JPWO2017141707A1 - フルオロポリエーテル基含有ポリマー変性シラン、表面処理剤及び物品 - Google Patents

フルオロポリエーテル基含有ポリマー変性シラン、表面処理剤及び物品 Download PDF

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Abstract

撥水撥油性、耐摩耗性に優れた硬化被膜を形成することができる下記一般式(1)
Figure 2017141707

(式中、Rfは1価又は2価のフルオロオキシアルキレン基含有ポリマー残基であり、Qはエーテル結合を含んでいてもよい炭素数2〜6の2価の炭化水素基であり、Yはケイ素原子、シリレン基及び/又はシロキサン結合を有してもよい2〜6価の炭化水素基であり、Rは独立に炭素数1〜4のアルキル基であり、Xは独立に水酸基又は加水分解性基であり、nは1〜3の整数であり、γは1〜5の整数であり、mは1〜5の整数であり、R’は炭素数1〜4のアルキル基であり、βは1〜3の整数であり、αは1又は2である。)
で表されるフルオロポリエーテル基含有ポリマー変性シラン、及び該シラン及び/又はその部分加水分解縮合物を含む表面処理剤、並びに該表面処理剤で表面処理された物品を提供する。

Description

本発明は、フルオロポリエーテル基含有ポリマー変性シランに関し、詳細には、撥水撥油性、耐摩耗性に優れた被膜を形成するフルオロポリエーテル基含有ポリマー変性シラン、及び該シラン及び/又はその部分(加水分解)縮合物を含む表面処理剤、並びに該表面処理剤で表面処理された(即ち、該表面処理剤の硬化被膜を表面に有する)物品に関する。
近年、携帯電話のディスプレイをはじめ、画面のタッチパネル化が加速している。しかし、タッチパネルは画面がむき出しの状態であり、指や頬などが直接接触する機会が多く、皮脂等の汚れが付き易いことが問題となっている。そこで、外観や視認性をよくするためにディスプレイの表面に指紋を付きにくくする技術や、汚れを落とし易くする技術の要求が年々高まってきており、これらの要求に応えることのできる材料の開発が望まれている。特にタッチパネルディスプレイの表面は指紋汚れが付着し易いため、撥水撥油層を設けることが望まれている。しかし、従来の撥水撥油層は撥水撥油性が高く、汚れ拭取り性に優れるが、使用中に防汚性能が劣化してしまうという問題点があった。
一般に、フルオロポリエーテル基含有化合物は、その表面自由エネルギーが非常に小さいために、撥水撥油性、耐薬品性、潤滑性、離型性、防汚性などを有する。その性質を利用して、工業的には紙・繊維などの撥水撥油防汚剤、磁気記録媒体の滑剤、精密機器の防油剤、離型剤、化粧料、保護膜など、幅広く利用されている。しかし、その性質は同時に他の基材に対する非粘着性、非密着性であることを意味しており、基材表面に塗布することはできても、その被膜を密着させることは困難であった。
一方、ガラスや布などの基材表面と有機化合物とを結合させるものとして、シランカップリング剤が良く知られており、各種基材表面のコーティング剤として幅広く利用されている。シランカップリング剤は、1分子中に有機官能基と反応性シリル基(一般にはアルコキシシリル基等の加水分解性シリル基)を有する。加水分解性シリル基が、空気中の水分などによって自己縮合反応を起こして被膜を形成する。該被膜は、加水分解性シリル基がガラスや金属などの表面と化学的・物理的に結合することにより耐久性を有する強固な被膜となる。
そこで、フルオロポリエーテル基含有化合物に加水分解性シリル基を導入したフルオロポリエーテル基含有ポリマー変性シランを用いることによって、基材表面に密着し易く、且つ基材表面に、撥水撥油性、耐薬品性、潤滑性、離型性、防汚性等を有する被膜を形成しうる組成物が開示されている(特許文献1〜5:、特表2008−534696号公報、特表2008−537557号公報、特開2012−072272号公報、特開2012−157856号公報、特開2013−136833号公報)。
該フルオロポリエーテル基含有化合物に加水分解性シリル基を導入したフルオロポリエーテル基含有ポリマー変性シランを含有する組成物で表面処理したレンズや反射防止膜等の硬化被膜は、滑り性、離型性に優れるが、近年はユーザーの耐摩耗性の要求が高く、十分に要求を満たす性能を発揮できていない。また、厚膜で塗工することで性能をより発揮しやすくなるが、ガラス表面に曇り(ヘーズ)が発生し、視認性を損ねる。
特表2008−534696号公報 特表2008−537557号公報 特開2012−072272号公報 特開2012−157856号公報 特開2013−136833号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、撥水撥油性、耐摩耗性に優れた硬化被膜を形成することができるフルオロポリエーテル基含有ポリマー変性シラン、及び該シラン及び/又はその部分(加水分解)縮合物を含む表面処理剤、並びに該表面処理剤で表面処理された(該表面処理剤の硬化被膜を表面に有する)物品を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を解決すべく鋭意検討した結果、上記フルオロポリエーテル基含有ポリマー変性シランにおいて、後述する一般式(1)で表されるフルオロポリエーテル基含有ポリマー変性シランを用いることにより、該シラン及び/又はその部分(加水分解)縮合物を含む表面処理剤が、撥水撥油性、耐摩耗性、視認性に優れた硬化被膜を形成し得ることを見出し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、下記フルオロポリエーテル基含有ポリマー変性シラン、表面処理剤及び物品を提供する。
〔1〕
下記一般式(1)
Figure 2017141707

(式中、Rfは1価又は2価のフルオロオキシアルキレン基含有ポリマー残基であり、Qはエーテル結合を含んでいてもよい炭素数2〜6の2価の炭化水素基であり、Yはケイ素原子、シリレン基及び/又はシロキサン結合を有してもよい2〜6価の炭化水素基であり、Rは独立に炭素数1〜4のアルキル基であり、Xは独立に水酸基又は加水分解性基であり、nは1〜3の整数であり、γは1〜5の整数であり、mは1〜5の整数であり、R’は炭素数1〜4のアルキル基であり、βは1〜3の整数であり、αは1又は2である。)
で表されるフルオロポリエーテル基含有ポリマー変性シラン。
〔2〕
前記式(1)のαが1であり、Rf基が下記一般式(2)で表される1価のフルオロオキシアルキレン基含有ポリマー残基であることを特徴とする〔1〕記載のフルオロポリエーテル基含有ポリマー変性シラン。
Figure 2017141707
(式中、p、q、r、sはそれぞれ0〜200の整数で、p+q+r+s=3〜200の整数であり、各繰り返し単位は直鎖状でも分岐状であってもよく、各繰り返し単位同士はランダムに結合されていてよく、dは1〜3の整数であり、該単位(−Cd2d−)は直鎖状でも分岐状であってもよい。)
〔3〕
前記式(1)のαが2であり、Rf基が下記一般式(3)で表される2価のフルオロオキシアルキレン基含有ポリマー残基であることを特徴とする〔1〕記載のフルオロポリエーテル基含有ポリマー変性シラン。
Figure 2017141707
(式中、p、q、r、sはそれぞれ0〜200の整数で、p+q+r+s=3〜200の整数であり、各繰り返し単位は直鎖状でも分岐状であってもよく、各繰り返し単位同士はランダムに結合されていてよく、dは1〜3の整数であり、該単位(−Cd2d−)はそれぞれ独立に直鎖状でも分岐状であってもよい。)
〔4〕
前記式(1)において、Yが、炭素数3〜10のアルキレン基、炭素数6〜8のアリーレン基を含むアルキレン基、アルキレン基相互がケイ素原子、シリレン基、シルアルキレン構造又はシルアリーレン構造を介して結合している2価の基、及びケイ素原子数2〜10個の直鎖状又はケイ素原子数3〜10個の分岐状もしくは環状の2〜4価のオルガノポリシロキサン残基、又はケイ素原子の結合手に炭素数2〜10のアルキレン基が結合している2〜4価の基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基である〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のフルオロポリエーテル基含有ポリマー変性シラン。
〔5〕
前記式(1)において、Qが、
−CH2OCH2
である〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載のフルオロポリエーテル基含有ポリマー変性シラン。
〔6〕
前記式(1)において、Xがそれぞれ、水酸基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数2〜10のアルコキシアルコキシ基、炭素数2〜10のアシロキシ基、炭素数2〜10のアルケニルオキシ基及びハロゲン基からなる群より選ばれる少なくとも1種である〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載のフルオロポリエーテル基含有ポリマー変性シラン。
〔7〕
式(1)で表されるポリマー変性シランが、下記式のいずれかで表されるものである〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載のフルオロポリエーテル基含有ポリマー変性シラン。
Figure 2017141707
Figure 2017141707
(式中、p1は5〜100の整数、q1は5〜100の整数であり、p1+q1は10〜105の整数である。)
〔8〕
〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載のフルオロポリエーテル基含有ポリマー変性シラン及び/又はその部分(加水分解)縮合物を含む表面処理剤。
〔9〕
〔8〕記載の表面処理剤の硬化被膜を表面に有する物品。
本発明のフルオロポリエーテル基含有ポリマー変性シランは、反応性官能基とエーテル連結基の数が多いことから基材への密着性、濡れ性が向上し、これにより該シラン及び/又はその部分(加水分解)縮合物を含有する表面処理剤により表面処理された物品は撥水撥油性及び耐摩耗性及び視認性に優れる。
本発明のフルオロポリエーテル基含有ポリマー変性シランは、下記一般式(1)で表されるものである。
Figure 2017141707

(式中、Rfは1価又は2価のフルオロオキシアルキレン基含有ポリマー残基であり、Qはエーテル結合を含んでいてもよい炭素数2〜6の2価の炭化水素基であり、Yはケイ素原子、シリレン基及び/又はシロキサン結合を有してもよい2〜6価の炭化水素基であり、Rは独立に炭素数1〜4のアルキル基であり、Xは独立に水酸基又は加水分解性基であり、nは1〜3の整数であり、γは1〜5の整数であり、mは1〜5の整数であり、R’は炭素数1〜4のアルキル基であり、βは1〜3の整数であり、αは1又は2である。)
本発明のフルオロポリエーテル基含有ポリマー変性シランは、1価又は2価のフルオロオキシアルキレン基含有ポリマー残基(Rf)と、アルコキシシリル基等の加水分解性シリル基あるいは水酸基含有シリル基(−Si(R)3-n(X)n)が、炭化水素鎖(Q)及びエーテル基並びにケイ素原子、シリレン基及び/又はシロキサン結合を有してもよい2〜6価の炭化水素基(Y)を介して結合した構造であり、ポリマー内に反応性官能基(X)を好ましくは3個以上有し、複数のエーテル連結基を有することで基材密着性が向上し、耐摩耗性、視認性に優れることを特徴としている。
上記Rfとして、αが1の場合、下記一般式(2)で表される1価のフルオロオキシアルキレン基含有ポリマー残基(以下、1価のフルオロオキシアルキル基と記載する場合がある)が好ましい。
Figure 2017141707
(式中、p、q、r、sはそれぞれ0〜200の整数で、p+q+r+s=3〜200の整数であり、各繰り返し単位は直鎖状でも分岐状であってもよく、各繰り返し単位同士はランダムに結合されていてよく、dは1〜3の整数であり、該単位(−Cd2d−)は直鎖状でも分岐状であってもよい。)
上記Rfとして、αが2の場合、下記一般式(3)で表される2価のフルオロオキシアルキレン基含有ポリマー残基(以下、2価のフルオロオキシアルキレン基と記載する場合がある)が好ましい。
Figure 2017141707
(式中、p、q、r、sはそれぞれ0〜200の整数で、p+q+r+s=3〜200の整数であり、各繰り返し単位は直鎖状でも分岐状であってもよく、各繰り返し単位同士はランダムに結合されていてよく、dは1〜3の整数であり、該単位(−Cd2d−)はそれぞれ独立に直鎖状でも分岐状であってもよい。)
上記式(2)、(3)において、p、q、r、sはそれぞれ0〜200の整数、好ましくはpは5〜100の整数、qは5〜100の整数、rは0〜100の整数、sは0〜100の整数であり、p+q+r+s=3〜200の整数、好ましくは10〜105の整数であり、各繰り返し単位は直鎖状でも分岐状であってもよく、各繰り返し単位同士はランダムに結合されていてよい。より好ましくはp+qは10〜105の整数、特に15〜60の整数であり、r=s=0である。p+q+r+sが上記上限値より小さければ密着性や硬化性が良好であり、上記下限値より大きければフルオロポリエーテル基の特徴を十分に発揮することができるので好ましい。
上記式(2)、(3)において、dは1〜3の整数であり、好ましくは1又は2であり、該単位(−Cd2d−)はそれぞれ独立に直鎖状でも分岐状であってもよい。
Rfとして、具体的には、下記のものを例示することができる。
Figure 2017141707
(式中、p’、q’、r’、s’はそれぞれ1以上の整数であり、その上限は上記p、q、r、sの上限と同じである。uは1〜24の整数、vは1〜24の整数である。各繰り返し単位はランダムに結合されていてよい。)
上記式(1)において、Yは2〜6価、好ましくは2〜4価、より好ましくは2価の炭化水素基であり、ケイ素原子、シリレン基及び/又はシロキサン結合を有してもよく、分子中に結合エネルギーの低い連結基を含まないことで耐摩耗性に優れたコーティング膜を与えることができる。
Yとして、具体的には、プロピレン基(トリメチレン基、メチルエチレン基)、ブチレン基(テトラメチレン基、メチルプロピレン基)、ヘキサメチレン基等の炭素数3〜10のアルキレン基、フェニレン基等の炭素数6〜8のアリーレン基を含むアルキレン基(例えば、炭素数8〜16のアルキレン・アリーレン基等)、アルキレン基相互がケイ素原子、シリレン基、シルアルキレン構造又はシルアリーレン構造を介して結合している2価の基、ケイ素原子数2〜10個、好ましくは2〜5個の直鎖状、分岐状又は環状の2〜6価のオルガノポリシロキサン残基、又はケイ素原子の結合手に炭素数2〜10のアルキレン基が結合している2〜6価の基などが挙げられ、好ましくは炭素数3〜10のアルキレン基、フェニレン基を含むアルキレン基、アルキレン基相互がシルアルキレン構造又はシルアリーレン構造を介して結合している2価の基、ケイ素原子数2〜10個の直鎖状又はケイ素原子数3〜10個の分岐状もしくは環状の2〜4価のオルガノポリシロキサン残基、又はケイ素原子の結合手に炭素数2〜10のアルキレン基が結合している2〜4価の基であり、更に好ましくは炭素数3〜6のアルキレン基である。
ここで、シルアルキレン構造、シルアリーレン構造としては、下記に示すものが例示できる。
Figure 2017141707
(式中、R1はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基等の炭素数6〜10のアリール基であり、R1は同一でも異なっていてもよい。R2はメチレン基、エチレン基、プロピレン基(トリメチレン基、メチルエチレン基)等の炭素数1〜4のアルキレン基、フェニレン基等の炭素数6〜10のアリーレン基である。)
また、ケイ素原子数2〜10個、好ましくは2〜5個の直鎖状、分岐状又は環状の2〜6価のオルガノポリシロキサン残基としては、下記に示すものが例示できる。
Figure 2017141707
Figure 2017141707
(式中、R1は上記と同じである。gは1〜9の整数、好ましくは1〜4の整数であり、hは2〜6の整数、好ましくは2〜4の整数、jは0〜8の整数、好ましくは0又は1で、h+jは3〜10の整数、好ましくは3〜5の整数であり、kは1〜3の整数であり、好ましくは2又は3である。)
Yの具体例としては、例えば、下記の基が挙げられる。
Figure 2017141707
上記式(1)において、Qはエーテル結合を含んでいてもよい炭素数2〜6の2価の炭化水素基である。Qとして、具体的には、エチレン基、プロピレン基(トリメチレン基、メチルエチレン基)、ブチレン基(テトラメチレン基、メチルプロピレン基)、ヘキサメチレン基等の炭素数2〜6のアルキレン基、エーテル結合を間に含むエチレン基、プロピレン基(トリメチレン基、メチルエチレン基)、ブチレン基(テトラメチレン基、メチルプロピレン基)、ヘキサメチレン基等の炭素数2〜6のアルキレン基であり、好ましくはエーテル結合を間に含む炭素数2、3のアルキレン基である。
Qの具体例としては、例えば、下記の基が挙げられる。
Figure 2017141707
上記式(1)において、Xは互いに異なっていてよい水酸基又は加水分解性基である。このようなXとしては、水酸基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基などの炭素数1〜10のアルコキシ基、メトキシメトキシ基、メトキシエトキシ基などの炭素数2〜10のアルコキシ置換アルコキシ基、アセトキシ基などの炭素数2〜10のアシロキシ基、イソプロペノキシ基などの炭素数2〜10のアルケニルオキシ基、クロル原子、ブロモ原子、ヨード原子などのハロゲン原子などが挙げられる。中でもメトキシ基、エトキシ基、イソプロペノキシ基、クロル原子が好適である。
上記式(1)において、Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基であり、中でもメチル基、エチル基が好適である。nは1〜3の整数、好ましくは2又は3であり、反応性、基材に対する密着性の観点から3がより好ましい。
上記式(1)において、mは1〜5の整数であり、原料入手の観点から1又は2が好ましい。また、γは1〜5の整数であり、合成の容易さ、生成物の安定性等の観点から1〜3の整数が好ましい。
上記式(1)において、R’は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基であり、中でもメチル基、エチル基が好適である。βは1〜3の整数であり、反応性、基材に対する密着性の観点から2又は3が好ましい。
上記式(1)で表されるフルオロポリエーテル基含有ポリマー変性シランとしては、下記式で表されるものが例示できる。なお、各式において、フルオロオキシアルキル基又はフルオロオキシアルキレン基を構成する各繰り返し単位の繰り返し数(又は重合度)は、上記式(2)、(3)を満足する任意の数をとり得るものである。
Figure 2017141707
Figure 2017141707
(式中、p1は5〜100の整数、q1は5〜100の整数であり、p1+q1は10〜105の整数である。)
上記式(1)で表され、αが1の場合のフルオロポリエーテル基含有ポリマー変性シランの調製方法としては、例えば、下記のような方法が挙げられる。
分子鎖片末端にオレフィン部位を好ましくは2個以上(特には、2個又は3個)有するフルオロオキシアルキル基含有ポリマーを、溶剤、例えば1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンなどのフッ素系溶剤に溶解させ、トリメトキシシラン等の分子中にSiH基及び加水分解性末端基(メトキシ基等のアルコキシ基など)を有する有機ケイ素化合物と、ヒドロシリル化反応触媒、例えば塩化白金酸/ビニルシロキサン錯体のトルエン溶液存在下、40〜120℃、好ましくは60〜100℃、より好ましくは約80℃の温度で、1〜48時間、好ましくは2〜10時間、より好ましくは約5時間の条件で、ヒドロシリル化付加反応させると共に熟成させる。
また、上記式(1)で表され、αが1の場合のフルオロポリエーテル基含有ポリマー変性シランの調製方法の別法としては、例えば下記のような方法が挙げられる。
分子鎖片末端にオレフィン部位を好ましくは2個以上(特には、2個又は3個)有するフルオロオキシアルキル基含有ポリマーを、溶剤、例えば1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンなどのフッ素系溶剤に溶解させ、トリクロロシラン等の分子中にSiH基及び加水分解性末端基を有する有機ケイ素化合物を、ヒドロシリル化反応触媒、例えば塩化白金酸/ビニルシロキサン錯体のトルエン溶液存在下、40〜120℃、好ましくは60〜100℃、より好ましくは約80℃の温度で、1〜48時間、好ましくは2〜10時間、より好ましくは約5時間の条件で、ヒドロシリル化付加反応させると共に熟成させた後、シリル基上の置換基(ケイ素原子に結合した塩素原子等)を例えばメトキシ基等のアルコキシ基などの加水分解性基に変換する。
なお、上記分子中にSiH基及び加水分解性末端基を有する有機ケイ素化合物に代えて、加水分解性末端基を有さないSiH基含有有機ケイ素化合物を用いることもでき、この場合、有機ケイ素化合物として、分子中に加水分解性末端基を有さず、SiH基を2個以上有する有機ケイ素化合物を使用する。その際、上記の方法と同様にして分子鎖片末端に好ましくは2個以上(特には、2個又は3個)オレフィン部位を有するフルオロオキシアルキル基含有ポリマーと分子中に加水分解性末端基を有さず、SiH基を2個以上有する有機ケイ素化合物とをヒドロシリル化付加反応させて分子鎖片末端に好ましくは2個以上(特には、2個又は3個)の残存SiH基を有する反応物(中間体)を生成させた後、該反応生成物(中間体)のポリマー末端の残存SiH基とアリルトリメトキシシラン等の分子中にオレフィン部位と加水分解性末端基を有する有機ケイ素化合物とをヒドロシリル化反応触媒、例えば塩化白金酸/ビニルシロキサン錯体のトルエン溶液存在下、40〜120℃、好ましくは60〜100℃、より好ましくは約80℃の温度で、1〜48時間、好ましくは2〜10時間、より好ましくは約5時間の条件で、再度ヒドロシリル化付加反応させると共に熟成させる。
ここで、分子鎖片末端にオレフィン部位を有するフルオロオキシアルキル基含有ポリマーとしては、下記一般式(4)で表されるフルオロオキシアルキル基含有ポリマーが例示できる。
Figure 2017141707
(式中、Rf、R’、Q、m、βは上記と同じである。Zは2価炭化水素基である。)
上記式(4)において、Zは2価炭化水素基であり、炭素数1〜8、特に1〜4の2価炭化水素基であることが好ましく、具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基(トリメチレン基、メチルエチレン基)、ブチレン基(テトラメチレン基、メチルプロピレン基)、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基等の炭素数1〜8のアルキレン基、フェニレン基等の炭素数6〜8のアリーレン基を含むアルキレン基(例えば、炭素数7〜8のアルキレン・アリーレン基等)などが挙げられる。Zとして、好ましくは炭素数1〜4の直鎖アルキレン基である。
式(4)で表されるフルオロオキシアルキル基含有ポリマーとして、好ましくは下記に示すものが例示できる。なお、各式において、フルオロオキシアルキル基を構成する各繰り返し単位の繰り返し数(又は重合度)は、上記Rf中の式(2)を満足する任意の数をとり得るものである。
Figure 2017141707
Figure 2017141707
(式中、r1は1〜100の整数であり、p1、q1、p1+q1は上記と同じである。)
上記式(4)で表されるフルオロオキシアルキル基含有ポリマーの調製方法としては、例えば、分子鎖片末端に水酸基を有するフルオロオキシアルキル基含有ポリマーと、オレフィン導入剤とを、塩基の存在下、必要により添加剤や溶剤を用い、0〜90℃、好ましくは50〜80℃、より好ましくは約60℃の温度で、1〜40時間、好ましくは10〜30時間、より好ましくは約20時間熟成する。
式(4)で表されるフルオロオキシアルキル基含有ポリマーの調製に用いられる分子鎖片末端に水酸基を有するフルオロオキシアルキル基含有ポリマーとしては、例えば、以下に示すものが例示できる。
Figure 2017141707
(式中、u1は1〜24の整数であり、r1、p1、q1、p1+q1は上記と同じである。)
式(4)で表されるフルオロオキシアルキル基含有ポリマーの調製に用いられるオレフィン導入剤としては、例えば、以下に示す様な、分子鎖片末端に好ましくは2個以上(特には、2個又は3個)のオレフィン部位と他方の末端に−S(=O)2O−で示されるスルホン酸エステル残基を有するもの等が例示できる。
Figure 2017141707
オレフィン導入剤は既知の方法で調製可能である。
オレフィン導入剤の使用量は、分子鎖片末端に水酸基を有するフルオロオキシアルキル基含有ポリマーの反応性末端基(末端水酸基)1当量に対して、スルホン酸エステル残基として1〜5当量、より好ましくは1〜3当量、更に好ましくは約1.5当量用いることができる。
式(4)で表されるフルオロオキシアルキル基含有ポリマーの調製に用いられる塩基としては、例えば、アミン類やアルカリ金属系塩基などを用いることができ、具体的には、アミン類では、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、DBU、イミダゾールなどが挙げられる。アルカリ金属系塩基では、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、アルキルリチウム、t−ブトキシカリウム、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミドなどが挙げられる。
塩基の使用量は、分子鎖片末端に水酸基を有するフルオロオキシアルキル基含有ポリマーの反応性末端基1当量に対して、1〜20当量、より好ましくは5〜15当量、更に好ましくは約9当量用いることができる。
式(4)で表されるフルオロオキシアルキル基含有ポリマーの調製には、反応性を向上させる又は相間移動触媒としての添加剤として、テトラブチルアンモニウムハライド、アルカリ金属系ハライドなどを用いてもよい。添加剤として、具体的には、テトラブチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムヨージド、テトラブチルアンモニウム硫酸水素塩、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化セシウム、クラウンエーテルなどが挙げられる。これら添加剤は、反応系中でオレフィン導入剤と触媒的にハロゲン交換することで反応性を向上させ、またクラウンエーテルは金属に配位することで反応性を向上させる。
添加剤の使用量は、分子鎖片末端に水酸基を有するフルオロオキシアルキル基含有ポリマーの反応性末端基1当量に対して、0.005〜0.2当量、より好ましくは0.01〜0.15当量、更に好ましくは約0.1当量用いることができる。
式(4)で表されるフルオロオキシアルキル基含有ポリマーの調製には、溶剤を用いてもよい。用いられる溶剤としては、フッ素系溶剤として、1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、トリフルオロメチルベンゼンなどの含フッ素芳香族炭化水素系溶剤、1,1,1,2,3,4,4,5,5,5−デカフルオロ−3−メトキシ−2−(トリフルオロメチル)ペンタンなどのハイドロフルオロエーテル(HFE)系溶剤(3M社製、商品名:Novecシリーズ)、完全フッ素化された化合物で構成されているパーフルオロ系溶剤(3M社製、商品名:フロリナートシリーズ)などが挙げられる。更に、有機溶剤として、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、THFなどを用いることができる。また、水を用いてもよい。
溶剤を用いる場合の使用量は、分子鎖片末端に水酸基を有するフルオロオキシアルキル基含有ポリマー100質量部に対して、10〜300質量部、好ましくは30〜150質量部、更に好ましくは約50質量部用いることができる。
続いて、反応を停止し、分液操作により水層とフッ素溶剤層を分離する。得られたフッ素溶剤層を更に有機溶剤で洗浄し、溶剤を留去することで、式(4)で表されるフルオロオキシアルキル基含有ポリマーが得られる。
上記式(1)で表され、αが1の場合のフルオロポリエーテル基含有ポリマー変性シランの調製において、用いられる溶剤としてはフッ素系溶剤が好ましく、フッ素系溶剤としては、1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、トリフルオロメチルベンゼン、メチルノナフルオロブチルエーテル、メチルノナフルオロイソブチルエーテル、エチルノナフルオロブチルエーテル、エチルノナフルオロイソブチルエーテル、1,1,1,2,3,4,4,5,5,5−デカフルオロ−3−メトキシ−2−(トリフルオロメチル)ペンタンなどのハイドロフルオロエーテル(HFE)系溶剤(3M社製、商品名:Novecシリーズ)、完全フッ素化された化合物で構成されているパーフルオロ系溶剤(3M社製、商品名:フロリナートシリーズ)などが挙げられる。
溶剤の使用量は、分子鎖片末端にオレフィン部位を有するフルオロオキシアルキル基含有ポリマー100質量部に対して、10〜300質量部、好ましくは50〜150質量部、更に好ましくは約100質量部用いることができる。
また、式(1)で表され、αが1の場合のフルオロポリエーテル基含有ポリマー変性シランの調製において、分子中にSiH基及び加水分解性末端基を有する有機ケイ素化合物としては、下記一般式(5)〜(8)で表される化合物が好ましい。
Figure 2017141707
(式中、R、X、n、R1、R2、g、jは上記と同じである。R3は炭素数2〜8の2価炭化水素基である。iは1〜5の整数、好ましくは1〜3の整数であり、i+jは2〜9の整数、好ましくは2〜4の整数である。)
ここで、R3の炭素数2〜8、好ましくは2〜3の2価炭化水素基としては、エチレン基、プロピレン基(トリメチレン基、メチルエチレン基)、ブチレン基(テトラメチレン基、メチルプロピレン基)、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基等のアルキレン基、フェニレン基等のアリーレン基、又はこれらの基の2種以上の組み合わせ(アルキレン・アリーレン基等)などが挙げられ、これらの中でもエチレン基、トリメチレン基が好ましい。
このような分子中にSiH基及び加水分解性末端基を有する有機ケイ素化合物としては、例えば、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリプロポキシシラン、トリイソプロポキシシラン、トリブトキシシラン、トリイソプロペノキシシラン、トリアセトキシシラン、トリクロロシラン、トリブロモシラン、トリヨードシラン、また以下のようなシランが挙げられる。
Figure 2017141707
式(1)で表され、αが1の場合のフルオロポリエーテル基含有ポリマー変性シランの調製において、分子鎖片末端にオレフィン部位を有するフルオロオキシアルキル基含有ポリマーと分子中にSiH基及び加水分解性末端基を有する有機ケイ素化合物とを反応させる際の分子中にSiH基及び加水分解性末端基を有する有機ケイ素化合物の使用量は、分子鎖片末端にオレフィン部位を有するフルオロオキシアルキル基含有ポリマーの反応性末端基1当量に対して、1〜3当量、より好ましくは1.5〜2.5当量、更に好ましくは約2当量用いることができる。
また、式(1)で表され、αが1の場合のフルオロポリエーテル基含有ポリマー変性シランの調製において、分子中に加水分解性末端基を有さず、SiH基を2個以上有する有機ケイ素化合物としては、下記一般式(9)〜(11)で表される化合物が好ましい。
Figure 2017141707
(式中、R1、R2、g、j、i、i+jは上記と同じである。)
このような分子中に加水分解性末端基を有さず、SiH基を2個以上有する有機ケイ素化合物としては、例えば、下記に示すものなどが挙げられる。
Figure 2017141707
式(1)で表され、αが1の場合のフルオロポリエーテル基含有ポリマー変性シランの調製において、分子鎖片末端にオレフィン部位を有するフルオロオキシアルキル基含有ポリマーと分子中に加水分解性末端基を有さず、SiH基を2個以上有する有機ケイ素化合物とを反応させる際の分子中に加水分解性末端基を有さず、SiH基を2個以上有する有機ケイ素化合物の使用量は、分子鎖片末端にオレフィン部位を有するフルオロオキシアルキル基含有ポリマーの反応性末端基1当量に対して、7〜30当量、より好ましくは10〜20当量、更に好ましくは約15当量用いることができる。
また、式(1)で表され、αが1の場合のフルオロポリエーテル基含有ポリマー変性シランの調製において、分子中にオレフィン部位と加水分解性末端基を有する有機ケイ素化合物としては、下記一般式(12)で表される化合物が好ましい。
Figure 2017141707
(式中、R、X、nは上記と同じである。Uは単結合、又は炭素数1〜6の2価炭化水素基である。)
上記式(12)中、Uは単結合、又は炭素数1〜6の2価炭化水素基であり、炭素数1〜6の2価炭化水素基として、具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基(トリメチレン基、メチルエチレン基)、ブチレン基(テトラメチレン基、メチルプロピレン基)、ヘキサメチレン基等のアルキレン基、フェニレン基などが挙げられる。Uとして、好ましくは単結合、メチレン基である。
式(1)で表され、αが1の場合のフルオロポリエーテル基含有ポリマー変性シランの調製において、分子鎖片末端にオレフィン部位を有するフルオロオキシアルキル基含有ポリマーと分子中に加水分解性末端基を有さず、SiH基を2個以上有する有機ケイ素化合物との反応物と、分子中にオレフィン部位と加水分解性末端基を有する有機ケイ素化合物とを反応させる際の分子中にオレフィン部位と加水分解性末端基を有する有機ケイ素化合物の使用量は、分子鎖片末端にオレフィン部位を有するフルオロオキシアルキル基含有ポリマーと分子中に加水分解性末端基を有さず、SiH基を2個以上有する有機ケイ素化合物との反応物の反応性末端基1当量に対して、3〜9当量、より好ましくは5〜7当量、更に好ましくは約6当量用いることができる。
式(1)で表され、αが1の場合のフルオロポリエーテル基含有ポリマー変性シランの調製において、ヒドロシリル化反応触媒としては、白金黒、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール変性物、塩化白金酸とオレフィン、アルデヒド、ビニルシロキサン、アセチレンアルコール類等との錯体等、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム等の白金族金属系触媒が挙げられる。好ましくはビニルシロキサン配位化合物等の白金系化合物である。
ヒドロシリル化反応触媒の使用量は、分子鎖片末端にオレフィン部位を有するフルオロオキシアルキル基含有ポリマー、又はこのポリマーと分子中に加水分解性末端基を有さず、SiH基を2個以上有する有機ケイ素化合物との反応物の質量に対して、遷移金属換算(質量)で0.1〜100ppm、より好ましくは1〜50ppmとなる量で使用する。
その後、溶剤及び未反応物を減圧留去することで目的の化合物を得ることができる。
例えば、分子鎖片末端にオレフィン部位を有するフルオロオキシアルキル基含有ポリマーとして、下記式で表される化合物
Figure 2017141707

を使用し、分子中にSiH基及び加水分解性末端基を有する有機ケイ素化合物として、トリメトキシシランを使用した場合には、下記式で表される化合物が得られる。
Figure 2017141707
上記式(1)で表され、αが2の場合のフルオロポリエーテル基含有ポリマー変性シランの調製方法としては、例えば、下記のような方法が挙げられる。
分子鎖両末端にオレフィン部位を好ましくはそれぞれ2個以上(特には、2個又は3個)有するフルオロオキシアルキレン基含有ポリマーと、溶剤、例えば1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンなどのフッ素系溶剤に溶解させ、トリメトキシシラン等の分子中にSiH基及び加水分解性末端基を有する有機ケイ素化合物を、ヒドロシリル化反応触媒、例えば塩化白金酸/ビニルシロキサン錯体のトルエン溶液存在下、40〜120℃、好ましくは60〜100℃、より好ましくは約80℃の温度で、1〜48時間、好ましくは2〜10時間、より好ましくは約5時間の条件で、ヒドロシリル化付加反応させると共に熟成させる。
また、上記式(1)で表され、αが2の場合のフルオロポリエーテル基含有ポリマー変性シランの調製方法の別法としては、例えば下記のような方法が挙げられる。
分子鎖両末端にオレフィン部位を好ましくはそれぞれ2個以上(特には、2個又は3個)有するフルオロオキシアルキレン基含有ポリマーを、溶剤、例えば1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンなどのフッ素系溶剤に溶解させ、トリクロロシラン等の分子中にSiH基及び加水分解性末端基を有する有機ケイ素化合物を、ヒドロシリル化反応触媒、例えば塩化白金酸/ビニルシロキサン錯体のトルエン溶液存在下、40〜120℃、好ましくは60〜100℃、より好ましくは約80℃の温度で、1〜48時間、好ましくは2〜10時間、より好ましくは約5時間の条件で、ヒドロシリル化付加反応させると共に熟成させた後、シリル基上の置換基を例えばメトキシ基などに変換する。
なお、上記分子中にSiH基及び加水分解性末端基を有する有機ケイ素化合物に代えて、加水分解性末端基を有さないSiH基含有有機ケイ素化合物を用いることもでき、この場合、有機ケイ素化合物として、分子中に加水分解性末端基を有さず、SiH基を2個以上有する有機ケイ素化合物を使用する。その際、上記の方法と同様にして分子鎖両末端にオレフィン部位を好ましくはそれぞれ2個以上(特には、2個又は3個)有するフルオロオキシアルキレン基含有ポリマーと分子中に加水分解性末端基を有さず、SiH基を2個以上有する有機ケイ素化合物とをヒドロシリル化付加反応させて分子鎖両末端に残存SiH基を好ましくはそれぞれ2個以上(特には、2個又は3個)有する反応物(中間体)を生成させた後、該反応物(中間体)のポリマー末端に好ましくはそれぞれ2個以上(特には、2個又は3個)残存するSiH基とアリルトリメトキシシラン等の分子中にオレフィン部位と加水分解性末端基を有する有機ケイ素化合物とをヒドロシリル化反応触媒、例えば塩化白金酸/ビニルシロキサン錯体のトルエン溶液存在下、40〜120℃、好ましくは60〜100℃、より好ましくは約80℃の温度で、1〜48時間、好ましくは2〜10時間、より好ましくは約5時間の条件で、再度ヒドロシリル化付加反応させると共に熟成させる。
ここで、分子鎖両末端にオレフィン部位を有するフルオロオキシアルキレン基含有ポリマーとしては、下記一般式(13)で表されるフルオロオキシアルキレン基含有ポリマーが例示できる。
Figure 2017141707
(式中、Rf、R’、Q、m、Z、βは上記と同じである。)
式(13)で表されるフルオロオキシアルキレン基含有ポリマーとして、好ましくは下記に示すものが例示できる。なお、各式において、フルオロオキシアルキレン基を構成する各繰り返し単位の繰り返し数(又は重合度)は、上記Rf中の式(3)を満足する任意の数をとり得るものである。
Figure 2017141707
(式中、p1、q1、p1+q1は上記と同じである。)
上記式(13)で表されるフルオロオキシアルキレン基含有ポリマーの調製方法としては、例えば、分子鎖両末端に水酸基を有するフルオロオキシアルキレン基含有ポリマーと、オレフィン導入剤とを、塩基の存在下、必要により添加剤や溶剤を用い、0〜90℃、好ましくは50〜80℃、より好ましくは約60℃の温度で、1〜40時間、好ましくは10〜30時間、より好ましくは約20時間熟成する。
式(13)で表されるフルオロオキシアルキレン基含有ポリマーの調製に用いられる分子鎖両末端に水酸基を有するフルオロオキシアルキレン基含有ポリマーとしては、例えば、以下に示すものが例示できる。
Figure 2017141707
(式中、v1は1〜24の整数であり、u1、p1、q1、p1+q1は上記と同じである。)
式(13)で表されるフルオロオキシアルキレン基含有ポリマーの調製に用いられるオレフィン導入剤としては、例えば、以下に示す様な、分子鎖片末端に好ましくは2個以上(特には、2個又は3個)のオレフィン部位と他方の末端に−S(=O)2O−で示されるスルホン酸エステル残基を有するもの等が例示できる。
Figure 2017141707
オレフィン導入剤は既知の方法で調製可能である。
オレフィン導入剤の使用量は、分子鎖両末端に水酸基を有するフルオロオキシアルキレン基含有ポリマーの反応性末端基(末端水酸基)1当量に対して、スルホン酸エステル残基として1〜5当量、より好ましくは1〜3当量、更に好ましくは約1.5当量用いることができる。
式(13)で表されるフルオロオキシアルキレン基含有ポリマーの調製に用いられる塩基としては、例えば、アミン類やアルカリ金属系塩基などを用いることができ、具体的には、アミン類では、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、DBU、イミダゾールなどが挙げられる。アルカリ金属系塩基では、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、アルキルリチウム、t−ブトキシカリウム、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミドなどが挙げられる。
塩基の使用量は、分子鎖両末端に水酸基を有するフルオロオキシアルキレン基含有ポリマーの反応性末端基1当量に対して、1〜20当量、より好ましくは5〜15当量、更に好ましくは約9当量用いることができる。
式(13)で表されるフルオロオキシアルキレン基含有ポリマーの調製には、反応性を向上させる又は相間移動触媒としての添加剤として、テトラブチルアンモニウムハライド、アルカリ金属系ハライドなどを用いてもよい。添加剤として、具体的には、テトラブチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムヨージド、テトラブチルアンモニウム硫酸水素塩、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化セシウム、クラウンエーテルなどが挙げられる。これら添加剤は、反応系中でオレフィン導入剤と触媒的にハロゲン交換することで反応性を向上させ、またクラウンエーテルは金属に配位することで反応性を向上させる。
添加剤の使用量は、分子鎖両末端に水酸基を有するフルオロオキシアルキレン基含有ポリマーの反応性末端基1当量に対して、0.005〜0.2当量、より好ましくは0.01〜0.15当量、更に好ましくは約0.1当量用いることができる。
式(13)で表されるフルオロオキシアルキレン基含有ポリマーの調製には、溶剤を用いてもよい。溶剤は必ずしも用いる必要はないが、用いられる溶剤としては、フッ素系溶剤として、1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、トリフルオロメチルベンゼンなどの含フッ素芳香族炭化水素系溶剤、1,1,1,2,3,4,4,5,5,5−デカフルオロ−3−メトキシ−2−(トリフルオロメチル)ペンタンなどのハイドロフルオロエーテル(HFE)系溶剤(3M社製、商品名:Novecシリーズ)、完全フッ素化された化合物で構成されているパーフルオロ系溶剤(3M社製、商品名:フロリナートシリーズ)などが挙げられる。更に、有機溶剤として、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、THFなどを用いることができる。また、水を用いてもよい。
溶剤を用いる場合の使用量は、分子鎖両末端に水酸基を有するフルオロオキシアルキレン基含有ポリマー100質量部に対して、10〜300質量部、好ましくは30〜150質量部、更に好ましくは約50質量部用いることができる。
続いて、反応を停止し、分液操作により水層とフッ素溶剤層を分離する。得られたフッ素溶剤層を更に有機溶剤で洗浄し、溶剤を留去することで、式(13)で表されるフルオロオキシアルキレン基含有ポリマーが得られる。
上記式(1)で表され、αが2の場合のフルオロポリエーテル基含有ポリマー変性シランの調製において、用いられる溶剤としてはフッ素系溶剤が好ましく、フッ素系溶剤としては、1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、トリフルオロメチルベンゼン、メチルノナフルオロブチルエーテル、メチルノナフルオロイソブチルエーテル、エチルノナフルオロブチルエーテル、エチルノナフルオロイソブチルエーテル、1,1,1,2,3,4,4,5,5,5−デカフルオロ−3−メトキシ−2−(トリフルオロメチル)ペンタンなどのハイドロフルオロエーテル(HFE)系溶剤(3M社製、商品名:Novecシリーズ)、完全フッ素化された化合物で構成されているパーフルオロ系溶剤(3M社製、商品名:フロリナートシリーズ)などが挙げられる。
溶剤の使用量は、分子鎖両末端にオレフィン部位をそれぞれ有するフルオロオキシアルキレン基含有ポリマー100質量部に対して、10〜300質量部、好ましくは50〜150質量部、更に好ましくは約100質量部用いることができる。
また、式(1)で表され、αが2の場合のフルオロポリエーテル基含有ポリマー変性シランの調製において、分子中にSiH基及び加水分解性末端基を有する有機ケイ素化合物としては、下記一般式(5)〜(8)で表される化合物が好ましい。
Figure 2017141707
(式中、R、X、n、R1、R2、R3、g、i、j、i+jは上記と同じである。)
このような分子中にSiH基及び加水分解性末端基を有する有機ケイ素化合物としては、例えば、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリプロポキシシラン、トリイソプロポキシシラン、トリブトキシシラン、トリイソプロペノキシシラン、トリアセトキシシラン、トリクロロシラン、トリブロモシラン、トリヨードシラン、また以下のようなシランが挙げられる。
Figure 2017141707
式(1)で表され、αが2の場合のフルオロポリエーテル基含有ポリマー変性シランの調製において、分子鎖両末端にオレフィン部位をそれぞれ有するフルオロオキシアルキレン基含有ポリマーと分子中にSiH基及び加水分解性末端基を有する有機ケイ素化合物とを反応させる際の分子中にSiH基及び加水分解性末端基を有する有機ケイ素化合物の使用量は、分子鎖両末端にオレフィン部位をそれぞれ有するフルオロオキシアルキレン基含有ポリマーの反応性末端基1当量に対して、1〜3当量、より好ましくは1.5〜2.5当量、更に好ましくは約2当量用いることができる。
また、式(1)で表され、αが2の場合のフルオロポリエーテル基含有ポリマー変性シランの調製において、分子中に加水分解性末端基を有さず、SiH基を2個以上有する有機ケイ素化合物としては、下記一般式(9)〜(11)で表される化合物が好ましい。
Figure 2017141707
(式中、R1、R2、g、j、i、i+jは上記と同じである。)
このような分子中に加水分解性末端基を有さず、SiH基を2個以上有する有機ケイ素化合物としては、例えば、下記に示すものなどが挙げられる。
Figure 2017141707
式(1)で表され、αが2の場合のフルオロポリエーテル基含有ポリマー変性シランの調製において、分子鎖両末端にオレフィン部位をそれぞれ有するフルオロオキシアルキレン基含有ポリマーと分子中に加水分解性末端基を有さず、SiH基を2個以上有する有機ケイ素化合物とを反応させる際の分子中に加水分解性末端基を有さず、SiH基を2個以上有する有機ケイ素化合物の使用量は、分子鎖両末端にオレフィン部位をそれぞれ有するフルオロオキシアルキレン基含有ポリマーの反応性末端基1当量に対して、7〜30当量、より好ましくは10〜20当量、更に好ましくは約15当量用いることができる。
また、式(1)で表され、αが2の場合のフルオロポリエーテル基含有ポリマー変性シランの調製において、分子中にオレフィン部位と加水分解性末端基を有する有機ケイ素化合物としては、下記一般式(12)で表される化合物が好ましい。
Figure 2017141707
(式中、R、X、U、nは上記と同じである。)
式(1)で表され、αが2の場合のフルオロポリエーテル基含有ポリマー変性シランの調製において、分子鎖両末端にオレフィン部位をそれぞれ有するフルオロオキシアルキレン基含有ポリマーと分子中に加水分解性末端基を有さず、SiH基を2個以上有する有機ケイ素化合物との反応物と、分子中にオレフィン部位と加水分解性末端基を有する有機ケイ素化合物とを反応させる際の分子中にオレフィン部位と加水分解性末端基を有する有機ケイ素化合物の使用量は、分子鎖両末端にオレフィン部位をそれぞれ有するフルオロオキシアルキレン基含有ポリマーと分子中に加水分解性末端基を有さず、SiH基を2個以上有する有機ケイ素化合物との反応物の反応性末端基1当量に対して、3〜9当量、より好ましくは5〜7当量、更に好ましくは約6当量用いることができる。
式(1)で表され、αが2の場合のフルオロポリエーテル基含有ポリマー変性シランの調製において、ヒドロシリル化反応触媒としては、白金黒、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール変性物、塩化白金酸とオレフィン、アルデヒド、ビニルシロキサン、アセチレンアルコール類等との錯体等、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム等の白金族金属系触媒が挙げられる。好ましくはビニルシロキサン配位化合物等の白金系化合物である。
ヒドロシリル化反応触媒の使用量は、分子鎖両末端にオレフィン部位をそれぞれ有するフルオロオキシアルキレン基含有ポリマー、又はこのポリマーと分子中に加水分解性末端基を有さず、SiH基を2個以上有する有機ケイ素化合物との反応物の質量に対して、遷移金属換算(質量)で0.1〜100ppm、より好ましくは1〜50ppmとなる量で使用する。
その後、溶剤及び未反応物を減圧留去することで目的の化合物を得ることができる。
例えば、分子鎖両末端にオレフィン部位をそれぞれ有するフルオロオキシアルキレン基含有ポリマーとして、下記式で表される化合物
Figure 2017141707
を使用し、分子中にSiH基及び加水分解性末端基を有する有機ケイ素化合物として、トリメトキシシランを使用した場合には、下記式で表される化合物が得られる。
Figure 2017141707
本発明は、更に上記フルオロポリエーテル基含有ポリマー変性シランを含有する表面処理剤を提供する。該表面処理剤は、該フルオロポリエーテル基含有ポリマー変性シランの水酸基、又は該フルオロポリエーテル基含有ポリマー変性シランの末端加水分解性基を予め公知の方法により部分的に加水分解した水酸基を縮合させて得られる部分(加水分解)縮合物を含んでいてもよい。
表面処理剤には、必要に応じて、加水分解縮合触媒、例えば、有機錫化合物(ジブチル錫ジメトキシド、ジラウリン酸ジブチル錫など)、有機チタン化合物(テトラn−ブチルチタネートなど)、有機酸(酢酸、メタンスルホン酸、フッ素変性カルボン酸など)、無機酸(塩酸、硫酸など)を添加してもよい。これらの中では、特に酢酸、テトラn−ブチルチタネート、ジラウリン酸ジブチル錫、フッ素変性カルボン酸などが望ましい。
加水分解縮合触媒の添加量は触媒量であり、通常、フルオロポリエーテル基含有ポリマー変性シラン及び/又はその部分(加水分解)縮合物100質量部に対して0.01〜5質量部、特に0.1〜1質量部である。
該表面処理剤は、適当な溶剤を含んでよい。このような溶剤としては、フッ素変性脂肪族炭化水素系溶剤(パーフルオロヘプタン、パーフルオロオクタンなど)、フッ素変性芳香族炭化水素系溶剤(1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンなど)、フッ素変性エーテル系溶剤(メチルパーフルオロブチルエーテル、エチルパーフルオロブチルエーテル、パーフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)など)、フッ素変性アルキルアミン系溶剤(パーフルオロトリブチルアミン、パーフルオロトリペンチルアミンなど)、炭化水素系溶剤(石油ベンジン、トルエン、キシレンなど)、ケトン系溶剤(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)を例示することができる。これらの中では、溶解性、濡れ性などの点で、フッ素変性された溶剤が望ましく、特には、1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、パーフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)、パーフルオロトリブチルアミン、エチルパーフルオロブチルエーテルが好ましい。
上記溶剤はその2種以上を混合してもよく、フルオロポリエーテル基含有ポリマー変性シラン及びその部分(加水分解)縮合物を均一に溶解させることが好ましい。なお、溶剤に溶解させるフルオロポリエーテル基含有ポリマー変性シラン及びその部分(加水分解)縮合物の最適濃度は、処理方法により異なり、秤量し易い量であればよいが、直接塗工する場合は、溶剤及びフルオロポリエーテル基含有ポリマー変性シラン(及びその部分(加水分解)縮合物)の合計100質量部に対して0.01〜10質量部、特に0.05〜5質量部であることが好ましく、蒸着処理をする場合は、溶剤及びフルオロポリエーテル基含有ポリマー変性シラン(及びその部分(加水分解)縮合物)の合計100質量部に対して1〜100質量部、特に3〜30質量部であることが好ましい。
本発明の表面処理剤は、刷毛塗り、ディッピング、スプレー、蒸着処理など公知の方法で基材に施与することができる。蒸着処理時の加熱方法は、抵抗加熱方式でも、電子ビーム加熱方式のどちらでもよく、特に限定されるものではない。また、硬化温度は、硬化方法によって異なるが、例えば、直接塗工(刷毛塗り、ディッピング、スプレー等)の場合は、25〜200℃、特に25〜80℃にて30分〜36時間、特に1〜24時間とすることが好ましい。また、蒸着処理で施与する場合は、20〜200℃の範囲が望ましい。また、加湿下で硬化させてもよい。硬化被膜の膜厚は、基材の種類により適宜選定されるが、通常0.1〜100nm、特に1〜20nmである。また、例えばスプレー塗工では予め水分を添加したフッ素系溶剤に希釈し、加水分解、つまりSi−OHを生成させた後にスプレー塗工すると塗工後の硬化が速い。
本発明の表面処理剤で処理される基材は特に制限されず、紙、布、金属及びその酸化物、ガラス、プラスチック、セラミック、石英など各種材質のものであってよい。本発明の表面処理剤は、前記基材に撥水撥油性を付与することができる。特に、SiO2処理されたガラスやフイルムの表面処理剤として好適に使用することができる。
本発明の表面処理剤で処理される物品としては、カーナビゲーション、携帯電話、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、PDA、ポータブルオーディオプレーヤー、カーオーディオ、ゲーム機器、眼鏡レンズ、カメラレンズ、レンズフィルター、サングラス、胃カメラ等の医療用器機、複写機、PC、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、タッチパネルディスプレイ、保護フイルム、反射防止フイルムなどの光学物品が挙げられる。本発明の表面処理剤は、前記物品に指紋及び皮脂が付着するのを防止し、更に傷つき防止性を付与することができるため、特にタッチパネルディスプレイ、反射防止フイルムなどの撥水撥油層として有用である。
また、本発明の表面処理剤は、浴槽、洗面台のようなサニタリー製品の防汚コーティング、自動車、電車、航空機などの窓ガラス又は強化ガラス、ヘッドランプカバー等の防汚コーティング、外壁用建材の撥水撥油コーティング、台所用建材の油汚れ防止用コーティング、電話ボックスの防汚及び貼り紙・落書き防止コーティング、美術品などの指紋付着防止付与のコーティング、コンパクトディスク、DVDなどの指紋付着防止コーティング、金型用に離型剤あるいは塗料添加剤、樹脂改質剤、無機質充填剤の流動性改質剤又は分散性改質剤、テープ、フイルムなどの潤滑性向上剤としても有用である。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明をより詳細に説明するが、本発明は下記実施例によって限定されるものではない。
[実施例1]
反応容器に、下記式(A)
Figure 2017141707

で表される化合物100g(2.9×10-2mol)、下記式(B)
Figure 2017141707
で表される化合物37g(4.3×10-2mol)、テトラブチルアンモニウム硫酸水素塩0.89g(2.6×10-3mol)を混合した。続いて、30質量%水酸化ナトリウム水溶液35g(2.6×10-1mol)を添加した後、60℃で20時間加熱した。加熱終了後、室温まで冷却し、塩酸水溶液を滴下した。分液操作により、下層であるフッ素化合物層を回収後、アセトンで洗浄した。洗浄後の下層であるフッ素化合物層を再び回収し、減圧下、残存溶剤を留去した。上記操作を再度行うことで、下記式(C)
Figure 2017141707
で表されるフルオロポリエーテル基含有ポリマー103gを得た。
なお、式(C)で表されるフルオロポリエーテル基含有ポリマーのNMRによる分子構造の解析結果は次の通りである。
1H−NMR
δ3.4−3.5(C−C 2 −O−CH2CH=CH2)6H
δ3.6−3.7(−CF2−CH2−O−C 2 −C)2H
δ3.7−3.8(−CF2−C 2 −O−C 2 −C)2H
δ3.8−3.9(C−CH2−O−C 2 CH=CH2)6H
δ5.0−5.2(C−CH2−O−CH2CH=C 2 )6H
δ5.7−5.9(C−CH2−O−CH2=CH2)3H
反応容器に、上記で得られた下記式(C)
Figure 2017141707
で表される化合物50g(1.5×10-2mol、即ち、末端アリルエーテル基;4.5×10-2molに相当)、1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン50g、トリメトキシシラン11g(9.0×10-2mol)、及び塩化白金酸/ビニルシロキサン錯体のトルエン溶液5.0×10-2g(Pt単体として1.5×10-7molを含有)を混合し、80℃で5時間熟成させた。その後、溶剤及び未反応物を減圧留去し、液状の生成物55gを得た。
得られた化合物は、NMRにより下記式(D)で表される構造であることが確認された。
Figure 2017141707
1H−NMR
δ0.4−0.6(−CH2CH2 2 −Si)6H
δ1.4−1.6(−CH2 2 CH2−Si)6H
δ3.1−3.7(−Si(OC 3 3、−C 2 CH2CH2−Si、C−C 2 −O−CH2CH2CH2−Si、−CF2−CH2−O−C 2 −C、−CF2−C 2 −O−CH2−C)43H
[実施例2]
反応容器に、下記式(A)
Figure 2017141707
で表される化合物100g(2.9×10-2mol)、下記式(E)
Figure 2017141707
で表される化合物26g(4.3×10-1mol)、テトラブチルアンモニウム硫酸水素塩0.89g(2.6×10-3mol)を混合した。続いて、30質量%水酸化ナトリウム水溶液35g(2.6×10-1mol)を添加した後、60℃で20時間加熱した。加熱終了後、室温まで冷却し、塩酸水溶液を滴下した。分液操作により、下層であるフッ素化合物層を回収後、アセトンで洗浄した。洗浄後の下層であるフッ素化合物層を再び回収し、減圧下、残存溶剤を留去した。上記操作を再度行うことで、下記式(F)
Figure 2017141707
で表されるフルオロポリエーテル基含有ポリマー101gを得た。
なお、式(F)で表されるフルオロポリエーテル基含有ポリマーのNMRによる分子構造の解析結果は次の通りである。
1H−NMR
δ0.7−0.9(−CH2 3 )3H
δ1.3−1.5(−C 2 CH3)2H
δ3.2−3.2(C−C 2 −O−CH2CH=CH2)4H
δ3.4−3.5(−CF2−CH2−O−C 2 −C)2H
δ3.6−3.7(−CF2−C 2 −O−C 2 −C)2H
δ3.8−3.9(C−CH2−O−C 2 CH=CH2)4H
δ4.9−5.2(C−CH2−O−CH2CH=C 2 )4H
δ5.7−5.8(C−CH2−O−CH2=CH2)2H
反応容器に、上記で得られた下記式(F)
Figure 2017141707
で表される化合物50g(1.5×10-2mol、即ち、末端アリルエーテル基;3.0×10-2molに相当)、1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン50g、トリメトキシシラン7.3g(6.0×10-2mol)、及び塩化白金酸/ビニルシロキサン錯体のトルエン溶液5.0×10-2g(Pt単体として1.5×10-7molを含有)を混合し、80℃で5時間熟成させた。その後、溶剤及び未反応物を減圧留去し、液状の生成物52gを得た。
得られた化合物は、NMRにより下記式(G)で表される構造であることが確認された。
Figure 2017141707
1H−NMR
δ0.4−0.6(−CH2CH2 2 −Si)4H
δ0.6−0.8(−CH2 3 )3H
δ1.2−1.4(−C 2 CH3)2H
δ1.5−1.7(−CH2 2 CH2−Si)4H
δ3.1−3.7(−Si(OC 3 3、−C 2 CH2CH2−Si、C−C 2 −O−CH2CH2CH2−Si、−CF2−CH2−O−C 2 −C、−CF2−C 2 −O−CH2−C)30H
[実施例3]
反応容器に、下記式(H)
Figure 2017141707
で表される化合物100g(2.7×10-2mol、即ち、末端ヒドロキシ基;5.4×10-2molに相当)、下記式(B)
Figure 2017141707
で表される化合物69g(8.1×10-2mol)、テトラブチルアンモニウム硫酸水素塩1.7g(4.9×10-3mol)を混合した。続いて、30質量%水酸化ナトリウム水溶液65g(4.9×10-1mol)を添加した後、60℃で20時間加熱した。加熱終了後、室温まで冷却し、塩酸水溶液を滴下した。分液操作により、下層であるフッ素化合物層を回収後、アセトンで洗浄した。洗浄後の下層であるフッ素化合物層を再び回収し、減圧下、残存溶剤を留去した。上記操作を再度行うことで、下記式(I)
Figure 2017141707
で表されるフルオロポリエーテル基含有ポリマー107gを得た。
なお、式(I)で表されるフルオロポリエーテル基含有ポリマーのNMRによる分子構造の解析結果は次の通りである。
1H−NMR
δ3.4−3.5(C−C 2 −O−CH2CH=CH2)12H
δ3.6−3.7(−CF2−CH2−O−C 2 −C)4H
δ3.7−3.8(−CF2−C 2 −O−C 2 −C)4H
δ3.8−3.9(C−CH2−O−C 2 CH=CH2)12H
δ4.9−5.1(C−CH2−O−CH2CH=C 2 )12H
δ5.7−5.9(C−CH2−O−CH2=CH2)6H
反応容器に、上記で得られた下記式(I)
Figure 2017141707
で表される化合物50g(1.33×10-2mol、即ち、末端アリルエーテル基;8.0×10-2molに相当)、1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン50g、トリメトキシシラン20g(1.6×10-1mol)、及び塩化白金酸/ビニルシロキサン錯体のトルエン溶液5.0×10-2g(Pt単体として1.5×10-7molを含有)を混合し、80℃で5時間熟成させた。その後、溶剤及び未反応物を減圧留去し、液状の生成物60gを得た。
得られた化合物は、NMRにより下記式(J)で表される構造であることが確認された。
Figure 2017141707
1H−NMR
δ0.4−0.7(−CH2CH2 2 −Si)12H
δ1.4−1.7(−CH2 2 CH2−Si)12H
δ3.1−3.8(−Si(OC 3 3、−C 2 CH2CH2−Si、C−C 2 −O−CH2CH2CH2−Si、−CF2−CH2−O−C 2 −C、−CF2−C 2 −O−CH2−C)86H
[比較例1]
比較例1として、以下のポリマーを使用した。
Figure 2017141707
[比較例2]
比較例2として、以下のポリマーを使用した。
Figure 2017141707
表面処理剤の調製及び硬化被膜の形成
実施例1〜3で得られたフルオロポリエーテル基含有ポリマー変性シランのうち、実施例1,2で得られたフルオロポリエーテル基含有ポリマー変性シランを用いて、表面処理剤として以下の評価に供した。即ち、実施例1,2で得られたフルオロポリエーテル基含有ポリマー変性シラン及び比較例1,2のポリマーを、濃度20質量%になるようにNovec 7200(3M社製、エチルパーフルオロブチルエーテル)に溶解させて表面処理剤を調製した。
[薄膜塗工]
最表面にSiO2を10nm処理したガラス(コーニング社製 Gorilla)に、各表面処理剤6mgを真空蒸着し(処理条件は、圧力:2.0×10-2Pa、加熱温度:700℃)、25℃、湿度40%の雰囲気下で12時間硬化させて膜厚7nmの硬化被膜を形成した。
[厚膜塗工]
最表面にSiO2を10nm処理したガラス(コーニング社製 Gorilla)に、各表面処理剤10mgを真空蒸着し(処理条件は、圧力:2.0×10-2Pa、加熱温度:700℃)、25℃、湿度40%の雰囲気下で12時間硬化させて膜厚14nmの硬化被膜を形成した。
撥水性の評価
[初期撥水性の評価]
上記にて薄膜塗工により硬化被膜を形成したガラスについて、接触角計Drop Master(協和界面科学社製)を用いて、硬化被膜の水に対する接触角(撥水性)を測定した(液滴:2μl、温度:25℃、湿度:40%)。結果(初期水接触角)を表1に示す。
初期においては、実施例、比較例共に良好な撥水性を示した。
[耐摩耗性の評価]
上記にて薄膜塗工により硬化被膜を形成したガラス(耐摩耗性評価用)について、ラビングテスター(新東科学社製)を用いて、下記条件で10,000回擦った後の硬化被膜の水に対する接触角(撥水性)を上記と同様にして測定し、耐摩耗性の評価とした。試験環境条件は25℃、湿度40%である。結果(摩耗後水接触角)を表1に示す。
耐スチールウール摩耗性
スチールウール:BONSTAR#0000(日本スチールウール株式会社製)
接触面積:10mmφ
移動距離(片道)30mm
移動速度1,800mm/分
荷重:1kg/cm2
実施例1,2の化合物は、分子内にエーテル連結基を複数有することで、基材との密着性が向上したため、実施例1,2の化合物を用いた表面処理剤の硬化被膜は比較例に比べ、接触角100°以上と良好な耐摩耗性を発揮した。
[ヘーズ値の評価]
上記にて薄膜塗工及び厚膜塗工により硬化被膜を形成したガラス(ヘーズ値評価用)について、JIS K 7136:2000に従いヘーズメーター(NDH−5000)(日本電色工業株式会社製)を用いてヘーズ値を測定した。結果(ヘーズ値)を表1、2に示す。ヘーズ値は0.3以上から目視で曇りが確認される。薄膜(7nm)塗工時は、実施例、比較例いずれもヘーズ値は0.3以下と低い値であった。一方、厚膜(14nm)塗工時においては、実施例1,2の化合物は、分子内に極性基であるエーテル連結基を複数有することで基材との濡れ性が向上したため、実施例1,2の化合物を用いた表面処理剤の硬化被膜は比較例に比べヘーズ値が0.3以下と視認性の向上を確認できた。
Figure 2017141707
Figure 2017141707
[実施例1]
反応容器に、下記式(A)
Figure 2017141707
で表される化合物2.9×10-2mol、下記式(B)
Figure 2017141707
で表される化合物4.3×10-2mol、テトラブチルアンモニウム硫酸水素塩0.89g(2.6×10-3mol)を混合した。続いて、30質量%水酸化ナトリウム水溶液35g(2.6×10-1mol)を添加した後、60℃で20時間加熱した。加熱終了後、室温まで冷却し、塩酸水溶液を滴下した。分液操作により、下層であるフッ素化合物層を回収後、アセトンで洗浄した。洗浄後の下層であるフッ素化合物層を再び回収し、減圧下、残存溶剤を留去した。上記操作を再度行うことで、下記式(C)
Figure 2017141707
で表されるフルオロポリエーテル基含有ポリマー103gを得た。
なお、式(C)で表されるフルオロポリエーテル基含有ポリマーのNMRによる分子構造の解析結果は次の通りである。
反応容器に、上記で得られた下記式(C)
Figure 2017141707
で表される化合物1.5×10-2mol即ち、末端アリルエーテル基;4.5×10-2molに相当)、1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン50g、トリメトキシシラン11g(9.0×10-2mol)、及び塩化白金酸/ビニルシロキサン錯体のトルエン溶液5.0×10-2g(Pt単体として1.5×10-7molを含有)を混合し、80℃で5時間熟成させた。その後、溶剤及び未反応物を減圧留去し、液状の生成物55gを得た。
[実施例2]
反応容器に、下記式(A)
Figure 2017141707
で表される化合物2.9×10-2mol、下記式(E)
Figure 2017141707
で表される化合物4.3×10-2 mol、テトラブチルアンモニウム硫酸水素塩0.89g(2.6×10-3mol)を混合した。続いて、30質量%水酸化ナトリウム水溶液35g(2.6×10-1mol)を添加した後、60℃で20時間加熱した。加熱終了後、室温まで冷却し、塩酸水溶液を滴下した。分液操作により、下層であるフッ素化合物層を回収後、アセトンで洗浄した。洗浄後の下層であるフッ素化合物層を再び回収し、減圧下、残存溶剤を留去した。上記操作を再度行うことで、下記式(F)
Figure 2017141707
で表されるフルオロポリエーテル基含有ポリマー101gを得た。
なお、式(F)で表されるフルオロポリエーテル基含有ポリマーのNMRによる分子構造の解析結果は次の通りである。
反応容器に、上記で得られた下記式(F)
Figure 2017141707
で表される化合物1.5×10-2mol即ち、末端アリルエーテル基;3.0×10-2molに相当)、1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン50g、トリメトキシシラン7.3g(6.0×10-2mol)、及び塩化白金酸/ビニルシロキサン錯体のトルエン溶液5.0×10-2g(Pt単体として1.5×10-7molを含有)を混合し、80℃で5時間熟成させた。その後、溶剤及び未反応物を減圧留去し、液状の生成物52gを得た。
[実施例3]
反応容器に、下記式(H)
Figure 2017141707
で表される化合物2.7×10-2mol即ち、末端ヒドロキシ基;5.4×10-2molに相当)、下記式(B)
Figure 2017141707
で表される化合物8.1×10-2mol、テトラブチルアンモニウム硫酸水素塩1.7g(4.9×10-3mol)を混合した。続いて、30質量%水酸化ナトリウム水溶液65g(4.9×10-1mol)を添加した後、60℃で20時間加熱した。加熱終了後、室温まで冷却し、塩酸水溶液を滴下した。分液操作により、下層であるフッ素化合物層を回収後、アセトンで洗浄した。洗浄後の下層であるフッ素化合物層を再び回収し、減圧下、残存溶剤を留去した。上記操作を再度行うことで、下記式(I)
Figure 2017141707
で表されるフルオロポリエーテル基含有ポリマー107gを得た。
なお、式(I)で表されるフルオロポリエーテル基含有ポリマーのNMRによる分子構造の解析結果は次の通りである。
反応容器に、上記で得られた下記式(I)
Figure 2017141707
で表される化合物1.33×10-2mol即ち、末端アリルエーテル基;8.0×10-2molに相当)、1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン50g、トリメトキシシラン20g(1.6×10-1mol)、及び塩化白金酸/ビニルシロキサン錯体のトルエン溶液5.0×10-2g(Pt単体として1.5×10-7molを含有)を混合し、80℃で5時間熟成させた。その後、溶剤及び未反応物を減圧留去し、液状の生成物60gを得た。

Claims (9)

  1. 下記一般式(1)
    Figure 2017141707
    (式中、Rfは1価又は2価のフルオロオキシアルキレン基含有ポリマー残基であり、Qはエーテル結合を含んでいてもよい炭素数2〜6の2価の炭化水素基であり、Yはケイ素原子、シリレン基及び/又はシロキサン結合を有してもよい2〜6価の炭化水素基であり、Rは独立に炭素数1〜4のアルキル基であり、Xは独立に水酸基又は加水分解性基であり、nは1〜3の整数であり、γは1〜5の整数であり、mは1〜5の整数であり、R’は炭素数1〜4のアルキル基であり、βは1〜3の整数であり、αは1又は2である。)
    で表されるフルオロポリエーテル基含有ポリマー変性シラン。
  2. 前記式(1)のαが1であり、Rf基が下記一般式(2)で表される1価のフルオロオキシアルキレン基含有ポリマー残基であることを特徴とする請求項1記載のフルオロポリエーテル基含有ポリマー変性シラン。
    Figure 2017141707
    (式中、p、q、r、sはそれぞれ0〜200の整数で、p+q+r+s=3〜200の整数であり、各繰り返し単位は直鎖状でも分岐状であってもよく、各繰り返し単位同士はランダムに結合されていてよく、dは1〜3の整数であり、該単位(-Cd2d-)は直鎖状でも分岐状であってもよい。)
  3. 前記式(1)のαが2であり、Rf基が下記一般式(3)で表される2価のフルオロオキシアルキレン基含有ポリマー残基であることを特徴とする請求項1記載のフルオロポリエーテル基含有ポリマー変性シラン。
    Figure 2017141707
    (式中、p、q、r、sはそれぞれ0〜200の整数で、p+q+r+s=3〜200の整数であり、各繰り返し単位は直鎖状でも分岐状であってもよく、各繰り返し単位同士はランダムに結合されていてよく、dは1〜3の整数であり、該単位(-Cd2d-)はそれぞれ独立に直鎖状でも分岐状であってもよい。)
  4. 前記式(1)において、Yが、炭素数3〜10のアルキレン基、炭素数6〜8のアリーレン基を含むアルキレン基、アルキレン基相互がケイ素原子、シリレン基、シルアルキレン構造又はシルアリーレン構造を介して結合している2価の基、及びケイ素原子数2〜10個の直鎖状又はケイ素原子数3〜10個の分岐状もしくは環状の2〜4価のオルガノポリシロキサン残基、又はケイ素原子の結合手に炭素数2〜10のアルキレン基が結合している2〜4価の基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基である請求項1〜3のいずれか1項に記載のフルオロポリエーテル基含有ポリマー変性シラン。
  5. 前記式(1)において、Qが、
    −CH2OCH2
    である請求項1〜4のいずれか1項に記載のフルオロポリエーテル基含有ポリマー変性シラン。
  6. 前記式(1)において、Xがそれぞれ、水酸基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数2〜10のアルコキシアルコキシ基、炭素数2〜10のアシロキシ基、炭素数2〜10のアルケニルオキシ基及びハロゲン基からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1〜5のいずれか1項に記載のフルオロポリエーテル基含有ポリマー変性シラン。
  7. 式(1)で表されるポリマー変性シランが、下記式のいずれかで表されるものである請求項1〜6のいずれか1項に記載のフルオロポリエーテル基含有ポリマー変性シラン。
    Figure 2017141707
    Figure 2017141707
    (式中、p1は5〜100の整数、q1は5〜100の整数であり、p1+q1は10〜105の整数である。)
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のフルオロポリエーテル基含有ポリマー変性シラン及び/又はその部分(加水分解)縮合物を含む表面処理剤。
  9. 請求項8に記載の表面処理剤の硬化被膜を表面に有する物品。
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