JPWO2017130829A1 - マイクロアレイ、マイクロアレイの製造方法、検査方法、及び検査キット - Google Patents

マイクロアレイ、マイクロアレイの製造方法、検査方法、及び検査キット Download PDF

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Abstract

本発明は、血液試料と複数種類の試薬赤血球とを同一反応相にて同時に反応させることができ、簡便且つ高感度に不規則性抗体の検出及び同定を可能とするマイクロアレイを提供する。本発明のマイクロアレイは、血液試料中の不規則性抗体を検出及び同定するためのマイクロアレイであって、基板上に細胞表面上に既知の抗原を提示する赤血球又は赤血球ゴーストのセットが規則的に固定化されたことを特徴とする。本発明の検査方法は、血液試料中の不規則性抗体を検査するための方法であって、前記マイクロアレイに、被験者から採取した血液試料を接触させ、第1の抗原抗体反応を行う工程と、前記マイクロアレイを洗浄し、標識された抗ヒト抗体を接触させ、第2の抗原抗体反応を行う工程と、前記標識された抗ヒト抗体を検出する工程と、を備える。

Description

本発明は、本発明は、マイクロアレイ、マイクロアレイの製造方法、検査方法、及び検査キットに関する。に関する。
本願は、2016年1月25日に、日本に出願された特願2016−011762号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
輸血や出産時の母子免疫により産生される同種抗血球抗体(不規則性抗体)は、後の輸血や妊娠で重篤な副作用や流産等を惹起する可能性がある。そのため、現在、抗体スクリーニング法に臨床的に意義のある不規則性抗体のほとんどを検出できる間接抗グロブリン法(indirect antiglobulin test;IDAT)による検査を必須としている(例えば、非特許文献1参照。)。
不規則性抗体スクリーニングには、IDATの他に、生理食塩液法、酵素法、アルブミン法等を用いることができるが、検出できる抗体が限られているため、これらの方法はIDATと組み合わせて補助的に使用すべきであるとされている。
IDATには試験管法が日常検査として広く用いられている。また、多くの病院や検査センターでは、不規則性抗体スクリーニングのIDATにおいてカラム凝集法を採用している(例えば、非特許文献2参照。)。カラム凝集法では、検査の自動化も可能であり、結果の再現性が良好で、判定も客観的である。
厚生労働省医薬食品局血液対策課、「輸血療法の実施に関する指針(改定版)」、2005。 小黒博之、「ゲルカラム凝集法による輸血検査」、検査と技術、Vol.40(No.12)、p.1336−1344、2012。 西山由加李ほか、「カラム凝集法での抗D反応が弱いためpartial Dを疑い、遺伝子検査でpartial D(DBT−1)と判明した一例」、日本輸血細胞治療学会誌、Vol.57(No.4)、p.267−273、2011。 佐竹伊津子、「Micro Typing Systemゲルカラム凝集法でRhD陰性と判定されRhD変異型が疑われた1症例」、日本輸血細胞治療学会誌、Vol.57(No.2)、p356、2011。
IDATにおいて、試験管法では、凝集反応を目視判定するため、主観的で、検者の熟練度により結果が異なるという問題が指摘されている。
また、カラム凝集法では、この問題を回避することができるが、凝集反応の応用であるため、例えば「weak D」や「partial D」等の抗原性が弱い亜型の場合において、微弱な凝集から判定が陰性や疑陽性になってしまう症例が報告されている(例えば、非特許文献3及び4参照。)。さらに、カラム凝集法では、使用試薬赤血球種の少ない抗体スクリーニングや血液型の検査には使用されているが、赤血球を同時に10数種類用いる不規則性抗体同定用には実用化されていない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、血液試料と複数種類の試薬赤血球とを同一反応相にて同時に反応させることができ、簡便且つ高感度に不規則性抗体の検出及び同定を可能とするマイクロアレイを提供する。
すなわち、本発明は、以下の態様を含む。
[1]血液試料中の不規則性抗体を検出及び同定するためのマイクロアレイであって、基板上に細胞表面上に既知の抗原を提示する赤血球又は赤血球ゴーストのセットが規則的に固定化されたことを特徴とするマイクロアレイ。
[2]前記既知の抗原が、D、C、E、c、e、f、C、V、K、k、Kp、Kp、Js、Js、Fy、Fy、Jk、Jk、Xg、Le、Le、S、s、M、N、P、Lu、Lu、Di、Diからなる群から選ばれる少なくとも1つである、[1]に記載のマイクロアレイ。
[3]血液試料中の不規則性抗体を検出及び同定するためのマイクロアレイの製造方法であって、基板上に細胞表面上に既知の抗原を提示する赤血球又は赤血球ゴーストを含む溶液のセットを、予め定められた位置に個別に滴下し、乾燥する工程を備えることを特徴とするマイクロアレイの製造方法。
[4]血液試料中の不規則性抗体を検査するための方法であって、[1]又は[2]に記載のマイクロアレイに、被験者から採取した血液試料を接触させ、第1の抗原抗体反応を行う工程と、前記マイクロアレイを洗浄し、標識された抗ヒト抗体を接触させ、第2の抗原抗体反応を行う工程と、前記標識された抗ヒト抗体を検出する工程と、を備えることを特徴とする検査方法。
[5]前記血液試料が、血液、血清、又は血漿である、[4]に記載の検査方法。
[6]血液試料中の不規則性抗体を検査するためのキットであって、[1]又は[2]に記載のマイクロアレイと、標識された抗ヒト抗体と、を備えることを特徴とする検査キット。
本発明のマイクロアレイによれば、血液試料と複数種類の試薬赤血球とを同一反応相にて同時に反応させることができ、不規則性抗体を簡便に検出及び同定することができる。また、本発明のマイクロアレイを用いた検査方法によれば、血液試料と複数種類の試薬赤血球とを同一反応相にて同時に反応させることができ、不規則性抗体を従来法より簡便且つ高感度で、検出及び同定することができる。
本実施形態におけるマイクロアレイの製造方法を示す概略図である。 本実施形態における血液試料中の不規則性抗体を検査するための方法を示す概略図である。 実施例3における抗D抗体の検出結果を示す画像である。 実施例3における抗D抗体の検出結果を示すグラフである。
以下、必要に応じて図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
≪マイクロアレイ≫
一実施形態において、本発明は、血液試料中の不規則性抗体を検出及び同定するためのマイクロアレイであって、基板上に細胞表面上に既知の抗原を提示する赤血球又は赤血球ゴーストのセットが規則的に固定化されたマイクロアレイを提供する。
本実施形態のマイクロアレイは基板上に細胞表面上に赤血球又は赤血球ゴーストのセットが規則的に固定化されており、赤血球又は赤血球ゴーストの細胞表面上に提示された抗原は抗原性を維持している。よって、本実施形態のマイクロアレイによれば、血液試料と複数種類の試薬赤血球とを同一反応相にて同時に反応させることができ、不規則性抗体を簡便に検出及び同定することができる。また、後述の標識された抗体を用いることで、血液試料中の不規則性抗体を、従来法より簡便且つ高感度で、検出及び同定することができる。
本発明者らは、多種の赤血球をアレイ化することを見出し、本発明を完成するに至った。従来では、試薬赤血球が保存中、経時的に溶血し、使用期限日を限界として破棄せざるを得ないという問題があったが、本実施形態のマイクロアレイは、固定化された赤血球が乾燥状態であるため、冷凍することで長期保存が可能となり、試薬赤血球に無駄は生じない。
本明細書において、「マイクロアレイ」とは、目的の抗体(本明細書においては、不規則性抗体)と特異的に結合する抗原(本明細書においては、抗原を細胞膜上に掲示している赤血球又は赤血球ゴースト)をスライドガラスやメンブレン等の支持体の上にアレイ(配列)状にスポットしたものを意味する。スポット上の抗原と目的の抗体を含むサンプルとを反応させ、スポットに結合した抗体を検出及び定量することができる。また、このような抗原を固定化したアレイは「マイクロチップ」と呼んでもよい。
本明細書において、「試薬赤血球」とは、市販されている、既知の不規則性抗体と特異的に結合する抗原を細胞膜上に提示する赤血球を意味する。試薬赤血球は、赤血球が塩化ナトリウム溶液(例えば、0.9%(w/v)NaCl)等の溶媒に懸濁された状態であってもよく、さらに上述の溶媒に懸濁された状態で凍結された状態のものでもよい。
「赤血球ゴースト」とは、赤血球を溶血させ、中身が空の細胞膜を意味する。中でも、本明細書において、赤血球ゴーストは、細胞膜上の抗原が提示された状態で中身が空の細胞膜を示す。
本明細書において、「不規則性抗体」とは、抗D抗体や抗E抗体等ABO式血液型以外の血液型抗原に対する抗体を意味する。また、不規則性抗体は生まれつき自然に持っている場合(IgM型)と、輸血や妊娠で免疫されて作られる場合(IgG型)とがあり、本明細書では、不規則性抗体はIgM型及びIgG型の両方を含む。
赤血球又は赤血球ゴーストの細胞表面上に提示される既知の抗原としては、一般的に従来の不規則性抗体スクリーニングで使用されるものであればよく、例えば、C、c、D、E、e、K等が挙げられ、抗体との結合を最適化するために、これらの抗原が修飾又は精製されたものであってもよい。
既知の抗原として、より具体的には、Rh式、Kell式、Duffy式、Kidd式、Xg式、Lewis式、MNS式、P式、Lutheran式、及びDiego式といった血液型分類法による血液型抗原等が挙げられる。これらの血液型抗原をその血液型分類法とともに、以下の表に示す。
本実施形態において、マイクロアレイに用いる基板としては、特に制限はなく、ガラス、金属、プラスチック等が挙げられる。本実施形態の基板は、表面処理の容易性、量産性の観点から、プラスチックであってもよい。プラスチックとしては、例えば熱可塑性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、蛍光発生量が少なく、高い信号対雑音比(S/N比)を得やすい観点から、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、飽和環状ポリオレフィン、ポリペンテン、ポリアミド、これらの共重合体等が挙げられる。飽和環状ポリオレフィンとは、環状オレフィン構造を有する重合体単独、又は環状オレフィンとα−オレフィンとの共重合体に水素添加した飽和重合体を意味する。
基板の形状には、特に制限はなく、例えばスライドガラス状、マルチウェルプレート状、円盤状等が挙げられる。基板は、微細な流路を備えたマイクロ流路デバイスを構成していてもよい。基板のサイズは、使用する装置に適用できる範囲であれば構わない。
≪マイクロアレイの製造方法≫
一実施形態において、本発明は、血液試料中の不規則性抗体を検出及び同定するためのマイクロアレイの製造方法であって、基板上に細胞表面上に既知の抗原を提示する赤血球又は赤血球ゴーストを含む溶液のセットを、予め定められた位置に個別に滴下し、乾燥する工程を備える、マイクロアレイの製造方法を提供する。
本実施形態の製造方法によれば、血液試料と複数種類の試薬赤血球とを同一反応相にて同時に反応させることができ、不規則性抗体を簡便に検出及び同定可能なマイクロアレイを得ることができる。
図1は、本実施形態におけるマイクロアレイの製造方法を示す概略図である。本実施形態の製造方法を、図1を参照しながら、以下に詳細に説明する。
<滴下乾燥工程>
まず、赤血球又は赤血球ゴースト1を含む溶液のセットを、基板上の予め定められた位置に滴下する。滴下し、固定化する方法は、基板4の材質等に応じて、公知の方法に従って当業者が決定できる。例えば、市販のスポッターを使用して赤血球又は赤血球ゴーストを含む溶液を滴下することができる。赤血球又は赤血球ゴーストが滴下されたスポット3のサイズは、例えば、直径0.2〜1mm程度であってよい。
用いる基板としては、上記の≪マイクロアレイ≫と同様のものが挙げられる。
予め定められた位置としては、他の種類の赤血球又は赤血球ゴースト1を含む溶液同士が混じり合うことなく、等間隔で均一に配置される位置であることが好ましい。
続いて、滴下後の基板を、相対湿度40%以下、例えば10%以上40%以下、例えば20%以上35%以下の環境下で、例えば0.1時間以上25時間以下、例えば0.2時間以上20時間以下、例えば0.5時間以上16時間以下放置する。これにより、赤血球又は赤血球ゴースト1を含む溶液の溶媒を除去して乾燥させることができる。乾燥における温度は、4℃以上37℃以下程度で実施してもよい。
本実施形態の製造方法において、滴下乾燥工程は、基板準備工程、溶液調製工程、ブロッキング工程、スポット検査工程等を備えていてもよい。
[基板準備工程]
赤血球又は赤血球ゴーストを含む溶液を基板上に滴下する前に、基板を準備する工程を備えていてもよい。
(ポリマー)
基板の表面は、赤血球又は赤血球ゴーストを固定化するための官能基を有するポリマーでコーティングされていてもよい。上記官能基としては、化学的に活性な基であればよく、より具体的には、アルデヒド基、活性エステル基、エポキシ基、ビニルスルホン基、チオール基、アミノ基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、ヒドロキシル基、アクリレート基、マレイミド基、ヒドラジド基、アジド基、アミド基、スルホネート基、カルボキシル基等が挙げられる。
上記ポリマーは、更に、基板表面の官能基と共有結合を形成してポリマーを基板上に結合させることができる基を有していてもよい。このような基としては、化学的に活性な基であればよく、より具体的には、アルコキシシラン基、アルデヒド基、活性エステル基、エポキシ基、ビニルスルホン基、チオール基、アミノ基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、ヒドロキシル基、アクリレート基、マレイミド基、ヒドラジド基、アジド基、アミド基、スルホネート基等が挙げられる。
上記の基を用いてポリマーを基板に結合させるには、基板表面に上記の基と反応する官能基が必要となる。このような官能基としては、例えば、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、アルキニル基等が挙げられる。例えば、水酸基は、基板表面の酸化により容易に形成することができる。基板表面の酸化は、例えば、プラズマ処理、コロナ処理、放射線照射処理等により行うことができる。
ポリマーのコーティングは、例えば、0.05質量%以上10質量%以下の濃度で有機溶媒に溶解した上記ポリマーを、上記基板上に、浸漬、スプレー、スピンコーティング等により塗布した後、20℃以上120℃以下程度の室温下又は加温下で乾燥させることにより行うことができる。上記有機溶媒としては、例えば、2−ブタノン、エタノール、メタノール、t−ブチルアルコール、ベンゼン、トルエン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロメタン、クロロホルム、アセトン、メチルエチルケトン等が挙げられる。
基板の表面とポリマーとの結合は、共有結合、静電的相互作用、水素結合、疎水効果による結合等どのような結合様式であってもよいが、アッセイ中にポリマーが基板から流出しないようにするためには、共有結合で結合していることが好ましい。
[溶液調製工程]
赤血球又は赤血球ゴースト1を含む溶液を基板4上に滴下する前に、溶液調製工程を備えていてもよい。凍結乾燥された赤血球又は赤血球ゴースト1を使用する場合には、水等の溶媒2を適宜の量添加して、懸濁し、赤血球又は赤血球ゴースト1を含む溶液を調製する。また、すでに溶媒に懸濁された赤血球又は赤血球ゴースト1についても、さらに溶媒を添加し、希釈してもよく、又は、溶媒を置換してもよい。溶媒の添加量は、検査に用いる血液試料中に含まれることが予想される抗体の量を検出するのに必要な抗原の量に応じて決定することができる。
使用する溶媒2としては、例えば、水、塩化ナトリウム溶液(例えば、0.9%(w/v)NaCl)、グルコース溶液(例えば、5%グルコース)、界面活性剤含有溶液(例えば、0.01%ポリソルベート20)、pH緩衝溶液(例えば、リン酸緩衝溶液)等が挙げられ、さらに、これらに動物由来のタンパク質が溶解されたものであってもよい。溶液に拡散した状態である市販の赤血球を使用する場合においては、上記の緩衝液等に溶液を置換してもよい。
赤血球又は赤血球ゴーストの細胞表面上に提示された既知の抗原の種類については、上記の≪マイクロアレイ≫と同様のものが挙げられる。
マイクロアレイに用いる赤血球ゴーストは、公知の方法を用いて作製することができる。具体的には、赤血球を低張液等で溶血させ、細胞内の物質を放出させて空の細胞膜を残すことで、赤血球ゴーストが得られる。得られた赤血球ゴーストは、超音波処理、冷凍及び解凍、スパニング等の寸断方法でフラグメント化してもよい。フラグメントのサイズは、1μm以下であってもよく、0.1μm以上0.5μm以下であってもよい。
[ブロッキング工程]
滴下乾燥工程後にブロッキング工程を行うことが好ましい。滴下乾燥工程後の基板をブロッキング剤に浸漬し、官能基を失活させることや、界面活性剤や動物タンパクによりブロッキングを行う。ブロッキング剤としては、例えば、エタノールアミン、水酸化ナトリウム等のアルカリ溶液、Tween20等の界面活性剤、ウシ血清アルブミン等の動物タンパク等が挙げられる。
ブロッキング工程は、上記の[滴下乾燥工程]の終了後1時間以内に実施することが好ましい。これにより、製造されるマイクロアレイの、検出シグナルの製造ロット間におけるばらつきを、更に抑制することができる傾向がある。
ブロッキングの終了後に、基板を洗浄液で洗浄してもよい。洗浄は、例えば、基板を洗浄液に浸漬した後、4℃以上37℃以下程度で乾燥させることにより行うことができる。洗浄液としては、例えば、リン酸緩衝液、トリス緩衝液、生理食塩水等の一般的な緩衝液を用いることができる。
ブロッキングの終了後又は洗浄液による洗浄後に、基板を保護液で処理してもよい。保護液による処理は、例えば、基板を保護液に浸漬した後、室温下又は加温下で乾燥させることにより行うことができる。
マイクロアレイ表面のブロッキング、洗浄等の操作は、例えば、トレイ等を用いた手作業だけでなく、ハイブリダイゼーション装置等による全自動あるいは半自動の処理システムを構築できる。
[スポット検査工程]
上記ブロッキング工程の後に、更にスポットが確実に実施できていることをその形状から検査する工程(スポット検査工程)を実施してもよい。スポット検査工程は、ブロッキング工程の前に行った方がスポットの形状を確認しやすい。しかしながら、上記のとおり、ブロッキング工程を、乾燥工程後速やかに実施することにより、製造されるマイクロアレイの、検出シグナルの製造ロット間におけるばらつきを、更に抑制することができる。
そこで、スポット検査工程を、ブロッキング工程の後に実施することにより、滴下乾燥工程後ブロッキング工程を実施するまでの時間を短縮してもよい。スポット検査工程は、例えば、基板を顕微鏡で観察することにより実施することができる。
≪血液試料中の不規則性抗体を検査するための方法≫
一実施形態において、本発明は、血液試料中の不規則性抗体を検査するための方法であって、上記のマイクロアレイに、被験者から採取した血液試料を接触させ、第1の抗原抗体反応を行う工程と、前記マイクロアレイを洗浄し、標識された抗ヒト抗体を接触させ、第2の抗原抗体反応を行う工程と、前記標識された抗ヒト抗体を検出する工程と、を備える、検査方法を提供する。
本実施形態の検査方法によれば、血液試料と複数種類の試薬赤血球とを同一反応相にて同時に反応させることができ、不規則性抗体を従来法より簡便且つ高感度で、検出及び同定することができる。さらに、標識された抗ヒト抗体を用いることにより、血等試料中に含まれる不規則性抗体を定量化することができ、従来法より明確に不規則性抗体の有無を判断することができる。
図2は、本実施形態における血液試料中の不規則性抗体を検査するための方法を示す概略図である。本実施形態の検査方法を、図2を参照しながら、以下に詳細に説明する。
なお、図2において、マイクロアレイは、ポリマー5を備えているが、備えていなくてもよい。
<第1の抗原抗体反応工程>
まず、上記の赤血球又は赤血球ゴースト1が固定化されたマイクロアレイ10の各スポット3に、被験者から採取した血液試料を滴下し、赤血球又は赤血球ゴースト1の細胞表面上に提示された抗原6と、血液試料中の不規則性抗体7とを接触させる。この抗原抗体反応は、4℃以上37℃以下にて行うことが好ましい。反応時間については、抗原6の量及び血液試料中の不規則性抗体7の抗体価によって、適宜調整することができる。
本明細書において、「血液試料」としては、例えば、血液、血清、血漿等が挙げられる。
血液試料のマイクロアレイ10の各スポット3への分注は、例えば、マイクロピペッター等を用いた手作業だけでなく、接触型又は非接触型のサンプル分注機構等による全自動又は半自動の分注処理システムを構築できる。
<第2の抗原抗体反応工程>
続いて、血液試料を取り除き、スポット3を洗浄液で洗浄する。洗浄は、例えば、スポットに洗浄液を分注後、洗浄液を取り除くことにより行うことができる。洗浄液としては、例えば、上記の[ブロッキング工程]と同様のものを用いることができる。
マイクロアレイ上の同一スポットへ繰り返し洗浄液等を分注する必要がある場合は、例えば、予め基板上に位置認識用の印を設定しておき、サンプル分注装置上の位置捕捉装置(例えば、CCDカメラ等)でマイクロアレイ上の印を認識することにより、スポット位置の記憶と割り出しを行うことができる。
続いて、標識された抗ヒト抗体8を含む溶液を滴下し、標識された抗ヒト抗体8と、血液試料中の不規則性抗体7とを接触させる。この抗原抗体反応についても、4℃以上37℃以下にて行うことが好ましい。反応時間については、使用する抗ヒト抗体8の抗体価によって、適宜調整することができる。また、2次抗原抗体反応後に、上記の<1次抗原抗体反応工程>後と同様に、洗浄液でスポット3を洗浄することが好ましい。
標識された抗ヒト抗体8を溶解する溶媒としては、上記の[溶液調製工程]と同様のものが挙げられる。
使用する抗ヒト抗体としては、例えば、抗ヒトIgG抗体、抗ヒトIgM抗体等が挙げられる。また、上記ヒト免疫グロブリンのサブクラスに対する抗体を用いてもよい。
抗ヒト抗体を標識する物質としては、例えば、安定同位体、放射性同位体、蛍光物質、酵素、磁性体等が挙げられる、中でも、検出が容易且つ高感度であることから、蛍光物質であることが好ましい。上記標識物質を備えることで、目的の不規則性抗体が結合しているか否かを簡便且つ高感度に確かめることができる。
安定同位体としては、例えば13C、15N、H、17O、18O等が挙げられる。放射性同位体としては、例えばH、14C、13N、32P、33P、35S等が挙げられる。
蛍光物質としては、例えばシアニン色素(例えばCy3、Cy5等)、ローダミン6G試薬、その他公知の蛍光色素(例えば、GFP、FITC(Fluorescein)、TAMRA等)等が挙げられる。
酵素としては、例えばアルカリホスファターゼ、ペルオキシダーゼ(HRP)等が挙げられる。標識物質が酵素である場合、酵素基質を使用することが好ましい。酵素基質としては、アルカリホスファターゼの場合、p−nitropheny phosphase(NPP)等を用いることができ、酵素がペルオキシダーゼの場合、3,3’−diaminobenzidine(DAB)、3,3’,5,5’−tetramethylbenzidine(TMB)、o−phenylenediamine(OPD)等を用いることができる。
磁性体としては、例えばガドリニウム、Gd−DTPA、Gd−DTPA−BMA、Gd−HP−DO3A、ヨード、鉄、酸化鉄、クロム、マンガン、又はその錯体若しくはキレート錯体等が挙げられる。
<検出工程>
続いて、標識された抗ヒト抗体8を検出することにより、不規則性抗体7の種類及び有無を判断する。さらに、標識された抗ヒト抗体8を検出することにより、血液試料中に含まれる不規則性抗体7を定量化することができる。検出方法としては、標識物質の種類により、当業者が適宜選択することができる。例えば、蛍光物質で標識した抗ヒト抗体を検出する場合、蛍光スキャナー又は2光子励起スキャナー等により検出することができる。
本実施形態における検査方法は、上記のマイクロアレイと、検出機構やサンプル分注機構等の解析に必要な周辺装置とを組み合わせることによって、全自動又は半自動の血液試料中の不規則性抗体の検査システムとして提供することができる。この検査システムによれば、血液試料中に含まれる不規則性抗体の種類及び有無を全自動又は半自動で簡便に検査することができる。さらに、血液試料中に含まれる不規則性抗体を定量化することができ、従来法より明確に不規則性抗体の有無を判断することができる。
≪血液試料中の不規則性抗体を検査するためのキット≫
一実施形態において、本発明は、血液試料中の不規則性抗体を検査するためのキットであって、上述のマイクロアレイと、標識された抗ヒト抗体と、を備える、検査キットを提供する。
本実施形態の検査キットによれば、血液試料と複数種類の試薬赤血球とを同一反応相にて同時に反応させることができ、不規則性抗体を従来法より簡便且つ高感度で、検出及び同定することができる。さらに、標識された抗ヒト抗体を用いることにより、血液試料中に含まれる不規則性抗体を定量化することができ、従来法より明確に不規則性抗体の有無を判断することができる。
本実施形態の検査キットにおいて、抗ヒト抗体としては、例えば、抗ヒトIgG抗体、抗ヒトIgM抗体等が挙げられる。また、上記ヒト免疫グロブリンのサブクラスに対する抗体を用いてもよい。
抗ヒト抗体を標識する物質としては、上述の≪血液試料中の不規則性抗体を検査するための方法≫と同様のものが挙げられる。中でも、検出が容易且つ高感度であることから、蛍光物質であることが好ましい。上記標識物質を備えることで、目的の不規則性抗体が結合しているか否かを簡便且つ高感度に確かめることができる。
本実施形態の検査キットは、さらに、不規則性抗体を検査するために必要な試薬及び装置を備えていてもよい。
試薬としては、例えば、溶媒、酵素反応停止液等が挙げられる、装置としては、マイクロプレートリーダー、蛍光スキャナー、2光子励起スキャナー等が挙げられる。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
(1)マイクロアレイの作製
11本のマイクロチューブにリゾルブ(登録商標)パネルA(オーソ・クリニカル・ダイアグノスティックス社製、#156007)の11種の血球それぞれ500μLずつ入れて、微量遠心機で10,000rpm、15秒遠心分離した。続いて、上清を取り除き、生理食塩水を250μLずつ加えて、バッファーを置換した。続いて、MAS−GP TypeAコートスライドガラス(松浪硝子社製、#S9902)上にマイクロシリンジを用いて、上記バッファーを置換した血球を含む11種の溶液をそれぞれ1μLずつ滴下し、冷風で15分間乾燥させた。保存は−30℃で行った。また、リゾルブ(登録商標)パネルAは11種の血球のセットであり、それぞれの血球細胞表面上のD抗原の有無を下記表2に示す。+はD抗原を有し、−はD抗原を有さないことを表す。
また、実施例1〜3の第1の抗体抗原反応工程において、抗D血清を滴下したマイクロアレイ上のスポットは、各々表2における同一No.のCellが固定化されたスポットである。
(2)抗D血清の希釈液の調製
抗D血清(オーソ・クリニカル・ダイアグノスティックス社製、#120011)を、0.1%Tween20含有生理食塩水を用いて、32倍に希釈した。
(3)第1の抗原抗体反応工程
(2)で調製した抗D血清750μLを、(1)のマイクロアレイに滴下し、37℃で30分間反応させた。
(4)第2の抗原抗体反応工程
続いて、抗D血清を取り除き、0.1%Tween20含有生理食塩水2mLを滴下し、洗浄した。この操作を3回繰り返した。続いて、スライドガラスの裏の水分を拭き取り、スライドガラスを傾け、表面の水分もできるだけ取り除いた。続いて、0.1%Tween20含有生理食塩水で100倍希釈した抗IgG−Cy3蛍光標識抗体(Jackson Immuno Research社製、#1052235)750μLを滴下し、37℃で30分間反応させた。
(5)検出工程
続いて、(4)と同様に、0.1%Tween20含有生理食塩水2mLを滴下し、3回繰り返し洗浄した。続いて、マイクロアレスキャナGenePix4000B(マイクロダイアノスティック社製)を用いて、検出波長530nmにて蛍光強度(RFU)を測定した。16重測定から算出した変動係数(CV)より同時再現性を評価した。また、(2)〜(5)の操作を3日間行い、日差再現性を評価した。
同時再現性は5.4〜6.8%であり、日差再現性は11.7〜14.1%であった。
[比較例1]
(1)抗D血清の希釈系列の調製
抗D血清(オーソ・クリニカル・ダイアグノスティックス社製、#120011)を、生理食塩水を用いて、8倍、16倍、32倍、64倍、128倍、256倍の希釈系列を調製した。
(2)試験管法による検出感度の評価
6本の試験管それぞれにリゾルブ(登録商標)パネルA(オーソ・クリニカル・ダイアグノスティックス社製、#156007)中のD抗原陽性Cell(No.1)を25μLずつ予め分注した。続いて、6本のカラムそれぞれに、(1)で調製した8倍、16倍、32倍、64倍、128倍、256倍に希釈した抗D血清を50μLずつ加えた。続いて、37℃30分間反応後、生理食塩水を用いて、4回遠心洗浄した。続いて、クームス血清(オーソ・クリニカル・ダイアグノスティックス社製、#141003)を50μLずつ加えて、赤血球凝集反応が陽性となる最大希釈倍率を試験管法の検出感度とした。
抗D血清の希釈倍率が8倍であるとき、検出結果は(3+)であり、16〜64倍であるとき、(1+)であり、128倍であるとき、(−)(陰性)であった。(3+)とは、数個の大きな赤血球凝集塊が形成され、溶液の背景は透明となる陽性であり、(1+)とは、小凝集塊がいくつも形成され、溶液背景は赤く濁る陽性である。
よって、試験管法による最小検出感度は64倍であった。
[実施例2]
(1)マイクロアレイの作製
実施例1の(1)と同様の方法を用いて、6枚のマイクロアレイを作製した。
(2)抗D血清の希釈系列の調製
比較例1の(1)と同様の方法を用いて、抗D血清の希釈系列を調製した。
(3)第1の抗原抗体反応工程
(2)の8倍、16倍、32倍、64倍、128倍、256倍に希釈した抗D血清750μLずつを、それぞれ別の(1)で作製したマイクロアレイに滴下し、37℃で30分間反応させた。
(4)第2の抗原抗体反応工程
実施例1の(4)と同様の方法を用いて、マイクロアレイを洗浄し、0.1%Tween20含有生理食塩水で100倍希釈した抗IgG−Cy3蛍光標識抗体(Jackson Immuno Research社製、#1052235)750μLを滴下し、37℃で30分間反応させた。
(5)検出工程
続いて、実施例1の(5)と同様の方法を用いて、マイクロアレイを洗浄し、マイクロアレスキャナGenePix4000B(マイクロダイアノスティック社製)を用いて、検出波長530nmにて蛍光強度(relative fluorescence units:RFU)を15重測定し、RFUの平均値(mean)±3×標準偏差(Standard Deviation:SD)を算出し、最小検出感度を求めた。結果を表3に示す。表3は、各希釈倍率の抗D血清と反応させた6枚のマイクロアレイにおいて、D抗原陽性Cell(No.1)が固定化されたスポットでの蛍光強度を示している。
表3から、ブランクのmean+3SDは2525であるのに対し、抗D血清の希釈倍率が64倍であるときのmean−3SDは8002、128倍であるときのmean−3SDは4991、256倍であるときのmean−3SDは2850であった。
よって、最小検出感度は256倍であった。
比較例1及び実施例2の結果から、試験管法では抗D血清の希釈倍率が64倍までが検出限界であるのに対し、本発明の検出方法では、256倍まで検出可能であった。よって、本発明の検出方法は、試験管法の最低でも4倍以上の検出感度を有することが明らかとなった。
[実施例3]
(1)マイクロアレイの作製
実施例1の(1)と同様の方法を用いて、マイクロアレイを作製した。
(2)抗D血清の希釈液の調製
実施例1の(2)と同様の方法を用いて、抗D血清を32倍に希釈した。
(3)第1の抗原抗体反応工程
(2)で調製した抗D血清を750μLずつ、(1)のマイクロアレイの血球が固定化された11個のスポット上に滴下し、37℃で30分間反応させた。
(4)第2の抗原抗体反応工程
実施例1の(4)と同様の方法を用いて、マイクロアレイを洗浄した。続いて、0.1%Tween20含有生理食塩水で100倍希釈した抗IgG−Cy3蛍光標識抗体(Jackson Immuno Research社製、#1052235)を750μLずつ、血球が固定化された11個のスポット上に滴下し、37℃で30分間反応させた。
(5)検出工程
続いて、(4)と同様に、0.1%Tween20含有生理食塩水2mLを滴下し、3回繰り返し洗浄した。続いて、マイクロアレスキャナGenePix4000B(マイクロダイアノスティック社製)を用いて、検出波長530nmにて蛍光強度(RFU)を測定した。また、実施例2の結果から、抗D抗体の検出陰性の上限RFU値を2525とした。結果を図3及び図4に示す。
図3及び図4から、Cell No.1〜4及び11が陽性であり(平均RFU値:14,808)、No.5〜10が陰性であった(平均RFU値:2,038)。
反応陽性血球のD抗原はすべて陽性であり、反応陰性血球のD抗原はすべて陰性であり、陽性及び陰性血球の反応性の強弱の差も明瞭で、抗D抗体が正しく同定された。
[実施例4]
(1)マイクロアレイの作製
実施例1の(1)と同様の方法を用いて、表2における同一No.2、3、5、及び6のCellが固定化されたマイクロアレイを作製した。次いで、−30℃の冷凍後で、92日間保存した。
(2)抗D血清の希釈液の調製
実施例1の(2)と同様の方法を用いて、抗D血清を64倍に希釈した。
(3)第1の抗原抗体反応工程
(1)で作製し、表4に示す冷凍保存期間のマイクロアレイの血球が固定化された4個のスポット上に、(2)で調製した抗D血清を750μLずつ滴下し、37℃で30分間反応させた。
(4)第2の抗原抗体反応工程
実施例1の(4)と同様の方法を用いて、各マイクロアレイを洗浄した。続いて、0.1%Tween20含有生理食塩水で100倍希釈した抗IgG−Cy3蛍光標識抗体(Jackson Immuno Research社製、#1052235)を750μLずつ、各マイクロアレイの血球が固定化された4個のスポット上に滴下し、37℃で30分間反応させた。
(5)検出工程
続いて、(4)と同様に、0.1%Tween20含有生理食塩水2mLを滴下し、3回繰り返し洗浄した。続いて、マイクロアレスキャナGenePix4000B(マイクロダイアノスティック社製)を用いて、検出波長530nmにて蛍光強度(RFU)を測定した。結果を以下の表4に示す。
表4から、マイクロアレイを92日間冷凍保存しても、D抗原陽性及びD抗原陰性赤血球と抗D血清との反応性に変化は認められなかった。また、日差再現性も8〜15%と良好な成績であった。
以上のことから、本発明のマイクロアレイは長期冷凍保存しても、基板上の赤血球(D抗原)が安定していることが示された。
本発明のマイクロアレイによれば、血液試料と複数種類の試薬赤血球とを同一反応相にて同時に反応させることができ、不規則性抗体を簡便に検出及び同定することができる。また、本発明のマイクロアレイは、固定化された赤血球が乾燥状態であるため、冷凍することで長期保存が可能となり、試薬赤血球に無駄は生じない。また、本発明のマイクロアレイを用いた検査方法によれば、血液試料と複数種類の試薬赤血球とを同一反応相にて同時に反応させることができ、不規則性抗体を従来法より簡便且つ高感度で、検出及び同定することができる。
1…赤血球又は赤血球ゴースト、2…溶媒、3…スポット、4…基板、5…ポリマー、6…抗原、7…不規則性抗体、8…標識された抗ヒト抗体、10…マイクロアレイ。

Claims (6)

  1. 血液試料中の不規則性抗体を検出及び同定するためのマイクロアレイであって、
    基板上に細胞表面上に既知の抗原を提示する赤血球又は赤血球ゴーストのセットが規則的に固定化されたことを特徴とするマイクロアレイ。
  2. 前記既知の抗原が、D、C、E、c、e、f、C、V、K、k、Kp、Kp、Js、Js、Fy、Fy、Jk、Jk、Xg、Le、Le、S、s、M、N、P、Lu、Lu、Di、Diからなる群から選ばれる少なくとも1つである、請求項1に記載のマイクロアレイ。
  3. 血液試料中の不規則性抗体を検出及び同定するためのマイクロアレイの製造方法であって、
    基板上に細胞表面上に既知の抗原を提示する赤血球又は赤血球ゴーストを含む溶液のセットを、予め定められた位置に個別に滴下し、乾燥する工程を備えることを特徴とするマイクロアレイの製造方法。
  4. 血液試料中の不規則性抗体を検査するための方法であって、
    請求項1又は2に記載のマイクロアレイに、被験者から採取した血液試料を接触させ、第1の抗原抗体反応を行う工程と、
    前記マイクロアレイを洗浄し、標識された抗ヒト抗体を接触させ、第2の抗原抗体反応を行う工程と、
    前記標識された抗ヒト抗体を検出する工程と、
    を備えることを特徴とする検査方法。
  5. 前記血液試料が、血液、血清、又は血漿である、請求項4に記載の検査方法。
  6. 血液試料中の不規則性抗体を検査するためのキットであって、
    請求項1又は2に記載のマイクロアレイと、
    標識された抗ヒト抗体と、
    を備えることを特徴とする検査キット。
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