本発明の実施形態について説明する。
本発明の実施形態においては、複数の周波数チャンネルを用いたダイバーシティ送受信システムを構築する際に、受信アンテナを複数チャンネルで共用することにより、システム規模を低減させるとともに、アンテナ間隔を拡げる。これにより、アンテナ相関を低減させ、ダイバーシティ性能を改善させる。
(第1実施例)
まず、本発明の実施形態における第1実施例について、図1を用いて説明する。図1は、第1実施例に係る送受信システムの構成図であり、2チャンネルのFPU伝送を行う例を示す。前述したように、マラソン中継などでは複数のチャンネルを使用した運用を行うが、図1では理解を容易にするため2チャンネルの運用について記載している。3チャンネル以上の運用例については、他の実施例にて説明する。
図1に示すように、第1系統の送信FPU1-1から送出された信号(ch1)は、第1系統の受信アンテナ101と、第2系統の受信アンテナ201に到達する。また同様に、第2系統の送信FPU2-1から送出された信号(ch2)も、受信アンテナ101と受信アンテナ201に到達する。詳細の構成は後述するが、本実施形態の第一の主眼は、ch1とch2の2チャンネルの信号を、これら受信アンテナ101と201の2本のアンテナを用いてダイバーシティ受信することにより、システム規模を低減させることにある。
また、受信アンテナ101が接続される受信高周波部100の筐体と、受信アンテナ201が接続される受信高周波部200の筐体が異なるため、受信アンテナと受信高周波部の間に長いケーブルを使用することなく、受信アンテナ101と201の間隔を広く設置することが可能である。本実施形態の第二の主眼としては、これにより、アンテナ間隔が広くなり、アンテナ相関を低減させ、受信ダイバーシティを効果的に運用することを可能とすることである。
このように、本発明の実施形態では、システム規模の低減とダイバーシティ性能の改善を両立させることが可能となる。以下に、第1実施例の詳細な構成について説明する。
図1に示すように、この送受信システムは、第1系統のFPU伝送装置と第2系統のFPU伝送装置を備える。第1系統のFPU伝送装置は、第1送信FPU1‐1と、受信装置としての第1受信FPUとを備える。第2系統のFPU伝送装置は、第2送信FPU2‐1と、受信装置としての第2受信FPUとを備える。第1送信FPU1‐1と第2送信FPU2‐1は、背景技術と同様に、それぞれ、送信制御部11と送信高周波部13を備える。
第1送信FPU1‐1は、チャンネル(以降、chとも称す)1の送信データを、ch1の搬送波を用いて、送信アンテナ1‐2から無線送信する。ch1の搬送波の中心周波数をf1とする。第2送信FPU2‐1は、ch2の送信データを、ch2の搬送波を用いて、送信アンテナ2‐2から無線送信する。ch2の搬送波の中心周波数をf2とする。f1とf2は互いに異なり、また、ch1の送信データとch2の送信データは互いに異なる。
図1に示すように、ch1の搬送波とch2の搬送波は、第1受信FPUの受信アンテナ101と、第2受信FPUの受信アンテナ201において、それぞれ受信される。図1では、ch1の搬送波31aとch2の搬送波32aが受信アンテナ101で受信され、ch1の搬送波31bとch2の搬送波32bが受信アンテナ201で受信される様子を示す。
このように、受信アンテナ101は、当該受信装置(第1受信FPU)に対する送信データ(ch1)を含む周波数信号と、他の受信装置(第2受信FPU)に対する送信データ(ch2)を含む周波数信号を受信する。受信アンテナ201は、当該受信装置(第2受信FPU)に対する送信データ(ch2)を含む周波数信号と、他の受信装置(第1受信FPU)に対する送信データ(ch1)を含む周波数信号を受信する。
第1受信FPUは、第1受信高周波部100と第1受信制御部110を備える受信装置である。第1受信高周波部100は、受信アンテナ101と、LNA102と、中間周波数信号生成部103と、IF(中間周波数信号)合成部105を備える。第1受信制御部110は、IF(中間周波数信号)分離部111と、ダイバーシティ合成部112と、誤り訂正部113を備える。LNA(Low Noise Amplifier)は、NF(Noise Figure:雑音指数)の小さい増幅器であり、設けなくてもよい場合もあるが、なるべく設けることが望ましい。IFは、前述したように中間周波数、又は中間周波数信号のことである。
中間周波数信号生成部103は、ミキサ103aと、ミキサ103bと、BPF104aと、BPF104bを備える。ミキサは、入力信号の高周波数をより低い周波数に変換して出力する周波数変換器である。詳しくは、例えば周波数f1の信号が入力されると、所定の周波数f0の局部発振器(不図示)からの信号を乗算し、両信号の差の周波数信号を出力する。
第1実施例では、受信アンテナ101で受信され、LNA102で増幅された高周波(例えば1.2GHz付近)の搬送波は、ミキサ103aによって中心周波数が略130MHzの中間周波数に変換され、ミキサ103bによって中心周波数が約190MHzの中間周波数に変換される。この搬送波には、第1送信FPU1‐1から送信されたch1の搬送波(周波数f1)と、第2送信FPU2‐1から送信されたch2の搬送波(周波数f2)が含まれる。
BPF104aは、約130MHzを中心に略1チャンネル分の帯域幅に相当する通過帯域を有するバンドパスフィルタであり、ミキサ103aから出力された130MHz付近の中間周波数信号に対し、ch1の送信データ以外の周波数信号を抑圧し、ch1の送信データ(ch1‐1)だけを通過させる。BPF104bは、ミキサ103bから出力された190MHz付近の中間周波数信号に対し、ch2の送信データ以外の周波数信号を抑圧し、ch2の送信データ(ch2‐1)だけを通過させる。
こうして、中間周波数信号生成部103は、受信アンテナ101で受信され、LNA102で増幅された搬送波信号、つまり、第1受信FPUに対する送信データ(ch1)を含む搬送波信号と、他の受信FPUに対する送信データ(ch2)を含む搬送波信号の高周波数を中間周波数に変換し、第1受信FPUに対する送信データを含む中間周波数信号と、他の受信FPUに対する送信データを含む中間周波数信号とを生成する。図1の例では、ch1‐1を含む中間周波数信号と、ch2‐1を含む中間周波数信号とを生成する。
IF合成部105は、入力された複数(図1の例では2つ)の中間周波数信号を合成、つまり加算(重畳)して、1つの中間周波数合成信号を生成する合成部である。図1の例では、ch1‐1を含む中間周波数信号と、ch2‐1を含む中間周波数信号とを合成し、合成信号を生成する。
IF分離部111は、IF合成部105で生成された中間周波数合成信号を、IF合成部105で合成される前の複数の中間周波数信号に分離する分離部である。図1の例では、IF合成部105で生成された中間周波数合成信号を、周波数により弁別し、ch1‐1を含む中間周波数信号と、ch2‐1を含む中間周波数信号とに分離する。上述したように、ch1‐1を含む中間周波数信号は約130MHz、ch2‐1を含む中間周波数信号は約190MHzである。
ダイバーシティ合成部112は、IF分離部111で分離された中間周波数信号であって、当該チャンネルの送信データ(図1の例ではch1‐1)を含む中間周波数信号(約130MHz)と、他の受信装置(図1の例では第2受信FPU)のIF分離部211で分離された中間周波数信号であって、当該チャンネルの送信データ(図1の例ではch1‐2)を含む中間周波数信号(約190MHz)とが入力されてダイバーシティ合成を行い、信号を復調する。
一例としてダイバーシティ合成部112は、よく知られているように、SNR(信号対雑音電力比)が最大になるように合成(最大比合成ダイバーシティ)する。
こうして、ダイバーシティ合成部112では、当該受信装置(第1受信FPU)の分離部で分離され当該受信装置に対する送信データ(ch1)を含む中間周波数信号と、他の受信装置(第2受信FPU)の分離部で分離され当該受信装置に対する送信データ(ch1)を含む中間周波数信号とが入力されて、当該受信装置に対する送信データ(ch1)を含むダイバーシティ合成信号が生成される。
誤り訂正部113は、ダイバーシティ合成部112でダイバーシティ合成された信号に対して、伝送誤りを訂正し、ch1の映像信号を出力する。
第2受信FPUは、第2受信高周波部200と第2受信制御部210を備える受信装置である。第2受信高周波部200は、受信アンテナ201と、LNA202と、中間周波数信号生成部203と、IF合成部205を備える。第2受信制御部210は、IF分離部211と、ダイバーシティ合成部212と、誤り訂正部213を備える。中間周波数信号生成部203は、ミキサ203aと、ミキサ203bと、BPF204aと、BPF204bを備える。
第1実施例では、受信アンテナ201で受信され、LNA202で増幅された高周波(例えば1.2GHz付近)の搬送波は、ミキサ203aによって中心周波数が約130MHzの中間周波数に変換され、ミキサ203bで190MHz付近の中間周波数に変換される。この搬送波には、第1送信FPU1‐1から送信された搬送波(周波数f1)と、第2送信FPU2‐1から送信された搬送波(周波数f2)が含まれる。
BPF204aは、ミキサ203aから出力された130MHz付近の中間周波数信号に対し、ch2の送信データ以外の周波数信号を抑圧し、ch2の送信データ(ch2‐2)だけを通過させる。BPF204bは、ミキサ203bから出力された190MHz付近の中間周波数信号に対し、ch1の送信データ以外の周波数信号を抑圧し、ch1の送信データ(ch1‐2)だけを通過させる。
こうして、中間周波数信号生成部203は、受信アンテナ201で受信され、LNA202で増幅された搬送波信号、つまり、第2受信FPUに対する送信データ(ch2)を含む搬送波信号と、他の受信FPUに対する送信データ(ch1)を含む搬送波信号の高周波数を中間周波数に変換し、第2受信FPUに対する(図1の例ではch2‐2)を含む中間周波数信号と、他の受信FPUに対する送信データ(図1の例ではch1‐2)を含む中間周波数信号とを生成する。
IF合成部205は、入力された複数(図1の例では2つ)の中間周波数信号を合成して、1つの中間周波数合成信号を生成する合成部である。図1の例では、ch2‐2を含む中間周波数信号と、ch1‐2を含む中間周波数信号とを合成し、合成信号を生成する。
IF分離部211は、IF合成部205で生成された中間周波数合成信号を、IF合成部205で合成される前の複数の中間周波数信号に分離する分離部である。図1の例では、IF合成部205で生成された中間周波数合成信号を、周波数により弁別し、ch2‐2を含む中間周波数信号と、ch1‐2を含む中間周波数信号とに分離する。上述したように、ch2‐2を含む中間周波数信号は約130MHz、ch1‐2を含む中間周波数信号は約190MHzである。
ダイバーシティ合成部212は、IF分離部211で分離された中間周波数信号であって、当該チャンネルの送信データ(図1の例ではch2‐2)を含む中間周波数信号(約130MHz)と、他の受信装置(図1の例では第1受信FPU)のIF分離部111で分離された中間周波数信号であって、当該チャンネルの送信データ(図1の例ではch2‐1)を含む中間周波数信号(約190MHz)とが入力されてダイバーシティ合成を行い、信号を復調する。一例として、ダイバーシティ合成部212は、ダイバーシティ合成部112と同様に、最大比合成ダイバーシチを行う。
こうして、ダイバーシティ合成部212では、当該受信装置(第2受信FPU)の分離部で分離され当該受信装置に対する送信データ(ch2)を含む中間周波数信号と、他の受信装置(第1受信FPU)の分離部で分離され当該受信装置に対する送信データ(ch2)を含む中間周波数信号とが入力されて、当該受信装置に対する送信データ(ch2)を含むダイバーシティ合成信号が生成される。
誤り訂正部213は、ダイバーシティ合成部212でダイバーシティ合成された信号に対して、伝送誤りを訂正し、ch2の映像信号を出力する。
次に、受信アンテナ101、201で受信した受信信号に基づき、第1系統の受信装置でch1の送信データ、第2系統の受信装置でch2の送信データを取得するまでの動作を説明する。ch1の送信データやch2の送信データは、例えば映像信号である。
受信アンテナ101、201は、指向性を有するアンテナであり、送信アンテナ1‐2、送信アンテナ2‐2にそれぞれ向けられるべきであるが、互いに接近する複数の中継車が遠方にある場合などでは、1つの受信ビームで複数の中継車を捉えられることがある。本実施例では、中継車が直線的な道路を走る場合などにその延長線上に受信サイトを設置するなどして、できるだけ複数の送信FPUからの送信データを同時に1つのアンテナで受信するように運用するものとする。
受信アンテナ101で受信した受信信号は、LNA102に入力され増幅される。受信アンテナ201で受信した受信信号は、LNA202に入力され増幅される。このとき、それぞれのチャンネル(ch1とch2)の周波数の差は、搬送波周波数に対して比較的狭い間隔である(比帯域が小さい)ことが望ましい。これは、受信アンテナ101、201やLNA102、202の有効帯域幅の中に、それぞれのチャンネルが収容されている必要があるためである。この条件下であれば、LNA102、202では、到達した2チャンネルの信号を同時に増幅することができる。なお、受信アンテナ101、201や受信高周波部100、200を、1.2GHz/2.3GHz共用の構成とすることを妨げるものではない。
LNA102で増幅された信号は、分岐され、ミキサ103aと103bに入力される。これらのミキサで、搬送波のRF周波数がIF周波数に周波数変換される。このとき、前述したように、ミキサ103aと103bで異なるIF周波数に変換する。具体的には、前述したFPUのARIB規格で推奨されているように、RF周波数をミキサ103aでは130MHzに、ミキサ103bでは190MHzに変換する。
ミキサ103aによりIF周波数(130MHz)に変換されたIF信号は、BPF104aにより、ch1の帯域外の信号を抑圧し、主信号であるch1の信号(ch1‐1)のみを抽出する。ミキサ103bによりIF周波数(190MHz)に変換されたIF信号は、BPF104bにより、ch2の帯域外の信号を抑圧し、主信号であるch2の信号(ch2‐1)のみを抽出する。
同様に、LNA202で増幅された信号は、分岐され、ミキサ203aと203bに入力される。これらのミキサで、搬送波のRF周波数がIF周波数に周波数変換される。具体的には、RF周波数をミキサ203aでは130MHzに、ミキサ203bでは190MHzに変換する。
ミキサ203aによりIF周波数(130MHz)に変換されたIF信号は、BPF204aにより、ch2の帯域外の信号を抑圧し、主信号であるch2の信号(ch2‐2)のみを抽出する。ミキサ203bによりIF周波数(190MHz)に変換されたIF信号は、BPF204bにより、ch1の帯域外の信号を抑圧し、主信号であるch1の信号(ch1‐2)のみを抽出する。
図2は、本発明の第1実施例に係るミキサとBPFによるチャンネル選択を示す図である。
図2に示すように、1系統目の受信アンテナ101で受信した受信信号は、ch1とch2の周波数を含んでいるが、ミキサ103aとBPF104aにより、ch1の信号(ch1‐1)のみが抽出され、ミキサ103bとBPF104bにより、ch2の信号(ch2‐1)のみが抽出される。
同様に、2系統目の受信アンテナ201で受信した受信信号は、ch1とch2の周波数を含んでいるが、ミキサ203bとBPF204bにより、ch1の信号(ch1‐2)のみが抽出され、ミキサ203aとBPF204aにより、ch2の信号(ch2‐2)のみが抽出される。
その後、1系統目の2つのIF信号(ch1‐1とch2‐1)は、IF合成部105により合成され、IFケーブル106により、IF分離部111へ伝送される。2系統目の2つのIF信号(ch1‐2とch2‐2)は、IF合成部205により合成され、IFケーブル206により、IF分離部211へ伝送される。IF合成部の構成を用いることで、各系統の2つのIF信号を、それぞれ1本のIFケーブルで伝送することが可能となる。IFケーブルには、例えば同軸ケーブルが用いられる。
なお、本例では、IFケーブルを用いて合成信号をIF合成部(105,205)からIF分離部(111,211)へ送信するように構成したが、ケーブルを用いず、無線により合成信号をIF合成部からIF分離部へ送信することも可能である。また、同軸ケーブルに限られず、アナログ変調を利用し光ケーブルで伝送してもよい。
1系統目のIF分離部111において、IF合成部105で合成されたIF信号は、再度2つのIF信号に分離、つまり、IF合成部105で合成される前のIF信号(ch1‐1とch2‐1)に分離される。同様に、2系統目のIF分離部211において、IF合成部205で合成されたIF信号は、再度2つのIF信号に分離、つまり、IF合成部205で合成される前のIF信号(ch1‐2とch2‐2)に分離される。
IF分離部111で分離された一方のIF信号(ch1-1)は、1系統目のダイバーシティ合成部112に入力される。もう一方のIF信号(ch2-1)は、2系統目のダイバーシティ合成部212に入力される。同様に、IF分離部211で分離された一方のIF信号(ch2-2)は2系統目のダイバーシティ合成部212に入力され、もう一方のIF信号(ch1-2)は、1系統目のダイバーシティ合成部112に入力される。
このように、片方のIF信号を2つの系統間で交差させて受け渡すことにより、1系統目のダイバーシティ合成部112には、受信アンテナ101と201で受信したch1の信号が集約され、2系統目のダイバーシティ合成部212には、受信アンテナ101と201で受信したch2の信号が集約される。
このとき、IF分離部111からダイバーシティ合成部212へのIF信号(ch2-1)の受け渡し、IF分離部211からダイバーシティ合成部112へのIF信号(ch1-2)の受け渡しは、例えば同軸ケーブルを用いて行われるが、同軸ケーブルに限られず、光ケーブル等を用いてもよい。
受信アンテナ101が設置される第1受信高周波部100と受信アンテナ201が設置される第2受信高周波部200との間の距離は、ダイバーシティ効果を高めるため大きく設定される(例えば数メートル以上)が、ダイバーシティ合成部112が収容される第1受信制御部110とダイバーシティ合成部212が収容される第2受信制御部210との間の距離は、近接していても構わない。
すなわち、合成信号を当該受信装置のIF合成部から当該受信装置のIF分離部へ伝送する第1のケーブル(106,206)の長さよりも、IF信号を他の受信装置(IF分離部211)から当該受信装置(ダイバーシティ合成部112)へ伝送する第2のケーブルの長さを短くすることができる。したがって、他の受信装置から当該受信装置へのIF信号の伝送が容易に行える。
ダイバーシティ合成部112と212では、それぞれ、集約された2つのIF信号を、合成後のSNRが最大となる最大比合成などのダイバーシティ合成方式を用いて合成する。ダイバーシティ合成後の信号は、それぞれ、誤り訂正部113と213により伝送誤りが軽減され、誤り訂正部113からはch1の映像信号が、誤り訂正部213からはch2の映像信号が出力される。
なお、第1実施例では、ダイバーシティ合成部112と212において、それぞれの2つの入力信号の中間周波数が異なるように構成したが、同じ中間周波数の信号同士を合成するように構成することも可能である。この場合は、第2受信高周波部200において、BPF204aは、ミキサ203aから出力された130MHz付近の中間周波数信号に対し、ch1の送信データ(ch1‐2)だけを通過させ、BPF204bは、ミキサ203bから出力された190MHz付近の中間周波数信号に対し、ch2の送信データ(ch2‐2)だけを通過させるよう構成する。
あるいは、高周波数におけるch1とch2の配置が固定的な場合は、ミキサ103bとミキサ203bを省略し、第1受信高周波部100において、ミキサ103aから出力された130MHz付近の中間周波数信号に対し、BPF104aは、ch1の送信データ(ch1‐1)だけを通過させ、BPF104bは、ch2の送信データ(ch2‐1)だけを通過させ、第2受信高周波部200において、ミキサ203aから出力された130MHz付近の中間周波数信号に対し、BPF204aは、ch1の送信データ(ch1‐2)だけを通過させ、BPF204bは、ch2の送信データ(ch2‐2)だけを通過させるよう構成してもよい。
また、第1実施例では、第1受信制御部110と第2受信制御部210の両方でダイバーシティ合成を行うように構成したが、第1受信制御部110と第2受信制御部210のいずれか一方のみでダイバーシティ合成を行うように構成することも可能である。例えば、第1受信制御部110のみでダイバーシティ合成を行い、第2受信制御部210では、ダイバーシティ合成部212を設けず、IF分離部211の出力(ch2-2)を誤り訂正部113へ入力し、ch2の映像信号とする。このようにしても、ch1の映像信号にはダイバーシティ効果が生じる。この方法は、例えば、送信FPU2‐1からの電波が継続して良好な場合に使用できる。
第1実施例によれば、少なくとも以下に示す効果を奏する。
(A1)複数の受信装置を含む受信システムにおいて、複数の受信装置のそれぞれが、当該受信装置に対する第1の送信データを含む第1の周波数信号と、他の受信装置に対する第2の送信データを含む第2の周波数信号を受信する受信アンテナと、第1の周波数信号と第2の周波数信号に基づき、第1の送信データを含む第1の中間周波数信号と、第2の送信データを含む第2の中間周波数信号を生成する中間周波数信号生成部と、第1の中間周波数信号と第2の中間周波数信号を合成し合成信号を生成する合成部と、合成信号を第1の中間周波数信号と第2の中間周波数信号に分離する分離部と、当該受信装置の分離部で分離された第1の中間周波数信号と、他の受信装置の分離部で分離され第1の送信データを含む第3の中間周波数信号とが入力されて、第1の送信データを含むダイバーシティ合成信号が生成されるダイバーシティ合成部と、を備えるよう構成したので、アンテナ本数(つまりシステム設備)を低減させるとともに、アンテナ間隔を拡げることによりアンテナ相関を低減させダイバーシティ性能を改善することができる。
(A2)合成信号を当該受信装置の合成部から当該受信装置の分離部へ伝送する第1のケーブルと、前記第3の中間周波数信号を他の受信装置から当該受信装置へ伝送する第2のケーブルとを設け、第2のケーブルが第1のケーブルよりも短くなるように構成したので、異なる系統の受信アンテナの間隔を拡げることができ、また、異なる系統のダイバーシティ合成部の間隔を小さくすることができる。
(A3)ダイバーシティ合成部の入力信号の周波数を大きく異ならせるように構成したので、ダイバーシティ合成を行うことが容易になる。
(第2実施例)
次に、本発明の実施形態における第2実施例について、図3を用いて説明する。図3は、第2実施例に係る送受信システムの構成図であり、3チャンネルのFPU伝送を行う例を示す。図3において、第1実施例の図1と同じ構成には同符号を付し、説明を省略する。なお、第2実施例では、3チャンネルの構成について説明するが、4チャンネル以上についても同様の拡張により実現可能である。
図3に示すように、第2実施例では、3つの送信FPU1-1、2-1、3-1から、計3チャンネルの送信信号(ch1、ch2、ch3)を送出する。第3送信FPU3‐1は、第1送信FPU1‐1や第2送信FPU2‐1と同様に、それぞれ、送信制御部11と送信高周波部13を備える。
第1実施例では、2チャンネルの受信信号を、2つの系統の受信制御部の筐体間で交差させて受け渡ししていたが、第2実施例では、3チャンネルの受信信号を、3つの系統の受信制御部の筐体間で、リング状に受け渡す。
具体的には、第1系統の受信アンテナ301では少なくともch1とch2の信号を受信し、第2系統の受信アンテナ401では少なくともch2とch3の信号を受信し、第3系統の受信アンテナ501では少なくともch3とch1の信号を受信する。もちろん、各アンテナでch1、ch1、ch3の信号を同時に全て受信しても差し支えない。そして、第1系統で受信したch2の信号を第2系統に受け渡し、第2系統で受信したch3の信号を第3系統に受け渡し、第3系統で受信したch1の信号を第1系統に受け渡す。
図3に示すように、この送受信システムは、第1系統のFPU伝送装置と第2系統のFPU伝送装置と第3系統のFPU伝送装置とを備える。第1系統のFPU伝送装置は、第1送信FPU1‐1と第1受信FPUを備える。第2系統のFPU伝送装置は、第2送信FPU2‐1と第2受信FPUを備える。第3系統のFPU伝送装置は、第3送信FPU3‐1と第3受信FPUを備える。
第1実施例で述べたように、第1送信FPU1‐1は、ch1の送信データを、ch1の搬送波(f1)を用いて送信アンテナ1‐2から無線送信し、第2送信FPU2‐1は、ch2の送信データを、ch2の搬送波(f2)を用いて送信アンテナ2‐2から無線送信する。第3送信FPU3‐1は、ch3の送信データを、ch3の搬送波を用いて、送信アンテナ3‐2から無線送信する。ch3の搬送波の中心周波数をf3とする。f3はf1やf2と異なり、また、ch3の送信データは、ch1の送信データやch2の送信データと異なる。
図3に示すように、ch1の搬送波31aとch2の搬送波32aは、第1受信FPUの受信アンテナ301で受信され、ch2の搬送波32bとch3の搬送波33bは、第2受信FPUの受信アンテナ401で受信され、ch3の搬送波33cとch1の搬送波31cは、第3受信FPUの受信アンテナ501で受信される。
第1受信FPUは、第1受信高周波部300と第1受信制御部310を備える。第1受信高周波部300は、受信アンテナ301と、LNA302と、中間周波数信号生成部303と、IF合成部305を備える。中間周波数信号生成部303は、ミキサ303aと、ミキサ303bと、BPF304aと、BPF304bを備える。第1受信高周波部300の構成は、第1実施例の第1受信高周波部100の構成と同じである。LNA302は、第1実施例のLNA102と同じ機能を有する。
第1受信制御部310は、IF分離部311と、ダイバーシティ合成部312と、誤り訂正部313を備える。第1受信制御部310の構成も、第1実施例の第1受信制御部110の構成と略同じであるが、ダイバーシティ合成部312の入力が第2系統からの(ch1‐2)でなく、第3系統からの(ch1‐3)である点だけが、第1実施例と異なる。
第2受信FPUは、第2受信高周波部400と第2受信制御部410を備える。第2受信高周波部400は、受信アンテナ401と、LNA402と、中間周波数信号生成部403と、IF合成部405を備える。中間周波数信号生成部403は、ミキサ403aと、ミキサ403bと、BPF404aと、BPF404bを備える。LNA402は、第1実施例のLNA102と同じ機能を有する。
第2受信高周波部400の構成は、第1受信高周波部300の構成と略同じであるが、受信アンテナ401で、ch2の搬送波32b(周波数f2)とch3の搬送波33b(周波数f3)を受信し、一方のミキサ(ミキサ403a)で、130MHz付近の中間周波数信号に周波数変換し、一方のBPF(BPF404a)で、ch2の送信データ(ch2‐2)だけを通過させ、他方のミキサ(ミキサ403b)で、190MHz付近の中間周波数信号に周波数変換し、他方のBPF(BPF404b)で、ch3の送信データ(ch3‐2)だけを通過させる点が異なる。
第2受信制御部410は、IF分離部411と、ダイバーシティ合成部412と、誤り訂正部413を備える。第2受信制御部410の構成は、第1受信制御部310の構成と略同じであるが、IF分離部411の出力の一方(ch2‐2)が、ダイバーシティ合成部412に供給され、IF分離部411の出力の他方(ch3‐2)が、第3系統のダイバーシティ合成部512に供給される点が、第1受信制御部310と異なる。
第3受信FPUは、第3受信高周波部500と第3受信制御部510を備える。第3受信高周波部500は、受信アンテナ501と、LNA502と、中間周波数信号生成部503と、IF合成部505を備える。中間周波数信号生成部503は、ミキサ503aと、ミキサ503bと、BPF504aと、BPF504bを備える。LNA502は、第1実施例のLNA102と同じ機能を有する。
第3受信高周波部500の構成は、第1受信高周波部300の構成と略同じであるが、受信アンテナ501で、ch3の搬送波33c(周波数f3)とch1の搬送波31c(周波数f1)を受信し、一方のミキサ(ミキサ503a)で、130MHz付近の中間周波数信号に周波数変換し、一方のBPF(BPF504a)で、ch3の送信データ(ch3‐3)だけを通過させ、他方のミキサ(ミキサ503b)で、190MHz付近の中間周波数信号に周波数変換し、他方のBPF(BPF504b)で、ch1の送信データ(ch1‐3)だけを通過させる点が異なる。
第3受信制御部510は、IF分離部511と、ダイバーシティ合成部512と、誤り訂正部513を備える。第3受信制御部510の構成は、第1受信制御部310の構成と略同じであるが、IF分離部511の出力の一方(ch3‐3)が、ダイバーシティ合成部512に供給され、IF分離部511の出力の他方(ch1‐3)が、第1系統のダイバーシティ合成部312に供給される点が、第1受信制御部310と異なる。
次に、受信アンテナ301、401、501で受信した受信信号に基づき、第1系統の受信装置でch1の送信データ、第2系統の受信装置でch2の送信データ、第3系統の受信装置でch3の送信データを取得するまでの動作を説明する。
受信アンテナ301で受信した受信信号は、LNA302に入力され増幅される。受信アンテナ401で受信した受信信号は、LNA402に入力され増幅される。受信アンテナ501で受信した受信信号は、LNA502に入力され増幅される。
LNA302で増幅された信号は、ミキサ303a、303bに入力され、搬送波のRF周波数がIF周波数に周波数変換される。具体的には、RF周波数をミキサ303aでは130MHzに、ミキサ303bでは190MHzに変換する。
ミキサ303aによりIF周波数(130MHz)に変換されたIF信号から、BPF304aにより、ch1の信号(ch1‐1)のみが抽出される。ミキサ303bによりIF周波数(190MHz)に変換されたIF信号から、BPF304bにより、ch2の信号(ch2‐1)のみが抽出される。
同様に、LNA402で増幅された信号は、ミキサ403a、403bに入力され、RF周波数をミキサ403aでは130MHzに、ミキサ403bでは190MHzに変換する。そして、ミキサ403aによりIF周波数(130MHz)に変換されたIF信号から、BPF404aにより、ch2の信号(ch2‐2)のみが抽出される。ミキサ403bによりIF周波数(190MHz)に変換されたIF信号から、BPF404bにより、ch3の信号(ch3‐2)のみが抽出される。
同様に、LNA502で増幅された信号は、ミキサ503a、503bに入力され、RF周波数をミキサ503aでは130MHzに、ミキサ503bでは190MHzに変換する。そして、ミキサ503aによりIF周波数(130MHz)に変換されたIF信号から、BPF504aにより、ch3の信号(ch3‐3)のみが抽出される。ミキサ503bによりIF周波数(190MHz)に変換されたIF信号から、BPF504bにより、ch1の信号(ch1‐3)のみが抽出される。
その後、1系統目の2つのIF信号(ch1‐1とch2‐1)は、IF合成部305により合成され、IFケーブル306により、IF分離部311へ送出される。2系統目の2つのIF信号(ch2‐2とch3‐2)は、IF合成部405により合成され、IFケーブル406により、IF分離部411へ送出される。3系統目の2つのIF信号(ch3‐3とch1‐3)は、IF合成部505により合成され、IFケーブル506により、IF分離部511へ送出される。
1系統目のIF分離部311において、IF合成部305で合成されたIF信号は、IF合成部305で合成される前のIF信号(ch1‐1とch2‐1)に分離される。同様に、2系統目のIF分離部411において、IF合成部405で合成されたIF信号は、IF合成部405で合成される前のIF信号(ch2‐2とch3‐2)に分離される。3系統目のIF分離部511において、IF合成部505で合成されたIF信号は、IF合成部505で合成される前のIF信号(ch3‐3とch1‐3)に分離される。
IF分離部311で分離された1つ目のIF信号(ch1-1)は、1系統目のダイバーシティ合成部312に入力される。IF分離部311で分離された2つ目のIF信号(ch2-1)は、2系統目のダイバーシティ合成部412に入力される。
同様に、IF分離部411で分離された1つ目のIF信号(ch2-2)は、2系統目のダイバーシティ合成部412に入力され、2つ目のIF信号(ch3-2)は3系統目のダイバーシティ合成部512に入力される。
同様に、IF分離部511で分離された1つ目のIF信号(ch3-3)は、3系統目のダイバーシティ合成部512に入力され、2つ目のIF信号(ch1-3)は、1系統目のダイバーシティ合成部312に入力される。
このとき、IF分離部311からダイバーシティ合成部412へのIF信号(ch2-1)の受け渡し、IF分離部411からダイバーシティ合成部512へのIF信号(ch3-2)の受け渡し、IF分離部511からダイバーシティ合成部312へのIF信号(ch1-3)の受け渡しは、同軸ケーブルを用いて行われる。
ダイバーシティ合成部312,412,512では、それぞれ、集約された2つのIF信号を、合成後のSNRが最大となる最大比合成などのダイバーシティ合成方式を用いて合成する。ダイバーシティ合成後の信号は、誤り訂正部313、413、513により伝送誤りが軽減され、誤り訂正部313からはch1の映像信号、誤り訂正部413からはch2の映像信号、誤り訂正部513からはch3の映像信号が出力される。
こうして、第1受信FPUでは、ch1の信号をダイバーシティ受信するため、自身の受信アンテナ301で受信したch1の信号と、受信アンテナ501で受信し第3受信FPUを経由したch1の信号とを集約し、第1受信FPUの出力としてch1の映像信号を取得する。
同様に、第2受信FPUでは、ch2の信号をダイバーシティ受信するため、自身の受信アンテナ401で受信したch2の信号と、受信アンテナ301で受信し第1受信FPUを経由したch2の信号とを集約し、第2受信FPUの出力としてch2の映像信号を取得する。
同様に、第3受信FPUでは、ch3の信号をダイバーシティ受信するため、自身の受信アンテナ501で受信したch3の信号と、受信アンテナ401で受信し第2受信FPUを経由したch3の信号とを集約し、第3受信FPUの出力としてch3の映像信号を取得する。
このように、3つの系統の受信制御部の筐体間で、IF信号をリング状に受け渡すことにより、3チャンネルの受信ダイバーシティ処理を3本の受信アンテナで実現することができる。
なお、第2実施例では、第1実施例と同様に、ダイバーシティ合成部312と412と512において、それぞれの入力信号の中間周波数が異なるように構成したが、第1実施例で述べたように、それぞれの中間周波数が略同じとなるように構成することも可能である。
また、第2実施例では、第1受信制御部310と第2受信制御部410と第3受信制御部510の全てでダイバーシティ合成を行うように構成したが、第1受信制御部310と第2受信制御部410と第3受信制御部510のうち1つ又は2つでダイバーシティ合成を行うように構成することも可能である。例えば、第1受信制御部310と第2受信制御部410のみでダイバーシティ合成を行い、第3受信制御部510では、IF分離部511の出力(ch3-3)だけを誤り訂正部513へ入力し、ch3の映像信号とする。このようにしても、ch1とch2の映像信号にはダイバーシティ効果が生じる。
第2実施例によれば、第1実施例の効果に加え、少なくとも以下に示す効果を奏する。
(B1)チャンネル数及び受信アンテナ数よりもダイバーシティ合成数を少なくしたので、受信装置の設備を低減することができる。
(第3実施例)
次に、本発明の実施形態における第3実施例について、図4を用いて説明する。図4は、第3実施例に係る送受信システムの構成図である。第3実施例は、第1実施例を一般化した構成であり、周波数的に近接するXチャンネル(Xは整数)の伝送を実施する送受信システムにおいて、N(Nは整数)本の受信アンテナを用いて、M(Mは整数でなおかつM≦N)合成ダイバーシティを行うものである。ダイバーシティ合成数Mは、受信アンテナ数N以下である必要があり、M≦Nの関係は必須である。
図4は、X=M=N=3の例である。X=3チャンネルの送信信号をダイバーシティ受信するシステムであり、N=3本の受信アンテナを備えている。各受信高周波部(600、700、800)では、それぞれ、ダイバーシティ合成数M=3のミキサ(例えば受信高周波部600では、ミキサ603a、603b、603c)を備え、3つのIF信号を生成する。各受信制御部(610、710、810)では、再度、IF信号を3つに分離させ、各受信制御部間で受け渡しすることにより、各ダイバーシティ合成部(612、712、812)にはM=3のIF信号が集約され、それらを最大比合成などのダイバーシティ合成することにより、第1実施例で記載したM=2の合成数よりも高い受信性能を実現することができる。
以下、第3実施例の構成を詳しく説明する。図4において、第2実施例の図3と同じ構成には同符号を付し、説明を省略する。
図4に示すように、この送受信システムは、第1系統のFPU伝送装置と第2系統のFPU伝送装置と第3系統のFPU伝送装置とを備える。第1系統のFPU伝送装置は、第1送信FPU1‐1と第1受信FPUを備える。第2系統のFPU伝送装置は、第2送信FPU2‐1と第2受信FPUを備える。第3系統のFPU伝送装置は、第3送信FPU3‐1と第3受信FPUを備える。
第2実施例で述べたように、第1送信FPU1‐1は、ch1の送信データを、ch1の搬送波(f1)を用いて送信アンテナ1‐2から無線送信し、第2送信FPU2‐1は、ch2の送信データを、ch2の搬送波(f2)を用いて送信アンテナ2‐2から無線送信し、第3送信FPU3‐1は、ch3の送信データを、ch3の搬送波(f3)を用いて、送信アンテナ3‐2から無線送信する。
図4に示すように、ch1の搬送波とch2の搬送波とch3の搬送波は、第1受信FPUの受信アンテナ601と、第2受信FPUの受信アンテナ701と、第3受信FPUの受信アンテナ801において、それぞれ受信される。図4では、ch1の搬送波31aとch2の搬送波32aとch3の搬送波33aとが受信アンテナ601で受信され、ch1の搬送波31bとch2の搬送波32bとch3の搬送波33bとが受信アンテナ701で受信され、ch1の搬送波31cとch2の搬送波32cとch3の搬送波33cとが受信アンテナ801で受信される様子を示す。
第1受信FPUは、第1受信高周波部600と第1受信制御部610を備える。第1受信高周波部600は、受信アンテナ601と、LNA602と、中間周波数信号生成部603と、IF合成部605を備える。第1受信制御部610は、IF分離部611と、ダイバーシティ合成部612と、誤り訂正部613を備える。LNA602は、第1実施例のLNA102と同じ機能を有する。
中間周波数信号生成部603は、ミキサ603aと、ミキサ603bと、ミキサ603cと、BPF604aと、BPF604bと、BPF604cを備える。
ミキサ603aは、LNA602で増幅された高周波を、130MHz付近の中間周波数に変換し、BPF604aは、この130MHz付近の中間周波数信号に対し、ch1の送信データ以外の周波数信号を抑圧し、ch1の送信データ(ch1‐1)だけを通過させる。
ミキサ603bは、LNA602で増幅された高周波を、190MHz付近の中間周波数に変換し、BPF604bは、この190MHz付近の中間周波数信号に対し、ch2の送信データ以外の周波数信号を抑圧し、ch2の送信データ(ch2‐1)だけを通過させる。
ミキサ603cは、LNA602で増幅された高周波を、250MHz付近の中間周波数に変換し、BPF604cは、この250MHz付近の中間周波数信号に対し、ch3の送信データ以外の周波数信号を抑圧し、ch3の送信データ(ch3‐1)だけを通過させる。
IF合成部605は、入力された複数(図4の例では3つ)の中間周波数信号を合成して、1つの中間周波数合成信号を生成する。図4の例では、ch1‐1を含む中間周波数信号と、ch2‐1を含む中間周波数信号と、ch3‐1を含む中間周波数信号とを合成する。
IF分離部611は、IF合成部605で生成された中間周波数合成信号を、IF合成部605で合成される前の複数の中間周波数信号に分離する。図4の例では、IF合成部605で生成された中間周波数合成信号を、周波数により弁別し、ch1‐1を含む中間周波数信号と、ch2‐1を含む中間周波数信号と、ch3‐1を含む中間周波数信号とに分離する。上述したように、ch1‐1を含む中間周波数信号は約130MHz、ch2‐1を含む中間周波数信号は約190MHz、ch3‐1を含む中間周波数信号は約250MHzである。
ダイバーシティ合成部612は、IF分離部611で分離された当該チャンネル(図4の例ではch1)の送信データ(ch1‐1)を含む中間周波数信号と、他の受信装置(図4の例では第2受信FPUと第3受信FPU)のIF分離部で分離された中間周波数信号であって、当該チャンネルの送信データ(ch1‐2、ch1‐3)を含む中間周波数信号とが入力されてダイバーシティ合成を行い、信号を復調する。
誤り訂正部613は、ダイバーシティ合成部612でダイバーシティ合成された信号に対して、伝送誤りを訂正し、ch1の映像信号を出力する。
第2受信FPUは、第2受信高周波部700と第2受信制御部710を備える。第2受信高周波部700は、受信アンテナ701と、LNA702と、中間周波数信号生成部703と、IF合成部705を備える。第2受信制御部710は、IF分離部711と、ダイバーシティ合成部712と、誤り訂正部713を備える。LNA702は、第1実施例のLNA102と同じ機能を有する。
中間周波数信号生成部703は、ミキサ703aと、ミキサ703bと、ミキサ703cと、BPF704aと、BPF704bと、BPF704cを備える。
ミキサ703aは、LNA702で増幅された高周波を、190MHz付近の中間周波数に変換し、BPF704aは、この190MHz付近の中間周波数信号に対し、ch1の送信データ以外の周波数信号を抑圧し、ch1の送信データ(ch1‐2)だけを通過させる。
ミキサ703bは、LNA702で増幅された高周波を、250MHz付近の中間周波数に変換し、BPF704bは、この250MHz付近の中間周波数信号に対し、ch2の送信データ以外の周波数信号を抑圧し、ch2の送信データ(ch2‐2)だけを通過させる。
ミキサ703cは、LNA702で増幅された高周波を、130MHz付近の中間周波数に変換し、BPF704cは、この130MHz付近の中間周波数信号に対し、ch3の送信データ以外の周波数信号を抑圧し、ch3の送信データ(ch3‐2)だけを通過させる。
IF合成部705は、入力された複数(図4の例では3つ)の中間周波数信号を合成して、1つの中間周波数合成信号を生成する。図4の例では、ch1‐2を含む中間周波数信号と、ch2‐2を含む中間周波数信号と、ch3‐2を含む中間周波数信号とを合成する。
IF分離部711は、IF合成部705で生成された中間周波数合成信号を、IF合成部705で合成される前の複数の中間周波数信号に分離する。図4の例では、IF合成部705で生成された中間周波数合成信号を、周波数により弁別し、ch1‐2を含む中間周波数信号と、ch2‐2を含む中間周波数信号と、ch3‐2を含む中間周波数信号とに分離する。上述したように、ch1‐2を含む中間周波数信号は約190MHz、ch2‐2を含む中間周波数信号は約250MHz、ch3‐2を含む中間周波数信号は約130MHzである。
ダイバーシティ合成部712は、IF分離部711で分離された当該チャンネル(図4の例ではch2)の送信データを含む中間周波数信号(ch2‐2)と、他の受信装置(図4の例では第1受信FPUと第3受信FPU)のIF分離部で分離された中間周波数信号であって、当該チャンネルの送信データを含む中間周波数信号(ch2‐1、ch2‐3)とが入力されてダイバーシティ合成を行い、信号を復調する。
誤り訂正部713は、ダイバーシティ合成部712でダイバーシティ合成された信号に対して、伝送誤りを訂正し、ch2の映像信号を出力する。
第3受信FPUは、第3受信高周波部800と第3受信制御部810を備える。第3受信高周波部800は、受信アンテナ801と、LNA802と、中間周波数信号生成部803と、IF合成部805を備える。第3受信制御部810は、IF分離部811と、ダイバーシティ合成部812と、誤り訂正部813を備える。LNA802は、第1実施例のLNA102と同じ機能を有する。
中間周波数信号生成部803は、ミキサ803aと、ミキサ803bと、ミキサ803cと、BPF804aと、BPF804bと、BPF804cを備える。
ミキサ803aは、LNA802で増幅された高周波を、250MHz付近の中間周波数に変換し、BPF804aは、この250MHz付近の中間周波数信号に対し、ch1の送信データ以外の周波数信号を抑圧し、ch1の送信データ(ch1‐3)だけを通過させる。
ミキサ803bは、LNA802で増幅された高周波を、130MHz付近の中間周波数に変換し、BPF804bは、この130MHz付近の中間周波数信号に対し、ch2の送信データ以外の周波数信号を抑圧し、ch2の送信データ(ch2‐3)だけを通過させる。
ミキサ803cは、LNA802で増幅された高周波を、190MHz付近の中間周波数に変換し、BPF804cは、この190MHz付近の中間周波数信号に対し、ch3の送信データ以外の周波数信号を抑圧し、ch3の送信データ(ch3‐3)だけを通過させる。
IF合成部805は、入力された複数(図4の例では3つ)の中間周波数信号を合成して、1つの中間周波数合成信号を生成する。図4の例では、ch1‐3を含む中間周波数信号と、ch2‐3を含む中間周波数信号と、ch3‐3を含む中間周波数信号とを合成する。
IF分離部811は、IF合成部805で生成された中間周波数合成信号を、IF合成部805で合成される前の複数の中間周波数信号に分離する。図4の例では、IF合成部805で生成された中間周波数合成信号を、周波数により弁別し、ch1‐3を含む中間周波数信号と、ch2‐3を含む中間周波数信号と、ch3‐3を含む中間周波数信号とに分離する。上述したように、ch1‐3を含む中間周波数信号は約250MHz、ch2‐3を含む中間周波数信号は約130MHz、ch3‐3を含む中間周波数信号は約190MHzである。
ダイバーシティ合成部812は、IF分離部811で分離された当該チャンネル(図4の例ではch3)の送信データ(ch3‐3)を含む中間周波数信号と、他の受信装置(図4の例では第1受信FPUと第2受信FPU)のIF分離部で分離された中間周波数信号であって、当該チャンネルの送信データ(ch3‐1、ch3‐2)を含む中間周波数信号とが入力されてダイバーシティ合成を行い、信号を復調する。
誤り訂正部813は、ダイバーシティ合成部812でダイバーシティ合成された信号に対して、伝送誤りを訂正し、ch3の映像信号を出力する。
次に、受信アンテナ601、701、801で受信した受信信号に基づき、第1系統の受信装置でch1の送信データ、第2系統の受信装置でch2の送信データ、第3系統の受信装置でch3の送信データを取得するまでの動作を説明する。
受信アンテナ601で受信した受信信号は、LNA602に入力され増幅される。受信アンテナ701で受信した受信信号は、LNA702に入力され増幅される。受信アンテナ801で受信した受信信号は、LNA802に入力され増幅される。
LNA602で増幅された信号は、ミキサ603a、603b、603cに入力され、搬送波のRF周波数がIF周波数に周波数変換される。具体的には、RF周波数をミキサ603aでは130MHzに、ミキサ603bでは190MHzに、ミキサ603cでは250MHzに変換する。
ミキサ603aによりIF周波数(130MHz)に変換されたIF信号から、BPF604aにより、ch1の信号(ch1‐1)のみが抽出される。ミキサ603bによりIF周波数(190MHz)に変換されたIF信号から、BPF604bにより、ch2の信号(ch2‐1)のみが抽出される。ミキサ603cによりIF周波数(250MHz)に変換されたIF信号から、BPF604cにより、ch3の信号(ch3‐1)のみが抽出される。
同様に、LNA702で増幅された信号は、ミキサ703a、703b、703cに入力され、RF周波数をミキサ703aでは190MHzに、ミキサ703bでは250MHzに、ミキサ703cでは130MHzに変換する。そして、ミキサ703aによりIF周波数(190MHz)に変換されたIF信号から、BPF704aにより、ch1の信号(ch1‐2)のみが抽出される。ミキサ703bによりIF周波数(250MHz)に変換されたIF信号から、BPF704bにより、ch2の信号(ch2‐2)のみが抽出される。ミキサ703cによりIF周波数(130MHz)に変換されたIF信号から、BPF704cにより、ch3の信号(ch3‐2)のみが抽出される。
同様に、LNA802で増幅された信号は、ミキサ803a、803b、803cに入力され、RF周波数をミキサ803aでは250MHzに、ミキサ803bでは130MHzに、ミキサ803cでは190MHzに変換する。そして、ミキサ803aによりIF周波数(250MHz)に変換されたIF信号から、BPF804aにより、ch1の信号(ch1‐3)のみが抽出される。ミキサ803bによりIF周波数(130MHz)に変換されたIF信号から、BPF804bにより、ch2の信号(ch2‐3)のみが抽出される。ミキサ803cによりIF周波数(190MHz)に変換されたIF信号から、BPF804cにより、ch3の信号(ch3‐3)のみが抽出される。
その後、1系統目の3つのIF信号(ch1‐1とch2‐1とch3‐1)は、IF合成部605により合成され、IFケーブル606により、IF分離部611へ送出される。2系統目の3つのIF信号(ch1‐2とch2‐2とch3‐2)は、IF合成部705により合成され、IFケーブル706により、IF分離部711へ送出される。3系統目の3つのIF信号(ch1‐3とch2‐3とch3‐3)は、IF合成部805により合成され、IFケーブル806により、IF分離部811へ送出される。
1系統目のIF分離部611において、IF合成部605で合成されたIF信号は、IF合成部605で合成される前のIF信号(ch1‐1とch2‐1とch3‐1)に分離される。同様に、2系統目のIF分離部711において、IF合成部705で合成されたIF信号は、IF合成部705で合成される前のIF信号(ch1‐2とch2‐2とch3‐2)に分離される。3系統目のIF分離部811において、IF合成部805で合成されたIF信号は、IF合成部805で合成される前のIF信号(ch1‐3とch2‐3とch3‐3)に分離される。
IF分離部611で分離された1つ目のIF信号(ch1-1)は、1系統目のダイバーシティ合成部612に入力される。IF分離部611で分離された2つ目のIF信号(ch2-1)は、2系統目のダイバーシティ合成部712に入力される。IF分離部611で分離された3つ目のIF信号(ch3-1)は、3系統目のダイバーシティ合成部812に入力される。
同様に、IF分離部711で分離された1つ目のIF信号(ch1-2)は、1系統目のダイバーシティ合成部612に入力され、2つ目のIF信号(ch2-2)は2系統目のダイバーシティ合成部712に入力され、3つ目のIF信号(ch3-2)は、3系統目のダイバーシティ合成部812に入力される。
同様に、IF分離部811で分離された1つ目のIF信号(ch1-3)は、1系統目のダイバーシティ合成部612に入力され、2つ目のIF信号(ch2-3)は、2系統目のダイバーシティ合成部712に入力され、3つ目のIF信号(ch3-3)は3系統目のダイバーシティ合成部812に入力される。
このとき、IF分離部611からダイバーシティ合成部712へのIF信号(ch2-1)の受け渡しやダイバーシティ合成部812へのIF信号(ch3-1)の受け渡し、IF分離部711からダイバーシティ合成部612へのIF信号(ch1-2)の受け渡しやダイバーシティ合成部812へのIF信号(ch3-2)の受け渡し、IF分離部811からダイバーシティ合成部712へのIF信号(ch2-3)の受け渡しやダイバーシティ合成部612へのIF信号(ch1-3)の受け渡しは、同軸ケーブルを用いて行われる。
ダイバーシティ合成部612,712,812では、それぞれ、集約された3つのIF信号を、合成後のSNRが最大となる最大比合成などのダイバーシティ合成方式を用いて合成する。ダイバーシティ合成後の信号は、誤り訂正部613、713、813により伝送誤りが軽減され、誤り訂正部613からはch1の映像信号、誤り訂正部713からはch2の映像信号、誤り訂正部813からはch3の映像信号が出力される。
なお、図4では、X(チャンネル数)=M(ダイバーシティ合成数)=N(受信アンテナ数)=3の例を説明したが、X=N=4以上とすることも可能であり、X=N=4以上の場合において、ダイバーシティ合成数Mをチャンネル数Xよりも少なくするように構成してもよい。このようにしても、背景技術に比べ、高い受信性能を実現することができる。なお、X=N=3、M=2の場合は、第2実施例に示したとおりである。
また、第3実施例では、第1実施例と同様に、ダイバーシティ合成部612と712と812において、それぞれの入力信号の周波数が大きく異なるように構成したが、第1実施例で述べたように、それぞれの入力信号の周波数が略同じとなるように構成することも可能である。
また、第3実施例では、第1受信制御部610と第2受信制御部710と第3受信制御部810の全てでダイバーシティ合成を行うように構成したが、第1受信制御部610と第2受信制御部710と第3受信制御部810のうち1つ又は2つでダイバーシティ合成を行うように構成することも可能である。例えば、第1受信制御部610と第2受信制御部710のみでダイバーシティ合成を行い、第3受信制御部810では、IF分離部811の出力(ch3-3)だけを誤り訂正部813へ入力し、ch3の映像信号とする。このようにしても、ch1とch2の映像信号にはダイバーシティ効果が生じる。
第3実施例によれば、第1実施例の効果に加え、少なくとも以下に示す効果を奏する。
(C1)チャンネル数X=ダイバーシティ合成数M=受信アンテナ数N=3以上として受信システムを構成したので、X=Nに比べてMの数を少なくした第2実施例に比べて、ダイバーシティ性能を向上することができる。
以上、本発明の実施形態を具体的に説明したが、本発明は上述の各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
上記実施形態では、FPU伝送の場合を説明したが、FPU伝送に限られるものではなく、FPU伝送以外にも適用可能である。
また、本発明は、本発明に係る処理を実行する装置やシステムや方法としてだけでなく、このような方法やシステムを実現するためのプログラムや当該プログラムを記録する記録媒体などとして把握することができる。
また、本発明は、CPUがメモリに格納された制御プログラムを実行することにより制御する構成としてもよく、また、ハードウエア回路として構成してもよい。