz、Arのいずれかにおける置換基が下記一般式(10)または(11)で表される構造であるものを挙げることができる。
一般式(10)および(11)において、L1およびL2は連結基を表す。連結基の炭素数は、好ましくは0〜20であり、より好ましくは1〜15であり、さらに好ましくは2〜10である。連結基は−X11−L11−で表される構造を有するものであることが好ましい。ここで、X11は酸素原子または硫黄原子を表し、酸素原子であることが好ましい。L11は連結基を表し、置換もしくは無置換のアルキレン基、または置換もしくは無置換のアリーレン基であることが好ましく、炭素数1〜10の置換もしくは無置換のアルキレン基、または置換もしくは無置換のフェニレン基であることがより好ましい。
一般式(10)および(11)において、R101、R102、R103およびR104は、各々独立に置換基を表す。好ましくは、炭素数1〜6の置換もしくは無置換のアルキル基、炭素数1〜6の置換もしくは無置換のアルコキシ基、ハロゲン原子であり、より好ましくは炭素数1〜3の無置換のアルキル基、炭素数1〜3の無置換のアルコキシ基、フッ素原子、塩素原子であり、さらに好ましくは炭素数1〜3の無置換のアルキル基、炭素数1〜3の無置換のアルコキシ基である。
繰り返し単位の具体的な構造例として、一般式(1)のCz、Arのいずれかにおける置換基が下記式(12)〜(15)であるものを挙げることができる。その置換基の2つ以上が、下記式(12)〜(15)であってもよいが、好ましいのは置換基の1つが下記式(12)〜(15)のいずれかである場合である。
これらの式(12)〜(15)を含む繰り返し単位を有する重合体は、一般式(1)のCz、Arのいずれかにおける置換基をヒドロキシ基にしておき、それをリンカーとして下記化合物を反応させて重合性基を導入し、その重合性基を重合させることにより合成することができる。
分子内に一般式(1)で表される構造を含む重合体は、一般式(1)で表される構造を有する繰り返し単位のみからなる重合体であってもよいし、それ以外の構造を有する繰り返し単位を含む重合体であってもい。また、重合体の中に含まれる一般式(1)で表される構造を有する繰り返し単位は、単一種であってもよいし、2種以上であってもよい。一般式(1)で表される構造を有さない繰り返し単位としては、通常の共重合に用いられるモノマーから誘導されるものを挙げることができる。例えば、エチレン、スチレンなどのエチレン性不飽和結合を有するモノマーから誘導される繰り返し単位を挙げることができる。
[一般式(1)で表される化合物の合成方法]
上記の一般式(1)で表される化合物は新規化合物である。
一般式(1)で表される化合物は、既知の反応を組み合わせることによって合成することができる。例えば、一般式(1)のCzが、3位と6位がフルオロアルキル基およびシアノ基からなる群より選択される置換基で置換された9−カルバゾリル基であり、Arがトリアジン環であって、その1つのメチン基が上記の9−カルバゾリル基で置換され、残りの2つのメチン基が上記の9−カルバゾリル基以外の置換基で置換された構造を有する化合物は、以下の2つの化合物を反応させることにより合成することができる。
上記の反応式におけるR1、R2の説明については、一般式(1)における「フルオロアルキル基およびシアノ基からなる群より選択される置換基」の説明を参照することができ、R3、R4の説明については、Arが表す環に置換してもよい「置換基修飾9−カルバゾリル基以外の置換基」の説明を参照することができる。Xはハロゲン原子を表し、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を挙げることができ、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が好ましい。
上記の反応の詳細については、後述の合成例を参考にすることができる。また、一般式(1)で表される化合物は、その他の公知の合成反応を組み合わせることによっても合成することができる。
[有機発光素子]
本発明の一般式(1)で表される化合物は、ホールブロック性およびエキシトンブロック性に優れており、特に、青色発光材料のような、最低励起三重項エネルギー準位T1が高い発光材料を発光層が含む場合でも、そのエキシトンが発光層から拡散することを効果的に阻止することができる。このため、本発明の一般式(1)で表される化合物は、ホールブロック材料として有用であり、有機発光素子のホールブロック材料として効果的に用いることができる。そして、そのような化合物をホールブロック材料として用いた有機発光素子は、発光層に注入されたホールの発光層からの拡散が阻止されるために、ホールと電子の再結合が高い確率で起こり、再結合エネルギーを効率よく発生することができる。また、再結合エネルギーにより発生した発光材料のエキシトンが発光層から拡散することも効果的に阻止されるため、そのエキシトンのエネルギーを効率よく発光に利用することができる。以上のことから、本発明の一般式(1)で表される化合物をホールブロック材料として用いることにより、有機発光素子の発光効率を飛躍的に向上させることができる。
本発明の一般式(1)で表される化合物は、有機フォトルミネッセンス素子(有機PL素子)および有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)のいずれに適用してもよいが、有機エレクトロルミネッセンス素子に適用した場合に、より高い効果を得ることができる。
本発明の一般式(1)で表される化合物を適用した有機フォトルミネッセンス素子は、基板上に少なくとも発光層と一般式(1)で表される化合物を含む層を形成した構造を有する。ここで、一般式(1)で表される化合物を含む層は、例えば、発光層と基板の間、および、発光層の基板と反対側の少なくとも一方に配され、発光層の外にエキシトンが拡散することを素子するエキシトンブロック層として機能する。
また、有機エレクトロルミネッセンス素子は、少なくとも陽極、陰極、および陽極と陰極の間に有機層を形成した構造を有する。有機層は、少なくとも発光層と、発光層の陰極側に接するように形成されたホールブロック層を含むものであり、このホールブロック層が本発明の一般式(1)で表される化合物を含む。有機層は、発光層とホールブロック層のみからなるものであってもよいし、発光層とホールブロック層の他に1層以上の有機層を有するものであってもよい。そのような他の有機層として、ホール輸送層、ホール注入層、電子ブロック層、電子注入層、電子輸送層、エキシトンブロック層などを挙げることができる。ホール輸送層はホール注入機能を有したホール注入輸送層でもよく、電子輸送層は電子注入機能を有した電子注入輸送層でもよい。具体的な有機エレクトロルミネッセンス素子の構造例を図1に示す。図1において、1は基板、2は陽極、3はホール注入層、4はホール輸送層、5は発光層、6はホールブロック層、7は電子輸送層、8は陰極を表わす。
以下において、有機エレクトロルミネッセンス素子の各部材および各層について説明する。なお、基板と発光層の説明は有機フォトルミネッセンス素子の基板と発光層にも該当する。
(基板)
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、基板に支持されていることが好ましい。この基板については、特に制限はなく、従来から有機エレクトロルミネッセンス素子に慣用されているものであればよく、例えば、ガラス、透明プラスチック、石英、シリコンなどからなるものを用いることができる。
(陽極)
有機エレクトロルミネッセンス素子における陽極としては、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物およびこれらの混合物を電極材料とするものが好ましく用いられる。このような電極材料の具体例としてはAu等の金属、CuI、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO2、ZnO等の導電性透明材料が挙げられる。また、IDIXO(In23−ZnO)等非晶質で透明導電膜を作製可能な材料を用いてもよい。陽極はこれらの電極材料を蒸着やスパッタリング等の方法により、薄膜を形成させ、フォトリソグラフィー法で所望の形状のパターンを形成してもよく、あるいはパターン精度をあまり必要としない場合は(100μm以上程度)、上記電極材料の蒸着やスパッタリング時に所望の形状のマスクを介してパターンを形成してもよい。あるいは、有機導電性化合物のように塗布可能な材料を用いる場合には、印刷方式、コーティング方式等湿式成膜法を用いることもできる。この陽極より発光を取り出す場合には、透過率を10%より大きくすることが望ましく、また陽極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましい。さらに膜厚は材料にもよるが、通常10〜1000nm、好ましくは10〜200nmの範囲で選ばれる。
(陰極)
一方、陰極としては、仕事関数の小さい(4eV以下)金属(電子注入性金属と称する)、合金、電気伝導性化合物およびこれらの混合物を電極材料とするものが用いられる。このような電極材料の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al23)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等が挙げられる。これらの中で、電子注入性および酸化等に対する耐久性の点から、電子注入性金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第二金属との混合物、例えば、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al23)混合物、リチウム/アルミニウム混合物、アルミニウム等が好適である。陰極はこれらの電極材料を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させることにより、作製することができる。また、陰極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、膜厚は通常10nm〜5μm、好ましくは50〜200nmの範囲で選ばれる。なお、発光した光を透過させるため、有機エレクトロルミネッセンス素子の陽極または陰極のいずれか一方が、透明または半透明であれば発光輝度が向上し好都合である。
また、陽極の説明で挙げた導電性透明材料を陰極に用いることで、透明または半透明の陰極を作製することができ、これを応用することで陽極と陰極の両方が透過性を有する素子を作製することができる。
(発光層)
発光層は、陽極および陰極のそれぞれから注入された正孔および電子が再結合することによりエキシトンが生成した後、発光する層であり、発光材料を単独で発光層に使用しても良いが、好ましくは発光材料とホスト材料を含む。
発光層に含まれる発光材料は、蛍光発光材料であってもよいし、りん光発光材料であってもよい。また、発光材料は、通常の蛍光とともに遅延蛍光を放射する遅延蛍光材料であってもよい。このうち、遅延蛍光材料を発光材料として用いることにより、高い発光効率を得ることができる。
また、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子が高い発光効率を発現するためには、発光材料に生成した一重項状態のエキシトンおよび三重項状態のエキシトンを、発光材料中に閉じ込めることが重要である。従って、発光層中に発光材料に加えてホスト材料を用いることが好ましい。ホスト材料としては、励起一重項エネルギー、励起三重項エネルギーの少なくとも何れか一方が発光材料よりも高い値を有する有機化合物を用いることができる。その結果、発光材料に生成した一重項状態のエキシトンおよび三重項状態のエキシトンを、本発明の発光材料の分子中に閉じ込めることが可能となり、その発光効率を十分に引き出すことが可能となる。もっとも、一重項状態のエキシトンおよび三重項状態のエキシトンを十分に閉じ込めることができなくても、高い発光効率を得ることが可能な場合もあるため、高い発光効率を実現しうるホスト材料であれば特に制約なく本発明に用いることができる。本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子において、発光は発光層に含まれる本発明の発光材料から生じる。この発光は蛍光発光、遅延蛍光発光、燐光発光のいずれであってもよく、これらの発光が混在していてもよい。また、発光の一部或いは部分的にホスト材料からの発光があってもかまわない。
ホスト材料を用いる場合、発光材料が発光層中に含有される量は0.1重量%以上であることが好ましく、1重量%以上であることがより好ましく、また、50重量%以下であることが好ましく、20重量%以下であることがより好ましく、10重量%以下であることがさらに好ましい。
発光層におけるホスト材料としては、正孔輸送能、電子輸送能を有し、かつ発光の長波長化を防ぎ、なおかつ高いガラス転移温度を有する有機化合物であることが好ましい。
上記のように、発光層の発光材料は、高い発光効率が得られることから、遅延蛍光材料であることが好ましい。遅延蛍光材料により高い発光効率が得られるのは、以下の原理による。
有機エレクトロルミネッセンス素子においては、正負の両電極より発光材料にキャリアを注入し、励起状態の発光材料を生成し、発光させる。通常、キャリア注入型の有機エレクトロルミネッセンス素子の場合、生成したエキシトンのうち、励起一重項状態に励起されるのは25%であり、残り75%は励起三重項状態に励起される。従って、励起三重項状態からの発光であるリン光を利用するほうが、エネルギーの利用効率が高い。しかしながら、励起三重項状態は寿命が長いため、励起状態の飽和や励起三重項状態のエキシトンとの相互作用によるエネルギーの失活が起こり、一般にリン光の量子収率が高くないことが多い。一方、遅延蛍光材料は、項間交差等により励起三重項状態へとエネルギーが遷移した後、三重項−三重項消滅あるいは熱エネルギーの吸収により、励起一重項状態に逆項間交差され蛍光を放射する。有機エレクトロルミネッセンス素子においては、なかでも熱エネルギーの吸収による熱活性化型の遅延蛍光材料が特に有用であると考えられる。有機エレクトロルミネッセンス素子に遅延蛍光材料を利用した場合、励起一重項状態のエキシトンは通常通り蛍光を放射する。一方、励起三重項状態のエキシトンは、デバイスが発する熱を吸収して励起一重項へ項間交差され蛍光を放射する。このとき、励起一重項からの発光であるため蛍光と同波長での発光でありながら、励起三重項状態から励起一重項状態への逆項間交差により、生じる光の寿命(発光寿命)は通常の蛍光やりん光よりも長くなるため、これらよりも遅延した蛍光として観察される。これを遅延蛍光として定義できる。このような熱活性化型のエキシトン移動機構を用いれば、キャリア注入後に熱エネルギーの吸収を経ることにより、通常は25%しか生成しなかった励起一重項状態の化合物の比率を25%以上に引き上げることが可能となる。100℃未満の低い温度でも強い蛍光および遅延蛍光を発する化合物を用いれば、デバイスの熱で充分に励起三重項状態から励起一重項状態への項間交差が生じて遅延蛍光を放射するため、発光効率を飛躍的に向上させることができる。
そして、本発明では、一般式(1)で表される化合物を含むホールブロック層が、発光層の陰極側に接するように形成されていることにより、発光層中で発生した励起三重項状態のエキシトンおよび励起一重項状態のエキシトンが陰極側に拡散することが阻止され、発光層中において励起三重項状態から励起一重項状態への逆項間交差、励起一重項状態のエキシトンの放射失活が高い確率で発生する。このため、発光効率をより一層向上させることができる。
以下に、発光層に用いることができる好ましい遅延蛍光材料を挙げる。ただし、本発明において用いることができる発光材料は、以下の遅延蛍光材料によって限定的に解釈されることはない。
遅延蛍光を放射する遅延蛍光材料として、WO2013/154064号公報の段落0008〜0048および0095〜0133、WO2013/011954号公報の段落0007〜0047および0073〜0085、WO2013/011955号公報の段落0007〜0033および0059〜0066、WO2013/081088号公報の段落0008〜0071および0118〜0133、特開2013−256490号公報の段落0009〜0046および0093〜0134、特開2013−116975号公報の段落0008〜0020および0038〜0040、WO2013/133359号公報の段落0007〜0032および0079〜0084、WO2013/161437号公報の段落0008〜0054および0101〜0121、特開2014−9352号公報の段落0007〜0041および0060〜0069、特開2014−9224号公報の段落0008〜0048および0067〜0076に記載される一般式に包含される化合物、特に例示化合物を好ましく挙げることができる。これらの公報は、本明細書の一部としてここに引用している。
また、遅延蛍光を放射する遅延蛍光材料として、特開2013−253121号公報、WO2013/133359号公報、WO2014/034535号公報、WO2014/115743号公報、WO2014/122895号公報、WO2014/126200号公報、WO2014/136758号公報、WO2014/133121号公報、WO2014/136860号公報、WO2014/196585号公報、WO2014/189122号公報、WO2014/168101号公報、WO2015/008580号公報、WO2014/203840号公報、WO2015/002213号公報、WO2015/016200号公報、WO2015/019725号公報、WO2015/072470号公報、WO2015/108049号公報、WO2015/080182号公報、WO2015/072537号公報、WO2015/080183号公報、特開2015−129240号公報、WO2015/129714号公報、WO2015/129715号公報、WO2015/133501号公報、WO2015/136880号公報、WO2015/137244号公報、WO2015/137202号公報、WO2015/137136号公報、WO2015/146541号公報、WO2015/159541号公報に記載される一般式に包含される化合物、特に例示化合物を好ましく挙げることができる。これらの公報も、本明細書の一部としてここに引用している。
(注入層)
注入層とは、駆動電圧低下や発光輝度向上のために電極と有機層間に設けられる層のことで、ホール注入層と電子注入層があり、陽極と発光層またはホール輸送層の間、および陰極と発光層または電子輸送層との間に存在させてもよい。注入層は必要に応じて設けることができる。
(ブロック層)
ブロック層は、発光層中に存在する電荷(電子もしくはホール)および/またはエキシトンの発光層外への拡散を阻止することができる層である。ホールブロック層は発光層および電子輸送層の間に配置されることができ、ホールが電子輸送層の方に向かって発光層を通過することを阻止する。同様に、電子ブロック層は、発光層およびホール輸送層の間に配置されることができ、電子がホール輸送層の方に向かって発光層を通過することを阻止する。ブロック層はまた、エキシトンが発光層の外側に拡散することを阻止するために用いることができる。すなわち電子ブロック層、ホールブロック層はそれぞれエキシトンブロック層としての機能も兼ね備えることができる。本明細書でいうホールブロック層またはエキシトンブロック層は、一つの層でホールブロック層およびエキシトンブロック層の機能を有する層を含む意味で使用され、電子ブロック層またはエキシトンブロック層も、一つの層で電子ブロック層およびエキシトンブロック層の機能を有する層を含む意味で使用される。
(ホールブロック層)
ホールブロック層とは広い意味では電子輸送層の機能を有する。ホールブロック層は電子を輸送しつつ、ホールが電子輸送層へ到達することを阻止する役割があり、これにより発光層中での電子とホールの再結合確率を向上させることができる。
(電子ブロック層)
電子ブロック層とは、広い意味ではホールを輸送する機能を有する。電子ブロック層はホールを輸送しつつ、電子がホール輸送層へ到達することを阻止する役割があり、これにより発光層中での電子とホールが再結合する確率を向上させることができる。
(エキシトンブロック層)
エキシトンブロック層とは、発光層内でホールと電子が再結合することにより生じたエキシトンが電荷輸送層に拡散することを阻止するための層であり、本層の挿入によりエキシトンを効率的に発光層内に閉じ込めることが可能となり、素子の発光効率を向上させることができる。エキシトンブロック層は発光層に隣接して陽極側、陰極側のいずれにも挿入することができ、両方同時に挿入することも可能である。すなわち、エキシトンブロック層を陽極側に有する場合、ホール輸送層と発光層の間に、発光層に隣接して該層を挿入することができ、陰極側に挿入する場合、発光層と陰極との間に、発光層に隣接して該層を挿入することができる。また、陽極と、発光層の陽極側に隣接するエキシトンブロック層との間には、ホール注入層や電子ブロック層などを有することができ、陰極と、発光層の陰極側に隣接するエキシトンブロック層との間には、電子注入層、電子輸送層、ホールブロック層などを有することができる。ブロック層を配置する場合、ブロック層として用いる材料の励起一重項エネルギーおよび励起三重項エネルギーの少なくともいずれか一方は、発光材料の励起一重項エネルギーおよび励起三重項エネルギーよりも高いことが好ましい。
上記のように、本明細書でいうホールブロック層またはエキシトンブロック層は、一つの層でホールブロック層およびエキシトンブロック層の機能を有する層を含む意味で使用される。すなわち、有機エレクトロルミネッセンス素子は、ホールブロック層とエキシトンブロック層を別々に有していてもよいし、ホールブロック層がエキシトンブロック層の機能を兼ね備えていてもよい。前者の場合、ホールブロック層とエキシトンブロック層のそれぞれの材料として、本発明の一般式(1)で表される化合物群から選択される1種または2種以上の化合物を用いることができる。ここで、ホールブロック層とエキシトンブロック層に用いる化合物は異なる化合物であることが好ましい。具体的には、ホールブロック層にはHOMO準位がより低い化合物を用いることが好ましく、エキシトンブロック層には最低励起三重項エネルギー準位T1がより高い化合物を用いることが好ましい。また、ホールブロック層とエキシトンブロック層を別々に設ける場合には、エキシトンブロック層が発光層の陰極側に接するように形成され、ホールブロック層がエキシトンブロック層の陰極側に形成されていることが好ましい。一方、後者のホールブロック層がエキシトンブロック層の機能を兼ねる場合、ホールブロック層の材料として、本発明の一般式(1)で表される化合物群から選択される1種または2種以上の化合物を用いることができる。本発明の一般式(1)で表される化合物は、ホールブロック性とエキシトンブロック性の両方に優れるため、ホールブロック層がエキシトンブロック層の機能も兼ねる場合のホールブロック層の材料として効果的に用いることができる。
(ホール輸送層)
ホール輸送層とはホールを輸送する機能を有するホール輸送材料からなり、ホール輸送層は単層または複数層設けることができる。
ホール輸送材料としては、ホールの注入または輸送、電子の障壁性のいずれかを有するものであり、有機物、無機物のいずれであってもよい。使用できる公知のホール輸送材料としては例えば、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、カルバゾール誘導体、インドロカルバゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体およびピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、また導電性高分子オリゴマー、特にチオフェンオリゴマー等が挙げられるが、ポルフィリン化合物、芳香族第3級アミン化合物およびスチリルアミン化合物を用いることが好ましく、芳香族第3級アミン化合物を用いることがより好ましい。
(電子輸送層)
電子輸送層とは電子を輸送する機能を有する材料からなり、電子輸送層は単層または複数層設けることができる。
電子輸送材料(ホール阻止材料を兼ねる場合もある)としては、陰極より注入された電子を発光層に伝達する機能を有していればよい。使用できる電子輸送層としては例えば、ニトロ置換フルオレン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド、フレオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタンおよびアントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体等が挙げられる。さらに、上記オキサジアゾール誘導体において、オキサジアゾール環の酸素原子を硫黄原子に置換したチアジアゾール誘導体、電子吸引基として知られているキノキサリン環を有するキノキサリン誘導体も、電子輸送材料として用いることができる。さらにこれらの材料を高分子鎖に導入した、またはこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。
有機エレクトロルミネッセンス素子を作製する際には、一般式(1)で表される化合物をホールブロック層やエキシトンブロック層に用いるだけでなく、これらの層以外の層にも用いてもよい。その際、ホールブロック層およびエキシトンブロック層に用いる一般式(1)で表される化合物と、これらの層以外の層に用いる一般式(1)で表される化合物は、同一であっても異なっていてもよい。例えば、発光層のホスト材料として、あるいは、上記の注入層、電子輸送層などにも一般式(1)で表される化合物を用いてもよい。これらの層の製膜方法は特に限定されず、ドライプロセス、ウェットプロセスのどちらで作製してもよい。
以下に、有機エレクトロルミネッセンス素子に用いることができる好ましい材料を具体的に例示する。ただし、本発明において用いることができる材料は、以下の例示化合物によって限定的に解釈されることはない。また、特定の機能を有する材料として例示した化合物であっても、その他の機能を有する材料として転用することも可能である。なお、以下の例示化合物の構造式におけるR、R2〜R7は、各々独立に水素原子または置換基を表し、nは3〜5の整数を表す。
まず、発光層のホスト材料としても用いることができる好ましい化合物を挙げる。ホスト材料としては、バイポーラー性 (正孔と電子を両方よく流す) であっても、ユニポーラー性であっても良く、発光材料よりもT1準位が高いものであることが好ましい。より好ましくはバイポーラー性を有し、発光材料よりもT1準位が高いものである。
次に、ホール注入材料として用いることができる好ましい化合物例を挙げる。
次に、ホール輸送材料として用いることができる好ましい化合物例を挙げる。
次に、電子阻止材料として用いることができる好ましい化合物例を挙げる。
次に、電子輸送材料として用いることができる好ましい化合物例を挙げる。
次に、電子注入材料として用いることができる好ましい化合物例を挙げる。
さらに添加可能な材料として好ましい化合物例を挙げる。例えば、安定化材料として添加すること等が考えられる。
上述の方法により作製された有機エレクトロルミネッセンス素子は、得られた素子の陽極と陰極の間に電界を印加することにより発光する。このとき、励起一重項エネルギーによる発光であれば、そのエネルギーレベルに応じた波長の光が、蛍光発光および遅延蛍光発光として確認される。また、励起三重項エネルギーによる発光であれば、そのエネルギーレベルに応じた波長が、りん光として確認される。通常の蛍光は、遅延蛍光発光よりも蛍光寿命が短いため、発光寿命は蛍光と遅延蛍光で区別できる。
一方、りん光については、本発明の化合物のような通常の有機化合物では、励起三重項エネルギーは不安定で熱等に変換され、寿命が短く直ちに失活するため、室温では殆ど観測できない。通常の有機化合物の励起三重項エネルギーを測定するためには、極低温の条件での発光を観測することにより測定可能である。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、単一の素子、アレイ状に配置された構造からなる素子、陽極と陰極がX−Yマトリックス状に配置された構造のいずれにおいても適用することができる。本発明によれば、ホールブロック層に一般式(1)で表される化合物を含有させることにより、発光効率が大きく改善された有機発光素子が得られる。本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子などの有機発光素子は、さらに様々な用途へ応用することが可能である。例えば、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子を用いて、有機エレクトロルミネッセンス表示装置を製造することが可能であり、詳細については、時任静士、安達千波矢、村田英幸共著「有機ELディスプレイ」(オーム社)を参照することができる。また、特に本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、需要が大きい有機エレクトロルミネッセンス照明やバックライトに応用することもできる。
以下に合成例および実施例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下に示す材料、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
なお、発光特性の評価は、ソースメータ(ケースレー社製:2400シリーズ)、絶対外部量子効率測定システム(浜松ホトニクス社製:C9920−12)、分光計(浜松ホトニクス社製:PMA−12)を用いて行った。発光スペクトルの測定には、励起光源に窒素レーザー(Lasertechnik Berlin社製、M NL200)を用い、検出器にストリークカメラ(浜松ホトニクス社製、C4334)を用いた。
また、各材料のエネルギー準位および昇華点は以下の方法により測定した。
HOMO準位については、光電子分光装置(理研計器社製:AC−3)を用いて、測定対象化合物のイオン化ポテンシャルを測定し、その測定されたイオン化ポテンシャルの値をHOMO準位とした。また、LUMO準位は、分光光度計(PerkinElmer社製LAMBDA950-PKA)による光学吸収端より、測定対象化合物のバンドギャップを見積もり、そのバンドギャップを、上記の光電子分光装置で測定されたイオン化ポテンシャルに加算することで求めた。
最低励起三重項エネルギー準位T1は以下の方法で算出した。
測定対象化合物を蒸着することでSi基板上に厚さ100nmの試料を作製した。その試料を5[K]に冷却し、励起光(337nm)を燐光測定用試料に照射し、ストリークカメラを用いて、燐光強度を測定した。励起光入射後1ミリ秒から入射後10ミリ秒の発光を積算することで、縦軸を発光強度、横軸を波長の燐光スペクトルを得た。この燐光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対して接線を引き、その接線と横軸との交点の波長値λedge[nm]を求めた。この波長値を次に示す換算式でエネルギー値に換算した値をT1とした。
換算式:T1[eV]=1239.85/λedge
燐光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対する接線は以下のように引いた。燐光スペクトルの短波長側から、スペクトルの極大値のうち、最も短波長側の極大値までスペクトル曲線上を移動する際に、長波長側に向けて曲線上の各点における接線を考える。この接線は、曲線が立ち上がるにつれ(つまり縦軸が増加するにつれ)、傾きが増加する。この傾きの値が極大値をとる点において引いた接線を、当該燐光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対する接線とした。
なお、スペクトルの最大ピーク強度の10%以下のピーク強度をもつ極大点は、上述の最も短波長側の極大値には含めず、最も短波長側の極大値に最も近い、傾きの値が極大値をとる点において引いた接線を当該燐光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対する接線とした。
昇華点については、熱重量測定装置 (Bruker社製TG-DTA2400SA)を用いて、1Pa下で測定対象化合物の重量が5重量%減少する温度を測定し、その温度を昇華点とした。
(合成例1) 化合物1の合成
原料の3,6−ジシアノカルバゾールは既知法(Macromolecules,2014,47,2875−2882.)を参考に3,6−ジブロモカルバゾールから合成した。200mLナスフラスコに水素化ナトリウム(60重量%油状、480mg)を入れ、窒素置換した。脱水ヘキサン(20mL)を加えて室温下撹拌後、静置し、上澄みを除去した。N−メチルピロリドン(NMP、100mL)を入れ、室温下撹拌しながら3,6−ジシアノカルバゾール(2.17g)を加えた。室温で1時間撹拌後、2−クロロ−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(2.14g)を加えた。反応容器をオイルバス中に移し、170℃に加熱しながら14時間撹拌した。放冷後、撹拌しながら水(100mL)を加えた。析出物を桐山ロートでろ取し、水、アセトンで順に洗浄後、昇華精製することで目的物(850mg、収率24%)を得た。
(合成例2) 化合物2の合成
原料の2,7−ジトリフルオロメチルカルバゾールは既知法(Chem.Mater.,2015,27(5),1772-1779.)を参考に合成した。100mLナスフラスコに水素化ナトリウム(60重量%油状、288mg)を入れ、窒素置換した。脱水ヘキサン(20mL)を加えて室温下撹拌後、静置し、上澄みを除去した。N−メチルピロリドン(NMP、60mL)を入れ、室温下撹拌しながら2,7−ジトリフルオロメチルカルバゾール(1.82g)を加えた。室温で1時間撹拌後、2−クロロ−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(1.28g)を加えた。反応容器をオイルバス中に移し、170℃に加熱しながら14時間撹拌した。放冷後、撹拌しながら水(60mL)を加えた。析出物を桐山ロートでろ取し、水、酢酸エチルで順に洗浄後、昇華精製することで目的物(987mg、収率38%)を得た。
(合成例3) 化合物3の合成
200mLナスフラスコに水素化ナトリウム(60重量%油状、480mg)を入れ、窒素置換した。脱水ヘキサン(20mL)を加えて室温下撹拌後、静置し、上澄みを除去した。テトラヒドロフラン(THF、100mL)を入れ、室温下撹拌しながら3,6−ジシアノカルバゾール(2.17g)を加えた。室温で1時間撹拌後、4,6−ジクロロ−2−トリフルオロメチル−1,3−ピリミジン(870mg)を加えた。反応容器をオイルバス中に移し、加熱還流しながら9時間撹拌した。放冷後、撹拌しながら水(100mL)を加えた。析出物を桐山ロートでろ取し、水、アセトンで順に洗浄後、昇華精製することで目的物(508mg、収率22%)を得た。
(合成例4) 化合物4の合成
100mLナスフラスコに水素化ナトリウム(60重量%油状、288mg)を入れ、窒素置換した。脱水ヘキサン(20mL)を加えて室温下撹拌後、静置し、上澄みを除去した。テトラヒドロフラン(THF、60mL)を入れ、室温下撹拌しながら2,7−ジトリフルオロメチルカルバゾール(1.82g)を加えた。室温で1時間撹拌後、4,6−ジクロロ−2−トリフルオロメチル−1,3−ピリミジン(521mg)を加えた。反応容器をオイルバス中に移し、70℃に加熱しながら20時間撹拌した。放冷後、反応液を濃縮した。残渣を水、酢酸エチルで順に洗浄後、昇華精製することで目的物(325mg、収率18%)を得た。
(合成例5) 比較化合物1の合成
100mLナスフラスコに水素化ナトリウム(60重量%油状、480mg)を入れ、窒素置換した。脱水ヘキサン(20mL)を加えて室温下撹拌後、静置し、上澄みを除去した。N−メチルピロリドン(NMP、100mL)を入れ、室温下撹拌しながら3,6−ジシアノカルバゾール(2.17g)を加えた。室温で1時間撹拌後、2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン(500mg)を加えた。反応容器をオイルバス中に移し、170℃に加熱しながら14時間撹拌した。放冷後、撹拌しながら水(300mL)を加えた。析出物を桐山ロートでろ取し、水、クロロホルム、メタノールで順に洗浄することで目的物(1.5g、収率90%)を得た。
(合成例6) 比較化合物2の合成
原料に2,7−ジシアノカルバゾールを用いた以外は合成例5と同様に反応させた。
合成例1〜6で合成した化合物1〜4、比較化合物1,2について、HOMO準位及びLUMO準位、最低励起三重項エネルギー準位T1、昇華点を測定した結果を表1に示す。なお、比較化合物1,2は熱分解が起こるために昇華することができなかった。また、クロロホルムやアセトン等の各種溶媒に対して不溶であったため、蒸着法、塗布法共に製膜することが困難であった。そのため、薄膜を用いた、HOMO準位及びLUMO準位、最低励起三重項エネルギー準位T1の測定はできなかった。
表1に示すように、化合物1〜4はいずれも深いHOMO準位と高い最低励起三重項エネルギー準位T1を有していた。
[電子オンリー素子の作製と電子輸送特性の評価]
(実施例1) 化合物1を用いた電子オンリー素子の作製
膜厚150nmのインジウム・スズ酸化物(ITO)からなる陽極が形成されたガラス基板上に、各薄膜を真空蒸着法にて、真空度10-4〜10-5Paで積層した。まず、ITO上に化合物1を100nmの厚さに形成し、その上に、フッ化リチウム(LiF)を0.8nmの厚さに蒸着し、その上に、アルミニウム(Al)を100nmの厚さに蒸着することにより、電子オンリー素子とした。
(比較例1,2,3) 比較化合物3,4,5を用いた電子オンリー素子の作製
化合物1のかわりに比較化合物3,4,5を用いた以外は実施例1と同様に、電子オンリー素子を作製した。
実施例1および比較例1、2、3で製造した電子オンリー素子の電圧−電流密度特性を図2に示し、100mAh/cm2の一定電流密度で電子を流した際の経時による電圧変化特性を図3に示す。図2、3中に表記した「化合物1」は実施例1で製造した電子オンリー素子であることを表し、「PPT」は比較例1で製造した電子オンリー素子であることを表し、「TPBi」は比較例2で製造した電子オンリー素子であることを表し、「DPEPO」は比較例3で製造した電子オンリー素子であることを表す。
図2から、化合物1を用いた電子オンリー素子は、比較化合物3、4、5を用いた電子オンリー素子に比べて電流が流れ始める閾値電圧が低く、得られる電流値も高いことから、良好な電子輸送性を示すことが分かる。また、比較化合物4を用いた電子オンリー素子は1V以下の低電圧領域においてなだらかな電流増加(リーク電流)が見られることから、比較化合物4の膜の平坦性が低いことが予測される。一方、化合物1を用いた電子オンリー素子ではリーク電流がみられないことから、化合物1の製膜性が良好であることが分かる。
図3から、化合物1を用いた電子オンリー素子は、比較化合物3、4を用いた電子オンリー素子に比べて駆動時の電圧変化が極めて小さく、化合物1の安定性が非常に高いことが分かる。比較化合物5を用いた電子オンリー素子は電子輸送特性が低く、100mA/cm2の電流を流すことができなかったため、特性を示していない。
[有機エレクトロルミネッセンス素子の作製と発光特性の評価]
(実施例2) 化合物1を用いた有機エレクトロルミネッセンス素子の作製
膜厚150nmのインジウム・スズ酸化物(ITO)からなる陽極が形成されたガラス基板上に、各薄膜を真空蒸着法にて、真空度10-4〜10-5Paで積層した。まず、ITO上にα−NPDを40nmの厚さに形成し、その上に、mCPを10nmの厚さに形成した。次に、2CzPNとmCPを異なる蒸着源から共蒸着し、20nmの厚さの層を形成して発光層とした。この時、2CzPNの濃度は10重量%とした。次に、化合物1を10nmの厚さに形成してホールブロック層とし、その上に、TPBiを40nmの厚さに形成した。さらにフッ化リチウム(LiF)を0.8nmの厚さに蒸着し、その上に、アルミニウム(Al)を100nmの厚さに蒸着することにより陰極を形成し、有機エレクトロルミネッセンス素子とした。
(比較例4、5) 比較化合物3、4を用いた有機エレクトロルミネッセンス素子の作製
化合物1の代わりに、比較化合物3(PPT)または比較化合物4(TPBi)を用いて厚さ10nmのホールブロック層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして有機エレクトロルミネッセンス素子を製造した。
実施例2および比較例4、5で使用した化合物のHOMO準位およびLUMO準位を図4に示す。図4において、各欄の上方の数値はLUMO準位の絶対値を示し、各欄の下方の数値はHOMO準位の絶対値を示し、ITOおよびLiF/Alの下方の数値はフェルミ準位の絶対値を示す。
また、実施例2および比較例4,5で製造した有機エレクトロルミネッセンス素子の発光スペクトルを図5に示し、電圧−電流密度−輝度特性を図6に示し、輝度−外部量子効率(EQE)特性を図7に示す。図4〜7中に表記した「化合物1」は実施例2で製造した有機エレクトロルミネッセンス素子であることを表し、「PPT(比較化合物3)」は比較例4で製造した有機エレクトロルミネッセンス素子であることを表し、「TPBi(比較化合物4)」は比較例5で製造した有機エレクトロルミネッセンス素子であることを表す。
図5から、化合物1をホールブロック層に用いた有機エレクトロルミネッセンス素子は、比較化合物3,4をホールブロック層に用いた有機エレクトロルミネッセンス素子に比べて発光波長が青色波長側(短波長側)にシフトしていることがわかる。また、比較化合物4を用いた有機エレクトロルミネッセンス素子では比較化合物4に由来する発光が認められるのに対して、化合物1を用いた有機エレクトロルミネッセンス素子では、このようなホールブロック材料(化合物1)に由来する発光は認められない。このことから、化合物1をホールブロック材料として用いることにより、純度が高い青色発光が可能になることがわかった。発光波長が青色波長側にシフトした理由については、化合物1の良好な電子輸送性が関与していると考えられる。化合物1は、周辺材料のLUMO準位とよく適合しており、かつ、電子移動度が比較化合物3、4よりも大きいことから発光層への電子注入性が高い。正孔と電子の再結合領域が界面から離れるために、励起子が電荷の影響を受けにくくブルーシフトしていると考えられる。
また、図6を見ると、化合物1をホールブロック層に用いた有機エレクトロルミネッセンス素子は、比較化合物3,4をホールブロック層に用いた有機エレクトロルミネッセンス素子よりも、電流密度および輝度の立ち上がり電圧が明らかに低く、低い電圧で高い電流密度と高い輝度が得られることがわかる。このことから、化合物1をホールブロック材料として用いることにより、電子注入性が向上することがわかった。
さらに、図7から、化合物1をホールブロック層に用いた有機エレクトロルミネッセンス素子は、比較化合物3,4をホールブロック層に用いた有機エレクトロルミネッセンス素子に比べて、高い外部量子効率が得られることを確認することができた。
(実施例3) 化合物1を用いた他の有機エレクトロルミネッセンス素子の作製
膜厚150nmのインジウム・スズ酸化物(ITO)からなる陽極が形成されたガラス基板上に、各薄膜を真空蒸着法にて、真空度10-4〜10-5Paで積層した。まず、ITO上にα−NPDを30nmの厚さに形成した。次に、TCTAを20nmの厚さに形成し、その上に、mCBPを15nmの厚さに形成した。次に、TCC01とDPEPOを異なる蒸着源から共蒸着し、20nmの厚さの層を形成して発光層とした。この時、TCC01の濃度は15重量%とした。次に、化合物1を10nmの厚さに形成してホールブロック層とし、その上に、TPBiを30nmの厚さに形成した。さらにフッ化リチウム(LiF)を0.7nmの厚さに蒸着し、その上に、アルミニウム(Al)を100nmの厚さに蒸着することにより陰極を形成し、有機エレクトロルミネッセンス素子とした。
(比較例6) 比較化合物5を用いた有機エレクトロルミネッセンス素子の作製
化合物1の代わりに、比較化合物5(DPEPO)を用いて厚さ10nmのホールブロック層を形成したこと以外は、実施例3と同様にして有機エレクトロルミネッセンス素子を製造した。
実施例3および比較例6で使用した化合物のHOMO準位およびLUMO準位を図8に示す。図8において、各欄の上方の数値はLUMO準位の絶対値を示し、各欄の下方の数値はHOMO準位の絶対値を示し、ITOおよびLiF/Alの下方の数値はフェルミ準位の絶対値を示す。
また、実施例3および比較例6で製造した有機エレクトロルミネッセンス素子の発光スペクトルを図9に示し、電圧−電流密度−輝度特性を図10に示す。図中に表記した「化合物1」は実施例3で製造した有機エレクトロルミネッセンス素子であることを表し、「DPEPO(比較化合物5)」は比較例6で製造した有機エレクトロルミネッセンス素子であることを表す。
図5〜図7で示された傾向と同様に、化合物1をホールブロック層に用いた有機エレクトロルミネッセンス素子は、比較化合物6をホールブロック層に用いた有機エレクトロルミネッセンス素子に比べて、発光波長が青色波長側(短波長側)にシフトしており、低い電圧で高い電流密度と高い輝度を得ることができた。また、外部量子効率はDPEPOと同等で、最大で18%と高い値を実現することができた。
本発明の化合物は、ホールブロック性およびエキシトンブロック性に優れており、ホールブロック材料として有用である。本発明の化合物を有機発光素子のホールブロック層に用いることにより、高い発光効率を実現することができる。このため、本発明は産業上の利用可能性が高い。
1 基板
2 陽極
3 ホール注入層
4 ホール輸送層
5 発光層
6 ホールブロック層
7 電子輸送層
8 陰極

Claims (20)

  1. 下記一般式(1)で表される化合物。
    一般式(1)
    (Cz)n−Ar
    [一般式(1)において、Czは、フルオロアルキル基およびシアノ基からなる群より選択される置換基で少なくとも2箇所が置換されている9−カルバゾリル基を表し、Arはトリアジン環、ピリダジン環、ピリミジン環またはピラジン環を表し、これらの環は前記9−カルバゾリル基以外の置換基を有していてもよい。nは1もしくは2の整数である。]
  2. 前記フルオロアルキル基およびシアノ基からなる群より選択される置換基の前記9−カルバゾリル基における置換位置が2位と7位であるか、3位と6位であるか、2位と3位と6位と7位である、請求項1に記載の化合物。
  3. 前記フルオロアルキル基およびシアノ基からなる群より選択される置換基の前記9−カルバゾリル基における置換位置が3位と6位である、請求項1または2に記載の化合物。
  4. 前記Arが表す環がトリアジン環またはピリミジン環である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
  5. 前記Arが表す環がトリアジン環である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
  6. 前記Arが表す環が1,3,5−トリアジン環である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物。
  7. 前記Arが表す環がピリミジン環である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
  8. 前記Arが表す環がピリミジン環であって、そのピリミジン環の4位と6位が前記9−カルバゾリル基で置換されている、請求項7に記載の化合物。
  9. nが1である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物。
  10. 前記Arが表す環が前記9−カルバゾリル基以外の置換基を有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物。
  11. 前記9−カルバゾリル基以外の置換基が、アリール基およびフルオロアルキル基からなる群から選択される置換基である、請求項10に記載の化合物。
  12. HOMO準位が−6.1eV未満である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物。
  13. 最低励起三重項エネルギー準位T1が2.8eVよりも大きい、請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物を含有するホールブロック材料。
  15. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物と発光材料を用いた有機発光素子。
  16. 前記発光材料が青色発光材料である、請求項15に記載の有機発光素子。
  17. 前記発光材料が遅延蛍光材料である、請求項15または16に記載の有機発光素子。
  18. 前記発光材料と前記化合物が別の層に含まれている、請求項15〜17のいずれか1項に記載の有機発光素子。
  19. 前記発光材料を含む層の陰極側に接するように、前記化合物を含む層が形成されている、請求項15〜18のいずれか1項に記載の有機発光素子。
  20. 有機エレクトロルミネッセンス素子である、請求項15〜19のいずれか1項に記載の有機発光素子。
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