JPWO2017138133A1 - 温冷水空調システム - Google Patents

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Abstract

圧縮機を有するヒートポンプ熱源機と、空調機器と、ヒートポンプ熱源機と空調機器とを環状に接続して循環水路を形成する配管と、循環水路内の水を循環させる水循環ポンプと、ヒートポンプ熱源機からの往き水温を検出する水温センサーと、設定される目標水温と往き水温との差分に基づいてサーモON/OFFを制御するサーモON/OFF制御を実行する制御装置とを備える温冷水空調システムにおいて、制御装置は、圧縮機において、サーモON/OFFサイクル運転が実行されていると判断されたら、サーモON/OFF抑制制御に切り替える。サーモON/OFF抑制制御において、制御装置は、サーモON/OFFサイクル運転が実行されていると判断されたときの圧縮機における冷媒温度に基づいて、サーモONおよびサーモOFFの動作条件を設定する。

Description

本発明は、ヒートポンプ熱源機により生成された温水または冷水を温冷水空調機器に送って室内を暖房または冷房する温冷水空調システムに関するものである。
ヒートポンプサイクルを利用する給湯や暖房を行うヒートポンプ温水暖房システムでは、ヒートポンプサイクルの冷媒から熱交換器を介して加熱された温水を、暖房を行う室内放熱器や貯湯タンクに供給し、その後、利用した温水をヒートポンプサイクルの熱交換器に戻す暖房温水循環回路を有している。その供給する温水を制御するために、暖房温水循環回路には、供給される温水の往き温度を検出する往き温度センサーが設けられている。
これまでのヒートポンプ温水暖房システムでは、主として、ヒートポンプサイクルにおけるヒートポンプ容量(圧縮機の運転周波数)の変化に対して、応答性が速く制御しやすい往き温度制御が行われている。このような往き温度制御では、温水暖房システムの負荷側にある室内放熱器の効率が低い場合や、季節の中間期など必要とする空調給湯負荷が小さい場合、ヒートポンプサイクル熱源側は圧縮機の運転周波数制御を実施し、最小供給能力で圧縮機を運転する。この最小供給能力の運転により供給される熱量が空調給湯負荷側の放熱量より大きいと、暖房温水循環回路の往き温度が目標往き温度を超えるため、供給能力を下げるべく、圧縮機の運転が、サーモON/OFFが短期間で断続的に発生するいわゆるON/OFFサイクル運転の状態になることがある。
特許文献1に記載の空気調和装置では、ヒートポンプ熱源側の供給能力が空調給湯負荷を超えている場合にON/OFFサイクル運転となることを回避するために、サーモON/OFFの動作点温度を補正している。すなわち、所定時間内の圧縮機の停止回数が多くなっていることが検出されると、予め設定された冷媒の蒸発温度または凝縮温度の目標値を変更し、実際の蒸発温度または凝縮温度との偏差を小さくする制御が行われる。また、特許文献2に記載の空気調和装置では、初期値として設定されたサーモオフ動作点温度およびサーモオン動作点温度をサーモオフの持続時間に応じて補正し、サーモオフの時間が短くなることを防止している。
特開2002−61925号公報 特開2008−209029号公報
特許文献1および特許文献2に記載の空気調和装置における制御では、ヒートポンプ熱源機におけるサーモON/OFFの時間間隔の拡張は、サーモON/OFFの動作の開始の判定基準となる目標値若しくは初期値等の閾値を変更することにより行われている。従って、ヒートポンプ熱源側の供給能力が空調給湯負荷を超えている場合に発生する可能性のある圧縮機への液冷媒の流入、およびそれに伴う冷凍機油の油濃度の低下という問題は回避できないという問題がある。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、ヒートポンプ熱源側の供給能力が空調給湯負荷を超えた場合であっても、ヒートポンプ熱源機のサーモON/OFFサイクル運転を防止すると共に圧縮機における油濃度の低下を抑制することを目的とする。
本発明に係る温冷水空調システムは、圧縮機を有するヒートポンプ熱源機と、室内の空調を行う空調機器と、ヒートポンプ熱源機と空調機器とを環状に接続したて循環水路と、循環水路内の水を循環させる水循環ポンプと、水循環ポンプの運転によってヒートポンプ熱源機から流出する水の温度である往き水温を検出する水温センサーと、ヒートポンプ熱源機のサーモON/OFFを制御する制御装置とを備え、制御装置は、設定される目標水温と往き水温との差分が第1温度差のときサーモONし、目標水温と往き水温との差分が第2温度差のときサーモOFFするサーモON/OFF通常制御と、サーモON/OFF通常制御のサーモON/OFFの時間間隔より長い時間間隔でサーモON/OFFするサーモON/OFF抑制制御とを実行する、サーモON/OFF制御手段と、サーモON/OFF通常制御からサーモON/OFF抑制制御へ切り替える切替手段とを有し、切替手段は、ヒートポンプ熱源機の最小供給能力が空調機器の必要熱量よりも大きく、かつ、サーモON/OFFが所定の時間間隔より短い時間間隔で繰り返される回数をカウントする変数が所定値に達した場合、サーモON/OFF通常制御からサーモON/OFF抑制制御への切替を実行し、サーモON/OFF制御手段は、切替手段によりサーモON/OFF通常制御からサーモON/OFF抑制制御へ切り替えられたときの圧縮機における冷媒温度に基づいて、圧縮機を停止する強制停止時間を設定し、強制停止時間中に発生する往き水温度の変化に基づいて第3温度差を設定し、強制停止時間が経過し、かつ目標水温と往き水温との差分が第1温度差のときサーモONし、目標水温と往き水温との差分が第3温度差のとき、サーモOFFするものである。
本発明に係る温冷水空調システムによると、サーモON/OFFサイクル運転の状態が確認されて実行されるサーモON/OFF抑制制御において、サーモON/OFFサイクル運転が実行されていることが確認された時点での圧縮機の冷媒温度に基づいて圧縮機を強制的に停止する強制停止時間を設定し、強制停止時間の経過をサーモONの条件に加えると共に、強制停止中に生じた往き水温の温度変化に基づいて、サーモOFFの動作点温度を変更している。従って、圧縮機の運転状態を加味しながらサーモON/OFFサイクル運転を抑制することができる。その結果、ヒートポンプ熱源機の最小供給能力が空調機器の必要熱量を超えている場合であっても、サーモON/OFFサイクル運転を防止すると共に、圧縮機における油濃度の低下を抑制することができ、高効率かつ高寿命な温冷水空調システムを提供することができる。
本発明の実施の形態1に係る温冷水空調システムの概略構成を示すブロック図である。 図1に示すヒートポンプ熱源機の概略構成を示す冷媒回路図である。 本発明の実施の形態1に係る温冷水空調システムの制御装置と、該制御装置との間で入出力が行われる構成要素とを示すブロック図である。 本発明の実施の形態1に係る温冷水空調システムの温水暖房運転における圧縮機の制御動作を示すフローチャートである。 従来の温冷水空調システムにおいて温水暖房運転における圧縮機の運転状態を示すタイムチャートである。 本発明の実施の形態1に係る温冷水空調システムにおいて温水暖房運転における圧縮機の運転状態を示すタイムチャートである。 本発明の実施の形態2に係る温冷水空調システムの概略構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態3に係る温冷水空調システムの概略構成を示すブロック図である。
以下に、本発明における温冷水空調システムの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、以下の図面においては各構成部材の大きさは実際の装置とは異なる場合がある。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る温冷水空調システムの概略構成を示すブロック図である。図1に示す温冷水空調システムは、温水暖房または冷水冷房のいずれかの運転を行うことができるヒートポンプ熱源機1と、室内の空調を行うための温冷水空調機器2(空調機器)と、ヒートポンプ熱源機1と温冷水空調機器2とを環状に接続して循環水路を形成する配管4と、その循環水路内の水を循環させる水循環ポンプ3と、水循環ポンプ3の運転によってヒートポンプ熱源機1から流出する温水または冷水の温度(以下、水温という)を検出する往き水温センサー5と、制御装置6とを備えている。
温冷水空調機器2は、ヒートポンプ熱源機1から配管4を介して流入する温水または冷水に応じて、室内の空間を暖房または冷房する。水循環ポンプ3は、制御装置6の制御によって交流電源が印加されたときに一定の回転速度で回転する。この水循環ポンプ3を用いることにより、水循環ポンプ3の回転数を制御する必要がないので、制御アルゴリズムを比較的シンプルで低コストにできる。
ここで、ヒートポンプ熱源機1の構成について、図2を用いて説明する。図2は、図1に示すヒートポンプ熱源機の概略構成を示す冷媒回路図である。ヒートポンプ熱源機1は、圧縮機103、四方弁104、水熱交換器102、第1膨張弁106、中圧レシーバ105、第2膨張弁107、および空気熱交換器101を備え、これらを順次に配管で接続して冷媒回路が構成されている。この冷媒回路の構成は、一例であって、限定されるものではない。
圧縮機103は、インバータ装置等を備え、制御装置6により制御される運転周波数に応じて、冷媒を吸入圧縮して吐出する容量を細かく変化させる。四方弁104は、温水暖房運転時に圧縮機103からの冷媒が水熱交換器102に流れるように切り替えると共に、空気熱交換器101からの冷媒が圧縮機103に吸入されるように切り替える。また、四方弁104は、冷水冷房運転時に圧縮機103からの冷媒が空気熱交換器101に流れるように切り替えると共に、水熱交換器102からの冷媒が圧縮機103に吸入されるように切り替える。この四方弁104の切り替えは、制御装置6によって行われる。
水熱交換器102は、冷媒回路を流れる冷媒と配管内を流れる水との熱交換を行う。この水熱交換器102は、温水暖房運転時に放熱器(凝縮器)として作用し、配管内を流れる水を加熱する。また、水熱交換器102は、冷水冷房運転時に吸熱器(蒸発器)として作用し、配管内を流れる水を冷却する。なお、本実施の形態1では、水熱交換器102をヒートポンプ熱源機1に内蔵させているが、例えば水熱交換器102をヒートポンプ熱源機1から分離して独立に設けるようにしてもよいし、温冷水空調機器2内に設けてもよい。
第1膨張弁106は、冷媒の流量を調整して、例えば水熱交換器102を流れる冷媒の圧力を調整(減圧)する。中圧レシーバ105は、冷媒回路の第1膨張弁106と第2膨張弁107との間に設けられ、冷媒回路の余剰冷媒を溜める。中圧レシーバ105には、四方弁104から圧縮機103の吸入側に接続されている吸入配管が通過している。この中圧レシーバ105は、吸入配管を通過する冷媒と余剰冷媒との熱交換を行うことができ、内部熱交換器としての機能を備えている。
また、第2膨張弁107は、第1膨張弁106と同様に、冷媒の流量を調整して、圧力を調整する。第1膨張弁106および第2膨張弁107には、制御装置6からの指示に基づいて弁の開度を変化させることができる電子膨張弁が用いられている。空気熱交換器101は、冷媒と送風機により送られる外気との熱交換を行う、例えばフィンアンドチューブ型熱交換器である。この空気熱交換器101は、温水暖房運転時には吸熱器(蒸発器)として作用し、冷水冷房運転時には放熱器(凝縮器)として作用する。
ヒートポンプ熱源機1の冷媒回路を流れる冷媒として、例えば、HFC系の混合冷媒であるR410AあるいはR407C、さらには、地球温暖化係数が低いHFC系の単一冷媒であるR32のいずれかを用いてもよい。また、これらに代えて、ハイドロフルオロオレフィン系の冷媒(HFO1234yf、HFO1234zeなど)、HC系のR290(プロパン)あるいはR1270(プロピレン)の単一または混合冷媒のいずれかを用いてもよい。
上述の制御装置6は、往き水温センサー5により検出される水温に基づいて、圧縮機103のON/OFF運転、圧縮機103の運転周波数を制御する。また、制御装置6は、利用者のリモコン操作によって設定された室内設定温度、温冷水空調機器2の空調によって得られる室内温度、往き水温センサー5により検出される水温などを基に、ヒートポンプ熱源機1の運転を制御する。
上述のように構成された温冷水空調システムにおいて、温水暖房運転または冷水冷房運転を行っているときの水サイクルについて説明する。温水暖房運転においては、一定の回転速度で回転する水循環ポンプ3により、水がヒートポンプ熱源機1と温冷水空調機器2との間を循環する。水循環ポンプ3から吐出される循環水は、ヒートポンプ熱源機1に流入し、ヒートポンプ熱源機1の水熱交換器102を通過しながら加熱される。加熱された循環水の温水は、温冷水空調機器2へ供給されて室内の空気と熱交換(放熱)し、室内を暖房する。そして、その熱交換によって温度が下がった温水は、再び水循環ポンプ3に吸引され、ヒートポンプ熱源機1へ送り込まれて循環する。
冷水冷房運転においては、水循環ポンプ3から吐出される循環水は、ヒートポンプ熱源機1の水熱交換器102により冷却される。冷却された循環水の冷水は、温冷水空調機器2へ供給されて室内の空気と熱交換(吸熱)し、室内を冷房する。そして、その熱交換により温度が上がった冷水は、再び水循環ポンプ3に吸引され、ヒートポンプ熱源機1へ送り込まれて循環する。
図3は、実施の形態1に係る温冷水空調システムの制御装置と、該制御装置との間で入出力が行われる構成要素とを示すブロック図である。制御装置6は、サーモON/OFF制御手段61と、切替手段62と、復帰手段63とを備えている。サーモON/OFF制御手段61は、往き水温センサー5から入力される往き水温度に基づいて、サーモON/OFFが所定の時間間隔で繰り返されるサーモON/OFF通常制御と、サーモON/OFFが所定の時間間隔より長い時間間隔で実行されるサーモON/OFF抑制制御とを実行する。切替手段62は、往き水温センサー5から入力される往き水温度と圧縮機103の運転周波数とに基づいて、サーモON/OFF通常制御からサーモON/OFF抑制制御への切替えを実行する。復帰手段63は、往き水温度と圧縮機103の運転周波数とに基づいて、サーモON/OFF抑制制御からサーモON/OFF通常制御への復帰を実行する。
次に、この温冷水空調システムにおいて温水暖房運転における圧縮機103の制御ついて、図4に基づいて説明をする。図4は、実施の形態1に係る温冷水空調システムの温水暖房運転における圧縮機の制御動作を示すフローチャートである。図4のフローチャートに示す制御は制御装置6が実行する。
まず、制御装置6は、四方弁104を駆動して、圧縮機103の吐出側と水熱交換器102とを接続すると共に、空気熱交換器101と圧縮機103の吸入側とを接続する。次いで、制御装置6は、圧縮機103を駆動して冷媒を吐出させ、冷媒回路内を循環させる。そして、制御装置6は、水循環ポンプ3を一定の回転速度で回転させて配管4内の水を循環させ、温水暖房の運転を開始する。
その後、制御装置6のサーモON/OFF制御手段61は、ステップS1で、圧縮機103のサーモON/OFF通常制御を開始する。まず、サーモON/OFF制御手段61は、往き水温センサー5により検出された水温を読み込み、次いで、読み込んだ水温と目標水温とを比較して、圧縮機103のサーモON/OFFおよび運転周波数を制御する。この目標水温は、例えばユーザーのリモコン操作によって設定された値である。往き水温センサー5により検知した往き水温検知温度Tmが、目標往き水温Tt−T1(第1温度差、例えば、0.5deg)以下であれば、サーモONとなる。一方、往き水温センサー5により検知した往き水温検知温度Tmが、目標往き水温Tt+T2(第2温度差、例えば、2deg)以上あれば、サーモOFFとなる。
本実施の形態1では、ステップS1のサーモON/OFF通常制御による運転中に、サーモON/OFF抑制制御への切替判定を実施する。その内容について、以下に説明する。ステップS2で、切替手段62は、ヒートポンプ熱源機1の圧縮機103の運転周波数が最小周波数(例えば、25Hz)であるか否かをチェックする。圧縮機103の運転周波数が最小周波数でないことが確認されたらステップS3へ進む。圧縮機103が最小周波数より大きい周波数で運転されているということは、ヒートポンプ熱源機1の最小供給能力が温冷水空調機器2の必要熱量を上回っていないと判断できる。そこで、ステップS3では、サーモON/OFF通常制御からサーモON/OFF抑制制御への切替判定に用いる変数である判定カウント数Ncountをゼロにリセットする。判定カウント数Ncountは、短時間でのサーモON/OFFの切替が検出されたときに1インクリメントされる変数である。切替手段62は、判定カウント数Ncountをゼロにリセットする。その後、制御はステップS1へ戻り、サーモON/OFF制御手段61によるサーモON/OFF通常制御が継続される。
ステップS2で、圧縮機103の運転周波数が最小周波数であることが確認されたら、ステップS4へ進む。ステップS4では、切替手段62は、サーモONしてから所定時間TA(第1の所定時間、例えば、10分)以内にサーモOFFしたか否かをチェックする。サーモONからサーモOFFまでの時間間隔が所定時間TAより長い、すなわちサーモONによる運転が所定時間TA以上経過しているということは、サーモON/OFFサイクル運転の状態にはないと判断できる。従って、サーモONしてから所定時間TA以内にサーモOFFしていないことが確認されたらステップS3へ進み、判定カウント数Ncountをゼロにリセットする。その後、制御はステップS1へ戻り、サーモON/OFF制御手段61によるサーモON/OFF通常制御が継続される。
ステップS4で、サーモONしてから所定時間TA以内にサーモOFFしたことが確認されたら、ステップS5へ進む。ステップS5へ進む場合とは、圧縮機103の最小周波数での運転能力よりも温冷水空調機器2の必要熱量が小さくなっている状態において、サーモONから所定時間TAが経過する前にサーモOFFになった場合である。ステップS5では、判定カウント数Ncountがゼロであるか否かをチェックする。判定カウント数Ncountがゼロではない場合は、ステップS6へ進む。
ステップS6で、切替手段62は、前回、判定カウント数Ncountに1を加えてから所定時間TB(第2の所定時間、例えば、10分)が経過しているか否かをチェックする。ステップS6において所定時間TBが経過していないことが確認される場合とは、サーモONからサーモOFFするまでの時間が所定時間TAより短いことが確認されてから所定時間TBが経過する前に、再びサーモONからサーモOFFするまでの時間が所定時間TAより短いことが確認される場合である。すなわち、サーモON/OFFサイクル運転が開始されている可能性がある。そこで、この場合はステップS7へ進み、判定カウント数Ncountに1を加える。
ステップS6で、所定時間TBが経過していることが確認される場合とは、前回、サーモONからサーモOFFするまでの時間が所定時間TAより短いことが確認されてから、再び、サーモONからサーモOFFするまでの時間が所定時間TAより短いことが確認されるまで、所定時間TBが経過している場合である。従って、サーモON/OFFサイクル運転の状態にはないと判断される。そこで、この場合はステップS3へ進み、切替手段62は、判定カウント数Ncountをゼロにリセットする。その後、制御はステップS1へ戻り、サーモON/OFF制御手段61によるサーモON/OFF通常制御が継続される。
一方、ステップS5において、判定カウント数Ncountをゼロであることが確認されたら、ステップS6の処理はスキップし、ステップS7の処理が実行される。ステップS5において、短時間でのサーモON/OFFの繰り返しは発生していないものの、サーモONから所定時間TA以内にサーモOFFが確認されており、サーモON/OFFサイクル運転が開始されている可能性がある。そこで、この場合は、ステップS6の処理は行われず、ステップS7で判定カウント数Ncountに1が加えられる。
ステップS7の処理の後、ステップS8へ進み、切替手段62は、判定カウント数Ncountが一定回数以上であるか否かをチェックする。判定カウント数Ncountが一定回数未満である場合とは、圧縮機103が最低周波数で運転されている状態において、短時間でのサーモON/OFFが頻繁には起きていない場合であり、サーモON/OFFサイクル運転の状態にはない場合である。この場合は、サーモON/OFF通常制御を継続しても、冷媒回路を構成する各部品の寿命に影響を与えることはなく、また圧縮機103内における液冷媒の吸入という問題も生じないと判断できる。従って、判定カウント数Ncountが一定回数未満である場合、制御はステップS1へ戻り、サーモON/OFF制御手段61によるサーモON/OFF通常制御が継続される。
一方、判定カウント数Ncountが一定回数に達している場合とは、圧縮機103が最低周波数で運転されている状態において、サーモONからサーモOFFへの切替えおよびサーモOFFからサーモONへの切替えが、それぞれ所定時間TA、TB以下の時間間隔で繰り返し実行される場合である。すなわち、サーモON/OFFサイクル運転が実行されていると判断される。この場合は、サーモON/OFF通常制御を継続すると、冷媒回路を構成する各部品の寿命に影響を与える可能性があり、また圧縮機103内において液冷媒が吸入される可能性もある。従って、切替手段62は、サーモON/OFF通常制御からサーモON/OFF抑制制御への切替えを実行する。判定カウント数Ncountが一定回数に達していることが確認されたらステップS9へ進み、サーモON/OFF制御手段61によるサーモON/OFF抑制制御が開始される。
上述のステップS2からステップS8までは、切替手段62により実行される処理手順であり、サーモON/OFF通常制御を実施している最中に、サーモON/OFF抑制制御への切替えを判定する処理手順である。サーモON/OFF制御手段61は以下の制御を実施する。サーモONした後、往き水温センサー5により検知した往き水温検知温度Tmが目標往き水温Tt+T2に達しておらず、その差が大きいとき、サーモON/OFF制御手段61は、圧縮機103の運転周波数を上げて供給熱量を高める。この制御によりヒートポンプ熱源機1の加熱能力が温冷水空調機器2の放熱量よりも大きくなれば、往き水温センサー5により検知される往き水温検知温度Tmは上昇する。そして、往き水温検知温度Tmが目標往き水温Ttに到達したら、サーモON/OFF制御手段61は、ヒートポンプ熱源機1の供給能力と温冷水空調機器2の放熱量が釣り合うように、圧縮機103の運転周波数を徐々に下げ、往き水温の温度を維持する。
このとき、圧縮機103の運転周波数が最小周波数(例えば、25Hz)になっても、往き水温センサー5による往き水温検知温度Tmが上昇し続けてサーモOFFとなれば、ヒートポンプ熱源機1の最小周波数運転での最小供給能力は、温冷水空調機器2の放熱量よりも大きいと見なせる。
サーモOFFして圧縮機103が停止すると、ヒートポンプ熱源機1の供給能力はゼロとなる。その結果、往き水温センサー5により検出される往き水温検知温度Tmは下がり、再び目標往き水温Tt−T1以下になると、サーモONする。しかし、サーモONしても、ヒートポンプ熱源機1の最小周波数運転での最小供給能力は、温冷水空調機器2の放熱量よりも大きいため、さらに再びサーモOFFする。すなわち、ヒートポンプ熱源機1の最小周波数運転での最小供給能力が温冷水空調機器2の放熱量よりも大きい場合、サーモON(圧縮機103を最小周波数で運転)とサーモOFF(圧縮機103停止)が短いサイクルで断続的に繰り返すサーモON/OFFサイクル運転となる。
切替手段62は、一定の時間内でこのON/OFFサイクル運転となったかどうかを上述のステップS2〜S8の処理で判定している。
ステップS9で実行されるサーモON/OFF抑制制御について説明する。サーモON/OFF抑制制御において、サーモON/OFF制御手段61は、往き水温センサー5により検知された往き水温検知温度Tmを目標往き水温Ttと比較することなく強制的に圧縮機103を停止する強制停止時間αを設定する。強制停止時間αは、例えば10分である。そして、強制停止時間αの経過後、往き水温検知温度Tmを目標往き水温Ttと比較する。サーモON/OFF制御手段61は、往き水温検知温度Tmが目標往き水温Tt−T1以下となったら、サーモONを実施する。一方、往き水温検知温度Tmが目標往き水温Tt+所定の閾値T3(第3温度差、例えば、5deg)以上となったらサーモOFFを実施する。
サーモON/OFF抑制制御において設定される圧縮機103の強制停止時間αは、サーモON動作中に、判定カウント数Ncountが一定回数に達したときの、圧縮機103における冷媒温度(例えば、圧縮機103の吸入過熱度)により決定される。換言すると、切替手段62により、サーモON/OFF通常制御からサーモON/OFF抑制制御に切り替えられたときの、圧縮機103における冷媒温度により決定される。この冷媒温度が相対的に高いとき、強制停止時間αは相対的に長く設定される。また、サーモON/OFF抑制制御においてサーモOFFの実施を判断する際、往き水温検知温度Tmと目標往き水温Ttとの比較に用いられる閾値T3は、サーモON/OFF抑制制御が開始された後の初回のサーモOFFが確認されるときに、強制停止時間αにおける往き水温の低下の度合いに応じて設定される。換言すると、サーモON/OFF抑制制御において、サーモOFFの動作点温度は、強制停止時間αにおける往き水温の低下の度合いに基づいて補正される。従って、冷媒温度が相対的に高く、強制停止時間αが長く設定されれば、往き水温の低下はより大きくなるため、閾値T3は高く設定される。強制停止時間αおよび閾値T3は、ヒートポンプ熱源機1の性能によって適正な値が異なるため、実際にサーモON/OFFサイクル運転を発生される試験を行った結果に基づいて設定される。
さらに、サーモON/OFF抑制制御において、往き水温センサー5により検知した往き水温検知温度Tmと往き水温上限値Txとを比較し、往き水温検知温度Tmが往き水温上限値Txを超えている場合、サーモON/OFF制御手段61は、圧縮機103を停止する処理を実行する。往き水温上限値Txは、ユーザーがリモコンなどで設定する。この処理により、往き水温が高温になることで温冷水空調機器2に許容上限温度以上の高温水が流入し、温冷水空調機器2の動作に不具合が生じることが防止される。
本実施の形態1では、ステップS9のサーモON/OFF抑制制御による運転中、復帰手段63は、サーモON/OFF通常制御への復帰判定を実施する。その内容について、以下に説明する。ステップS10において、復帰手段63は、圧縮機103が最小運転周波数より高い周波数で所定時間(第3の所定時間)連続して運転しているか否か(例えば、最小運転周波数が25Hzとし、所定時間が60分だとすると、26Hzで60分間、連続して運転しているか否か)をチェックする。復帰手段63が圧縮機103の運転周波数が最低周波数であることを確認したら、制御は再びステップS9へ戻り、サーモON/OFF制御手段61によるサーモON/OFF抑制制御が継続される。
圧縮機103が最小運転周波数より高い周波数で所定時間、連続して運転している場合とは、ヒートポンプ熱源機1の最小供給能力が温冷水空調機器2の放熱量以下であり、サーモON/OFF通常制御を実施しても、サーモON/OFFサイクル運転となる可能性は低いと判断できる。従って、この場合はステップS3へ進み、復帰手段63は、判定カウント数Ncountをリセットしてゼロとし、ステップS1へ戻り、サーモON/OFF制御手段61による制御をサーモON/OFF抑制制御からサーモON/OFF通常制御へ復帰させる。
ここで、従来の圧縮機の運転状態と本実施の形態1における圧縮機の運転状態の相違を図5および図6を用いて説明する。図5は従来の温冷水空調システムにおいて温水暖房運転における圧縮機の運転状態を示すタイムチャート、図6は実施の形態1に係る温冷水空調システムにおいて温水暖房運転における圧縮機の運転状態を示すタイムチャートである。図5および図6のタイムチャートは、ヒートポンプ熱源機の最小供給能力が温冷水空調機器の放熱量より大きい場合の運転状態を示している。すなわち、図5は、本実施の形態1に係るサーモON/OFF抑制制御(上述のステップS9の処理)を行っているときの水温の変化と圧縮機103の運転状態を示している。
従来の圧縮機103の運転では、図5に示すように、サーモON/OFF通常制御のみが実行される。往き水温センサー5により検出される水温の応答性が早いがゆえに、サーモONしてから間も無く水温が目標水温以上となりサーモOFF(ヒートポンプ熱源機1の圧縮機103の運転を停止)となる。圧縮機103は停止しても、水循環ポンプ3は駆動して循環水は流れている。従って、サーモOFFした後、水温は間も無く目標水温よりも低くなり、サーモONする。つまり、圧縮機103はサーモON/OFFサイクル運転となり、ヒートポンプ熱源機1はON/OFF運転を行うことになる。
これに対して、本実施の形態1においては、短い時間間隔でのサーモON/OFFが所定回数に達し、サーモON/OFFサイクル運転を検出すると、サーモON/OFF通常制御からサーモON/OFF抑制制御へ切り替えられる。サーモON/OFF抑制制御では、サーモON/OFF抑制制御に切り替わったとき、すなわちサーモON/OFFが所定回数に達したときの圧縮機103の例えば吸入加熱度等の冷媒温度に基づいて強制停止時間が設定される。そして、サーモONとする条件に強制停止時間の経過が加えられる。さらに、強制停止時間中に発生する往き水温の温度低下に基づいて、次回以降のサーモOFFの動作点温度を補正している。その結果、空調の快適性を損なうことなく、サーモON/OFFの時間間隔を拡張し、サーモON/OFF回数を抑制することができる。
本実施の形態1を温水暖房運転する場合について説明したが、冷水冷房運転においても、図4に示すフローチャートと同様の処理手順で、サーモON/OFF通常制御とサーモON/OFF抑制制御の切替が実行される。冷水冷房運転の場合は、四方弁104の切り替えにより、冷媒の流れは温水暖房運転のときと反転する。つまり、空気熱交換器101が放熱器(凝縮器)として作用し、水熱交換器102が吸熱器(蒸発器)として作用し、水熱交換器102を流れる水を冷却する。
冷水冷房運転におけるサーモON/OFF通常制御では、制御装置6は、往き水温センサー5により検知した往き水温検知温度Tmが、目標往き水温Tt+T4(第1温度差、例えば、T4=0.5deg)以上のときサーモONし、往き水温センサー5により検知した往き水温検知温度Tmが、目標往き水温Tt−T5(第2温度差、例えば、T5=2deg)以下のときサーモOFFする。冷水冷房運転におけるサーモON/OFF通常制御からサーモON/OFF抑制制御への切替は、上述のステップS2〜S8と同様に実行される。冷水冷房運転におけるサーモON/OFF抑制制御は、上述のステップS9と同様に実行される。サーモON/OFFが所定回数に達したときの圧縮機103の冷媒温度に基づいて強制停止時間を設定する。サーモONの条件に圧縮機103を強制停止時間の経過が加えられると共に、強制停止時間中に発生する往き水温の温度上昇に基づいて、次回以降のサーモOFFの動作点温度が補正される。
以上のように、本実施の形態1に係る温冷水空調システムにおいて、制御装置6は、ヒートポンプ熱源機1の最小供給能力が温冷水空調機器2の必要とする放熱量または吸熱量を上回っている状態で、短時間におけるサーモON/OFFの断続的な切替を検出すると、サーモON/OFF通常制御からモサーモON/OFF抑制制御に切り替え、一方、ヒートポンプ熱源機1の最小供給能力が温冷水空調機器2の必要とする放熱量または吸熱量を下回っていることを検出するとサーモON/OFF抑制制御からサーモON/OFF通常制御に切り替えて運転をしている。そして、サーモON/OFF抑制制御では、サーモON/OFFサイクル運転の状態にあると判断された時点での圧縮機103の冷媒温度に基づいて、サーモONおよびサーモOFFの条件を設定している。従って、ヒートポンプ熱源機1の最小供給能力が温冷水空調機器2の温水暖房の場合の放熱量または冷水冷房の場合の吸熱量より大きい場合でも、圧縮機103の運転状態を加味しながらサーモON/OFFサイクル運転を抑制することができる。その結果、サーモON/OFFサイクル運転を防止すると共に、圧縮機103における油濃度の低下を抑制することができ、高効率かつ高寿命な温冷水空調システムを提供することができる。
実施の形態2.
図7は、本発明の実施の形態2に係る温冷水空調システムの概略構成を示すブロック図である。本実施の形態2は、実施の形態1の温冷水空調システムにおいて、ヒートポンプ熱源機1と往き水温センサー5との間に循環水を加熱する補助ヒーター7を備えたものである。温水暖房運転において、ヒートポンプ熱源機1の供給能力が不足したときに、補助ヒーター7を補助熱源として循環水を加熱する。補助ヒーター7への電力供給は、制御装置6によって行われる。
本実施の形態2においては、温水暖房運転または冷水冷房運転での圧縮機103の制御動作は図4に示すフローチャートと同じである。つまり、制御装置6は、ヒートポンプ熱源機1の最小供給能力が温冷水空調機器2の必要とする放熱量または吸熱量を上回っている状態で、短時間におけるサーモON/OFFの断続的な切替を検出すると、サーモON/OFF通常制御からモサーモON/OFF抑制制御に切り替える。また、ヒートポンプ熱源機1の最小供給能力が温冷水空調機器2の必要とする放熱量または吸熱量を下回っていることを検出するとサーモON/OFF抑制制御からサーモON/OFF通常制御に切り替える。そして、制御装置6は、サーモON/OFF抑制制御では、サーモON/OFFサイクル運転の状態にあると判断された時点での圧縮機103の冷媒温度に基づいて、サーモONおよびサーモOFFの条件を設定する。
従って、圧縮機103の運転周波数の制御によるヒートポンプ熱源機1の最小供給能力が、温冷水空調機器2の温水暖房の場合の放熱量、または冷水冷房の場合の吸熱量より大きい場合でも、圧縮機103の運転状態を加味した状態でサーモON/OFFサイクル運転を抑制することができ、実施の形態1と同様の効果が得られる。
実施の形態3.
図8は、実施の形態3に係る温冷水空調システムの概略構成を示すブロック図である。本実施の形態3は、実施の形態2の温冷水空調システムにおいて、熱交換器8が内蔵された貯湯タンク9を備えたものである。熱交換器8の一端は、補助ヒーター7と温冷水空調機器2との間の配管4に挿入された分岐管12a(分岐点)に配管12を介して接続され、熱交換器8の他端は、水循環ポンプ3と温冷水空調機器2との間の配管4に挿入された電動三方弁11(合流点)に配管12を介して接続されている。すなわち、貯湯タンク9は、配管12を介して温冷水空調機器2に対して並列に接続されている。また、貯湯タンク9には、熱交換器8により加熱される貯湯タンク9内の水温を検知するタンク水温センサー10が取り付けられている。
本実施の形態3における制御装置6は、例えばユーザーのリモコン操作に従って、温水暖房運転または冷水冷房運転、給湯運転のいずれかを選択する。制御装置6は、温水暖房運転または冷水冷房運転のときには、前述したようにヒートポンプ熱源機1と温冷水空調機器2との間で水(温水または冷水)が循環するように電動三方弁11を駆動する。また、制御装置6は、給湯運転のときには、ヒートポンプ熱源機1と熱交換器8との間で温水が循環するように電動三方弁11を駆動する。
本実施の形態3においては、温水暖房運転または冷水冷房運転の動作、および給湯運転の動作での圧縮機103の制御動作は、図4に示すフローチャートと同様であり、実施の形態2について上述した通りである。従って、圧縮機103の運転周波数の制御によるヒートポンプ熱源機1の最小供給能力が、温冷水空調機器2の温水暖房の場合の放熱量、または冷水冷房の場合の吸熱量より大きい場合でも、圧縮機103の運転状態を加味した状態でサーモON/OFFサイクル運転を抑制することができ、実施の形態1および実施の形態2と同様の効果が得られる。
本実施の形態3において、ヒートポンプ熱源機1と温冷水空調機器2との間に補助ヒーター7が設けられているがこれに限るものではない。補助ヒーター7を介さずにヒートポンプ熱源機1と温冷水空調機器2とを接続する構成としてもよい。
実施の形態1〜3において、制御装置6は、ヒートポンプ熱源機1の最小供給能力が温冷水空調機器2の必要熱量よりも大きく、サーモON/OFFが所定の時間間隔より短い状態が繰り返される回数が所定回数に達した場合、サーモON/OFF通常制御から前記サーモON/OFF抑制制御に切り替えている。従って、ヒートポンプ熱源機1の最小供給能力が温冷水空調機器2の必要熱量よりも大きい場合であっても、サーモON/OFFサイクル運転となることを防止することができる。
実施の形態1〜3において、制御装置6のサーモON/OFF制御手段61は、サーモON/OFFサイクル運転が実行されていると判断されたときの、圧縮機103における冷媒温度が相対的に高いとき、強制停止時間を相対的に長く設定している。その結果、強制停止時間の間、変化した往き水温に基づいて補正される閾値も相対的に大きくなる。すなわち、圧縮機103の動作状態を加味してサーモONの条件、サーモOFFの動作点が設定される。従って、サーモON/OFF抑制制御において、サーモON/OFFの時間間隔を拡張すると共に、圧縮機103における液冷媒の流入、およびそれに伴う冷凍機油の油濃度の低下を防止することができる。
切替手段62は、サーモONによる運転において圧縮機103の運転周波数が最小周波数でないとき、サーモONによる運転が所定時間TAを経過して連続しているとき、および、サーモONからサーモOFFするまでの時間が所定時間TAより短いことが確認されてから、再びサーモONからサーモOFFするまでの時間が所定時間TAより短いことが確認されるまでに、所定時間TBが経過しているときのそれぞれの場合に、判定カウント数Ncountをリセットして、サーモON/OFF通常制御を継続している。従って、サーモON/OFF通常制御からサーモON/OFF抑制通常制御への切替を的確に実行することができる。
実施の形態1〜3において、復帰手段63は、サーモサーモON/OFF抑制制御の実行中に、ヒートポンプ熱源機1の圧縮機103が、最小運転周波数より大きい運転周波数で、例えば60分の間、連続して運転されているとき、サーモON/OFF抑制制御からサーモON/OFF通常制御へ切り替えている。従って、サーモON/OFF抑制制御の終了を的確に実行することができる。
1 ヒートポンプ熱源機、2 温冷水空調機器、3 水循環ポンプ、4 配管、5 往き水温センサー、6 制御装置、7 補助ヒーター、8 熱交換器、9 貯湯タンク、10 タンク水温センサー、11 電動三方弁、12 配管、12a 分岐管、61 サーモON/OFF制御手段、62 切替手段、63 復帰手段、101 空気熱交換器、102 水熱交換器、103 圧縮機、104 四方弁、105 中圧レシーバ、106 第1膨張弁、107 第2膨張弁。
本発明に係る温冷水空調システムは、圧縮機を有するヒートポンプ熱源機と、室内の空調を行う空調機器と、前記ヒートポンプ熱源機と前記空調機器とを環状に接続した循環水路と、前記循環水路内の水を循環させる水循環ポンプと、前記水循環ポンプの運転によって前記ヒートポンプ熱源機から流出する水の温度である往き水温を検出する水温センサーと、前記ヒートポンプ熱源機のサーモON/OFFを制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、設定される目標水温と前記往き水温との差分が第1温度差のときサーモONし、前記目標水温と前記往き水温との差分が第2温度差のときサーモOFFするサーモON/OFF通常制御と、前記サーモON/OFF通常制御のサーモON/OFFの時間間隔より長い時間間隔でサーモON/OFFするサーモON/OFF抑制制御とを実行する、サーモON/OFF制御手段と、前記サーモON/OFF通常制御から前記サーモON/OFF抑制制御へ切り替える切替手段とを有し、前記切替手段は、前記ヒートポンプ熱源機の最小供給能力が前記空調機器の必要熱量よりも大きく、かつ、サーモON/OFFが所定の時間間隔より短い時間間隔で繰り返される回数をカウントする変数が所定値に達した場合、前記サーモON/OFF通常制御から前記サーモON/OFF抑制制御への切替を実行し、前記サーモON/OFF制御手段は、前記切替手段により前記サーモON/OFF通常制御から前記サーモON/OFF抑制制御へ切り替えられたときの前記圧縮機における冷媒温度に基づいて、前記圧縮機を停止する強制停止時間を設定し、前記強制停止時間中に発生する前記往き水温の変化に基づいて第3温度差を設定し、前記強制停止時間が経過し、かつ前記目標水温と前記往き水温との差分が前記第1温度差のときサーモONし、前記目標水温と前記往き水温との差分が前記第3温度差のとき、サーモOFFするものである。

Claims (7)

  1. 圧縮機を有するヒートポンプ熱源機と、
    室内の空調を行う空調機器と、
    前記ヒートポンプ熱源機と前記空調機器とを環状に接続した循環水路と、
    前記循環水路内の水を循環させる水循環ポンプと、
    前記水循環ポンプの運転によって前記ヒートポンプ熱源機から流出する水の温度である往き水温を検出する水温センサーと、
    前記ヒートポンプ熱源機のサーモON/OFFを制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、
    設定される目標水温と前記往き水温との差分が第1温度差のときサーモONし、前記目標水温と前記往き水温との差分が第2温度差のときサーモOFFするサーモON/OFF通常制御と、前記サーモON/OFF通常制御のサーモON/OFFの時間間隔より長い時間間隔でサーモON/OFFするサーモON/OFF抑制制御とを実行する、サーモON/OFF制御手段と、
    前記サーモON/OFF通常制御から前記サーモON/OFF抑制制御へ切り替える切替手段とを有し、
    前記切替手段は、前記ヒートポンプ熱源機の最小供給能力が前記空調機器の必要熱量よりも大きく、かつ、サーモON/OFFが所定の時間間隔より短い時間間隔で繰り返される回数をカウントする変数が所定値に達した場合、前記サーモON/OFF通常制御から前記サーモON/OFF抑制制御への切替を実行し、
    前記サーモON/OFF制御手段は、
    前記切替手段により前記サーモON/OFF通常制御から前記サーモON/OFF抑制制御へ切り替えられたときの前記圧縮機における冷媒温度に基づいて、前記圧縮機を停止する強制停止時間を設定し、前記強制停止時間中に発生する前記往き水温度の変化に基づいて第3温度差を設定し、前記強制停止時間が経過し、かつ前記目標水温と前記往き水温との差分が前記第1温度差のときサーモONし、前記目標水温と前記往き水温との差分が前記第3温度差のとき、サーモOFFする
    温冷水空調システム。
  2. 前記サーモON/OFF制御手段は、前記切替手段により前記サーモON/OFF通常制御から前記サーモON/OFF抑制制御へ切り替えられたときの、前記圧縮機における冷媒温度が相対的に高いとき、前記強制停止時間を相対的に長く設定する
    請求項1に記載の温冷水空調システム。
  3. 前記切替手段は、サーモONからサーモOFFするまでの時間が第1の所定時間より短いことが確認されてから第2の所定時間が経過する前に、再びサーモONからサーモOFFするまでの時間が前記第1の所定時間より短いことが確認されたら、前記変数を1インクリメントする
    請求項1または2に記載の温冷水空調システム。
  4. 前記切替手段は、サーモONによる運転において前記圧縮機の運転周波数が最小周波数でないとき、サーモONによる運転が前記第1の所定時間を経過して連続しているとき、および、サーモONからサーモOFFするまでの時間が前記第1の所定時間より短いことが確認されてから、再びサーモONからサーモOFFするまでの時間が前記第1の所定時間より短いことが確認されるまでに、前記第2の所定時間が経過しているときのそれぞれの場合に前記変数をリセットする
    請求項3に記載の温冷水空調システム。
  5. 前記制御装置は、さらに前記サーモON/OFF抑制制御から前記サーモON/OFF通常制御へ復帰させる復帰手段を有し、
    前記復帰手段は、前記サーモON/OFF制御手段による前記サーモON/OFF抑制制御の実行中に、前記圧縮機が、最小運転周波数より大きい運転周波数で、第3の所定時間の間、連続して運転されているとき、前記サーモON/OFF抑制制御から前記サーモON/OFF通常制御へ復帰させる
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の温冷水空調システム。
  6. 前記循環水路において、前記ヒートポンプ熱源機と前記水温センサーとの間に補助熱源を備えている
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の温冷水空調システム。
  7. 前記循環水路において、
    前記水温センサーと前記空調機器の間を分岐点とし、前記空調機器と前記水循環ポンプの間を合流点とし、前記空調機器に対して並列に配管で接続された熱交換器を有する貯湯タンクと、
    前記貯湯タンク内の水温を検知するタンク水温センサーと、
    前記分岐点および前記合流点のいずれかに設けられ、前記循環ポンプにより循環する水を前記空調機器側および前記貯湯タンク側のいずれかに流れるよう切り替える三方弁とを備える
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の温冷水空調システム。
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