JPWO2017104185A1 - 照明装置 - Google Patents

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峻 濱口
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Abstract

素子基板と、前記素子基板の一主面上に設けられた有機電界発光素子と、前記有機電界発光素子を覆う状態で前記素子基板の一主面上に設けられた封止層と、前記封止層の上部に設けられた放熱層とを備えた照明装置である。

Description

本発明は、照明装置に関し、特には有機電界発光素子を発光体として用いた照明装置に関する。
有機電界発光素子は、陽極層と陰極層との間に有機発光機能層を挟持させた構成であり、有機発光機能層で発生した発光光が陽極層または陰極層から面状に取り出される。このため、有機電界発光素子を発光体として用いた照明装置は、面状に均一な照明が可能である。
以上のような有機電界発光素子を用いた装置は、大面積の電極においての電圧降下の防止、および機械的強度を確保することを目的として、陽極層または陰極層の何れかの上部に第1の金属箔を設け、第1の金属箔と陽極層または陰極層の何れかを接続させた構成が提案されている(下記特許文献1参照)。
特開2008−530752号公報
近年、以上のような有機電界発光素子を用いた照明装置に対し、列車内や屋内の建材としての利用が期待されており、その実現のためには耐熱性の向上が望まれている。
そこで本発明は、有機電界発光素子を発光体として用いた構成において、耐熱性の向上が図られた照明装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための本発明は、素子基板と、前記素子基板の一主面上に設けられた有機電界発光素子と、前記有機電界発光素子を覆う状態で前記素子基板の一主面上に設けられた封止層と、前記封止層の上部に設けられた放熱層とを備えた照明装置である。
本発明によれば、封止層の上部に放熱層を設けたことにより、有機電界発光素子を発光体として用いた構成において、耐熱性の向上が図られた照明装置の提供が可能となる。
第1実施形態の照明装置の断面模式図である。 第2実施形態の照明装置の断面模式図である。
以下、本発明に係る照明装置の各実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、各実施形態において共通の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
≪第1実施形態≫
図1は、第1実施形態の照明装置の断面模式図である。図1に示す第1実施形態の照明装置1は、素子基板10、素子基板10の一主面上に設けられた有機電界発光素子20、有機電界発光素子20を覆って素子基板10の一主面上に設けられた封止層30を備えている。また照明装置1は、素子基板10の他主面上に、接着層43を介して貼り合わせられたガラスクロス層45を備えている。さらに照明装置1は、封止層30上に、接着層51を介して放熱層53を貼り合わせたところが特徴的である。以下、これらの各構成要素の詳細を、順に説明し、次いで照明装置の製造方法を説明する。
<素子基板10>
素子基板10は、有機電界発光素子20を形成するための支持基板となるものである。この素子基板10は、透明であっても不透明であってもよいが、図示したように、有機電界発光素子20で発生させた発光光hが素子基板10側から取り出される構成であれば、ガラス、プラスチック等の透明性材料を用いて形成される。このような素子基板10は、薄膜ガラス、透明樹脂フィルム等の可撓性のある基材を用いて構成されることが好ましい。素子基板10として透明樹脂フィルムを用いる場合には、透明樹脂フィルムに対してガスバリア層を設けたものを素子基板10として用いることが好ましい。
透明樹脂フィルムを構成する透明樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロハン(登録商標)、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロースアセテートフタレート、セルロースナイトレート等のセルロースエステル類またはそれらの誘導体、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンビニルアルコール、シンジオタクティックポリスチレン、ポリカーボネート、ノルボルネン樹脂、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトンイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリル酸エステル、ポリアリレート、アートン(登録商標、JSR社製)あるいはアペル(登録商標、三井化学社製)といったシクロオレフィン系樹脂等が挙げられる。これらは1種が単独で用いられてもよく、2種以上が任意の比率および組み合わせで用いられてもよい。
以上のような透明樹脂フィルムを用いた素子基板10は、防湿の観点から、有機電界発光素子20側の表面に、以下に説明するガスバリア層が設けられていることが好ましい。
(ガスバリア層:素子基板10)
素子基板10を構成するガスバリア層の特性としては、水蒸気透過度が0.01g/(m・day)以下であることが好ましい。さらには、酸素透過度が10−3ml/(m・day・atm)以下、水蒸気透過度10−5g/(m・day)以下の高バリア性の層であることが好ましい。尚、水蒸気透過度はJIS K7129B(1992年)に準拠してMOCON法によって、酸素透過度はJIS K7126B(1987年)に準拠してMOCON法によって測定することができる。
ガスバリア層を形成する材料としては、特に制限はされないものの、例えば、無機物、有機物の被膜またはその両者のハイブリッド被膜が挙げられる。水分や酸素等素子の劣化をもたらすものの浸入を抑制する機能を有する材料が好ましく、例えば、酸化珪素、二酸化珪素等の金属酸化物、窒化珪素等の金属窒化物等を用いることができる。さらに、ガスバリア層の強度をより向上させるために、無機層と有機層とからなる層の積層構造とすることが好ましい。無機層と有機層との積層順は特に制限されないが、両者を交互に複数回積層させることが好ましい。
ガスバリア層の形成方法は、特に限定はなく、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法、プラズマCVD(化学的気相蒸着)法、レーザーCVD法、熱CVD法、コーティング法等を適用することができる。
<有機電界発光素子20>
有機電界発光素子20は、素子基板10側から順に、第1電極、発光ユニット、および第2電極を積層した構成であり、第1電極と第2電極とで発光ユニットを挟持した部分が発光領域となる。この発光領域で発生した発光光hは、第1電極または第2電極の少なくとも一方側から取り出される。これらの各部材の構成が限定されることはないが、以下に一例を説明する。
(第1電極および第2電極)
第1電極および第2電極は、発光ユニットに対して何れか一方が陽極として用いられ、何れか他方が陰極として用いられる。それぞれが、陰極または陽極として適する仕事関数を有する材料を用いて構成される。また第1電極および第2電極のうちの少なくとも一方は、発光光hを取り出すための透明電極として構成される。図示したように、発光光hが素子基板10側から取り出される構成であれば、素子基板10側の第1電極が透明電極として構成される。
透明電極は、光透過性に優れた導電性材料を用いて構成されることが好ましく、例えば薄銀、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム亜鉛等の光透過性を有する電極材料により構成されている。また透明電極は、導電性材料で構成された層の他に、必要に応じて下地層を備えたものであってもよい。例えば薄銀を用いた透明電極であれば、窒素や硫黄を含有する有機材料を用いた下地層を有し、この上部に薄銀層を設けた構成とすることにより、光透過性と導電性とを兼ね備えた透明電極とすることができる。
(発光ユニット)
発光ユニットは、少なくとも有機発光材料を用いて構成された発光層を有する。この発光ユニットは、第1電極と第2電極の何れか一方を陽極とし、何れか他方を陰極とし、陽極から供給される正孔と陰極から供給される電子とを、ユニット内部の発光層内で再結合させることによって発光を生じる。
このような発光ユニットは、発光層を有していればよく、その構成が限定されることはないが、一例として陽極側から順に正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層を積層した構成とすることができる。尚、有機電界発光素子20は、中間層を介して複数の発光ユニットを積層させたものであってもよい。この場合、各発光ユニットは、それぞれが必要に応じた層構成であればよい。また中間層は、中間電極であってもよい。
<封止層30>
封止層30は、外気から有機電界発光素子20を保護するものであり、具体的な構成限定されるものではない。封止層30は、図示した構成とは逆に、有機電界発光素子20で発生させた発光光hが、封止層30側から取り出される構成であれば、光透過性を有して構成される。
このような封止層30は、例えば、可撓性を有する構成であることが好ましく、例えば絶縁性封止層31と金属バリア層35と樹脂層37とを積層した構成が好ましく適用される。この場合、封止層30の厚さは、特に制限されないものの、製造時の取り扱い性、引張強さや金属バリア層35の耐ストレスクラッキング性等を考慮すると、10μm以上300μm以下が好ましい。尚、ここでいう封止層30の厚さは、マイクロメータを使用して測定可能であり、封止層30の面内の各10箇所を測定した平均値とする。
また封止層30は、その層構成によらず、有機電界発光素子20を構成する有機材料の結晶化、および電極の酸化等によるダークスポットの発生防止による有機電界発光素子20の長寿命化等を考慮し、水蒸気透過度が10―5g/(m・day)以下であることが好ましい。尚、水蒸気透過度は、JIS K7129B法(1992年)に準拠した方法で、主としてMOCON法により測定した値である。
図1には、可撓性を有する封止層30の一例として、有機電界発光素子20側から順に、絶縁性封止層31、接着層33、金属バリア層35、樹脂層37を積層した封止層30を示した。以下、図示した構成例について説明する。
(絶縁性封止層31)
絶縁性封止層31は、無機材料で構成された膜が好ましく用いられ、例えばCVD成膜によって形成された絶縁性の無機蒸着膜が用いられる。
このような絶縁性の無機蒸着膜としては、MgO、Al、GeO、NiO、CaO、BaO、Fe、Y、TiO、Cr、SixOy、Ta、ZrN、SiC、TiC、PSG、SixNy等が挙げられる。
絶縁性封止層31の膜厚は特に制限されない。ただし、絶縁性封止層31が例えば絶縁性の無機蒸着膜により構成される場合、無機蒸着膜の形成のし易さの観点から、膜厚は、通常5nm以上、好ましくは10nm以上、また、通常1000nm以下、好ましくは300nm以下である。
以上のような絶縁性封止層31は、単層構造であってもよく、複数層を積層した構造であってもよい。
(接着層33)
接着層33は、金属バリア層35と樹脂層37との積層体を、絶縁性封止層31で覆われた素子基板10側に貼り合わせるための層である。この接着層33は、接着剤を用いて構成され、さらに必要に応じた添加物が含有されていてもよい。添加物としては、例えば水蒸気透過度を下げるためのフィラーが用いられる。
[接着剤(接着層33)]
接着層33を構成する接着剤は、硬化性樹脂であれば特に制約されない。硬化性樹脂としては、熱硬化型樹脂と光硬化型樹脂のいずれか、あるいは両者を使用することができる。接着剤の代表例としては、光硬化型の液体接着剤、熱硬化型の液体接着剤等が挙げられる。具体的には例えば、アクリル酸系オリゴマー、メタクリル酸系オリゴマー等の反応性ビニル基を有する光硬化および熱硬化型シール剤、2−シアノアクリル酸エステル等の湿気硬化型等の接着剤、エポキシ系等の熱および化学硬化型(二液混合)等の接着剤、カチオン硬化タイプの紫外線硬化型エポキシ樹脂接着剤等が挙げられる。
また接着剤としては、耐湿性、耐水性に優れ、揮発成分が少なく、硬化時の収縮が少ない樹脂を用いることが好ましい。光硬化型樹脂においては、紫外線等を透過させるために、有機電界発光素子20の構成物品に制約が生じるが、熱硬化型樹脂では、そのような制約がないため、より好ましい。
熱硬化型樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂系、アクリル樹脂系、シリコーン樹脂系、ユリア樹脂系、メラミン樹脂系、フェノール樹脂系、レゾルシノール樹脂系、不飽和ポリエステル樹脂系、ポリウレタン樹脂系等の熱硬化型樹脂が挙げられる。難燃性の観点からは、特に熱硬化型のエポキシ系接着剤が好ましい。
[フィラー(接着層33)]
接着層33を構成する接着剤に添加されるフィラーは、接着剤の水蒸気透過度を下げるためのものであり、例えばソーダガラス、無アルカリガラス或いはシリカ、二酸化チタン、酸化アンチモン、チタニア、アルミナ、ジルコニアや酸化タングステン等の金属酸化物等が挙げられる。
接着層33におけるフィラーの添加量は、特に制限されないが、接着力を考慮すると、接着剤の全量に対して、5体積%以上が好ましく、70体積%以下が好ましい。また、添加するフィラーの大きさも特に制限されないが、接着力や貼合圧着後の接着剤厚み等を考慮すると、1μm以上が好ましく、100μm以下が好ましい。
接着層33の形成は、例えばフィラーを分散させた接着剤を塗布して固化することにより形成される。ただし、接着剤として例えば液体接着剤を用いる場合、液体接着剤の塗布は、貼合安定性、貼合部内への気泡混入防止、可撓性部材の平面性保持等の観点から、1×10−2Pa以上、10Pa以下の減圧下で行うことが好ましい。
(金属バリア層35)
金属バリア層35は、例えば金属箔によって構成される。金属箔の材料としては、例えば、Al、Cu、Ni等の金属材料や、ステンレス、アルミニウム合金等の合金材料等が挙げられる。これらは1種が単独で用いられてもよく、2種以上が任意の比率および組み合わせで用いられてもよい。中でも、金属箔としては、加工性やコストの観点から、アルミニウム箔が好ましく用いられる。
金属バリア層35の膜厚は特に制限されないが、製造時の取り扱い性およびパネルの薄板化の観点から、膜厚は、通常1μm以上、好ましくは10μm以上、より好ましくは20μm以上、また、通常2mm以下、好ましくは100μm以下、より好ましくは50μm以下である。
(樹脂層37)
樹脂層37を構成する樹脂材料は、例えばエチレンテトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、延伸ポリプロピレン(OPP)、ポリスチレン(PS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、延伸ナイロン(ONy)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド、ポリエーテルスルホン(PES)等の各種包装用フィルムに使用されている熱可塑性樹脂フィルム材料等を用いることができる。これらの樹脂材料は1種が単独で用いられてもよく、2種以上が任意の比率および組み合わせで用いられてもよい。
また樹脂層37に熱可塑性樹脂フィルムを用いる場合、熱可塑性樹脂フィルムは、必要に応じ、異種フィルムと共押出しにより作製した多層フィルム、または延伸角度を変えて貼り合わせて作製した多層フィルムとしても使用可能である。さらに、樹脂層37として所望の物性を得るために、密度および分子量分布の異なる樹脂フィルムを組合わせて樹脂層37としてもよい。
尚、封止層30は、以上のような絶縁性封止層31、接着層33、アルミニウム箔のような金属バリア層35、および樹脂層37によって構成された4層構造に限定されることはなく、さらに上述した4層構造を覆って、接着層を設けた構成であってもよい。ここで用いる接着層は、上述した4層構造を覆う状態で塗布成膜されたものであってよく、4層構造を構成する接着層33と同様のものを用いることができる。
<接着層43>
接着層43は、素子基板10の有機電界発光素子20が形成された面とは逆側の他種面上に、ガラスクロス層45を貼り合わせるための層である。図示したように、有機電界発光素子20で発生させた発光光hが素子基板10側から取り出される構成であれば、この接着層43は、光透過性を有して構成される。このような接着層43は、封止層30を構成する接着層33に対して、さらに無機充填材を含有したものであることが好ましく、無機充填材以外の材料は接着層33と同様のものが用いられる。このため、ここでは接着層43に含有されることが好ましい無機充填材を説明する。
(無機充填材)
無機充填材は、接着層43を形成する際の組成物のはじきを防止し、素子基板10とガラスクロス層45との密着性を向上させるために、接着層43に含有させる。
このような無機充填材としては、一般に、シリカ、アルミナ、酸化チタン等の酸化物系無機充填材、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の水酸化物系無機充填材、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩系無機充填材、硫酸バリウム、硫酸カルシウム等の硫酸塩系無機充填材、タルク、マイカ、カオリンクレー、ワラストナイト等の珪酸塩系無機充填材などがあり、特に限定される訳ではない。
無機充填材の具体例としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化セリウム、シリカ、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、窒化ホウ素、ホウ酸アルミニウム、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ビスマス、ジルコン酸バリウム、ジルコン酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、ベーマイト、ゼオライト、アパタイト、カオリン、ムライト、スピネル、オリビン、セリサイト、ベントナイト、ハイドロタルサイト等が挙げられる。
無機充填材の形態については、特に限定はないが、均一分散性、取扱性、安定性、密着性、透明性の改良効果等の観点から、平均粒径が5μm以下の微粒子であることが好ましく、平均粒径が1μm以下の微粒子であることがより好ましい。また、密着性改良の観点から、微粒子の平均粒径は100nm以上であることが好ましい。
無機充填材が微粒子形状である場合、その平均粒径の測定は、たとえば透過型電子顕微鏡で観察することにより測定することができる。またこの他にも、溶媒に微粒子を分散させ、その分散液から、コールター粒度分布測定法、レーザー回折散乱法、動的光散乱法などにより測定することができる。
無機充填材の中でも、酸化物系無機充填材である金属酸化物と、珪酸塩系無機充填材である粘土鉱物とは、以下に記載するように、さらに優れた性能を発揮するものである。
[金属酸化物(酸化物系無機充填材)]
金属酸化物は、一般に化学的に安定であり、耐熱性、耐候性、耐薬品性等に優れている。特に微粒子の形態の場合には、こうした特性が重要となる。具体的には、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化セリウム、シリカ等が無機充填剤として好ましく用いられる。金属酸化物の中でも、耐候性低下の原因である紫外線を吸収する機能に優れたものが好ましい。Ti、Ce、ZnおよびFeからなる群から選ばれる1種以上の金属の酸化物は、紫外線を吸収する機能に優れたものであり、無機充填材としてより好ましく用いられる。
このような金属酸化物を、無機充填剤として用いる場合の形態については、耐候性の改良効果、透明性等の観点から、平均粒径が400nm以下の微粒子であることが好ましく、100nm以下がより好ましく、60nm以下が更に好ましい。工業的な安定生産性を考慮すると、5〜60nmが最も好ましい。
[粘土鉱物(珪酸塩系無機充填材)]
粘土鉱物は、層状の構造を有していることが多く、珪酸塩系無機充填材として好適に用いられる。これらの中でもラミネート時に無機充填材が流動し難いという観点から、タルク、クレー、マイカ、ベーマイト、ゼオライト、アパタイト、カオリン、ムライト、スピネル、オリビン、セリサイト、ベントナイト、ハイドロタルサイト等の平板状粒子形態を有した粘土鉱物が、無機充填剤として好ましく用いられる。
以上のような無機充填材は、ゾルとして市販されているものを後記する含浸樹脂中に添加してもよいし、無機充填材の微粒子の粉体を含浸樹脂中に溶解または分散させてもよい。また、無機充填材は1種または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
光透過性を有する接着層43に対する無機充填材の添加量は、光透過性接着剤100質量部に対して10〜50質量部が好ましく、20〜40質量部がより好ましい。添加量が10質量部以上であると密着性や耐候性の改良効果があり、50質量部以下であると密着性や透明性が低下するおそれが少ない。
尚、以上の無機充填剤は、先に説明した封止層30を構成する接着層33に対して含有されていていてもよい。
<ガラスクロス層45>
ガラスクロス層45は、ガラス繊維が織成されて形成されたガラスクロスを用いて構成された層であり、必要に応じてガラスクロスに樹脂を含浸させてガラスクロス層45としてもよい。またここでの図示は省略したが、ガラスクロス層45の表面には、保護層を設けてもよい。図示したように、有機電界発光素子20で発生させた発光光hが素子基板10側から取り出される構成であれば、これらのガラスクロス層45および保護層は、光透過性を有して構成され、光取り出し層としても機能する。以下、ガラスクロスと、これに含浸させる含浸樹脂と、ガラスクロス層45の表面に設けてもよい保護層の構成を説明し、次いでガラスクロス層45の物性を説明する。
(ガラスクロス)
ガラスクロスは、通常は無色のものが好適である。また、ガラスクロスは、市販されているものであってもよく、適宜調製されたものであってもよい。また、ガラスクロスは、1種類が単独で用いられてもよく、2種類以上が任意に組み合わされて用いられてもよい。
ガラスクロスとしては、ガラスクロスの生機、種々の加工処理が施されたガラスクロス、使用済みガラスクロス等が適用可能である。ただし、ガラスクロスとしては、加工処理が施されたガラスクロスが好ましく、中でも、ヒートクリーニング処理されたガラスクロスや、ヒートクリーニング処理された後にシランカップリング剤処理されたガラスクロスがより好ましい。
ガラスクロスに用いられるガラス繊維を構成するガラスは何ら限定されない。ガラス繊維を構成するガラスの具体例としては、Eガラス、Dガラス、Tガラス、Cガラス、ECRガラス、Aガラス、Lガラス、Sガラス、YM31−Aガラス、Hガラス等のガラスが挙げられる。これらのうちの1種類が単独で用いられてもよいし、2種類以上が任意に組み合わせられて用いられてもよい。中でも、電気的および機械的性質に優れたEガラスが好ましい。これらのガラス繊維は、任意の製造方法に従って製造されたものでもよく、市販品を用いてもよい。
また、ガラス繊維は、長繊維および短繊維のいずれを用いてもよい。ガラス繊維が長繊維の場合には、例えば、ガラス繊維を適宜引き揃えて固めたものが使用可能である。ただし、この場合、ガラス繊維は、撚りがかけられていることが好ましい。撚り数は特に制限されないが、例えば、100cmあたり、20回以上200回以下のものを使用することができる。撚り方向としては、右撚り(S撚り)、左撚り(Z撚り)のいずれであってもよい。また、撚り糸の形態としては、例えば、片撚り糸、諸撚り糸、ビッコ諸撚り糸、強撚糸、壁撚り糸、駒撚り糸等が挙げられる。
また、ガラス繊維が短繊維の場合には、例えば、ガラス繊維に対して撚りをかけて、つなぎ合わせた糸、即ち紡績糸が使用可能である。撚りの程度としては、長繊維の場合と同様の事項が適用可能である。
また、ガラス繊維の繊度(番手)は、特に制限されないものの、通常は1tex以上、好ましくは5tex以上であり、また、通常は1000tex以下、好ましくは850tex以下、より好ましくは200tex以下、特に好ましくは150tex以下である。
ガラス繊維を用いてガラスクロスを製造する際、ガラスクロスの織成方法としては、任意の方法が適用可能である。織組織としては、例えば、平織、綾織、斜文織、からみ織、朱子織、三軸織、横縞織等が挙げられる。織機としては、例えばジェット織機(例えばエアージェット織機、ウォータージェット織機)、スルザー織機、レピヤー織機等の織機を用いることができる。織成は、これらを適宜組み合わせて行ってもよい。
ガラスクロスの織密度は、経糸、緯糸共に、10本/25mm以上が好ましく、40本/25mm以上がより好ましく、また、80本/25mm以下が好ましく、60本/25mm以下がより好ましい。ガラスクロスの織密度をこの範囲に設定することにより、ガラスクロスの空隙部を小さくすることができるとともに、十分な引張強度を得ることができる。また、ガラスクロスの可撓性および柔軟性を十分なものにすることができるとともに、取り扱い性を向上させることができる。
(含浸樹脂)
ガラスクロスはそのままでは取扱性、機械的強度が十分ではないため、必要に応じて、樹脂を含浸させて形態を固定化させることができる。ガラスクロスに含浸させる含浸樹脂としては、種々の樹脂が使用し得るが、難燃性の観点からは難燃性樹脂が好ましい。難燃性樹脂としては、塩化ビニル系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン系樹脂等のフッ素系樹脂、シリカ系無機樹脂等が好ましく用いられるが、光透過性を損なわない範囲で難燃剤を添加しても良い。また光透過性を損なわない範囲で難燃剤を添加した酢酸ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ビニルエステル系樹脂、シリコーン系樹脂等の樹脂も用いることができる。難燃性樹脂を用いてガラスクロスを含浸処理することにより、照明装置1の難燃性の向上を図ることができる。
これらの含浸樹脂は、1種類の樹脂を単独で用いてもよく、2種類以上の樹脂を任意の比率および組み合わせで、混合して用いたり、同種や異種の樹脂を複数回に分けて含浸させてもよい。ガラスクロスに含浸樹脂を含浸させた後、後記するように、ガラスクロス表面に更に保護層を設置しても良い。また、必要に応じて、含浸樹脂に紫外線吸収剤や酸化防止剤等を添加してもよい。
ガラスクロスに含浸樹脂を含浸させる方法は、公知の方法を用いることができ、特に制限されるわけではない。例えば、含浸樹脂を溶解させた溶液にガラスクロスを浸漬させて溶液を付着させた後に溶剤を乾燥・除去する方法や、含浸樹脂を溶融させた融液にガラスクロスを浸漬させて含浸樹脂を付着させる方法や、含浸樹脂のパウダーをガラスクロスに付着させた後にパウダーを溶融させてガラスクロスに固着させる方法、等が挙げられる。
含浸樹脂のガラスクロスに対する付着量は、ガラスクロスの単位面積当たりの質量(目付、g/m)に対して、3質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、8質量%以上がさらに好ましい。また、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、30質量%以下がさらに好ましい。この範囲にあるとき、ガラスクロス層45の取扱性、機械的強度が向上し、光取り出しシート自体の耐候性も良好であり、難燃性樹脂による難燃性付与の点においても優れたものとなる。
また、ガラスクロスと含浸樹脂との接着性を向上させるため、ガラスクロスに樹脂を含浸させる前に、ガラスクロスのヒートクリーニング処理やシランカップリング剤処理を行うことができる。
ヒートクリーニング処理は、ガラスクロスの織成時に使用されたガラス繊維の集束材や滑剤等を除去するために、ガラスクロスを高温で長時間加熱処理するものである。また、シランカップリング剤処理は、ガラスクロスの表面を予めシランカップリング剤によって処理することにより、ガラスクロスと含浸樹脂等との親和性を高めるものである。
(保護層)
ガラスクロスの表面に設けてもよい保護層は、ガラスクロス層45の片面のみに設けられていてもよく、両面に設けられていてもよい。また、保護層は省略することもできる。
保護層の材料は特に制限されないが、例えば、無機樹脂(シリカ等)、塩化ビニル樹脂、ビニルエステル樹脂、フッ素系樹脂、アクリル樹脂等が適用可能である。また、これらの樹脂材料に対して、例えば糖類(単糖、オリゴ糖、多糖等)等の添加物が含まれていてもよい。特に、単糖が含まれる場合、単糖そのものがはじめから含有されていてもよく、オリゴ糖や多糖とともに添加された多糖分解酵素によって生成した単糖が含有されてもよい。糖類としては、例えばシクロデキストリン、キトサン、プルラン等が挙げられる。これらは1種が単独で用いられてもよく、2種以上が任意の比率および組み合わせで用いられてもよい。また、多糖分解酵素としては、例えば、多糖を単糖に分解する酵素(例えばキトサナーゼ、プルラナーゼ、アミラーゼ等)の他、糖転移酵素(例えばシクロデキストリングルコシルトランスフェラーゼ等)であってもよい。
(ガラスクロス層45の物性)
ガラスクロス層45の物性は、特に制限されない。ただし、ガラスクロス層45のヘイズ値が70%以上であることが好ましく、80%以上がより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。ヘイズ値をこの範囲に設定することにより、より良好な光取り出し効率を図ることができる。ガラスクロスを構成するガラス繊維の種類、繊度、織密度等、あるいは含浸樹脂の種類(屈折率等)や処理条件等を制御して、より微細な構造とすることにより、ヘイズ値の数値を高いものとすることができる。
尚、ヘイズ値(曇価)は、以下の式(1)を用いて算出することができる。
ヘイズ値(%)={拡散透過率(%)/全光透過率(%)}×100…式(1)
また、ヘイズ値は、JIS K−7136「プラスチック−透明材料のヘイズの求め方」に記載されている方法で測定することができる。
また、ガラスクロス層45の全光透過率(全光線透過率)が、40%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましく、60%以上であることがさらに好ましい。全光透過率をこの範囲に設定することにより、より良好な光取り出し効率を図ることができる。尚、全光透過率は、JIS K−7361−1「プラスチック−透明材料の全光線透過率の試験方法」に記載されている方法で測定することができる。
ガラスクロスは微細な外径を有するガラス繊維を用いて製造されているため、光がガラスクロスに照射されると、光はこれら無数のガラス繊維の表面でランダムに反射・屈折を繰り返すこととなる。そして、入射光はほぼ全方向へ散乱されて、ガラスクロスの反対側の面から放出されることとなるため、ヘイズ値は高いものとなる。この結果、ヘイズ値および全光透過率がいずれも高い数値を有するガラスクロス層45を用いると、有機電界発光素子20で発生した発光光hは、広範囲方向へ散乱されて出射されるため、光の取り出し効率が向上するものと推定される。尚、このような原理に基づくため、広範囲方向へ均一な光を照射することが可能であり、視野角依存性が少ない照明を提供することが可能となっている。
ガラスクロス層45の厚さは、例えば0.1mm以上0.5mm以下とすることができる。ガラスクロス層45の厚さをこの範囲に設定することにより、耐候性、可撓性および有機電界発光素子20からの光取り出し効率がより良好な照明装置1を作製することができる。
また、ガラスクロス層45の重さは、1mあたりの質量として、例えば100g以上500g以下とすることができる。ガラスクロス層45の質量をこの範囲に設定することにより、耐候性、可撓性および光取り出し効率がより良好な照明装置を作製することができる。
<接着層51>
接着層51は、封止層30に対して放熱層53を貼り合わせるための層である。この接着層51は、上述した封止層30を構成する接着層33と同様の構成のものが用いられる。またこの接着層51は、上述した接着層43を構成する無機充填剤を含有していてもよい。
<放熱層53>
放熱層53は、封止層30の上部に設けられた層であって、照明装置1内の熱を放熱する。このような放熱層53は、熱伝導性の良好であれば、導電性材料で構成さていても絶縁性材料で構成されていてもよい。またこの放熱層53は、封止層30としての機能を有する必要はなく、封止層30を完全に覆うことなく、封止層30よりも小さい面積を有して封止層30の上部に設けられていてよい。このため、照明装置1を平面視的に見た場合、放熱層53は封止層30の配置領域よりも狭い領域に形成されており、放熱層53の周囲から封止層30がはみ出していてよい。
このような放熱層53としては、金属箔が好ましく用いられる。金属箔の材料としては、例えば、Al、Cu、Ni等の金属材料や、ステンレス、アルミニウム合金等の合金材料等が挙げられる。これらは1種が単独で用いられてもよく、2種以上が任意の比率および組み合わせで用いられてもよい。中でも、金属箔としては、熱伝導性の観点および加工性やコストの観点から、アルミニウム箔が好ましく用いられる。放熱層53の膜厚および配置面積は、大きいほど放熱効果が高く好ましいく、照明装置1の薄型化および軽量化の観点からは薄膜であるほど好ましいが、製造時の取り扱い性およびパネルの薄板化の観点から、膜厚は、通常1μm以上、好ましくは10μm以上、より好ましくは20μm以上、また、通常2mm以下、好ましくは200μm以下、より好ましくは50μm以下である。
以上のような放熱層53は、単層構造であってもよく、複数層を積層した構造であってもよい。
<照明装置1の製造方法>
以上のような構成の照明装置1の製造方法の一例を説明する。まず、素子基板10を準備する。準備した素子基板10が、ガスバリア層を有するものであれば、ガスバリア層と同じ側の素子基板10の一主面上に、有機電界発光素子20を形成する。有機電界発光素子20の形成方法は、公知の任意の方法を適用することが可能であるため、その説明を省略する。次いで、有機電界発光素子20を覆う状態で、素子基板10の一主面側に絶縁性封止層31をCVD成膜によって形成する。
一方、樹脂層37を用意し、この一主面上に金属バリア層35をラミネートした封止材を作製し、金属バリア層35上に接着剤を塗布する。その後、塗布した接着剤に対して有機電界発光素子20に形成した絶縁性封止層31を対向させる状態で、素子基板10を貼り合わせる。この状態で接着剤を硬化させて接着層33とし、絶縁性封止層31、接着層33、金属バリア層35、および樹脂層37を積層した封止層30と、素子基板10との間に有機電界発光素子20を封止する。
次いで、素子基板10において有機電界発光素子20が形成されていない他主面上、または別体として用意したガラスクロス層45上に、上述した無機充填材を含有した接着剤を塗布する。その後、接着剤を介して素子基板10とガラスクロス層45を貼り合わせ、この状態で接着剤を硬化させて接着層43とし、素子基板10の他主面側に、接着層43、およびガラスクロス層45をこの順に積層させた構成とする。
その後、封止層30上、または別体として用意した放熱層53上に接着剤を塗布する。その後、接着剤を介して封止層30と放熱層53を貼り合わせ、この状態で接着剤を硬化させて接着層51とし、素子基板10の一主面側に、有機電界発光素子20、封止層30、接着層51、および放熱層53をこの順に積層させた構成とする。
尚、接着層43を介しての素子基板10とガラスクロス層45との貼り合わせは、有機電界発光素子20の形成前、封止層30の形成後、または放熱層53の貼り合わせ後の何れであってもよい。
<第1実施形態の効果>
以上説明した構成の照明装置1は、封止層30の上部に放熱層53を設けたことにおり、耐熱性の向上を図ることが可能になる。そして、以降の実施例で示されるように耐熱性の向上によって難燃性の向上を図ることができる。
≪第2実施形態≫
図2は、第2実施形態の照明装置の断面模式図である。図2に示す第2実施形態の照明装置2は、図1を用いて説明した第1実施形態の照明装置1の素子基板10とガラスクロス層45との間に、耐熱性を有する層41を追加した構成である。他の構成要素は、第1実施形態と同様であるため、ここでは耐熱性を有する層41の構成を説明し、他の構成要素の説明は省略する。
<耐熱性を有する層41>
耐熱性を有する層41は、素子基板10において、有機電界発光素子20が設けられている一主面上とは逆側の他主面上に設けられている。この耐熱性を有する層41に対して、接着層43を介してガラスクロス層45が貼り合わせて設けられている。
このように配置された耐熱性を有する層41は、難燃剤を含有する層であって、難燃剤とともに例えばバインダーと必要に応じたその他の添加剤とを含有する。耐熱性を有する層41は、図示したように、有機電界発光素子20で発生させた発光光hが、素子基板10側から取り出される構成であれば、光透過性を有して構成される。このような耐熱性を有する層41は、難燃剤、バインダー、およびその他の添加剤を含有する難燃性塗料の塗布によって形成される。耐熱性を有する層41または難燃性塗料を構成する各材料は、次のようである。
(難燃剤)
難燃剤は、リン系難燃剤、臭素含有難燃剤、金属水酸化物、ホウ素含有難燃剤、アンチモン含有難燃剤、およびシリコン含有難燃剤などを、単独でまたは複数を組み合わせて用いることができる。このうち特に、リン系難燃剤は、火に晒された場合に発泡剤として機能し、耐熱性を有する層41を発泡断熱層とするため好ましく用いられる。
このうちリン系難燃剤としては、赤リンの他、(1)リン酸塩含有難燃剤、(2)リン酸エステル、(3)その他のリン化合物が用いられる。
(1)リン酸塩含有難燃剤としては、例えば、モノリン酸塩、ピロリン酸塩、ポリリン酸塩等が挙げられる。これらの中でも、リン酸塩含有難燃剤の自己消火性が向上するため、モノリン酸塩を使用することが好ましく、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、第一リン酸アルミニウム、リン酸一ナトリウム、第三リン酸アルミニウムからなる群より選ばれる少なくとも一つを使用することがより好ましく、リン酸二水素アンモニウムを用いることが更に好ましい。またポリリン酸塩であれば、ポリリン酸アンモニウム、およびポリリン酸アンモニウムを樹脂によりコーティングしたマイクロカプセル化ポリリン酸アンモニウムが例示される。
(2)リン酸エステルとしては、特に限定はないが、モノリン酸エステル、縮合リン酸エステル等を使用することが好ましい。中でも、初期の発熱量を低減させる効果が高いためモノリン酸エステルを使用することが好ましく、具体的にはトリス(β−クロロプロピル)ホスフェートを使用することがより好ましい。
(3)その他のリン化合物としては、発泡性リン・アルミニウム系化合物等が例示される。
また、シリコン含有難燃剤としては、ケイ酸カリウム、ケイ酸カルシウム、二酸化ケイ素などが例示される。
以上のうち、リン系難燃剤は、次に説明するバインダーと容易に混合することができ、発泡耐火膜の発泡が効率的に行われ、十分な耐火性能を有する発泡層を形成することができるものである。
(バインダー)
バインダーは、例えばメラミン樹脂、アクリル樹脂、アルキッド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂などの樹脂を、単独または共重合させた合成樹脂として用いることができる。
これらの樹脂は、水に分散させて樹脂エマルジョンとすることで、難燃剤と容易に混合して難燃性塗料として用いることができる。またこの樹脂エマルションは、分散媒として水を用いている。このため、難燃性塗料を用いて耐熱性を有する層41を形成する際の、難燃性塗料の塗布および乾燥の際に発生する蒸発成分が水蒸気であることから、作業者に対する負担が少なく、作業環境など塗装現場近隣を含めた環境に対する負荷が少ないものである。
耐熱性を有する層41における難燃剤とバインダーとの比率は、バインダーとなる樹脂100重量部に対して、難燃剤4.5〜200重量部である。
(その他の添加剤)
耐熱性を有する層41、および耐熱性を有する層41を形成するための難燃性塗料には、以上の難燃剤およびバインダーの他に、耐熱性を有する層41の光透過性に影響のない範囲で、その他の添加剤を含有させることができる。その他の添加剤の一例としては、難燃性充填剤、被覆剤、炭化剤、粘性調整剤、消泡剤、防腐剤、防かび剤、分散剤、紫外線吸収剤、光安定剤、および帯電防止剤等が例示される。
特に、バインダーが樹脂エマルジョンとして用いられる場合、耐熱性を有する層41を形成するための難燃性塗料には、難燃性充填剤、被覆剤、炭化剤、および粘性調整剤が好ましく含有される。
難燃性充填剤としては、水酸化アルミニウムまたは水酸化マグネシウム等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
被覆剤は、難燃剤や難燃性充填剤を被覆して、湿気を吸収するのを妨げる役割を果たす。このような被覆剤としては、メラミン樹脂が好ましく、メラミン樹脂はメラミンとホルムアルデヒドとの重縮合により得られる樹脂およびその各種誘導体であれば特に限定されない。
炭化剤は、リン系の難燃剤が火に晒されて発泡して発泡断熱層が形成された場合に、発泡途中または発泡が終了した発泡断熱層を炭化させるものであり、発泡断熱層が炭化することで難燃剤との相乗効果により、断熱効果のある発泡断熱層を形成し十分な耐火性能を得ることができる。このような炭化剤としては、多糖類、多価アルコール類等が好ましく用いられる。具体的には、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ポリペンタエリスリトール、メラミンのいずれかを、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
粘性調整剤は、難燃性塗料の粘度を調整するもので、セルロース誘導体からなる。難燃性塗料は、粘性調整剤の添加により、例えばその粘度がB型粘度計において、10〜400Pa・sの範囲内に調整されていることが好ましく、これにより難燃性塗料の塗布性が良好に保たれる。
またバインダーとしてウレタン樹脂を用いる場合、耐熱性を有する層41には、さらに三量化触媒、ウレタン樹脂硬化触媒を含有させることが好ましい。ウレタン樹脂成分としては、例えば、ポリイソシアネート化合物、ポリオール化合物等を含むものが挙げられる。ポリイソシアネート化合物は主に硬化剤として用いられ、ポリオール化合物は主に主剤として用いられる。
この場合、三量化触媒の含有量は特に限定されないが、ウレタン樹脂100重量部に対して、0.01重量部〜10重量部の範囲であることが好ましく、0.1重量部〜5重量部の範囲であることがより好ましく、0.1重量部〜3重量部の範囲であることが更に好ましく、0.1重量部〜1.5重量部の範囲であることが最も好ましい。三量化触媒が0.01重量部以上の場合には、ウレタン樹脂成分であるイソシアヌレート基が形成し難燃性を確保でき、10重量部以下の場合には適切な硬化速度を確保でき、取り扱い易い。三量化触媒は、一種もしくは二種以上を使用することができる。
ウレタン樹脂硬化触媒としては、例えばアミノ化合物、錫化合物、アセチルアセトン金属塩等が挙げられる。ウレタン樹脂硬化触媒の含有量に特に限定はないが、ウレタン樹脂100重量部に対して、0.01重量部〜10重量部の範囲であることが好ましく、0.01重量部〜8重量部の範囲であることがより好ましく、0.01重量部〜6重量部の範囲であることが更に好ましく、0.7重量部〜1.5重量部の範囲であることが最も好ましい。0.01重量部以上10重量部以下の場合には取り扱い易く反応の制御が容易となる。ウレタン樹脂硬化触媒は、一種もしくは二種以上を使用することができる。
尚、難燃性塗料は、水を分散媒とした樹脂エマルジョンを用いたものに限定されることはなく、例えば、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、ジオキサン、エチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル系溶剤等を、単独もしくは混合溶剤として用いたものであってもよい。
以上のような難燃性塗料を用いた耐熱性を有する層41の形成は、スプレー吹き付け法、ロールコート法、刷毛塗り法、ディップコーティング法、スピンコーティング法などを適用して難燃性塗料を素子基板10の他主面上に塗布し、これを乾燥させることによって行われる。
<照明装置2の製造方法>
以上のような構成の照明装置2の製造方法は、図1を用いて説明した照明装置の製造方法において、素子基板10の他主面上に接着層43を介してガラスクロス層45を貼り合わせる前に、素子基板10の他主面上に耐熱性を有する層41を形成する工程を行う。次いで、耐熱性を有する層41上、または別体として用意したガラスクロス層45上に、上述した無機充填材を含有した接着剤を塗布し、接着剤を介して耐熱性を有する層41とガラスクロス層45を貼り合わせ、この状態で接着剤を硬化させて接着層43とし、素子基板10の他主面側に、耐熱性を有する層41、接着層43、およびガラスクロス層45をこの順に積層させた構成とする。
<第2実施形態の効果>
以上説明した構成の照明装置2は、外側に耐熱性を有する層41を設けた素子基板10と、封止層30との間に有機電界発光素子20を封止した構成である。これにより、以降の実施例で示されるように、耐熱性を有する層41を設けていない構成の照明装置と比較して、さらに耐熱性の向上を図ることが可能となる。
≪その他の変形例≫
上述した第2実施形態においては、素子基板10の他主面上に耐熱性を有する層41を設け、この上部に接着層43を介してガラスクロス層45を貼り合わせた構成を説明した。しかしながら、ガラスクロス層45上に耐熱性を有する層41を形成し、耐熱性を有する層41と素子基板10とを接着層43を介して貼り合わせる構成であってもよい。
また上述した第1施形態および第2実施形態においては、素子基板10において有機電界発光素子20が設けられた一主面側とは逆側に、ガラスクロス層45を設けた構成を説明した。しかしながら本発明は、ガラスクロス層45を設けていない構成であっても、放熱層53を設けたことによる耐熱性向上の効果を得ることが可能である。
以下、図1、図2を参照し、本発明を適用した実施例の照明装置、および比較例の照明装置の製造を説明し、その後、製造した各照明装置の評価を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、下記表1には、実施例および比較例の照明装置の構成と、評価結果を合わせて示す。
≪実施例1≫
<(1)素子基板の作製>
先ず、プラズマCVD法による成膜を行うCVD装置を用いて、以下の条件で、透明樹脂フィルムの表面にガスバリア層として窒化珪素膜を形成し、ガスバリア層を有する素子基板10を作製した。
透明樹脂フィルムとして、厚さ188μmのPETフィルム(東レフィルム加工社製 ポリエチレンテレフタレートフィルム「ルミナイス」)を用意した。この透明樹脂フィルムをCVD装置の真空チャンバ内の所定位置にセットして、真空チャンバを密閉した。
次いで、真空チャンバ内を排気して、圧力が0.01Paとなった時点で、反応ガスとして、シランガス(SiH)、アンモニアガス(NH)、および窒素ガス(N)を導入した。尚、1013hPa、25℃において、シランガスの流量は50ml/分、アンモニアガスの流量は100ml/分、窒素ガスの流量は150ml/分とした。そして、真空チャンバ内の圧力が100Paとなるように、真空チャンバ内の排気を調整した。
次いで、電極に750Wの高周波電力を供給し、透明樹脂フィルムの表面にガスバリア層として窒化珪素膜を厚さ100nmで成膜した。これにより、酸素透過度0.01ml/(m・day・atm)以下、水蒸気透過度0.01g/(m・day)以下のガスバリア性を有する素子基板10を作製した。
<(2)有機電界発光素子の作製>
得られた素子基板10のガスバリア層が形成されている面上に、スパッタ装置により、陽極となる第1電極としてITO(酸化インジウム錫)膜を厚さ110nmで形成した。そして、フォトリソグラフィ法によりITO膜のパターニングを行い、その上に、特開2008−269962号公報の実施例1に記載の方法に則って、有機化合物材料を積層した発光ユニット、および陰極となる第2電極を真空蒸着法にて形成して、有機電界発光素子20を作製した。
<(3)封止層の形成>
先ず、プラズマCVD法により、素子基板10の一主面上に、有機電界発光素子20を覆う状態で、窒化珪素(SixNy)からなる絶縁性封止層31を形成した。この際、有機電界発光素子20が形成された素子基板10を収容したCVD装置の真空槽内を4×10―4Paにまで減圧した後、真空槽内にシランガス(SiH)、アンモニアガス(NH)、窒素ガス(N)、および水素ガス(H)を導入し、有機電界発光素子20を覆う状態で、500nmの膜厚の窒化珪素(SixNy)からなる絶縁性封止層31を形成した。
一方、膜厚50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムからなる樹脂層37を用意し、この一主面上に、金属バリア層35として30μm厚のアルミニウム箔をラミネートして封止材を作製した。封止材の金属バリア層35(アルミニウム箔)面上に、熱硬化型接着剤ストラクトボンドE−413(三井化学社製)を塗布し、封止材を静置した。その後、有機電界発光素子20を覆う絶縁性封止層31と、封止材の金属バリア層35(アルミニウム箔)とが熱硬化型接着剤を介して対向するように積層した。これらの積層体を、1×10−2Paの減圧環境下で真空ラミネータを用いて、押圧力0.1MPa、温度100℃で60秒間圧着した。さらに硬化処理として温度100℃で30分間の加熱を施した。これにより、有機電界発光素子20を、絶縁性封止層31、接着層33、金属バリア層35、樹脂層37の4層構造からなる封止層30によって封止した。
尚、上記と同様の手順で作製した絶縁性封止層31、接着層33、金属バリア層35、樹脂層37の3層構造からなる封止層30について、MOCON法によって蒸気透過度の測定を行ったところ、水蒸気透過度は10―5g/(m・day)以下であることが確認された。
<(4)ガラスクロス層の作製>
Eガラス(成分−SiO;55質量%、Al;14質量%、CaO;23質量%、MgO;1質量%、RO;0.6質量%、B;6質量%;Rはアルカリ金属)を用いて、モノフィラメント径6μm、モノフィラメント本数800本、67.5texのガラス繊維束を2本合撚して、ガラス繊維を製造した。このガラス繊維を縦糸および横糸に用いて、縦糸の織密度が44本/25mm、横糸の織密度が35本/25mmとなるように平織のガラスクロスを製織した。その後、このガラスクロスに対して、400℃で72時間加熱してヒートクリーニング処理を行い、さらにシランカップリング剤としてメタクリロキシプロピルトリメトキシシランを用いてシランカップリング剤処理を行って、光取り出しシート用のガラスクロスを作製した。得られたガラスクロスの厚さは180μmであった。
次に、水に、コロイダルシリカ、シクロデキストリン、キトサン、プルラン、酵素(シクロデキストリングルコシルトランスフェラーゼ、キトサナーザ、プルナラーザ、アミラーゼ)を添加して混合することによって、固形分濃度が30質量%であるバインダー樹脂の溶液を調製した。得られたバインダー樹脂(無機系樹脂)の溶液を、上記で作成したガラスクロスに含浸させ、その後含浸物を120℃×2分間の乾燥条件で乾燥させた。乾燥後のバインダー樹脂(無機系樹脂)の付着量は30g/mであった。
<(5)ガラスクロス層45の貼り合わせ>
次に、熱硬化型接着剤ストラクトボンドE−413(三井化学社製)100質量部に、平均粒径20nmの酸化チタンナノ粒子であるTTO−51(A)(石原産業株式会社製)を30質量部添加して、20℃条件下ペイントシェーカーで2時間分散して混合し、無機充填材を分散させた接着剤を得た。この接着剤を、ガラスクロス層45の表面に塗布した。その後、ガラスクロス層45の接着剤塗布面と、素子基板10の他主面とが接触するように、ガラスクロス層45と有機電界発光素子20が形成された素子基板10とを積層した。これらの積層体を、1×10−2Paの減圧環境下で真空ラミネータを用いて、押圧力0.1MPa、温度100℃で60秒間圧着した。その後、硬化処理として温度100℃で30分間の加熱を施した。尚、使用した熱硬化型接着剤ストラクトボンドE−413の全光線透過率(全光透過率)は90%であった。
<(6)放熱層53の貼り合わせ>
膜厚0.2μmのアルミニウム箔からなる放熱層53を用意し、この一主面側にシリコーン樹脂系の熱硬化型接着剤を塗布し、接着剤の層に対して封止層30を対向配置し、放熱層の周囲から封止層30をはみ出させるようにして貼り合わせ、接着剤を硬化させた。これにより、封止層30上に接着層51を介して放熱層53を貼り合わせた。以上により、図1に示した実施例1の照明装置1を作製した。
≪実施例2≫
上記(3)封止層の形成を行った後、(5)ガラスクロス層45の貼り合わせとの間に、素子基板10の他主面側に、以下のようにして耐熱性を有する層41を形成する工程を行い、図2に示す照明装置2を作製した。
<耐熱性を有する層41の形成>
合成樹脂エマルジョン、難燃剤としてポリリン酸アンモニウム、炭化剤としてペンタエリスリトールを混合し、固形分70%、揮発成分30%の混合液を調整した。この混合液に対して、粘性調整剤としてヒドロキシエチルセルロースを、混合液の揮発成分に対して1.5重量部になるように加え、難燃性塗料を調整した。この難燃性塗料を、素子基板10のガスバリア層と逆側の面に塗布し、乾燥させることにより、耐熱性を有する層41を形成した。
その後、上述した実施例1の(5)ガラスクロス層45の貼り合わせと同様の手順で、耐熱性を有する層41に対して接着層43を介してガラスクロス層45を貼り合わせて実施例2の照明装置2を作製した。
≪比較例1≫
実施例1の製造方法において(6)放熱層53の貼り合わせを実施せずに照明装置を作製した。
≪比較例2≫
比較例1の手順において、ガラスクロスに含浸させる樹脂組成物を、無機系樹脂からリン酸エステルに変更したこと以外は、比較例1と同様にして照明装置を作製した。リン酸エステルを含浸させたガラスクロス層45は、次の通りである。
まず、エポキシ樹脂としてjER828(屈折率:1.573、三菱化学)を用意し、このエポキシ樹脂90重量部に対し、燐酸エステルとして1,3−フェニレンビス−ジキシレニルホスフェート(大八化学社製、「PX−200」)を10重量部混合させた。酸化防止剤(IRGANOX1010 BASF Japan製)を3phr(per hundred resin)、および光反応開始剤(SP−170 ADEKA製)を2phr加えて十分に撹拌してリン酸エステル溶液を作製した。このリン酸エステル溶液を用いて実施例2と同様にしてガラスクロス層45を作製した。
≪評価≫
以上の実施例および比較例で作製した各照明装置について、鉄道車両用非金属材料に対する燃焼試験を行った。実施例および比較例で示した手順で、182mm×257mmの各照明装置を作製し、これらを供試体とした。温度15℃〜30℃、湿度15℃〜30℃に保たれた空気流動のない試験室内において、各供試体を45°傾斜した状態で保持した。0.5ccの純エチルアルコールを燃料として貯留した燃料容器を用意し、熱伝導率の低い材質(コルク)の台に燃料容器を載置した。そして、供試体の下面(燃焼面)中心から、燃料容器の底の中心まで25.4mm(1インチ)の高さとなるように、燃料容器を配置した。
この状態で、燃料容器内の純エチルアルコールに着火し、燃料が燃え尽きるまで放置し、その間における着火および煙の発生を判定した。判定結果を下記表1に示す。
Figure 2017104185
≪評価結果≫
表1に示す鉄道車両用燃焼試験の評価の結果から、実施例1および比較例2の照明装置は、着火の発生がないことが確認された。また実施例1の照明装置は煙の発生が「少ない」であって極難燃性と判定され、実施例2の耐熱組成を有する層41を設けた照明装置は煙の発生が「僅少」であって不燃性と判定され、鉄道車両用非金属材料としても好適に用いられることが確認された。
1,2…照明装置
10…素子基板
20…有機電界発光素子
30…封止層
53…放熱層

Claims (3)

  1. 素子基板と、
    前記素子基板の一主面上に設けられた有機電界発光素子と、
    前記有機電界発光素子を覆う状態で前記素子基板の一主面上に設けられた封止層と、
    前記封止層の上部に設けられた放熱層とを備えた
    照明装置。
  2. 前記封止層は、水蒸気透過度が10―5[g/(m・day)]以下のバリア性を有する
    請求項1記載の照明装置。
  3. 前記放熱層は、アルミニウムからなり、前記封止層の配置領域よりも狭い領域に形成されている
    請求項1または2の何れか1項に記載の照明装置。

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