本実施形態における通信システムは、基地局装置(送信装置、セル、送信点、送信アンテナ群、送信アンテナポート群、コンポーネントキャリア、eNodeB、アクセスポイント、AP、無線ルータ、中継、通信装置)および端末装置(端末、移動端末、受信点、受信端末、受信装置、受信アンテナ群、受信アンテナポート群、UE、ステーション、STA)を備える。
本実施形態において、“X/Y”は、“XまたはY”の意味を含む。本実施形態において、“X/Y”は、“XおよびY”の意味を含む。本実施形態において、“X/Y”は、“Xおよび/またはY”の意味を含む。
[1.第1の実施形態]
図1は、本実施形態に係る通信システムの例を示す図である。図1に示すように、本実施形態における通信システムは、基地局装置1A(単に基地局装置1とも記載する)、端末装置2A、2Bを備える。また、カバレッジ1−1は、基地局装置1Aが端末装置と接続可能な範囲(通信エリア)である。なお、本実施形態に係る通信システムは、複数の基地局装置(例えば、基地局装置1B)や、3以上の端末装置を含むことが可能である。
図1において、端末装置2から基地局装置1Aへの上りリンクの無線通信では、例えば、以下の上りリンク物理チャネルが用いられる。上りリンク物理チャネルは、上位層から出力された情報を送信するために使用される。
・PUCCH(Physical Uplink Control Channel)
・PUSCH(Physical Uplink Shared Channel)
・PRACH(Physical Random Access Channel)
PUCCHは、上りリンク制御情報(Uplink Control Information: UCI)を送信するために用いられる。ここで、上りリンク制御情報は、下りリンクデータ(下りリンクトランスポートブロック、Downlink-Shared Channel: DL-SCH)に対するACK(a positive acknowledgement)またはNACK(a negative acknowledgement)(ACK/NACK)を含む。下りリンクデータに対するACK/NACKを、HARQ−ACK、HARQフィードバックとも称する。
また、上りリンク制御情報は、下りリンクに対するチャネル状態情報(Channel State Information: CSI)を含む。また、上りリンク制御情報は、上りリンク共用チャネル(Uplink-Shared Channel: UL-SCH)のリソースを要求するために用いられるスケジューリング要求(Scheduling Request: SR)を含む。前記チャネル状態情報は、好適な空間多重数を指定するランク指標RI、好適なプレコーダを指定するプレコーディング行列指標PMI、好適な伝送レートを指定するチャネル品質指標CQIなどが該当する。
前記チャネル品質指標CQIは(以下、CQI値)、所定の帯域(詳細は後述)における好適な変調方式(例えば、QPSK、16QAM、64QAM、256QAMなど)、符号化率(code rate)とすることができる。CQI値は、前記変更方式や符号化率により定められたインデックス(CQI Index)とすることができる。前記CQI値は、予め当該システムで定めたものをすることができる。
なお、前記ランク指標、前記プレコーディング品質指標は、予めシステムで定めたものとすることができる。前記ランク指標や前記プレコーディング行列指標は、空間多重数やプレコーディング行列情報により定められたインデックスとすることができる。なお、前記ランク指標、前記プレコーディング行列指標、前記チャネル品質指標CQIの値をCSI値と総称する。
PUSCHは、上りリンクデータ(上りリンクトランスポートブロック、UL-SCH)を送信するために用いられる。また、PUSCHは、上りリンクデータと共に、ACK/NACKおよび/またはチャネル状態情報を送信するために用いられても良い。また、PUSCHは、上りリンク制御情報のみを送信するために用いられても良い。
また、PUSCHは、RRCメッセージを送信するために用いられる。RRCメッセージは、無線リソース制御(Radio Resource Control: RRC)層において処理される情報/信号である。また、PUSCHは、MAC CE(Control Element)を送信するために用いられる。ここで、MAC CEは、媒体アクセス制御(MAC: Medium Access Control)層において処理(送信)される情報/信号である。
例えば、パワーヘッドルームは、MAC CEに含まれ、PUSCHを経由して報告されても良い。すなわち、MAC CEのフィールドが、パワーヘッドルームのレベルを示すために用いられても良い。
PRACHは、ランダムアクセスプリアンブルを送信するために用いられる。
また、上りリンクの無線通信では、上りリンク物理信号として上りリンク参照信号(Uplink Reference Signal: UL RS)が用いられる。上りリンク物理信号は、上位層から出力された情報を送信するためには使用されないが、物理層によって使用される。ここで、上りリンク参照信号には、DMRS(Demodulation Reference Signal)、SRS(Sounding Reference Signal)が含まれる。
DMRSは、PUSCHまたはPUCCHの送信に関連する。例えば、基地局装置1Aは、PUSCHまたはPUCCHの伝搬路補正を行なうためにDMRSを使用する。SRSは、PUSCHまたはPUCCHの送信に関連しない。例えば、基地局装置1Aは、上りリンクのチャネル状態を測定するためにSRSを使用する。基地局装置1Aは、SRSの設定情報を、上位レイヤのシグナリングもしくは後述するDCIフォーマットで通知することができる。基地局装置1Aは、DMRSの設定情報を、上位レイヤのシグナリングもしくは後述するDCIフォーマットで通知することができる。
SRSは、複数のトリガのされ方が定義される。例えば、上位レイヤのシグナリングによりトリガされるトリガータイプ0と、後述する下りリンク制御情報によりトリガされるトリガータイプ1である。
SRSは、セル固有のSRS(Cell specific SRS, Common SRS)とUE固有のSRS(UE-specific SRS, Dedicated SRS)を含む。UE−specific SRSは周期的に送信されるSRS(UE-specific periodic SRS)と、トリガに基づいて非周期的に送信されるSRS(UE-specific aperiodic SRS)を含む。
Common SRSは、上位レイヤのシグナリング、もしくは後述する下りリンク制御情報により、送信帯域幅(srs-BandwidthConfig)と、送信されるサブフレーム(srs-SubframeConfig)が指定される。また、Commmon SRSは所定のパラメータ(例えば、ackNackSRS-SimultaneousTransmission)がFalseであった場合、HARQ−ACKとSRの少なくとも1つを含むPUCCHが含まれるサブフレームでは送信されない。一方で、Commmon SRSは所定のパラメータ(例えば、ackNackSRS-SimultaneousTransmission)がTrueであった場合、HARQ−ACKとSRの少なくとも1つを含むPUCCHが含まれるサブフレームで送信されることができる。
Dedicated SRSは、上位レイヤのシグナリング、もしくは後述する下りリンク制御情報により、送信帯域幅と、ホッピング帯域幅(srs-HoppingBandwidth)と、周波数割当開始位置(freqDomainPosition)と、送信期間(Duration)(Single transmissionもしくはindefinite transmission)と、送信周期(srs-ConfigIndex)と、SRSの信号系列に与えられる巡回シフト量(cyclicShift)と、櫛の歯に形成されるSRSの位置(transmissionComb)が、それぞれ設定される。
SRSは、複数のアンテナポートより送信されることができる。送信アンテナポート数は上位レイヤのシグナリングにより設定される。複数のアンテナポートにおけるSRS送信が設定されたUEは、サービングセルに対して、同じサブフレームの1つのSC−FDMAシンボルにより、設定された送信アンテナポートの全てからSRSを送信しなければならない。この場合、設定された送信アンテナポートから送信されるSRSは、全て同じ送信帯域幅と、周波数割当開始位置が設定される。
複数のTransmission advance groups(TAGs)が設定されないUEは、SRSとPUSCHが同じシンボル内でオーバーラップしない限り、SRSを送信してはならない。
TDDのサービングセルに対して、サービングセルのUpPTSに1つのSC−FDMAシンボルが含まれている場合、UEは該SC−FDMAシンボルをSRSの送信に用いることができる。サービングセルのUpPTSに2つのSC−FDMAシンボルが含まれている場合、UEは該2つのSC−FDMAシンボルの両方をSRSの送信に用いることができる。また、トリガータイプ0のSRSは、同じUEに対して、該2つのSC−FDMAシンボルの両方をSRSに設定されることができる。
図1において、基地局装置1Aから端末装置2Aへの下りリンクの無線通信では、例えば、以下の下りリンク物理チャネルが用いられる。下りリンク物理チャネルは、上位層から出力された情報を送信するために使用される。
・PBCH(Physical Broadcast Channel: 報知チャネル)
・PCFICH(Physical Control Format Indicator Channel: 制御フォーマット指示チャネル)
・PHICH(Physical Hybrid automatic repeat request Indicator Channel: HARQ指示チャネル)
・PDCCH(Physical Downlink Control Channel: 下りリンク制御チャネル)
・EPDCCH(Enhanced Physical Downlink Control Channel: 拡張下りリンク制御チャネル)
・PDSCH(Physical Downlink Shared Channel: 下りリンク共有チャネル)
PBCHは、端末装置で共通に用いられるマスターインフォメーションブロック(Master Information Block: MIB, Broadcast Channel: BCH)を報知するために用いられる。PCFICHは、PDCCHの送信に用いられる領域(例えば、OFDMシンボルの数)を指示する情報を送信するために用いられる。
PHICHは、基地局装置1Aが受信した上りリンクデータ(トランスポートブロック、コードワード)に対するACK/NACKを送信するために用いられる。すなわち、PHICHは、上りリンクデータに対するACK/NACKを示すHARQインディケータ(HARQフィードバック)を送信するために用いられる。また、ACK/NACKは、HARQ−ACKとも呼称する。端末装置2Aは、受信したACK/NACKを上位レイヤに通知する。ACK/NACKは、正しく受信されたことを示すACK、正しく受信しなかったことを示すNACK、対応するデータがなかったことを示すDTXである。また、上りリンクデータに対するPHICHが存在しない場合、端末装置2AはACKを上位レイヤに通知する。
PDCCHおよびEPDCCHは、下りリンク制御情報(Downlink Control Information: DCI)を送信するために用いられる。ここで、下りリンク制御情報の送信に対して、複数のDCIフォーマットが定義される。すなわち、下りリンク制御情報に対するフィールドがDCIフォーマットに定義され、情報ビットへマップされる。
例えば、下りリンクに対するDCIフォーマットとして、1つのセルにおける1つのPDSCH(1つの下りリンクトランスポートブロックの送信)のスケジューリングに使用されるDCIフォーマット1Aが定義される。
例えば、下りリンクに対するDCIフォーマットには、PDSCHのリソース割り当てに関する情報、PDSCHに対するMCS(Modulation and Coding Scheme)に関する情報、PUCCHに対するTPCコマンドなどの下りリンク制御情報が含まれる。ここで、下りリンクに対するDCIフォーマットを、下りリンクグラント(または、下りリンクアサインメント)とも称する。
また、例えば、上りリンクに対するDCIフォーマットとして、1つのセルにおける1つのPUSCH(1つの上りリンクトランスポートブロックの送信)のスケジューリングに使用されるDCIフォーマット0が定義される。
例えば、上りリンクに対するDCIフォーマットには、PUSCHのリソース割り当てに関する情報、PUSCHに対するMCSに関する情報、PUSCHに対するTPCコマンドなど上りリンク制御情報が含まれる。上りリンクに対するDCIフォーマットを、上りリンクグラント(または、上りリンクアサインメント)とも称する。
また、上りリンクに対するDCIフォーマットは、下りリンクのチャネル状態情報(CSI: Channel State Information。受信品質情報とも称する。)を要求(CSI request)するために用いることができる。チャネル状態情報は、好適な空間多重数を指定するランク指標RI(Rank Indicator)、好適なプリコーダを指定するプリコーディング行列指標PMI(Precoding Matrix Indicator)、好適な伝送レートを指定するチャネル品質指標CQI(Channel Quality Indicator)、プリコーディングタイプ指標PTI(Precoding type Indicator)などが該当する。
また、上りリンクに対するDCIフォーマットは、端末装置が基地局装置にフィードバックするチャネル状態情報報告(CSI feedback report)をマップする上りリンクリソースを示す設定のために用いることができる。例えば、チャネル状態情報報告は、定期的にチャネル状態情報(Periodic CSI)を報告する上りリンクリソースを示す設定のために用いることができる。チャネル状態情報報告は、定期的にチャネル状態情報を報告するモード設定(CSI report mode)のために用いることができる。
例えば、チャネル状態情報報告は、不定期なチャネル状態情報(Aperiodic CSI)を報告する上りリンクリソースを示す設定のために用いることができる。チャネル状態情報報告は、不定期的にチャネル状態情報を報告するモード設定(CSI report mode)のために用いることができる。基地局装置は、前記定期的なチャネル状態情報報告または前記不定期的なチャネル状態情報報告のいずれかを設定することができる。また、基地局装置は、前記定期的なチャネル状態情報報告および前記不定期的なチャネル状態情報報告の両方を設定することもできる。
また、上りリンクに対するDCIフォーマットは、端末装置が基地局装置にフィードバックするチャネル状態情報報告の種類を示す設定のために用いることができる。チャネル状態情報報告の種類は、広帯域CSI(例えば、Wideband CQI)と狭帯域CSI(例えば、Subband CQI)などがある。
端末装置は、下りリンクアサインメントを用いてPDSCHのリソースがスケジュールされた場合、スケジュールされたPDSCHで下りリンクデータを受信する。また、端末装置は、上りリンクグラントを用いてPUSCHのリソースがスケジュールされた場合、スケジュールされたPUSCHで上りリンクデータおよび/または上りリンク制御情報を送信する。
PDSCHは、下りリンクデータ(下りリンクトランスポートブロック、DL-SCH)を送信するために用いられる。また、PDSCHは、システムインフォメーションブロックタイプ1メッセージを送信するために用いられる。システムインフォメーションブロックタイプ1メッセージは、セルスペシフィック(セル固有)な情報である。
また、PDSCHは、システムインフォメーションメッセージを送信するために用いられる。システムインフォメーションメッセージは、システムインフォメーションブロックタイプ1以外のシステムインフォメーションブロックXを含む。システムインフォメーションメッセージは、セルスペシフィック(セル固有)な情報である。
また、PDSCHは、RRCメッセージを送信するために用いられる。ここで、基地局装置から送信されるRRCメッセージは、セル内における複数の端末装置に対して共通であっても良い。また、基地局装置1Aから送信されるRRCメッセージは、ある端末装置2に対して専用のメッセージ(dedicated signalingとも称する)であっても良い。すなわち、ユーザ装置スペシフィック(ユーザ装置固有)な情報は、ある端末装置に対して専用のメッセージを使用して送信される。また、PDSCHは、MAC CEを送信するために用いられる。
ここで、RRCメッセージおよび/またはMAC CEを、上位層の信号(higher layer signaling)とも称する。
また、PDSCHは、下りリンクのチャネル状態情報を要求するために用いることができる。また、PDSCHは、端末装置が基地局装置にフィードバックするチャネル状態情報報告(CSI feedback report)をマップする上りリンクリソースを送信するために用いることができる。例えば、チャネル状態情報報告は、定期的にチャネル状態情報(Periodic CSI)を報告する上りリンクリソースを示す設定のために用いることができる。チャネル状態情報報告は、定期的にチャネル状態情報を報告するモード設定(CSI report mode)のために用いることができる。
下りリンクのチャネル状態情報報告の種類は広帯域CSI(例えば、Wideband CSI)と狭帯域CSI(例えば、Subband CSI)がある。広帯域CSIは、セルのシステム帯域に対して1つのチャネル状態情報を算出する。狭帯域CSIは、システム帯域を所定の単位に区分し、その区分に対して1つのチャネル状態情報を算出する。
また、下りリンクの無線通信では、下りリンク物理信号として同期信号(Synchronization signal: SS)、下りリンク参照信号(Downlink Reference Signal: DL RS)が用いられる。下りリンク物理信号は、上位層から出力された情報を送信するためには使用されないが、物理層によって使用される。
同期信号は、端末装置が、下りリンクの周波数領域および時間領域の同期を取るために用いられる。また、下りリンク参照信号は、端末装置が、下りリンク物理チャネルの伝搬路補正を行なうために用いられる。例えば、下りリンク参照信号は、端末装置が、下りリンクのチャネル状態情報を算出するために用いられる。
ここで、下りリンク参照信号には、CRS(Cell-specific Reference Signal: セル固有参照信号)、URS(UE-specific Reference Signal: 端末固有参照信号)、DMRS(Demodulation Reference Signal)、NZP CSI−RS(Non-Zero Power Chanel State Information - Reference Signal)、ZP CSI−RS(Zero Power Chanel State Information - Reference Signal)が含まれる。
CRSは、サブフレームの全帯域で送信され、PBCH/PDCCH/PHICH/PCFICH/PDSCHの復調を行なうために用いられる。PDSCHに関連するURSは、URSが関連するPDSCHの送信に用いられるサブフレームおよび帯域で送信され、URSが関連するPDSCHの復調を行なうために用いられる。
EPDCCHに関連するDMRSは、DMRSが関連するEPDCCHの送信に用いられるサブフレームおよび帯域で送信される。DMRSは、DMRSが関連するEPDCCHの復調を行なうために用いられる。
NZP CSI−RSのリソースは、基地局装置1Aによって設定される。例えば、端末装置2Aは、NZP CSI−RSを用いて信号の測定(チャネルの測定)を行なう。ZP CSI−RSのリソースは、基地局装置1Aによって設定される。基地局装置1Aは、ZP CSI−RSをゼロ出力で送信する。例えば、端末装置2Aは、NZP CSI−RSが対応するリソースにおいて干渉の測定を行なう。
MBSFN(Multimedia Broadcast multicast service Single Frequency Network) RSは、PMCHの送信に用いられるサブフレームの全帯域で送信される。MBSFN RSは、PMCHの復調を行なうために用いられる。PMCHは、MBSFN RSの送信に用いられるアンテナポートで送信される。
ここで、下りリンク物理チャネルおよび下りリンク物理信号を総称して、下りリンク信号とも称する。また、上りリンク物理チャネルおよび上りリンク物理信号を総称して、上りリンク信号とも称する。また、下りリンク物理チャネルおよび上りリンク物理チャネルを総称して、物理チャネルとも称する。また、下りリンク物理信号および上りリンク物理信号を総称して、物理信号とも称する。
また、BCH、UL−SCHおよびDL−SCHは、トランスポートチャネルである。MAC層で用いられるチャネルを、トランスポートチャネルと称する。また、MAC層で用いられるトランスポートチャネルの単位を、トランスポートブロック(Transport Block: TB)、または、MAC PDU(Protocol Data Unit)とも称する。トランスポートブロックは、MAC層が物理層に渡す(deliverする)データの単位である。物理層において、トランスポートブロックはコードワードにマップされ、コードワード毎に符号化処理などが行なわれる。
また、キャリアアグリゲーション(CA: Carrier Aggregation)をサポートしている端末装置に対して、基地局装置は、より広帯域伝送のため複数のコンポーネントキャリア(CC: Component Carrier)を統合して通信することができる。キャリアアグリゲーションでは、1つのプライマリセル(PCell: Primary Cell)および1または複数のセカンダリセル(SCell: Secondary Cell)がサービングセルの集合として設定される。
また、デュアルコネクティビティ(DC: Dual Connectivity)では、サービングセルのグループとして、マスターセルグループ(MCG: Master Cell Group)とセカンダリセルグループ(SCG: Secondary Cell Group)が設定される。MCGはPCellとオプションで1または複数のSCellから構成される。またSCGはプライマリSCell(PSCell)とオプションで1または複数のSCellから構成される。
図2は、本実施形態における基地局装置1Aの構成を示す概略ブロック図である。図2に示すように、基地局装置1Aは、上位層処理部(上位層処理ステップ)101、制御部(制御ステップ)102、送信部(送信ステップ)103、受信部(受信ステップ)104、アンテナ(アンテナ部)105、ビーム走査部(ビーム走査ステップ)1061、を含んで構成される。また、上位層処理部101は、無線リソース制御部(無線リソース制御ステップ)1011、スケジューリング部(スケジューリングステップ)1012を含んで構成される。また、送信部103は、符号化部(符号化ステップ)1031、変調部(変調ステップ)1032、フレーム構成部(フレーム構成ステップ)1033、多重部(多重ステップ)1034、無線送信部(無線送信ステップ)1035、を含んで構成される。また、受信部104は、無線受信部(無線受信ステップ)1041、多重分離部(多重分離ステップ)1042、復調部(復調ステップ)1043、復号部(復号ステップ)1044を含んで構成される。
上位層処理部101は、媒体アクセス制御(Medium Access Control: MAC)層、パケットデータ統合プロトコル(Packet Data Convergence Protocol: PDCP)層、無線リンク制御(Radio Link Control: RLC)層、無線リソース制御(Radio Resource Control: RRC)層の処理を行なう。また、上位層処理部101は、送信部103および受信部104の制御を行なうために必要な情報を生成し、制御部102に出力する。
上位層処理部101は、端末装置の機能(UE capability、機能情報)等、端末装置に関する情報を端末装置から受信する。言い換えると、端末装置は、自身の機能を基地局装置に上位層の信号で送信する。
なお、以下の説明において、端末装置に関する情報は、その端末装置が所定の機能をサポートするかどうかを示す情報、または、その端末装置が所定の機能に対する導入およびテストの完了を示す情報を含む。なお、以下の説明において、所定の機能をサポートするかどうかは、所定の機能に対する導入およびテストを完了しているかどうかを含む。
例えば、端末装置が所定の機能をサポートする場合、その端末装置はその所定の機能をサポートするかどうかを示す情報(パラメータ)を送信する。端末装置が所定の機能をサポートしない場合、その端末装置はその所定の機能をサポートするかどうかを示す情報(パラメータ)を送信しない。すなわち、その所定の機能をサポートするかどうかは、その所定の機能をサポートするかどうかを示す情報(パラメータ)を送信するかどうかによって通知される。なお、所定の機能をサポートするかどうかを示す情報(パラメータ)は、1または0の1ビットを用いて通知しても良い。
無線リソース制御部1011は、下りリンクのPDSCHに配置される下りリンクデータ(トランスポートブロック)、システムインフォメーション、RRCメッセージ、MAC CEなどを生成、または上位ノードから取得する。無線リソース制御部1011は、下りリンクデータを送信部103に出力し、他の情報を制御部102に出力する。また、無線リソース制御部1011は、端末装置の各種設定情報の管理をする。
スケジューリング部1012は、物理チャネル(PDSCHおよびPUSCH)を割り当てる周波数およびサブフレーム、物理チャネル(PDSCHおよびPUSCH)の符号化率および変調方式(あるいはMCS)および送信電力などを決定する。スケジューリング部1012は、決定した情報を制御部102に出力する。
スケジューリング部1012は、スケジューリング結果に基づき、物理チャネル(PDSCHおよびPUSCH)のスケジューリングに用いられる情報を生成する。スケジューリング部1012は、生成した情報を制御部102に出力する。
制御部102は、上位層処理部101から入力された情報に基づいて、送信部103および受信部104の制御を行なう制御信号を生成する。制御部102は、上位層処理部101から入力された情報に基づいて、下りリンク制御情報を生成し、送信部103に出力する。
送信部103は、制御部102から入力された制御信号に従って、下りリンク参照信号を生成し、上位層処理部101から入力されたHARQインディケータ、下りリンク制御情報、および、下りリンクデータを、符号化および変調し、PHICH、PDCCH、EPDCCH、PDSCH、および下りリンク参照信号を多重して、アンテナ105を介して端末装置2に信号を送信する。
符号化部1031は、上位層処理部101から入力されたHARQインディケータ、下りリンク制御情報、および下りリンクデータを、ブロック符号化、畳み込み符号化、ターボ符号化等の予め定められた符号化方式を用いて符号化を行なう、または無線リソース制御部1011が決定した符号化方式を用いて符号化を行なう。変調部1032は、符号化部1031から入力された符号化ビットをBPSK(Binary Phase Shift Keying)、QPSK(quadrature Phase Shift Keying)、16QAM(quadrature amplitude modulation)、64QAM、256QAM等の予め定められた、または無線リソース制御部2011が決定した変調方式で変調する。
多重部1034は、変調された各チャネルの変調シンボルと生成された下りリンク参照信号と下りリンク制御情報とを多重する。つまり、多重部1034は、変調された各チャネルの変調シンボルと生成された下りリンク参照信号と下りリンク制御情報とをリソースエレメントに配置する。なお、下りリンク参照信号は、基地局装置1Aを識別するための物理セル識別子(PCI、セルID)などを基に予め定められた規則で求まる、端末装置2Aが既知の系列に基づいて、送信部103が生成する。
フレーム構成部1033は、送信部103が生成する送信信号のフレーム構成(フレームフォーマット、フレーム構造、フレームストラクチャ)を提供する。フレーム構成部1033の動作は後述する。なお、以下の説明では、送信部103がフレーム構成部1033を備えるものとするが、他の構成部が口授するフレーム構成部1033の機能を有していても良い。例えば、上位層処理部101が該機能を有していても構わない。
無線送信部1035は、多重された変調シンボルなどを逆高速フーリエ変換(Inverse Fast Fourier Transform: IFFT)してOFDMシンボルを生成し、OFDMシンボルにサイクリックプレフィックス(cyclic prefix: CP)を付加してベースバンドのディジタル信号を生成し、ベースバンドのディジタル信号をアナログ信号に変換し、フィルタリングにより余分な周波数成分を除去し、アンテナ105に出力する。
図3は、本実施形態に係るアンテナ105の1構成例を示すブロック図である。図3に示すように、アンテナ105は、直交変調部1051と、分配部1052と、送信可変位相器1053−1〜Nと、アンプ1054−1〜Nと、送信アンテナ素子1055−1〜Nと、受信アンテナ素子1056−1〜Nと、低雑音アンプ1057−1〜Nと、受信可変位相器1058−1〜Nと、合成部1059と、直交検波部1050と、を少なくとも含む。なお、送信可変位相器1053と受信可変位相器1058は共通でも構わない。送信アンテナ素子1055−1〜Nと、受信アンテナ素子1056−1〜Nは共通でも構わない。以下では、送信アンテナ素子数および受信アンテナ素子数はN個であるものとして説明するが、本実施形態に係る方法は、Nの数に何ら制限はない。当然、送信アンテナ素子数と受信アンテナ素子数の数が異なっていても構わない。なお105Tは送信部103より出力されるアンテナ入力であり、105Rは受信部104に入力されるアンテナ出力である。
直交変調部1051は送信部103より入力された信号を、搬送周波数にアップコンバートする。分配部1052は、搬送周波数にアップコンバートされた信号を、各送信アンテナ素子に分配する。送信可変位相器1053およびアンプ1054は、それぞれ対応する送信アンテナ素子1055より送信される信号の位相および振幅を変更する。
本実施形態においては、直交変調部1051への信号入力数をアンテナ105の入力数とする。一般にQPSK等の位相変調信号においては、同相軸信号(I軸信号)と直交軸信号(Q軸信号)の2つの信号が直交変調部1051に入力されるが、本実施形態においては、I軸信号とQ軸信号を合わせて1つの信号としてカウントする。なお、I軸信号とQ軸信号は、ベースバンド帯の信号に対するディジタル/アナログ変換器(DAC)(図2および図3では記載を省略)により生成されるから、DACの個数が、アンテナ105の入力数ともいえる。当然、1つの変調信号に対して、I軸信号およびQ軸信号それぞれに対してDACが必要となるが、I軸信号用とQ軸信号用のDACを合わせて1つのDACとしてカウントする。
なお、本実施形態に係るアンテナ105の構成は図3に例に限定されない。例えば、直交変調部1051が送信部103に含まれる構成でも構わない。この場合、直交変調部1051の出力数が、アンテナ105の入力数となる。更に、分配部1052も送信部103に含まれる構成でも構わない。この場合、アンテナ105の入力数は、分配部1052の出力数となる。しかし、分配部1052から出力される信号は同一の信号であるから、分配部1052の数を、アンテナ105の入力数として説明する。またアンテナ105は分配部1052と直交変調部1051の間に更にアンプを備えていても良い。また、アンテナ105はアンプ1054を送信可変位相器1053の前に配置しても良い。
本実施形態に係るビーム走査部1061は、送信可変位相器1053およびアンプ1054を制御することができる。以下では、送信ビーム制御部1036が送信可変位相器1053を制御する場合を対象とするが、送信ビーム制御部1036が、アンプ1054だけを制御する場合、および送信ビーム制御部1036が、送信可変位相器1053とアンプ1054の両方を制御する場合も、本実施形態には含まれる。
図4は、ビームパターン(アンテナ指向性パターン)形成の原理を示す概要図である。図4においては、N個の送信アンテナ素子1055は、アンテナ間隔dで等間隔に配置され、リニアアンテナアレーを形成するものとする。送信可変位相器1053−nが与える位相変化量をφnとした場合、アンテナ105の放射方向105Sに対して、端末装置2Aの位置方向2AAが為す角度がθ1のとき、端末装置2Aの受信信号は式(1)で与えられる。
ここで、sは基地局装置1Aの送信部103が生成した端末装置2A宛ての下りリンク信号を表し、その平均電力はPであるものとする。また、βは端末装置2Aにて観測される平均0で分散(平均電力)σ2の雑音成分を表す。また、kは波数(Wave number)を表す。なお、式(1)では、マルチパスフェージングの影響は考慮されていない。式(1)より、端末装置2Aの受信信号の平均受信信号対雑音電力比(Signal-to-noise power ratio: SNR)γ1は式(2)で与えられることが分かる。
式(2)より、受信SNRは送信可変位相器1053−nが与える位相変化量φnに関連付けられていることが分かる。例えば、送信ビーム制御部1036は、γ1を最大とするφnを送信可変位相器1053に与えることで、端末装置2Aの受信SNRを最大とすることができるから、端末装置2Aの受信品質を改善することができる。一方、送信ビーム制御部1036は、γ1を最小とするφnを送信可変位相器1053に与えることで、端末装置002Aの受信SNRを最小化することができるから、他端末装置(例えば、端末装置2B)宛ての信号を送信する際に用いることで、端末装置2Aに該信号が受信されないように制御することができる。以下では、ビーム走査部1061が、端末装置2Aを対象として行なうビームパターン(アンテナ指向性パターン、アンテナ利得、ビーム利得)の制御を、端末装置2Aに対するビームフォーミング制御(ビーム走査、ビーム制御)とも呼ぶ。また、端末装置2Aが基地局装置1のビーム走査部1061が行なうビームフィーミング制御のために行なう動作を、端末装置2Aが行なうビーム検出(アンテナパターン検出、アンテナ利得検出)とも呼ぶ。
また、アンテナ105が生成したアンテナ指向性パターンにおいて、利得が高い部分をメインビーム(メインローブ)もしくは単にビームと呼ぶ。本実施形態に係るビーム走査部1061が行なう制御は、アンテナ105が先制するアンテナ指向性パターンの中に利得が高い部分を生成する制御を含む。また、アンテナ105が生成したアンテナ指向性パターンにおいて、利得が低い部分をヌルビームもしくは単にヌルと呼ぶ。本実施形態に係るビーム走査部1061が行なう制御は、アンテナ105が先制するアンテナ指向性パターンの中に利得が低い部分を生成する制御を含む。なお、以下のアンテナ105に関連付けられた説明において、基地局装置1Aが端末装置5002の下りリンク信号を送信する際に行なわれる各信号処理および制御の少なくとも一部は、基地局装置1Aが端末装置2の上りリンク信号を受信する際にも同様に行なうことが可能である。
本実施形態に係るビーム走査部1061のビーム走査方法は、何かに限定されるものではない。例えば、ビーム走査部1061は、端末装置2より送信された信号の受信品質を観測することで、該端末装置2にビームを向けることが可能である。具体的には、基地局装置1は端末装置2に対して、周期的にお互いに既知の信号(例えば、参照信号)を、やはりお互いに既知の無線リソースにおいて送信することを指示することができる。例えば、端末装置2は基地局装置1より指定された周波数リソースにおいて、基地局装置1より指定された時間周期で、該参照信号を送信することができる。基地局装置1のビーム走査部1061は、該参照信号に対して、それぞれ異なるアンテナ指向性パターンで受信するようにアンテナ105を制御することができるから、ビーム走査部1061は、各アンテナ指向性パターンで受信した信号の受信品質を測定し、最も受信品質が良好/好適(もしくは劣悪)なアンテナ指向性パターンを検出することで、端末装置2にメインビーム(もしくはヌルビーム)が向いたアンテナ指向性パターンをアンテナ105に設定することが可能となる。また、基地局装置1のビーム走査部1061は、端末装置2に対して、明示的に参照信号の送信を指示することなく、端末装置2が送信した信号に基づいて、ビーム走査を行なうことができる。なお、上記例においては、端末装置2が基地局装置1に対して参照信号を送信する動作が、端末装置2が行なうビーム検出動作に含まれる。
本実施形態に係る基地局装置1は、異なる無線リソースにおいて、それぞれ異なるアンテナ指向性パターンにより、信号(例えば、参照信号)を送信することができる。基地局装置1は、端末装置2より、該異なる無線リソースのそれぞれの受信品質を示す情報(例えば、最も受信品質の良い無線リソースを示す情報、最も受信品質の悪い無線リソースを示す情報、各無線リソースの受信品質そのものを示す情報等)を取得することで、該情報に基づいて、アンテナ105のアンテナ指向性パターンを制御することができる。なお、基地局装置1が複数のCSI−RSに対してそれぞれ異なるアンテナ指向性パターンを与えて送信した場合、最も受信品質が好適/劣悪なCSI−RSリソースを示す情報(指標)はCRI(CSI-RS Resource Indication)とも呼ぶ。また、CSI−RSで測定した受信電力はCSI−RSRP(Reference Signal Received Power)とも呼ぶ。また、CSI−RSで測定した受信電力はCSI−RSRQ(Reference Signal Received Quality)とも呼ぶ。なお、基地局装置1はCSI−RSをディスカバリ信号に含めて送信することができる。ディスカバリ信号はセル固有参照信号、同期信号、CSI−RSの一部または全部を含む。なお、端末装置2は、CRIおよびそのCSI−RSリソースにおけるCSI−RSRP/RSRQの組合せを基地局装置1に報告することができる。なお、上記例によれば、端末装置2が、該異なる無線リソースのそれぞれの受信品質を示す情報を測定すること、および該受信品質を示す情報を、基地局装置1に通知する動作が、端末装置2が行なうビーム検出動作に含まれる。なお、基地局装置1が複数の無線リソースにおいてそれぞれ異なるアンテナ指向性パターンにより、信号(例えば、参照信号)を送信した場合、端末装置2はRRM(Radio Resource Management: 無線リソース管理)測定(例えば、RSRP、RSRQ)やCSI測定(例えば、チャネル測定、干渉測定)は各無線リソースに制限される。なお、基地局装置1は、無線リソース毎に測定の制限を設定することができる。
上述してきた内容によれば、本実施形態に係るビーム走査部1061は、アンテナ105の送信可変位相器1053およびアンプ1054を制御することで、ビーム走査を行なうことができる。すなわち、本実施形態に係るビーム走査部1061は、アナログビームフォーミングに関するビーム走査を行なうことができる。本実施形態に係るビーム走査部1061は、アンテナ入力105自体を制御することでアンテナ105のアンテナ指向性パターンを制御するディジタルビームフォーミングに関するビーム走査も行なうことができる。例えば、ビーム走査部1061は、送信部103が、送信信号のベースバンド信号に対して行なう、プリコーディング処理を制御することができる。
また、本実施形態に係るビーム走査部1061は、アナログビームフォーミングとディジタルビームフォーミングの両方を行なうハイブリッドビームフォーミングに関するビーム走査を行なうことができる。ビーム走査部1061は、ハイブリッドビームフォーミングにおいて、アナログビームフォーミングに関するビーム走査と、ディジタルビームフォーミングに関するビーム走査を同時に行なうことができるし、それぞれ独立に行なうこともできる。なお、アナログビーム走査は時間領域でビーム走査し、ディジタルビームフォーミングは周波数領域でビーム走査しても良い。この場合、基地局装置1は、複数の時間リソース(例えば、OFDMシンボル、サブフレーム)にそれぞれ異なるアナログビームパターンを与えて送信し、複数の周波数リソース(サブキャリア、リソースブロック)にそれぞれ異なるディジタルビームパターンを与えて送信することができる。端末装置2は、最も好適な時間リソースを示す情報と最も好適な周波数リソースを示す情報を基地局装置1に報告することができる。なお、アナログビーム走査は粗いビームパターン(広いビーム幅)によってビーム走査し、ディジタルビーム走査は細いビームパターン(狭いビーム幅)によってビーム走査しても良い。この場合、端末装置2は好適なアナログビームを示す情報(最も受信品質の良い無線リソースを示す情報)は好適なディジタルビームを示す情報(最も受信品質の良い無線リソースを示す情報)よりも長い周期で基地局装置1に報告する。
受信部104は、制御部102から入力された制御信号に従って、アンテナ105を介して端末装置2Aから受信した受信信号を分離、復調、復号し、復号した情報を上位層処理部101に出力する。
受信部104は、制御部102から入力された制御信号に従って、アンテナ105を介して端末装置2Aから受信した受信信号を分離、復調、復号し、復号した情報を上位層処理部101に出力する。
無線受信部1041は、アンテナ105を介して受信された上りリンクの信号を、ダウンコンバートによりベースバンド信号に変換し、不要な周波数成分を除去し、信号レベルが適切に維持されるように増幅レベルを制御し、受信された信号の同相成分および直交成分に基づいて、直交復調し、直交復調されたアナログ信号をディジタル信号に変換する。
無線受信部1041は、変換したディジタル信号からCPに相当する部分を除去する。無線受信部1041は、CPを除去した信号に対して高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform: FFT)を行ない、周波数領域の信号を抽出し多重分離部1042に出力する。
多重分離部1042は、無線受信部1041から入力された信号をPUCCH、PUSCH、上りリンク参照信号などの信号に分離する。なお、この分離は、予め基地局装置1Aが無線リソース制御部1011で決定し、各端末装置2に通知した上りリンクグラントに含まれる無線リソースの割り当て情報に基づいて行なわれる。
また、多重分離部1042は、PUCCHとPUSCHの伝搬路の補償を行なう。また、多重分離部1042は、上りリンク参照信号を分離する。
復調部1043は、PUSCHを逆離散フーリエ変換(Inverse Discrete Fourier Transform: IDFT)し、変調シンボルを取得し、PUCCHとPUSCHの変調シンボルそれぞれに対して、BPSK、QPSK、16QAM、64QAM、256QAM等の予め定められた、または自装置が端末装置2各々に上りリンクグラントで予め通知した変調方式を用いて受信信号の復調を行なう。
復号部1044は、復調されたPUCCHとPUSCHの符号化ビットを、予め定められた符号化方式の、予め定められた、または自装置が端末装置2に上りリンクグラントで予め通知した符号化率で復号を行ない、復号した上りリンクデータと、上りリンク制御情報を上位層処理部101へ出力する。PUSCHが再送信の場合は、復号部1044は、上位層処理部101から入力されるHARQバッファに保持している符号化ビットと、復調された符号化ビットを用いて復号を行なう。
図5は、本実施形態における端末装置2(端末装置2Aおよび端末装置2B)の構成を示す概略ブロック図である。図5に示すように、端末装置2Aは、上位層処理部(上位層処理ステップ)201、制御部(制御ステップ)202、送信部(送信ステップ)203、受信部(受信ステップ)204、チャネル状態情報生成部(チャネル状態情報生成ステップ)205とアンテナ206を含んで構成される。また、上位層処理部201は、無線リソース制御部(無線リソース制御ステップ)2011、スケジューリング情報解釈部(スケジューリング情報解釈ステップ)2012を含んで構成される。また、送信部203は、符号化部(符号化ステップ)2031、変調部(変調ステップ)2032、フレーム構成部(フレーム構成ステップ)2033、多重部(多重ステップ)2034、無線送信部(無線送信ステップ)2035を含んで構成される。また、受信部204は、無線受信部(無線受信ステップ)2041、多重分離部(多重分離ステップ)2042、信号検出部(信号検出ステップ)2043、フレーム解釈部(フレーム解釈ステップ)2044を含んで構成される。
上位層処理部201は、ユーザの操作等によって生成された上りリンクデータ(トランスポートブロック)を、送信部203に出力する。また、上位層処理部201は、媒体アクセス制御(Medium Access Control: MAC)層、パケットデータ統合プロトコル(Packet Data Convergence Protocol: PDCP)層、無線リンク制御(Radio Link Control: RLC)層、無線リソース制御(Radio Resource Control: RRC)層の処理を行なう。
上位層処理部201は、自端末装置がサポートしている端末装置の機能を示す情報を、送信部203に出力する。
無線リソース制御部2011は、自端末装置の各種設定情報の管理をする。また、無線リソース制御部2011は、上りリンクの各チャネルに配置される情報を生成し、送信部203に出力する。
無線リソース制御部2011は、基地局装置から送信されたCSIフィードバックに関する設定情報を取得し、制御部202に出力する。
スケジューリング情報解釈部2012は、受信部204を介して受信した下りリンク制御情報を解釈し、スケジューリング情報を判定する。また、スケジューリング情報解釈部2012は、スケジューリング情報に基づき、受信部204、および送信部203の制御を行なうために制御情報を生成し、制御部202に出力する。
制御部202は、上位層処理部201から入力された情報に基づいて、受信部204、チャネル状態情報生成部205および送信部203の制御を行なう制御信号を生成する。制御部202は、生成した制御信号を受信部204、チャネル状態情報生成部205および送信部203に出力して受信部204、および送信部203の制御を行なう。
制御部202は、チャネル状態情報生成部205が生成したCSIを基地局装置に送信するように送信部203を制御する。
受信部204は、制御部202から入力された制御信号に従って、アンテナ206を介して基地局装置1Aから受信した受信信号を、分離、復調、復号し、復号した情報を上位層処理部201に出力する。
無線受信部2041は、アンテナ206を介して受信した下りリンクの信号を、ダウンコンバートによりベースバンド信号に変換し、不要な周波数成分を除去し、信号レベルが適切に維持されるように増幅レベルを制御し、受信した信号の同相成分および直交成分に基づいて、直交復調し、直交復調されたアナログ信号をディジタル信号に変換する。
また、無線受信部2041は、変換したディジタル信号からCPに相当する部分を除去し、CPを除去した信号に対して高速フーリエ変換を行ない、周波数領域の信号を抽出する。
フレーム解釈部2044は、基地局装置1より送信された信号が備えるフレーム構成を解釈する。フレーム解釈部2044は、ブラインドで該フレーム構成を解釈することができる。例えば、フレーム解釈部2044は、該フレーム構成が備えるリソース割り当てのうち、少なくとも該フレーム構成を示す情報が配置されるリソース位置をブラインド検出し、該リソースで送信された情報に基づいて、該フレーム構成を解釈することができる。例えば、フレーム解釈部2044は、RRCシグナリング等の上位レイヤのシグナリングによって、該フレーム構成を示す情報、もしくは、該フレーム構成を示す情報が配置されるリソース位置、もしくは、該フレーム構成を示す情報が配置されるリソース位置の候補を取得し、該情報に基づいて、フレーム構成を解釈することができる、もしくは、フレーム構成を解釈するために必要な情報が配置されるリソース位置をブラインド検出することができる。
多重分離部2042は、抽出した信号をPHICH、PDCCH、EPDCCH、PDSCH、および下りリンク参照信号に、それぞれ分離する。また、多重分離部2042は、チャネル測定から得られた所望信号のチャネルの推定値に基づいて、PHICH、PDCCH、およびEPDCCHのチャネルの補償を行ない、下りリンク制御情報を検出し、制御部202に出力する。また、制御部202は、PDSCHおよび所望信号のチャネル推定値を信号検出部2043に出力する。
信号検出部2043は、PDSCH、チャネル推定値を用いて、信号検出し、上位層処理部201に出力する。
送信部203は、制御部202から入力された制御信号に従って、上りリンク参照信号を生成し、上位層処理部201から入力された上りリンクデータ(トランスポートブロック)を符号化および変調し、PUCCH、PUSCH、および生成した上りリンク参照信号を多重し、アンテナ206を介して基地局装置1Aに送信する。
符号化部2031は、上位層処理部201から入力された上りリンク制御情報を畳み込み符号化、ブロック符号化等の符号化を行なう。また、符号化部2031は、PUSCHのスケジューリングに用いられる情報に基づきターボ符号化を行なう。
変調部2032は、符号化部2031から入力された符号化ビットをBPSK、QPSK、16QAM、64QAM等の下りリンク制御情報で通知された変調方式または、チャネル毎に予め定められた変調方式で変調する。
多重部2034は、制御部202から入力された制御信号に従って、PUSCHの変調シンボルを並列に並び替えてから離散フーリエ変換(Discrete Fourier Transform: DFT)する。また、多重部2034は、PUCCHとPUSCHの信号と生成した上りリンク参照信号を送信アンテナポート毎に多重する。つまり、多重部2034は、PUCCHとPUSCHの信号と生成した上りリンク参照信号を送信アンテナポート毎にリソースエレメントに配置する。なお、上りリンク参照信号は、基地局装置1Aを識別するための物理セル識別子(physical cell identity: PCI、Cell IDなどと称される)、上りリンク参照信号を配置する帯域幅、上りリンクグラントで通知されたサイクリックシフト、DMRSシーケンスの生成に対するパラメータの値などを基に、予め定められた規則(式)で求まる系列に基づいて送信部203により生成される。
フレーム構成部2033は、基地局装置1Aが備えるフレーム構成部1033と同様に、送信部203が生成する送信信号のフレームフォーマット(フレーム構造、フレームタイプ、フレーム形式、フレームパターン、フレーム生成方法、フレーム定義)、もしくはフレームフォーマットを示す情報、もしくはフレームそのものを提供する。フレーム構成部2033の動作については後述する。なお、フレーム構成部2033の機能を、他の構成部(例えば、上位層処理部201)が備えていても構わないことは、言うまでもない。
無線送信部2035は、多重された信号を逆高速フーリエ変換(Inverse Fast Fourier Transform: IFFT)して、SC−FDMA方式の変調を行ない、SC−FDMAシンボルを生成し、生成されたSC−FDMAシンボルにCPを付加し、ベースバンドのディジタル信号を生成し、ベースバンドのディジタル信号をアナログ信号に変換し、余分な周波数成分を除去し、アップコンバートにより搬送周波数に変換し、電力増幅し、アンテナ206に出力して送信する。
本実施形態に係る信号検出部2043は、自装置宛ての送信信号の多重状態に関する情報と、自装置宛ての送信信号の再送状態に関する情報に基づいて、復調処理を行なうことが可能である。
図6は、本実施形態に係るフレーム構成部1033が生成する下りリンク信号のフレームフォーマット(第1のフレームフォーマット、第1のフレーム構造、第1のフレーム構成)の一例を示す概要図である。図6に示すように、第1フレームフォーマットは、制御信号リソース4000と、データ信号リソース4001と、共通参照信号(共通RS、セル固有RS)リソース4002と、固有参照信号(固有RS、復調用参照信号、復調用RS、端末固有参照信号)リソース4003と、のいずれか1つを少なくとも備える。
フレームを実現する信号波形(伝送方式)は何かに限定されるものではなく、OFDM伝送に代表されるマルチキャリア伝送方式でも良いし、SC−FDMA伝送に代表されるシングルキャリア伝送方式でも良い。例えば、OFDM伝送であれば、第1のフレームフォーマットは複数のOFDM信号で構成されることになる。
各リソースの時間長(時間周期)および帯域幅は何かに限定されるものではない。例えば、制御信号リソース4000は、時間長として3OFDMシンボル長を備え、帯域幅として、12サブキャリアを備えることができる。
第1のフレームフォーマットは、時間方向および周波数方向にアグリゲーションすることが可能である。図7は、本実施形態に係るフレーム構成部1033が生成する下りリンク信号のフレームフォーマットの一例を示す概要図である。図7の例では、サブフレーム5000が時間方向にN個アグリゲーションされることで1つのフレームが構成されている。サブフレーム5000は、図6に示す第1のフレームフォーマットの構成とすることができる。なお、図7の例によれば、該フレームが占有する周波数帯域幅はサブフレーム5000の周波数帯域幅と同じとなるが、該フレームは、サブフレーム5000を周波数方向にアグリゲーションすることが可能である。例えば、サブフレーム5000を周波数方向に8個配置する構成となれば、該フレームが占有する周波数帯域幅は、サブフレーム5000の周波数帯域幅の8倍となる。図7に示すように、複数のサブフレームからフレームが構成される場合、図6に示すフレームフォーマットを第1のサブフレームフォーマットと呼び、図7に示すフレームフォーマットを、第1のフレームフォーマットと呼ぶことともする。
なお、本実施形態において、複数のサブフレームを束ねて1つのフレームを形成することを、アグリゲーションと呼称しているが、フレーム構成部1033は、複数のサブフレームを時間方向および周波数方向に複数配置することで生成したフレームフォーマットを、最初から1つのフレームフォーマットと定義することが可能である。また、時間方向および/または周波数方向に束ねる数はパラメータとして設定されても良く、この場合、このパラメータは基地局装置から端末装置に指示される。
図6に戻り、制御信号リソース4000には、基地局装置1Aが送信する下りリンク信号に関する制御情報が含まれる。該制御情報は、例えば、基地局装置1AがPDCCHで送信する情報である。該制御情報には、基地局装置1Aに接続する全ての端末装置に報知される共通制御情報と、基地局装置1Aに接続する各端末装置に個別に通知される固有制御情報とを含む。
データ信号リソース4001には、基地局装置1Aが送信するデータ信号が含まれる。該データ信号は、例えば、基地局装置1AがPDSCHで送信する情報である。
共通RSリソース4002には、基地局装置1Aに接続される全ての端末装置に送信される共通参照信号(共通RS、セル固有参照信号)が配置される。共通RSは、端末装置2Aが、自装置の受信品質に関連付けられた情報(例えば、CSI)を推定するのに用いられる。また、共通RSは、端末装置2Aが制御信号リソース4000で送信される信号を復調するためにも用いられる。また、共通RSは、端末装置2Aが基地局装置1Aを検出するためにも用いられる。また、共通RSは、端末装置2Aが基地局装置1Aより送信される信号に対して同期処理(サンプリング同期、FFT同期)を行なうためにも用いられる。
固有RSリソース4003には、基地局装置1Aに接続される端末装置2にそれぞれ個別に送信される固有参照信号(固有RS、復調用参照信号)が配置される。固有RSは、基地局装置1Aが、データ信号リソース4001に配置する各端末装置宛てのデータ信号に関連付けられている。端末装置2Aは、データ信号リソース4001に配置された自装置宛てのデータ信号を復調するために、自装置宛てに送信された固有RSを用いることができる。
第1のフレームフォーマットは、図6に示すようにデータ信号リソース4001が共通RSリソース4002と固有RSリソース4003を備えることができる。また、フレーム構成部1033は、共通RSリソース4002および固有RSリソース4003を、時間方向および周波数方向に対して離散的に配置することができる。なお、フレーム構成部1033は、データ信号リソース4001に、更に制御信号リソース4000を備えても良い。フレーム構成部1033が、データ信号リソース4001に備える制御信号リソース4000は、例えば、EPDCCHが配置されるリソースであり、該リソースは、データ信号リソース4001において他の信号が配置されるリソースに対して、時間多重されても良いし、周波数多重されても良い。
フレーム構成部1033は、第1のフレームフォーマットに対して、更に同期信号リソース4004および報知信号リソース4007を備えることができる。同期信号リソース4004および報知信号リソース4007には、基地局装置1Aから送信される信号を受信可能な端末装置2に報知される同期信号および報知信号が配置される。同期信号は、端末装置2Aが、基地局装置1Aから送信される信号に対する初期同期を行なうための信号であり、例えばPSS(Primary Synchronization Signal、プライマリ同期信号)やSSS(Secondary Synchronization Signal、セカンダリ同期信号)である。報知信号は、端末装置2Aが、基地局装置1Aに関するシステム情報を取得するための信号であり、例えば基地局装置1AがPBCHで送信する情報を含む。フレーム構成部1033は、同期信号リソース4004および報知信号リソース4007を、必ずしも、すべてのサブフレームに対して配置する必要はない。
基地局装置1Aは、同期信号リソース4004および報知信号リソース4007を配置するリソース位置(もしくは配置する可能性のあるリソース候補)を、端末装置2Aに対して、通知(指示)することができる。また、基地局装置1Aと、端末装置2Aは、同期信号リソース4004および報知信号リソース4007を配置されるリソース位置(もしくは配置する可能性のあるリソース候補)を予め取り決めておくことができる。なお、ここでリソース位置を示す情報には、時間リソース(サブフレーム番号、OFDM信号番号、フレーム番号、スロット番号等)、周波数リソース(サブキャリア番号、リソースブロック番号、周波数バンド番号等)、空間リソース(送信アンテナ番号、アンテナポート番号、空間ストリーム番号等)、符号リソース(拡散符号系列、符号生成式、符号生成シード等)等を示す情報が含まれる。
なお、以下では、上記と同様に、「基地局装置1Aが端末装置2Aに情報を通知する」と記載した場合、特に断らない限り、基地局装置1Aと端末装置2Aとの間で該情報を予め共有している状態(もしくは予め取り決めておく状態)も含む。一般的に、基地局装置1Aが端末装置2Aに情報を通知することで、オーバーヘッドは増加するが、時々刻々と変化する無線伝搬環境に対応することができる。一方で、基地局装置1Aと端末装置2Aが予め情報を共有しておくと、時々刻々と変化する無線伝搬環境への対応が難しくなる場合もあるが、オーバーヘッドは低下する。
図8は、本実施形態に係るフレーム構成部1033が生成する下りリンク信号のフレームフォーマット(第2のフレームフォーマット、第2のフレーム構造)の一例を示す概要図である。図8に示すように、第2のフレームフォーマットは、制御信号リソース4000と、データ信号リソース4001と、共通RSリソース4002と、固有RSリソース4003と、のいずれか1つを少なくとも備える。例えば、本実施形態に係る第2のフレームフォーマットには、図8に示す例とは異なり、共通RSリソース4002を含まない構成が含まれることができる。
第2のフレームフォーマットは、共通RSリソース4002と、データ信号リソース4001が、時間的にシーケンシャルに配置される。また、第2のフレームフォーマットは、フレームの前半に共通RSリソース4002と、制御信号リソース4000が配置される。なお、図6に示す例では固有RSリソース4003も、フレームの前半に配置されるが、フレーム構成部1033は、データ信号リソース4001に、固有RSリソース4003を含めることができる。データ信号リソース4001が、固有RSリソース4003を含む場合、フレーム構成部1033は、該固有RSリソース4003を、時間方向および周波数方向に離散的にデータ信号リソース4001の範囲内に配置することができる。
なお、フレーム構成部1033は、データ信号リソース4001に、更に制御信号リソース4000を備えても良い。フレーム構成部1033が、データ信号リソース4001に備える制御信号リソース4000に配置される信号は、例えば、EPDCCHで送信される信号である。制御信号リソース4000は、データ信号リソース4001において他の信号が配置されるリソースに対して、時間多重されても良いし、周波数多重されても良い。
第2のフレームフォーマットに基づいて生成された送信信号を受信する端末装置2Aは、フレーム前半に配置された共通RSリソース4002に配置された共通RSを用いることで、該送信信号を送信した装置に対する初期同期処理を行なうことが可能である。すなわち、本実施形態に係るフレーム構成部1033は、第2のフレームフォーマットにおいては、共通RSリソース4002に同期信号リソース4004を含めることができる。フレーム構成部1033は、第2のフレームフォーマットにおいて、共通RSリソース4002を配置するリソースと同期信号リソース4004を配置するリソースを共通とすることができる。フレーム構成部1033は、共通RSリソース4002に配置される共通RSの一部を、同期信号とすることができる。
フレーム構成部1033は、第1のフレームフォーマットに対して同期信号リソース4004を配置するリソースと、第2のフレームフォーマットに対して同期信号を配置するリソースを、共通とすることもできるし、異なるリソースとすることもできる。基地局装置1Aは、第1のフレームフォーマットに配置される同期信号リソース4004で送信する同期信号と、第2のフレームフォーマットに配置される同期信号リソース4004で送信する同期信号とを、同じ信号とすることができるし、異なる信号とすることができる。ここで、同じ信号とは、該信号に含まれる情報、もしくは該信号に適用される無線パラメータの少なくとも一部が共通であることを含む。
フレーム構成部1033が第1のフレームフォーマットおよび第2のフレームフォーマットに対して、同期信号リソース4004(もしくは報知信号リソース4007)を配置するリソースが異なる場合、端末装置2Aの受信部204は、同期信号リソース4004が配置される可能性のある複数のリソースに対して同期処理を行なうことができる。そして、端末装置2Aの受信部204は、該複数のリソースに対する同期処理の結果に基づいて、自装置が受信している信号のフレームフォーマットを認識することができる。例えば、端末装置2Aの受信部204が、第2のフレームフォーマットにおいて同期信号リソース4004が配置される可能性のあるリソースに対して同期処理を行ない、その結果として同期がとれたと判断した場合、端末装置2Aの受信部204は、自装置が受信した信号のフレームフォーマットは第2のフレームフォーマットであると認識することができる。すなわち、端末装置2Aは、フレームフォーマットをブラインド検出することが可能であり、上記方法によれば、端末装置2Aは、同期処理によって、フレームフォーマットをブラインド検出することができる。
フレーム構成部1033は、第2のフレームフォーマットに、更に報知信号リソース4007を含めることができる。第1のフレームフォーマットと同様に、フレーム構成部1033は、全ての送信信号に報知信号リソース4007を含める必要はない。フレーム構成部1033が第2のフレームフォーマットに対して報知信号リソース4007を配置するリソースは、フレーム構成部1033が第1のフレームフォーマットに対して報知信号リソース4007を配置したリソースと同じとすることができるし、異なるリソースとすることもできる。
基地局装置1Aおよび端末装置2Aは、フレームフォーマットごとに、同期信号リソース4004および報知信号リソース4007が配置されるリソース(もしくは配置される可能性のあるリソース候補)を予め取り決めておくことができる。この場合、基地局装置1Aは、自装置が送信している信号のフレームフォーマットを端末装置2Aに通知することで、該リソースもしくは該リソース候補群を、端末装置2Aに通知することができる。
また、基地局装置1Aは、第1のフレームフォーマットに対して配置された報知信号リソース4007で送信する信号に含まれる情報と、第2のフレームフォーマットに対して配置された報知信号リソース4007で送信する信号に含まれる情報と、を共通とすることもできるし、それぞれ異なった情報とすることも可能である。また、基地局装置1Aは、第1のフレームフォーマットに対して配置された報知信号リソース4007で送信する信号の無線パラメータ(符号化率、変調方式、符号長、拡散率等)と、第2のフレームフォーマットに対して配置された報知信号リソース4007で送信する信号の無線パラメータと、を共通とすることもできるし、それぞれ異なった無線パラメータとすることも可能である。
基地局装置1Aは、フレーム構成部1033が第2のフレームフォーマットに対して報知信号リソース4007を配置するリソース(もしくは配置する可能性のあるリソース候補)を端末装置2Aに対して通知することができる。基地局装置1Aは、第1のフレームフォーマットに対して報知信号リソース4007を配置するリソースと、第2のフレームフォーマットに対して報知信号リソース4007を配置するリソースとを、それぞれ個別に端末装置2Aに通知することができる。
なお、基地局装置1Aが端末装置2Aに通知する各リソースに関する情報は、基地局装置1Aと端末装置2Aとの間で予め取り決めておくことが可能であることは言うまでもない。
基地局装置1Aに接続する端末装置2Aは、報知信号リソース4007で送信されている信号に含まれる情報を取得することで、自装置が受信している信号のフレームフォーマットを認識することができる。また、基地局装置1Aのフレーム構成部1033が、フレームフォーマットに応じて、報知信号リソース4007を配置するリソースを変更している場合、端末装置2Aの受信部204は、報知信号リソース4007が配置される可能性のあるリソースに対して、報知信号の復調処理を行なうことができる。端末装置2Aは、正しく復調できた報知信号が配置されていたリソースを示す情報に基づいて、自装置が受信した信号のフレームフォーマットを認識することができる。すなわち、端末装置2Aは、フレームフォーマットをブラインド検出することが可能であり、上記方法によれば、端末装置2Aは、報知信号の取得によって、フレームフォーマットをブラインド検出することができる。
フレーム構成部1033は、第1のフレームフォーマットと同様に、図8に示すフレームフォーマットを第2のサブフレームフォーマット(第2のサブフレーム)として、時間方向および周波数方向に、サブフレームをアグリゲーションすることで第2のフレームフォーマットを定義することができる。フレーム構成部1033は、サブフレームをアグリゲーションする際に、共通RSリソース4002と、制御信号リソース4000と、データ信号リソース4001と、固有RSリソース4003の全てを含んだフレームをアグリゲーションすることができるし、上記4つのリソースのうち、特定の組み合わせのリソースを含んだフレームをアグリゲーションすることができる。例えば、フレーム構成部1033は、フレームをアグリゲーションする際に、データ信号リソース4001だけを複数個アグリゲーションすることができる。
図9は、本実施形態に係るフレーム構成部1033が生成する下りリンク信号のフレームフォーマット(第2のフレームフォーマット)の一例を示す概要図である。図9において(a)がアグリゲーションを行なわない場合である。フレーム構成部1033は、図9(b)に示すように、データ信号リソース4001を時間方向にアグリゲーションすることができる。図9(b)の例によれば、基地局装置1Aは、端末装置2A宛てのデータサイズ(ペイロードサイズ)に応じて、柔軟にフレームフォーマットを変更することができる。
フレーム構成部1033は、図9(c)に示すように、データ信号リソース4001に加えて、固有RSリソース4003も時間方向にアグリゲーションすることができる。図9(c)によれば、基地局装置1Aは、各データ信号リソース4001に対して、違う端末装置2宛てのデータ信号を配置することができる。また、固有RSが時間方向に周期的に配置されるため、基地局装置1Aは、高速移動環境下にある端末装置2にも安定した無線通信を提供することができる。
フレーム構成部1033は、図9(d)に示すように、データ信号リソース4001を時間方向にアグリゲーションすることができるが、アグリゲーションするデータ信号リソース4001のフレーム長を、アグリゲーションしない場合のフレーム長(図9(a)に示すフレームのフレーム長)にそろえることができる。図9(d)によれば、近傍に位置する基地局装置同士が、異なるアグリゲーションサイズで、第2のフレームフォーマットに基づいて下りリンク信号を送信しても、基地局装置間でフレーム同期を容易に取ることができる。当然、図9(e)に示すように、データ信号リソース4001に加えて、固有RSリソース4003を時間方向にアグリゲーションする場合も、アグリゲーションするフレームのフレーム長を揃えることができる。
フレーム構成部1033は、図9(f)に示すように、更に共通RSリソース4002と、制御信号リソース4000も、時間方向にアグリゲーションすることができる。また、フレーム構成部1033は、図9(g)や図9(h)に示すように、基地局装置1Aの無送信区間(ヌル区間、NULL区間)をフレームフォーマット内に備えることができる。該無送信区間の長さは、データ信号リソース4001の長さと同じとされても良いし、データ信号リソース4001を構成する要素(例えば、OFDM信号長)の整数倍とされても良い。
フレーム構成部1033は、図9(i)に示すように、制御信号リソース4000、共通RSリソース4002および固有RSリソース4003をアグリゲーションすることもできる。フレーム構成部1033は、共通RSリソース4002をアグリゲーションすることで、送信部103は各共通RSリソースで送信する共通RSにそれぞれ異なるビームフォーミングを適用することができる。よって、例えば、端末装置2Aは、該複数の共通RSに関連付けられた受信品質を接続している基地局装置1Aに通知することが可能となる。
フレーム構成部1033は、図9(j)に示すように、制御信号リソース4000を備えない第2のフレームフォーマットを用いることができるし、制御信号リソース4000および共通RSリソース4002を備えない第2のフレームフォーマットを用いることもできる。
図9(j)に示すように、基地局装置1Aが制御信号リソース4000や共通RSリソース4002を含まない第2のフレームフォーマットに基づいて信号を送信している場合、基地局装置1Aは、他の周波数において、制御信号リソース4000や共通RSリソース4002を含む第2のフレームフォーマットを送信することができる。例えば、基地局装置1Aは、6GHz以上の高周波数帯で送信する信号には、制御信号リソース4000や共通RSリソース4002を含まない第2のフレームフォーマットに基づいて信号を送信する一方で、6GHz未満の低周波数帯で送信する信号には制御信号リソース4000や共通RSリソース4002を含む第2のフレームフォーマットに基づいて信号を送信することができる。この場合、基地局装置1Aは、6GHz未満の低周波数帯で送信する信号には、固有RSリソース4003やデータ信号リソース4001を含まない第2のフレームフォーマットに基づいて信号を送信することができる。
なお、フレーム構成部1033が、第2のフレームフォーマットに基づいて生成される信号を、時間方向および周波数方向にアグリゲーションする際、アグリゲーションされる各信号に含まれる各リソース(例えば、共通RSリソース4002やデータ信号リソース4001)のリソース数は、共通でも構わないし、それぞれ異なった値でも良い。ただし、基地局装置1Aから端末装置2Aへのシグナリング係るオーバーヘッドを抑圧する観点から、該リソース数は、アグリゲーションされる信号の信号長および周波数帯域幅に関連付けられていることが好適である。また、アグリゲーションされる複数のフレームのフレーム長や周波数帯域幅についても、共通でも構わないし、それぞれ異なった値でも構わない。ただし、基地局装置1Aから端末装置2Aへのシグナリング係るオーバーヘッドを抑圧する観点から、各フレーム間のフレーム長および周波数帯域幅の関係は、整数倍の関係であることが好適である。
図10は、本実施形態に係るフレームフォーマットの1構成例を示す概要図である。フレーム構成部1033は、図10に示すように、第2のフレームフォーマットに対して、RF切替期間4005と、上りリンク信号リソース4006を含めることができる。図10に示すフレームフォーマットは、時間分割複信(Time division duplex: TDD)を複信方式とする基地局装置1Aおよび端末装置2Aが用いることができる。RF切替期間4005は、該フレームフォーマットに基づいて基地局装置1Aが送信した信号を受信した端末装置が、自装置の受信動作を送信動作に切り替えるために用いる期間である。基地局装置1Aは、RF切替期間4005を無送信期間としても良いし、何かしらの信号(例えば、共通RS)を送信しても良い。なお、第2のフレームフォーマットに基づいて生成されたフレームを連続して送信するために、フレーム構成部1033は、上りリンク信号リソース4006の後半にも、RF切替期間4005を設けても良いし、連続して送信されるフレーム間に無送信区間を設定することもできる。なお、基地局装置1Aは、第2のフレームフォーマットを用いる場合、TDDを用いる場合には、RF切替期間4005と、上りリンク信号リソース4006を第2のフレームフォーマットに設定し、FDDを用いる場合には、RF切替期間4005と、上りリンク信号リソース4006を第2のフレームフォーマットに設定せずに、それぞれの第2のフレームフォーマットに基づいて、送信信号を生成できる。
図10に示すフレームフォーマットに基づいて基地局装置1Aが送信した送信信号を受信した端末装置2Aは、データ信号リソース4001に配置された自装置宛てのデータ信号に関する受信可否を示す情報(ACKもしくはNACK)を、上りリンク信号リソース4006に配置して、基地局装置1Aに対して送信することができる。よって、基地局装置1Aは、端末装置2A宛てのデータ信号が正しく受信されたか否かを、すぐに把握することが可能となるから、下りリンク信号の送信に係る遅延時間を短縮することが可能となる。
フレーム構成部1033は、第1のフレームフォーマットおよび第2のフレームフォーマットを含む複数のフレームフォーマットを定義することができる。また、フレーム構成部1033は、第1のフレームフォーマットおよび第2のフレームフォーマットの無線パラメータを変更することで、複数のフレームフォーマットを定義することができる。ここで、無線パラメータには、周波数帯域幅、中心周波数、周波数バンド、サブキャリア間隔、サブキャリア数、シンボル長、FFT/IFFTサンプリング周期、GI長、CP長、フレーム長、サブフレーム長、スロット長、TTI、FFTポイント数、適用される誤り訂正符号の種類(例えば、第1のフレームフォーマットにはターボ符号が適用され、第2のフレームフォーマットには低密度パリティ検査符号が適用される等)等の一部または全部が含まれる。また、同じフレームフォーマットで異なる無線パラメータが設定された場合、各々はタイプ(モード)が異なるとも呼ぶ。例えば、第1のフレームフォーマットに対して値の異なる無線パラメータ1と無線パラメータ2が設定された場合、各々を第1のフレームフォーマットタイプ1、第1のフレームフォーマットタイプ2と呼ぶことができる。また、基地局装置は、無線パラメータに含まれる各々の値が予め設定された無線パラメータセットを持つことができる。無線パラメータセットは1または複数設定することができ、フレーム構成部1033は、無線パラメータセットを変更することで、異なるフレームフォーマット/フレームフォーマットタイプを設定することができる。また各無線パラメータセットが複数ある場合、各無線パラメータセットは簡単なルールで設定されることができる。例えば、無線パラメータセットが3つある場合、無線パラメータセット2のサブキャリア間隔は無線パラメータセット1のサブキャリア間隔はX(Xは2以上の整数)倍で、無線パラメータセット3のサブキャリア間隔は無線パラメータセット2のサブキャリア間隔はY(Yは2以上の整数)倍とすることができる。なお各無線パラメータセットに含まれる一部のパラメータは共通の値となっても良い。また無線パラメータセットは、基地局装置から端末装置に送信(指示)される。このとき端末装置は、基地局装置から受信した無線パラメータセットによって、フレームフォーマット/フレームタイプを知ることができる。なお、以降では、特に断りがない限り、フレームフォーマットと言った場合でもフレームフォーマットタイプのことも含まれるものとする。また、上記無線パラメータセットに対応しているか否かは端末の能力とすることができる。
本実施形態に係る基地局装置1Aは、複数のフレームフォーマットを選択的に、もしくは同時に用いることができる。また、基地局装置1Aは、第1のフレームフォーマットおよび第2のフレームフォーマットに対して、それぞれ異なる無線パラメータを選択的に、もしくは一部を共通に設定することができる。基地局装置1Aは、自装置が送信信号に用いているフレームフォーマットを示す情報を端末装置2Aに通知することができる。ここで、フレームフォーマットを示す情報には、基地局装置1Aが複数個予め定義するフレームフォーマットのいずれかを示す情報(数値、指標、インジケータ)や、フレームフォーマットが含むリソース類を示す情報(例えば、制御信号リソース4000、データ信号リソース4001、共通RSリソース4002、固有RSリソース4003のいずれを含むか、もしくはいずれを含まないかを示す情報)や、各リソース類が配置されるリソースおよび配置される可能性のあるリソース候補を示す情報等を含む。基地局装置1Aは、該フレームフォーマットを示す情報の少なくとも一部を、端末装置2Aに対して、PHY層のシグナリングで通知することができるし、RRCシグナリング等の上位層のシグナリングで通知することができる。
基地局装置1Aは、自装置が通信サービスを提供するユースケース(もしくはユースシナリオ)に応じて、フレームフォーマットを切り替えて用いることができる。また、基地局装置1Aは、自装置が通信サービスを提供するユースシナリオに応じて、フレームフォーマットの無線パラメータを変更して用いることができる。
本実施形態に係る基地局装置1Aは、複数のユースシナリオを満足するために、複数のフレームフォーマットの組み合わせ(セット、集合)、もしくはフレームフォーマットに設定される複数の無線パラメータセットの組み合わせ(セット、集合)を備えることができる。基地局装置1Aは、予め準備したフレームフォーマットセット(もしくは無線パラメータセットの組み合わせ)より、自装置が通信サービスを提供するユースケースに応じて、フレームフォーマットを選択し、自装置が送信する送信信号を生成することができる。基地局装置1Aが備えるフレームフォーマット集合は、他の基地局装置が備えるフレームフォーマット集合と共通でも良いし、異なっていても良い。また、基地局装置1Aは、自装置に接続している端末装置2Aに対して、自装置が備えるフレームフォーマット集合を通知することができる。
本実施形態に係る基地局装置1Aは、複数のユースシナリオを満足するために、複数の送信モードを切り替えて選択することができる。ここで送信モードとは、基地局装置1Aの送信部103が、送信信号を生成する際に用いることができる無線パラメータ、多重方式、スケジューリング方法、プリコーディング方法等の組み合わせで定義されるものである。複数の送信モードには、それぞれフレームフォーマットが割り当てられることができる。なお、複数の送信モードに割り当てられるフレームフォーマット/無線パラメータは、全て異なっていても良いし、一部が共通でも良い。この場合、基地局装置1Aは、送信モードを選択することにより、複数のフレームフォーマット/無線パラメータを選択的に用いることが可能となる。
基地局装置1Aは、3つのユースシナリオをとして、EMBB(Enhanced mobile broadband)、EMTC(Enhanced Massive machine type communication)、およびURLLC(Ultra-reliable and low latency communication)のそれぞれに対して、複数のフレームフォーマットを選択的もしくは同時に用いることができる。また、基地局装置1Aは、EMBB、EMTC、およびURLLCのそれぞれに対して、無線パラメータの異なる第2のフレームフォーマットを用いることができる。フレーム構成部1033は、基地局装置1Aが通信サービスを提供するユースシナリオに応じて、フレームフォーマットの選択および、フレームフォーマットに設定される無線パラメータを決定することが可能である。
例えば、基地局装置1Aは、EMBBに関する下りリンク信号については、第1のフレームフォーマットに基づいてフレームを生成し、MMTCおよびURLLCに関する下りリンク信号については、第2のフレームフォーマットに基づいてフレームを生成することができる。この方法では、基地局装置1Aは、自装置が通信サービスを提供するユースケース(もしくはユースシナリオ)に応じてフレームフォーマットを切り替えているが、本実施形態に係る方法は、必ずしもユースケース毎にフレームフォーマットが定義されることに限定されるものではない。
基地局装置1Aは、自装置が下りリンク信号を送信する無線媒体に基づいて、複数のフレームフォーマット/無線パラメータを選択的に、もしくは同時に用いることができる。ここで、無線媒体とは、時間リソースや、周波数リソース等の無線リソースを含むことができる。また、無線媒体とは、基地局装置1Aが下りリンク信号を送信する周波数バンドに適用される複信方式によって区別される無線リソースを含むことができる。
また、無線媒体とは、基地局装置1Aが、通信サービスを提供するユースケース(もしくはユースシナリオ)に応じて、区別される無線リソースを含むことができる。基地局装置1Aは、通信サービスを提供するユースケース(もしくはユースシナリオ)に応じて、使用する無線媒体を選択することができる。基地局装置1Aは、各ユースケース(もしくはユースシナリオ)に通信サービスを提供する際に使用する無線媒体を予め、決定しておくことができる。よって、無線媒体とユースケースはお互いに関連付けられており、基地局装置1Aは、使用する無線媒体が、どのユースケース(もしくはユースシナリオ)に関連付けられているかに基づいて、複数のフレームフォーマット/無線パラメータを選択的に、もしくは同時に用いることができる。
基地局装置1Aは、自装置が下りリンク信号を送信する無線媒体に基づいて、選択的に、もしくは同時に用いている複数のフレームフォーマット/無線パラメータを示す情報を、端末装置2Aに対してPHY層/MAC層もしくはRRCシグナリング等の上位層のシグナリングによって通知することができる。なお、基地局装置1Aは、上記複数のフレームフォーマット/無線パラメータを示す情報の全てを端末装置2Aに通知する必要はなく、例えば、基地局装置1Aは、上記複数のフレームフォーマット/無線パラメータの候補を端末装置2Aに対して通知することができる。端末装置2Aは、基地局装置1Aが、無線媒体に基づいて、選択的に、もしくは同時に用いている複数のフレームフォーマット/無線パラメータを示す情報を、基地局装置1Aより前述の方法によりシグナリングされることもできるし、一部の情報をブラインド検出することもできる。なお、端末装置2Aは、自装置が受信可能な上記複数のフレームフォーマット/無線パラメータに関する情報を、基地局装置1Aに通知することができる。
基地局装置1Aは、下りリンク信号を送信する周波数(周波数バンド、チャネル)に応じて、複数のフレームフォーマット/無線パラメータを選択的に、もしくは同時に用いることができる。例えば、基地局装置1Aは、下りリンク信号を送信可能な周波数を、複数のグループに棲み分けることができる。例えば、基地局装置1Aは、6GHz未満の周波数(Below 6GHz)を周波数バンド1とし、6GHz以上の周波数(Above 6GHz)を周波数バンド2とし、周波数バンド1で下りリンク信号を送信する場合と、周波数バンド2で下りリンク信号を送信する場合とで、フレームフォーマットを切り替えて用いることができる。また、基地局装置1Aは、2GHz未満の周波数を周波数バンド1とし、2GHz以上6GHz未満の周波数を周波数バンド2とし、6GHz以上の周波数を周波数バンド3とし、各周波数バンドで下りリンク信号を送信する場合、各周波数バンドで定義されたフレームフォーマットに基づいて送信信号を生成することができる。
基地局装置1Aは、異なるフレームフォーマット/無線パラメータに基づいて生成された信号を同時に送信することができる。図11は、本実施形態に係る基地局装置1Aが送信する下りリンク信号の一構成例を示す概要図である。図11の例によれば、基地局装置1Aは、周波数に応じて、異なるフレームフォーマットを用いている。基地局装置1Aは、1つのOFDM信号に、複数の異なるフレームフォーマットを混在させることができる。例えば、1つのOFDM信号を構成する複数のサブキャリアを複数のサブキャリアグループに分割し、各サブキャリアグループに配置される送信信号は、それぞれ異なるフレームフォーマットに基づいて生成される。なお、図11の例によれば、第2のフレームフォーマットは、RF切替期間4005と、上りリンク信号リソース4006を備えている。そのため、基地局装置1Aは、第1のフレームフォーマットに基づいた信号と、第2のフレームフォーマットに基づいた信号を、それぞれ異なるOFDM信号で生成し、該異なるOFDM信号を周波数多重して同時に送信することができる。
なお、図11の例によれば、第1のフレームフォーマットに基づいて生成されるサブキャリアグループと、第2のフレームフォーマットに基づいて生成されるサブキャリアグループと、は隣接しているが、フレーム構成部1033は、各サブキャリアグループ間にガードバンド(ヌルサブキャリア、無送信周波数)を配置することもできる。また、図11の例によれば、第1のフレームフォーマットに基づいて生成されるサブキャリアグループと、第2のフレームフォーマットに基づいて生成されるサブキャリアグループと、のそれぞれで送信される信号のフレーム長は同じものとしているが、それぞれの信号のフレーム長は異なっていても良い。ただし、無線ネットワーク内の同期の観点から、各サブキャリアグループで送信される信号のフレーム長の関係は、整数倍の関係となっていることが好適である。
また、基地局装置1Aの送信部103は、サブキャリア毎、もしくは複数のサブキャリアで構成されたサブキャリアグループ毎にフィルタを適用するフィルタードOFDM信号を生成することができる。フィルタードOFDMは、例えば、Filter bank multicarrierであったり、Filtered OFDMであったりすることができる。フィルタ―ドOFDMでは、サブキャリア間(もしくはサブキャリアグループ間)の干渉が大幅に抑圧される。基地局装置1Aは、自装置が生成する複数のサブキャリアグループに、それぞれ異なるフレームフォーマットを割り当てることができる。例えば、基地局装置1Aの送信部103は、第1のフレームフォーマットに基づいて第1のサブキャリアグループを生成し、第2のフレームフォーマットに基づいて第2のサブキャリアグループを生成し、第1のサブキャリアグループと、第2のサブキャリアグループを含むFiltered OFDM信号を生成することができる。
基地局装置1Aは、複信方式毎にフレームフォーマットを定義することができる。例えば、基地局装置1Aは、FDDの場合と、TDDの場合とで、それぞれ異なるフレームフォーマットを定義することができる。基地局装置1Aは、FDDの場合は、第1のフレームフォーマットに基づいて、送信信号を生成する一方で、TDDの場合は、第2のフレームフォーマットに基づいて、送信信号を生成することができる。
また、基地局装置1Aは、1つの複信方式の中で、複数のフレームフォーマットを選択的に用いることができる。例えば、基地局装置1Aは、FDDを複信方式と用いる場合において、第1のフレームフォーマットと第2のフレームフォーマットと、を選択的に、もしくは同時に用いることができる。また、基地局装置1Aは、1つの複信方式の中で、第1のフレームフォーマット(もしくは第2のフレームフォーマット)に対し、複数の無線パラメータを選択的に、もしくは同時に用いることができる。
また、基地局装置1Aは、FDDとTDDが混在する複信方式を用いることが可能であり、基地局装置1Aは、FDDとTDDが混在する複信方式に対して、フレームフォーマットを定義することができる。また、基地局装置1Aは、FDDとTDDが混在する複信方式において、複数のフレームフォーマット、もしくは無線パラメータを選択的に、もしくは同時に用いることができる。FDDとTDDが混在する複信方式として、基地局装置1Aは、周波数バンドでFDDとTDDを時間的に切り替える複信方式を用いることができる。FDDとTDDが混在する複信方式として、基地局装置1Aは、上りリンク送信と下りリンク送信を同時に行なうFull duplex(またはSimultaneous transmission and reception(STR))を用いることができる。STRにおいて基地局装置1Aおよび端末装置2Aは、それぞれ異なるフレームフォーマットに基づいて生成された送信信号を同時に送信することができる。
基地局装置1Aは、第1のフレームフォーマットと第2のフレームフォーマットに設定する無線パラメータについて、各フレームフォーマットに基づいて生成する送信信号を送信する周波数バンドが、無線事業者がサービスを提供する国や地域から使用許可(免許)が得られた、いわゆるライセンスバンド(licensed band)と呼ばれる周波数バンドである場合と、国や地域からの使用許可を必要としない、いわゆるアンライセンスバンド(unlicensed band)と呼ばれる周波数バンドである場合とで、異なる無線パラメータを設定
することができる。
基地局装置1Aは、第1のフレームフォーマットと第2のフレームフォーマットに設定する無線パラメータについて、各フレームフォーマットに基づいて生成する送信信号を送信する周波数バンドがアンライセンスバンドであった場合、該アンライセンスバンドの周波数帯に応じて、設定する無線パラメータを変更できる。例えば、基地局装置1Aは、送信信号を送信するアンライセンスバンドが5GHz帯である場合と、60GHz帯である場合とで、無線パラメータを変更することができる。
基地局装置1Aは、5GHz帯のアンライセンスバンドで用いられているフレームフォーマットの占有周波数帯域幅を整数倍に拡張することで得られるフレームフォーマットを60GHz帯のアンライセンスバンドに用いることができる。また、基地局装置1Aは、6GHz以上のライセンスバンドに用いられているフレームフォーマットで生成される送信信号を周波数方向に複数個束ねて、60GHz帯のアンライセンスバンドに用いることができる。基地局装置1Aは、自装置のみ、および他の基地局装置と連携して、6GHz以上のライセンスバンドに用いられているフレームフォーマットに基づいて生成したコンポーネントキャリアをCA(Carrier Aggregation: キャリアアグリゲーション)およびDC(Dual Connectivity: デュアルコネクティビティ)によって、複数個同時に、端末装置2Aに対して、60GHz帯のアンライセンスバンドに配置して送信することができる。
基地局装置1Aは、60GHz帯のアンライセンスバンドにおいて、IEEE802.11adで定義されているチャネルの帯域幅(例えば、2GHzや2.16GHz)と同じ帯域幅、もしくは該帯域幅の整数倍の帯域幅のフレームフォーマットを用いることができる。また、基地局装置1Aは、周波数帯域幅の整数倍(等倍を含む)が、IEEE802.11adで定義されているチャネルの帯域幅に一致するフレームフォーマットを、60GHz帯のアンライセンスバンドや、6GHz以上のライセンスバンドに用いることができる。
基地局装置1Aは、第1のフレームフォーマットと第2のフレームフォーマットに設定する無線パラメータについて、各フレームフォーマットに基づいて生成する送信信号を送信する周波数バンドが、1つの無線事業者が占有して使用することができる占有周波数バンドである場合と、複数の無線事業者が共有して使用する共有周波数バンド(Shared band)である場合とで、異なる無線パラメータを設定することができる。
基地局装置1Aは、異なるフレームフォーマットに基づいて生成される送信信号を、周波数方向に複数配置することができる。基地局装置1Aは、異なるフレームフォーマットに基づいて生成される送信信号を、周波数方向に複数配置する場合、複数のコンポーネントキャリア(CC)をアグリゲーションして送信するキャリアアグリゲーション(CA)で該複数の送信信号を同時に送信することができる。なお、該キャリアアグリゲーションで送信される複数のCCは、異なる複数の基地局装置より送信されることができる。またキャリアアグリゲーションでは、1つのプライマリセル(PCell: Primary Cell)および1または複数のセカンダリセル(SCell: Secondary Cell)がサービングセルの集合として設定される。
基地局装置1Aは、CAで送信される複数のCCに対して、それぞれ異なるフレームフォーマット/無線パラメータを用いることができる。例えば、基地局装置1Aは、2CCのCA送信を行なう場合、第1のCCには、第1のフレームフォーマットを適用し、第2のCCには、第2のフレームフォーマットを適用することができる。また、基地局装置1Aは、各CCで送信する送信信号を、異なる無線パラメータが設定された第2のフレームフォーマットに基づいて生成することができる。つまり、基地局装置1Aはセル毎にフレームフォーマット/無線パラメータを設定することができる。例えば、基地局装置1Aは、PCell/SCellでは第1のフレームフォーマットで通信し、SCellでは第2のフレームフォーマットで通信することができる。また基地局装置1Aは、PCellとSCellで第2のフレームフォーマットで通信するが、設定される無線パラメータはセル毎に異なるようにすることができる。
基地局装置1Aは、プライマリセルとなるCCに含まれる制御信号リソース4000に配置される制御情報に、セカンダリセルとなるCCに設定されるフレームフォーマットを示す情報を含めることができる。
基地局装置1Aは、異なるフレームフォーマットに基づいて生成される送信信号を、周波数方向に複数配置する場合、他の基地局装置と連携して、複数の送信ポイントから、同時に信号を送信するDual connectivity(DC)で送信することができる。DCでは、サービングセルのグループとして、マスターセルグループ(MCG: Master Cell Group)とセカンダリセルグループ(SCG: Secondary Cell Group)が設定される。MCGはPCellとオプションで1または複数のSCellから構成される。またSCGはプライマリSCell(PSCell)とオプションで1または複数のSCellから構成される。例えば、基地局装置1Aと基地局装置1BがDCにより、端末装置2Aに下りリンク信号を送信する場合、基地局装置1Aと基地局装置1Bは、それぞれ異なるフレームフォーマット/無線パラメータに基づいて、送信信号を生成し、送信することができる。また、基地局装置1Aと基地局装置1BがDCにより、端末装置2Aに下りリンク信号を送信する場合、基地局装置1Aと基地局装置1Bは、それぞれ異なる無線パラメータが設定された第2のフレームフォーマットに基づいて、送信信号を生成し、送信することができる。言い換えると、基地局装置1Aはセル毎にフレームフォーマット/無線パラメータを設定することができる。例えば、PCellとPSCellで異なるフレームフォーマットが設定されるし、PCell/PSCellとSCellで異なるフレームフォーマットが設定される。また基地局装置1A/1Bは、PCellとPSCellで異なる無線パラメータが設定された第2のフレームフォーマットを設定することができる。
基地局装置1Aは、周波数方向に複数配置された下りリンク信号について、それぞれに設定されているフレームフォーマット/無線パラメータに関する情報を、端末装置2Aに通知することができる。CAまたはDCの場合、基地局装置1Aは、セル毎に設定されているフレームフォーマット/無線パラメータに関する情報を、端末装置2Aに送信することができる。
基地局装置1Aは、異なるフレームフォーマット/無線パラメータに基づいて生成される送信信号を、空間方向に複数配置することができる。例えば、基地局装置1Aは、マルチユーザ多重入力多重出力伝送(MU-MIMO)により、端末装置2Aと端末装置2Bに対して、同時に下りリンク信号を送信する場合、端末装置2A宛ての送信信号と、端末装置2B宛ての送信信号について、それぞれ異なるフレームフォーマットに基づいて生成し、該2つの送信信号を空間多重して送信することができる。すなわち、本実施形態に係る基地局装置1Aが送信する送信信号は、空間方向には異なるフレームフォーマットに基づいて生成された送信信号が空間多重されていることができる。
基地局装置1Aが、異なるフレームフォーマットに基づいて生成した送信信号を空間方向に多重する場合、基地局装置1Aは、各フレームフォーマットに関し、固有RSリソース4003が配置されるリソースの少なくとも一部を共通とすることができる。
また、端末装置2Aがユーザ間干渉または隣接セル干渉を除去または抑圧する機能を備えている場合、基地局装置1Aはユーザ間干渉または隣接セル干渉を除去または抑圧するためのアシスト情報を送信することができる。アシスト情報(隣接セル情報)は、物理セルID、CRSポート数、PAリスト、PB、MBSFN(Multimedia Broadcast multicast service Single Frequency Network)サブフレーム設定、送信モードリスト、リソース割り当て粒度、TDDのUL/DLサブフレーム構成、ZP/NZP CSI−RS構成、QCL(quasi co-location)情報、フレームフォーマット、無線パラメータの一部または全部を含む。なお、PAは、CRSが配置されていないOFDMシンボルにおけるPDSCHとCRSの電力比(電力オフセット)である。PBは、CRSが配置されているOFDMシンボルにおけるPDSCHとCRSが配置されていないOFDMシンボルにおけるPDSCHの電力比(電力オフセット)を表す。QCL情報は、所定のアンテナポート、所定の信号、または所定のチャネルに対するQCLに関する情報である。2つのアンテナポートにおいて、一方のアンテナポート上のシンボルが搬送されるチャネルの長区間特性が、もう一方のアンテナポート上のシンボルが搬送されるチャネルから推測できる場合、それらのアンテナポートはQCLであると呼称される。長区間特性は、遅延スプレッド、ドップラースプレッド、ドップラーシフト、平均利得および/または平均遅延を含む。すなわち、2つのアンテナポートがQCLである場合、端末装置はそれらのアンテナポートにおける長区間特性が同じであると見なすことができる。なお、上記アシスト情報に含まれるパラメータの各々は、1つの値(候補)が設定されても良いし、複数の値(候補)が設定されても良い。複数の値が設定される場合は、端末装置は、そのパラメータについては、干渉となる基地局装置が設定する可能性のある値が示されていると解釈し、複数の値から干渉信号に設定されているパラメータを検出(特定)する。また、上記アシスト情報は、他の基地局装置/ビームの情報を示す場合もあるし、自らの基地局装置/ビームの情報を示す場合もある。また上記アシスト情報は、様々な測定を行なうときに用いられても良い。測定は、RRM(Radio Resource Management)測定、RLM(Radio Link Monitoring)測定、CSI(Channel State Information)測定を含む。
本実施形態に係る基地局装置1のアンテナ105が形成するアンテナ指向性パターンは、フレーム構成部1033が設定するフレーム構成に基づいて、決定されることができる。アンテナ105が複数のアンテナ指向性パターンを形成することが可能である場合、アンテナ105は、フレーム構成部1033が設定可能な複数のフレーム構成のそれぞれに対して、該複数のアンテナ指向性パターンを関連付けることができる。例えば、フレーム構成部1033が、サブキャリア間隔の異なる2つのフレーム構成(第1のフレーム構成と、第2のフレーム構成)が設定可能であった場合、アンテナ105は、フレーム構成部1033が第1のフレーム構成を設定した場合に、設定可能なアンテナ指向性パターンと、フレーム構成部1033が第2のフレーム構成を設定した場合に、設定可能なアンテナ指向性パターンをそれぞれ設定することができる。この場合、フレーム構成部1033が設定したフレーム構成に基づいて、アンテナ105は、選択可能なアンテナ指向性パターンを決定することができる。アンテナ105が、フレーム構成毎に設定するアンテナ指向性パターンは、単一でも良いし、複数であっても良い。また、アンテナ105が、フレーム構成毎に設定されるアンテナ指向性パターンは、フレーム構成毎に、それぞれ排他的に設定されても良いし(フレーム構成毎にアンテナ105が設定可能なアンテナ指向性パターンが異なる)、一部が共通(フレーム構成毎にアンテナ105が設定可能なアンテナ指向性パターンの一部が共通)でも良い。
このように制御されることで、本実施形態に係る基地局装置1は、フレーム構成毎に、アンテナ指向性パターンを設定(定義、選択)することが可能となるから、フレーム構成部1033が複数のフレーム構成を設定する場合においても、フレーム構成毎に適切なアンテナ指向性パターンを設定することができる。例えば、フレーム構成部1033が、搬送波周波数に基づいてフレーム構成を決定する場合において、該フレーム構成が使用される搬送波周波数に適したアンテナ指向性パターンを本実施形態に係る基地局装置1は選択することが可能となる。
本実施形態に係る基地局装置1のビーム走査部1061は、フレーム構成部1033が設定したフレーム構成に基づいて、アンテナ105のアンテナ指向性パターンに関するビーム走査を行なうことができる。ビーム走査部1061は、フレーム構成毎にビーム走査を行なうことができる。例えば、ビーム走査部1061は、フレーム構成毎に、それぞれ異なる無線リソースにおいて、それぞれ異なるアンテナ指向性パターンによって信号(例えば、参照信号)を送信することができる。端末装置2は、受信した信号の受信品質を示す情報を、該フレーム構成毎に測定し、基地局装置1に通知することができる。基地局装置1は、端末装置2より通知される受信品質を示す情報を、該フレーム構成毎に取得することによって、フレーム構成毎に適切なアンテナ指向性パターンを把握することができる。
端末装置2が、基地局装置1に測定した受信品質に関する情報を送信する方法は、何かに限定されるものではない。端末装置2は、基地局装置1のビーム走査部1061が、ビーム走査を行なっている搬送波周波数において、該受信品質に関する情報を送信しても良いし、該搬送波周波数とは異なる搬送波周波数において、該受信品質に関する情報を送信しても良い。また、端末装置2は、所定のフレーム構成を備える信号に基づいて測定した基地局装置1のアンテナ指向性パターンに関する情報(例えば、前述したようなアンテナ指向性パターン毎の受信品質に関する情報)を、該所定のフレーム構成以外のフレーム構成を備える信号を用いて、基地局装置1に通知することができる。
本実施形態に係る基地局装置1のビーム走査部1061は、フレーム構成部1033が設定したフレーム構成が所定のフレーム構成であった場合、アンテナ105のアンテナ指向性パターンに関するビーム走査を行なうことができる。基地局装置1は、例えば、フレーム構成部1033が、サブキャリア間隔の異なる2つのフレーム構成(第1のフレーム構成と、第2のフレーム構成)が設定可能であった場合、ビーム走査部1061は、フレーム構成部1033が第1のフレーム構成を設定した場合のみ、アンテナ105のアンテナ指向性パターンに関するビーム走査を行なうことができる。
本実施形態に係る端末装置2は、基地局装置1より送信された信号が備えるフレーム構成を、フレーム解釈部2044が所定のフレーム構成と解釈した場合に、基地局装置1のビーム走査部1061のビーム走査に関連付けられた動作を行なう。例えば、端末装置2は、基地局装置1より送信された信号が備えるフレーム構成を、フレーム解釈部2044が所定のフレーム構成と解釈した場合に、受信部204は、基地局装置1より、それぞれ異なる無線リソースで送信された信号の受信品質を測定することができる。このとき、基地局装置1は、異なる無線リソースで送信する信号を、それぞれ異なるアンテナ指向性パターンを用いて送信することができる。また、基地局装置1と端末装置2は、基地局装置1が異なるアンテナ指向性パターンで送信する信号を配置する無線リソースを予め共有することができるし、基地局装置1が、該無線リソースを示す情報を、端末装置2にシグナリングすることもできる。よって、端末装置2は、該異なる無線リソースの受信品質を測定し、該受信品質に関する情報(受信品質の値、最も受信品質の良い無線リソースを示す情報、最も受信品質の悪い無線リソースを示す情報等)を基地局装置1に通知することができる。つまり、本実施形態に係る端末装置2のアンテナ206は、基地局装置1より送信された信号が備えるフレーム構成が、所定のフレーム構成であった場合、基地局装置1より送信された複数のビームを検出する動作を行なうことができる。
ビーム走査部1061がビーム走査を行なう所定のフレーム構成は何かに限定されるものではない。例えば、ビーム走査部1061は、フレーム構成部1033が設定したフレーム構成のサブキャリア間隔が、所定の間隔以上または最大の間隔であった場合、アンテナ105のアンテナ指向性パタ−ンに関するビーム走査を行なうことができる。例えば、ビーム走査部1061は、フレーム構成部1033が設定したフレーム構成に所定のリソース割り当てがあった場合(例えば、共通RSリソースの割り当てがされている場合、固有RSリソースの割り当てがされている場合、複数の共通もしくは固有RSリソースの割り当てがされている場合)に、アンテナ105のアンテナ指向性パターンに関するビーム走査を行なうことができる。なお、所定のフレーム構成は、一つのフレーム構成であっても良いし、複数のフレーム構成であっても良い。
ビーム走査部1061は、ハイブリッドビームフォーミングに関するビーム走査を行なう場合、フレーム構成に基づいて、アナログビームフォーミングを行なうか、ディジタルビームフォーミングを行なうか、もしくはその両方を行なうか、を選択することができる。例えば、ビーム走査部1061は、所定のフレーム構成においては、アナログビームフォーミングのみを行ない、該所定のフレーム構成以外においては、ディジタルビームフォーミングのみを行なうことができる。同様に、ビーム走査部1061は、所定のフレーム構成においては、ディジタルビームフォーミングとアナログビームフォーミングの両方を行ない、該所定のフレーム構成以外においては、ディジタルビームフォーミングのみを行なうことができる。ここで所定のフレーム構成は、何かに限定されるものではないが、例えば、該所定のフレーム構成は、他のフレーム構成よりもサブキャリア間隔の広いフレーム構成とすることができる。
基地局装置1は、ビーム走査部1061がビーム走査を行なう所定のフレーム構成を示す情報を、端末装置2に通知することができる。基地局装置1は、該所定のフレーム構成を示す情報を、PDCCH等の物理層の制御情報として端末装置2に通知することができる。基地局装置1は、該所定のフレーム構成を示す情報を、該所定のフレーム構成を備えるフレームを用いて、端末装置2に通知することができる。基地局装置1は、該所定のフレーム構成を示す情報を、RRCシグナリング等の上位レイヤのシグナリングによって、端末装置2に通知することができる。
端末装置2は、基地局装置1よりビーム走査を行なう所定のフレーム構成を示す情報を受信することで、端末装置2のフレーム解釈部2044が、基地局装置1より送信された信号が備えるフレーム構成が、該情報が示す該所定のフレーム構成であった場合においてのみ、アンテナ206が、ビーム検出を行なうことができる。
ビーム走査部1061は、アンテナ105のアンテナ指向性パターンに関するビーム走査を、所定の時間区間内に行なうことができる。該所定の時間区間の単位は、ミリ秒などの絶対時間で定義されることができるし、フレーム構成部1033が設定するフレーム構成のフレーム単位(サブフレーム単位、シンボル単位)とすることができる。なお、所定の時間区間は測定制限(Measurement Restriction)として基地局装置1が設定しても良い。本実施形態に係るビーム走査部1061が、ビーム走査を行なう該所定の時間区間の長さは、フレーム構成部1033が設定する複数のフレーム構成で共通でも良いし、それぞれ異なる長さであっても良い。
ビーム走査部1061は、該所定の時間区間内において、複数のアンテナ指向性パターンに関するビーム走査を行なうことができる。ビーム走査の方法は何かに限定されるものではないが、例えば、基地局装置1のアンテナ105は、該所定の時間区間内において、異なる無線リソースにおいて、異なるアンテナ指向性パターンを形成して、信号(例えば、参照信号)を端末装置2に送信することができる。例えば、基地局装置1のアンテナ105は、該所定の時間区間内において、端末装置2より送信される複数の信号(例えば、参照信号)をそれぞれ異なるアンテナ指向性パターンで受信し、その受信品質を測定することができる。
本実施形態に係るビーム走査部1061が該所定の時間区間内においてビーム走査を行なうアンテナ指向性パターンの数(上記例においては、アンテナ105が該所定の時間区間内で信号を送信する無線リソースの数、もしくはアンテナ105が受信する端末装置2より送信された信号の数)は、フレーム構成部1033が設定するフレーム構成に基づいて決定されることができる。例えば、本実施形態に係るビーム走査部1061が該所定の時間区間内においてビーム走査できるアンテナ指向性パターンの数は、フレーム構成部1033が設定するフレーム構成毎に異なる値とされることができる。
例えば、フレーム構成部1033が、サブキャリア間隔の異なる2つのフレーム構成(第1のフレーム構成と、第2のフレーム構成)が設定可能であり、第1のフレーム構成のサブキャリア間隔が、第2のフレーム構成のサブキャリア間隔より長い場合、ビーム走査部1061が該第1のフレーム構成において、該所定の時間区間内にビーム走査を行なうアンテナ指向性パターンの数は、ビーム走査部1061が、該第2のフレーム構成において、該所定の時間区間内にビーム走査を行なうアンテナ指向性パターンの数より多くされることができる。
端末装置2は、所定の時間区間内において、基地局装置1のアンテナ105が設定する複数のアンテナ指向性パターンに関する動作を行なうことができる。例えば、端末装置2は、該所定の時間区間内において、複数の参照信号を送信することができる。該複数の参照信号を用いることで、基地局装置1は、該所定の時間区間内において、アンテナ105の複数のアンテナ指向性パターンの受信品質を測定することができる。端末装置2が該所定の時間区間内において送信する参照信号の数は、フレーム解釈部2044が解釈する基地局装置1が送信した信号が備えるフレーム構成に基づいて決定されても良いし、フレーム構成部2033が設定する該参照信号が備えるフレーム構成に基づいて決定されても良い。
また、端末装置2は、所定の時間区間内において、基地局装置1が異なる無線リソースにおいて、異なるアンテナ指向性パターンで送信した信号の受信品質を測定することができる。端末装置2が該所定の時間区間内において受信品質を測定する無線リソースの数は、フレーム解釈部2044が解釈する基地局装置1が送信した信号が備えるフレーム構成に基づいて決定されることができる。
なお、上述してきた方法は、基本的には、基地局装置1が端末装置2に信号を送信する際に、アンテナ105が形成するアンテナ指向性パターンをビーム走査部1061が制御する場合を例にとって説明してきた。上述してきた方法によって、ビーム走査部1061は、基地局装置1が端末装置2より信号を受信する際に、アンテナ105が形成するアンテナ指向性パターンを走査することもできる。なお、端末装置2は基地局装置1からの指示または設定によって、ビーム走査のための信号(例えば、参照信号)を送信することができる。
また、本実施形態に係るフレーム構成部1033は、搬送波周波数(周波数バンド)毎にフレーム構成を設定可能であるが、ビーム走査部1061は、所定の周波数バンドで設定したアンテナ指向性パターンを、該所定の周波数バンド以外の周波数バンドに設定することが可能である。例えば、フレーム構成部1033が共通のフレーム構成を第1の周波数バンドと第2の周波数バンドに設定している場合、ビーム走査部1061は、該第1の周波数バンド(もしくは該第2の周波数バンド)においてビーム走査を行ない、該ビーム走査によって設定したアンテナ105のアンテナ指向性パターンを、該第2の周波数バンド(もしくは該第1の周波数バンド)におけるアンテナ105のアンテナ指向性パターンとして用いることができる。
また、本実施形態に係る端末装置2のアンテナ206は、基地局装置1が備えるアンテナ105の動作の一部を行なうことができる。すなわち、本実施形態に係るアンテナ206は、アンテナ105と同じ装置構成を備えることができる。この場合、当然、アンテナ206は、アンテナ105と同様に、アナログビームフォーミング、ディジタルビームフォーミングおよびハイブリッドビームフォーミングを行なうことができる。そして、本実施形態に係る端末装置2は、基地局装置1のビーム走査部1061と同様に、ビーム走査部2061を備えることができる。ビーム走査部2061は、ビーム走査部1061と同様に、アンテナ206のアンテナ指向性パターンを制御することができる。なお、ビーム走査部2061が走査可能なアンテナ指向性パターンの数は、必ずしもビーム走査部1061が走査可能なアンテナ指向性パターンの数と共通である必要はない。同様に、基地局装置1は、端末装置2のビーム走査部2061が行なうビーム走査に関するビーム検出動作を行なうことができる。基地局装置1が行なうビーム検出動作は、端末装置2が基地局装置1のアンテナ105のアンテナ指向性パターンに関して行なったビーム検出動作と同じ動作であるが、ビーム走査部2061とビーム走査部1061との関係と同様に、例えば、所定の時間区間内でビーム検出を行なうことができるアンテナ指向性パターンの数は、端末装置2が行なうビーム検出動作と、基地局装置1が行なうビーム検出動作とで、異なる場合も、本実施形態の方法には含まれる。
ビーム走査部2061は、基地局装置1より通知されたフレーム構成を示す情報が、所定のフレーム構成を示す場合、アンテナ206が設定可能な複数のアンテナ指向性パターンに関するビーム走査を行なうことができる。端末装置2は、該所定のフレーム構成を示す情報を、基地局装置1より取得することができる。
ビーム走査部2061は、所定の時間区間内において、ビーム走査を行なうことができる。該所定の時間区間の長さおよび開始時間を示す情報を、端末装置2は基地局装置1より取得することができる。ビーム走査部2061が該所定の時間区間内においてビーム走査を行なうことができるビームパターンの数は、基地局装置1より通知されたフレーム構成を示す情報が示すフレーム構成に基づいて設定されることができる。
基地局装置1は、端末装置2に設定したフレーム構成が、所定のフレーム構成であった場合、端末装置2のアンテナ206が設定するアンテナ指向性パターンに関するビーム検出動作を行なうことができる。該ビーム検出動作には、基地局装置1が、端末装置2に対して、所定の無線リソースにて参照信号を送信する動作や、端末装置2が、異なる無線リソースにおいて、それぞれ異なるアンテナ指向性パターンによって送信した信号の受信品質を測定し、該端末装置2に通知する動作を含むことができる。
基地局装置1は、自装置がビーム検出動作を行なう所定のフレーム構成を示す情報を、端末装置2に通知することができる。基地局装置1は、物理層で該所定のフレーム構成をシグナリングすることができるし、RRCシグナリング等の上位層のシグナリンスで通知することもできる。
基地局装置1は、端末装置2に設定した複数のフレーム構成毎のビーム検出を行なうことができる。
以上説明してきた方法によれば、複数のフレーム構成が設定される可能性のある基地局装置1および端末装置2は、お互いが備えるアンテナのアンテナ指向性パターンを、適切に設定することが可能となるから、通信品質を大幅に改善させることが可能となる。
[2.全実施形態共通]
なお、本発明に係る基地局装置および端末装置は、ライセンスバンドに限定されずアンライセンスバンドで運用される無線アクセス技術(Radio access technology: RAT)に用いられることが可能である。また、アンライセンスバンドで運用されるRATは、ライセンスバンドの補助を受けることができるライセンス補助アクセスであることができる。
また、本発明に係る基地局装置および端末装置は、複数の送信ポイント(もしくは複数の受信ポイント)から信号が送信(もしくは受信)されるDual connectivity(DC)で用いられることが可能である。基地局装置および端末装置は、DCで接続される複数の送信ポイント(もしくは受信ポイント)のいずれかの少なくとも1つとの通信に用いられることができる。また、本発明に係る基地局装置および端末装置は、複数のコンポーネントキャリア(CC)が用いられるキャリアアグリゲーション(CA)で用いられることが可能である。基地局装置および端末装置は、CAされる複数のCCのうち、プライマリセルに対してのみ用いられることができるし、セカンダリセルに対してのみ用いられることができるし、プライマリセルとセカンダリセルの両方に用いられることもできる。
本発明の一態様に関わる装置で動作するプログラムは、本発明に関わる実施形態の機能を実現するように、Central Processing Unit(CPU)等を制御してコンピュータを機能させるプログラムであっても良い。プログラムあるいはプログラムによって取り扱われる情報は、一時的にRandom Access Memory(RAM)などの揮発性メモリあるいはフラッシュメモリなどの不揮発性メモリやHard Disk Drive(HDD)、あるいはその他の記憶装置システムに格納される。
なお、本発明に関わる実施形態の機能を実現するためのプログラムをコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録しても良い。この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。ここでいう「コンピュータシステム」とは、装置に内蔵されたコンピュータシステムであって、オペレーティングシステムや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータが読み取り可能な記録媒体」とは、半導体記録媒体、光記録媒体、磁気記録媒体、短時間動的にプログラムを保持する媒体、あるいはコンピュータが読み取り可能なその他の記録媒体であっても良い。
また、上述した実施形態に用いた装置の各機能ブロック、または諸特徴は、電気回路、例えば、集積回路あるいは複数の集積回路で実装または実行され得る。本明細書で述べられた機能を実行するように設計された電気回路は、汎用用途プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、またはその他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲートまたはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェア部品、またはこれらを組み合わせたものを含んで良い。汎用用途プロセッサは、マイクロプロセッサであっても良いし、従来型のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、またはステートマシンであっても良い。前述した電気回路は、ディジタル回路で構成されていても良いし、アナログ回路で構成されていても良い。また、半導体技術の進歩により現在の集積回路に代替する集積回路化の技術が出現した場合、本発明の一または複数の態様は当該技術による新たな集積回路を用いることも可能である。
なお、本願本発明の一態様は上述の実施形態に限定されるものではない。実施形態では、装置の一例を記載したが、本願発明は、これに限定されるものではなく、屋内外に設置される据え置き型、または非可動型の電子機器、例えば、AV機器、キッチン機器、掃除・洗濯機器、空調機器、オフィス機器、自動販売機、その他生活機器などの端末装置もしくは通信装置に適用出来る。
以上、この発明の実施形態に関して図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。また、本発明は、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記各実施形態に記載された要素であり、同様の効果を奏する要素同士を置換した構成も含まれる。