JPWO2017217184A1 - ドリルビット及び孔形成方法 - Google Patents

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Abstract

被加工材料が難削金属材や繊維強化複合材である場合においても高品質な孔を形成することができる孔形成方法を提供するとともに、この方法に使用されるドリルビットを提供する。ドリルビット1は、少なくとも一つの切れ刃10と、切れ刃10の近傍に位置する面(2番面20及び3番面30)と、を備え、この面に、所定の平面形状を呈する凹部(溝40)を設ける。孔形成方法は、切削加工補助潤滑材2を被加工材料Wの被加工部分に接触させながらドリル加工により被加工部分を切削して孔を形成する孔形成工程を含み、孔形成工程においてドリルビット1を使用する。

Description

本発明は、ドリルビット及び孔形成方法に関する。
現在、航空機の機体構造用材料(構造材)として金属材(主にアルミニウム合金)が採用されている。機体構造の中でより高温となり得る箇所、例えば、ジェット排気箇所やアフターバーナー周辺には、耐熱合金であるチタン合金やステンレス鋼などが使用されているが、将来航空機の高速化が進むと、空力加熱により従来のアルミニウム合金では強度が低下してしまう。そのため、今後は、機体構造の主体としてより硬いチタン合金やステンレス鋼が構造材として使用されることが見込まれる。これら、航空機の機体を構成する構造材は、金属材同士、あるいは金属材とCFRPなどの他の材質の構造材とをボルトで締結するために、ドリルによって孔あけ加工をする必要がある。
これら金属の孔あけ加工においては、既にいくつかの技術が提案されている。例えば、チタン合金材は難削材であるため、ドリル孔あけ加工寿命が非常に短い。このような課題に対し、切削油剤を噴霧して加工する方法やドリルの形状を変更することでドリルへの負荷を低減し、ドリルの加工寿命低下を回避する方法が例示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、近年においては、繊維強化複合材(特に、引張り強さや引張り弾性力が大きい炭素繊維強化プラスチック(CFPR))が、航空機や車両の外板などとして多用される傾向にある。ここで、CFRPとは、炭素繊維にマトリクス樹脂を含浸させたプリプレグを1枚又は2枚以上積層して、加熱成型又は加熱加圧成型してなるプラスチックを指す。このCFRPで形成された部材は、ボルトやリベットなどの締結要素を用いて構造体に固定される。このため、航空機部品などの構造体にCFRPを固定するときには、切削加工、中でも締結要素を通すための孔をCFRPに多数あける孔あけ加工が必要になる。
CFRPの孔あけ加工において高品質な孔を得るために、既にいくつかの技術が提案されている。例えば工具の形状、例えばドリルのすくい面の曲率や先端角を段階的に変更するなどの方法が例示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2006−150557号公報 特開2012−210689号公報
ところで、通常、金属に対する孔あけはドリルを用いて行われるが、金属専用のドリルを使っても、ドリル孔あけ加工寿命は短く、一般的なドリルを用いた場合は、ドリル孔あけ加工寿命は極端に短い。また、加工孔数が増えていくにつれて、ドリルの刃に摩耗が生じ、加工孔の品質が低下する。具体的には加工した孔の内径が小さくなりやすく、ドリルが貫通する出口側にバリも発生しやすくなる。さらに、ドリルの摩耗により、ボルト締結する金属材とCFRPなどの他の材質の構造材との間に隙間が生じ、これらの構造材間に浮きが生じたり、生じた隙間に加工屑が入ったりすることがある。このような現象は重大欠陥と認識されている。このように、ドリルの刃の摩耗に起因して、加工孔に品質上の問題が生じる可能性が高い。このような状況において、航空機用のチタン合金材を用いた構造体の製造などでは、特に、高品質な孔あけ加工が求められており、上記したドリル孔あけ加工寿命や金属材と異種構造材との間に生じる浮きなどの問題を解決することが極めて重要になる。
また、ドリルを用いて金属の孔あけ加工を行う場合、回転するドリルと金属間で摩擦熱が生じ、局所的に加工孔周辺の温度が上昇する。従って、加工孔数が多い場合、加工孔数が増えていくにつれて、ドリル及び被加工材料である金属に蓄熱されることになる。熱伝導率の低い金属の場合、熱放出が不十分なため、加工孔周辺の温度が上昇する。その際、金属の温度が上がると金属が軟化してしまうため、加工孔のドリルが貫通する出口側にバリが発生するようになる。また、金属の加工屑が、加工熱によってドリルに溶着してしまい、過剰な負荷がドリルにかかって加工装置が停止する場合もある。このように、孔あけ加工時の蓄熱に起因して、加工孔に品質上の問題が生じる可能性が高い。このような状況において、航空機用のチタン合金材を用いた構造体の製造などでは、特に、高品質な孔あけ加工が求められており、上記したバリに関する問題を解決することが極めて重要になる。
このような加工箇所及びドリルの蓄熱を防ぐために、従来、切削油などを使用した湿式加工が行われている。しかし、湿式加工の場合、切削加工終了時に洗浄工程が必要となる。さらに、油分が加工孔周辺や内部に残留していた場合、貫通孔で締結する際の締結具であるネジの劣化や締結部で緩みが生じる可能性があり、これらの不具合は致命的な事故に繋がる恐れがある。この点、特許文献1に記載されたように、孔あけ加工の難しい金属の加工性改良は、切削工具や切削加工方法の面から検討されているが、その効果は不十分であった。
また、繊維強化複合材に対する孔あけも通常、ドリルを用いてなされる。一般的なドリルによる孔あけでは、ドリル孔あけ加工寿命が極端に短く、加工孔数が増えていくにつれて、ドリルの刃に摩耗が生じ、加工孔の品質が低下する。具体的には加工した孔の内径が小さくなりやすく、ドリルが貫通する出口側に炭素繊維の毛羽立ち(以下、「繊維切れ残り」ともいう。繊維強化複合材を形成する繊維の一部が切断されずに、切れ残りとして加工孔の周囲に残る現象である。)が発生しやすく、繊維強化複合材を形成するプリプレグの積層間の剥離(以下、層間剥離という)も発生しやすくなる。さらに、ドリルの刃の摩耗により、加工孔の内径が不均一となり、加工孔の凹凸を起点に層間剥離が生じることがある。このような現象は重大欠陥と認識されている。このように、ドリルの刃の摩耗に起因して、加工孔に品質上の問題が生じる可能性が高い。これに対し、航空機用のCFRPを用いた構造体の製造などでは、特に、高品質な孔あけ加工が求められており、上記の毛羽立ちや層間剥離などの問題を解決することが極めて重要になる。
CFRPの孔あけ加工において、工具摩耗が進み、切削抵抗が大きくなるほど、加工孔の品質問題は、発生し易くなる。特に、高強度の航空機用途のCFRPなどでは、炭素繊維が高密度に存在するため、ドリルが炭素繊維を擦過する頻度が増加することになり、切削工具の摩耗がより速く進行する。対策として、孔品質維持のために工具交換を早めることになり、加工コストに占める工具費の割合が高くなっているのが現状である。この点、特許文献2に記載されたように、孔あけ加工の難しい繊維強化複合材(例えば、CFRP)の加工性改良は、工具の面から検討されてきてはいるが、その効果は不十分であった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、被加工材料が難削金属材や繊維強化複合材である場合においても高品質な孔を形成することができる孔形成方法を提供するとともに、この方法に使用されるドリルビットを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した。その結果、切削加工補助潤滑材と、先端部表面に凹部を設けたドリルビットと、を用いて被加工材料を切削することにより、上記目的を達成できることを見出して本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
[1]
切削加工補助潤滑材を被加工材料の被加工部分に接触させながらドリル加工により前記被加工部分を切削して孔を形成する際に使用されるドリルビットであって、
少なくとも一つの切れ刃と、
前記切れ刃の近傍に位置する面と、を備え、
前記面に、所定の平面形状を呈する凹部が設けられている、ドリルビット。
[2]
前記面が、前記切れ刃に隣接する2番面を有し、
前記凹部が、前記2番面に設けられている、[1]に記載のドリルビット。
[3]
前記面が、前記切れ刃に隣接する2番面と、前記2番面に隣接する3番面と、を有し、
前記凹部が、前記3番面に設けられている、[1]又は[2]に記載のドリルビット。
[4]
前記凹部が、前記切れ刃に対して略平行に形成された略直線状の溝である、[1]から[3]の何れか一項に記載のドリルビット。
[5]
前記切れ刃と前記溝との間の寸法が、0.25mm以上0.43mm以下に設定されている、[4]に記載のドリルビット。
[6]
前記溝の幅の平均値が、0.23mm以上0.30mm以下に設定されている、[4]又は[5]に記載のドリルビット。
[7]
前記凹部の最大深さが、0.05mm以上0.15mm以下に設定されている、[1]〜[6]の何れか一項に記載のドリルビット。
[8]
切削加工補助潤滑材を、ドリルビット及び被加工材料の被加工部分の少なくとも何れか一方に接触させながら、ドリル加工により前記被加工部分を切削して孔を形成する孔形成工程を含み、
前記孔形成工程において、[1]〜[7]の何れか一項に記載のドリルビットを使用する、
孔形成方法。
[9]
前記切削加工補助潤滑材が、シート状に形成されている、[8]に記載の孔形成方法。
[10]
前記被加工材料の厚みが、1.0mm以上であり、
前記孔形成工程によって形成される孔の直径が、3.0mm以上である、[8]又は[9]に記載の孔形成方法。
[11]
前記被加工材料が、難削金属材である、[8]〜[10]の何れか一項に記載の孔形成方法。
[12]
前記被加工材料が、繊維強化複合材である、[8]〜[10]の何れか一項に記載の孔形成方法。
[13]
前記被加工材料が、難削金属材と繊維強化複合材とが密着した材料である、[8]〜[10]の何れか一項に記載の孔形成方法。
[14]
前記難削金属材が、チタン合金、アルミニウム合金、マグネシウム合金、低合金鋼、ステンレス鋼及び耐熱合金からなる群より選ばれる何れか一つである、[11]又は[13]に記載の孔形成方法。
[15]
前記難削金属材が、Ti−6Al―4Vのチタン合金である、[11]又は[13]に記載の孔形成方法。
本発明によれば、被加工材料が難削金属材や繊維強化複合材である場合においても高品質な孔を形成することができる孔形成方法を提供するとともに、この方法に使用されるドリルビットを提供することが可能となる。
本発明の実施形態に係るドリルビットの先端部の概略図である。 本発明の実施形態に係る孔形成方法の一態様を示す概略図である。 本発明の実施形態に係るドリルビットの先端部の拡大図である。 本発明の実施例1〜4で使用したドリルビットの先端部の写真である。 比較例1で使用したドリルビットの先端部の拡大図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態はあくまでも好適な適用例であって、本発明の適用範囲がこれに限定されるものではない。
<ドリルビット>
まず、図1〜図3を用いて、本発明の実施形態に係るドリルビット1の構成について説明する。本実施形態に係るドリルビット1は、図2に示すように、切削加工補助潤滑材(以下、「潤滑材」と称することがある)2を被加工材料Wの被加工部分に接触させながらドリル加工により被加工部分を切削して孔を形成する際に使用されるものである。ドリルビット1の先端部には、図1に示すように、一対の切れ刃10と、各切れ刃10の近傍に位置する面(切れ刃10に隣接する2番面20及び2番面20に隣接する3番面30)と、が設けられている。なお、本実施形態においては2つの切れ刃10を採用した例を示したが、切れ刃10は少なくとも一つ設けられていればよく、3つ以上設けられていてもよい。また、本実施形態においては、2番面20に隣接する3番面30を設けた例を示したが、3番面30を設けなくてもよい。なお、本発明において「2番面」とは、切れ刃のすぐ隣に配置されて切れ刃に接する面を意味しており、いわゆる「2番取り面」(切削中の摩擦を避ける目的でドリルの外周と被加工部分との間に間隙を形成するために、ドリルのランド部にマージン幅を残して形成される面)とは異なるものである。
ドリルビット1の各2番面20には、所定の平面形状を呈する凹部が設けられている。凹部としては、例えば図3に示すように、各切れ刃10に対して略平行に形成された略直線状の溝40を採用することができる。
凹部としてこのような溝40を採用した場合には、切れ刃10と溝40との間の寸法を0.25mm以上0.43mm以下に設定することが好ましい。切れ刃10と溝40との間の寸法が0.25mm未満であると、溝40によって一時的に保持された潤滑材2が2番面20全体に供給され難くなり、潤滑効果が小さくなって切削加工時の温度が上昇する可能性があるため好ましくない。一方、切れ刃10と溝40との間の寸法が0.43mmを超えると、潤滑材2が切れ刃10に供給され難くなり、ドリルビット1が貫通する際の切れ味が維持され難くなることから、ドリルビット1の出口となるべき部分(出口側)のバリが発生し易くなるため好ましくない。
また、溝40の(最大)深さを、0.05mm以上0.15mm以下に設定することが好ましい。溝40の深さが0.05mm未満であると、潤滑材2がドリルビット1の先端部に広がり難くなり、潤滑効果が小さくなって被加工材料Wにバリが発生し易くなることに加え、被加工材料Wとドリルビット1の先端部の接触面との間の摩擦係数が大きくなり、摩擦温度が上昇する可能性があるため好ましくない。一方、溝40の深さが0.15mmを超えると、ドリルビット1の溝40を形成した面の強度が低下し、加工中に当該面が破損する可能性があり、孔品質が低下する恐れがあるため好ましくない。
また、溝40の幅(平均値)を、0.23mm以上0.30mm以下に設定することが好ましい。溝40の幅が0.23mm未満であると、潤滑剤2がドリルビット1の先端部に広がり難くなり、潤滑効果が小さくなって被加工材料Wにバリが発生し易くなるため好ましくない。一方、溝40の幅が0.30mmを超えると、ドリルビット1の溝40を形成した面の強度が低下し、加工中に当該面が破損する可能性があり、孔品質が低下する恐れがあるため好ましくない。
凹部は、各切れ刃10に対して略平行に形成された略直線状の溝40に限定されるものではなく、種々の平面形状を呈するものを採用することができる。例えば、凹部として、各切れ刃10に対して所定の角度(例えば約30°)を有するように形成された略直線状の溝、ドリルビット1の回転中心から半径方向外側になるに従って幅が漸次増大するように構成された溝、格子状に形成された溝、波形に形成された溝、平面形状が略円形状や略楕円形状や略多角形状を呈する凹部、等を採用することもできる。また、凹部は、ドリルビット1の2番面20だけでなく3番面30に設けることもできる(2番面20に設ける代わりに3番面30に凹部を設けてもよい)。
ドリルビット1は、既に述べたように、少なくとも一つの切れ刃10と、各切れ刃10の近傍に位置する面(2番面20や3番面30)と、この面に設けられた所定の平面形状を呈する凹部(例えば溝40)と、を有していればよく、その他の形状や構造(切れ刃10の数、ドリルビット1の先端角、溝のねじれ角等)は適宜選択できる。ドリルビット1の材質としては、硬質の金属炭化物の粉末を焼結して作られる超硬合金であることが好ましい。このような超硬合金としては、特に限定されないが、例えば、炭化タングステンと結合剤であるコバルトとを混合して焼結した金属が挙げられる。このような超硬合金には、使用目的に応じて材料特性をさらに向上させるため、炭化チタンや炭化タンタルなどが添加されることもある。ドリルビット1の径は、1mmφ以上10mmφ以下であることが好ましく、航空機用基材の孔あけ加工に多く用いられている2mmφ以上7mmφ以下であることがより好ましい。
<孔形成方法>
次に、本実施形態に係るドリルビット1を用いた孔形成方法について説明する。
本実施形態に係る孔形成方法は、切削加工補助潤滑材2を、ドリルビット1及び/又は被加工材料Wの被加工部分に接触させながら、ドリル加工により被加工部分を切削して孔を形成する孔形成工程を含み、この孔形成工程において、本実施形態に係るドリルビット1を使用するものである。
図2に、本実施形態の孔形成方法の一態様を表す概略図を示す。図2に示されるように、潤滑材2は、被加工材料W(特に難削材)の孔形成加工において用いられるものである。具体的には、潤滑材2を被加工材料Wのドリルビット1の入口となるべき部分(進入面)に配し、ドリルビット1を用いて被加工材料Wを加工する。また、本実施形態の孔形成方法においては、潤滑材2を、ドリルビット1及び/又は被加工材料Wの被加工部分に接触させながら、ドリル加工により被加工部分を切削して孔を形成するものであれば特に制限されず、例えば、潤滑材2を予め接触させたドリルビット1を用いてドリル加工を行ってもよい。なお、「接触させながら」とは、特に限定されないが、例えば、ドリル加工を行う前に、潤滑材2を、ドリルビット1に付着させる接触工程を経た後、潤滑材2が付着したドリルビット1によりドリル加工を実施する場合と、潤滑材2を被加工材料Wの被加工部分に密着させる密着工程を経た後、潤滑材2側から被加工材料Wの被加工部分を切削する場合と、又はこれらの両方を併用する場合と、が挙げられる。
かかる方法を採用すると、潤滑材2を被加工材料Wの被加工部分に接触させながらドリル加工により被加工部分を切削して孔を形成する際に、各切れ刃10の近傍に位置する面(例えば2番面20)に凹部(例えば溝40)が設けられたドリルビット1を使用するため、潤滑材2の潤滑成分をドリルビット1の凹部で一時的に保持することができる。従って、ドリルビット1の先端部(切れ刃10、2番面20、3番面30等)に潤滑材2の潤滑成分を広げ易くすることができるので、潤滑材2による潤滑効果を高めることができる。この結果、被加工材料Wが難削金属材である場合においても被加工材料Wのドリルビット1の出口側のバリの発生を抑制することができ、被加工材料Wが繊維強化複合材の場合においても被加工材料Wの欠けや繊維の切れ残りを少なくすることができ、高品質な孔を形成することができる。また、潤滑材2による潤滑効果を高めることができることから、被加工材料Wとドリルビット1の表面の間の摩擦抵抗を低減させ、ドリルビット1への負荷を軽減することができる。この結果、ドリルビット1の1本あたりの寿命を延ばすことができ、生産性を向上させることができる。
〔接触工程〕
本実施形態に係る孔形成方法は、切削加工補助潤滑材2を、ドリルビット1及び/又は被加工材料Wの被加工部分に接触させながら、ドリル加工により被加工部分を切削して孔を形成する方法であれば特に限定されず、必要に応じて、接触工程を有していてもよい。接触工程は、孔形成前に、潤滑材2を、ドリルビット1に接触させる工程である。その方法は特に限定されない。例えば、潤滑材2をドリルビット1の進入面に配置することで、孔形成前に、潤滑材2をドリルビット1に付着させることができる。また、潤滑材2をドリルビット1に接触させながら孔形成をすることで、潤滑材2をドリルビット1に付着させることができる。また、予め、潤滑材2をドリルビット1に塗布することで、潤滑材2をドリルビット1に付着させることができる。さらには、孔形成前に、ドリルビット1で潤滑材2を切断、孔あけ加工することで、潤滑材2をドリルビット1に付着させることができる。
〔密着工程〕
また、本実施形態の孔形成方法は、被加工材料Wの被加工部分に予め潤滑材2を密着させる密着工程を有してもよい。被加工材料W上の潤滑材2の密着箇所は、ドリルビット1の入口となるべき部分であっても、ドリルビット1の出口となるべき部分及び入口となるべき部分の両方であってもよい。これにより、上述したようにドリルビット1への負荷を低減させることができ、孔周辺にできるバリ、欠け、又は繊維の切れ残りを低減させることができる。なお、「出口となるべき部分」とは、当該部分が面である場合には、出口となるべき面とも言い換えることができる。これに対応して、「入口となるべき部分」とは、入口となるべき面とも言い換えることができる。
被加工材料Wと潤滑材2とを密着させる方法としては、特に限定されないが、例えば、潤滑材2と被加工材料Wとをクリップや治具で物理的に固定する方法、被加工材料Wである金属と接する潤滑材2表面に粘着性を有する化合物の層(粘着層)を形成する方法、等が挙げられる。このなかでも、粘着層を形成した潤滑材2を用いる方法が、治具などによる固定の必要がないので、好ましい。なお、本明細書では、被加工材料Wと潤滑材2とを固定するために用いる粘着性を有する化合物の層を粘着層と定義することとする。
〔孔形成工程〕
孔形成工程は、潤滑材2を、ドリルビット1及び/又は被加工材料Wの被加工部分に接触させながら、ドリル加工により被加工材料Wを切削して孔を形成する工程である。このように潤滑材2を用いることで、例えば、孔形成加工(特に、連続した孔形成加工)を行う場合、ドリルビット1の側面の溝表面を含めたドリル表面と加工孔内壁表面との間の潤滑性が高まり、ドリルビット1の切れ刃10が切削した材料(炭素繊維等)の排出を容易化して、ドリルビット1の切れ刃10と加工孔内壁表面との擦過頻度と度合いを軽減するので、ドリルビット1の切れ刃10の摩耗が低減されると考えられる。孔形成工程において形成される孔の直径は、特に限定されるものではなく、3mm以上である。なお、孔の直径は、用いるドリルビット1の径により調整することができる。
孔形成工程においては、一般的な切削加工における技術を用いることができる。例えば、切削加工を行う際、ガスや液体を用いて被加工材料Wの被加工部分及び/又はドリルビット1を冷却しながら切削加工すること等が挙げられる。ガスを用いて被加工材料Wの被加工部分及び/又はドリルビット1を冷却する方法としては、例えば、圧縮したガスを被加工材料Wの被加工部分及び/又はドリルビット1に供給する方法、被加工材料Wの被加工部分及び/又はドリルビット1付近のガスを吸引することによって、周囲からガスを被加工材料Wの被加工部分及び/又はドリルビット1に供給する方法が挙げられる。
〔切削加工補助潤滑材〕
本実施形態の孔形成方法において用いられる切削加工補助潤滑材2は、特に限定されないが、例えば、高分子材料と無機充填材とを含むものが挙げられる。具体的には、水溶性又は非水溶性の熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂などの高分子材料と、黒鉛、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、モリブデン化合物などの無機充填材と、を含有する潤滑材2が好ましく、より具体的には、重量平均分子量が5×10以上、1×10以下である高分子量化合物(A)と、重量平均分子量が1×10以上、5×10未満である中分子量化合物(B)と、カーボン(C)と、を含有する潤滑材2がより好ましい。このような潤滑材2を用いることにより、ドリルビット1への負荷をより低減させることができ、孔周辺にできるバリ、欠け、又は繊維の切れ残りをより低減させることができる傾向にある。
切削加工補助潤滑材2の形状は、潤滑材2をドリルビット1及び/又は被加工材料Wの被加工部分に接触させながらドリル加工により被加工部分を切削して孔を形成することができる態様であれば特に限定されないが、例えば、シート状の潤滑材2、丸棒の形状や角棒の形状などのブロック状態の潤滑材2、溶融状態の潤滑材2、等が挙げられる。このなかでも、シート状の態様が好ましい。
また、切削加工補助潤滑材2は、高分子材料と無機充填材とを含む単層体であってもよく、高分子材料と無機充填材とを含む層と、他の層と、を備える積層体であってもよい。他の層としては、潤滑材2と被加工材料Wとの密着性を向上させるための粘着層、潤滑材2表面の擦り傷を防止するための保護層、等が挙げられる。以下、切削加工補助潤滑材2の構成について説明する。
(高分子量化合物(A))
高分子量化合物(A)は潤滑剤として機能することができ、切削加工補助潤滑材2の潤滑性を向上させ、孔周辺にできる欠け、バリ、又は繊維の切れ残りを低減するという効果を発揮し得る。さらに、高分子量化合物(A)は成形剤として機能することができ、潤滑材2の成形性を向上させ、単層形成性(支持基材を用いることなく、それ自体で層(シート)を形成することが出来ること)という効果を発揮し得る。高分子量化合物(A)としては、重量平均分子量が5×10以上、1×10以下であれば、特に限定されず、水溶性若しくは非水溶性の熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂が挙げられる。このなかでも、水溶性熱可塑性樹脂及び/又は非水溶性熱可塑性樹脂が好ましく、水溶性熱可塑性樹脂がより好ましい。水溶性又は非水溶性の熱可塑性樹脂としては、特に限定されないが、例えば、以下で説明する水溶性樹脂及び非水溶性樹脂が挙げられる。なお、「水溶性樹脂」とは、25℃、1気圧において、水100gに対し、1g以上溶解する高分子化合物をいう。高分子量化合物(A)は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
水溶性樹脂を用いた場合、水溶性樹脂が有する潤滑性によって、切削加工時の切削屑の排出性が向上する傾向にある。また、水溶性樹脂を用いることにより、切削加工補助潤滑シートの表面硬度が適度な柔らかさとなるため、ドリルビット1への負荷をさらに低減できる傾向にある。さらに、切削加工後に被加工材料Wの被加工部分に付着した樹脂成分を容易に除去することが可能である。水溶性樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリエチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体等のポリアルキレンオキサイド化合物;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール;ポリアルキレングリコールのエステル化合物;ポリアルキレングリコールのエーテル化合物;ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリプロピレングリコールモノステアレート、ポリグリセリンモノステアレート等のポリアルキレングリコールのモノステアレート化合物;水溶性ウレタン;ポリエーテル系水溶性樹脂;水溶性ポリエステル;ポリ(メタ)アクリル酸ソーダ;ポリアクリルアミド;ポリビニルピロリドン;ポリビニルアルコール;セルロース及びその誘導体等の糖類;変性ポリアミドが挙げられる。このなかでもポリエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール、ポリエーテル系水溶性樹脂が上記観点から好ましい。
非水溶性樹脂を用いた場合、水溶性樹脂を用いた場合と比較して、切削加工補助潤滑シートの表面硬度が高くなる傾向にある。そのため、例えば、ドリル加工時のドリルビット1の食い付き性が向上し、設計通りの位置に孔をあけることができ、さらに、切削加工補助潤滑シートの剛性が向上し、ハンドリング性が向上する。非水溶性樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ウレタン系重合体;アクリル系重合体;酢酸ビニル系重合体;塩化ビニル系重合体;ポリエステル系重合体;ポリエチレンワックス、スチレン単独重合体(GPPS)、スチレン−ブタジエン共重合体(HIPS)、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体(例えばMS樹脂)などで例示されるポリスチレン系樹脂;及びそれらの共重合体などが挙げられる。
高分子量化合物(A)の重量平均分子量は、5×10以上であり、好ましくは6×10以上であり、より好ましくは1×10以上であり、さらに好ましくは1.25×10以上である。また、高分子量化合物(A)の重量平均分子量は、1×10以下であり、好ましくは8×10以下であり、より好ましくは7×10以下であり、さらに好ましくは6×10以下である。高分子量化合物(A)の重量平均分子量が5×10以上であることにより、成形性がより向上する。また、高分子量化合物(A)の重量平均分子量が1×10以下であることにより、潤滑性がより向上する。なお、高分子量化合物(A)を2種以上用いる場合には、それぞれの化合物が、上記重量平均分子量を満たすことが好ましい。なお、本実施形態において、重量平均分子量は、実施例に記載の方法により測定することができる(以下同様とする)。
高分子量化合物(A)は、重量平均分子量が3×10以上、1×10以下である高分子量化合物(A−1)及び/又は重量平均分子量が5×10以上、3×10未満である高分子量化合物(A−2)を含んでもよく、高分子量化合物(A−1)及び高分子量化合物(A−2)を共に含むことが好ましい。高分子量化合物(A−1)及び高分子量化合物(A−2)を併用することにより、成形性ならびに潤滑性がより向上する傾向にある。
高分子量化合物(A−1)の重量平均分子量は、3×10以上であり、好ましくは4×10以上であり、より好ましくは4.5×10以上であり、さらに好ましくは5×10以上である。また、高分子量化合物(A−1)の重量平均分子量は、1×10以下であり、好ましくは8×10以下であり、より好ましくは7×10以下であり、さらに好ましくは6×10以下である。
切削加工補助潤滑材2中の高分子量化合物(A−1)の含有量は、高分子量化合物(A)、中分子量化合物(B)、及びカーボン(C)の合計100質量部に対して、好ましくは5質量部以上であり、より好ましくは10質量部以上であり、さらに好ましくは15質量部以上である。また、潤滑材2中の高分子量化合物(A−1)の含有量は、高分子量化合物(A)、中分子量化合物(B)、及びカーボン(C)の合計100質量部に対して、好ましくは35質量部以下であり、より好ましくは30質量部以下であり、さらに好ましくは25質量部以下である。高分子量化合物(A−1)の含有量が5質量部以上であることにより、成形性がより向上する傾向にある。また、高分子量化合物(A−1)の含有量が35質量部以下であることにより、潤滑性がより向上する傾向にある。
高分子量化合物(A−2)の重量平均分子量は、5×10以上であり、好ましくは6×10以上であり、より好ましくは1×10以上であり、さらに好ましくは1.25×10以上である。また、高分子量化合物(A−2)の重量平均分子量は、3×10未満であり、好ましくは2.5×10以下であり、より好ましくは2×10以下である。
切削加工補助潤滑材2中の高分子量化合物(A−2)の含有量は、高分子量化合物(A)、中分子量化合物(B)、及びカーボン(C)の合計100質量部に対して、好ましくは5質量部以上であり、より好ましくは10質量部以上であり、さらに好ましくは15質量部以上である。また、潤滑材2中の高分子量化合物(A−2)の含有量は、高分子量化合物(A)、中分子量化合物(B)、及びカーボン(C)の合計100質量部に対して、好ましくは35質量部以下であり、より好ましくは30質量部以下であり、さらに好ましくは25質量部以下である。高分子量化合物(A−2)の含有量が5質量部以上であることにより、潤滑性がより向上する傾向にある。また、高分子量化合物(A−2)の含有量が35質量部以下であることにより、成形性がより向上する傾向にある。
切削加工補助潤滑材2中の高分子量化合物(A)の含有量は、高分子量化合物(A)、中分子量化合物(B)、及びカーボン(C)の合計100質量部に対して、好ましくは20質量部以上であり、より好ましくは25質量部以上であり、さらに好ましくは30質量部以上である。また、潤滑材2中の高分子量化合物(A)の含有量は、高分子量化合物(A)、中分子量化合物(B)、及びカーボン(C)の合計100質量部に対して、好ましくは60質量部以下であり、より好ましくは55質量部以下であり、さらに好ましくは50質量部以下である。高分子量化合物(A)の含有量が20質量部以上であることにより、潤滑性がより向上する傾向にある。また、高分子量化合物(A)の含有量が60質量部以下であることにより、成形性がより向上する傾向にある。また、高分子量化合物(A)の含有量が上記範囲内であることにより、ドリルビット1への負荷がより低減し、加工孔周辺にできるバリ、欠け、又は繊維の切れ残りがより低減する傾向にある。
(中分子量化合物(B))
中分子量化合物(B)は潤滑剤として機能することができ、切削加工補助潤滑材2の潤滑性を向上させ、加工孔周辺にできる欠け、バリ、又は繊維の切れ残りを低減という効果を発揮し得る。中分子量化合物(B)としては、重量平均分子量が1×10以上、5×10未満であれば、特に限定されないが、例えば、水溶性又は非水溶性の熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂が挙げられる。このなかでも、水溶性又は非水溶性の熱可塑性樹脂が好ましく、水溶性の熱可塑性樹脂がより好ましい。
なお、水溶性又は非水溶性の熱可塑性樹脂としては、上述の水溶性樹脂及び非水溶性樹脂と同じ種類の樹脂で、重量平均分子量が前記範囲の樹脂を使用することができる。また、その他の中分子量化合物(B)としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリアルキレングリコール化合物;ポリエチレンオキサイドオレイルエーテル、ポリエチレンオキサイドセチルエーテル、ポリエチレンオキサイドステアリルエーテル、ポリエチレンオキサイドラウリルエーテル、ポリエチレンオキサイドノニルフェニルエーテル、ポリエチレンオキサイドオクチルフェニルエーテル等のポリアルキレンオキサイドのモノエーテル化合物;ポリエチレンオキサイドモノステアレート、ポリエチレンオキサイドソルビタンモノステアレート、ポリグリセリンモノステアレート等のポリアルキレンオキサイドのモノステアレート化合物;ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリエチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体等のポリアルキレンオキサイド化合物が挙げられる。この中でも、ポリエチレンオキサイドモノステアレートが好ましい。このような中分子量化合物(B)を用いることにより、潤滑性がより向上する傾向にある。中分子量化合物(B)は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
分子量の異なる高分子量化合物(A)と中分子量化合物(B)は、各々、溶融粘度及び融点も相違し得る。このような高分子量化合物(A)と中分子量化合物(B)を併用することにより、例えば、高分子量化合物(A)のみを用いることにより、切削加工補助潤滑材2が著しく高粘度化したり、融点が著しく高くなったりすることに起因して、潤滑材2の成形性や潤滑性が低下することが抑制でき、また、中分子量化合物(B)のみを用いることにより、潤滑材2が著しく低粘度化したり、融点が著しく低くなったりすることに起因して、潤滑材2の成形性や潤滑性が低下することが抑制できる。結果として、ドリルビット1への負荷がより低減し、加工孔周辺にできるバリ、欠け、又は繊維の切れ残りがより低減する傾向にある。
中分子量化合物(B)の重量平均分子量は、1×10以上であり、好ましくは1.25×10以上であり、より好ましくは1.5×10以上であり、さらに好ましくは2×10以上であり、よりさらに好ましくは2.5×10以上であり、特に好ましくは3×10以上である。また、中分子量化合物(B)の重量平均分子量は、5×10未満であり、好ましくは2.5×10以下であり、より好ましくは2×10以下であり、さらに好ましくは1×10以下であり、よりさらに好ましくは7.5×10以下であり、特に好ましくは5×10以下である。中分子量化合物(B)の重量平均分子量が1×10以上であることにより、成形性がより向上する。また、中分子量化合物(B)の重量平均分子量が5×10未満であることにより、潤滑性がより向上する。
切削加工補助潤滑材2中の中分子量化合物(B)の含有量は、高分子量化合物(A)、中分子量化合物(B)、及びカーボン(C)の合計100質量部に対して、好ましくは10質量部以上であり、より好ましくは20質量部以上であり、さらに好ましくは30質量部以上である。また、潤滑材2中の中分子量化合物(B)の含有量は、高分子量化合物(A)、中分子量化合物(B)、及びカーボン(C)の合計100質量部に対して、好ましくは75質量部以下であり、より好ましくは60質量部以下であり、さらに好ましくは45質量部以下であり、よりさらに好ましくは40質量部以下である。中分子量化合物(B)の含有量が10質量部以上であることにより、潤滑性がより向上する傾向にある。また、中分子量化合物(B)の含有量が75質量部以下であることにより、成形性がより向上する傾向にある。また、中分子量化合物(B)の含有量が上記範囲内であることにより、ドリルビット1への負荷がより低減し、加工孔周辺にできるバリ、欠け、又は繊維の切れ残りがより低減する傾向にある。
(カーボン(C))
カーボン(C)は固体潤滑剤として機能することができ、切削加工補助潤滑材2の潤滑性を向上させ、ドリルビット1の加工寿命を延ばす効果を発揮し得る。さらに、カーボン(C)は切削加工時の温度において、体積を有する固体状で存在するため、切削加工時の潤滑性を維持できる。カーボン(C)としては、特に限定されないが、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、活性炭、アセチレンブラック、カーボンブラック、コロイド黒鉛、熱分解黒鉛、膨張化黒鉛、鱗辺状黒鉛が挙げられる。この中でも、鱗片状のものが好ましい。カーボン(C)が鱗片状黒鉛を有することにより、摩耗低減性能がより向上する傾向にある。カーボン(C)は1種を単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
切削加工補助潤滑材2を用いた切削加工、特に、連続切削加工において、カーボン(C)は、ドリルビット1の表面や溝、及び被加工材料の加工孔の内側面に付着することで潤滑性を示す。その際、カーボン(C)は、高分子量化合物(A)、中分子量化合物(B)に比べて、温度変化に伴う、体積及び硬度の変化が小さいため、切削加工を行う場合、ドリルビット1や加工箇所の温度が上昇しても、一定の体積及び硬度を保つことができる。即ち、カーボン(C)は、例えば、切削加工を行う場合、ドリルビット1と被加工材料との間に常在して潤滑性を高め、ベアリングのような効果を示すことができるので、ドリルビット1の摩耗を抑制する効果がある。カーボン(C)は他の固体潤滑剤と比較して適度に高い硬度を有するため、上記ベアリング効果に優れ、潤滑性に優れる。結果として、ドリルビット1への負荷がより低減し、加工孔周辺にできるバリ、欠け、又は繊維の切れ残りがより低減する傾向にある。
カーボン(C)の平均粒子径は、好ましくは50μm以上であり、より好ましくは100μm以上であり、さらに好ましくは150μm以上であり、特に好ましくは200μm以上である。また、カーボン(C)の平均粒子径は、好ましくは1000μm以下であり、より好ましくは750μm以下であり、さらに好ましくは500μm以下であり、特に好ましくは300μm以下である。カーボン(C)の平均粒子径が50μm以上であることにより、潤滑性ならびに成形性がより向上し、結果として、ドリルビット1への負荷がより低減し、ドリル寿命が伸び、加工孔周辺にできるバリ、欠け、又は繊維の切れ残りがより低減する傾向にある。また、カーボン(C)の平均粒子径が1000μm以下であることにより、ドリルビット1の先端部の摩耗がより低減する傾向にある。なお、カーボン(C)を2種以上含む場合には、それぞれの平均粒子径が上記範囲を満たせばよい。
本願明細書においてカーボン(C)の平均粒子径とは、メディアン径を指す。メディアン径とは、粒子径の累積分布曲線(個数基準)から得られる、その曲線で50%の高さとなる粒子直径(D50値)をいうものであり、実施例に記載の方法により測定することができる。
切削加工補助潤滑材2中のカーボン(C)の含有量は、高分子量化合物(A)、中分子量化合物(B)、及びカーボン(C)の合計100質量部に対して、好ましくは5質量部以上であり、より好ましくは15質量部以上であり、さらに好ましくは20質量部以上であり、よりさらに好ましくは25質量部以上であり、特に好ましくは30質量部以上である。また、潤滑材2中のカーボン(C)の含有量は、高分子量化合物(A)、中分子量化合物(B)、及びカーボン(C)の合計100質量部に対して、好ましくは70質量部以下であり、より好ましくは65質量部以下であり、さらに好ましくは60質量部以下である。カーボン(C)の含有量が5質量部以上であることにより、潤滑性がより向上する傾向にある。また、カーボン(C)の含有量が70質量部以下であることにより、成形性がより向上する傾向にある。また、カーボン(C)の含有量が上記範囲内であることにより、ドリルビット1への負荷がより低減し、加工孔周辺にできるバリ、欠け、又は繊維の切れ残りがより低減する傾向にある。
(その他の成分)
切削加工補助潤滑材2は、必要に応じて、その他の成分を含んでもよい。その他の成分としては、潤滑性向上成分、形成性向上成分、可塑剤、柔軟剤、表面調整剤、レベリング剤、帯電防止剤、乳化剤、消泡剤、ワックス添加剤、カップリング剤、レオロジーコントロール剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、光安定剤、核剤、有機フィラー、無機フィラー、固体潤滑剤、熱安定化剤、着色剤などが挙げられる。
潤滑性向上成分としては、特に限定されないが、例えば、エチレンビスステアロアミド、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、メチレンビスステアルアミドなどで例示されるアマイド系化合物;ラウリン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸などで例示される脂肪酸系化合物;ステアリン酸ブチル、オレイン酸ブチル、ラウリン酸グリコールなどで例示される脂肪酸エステル系化合物;流動パラフィン、などで例示される脂肪族炭化水素系化合物;オレイルアルコールなどで例示される高級脂肪族アルコールが挙げられ、これらのうち少なくとも1種を選択することができる。
形成性向上成分としては、特に限定されないが、例えば、熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂、フェノール樹脂、シアネート樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、熱硬化性ポリイミド が挙げられ、これらのうち少なくとも1種を選択することができる。
可塑剤、柔軟剤を含むことにより、被加工材料W(例えば、CFRP)曲面に切削加工補助潤滑材2を配置した際に、例えば、潤滑材2への応力や歪みが軽減されることで、潤滑材2の割れを抑制することができ、曲面追従性がより向上する傾向にある。可塑剤、柔軟剤としては、特に限定されないが、例えば、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、トリメット酸エステル、ポリエステル、リン酸エステル、クエン酸エステル、エポキシ化植物油、セバシン酸エステルなどが挙げられる。
カーボン(C)以外の固体潤滑剤としては、特に限定されないが、例えば、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、モリブデン化合物、ポリテトラフルオロエチレン、ポリイミドなどが挙げられる。
(粘着層)
切削加工補助潤滑材2は、被加工材料Wと接する面に、粘着層を有していてもよい。粘着層を有することにより、潤滑材2と被加工材料Wの密着性がより向上する傾向にある。
粘着層の構成成分は、特に限定されないが、例えば、熱可塑性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂としては特に限定されないが、例えば、ウレタン系重合体、アクリル系重合体、酢酸ビニル系重合体、塩化ビニル系重合体、ポリエステル系重合体及びそれらの共重合体が挙げられる。熱硬化性樹脂としては、特に限定されないが、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン、熱硬化性ポリイミド、シアネート樹脂などの樹脂が挙げられる。このなかでも、被切削加工材(例えば、CFRP)への糊残りがなく、常温にて容易に粘着できる特性が要求されることから、アクリル系重合体が好ましく、溶剤型アクリル粘着剤及びアクリルエマルジョン型粘着剤(水系)がより好ましい。
粘着層は、その他必要に応じて、粘着層の成分に酸化防止剤等の劣化防止剤、炭酸カルシウム、タルク、シリカ等の無機フィラーを含んでもよい。
切削加工後に被加工材料Wから切削加工補助潤滑材2を除去した際、被加工材料Wに付着する潤滑材2及び/又は粘着層の成分の量は、被加工材料Wと潤滑材2の接触部分および被加工部分の面積1mm当たり、好ましくは1.0×10−8g以下であり、より好ましくは5.0×10−9g以下である。被加工材料Wに付着する潤滑材2及び/又は粘着層の成分の量の下限は、特に限定されないが、0が好ましい。
(厚さ)
粘着層を除く切削加工補助潤滑材2の厚さは、被加工材料Wの切削加工の際の切削方法、切断方法、加工する部分の面積や体積、孔形成加工する際に使用するドリルビット1の径、CFRPの構成、厚さなどによって適宜選択されるので、特に限定されない。このなかでも、潤滑材2の厚さは、好ましくは0.1mm以上であり、より好ましくは0.2mm以上であり、さらに好ましくは0.5mm以上である。また、潤滑材2の厚さは、好ましくは20mm以下であり、より好ましくは10mm以下であり、さらに好ましくは5mm以下である。潤滑材2の厚さが0.1mm以上であることにより、十分な切削応力低減が得られ、例えば、ドリル加工を行う場合、ドリルビット1への負荷が小さくなりドリルビット1の折損をより抑制できる傾向にある。また、潤滑材2の厚さが20mm以下であることにより、ドリル加工を行う場合、ドリルビット1への潤滑材2の巻き付きが減少し、潤滑材2における亀裂発生をより抑制できる傾向にある。
また、切削加工補助潤滑材2に含まれる樹脂が切削粉のバインダーとなることを抑制でき、切削粉が加工孔にとどまることを低減できる傾向にある。これにより、孔内部の凹凸が拡大することを抑制できる傾向にある。つまり、潤滑材2の組成と厚さとを適正化することで、潤滑性を向上させることができ、例えば、ドリル加工を行う場合、ドリルビット1の側面の溝を通じた切削粉の排出を最適化できる。また、本発明の効果をより一層得るためには、潤滑材2の総厚さを上述した範囲内で適宜制御することが好ましく、薄い潤滑材2を複数枚重ねて使用することも可能である。
粘着層の厚さは特に限定されるものではなく、好ましくは0.01mm以上であり、より好ましくは0.05mm以上である。また、切削加工補助潤滑材2の厚さは、好ましくは5mm以下であり、より好ましくは2.5mm以下である。
切削加工補助潤滑材2を構成する各層の厚さは、次のようにして測定する。まず、クロスセクションポリッシャー(日本電子データム株式会社製 CROSS-SECTION POLISHER SM-09010)、又はウルトラミクロトーム(Leica社製 EM UC7)を用いて潤滑材2を潤滑材2に対して垂直方向に切断する。次に、SEM(走査型電子顕微鏡、Scanning Electron Microscope、KEYENCE社製 VE−7800)を用いて、切断面に対して垂直方向から切断面を観察し、潤滑材2を構成する各層の厚さを測定する。その際、1視野に対して、5箇所の厚さを測定し、その平均値を各層の厚さとする。
〔切削加工補助潤滑材の製造方法〕
切削加工補助潤滑材2の製造方法としては、特に制限されるものではなく、高分子材料などの樹脂と充填材(例えば、無機充填材)とを含む樹脂組成物を、シートや、丸棒の形状や角棒の形状などのブロック状態に成形する従来公知の方法を広く利用することができる。例えば、高分子量化合物(A)、中分子量化合物(B)、及びカーボン(C)を、溶媒の存在下又は溶媒の非存在下で混合し、支持体に塗布、冷却、固化させてシートを形成し、その後、支持体を除去、剥離して潤滑材2を得る方法、高分子量化合物(A)、中分子量化合物(B)、及びカーボン(C)を、溶媒存在下又は溶媒非存在下で混合し、シートの形状に押出成形して、必要に応じて延伸することにより潤滑材2を得る方法などが挙げられる。
切削加工補助潤滑材2が前述した積層体(例えば、粘着層や保護層を有する切削加工補助潤滑シート)である場合、当該積層体を製造する方法としては、特に限定されないが、例えば、予め作製した層の少なくとも片面にもう一つの層を直接形成する方法や、予め作製した層ともう一つの層を、接着樹脂や熱によるラミネート法などで貼り合わせる方法などが挙げられる。
また、粘着層を切削加工補助潤滑材2の表面に形成する方法としては、工業的に使用される公知の方法であれば、特に限定されない。具体的には、ロール法やカーテンコート法、スプレー噴出法などで粘着層を形成する方法や、ロールやT−ダイ押出機等を使用し、予め所望の厚さの粘着層を形成する方法などが例示される。該粘着層の厚さは、特に限定されるものではなく、被加工材料Wの曲率や潤滑材2の構成により最適な厚さを、適宜、選択できる。
また、溶融状態の切削加工補助潤滑材2を製造する場合には、樹脂と充填材とを混合して得られる樹脂組成物を潤滑材2として用いるか、樹脂と充填材と溶媒とを混合して得られる樹脂組成物を潤滑材2として用いる方法が挙げられる。
〔被加工材料〕
被加工材料Wとしては、難削金属材、繊維強化複合材、繊維強化複合材と難削金属材とが密着した複合材料、等が挙げられる。
難削金属材としては、一般的に構造材として用いられている金属であれば特に限定されないが、例えば、チタン合金、アルミニウム合金、マグネシウム合金、低合金鋼、ステンレス鋼、耐熱合金が挙げられる。このなかでも、チタン合金が好ましく、さらに、チタン合金の中でも、チタン、アルミニウム及びバナジウムからなるより強度の高いTi−6Al―4Vが特に好ましい。チタン合金は、アルミニウム合金に比べて引っ張り強さは2倍も強く、耐食、耐熱性も優れた材料であるが、硬度が高い難削材のため、従来技術では、切削加工条件やドリルビット1の形状を特殊なものとする必要があるが、切削加工補助潤滑材2を用いることで、切削加工条件やドリルビット1の形状を特殊なものとしなくてもよく、ドリルビット1の寿命もより長くできる。用途面からは、航空機の機体構造用材料等に用いられる金属材料が好ましい。強度の高い金属ほど、潤滑材2を用いたことによるドリルビット1の寿命延長効果が顕著となる。難削金属材は、1種単独で用いても、2種以上を積層して用いてもよい。
なお、本実施形態において、「難削金属材」とは、ビッカース硬度が100以上のものをいう。ビッカース硬度は、JIS Z 2244:2009「ビッカース硬さ試験−試験方法」により測定することができる。
被加工材料Wが、繊維が密に存在する繊維強化複合材である場合には、繊維の切削量が多く、ドリルビット1の切れ刃10が摩耗しやすい傾向にあるが、切削加工補助潤滑材2を用いることで、ドリルビット1の切れ刃10の摩耗を低減させることができる。また、炭素繊維強化プラスチックを、摩耗が進行したドリルビット1で加工する場合、炭素繊維を押し切る状態で切削することになるため、積層されたプリプレグ間の層間剥離が発生しやすくなり、結果としてドリルビット1が貫通する出口側に炭素繊維の切れ残りがさらに発生しやすくなる欠点がある。しかし、潤滑材2を用いることで、繊維の切れ残りをより抑制できる。
さらに、繊維強化複合材が、UD材である場合には、ドリルビット1の切れ刃10が炭素繊維の束に食い込み抉る角度で進入させるときに、孔の内壁に繊維座屈部が発生しやすい。この点、切削加工補助潤滑材2を用いることで、繊維座屈を抑制し、さらに、摩擦熱による温度上昇をも抑制するので、マトリクス樹脂がガラス転移点(温度)あるいは軟化点に到達しにくくなり、炭素繊維の堅く束ねた状態を維持することができ、繊維座屈を抑制することができる。なお、「UD材」とは、繊維強化複合材に於いて、一方向のみに繊維を引き揃えたクロス材を使用した材料である。
繊維強化複合材としては、マトリックス樹脂と強化繊維により構成される複合材であれば特に限定されない。マトリックス樹脂としては、特に限定されないが、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シアネート樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などの熱硬化性樹脂;ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂、PA(ポリアミド)樹脂、PP(ポリプロピレン)樹脂、PC(ポリカーボネート)樹脂、メチルメタアクリレート樹脂、ポリエチレン、アクリル、ポリエステル樹脂などの熱可塑性樹脂が挙げられる。強化繊維としては、特に限定されないが、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維が挙げられる。また、強化繊維の形態としては、特に限定されないが、例えば、フィラメント、トウ、クロス、ブレード、チョップ、ミルドファイバー、フェルトマット、ペーパー、プリプレグ等が挙げられる。このような繊維強化複合材の具体例としては、特に限定されないが、例えば、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)、ガラス繊維強化プラスチック(GFRP)、アラミド繊維強化プラスチック(AFRP)等の繊維強化プラスチック(FRP)が挙げられる。このなかでも、比較的に、引張り強さ、引張り弾性力が大きく、密度が小さい炭素繊維強化プラスチック(CFRP)が好ましい。繊維強化複合材は、その他必要に応じて、無機フィラーや有機フィラー等を含んでいてもよい。
さらに、被加工材料Wが、繊維強化複合材と難削金属材とが密着した材料である場合には、ドリルビット1が被加工材料Wを貫孔する順としては、難削金属材を切削加工し、繊維強化複合材を切削加工することになるか、又は、逆に繊維強化複合材を切削加工し、難削金属材を切削加工することが考えられる。例えば、難削金属材を先に切削加工する場合には、繊維強化複合材を切削加工する前に既にドリルビット1の摩耗が進行し得る。この場合、摩耗が進行したドリルビット1で加工する場合、炭素繊維を押し切る状態で切削することになるため、積層されたプリプレグ間の層間剥離が発生しやすくなり、結果としてドリルビット1が貫通する出口部に炭素繊維の切れ残りがさらに発生しやすくなる欠点がある。しかし、切削加工補助潤滑材2を用いることで、金属の切削加工時のドリルビット1の摩耗が抑制され、この摩耗によって加工孔の品質に影響が出やすい繊維強化複合材の切削加工の制約を大きく緩和できる。
さらに、繊維強化複合材と難削金属材との複合材料としては、特に限定されないが、例えば、繊維強化複合材と難削金属材が積層などにより複合化された材料が挙げられる。繊維強化複合材と難削金属材の最適な切削条件は、通常大きく異なり、繊維強化複合材においては、高速回転で低速送り量が適しており、難削金属材においては、低速回転で高速送り量が適している。これは、難削金属材では、例えば、ドリル加工を行う場合、ドリルビット1の温度上昇を抑え、ドリルビット1の切れ刃10の摩耗を抑制するためである。このように、相反する孔あけ条件に対して、実際の加工現場では、CFRPとチタン合金との境で孔あけ条件を変えたり、中庸をとった同一条件で孔形成加工している。あるいは、例えば、ドリル加工を行う場合、ドリルビット1の温度上昇を防ぐため、航空機用途のチタン合金の孔形成加工時に、切削油を注入したり、冷風を吹きつけたりしながら、同時に集塵機で集塵する取り組みも行われている。しかしながら、切削加工補助潤滑材2を用いることで、摩擦熱で発熱しやすい難削金属材の孔あけ条件の制約を大きく緩和できる副次効果がある。
被加工材料Wの厚さは、特に限定されないが、1.0mm以上とすることができる。被加工材料Wの厚さの上限は、特に限定されないが、例えば40mm以下が好ましい。本発明に係る孔形成方法を採用すると、被加工材料Wの厚さが1.0mm以上であったとしても、ドリルビット1の摩耗、切削部(例えば、ドリル加工孔)の品質がより良好となる傾向にある。
以下、実施例及び比較例を用いて、本発明を具体的に説明する。なお、下記の実施例は本発明の実施形態の一例を示したに過ぎず、本発明はこれらに限定されるものではない。
表1に各実施例及び各比較例において使用した被加工材料W(孔形成加工した材料)、切削加工補助潤滑材2の製造に用いた各成分、粘着層、孔形成加工に用いたドリルビット1、孔形成加工機器、評価に用いた装置等の仕様を示す。
なお、高分子量化合物(A)及び中分子量化合物(B)の重量平均分子量は、高分子量化合物(A)及び中分子量化合物(B)を0.05%の食塩水に溶解、分散させ、GPC(Gel Permeation Chromatography)カラムを備えた液体クロマトグラフィーを用いて、ポリエチレングリコールを標準物質として測定し、相対平均分子量として算出した。
また、カーボン(C)のメディアン径は、カーボンをヘキサメタりん酸溶液とトリトン数滴からなる溶液に分散させ、レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて、投影したカーボンの粒子それぞれの最大長さを測定する。そして、粒子径の累積分布曲線(個数基準)を算出する。その累積分布曲線(個数基準)において50%の高さとなる粒子直径をメディアン径とした。
また、被加工材料Wであるチタン合金板(Ti−6Al−4V)のビッカース硬度は、320であった。
〔実施例1〕
実施例1においては、ドリルビット1として、超硬合金ドリル(RG−GDN、オーエスジー株式会社製)の先端部に、ワイヤ放電加工機(AQ327L、Sodick製)を使用して、0.2mmΦのワイヤを用いて、ドリルビット先端部の2番面20に、切れ刃10に対して平行な直線状の溝40を形成し、ドリルビットd−1を作製した(表2参照)。この時、溝40の切れ刃10からの距離が363μm、溝40の幅の平均値が263μm、溝40の最大深さが81μmであった。ドリルビット先端部に形成した溝40の切れ刃10からの距離、幅、深さについては、溝加工後のドリルビット1の先端部を、V−LASER顕微鏡(VK−9700、株式会社キーエンス製)を用いて撮影し、撮影したデータから、解析ソフトを用いて計測した。
また、実施例1においては、高分子量化合物(A)として、ポリエチレンオキサイド(アルコックスE−45、明成化学工業株式会社製)7質量部、ポリエチレンオキサイド(アルトップMG−150、明成化学工業株式会社製)13質量部、ポリエチレンオキサイド(アルコックスR−150、明成化学工業株式会社製)7質量部、中分子量化合物(B)として、ポリエチレンオキサイドモノステアレート(ノニオンS−40、日油株式会社製)50質量部、及びカーボン(C)として、黒鉛(RP99−150、伊藤黒鉛工業株式会社)33質量部を、1軸押出機を使用して、温度140℃で押出機にて成形することにより、厚さ1.0mmの樹脂シートを作製した。
また、厚さ0.15mmのアルミニウム箔(1N30−H18、三菱アルミニウム株式会社製)の片面に、接着層として厚み0.01mmのポリエステル系樹脂層(バイロナールMD−1200、東洋紡績株式会社製)を形成した接着層形成アルミニウム箔を準備した。
そして、接着層形成アルミニウム箔の接着層と樹脂シートが接するように重ね、さらに、その樹脂シートの上に、接着層形成アルミニウム箔を接着層と樹脂シートが接するように重ねて、ラミネート装置(OHL―2400、株式会社オー・エヌ・シー製)を用いて、150℃の温度で熱ラミネートして積層一体化し、接着層形成アルミニウム箔/樹脂シート/接着層形成アルミニウム箔の3層からなる切削加工補助潤滑材2のシート(切削加工補助潤滑シート)を作製した。
その後、作製した切削加工補助潤滑シートを、被加工材料Wのドリルビット1の進入面に治具を用いて固定し、表3に示す条件で孔あけ加工を行った。ドリルビット1の出口側における加工孔周辺のバリと、切削加工時のドリルビット1の温度と、について評価した結果を表3に示した。
〔実施例2〜4〕
実施例2〜4においては、実施例1と同様の方法で、ドリルビット1の先端部に表2に示す形状の溝40を形成し、ドリルビットd−2〜d−4を作製した。また、実施例1と同様にして作製した切削加工補助潤滑シートを、被加工材料Wのドリルビット1の進入面に治具を用いて固定し、表3に示す条件で孔あけ加工を行った。ドリルビット1の出口側における加工孔周辺のバリと、切削加工時のドリルビット1の温度と、について評価した結果を表3に示した。図4は、実施例1〜4で使用したドリルビット1の先端部の写真である。
〔比較例1〕
比較例1においては、先端部に溝を形成していないドリルビットを使用した。そして、実施例1と同様にして作製した切削加工補助潤滑シートを、被加工材料Wのドリルビット進入面に治具を用いて固定し、表3に示す条件で孔あけ加工を行った。ドリルビットの出口側における加工孔周辺のバリと、切削加工時のドリルビットの温度と、について評価した結果を表3に示した。図5は、比較例1で使用したドリルビットの先端部の拡大図である。
〔評価:ドリルビット出口側加工孔のバリの高さ、切削加工時のドリルビットの温度〕
実施例1〜4及び比較例1において、加工後の貫通孔のドリルビット出口側を、V−LASER顕微鏡(VK−9700、株式会社キーエンス製)を用いて撮影し、撮影したデータから、解析ソフトを用いてドリルビット出口側における加工孔のバリの高さを計測した。この時、8箇所でバリの高さを測定し、その平均値をバリ高さとした(なお、本実施例及び比較例においては、5孔目のバリを測定した)。また、実施例1〜4及び比較例1において、切削加工時のドリルビットの温度を、赤外線放射温度計(InfReC Themo GEAR G120EX、NEC Avio赤外線テクノロジー株式会社製)を用いて測定した。サンプリング周期は10 fpsとし、ドリルビットが貫通する直前の試験片下面から、孔の貫通方向に対して45°の方向から測定した。
以上の結果を見ると明らかなように、先端部に溝を形成していないドリルビットを使用した比較例1においてはバリが比較的高くなり、切削加工時のドリルビットの温度も比較的高くなったが、先端部に溝40を形成したドリルビット1を使用した実施例1〜4においては、バリが比較的低くなり、切削加工時のドリルビット1の温度も比較的低くなったことがわかる。
本発明は、以上の実施形態に限定されるものではなく、かかる実施形態に当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。すなわち、前記実施形態が備える各要素及びその配置、材料、条件、形状、サイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、前記実施形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
本発明に係るドリルビット及び孔形成方法は、被加工材料(特に難削材)の切削加工において、その加工品質を向上させ、加工コストを低減させるものとして、産業上の利用可能性を有する。

1…ドリルビット
2…切削加工補助潤滑材
10…切れ刃
20…2番面
30…3番面
40…溝(凹部)
W…被加工材料

Claims (15)

  1. 切削加工補助潤滑材を被加工材料の被加工部分に接触させながらドリル加工により前記被加工部分を切削して孔を形成する際に使用されるドリルビットであって、
    少なくとも一つの切れ刃と、
    前記切れ刃の近傍に位置する面と、を備え、
    前記面に、所定の平面形状を呈する凹部が設けられている、ドリルビット。
  2. 前記面が、前記切れ刃に隣接する2番面を有し、
    前記凹部が、前記2番面に設けられている、請求項1に記載のドリルビット。
  3. 前記面が、前記切れ刃に隣接する2番面と、前記2番面に隣接する3番面と、を有し、
    前記凹部が、前記3番面に設けられている、請求項1又は2に記載のドリルビット。
  4. 前記凹部が、前記切れ刃に対して略平行に形成された略直線状の溝である、請求項1から3の何れか一項に記載のドリルビット。
  5. 前記切れ刃と前記溝との間の寸法が、0.25mm以上0.43mm以下に設定されている、請求項4に記載のドリルビット。
  6. 前記溝の幅の平均値が、0.23mm以上0.30mm以下に設定されている、請求項4又は5に記載のドリルビット。
  7. 前記凹部の最大深さが、0.05mm以上0.15mm以下に設定されている、請求項1〜6の何れか一項に記載のドリルビット。
  8. 切削加工補助潤滑材を、ドリルビット及び被加工材料の被加工部分の少なくとも何れか一方に接触させながら、ドリル加工により前記被加工部分を切削して孔を形成する孔形成工程を含み、
    前記孔形成工程において、請求項1〜7の何れか一項に記載のドリルビットを使用する、
    孔形成方法。
  9. 前記切削加工補助潤滑材が、シート状に形成されている、請求項8に記載の孔形成方法。
  10. 前記被加工材料の厚みが、1.0mm以上であり、
    前記孔形成工程によって形成される孔の直径が、3.0mm以上である、請求項8又は9に記載の孔形成方法。
  11. 前記被加工材料が、難削金属材である、請求項8〜10の何れか一項に記載の孔形成方法。
  12. 前記被加工材料が、繊維強化複合材である、請求項8〜10の何れか一項に記載の孔形成方法。
  13. 前記被加工材料が、難削金属材と繊維強化複合材とが密着した材料である、請求項8〜10の何れか一項に記載の孔形成方法。
  14. 前記難削金属材が、チタン合金、アルミニウム合金、マグネシウム合金、低合金鋼、ステンレス鋼及び耐熱合金からなる群より選ばれる何れか一つである、請求項11又は13に記載の孔形成方法。
  15. 前記難削金属材が、Ti−6Al―4Vのチタン合金である、請求項11又は13に記載の孔形成方法。
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