JPWO2017159290A1 - 医療装置 - Google Patents
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Abstract
Description
<薬液投与装置の構成>
図1は、第1実施形態の薬液投与装置1の全体構成を説明するための分解斜視図である。図2は、第1実施形態の薬液投与装置1の要部を抜粋した断面図である。図3は、第1実施形態の薬液投与装置1のブロック図である。これらの図に示す薬液投与装置1は、装置本体20、クレードル30、およびリモートコントローラ40を有する。装置本体20は、リユース部20aとディスポ部20bとに分離される。以下、薬液投与装置1の詳細な構成を、装置本体20を構成するリユース部20aおよびディスポ部20b、クレードル30、リモートコントローラ40の順に説明する。
リユース部20aは、図3のブロック図にも示すように、装置本体20の電子制御機能が集約的に配置された部分である。このリユース部20aは、図1に示した蓋体11の内部に、電子制御機能を収容して構成されている。蓋体11の内部に収容された電子制御機能は、電源部12aを有する回路基板12、モータや歯車部等の駆動部13、エネルギー照射部14、検知部としての光センサ15、出力部16、本体通信部17、および本体演算部18である。
蓋体11は、以降に説明するディスポ部20bの筐体21と嵌合するものであり、ディスポ部20bに向かう主面側に、上述した電子制御機能が収容された構成となっている。
回路基板12は、蓋体11内に固定されたもので、上述した駆動部13、エネルギー照射部14、光センサ15、出力部16、本体通信部17、および本体演算部18を相互に接続する状態で、これらを搭載する。またこの回路基板12は、以降に説明するディスポ部20bに配置される電池からの電力を、配線を介して各部に供給するための電源部12aを備えている。
駆動部13は、ディスポ部20bに設けられた注射器22の押し子を駆動させるものである。この駆動部13は、例えば電池によって駆動されるモータおよび、モータの駆動によって連動して回転する複数段の歯車で構成されている。
エネルギー照射部14は、以降に説明するクレードル30に設けられた変色部材34を変色させるためのエネルギー線Eを照射する。エネルギー線Eは、例えば光線または熱線である。光線であれば紫外光が好ましく用いられる。また熱線であれば、例えば80℃〜90℃程度の加熱が可能な輻射熱ヒータが用いられる。エネルギー照射部14は、このようなエネルギー線Eの照射により、変色部材34を変色させる。
光センサ15は、検査光Hを発信する発光素子と、発信した検査光Hの反射光を検出する受光素子とで構成された検知部である。受光素子としては、次に説明する変色部材34の変色を検知できるもの、例えば変色部材34の色変化を検出できるカラーセンサが用いられる。なお、変色部材34の色変化を、変色部材34で反射させた検査光Hの検出強度差として検出できる場合、光センサ15の受光素子はモノクロセンサであってもよい。
出力部16は、警報Wを出力する。この出力部16が出力する警報Wとしては、例えば振動または音などを単独で、またはこれらを併用して発するものが適用され、さらに光を発するものであってもよい。
本体通信部17は、ペアリングされたリモートコントローラ40との間で無線通信を行う部分である。この本体通信部17は、発信部と受信部とを有し、所定の波長帯域の電波を使った無線通信を行う部分であり、特に極超短波またはマイクロ波を用いた無線通信を行う。
本体演算部18は、ペアリングされたリモートコントローラ40から送信された信号に基づいて、駆動部13、エネルギー照射部14、光センサ15、および出力部16の動作を制御する。
ディスポ部20bは、リユース部20aの蓋体11によって閉塞される筐体21と、この筐体21の内部に収納された注射器22および電池ボックス23を備えている。
筐体21は、平箱形状の主面側を大きく開口した凹状の収納部21aと、平箱形状の裏側主面の角部を開口した小容量の凹状の裏面収納部21bを有する。裏面収納部21bの底面は、収納部21a側に凸となっている。これらの収納部21aと裏面収納部21bとは、収納部21aと裏面収納部21bとを隔てる壁面に設けた開口において連通している。
注射器22は、患者に投与する薬液が貯留された外筒と、外筒に陥入される押し子とを備えている。外筒には、薬液の排出ポートが設けられている。押し子の端部には歯車が設けられている。リユース部20aとディスポ部20bとを結合させた状態において、押し子の端部に設けた歯車は、リユース部20aを構成する駆動部13の歯車と嵌合される。これにより、駆動部13の駆動によって押し子が外筒に押し込まれ、外筒の排出ポートから薬液が押し出される構成となっている。
電池ボックス23は、リユース部20aを構成する駆動部13およびその他の構成要素の電源となる電池を収納するものであり、筐体21の収納部21aに対して固定された状態で収納されている。この電池ボックス23は、内部に収納した電池を、リユース部20aの回路基板12に設けられた電源部12aに接続するための電極を備えている。なお、この電池ボックス23は、リユース部20aの構成要素として設けられてもよく、電池ボックス23を電源部12aに含めてもよい。
クレードル30は、穿刺針を保持し、上述したリユース部20aとディスポ部20bとを結合させた装置本体20が装着されるものである。このようなクレードル30は、プレート31と、投与ポート32と、接着層33と、状態変化部を構成する変色部材34とを備えている。
プレート31は、クレードル30の筐体となる部分であり、装置本体20に対して着脱自在なものである。より詳しくは、プレート31は、ディスポ部20bの筐体21に対して、リユース部20aとは逆側から着脱自在に装着される。このようなプレート31は、底板31aの周縁を部分的に立ち上げた壁部31bを備えており、壁部31bが開口している側から装置本体20をスライドさせることにより、クレードル30に装置本体20を装着させる。このようなプレート31は、投与ポート32を保持するための保持部36と、センサ開口31hとを備えている。
投与ポート32は、穿刺針を保持するものであって、プレート31の保持部36に対して着脱自在に設けられている。投与ポート32をプレート31の保持部36に保持させた状態においては、投与ポート32に保持された穿刺針が、プレート31に設けた貫通孔(図示省略)からディスポ部20bとは逆側に突出する。
接着層33は、プレート31において、装置本体20が装着される側とは逆側の面に設けられた軟質のシートであり、皮膚に対する接着性を有する。この接着層33は、プレート31において、投与ポート32の穿刺針を突出させる貫通孔を避けて、プレート31の広い範囲に設けられていることとする。
変色部材34は、状態変化部を構成する。この変色部材34は、エネルギー照射部14から照射されるエネルギー線Eが紫外光であれば紫外光(ultraviolet ray:UV)の照射によって変色するもの、例えばUVラベルが用いられる。またエネルギー線Eが熱線であれば、加熱によって変色するもの、例えば加熱積算ラベルが用いられる。
リモートコントローラ40は、装置本体20の駆動を操作するものである。このようなリモートコントローラ40は、電源部41、表示部42、入力部43、出力部44、コントローラ通信部45、およびこれらを制御するコントローラ演算部46を備えている。各構成要素の詳細は次のようである。
電源部41は、リモートコントローラ40を構成する各構成要素に電力を供給するためのものであり、例えば電池およびこれを収納する電池ボックス、さらには電池からの電力の供給をオン/オフするスイッチなどで構成されている。
表示部42は、装置本体20の駆動に関する各種の設定内容、次に説明する入力部43による入力内容、また装置本体20での投与履歴等を表示する。このような表示部42は、例えば液晶ディスプレイを用いて構成されている。
入力部43は、電源のオンオフ操作、装置本体20によるインスリンの投与設定、上述した各種のデータ、および表示部42での表示内容の選択等を入力する部分である。このような入力部43は、例えば図示したような操作ボタン形状のものの他、表示部42の前面に設けたタッチパネルであってもよい。入力部43が、タッチパネルである場合、表示部42は、タッチパネル用の選択ボタンやテンキーなどを表示する。
出力部44は、以降に説明するコントローラ演算部46からの指示により、警報Wを出力する。この出力部44は、警報Wとして、例えば振動、音、発光などを単独で、または併用して発するものが適用される。
コントローラ通信部45は、ペアリングされた装置本体20との通信を行う部分である。このコントローラ通信部45は、発信部と受信部とで構成されている。このコントローラ通信部45は、装置本体20側の本体通信部17との間で無線通信を行う部分であり、この本体通信部17と同様の規格化された無線通信技術が適用される。
コントローラ演算部46は、入力部43において入力された各種の設定を、表示部42に表示させ、またコントローラ通信部45から装置本体20の本体通信部17に送信させ、また出力部44に対して警報Wを出力させる。
次に、以上のような構成の薬液投与装置1の動作例(その1)として、クレードル30の使い回し防止の一連の動作の一例を説明する。以下に説明する動作は、装置本体20の本体演算部18を構成するCPUが、ROMやRAMに記録されたプログラムを実行することにより実現される。
ステップS1において、薬液投与装置1のユーザは、装置本体20を結合する。ここでは、薬液投与装置1のユーザは、図5に示すように、リユース部20aと、注射器22に薬液を充填したディスポ部20bとを結合させる。これにより、ディスポ部20bに配置される電池からの電力が、リユース部20aの回路基板12に設けられた電源部12aに供給され、リユース部20aの本体演算部18が起動する。そして、本体演算部18を構成するCPUは所定のプログラムを実行し、ユーザからの第1プライミング命令を待つ。
次いでステップS2において、薬液投与装置1のユーザは、リモートコントローラ40の入力部43の操作により、第1プライミング命令を入力する。ここで、第1プライミングとは、注射器22の外筒に充填した薬液を、注射器22の外筒から引き出された中空管内を満たすように押し出し、中空管内から空気を追い出す作業である。
先ず、ステップS101において、本体演算部18は、本体通信部17において第1プライミング命令を受信したか否かを判断する。そして、第1プライミング命令を受信した(YES)と判断されるまで、ステップS101の処理を繰り返し行ない、第1プライミング命令の受信を待って待機する。第1プライミング命令を受信した(YES)と判断された場合に、次のステップS102に進む。
ステップS102において、本体演算部18は、光センサ15に対して光検出を実施させる。これにより、光センサ15は、発光素子による検査光Hの発信と、受光素子による光検出とを実施する。
ステップS103において、本体演算部18は、光センサ15において所定の色を検出したか否かを判断する。ここで、所定の色とは、クレードル30に設けた変色部材34の色である。より詳しくは、エネルギー線Eが照射される前の変色部材34の初期の色である第1の色[C1]、またはエネルギー線Eを所定量だけ照射して変色させた場合の変色部材34の色である第2の色[C2]である。第2の色[C2]とは、光センサ15による検出で第1の色[C1]と区別できる色であればよい。
ステップS104において、本体演算部18は、出力部16に対して警報の出力を指示する。これにより、出力部16が警報を出力し、薬液投与装置1のユーザに対して装置本体20がクレードル30に装着されていることを通知し、第1プライミングを実施するにあたって、クレードル30に対して装置本体20を非装着な状態とすることを促す。なお、ステップS104は、装置本体20の出力部16から警報を出力させる処理とした。しかしながらステップS104は、本体通信部17とコントローラ通信部45との通信により、リモートコントローラ40の出力部44からも警報を出力させる処理としてもよい。またステップS104は、リモートコントローラ40の出力部44からのみ警報を出力させる処理としてもよい。
ここで、ステップS104における警報の出力を認知した薬液投与装置1のユーザは、ステップS3として、装置本体20をクレードル30から取り外す。その後、薬液投与装置1のユーザは、改めてステップS2として、リモートコントローラ40の入力部43の操作により、第1プライミング命令を入力する。これにより、装置本体20がクレードル30に装着された状態で第1プライミングが実施されることを防止し、薬液投与装置1のユーザの体内に多量の空気が導入されることを防止する。
一方、ステップS105において、本体演算部18は、駆動部13に対して第1プライミングを実行させる。ここでは、ステップS103において所定の色を検出していない(NO)、すなわち図5に示したように、装置本体20がクレードル30に対して装着されていないと判断されている。このため、クレードル30の穿刺針を介して薬液投与装置1のユーザの体内に多量の空気が導入される危険性を完全に排除した安全な第1プライミングを実行することができる。
その後、ステップS106において、本体演算部18は、光センサ15に対して光検出を実施させる。これにより、光センサ15は、発光素子による検査光Hの発信と、受光素子による光検出とを実施する。
次にステップS107において、本体演算部18は、ステップS106で光センサ15は所定の色を検出したか否かを判断する。ここでの判断は、先のステップS103と同様に実施する。そして、変色部材34の色として、第1の色[C1]または第2の色[C2]を検出した(YES)と判断した場合には、図6に示すように、装置本体20がクレードル30に装着されたと判断してステップS108に進む。
ここで、ステップS105において第1プライミングが実行された後、薬液投与装置1のユーザは、ステップS4として、装置本体20をクレードル30に装着する。この際、ユーザは、先ずクレードル30を皮膚に対して接着させることにより、クレードル30の穿刺針を皮膚に対して穿刺した状態とする。次いで、皮膚に接着させたクレードル30に対して、第1プライミング実行済みの装置本体20を装着する。
次いでステップS108において、本体演算部18は、ステップS106で検出した色が、第1の色[C1]であったか否かを判断する。第1の色[C1]とは、エネルギー線Eが照射される前の変色部材34の初期の色である。
ステップS109において、本体演算部18は、出力部16に対して警報の出力を指示する。これにより、出力部16が警報を出力し、薬液投与装置1のユーザに対してクレードル30が使い回されたものであることを通知し、クレードル30の交換を促す。なお、ステップS109は、装置本体20の出力部16から警報を出力させる処理とした。しかしながらステップS109は、本体通信部17とコントローラ通信部45との通信により、リモートコントローラ40の出力部44からも警報を出力させる処理としてもよい。またステップS109は、リモートコントローラ40の出力部44からのみ警報を出力させる処理としてもよい。
ここで、ステップS109における警報の出力を認知した薬液投与装置1のユーザは、ステップS5として、クレードル30の交換と装置本体20の装着とを実施する。この際、先ずクレードル30から装置本体20を取り外し、次いで使い回したと判断されたクレードル30を皮膚から剥がし取る。その後、新たなクレードル30を皮膚に接着させ、皮膚に接着させた新たなクレードル30に対して、ステップS1で結合させた装置本体20を装着する。
一方ステップS110において、本体演算部18は、図7に示すように、エネルギー照射部14に対して、所定量のエネルギー線Eの照射を指示する。ここで所定量とは、第1の色[C1]の変色部材34を、第2の色[C2]に変色されるだけの量である。これにより、第2の色[C2]に変色した変色部材34は、この変色部材34を備えたクレードル30が、未使用品ではなく使用済み品であることを表すものとなる。
次に、以上のような構成の薬液投与装置1の動作例(その2)として、クレードル30の使い回し防止の一連の動作の他の例を説明する。以下に説明する動作は、装置本体20の本体演算部18を構成するCPUが、ROMやRAMに記録されたプログラムを実行することにより実現される。
先のステップS110において、所定量のエネルギー線Eの照射を実施し、第1の色[C1]の変色部材34を、第2の色[C2]に変色させた後のステップS201において、本体演算部18は、定時か否かを判断する。ここで定時とは、例えばステップS110において所定量のエネルギー線Eの照射を実施した時刻から所定時間を経過した時刻であることとする。一例として、ステップS110において所定量のエネルギー線Eの照射を実施した時刻から24時間経過したか否かによって定時であるか否かを判断する。
ステップS202において、本体演算部18は、図7に示すように、エネルギー照射部14に対して、所定量のエネルギー線Eの照射を指示する。ここで所定量とは、第2の色[C2]の変色部材34を、第3の色[C3]に変色させるだけの量をN等分した量である。ここでN等分とは、クレードル30に対して推奨される連続使用日数Nである。
次にステップS203において、本体演算部18は、光センサ15に対して光検出を実施させる。これにより、光センサ15は、発光素子による検査光Hの発信と、受光素子による光検出とを実施する。
次いでステップS204において、本体演算部18は、ステップS203で検出した光は、第3の色[C3]に対応しているか否かを判断する。第3の色[C3]とは、光センサ15による検出で第2の色[C2]と区別できる色であればよく、ステップS202において照射した所定量のエネルギー線Eを、N回照射した場合に変色部材34が変色した色である。ここで第3の色[C3]である(YES)と判断した場合には、クレードル30が、推奨される連続使用日数であるN日の間使い続けられていると判断してステップS205に進む。一方、第3の色[C3]ではない(NO)と判断した場合には、ステップS201に戻り、以降を繰り返す。
ステップS205において、本体演算部18は、出力部16に対して警報の出力を指示する。これにより、出力部16が警報を出力し、薬液投与装置1のユーザに対してクレードル30が、推奨される連続使用日数であるN日間を経過して使い続けられていることを通知し、クレードル30の使用時間に応じてクレードル30の交換を促すとともに、装置本体20のディスポ部20bの交換も促す。
次いでステップS206において、装置本体20のポンプを停止させて薬液投与動作を停止させる。なお、装置本体20の薬液投与動作を再開するためには、装置本体20のディスポ部20bを交換しなければならない。
ここで、ステップS205における警報の出力を認知した薬液投与装置1のユーザは、ステップS6として、使い続けられたクレードル30の交換及び装置本体20のディスポ部20bの交換を実施する。この際、先ずクレードル30から装置本体20を取り外す。そして、推奨される連続使用日数であるN日間を経過して使い続けられたと判断されたクレードル30を皮膚から剥がし取る。その後、新たなクレードル30を皮膚に接着させる。次いで、装置本体20のリユース部20aとディスポ部20bの結合を解除し、リユース部20aに新たなディスポ部20bを結合する。そして、図4のステップS101からの処理を開始する。
次に、以上のような構成の薬液投与装置1の動作例(その3)として、クレードル30の使い回し防止の一連の動作のさらに他の例を説明する。以下に説明する動作は、装置本体20の本体演算部18を構成するCPUが、ROMやRAMに記録されたプログラムを実行することにより実現される。
以上説明した第1実施形態の薬液投与装置1によれば、クレードル30に変色部材34を設けたことにより、クレードル30の使い回しが変色部材34の色変化によって検知され、その色変化によって出力部16から警報が出力される構成である。これにより、薬液投与装置1のユーザに、クレードル30の使い回しを通知してクレードル30の交換を促すことができ、クレードル30の使い回しを防止することが可能になる。
<薬液投与装置の構成>
図10は、第2実施形態の薬液投与装置2の全体構成を説明するための分解斜視図である。図11は、第2実施形態の薬液投与装置2の要部を抜粋した断面図である。図12は、第2実施形態の薬液投与装置2のブロック図である。これらの図に示す薬液投与装置2が、図1〜図3を用いて説明した第1実施形態の薬液投与装置1と異なるところは、装置本体20を構成するリユース部20aがエネルギー照射部14を備えていないところ、およびクレードル30に設けた変色部材34’の構成にある。他の構成は、第1実施形態と同様である。このため、以下においては、リユース部20aの構成、および変色部材34’の構成について説明し、第1実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
リユース部20aは、図12のブロック図にも示すように、装置本体20の電子制御機能が集約的に配置された部分である。このリユース部20aは、図10に示した蓋体11の内部に、電子制御機能を収容した構成である。蓋体11の内部に収容された電子制御機能は、電源部12aを有する回路基板12、モータや歯車部等の駆動部13、光センサ15、出力部16、本体通信部17、および本体演算部18である。電子制御機能としてエネルギー照射部を備えている必要はない。これらの各構成要素は、第1実施形態と同様である。
−変色部材34’−
変色部材34’は、エネルギー線の照射によらず、薬液投与装置2の通常動作における環境要因によって継時的に変色するものである。このような変色部材34’として、水分の吸収によって変色する乾燥度試験紙、酸素濃度によって変色する酸素検知剤を含む層、体温や装置本体20の駆動部13においての発熱によって変色する層が例示される。このような変色部材34’は、非可逆的に変色するものであることが好ましいが、復色の速度が遅い場合であれば可逆的に変色するものであってもよい。
図13は、上述した薬液投与装置2の動作例を示すフローチャートである。この図に示す薬液投与装置2の動作例は、クレードル30の使い回し防止の一連の動作である。このフローチャートに示す動作例が、図4を用いて説明した第1実施形態の薬液投与装置1の動作例(その1)と異なるところは、ステップS108で第1の色[C1]である(YES)と判断した場合に、そのままクレードル30の使い回し防止の一連の動作を終了させるところにある。
以上説明した第2実施形態の薬液投与装置2であっても、第1実施形態と同様にクレードル30に変色部材34’を設けたことにより、クレードル30の使い回しが変色部材34’の色変化によって検知され、その色変化によって出力部16から警報が出力される構成である。これにより、薬液投与装置2のユーザに、クレードル30の使い回しを通知してクレードル30の交換を促すことができ、クレードル30の使い回しを防止することが可能になる。
<薬液投与装置の構成>
図14は、第3実施形態の薬液投与装置3の全体構成を説明するための分解斜視図である。図15は、第3実施形態の薬液投与装置3の要部平面図である。図16は、第3実施形態の薬液投与装置3の要部を抜粋した断面図である。図17は、第3実施形態の薬液投与装置3のブロック図である。
リユース部20aは、図17のブロック図にも示すように、装置本体20の電子制御機能が集約的に配置された部分である。このリユース部20aは、図14に示した蓋体11の内部に、電子制御機能を収容して構成されている。蓋体11の内部に収容された電子制御機能は、電源部12aを有する回路基板12、モータや歯車部等の駆動部13、出力部16、本体通信部17、本体演算部18、および本第3実施形態に特徴的な検知部300を構成するマイクロスイッチ301である。また、蓋体11には、本第3実施形態に特徴的な作用部としてのストッパ解除部310が設けられている。
検知部300は、リユース部20aにおける蓋体11の周縁部に設けられている。より詳しくは、クレードル30に対して装置本体20をスライドさせながら装着させる場合に、クレードル30におけるプレート31の壁部31bに正面から近接して接触する蓋体11の部分に、検知部300が配置されている。図16に示すように、このような検知部300は、マイクロスイッチ301、蓋体11の壁部に設けられた第1開口302aおよび第2開口302b、さらに第1開口302aと第2開口302bとの間の隔壁部303とで構成されている。
ストッパ解除部310は、次に説明するクレードル30の状態変化部320の状態を変化させるための作用部として設けられたものである。このストッパ解除部310は、リユース部20aにおける蓋体11の周縁部において、検知部300に近接する位置に設けられている。このストッパ解除部310は、クレードル30に対して装置本体20をスライドさせながら装着させる場合に、クレードル30におけるプレート31の壁部31bに向かって、リユース部20aから突出させた棒状部材である。
クレードル30は、筐体となるプレート31の壁部31bに、本第3実施形態に特徴的な状態変化部320を設けている。プレート31の壁部31bにおいて、状態変化部320が設けられる位置は、クレードル30に対して装置本体20をスライドさせながら装着させる場合に、装置本体20に正面から近接して接触する位置である。プレート31の壁部31bにおいて、状態変化部320が設けられる位置には、状態変化部320を設けるための戸袋状の収容部31cが形成されている。収容部31cには、装置本体20に向かう側に、第1開口31dおよび第2開口31eが設けられている。
状態変化部320は、戸袋状の収容部31cに収容されたスイッチ押圧部321を備え、このスイッチ押圧部321の突出位置が変化するものである。このような状態変化部320は、スイッチ押圧部321の他、弾性部材322、ストッパ323、係止突起324、第1係止溝325aおよび第2係止溝325bを備えている。
次に、以上のような構成の薬液投与装置3の動作例として、クレードル30の使い回し防止の一連の動作の一例を説明する。以下に説明する動作は、装置本体20の本体演算部18を構成するCPUが、ROMやRAMに記録されたプログラムを実行することにより実現される。
ステップS11において、薬液投与装置3のユーザは、リユース部20aとディスポ部20bとを結合させた装置本体20を、クレードル30に装着する。ここでは先ず、薬液投与装置3のユーザは、リユース部20aと、注射器22に薬液を充填したディスポ部20bとを結合させる。これにより、ディスポ部20bに配置される電池からの電力が、リユース部20aの回路基板12に設けられた電源部12aに供給され、リユース部20aの本体演算部18が起動する。そして、本体演算部18を構成するCPUは所定のプログラムを実行し、ユーザからの送液投与命令を待つ。ユーザは、クレードル30を皮膚に対して接着させることにより、クレードル30の穿刺針を皮膚に対して穿刺した状態とする。次いで、皮膚に接着させたクレードル30に対して、装置本体20をスライドさせながら装着させる。
ステップS12において、薬液投与装置3のユーザは、リモートコントローラ40の入力部43の操作により、送液命令を入力する。ここで、送液命令は、薬液投与装置3による薬液投与のための通常動作の命令である。
先ず、ステップS301において、本体演算部18は、本体通信部17において、リモートコントローラ40側から送液命令を受信したか否かを判断する。そして、送液命令を受信した(YES)と判断されるまで、ステップS301の処理を繰り返し行ない、送液命令の受信を待って待機する。送液命令を受信した(YES)と判断された場合に、次のステップS302に進む。
ステップS302において、本体演算部18は、マイクロスイッチがオンになったか否かを判断する。ここで、先に説明したとおり、図16に示したマイクロスイッチ301は、状態変化部320のスイッチ押圧部321によって押し圧されることによりオンとなるものである。
ステップS303において、本体演算部18は、出力部16に対して警報の出力を指示する。これにより、出力部16が警報を出力し、薬液投与装置3のユーザに対してクレードル30が使い回されたものであることを通知し、クレードル30の交換を促す。なお、ステップS303は、装置本体20の出力部16から警報を出力させる処理とした。しかしながらステップS303は、本体通信部17とコントローラ通信部45との通信により、リモートコントローラ40の出力部44からも警報を出力させる処理としてもよい。またステップS303は、リモートコントローラ40の出力部44からのみ警報を出力させる処理としてもよい。
ここで、ステップS303における警報の出力を認知した薬液投与装置3のユーザは、ステップS13として、クレードル30の交換を実施する。この際、先ずクレードル30から装置本体20を取り外し、次いで使い回したと判断されたクレードル30を皮膚から剥がし取る。その後、新たなクレードル30を皮膚に接着させる。
以上説明した第3実施形態の薬液投与装置3によれば、装置本体20に設けたマイクロスイッチ301のオンオフによって、クレードル30の使い回しが検知されて警報が出力される構成である。これにより、薬液投与装置3のユーザに、クレードル30の使い回しを通知してクレードル30の交換を促すことができ、クレードル30の使い回しを防止することが可能になる。
<薬液投与装置の構成>
図23は、第4実施形態の薬液投与装置4の全体構成を説明するための分解斜視図である。図24は、第4実施形態の薬液投与装置4の要部を抜粋した断面図である。図25は、第4実施形態の薬液投与装置4のブロック図である。
装置本体20のリユース部20aは、図25のブロック図にも示すように、装置本体20の電子制御機能が集約的に配置された部分である。このリユース部20aは、図23に示した蓋体11の内部に、電子制御機能を収容して構成されている。蓋体11の内部に収容された電子制御機能は、電源部12aを有する回路基板12、モータや歯車部等の駆動部13、出力部16、本体通信部17、本体演算部18である。
図24に示すように、磁気センサ400は、ディスポ部20bにおける筐体21の底面であって、クレードル30に向かう面に設けられている。より詳しくは、磁気センサ400は、クレードル30に対して装置本体20をスライドさせながら装着させた場合に、クレードル30に設けた磁石421と対向する位置に固定されている。
引掛部材410は、次に説明するクレードル30の状態変化部420の状態を変化させるための作用部として設けられたものである。この引掛部材410は、ディスポ部20bにおける筐体21の底面であって、クレードル30に向かう面において、磁気センサ400に近接して配置されている。
クレードル30は、筐体となるプレート31の底板31aに、本第4実施形態に特徴的な状態変化部420を設けている。状態変化部420は、プレート31の底板31aにおいて装置本体20をスライドさせる方向に沿って設けられている。プレート31の底板31aにおいて、状態変化部420が設けられる位置には、スライド方向に沿って第1溝部31fが設けられている。第1溝部31fの底面には、第1溝部31fに沿ってその中央をさらに掘り下げた第2溝部31gが設けられている。
状態変化部420は、第1溝部31fの底部に埋め込まれた磁石421と、第1溝部31fに嵌め込まれた遮蔽板422とを備え、遮蔽板422の位置によって磁石421の露出状態が変化するものである。このような状態変化部420は、磁石421および遮蔽板422の他、係止突起423を備えている。
次に、以上のような構成の薬液投与装置4の動作例として、クレードル30の使い回し防止の一連の動作の一例を説明する。以下に説明する動作は、装置本体20の本体演算部18を構成するCPUが、ROMやRAMに記録されたプログラムを実行することにより実現される。
先ず、ステップS401において、本体演算部18は、本体通信部17において、リモートコントローラ40側から送液命令を受信したか否かを判断する。そして、送液命令を受信した(YES)と判断されるまで、ステップS401の処理を繰り返し行ない、送液命令の受信を待って待機する。送液命令を受信した(YES)と判断された場合に、次のステップS402に進む。
ステップS402において、本体演算部18は、磁気センサ400において磁気検出がなされたか否かを判断する。ここで、図29に示すように、磁気センサ400は、遮蔽板422を介することなく磁石421と対向配置されることにより、磁気検出が可能となるものである。
ステップS403において、本体演算部18は、出力部16に対して警報の出力を指示する。これにより、出力部16が警報を出力し、薬液投与装置4のユーザに対してクレードル30が使い回されたものであることを通知し、クレードル30の交換を促す。なお、ステップS403は、装置本体20の出力部16から警報を出力させる処理とした。しかしながらステップS403は、本体通信部17とコントローラ通信部45との通信により、リモートコントローラ40の出力部44からも警報を出力させる処理としてもよい。またステップS403は、リモートコントローラ40の出力部44からのみ警報を出力させる処理としてもよい。
ここで、ステップS403における警報の出力を認知した薬液投与装置4のユーザは、ステップS13として、クレードル30の交換を実施する。この際、先ずクレードル30から装置本体20を取り外し、次いで使い回したと判断されたクレードル30を皮膚から剥がし取る。その後、新たなクレードル30を皮膚に接着させる。
以上説明した第4実施形態の薬液投与装置4によれば、装置本体20に設けた磁気センサ400における磁気検出によって、クレードル30の使い回しが検知されて警報が出力される構成である。これにより、薬液投与装置4のユーザに、クレードル30の使い回しを通知してクレードル30の交換を促すことができ、クレードル30の使い回しを防止することが可能になる。
20…装置本体
30…クレードル
14…エネルギー照射部
15…光センサ(検知部)
16…出力部
18…本体演算部(演算部)
26…コントローラ演算部(演算部)
22…注射器
34,34’…変色部材(状態変化部)
300…検知部
301…マイクロスイッチ
310…ストッパ解除部(作用部)
320…状態変化部
321…スイッチ押圧部
400…磁気センサ(検知部)
410…引掛け部(作用部)
420…状態変化部
421…磁石
422…遮蔽板
C1…第1の色(初期の色)
C2…第2の色(変色した色)
C3…第3の色(変色した色)
E…エネルギー線
Claims (9)
- 皮膚に対して接着して用いられるクレードルと、
前記クレードルに対して装着される装置本体と、
前記クレードルに設けられた状態変化部と、
前記装置本体を前記クレードルに対して装着した状態で、前記状態変化部の状態を検知するように当該装置本体に設けられた検知部と、
警報を出力する出力部と、
前記検知部によって検知した前記状態変化部の状態が初期の状態から変化していると判断した場合に、前記出力部に対して警報の出力を指示する演算部とを備えた
医療装置。 - 前記状態変化部は、変色部材によって構成され、
前記検知部は、前記変色部材の色を検知する光センサであり、
前記演算部は、前記光センサによって検知した前記変色部材の色が初期の色から変色した色であると判断した場合に、前記出力部に対して警報の出力を指示する
請求項1記載の医療装置。 - 前記演算部は、前記光センサによる前記変色部材の検出によって前記装置本体が前記クレードルに装着されたことを判断する
請求項2記載の医療装置。 - さらに、前記変色部材を変色させるためのエネルギー線を照射するもので、前記装置本体が前記クレードルに対して装着された状態で、当該変色部材に対して当該エネルギー線が照射されるように当該装置本体に設けられたエネルギー照射部を備え、
前記演算部は、前記光センサによる前記変色部材の検出によって前記装置本体が前記クレードルに装着されたと判断した後、前記エネルギー照射部に対して前記変色部材への前記エネルギー線の照射を指示する
請求項2または3に記載の医療装置。 - 前記エネルギー照射部は、前記エネルギー線として、紫外光または熱線を照射する
請求項4記載の医療装置。 - 前記変色部材は、周囲の環境要因によって継時的に色変化するものである
請求項2または3に記載の医療装置。 - さらに、前記装置本体を前記クレードルに対して装着した状態で、前記状態変化部の状態を変化させるように当該装置本体に設けられた作用部を備えている
請求項1記載の医療装置。 - 前記状態変化部は、前記作用部の作用によって位置変化するスイッチ押圧部を備え、
前記検知部は、何れか1つの位置にある前記スイッチ押圧部によって押圧されるマイクロスイッチを有する
請求項7記載の医療装置。 - 前記状態変化部は、前記クレードルに固定された磁石と、当該磁石を覆って当該クレードルに設けられた遮蔽板とを有し、
前記検知部は、磁気センサであり、
前記作用部は、前記装置本体を前記クレードルに対して装着した状態で前記遮蔽板に嵌合されるもので、当該装置本体を当該クレードルから離脱させる動作に伴って当該遮蔽板の位置を変化させる
請求項7記載の医療装置。
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