JPWO2017158943A1 - パターニング装置及び有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明の課題は、有機エレクトロルミネッセンス素子のパターニング時間を大幅に短縮できるパターニング装置を提供することである。当該パターニング装置は、有機エレクトロルミネッセンス素子にマスクを介して光を照射し発光パターンを形成するパターニング装置であって、波長が特定の範囲内の光を1W/cm以上の放射照度で照射する光照射部を備え、光照射エリア内における前記波長の範囲内の光の放射照度が、当該光照射エリア内における前記放射照度の平均値に対し±10%の範囲内であり、前記光照射エリア内における前記波長の範囲内の光のコリメーション半角が、45°以下であることを特徴とする。

Description

本発明は、パターニング装置及び有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法に関する。より詳しくは、本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子のパターニング時間を大幅に短縮できるパターニング装置等に関する。
従来、有機エレクトロルミネッセンス(以下、「有機EL」ともいう。)素子に紫外線(UV)を照射すると照射された領域の発光効率が低下し、パターニングができることが知られている(例えば、特許文献1参照。)。この現象には相反則不軌特性があり、同じ積算光量でも照射パワー密度(放射照度)が高い方が、反応が高速になることが知られている。
したがって、有機EL素子にパターニングを行う場合、高い放射照度にした方がパターニング時間を大幅に短縮でき、この結果、タクトタイムを短縮できるため生産性を向上できる。
ところで、マスクパターンを正確に有機EL素子に形成するためには、照射光ができるだけ平行光に近いことが望ましい。したがって、略平行光にて高い放射照度の光照射装置が望まれるが、高出力光源であるランプやLEDを用いた場合、面発光光源であるため照射光を略平行光(コリメーション半角2°程度)にするにはビーム整形光学部品を多数要するとともに、光線ケラレが多く発生してしまい、特許文献2に示すように放射照度を高めることが困難である。一方、特許文献3には6W/cmと非常に高い放射照度が記載されているが、コリメーション半角を制御していないためコリメーション半角はLED放射角の80°程度と推測され、パターニングには使えないという問題があった。
また、特許文献4にはコリメーション半角を14°にし、放射照度0.6W/cmまで高めた実施例が記載されているが、有機EL素子のパターニングには放射照度がまだ不十分である。特許文献4には更なる高放射照度化の手法が記載されていない。
国際公開第2014/175135号 特開2014−134655号公報 特開2014−65211号公報 特開2015−114633号公報
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、有機エレクトロルミネッセンス素子のパターニング時間を大幅に短縮できるパターニング装置及び有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討する過程において、コリメーション半角を45°まで許容すれば4W/cm以上の高い放射照度が達成でき、この結果、有機エレクトロルミネッセンス素子のパターニング時間を大幅に短縮できるパターニング装置及び有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法を提供できることを見いだし本発明に至った。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.有機エレクトロルミネッセンス素子にマスクを介して光を照射し発光パターンを形成するパターニング装置であって、
波長が100〜410nmの範囲内の光を1W/cm以上の放射照度で照射する光照射部を備え、
光照射エリア内における前記波長の範囲内の光の放射照度が、当該光照射エリア内における前記放射照度の平均値に対し±10%の範囲内であり、
前記光照射エリア内における前記波長の範囲内の光のコリメーション半角が、45°以下であることを特徴とするパターニング装置。
2.前記有機エレクトロルミネッセンス素子を載置する被パターン形成体載置台を備え、
前記被パターン形成体載置台が、冷却機能を有することを特徴とする第1項に記載のパターニング装置。
3.前記被パターン形成体載置台が、前記冷却機能として、
冷却水を前記被パターン形成体載置台の一方から導入し、前記被パターン形成体載置台内を一方向に前記冷却水を流して他方に排出する複数の水路を備えることを特徴とする第2項に記載のパターニング装置。
4.弾性体による弾性力により、前記マスクを保持するマスク保持機構を備えることを特徴とする第1項から第3項までのいずれか一項に記載のパターニング装置。
5.気体を前記マスクに吹き付ける気体流発生部を備えることを特徴とする第1項から第4項までのいずれか一項に記載のパターニング装置。
6.第1項から第5項までのいずれか一項に記載のパターニング装置により、発光パターンを形成した有機エレクトロルミネッセンス素子を製造する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
7.前記発光パターンのエッジ部が、10〜300μmの範囲内で輝度分布を有することを特徴とする第6項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
本発明の上記手段により、有機エレクトロルミネッセンス素子のパターニング時間を大幅に短縮できるパターニング装置及び有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法を提供することができる。
本発明の効果の発現機構ないし作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように考えている。
本発明者が、メタルハライドランプをUV光源とした光照射器にて、放射照度100mW/cmでパターニング実験を行ったところ、発光部と非発光部の輝度比の値を200とするための積算照射時間は、約12時間と非常に時間がかかってしまう結果であった。一方、波長385nmのUV−LEDを光源とした光照射器にて放射照度2W/cmにて照射した場合には、積算照射時間は30分で済み、さらに4W/cmでは10分と大幅に短縮できた。また、目標輝度比を100に抑えた場合には放射照度1W/cmでも40分と1時間以内で済むことが分かった。
一般に、マスクパターンを正確に有機EL素子に形成するためには、照射光ができるだけ平行光に近いことが望ましいが、放射照度を高めつつ、平行光とすることは困難である。
ここで、有機EL素子の発光パターンは視覚に訴えるものであり、半導体などのようにサブミクロンの解像度は要求されない。そこで、本発明者は、照射光を平行光からずらし、コリメーション半角を30°まで許容すれば2W/cm以上の高い放射照度を達成させつつ、視覚的に十分な解像度の発光パターンを形成できると考えた。さらに、鋭意検討の結果、コリメーション半角を45°まで許容すれば4W/cm以上の高い放射照度が達成できることが分かった。なお、コリメーション半角45°での有機EL素子のパターニング解像度はラインアンドスペースのハーフピッチで100μmまで可能なことを実験で確認しており、視覚的には十分な解像度が得られる。
有機ELシートの模式図 マスクの模式図 光照射エリアの一例の模式図 本発明のパターニング装置が有する光照射部の一例の透視図 本発明のパターニング装置が有する光照射部の他の一例の透視図 マスク保持機構とマスクとを光照射部側から見た概略図 複合放物面集光器のような集光ミラーの一例を示す概略図 棒状シリンドリカルレンズの配置の一例を示す断面概略図 棒状シリンドリカルレンズの配置の一例を示す断面概略図 被パターン形成体載置台の冷却機能の一例を示す概略図 本発明のパターニング装置の一例の全体構成図(X軸方向透視図) 本発明のパターニング装置の一例の全体構成図(Y軸方向透視図) 本発明のパターニング方法の一例の操作フロー図 有機EL素子の一例の断面図 マスク遮光膜のエッジ部近辺での放射照度分布を示す説明図 マスク遮光膜のエッジ部近辺での放射照度分布を示すグラフ 実施例に係る有機EL素子の輝度比の積算照射時間に対する特性を示すグラフ
本発明のパターニング装置は、有機エレクトロルミネッセンス素子にマスクを介して光を照射し発光パターンを形成するパターニング装置であって、波長が100〜410nmの範囲内の光を1W/cm以上の放射照度で照射する光照射部を備え、光照射エリア内における前記波長の範囲内の光の放射照度が、当該光照射エリア内における前記放射照度の平均値に対し±10%の範囲内であり、前記光照射エリア内における前記波長の範囲内の光のコリメーション半角が、45°以下であることを特徴とする。この特徴は各請求項に係る発明に共通又は対応する技術的特徴である。これにより、本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子のパターニング時間を大幅に短縮できるという効果を得られる。
本発明の実施態様としては、前記有機エレクトロルミネッセンス素子を載置する被パターン形成体載置台を備え、前記被パターン形成体載置台が、冷却機能を有することが好ましい。これにより、高い放射照度とした場合に伴う熱の影響を低減できる。
本発明においては、前記被パターン形成体載置台が、前記冷却機能として、冷却水を前記被パターン形成体載置台の一方から導入し、前記被パターン形成体載置台内を一方向に前記冷却水を流して他方に排出する複数の水路を備えることが好ましい。これにより、高い放射照度とした場合に伴う熱の影響を低減できる。
本発明においては、弾性体による弾性力により、前記マスクを保持するマスク保持機構を備えることが好ましい。これにより、高い放射照度とした場合に伴う熱の影響を低減できる。
本発明においては、気体を前記マスクに吹き付ける気体流発生部を備えることが好ましい。これにより、高い放射照度とした場合に伴う熱の影響を低減できる。
本発明のパターニング装置は、発光パターンを形成した有機エレクトロルミネッセンス素子を製造する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法に好適に採用できる。中でも、前記発光パターンのエッジ部が、10〜300μmの範囲内で輝度分布を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法に好適に採用できる。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
≪パターニング装置の概要≫
本発明のパターニング装置は、有機エレクトロルミネッセンス素子にマスクを介して光を照射し発光パターンを形成するパターニング装置であって、波長が100〜410nmの範囲内の光を1W/cm以上の放射照度で照射する光照射部を備え、光照射エリア内における前記波長の範囲内の光の放射照度が、当該光照射エリア内における前記放射照度の平均値に対し±10%の範囲内であり、前記光照射エリア内における前記波長の範囲内の光のコリメーション半角が、45°以下であることを特徴とする。
パターニング装置は、その光照射エリアによって、後述の第1の形態及び第2の形態が考えられるが、本発明のパターニング装置はこれに限定されない。
図1Aは、有機ELシートの模式図である。有機ELシート11には複数の有機EL素子12が形成されており、四隅に有機ELシート用アライメントマーク13が形成されている。このアライメントマークは有機EL素子の製造において電極や有機層を成膜する際の成膜用マスクのアライメントで使用されるものである。
図1Bは、マスクの模式図である。マスク14には、各有機EL素子12に対応した位置に所定の光照射パターン15(図の例では文字A)が形成され、有機ELシート11のアライメントマーク13の位置に対応したマスク用アライメントマーク16が形成されている。図で黒塗りした部分が遮光膜で紫外線を遮光する。したがって、有機EL素子12には文字A以外の発光エリアに紫外線光が照射され、発光しないことになり、有機EL素子12としては文字Aのみが発光する。マスクの基材としては線膨張係数の小さい石英ガラスや耐熱ガラス(例えば、ショット社製テンパックス フロート(登録商標))が好ましく、遮光膜は紫外線吸収率の低いクロム膜や酸化クロム膜が望ましい。
なお、パターニングが終了した後に、有機ELシート11は有機EL素子12ごとに切断される。切断された各個別の有機EL素子は、それぞれ個別に表示装置等に装填されるために用いられる。
図2は、光照射エリアを表した模式図である。
図の点線部が複数の光照射エリアで、図2の場合は4個の光照射エリア(P1〜P4)に区分されている場合を例示している。
この4個の光照射エリアを、1パルス光照射で周回して光照射する場合を例示する。まず、光照射エリアP1で1パルス光照射後、次いで光照射エリアP2にて1パルス光照射する。続いて光照射エリアP3及びP4についても各々1パルス光照射する。その後、光照射エリアP1について再度1パルス光照射する、といったように、1パルス光照射を順次繰り返す。このように周回して光を照射することで、光照射エリアP1を再度光照射するまでに待ち時間を設けることができ、この結果、この待ち時間で光照射エリアP1が冷却されるため、パターニングの際におけるマスクや有機ELシートでの熱蓄積を抑えることができる。
この周回光照射方式の場合、分割される光照射エリアの個数に特に制限はないが、タクトタイムを短くする観点から、9個以下であることが好ましく、4個以下であることが好ましい。更に好ましくは2個に分割されることである。
光照射エリアの周回パターンとしては、例えば、(光照射エリアP1→光照射エリアP2→光照射エリアP1→光照射エリアP2)と繰り返されるケースが挙げられるが、少なくとも一つの光照射エリアで再度光照射が行われれば、いずれの光照射パターンであっても良い。
例えば、(光照射エリアP1→光照射エリアP2→光照射エリアP1)のように追加の光照射が行われない光照射エリアがあってもよい。
また(光照射エリアP1→光照射エリアP2→光照射エリアP3→光照射エリアP4→光照射エリアP3→光照射エリアP2→光照射エリアP1→光照射エリアP4)のように、2周目の光照射の順番が1周目の光照射の順番と異なっていても良い。
なお、有機層の紫外線吸収率がシート面内で分布を持つ場合には、各ポジションで照度や1パルス光の照射時間を変えても良い。
<パターニング装置の第1の形態>
本発明のパターニング装置としては、複数の有機EL素子が備えられた有機ELシートが載置される被パターン形成体載置台と、前記有機ELシートの複数の光照射エリアに光照射をする少なくとも1個の光源を備えた光照射部と、前記光照射部の位置と前記被パターン形成体載置台との相対位置を変化させるステップ移動部と、前記複数の光照射エリアでの積算光量が、それぞれの光照射エリアで所定量となるように光照射部を制御する制御部を備え、前記ステップ移動部は、前記複数の光照射エリアのうち、少なくとも一つの光照射エリア(A)でパルス光の照射を行った後に、前記光照射エリア(A)以外の光照射エリアのうちの少なくとも一つの光照射エリア(B)でパルス光の照射を行う位置に光照射部又は被パターン形成体載置台を移動させ、前記光照射エリア(B)でパルス光の照射を行った後に、光照射エリア(A)に再度パルス光の照射を行う位置に光照射部又は被パターン形成体載置台を移動させるステップ移動部である有機EL素子のパターニング装置であることが好ましい。
図3は、本発明のパターニング装置の一例(第1の形態)の透視図である。
パターニング装置31は光源部300、カバー39、気体流発生部40で構成される光照射部32、前記光照射部32からの照射光38をパターン化して有機ELシート11に光照射するためのマスク14及び被パターン形成体載置台43から成る。
光源部300は紫外線を発光する光源35(例えば、波長365nmや385nmのUV−LED)と光源35を2次元状(平面状)に配置した光源基板34から構成されており、光源基板34から光源35へ駆動電流を供給する。光源部300は、さらに光源35で発生した熱を外部に逃がす放熱板33を備えており、光源35の発光効率の低下を防止する。放熱板33の内部に冷却管を備え、冷却水を循環させ光源35を水冷することがより好ましい。光源部300から出射した発散光はレンズアレイ37で所定の広がり角の光束に整形された照射光38とされる。レンズアレイ37はレンズアレイ支持体36により光源部300に固定される。照射光38は内面が反射面となっているカバー39で閉じ込められ光量の低下を防ぎ、かつ均一な光量でマスク14を介して有機ELシート11に対し光を照射し発光パターンを形成する。
光源35から出射される光は、タクトタイム低減の観点から、光照射による有機機能層の失活反応速度が速い紫外線であることが好ましい。また、出射する光はパルス光であることが好ましく、タクトタイムの低減及び有機ELシートの正確なパターニングを行う観点から、1回の光照射ステップで行われるパルス光照射は、1パルス光の照射であることが好ましい。必要に応じ複数のパルス光の照射の間に、消灯時間を入れたマルチパルス光の照射にしてもよい。
光照射エリア周辺部の光量を確保するためには、カバー39下端とマスク14の間隙42はできるだけ狭い方が良く、5mm程度が望ましい。この間隔であれば、気体流発生部40により、マスク14に層状の気体を一様に吹き付けることができる。
光源35(LED)は、後述の光源制御部により点灯、消灯や点灯時の照射出力、照射時間が制御されパルス光の照射を行う。
有機ELシート11は、被パターン形成体載置台43に載置され、マスク14が有機ELシート11と所定の相対位置に調整され、シートの上に載置される。有機ELシート11は、吸着固定されることが好ましい。
図3に示す被パターン形成体載置台43は、後述の冷却機能として、内部に水路44bがはり巡らされており、紫外線照射によりマスク14や有機ELシートで発生した熱を冷却する。
気体流発生部40からは気体が吹き出し、マスク14の表面を冷却する。
図3のパターニング装置31の場合には、光照射部32が、有機ELシート11の最初の光照射エリアP1をパルス光照射した後、光照射部32及び被パターン形成体載置台43がステップ移動し、次の光照射エリアP2をパルス光照射する。このようにして全光照射エリアが照射された後、再度光照射エリアP1が照射される。
このようなパターニング装置31により、マスク14の熱による変形や、有機ELシート11の熱による性能(例えば、色バランス)の劣化を防止でき、正確なパターニングが行えるため好ましい。また、パターニングにかかるタイムタクトを短くすることができ、生産性をより向上できる。
<パターニング装置の第2の形態>
本発明のパターニング装置としては、複数の有機EL素子が備えられた有機ELシートを載置する被パターン形成体載置台と、前記有機ELシートの複数の光照射エリアに光照射をする複数の光源と、前記複数の光源を制御する制御部を備える有機ELシートのパターニング装置であって、前記複数の光源の位置が固定されており、前記複数の光照射エリアは、前記複数の光源のいずれかに対応付けられており、前記制御部は、複数の光源を制御して少なくとも一つの光照射エリア(A)でパルス光の照射を行った後に、前記光照射エリア(A)以外の光照射エリアのうちの少なくとも一つの光照射エリア(B)でパルス光の照射を行い、前記光照射エリア(B)でパルス光の照射を行った後に、光照射エリア(A)に再度パルス光の照射を行わせ、複数の光照射エリアでの積算光量が、それぞれの光照射エリアで所定量となるように光源を制御することを特徴とする有機EL素子のパターニング装置であることが好ましい。
図4は、本発明のパターニング装置における光照射部の他の一例(第二の形態)の透視図である。
第一の形態における光源数よりも多い、複数の光源35(LED)が2次元状に配置され、光照射部32全体から出射される光の照射エリアは有機ELシート11中の有機EL素子12が配置されている領域全面をカバーできるエリアとなっている。即ち、光源35を全て点灯させた場合には、図2における光照射エリアP1、P2、P3及P4の領域を全てカバーする光照射エリアとなっている。光源35はグループごとに制御可能となっており、最初の光照射ステップで、第1のグループのLED光源のみが点灯され、図2におけるP1の光照射エリアを照射する照射光38が発光される。この後に、次の光照射ステップで、図2におけるP2の光照射エリアを照射する照射光38が発光される。このようにグループごとに点灯させて周回光照射を行うことにより、パターニング装置の第1の形態における光照射部の移動時間を無くすことができ、タクトタイムを低減できる。
なお、図4に示す例では、1台の光照射部32内の光源35を順次点灯させるが、前述のパターニング装置の第1の形態における光照射部32を複数(例えば4台)配置し、各光照射エリア(P1〜P4)の光照射に応じて順次各光照射部32を発光させてもよい。
次に、パターニング装置の各構成部について説明する。
[マスク]
マスクは、有機EL素子に照射する光量を変える役割を有する。
マスクは、一例として、ガラス基板と遮光膜との2層構成(図示略)となっており、遮光膜がマスクフレーム202側となるように、マスク保持機構200に装着される。
紫外線の透過光量を変えることができる公知の材料を用いて、ガラス基板上にネガ状のパターンを有するマスクを作製することができるが、特に、線膨張率の低い石英基板に紫外線吸収率が比較的低いクロム遮光膜をパターン付与したものが、熱変形を抑制できる点で好ましい。このようなマスクを用い、有機EL素子に紫外線照射することにより、発光パターンを有する有機EL素子を作製することができる。
なお、ここでいう「パターン」とは、有機EL素子により表示される図案(図の柄や模様)、文字、画像等をいう。「パターニング」とは、これらのパターン表示機能を持たせることをいう。
また、「発光パターン」とは、有機EL素子が発光する際、所定の図案(図の柄や模様)、文字、画像等に基づいて、発光面の位置により発光強度(輝度)を変えて光を発光させるためにあらかじめ当該有機EL素子に形成(付与)される所定の図案(図の柄や模様)、文字、画像等を表示させる機能を有する発生源をいう。
本発明においては、有機ELシートが、冷却機能を有する被パターン形成体載置台に載置され、マスクが有機EL素子と所定の相対位置に位置決めされて、素子の上に密着して載置されることが好ましい。これは、光が照射されることで発熱源となるマスク遮光膜の冷却効果を高めることができるためであり、具体的には、マスク遮光膜を有機EL素子に密着させることが好ましい。
(ガラス基板)
ガラス基板としては、素材として、特に限定されることがなく、例えば、光学用や基板用に用いられる公知のガラス素材を用いることができる。具体的には、アルミノシリケートガラス、ソーダライムガラス、ソーダアルミノケイ酸ガラス、アルミノボロシリケートガラス、ボロシリケートガラス、石英ガラス、チェーンシリケートガラス、結晶化ガラス等のガラスセラミック、リン酸系ガラス又はランタン系ガラス等を挙げることができる。
これらの中では、熱膨張率の低いものが好ましい。石英ガラスや耐熱ガラス(テンパクッスなど)を、好ましく用いることができる。マスクの厚さは特に制限はないが、3〜10mmのものを用いることができる。
<マスク保持機構>
本発明のパターニング装置は、弾性体による弾性力により、前記マスクを保持するマスク保持機構を備えることが好ましい。これにより、マスクが照射光により膨張しても、その膨張による歪みを弾性体が吸収するため、マスクが割れることを防止できる。
図5は、マスク保持機構とマスクとを光照射部側から見た概略図である。
図5に示すように、本発明に係るマスク保持機構200は、中央に開口部を有する、四角形状のマスクフレーム202の各辺上に設けられ、対向して配置された弾性体204と、弾性体204を固定する固定手段206と、を備えて構成されている。
弾性体204は、マスクフレーム202上に載置され、マスク14と面接触することによりマスク14を側方から押圧して固定する。
固定手段206は、マスクフレーム202に固定されている。
弾性体204は、マスク14と接触している面とは反対側の面と、弾性体204の上面とで固定手段206に当接して固定されている。
マスク14は、上述したように、各弾性体204に接触するようにしてマスクフレーム202上に配置される。
弾性体204は、マスク14と面接触して固定することが好ましい。このような弾性体204の形状は特に限定されず、例えば、光照射によりマスクが膨張した場合に、当該マスクを点接触又は、面接触により押圧・固定するような球状の粘弾性体であってもよい。弾性体によって固定することにより、接触部を起点として、マスクにひび割れが発生することを防止できる。
また、本発明に係るマスク保持機構200は、マスク14を所定の圧力で保持することができることから、マスクフレーム202の任意の辺を回動軸として、可動式のマスク保持機構とすることができる。可動式とすることにより、後述するパターニング装置に適用した際、マスクを旋回させて有機EL素子から退避させることができ、パターニングする有機EL素子等の搬入及び搬出を容易にすることができる。
弾性体204(及び固定手段206)は、マスクフレーム202の各辺に二対以上対向して配置されていることが好ましい。弾性体204の設置数は、マスク14の大きさ、すなわち、マスクフレーム202の各辺の長さによって適宜調整することができる。
本発明に係るマスク保持機構200は、上述したように可動式とすることができることから、マスクフレーム202の対向する1組の辺上に、少なくとも一対のマスク外れ防止規制板208を対向して配置させることが好ましい。このとき、回動軸は、マスクフレーム202のいずれかの一辺となる。
(マスクフレーム)
本発明に係るマスクフレームの材質としては、従来公知のものを使用することができる。例えば、アルミニウムを用いることができる。
(弾性体)
本発明に係るマスク保持機構においては、弾性体を構成する材料は特に限定されないが、粘弾性体であることが好ましく、具体的には、例えば、フッ素ゴム、クロロブレンゴム、ニトリルゴム、エチレン・プロピレンゴム、シリコーンゴム、ブチルゴム、ウレタンゴム等のゴムが挙げられる。中でも、紫外線に対する耐久性が高いことから、フッ素ゴムであることが好ましい。
粘弾性体の硬度は、A50〜A80の範囲内であることが好ましい。粘弾性体の硬度がA50以上であれば、マスクの熱膨張を効果的に防止することができ、A80以下であればマスク保持機構を可動式とした際のマスクの自重によるズレを防止することができる。なお、本発明において、粘弾性体の硬度は、JIS K 6253に準拠して測定される値である。
粘弾性体とマスクとの接触面積は、104.5mm以上であることが好ましく、これにより、マスクを安定して固定することができる。
また、当該接触部における粘弾性体のマスクに対する圧力は、430000±56000N/mの範囲内であることが好ましい。圧力が当該範囲内であれば、マスクの熱膨張や位置ズレを防止することができる。
また、マスクの平面方向のズレ量は、50μm以下であることが好ましい。
(固定手段)
固定手段は、ネジ等によりマスクフレームに固定されている。
固定手段の材質は特に制限されないが、例えば、アルミニウムなどを用いることができる。
[光照射部]
光照射部は、波長が100〜410nmの範囲内の光(以下、「紫外線」又は「照射光」ともいう。)を1W/cm以上の放射照度で照射する。
光照射部には、紫外線を発光する光源が取り付けられている。光源としては、所望の紫外線光量を発光する光源であれば、特に制限はない。例えば、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、メタルハライドランプ、キセノンアークランプ、カーボンアークランプ、エキシマランプ、UV光レーザー等から発せられる100〜410nmの範囲、好ましくは200〜410nmの範囲の波長領域の紫外線を用いることができる。中でも、波長が350〜410nmのLEDを複数備えていることが特に好ましい。これは、波長が350〜410nmの光は、有機EL素子の発光効率低下の感度が高い紫外線帯域の波長の光であるため、タクトタイムをより短縮できるからである。
なお、パターニングを行うための積算照射量としては、有機EL素子の層構成、膜厚、サイズ等にもよるが、200〜5000J/cmの積算光量で照射することが、生産性が高く、正確なパターニングが行える観点から好ましい。また、1パルスの紫外線照射時間は、1〜300秒の範囲内であることが好ましい。
光照射部について、具体例を挙げて更に説明する。
光照射部としては、例えば、光源として、波長385nmのUV−LEDを使用し、これらを2次元状に配置し、LEDから出射した発散光をレンズアレイで所定のコリメーション半角となるように整形することで、レンズアレイの各レンズから出射した光が照射面で重なり合い、この結果、面状の広い照射面積にでき、かつ、一様な照度分布とすることができる。
なお、LEDは不図示のコントローラにより点灯、消灯や点灯時の照射出力、照射時間が制御され、パルス光を照射するものであることが好ましい。マルチパルス光の場合には、1パルス光を照射してから次のパルス光を照射するまでの消灯時間も制御するものが好ましい。
[放射照度]
光照射部は、波長が100〜410nmの範囲内の光を1W/cm以上の放射照度で照射するが、高放射照度で高速パターニングを行うためには、放射照度は2W/cm以上が好ましく、4W/cm以上がより好ましい。さらに光照射エリア5000cm以上でかつ、放射照度4W/cmが、パターニングのタクトタイムの大幅な短縮と取り数を増大させることが可能となり、この結果、生産性を著しく向上できる点で好ましい。
本発明において、光照射エリア内における前記波長が100〜410nmの範囲内の光の放射照度が、当該光照射エリア(実際に光を照射する所望の領域)内における前記放射照度の平均値に対し±10%の範囲内である。
<放射照度の分布>
本発明においては、光照射エリア内における前記波長の範囲内の光の放射照度(以下、単に「放射照度」ともいう。)が、当該光照射エリア内における放射照度の平均値に対し±10%の範囲内である。
(放射照度の分布の測定方法)
放射照度は、公知の測定器で測定することができ、例えば、波長範囲が300〜410nmの場合、紫外線積算光量計「C9536−02」とセンサヘッド「H9958−02」(浜松ホトニクス株式会社製)を使用して、光照射エリアの縦、横に1〜10mmの範囲内の間隔ずつで測定するなどして、測定できる。
上述のようにして測定された、光照射エリア内における放射照度の分布から、光照射エリア内の本発明に係る波長の範囲内の光の放射照度の平均を計算することができる。
<コリメーション半角>
本発明において、前記光照射エリア内における前記波長が100〜410nmの範囲内の光のコリメーション半角が、45°以下である。なお、1W/cm以上の放射照度を実現するためには、23°以上のコリメーション半角を有する光を含むことが好ましい。
コリメーション半角とは、図3に示す、マスクに対する垂線Rと照射光Lとがなす角θのうち、最大のものをいう。コリメーション半角は、光源部から出射した発散光をレンズなどで整形することで調整できる。
(レンズ)
コリメーション半角を調整するための、レンズとしては、図3のようなレンズアレイ37を用いることができるが、これに限定されず、例えば、レンズアレイの代わりに、例えば、図6に示す複合放物面集光器のような集光ミラー37aを用いてもよい。複合放物面集光器であれば、部品コストを抑えることができるため好ましい。また、その他図7A及び図7Bに示すような棒状シリンドリカルレンズ37b若しくはロッドレンズをLEDアレイの各列に配置し、続いて直交する方向に棒状シリンドリカルレンズやロッドレンズを配置して2次元方向のコリメーション角整形を行ってもよい。なお、図7A及び図7Bは棒状シリンドリカルレンズの配置の一例を示す概略図であり、図7AはX方向に対し直交する断面を示す概略図であり、図7BはY方向に対し直交する断面を示す概略図である。このようにすれば、光軸調整を各々一方向だけ行えばよく、調整工数を抑制できるため好ましい。
(コリメーション半角の測定方法)
コリメーション半角の測定方法としては、特に限定されず、公知の方法を使用できる。
具体的な測定方法の例を以下に示す。
まず、被パターン形成体載置台を光照射部から退避させ、ピンホールを被パターン形成体載置台の有機ELシートを載置する面と同じ高さに配置し、照射光を前記ピンホールに照射する。次に、前記ピンホールを通り抜けた光束をCCDカメラで観測し、その光束の半径rを計測する。ピンホールとCCD素子との間隔をDとしたとき、コリメーション半角はtan−1(r/D)として算出することができる。なお、前記ピンホールの径はφ0.5mm以下が望ましい。
[光照射エリア]
光照射エリアとは、本発明に係る被パターン形成体(有機ELシート)において、実際に光を照射する所望の領域をいう。
光照射エリアの面積は、特に限定されないが、5000cm以上であることが好ましい。この理由は次のとおりである。
ロール・to・ロール方式で有機EL素子を製造する場合、一般的にロールの幅は1m程度ある。パターニングする際は、これをロール巻き方向に600mm程度の長さにカットして、複数の有機EL素子を平面状に備えるシート状にして、これら複数の有機EL素子に対し、まとめて光を照射することが好ましい。例えば、x方向のサイズが100cmでありy方向のサイズが60cmのサイズの有機ELシートに対して、複数の有機EL素子が内側90cm×54cmの領域に配置される。光照射エリアを30cm×18cm(=540cm)とすれば、x方向に3ステップ、y方向に3ステップの合計9ステップと10ステップ以内で一つの有機ELシートに光を照射できる。このように大面積の光照射エリアとすることにより有機ELシートの状態での光照射が可能となり、複数の有機EL素子を一度にパターニングでき、スループットを向上できる。有機ELシートの全面を一括で光照射する場合には、90cm×54cm=4860cm以上の光照射エリアが必要であることから、5000cm以上の光照射エリアであることが好ましい。
このような大面積の光照射エリアは、例えば、LEDの数を増やし、光源部の発光面積を拡大すれば実現可能であるが、この場合、本発明のパターニング装置は、冷却機能を併せて備えていることが好ましい。これにより、1回の照射総光量が非常に高くなったとしても、マスクの遮光膜の発熱を抑えることができる。
なお、上述の光照射エリアは面状であることが好ましい。これにより、複数の有機EL素子が形成されたシート状にて照射が可能となり、スループットを向上できる。
[被パターン形成体載置台]
本発明のパターニング装置は、有機エレクトロルミネッセンス素子を載置する被パターン形成体載置台を備えることが好ましい。
被パターン形成体載置台は、有機エレクトロルミネッセンス素子を載置できるものであり、かつ、本発明の効果を阻害しないものであればよく、特に限定されないが、有機ELシートを吸着固定できるものであることが好ましい。一般に、有機EL素子の基板としてアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート(略称:PC)、ポリエチレンテレフタレート(略称:PET)やポリエチレンナフタレート(略称:PEN)などを用いた場合、有機ELシートはカールするなど変形しやすいが、有機ELシートを吸着固定できる被パターン形成体載置台であれば、シート全面を吸着することにより、平面性よく被パターン形成体載置台に固定でき、パターニングの光照射ボケを防止できる。
なお、被パターン形成体載置台の材質は、特に限定されない。ただし、被パターン形成体載置台が後述の水路44bを有する場合、被パターン形成体載置台は冷却台となるため、その材質は軽量で熱伝導率の高い金属が好ましく、具体的には、例えば、アルミニウムが使用できる。
なお、複数の有機EL素子が備えられた有機EL素子シートに光を照射する場合には、被パターン形成体載置台が大型となり、かつ冷却水も流れるため質量が増してしまう。このため、被パターン形成体載置台をX、Y、ψ(XY平面における回転角)調整してマスクとの位置決めを行うと被パターン形成体載置台の移動機構への負荷が大きくなってしまう。そのため、マスクとシートのアライメントはマスクが載置されたマスクフレームをX、Y、ψ調整して行うことが好ましい。
<冷却機能>
有機EL素子のパターニングを高速で行うために2W/cm以上の非常に高い放射照度で光を照射した場合、マスクの遮光膜(クロムの薄膜など)が紫外線を吸収し温度が上昇する。このため、被パターン形成体載置台が、冷却機能を有することが好ましい。これにより、マスクに熱変形が生じることを抑制でき、ひいては、光照射パターンのずれ発生や熱に弱い有機層が熱ダメージを受け性能が劣化することを防止できる。
冷却機能としては、マスクを冷却できるものであればよく、特に限定されず、具体的には、例えば、水冷方式や、空気などの気体をマスクに吹き付けることなどが挙げられる。中でも、本発明のパターニング装置は、水冷方式の冷却機能として、前記被パターン形成体載置台の内部に水路を備え、冷却水を前記被パターン形成体載置台の一方から導入し、前記被パターン形成体載置台内の水路の中を一方向に前記冷却水を流して他方に排出する複数の水路を備えることが好ましい。被パターン形成体載置台の材質は熱伝導率の高いものが好ましい。例えば、アルミニウムなどを用いることができる。
図8に、被パターン形成体載置台内部に備えられた水路の具体的な一例を示す。図8の例では、被パターン形成体載置台内部には、水管44aから供給される冷却水が流れる複数の水路44bが、被パターン形成体載置台の一方から他方に向けて一方向に貫通形成されている。この水路を一方向に冷却水が流れ、紫外線照射によりマスクや有機EL素子で発生した熱を冷却する。被パターン形成体載置台で熱を吸収した水は水路44cから排出されてチラーユニット45に送られ、チラーユニット45内部にて熱交換され、水温を下げた冷却水が被パターン形成体載置台に再び供給される。このように図8の例では、冷却水はチラーユニットと被パターン形成体載置台内部を循環する。チラーユニットは、チラーの冷却能力に応じて複数台用いてもよい。ここで「チラー」とは、熱媒体を循環させて対象部を一定の温度に保つ装置をいう。
なお、装置作動中は常時冷却機能を動作させておくことが好ましい。
また、被パターン形成体載置台に導入される水温は有機EL素子やマスクが結露しない範囲で30℃以下が好ましい。10〜20℃がより好ましい。
図8に示すように、水路44bを流れる冷却水を一方通行とすれば、熱を吸収し温度上昇した冷却水を最短距離で被パターン形成体載置台の外部に排出でき、被パターン形成体載置台内で往復させた場合に比べ冷却効果が高いため好ましい。
[気体流発生部]
本発明に係るパターニング装置は、気体を前記マスクに吹き付ける気体流発生部を備えることが好ましい。
気体流発生部40は、マスク14上面の対向する位置に、マスク14とカバー39との間隙WDを通して、空気などの気体がマスク14と平行に、かつマスク14の中央方向に吹き付けられるよう配置されている。
なお、本発明において、気体流発生部が吹き付ける気体は、マスクを冷却できるものであり、かつ、本発明の効果発現を阻害しないものであれば特に限定されず、例えば、空気や、窒素ガスなどを好適に使用できる。
気体流発生部40はマスク14上面の対向する位置に配置されることで、マスク14と平行に気体を吹き付けることができ、この結果、吹き付けられる気体流41はムラなくマスク14上を進みマスク中央部で合流することができる。ここで、平行に吹き付けるとは、マスク14の平面に対し±2°以内の角度で吹き付けることをいう。
マスクに吹き付けられた気体は、マスク14の中央部で合流する。中央で合流することで、マスク14をムラなく冷却することができる。このため気体流発生部40は、マスク14上面の対向する位置に平行に配置されることが好ましい。
カバー39と気体流発生部40との間隙42は、気体が効率よくマスクに吹き付けられれば特に制約はないが10〜200mmの範囲内であることが好ましい。より好ましくは50〜100mmの範囲内である。また、気体流発生部の長さは、吹き付ける側のカバーの幅と同じか、それより大きいほうが好ましい。
また、一対の気体流発生部40は、マスク14の中央部に対して対称の位置に配置されることが好ましい。
(吹き付け部)
カバー39内部の空気循環を行い、効率よくマスクやカバーを冷却するためには、気体流発生部40が、スリット状又はノズル状の吹き付け部を備えたものであることが好ましい。スリット状の吹き付け部を備えたものであることが、より好ましい。さらには、スリット状の吹き付け部は、ライン状に気体を吹き出し、マスク表面を冷却するものであることがより好ましい。吹きだされる気体が、ライン状であると、マスクを一様に冷却できるためである。
また、スリット状の吹き付け部の代わりに、ノズル状の吹き付け部を備えたものも使用できるが、その場合ノズルの数は多いほうが良く、ノズルの数は5〜20mmの間隔で1個あることが好ましい。ノズル径の大きさは、適宜調整することができる。
吹き付け部に用いるスリット状の吹き付け部を備えた気体流発生部は市販品のものを使用することができる。例えば、サンワエンタープライズ社製の、層状空気流発生装置750型やスプレーイングシステムジャパン社製のブロアナイフエアーノズルなどを用いることができる。
一対の吹き付け部から吹き付けられる風量は同じであることが好ましい。風量としては1000〜4000L/minであることができる。気体流発生部は、エアコンプレッサーに接続されていることが好ましい。紫外線の照射光量に応じて、適宜所望の風量、風速に調節することができる。エアコンプレッサーは公知のものを使用できる。
また、吹き付けられる気体が、温度調整されたものであることが好ましい。必要に応じて、例えば、5〜15℃程度に温度調整した気体を用いることで冷却効果を上げることができる。
なお、上述の被パターン形成体載置台の冷却機能とともに、このような気体流発生部を有することが、マスクに気体を吹き付けることにより有機ELシートとマスクを効率よく冷却でき、高い放射照度とした場合に伴う熱の影響を好適に低減できるため好ましい。
[カバー]
カバーは、光源部から照射された紫外線の光量の低下を防ぎ、かつ均一な光量でマスクに照射させる機能を有している。そのために、内面が反射材料で覆われていることが好ましい。反射材料は、熱に対して耐性があり、耐久性もあることから、金属材料を用いることができる。例えば、軽量でもあることから、アルミニウムを好ましく使用できる。
カバーは、その上部に光源部が取り付けられ、その下端にマスクとの間隙を有していれば、その高さや、底面積は、特に制限がなく、紫外線を照射する有機ELシートの大きさに応じて設定することができる。カバーの底面は、有機ELシートにおいてパターンが形成されるエリア全体より大きいことが好ましい。
本発明によれば、寸法精度の高いパターニングが可能であることから、同一のパターンを有する複数の有機ELパネルを1回の紫外線照射で作製することで、生産性を高めることもできる。
なお、パターンを形成させる場合には、複数の有機EL素子(例えば縦10列、横10列の全体で100個の有機EL素子)で一つのパターンを形成させるように配列させてもよい。その場合は、複数の有機EL素子がそれぞれ異なるパターンを形成し、全体で一つのパターンを表示する有機ELパネルとして作動する。
カバーの高さは、紫外線の光量、照射光量のムラなどから、適宜調整できる。例えば、0.5〜5m程度にすることができる。
<周回光照射機構>
本発明では、有機ELシートの光照射エリアを複数の光照射エリアに区分して順次パルス光の照射を行ったのち、再度同じ領域にパルス光の照射を繰り返し、それぞれの光照射エリアで所定の積算照射量となるまで照射を繰り返す。したがって、光照射エリアを周回するよう制御するものであることが好ましい。
以下、図9及び、図10に基づいて、パターニング装置の第1の形態の場合の、周回光照射機構の例について説明する。
図9は、本発明のパターニング装置の一例(パターニング装置の第1の形態)の全体構成図(X軸方向透視図)である。
図10は、本発明のパターニング装置の一例(パターニング装置の第1の形態)の全体構成図(Y軸方向透視図)である。
被パターン形成体載置台43はリニアガイド64に沿ってX軸方向に移動する。
移動はモーター67によりネジ軸66を回転させ、被パターン形成体載置台43の底面に取り付けられたボールネジ65にて回転運動を直進運動に変換させ、移動させる。
不図示の位置センサにより基準位置が決まり、そこからモーター67の回転数により移動量を制御する。
光照射部32も同様にリニアガイド68によってY軸方向に移動する。光照射部のリニアガイド68は支柱載置されたベース上に設置されている。
操作部52にはメモリが内蔵されており、各ポジションにおける光照射1回当たりの放射照度、光照射時間、光照射回数や、各光照射ポジションの座標や移動順序などの光照射条件が記憶されている。
操作部52にて所望の光照射条件を選定し、その条件に従って制御部53が、下記の諸機構を制御する。制御部53には、マスクアライメント制御部54、移動機構制御部55、光源制御部56及び気体流制御部57が備えられている。
光源制御部56は、光源部の放射照度、光照射時間、光照射回数などを制御する。移動機構制御部55は、モーター67及びモーター61を介して、被パターン形成体載置台43及び光照射部32の位置を制御する。マスクアライメント制御部54は、被パターン形成体載置台43が退避位置にある状態で、マスクアライメント機構部69を制御して、被パターン形成体載置台43上の所定の位置に有機ELシート11とマスク14を設置させる。
気体流制御部57は、気体流発生部40の作動のオン/オフを制御する。
<パターニングプロセス>
図11は、本発明に係るパターニング方法の一例(パターニング装置の第1の形態と図1に示す有機ELシート11及びマスク14を使用し、光照射エリアが4個の場合)の操作の流れを示すフロー図である。
パターニング装置の電源51が投入されると、チラーユニット58の動作が開始され、被パターン形成体載置台43の中を冷却水が循環し続ける。
最初にステップS101において、光照射条件の選定が行われる。操作部52の図示しないタッチパネルにて光照射条件を選定する。また有機ELシート11のID番号を入力する。次いでステップS102に進む。
ステップS102では、有機ELシート11が被パターン形成体載置台43に載置される。この時点では被パターン形成体載置台43は、光照射部32から退避した位置にあり、この位置で有機ELシート11の載置、回収を行う。載置後、操作部52の図示しないタッチパネルにて吸着開始ボタンを押し、有機ELシート11を、被パターン形成体載置台43に設けられた図示しない吸着穴で吸着固定する。次いでステップS103に進む。
ステップS103では、マスクアライメントが行われ、マスク14が所定の位置に設置される。操作部52の図示しないタッチパネルにて光照射開始ボタンを押すと、マスク14を搭載したマスクフレーム202を支持するマスクアライメント機構部69の支持体が下降し、マスク14が有機ELシート11に密着する寸前で停止する。次いで、不図示のマスクアライメント用の複数のカメラが各マスク用アライメントマーク16の真上に移動し、マスク用アライメントマーク16の中心が、相対する十字の有機ELシート用アライメントマーク13の中心に来るように、マスクアライメント機構部69によりX、Y、ψ調整される。マスクアライメント終了後、カメラが退避して、マスクフレーム202がさらに下降し、マスク14を有機ELシート11に密着させる。次いでステップS104に進む。
ステップS104では、周回ステップ光照射が行われる。
周回ステップ光照射が、開始されると、まず被パターン形成体載置台43が光照射位置に移動する。
移動機構制御部55が、ボールネジ65を介して被パターン形成体載置台43を、光照射エリアP1の所定場所になるように移動させる。
気体流制御部57が、気体流発生部40を稼働させ空冷を開始させる。
移動機構制御部55が、ボールネジ63を介して光照射部32を、光照射エリアP1の所定場所になるように移動させる。
光源制御部56が、光源部を稼働させ所定の1パルス照射を行わせる。
移動機構制御部55が、ボールネジ65を介して被パターン形成体載置台43を、光照射エリアP2の所定場所になるように移動させる。
光源制御部56が、光源部を稼働させ所定の1パルス照射を行わせる。
移動機構制御部55が、ボールネジ63を介して光照射部32を、光照射エリアP3の所定場所になるように移動させる。
光源制御部56が、光源部を稼働させ所定の1パルス照射を行わせる。
移動機構制御部55が、ボールネジ65を介して被パターン形成体載置台43を、光照射エリアP4の所定場所になるように移動させる。
光源制御部56が、光源部を稼働させ所定の1パルス照射を行わせる。
制御部53が、所定の回数の光照射が行われたかどうかの判定を行う。所定回数の光照射が行われていなければ、光照射エリアP1に移動を行い、光照射を繰り返す。
所定回数の光照射が行われたと判定された場合は、次のステップS105に進む。
ステップS105では、気体流制御部57が、気体流発生部40の稼働を止め空冷を終了させる。次いでステップS106に進む。
ステップS106では、被パターン形成体載置台43が退避位置に移動する。次いでステップS107に進む。
ステップS107では、マスク14が有機ELシートから離される(マスク退避)。次いでステップS108に進む。
ステップS108では、被パターン形成体載置台43の吸着が終了され有機ELシートの回収が行われる。
パターニング装置の第2の形態の場合は、周回光照射のステップ移動を、複数の光源(LED)35の発光を光源制御部56で制御するにことより即座に行うことができる。
したがって、第1の形態に比べ、ステップ移動の時間分タクトタイムの短縮が可能となる。その他のプロセスは、前記第2の形態の場合と同様にして行うことができる。
[有機エレクトロルミネッセンス素子]
本発明に係る有機EL素子は、少なくとも一対の電極間に一つ又は複数の有機機能層を備えている。本発明における有機機能層とは、有機化合物を含有する層をいう。例えば、正孔注入層、正孔輸送層、発光層(青色発光層、緑色発光層、赤色発光層を含む)電子輸送層、電子注入層を挙げることができる。
本発明に係る有機EL素子は、種々の構成を採り得るが、一例を図12に示す。なお図12は説明のため縦横比は正確ではない。
図12に示すとおり、本発明に係る有機EL素子12は、基板113上に設けられており、基板113側から順に、第1電極71(透明電極)、有機材料等を用いて構成された有機機能層群73、及び第2電極75a(対向電極)をこの順に積層して構成されている。第1電極71(下地層71aと電極層71bからなる。)の端部には、取り出し電極116が設けられている。第1電極71と外部電源(不図示)とは、取り出し電極116を介して、電気的に接続される。有機EL素子12は、発生させた光(発光光h)を、少なくとも基板113側から取り出す構成例を示している。すなわち、第1電極71が透明電極で、第2電極75aが非透明電極のケースを示してある。
また、適用する有機EL素子12を構成する層構造は限定されることはなく、一般的な層構造であって良い。ここでは、第1電極71がアノード(陽極)として機能し、第2電極75aがカソード(陰極)として機能する例を示してある。図12では、一例として、有機機能層群73の構成としては、アノードである第1電極71側から順に正孔注入層73a/正孔輸送層73b/発光層73c/電子輸送層73d/電子注入層73eを積層した構成を例示してあるが、このうち、少なくとも発光性化合物を含有する発光層73cを有することが必須である。正孔注入層73a及び正孔輸送層73bは、正孔輸送注入層として設けても良い。同様に、電子輸送層73d及び電子注入層73eは、電子輸送注入層として設けても良い。
また、有機機能層群73は、これらの各構成層の他にも、正孔阻止層や電子阻止層等を、必要に応じて必要な箇所に積層されていても良い。さらに、発光層73cは、各波長領域の発光光を発生させる各色発光層を有し、これらの各色発光層を、非発光性の中間層を介して積層させた構造としても良い。中間層は、正孔阻止層、電子阻止層として機能しても良い。さらに、カソードである第2電極75aも、必要に応じ積層構造であっても良い。このような構成において、第1電極71と第2電極75aとで有機機能層群73が挟持された部分のみが、有機EL素子12における発光領域となる。
また、以上のような層構成においては、第1電極71の低抵抗化を図ることを目的として、第1電極71の電極層71bに接して補助電極115が設けられていても良い。
以上のような構成の有機EL素子12は、有機材料等を用いて構成された有機機能層群73の有害ガス等による劣化を防止することを目的として、基板113上に封止部材117で封止されている。この封止部材117は、接着剤119を介して、基板113側に固定されている。ただし、第1電極71の取り出し電極116及び第2電極75aの端子部分は、基板113上において、有機機能層群73によって互いに絶縁性を保った状態で、封止部材117から露出させた状態で設けられている。
なお、有機EL素子を構成する各層に用いられている材料は、公知のものを用いることができる。
≪有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法≫
本発明のパターニング装置は、発光パターンを形成した有機エレクトロルミネッセンス素子を製造する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法に好適に採用できる。中でも、発光パターンのエッジ部が、10〜300μmの範囲内で輝度分布を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法に好適に採用できる。
このような、発光パターンのエッジ部が、10〜300μmの範囲内で輝度分布を有する有機EL素子は、上記本発明のパターニング装置を使用して有機EL素子のパターニングすることで、製造することができる。
ここで、発光パターンのエッジ部とは、マスクにおける遮光部で形成された発光パターンの辺を指す。
なお、本発明のパターニング装置を用いるような、非平行光で光を照射する場合、図13Aに示すようにマスク入射角が0°でない斜光線はマスクの遮光膜の下側に潜り込む。この場合、遮光膜Cのエッジ部E近辺では放射照度が0にはならず、図13Bに示すように傾斜を持った放射照度分布となる。この潜り込み量δはt×tan(θ)となる。ここで、θはコリメーション半角、tは遮光膜から有機層までの空気換算長で、有機EL素子の基材の厚さをts、屈折率をnとした場合、t=ts/nとなる。この遮光膜のエッジ部E近辺の放射照度分布により、光を照射した有機EL素子の発光パターンのエッジ部も、例えば、発光部から非発光部へと向かうにしたがって輝度が低下するような傾斜を有する輝度分布になる。この傾斜の幅が発光パターンの解像度を決めるので、所望の解像度が得られるコリメーション半角で装置を設計することが好ましい。
一般に、有機EL素子の基材の厚さが薄く、照射光のコリメーション半角が小さいほど解像度を高めることができる。
しかし、コリメーション半角を小さくすると放射照度を上げることができなくなってしまう。
これについて、本発明者らは、下記のように考えている。
有機EL素子の相反則不軌特性を利用して、パターニングのための光の照射時間を短縮するには、最低でも1W/cmの放射照度が好ましく、この放射照度でコリメーション半角をできるだけ小さくなるように設計した結果、コリメーション半角は23°まで小さくできることが分かった。このコリメーション半角で、有機EL素子の基材厚を例えば25μm(n=1.7)まで薄型化した場合には、上記δは6μmとなり、かなりの解像度を確保できる。一方、タクトタイム優先とし、コリメーション半角の増大を許容した場合、例えば4W/cmを確保できるコリメーション半角θは45°で基材厚さ500μmの場合には、上記δが294μmとなり、ハーフピッチ0.3mmが解像限界となる。ハーフピッチ0.3mm程度の解像度であれば、視感に訴える大抵の発光パターンは再現できるので、エッジ部の輝度分布の傾斜幅は10〜300μmが好ましい。なお、コリメーション半角θが45°で基材の厚さを130μmとした場合には、上記δは76μmとなり、ハーフピッチ0.1mmを十分解像できると考える。また、このような理由から、本発明のパターニング装置を使用して有機EL素子のパターニングすることで、発光パターンのエッジ部が、10〜300μmの範囲内で輝度分布を有する有機EL素子を製造することができると考える。
(輝度分布の測定)
輝度分布は、公知の輝度計で計測することができ、例えば、2次元色彩輝度計であるCA−2000(コニカミノルタ社製)を用いて測定できるが、これに限定されない。
(有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法の具体例)
以下に本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法について、具体例を述べる。
まず、基板上に、成膜用マスクを使用して陽極を成膜する。
次に、蒸着用るつぼの各々に、正孔注入材料、正孔輸送材料、発光層のホスト化合物及びドーパント、電子輸送材料、電子注入材料を各々素子作製に最適の量を充填する。
次いで、減圧した後、正孔注入材料の入った前記蒸着用るつぼに通電して加熱し、正孔注入材料を基板に蒸着し正孔注入層を設ける。
次いで、正孔輸送材料の入った前記蒸着用るつぼに通電して加熱し、正孔輸送材料を正孔注入層上に蒸着し、正孔輸送層を設ける。
次いで、発光層のホスト化合物及びドーパントの入った前記蒸着用るつぼに通電して加熱し、発光層のホスト化合物及びドーパントを正孔輸送層上に共蒸着し、発光層を設ける。
次いで、正孔阻止材料の入った前記蒸着用るつぼに通電して加熱し、正孔阻止材料を発光層上に蒸着し、正孔阻止層を設ける。
次いで、電子輸送材料の入った前記蒸着用るつぼに通電して加熱し、電子輸送材料を正孔阻止層上に蒸着し、電子輸送層を設ける。
更に、電子注入材料の入った前記蒸着用るつぼに通電して加熱し、電子注入材料を電子輸送層上に蒸着し、電子注入層を設ける。このようにして有機機能層を形成できる。
最後に、アルミニウムなどを電子注入層上に蒸着し、陰極を設ける。この後、前記蒸着面側をエポキシ樹脂などの封止部材で覆い、更に、アルミニウム箔で覆って保護膜を形成した後、硬化させる。なお、ここまでの操作は全て、素子を大気に接触させることなく、窒素雰囲気下のグローブボックス(純度99.999%以上の高純度窒素ガスの雰囲気下)内で行われることが好ましい。
このようにして有機EL素子を作製できる。
このような有機EL素子は、パターニングに際し、所定の大きさにカットする。なお、有機EL素子についてのパターニングは、上述したとおりに行うことができる。
また、有機EL素子の製造方法は、上記方法に限定されず、公知の方法を使用することができる。
なお、本発明を適用可能な実施形態は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、図5では、マスク保持機構の一例として、粘弾性体が固定手段と2面で当接した例を示しているが、粘弾性体を固定することができれば特にこれに限定されず、例えば、1面(粘弾性のマスクとは反対側の面)で当接して固定するようにしてもよい。また、図5では、全ての粘弾性体は固定手段により固定されているが、対向して配置されている一対の粘弾性体のうち、少なくとも一方が固定手段により固定されていればよい。
また、マスク外れ防止規制板を粘弾性体及び固定手段と別途設けた例を示したが、固定手段にマスク外れ防止機能を持たせてもよい。すなわち、粘弾性体をマスクよりも高くなるようにし、当該粘弾性体を固定する固定手段の上面をマスク側に延在させることにより、固定手段にマスク外れ防止機能を持たせることができる。
さらに、マスク保持機構のその他の態様として、マスクの各辺のうち一辺を固定ピンとして、位置決め配置され固定する態様であってもよい。このような態様のマスク保持機構であっても、本発明に係るマスク保持機構と同様の効果を得ることができる。
また、マスクと接触する部分に面積のある粘性物(例えば、粘弾性体(ゴム)薄板)を設け、その部材を、剛体を介してフック弾性体で一定圧力を加える機構でも同様の効果を得ることができる。
また、例えば、上記パターニング装置による光照射の例として、パルス光を用いる例を説明したが、本発明はこれに限定されず、連続的な光を照射することとしてもよい。また、光照射エリアを分割し、分割された光照射エリアに対して順次光を照射する例を説明したが、本発明はこれに限定されず、光照射エリアを分割せず、光照射部内の光源を一括点灯させることでパターニングを行ってもよい。
また、例えば、上記パターニング装置は、カバーを有するものとして説明したが、カバーを有していないパターニング装置であってもよい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」又は「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」又は「質量%」を表す。
[有機EL素子の作製]
<基板の作製>
〈ガスバリアーフィルムの作製〉
厚さ75μmのポリエステルフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製、極低熱収PET Q83;分光光度計にて測定した、波長385nmにおける紫外線の透過率84%、分光光度計(日立ハイテクノロジーズ社製U−3300使用)を基材として用いて、ポリシラザン塗膜を形成した後、下記の方法にしたがって、真空紫外線照射処理を施して厚さ250nmのガスバリアー層を形成し、これを4回繰り返し、総厚さ1000nmのガスバリアー層を有するガスバリアーフィルムを作製した。
(ポリシラザン含有塗布液の調製)
無触媒のパーヒドロポリシラザンを20質量%含むジブチルエーテル溶液(AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製、アクアミカ(登録商標)NN120−20)と、アミン触媒(N,N,N′,N′−テトラメチル−1,6−ジアミノヘキサン(TMDAH))5質量%を含むパーヒドロポリシラザン20質量%のジブチルエーテル溶液(AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製、アクアミカ(登録商標)NAX120−20)とを、4:1の割合で混合し、さらにジブチルエーテルと2,2,4−トリメチルペンタンとの質量比が65:35となるように混合した溶媒で、塗布液の固形分が5質量%になるように、塗布液を希釈調製した。
上記で得られた塗布液を、スピンコーターにて上記PET基材上に改質後の厚さが250nmになるよう成膜し、2分間放置した後、80℃のホットプレートで1分間加熱処理を行い、ポリシラザン塗膜を形成した。
乾燥後、基材を25℃まで徐冷し、真空紫外線照射装置内で、塗布面に真空紫外線照射による改質処理を行った。真空紫外線照射装置の光源としては、172nmの真空紫外線を照射する二重管構造を有するXeエキシマランプを用いた。
(改質処理装置)
株式会社エム・ディ・コム製エキシマ照射装置MODEL:MECL−M−1−200、光波長172nm、ランプ封入ガス Xe
(改質処理条件)
エキシマ光強度 3J/cm(172nm)
ステージ加熱温度 100℃
照射装置内の酸素濃度 1000ppm
次に、基材のガスバリアー層を形成した側の面とは反対側の面に厚さ2μmのクリアハードコート層を以下のようにして形成した。
JSR株式会社製、UV硬化型樹脂オプスター(登録商標)Z7527を、乾燥層厚が2μmになるように樹脂基材に塗布した後、80℃で乾燥し、その後、空気下、高圧水銀ランプを用いて照射エネルギー量0.5J/cmの条件で硬化を行った。
当該基板は、JIS K 7126−1987に準拠した方法で測定された酸素透過度が、1×10−3mL/m・24h・atm以下、水蒸気透過度が、1×10−4g/m・24h以下のガスバリアー性基板であることを確認した。
《有機EL素子101の作製》
上記基板上に、真空蒸着装置内で、下記構造式で表される含窒素化合物N−1を25nmの厚さで成膜後、成膜用マスクを使用して陽極として銀を10nmの厚さで成膜した。
更に、蒸着用るつぼの各々に、正孔注入材料としてCuPc(銅フタロシアニン)、正孔輸送材料としてN,N′−Di(1−naphthyl)−N,N′−diphenylbenzidine(α−NPD)、緑色発光層のホスト化合物として4,4′−Bis(N−carbazolyl)−1,1′−biphenyl(CBP)、緑色発光層のドーパントとしてIr(ppy)、正孔阻止材料としてアルミニウム(III)ビス(2−メチル−8−キノリナート)−4−フェニルフェノレート(BAlq)、電子輸送材料としてtris(8−hydroxyquinolinato)aluminium(Alq)、電子注入材料としてLiFを各々素子作製に最適の量を充填した。蒸着用るつぼはモリブデン製又はタングステン製抵抗加熱用材料で作製されたものを用いた。
含窒素化合物N−1、CuPc、α−NPD、CBP、Ir(ppy)、BAlq、Alqの各構造式を、それぞれ、以下に示す。
Figure 2017158943
次いで、真空度4×10−4Paまで減圧した後、CuPcの入った前記蒸着用るつぼに通電して加熱し、CuPcを蒸着速度0.1nm/秒で樹脂基板の銀電極側に蒸着し、層厚15nmの正孔注入層を設けた。
次いで、α−NPDの入った前記蒸着用るつぼに通電して加熱し、α−NPDを蒸着速度0.1nm/秒で正孔注入層上に蒸着し、厚さ25nmの正孔輸送層を設けた。
次いで、5質量%のIr(ppy)とCBPの入った前記蒸着用るつぼに通電して加熱し、Ir(ppy)とCBPとを合計の蒸着速度0.1nm/秒で正孔輸送層上に共蒸着し、層厚10nmの緑色発光層を設けた。
次いで、BAlqの入った前記蒸着用るつぼに通電して加熱し、BAlqを蒸着速度0.1nm/秒で緑色発光層上に蒸着し、層厚15nmの正孔阻止層を設けた。
次いで、Alqの入った前記蒸着用るつぼに通電して加熱し、Alqを蒸着速度0.1nm/秒で正孔阻止層上に蒸着し、層厚30nmの電子輸送層を設けた。
更に、LiFの入った前記蒸着用るつぼに通電して加熱し、LiFを蒸着速度0.1nm/秒で電子輸送層上に蒸着し、層厚1nmの電子注入層を設けた。このようにして有機機能層を形成した。
最後に、アルミニウムを電子注入層上に蒸着し、層厚110nmの陰極を設けた。そして、前記蒸着面側を厚さ200μmのエポキシ樹脂で覆って封止部材とし、更に、厚さ12μmのアルミニウム箔で覆って保護膜とした後、硬化させた。ここまでの操作は全て、素子を大気に接触させることなく、窒素雰囲気下のグローブボックス(純度99.999%以上の高純度窒素ガスの雰囲気下)内で行った。
このようにしてサイズが6cm×15cmの有機EL素子101を作製した。パターニングに際し、有機EL素子101が7列×5列に配列形成された有機ELシートを用いた。シートのサイズは70cm×100cmである。
《パターニングされた有機ELパネル101の作製》
[紫外線照射]
図4に示したパターニング装置を用いて、有機EL素子101をパターニングして有機ELパネル101を作製した。パターニングの条件を以下に示す。
なお、コリメーション半角は、レンズアレイで所定のコリメーション半角に整形した。また、上記レンズアレイを調整し、放射照度は、光照射エリア内における放射照度の平均値に対し±10%の範囲内となるようにした。
なお、コリメーション半角及び放射照度の測定は下記のようにして行った。
(コリメーション半角の測定)
被パターン形成体載置台を退避位置に移動させ、ピンホールを被パターン形成体載置台の有機ELシートを載置する面と同じ高さ(以下、照射面という)に配置し、CCDカメラの代わりにUV感光紙(富士フイルム製UVスケール)をピンホールから10mm下側に設置した。次いで放射照度2W/cmにて10分間紫外線を光照射部からピンホールに照射し、ピンホールを通り抜けた光によりUV感光紙を感光させた。感光により変色した領域の半径を測長し、コリメーション半角を算出した。この測定を光照射エリアの中央と四隅の5か所で実施した結果、コリメーション半角は41〜45°であった。
(放射照度の測定)
被パターン形成体載置台を退避位置に移動させ、光照射部の真下に電動XYステージを設置し、浜松ホトニクス製の紫外線積算光量計のセンサヘッドH9958−02のヘッド面高さが照射面と同じ高さになるようにXYステージに設置した。次いで、放射照度0.1W/cmにて光照射したまま、XYステージを10mmピッチで移動させ、光照射エリア内の放射照度分布を測定した。平均値に対して最大106%、最小93%と±10%以内の範囲内であることを確認した。
〈マスク〉
厚さ5mm、81.3cm×137.9cmの大きさの石英ガラス基板に、有機EL素子101の各々の発光エリアにハーフピッチ0.3mmのラインアンドスペース(0.3mm毎に白(透明)と黒が交互する長さ2mmの線状のパターン)を縦、横、斜め45°に配した解像度チェック用パターンと輝度比評価用に直径10mmの透明部パターンをクロムの薄膜で形成したガラスマスクを用いた。
ガラスマスクをマスクフレームに取付け、被パターン形成体載置台に設置し、次いで、有機ELシートを、発光面を上にして被パターン形成体載置台の所定の位置に設置した。
以下の条件でそれぞれ、室温温度25℃の環境下、有機ELシートに光照射してパターニングを実施した。積算照射時間5分ごとに有機ELシートを取り出し、シート中央部に配置されている有機EL素子101の電極にプローブを当て電流を供給し、発光部の輝度が700cd/mとなるように発光させ、発光部と非発光部の輝度を測定した。輝度の測定は輝度計CA−2000を用いた。この測定を積算照射時間の合計が60分となるまで実施した。
〈カバー〉
寸法:W1155mm×D784.5mm×H2500mm
材質:アルミ製内壁の反射板(厚さ1.5mm)/空気層(厚さ5mm)/アルミ製外壁(厚さ7.5mm)のアルミニウムサンドイッチ構造を有するカバーを用いた。
カバーとマスクの間隙:5.0mm
〈光照射部〉
光源:波長385nmのUV−LED
放射照度:4W/cm(コリメーション半角:45°)
光照射条件:1周期の照射時間15秒、消灯時間15秒(デューティ比50%)の間欠照射を20サイクル行った(計600秒)。積算照射時間は5分。
〈気体流発生部〉
吹き付け部がスリット状の層状気体流発生部を用いて、両短辺方向からマスクの中央方向に、同じ風量で吹き付けた。
吹き付け部のスリット位置:ガラス上面3mm
気体流発生部の吹き付け部の角度:マスクに対して平行(0°)
気体流発生部とカバー側面の間隙:72mmとして、カバーの短辺に対向する位置に、一対の気体流発生部を取り付けた。
吹き付ける空気(気体)の温度:25℃
圧縮空気圧力:0.3MPa
空気消費量:1500L/min
《パターニングされた有機ELパネル102の作製》
有機ELパネル101の作製において、放射照度を4W/cmから2W/cmに下げたほかは、有機ELパネル101の作製と同様にしてパターニングと輝度測定を実施し、有機ELパネル102を作製した。
《パターニングされた有機ELパネル103の作製》
有機ELパネル101の作製において、放射照度を4W/cmから1W/cmに下げたほかは、同様にしてパターニングされた有機ELパネル103を作製した。
<輝度比の評価>
有機ELパネル101〜103について、積算照射時間5分ごとに測定した発光部の輝度と非発光部の輝度から輝度比「(発光部の輝度)/(非発光部の輝度)」を算出し、積算照射時間に対する輝度比の特性をグラフにした。結果を図14に示す。
図14より、目標輝度比100のアプリケーションに対しては、放射照度1W/cmで積算照射時間40分にて有機ELパネルを作製できる。また、目標輝度比200の高コントラストが要求されるアプリケーションに対しては、放射照度4W/cmと高放射照度にすれば、積算照射時間10分と高速でパターニングができる。
以上、本発明のパターニング装置によれば、有機エレクトロルミネッセンス素子のパターニング時間を大幅に短縮できることが示された。
以上のように、本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子のパターニング時間を大幅に短縮できるパターニング装置及び有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法を提供することに適している。
11 有機ELシート
14 マスク
31 パターニング装置
32 光照射部
33 放熱板
34 光源基板
35 光源(LED)
36 レンズアレイ支持体
37 レンズアレイ
38 照射光
39 カバー
40 気体流発生部
41 気体流
42 間隙
43 被パターン形成体載置台
44a 水管
44b 水路
44c 水路
45 チラーユニット
51 電源
52 操作部
53 制御部
54 マスクアライメント制御部
55 移動機構制御部
56 光源制御部
57 気体流制御部
58 チラーユニット
61 モーター
63 ボールネジ
64 リニアガイド
65 ボールネジ
66 ネジ軸
67 モーター
68 リニアガイド
69 マスクアライメント機構部
71 第1電極
71a 下地層
71b 電極層
73 有機機能層群
73a 正孔注入層
73b 正孔輸送層
73c 発光層
73d 電子輸送層
73e 電子注入層
75a 第2電極
113 基板
115 補助電極
116 取り出し電極116
117 封止部材
119 接着剤
200 マスク保持機構
202 マスクフレーム
204 弾性体
206 固定手段
208 マスク外れ防止規制板
300 光源部

Claims (7)

  1. 有機エレクトロルミネッセンス素子にマスクを介して光を照射し発光パターンを形成するパターニング装置であって、
    波長が100〜410nmの範囲内の光を1W/cm以上の放射照度で照射する光照射部を備え、
    光照射エリア内における前記波長の範囲内の光の放射照度が、当該光照射エリア内における前記放射照度の平均値に対し±10%の範囲内であり、
    前記光照射エリア内における前記波長の範囲内の光のコリメーション半角が、45°以下であることを特徴とするパターニング装置。
  2. 前記有機エレクトロルミネッセンス素子を載置する被パターン形成体載置台を備え、
    前記被パターン形成体載置台が、冷却機能を有することを特徴とする請求項1に記載のパターニング装置。
  3. 前記被パターン形成体載置台が、前記冷却機能として、
    冷却水を前記被パターン形成体載置台の一方から導入し、前記被パターン形成体載置台内を一方向に前記冷却水を流して他方に排出する複数の水路を備えることを特徴とする請求項2に記載のパターニング装置。
  4. 弾性体による弾性力により、前記マスクを保持するマスク保持機構を備えることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のパターニング装置。
  5. 気体を前記マスクに吹き付ける気体流発生部を備えることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のパターニング装置。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載のパターニング装置により、発光パターンを形成した有機エレクトロルミネッセンス素子を製造する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  7. 前記発光パターンのエッジ部が、10〜300μmの範囲内で輝度分布を有することを特徴とする請求項6に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
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