JPWO2017104161A1 - 電力管理装置 - Google Patents

電力管理装置 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2017104161A1
JPWO2017104161A1 JP2016571368A JP2016571368A JPWO2017104161A1 JP WO2017104161 A1 JPWO2017104161 A1 JP WO2017104161A1 JP 2016571368 A JP2016571368 A JP 2016571368A JP 2016571368 A JP2016571368 A JP 2016571368A JP WO2017104161 A1 JPWO2017104161 A1 JP WO2017104161A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
power
storage battery
charge
charging
discharge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016571368A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6143979B1 (ja
Inventor
禎之 井上
禎之 井上
隆司 新井
隆司 新井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority claimed from PCT/JP2016/072351 external-priority patent/WO2017104161A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6143979B1 publication Critical patent/JP6143979B1/ja
Publication of JPWO2017104161A1 publication Critical patent/JPWO2017104161A1/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E40/00Technologies for an efficient electrical power generation, transmission or distribution
    • Y02E40/70Smart grids as climate change mitigation technology in the energy generation sector
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y04INFORMATION OR COMMUNICATION TECHNOLOGIES HAVING AN IMPACT ON OTHER TECHNOLOGY AREAS
    • Y04SSYSTEMS INTEGRATING TECHNOLOGIES RELATED TO POWER NETWORK OPERATION, COMMUNICATION OR INFORMATION TECHNOLOGIES FOR IMPROVING THE ELECTRICAL POWER GENERATION, TRANSMISSION, DISTRIBUTION, MANAGEMENT OR USAGE, i.e. SMART GRIDS
    • Y04S10/00Systems supporting electrical power generation, transmission or distribution
    • Y04S10/12Monitoring or controlling equipment for energy generation units, e.g. distributed energy generation [DER] or load-side generation
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y04INFORMATION OR COMMUNICATION TECHNOLOGIES HAVING AN IMPACT ON OTHER TECHNOLOGY AREAS
    • Y04SSYSTEMS INTEGRATING TECHNOLOGIES RELATED TO POWER NETWORK OPERATION, COMMUNICATION OR INFORMATION TECHNOLOGIES FOR IMPROVING THE ELECTRICAL POWER GENERATION, TRANSMISSION, DISTRIBUTION, MANAGEMENT OR USAGE, i.e. SMART GRIDS
    • Y04S10/00Systems supporting electrical power generation, transmission or distribution
    • Y04S10/12Monitoring or controlling equipment for energy generation units, e.g. distributed energy generation [DER] or load-side generation
    • Y04S10/123Monitoring or controlling equipment for energy generation units, e.g. distributed energy generation [DER] or load-side generation the energy generation units being or involving renewable energy sources

Abstract

電力管理装置(100)は、蓄電機器情報、PV発電電力予測情報、負荷消費電力予測情報および気温予測情報に基づいて、蓄電池(3)に計画される充放電電力を決定する運転計画作成部(206)を備える。運転計画作成部(206)は、少なくとも気温予測情報に基づいて蓄電池(3)の最大充電電力量あるいは充電終止電圧である充電終止点を決定し、該充電終止点以下で蓄電池3が充電されると共に、上記気温予測情報が設定上限値を超える時間帯に蓄電池(3)の充放電を停止するように、充電時の運転計画を作成する。

Description

この発明は、創エネ機器、蓄電機器、電気負荷を有するシステムの電力需給を管理する電力管理装置に関し、特に蓄電機器の電力管理に関するものである。
近年、環境負荷の低減に向け、二酸化炭素を排出しない太陽光発電などの自然エネルギを利用した発電システムが各家庭に普及しつつある。また電力不足等に対応するため、蓄電池を具備したシステム、電気自動車のバッテリを利用するシステム、太陽光発電と蓄電池を組み合わせたシステムなどの製品化が進められている。一方、このような、創エネ機器、蓄電機器は導入費用が高い。そこで、導入した創エネ機器、蓄電機器と電気負荷を効率よく運用し電力料金をより安くする電力管理装置、およびこれらのシステムであるホームエネルギマネジメントシステム(以下、HEMSと称す)の開発が進められている。
電力管理装置で創エネ機器、蓄電機器、電気負荷を効率よく運用し電力料金をより安くする場合、蓄電機器は1日を通して充放電を行うための運転計画が作成される。また一般に、蓄電機器を構成する蓄電池は、非常に高価であるため必要となる最小限の容量のものが設置され、深夜電力時間帯の安い電力、あるいは創エネ機器の余剰電力を充電し、電力料金の高い深夜電力時間帯以外で放電を行う。また蓄電池は、その使用方法、さらに温度により劣化進度が大きく異なる。
従来の蓄電池制御について以下の手法が開示されている。蓄電池を充電する際、定電流で蓄電池の充電を行う第1の充電モードと、定電圧で蓄電池の充電を行う第2の充電モードとを有する。そして、蓄電池に充電を行う場合、第1の充電モードと第2の充電モードとの切り替えを行う際の蓄電池電圧を蓄電池温度の関数にすると共に、第1の充電モードで定電流充電を行う際の充電電電流値についても蓄電池温度により決定する(例えば、特許文献1)。
また、蓄電池を含む電子部品の長寿命化の為、従来の蓄電池の制御方式には以下に示すものがある。温度予測結果と機器内部に保持する信頼性基準に応じて、蓄電池充電の際の最大許容可能電力Pmaxを決定する。Pmax決定に際しては、電力、および温度に対する信頼性を表すデータに基づき決定する。また、発電機の発電量予測結果から、蓄電池に充電可能な最大エネルギEmaxを算出する。一方、蓄電池をフル充電するのに必要な電力量Eを決定し、上記算出したEmax、E、およびPmaxから蓄電池に充電する電力PLを決定する。PL決定に際しては、発電機の発電可能期間にわたって充電電力を分散させ、電力ピークを回避する(例えば、特許文献2)。
特開2008−283853号公報 特許第5184202号
蓄電池は、充放電を実施していなくても劣化が進行し、特に、満充電を保持している場合は、80%以下の蓄電電力量を保持している場合と比較して劣化の進み方が大きい。更に、蓄電池温度が高い場合はさらに劣化の進み方は大きくなる。また、夏期の外気温が高い昼間時間帯では蓄電池を充放電できないことが多く、夕方から夜間にかけて気温が下がってきた場合も、充放電は可能であるが、蓄電池劣化を抑制するため最大充放電電流に制限がかかる。
上記特許文献1では、モードを切り替えて蓄電池を充電することを記載しているが、充電の完了については、蓄電池を満充電まで充電することになる。このため、夏期の外気温が高い昼間時間帯において蓄電池を満充電で保持することになり蓄電池の劣化を進めてしまう。さらに、充電された電力量を使い切らずに一日が終了して再充電することになり、必要電力量以上に充電して蓄電池劣化を進めるといった問題点があった。
また、上記特許文献2では、上述した最大許容可能電力Pmax、蓄電池に充電可能な最大エネルギEmax、フル充電に必要な電力量Eから、充電電力PLを決定して充電するものである。しかしながら、夏期の夕方から夜間にかけての放電において、蓄電池劣化を抑制するため最大充放電電流に制限がかかると、充電された電力量を使い切らずに一日が終了して再充電することになる。このため、上記特許文献1と同様に、必要電力量以上に充電して蓄電池劣化を進める。また、外気温が高い昼間時間帯において不要に高い充電電力量を蓄電池に保持することになり蓄電池の劣化を進めるものであった。
この発明は、上記のような問題点を解消するために成されたものであって、蓄電機器の運転計画を適切に作成することにより、不要に高い電力量を充電して保持することを防止して蓄電機器の劣化を抑制できる、電力管理装置を提供することを目的とする。
この発明に係る電力管理装置は、蓄電機器と創エネ機器と電気負荷とを有するシステムの電力需給を管理し、上記蓄電機器の情報を取得する蓄電機器情報取得部と、上記創エネ機器にて発電される電力を予測する発電電力予測部と、上記電気負荷の消費電力を予測する負荷電力予測部と、上記蓄電機器情報取得部にて取得した蓄電機器情報、上記発電電力予測部にて予測した発電電力予測情報、上記負荷電力予測部にて予測した負荷電力予測情報、および気温予測情報に基づいて、上記蓄電機器の運転計画を作成する運転計画作成部とを備える。そして、上記運転計画作成部は、少なくとも上記気温予測情報に基づいて上記蓄電機器の最大充電電力量あるいは充電終止電圧である充電終止点を決定し、上記充電終止点以下で上記蓄電機器が充電されると共に、上記気温予測情報が設定上限値を超える時間帯に上記蓄電機器の充放電を停止するように上記運転計画を作成するものである。
この発明の電力管理装置によれば、上記運転計画作成部は、上記充電終止点以下で上記蓄電機器が充電されると共に、上記気温予測情報が設定上限値を超える時間帯に上記蓄電機器の充放電を停止するように上記運転計画を作成するため、不要に高い電力量を充電して保持することを防止でき、蓄電池の劣化を抑制することができる。
この発明の実施の形態1による電力管理装置を含む電力管理システム全体の構成を概略的に示す図である。 この発明の実施の形態1による電力管理装置の構成を概略的に示す図である。 この発明の実施の形態1による電力管理装置の運転計画部の構成を概略的に示すブロック図である。 この発明の実施の形態1による運転計画を決定する説明図である。 この発明の実施の形態1による蓄電池の内部構成を含む蓄電機器の構成を示す図である。 この発明の実施の形態1による蓄電池の特性を説明する図である。 この発明の実施の形態1による蓄電池の充放電回数と蓄電池容量との関係を示す図である。 この発明の実施の形態1による蓄電池の温度に対する最大充放電電流を示す図である。 この発明の実施の形態1による蓄電池の温度に係る劣化特性を説明する図である。 この発明の実施の形態1による蓄電機器の充放電電力と損失電力との関係を示す図である。 この発明の実施の形態1による蓄電機器の待機電力について説明する図である。 この発明の実施の形態1によるヒートポンプ式給湯機の特性を説明する図である。 この発明の比較例による蓄電池制御における蓄電池セル温度および買電電力の一日の変化を説明する図である。 この発明の比較例による蓄電池制御における充放電電流および蓄電電力量の一日の変化を説明する図である。 この発明の実施の形態1による電力管理装置における運転計画作成動作の全体フロー図である。 図15の部分詳細フロー図である。 この発明の実施の形態1における電力料金体系を示す図である。 この発明の実施の形態1によるPV発電電力学習管理部内のデータベースに格納された各天気、時刻の日射量の予測データの例を示す図である。 この発明の実施の形態1による電力管理装置における、実測結果に基づく日射量補正動作を説明する図である。 この発明の実施の形態1による電力管理装置における、実測結果に基づく気温補正動作を説明する図である。 この発明の実施の形態1による電力管理装置における、実測結果に基づく負荷消費電力補正動作を説明する図である。 図16の部分詳細フロー図で、蓄電池および給湯機の運転計画作成フローを示す図である。 図22の部分詳細フロー図で、気温に基づく蓄電池運転制約条件の生成フローを示す図である。 図22の部分詳細フロー図で、給湯機の運転パターンの作成フローを示す図である。 図22の部分詳細フロー図で、蓄電池運転計画の作成フローを示す図である。 図22の部分詳細フロー図で、蓄電池運転計画の作成フローを示す図である。 この発明の実施の形態1における家族スケジュールに基づく給湯機の使用湯量を示す図である。 この発明の実施の形態1による蓄電池制御における蓄電池セル温度および蓄電電力量の一日の変化を説明する図である。 この発明の実施の形態2による電力管理装置における蓄電池運転計画の作成フローを示す図である。 この発明の実施の形態2による電力管理装置における蓄電池運転計画の作成フローを示す図である。 この発明の実施の形態2の比較例による蓄電池セル温度および充放電電力の一日の変化を説明する図である。 この発明の実施の形態2による蓄電池セル温度および充放電電力の一日の変化を説明する図である。 この発明の実施の形態3による電力管理装置の構成を概略的に示す図である。 この発明の実施の形態3による電力管理装置の運転計画部の構成を概略的に示すブロック図である。 この発明の実施の形態3による電力管理装置における運転計画作成動作の全体フロー図である。 この発明の実施の形態3による電力管理装置における運転計画作成動作の全体フロー図である。 図35の部分詳細フロー図で、蓄電池充電電力量推定のフローを示す図である。 図35の部分詳細フロー図で、蓄電池運転状況確認のフローを示す図である。 この発明の実施の形態3の比較例による蓄電池パワコンの充電動作を説明する図である。 この発明の実施の形態3による蓄電池パワコンの充電動作を説明する図である。 この発明の実施の形態3の比較例による蓄電池パワコンの放電動作を説明する図である。 この発明の実施の形態3による蓄電池パワコンの放電動作を説明する図である。
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1による電力管理装置を図に基づいて説明する。図1は、この発明の実施の形態1による電力管理装置100を含む電力管理システム全体の構成を概略的に示す図である。電力管理システム(以下、システムと称す)は、創エネ機器A、蓄電機器B、蓄熱機器C、宅内の電気負荷である負荷機器20、系統電源10に接続される商用系統11および電力管理装置100を備えて、電力管理装置100により電力需給が管理される家庭内のシステム(HEMS)である。
図に示すように、創エネ機器Aは、太陽光パネル1(PV)と、太陽光パネル1から出力される直流電力を交流電力に変換する太陽光パワコン2とを有する。この実施の形態1では創エネ機器Aの一例として太陽光パネル1および太陽光パワコン2で構成された太陽光発電装置を用いた場合について説明する。なお、創エネ機器Aは太陽光発電装置に限るものではなく、例えば、風力発電装置などでも良いことは言うまでもない。
蓄電機器Bは、蓄電池3と、蓄電池3の充放電を管理する蓄電池パワコン4とを有する。この実施の形態1では、蓄電機器Bの一例としてリチュウムイオンバッテリを使用した蓄電池3、および蓄電池パワコン4で構成された蓄電装置を用いた場合について説明する。なお、蓄電機器Bは、リチュウムイオンバッテリを使用した蓄電池3に限るものではなく、例えば電気自動車のバッテリを蓄電池として利用する場合、あるいは鉛蓄電池を用いる場合でも良いことは言うまでもない。
蓄熱機器Cは、エコキュート(登録商標)等のヒートポンプ式給湯機5(以下、給湯機と称す)である。なお、蓄熱機器Cは給湯機5に限らず、例えば、創エネ機器Aの発電時に発生する熱を利用してお湯を沸かす燃料電池等でも良いことは言うまでもない。また、燃料電池は創エネ機器Aとして利用しても良い。
系統電源10は200Vの交流電力を商用系統11に供給し、創エネ機器A、蓄電機器B、蓄熱機器Cおよび負荷機器20は商用系統11に接続される。また、創エネ機器A、蓄電機器B、蓄熱機器Cおよび負荷機器20よりも系統電源10側に、分電盤14とスマートメータ15が設けられる。分電盤14は、創エネ機器Aの発電電力、蓄電機器Bの充放電電力、蓄熱機器Cおよび負荷機器20の消費電力を計測する電力計測回路14aを内蔵する。
また、宅内の負荷機器20の代表的な機器の例として、エアコン21、冷蔵庫22、照明23、IHクッキングヒータ24を示す。なお、宅内の負荷機器20は、これに限るものではなく、例えばTVやパソコン、掃除機、食器洗い洗浄機、換気扇、ヒータ等の機器でも良いことは言うまでもない。また、各種の負荷機器20は1台に限るものではなく、複数台(例えばエアコン21が3台等)有しても良いことは言うまでもない。同様に、創エネ機器A、蓄電機器B、蓄熱機器Cも1台に限るものではなく、例えば、蓄電機器Bは蓄電池3と電気自動車のバッテリの2台、あるいは、創エネ機器Aは太陽光パネル1、風力、燃料電池の組み合わせ、あるいは蓄熱機器Cとしては、給湯機5と燃料電池の余熱を利用するシステムでも良いことは言うまでもない。
また、図に示すように、電力管理装置100と、創エネ機器A、蓄電機器B、蓄熱機器C、負荷機器20、分電盤14、スマートメータ15である各機器とは通信ネットワーク12で接続される。なお、この実施の形態1では、各機器を接続する通信ネットワーク12としてEthernet(登録商標)(有線)を用いる場合について説明するがこれに限るものではなく、例えば、Echonet Lite規格の物理層で決められている無線やPLC(電力線搬送通信)等を用いて接続しても良いことは言うまでもない。
また、分電盤14内の電力計測回路14aで計測される創エネ機器Aの発電電力、蓄電機器Bの充放電電力、蓄熱機器Cおよび負荷機器20の消費電力の各電力計測結果は、信号線13を介して電力管理装置100に通知される。なお、分電盤14は、電力計測回路14aを内蔵しない構成でも良いことは言うまでもない。その際は、各種機器の電力計測結果は各機器内で計測し、計測結果は上記通信ネットワーク12を介して電力管理装置100に通知する等の構成をとれば良いことは言うまでもない。
さらに、電力管理装置100は、公衆回線網30に接続され、公衆回線網30を介してクラウドサーバ31に接続される。
図2に、電力管理装置100のシステム構成図を示す。
図に示すように、電力管理装置100は、CPU110、ROM111、RAM112、Echonet Lite通信I/F(interface)部113、Ethenet通信I/F部114、表示部115、電力計測部116、時刻管理部117、運転計画部118、機器管理部119、負荷機器制御部120、家族スケジュール管理部121、DR(デマンドレスポンス)対応部122、およびCPUバス130で構成される。
ROM111はプログラムを記憶する。RAM112は、プログラムを実行する際にデータを一次記憶したり、プログラムを実行する際の作業領域として使用する。
Echonet Lite通信I/F113は、太陽光パワコン2、蓄電池パワコン4、給湯機5、分電盤14、スマートメータ15、エアコン21、冷蔵庫22、照明23、IHクッキングヒータ24と電力管理装置100との間を接続するEchonet Lite通信(物理層はEthernet(登録商標))のI/Fである。なお、この実施の形態1では、通信プロトコルの1例としてEchonet Liteを使用する場合について説明するがこれに限るものではなく、例えば、独自に決めた通信プロトコル、あるいは他の規格を使用したプロトコルでも良いことは言うまでもない。
Ethernet(登録商標)通信I/F114は、電力管理装置100を公衆回線網30に接続するEthernet(登録商標)通信のI/Fである。この実施の形態1では、物理層としてEthernet(登録商標)を使用する場合について説明するが、無線LANや光通信I/Fを用いても良いことは言うまでもない。また、電力管理装置100が公衆回線網30に直接接続する場合について説明するが、ホームゲートウェイなどを介して公衆回線網30に接続しても良く、同様の効果を奏することは言うまでもない。
また、電力計測部116は、分電盤14内の電力計測回路14aから出力される電力計測結果を記憶し、時刻管理部117は、時刻(年月日を含む)を管理する。運転計画部118は、蓄電機器Bおよび蓄熱機器Cの運転計画を作成する。
機器管理部119は、創エネ機器A、蓄電機器B、蓄熱機器Cおよび各負荷機器20の動作状況などを管理する機器管理部である。なお、機器管理部119では、新規に機器が投入された際の機器認証も実施するものとする。
また、負荷機器制御部120は負荷機器20の動作を制御し、家族スケジュール管理部121は家族のスケジュールを管理する。DR対応部122は、デマンドレスポンスを受信した際に、使用電力の削減量や電力使用量を削減する機器の優先順位などを決定する。
また、Echonet Lite通信I/F113は、蓄電機器Bと電力管理装置100との間で情報授受を行い、蓄電機器情報の取得、および蓄電池3の充放電停止中の運転モードを蓄電機器Bに通知する際にも用いられる。
次に、図2を用いて電力管理装置100の全体の動作を説明する。
電力管理装置100の起動が完了すると、CPU110は機器管理部119に対して、接続されている機器の認証を実施するよう指示を出す。この実施の形態1では、Echonet Lite規格を使用するものとし、各機器との接続認証などの詳細な説明は省略する。各機器との接続認証が完了すると、CPU110は機器管理部119に対して接続されている各機器の動作状況を確認するよう指示を出す。機器管理部119は、接続認証が完了した各機器に対して動作状況を通知するようEchonet Lite通信I/F部113に対して指示を出す。指示を受けたEchonet Lite通信I/F部113は、機器管理部119により指示された機器に対して動作状況を通知するようEchonet Lite規格で定義されたコマンドを通信ネットワーク12に送信する。Echonet Lite通信I/F部113より各機器に対して送付された上記コマンドを受信すると、各機器は、現在の動作状態をEchonet Lite規格で定義されたコマンドに基づきEchonet Lite通信I/F部113に通信ネットワーク12を介して送信する。各機器の動作状態を受信するとEchonet Lite通信I/F部113は、機器管理部119にその内容を通知する。認証された機器全ての動作状態の取得を終了すると機器管理部119はその旨をCPU110に通知する。
CPU110は、各機器の動作状態を把握するとEthernet(登録商標)通信I/F部114に対して気温予測情報を含む天気予報情報をクラウドサーバ31から入手するよう指示を出す。CPU110から天気予報情報の取得指示を受けるとEthernet(登録商標)通信I/F部114はクラウドサーバ31に対して天気予報情報送信要求を送付する。該天気予報情報送信要求を受信するとクラウドサーバ31は気温予測情報を含む天気予報情報をEthernet(登録商標)通信I/F部114に送信する。天気予報情報を受信したEthernet(登録商標)通信I/F部114はCPU110に対してその旨を通知する。
この実施の形態1では、天気予報情報として「晴れ」、「曇り」、「雨」または「雪」を使用するものとし、また、天気予報情報、および気温予測情報は、1時間毎の予報が24時間分、クラウドサーバ31から通知されるものとする。
なお、天気予報情報は上記4種類に限るものではなく、上記4種類以外に、「晴れ時々曇り」、「曇りのち晴れ」、「晴れのち雨」など更に細かい分類であっても良いことは言うまでもない。また、気温予測情報として、1時間毎の気温予測情報を入手する場合について説明するが、3時間毎の気温予測情報でも良く、また、例えば最高気温および最低気温情報を入手しても良く、1日の気温予測情報が通知されるのであれば良い。最高気温および最低気温情報を用いる場合は、電力管理装置100内で、24時間分の気温を最高気温、および最低気温情報から予測する。また、天気予報情報、月日情報から電力管理装置100内で1日の気温を予測して気温予測情報を得る等の方式でも良いことは言うまでもない。
気温予測情報を含む天気予報情報を入手すると、CPU110は運転計画部118に対して運転計画を作成するよう指示を出す。
図3は、電力管理装置100内の運転計画部118の構成を示すブロック図である。
図に示すように、運転計画部118は、負荷消費電力学習管理部200と、PV発電電力学習管理部201と、負荷電力予測部となる負荷消費電力予測部202と、発電電力予測部となるPV発電電力予測部203と、蓄電池モデル204と、給湯機モデル205と、蓄電池3および給湯機5の運転計画を作成する運転計画作成部206とを備える。
負荷消費電力学習管理部200は、時刻管理部117より出力される日付、曜日、時刻データ、Ethenet通信I/F114を介して入手した現在の天気、図示していない温度計により計測した現在の実測気温情報(外気温)を元に、電力計測部116より出力される、給湯機5および負荷機器20の消費電力を学習する。なお、負荷消費電力学習管理部200では、実測気温情報を用いて気温予測情報に対して補正を加え、負荷消費電力予測部202、蓄電池モデル204、給湯機モデル205および運転計画作成部206に通知する。
PV発電電力学習管理部201は、時刻管理部117より出力される日付、時刻データ、およびEthenet通信I/F114を介して入手した現在の天気実績を元に、電力計測部116より出力される、太陽光パネル1にて発電されるPV発電電力量を各天気実績に基づいて学習する。
負荷消費電力予測部202は、Ethenet通信I/F部114を介して入手した天気予報情報、気温情報、家族スケジュール管理部121より出力される家族スケジュール、および負荷消費電力学習管理部200内のデータベースを元に、負荷機器20の消費電力を予測する。この負荷消費電力予測部202は、給湯機5の消費電力を除く負荷機器20の消費電力の合計について予測するものとする。なお、負荷消費電力予測部202を、各負荷機器20の消費電力を個別に予測するように構成しても良いことは言うまでもない。
PV発電電力予測部203は、天気予報結果、PV発電電力学習管理部201内のデータベース、および太陽光パネル1のPV発電電力量の実績を元に、以降のPV発電電力量を予測する。
蓄電池モデル204は、この場合、蓄電池特性学習部と蓄電池温度予測部とを兼ねて構成されるもので、入力される蓄電池3の特性情報、気温予測情報、および運転計画作成部206から出力される蓄電池3の運転計画に基づき、蓄電池3の温度情報である蓄電池セル温度(蓄電池3内部の各セルの表面温度)の予測温度を算出する。そして算出結果から、充放電電流、充電終止電圧、放電終止電圧など蓄電池劣化に大きく起因する各種制限情報を蓄電池3の特性情報から演算し、演算結果を元に、充放電電流、あるいは充放電電力の運転計画に基づく蓄電池3の動作を模擬する。
給湯機モデル205は、入力される給湯機5の特性情報、気温予測情報、および運転計画作成部206から出力される使用湯量および給湯機5の運転計画に基づき、給湯機5の動作を模擬し、各時刻における消費電力量と蓄熱量を算出する。なお、この実施の形態1では、消費電力量の算出は、負荷消費電力学習管理部200内のデータベースを用いて行う。
一般に、給湯機5は運転、停止を繰り返し使用すると機器寿命が短くなるため、起動停止は1日2〜3回程度に制限して使用する。従って、この実施の形態1では、電力管理装置100からの給湯機5の起動停止回数を1日に最大2回とする。なお、ユーザからの追いだき要求がある場合は、給湯機5の起動に制限を設けない。この場合、給湯機5の運転計画は、深夜電力時間帯の給湯と昼間時間帯の給湯の2つの運転パターンを用意して作成するものとする。給湯機モデル205は、給湯機5の複数の運転パターンによる運転計画を管理する。給湯機5は、起動停止回数が1日に最大2回に限られているため、運転パターン数を絞ることができ演算量の削減が図れる。
運転計画作成部206は、負荷消費電力学習管理部200、PV発電電力学習管理部201、負荷消費電力予測部202、PV発電電力予測部203、蓄電池モデル204、給湯機モデル205を制御して、蓄電池3の運転計画と給湯機5の運転パターンとを決定する。また、運転計画作成部206は、Ethenet通信I/F114を介して電力料金体系を入手して管理し、入手した電力料金体系に基づいて電力料金が低くなるように、蓄電池3の運転計画と給湯機5の運転パターンとを決定する。運転計画作成部206の動作の詳細については後述する。
なお、図3では、説明を簡単にするために、気温の予測結果等、本来、運転計画作成部206から各部に供給する情報についても、接続先が明瞭に分かるように外部から供給されているように図示した。
図4は、運転計画部118による運転計画作成を説明する図である。
この実施の形態1では、PV発電電力予測および負荷消費電力予測の結果を元に、蓄エネ機器(蓄電機器B、蓄熱機器C)である蓄電池3および給湯機5の特性を加味して、蓄電池3および給湯機5の運転計画を作成する。運転計画を作成する際、図4に示すように、運転計画作成のエンジン部となる運転計画作成部206には、例えば30分間の平均PV発電電力予測結果(図4(a)参照)、および給湯機5の消費電力を除いた、負荷機器20の平均消費電力予測結果(図4(b)参照)が24時間分通知される。
一般的に蓄電池3や給湯機5は温度特性等の特性を有し、詳細は後述するが、この実施の形態では、その特性を評価関数としてモデル化を行う。そして、上記PV発電電力予測結果、負荷消費電力予測結果、電力料金体系を入力として蓄電池3の特性や給湯機5の特性をモデル化した該評価関数を用いて、最適化を行い運転計画を作成する。その際、給湯機5は基本的には気温によりCOP(エネルギ変換効率)、および最適動作点の消費電力が決まるため、運転計画作成部206では、給湯開始時刻と終了時刻(あるいは終了時の蓄エネ量)を決定するだけで良い(図4(d)参照)。一方、蓄電池3は、最適に運転するための充放電電力も併せて決定する必要がある。上述した評価関数を使用して蓄電池3の最適な運転を決定する場合、現時刻以降の30分毎の平均充放電電力が運転計画として出力される(図4(c)参照)。
図5は、蓄電池3の内部構成を含む蓄電機器Bの構成を示す図である。図5に示すように、蓄電機器Bは蓄電池3と蓄電池3の充放電を管理する蓄電池パワコン4とを備える。蓄電池3は、複数の蓄電池セル301を直列接続して有し、さらに各蓄電池セル301の状態を監視するBMU(バッテリマネージメントユニット)305を備える。BMU305は、各蓄電池セル301について蓄電池セル温度、蓄電池セル電圧を管理するCMU(セルマネジメントユニット)302と、蓄電池制御回路303と、リレースイッチ304とで構成される。
この場合、CMU302は蓄電池セル301毎に接続されており、満充電時の電圧調整機能なども有するものとする。蓄電池制御回路303は、CMU302より出力される蓄電池セル301の管理情報を蓄電池パワコン4に出力すると共に、蓄電池3の劣化が進行する高温での充放電、あるいは蓄電池セル301に対して過放電や過充電が発生しそうな場合、リレースイッチ304を切り、蓄電池セル301を蓄電池パワコン4から強制的に切り離す。
なお、この実施の形態1では、蓄電機器Bは1つの筐体で構成される。筐体内では、各蓄電池セル301およびBMU305内の各電子部品が消費する電力により温度が上昇し、高い位置(上側)で温度が高くなる。このため、複数の蓄電池セル301は、筐体内で配置される高さにより蓄電池セル温度が異なり、上側に配置されるほど蓄電池セル温度が高い。
図6〜図8は、蓄電池3、この場合、リチュウムイオンバッテリを使用する蓄電池3の特性を示す図である。
図6(a)は、横軸に充電電力量の割合(以下、SoCと称す)、縦軸に充電電流を示す。図6(b)は、フル放電状態からフル充電状態まで充電する際のSoCの変化を示した。図6(b)において、横軸に充電時間、縦軸にSoCを示す。図6(c)は、横軸にSoC、縦軸に蓄電池3より出力される電圧を示す。
一般に、蓄電池3は過充電(蓄電池電圧が所定値を超えて充電)、過放電(蓄電池電圧が所定値以下になるまで放電)を行うと蓄電池3の劣化が必要以上に進み、最悪壊れることがある。リチュウムイオンバッテリは、図6(c)に示すように満充電付近(SoCが1.0付近)になると、急激に蓄電池電圧が上昇する。また、満充電付近で充電電流の電流リップルが大きいと、蓄電池3の劣化が必要以上に進む場合がある。
従って、蓄電池3に充電する際は、上記過充電の防止、および充電電流リップル量を低減するため、蓄電池電圧が所定の電圧になるまでは定電流で蓄電池3に充電し、所定の電圧になると蓄電池3へは定電圧で充電する方式がとられる。
図6(a)、図6(b)は、蓄電池3に充電する際、例えばSoCが0.8となる蓄電池電圧までは定電流で充電し、以降を定電圧で満充電になるまで充電した場合を示す。1時間で蓄電池3を満充電できる電流量を1Cと称し、図6(b)は、定電流制御で充電する期間における電流量を0.8Cとした場合の例を示す。図6(b)に示すように、定電流制御で充電する時間と定電圧制御で充電する時間はほぼ等しくなっている。なお、放電については、一般的には蓄電池電圧が放電終止電圧になるまでは、充電時とは異なり制御の切り替えは行わない。
図7に、蓄電池3のフル充電、フル放電を実施した際の充放電実施回数と蓄電池容量との関係の例を示す。リチュウムイオンバッテリを用いた蓄電池3は、通常、使用するほど劣化が進む。図7に示すように、約4000回の充放電で、蓄電池3の容量は半分程度まで劣化している。
この実施の形態1では、蓄電池容量が50%を切った時点が使用期限として説明を続ける。なお、使用期限については上記蓄電池容量が50%を切った時点に限るものではなく、例えば電池メーカが定めた、蓄電池3を安全に使用できる蓄電池残容量等で決定しても良いことは言うまでもない。
一般に、蓄電池劣化を進める代表的な要因としては、蓄電池3の蓄電池セル温度、充放電電流、充電終止電圧、放電終止電圧、保持時間等がある。例えば、保持時間については、満充電に近い状態で保持する場合は、空に近い状態で保持する場合と比べ劣化が進む。また、気温が高ければ高いほど、蓄電池セル温度も高く劣化の進みが早い。また、充放電電流についても、電流量が大きければ大きいほど劣化が進み、その劣化の進む割合は、蓄電池セル温度に依存する。さらに、充電終止電圧、および放電終止電圧についても同様で、例えば、本来の充電電力の容量の90%程度以下の充電であれば、100%まで充電した場合と比べて蓄電池3の劣化は小さくなる。同様に、放電完了時の蓄電池3の残蓄電電力量を大きくすればフル放電した場合と比較し蓄電池3の劣化は小さくなる。また、フル充電時、あるいはフル放電時の劣化の進み具合も蓄電池セル温度に大きく依存する。
なお、蓄電池劣化の進度は上記代表的な要因の中でも差が出てくる。家庭用の蓄電池3では、一般に充放電電流が0.5〜1.0C程度であり、蓄電池劣化を進行させる要因としては影響は小さい。従って、蓄電池劣化の進度は、蓄電池セル温度と充電終止電圧に大きく依存する。
しかしながら、充放電電流が大きくなると、蓄電池3内での損失電力(消費電力)が大きくなって蓄電池筐体内の温度が上昇するため、特に気温が高い場合は蓄電池劣化の進行を加速する要因になる。また、保持時間、放電終止電圧についても、蓄電池セル温度や充電終止電圧に比べると劣化進行に与える影響は小さいが、満充電に近い状態での保持は蓄電池劣化を進行させるため無視できない。また、放電終止電圧についても、過放電を行うと蓄電池3を破壊してしまうことがあるため無視できない。
また、リチュウムイオンバッテリから成る蓄電池3は、化学反応により電力を充電したり放電したりする。例えば、低温で所定の電流(例えば、1C)を充電しようとした場合は、充電電流に対して化学反応が追随できず金属リチュウムが析出し、リチュウムイオンバッテリは劣化する。蓄電池3を、例えば蓄電池セル温度を考慮せず、充放電を繰り返すと、蓄電池劣化が必要以上に進み、所望の使用期間(例えば10年)を待たずに蓄電池3が劣化し使用できなくなる。
蓄電池劣化を抑制するため、蓄電池3内のBMU305により、過充電、あるいは過放電を検出した場合、温度の高い状態、あるいは低い状態で充放電を行った場合等、上述したようにリレースイッチ304を切り、強制的に蓄電池3と蓄電池パワコン4とを切り離すこともできる。
従って、この実施の形態1では、蓄電池3が所望の使用期間以上利用ができるように、蓄電池3の劣化要因となる、充放電電流の最大値、充電終止電圧、および放電終止電圧を蓄電池セル温度に基づき制限を加える。
図8は、蓄電池セル温度に対する最大充放電電流とSoCとの関係を示し、この実施の形態1では、充放電電流の最大値を制限する制限テーブルとして用いる。なお、図8(a)は最大充電電流の変化を示し、図8(b)は最大放電電流の変化を示す。
図8(a)に示すように、蓄電池セル温度が室温(例えば20℃〜25℃)の場合は、蓄電池3は定格通りに充電が可能となる。なお、上述したように、蓄電池3の充電制御が定電流制御から定電圧制御に切り替わることに起因して、例えば、室温時にはSoCが0.8以上になると最大充電電流が絞られている。室温から蓄電池セル温度が上昇すると、最大充電電流は徐々に小さくなり、また、充電終止電圧が低くなり、その時のSoCも低くなる。そして、この実施の形態1では、蓄電池セル温度が設定上限値である例えば35℃を超えると充電動作を禁止する。
また、蓄電池セル温度が室温から低くなるときも、同様に最大充電電流は徐々に小さくなり、また、充電終止電圧が低くなり、その時のSoCも低くなる。そして、この実施の形態1では、蓄電池セル温度が設定下限値である0℃以下になると充電動作を禁止する。
また図8(b)に示すように、蓄電池セル温度が室温(例えば20℃〜25℃)の場合は、蓄電池3は定格通りに放電が可能となる。なお、SoCが0付近になると最大放電電流は急峻に絞られ0になる。室温からセル温度が上昇すると、最大放電電流は徐々に小さくなり、また、放電停止時の放電終止電圧が高くなり、その時のSoCも高くなる。そして、この実施の形態1では、蓄電池セル温度が0℃以下になると放電動作を禁止する。
なお、蓄電池セル温度に対する充放電電流の最大値を制限する制限テーブルは図8に示すものに限らず、使用する蓄電池3の特性にあわせたテーブルを使用すれば良い。
さらに、この実施の形態1では、蓄電池3の劣化を進める要因として、蓄電池セル温度、最大充放電電流、充電終止電圧、放電終止電圧、および保持時間について説明したがこれに限るものではなく、例えば、蓄電池3の劣化度合い(現在の蓄電池容量/初期の蓄電池容量)に応じて、上述した充放電時の制限テーブルを切り替えて使用しても良いことは言うまでもない。具体的には、劣化の進んだ蓄電池3は、より厳しい制限テーブルを使用しても良い。
図9は、蓄電池3の温度に係る劣化特性を説明する図である。図9(a)に、蓄電池セル温度(蓄電池温度)と蓄電池劣化進度との関係を示した。一般的に蓄電池セル温度が30℃を越えると蓄電池劣化の進行が急速に増大する。なお、蓄電池温度とは、複数の蓄電池セル301の温度の代表値を指す。この代表値は、例えば最大値、あるいは最小値を用いる(詳細は後述する)。
また、図9(b)に、充電終止電圧と蓄電池劣化進度の関係を示した。この場合、蓄電池セル301が満充電になると蓄電池セル301の出力電圧が4.2Vとなるものとする。蓄電池3の劣化進度は、満充電(4.2V)付近になると4.0V付近と比較して急速に進む。また、蓄電池セル温度が高ければ劣化進度は大きくなる。
図10は、蓄電機器Bの充放電電力と損失電力との関係を示す図である。図に示すように、損失電力には、待機電力と充放電電力量に依存する電力とがある。一般に、充放電電力量に依存する電力は蓄電池パワコン4内を流れる電流の2乗に比例して大きくなる。待機電力は、BMU305および蓄電池パワコン4内の主にマイコン等の制御部での消費電力、およびリレースイッチ304などを励磁させておくために必要となる電力の和となる。従って、蓄電池3が充放電を停止中でも、蓄電機器Bがスタンバイ状態である場合、即ち運転モードが待機モードであるスタンバイモードの場合は、待機電力が消費される。
図11は、蓄電機器の待機電力について説明する図で、蓄電機器Bをスリープ状態からスタンバイ状態に切り換えた際の蓄電池セル温度と時間との関係を示す。この場合、スリープ状態とは、運転モードが休止モードであるスリープモードであり、蓄電池3が充放電を停止中であって、かつ消費電力が最小限の状態で、蓄電池3の充放電を開始するためには予め定められた起動シーケンスに基づき蓄電機器Bを外部から起動することが必要である。最小限の消費電力は、例えば、BMU305内の蓄電池制御回路303に内蔵された図示していない制御用マイコン、蓄電池パワコン4内の制御マイコン、およびEchonet Lite通信I/F部113を維持するのに必要な電力で、消費電力としては数mW程度の状態である。
図に示すように、蓄電機器Bをスリープ状態からスタンバイ状態に切り換えると、待機電力に伴う電力損失により蓄電池セル温度は室温から徐々に増加し、待機電力による温度上昇分Δthだけ高い、一定の温度に収束する。
次に、給湯機5の特性について説明する。
図12は、ヒートポンプ式の給湯機5の特性であるCOP(エネルギ変換効率)について示す図である。図12(a)は、横軸に気温、縦軸にCOPを示す。ヒートポンプサイクルを利用する給湯機5は、気温によってCOPが異なる。例えば、同じ温度の同量の水を所定の温度のお湯に沸き上げる場合、気温が0℃の場合ではCOPは約2.7程度、気温が30℃の場合ではCOPは約6程度であり、気温が0℃の場合は30℃の場合の2倍以上の電力を必要とする。従って、お湯を沸き上げる場合、気温が高いほど消費電力が低くなる。
また、図12(b)に示すように、ヒートポンプサイクルを利用しお湯を沸き上げる給湯機5は、気温、負荷(湯量)等によって、COPが最高効率となるように動作する負荷率(消費電力)も異なる。
従って、この実施の形態1では、各時刻における消費電力、沸き上げ完了時刻、蓄熱量等の予測値は、気温と図12に示す給湯機5の特性により求めることで、予測誤差を最小限に抑える。同様に、電力料金を予測する場合も、気温と図12に示す特性に基づき各時刻の消費電力量を求め電力料金を算出するので、電力料金の予測誤差を最小限に抑えることができる。なお、給湯機5の特性は図12に示すものに限るものではなく、使用する給湯機の持つ特性に合わせた特性テーブルデータを使用すればよいことは言うまでもない。
次に、この発明の比較例による蓄電池制御を説明する。図13は、比較例による蓄電池制御における蓄電池セル温度および買電電力の一日の変化を説明する図である。また図14は、比較例による蓄電池制御における充放電電流および蓄電電力量の一日の変化を説明する図である。
図13(a)は、各時刻における気温と、高温側および低温側の2つの蓄電池セル301の温度(蓄電池セル温度)とを示す。図13(b)は、各時刻における買電電力を示す。また、図14(a)は、各時刻における充放電電流(放電を正とする)を示し、図14(b)は、各時刻におけるSoCを示す。
この比較例は、最高気温が30℃を越える真夏日における蓄電池3の充放電動作に関するもので、電気料金の安い深夜電力時間帯に蓄電池を充電し、夕方以降、気温が下がった後に蓄電池から放電する。
この比較例では、図に示すように気温は8時ぐらいから22時ぐらいまで30℃を越えており、気温のピーク時間帯では、蓄電池が充放電を停止しているにも拘わらず、待機電力により高温側の蓄電池セル温度は40℃近くまで上昇している(D1参照)。よって、昼間のPV発電電力が負荷機器の消費電力より大きく、即ちPV余剰電力が発生する時間帯に、蓄電池セル温度が高すぎて蓄電池を充電することができない。仮に、蓄電池に充電した場合は、待機電力に加え、充放電電力量に起因する損失が発生し、蓄電池セル温度は40℃をはるかに超えてしまう。
気温が高い昼間の時間帯は、蓄電池はSoC=1の満充電であって、スタンバイ状態で待機する(D4参照)。また、夕方以降の放電では、図8(b)に示す放電電流の制限テーブルに基づき放電を行い(D3参照)、放電電流が制限される時間帯で買電電力が発生する(D2参照)。これにより、深夜電力時間帯の開始時刻である23時では約20%の電力量ΔEが蓄電池に充電されている。
この実施の形態1では、電力管理装置100にて蓄電池3の運転計画(充放電計画)を作成する際、気温の予測結果をもとに蓄電池セル301の温度を予測する。そして、その予測結果を用いて、各時刻における放電電力を予測し、深夜電力時間帯までの放電電力量を算出する。そして、算出した放電電力量が確保できる最低の充電電力量を求め、深夜電力時間帯に充電する充電電力量を算出して充電終止電圧を決定する。
このように充電終止電圧を決定することで、蓄電池3からの放電電力量を変化させず、即ち経済コストを変えることなく、蓄電池3の劣化進度を進める充電終止電圧を低く抑えることができる。また、満充電まで蓄電池3を充電することを抑制して高電圧(満充電)での保持時間を短くすることができ、さらに蓄電池劣化の進行を抑えることができる。
また、蓄電池3を殆ど充放電しないと予測される時間帯では、蓄電池3をスタンバイ状態からスリープ状態に移行するよう計画する。これにより、不要な待機電力の消費を抑えることができ損失低減を図ると共に、蓄電池セル温度の上昇を抑制する。
このように蓄電池3の運転計画を作成してシステムの電力管理を行うことにより、蓄電池3の劣化を効果的に抑制することができる。
以下、運転計画部118の詳細な動作について説明する。なお、運転計画部118では、運転計画部118内の運転計画作成部206が、負荷消費電力学習管理部200、PV発電電力学習管理部201、負荷消費電力予測部202、PV発電電力予測部203、蓄電池モデル204、給湯機モデル205を制御して動作する。
図15は、電力管理装置100における運転計画作成動作の全体フロー図である。図16は、図15に示す全体フロー図の部分詳細フロー図である。
図15に示すように、まず、運転計画部118は、CPU110から運転計画作成の指示を受け取ると、時刻管理部117から月日、曜日、時刻情報を取得する(ステップS11)。
時刻等の情報の取得が完了すると、電力計測部116は、現在の消費電力、PV発電電力等の情報(リアルタイム計測値)を取得する。その際、気温についても取得する(ステップS12)。
現在のPV発電電力等の取得を終了すると、運転計画部118は、第1蓄電池情報である充放電電力情報(充放電電力量あるいは充放電電流)を取得する(ステップS13)。
蓄電池3の充放電電力情報の取得を完了すると、運転計画部118は、第1給湯機情報である給湯機5の消費電力を取得する(ステップS14)。
なお、ステップS11からステップS14の各計測データは、50μsの周期(20KHz)でサンプリングするものとする。なお、サンプリングは50μsに限るものではない。また、取得した各計測データを元に、後述する運転計画更新周期内(この場合、30分)で平均値を算出するものとする。
次に、運転計画部118は、運転計画作成時刻であるか確認する(ステップS15)。
通常、電力管理装置100は、定期的に太陽光パワコン2、蓄電池パワコン4、給湯機5、および負荷機器20であるエアコン21、冷蔵庫22、照明23、IHクッキングヒータ24と通信を行い、各機器の情報をEchonet Lite通信I/F部113を介して取得する。この実施の形態1では、30分毎に各機器の情報を取得して運転計画を作成するものとする。
なお、電力管理装置100での運転計画の作成周期は30分に限るものではなく、CPU110の処理速度や通信速度等で決定すれば良い。また、運転計画の作成周期は一定である必要はなく、例えば、深夜などPV発電がなく、また負荷消費電力も予測値とあまり変わらない時間帯は、運転計画の作成周期を長くとることで電力管理装置100でも消費電力の削減を図っても良い。あるいはPV発電電力が予測から外れ、運転計画の変更を余儀なくされた場合等については、不定期に運転計画の作成または変更を行って良いことは言うまでもない。
ステップS15でNoの場合は、ステップS11に戻り、各種データの取得を継続する。
一方、ステップS15でYesの場合は、電力料金テーブルを取得するため、Ethernet(登録商標)通信I/F部114を介してクラウドサーバ31に現在契約している電力料金テーブル情報を送付するよう要求する。クラウドサーバ31は、電力料金テーブル情報の要求を受信すると、需要者である現在ユーザが契約している電力料金体系としての電力料金テーブルをEthernet(登録商標)通信I/F部114を介して運転計画部118内の運転計画作成部206に送信する。なお、電力料金テーブルには太陽光パネル1で発電した電力(PV余剰電力)の売電価格情報についても送付されてくるものとする。クラウドサーバ31から電力料金テーブル情報を受信すると運転計画作成部206は、図示していないデータ記憶部に電力料金テーブルを記憶する(ステップS16)。
この実施の形態1では、図17に示す電力料金テーブルを使用した場合について説明する。なお、図17は、横軸を時刻、縦軸を電力料金としてグラフ化したデータを示し、この場合、23時から翌日の7時までを深夜電力時間帯として、昼間の電力の約1/3程度の電力料金で買電できるものとする。なお、電力料金体系は図17に示すものに限るものではなく、例えば、夏季は電力需要がひっ迫するため、電力のピーク時間帯となる12時〜16時の時間帯は破線で示したように電力料金を高く設定しても良い。また例えば、料金体系が現在の総需要量で時々刻々と変化すような可変電力料金体系等でも良いことは言うまでもない。また、デマンドレスポンスに基づくインセンティブが発生する場合は、そのインセンティブを考慮した電力料金体系であっても良いことは言うまでもない。
また、この実施の形態1では、電力料金テーブルを運転計画作成毎にクラウドサーバ31からダウンロードする場合について説明する。これは、以下の理由による。近年、ピーク時の電力を削減するためデマンドレスポンス方式が実証あるいは検証されている。デマンドレスポンスは、前日に通知されるケースもよくあるが、実施する数時間前にユーザに通知される場合もある。この実施の形態1では、運転計画作成タイミング毎に電力料金を確認することで、直前にデマンドレスポンスが通知されても対応を可能としている。
次に、運転計画部118は、充電電力量(蓄電電力量)、および蓄電池3の温度情報である蓄電池セル温度を含む第2蓄電池情報をEchonet Lite通信I/F部113を介して取得する(ステップS17)。
第2蓄電池情報の取得を完了すると、運転計画部118は、給湯機5の蓄熱量、湯量等の第2給湯機情報をEchonet Lite通信I/F部113を介して取得する(ステップS18)。
第2給湯機情報の取得が完了すると、運転計画部118は、運転計画を作成する(ステップS19)。このステップS19(ステップS31〜ステップS40)についての詳細は後述する。
ステップS19による運転計画の作成が完了すると、電力管理装置100内のCPU110は、1日が経過したか(23時か)を確認する(ステップS20)。
ステップS20において、1日が経過していない場合は、ステップS11に戻り、再度フローを実行する。
ステップS20において、1日が経過した場合は、1日の充放電履歴を使用して蓄電池3の劣化進度を推定し(ステップS21)、再びステップS11に戻り、フローを開始する。
以下、図16を用いて運転計画作成フローを説明する。この運転計画作成フロー(ステップS31〜ステップS40)は図15に示すステップS19を詳細に示すものである。
運転計画作成が開始されると運転計画部118内の運転計画作成部206は、Ethernet(登録商標)通信I/F部114を介してクラウドサーバ31から天気予報情報、および気温予測情報を取得し、図示していない記憶領域に記憶する(ステップS31)。
気温予測情報を含む天気予報情報の取得および記憶が完了すると、運転計画作成部206は、入手した天気予報情報が更新されているか確認する(ステップS32)。
ステップS32でYes、即ち天気予報情報が更新されていた場合、運転計画作成部206はPV発電電力予測部203に対してPV発電電力量の予測、および補正を行うよう指示を出す。PV発電電力予測部203は指示を受け取ると、太陽光パネル1の取り付け角、および取り付け方位、経度、緯度情報を取得する。具体的には、太陽光パネル1の取り付け角、および取り付け方位情報については、太陽光パネル1の取り付け工事完了時にユーザが入力したものを、ROM111内に記憶しておき、そのデータを読み出す。経度、緯度情報については、クラウドサーバ31より入手する。
太陽光パネル1に関する各情報の取得を完了すると、運転計画作成部206は天気予報情報に基づく日射量推定を実施する。
以下、この実施の形態1における日射量推定方法およびPV発電電力学習方法についてPV発電電力予測部203、およびPV発電電力学習管理部201の動作と共に説明する。
PV発電電力学習管理部201は、天気実績、およびPV発電電力量から推定した日射量情報、および日時情報を元に日射量推定用のデータベースを作成する。この実施の形態1では、日射量推定用のデータベースとして、月毎に天気情報の種類毎にデータベーステーブルを持つものとする。なお、日射量推定用のデータベースは学習により追加、更新されるもので、日毎、あるいは週毎、あるいは季節毎に持たせるように構成しても良いことは言うまでもない。
図18は、PV発電電力学習管理部内のデータベースに格納された各天気、時刻の日射量の予測データを示すもので、各天気(晴れ、曇り、雨)の学習データを内挿し求めた日射量の学習結果から得られたものである。なお、30分単位の棒グラフでは3種類のデータを表示できないため、図18では波形で示した。図において、縦軸は推定日射量値、横軸は時刻を示す。
なお、この実施の形態1では、データベースを30分単位で構成する場合について説明するがこれに限るものではなく、与えられたメモリサイズで、例えば15分単位、あるいは1時間単位で構成しても良いことは言うまでもない。また、冬季であれば雪の天気についてもデータベースを作成する。
分電盤14内の電力計測回路14aで計測したPV発電電力により、30分間の平均PV発電電力量が算出されPV発電電力学習管理部201に入力される。なお、この処理は上述したステップS12にて行っても良い。
そして、上述の要領で取得した経度、緯度情報、ステップS11で取得した日時情報(本日の月日、時刻情報)を元に、太陽の高度を算出する。太陽の高度の算出結果、太陽光パネル1の取り付け角、取り付け方位、および実測PV発電電力に基づく30分間の平均PV発電電力量から日射量を算出する。
日射量の算出が完了すると、算出した日射量から過去30分間の天気を推定する。この実施の形態1では、日時、および上記算出した日射量から天気を推定するデータベースを準備しておくものとして説明を続ける。なお、上記日射量の算出結果は、図示していないPV発電電力学習管理部201内のメモリに日射量データとして記憶する。なお、該日射量データは、当日、太陽光パネル1が発電している時間帯分のデータを蓄積するものとして説明を続ける。
PV発電電力学習管理部201は、上記天気予報情報、および日時情報から日射量を推定する際に使用する図示していない学習データベースの当該時刻に相当する日射量データを読み出す。そして、実測PV発電電力に基づく30分間の平均PV発電電力量を元に、当該時刻に相当する学習データベースから読み出した日射量データに補正を加え、再度学習データベースに書き戻す。
上記要領で実測結果に基づくPV発電電力量の学習が完了すると、PV発電電力学習管理部201は、ステップS31で取得した天気予報情報、日時情報からPV発電電力学習管理部201内の学習テーブルデータ内の日射量データを24時間分読み出して、24時間分の日射量を推定する(ステップS33)。
次いで、負荷消費電力学習管理部200は、24時間分の気温を予測する。この実施の形態1では、30分単位の気温予測情報がクラウドサーバ31より通知されるので、特に処理は行わないが、クラウドサーバ31からの情報が最高気温および最低気温情報であった場合は、その情報を用いて24時間分の気温予測を実施する(ステップS34)。
ステップS34での気温予測が完了、あるいはステップS32でNoの場合、運転計画作成部206はPV発電電力予測部203を介してPV発電電力学習管理部201に対して実測結果に基づき補正するよう指示を出す。
図19は、ステップS33と後述するステップS35を説明する図で、推定日射量を実測結果に基づいて補正する日射量補正動作を説明する図である。
図19(a)に、ステップS33において、学習用データベースから読み出した24時間分の日射量データを示す。図において、縦軸は推定日射量(日射量予測値)、横軸は時刻を示す。なお、この実施の形態1では、データベースを30分単位で構成する場合について説明したがこれに限るものではなく、与えられたメモリサイズで、例えば15分単位、あるいは1時間単位で構成しても良いことは言うまでもない。また、冬季であれば雪の天気についてもデータベースを作成する。また、天気種別も晴れ、曇り、雨に限るものではなく、例えば、晴れのち曇り、曇りのち晴れ、晴れ時々曇り等、天気予報で通知される情報を用いてデータベースを構築しても良いことは言うまでもない。
PV発電電力学習管理部201は、上記指示を受け取ると、実測PV発電電力に基づく30分毎の平均PV発電電力量から日射量を算出、即ち平均PV発電電力量を日射量に換算した、現時刻までの日射量算出値(図19(b)参照)を用いて、図19(a)に示す推定日射量に補正をかける。具体的には、以下の(式1)に示す演算で補正係数k1を算出して補正する。
PV発電開始後:
k1=Σ(日射量算出値)/Σ(推定日射量)
PV発電開始前:
k1=1
・・・・・・・・・・(式1)
但し、Σは、0時(あるいは発電開始)から現時刻までの合計を示す。
PV発電電力予測部203は上記(式1)により算出した補正係数k1を、現時刻以降の推定日射量に乗算することで、実測結果に基づく日射量補正を行う。具体的には、上記学習テーブルから読み出した図19(a)に示す推定日射量で、現時刻以降の30分毎の推定日射量に補正係数k1を乗じて、推定日射量の補正を行う。この場合、補正係数k1が1より大きく、補正により増大した日射量を示している(図19(c)参照)。
この実施の形態1では、以下の理由により実測結果に基づく日射量補正を行っている。上述したように、天気予報は、晴れ、曇り、雨、雪の4種類程度である。従って、天気予報が晴れであっても、雲1つない晴天と、雲の割合が75%程度の晴れでは、PV発電電力は異なる。このため、実測結果に基づき推定日射量に補正を加えることで日射量の予測誤差の最小化を図っている(ステップS35)。
次に、補正係数k1が乗算された補正後の日射量情報を元に、PV発電電力量を予測する。なお、PV発電電力量の予測に際しては、PV発電電力予測部203は、各時刻の日射量からPV発電電力量を予測する学習テーブルを準備しておき、該学習テーブルを用いて各予測時刻のPV発電電力量を予測するものとする。また、該PV発電電力量を予測する学習テーブルは、電力計測部116の計測結果から得た30分間の平均発電電力量、およびその情報から推定した日射量を元にデータを学習し、学習テーブルを構築するものとする。なお、当該学習テーブルは、この実施の形態1では時刻毎12ヶ月分の学習テーブルを持つものとする。学習テーブルは12カ月分に限るものではなく、例えば、13カ月や季節毎4つのテーブル、週単位でテーブル、あるいは日単位でテーブルを持たせても良いことは言うまでもない(ステップS36)。
次いで、運転計画作成部206は、負荷消費電力学習管理部200に対して、実測結果に基づく気温の補正を実施するよう指示を出す。以下、気温の実測結果に基づく補正方法について説明する。
図20は、実測結果に基づいて気温情報を補正する動作を説明する図である。この実施の形態1では、気温予測情報は30分単位でクラウドサーバ31から通知されるものとする。図20(a)に、クラウドサーバ31から通知された気温予測情報を示す。図において、縦軸は予測気温、横軸は時刻を示す。
なお、気温予測情報は30分単位に限るものではなく、1時間単位、4時間単位、あるいは6時間単位であっても良いことは言うまでもない。また、1時間、4時間、あるいは6時間単位で通知される場合は、データ間は内挿して使用するものとする。また、各時刻単位の気温情報ではなく、最高気温、最低気温情報のみでも良い。ただし、最高気温、最低気温情報の場合は、気温学習用のデータテーブルを、例えば月毎、天気毎で準備し、該気温学習用のデータテーブルを利用して、24時間の気温の変化を決定し、該最高気温、最低気温情報にて補正をかけるように構成しても良い。
クラウドサーバ31から気温予測情報を受け取ると、負荷消費電力予測部202は、電力計測部116で計測した30分間の平均気温情報を取得する。この実施の形態1では、気温は図示していない温度計で計測した外気温を各電流計測結果とともに電力計測部116で計測し、30分間の平均気温を算出して負荷消費電力予測部202に出力するものとして説明を続ける。なお、実測気温による30分間の平均気温情報は、負荷消費電力予測部202内の図示していないメモリへ一旦記憶される、該メモリは、当日の0時より現時刻までの30分単位の平均気温情報を記憶する。図20(b)に、当日の0時より現時刻までの実測気温による30分単位の平均気温情報を示す。
負荷消費電力学習管理部200は、図20(b)に示す実測気温による平均気温情報を用いて、図20(a)に示す気温予測情報に対して補正をかける。具体的には、以下の(式2)に示すように、当日の0時より現時刻までの30分単位の平均気温(実測気温)と予測気温との各差分データの平均値である補正値k2を算出する。
k2=Σ(実測気温−予測気温)/データ数
・・・・・・・・・・(式2)
但し、Σは、0時から現時刻までの合計を示し、データ数は差分データの数を示す。
そして補正値k2の算出を終了すると、負荷消費電力学習管理部200は、図20(a)に示す予測気温情報で現時刻以降の30分毎の予測気温に、算出した補正値k2を加算することで、実測結果に基づく気温補正を行う。この場合、補正値k2が0より大きく、補正により増大した気温を示している(図20(c)参照)(ステップS37)。
次いで、運転計画作成部206は、負荷消費電力予測部202に対して負荷機器20の消費電力を予測するよう指示を出す。負荷消費電力予測部202は、負荷消費電力学習管理部200に、実測結果に基づく負荷消費電力の学習を指示する。
負荷消費電力学習管理部200は、電力計測部116で計測した各負荷機器20(エアコン21、冷蔵庫22、照明23、IHクッキングヒータ24等)の30分間の平均消費電力量を取り込む。そして、取り込んだ30分間の平均消費電力量を元に、図示していない負荷消費電力予測用の学習データベースを更新する。この実施の形態1では、負荷消費電力予測用のデータベースは各月の曜日毎に天気情報の種類ごとに学習テーブルを持つものとする(テーブル数は12カ月×7日×3(天気種類)=252)。また、データベースに記憶するデータは、給湯機5の消費電力を除く負荷機器20の消費電力量の合計を学習し記憶するものとする。なお、データベースは接続されている負荷機器20毎に持たせても良いことは言うまでもない。また、給湯機5については、負荷消費電力予測部202内に個別のデータベースを準備するものとし、その詳細は後述する。
電力計測部116で計測した各負荷機器20の30分間の平均消費電力量は、負荷消費電力学習管理部200で加算される。そして、ステップS11で取得した月日、曜日、時刻情報、およびステップS31で取得した天気予報情報に基づき負荷消費電力予測用の学習データベースからデータを読み出し、上記加算結果を元に負荷消費電力量を学習し、その結果を再度学習データベースに書き戻す。
図21は、予測された負荷消費電力量を実測結果に基づいて補正する負荷消費電力補正動作を説明する図である。
実測結果に基づく負荷消費電力学習が完了すると、負荷消費電力学習管理部200は負荷消費電力予測部202にその旨を通知する。終了通知を受け取った負荷消費電力予測部202は、ステップS31で取得した天気予報情報、ステップS11で取得した月日、曜日情報から負荷消費電力量の予測値(学習テーブルデータ内のデータ)を当日の24時間分読み出す(図21(a)参照)。
図21(a)において、縦軸は消費電力量、横軸は時刻を示す。なお、この実施の形態1では、データベースを30分単位で構成する場合について説明したがこれに限るものではなく、与えられたメモリサイズで、例えば15分単位、あるいは1時間単位で構成しても良いことは言うまでもない。
そして、午前0時から現時刻までの負荷消費電力量実績(図21(b)参照)を用いて、図21(a)に示す負荷消費電力量の予測値に補正をかける。その際、この実施の形態1では、家族スケジュール管理部121が管理している家族のスケジュールを参照する。例えば、お父さんが出張で帰宅をしない場合は、給湯機5で給湯する湯量を少なくするとともに、エアコン21や照明23等の消費電力についても見直す。
上記要領で、家族スケジュールに基づく消費電力量の補正が完了すると、実測値に基づく消費電力量の補正を実施する。具体的には、現時刻から遡り2時間前までの消費電力量誤差(2時間の平均消費電力量と2時間の予測消費電力量との差)に基づき、以降の消費電力量を予測する。これは、以下の理由に基づく。消費電力量の予測をする際の誤差要因は、家族スケジュールに加え、天気(特に気温)が大きく係わる。特に、夏季や冬季はエアコン21等の空調設備の消費電力量が大きく変わる。例えば、気温が高い場合、あるいは低い場合は、エアコン21を使用する時間が長くなるとともに、気温が高い、あるいは低いため消費電力も上昇する。
よって、この実施の形態1では、過去2時間の平均消費電力量の誤差である、2時間の平均消費電力量から2時間の予測消費電力量を差し引いた差分を補正値k3とする。そして、図21(c)に示すように、現時刻以降の負荷消費電力量の予測値(予測消費電力)に補正値k3を加えることで誤差の補正を行う。
なお、負荷消費電力量の予測においては、誤差値をそのまま補正値に用いて予測値に加える。これは、上述したように、消費電力量の誤差は、エアコン21や照明23等の運転時間、および個別の負荷機器20の消費電力の変動に起因するものが大きいためである。例えば、予定外の時間からエアコン21が動作する、あるいは気温が高い(あるいは低い)ためエアコン21の消費電力が予定より多くなるなど個別の負荷機器20の消費電力量増加に起因して負荷消費電力量は増加する。
この実施の形態1では、実測結果との平均誤差を補正値k3として負荷消費電力量の予測値に加算するよう構成した。また、家族のスケジュールに基づき補正を加えることで負荷消費電力量の予測誤差の最小化を図っている(ステップS38)。
負荷消費電力予測部202は、負荷消費電力の予測値の補正が完了するとその旨を運転計画作成部206に通知する。運転計画作成部206は、負荷消費電力予測部202、およびPV発電電力予測部203から取得した本日の負荷消費電力量およびPV発電電力量の予測結果から、現時刻以降の30分毎のPV余剰電力を予測する。具体的には、PV余剰電力として(PV発電電力予測結果−負荷消費電力予測結果)を算出する(ステップS39)。
PV余剰電力の予測が終了すると、運転計画作成部206は蓄電池3および給湯機5の運転計画の作成を行う(ステップS40)。
以下、図22を用いて蓄電池3および給湯機5の運転計画作成フローを説明する。この運転計画作成フロー(ステップS41〜ステップS53)は図16に示すステップS40を詳細に示すものである。また図23、図24、図25および図26は、図22に示すフロー図の部分詳細フロー図である。
なお、この実施の形態1では、深夜電力時間帯が始まる深夜23時から24時間分の運転計画を作成する。
蓄電池3および給湯機5の運転計画作成が開始されると、運転計画部118内の運転計画作成部206は、給湯機5の情報を収集する。具体的には、家族スケジュール管理部121から、給湯機5の使用計画である使用時間および使用湯量を取得する。図27に、給湯機5の使用計画の一例を示す。なお、家族スケジュールに基づき、例えばお父さんが出張で不在等の場合は、使用湯量を少なく修正するものとする。
そして、給湯機5の使用計画を入手すると、運転計画作成部206は水温情報を元に現在の蓄熱量を求める。なお、翌日の給湯機5の運転計画を立てる際の水温は、給湯機5内の図示していない水温計で予め定められた時間に測定した水温を使用するものとする(ステップS41)。
次に、運転計画作成部206は、図12で示したような給湯機5の特性情報の収集を実施する。この実施の形態1では、給湯機5の特性情報はクラウドサーバ31に記憶されているものとする。通常、給湯機5は深夜電力時間帯の安い電力を使用してお湯を沸かし、使用開始までに損失した損失熱量については使用前に追い焚きするよう構成されているため、自身の特性データを内部に記憶していない場合が多い。よって、この実施の形態1では、給湯機5の特性情報をクラウドサーバ31から取得するものとした。
なお、ステップS41にて取得した給湯機5の情報(使用湯量、使用時間および蓄熱量)、および給湯機5の特性情報は給湯機モデル205に入力する(ステップS42)。
運転計画作成部206は、給湯機5の特性情報の取得を完了すると、蓄電池3のさらなる情報を取得する。具体的には、後述する蓄電池3の運転計画から算出した本日23時の蓄電電力量予測結果、昨日終了時に算出した蓄電池3の容量維持率、蓄電池パワコン効率(蓄電池3および蓄電池パワコン4の両者の損失から求めた効率で、充電電力量に対する放電可能電力量の割合)、および蓄電池3の容量情報を取得する。
この実施の形態1では、毎日23時に、1日の蓄電池3の動作履歴および計測結果から容量維持率を推定するものとして説明する。容量維持率は、23時の時点で、24時間の蓄電池3の充放電履歴、蓄電池セル温度からCPU110が算出し、運転計画作成部206に通知する。なお、容量維持率の計算方法の説明は省略する。
また、蓄電池パワコン効率は、電力計測部116にて、充電電流、放電電流、およびSoC情報から算出するものとする。なお、蓄電池パワコン効率の算出方法はこれに限るものではなく、予め蓄電池パワコン4に記憶しておき、Echonet Lite通信I/F部113介して取得しても良いことは言うまでもない(ステップS43)。
次に、運転計画作成部206は、図6〜図8で示したような蓄電池3の特性情報を取得する。この実施の形態1では、蓄電池パワコン4からEchonet Lite通信I/F部113を介して蓄電池3の特性情報を取得する。
蓄電機器Bでは、蓄電池3の不必要な劣化を抑えるため、蓄電池パワコン4内、あるいは蓄電池3内のBMU305内の蓄電池制御回路303に蓄電池3の特性情報を記憶しているものとする。なお、取得した蓄電池3の特性情報をクラウドサーバ31に記憶しておき、クラウドサーバ31から入手するよう構成しても良いことは言うまでもない。
ステップS43にて取得した蓄電池3の情報、および蓄電池3の特性情報は蓄電池モデル204に入力する(ステップS44)。
次に、運転計画作成部206は、蓄電池モデル204において蓄電池3のモデルを生成する。具体的には、蓄電池モデル204において、蓄電池3の容量維持率情報を元に蓄電池3の劣化の進度を推定し、推定結果に基づきステップS44で入手した蓄電池特性情報に補正を加える。
蓄電池3は、上述したように蓄電池セル温度、蓄電電力量により充放電電流の最大値が変わる。また、蓄電池セル温度により、充電可能な最大SoC値も変わる。更に、上記充放電電流値の最大値、充電可能な最大SoC値も蓄電池3の劣化進度によって変わる。よって、この実施の形態1では、劣化進度により、図8(a)、図8(b)に示す蓄電池充放電電流の制限テーブルを変更する。
具体的には、劣化が進んだ蓄電池3に対して、充電終止電圧を新品のものに比べ低くする。即ち、図6に示す定電流充電から定電圧充電に切り換える蓄電池電圧を低くするとともに、SoCについても1.0(満充電)になる前に充電を終了する。また、最大充放電電流も低く抑えるように、図8(a)、図8(b)に示す蓄電池充放電電流の制限テーブルを変更する。そして、該変更した蓄電池充放電電流の制限テーブルを元に蓄電池3をモデル化する。これにより、蓄電池3の温度特性、SoC特性(例えば、図6(b)に示す特性)に加え、蓄電池劣化も考慮したモデルとすることができる。
なお、蓄電池モデルの更新は、毎回実施するのではなく、例えば10日に1回、あるいは1カ月に1回、あるいはSoCは0.01変化した場合等でも良いことは言うまでもない(ステップS45)。
蓄電池モデル204による蓄電池3のモデルの生成を完了すると、運転計画作成部206は、気温の予測結果および蓄電池モデル204を使用して、気温に基づく蓄電池3の運転制約条件を生成する(ステップS46)。
以下、図23を用いて、気温に基づく蓄電池運転制約条件の生成フローを説明する。この蓄電池運転制約条件の生成フロー(ステップS61〜ステップS66)は図22に示すステップS46を詳細に示すものである。
運転計画作成部206は、蓄電池3の運転制約条件の生成を開始すると、気温予測情報(実測結果に基づく補正後の気温予測)から、各時刻の蓄電池セル温度を予測する。この実施の形態1では、各充放電電流に対する蓄電池セル301の気温に対する温度上昇分を、高温側の蓄電池セル301と低温側の蓄電池セル301とに分けて、蓄電池モデル204内で学習しておく。そして、定格電流(最大充放電電流)で蓄電池3を充放電した場合の蓄電池セル301の温度上昇分を予測気温に加算し、高温側の蓄電池セル301および低温側の蓄電池セル301について蓄電池セル温度、即ち最大と最小の蓄電池セル温度を求める(ステップS61)。
続いて、予測された最大蓄電池セル温度、最小蓄電池セル温度のそれぞれの最大充放電電流を、蓄電池充放電電流の制限テーブル(図8(a)、図8(b)参照)から求める。そして、より制限の厳しい充放電電流値を運転制約条件とする。
図8(a)、図8(b)に示す充放電電流の制限特性はSoCが0.2〜0.8までの間はほぼ一定であるため、この実施の形態1では、充放電電流の制限値は、SoCが0.5の場合について求める。なお、充放電電流の制限値は他のSoC値、あるいはSoC値毎に求めても良いことは言うまでもない。
また、この実施の形態1では、運転制約条件を決定する際、最大充放電電流で充放電を行った場合について説明するが、これに限るものではなく、例えばスタンバイ状態の損失電力を元に蓄電池セル301の温度を推定するように構成しても良いことは言うまでもない。なお、最大充放電電流を使用する理由は以下のとおりである。上述したように、蓄電池3の劣化は一般に30℃を越える高温の環境下では10℃温度が上昇すると蓄電池劣化は2倍進むといわれている。従って、蓄電池劣化の進行を抑えるため、蓄電池3の運転計画を作成する場合はより厳しい条件で制約条件を決定する。
さらに、各時刻の最大充放電電流の中で、最も厳しい、即ち最も低くなる条件の最大充放電電流(高温側と低温側の最大充放電電流を比較して小さい方)を選択し、該選択した最大充放電電流について充放電を行い、最終的に充放電電流(充電電流、放電電流)が「0」となるSoCを求める。例えば、充電時は、図8(a)に示すようにSoCが大きくなると定電流充電から定電圧充電に切り替わり最大充電電流値が小さくなって最終的に0になる。この場合、該SoCに相当する充電終止電圧(第1充電終止電圧)、放電終止電圧についても求める。なお、上述では充放電電流が「0」となるSoCを求めたがこれに限るものではなく、充放電電流が所定値未満になったSoCを求めても良いことは言うまでもない。
通常、気温が室温以上の夏期では、予測された最大蓄電池セル温度が1日の最高温度となる時刻の最大充放電電流が採用され、気温が室温未満の冬期では、予測された最小蓄電池セル温度が1日の最低となる時刻での最大充放電電流が採用される。
即ち、ステップS61で予測した各時刻の最大蓄電池セル温度および最小蓄電池セル温度の情報を元に、蓄電池3の運転制約条件(各時刻における最大充放電電流(最大充電電流および最大放電電流)および第1充電終止電圧、放電終止電圧)を決定する。
なお、蓄電池3の劣化は高温環境下での蓄電池使用が顕著であるため、第1充電終止電圧、放電終止電圧は、季節に拘わらず、気温あるいは最大蓄電池セル温度の予測結果が1日の最高温度である時の最大充電電流に基づくSoCから決定しても良い(ステップS62)。
次に、運転計画作成部206はPV余剰電力が発生する時間帯を確認する。具体的には、ステップS36で求めたPV発電電力量の予測結果から、ステップS38で算出した負荷消費電力量の予測結果(補正後)を減算することでPV余剰電力が発生する時間帯を求める(ステップS63)。
次に、運転計画作成部206は、PV余剰電力の発生時間帯終了から深夜電力時間帯になるまでの、給湯機5を含む負荷機器20へ蓄電池3から放電する電力量を求める。
具体的には、まず、ステップS38で算出した負荷消費電力量の予測結果から、PV余剰電力の発生時間帯終了から深夜電力時間帯になるまでの期間における各時刻の蓄電池3の放電電力を、放電時の損失電力を考慮して、以下のように求める。
放電電力=(負荷消費電力量の予測結果−PV発電電力量の予測結果)/(放電時の蓄電機器Bの効率)
そして、求めた放電電力を蓄電池3の電圧で除算することで各時刻の蓄電池3の放電電流を算出する。この放電電流とステップS62で決定した最大放電電流とを比較し、算出した放電電流が最大放電電流を越える場合は、最大放電電流を蓄電池3からの放電電流に設定し、算出した放電電流が最大放電電流以下の場合は、算出した放電電流を蓄電池3からの放電電流に設定する。各時刻における蓄電池3からの放電電流が決定されると、各時刻の放電電流から、PV余剰電力発生時間帯終了から深夜電力時間帯になるまでの蓄電池3からの放電電力量を求める(ステップS64)。
蓄電池3からの放電電力量の算出が完了すると、運転計画作成部206は、放電電力量に基づき蓄電池3への充電電力量を求める。具体的には、放電時と同様に充電時の損失電力を考慮して、蓄電池3への充電電力量を以下のように求める。
充電電力量=(放電電力量の算出結果)/(充電時の蓄電機器Bの効率)
充電電力量の算出が完了すると、充電電力量からSoCを算出する。そして、該SoCの値に相当する充電終止電圧(第2充電終止電圧)を算出する。
蓄電池3は上述したように蓄電池劣化により最大充電電力量が変わる。また、リチュウムイオンバッテリの場合、蓄電池電圧(蓄電池セル電圧)はSoCによって一義的に決まる。この実施の形態1では、充電電力量と現在の蓄電池3の容量からSoCを求め充電終止電圧を算出するよう構成する。これにより、蓄電池劣化の進度に拘わらず、確実に充電終止電圧を算出できる(ステップS65)。
そして、ステップS65で算出した充電終止電圧(第2充電終止電圧)がステップS62で算出した充電終止電圧(第1充電終止電圧)以下の場合は、ステップS65で算出した充電終止電圧を、蓄電池3の運転制約条件の充電終止電圧に採用する。即ち、2つの充電終止電圧の内、低い方を運転制約条件の充電終止電圧に決定する(ステップS66)。
図22に戻り説明を続ける。
ステップS46(ステップS61〜ステップS66)にて蓄電池3の運転制約条件(最大充放電電流、充電終止電圧、放電終止電圧)の生成が完了すると、運転計画作成部206は、給湯機5の給湯量を求める。
具体的には、ステップS41で収集した家族スケジュール情報と、給湯機5の使用計画(図22参照)および現在の蓄熱量とから、必要となる湯量および給湯量(蓄熱量)を求める。なお、この実施の形態1では、図22に示す給湯機5の使用計画について、負荷消費電力学習管理部200で各月の曜日毎に使用湯量を時刻ごとに学習して求める。学習に際しては、家族スケジュール管理部121より出力される家族スケジュールを加味する(ステップS47)。
給湯機5の給湯量(蓄熱量)を算出すると、運転計画作成部206は、給湯機5の運転パターンを作成する(ステップS48)。
一般に、給湯機5は1日に運転、停止を繰り返し使用すると機器寿命が短くなるため、起動および停止は1日2〜3回程度に制限して使用する。この実施の形態1では、給湯機5の1日の起動停止回数を最大2回とする。この場合、ユーザが風呂の追い焚きで使用する場合等を考慮し運転計画では2回に制限し、ユーザからの追い焚き要求がある場合は、給湯機5の起動に制限を設けないものとする。
この実施の形態1では、運転計画を示す運転パターンを予め複数作成し、運転パターンを選択することで運転計画を作成するものとする。ここでは、深夜電力時間帯の給湯と昼間時間帯の給湯との2つの運転パターンを作成する。また、給湯機モデル205は給湯機5の複数種類の運転計画(運転パターン)を管理する。
給湯機モデル205の動作を以下に説明する。
上述したように、給湯機5はヒートポンプサイクルを利用するため、図12で示したように気温によりCOPが変わる。例えば、3℃と9℃では1.5倍以上COPが変わる場合もある。従って、給湯機モデル205では、ステップS37にて算出した気温予測情報から各時刻の給湯機5の消費電力を求める。そして、ステップS39で求めたPV余剰電力予測情報から、買電電力が設定値以下で給湯機5が沸き上げ可能な時間帯を求める。そして、沸き上げ可能な時間帯における各時刻(この実施の形態1では30分単位)の平均使用電力および蓄熱量を算出する。そして、この算出結果は、各運転パターンについて算出し、その中から電力料金の削減効果の高い運転パターンを選択して決定する。なお、この実施の形態1では、電力料金体系は、深夜給湯を実施するよりも給湯機5のCOP特性を考慮しPV余剰電力で給湯したほうが経済的であるものとして説明する。
以下、図24を用いて給湯機5の運転パターン作成フローを説明する。この給湯機5の運転パターン作成フロー(ステップS71〜ステップS79)は図22に示すステップS48を詳細に示すもので、2つの運転パターンを作成する。
まず運転計画作成部206は、深夜電力時間帯での給湯計画に基づく運転パターン(第1運転パターン)が作成済みかを確認する(ステップS71)。
ステップS71で確認の結果、まだ未作成であれば、運転計画作成部206は、深夜電力時間帯での給湯計画に基づく運転パターン(第1運転パターン)の作成を開始し、給湯機モデル205に対して、ステップS47で算出した給湯機5の給湯量(蓄熱量)を確保するため、深夜電力時間帯の各時刻における消費電力、給湯量(蓄熱量)を算出するよう指示を出す。ステップS37で求めた気温予測結果、および給湯機5の特性情報(図12参照)に基づいて、深夜電力時間帯の各時刻における給湯機5の消費電力、および給湯量の算出が完了すると、深夜電力時間帯の給湯開始、終了時刻の算出を開始する。
具体的には、深夜電力時間帯が終了する6時30分から7時の期間の気温予測結果から、図12(b)に示す給湯機5の特性情報を用いて、その期間の消費電力(負荷率)およびCOPを求める。そして、求めた消費電力とCOPから給湯量を算出する。次いで、6時から6時30分の期間における給湯量を同様に算出する。同様の動作を順次時間をずらして繰り返し、ステップS47で求めた給湯量(蓄熱量)が確保できるまで行い、深夜給湯の際の開始時刻を求める。この場合、終了時刻は深夜電力時間帯の終了時刻である7時とする(ステップS72)。
深夜電力時間帯の給湯開始、終了時刻の算出の際、消費電力についても順次加算し、深夜電力時間帯での給湯に必要な消費電力を求める。これにより深夜電力時間帯の給湯量(蓄熱量)、給湯開始、終了時刻、および消費電力の算出が完了する(ステップS73)。
ところで、深夜電力時間帯での給湯では、お風呂など大量にお湯を使用するまで、給湯終了から12時間以上の時間があり、その間の放熱量を回復する必要がある。この実施の形態1では、深夜給湯の場合は、お風呂など大量にお湯を使用する直前に沸き増しを行い、昼間給湯の場合は、COP値が高い昼間の時間帯にその分も含めて沸き上げを行うものとする。なお、昼間給湯の場合もお風呂など大量にお湯を使用する直前に沸き増しを行っても良いことは言うまでもない。
深夜電力時間帯の給湯量(蓄熱量)、給湯開始、終了時刻、および消費電力の算出が完了すると、運転計画作成部206は、給湯機5の夜間使用前の沸き増し消費電力を求める。具体的には、深夜電力時間帯終了(7時)から大量にお湯を使用する夜間時間帯までの期間に、給湯機5から放熱する熱量を算出し、沸き増し時の給湯量(蓄熱量)とする。そして、給湯機モデル205は、沸き増しを行う時間帯の気温の予測結果を用いて、算出した沸き増し時の給湯量から沸き増しに必要となる消費電力量、および沸き増し開始、終了時刻を求める(ステップS74)。
運転計画作成部206は、ステップS72〜ステップS74での算出結果により、深夜電力時間帯および大量にお湯を使用する夜間時間帯における給湯機5の運転パターン(第1運転パターン)を作成する。
なお、この実施の形態1では、給湯機5の起動時間、停止時間、および起動時間中の時刻ごとの消費電力を求め、それを給湯機5の運転計画(運転パターン)とする(ステップS75)。
第1運転パターンの作成が終了するとステップS71に戻る。
ステップS71で確認の結果、第1運転パターンの作成が終了していれば、運転計画作成部206は、PV余剰電力の発生について確認する。この実施の形態1では、気温予測情報から各時刻の給湯機5の消費電力を求め、PV余剰電力から給湯機5の消費電力を差し引いた値が所定値以上である時間帯があるかを確認する(ステップS76)。このような時間帯がない場合は、給湯機5の昼間時間帯の給湯は無いものとして第2運転パターンを作成せず、給湯機5の運転パターン作成フローを終了する。
ステップS76にて、PV余剰電力から給湯機5の消費電力を差し引いた値が所定値以上である時間帯がある場合、運転計画作成部206は、PV余剰電力に基づく昼間時間帯の給湯開始、終了時刻を決定する。
具体的には、気温予測情報から各時刻の給湯機5の消費電力を求め、PV余剰電力から給湯機5の消費電力を差し引いた値が所定値以上である時間帯を抽出し、抽出した各時間帯における消費電力および給湯量(蓄熱量)を算出する。さらに、仮にPV余剰電力で給湯機5の消費電力が賄えない場合の買電電力を算出する。そして、各時間帯の消費電力等の算出を終了すると、必要となる給湯量が確保でき、買電電力が最小になる給湯開始時刻、および終了時刻を決定する。なお、PV余剰電力による給湯では必要となる給湯量が確保できない場合は、昼間時間帯の給湯に加え、さらに深夜電力時間帯の給湯を行う必要があるため、昼間時間帯の給湯開始、終了時刻に加え、昼間時間帯の給湯量(蓄熱量)についても算出する(ステップS77)。
次に、運転計画作成部206は、ステップS47で求めた給湯量(蓄熱量)と、ステップS77で算出した昼間時間帯の給湯量(蓄熱量)とを比較し、深夜電力時間帯での給湯機5の給湯量(蓄熱量)を算出する(ステップS78)。
深夜電力時間帯での給湯量(蓄熱量)の算出が完了すると、運転計画作成部206は、給湯機モデル205に対して、深夜電力時間帯の給湯開始、終了時刻を算出するよう指示する。給湯機モデル205は、深夜電力時間帯が終了する6時30分から7時の期間の気温予測結果から、図12に示す給湯機5の特性情報を用いて、その期間の消費電力(負荷率)およびCOPを求める。そして、求めた消費電力とCOPから給湯量を算出する。次いで、6時から6時30分の期間における給湯量を同様に算出する。同様の動作を順次時間をずらして繰り返し、ステップS78で求めた給湯量(蓄熱量)が確保できるまで行い、深夜給湯の際の開始時刻を求める。なお、終了時刻は深夜電力時間帯の終了時刻である7時とする。
これにより、昼間時間帯および深夜電力時間帯における給湯機5の運転パターン(第2運転パターン)を作成する。なお、昼間時間帯の沸き上げで給湯量(蓄熱量)が確保できる場合は、ステップS78で求める給湯量(蓄熱量)は「0」であり、深夜電力時間帯での給湯を行わないことは言うまでもない(ステップS79)。
図22に戻り説明を続ける。
ステップS48(ステップS71〜ステップS79)にて給湯機5の運転パターン作成を完了すると、運転計画作成部206は、作成された2つの運転パターンについて、それぞれ蓄電池3の運転計画を作成する。
まず、運転計画作成部206は、給湯機運転パターンを1つ選択する(ステップS49)。
選択された運転パターンが給湯機モデル205から入力されると、運転計画作成部206は、ステップS45で生成した蓄電池3のモデルを用いて、蓄電池3の運転計画を作成する(ステップS50)。なお、蓄電池3の運転計画の作成を示すステップS50についての詳細は後述する。
次に、運転計画作成部206は、給湯機5の運転パターン、蓄電池3の運転計画、PV発電電力予測結果および負荷消費電力予測結果から電力料金体系に基づき電力料金を算出する(ステップS51)。
そして、電力料金の算出が完了すると、給湯機5に対して作成された全ての運転パターンについて処理して電力料金を確認したかを判定する。この実施の形態1では、2種類の運転パターンについて実施したかを確認する。なお、PVの余剰電力がなく給湯機5の運転パターンが1パターンのみの場合は全て処理したとする(ステップS52)。
ステップS52で、未処理の運転パターンがある場合は、ステップS49に戻り、未処理の運転パターンを選択する。
ステップS52で、給湯機5に対する全ての運転パターンについて処理されて各電力料金の確認が完了すると、運転計画作成部206は、電力料金が安い運転パターンを決定する。これにより、電力料金が最小となるように、給湯機5の運転パターンと蓄電池3の運転計画との組み合わせが決定される(ステップS53)。
これにより、ステップS40(ステップS41〜ステップS53、図16参照)で示す、蓄電池3および給湯機5の運転計画の作成を終了し、ステップS19(ステップS31〜ステップS40、図15参照)で示す運転計画の作成も終了する。
以下、図25および図26を用いて蓄電池3の運転計画作成フローを説明する。この蓄電池3の運転計画作成フロー(ステップS91〜ステップS104)は図22に示すステップS50を詳細に示すものである。
給湯機5の運転パターンが選択されて給湯機モデル205から入力されると、運転計画作成部206は、各時刻におけるPV余剰電力を算出する。算出に際しては、ステップS36で算出したPV発電電力予測結果から、ステップS38で算出した負荷消費電力予測結果と、給湯機5の運転パターン作成時に求めた各時刻における給湯機5の消費電力予測結果とを減算し、各時刻におけるPV余剰電力を算出する(ステップS91)。
運転計画作成部206は、各時刻のPV余剰電力の算出を完了すると、そのPV余剰電力を充電するかを判断する。
具体的には、ステップS43で取得した蓄電池3の充電時および放電時の効率、深夜電力時間帯の電力料金、余剰電力の売電価格から、余剰電力を蓄電池3に充電したほうが良いかを判断する。例えば、充電時および放電時の効率がそれぞれ90%で、深夜電力時間帯の電力料金が1kWhあたり12円とすると、1kWhの電力を蓄電池3から放電させる場合は、1kWh/0.9(充電時の効率)/0.9(放電時の効率)=1.2346kWhの電力を充電する必要がある。従って、売電価格が14.815円未満であればPV余剰電力は充電する方が経済的に良く、売電価格が14.815円以上であればPV余剰電力は売電する方が経済的に良い。なお、この実施の形態1ではPV余剰電力は充電した方が経済的に得である電力料金体系であるものとする。
また、この実施の形態1では、上記電力料金体系に加え、ステップS46で確認した、気温に基づく蓄電池運転制約条件に基づきPV余剰電力を充電するかを判断する。例えば、気温が30℃を越えて蓄電池3の充放電を行うことで更に蓄電池セル301の温度が上昇して充放電不可となる場合、あるいは充放電電流量が小さすぎてPV余剰電力を充電しても待機電力等の消費で経済的な効果が殆ど見込めない場合等、PV余剰電力を充電しないと判断する。また、PV余剰電力を充電しても、深夜電力時間帯の開始までに全ての充電電力が放電できないと判断した場合もPV余剰電力を充電しないと判断する(ステップS92)。
ステップS92でPV余剰電力を充電しない(Noの場合)と判断すると、運転計画作成部206は、深夜電力時間帯での蓄電池3の充電計画を作成する。
具体的には、現在の蓄電池3の運転計画から深夜電力時間帯開始時の蓄電池3の蓄電電力量(SoC)を予測する。そして、ステップS37で作成した気温予測結果と図6〜図8に示す蓄電池3の特性情報に基づき、深夜電力時間帯開始直後から蓄電池3への充電を開始したとして充電計画を作成する。即ち、蓄電池3の特性情報を元に、最大充電電流で深夜電力時間帯開始直後から充電した場合の、各時刻の充電電力、および充電電力量を蓄電池モデル204で、蓄電池3が満充電になるまで計算する。この実施の形態1では、蓄電池3の充電計画作成の際、ステップS46で生成した蓄電池3の気温に基づく運転制約条件を使用しない。これは、上記運転制約条件を作成するに当たって、充電電力量(SoC)を、特に蓄電池セル301の温度以外に制限がない0.5の数値に設定しているため、図6(b)に示すような、SoCが高い領域での運転モードである定電圧モードでの充電計画が立てられないためである。
なお、蓄電池3の充電計画作成の際、ステップS46で生成した蓄電池3の気温に基づく運転制約条件を使用して、深夜電力時間帯の各時間帯の充電電力量を求め、所定の電力が蓄電池3に充電されるまでの運転計画(充電計画)を作成しても良い(ステップS93)。
次に、運転計画作成部206は蓄電池3の放電計画を作成する。この実施の形態1では、深夜電力時間帯以外の時間は買電電力が最小になるように蓄電池3を制御するものとする。具体的には、給湯機5を含む負荷機器20の消費電力からPVの発電電力を減算した値が正の時、買電電力がゼロになるように蓄電池3に蓄えられた電力を放電する。よって、運転計画作成部206は、深夜電力時間帯以外の時間帯の放電電力要求量を、給湯機5を含む負荷機器20の消費電力予測結果からPV発電電力予測結果を減算することで算出する。
蓄電池モデル204は、算出された各時刻の放電電力要求量を運転計画作成部206から取得し、ステップS93にて作成した深夜電力時間帯での蓄電池3の充電計画を元に、深夜電力時間帯の終了時点(7時)の蓄電池3に蓄えられた充電電力量を算出する。次に、蓄電池モデル204は、この充電電力量、各時刻の放電電力要求量、気温予測結果、および図6〜図8に示す蓄電池3の特性情報から各時刻の放電電力量を決定する。具体的には、各時刻の充電電力量から蓄電池3のSoCを算出し、算出したSoC、気温予測結果、蓄電池3の特性情報から最大放電電流と蓄電池電圧を算出する。そして、算出した最大放電電流と蓄電池電圧から最大放電電力量を算出し、放電電力要求量と比較する。比較の結果、放電電力要求量が最大放電電力量以下の場合は、放電電力要求量を放電電力量として決定し、放電電力要求量が最大放電電力量より大きい場合は最大放電電力量を放電電力量として決定する。以上の動作を、蓄電池3の電圧が放電終止電圧になるまで実施する。
なお、充電電力量および放電電力量を求める際は、充電時および放電時の蓄電機器Bの効率を考慮して求めるものとする。具体的には、蓄電池3の充電時および放電時の効率をともに90%とすると、蓄電機器Bの入力に1kWの電力を加えた場合、実際に蓄電池3に充電される電力は1kW×0.9=0.9kWとなる。同様に、蓄電池3から1kWの電力を放電した場合、蓄電機器Bからは1kW×0.9=0.9kWの電力が出力されることを意味する(ステップS94)。
ステップS92でPV余剰電力を充電する(Yesの場合)と判断すると、運転計画作成部206は、PV余剰電力の充電計画を作成する。まず、ステップS39で作成したPV余剰電力予測結果から、給湯機5の運転計画(運転パターン)による各時刻の給湯機5の消費電力を減算して各時刻のPV余剰電力を算出する。蓄電池モデル204は、算出された各時刻のPV余剰電力を運転計画作成部206から取得し、気温予測結果および図6〜図8に示す蓄電池3の特性情報に基づき充電計画を作成する。この実施の形態1では、PV余剰電力で必要な電力量が確保できない場合は、深夜電力時間帯に不足分を充電する。
ところで、蓄電池3は図6(b)に示すように、充電時にSoCが例えば0.8を超えると定電圧モードに移行し充電電力量が下がる。このため、この実施の形態1では、PV余剰電力の充電計画を作成する際、PV余剰電力が発生する最終時間帯にて満充電になるように計画する。具体的には、PV余剰電力が発生する最終時間帯に蓄電池3に充電される電力量を、PV余剰電力量、気温予測結果および蓄電池3の特性情報から算出する。そして、算出した充電電力量を満充電の電力量から減算し、上記最終時間帯開始時点の蓄電池3の充電(蓄電)電力量を算出し、その算出結果、PV余剰電力量、気温予測結果および蓄電池3の特性情報から、上記最終時間帯の直前30分間の充電電力量を算出する。この動作を、蓄電池3の充電(蓄電)電力量がゼロになる時間帯、あるいはPV余剰電力がゼロになる時間帯まで繰り返す。PV余剰電力がゼロになる時間帯までに充電(蓄電)電力量がゼロにならない場合は、残りの電力量を深夜電力時間帯に充電するため記憶する。充電(蓄電)電力量が先にゼロになる場合は、残りの電力量はゼロである。
なお、PV余剰電力の充電計画の作成方法は、上述したものに限るものではなく、PV余剰電力の発生開始時刻から充電電力量を求め計画しても良いことは言うまでもない(ステップS95)。
次に、運転計画作成部206は、深夜電力時間帯終了からPV余剰電力が発生するまでの期間における蓄電池3の放電計画を作成する。
まず、給湯機5を含む負荷機器20の消費電力予測結果から、深夜電力時間帯終了からPV余剰電力が発生するまでの期間の各時刻の放電電力要求量を算出する。そして、各時刻の充電電力量、放電電力要求量、気温予測結果、および蓄電池3の特性情報から、蓄電池モデル204を用いて各時刻の放電電力量を決定する(ステップS96)。
次に、運転計画作成部206は、ステップS96で算出した放電電力量を、ステップS95で求めた、深夜電力時間帯に充電するための充電電力量(上記残りの電力量)に加算して、深夜電力時間帯の充電電力量を算出し、深夜電力時間帯の蓄電池3の充電計画を作成する。
具体的には、深夜電力時間帯開始時の蓄電池3の蓄電電力量を予測し、気温予測結果と蓄電池3の特性情報に基づき、蓄電池モデル204を用いて充電計画を作成する。即ち、最大充電電流で深夜電力時間帯開始直後から蓄電池3への充電を開始した場合の、各時刻の充電電力および充電電力量を、深夜電力時間帯の充電電力量になるまで求める(ステップS97)。
次に、運転計画作成部206は、PV余剰電力の発生終了から深夜電力時間帯開始までの期間における蓄電池3の放電計画を作成する。
まず、給湯機5を含む負荷機器20の消費電力予測結果から、PV余剰電力の発生終了から深夜電力時間帯開始までの期間の各時刻の放電電力要求量を算出する。次に、PV余剰電力の発生終了時の蓄電池3の充電(蓄電)電力量を、PV余剰電力の充電計画から取得し、各時刻の充電電力量、放電電力要求量、気温予測結果、および蓄電池3の特性情報から、蓄電池モデル204を用いて各時刻の放電電力量を決定する(ステップS98)。
次に、運転計画作成部206は、蓄電池3の充電計画における充電終了時の蓄電池電圧が、蓄電池3の運転制約条件として決定した充電終止電圧を超えているか確認する(ステップS99)。
PV余剰電力を充電する場合では、ステップS99において、PV余剰電力の充電終了時の蓄電池電圧が上記充電終止電圧を越えている場合(Yesの場合)は、ステップS97で作成した深夜電力時間帯の充電計画を見直して充電電力を削減し、PV余剰電力の充電終了時の蓄電池電圧を上記充電終止電圧に抑える。この場合、深夜電力時間帯の充電計画を見直しても蓄電池電圧を上記充電終止電圧に抑制できない場合は、さらにステップS95で作成したPV余剰電力の充電計画を見直して充電電力を削減する。
また、PV余剰電力を充電しない場合では、ステップS99において、深夜電力時間帯の充電終了時の蓄電池電圧が上記充電終止電圧を越えている場合(Yesの場合)は、ステップS93で作成した深夜電力時間帯の充電計画を見直して充電電力を削減し、充電終了時の蓄電池電圧を上記充電終止電圧に抑える。
この後、ステップS99へ戻る(ステップS100)。
ステップS99において、充電終了時の蓄電池電圧が充電終止電圧以下である場合(Noの場合)は、作成した充放電計画を見直し、蓄電池3が充放電を実施していない時間帯があるか確認する。なお、この実施の形態1では充放電電力が所定値未満(例えば50W未満)の場合も充放電を行っていない時間帯とみなす(ステップS101)。
蓄電池3が充放電を実施していない時間帯がある場合は、その時間帯は蓄電機器Bをスリープ状態にする、即ち運転モードをスリープモードにするように蓄電池3の運転計画を作成する(ステップS102)。
ステップS102が終了、あるいはステップS101がNoの場合、運転計画作成部206は蓄電池3のスタンバイ状態、即ちスタンバイモードの運転モードを含む充放電計画を作成する(ステップS103)。
そして、運転計画作成部206は、作成された全ての充放電計画が、ステップS46で生成した、気温に基づく蓄電池運転制約条件を満たしているか再度確認する(ステップS104)。
ステップS104において、蓄電池運転制約条件を満たす場合(Yesの場合)は、蓄電池3の運転計画作成は終了し、満たしていない場合(Noの場合)は、ステップS91に戻り、蓄電池3の運転計画を再作成する。
以上のように、この実施の形態では、電力管理装置100は、蓄電機器Bとしての蓄電池3および蓄電池パワコン4と、創エネ機器Aとしての太陽光パネル1および太陽光パワコン2と、電気負荷である負荷機器20とを有するシステムの電力需給を管理する。そして、電力管理装置100は、CPU110、ROM111、RAM112、Echonet Lite通信I/F部113、Ethenet通信I/F部114、表示部115、電力計測部116、時刻管理部117、運転計画部118、機器管理部119、負荷機器制御部120、家族スケジュール管理部121、DR対応部122、およびCPUバス130で構成されると共に、運転計画部118は、負荷消費電力学習管理部200と、PV発電電力学習管理部201と、負荷消費電力予測部202と、PV発電電力予測部203と、蓄電池モデル204と、給湯機モデル205と、蓄電池3および給湯機5の運転計画を作成する運転計画作成部206とを備える。即ち、電力管理装置100は、運転計画部118がEchonet Lite通信I/F部113を介して蓄電機器Bの情報を取得する手段(蓄電機器情報取得部)を備え、さらに創エネ機器Aにて発電される電力を予測する発電電力予測部(PV発電電力予測部203)と、電気負荷(負荷機器20)の消費電力を予測する負荷電力予測部(負荷消費電力予測部202)と、蓄電機器情報取得部にて取得した蓄電機器情報、発電電力予測部にて予測した発電電力予測情報、負荷電力予測部にて予測した負荷電力予測情報、および気温予測情報に基づいて、蓄電機器Bの運転計画を作成する運転計画作成部206とを備える。そして、上述したように、運転計画作成部206は、少なくとも気温予測情報に基づいて蓄電機器Bの最大充電電流あるいは最大充電電力である充電制限値を予測し、少なくとも気温予測情報に基づいて蓄電機器Bの最大充電電力量あるいは充電終止電圧である充電終止点を決定する。そして、充電制限値以下および充電終止点以下で蓄電機器Bが充電されると共に、気温予測情報が設定上限値を超える時間帯に蓄電機器Bの充放電を停止するように運転計画を作成する。
図28は、この実施の形態1による蓄電池制御における蓄電池セル温度および蓄電電力量の一日の変化を説明する図であり、図13、図14で示した比較例と同様の条件(機器構成および天気、気温、電力料金等の外的条件)で、電力管理装置100が上述したように運転計画を作成した結果を示す。
図28に示すように、深夜電力時間帯での充電完了後は、夕方の放電開始時刻まで蓄電機器Bはスリープモードで充放電停止しており、待機電力を削減できる。また、待機電力による発熱が抑えられるため、スリープ状態の間は、高温側の蓄電池セル温度および低温側の蓄電池セル温度は、気温とほぼ等しくなり(D5参照)、この例では、高温側の蓄電池セル温度を5℃以上低くできる。これにより、蓄電池3の不要な劣化進行を抑えることができる。
また、深夜電力時間帯での充電電力量が、夕方の放電に必要な電力量分のみに抑えられ、この場合、充電終止電圧に相当するSoCが上記比較例と比べて20%低く抑えられ(D6参照)、蓄電池3の満充電での保持時間はゼロになる。このように、放電電力量を確保しつつ、蓄電池3の劣化進度を進める充電終止電圧を低く抑え、高電圧での蓄電池3の保持時間を短くできる。これにより、蓄電池3の劣化進度を効果的に抑制できる。
また、蓄電池3からの放電電力量は比較例の場合と変わらないので、放電による経済効果(電力料金の回収)を同様に得ることができる。さらに、上述したように充放電停止の際にスリープモードを用いる事で待機電力を削減でき、経済効果を向上させることができる。
また、上記実施の形態1では、スリープモードの蓄電池3からの放電を開始する際は、Echonet Lite通信I/F部113を介して蓄電池3に対してスタンバイモードに移行するよう通知する。このように構成するため、蓄電機器Bのスリープモードからスタンバイモードへの移行を確実に実施することができる。また、高温側および低温側の蓄電池セル301の温度情報を、BMU305内の蓄電池制御回路303で収集するので、電力管理装置100の制御と、BMU305の制御を同一の温度情報で実施することができる効果がある。
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2による電力管理装置100について説明する。上記実施の形態1では、高気温となる夏期において有効となる蓄電池3の運転計画作成について説明したが、この実施の形態2では、さらに、低気温となる冬期においても有効となる運転計画作成について説明する。なお、実施の形態2による電力管理装置100では、図25を用いて示した蓄電池3の運転計画作成フローに係る部分以外の構成は、上記実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
この実施の形態2による電力管理装置100の運転計画部118の動作について、以下に説明する。
運転計画部118は、上記実施の形態1と同様に、図15〜図24を用いて示した同様の手法にて蓄電池3および給湯機5の運転計画を作成する。この実施の形態2では、上記実施の形態1の図25、図26に示される蓄電池3の運転計画作成フローの詳細が異なる。
以下、図29および図30を用いて、この実施の形態2による蓄電池3の運転計画作成フローを説明する。この蓄電池3の運転計画作成フローは図22に示すステップS50を詳細に示すものである。
上記実施の形態1と同様に、運転計画作成部206では、給湯機5の運転パターンが選択されて給湯機モデル205から入力されると、各時刻におけるPV余剰電力を算出し(ステップS91)、そのPV余剰電力を充電するかを判断する(ステップS92)。
ステップS92でPV余剰電力を充電しない(Noの場合)と判断すると、運転計画作成部206は、深夜電力時間帯での充電の仮計画を作成する。充電の仮計画とは、ステップS37で作成した気温予測結果と図6〜図8に示す蓄電池3の特性情報に基づき、深夜電力時間帯開始までスリープモードで充放電停止した状態で、深夜電力時間帯開始直後から蓄電池3への充電を開始した場合、運転制約条件としてステップS66で決定した充電終止電圧まで充電可能かを見極めるために実施する。
具体的には、蓄電池3の特性情報を元に、最大充電電流で深夜電力時間帯開始直後から充電した場合の、各時刻の充電電力および充電電力量を蓄電池モデル204で、蓄電池3が満充電になるまで計算する。
この場合、上記実施の形態1と同様に、蓄電池3の充電計画(仮計画)作成の際、ステップS46で生成した蓄電池3の気温に基づく運転制約条件を使用しない。これは、上記運転制約条件を作成するに当たって、充電電力量(SoC)を、特に蓄電池セル301の温度以外に制限がない0.5の数値に設定しているため、図6(b)に示すような、SoCが高い領域での運転モードである定電圧モードでの充電計画が立てられないためである。
なお、蓄電池3の充電計画作成の際、ステップS46で生成した蓄電池3の気温に基づく運転制約条件を使用して、深夜電力時間帯の各時間帯の充電電力量を求め、所定の電力が蓄電池3に充電されるまでの計画を作成しても良い(ステップS110)。
深夜電力時間帯での充電の仮計画が作成されると、運転計画作成部206は、充電終止電圧まで充電不可か判断し、さらに充電不可の場合は低気温に起因するか、即ち気温予測結果が、例えば設定下限値の0℃未満であるかを判断する(ステップS111)。
ステップ111で、深夜電力時間帯での蓄電池3の充電が充電終止電圧まで充電可能、あるいは充電不可であるが低気温に起因しないと判断した場合(Noの場合)、運転計画作成部206は、上記実施の形態1と同様に(ステップS94と同様)に、蓄電池3に対して放電計画を作成する(ステップS112)。
ステップ111で低気温による充電不可と判断した場合(Yesの場合)、運転計画作成部206は、蓄電池3に対して低気温対応の放電計画を作成する。この場合も、上記実施の形態1同様に、深夜電力時間帯以外の時間は買電電力が最小になるように蓄電池3を制御するものとする。
具体的には、蓄電池3の放電を深夜電力時間帯開始直前に完了するよう放電計画を作成する。深夜電力時間開始直前の負荷消費電力予測結果から時間を遡って各時刻の放電電力量を決定する動作を、蓄電池3の電圧が放電終止電圧になるまで実施する。その際、該気温予測結果、蓄電池セル301の温度上昇予測情報、および蓄電池3の特性情報から各時刻における最大放電電流を算出し、算出結果に基づき放電電力量を決定する。
なお、この実施の形態2で使用する蓄電池セル301の温度上昇予測情報は、低温側の蓄電池セル301の温度情報を使用する。また、放電計画作成の際の放電電力量は、決定された充電終止電圧から蓄電電力量を算出し、その蓄電電力量に放電時の効率を乗算して求めるものとする。
さらに、この実施の形態2では、蓄電池セル301の温度上昇予測情報は、スタンバイモードで充放電を停止した際の温度上昇測定結果を使用するものとする。なお、蓄電池セル301の温度上昇予測情報は上記に限らず、負荷消費電力予測結果から平均消費電力を予測し、その予測結果から算出しても良いことは言うまでもない(ステップS113)。
ステップS113での蓄電池3の低気温対応の放電計画作成が終了すると、運転計画作成部206は、該放電計画における放電開始時刻の気温予測結果を確認する。そして、蓄電池3の特性情報から得られる最大放電電流に基づいて、放電開始時の放電電力が確保できるかを確認する。確保できない場合は、放電開始時刻から予め設定された期間(例えば1時間)の放電計画を改めて見直し、修正する。
具体的には、放電開始時刻から1時間遡った時刻の気温予測結果を元に、蓄電池3の特性情報から最大放電電力を算出する。算出結果から、放電可能であれば、先に設定された放電開始時刻を1時間前に設定し、放電開始後1時間で計画していた放電電力量を2時間で放電するように放電計画を再作成する。
一方、放電開始を1時間前倒しても放電電力量を確保できない場合は、スタンバイモードを起動して蓄電池セル301の温度を上昇させ、放電可能な温度になるまで待機する。そして、放電可能な温度に到達する時刻から当初の放電開始時刻の1時間後までの放電計画を再作成する。なお、その時間帯の放電電力は、当初の放電計画での放電開始から1時間の間の放電電力量と等しくする。
なお、この実施の形態2では、蓄電機器Bの温度特性が、1時間でほぼ収束するものとして、放電開始時刻を1時間遡る場合を説明する。30分で収束する場合は30分遡れば良いことは言うまでもない。また、放電計画作成の蓄電池セル301の温度上昇予測情報はスタンバイ状態の損失電力から算出したもので、スタンバイ状態を1時間継続することで、少なくとも放電計画における蓄電池セル301の温度を確保できる(ステップS114)。
ステップS112あるいはステップS114にて、放電計画の作成あるいは修正を完了すると、運転計画作成部206は、深夜電力時間帯の充電計画を作成する。
具体的には、作成した放電計画、負荷消費電力予測結果、気温予測結果、蓄電池3の特性情報、さらに深夜電力時間帯開始直前の蓄電池セル301の予測セル温度情報に基づいて、深夜電力時間帯の充電計画を再度作成する。この実施の形態2では、充電時間をなるべく短くするために、蓄電池セル温度予測情報に基づき算出された最大充電電流にて充電した場合の充電計画を作成する。なお、決定された充電終止電圧に基づく充電電力量を確保するまで充電を行うように充電計画を作成する(ステップS115)。
ステップS92でPV余剰電力を充電する(Yesの場合)と判断すると、運転計画作成部206は、PV余剰電力の充電計画を作成する。
具体的には、ステップS91にて算出したPV余剰電力の発生時間帯を確認し、気温予測結果および蓄電池3の特性情報から各時刻の充電電力量を算出する。その際、蓄電池セル温度が低すぎて充電電流が確保できない場合は、蓄電池セル温度を上昇させるため、PV余剰電力が発生する1時間前よりスタンバイモードを起動して蓄電機器Bを待機させるよう計画を立てる。
一方、充電電流が確保できPV余剰充電が可能な場合は、気温予測結果に基づき蓄電池モデル204で算出した蓄電池セル301の温度情報を算出する。そして、算出した温度情報を元に、各時刻の最大充電電流を求め、蓄電池3の電圧が決定された充電終止電圧になるまで充電計画を作成する(ステップS116)。
PV余剰電力の充電計画の作成を完了すると、運転計画作成部206は、深夜電力時間帯以外で、PV余剰電力が発生しない時間帯の放電計画の作成を、PV余剰電力終了後の時間帯から開始する。
まず、運転計画作成部206は、気温予測結果に基づいて、深夜電力時間帯開始時の気温が設定下限値の0℃未満であるかを判断する(ステップS117)。
ステップS117において深夜電力時間帯開始時の気温が設定下限値未満でない場合(Noの場合)、運転計画作成部206は、蓄電池モデル204を用いて、PV余剰電力終了後の時間帯から放電計画の作成を行う。
まず、蓄電池モデル204を用いて、PV余剰電力終了後における蓄電池3の放電開始時の蓄電池セル温度を予測し、その予測結果を元に最大放電電流を求める。そして、負荷消費電力予測結果と蓄電池3のSoCと基づいて算出される蓄電池3の電圧から、放電電流を、蓄電機器Bの損失を考慮して算出する。算出された放電電流と、蓄電池3の特性情報に基づいて算出した最大放電電流とを比較し、低い方の電流値を採用して、蓄電池3の蓄電電力量が放電終止電力量である例えばゼロ、あるいは決定された放電終止電圧になるまで放電計画を作成する(ステップS118)。
ステップS117において深夜電力時間帯開始時の気温が設定下限値未満である場合(Yesの場合)、運転計画作成部206は、蓄電池モデル204を用いて、PV余剰電力終了後の時間帯から低気温対応の放電計画の作成を行う。
具体的には、蓄電池3の放電を深夜電力時間帯開始直前に完了するよう放電計画を作成する。即ち、深夜電力時間開始直前の負荷消費電力予測結果から時間を遡って各時刻の放電電力量を決定する。その際、該気温予測結果、蓄電池セル301の温度上昇予測情報、および蓄電池3の特性情報から各時刻における最大放電電流を算出し、算出結果に基づき放電電力量を決定する。
なお、この実施の形態2では、蓄電池セル301の温度上昇予測情報は、スタンバイモードで待機した際の温度上昇測定結果を使用するものとする。この際の、蓄電池セル301の温度上昇予測情報は、低温側の蓄電池セル301の温度情報を使用する。また、放電計画作成の際の放電電力量は、決定された充電終止電圧から充電電力量を算出し、その充電電力量に放電時の効率を乗算して求める(ステップS119)。
ステップS119での蓄電池3の低気温対応の放電計画作成が終了すると、運転計画作成部206は、該放電計画における放電開始時刻の気温予測結果を確認する。そして、蓄電池3の特性情報から得られる最大放電電流に基づいて、放電開始時の放電電力が確保できるかを確認する。確保できない場合は、放電開始時刻から予め設定された期間(例えば1時間)の放電計画を改めて見直し、修正する。
具体的には、放電開始時刻から1時間遡った時刻の気温予測結果を元に、蓄電池3の特性情報から最大放電電力を算出する。算出結果から、放電可能であれば、先に設定された放電開始時刻を1時間前に設定し、放電開始後1時間で計画していた放電電力量を2時間で放電するように放電計画を再作成する。
一方、放電開始を1時間前倒しても放電電力量を確保できない場合は、スタンバイモードを起動して蓄電池セル301の温度を上昇させ、放電可能な温度になるまで待機する。そして、放電可能な温度に到達する時刻から当初の放電開始時刻の1時間後までの放電計画を再作成する。なお、その時間帯の放電電力は、当初の放電計画での放電開始から1時間の間の放電電力量と等しくする(ステップS120)。
ステップS118あるいはステップS120にて、PV余剰電力終了後の放電計画の作成あるいは修正を完了すると、運転計画作成部206は、深夜電力時間帯終了からPV余剰電力が終了するまでの期間における蓄電池3の放電計画を作成する。
具体的には、PV発電電力予測結果および負荷消費電力予測結果から、深夜電力時間帯終了からPV余剰電力が終了するまでの期間の各時刻の放電電力要求量を算出する。同時に、気温予測情報、蓄電池セル301の温度上昇量予測結果および蓄電池3の特性情報から最大放電電流を算出し、各時刻の放電電力量を求める。そして、求めた各時刻の放電電力量を合計し、深夜電力時間帯終了からPV余剰電力が終了するまでの期間の放電電力量を算出する(ステップS121)。
そして、運転計画作成部206は、ステップS116にて作成したPV余剰電力の充電計画を参照し、蓄電池3に充電可能なPV余剰電力で、充電計画内で充電されていない時間帯の電力があれば、気温予測結果、蓄電池セル301の温度上昇量予測結果および蓄電池3の特性情報から算出した最大充電電流を元にPV余剰電力による充電電力量を算出する。新たにPV余剰電力を充電すると決定した時間帯の充電計画は、ステップS116にて作成したPV余剰電力の充電計画に追加する(ステップS122)。
次に、運転計画作成部206は、深夜電力時間帯の充電計画を作成する。
具体的には、作成したPV余剰電力の充電計画および放電計画、負荷消費電力予測結果、気温予測結果および蓄電池3の特性情報に基づき深夜電力時間帯開始直前の蓄電池セル301の予測セル温度情報に基づき充電計画を作成する。この実施の形態2では、充電時間をなるべく短くするために、蓄電池セル温度予測情報に基づき算出された最大充電電流にて充電した場合の充電計画を作成する。
この充電計画では、放電計画での放電電力量において、PV余剰電力の充電で賄い切れない不足分の電力量を充電する。具体的には、深夜電力時間帯終了直後からの深夜電力時間帯開始までの時間帯での放電電力量、およびPV余剰電力の充電電力量から、充電時の蓄電機器Bの損失電力を考慮して、不足電力量を算出して、深夜電力時間帯の充電電力量とする。
なお、放電電力量は蓄電池3からの放電電力量を想定しているので、放電時の蓄電機器Bの損失は考慮しない。即ち、蓄電機器Bからは、放電電力量−蓄電機器Bの損失電力量が出力される(ステップS123)。
ステップS115あるいはステップS123にて深夜電力時間帯の充電計画を作成した後、上記実施の形態1と同様に、運転計画作成部206は、蓄電池3の充電計画における充電終了時の蓄電池電圧が、決定された充電終止電圧を超えているか確認し(ステップS99)、充電終止電圧を超えている場合は、充電終了時の蓄電池電圧を上記充電終止電圧に抑えるように充電計画を見直して充電電力を削減する(ステップS100)。
さらに、上記実施の形態1と同様に、ステップS101からステップS104までの処理を実施し、蓄電池3の運転計画作成を終了する。
以上のように電力管理装置100が蓄電池3および給湯機5の運転計画を作成してシステムの電力管理を行うことにより、上記実施の形態1と同様の効果を得ることができ、さらに、低気温となる冬期においても、損失が少なく、また蓄電池3の劣化が抑制できる効果を得られる。
上述したように、蓄電池劣化を進める代表的な要因としては、蓄電池3内の蓄電池セル301の温度(蓄電池セル温度)、充放電電流、充電終止電圧、放電終止電圧、保持時間等がある。図8で示したように、蓄電池セル温度が、例えば氷点下となる低温時には、充放電電流に大きな制限がかかる。また、リチュウムイオンバッテリから成る蓄電池3は、化学反応により充放電を行うため、低温環境下では、化学反応が追随できず金属リチュウムが析出して劣化する。蓄電池3を、例えば蓄電池セル温度を考慮せず、充放電を繰り返すと、蓄電池劣化が必要以上に進み、所望の使用期間(例えば10年)を待たずに蓄電池3が劣化し使用できなくなる。
なお、蓄電池劣化を抑制するため、蓄電池3内のBMU305により、過充電、あるいは過放電を検出した場合、温度の高い状態、あるいは低い状態で充放電を行った場合等、上述したようにリレースイッチ304を切り、強制的に蓄電池3と蓄電池パワコン4とを切り離すこともできる。
図31は、この実施の形態2の比較例として、上記実施の形態1による蓄電池3の運転計画を用いた場合の、即ち、低気温対応が為されていない場合の、気温、蓄電池セル温度および充放電電力の一日の変化を説明する図である。また、図32は、この実施の形態2による蓄電池3の運転計画を用いた場合の、気温、蓄電池セル温度および充放電電力の一日の変化を説明する図である。この場合、夜明け前の6〜7時ごろに最低気温(約氷点下5℃)となり、午後1〜2時ごろに最高気温(約6℃)となった1日の例を示す。
図31に示す比較例を用いた運転計画の例を以下に説明する。
電力管理装置100内の運転計画作成部206は、深夜電力時間帯開始時刻に蓄電機器Bを起動し、スリープモードからスタンバイモードに充放電停止のモードを変更する。しかし、図に示すように23時の気温は既に氷点下であり、蓄電池3は充放電を実施できない。そこで、電力管理装置100は、スタンバイモードの待機電力で蓄電池セル温度が0℃を越えるまで待機する(D7参照)。その際、蓄電機器Bはスタンバイ状態の待機電力を消費する。
24時を越えると蓄電池セル301の低温側のセル温度が0℃を越えて充電が可能となる。そこで、電力管理装置100は蓄電機器Bに対して深夜電力を充電するように指示を出す。指示を受け取ると蓄電機器B内の蓄電池パワコン4は充電を開始する。蓄電池セル温度は、充電開始後しばらくは蓄電池パワコン4等の損失電力で上昇するが、夜明けに向けて気温が更に下がってくるため、蓄電池セル温度は徐々に下がり、6時には0℃となって充電が行えなくなる。このため、深夜電力時間帯では、気温が低くなりすぎ十分な充電電力が確保できない(D8参照)。
深夜電力時間帯が終了すると電力管理装置100は、スタンバイモードでの消費電力を削減するため、蓄電機器Bにスリープモードへ移行し待機するよう指示を出す。そして夕方になると、電力管理装置100は蓄電機器Bに対してスリープモードからスタンバイモードへ移行するよう指示を出す。その後、買電電力が最小になるように蓄電池3から放電を行う。しかしながら、深夜電力時間帯での充電が十分に行えていないため、蓄電池3からの放電はすぐに完了してしまう。
このように、低気温対応の運転計画が為されていない場合、気温が氷点下となる冬期では、深夜電力時間帯に深夜の安い電力を充電しようと計画しても、深夜電力時間帯開始時の蓄電池セル温度が低すぎるため充電が行えない。そして、蓄電機器Bはスタンバイモードで蓄電池セル温度が上昇するまで待機し、蓄電池セル温度が充電可能な温度、この場合0℃になると充電を開始する。
以上のように蓄電機器Bが動作するため、蓄電池セル301を暖気するため不必要に待機電力を消費するとともに、一般に夜明け前に比べ比較的気温が高い深夜電力時間帯開始直後に充電をすぐに行えないため、電力料金の安い深夜電力時間帯の電力を十分に充電できない。
図32に示す、この実施の形態2による運転計画の例を以下に説明する。
この実施の形態2による蓄電池3の運転計画では、気温が氷点下となる冬期において、蓄電池3の充放電が制限されて負荷消費電力予測に基づく必要電力が確保できないと判断した場合は、蓄電池3の放電計画を、深夜電力時間帯開始直前に終了するように構成する。これにより、電力料金が安い深夜電力時間帯の開始時(D9参照)には、蓄電機器Bの放電時の損失電力により蓄電池セル温度が既に上昇している。このため、一般に夜明け前に比べ比較的気温が高い深夜電力時間帯開始直後から充電を開始できるので、深夜電力時間帯での蓄電池3の充電(D10参照)を、蓄電池3の特性情報に基づく充電電流制限を最も軽減して行うことができる効果がある。
また、図31で示した比較例のように、深夜電力時間帯開始直後にスタンバイモードにして待機電力による損失を発生することはなく、また8時間の深夜時間帯を暖気のために費やす必要がなく、十分に電力料金の安い深夜電力時間帯の電力を充電することができる。
また、上記実施の形態2では、同一の電力料金の時間帯の蓄電池3の放電計画を変更するだけで、電力料金が安い深夜電力時間帯の電力を最大限に利用でき、経済的なメリットが大きい。また、冬期でも充放電を行わない期間は、蓄電機器Bをスリープモードで充放電停止させることができ、不要な待機電力の消費を抑えることができる効果がある。更に、放電計画作成の際に、気温予測結果から、夕方早いうちから気温が氷点下になり、放電開始時に暖気が必要と判断した場合は、気温が氷点下になる以前から放電させるように放電計画を作成する構成にすれば、放電開始時の暖気制御は不要となり、待機電力の消費を抑えることができる効果がある。
また、上記実施の形態2では、蓄電池モデル204で、少なくとも気温予測情報を元に、各時刻における蓄電池3への最大放電電流、あるいは放電電力予測するとともに、蓄電池3の特性情報および気温予測情報から放電時の放電終止電圧を決定する。そして、運転計画作成部206で蓄電池3の放電時の運転計画を作成する際、気温予測情報に基づき、深夜の比較的電気料金が安い深夜電力時間帯の気温が設定下限値より低くなると予測された場合は、蓄電池3の放電を深夜電力時間帯になる直前に完了し、該放電完了後、深夜電力時間帯になるとすぐに充電を開始するよう運転計画を作成する。このため、充電開始前の蓄電池セル301の暖気の必要はなく、また、深夜電力時間帯開始直後から充電を行えるため、最低気温を観測する可能性が高い夜明け前と比べ、比較的気温が高い時間帯から充電を行えるので蓄電池3の充電電力量を最大にできる効果がある。
また、気温計測結果、蓄電池情報を取得した低温側の蓄電池セル301の温度情報、および充放電電流情報から蓄電池3の温度特性を学習するよう負荷消費電力学習管理部200を構成する。そして、気温予測結果、充放電電流情報、および蓄電池温度特性学習結果から蓄電池セル301の温度を予測し、該予測結果を用いて蓄電池3の運転計画を作成するよう構成するので、充放電計画作成の際の予測精度の向上が図れることは言うまでもない。
また、上記実施の形態2における蓄電機器Bの運転計画は、蓄電池3の充電電力量を計測し、気温予測情報と蓄電池3の充放電が行えなくなる設定下限値の温度を比較し、深夜電力時間帯の気温が設定下限値の温度より低くなると予測された場合は、蓄電池3の充電電力量に基づき、深夜電力時間帯直前まで蓄電池3の放電が継続できるように蓄電池の運転計画を作成する。このため、深夜電力時間帯の電力を充電する場合、蓄電池セル温度を待機電力により暖気する必要がなく、また暖気する時間も不要で、夜明け前より比較的気温が高い時刻から充電を行うことができ、電力料金の安い深夜電力時間帯の充電電力量も多くできる効果がある。
なお、蓄電池3の運転計画、および給湯機5の運転計画は、上記実施の形態1、2で述べた方法に限るものではない。また、蓄電池3の運転方法の決定方法も、上記実施の形態1、2で述べた方法に限るものではない。また、蓄電池3の動作についても、昼間時間帯は買電電力が最小なるように充放電計画を作成したがこれに限るものではない。例えば、PV余剰電力の売電価格が高い場合は、売電電力が最大になるよう蓄電池3の充放電を制御するよう運転計画を立てるように構成しても良い。
実施の形態3.
次に、この発明に実施の形態3による電力管理装置100について説明する。上記実施の形態1、2では、蓄電池パワコン4と電力管理装置100は通信ネットワーク12を介して、Echonet Lite規格のプロトコルで通信を行う場合について説明した。Echonet Lite規格のプロトコルは、標準的に実装される必須のプロトコル、各社が必要に応じて実装するオプションのプロトコル、および各社が独自に定義できる独自プロトコルがある。例えば、自社の電力管理装置100と自社の蓄電池パワコン4の間は、図8に示すような制限テーブルの情報のやり取りや、蓄電池パワコン4の運転モードを独自プロトコル等で予め定めておけば、上記実施の形態1、2で説明したような蓄電池3の充放電制御は実現することができる。
一方、自社の電力管理装置100と他社の蓄電池パワコン4を接続する場合は、使用できるプロトコルが限られる。また、上記実施の形態1、2では、蓄電池3の劣化の進行を抑えるために図8に示す制限テーブルを蓄電池パワコン4内に内蔵し、蓄電池セル温度に応じて最大充放電電流値、充電終止電圧、および放電終止電圧を制御することで蓄電池劣化の進度を抑制してきた。しかし、このような制限テーブルが蓄電池パワコン4に内蔵されていない場合がある。
更に、蓄電池パワコン4の運転モードも上述した独自プロトコルのみで定義されており、他社の電力管理装置100は、必須プロトコル(例えば、充放電開始、および停止のプロトコルのみ)しか使用できないケースもある。
上記実施の形態1、2の場合は、蓄電池パワコン4内で、蓄電池セル温度、および蓄電池電圧に基づき充放電時の電流制限、あるいは充放電の停止が判断され制御される(制限テーブルにより充放電電流の最大値、あるいは充電終止電圧、放電終止電圧が管理される)ため、電力管理装置100からの運転計画の通知が30分毎に更新される場合であっても、蓄電池劣化を抑制することができた。しかし、蓄電池パワコン4が蓄電池劣化抑制のための制限テーブル等の機能を有さない場合、あるいは使用できるプロトコルが限られている場合は、電力管理装置100は、更に詳細に蓄電池パワコン4を管理(監視)し、制御する必要がある。
この実施の形態3では、電力管理装置100から蓄電池パワコン4の運転モードを制御する際のEchonet Lite規格のプロトコルが、蓄電池3への充電開始/停止のコマンド、および蓄電池3からの放電開始/停止のコマンドのみサポートされている場合、即ち、蓄電池パワコン4の運転モードの指定が、充放電開始/停止のコマンドのみサポートされている場合について説明する。よって、電力管理装置100から充電開始コマンドを送付すると蓄電池パワコン4は、充電停止コマンドを受け取るか、蓄電池3が満充電になるまで充電を続ける。同様に、電力管理装置100が蓄電池パワコン4に対して放電開始コマンドを出力すると、蓄電池パワコン4は電力管理装置100から放電停止コマンドを受信するか、蓄電電力量がゼロになるまで放電を続ける。
この実施の形態3では、上記のような蓄電池パワコン4の運転制御コマンドの制限に加えて、蓄電池パワコン4内に蓄電池劣化の進行を抑制する制限テーブル等の機能を有さない場合について説明する。
図33に、この実施の形態3における電力管理装置100のシステム構成図を示す。なお、電力管理装置100を含む電力管理システム全体の構成は、上記実施の形態1の図1で示したものと同様である。
図33に示すように、電力管理装置100は、CPU110、ROM111、RAM112、Echonet Lite通信I/F部113、Ethenet通信I/F部114、表示部115、電力計測部116、時刻管理部117、運転計画部118a、機器管理部119、負荷機器制御部120、家族スケジュール管理部121、DR(デマンドレスポンス)対応部122、蓄電池運転モード決定部123、およびCPUバス130で構成される。運転計画部118a、蓄電池運転モード決定部123以外の構成は、上記実施の形態1と同様である。
図34は、電力管理装置100内の運転計画部118aの構成を示すブロック図である。
図に示すように、運転計画部118aは、負荷消費電力学習管理部200と、PV発電電力学習管理部201と、負荷消費電力予測部202と、PV発電電力予測部203と、蓄電池モデル204と、給湯機モデル205と、蓄電池3および給湯機5の運転計画を作成する運転計画作成部206aと、第2蓄電池モデル212とを備える。
運転計画作成部206aは蓄電池運転計画修正部214を備え、第2蓄電池モデル212は充電電力量推定部213を備える。第2蓄電池モデル212では、充電電力量推定部213が蓄電池3の充電電力量を推定する。そして第2蓄電池モデル212は、運転計画作成部206aから蓄電池3の運転計画210を受信し、推定された充電電力量と運転計画210とに基づいて、充放電停止指令211を出力する。運転計画作成部206aは、充放電停止指令211を受信し、蓄電池運転計画修正部214により蓄電池3の運転計画を修正する。運転計画部118aにおいて、その他の構成は上記実施の形態1と同様である。
以下、この実施の形態3における電力管理装置100の動作について説明する。電力管理装置100の起動が完了すると、CPU110は実施の形態1と同様に、機器管理部119に対して、接続されている機器の情報を収集する。具体的には、接続されている蓄電池パワコン4の機種等の機器情報を収集する。接続されている蓄電池パワコン4の機種等の機器情報がない場合は、表示部115を介してユーザに機器情報を登録するよう促す。ユーザが機器情報を登録する、あるいは既に機器情報が登録されていた場合は、CPU110はEthernet(登録商標)通信I/F114を介してクラウドサーバ31から蓄電池パワコン4に関する各種情報を収集する。この実施の形態3では、CPU110は、クラウドサーバ31から蓄電池パワコン4に接続されている蓄電池3の特性情報、蓄電池パワコン4で充放電を行う際の制限情報(例えば、図8に示す制限テーブル情報)、蓄電池パワコン4の温度特性に関するパラメータ情報、および蓄電池パワコン4が実装しているEconet Liteに関するプロトコル情報等を収集する。
なお、蓄電池3の特性情報とは、図6(c)に示すSoCと蓄電池電圧に加え、定電流充電と定電圧充電の閾値情報、蓄電池劣化の進度を抑制するための制御パラメータ情報(制限テーブル情報)を指す。この制御パラメータ情報は、蓄電池3の供給メーカからの入手情報や、蓄電池3の評価結果に基づき作成したもので、蓄電池モデル204、および第2蓄電池モデル212で使用する。
また、蓄電池パワコン4が実装しているEconet Liteに関するプロトコル情報については、電力管理装置100から蓄電池パワコン4を制御する際にサポートされている運転モード、および蓄電池パワコン4から収集可能な蓄電池3に関する情報をクラウドサーバ31から入手する。この実施の形態3では、蓄電池パワコン4の運転モードとして、スリープモードでの待機、スタンバイモードでの待機、充電開始、充電停止、放電開始、放電停止のみをサポートする。また、蓄電池パワコン4は、蓄電池3に関する情報としてはSoC情報のみ取得できる場合について説明する。
さらに運転モードについては、必須のプロトコルである充電開始、充電停止、放電開始、放電停止をサポートしていればよく、他の運転モードがサポートされていなくても良いことは言うまでもない。また、上記運転モード以外に、売電最大モードや買電最小モード等がサポートされていても良いことは言うまでもない。また、蓄電池3に関する情報についても必須である蓄電電力量をSoCとしたがこれに限るものではなく、電力量(kWh、あるいはAh)情報でも良く、また、他の情報(例えば蓄電池セルの温度情報等)が含まれていても良いことは言うまでもない。
CPU110は、クラウドサーバ31から蓄電池パワコン4の情報を入手すると、Echonet Liteプロトコル情報を蓄電池運転モード決定部123に通知する。蓄電池運転モード決定部123は、蓄電池パワコン4がサポートするEchonet Liteプロトコル情報を受け取ると、使用できる運転モードをCPUバス130を介して運転計画部118aに通知する。同様に、CPU110は、クラウドサーバ31から入手した蓄電池3の特性情報、および蓄電池パワコン4の充放電制限情報を運転計画部118aに通知する。
CPU110は蓄電池パワコン4の機器情報の取得、および通知を完了すると、機器管理部119に対して認証を実施するよう指示を出す。機器管理部119はEchonet Lite通信I/F部113を介して各機器の認証を行う。各機器の認証が完了すると機器管理部119はCPU110に対して接続認証が完了したことを通知する。各機器の認証が完了すると、CPU110は機器管理部119に対して接続されている各機器の動作状況を確認するよう指示を出す。認証された機器全ての動作状態の取得を終了すると機器管理部119はその旨をCPU110に通知する。
CPU110は、各機器の動作状態を把握すると、上記実施の形態1と同様にEthernet(登録商標)通信I/F部114に対して気温予測情報を含む天気予報情報をクラウドサーバ31から入手するよう指示を出す。なお、クラウドサーバ31から入手する天気予報情報は、上記実施の形態1と同様に「晴れ」、「曇り」、「雨」または「雪」を使用するものとし、また、天気予報情報、および気温予測情報は、1時間毎の予報が24時間分、クラウドサーバ31から入手するものとする。気温予測情報を含む天気予報情報を入手すると、CPU110は運転計画部118aに対して運転計画を作成するよう指示を出す。
次に、電力管理装置100の動作について説明する。
運転計画部118aは、CPU110から上述した蓄電池3の特性情報を入手すると蓄電池モデル204、および第2蓄電池モデル212にその情報を通知する。蓄電池モデル204および蓄電池モデルB212は、蓄電池3の特性情報を受け取ると、図示していないテーブルに、図6(c)に示すSoCと蓄電池電圧の関係を指し示すデータ、図8(a)、および(b)に示す制限テーブルデータ、および蓄電池パワコン4の温度特性に関するパラメータ情報(蓄電池セル温度を推定する際に使用するパラメータ情報)をセットする。
また、運転計画部118aは、CPU110から運転計画作成の指示を受け取ると、運転計画作成部206aは、運転計画部118a内の各部に運転計画作成するよう通知する。
負荷消費電力学習管理部200は、上記実施の形態1と同様に、時刻管理部117より出力される日付、曜日、時刻データ、クラウドサーバ31から入手した現在の天気情報、図示していない温度計により計測した現在の実測気温情報(外気温)を元に、電力計測部116より出力される、給湯機5および負荷機器20の消費電力を学習し、図示していないデータベースに記憶する。
なお、負荷消費電力学習管理部200では、上記実施の形態1と同様に、実測気温情報を用いて気温予測情報に対して補正を加え(上記実施の形態1および図20を参照)、負荷消費電力予測部202、蓄電池モデル204、給湯機モデル205および運転計画作成部206aに通知する。
また、PV発電電力学習管理部201は、日付、時刻データ、および現在の天気実績を元に、電力計測部116より出力される、太陽光パネル1にて発電されるPV発電電力量を各天気実績に基づいて学習し、図示していないデータベースに記憶する。負荷消費電力予測部202は、クラウドサーバ31から入手した天気予報情報、気温情報、家族スケジュール管理部121内の家族スケジュール、および負荷消費電力学習管理部200内のデータベースを元に、給湯機5の消費電力を除く負荷機器20の消費電力を予測する。また、PV発電電力予測部203は、天気予報結果、PV発電電力学習管理部201内のデータベース、および太陽光パネル1のPV発電電力量の実績を元に、現在の時刻以降のPV発電電力量を予測する。
蓄電池モデル204は、蓄電池特性学習部と蓄電池温度予測部とを兼ねて構成されるもので、入力される蓄電池3の特性情報、気温予測情報、および運転計画作成部206aから出力される蓄電池3の運転計画に基づき、蓄電池3の温度情報である蓄電池セル温度(蓄電池3内部の各セルの表面温度)の予測温度を算出する。なお、この実施の形態3では、上述したように、電力管理装置100とは異なる他社製の蓄電池パワコン4を用いた場合(蓄電池セル温度情報がBMU305から通知されない場合)について説明する。従って、蓄電池セル温度を予測する場合は、予め該当機種の蓄電池パワコン4の温度特性を計測しておき、その計測結果を基に算出した温度特性に関するパラメータ情報を使用する。
この場合、蓄電池セル温度を以下に示す(式3)を用いて算出するものとする。
蓄電池セル温度=気温+k4(α+β×充放電電流×充放電電流)
・・・・・・・・・・・(式3)
即ち、クラウドサーバ31は各機種の温度特性に関するパラメータとして上記α、βを管理する。なお、αは蓄電池パワコン4の待機電力、βは蓄電池パワコン4の抵抗成分、例えば内部抵抗を示す。また、k4は、電力を温度に換算する補正係数である。
この実施の形態3の蓄電池モデル204では、蓄電池セル温度の推定に際して、温度上昇/降下時の時定数は考慮しないものとする。なお、温度特性に関するパラメータ情報に時定数を加え、過渡応答について考慮しても良いことは言うまでもない。
上記(式3)により推定した蓄電池セル温度から、蓄電池モデル204は、充放電電流、充電終止電圧、放電終止電圧など蓄電池劣化に大きく起因する各種制限値(最大充放電電流、および蓄電池3の使用SoC範囲)を上記制限テーブルデータから求める。そして蓄電池モデル204は、運転計画作成部206aから出力される運転計画を元に蓄電池3の動作を模擬する。具体的には、充放電電流値は最大充放電電流値以下になるように制限をかけると共に、蓄電池3の使用範囲は指定されたSoCの範囲で使用するように充放電動作を模擬する。
一方、給湯機モデル205は、上記実施の形態1と同様に、入力される給湯機5の特性情報、気温予測情報、および運転計画作成部206aから出力される使用湯量および給湯機5の運転計画に基づき、給湯機5の動作を模擬し、各時刻における消費電力量と蓄熱量を算出する。なお、消費電力量の算出は、上記実施の形態1と同様に負荷消費電力学習管理部200内のデータベースを用いて行う。また、電力管理装置100からの給湯機5の起動停止回数を1日に最大2回とする。さらに、ユーザからの追いだき要求がある場合は、給湯機5の起動に制限を設けない。
給湯機5の運転計画は、深夜電力時間帯の給湯をメインとして給湯する場合、および昼間時間帯の給湯の2つの運転パターンを作成するものとする。なお、給湯機5は、起動停止回数が1日に最大2回に限られているため、運転パターン数を絞ることができ演算量の削減が図れることは言うまでもない。
次に、第2蓄電池モデル212の動作を説明する。
この実施の形態3では、上述した蓄電池モデル204とは別の第2蓄電池モデル212が設けられる。蓄電池モデル204では各予測結果に基づき、これからの蓄電池3の動作を模擬するのに対して、第2蓄電池モデル212は、現在の蓄電池3の状態を推定(模擬)する。具体的には、蓄電池セル温度、および蓄電池3の充電電力量(SoC)を推定する。そして、運転計画作成部206aから出力される蓄電池3の運転計画210と上記SoCの推定結果を比較し、所定の充電電力量を超えている(充電時)、あるいは所定の充電電力量を下回っている(放電時)場合、運転計画作成部206aに対して充放電停止指令211を出力する。
そして、運転計画作成部206aは、充放電停止指令211を受け取ると、内部の蓄電池運転計画修正部214にて運転計画の修正を行う(詳細は後述)。
次に、電力管理装置100内の運転計画部118aの動作について図35、図36に基づいて説明する。図35および図36は、この実施の形態3による運転計画作成動作の全体フロー図である。なお、上記実施の形態1の図15で示したものと同じ符号のステップについては、上記実施の形態1と同様の動作である。
図35に示すように、まず、運転計画部118aは、CPU110から運転計画作成の指示を受け取ると、時刻管理部117から月日、曜日、時刻情報を取得する(ステップS11)。
時刻等の情報の取得が完了すると、電力計測部116は、現在の消費電力、PV発電電力等の情報(リアルタイム計測値)を取得する。その際、気温についても取得する(ステップS12)。
現在のPV発電電力等の取得を終了すると、運転計画部118aは、電力計測部116から蓄電池パワコン4の充放電電力情報である充放電電力のリアルタイム情報(充放電電力あるいは充放電電流)を取得する(ステップS201)。
蓄電池3の充放電電力情報の取得を完了すると、運転計画部118aは、図示していない温度計から出力される気温情報を取得する(ステップS202)。
気温情報の取得が完了すると、運転計画部118aでは、運転計画作成部206aが、第2蓄電池モデル212内の充電電力量推定部213に対して、蓄電池3の充電電力量(SoC)を推定するよう指示を出す。これにより、充電電力量推定部213は、ステップS203で示す充電電力量の推定を開始する。ここでは、蓄電池3の現在の充電電電力量(SoC)を推定し、さらに蓄電池3の電圧、および満充電時の充電電力量についても推定するものとする。
以下、図37を用いて蓄電池3の充電電力量推定のフローを説明する。この充電電力量推定のフロー(ステップS221〜ステップS227)は図35に示すステップS203を詳細に示すものである。
第2蓄電池モデル212は、運転計画作成が開始されると、蓄電池3の充電電力量の初期値がセットされているか確認する(ステップS221)。
なお、この実施の形態3では、電力管理装置100起動後の機器管理部119での認証の際に、蓄電池3の蓄電電力量(SoC)の初期値を蓄電池パワコン4から受け取り、その値を用いる。この場合、各機器間とは30分に一度通信する場合について説明する。なお、通信周期は30分に一度に限るものではなく、15分、60分等の定期更新、あるいは各機器を制御する必要ができた場合のみに通知する非定期通信、あるいは定期通信と非定期通信の組合せであっても良いことは言うまでもない。
ステップS221で、蓄電池3の充電電力量の初期値がセットされていない場合(Noの場合)、第2蓄電池モデル212内の充電電力量推定部213は、機器管理部119での認証の際に蓄電池パワコン4から取得した蓄電電力量(SoC)に基づいて、蓄電池3に充電されている充電電力量を算出し、充電電力量の初期値としてセットし(ステップS222)、充電電力量推定のフローを終了する。
ステップS221で、第2蓄電池モデル212は、蓄電池3の充電電力量の初期値のセットが完了している(Yesの場合)と判断すると、蓄電池パワコン4における充放電電力の計測結果を、電力計測部116から取得する(ステップS223)。
続いて、取得した計測結果に基づいて蓄電池3の充電電力量(SoC)を算出する。この場合、電力計測部116は、電力計測回路14aで計測した充放電電力を1分間積算した充放電電力量を、1分間の積算充放電電力量として第2蓄電池モデル212内の充電電力量推定部213に通知する。なお、この積算周期は1分に限るものではない。充電電力量推定部213では、充電電力量の初期値と1分間の積算充放電電力量とに基づいて蓄電池3の充電電力量(SoC)を算出して推定する(ステップS224)。
蓄電池3の充電電力量の算出による推定を終了すると、蓄電池パワコン4から第2蓄電池モデル212に最新の蓄電電力量が通知されたか確認する(ステップS225)。
ステップS225で最新の蓄電電力量が通知されている場合(Yesの場合)は、充電電力量推定部213は、蓄電池3の充電電力量の推定結果を、通知された数値に修正する。その際、蓄電池3の満充電時の充電電力量についても推定する(詳細は後述する)(ステップS226)。
次に、第2蓄電池モデル212は、充電電力量の推定結果と、クラウドサーバ31から入手した図6(c)に示す蓄電池特性とから蓄電池電圧を推定する(ステップS227)。
ステップS225で最新の蓄電電力量が通知されていない場合(Noの場合)は、ステップS227に移行する。
蓄電池電圧の算出が完了すると、充電電力量推定のフローを終了する。
以下、蓄電池3の充電電力量を推定する理由を説明する。
上記実施の形態1では、制限テーブルの利用により、蓄電池セル温度および充電電力量から充放電電流が自動的に制限され、その制限により充電終止電圧、あるいは放電終止電圧が所定の電圧に制御されていた。しかし、この実施の形態3では、上述したように、他社製の蓄電池パワコン4を想定しているために、蓄電池パワコン4で蓄電池3の劣化を抑制する制御機能を有さない。従って、電力管理装置100がEchonet Liteの必須コマンドである充放電の開始・停止コマンド(プロトコル)のみを利用し蓄電池パワコン4を制御する。
また、上述したように、蓄電池3の劣化を進める主要因は蓄電池セル温度、充放電電流、充電終止電圧、放電終止電圧、および満充電保持時間である。これら主要因のうち、電力管理装置100からEchonet Liteの必須プロトコルを利用して制御ができるものは、充電終止電圧、放電終止電圧および満充電保持時間である。よって、この実施の形態3では、この3つの主要因を電力管理装置100により制御する。
充電終止電圧、放電終止電圧および満充電保持時間を制御するためには、電力管理装置100で蓄電池3の充電電力量を常に監視しておく必要がある。上述したように蓄電池パワコン4と電力管理装置100の間の通信周期は30分である。従って、蓄電池パワコン4が0.5Cで充電していた場合、30分の充電でSoCは25%増加する。例えば、蓄電池劣化の抑制を行うために充電終止電圧、および放電終止電圧を制御する場合は、30分周期の充電電力量の更新では、制御周期が長いため、必要以上に充電、あるいは放電してしまい、所望の効果が得られない。このため、Echonet Liteの通信プロトコルで最新の蓄電電力量が通知されるまでの間の充電電力量を推定する。
そして、充電電力量が運転計画で想定していた値を超える(充電時)、あるいは下回る(放電時)場合は、蓄電池パワコン4に対して充放電停止指令(充放電停止コマンド)を不定期に送付することで、蓄電池3の充電終止電圧、放電終止電圧、および満充電保持時間を管理することができるようになる。
蓄電池3の充放電電力は、分電盤14内の電力計測回路14aで計測した交流電力に基づいて推定する必要がある。
蓄電池パワコン4の損失(蓄電池3の内部抵抗による損失やBMUの消費電力による損失も含む)は、図10に示すように待機電力に加え、充放電電流の2乗に比例する損失が加わる。電力計測回路14aで計測する充放電電力は、充電時は充電時の損失が含まれず、放電時は放電時の損失により電力値が小さくなっている。また、電流あるいは電圧を計測する図示していないセンサの誤差も加わる。
また上記実施の形態1、2で説明したように、蓄電池3は充放電を繰り返すたびに劣化が進む。よって、満充電時の充電電力量が把握できないとSoCを正確に算出できず、正確なSoCを推定できないと正確な蓄電池電圧を推定することができない。一般に、蓄電池3のSoCに対する蓄電池電圧は、蓄電池劣化が進んでも図6(c)に示す特性になる。
このため、この実施の形態3では、蓄電池パワコン4から定期的に送信される充電(蓄電)電力量情報(SoC)を基に、第2蓄電池モデル212内の充電電力量推定部213で推定した蓄電電力量(SoC)に修正を施すと共に、満充電時の充電電力量についても推定する。
次に、図37に示される蓄電池3の充電電力量の推定方法について、さらに詳細に説明する。
電力計測回路14aから得た充電電力には蓄電池パワコン4等でのロスや各種センサの誤差が含まれない。第2蓄電池モデル212内の充電電力量推定部213にて充電電力を推定する際、まず、現在のSoC推定値より図6(c)に示すテーブルデータを利用して蓄電池3の電圧を推定する。次に、蓄電池パワコン4で消費される損失電力を推定する。具体的には、電力計測回路14aで計測した充電電力から待機電力を減算し、減算結果を上記推定した蓄電池電圧で除算することで充電電流値を推定する。そして、推定した充電電流値、および待機電力から充電時の損失電力を算出し、この損失電力を、計測した充電電力から減算することで蓄電池3への充電電力を求める。
また、放電時は、放電電力に待機電力を加算し、加算結果を上記推定した蓄電池電圧で除算することで放電電流値を推定する。そして、該放電電流値、および待機電力から放電時の損失電力を算出し、この損失電力を、計測した放電電力に加算することで蓄電池3からの放電電力を求める。
なお、待機電力や蓄電池3への充放電電流に対する待機電力を除く損失については、蓄電機器Bを評価することでデータを収集し、収集結果をクラウドサーバ31上に記憶し、電力管理装置100からの要求に基づき蓄電池3の特性データとして通知するものとする。
充電電力量推定部213は、蓄電池3の充放電電力の算出が終了すると、現在の充電電力量にその数値を加算して充電電力量を更新する。充電電力量の更新を終了すると蓄電池パワコン4からの充電電力量(SoC)の通知があるか確認して、通知がある場合は、算出された充電電力量を修正する。その際、蓄電池3の容量(満充電時の充電電力量)を推定する。具体的には、蓄電池パワコン4から通知される蓄電電力量(SoC)と前回の通知時から今回の通知までに蓄電池3が充放電を行った充放電電力量(ΔWcharge)とSoCの変化量(ΔSoC)とから、満充電時の充電電力量を以下の(式4)で算出して推定する。
満充電時の充電電力量=ΔWcharge/ΔSoC
・・・・・・・・・・・(式4)
なお、詳細な説明は省略するが、充電電力量推定部213において、蓄電池パワコン4からの充電電力量(SoC)の通知による充電電力量の修正で、各種センサ誤差についても補正をかけるものとする。
また、蓄電池3の劣化は10年間の使用を前提とすると1年間当たり3〜5%程度と推定できる。従って、蓄電池3の満充電時の容量は1カ月程度では大きく変わらない。よって、上記(式4)で求めた満充電時の充電電力量の推定値を充電電力量推定部213内の図示していないデータベースに記憶し、例えば、過去50日間に算出した満充電時の充電電力量の推定値の平均値を算出して用いることで、蓄電機器Bの損失電力の推定誤差等の誤差要因を軽減できる。
なお、満充電時の充電電力量の計測結果をIIR(無限インパルス応答)フィルタにて平準化して推定する、あるいは重み付けを伴って平均値を算出する等を実施しても同様の効果を奏することは言うまでもない。
満充電時の充電電力量の算出を終了すると、蓄電池3の現時点の充電電力量を満充電時の充電電力量で除算することでSoCを算出し、該算出結果から図6(c)に示すテーブルを用いて蓄電池3の電圧を推定する。
図35に戻り説明を続ける。
ステップS203(ステップS221〜ステップS227)にて蓄電池3の充電電力量推定を完了すると、第2蓄電池モデル212は、蓄電池セル温度を推定する。具体的には、ステップS203にて算出した待機電力および充放電電流から、蓄電池モデル204と同様に上記(式3)を用いて算出する(ステップS204)。
次に、第2蓄電池モデル212は、蓄電池制限情報を確認する。具体的には、上述したようにクラウドサーバ31から入手した蓄電池3の充放電時の制限テーブルと、ステップS204で算出した蓄電池セル温度とから、蓄電池3の充電終止電圧および放電終止電圧を確認する(ステップS205)。
蓄電池3の充電終止電圧および放電終止電圧を確認すると、第2蓄電池モデル212は、ステップS203で算出した蓄電池電圧が制限値の範囲に入っているか(放電終止電圧以上で充電終止電圧以下であるか)確認する(ステップS206)。
ステップS206でNoの場合は、第2蓄電池モデル212は充放電停止指令211を生成する。蓄電池劣化の主要因で電力管理装置100で管理可能なものは、充電終止電圧、放電終止電圧および満充電保持時間である。第2蓄電池モデル212は、充電終止電圧を超える場合、あるいは放電終止電圧を下回る場合に、充放電停止指令211を生成して、運転計画作成部206aに通知する(ステップS207)。
なお、この実施の形態3では蓄電池パワコン4は、図8に示すような制限テーブルを持たず、蓄電池3の劣化抑制は行わないため、蓄電池劣化の主要因である最大充放電電流、充電終止電圧、放電終止電圧および満充電保持時間は蓄電池パワコン4で管理されない。
また、この実施の形態3では蓄電機器Bが他社製品であるため、蓄電池3のセルを単体で評価することで、充放電を行う際の、図6(c)に示す蓄電池電圧と充電電力量(SoC)の関係や充放電に関する制限情報(例えば、図8に示す制限テーブル情報)等を求める。求めた情報は、クラウドサーバ31に記憶し、電力管理装置100からの要望に基づき電力管理装置100に通知する。
運転計画作成部206aは、第2蓄電池モデル212から充放電停止指令211を受け取ると、運転計画作成部206a内の蓄電池運転計画修正部214は蓄電池運転計画の変更を行う。具体的には、蓄電池3の充放電を一旦停止するよう運転計画を変更する(ステップS208)。
運転計画の変更が完了すると、運転計画作成部206aは、蓄電池運転モード決定部123に運転計画を通知する。蓄電池運転モード決定部123は運転計画を受け取ると、クラウドサーバ31から通知されたEchonet Liteのプロトコルから蓄電池パワコン4に通知するプロトコル(コマンド)を選択し、選択したプロトコル(コマンド)をEchonet Lite通信I/F113を介して蓄電池パワコン4に通知する。具体的には、蓄電池パワコン4は充放電開始および停止のプロトコル(コマンド)のみサポートしているので、蓄電池運転モード決定部123は、充放電停止プロトコル(コマンド)を蓄電池パワコン4に通知する(ステップS209)。
ステップS206でYesの場合、第2蓄電池モデル212および運転計画作成部206aは、蓄電池3の運転状況を確認する(ステップS210)。この運転状況確認のフローについての詳細は後述する。
ステップS209あるいはステップS210を完了すると、図36に示すように、運転計画部118aは、第1給湯機情報である給湯機5の消費電力を取得する(ステップS14)。
なお、この実施の形態3では、各種計測データのサンプリングは50μsの周期(20KHz)とするが、上記実施の形態1とは異なり、計測結果は電力計測回路14a内で1分間積分し、積分結果を1分周期で電力管理装置100に通知するものとする。なお、サンプリングは50μsに限るものではない。また、各種計測データの通知周期についても1分に限るものではないことは言うまでもない。
次に、運転計画部118aは、上記実施の形態1と同様に、運転計画作成時刻であるか確認する(ステップS15)。
上述したように、電力管理装置100は、30分周期で太陽光パワコン2、蓄電池パワコン4、給湯機5、および負荷機器20であるエアコン21、冷蔵庫22、照明23、IHクッキングヒータ24と通信を行い、各機器の情報をEchonet Lite通信I/F部113を介して取得する。なお、電力管理装置100での運転計画の作成周期は30分に限るものではなく、CPU110の処理速度や通信速度等で決定すれば良い。また、運転計画の作成周期は一定である必要はなく、例えば、深夜などPV発電がなく、また負荷消費電力も予測値とあまり変わらない時間帯は、運転計画の作成周期を長くとることで電力管理装置100でも消費電力の削減を図っても良い。あるいはPV発電電力が予測から外れ、運転計画の変更を余儀なくされた場合等については、不定期に運転計画の作成または変更を行って良いことは言うまでもない。
ステップS15でNoの場合は、ステップS11に戻り、各種データの取得を継続する。
一方、ステップS15でYesの場合は、実施の形態1と同様に、運転計画部118aは、電力料金テーブルを取得するため、Ethernet(登録商標)通信I/F部114を介してクラウドサーバ31に現在契約している電力料金テーブル情報を送付するよう要求する。クラウドサーバ31は、電力料金テーブル情報の要求を受信すると、需要者である現在ユーザが契約している電力料金体系としての電力料金テーブルをEthernet(登録商標)通信I/F部114を介して運転計画部118a内の運転計画作成部206aに送信する。なお、電力料金テーブルには太陽光パネル1で発電した電力(PV余剰電力)の売電価格情報についても送付されてくるものとする。クラウドサーバ31から電力料金テーブル情報を受信すると運転計画作成部206aは、図示していないデータ記憶部に電力料金テーブルを記憶する。例えば、上記実施の形態1と同様に、図17に示す電力料金テーブルを使用する(ステップS16)。
次に、運転計画部118aは、充電電力量(SoC)を第2蓄電池情報としてEchonet Lite通信I/F部113を介して取得する(ステップS17)。
第2蓄電池情報の取得を完了すると、運転計画部118aは、給湯機5の蓄熱量、湯量等の第2給湯機情報をEchonet Lite通信I/F部113を介して取得する(ステップS18)。
第2給湯機情報の取得が完了すると、運転計画部118aは、運転計画を作成する(ステップS211)。このステップS211(ステップS31〜ステップS40)についての詳細は後述する。
ステップS211による運転計画の作成が完了すると、電力管理装置100内のCPU110は、1日が経過したか(23時か)を確認する(ステップS20)。
ステップS20において、1日が経過していない場合は、ステップS11に戻り、再度フローを実行する。
ステップS20において、1日が経過した場合は、1日の充放電履歴を使用して蓄電池3の劣化進度を推定し(ステップS21)、再びステップS11に戻り、フローを開始する。
ステップS211は、上記実施の形態1のステップS19とほぼ同様の運転計画作成のステップであり、図16の運転計画作成フロー(ステップS31〜ステップS40)で示される。日射量推定方法(ステップS33参照)、気温予測方法(ステップS34参照)、日射量予測結果の補正方法(ステップS35参照)、PV発電電力学習方法(ステップS36参照)、気温予測の補正方法(ステップS37参照)、消費電力予測方法および消費電力補正方法(ステップS38参照)、余剰電力予測方法(ステップS39参照)についても上記実施の形態1と同様である。さらに、ステップS40は、蓄電池3および給湯機5の運転計画作成ステップであり、図22のフロー(ステップS41〜ステップS53)で示される。このフロー内のステップS46(ステップS61〜ステップS66)は図23に、ステップS48(ステップS71〜ステップS79)は図24に、ステップS50(ステップS91〜ステップS104)は図25および図26に、それぞれ示される。
ステップS211内のステップS31〜ステップS39については、上記実施の形態1と同じであり説明を省略する。以下、図22を参照してステップS40(ステップS41〜ステップS53)の蓄電池3および給湯機5の運転計画作成のフローを説明する。
この実施の形態3では、上記実施の形態1と同様、深夜電力時間帯が始まる深夜23時から24時間分の運転計画を作成する。蓄電池3および給湯機5の運転計画作成が開始されると、運転計画部118a内の運転計画作成部206aは、給湯機5の情報を収集する。具体的には、家族スケジュール管理部121から、給湯機5の使用計画である使用時間および使用湯量を取得し、水温情報を元に現在の蓄熱量を求める(ステップS41)。
次に、運転計画作成部206aは、ステップS41にて取得した給湯機5の情報(使用湯量、使用時間および蓄熱量)、および図12で示す給湯機5の特性情報を給湯機モデル205に入力する。なお、給湯機5の特性情報はクラウドサーバ31に記憶されているものとする(ステップS42)。
運転計画作成部206aは、給湯機5の特性情報の取得を完了すると、蓄電池3のさらなる情報を取得する。具体的には、後述する蓄電池3の運転計画から算出した本日23時の蓄電電力量予測結果、蓄電池3の容量維持率推定結果、蓄電池パワコン効率および蓄電池3の初期容量情報を取得する。上記容量維持率は、23時の時点で、24時間の蓄電池3の充放電履歴、蓄電池セル温度からCPU110が推定する。蓄電池パワコン効率は、蓄電池3および蓄電池パワコン4の両者の損失から求めた効率で、充電電力量に対する放電可能電力量の割合である。この蓄電池パワコン効率は、クラウドサーバ31から取得するものとする。
なお、容量維持率の計算方法の説明は省略するが、容量維持率推定に必要な情報は、蓄電機器Bの評価結果から求め、クラウドサーバ31に予め記憶されたものを使用する。また、蓄電池パワコン効率は、上述した(式3)に使用するパラメータα、β、および充放電電流を基に算出する。なお、蓄電池パワコン効率の算出方法はこれに限るものではなく、予め平均的な効率をクラウドサーバ31に記憶しておき、その数値を使用しても良いことは言うまでもない(ステップS43)。
次に、運転計画作成部206aは、図6〜図8に示す蓄電池3の特性情報を図示していないメモリから取得する。この蓄電池3の特性情報は、クラウドサーバ31から取得してメモリに記憶されて用いられる。この実施の形態3では、蓄電池劣化の進度に応じた蓄電池3の特性情報をクラウドサーバ31内に準備しておき、電力管理装置100からの要求に基づき通知するものとする。蓄電池3の特性情報は、劣化進度に応じた蓄電池3の内部抵抗情報等で、蓄電池3に充放電する際の損失電力の算出に使用できる。なお、上記(式3)に示すパラメータα、βも、蓄電池劣化に応じた情報としてクラウドサーバ31に登録させておいても良い。ステップS43にて取得した蓄電池3の情報、および蓄電池3の特性情報は蓄電池モデル204に入力する(ステップS44)。
次に、運転計画作成部206aは、蓄電池モデル204において蓄電池3のモデルを生成する。具体的には、蓄電池3の容量維持率情報を元に蓄電池3の劣化の進度を推定し、推定結果に基づきステップS44で入手した蓄電池特性情報に補正を加える。なお、蓄電池3の容量維持率情報は、第2蓄電池モデル212内の充電電力量推定部213にて推定した蓄電池容量(満充電時の充電電力量)を蓄電池3の初期容量で除算した数値である。
蓄電池3は、実施の形態1で説明したように蓄電池セル温度、蓄電電力量により充放電電流の最大値が変わる。また、蓄電池セル温度により、充電可能な最大SoC値も変わる。更に、上記充放電電流値の最大値、充電可能な最大SoC値も蓄電池3の劣化進度によって変わる。このため、この実施の形態3においても、蓄電池3の劣化進度により、図8(a)、図8(b)に示す蓄電池充放電電流の制限テーブルを変更する。そして、該変更した蓄電池充放電電流の制限テーブルを元に蓄電池モデル204は蓄電池3をモデル化する(ステップS45)。
上述したように、本実施の形態3では、蓄電池パワコン4は他社製品を使用する。よって、蓄電池3の充放電電流値等には制限がかからない。しかし、電力管理装置100では、制限テーブルを使用し運転計画を作成し、電力管理装置100でも制御可能な蓄電池劣化の主要因である、充電終止電圧、放電終止電圧および満充電保持時間を管理するために制限テーブルを使用する。なお、制限テーブルの補正方法は実施の形態1と同様であるので詳細な説明は省略する。
蓄電池モデル204による蓄電池3のモデルの生成を完了すると、運転計画作成部206aは、気温の予測結果および蓄電池モデル204を使用して、気温に基づく蓄電池3の運転制約条件を生成する(ステップS46)。
以下、図23を参照して、ステップS46(ステップS61〜ステップS66)での気温に基づく蓄電池運転制約条件の生成フローを説明する。
運転計画作成部206aは、蓄電池3の運転制約条件の生成を開始すると、気温予測情報(実測結果に基づく補正後の気温予測)から、上記(式3)を用いて各時刻の蓄電池セル温度を予測する。具体的には、気温、および蓄電池充放電電流の制限テーブル(図8参照)を用いて最大充放電電流を決定する。この実施の形態3では、気温に所定値(例えば5℃)を加えて、それを蓄電池セル温度とし最大充放電電流を決定する。そして、決定した最大充放電電流値を用いて蓄電池セル温度を算出する(ステップS61)。
続いて、算出された蓄電池セル温度を用いて、再び最大充放電電流、および充電終止電圧(第1充電終止電圧)、および放電終止電圧を実施の形態1で説明した要領で制限テーブルから求める。なお、最大充放電電流を決定する場合は、実施の形態1と同様に、制限テーブルに示す充放電電流の制限値はSoCが0.2〜0.8までの間はほぼ一定であるため、SoCが0.5の場合について最大充放電電流を求め、運転計画作成に使用する。なお、充放電電流の制限値は他のSoC値、あるいはSoC値毎に求めても良いことは言うまでもない(ステップS62)。
次に、運転計画作成部206aはPV余剰電力が発生する時間帯を確認する。具体的には、ステップS36で求めたPV発電電力量の予測結果から、ステップS38で算出した負荷消費電力量の予測結果(補正後)を減算することでPV余剰電力が発生する時間帯を求める(ステップS63)。
次に、運転計画作成部206aは、PV余剰電力の発生時間帯終了から深夜電力時間帯になるまでの、給湯機5を含む負荷機器20へ蓄電池3から放電する電力量を、上記実施の形態1で説明した要領で求める。そして、求めた放電電力を蓄電池3の電圧で除算することで各時刻の蓄電池3の放電電流を算出する。なお、蓄電池3の電圧は、ステップS227において第2蓄電池モデル212内の充電電力量推定部213が推定した結果を用いる。
そして、この放電電流とステップS62で決定した最大放電電流とを比較し、算出した放電電流が最大放電電流を越える場合は、最大放電電流を蓄電池3からの放電電流に設定し、算出した放電電流が最大放電電流以下の場合は、算出した放電電流を蓄電池3からの放電電流に設定する。各時刻における蓄電池3からの放電電流が決定されると、各時刻の放電電流から、PV余剰電力発生時間帯終了から深夜電力時間帯になるまでの蓄電池3からの放電電力量を求める(ステップS64)。
蓄電池3からの放電電力量の算出が完了すると、運転計画作成部206aは、放電電力量に基づき蓄電池3への充電電力量を上記実施の形態1で説明した要領で求める。充電電力量の算出が完了すると、第2蓄電池モデル212内の充電電力量推定部213で推定した蓄電池3の容量(満充電時の充電電力量)を基に、SoCを求め充電終止電圧を算出する。これにより、蓄電池劣化を考慮した充電終止電圧を算出できる(ステップS65)。
そして、ステップS65で算出した充電終止電圧(第2充電終止電圧)がステップS62で算出した充電終止電圧(第1充電終止電圧)以下の場合は、ステップS65で算出した充電終止電圧を、蓄電池3の運転制約条件の充電終止電圧に採用する。即ち、2つの充電終止電圧の内、低い方を運転制約条件の充電終止電圧に決定する(ステップS66)。
図22に戻り説明を続ける。
ステップS46にて蓄電池3の運転制約条件(最大充放電電流、充電終止電圧、放電終止電圧)の生成が完了すると、運転計画作成部206aは、給湯機5の給湯量を、上記実施の形態1で説明した要領で求める(ステップS47)。
給湯機5の給湯量(蓄熱量)を算出すると、運転計画作成部206aは、給湯機5の運転パターンを作成する(ステップS48)。
なお、給湯機5の1日の起動停止回数は、上記実施の形態1と同様に最大2回とする。また、深夜電力時間帯の給湯と昼間時間帯の給湯との2つの運転パターンを作成する。
給湯機モデル205の動作を以下に説明する。
上記実施の形態1と同様に、給湯機モデル205では、ステップS37にて算出した気温予測情報から各時刻の給湯機5の消費電力を求める。そして、ステップS39で求めたPV余剰電力予測情報から、買電電力が設定値以下で給湯機5が沸き上げ可能な時間帯を求める。そして、沸き上げ可能な時間帯における各時刻(この場合、30分単位)の平均使用電力および蓄熱量を算出する。そして、この算出結果は、各運転パターンについて算出し、その中から電力料金の削減効果の高い運転パターンを選択して決定する。なお、電力料金体系は、深夜給湯を実施するよりも給湯機5のCOP特性を考慮しPV余剰電力で給湯したほうが経済的であるものとして説明する。
以下、図24を参照して、ステップS48(ステップS71〜ステップS79)での給湯機5の運転パターン作成フローを説明する。
まず運転計画作成部206aは、深夜電力時間帯での給湯計画に基づく運転パターン(第1運転パターン)が作成済みかを確認する(ステップS71)。
ステップS71での確認の結果、未作成であれば、運転計画作成部206aは、深夜電力時間帯での給湯計画に基づく運転パターン(第1運転パターン)を作成(深夜電力時間帯の給湯開始、終了時刻の算出)する。なお、深夜時間帯の運転計画の作成方法は上記実施の形態1と同様であるので説明は省略する(ステップS72)。
そして、深夜電力時間帯の給湯開始、終了時刻の算出の際、消費電力、および給湯量(蓄熱量)についても順次加算し、深夜電力時間帯での給湯に必要な消費電力を求める。これにより深夜電力時間帯の給湯量(蓄熱量)、給湯開始、終了時刻、および消費電力の算出が完了する(ステップS73)。
なお、深夜電力時間帯での給湯では、お風呂など大量にお湯を使用するまで、給湯終了から12時間以上の時間があり、その間の放熱量を回復する必要がある。上記実施の形態1と同様に、深夜給湯の場合は、お風呂など大量にお湯を使用する直前に沸き増しを行い、昼間給湯の場合は、COP値が高い昼間の時間帯にその分も含めて沸き上げを行うものとする。
深夜電力時間帯の給湯量(蓄熱量)、給湯開始、終了時刻、および消費電力の算出が完了すると、運転計画作成部206aは、給湯機5の夜間使用前の沸き増し消費電力、および沸き増し開始、終了時刻を求める(ステップS74)。
運転計画作成部206aは、ステップS72〜ステップS74での算出結果により、深夜電力時間帯および大量にお湯を使用する夜間時間帯における給湯機5の運転パターン(第1運転パターン)を作成する。なお、この場合、給湯機5の起動時間、停止時間、および起動時間中の時刻ごとの消費電力を求め、それを給湯機5の運転計画(運転パターン)とする(ステップS75)。
第1運転パターンの作成が終了するとステップS71に戻る。
ステップS71での確認の結果、第1運転パターンの作成が終了していれば、運転計画作成部206aは、PV余剰電力の発生について確認する。上記実施の形態1と同様に、気温予測情報から各時刻の給湯機5の消費電力を求め、PV余剰電力から給湯機5の消費電力を差し引いた値が所定値以上である時間帯があるかを確認する(ステップS76)。このような時間帯がない場合は、給湯機5の昼間時間帯の給湯は無いものとして第2運転パターンを作成せず、給湯機5の運転パターン作成フローを終了する。
ステップS76にて、PV余剰電力から給湯機5の消費電力を差し引いた値が所定値以上である時間帯がある場合、運転計画作成部206aは、PV余剰電力に基づく昼間時間帯の給湯開始、終了時刻を決定する。具体的には、気温予測情報から各時刻の給湯機5の消費電力を求め、PV余剰電力から給湯機5の消費電力を差し引いた値が所定値以上である時間帯を抽出し、抽出した各時間帯における消費電力および給湯量(蓄熱量)を算出する。なお、PV余剰電力による給湯では必要となる給湯量が確保できない場合は、昼間時間帯の給湯に加え、さらに深夜電力時間帯の給湯を行う必要があるため、昼間時間帯の給湯開始、終了時刻に加え、昼間時間帯の給湯量(蓄熱量)についても算出する(ステップS77)。
次に、運転計画作成部206aは、ステップS47で求めた給湯量(蓄熱量)と、ステップS77で算出した昼間時間帯の給湯量(蓄熱量)とを比較し、深夜電力時間帯での給湯機5の給湯量(蓄熱量)を算出する(ステップS78)。
深夜電力時間帯での給湯量(蓄熱量)の算出が完了すると、運転計画作成部206aは、実施の形態1と同様に、給湯機モデル205に対して、深夜電力時間帯の給湯開始、終了時刻を算出するよう指示する(ステップS79)。
図22に戻り説明を続ける。
ステップS48にて給湯機5の運転パターン作成を完了すると、運転計画作成部206aは、作成された2つの運転パターンについて、それぞれ蓄電池3の運転計画を作成する。まず、運転計画作成部206aは、給湯機運転パターンを1つ選択する(ステップS49)。
選択された運転パターンが給湯機モデル205から入力されると、運転計画作成部206aは、ステップS45で生成した蓄電池3のモデルを用いて、蓄電池3の運転計画を作成する(ステップS50)。なお、蓄電池3の運転計画の作成を示すステップS50についての詳細は後述する。
次に、運転計画作成部206aは、給湯機5の運転パターン、蓄電池3の運転計画、PV発電電力予測結果および負荷消費電力予測結果から電力料金体系に基づき電力料金を算出する(ステップS51)。
そして、電力料金の算出が完了すると、給湯機5に対して作成された全ての運転パターンについて処理して電力料金を確認したかを判定する。この場合、2種類の運転パターンについて実施したかを確認する。運転パターンが1パターンのみの場合は全て処理したとする(ステップS52)。
ステップS52で、未処理の運転パターンがある場合は、ステップS49に戻り、未処理の運転パターンを選択する。
ステップS52で、給湯機5に対する全ての運転パターンについて処理されて各電力料金の確認が完了すると、運転計画作成部206aは、電力料金が安い運転パターンを決定する。これにより、電力料金が最小となるように、給湯機5の運転パターンと蓄電池3の運転計画との組み合わせが決定される(ステップS53)。
これにより、S40(S41〜S53、図16参照)で示す、蓄電池3および給湯機5の運転計画の作成を終了し、S211(S31〜S40、図36参照)で示す運転計画の作成も終了する。
以下、図25、図26を参照して、ステップS50(ステップS91〜ステップS104)での給湯機5の運転パターン作成フローを説明する。
給湯機5の運転パターンが選択されて給湯機モデル205から給湯機5の各時刻における消費電力が通知されると、運転計画作成部206aは、各時刻におけるPV余剰電力を算出する。算出に際しては、ステップS36で算出したPV発電電力予測結果から、ステップS38で算出した負荷消費電力予測結果と、給湯機5の運転パターン作成時に求めた各時刻における給湯機5の消費電力予測結果とを減算し、各時刻におけるPV余剰電力を算出する(ステップS91)。
運転計画作成部206aは、各時刻のPV余剰電力の算出を完了すると、そのPV余剰電力を充電するかを判断する。具体的には、実施の形態1と同様に、ステップS43で取得した蓄電池3の充電時および放電時の効率、深夜電力時間帯の電力料金、余剰電力の売電価格から、余剰電力を蓄電池3に充電したほうが良いかを判断する。また、上記電力料金体系に加え、ステップS46で確認した、各時刻の蓄電池運転制約条件に基づきPV余剰電力を充電するかを判断する。また、PV余剰電力を充電しても、深夜電力時間帯の開始までに全ての充電電力が放電できないと判断した場合もPV余剰電力を充電しないと判断する(ステップS92)。
ステップS92でPV余剰電力を充電しない(Noの場合)と判断すると、運転計画作成部206aは、深夜電力時間帯での蓄電池3の充電計画を作成する。具体的には、実施の形態1と同様に、現在の蓄電池3の運転計画から深夜電力時間帯開始時の蓄電池3の蓄電電力量(SoC)を予測し、その後、ステップS37で作成した気温予測結果と図8に示す蓄電池3の制限テーブルに基づき、深夜電力時間帯開始直後から蓄電池3への充電を開始したとして充電計画を作成する。その際、上記実施の形態1とは異なり、各時刻での充電電力量(SoC)についても算出する(ステップS93)。
各時刻での蓄電池3の充電電力量(SoC)を算出する理由は以下による。この実施の形態3は他社製の蓄電池パワコン4を使用する。よって、実施の形態1で想定していたような蓄電池パワコン4の制御が行えない。例えば、充電電力量の設定がサポートされていないEchonet Liteプロトコルの場合、本来、深夜時間帯の外気温が高く、0.1Cで充電を行う運転計画を立てたとしても充電電力量が設定できないため蓄電池パワコン4の標準的な充電電流(例えば、0.5C)で充電する場合が想定される。
上述したように、この実施の形態3では、第2蓄電池モデル212内の充電電力量推定部213で、蓄電池3の充電電力量(SoC)を推定し、上述した各時刻での充電電力量(SoC)を越えた場合、蓄電池3への充電を止めるように充電停止指令を蓄電池パワコン4に通知するよう構成する。このように構成することで、充電電力量を指定できない場合であっても、蓄電池3の劣化の主要因となる充電終止電圧、および満充電保持時間を制御することができ、蓄電池劣化の進行を抑えることができる効果がある。なお、電力管理装置100による蓄電池パワコン4の制御方式の詳細については後述する。
次に、運転計画作成部206aは、蓄電池3の放電計画を作成する。上記実施の形態1と同様に、深夜電力時間帯以外の時間は買電電力が最小になるように蓄電池3を制御するものとする。具体的には、給湯機5を含む負荷機器20の消費電力からPVの発電電力を減算した値が正の時、買電電力がゼロになるように蓄電池3に蓄えられた電力を放電する。よって、運転計画作成部206aは、深夜電力時間帯以外の時間帯の放電電力要求量を、給湯機5を含む負荷機器20の消費電力予測結果からPV発電電力予測結果を減算することで算出する。蓄電池モデル204は、算出された各時刻の放電電力要求量を運転計画作成部206aから取得し、ステップS93にて作成した深夜電力時間帯での蓄電池3の充電計画を元に、深夜電力時間帯の終了時点(7時)の蓄電池3に蓄えられた充電電力量を算出する。
そして、蓄電池モデル204は、この充電電力量、各時刻の放電電力要求量、気温予測結果、および図8に示す蓄電池3の制限テーブルから各時刻の放電電力量を決定する。具体的には、各時刻の充電電力量から蓄電池3のSoCを算出し、算出したSoC、気温予測結果、蓄電池3の制限テーブルから最大放電電流と蓄電池電圧を算出する。そして、算出した最大放電電流と蓄電池電圧から最大放電電力量を算出し、放電電力要求量と比較する。比較の結果、放電電力要求量が最大放電電力量以下の場合は、放電電力要求量を放電電力量として決定し、放電電力要求量が最大放電電力量より大きい場合は最大放電電力量を放電電力量として決定する。以上の動作を、ステップS62で算出した蓄電池3の電圧が放電終止電圧になるまで実施する。なお、充電電力量および放電電力量を求める際は、充電時および放電時の蓄電機器Bの効率を考慮して求めるものとする(ステップS94)。
ステップS92でPV余剰電力を充電する(Yesの場合)と判断すると、運転計画作成部206aは、PV余剰電力の充電計画を作成する。まず、ステップS39で作成したPV余剰電力予測結果から、給湯機5の運転計画(運転パターン)による各時刻の給湯機5の消費電力を減算して各時刻のPV余剰電力を算出する。蓄電池モデル204は、算出された各時刻のPV余剰電力を運転計画作成部206aから取得し、気温予測結果および図8に示す蓄電池3の制限テーブルに基づき充電計画を作成する。なお、PV余剰電力で必要な電力量が確保できない場合は、深夜電力時間帯に不足分を充電する。
上記実施の形態1と同様に、PV余剰電力が発生する最終時間帯に蓄電池3に充電される電力量を、PV余剰電力量、気温予測結果および蓄電池3の特性情報から算出する。そして、算出した充電電力量を満充電の電力量から減算し、上記PV余剰電力が発生する最終時間帯開始時点の蓄電池3の充電(蓄電)電力量を算出し、その算出結果、PV余剰電力量、気温予測結果および蓄電池3の特性情報から、上記最終時間帯の直前30分間の充電電力量を算出する。この動作を、蓄電池3の充電(蓄電)電力量がゼロになる時間帯、あるいはPV余剰電力がゼロになる時間帯まで繰り返す。なお、上記時間帯に買電電力が発生した場合は、蓄電池3から放電するよう充電電力量を計算する。そして、PV余剰電力がゼロになる時間帯までに充電(蓄電)電力量がゼロにならない場合は、残りの電力量を深夜電力時間帯に充電するため記憶する。充電(蓄電)電力量が先にゼロになる場合は、残りの電力量はゼロである(ステップS95)。
次に、運転計画作成部206aは、深夜電力時間帯終了からPV余剰電力が発生するまでの期間における蓄電池3の放電計画を作成する。まず、給湯機5を含む負荷機器20の消費電力予測結果から、深夜電力時間帯終了からPV余剰電力が発生するまでの期間の各時刻の放電電力要求量を算出する。そして、各時刻の充電電力量、放電電力要求量、気温予測結果、および蓄電池3の制限テーブルから、蓄電池モデル204を用いて各時刻の放電電力量を決定する(ステップS96)。
次に、運転計画作成部206aは、上記実施の形態1と同様に、ステップS96で算出した放電電力量を、ステップS95で求めた、深夜電力時間帯に充電するための充電電力量(上記残りの電力量)に加算して、深夜電力時間帯の充電電力量を算出し、深夜電力時間帯の蓄電池3の充電計画を作成する。具体的には、深夜電力時間帯開始時の蓄電池3の蓄電電力量を予測し、気温予測結果と蓄電池3の特性情報に基づき、蓄電池モデル204を用いて充電計画を作成する。即ち、最大充電電流で深夜電力時間帯開始直後から蓄電池3への充電を開始した場合の、各時刻の充電電力および充電電力量を、深夜電力時間帯の充電電力量になるまで求める。その際、各時刻の蓄電池3の充電電力量(SoC)も併せて算出する(ステップS97)。
次に、運転計画作成部206aは、PV余剰電力の発生終了から深夜電力時間帯開始までの期間における蓄電池3の放電計画を作成する。まず、給湯機5を含む負荷機器20の消費電力予測結果から、PV余剰電力の発生終了から深夜電力時間帯開始までの期間の各時刻の放電電力要求量を算出する。次に、PV余剰電力の発生終了時の蓄電池3の充電(蓄電)電力量を、PV余剰電力の充電計画から取得し、各時刻の充電電力量、放電電力要求量、気温予測結果、および蓄電池3の特性情報から、蓄電池モデル204を用いて各時刻の放電電力量を決定する。その際、各時刻の蓄電池3の充電電力量(SoC)も併せて算出する(ステップS98)。
次に、運転計画作成部206aは、蓄電池3の充電計画における充電終了時の蓄電池電圧が、蓄電池3の運転制約条件として決定した充電終止電圧を超えているか確認する(ステップS99)。
PV余剰電力を充電する場合では、ステップS99において、PV余剰電力の充電終了時の蓄電池電圧が上記充電終止電圧を越えている場合(Yesの場合)は、ステップS97で作成した深夜電力時間帯の充電計画を見直して充電電力を削減し、PV余剰電力の充電終了時の蓄電池電圧を上記充電終止電圧に抑える。この場合、深夜電力時間帯の充電計画を見直しても蓄電池電圧を上記充電終止電圧に抑制できない場合は、さらにステップS95で作成したPV余剰電力の充電計画を見直して充電電力を削減する。その際、各時刻の蓄電池3の充電電力量(SoC)も併せて算出する。
また、PV余剰電力を充電しない場合では、ステップS99において、深夜電力時間帯の充電終了時の蓄電池電圧が上記充電終止電圧を越えている場合(Yesの場合)は、ステップS93で作成した深夜電力時間帯の充電計画を見直して充電電力を削減し、充電終了時の蓄電池電圧を上記充電終止電圧に抑える。その際、各時刻の蓄電池3の充電電力量(SoC)も併せて算出する。この後、ステップS99へ戻る(ステップS100)。
ステップS99において、充電終了時の蓄電池電圧が充電終止電圧以下である場合(Noの場合)は、作成した充放電計画を見直し、蓄電池3が充放電を実施していない時間帯があるか確認する。なお、上記実施の形態1と同様に、充放電電力が所定値未満(例えば50W未満)の場合も充放電を行っていない時間帯とみなす(ステップS101)。
蓄電池3が充放電を実施していない時間帯がある場合は、その時間帯は蓄電機器Bをスリープ状態にする、即ち運転モードをスリープモードにするように蓄電池3の運転計画を作成する(ステップS102)。
ステップS102が終了、あるいはステップS101がNoの場合、運転計画作成部206aは、蓄電池3のスタンバイ状態、即ちスタンバイモードの運転モードを含む充放電計画を作成する(ステップS103)。
なお、蓄電池パワコン4がスリープモードをサポートしていない場合も、この実施の形態3ではスリープモードを含む運転計画を作成するものとする。
そして、運転計画作成部206aは、作成された全ての充放電計画が、ステップS46で生成した、気温に基づく蓄電池運転制約条件を満たしているか再度確認する(ステップS104)。
ステップS104において、蓄電池運転制約条件を満たす場合(Yesの場合)は、蓄電池3の運転計画作成は終了し、満たしていない場合(Noの場合)は、ステップS91に戻り、蓄電池3の運転計画を再作成する。
以下、図38を用いて蓄電池3の運転状況確認のフローを説明する。この運転状況確認のフロー(ステップS231〜ステップS237)は図35に示すステップS210を詳細に示すものであり、運転計画作成部206aおよび第2蓄電池モデル212を中心とした制御フローである。
この実施の形態3では、限られたEchonet Liteコマンドのみを使用して蓄電池パワコン4が制御される。このため、運転計画作成部206aは、第2蓄電池モデル212で推定された蓄電池3の充電電力量に基づく充放電停止コマンドにより蓄電池パワコン4を制御することで、蓄電池劣化の主要因である充電終止電圧、放電終止電圧、および満充電保持時間を制御する。
蓄電池3の運転計画の作成が完了すると、運転計画作成部206aは蓄電池3の運転計画を蓄電池運転モード決定部123および第2蓄電池モデル212に通知する。なお、運転計画は、上記実施の形態1と同様に30分毎に充放電電力が1日分規定されたものとする。
蓄電池3の運転計画を受け取ると、蓄電池運転モード決定部123は、現在の蓄電池パワコン4の動作モードを確認する。具体的には、機器管理部119に問い合わせる。蓄電池パワコン4の動作モードが運転計画と同じ場合は次の送信時刻まで待機する。一方、異なる場合は、クラウドサーバ31から通知された蓄電池パワコン4のEchonet Liteプロトコルを選択する。その際、機器管理部119に対しても蓄電池パワコン4の動作モードを通知する。この実施の形態3では充放電開始、および停止のみサポートされているので、例えば現在の時刻の動作モードが充電であれば充電開始コマンドを蓄電池パワコン4にEchonet Lite通信I/F113を介して通知する。
また、第2蓄電池モデル212は、充電終止電圧および放電終止電圧、さらに現時刻の蓄電池3の運転計画完了時の充電電力量(SoC)を運転計画から読み込む(ステップS231)。
第2蓄電池モデル212は、蓄電池3の運転計画を受け取ると、現在の時刻の運転計画が充電であるか確認する(ステップS232)。
充電中の場合(Yesの場合)は、ステップS203にて推定した、現在の蓄電池3の充電電力量の推定結果が、取得した運転計画における充電電力量より大きいか判断する(ステップS233)。
充電電力量の推定結果が運転計画における充電電力量以下の場合(Noの場合)は、運転状況確認のフローを終了する。
充電電力量の推定結果の方が大きい場合(Yesの場合)、蓄電池3に対して充放電制御を停止するよう充放電停止指令211、この場合、充電停止指令を生成する(ステップS234)。
第2蓄電池モデル212は、充放電停止指令211を生成すると、その旨を運転計画作成部206aに通知する。運転計画作成部206a内の蓄電池運転計画修正部214は、充放電停止指令211を受け取ると、現時刻から次の時刻の間(現時刻を深夜2時とすると、深夜2時〜2時30分の間)の運転計画を充放電停止の運転計画に変更する。但し、次の時刻以降(深夜2時30分以降)の運転計画は変更しない(ステップS235)。
運転計画作成部206aは、変更した運転計画を蓄電池運転モード決定部123に通知する。運転計画の変更を受け取ると、蓄電池運転モード決定部123は、蓄電池パワコン4に対して変更された運転計画に基づく運転指令(この場合は充放電停止指令)を送信し(ステップS236)、運転状況確認のフローを終了する。
ステップS232において、現在の時刻の運転計画が放電である場合(Noの場合)は、ステップS203にて推定した、現在の蓄電池3の充電電力量の推定結果が、取得した運転計画における充電電力量より小さいか判断する(ステップS237)。
充電電力量の推定結果が運転計画における充電電力量以上の場合(Noの場合)は、運転状況確認のフローを終了し、充電電力量の推定結果の方が小さい場合(Yesの場合)は、ステップS234に移行して充放電停止指令211を生成する。
充放電停止指令211を用いる理由および効果を以下に説明する。
図39および図40は、蓄電池3を充電する際の充電電流、充電電力量および蓄電池セル温度を示す図である。図39は、充放電停止指令211を用いない比較例による場合を示し、図40は、この実施の形態3による場合、即ち充放電停止指令211を用いる場合を示す。
上述したように、蓄電池パワコン4は充放電の開始、あるいは停止プロトコル(コマンド)しかサポートしていない。例えば、深夜充電を行う際に、充電開始指令を送ると、蓄電池パワコン4は予め定められた充電電流(例えば、0.5C)で充電を開始する。しかし、気温が高く、蓄電池3の運転計画では0.1Cで、2時間かけて充電するように運転計画を立てていたとする。
図39に示すように、充放電停止指令211を用いない比較例では、0.5Cで24分間連続充電して停止する。この場合、充電電力量は運転計画と同等になるが、0.5Cで充電することで、蓄電池パワコン4や蓄電池3の損失電力で発生する熱で蓄電池セル温度が上昇し、蓄電池3に必要以上のダメージを与える可能性がある。また、30分毎の運転計画では、充電終止電圧を確実に管理することができない。そのため、上記実施の形態1で説明したような不必要な電力量を充電終止電圧を超えて蓄電池3に充電してしまい、蓄電池3を必要以上に劣化させることがある。
これに対し、この実施の形態3では、図40に示すように、例えば0.5Cの充電電流で6分間充電した後、充電停止状態で待機することで、30分間にSoCで0.05に相当する電力量を充電し、それを4回繰り返す。これにより蓄電池セル温度の不必要な上昇、および蓄電池3への不必要な充電を抑制する。
次に、図41および図42は、蓄電池3から放電する際の放電電流、充電電力量および蓄電池セル温度を示す図である。図41は、充放電停止指令211を用いない比較例による場合を示し、図42は、この実施の形態3による場合、即ち充放電停止指令211を用いる場合を示す。
蓄電池パワコン4は充放電の開始、あるいは停止プロトコル(コマンド)しかサポートしていない。例えば、夜間放電を行う際に、放電開始指令を送ると、蓄電池パワコン4は予め定められた放電電流(例えば、0.5C)で放電を開始する。しかし、気温が高く、蓄電池3の運転計画では0.1Cで、2時間かけて放電するように運転計画を立てていたとする。
図41に示すように、充放電停止指令211を用いない比較例では、0.5Cで24分間連続放電して停止する。この場合、放電電力量は運転計画と同等になるが、0.5Cで放電することで、蓄電池パワコン4や蓄電池3の損失電力で発生する熱で蓄電池セル温度が上昇し、蓄電池3に必要以上のダメージを与える可能性がある。また、30分毎の運転計画では、放電終止電圧を確実に管理することができない。そのため、上記実施の形態1で説明したような不必要な電力量を放電終止電圧を超えて蓄電池3から放電してしまい、蓄電池3を必要以上に劣化させることがある。
これに対し、この実施の形態3では、図42に示すように、例えば0.5Cの放電電流で6分間放電した後、放電停止状態で待機することで、30分間にSoCで0.05に相当する電力量を放電し、それを4回繰り返す。これにより蓄電池セル温度の不必要な上昇、および蓄電池3からの不必要な放電を抑制する。
上述したように、蓄電池3への充電を制御することで、蓄電池3のセル温度は、充電時の損失による温度上昇後、休止期間による放熱動作を繰り返すことで、同じ電力を一度に充電する場合と比較して蓄電池セル温度の上昇を低く抑えることができる。また、一般家庭の電気料金については、ピーク電力ではなくアンペア契約であるため、充電電力量が同じであれば、買電電力料金は同じになる。
同様に、蓄電池3からの放電を制御することで、蓄電池3のセル温度は、放電時の損失による温度上昇後、休止期間による放熱動作を繰り返すことで、同じ電力を一度に放電する場合と比較して蓄電池セル温度の上昇を低く抑えることができる。また、一般家庭の電気料金については、放電電力量が同じであれば、電気料金の削減金額は同じになる。
また、この実施の形態3では、蓄電池パワコン4内に図8に示す制限テーブルを実装しておらず、蓄電池3の充放電開始、および停止プロトコルしかサポートしていない他社製の蓄電池パワコン4であっても、蓄電池3の劣化の主要因である充放電電流は制限できないが、以下の制御が可能となる。即ち、蓄電池3への充放電を制御することで、蓄電池3のセル温度、充電終止電圧、放電終止電圧、および満充電保持時間を制御することができる。これにより、蓄電池劣化を抑制することができる。満充電保持時間については、充電終止電圧を制御可能なので、上記実施の形態1と同様の制御が可能となる。
なお、蓄電池パワコン4内に図8に示す制限テーブルを実装している蓄電池パワコン4であっても、電力管理装置100にて蓄電池3の充放電電力量を推定して管理するよう構成し、蓄電池3の制御(充電終止電圧および放電終止電圧を用いた制御)を行うので、同様の効果を奏することは言うまでもない。また、蓄電池パワコン4が、上記実施の形態1と同様に複数の充放電に関するプロトコルを有する場合についても、蓄電池3の蓄電電力量を電力管理装置100にて蓄電池3の充放電電力量を推定して管理するよう構成し、蓄電池3の制御(充電終止電圧および放電終止電圧を用いた制御)を行うので、同様の効果を奏することは言うまでもない。
なお、上記実施の形態1と同様に、蓄電池パワコン4の待機時はスリープモードを使用し待機しても良いことは言うまでもない。特に、図40、図42に示すように、充放電直後に強制的に待機する場合はスリープモードで待機することで、待機電力の削減、および待機電力による蓄電池3のセル温度の上昇が抑えられ、蓄電池の劣化進度の抑制につながる効果がある。なお、スリープモードの蓄電池3からの放電を開始する際は、Echonet Lite通信I/F部113を介して蓄電池3に対してスタンバイモードに移行するよう通知する。このように構成するため、蓄電機器Bのスリープモードからスタンバイモードへの移行を確実に実施することができる。また、高温側および低温側の蓄電池セル301の温度情報を、BMU305内の蓄電池制御回路303で収集するので、電力管理装置100の制御と、BMU305の制御を同一の温度情報で実施することができる効果がある。
上記実施の形態1〜3では、充電終止点となる充電終止電圧を決定して蓄電池3の運転計画作成に用いたが、蓄電池3の充電終止点を示す充電電力量(最大充電電力量)を用いても良い。同様に、放電終止点となる放電終止電圧も、放電終止点となる蓄電電力量である放電終止電力量を用いても良い。
また上記実施の形態1〜3では、気温予測情報から充電時の充電終止電圧を決定する際は、気温予測情報から各時刻の蓄電池3の制限情報を生成し、該制限情報に基づき必要となる放電電力量を算出して充電終止電圧を決定するように構成したが、これに限るものではなく、気温予測情報を元に最高気温および最低気温を算出して演算しても良い。この場合、算出した最高気温および最低気温情報から蓄電池3の制限情報を生成し、生成した制限情報に基づき必要となる放電電力量を算出する。そして、算出した放電電力量から充電終止電圧を決定するよう制御する。これにより、蓄電池3への不要な充電により充電終止電圧が上昇する、あるいは満充電での保持時間が必要以上に長くなり蓄電池3の劣化が進むといった問題を抑えることができる。
また、上記実施の形態1〜3では、気温予測情報としてクラウドサーバ31より各時刻の温度情報が通知される場合について説明したがこれに限るものではなく、気温予測情報として、少なくとも最高気温および最低気温のみ通知される場合でも同様の効果を奏することは言うまでもない。その場合、負荷消費電力学習管理部200は内部に天気毎に気温情報を学習するデータベースを準備しておく。データベースは月毎、天気毎、時刻毎に実測した気温を学習する。天気予報情報とともに最高気温および最低気温情報が通知されると負荷消費電力学習管理部200は天気予報情報から学習した各時刻の該気温情報を読み出し、最高気温および最低気温が入力された情報になるようにデータベースから読み出した情報に補正をかける。上述のように負荷消費電力学習管理部200を動作させるので、最高気温および最低気温情報から確実に気温予測情報を生成することができる。これにより、気温に対する蓄電池3の運転制限情報を生成することで、不要に蓄電池3の劣化を進めることのない蓄電池3の運転計画を作成することができる。
また、上記実施の形態1〜3では、蓄電池3の充電終止電圧を決定する際は、少なくとも気温予測情報に基づいて予測した蓄電池3の充電制限情報から第1充電終止点を生成し、また、PV発電電力予測情報、負荷電力予測情報および気温予測情報に基づいて、PV余剰電力発生終了から深夜電力時間帯の開始までの蓄電池3の放電電力量を算出し、該放電電力量から充電電力量を決定して蓄電池3の第2充電終止点を生成し、第1充電終止点と第2充電終止点とのいずれか低い方を充電終止点として決定するように構成した。これにより、蓄電池劣化を最小に抑えた充電終止電圧を決定することができる。
さらに、上記実施の形態1〜3では、図示していない温度計により計測した気温と、蓄電池3からEchonet Lite通信I/F部113を介して入手した高温側および低温側の蓄電池セル301の温度情報と、充放電電流情報とから蓄電池セル301の温度特性を学習する。そして、気温予測結果、充放電電流情報、および蓄電池セル301の温度特性の学習結果から蓄電池温度を予測する。
蓄電池3の運転計画を作成する場合は、気温予測情報に代わり蓄電池温度予測を元に運転計画を作成しても同様の効果を奏することは言うまでもない。
また、気温を計測する温度計は蓄電機器Bが有しており、蓄電機器Bで計測した気温実測値をEchonet Lite通信I/F部113を介して取得するよう構成しても同様の効果を奏することは言うまでもない。
また、上記実施の形態1〜3による電力管理装置100は、給湯機5の運転計画を作成する際、給湯機5の特性、および電力料金体系を考慮して運転計画を作成するので、運転コストを最小限に抑えた運転計画を実行することができる。また、気温による給湯機5の効率や蓄電池3の充放電電流の制限、蓄電池3の充電電力量に起因する充電電流の制限などが蓄電池モデル204、および給湯機モデル205に組み込まれて予め考慮されているため、以下のような効果がある。例えば、気温が低く予定していた消費電力では必要となる蓄熱量が確保できない、あるいは蓄電池3の充電を予定していた時間帯に気温が高すぎる、あるいは蓄電電力量が多く計画していた充電電流を確保できない等の問題の発生を抑制できる。
さらに、ヒートポンプを利用した給湯機5の気温および負荷特性に基づくエネルギ変換効率を考慮して運転計画を作成するので、実動作において給湯機5の特性に起因する消費電力および蓄熱量の予測誤差を最小限に抑えることができる。例えば、上記実施の形態1による電力管理装置100では、電力料金体系にもよるが、蓄電池3の上記特性を考慮して運転計画を立案するため、気温が比較的に高い正午過ぎの時間帯は給湯機5の運転に割り当て、気温が比較的低い午前中、あるいは気温が下がり始める16時以降に蓄電池3の充電計画を立てることで効果的な電力管理を行うことができる。
またさらに、気温が高すぎる等の要因により蓄電池3の充放電が全く行えない時間帯は、蓄電池3をスリープモードに変更することで待機電力の削減が図れるとともに、不要な蓄電池劣化を抑制することができる効果がある。
また、この実施の形態1〜3では、蓄電池3の運転計画をPV余剰電力時間帯と深夜電力時間帯とに大きく分けて、それぞれの充電計画について作成し、経済メリットが高いほうを選択するよう構成したがこれに限るものではない。例えば、蓄電池特性を、重回帰分析手法を利用し二次計画法で使用可能な二次系のモデルに近似する。そして、2次のモデルに近似した蓄電池3のモデルを利用し、運転計画作成を二次計画法のような算術演算で最適解を算出するように構成してもよい。この場合、電力料金の体系が大きく変わった場合においても、条件設定が変わっただけで算術演算にて最適な蓄電池3の運転計画を作成することができる。これにより、不要な買電電力の充電を抑制できると共に、不要な電力の蓄電池3からの放電を抑制することができる。
なお、運転計画作成の際の最適化手法として二次計画法について上述したがこれに限るものではなく、例えば機械学習法等の他の算術演算により他の最適化手法により求めた運転計画作成しても同様の効果を奏することは言うまでもない。
また、給湯機5についても、蓄電池3と同様に重解析分析を利用し二次計画法で使用可能な二次系のモデルに近似しても良いことは言うまでもない。また、給湯機5は上述したが機器寿命を考えると1日当たりの起動回数が最大2回程度と制限される。よって、この制限条件を元に、二次計画法のような算術演算手法を用いるのではなく、上記実施の形態1で記載したように予め定められた運転パターンを複数(実施の形態1では2パターン)準備しておき、各運転パターンの中から電力料金が最小になる運転パターンを選択するように構成しても良い。上述のように構成することで、2次モデルの最適化問題を解決する場合と比較して、演算回数を大幅に削減することができる効果がある。これにより、電力管理装置100内のCPU110の性能を不要に高める必要がなく、安価なCPU110を用いることができる。
なお、上記実施の形態1〜3では、蓄電池3および給湯機5の運転計画を電力管理装置100内で実施する場合について説明したが、これに限るものではなく、気温や各種電力を電力管理装置100で計測し、計測結果を元に各種予測処理、運転計画作成処理をクラウドサーバ31で構成するようにしても良いことは言うまでもない。また、蓄電池3の充放電特性、および給湯機5の特性(COP特性等)を、例えば1次以上の特性多項式に近似し、近似した多項式を元に、電力料金が最小となるように運転計画を作成しても良いことは言うまでもない。
また、上記実施の形態1〜3では、電力管理装置100からの給湯機5の起動回数を2回としたがこれに限るものではないことは言うまでもない。また、給湯機5の運転計画(運転パターン)の数を予め絞るように構成したがこれに限るものではなく、全ての計画に基づき運転計画作成部206、206aで最適化を行い運転計画を求めても良いことは言うまでもない。
さらに、家族の行動スケジュールに合わせて給湯機5を制御するので、湯量を適切に設定することができ、不要な使用電力を抑えることができる。また、給湯機5および蓄電池3の運転計画を作成する際、家族スケジュールに基づき使用電力を予測するので、負荷消費電力を見積もる場合の精度も向上できる効果がある。
また、上記実施の形態1〜3では、電力料金体系は、深夜電力時間帯と昼間電力時間帯の2種類(夏季を含めると3種類)の電力料金体系の場合について説明しているが、DRの一方式として注目を集めているピーク時間帯の電力料金を通常の電力料金よりもさらに高くし電力消費の行動を抑えるような方式にしても良い。この場合、入力される電力料金体系を変えるだけで、運転計画を作成することができるので、不要な買電電力の充電、また不要な電力の蓄電池3からの放電を抑制することができる効果がある。
また、運転計画をリアルタイム(30分単位)で更新するように構成したので、当日に、例えば特定の時間帯の電力料金が上がる場合、あるいは需要抑制依頼がきた場合でも、蓄電池3の蓄電電力量、PV発電電力量予測結果、負荷消費電力量予測結果等(需要抑制の場合はインセンティブも使用)により、電力料金が最小となる運転計画を再度立てることができる。例えば、蓄電池3の蓄電電力量が少ないと判断した場合は、昼間の時間帯であっても蓄電池3を充電し、電力料金が高くなる時間帯は買電を行わないよう制御することで、電気料金をできる限り小さく抑えることができる効果がある。
また、給湯機5の沸き上げタイミングを変える、あるいは蓄電池3の放電タイミングを変えることにより同様の効果がある。同様に、天気予報が外れた場合でも、リアルタイムに運転計画をリカバリするので、電力料金をできる限り小さく抑えることができる効果がある。また、運転計画を上述したような二次計画法を用いるような場合は、算術演算にて最適な運転計画が作成できるので、入力される電力料金体系を変えるだけで最適な運転計画を作成することができることは言うまでもない。
さらに、電力料金体系が変わった場合も、クラウドサーバ31経由で最新の電力料金体系を取り込むので、将来電力料金体系が変わっても、電力料金をできる限り小さく抑えることができる効果がある。
また、上記実施の形態1〜3では、負荷消費電力を学習しているので、例えば、エアコンなど新しい機器が増えた場合、あるいは機器を取り換え消費電力量が変わった場合でも、負荷機器20の使用電力を学習することで、ユーザは機器の取り換えを意識することなく、電力料金をできる限り小さくに抑える効果を享受することができる。
なお、機器取り換え時、追加時は、学習が完了するまでは負荷消費電力量が変わるため、予測誤差が大きくなる。しかし、機器管理部110で新たな機器、あるいは機器の取り換えを検出した場合は、そのことを考慮し学習することで、負荷機器20の使用電力量の予測誤差の発生期間を短く抑えることができることは言うまでもない。また、蓄電池3、および給湯機5についても同様に学習を行うので、カタログなどに記載されたスペックではなく、実測値を元に特性を把握することができ、より予測誤差を抑えた運転計画を立案することができる効果がある。
また、蓄電池3の容量は、カタログ値に対して実際に使用できる容量は、新品の蓄電池3であっても80〜90%程度で、どの程度使用できるかはバラツキもある。従って、蓄電池3の容量についても、学習することで、電力管理装置100が実際に使用できる蓄電池3の容量を把握でき、運転計画を実機に基づき立てることができる。また、蓄電池劣化は、蓄電池3のばらつきに加え、使用環境や使用方法に大きく依存する。従って、蓄電池3の充放電履歴(充放電電流、充電終止電圧、放電終止電圧等)、環境情報(気温、蓄電池セル温度)を記憶し、記憶結果、および実測した蓄電池容量などから蓄電池3の劣化を判断することで、蓄電池劣化の推定精度を上げることができ、より適切な充放電制限テーブルを使用することができる効果がある。
また、上記実施の形態1〜3では、蓄電池3の容量維持率(劣化度合い)に応じて蓄電池3の特性テーブルを切換えるように構成するので、蓄電池3の劣化度合いに応じた制御を行うことができる。このため、蓄電池3の不要な劣化を抑えることができるとともに、劣化度合いに応じた蓄電池3の制御、例えば、最大充放電電流、充電終止電圧、放電終止電圧、定電流制御から定電圧制御への移行タイミング(SoCに対する最大充放電電流を制限することでも実現可能)を考慮し、充放電計画を作成できる。これにより、蓄電池3の実動作をほぼ正確に模擬することができ、運転計画作成時の誤差を最小限に抑えることができる効果がある。
また、上記実施の形態1〜3では、蓄電池3として定置型のリチュウムイオンバッテリを使用した場合について説明したがこれに限るものではなく、例えば、鉛蓄電池やニッケル水素蓄電でも同様の効果を奏することは言うまでもない。また、定置蓄電池ではなくEV(Electric Vehicle)やPHEV(Plug−in Hybrid Electric Vehicle)等の電気自動車に搭載されたバッテリを使用しても良いことは言うまでもない。
さらに、上記実施の形態1〜3では、蓄電池3として1台の定置型蓄電池を使用した場合について説明したがこれに限るものではなく、2台以上の複数の蓄電池を連携して使用しても良いことは言うまでもない。その際、蓄電池の特性が異なれば、電力管理装置100は個々の蓄電池の特性を元に電気料金が最小になるように各々の蓄電池の運転計画を立案し、立案された各々の蓄電池の運転計画に基づき運転を制御することで、複数の蓄電池を使用する場合も、効果的に各々の蓄電池を制御することができ、電力料金を抑える効果がある。なお、複数台の蓄電池を連携して使用する場合、その中の1つ、あるいは複数がEVやPHEV等の電気自動車であっても良いことは言うまでもない。
また、上記実施の形態1〜3では、蓄電池セル301の温度推定は、待機電力により蓄電池セル301が上昇する温度を気温予測結果に加算することで求めたがこれに限るものではない。待機電力よりも充放電電流量が損失の主要因である場合は、各時刻の負荷消費電力量を学習する際に、蓄電池セル301の気温に対する温度上昇割合も学習しておき、その結果を用いて蓄電池セル301の温度を推定するよう構成しても良いことは言うまでもない。
また、蓄電池劣化の要因となる蓄電池保存劣化については、例えば、保存劣化が進む高温時については、気温予測結果に基づき最大充電電力量(充電終止電圧)の上限値を制限するよう、さらに制限テーブルを設けても良いことは言うまでもない。更に、蓄電池3の充放電制限に関しては、劣化が進んだ蓄電池3に対しては充電終止電圧を新品のものに比べ低くする。具体的には、定電流充電から定電圧充電に切換える蓄電池電圧を低くするとともに、SoCについても1.0(満充電)になる前に終了する。また、最大充放電電流も低く抑えるように、蓄電池充放電電流の制限テーブルを変更する。そして、該変更した蓄電池充放電電流の制限テーブルを元に重回帰分析手法を利用し蓄電池3をモデル化するので、蓄電池3の温度特性、SoC特性に加え、蓄電池劣化も考慮したモデルとすることができる効果がある。なお、蓄電池モデルの更新は、毎回実施するのではなく、例えば10日に1回、あるいは1カ月に1回、あるいはSoCは0.01変化した場合等でも良いことは言うまでもない。
上記実施の形態1〜3では、蓄エネ機器となる蓄電池3と給湯機5とを使用する。これは、以下の理由に基づく。蓄電池3は、電気エネルギをそのまま電気エネルギとして使用することができるため、非常に利用しやすい形態でエネルギを蓄えることができる半面、1kWh当たりのコストが非常に高い。例えば、5.53kWhの蓄電池を搭載した据え置き型蓄電池の価格は実勢価格で250万円程度と非常に高い。一方、給湯機5の実勢価格は70万円前後で、7.5kWh程度の蓄熱ができる。従って、1kWh当たりの単価は1/4〜1/5程度と非常に安い。蓄エネ機器として蓄熱機器(給湯機5)を使用することで、蓄電機器(蓄電池3)に比べ1kWhのエネルギを蓄エネする際の機器コストを抑えることができ、高価な蓄電池3の容量を小さくすることができる効果がある。これにより、全体のシステムを導入するためのコストを抑えることができる効果があることは言うまでもない。
なお、上記実施の形態1〜3では、説明を分かりやすくするために電力管理装置100内の電力計測部116、時刻管理部117、運転計画部118(118a)、機器管理部119、負荷機器制御部120、家族スケジュール管理部121、DR対応部122、負荷消費電力学習管理部200、PV発電電力学習管理部201、負荷消費電力予測部202、PV発電電力予測部203、蓄電池モデル204、給湯機モデル205を、H/W(ハードウェア)で構成する場合について説明したがこれに限るものではない。全ての回路、あるいは一部の回路を、CPU110上で動作するS/W(ソフトウェア)で実現しても同様の効果を奏することは言うまでもない。また、上記各回路の機能をS/WとH/Wに分割し同様の機能を実現しても良いことは言うまでもない。
また、上記実施の形態1〜3では、負荷消費電力学習管理部200やPV発電電力学習管理部201等、比較的大きなデータベース(メモリ)を必要とする機能については、電力管理装置100内に実装せず、クラウドサーバ31内に同様の機能を実装し機能分割してシステムを構築しても良く、同様の効果を奏することは言うまでもない。また、蓄電池3の劣化度合い等を推定するために必要となる充放電履歴データなどはデータ量が膨大となるため電力管理装置100内で管理するのではなく、クラウドサーバ31内で管理するように構成しても同様の効果を奏することは言うまでもない。
さらに、天気予報から日射量を推定するPV発電電力予測部203内の機能は、天気予報が地域単位で出されることを考慮すると必ずしも電力管理装置100内で持っている必要はなく、クラウドサーバ31内で天気予報に基づき地域毎の日射量を推定し、推定結果を電力管理装置100に送付するよう構成しても良いことは言うまでもない。
またこの発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
この発明に係る電力管理装置は、蓄電機器と創エネ機器と電気負荷とを有するシステムの電力需給を管理し、上記蓄電機器の情報を取得する蓄電機器情報取得部と、上記創エネ機器にて発電される電力を予測する発電電力予測部と、上記電気負荷の消費電力を予測する負荷電力予測部と、上記蓄電機器の最大充電電力量あるいは充電終止電圧である充電終止点を決定して上記蓄電機器の運転計画を作成する運転計画作成部とを備える。そして、上記運転計画作成部は、上記発電電力予測部にて予測した発電電力予測情報、および上記負荷電力予測部にて予測した負荷電力予測情報から余剰電力を予測し、上記蓄電機器情報取得部にて取得した蓄電機器情報および気温予測情報に基づいて、各時刻の上記蓄電機器の最大充放電電流あるいは最大充放電電力である制限情報を導出し、予測される上記余剰電力の発生終了から所定の時刻までの上記蓄電機器の放電電力量を上記制限情報を用いて予測し、該放電電力量から充電電力量を算出して上記充電終止点を決定し、予測される上記余剰電力、上記充電終止点および上記制限情報に基づいて、上記蓄電機器の充放電の運転計画を作成するものである。
この発明の電力管理装置によれば、上記運転計画作成部は、予測される上記余剰電力、上記充電終止点および上記制限情報に基づいて、上記蓄電機器の充放電の運転計画を作成するため、不要に高い電力量を充電して保持することを防止でき、蓄電機器の劣化を抑制することができる。
この発明の請求項1に係る電力管理装置は、蓄電機器と創エネ機器と電気負荷とを有するシステムの電力需給を管理し、上記蓄電機器の情報を取得する蓄電機器情報取得部と、上記創エネ機器にて発電される電力を予測する発電電力予測部と、上記電気負荷の消費電力を予測する負荷電力予測部と、上記蓄電機器の最大充電電力量あるいは充電終止電圧である充電終止点を決定して上記蓄電機器の運転計画を作成する運転計画作成部とを備える。上記運転計画作成部は、上記発電電力予測部にて予測した発電電力予測情報、および上記負荷電力予測部にて予測した負荷電力予測情報から余剰電力を予測し、上記蓄電機器情報取得部にて取得した蓄電機器情報および気温予測情報に基づいて、各時刻の上記蓄電機器の最大充放電電流あるいは最大充放電電力である制限情報を導出し、予測される上記余剰電力の発生終了から所定の時刻までの上記蓄電機器の放電電力量を上記制限情報を用いて予測し、該放電電力量から充電電力量を算出して上記充電終止点を決定し、予測される上記余剰電力、上記充電終止点および上記制限情報に基づいて、上記蓄電機器の充放電の運転計画を作成するものである。そして、上記蓄電機器は、充放電停止中の運転モードとして待機モードおよび休止モードを有し、上記運転計画作成部は、上記気温予測情報が設定上限値を超える時間帯に上記蓄電機器の充放電を上記休止モードで停止するよう上記運転計画を作成する。
またこの発明の請求項3に係る電力管理装置は、蓄電機器と創エネ機器と電気負荷とを有するシステムの電力需給を管理し、上記蓄電機器の情報を取得する蓄電機器情報取得部と、上記創エネ機器にて発電される電力を予測する発電電力予測部と、上記電気負荷の消費電力を予測する負荷電力予測部と、上記蓄電機器の最大充電電力量あるいは充電終止電圧である充電終止点を決定して上記蓄電機器の運転計画を作成する運転計画作成部とを備える。上記運転計画作成部は、上記発電電力予測部にて予測した発電電力予測情報、および上記負荷電力予測部にて予測した負荷電力予測情報から余剰電力を予測し、上記蓄電機器情報取得部にて取得した蓄電機器情報および気温予測情報に基づいて、各時刻の上記蓄電機器の最大充放電電流あるいは最大充放電電力である制限情報を導出し、予測される上記余剰電力の発生終了から所定の時刻までの上記蓄電機器の放電電力量を上記制限情報を用いて予測し、該放電電力量から充電電力量を算出して上記充電終止点を決定し、予測される上記余剰電力、上記充電終止点および上記制限情報に基づいて、上記蓄電機器の充放電の運転計画を作成するものであり、上記蓄電機器の上記制限情報から第1充電終止点を生成すると共に、上記蓄電機器の上記放電電力量を予測し、該放電電力量から上記充電電力量を算出して上記蓄電機器の第2充電終止点を生成し、上記第1充電終止点と上記第2充電終止点とのいずれか低い方を上記充電終止点として決定する。
またこの発明の請求項4に係る電力管理装置は、蓄電機器と創エネ機器と電気負荷とを有するシステムの電力需給を管理し、上記蓄電機器の情報を取得する蓄電機器情報取得部と、上記創エネ機器にて発電される電力を予測する発電電力予測部と、上記電気負荷の消費電力を予測する負荷電力予測部と、上記蓄電機器の最大充電電力量あるいは充電終止電圧である充電終止点を決定して上記蓄電機器の運転計画を作成する運転計画作成部とを備える。上記運転計画作成部は、上記発電電力予測部にて予測した発電電力予測情報、および上記負荷電力予測部にて予測した負荷電力予測情報から余剰電力を予測し、上記蓄電機器情報取得部にて取得した蓄電機器情報および気温予測情報に基づいて、各時刻の上記蓄電機器の最大充放電電流あるいは最大充放電電力である制限情報を導出し、予測される上記余剰電力の発生終了から所定の時刻までの上記蓄電機器の放電電力量を上記制限情報を用いて予測し、該放電電力量から充電電力量を算出して上記充電終止点を決定し、需要者の契約に基づき電力料金体系を入手し、予測される上記余剰電力、上記充電終止点および上記制限情報に基づいて、さらに上記電力料金体系を参照して、上記所定の時刻に開始される低価格電力時間帯に上記蓄電機器を充電するように、上記蓄電機器の充放電の運転計画を作成するものであり、少なくとも上記気温予測情報に基づいて上記蓄電機器の放電終止電力量あるいは放電終止電圧である放電終止点を予測し、上記低価格電力時間帯の上記気温予測情報が設定下限値未満になると、上記低価格電力時間帯の開始直前に上記蓄電機器の放電を完了し、該低価格電力時間帯が開始すると上記蓄電機器の充電を開始するように上記運転計画を作成する。
またこの発明の請求項6に係る電力管理装置は、蓄電機器と創エネ機器と電気負荷とを有するシステムの電力需給を管理し、上記蓄電機器の情報を取得する蓄電機器情報取得部と、上記創エネ機器にて発電される電力を予測する発電電力予測部と、上記電気負荷の消費電力を予測する負荷電力予測部と、上記蓄電機器の最大充電電力量あるいは充電終止電圧である充電終止点を決定して上記蓄電機器の運転計画を作成する運転計画作成部とを備え、上記蓄電機器に蓄電池を用い、上記蓄電機器情報取得部にて取得した蓄電機器情報は、少なくとも上記蓄電池の温度情報、蓄電電力量情報および充放電電流情報を有するものである。上記運転計画作成部は、上記発電電力予測部にて予測した発電電力予測情報、および上記負荷電力予測部にて予測した負荷電力予測情報から余剰電力を予測し、上記蓄電機器情報および気温予測情報に基づいて、各時刻の上記蓄電機器の最大充放電電流あるいは最大充放電電力である制限情報を導出し、予測される上記余剰電力の発生終了から所定の時刻までの上記蓄電機器の放電電力量を上記制限情報を用いて予測し、該放電電力量から充電電力量を算出して上記充電終止点を決定し、予測される上記余剰電力、上記充電終止点および上記制限情報に基づいて、上記蓄電機器の充放電の運転計画を作成するものである。そして上記電力管理装置は、さらに、気温計測結果を取得し、該気温計測結果、上記蓄電池の上記温度情報、上記蓄電池の上記蓄電電力量情報および上記蓄電池の上記充放電電流情報から蓄電池特性を学習する蓄電池特性学習部と、上記気温予測情報と上記蓄電池の上記充放電電流情報とに基づいて、上記蓄電池特性学習部から得られる上記蓄電池特性を参照して、蓄電池予測温度を予測する蓄電池温度予測部とを備え、上記運転計画作成部は、上記気温予測情報として、上記蓄電池温度予測部が予測した上記蓄電池予測温度を用いて上記蓄電機器の上記運転計画を作成する。
またこの発明の請求項18に係る電力管理装置は、蓄電機器と創エネ機器と電気負荷とを有するシステムの電力需給を管理し、上記蓄電機器の少なくとも温度に対する充放電特性情報を取得する蓄電機器情報取得部と、上記創エネ機器にて発電される電力を予測する発電電力予測部と、上記電気負荷の消費電力を予測する負荷電力予測部と、上記蓄電機器の運転計画を作成する運転計画作成部と、上記蓄電機器の充放電動作を模擬する上記蓄電機器のモデルと、上記蓄電機器に充放電動作の指令を通知すると共に、上記蓄電機器の少なくとも充電電力量情報を取得する通信部と、上記蓄電機器の充放電電力を計測する充放電電力計測部と、上記充放電電力計測部による計測結果および上記充電電力量情報に基づいて上記蓄電機器の充電電力量を推定する充電電力量推定部とを備える。上記運転計画作成部は、上記発電電力予測部にて予測した発電電力予測情報、および上記負荷電力予測部にて予測した負荷電力予測情報から、上記蓄電機器に充放電する電力を予測し、上記蓄電機器のモデルは、各時刻の気温予測情報、上記運転計画作成部から取得する充放電電力予測結果、および上記充放電特性情報に基づいて、上記蓄電機器の動作を模擬して充放電電流を算出する。そして上記運転計画作成部は、各時刻の電力料金情報を取得し、該電力料金情報と、上記蓄電機器のモデルにて算出した各時刻の上記充放電電流とに基づいて、所定の期間内の充放電電力もしくは充電電力量を決定する運転計画を作成し、上記電力管理装置は、上記充電電力量推定部にて推定した上記充電電力量および上記運転計画に基づいて、上記蓄電機器の充放電動作の開始と停止との上記指令を決定し、決定された該指令を上記通信部により上記蓄電機器に通知する。
この発明の電力管理装置によれば、不要に高い電力量を充電して保持することを防止でき、蓄電機器の劣化を抑制することができる。

Claims (20)

  1. 蓄電機器と創エネ機器と電気負荷とを有するシステムの電力需給を管理する電力管理装置において、
    上記蓄電機器の情報を取得する蓄電機器情報取得部と、
    上記創エネ機器にて発電される電力を予測する発電電力予測部と、
    上記電気負荷の消費電力を予測する負荷電力予測部と、
    上記蓄電機器情報取得部にて取得した蓄電機器情報、上記発電電力予測部にて予測した発電電力予測情報、上記負荷電力予測部にて予測した負荷電力予測情報、および気温予測情報に基づいて、上記蓄電機器の運転計画を作成する運転計画作成部とを備え、
    上記運転計画作成部は、少なくとも上記気温予測情報に基づいて上記蓄電機器の最大充電電力量あるいは充電終止電圧である充電終止点を決定し、上記充電終止点以下で上記蓄電機器が充電されると共に、上記気温予測情報が設定上限値を超える時間帯に上記蓄電機器の充放電を停止するように上記運転計画を作成する、
    電力管理装置。
  2. 上記運転計画作成部は、少なくとも上記気温予測情報に基づいて上記蓄電機器の最大充電電流あるいは最大充電電力である充電制限値を予測し、該充電制限値以下で上記蓄電機器が充電されるように上記充電終止点を決定する、
    請求項1に記載の電力管理装置。
  3. 上記蓄電機器の充放電電力を計測する充放電電力計測部と、
    上記充放電電力計測部による計測結果に基づいて上記蓄電機器の充電電力量を推定する充電電力量推定部とを備え、
    上記運転計画作成部は、上記蓄電機器情報、上記発電電力予測情報、上記負荷電力予測情報、上記気温予測情報および上記充電終止点に加え、推定された上記充電電力量に基づいて上記運転計画を修正する、
    請求項1または請求項2に記載の電力管理装置。
  4. 上記蓄電機器情報取得部は、少なくとも上記蓄電機器の充電電力量情報を取得し、
    上記充電電力量推定部は、上記蓄電機器の上記充電電力量と、さらに上記蓄電機器の満充電時の電力量とを、上記計測結果に基づいて推定し、該2つの推定結果の少なくとも一方を、取得した上記充電電力量情報に基づいて修正する、
    請求項3に記載の電力管理装置。
  5. 上記充電電力量推定部は、上記充電電力量に対応する上記蓄電機器の電圧を用いて上記充電電力量を推定する、
    請求項3または請求項4に記載の電力管理装置。
  6. 推定された上記充電電力量および上記運転計画に基づいて、上記蓄電機器の充放電動作の開始と停止との指令を決定し、決定された該指令を上記蓄電機器に通知する、
    請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の電力管理装置。
  7. 上記蓄電機器が充電動作時に、上記充電電力量推定部により推定された上記充電電力量が上記充電終止点を超えると、上記指令として上記蓄電機器の充電動作の停止指令を生成して上記蓄電機器に通知する、
    請求項6に記載の電力管理装置。
  8. 上記蓄電機器は、充放電停止中の運転モードとして待機モードおよび休止モードを有し、上記運転計画作成部は、上記気温予測情報が上記設定上限値を超える時間帯に上記蓄電機器の充放電を上記休止モードで停止するよう上記運転計画を作成する、
    請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の電力管理装置。
  9. 上記休止モードで停止中の上記蓄電機器を充放電開始させる際、充放電開始に先立って上記待機モードに移行するよう上記蓄電機器に通知する、
    請求項8に記載の電力管理装置。
  10. 上記運転計画作成部は、需要者の契約に基づき電力料金体系を入手し、該電力料金体系を参照して深夜電力時間帯に上記蓄電機器を充電するよう運転計画を作成する、
    請求項2に記載の電力管理装置。
  11. 上記運転計画作成部は、需要者の契約に基づき電力料金体系を入手し、該電力料金体系を参照して深夜電力時間帯に上記蓄電機器を充電するよう運転計画を作成する、
    請求項3から請求項9のいずれか1項に記載の電力管理装置。
  12. 上記運転計画作成部は、上記発電電力予測情報、上記負荷電力予測情報および上記気温予測情報に基づいて、余剰電力発生終了から上記深夜電力時間帯の開始までの上記蓄電機器の放電電力量を算出し、該放電電力量から充電電力量を決定して上記蓄電機器の上記充電終止点を生成する、
    請求項10または請求項11に記載の電力管理装置。
  13. 上記運転計画作成部は、上記蓄電機器の上記充電制限値から第1充電終止点を生成すると共に、上記発電電力予測情報、上記負荷電力予測情報および上記気温予測情報に基づいて、余剰電力発生終了から上記深夜電力時間帯の開始までの上記蓄電機器の放電電力量を算出し、該放電電力量から充電電力量を決定して上記蓄電機器の第2充電終止点を生成し、上記第1充電終止点と上記第2充電終止点とのいずれか低い方を上記充電終止点として決定する、
    請求項10に記載の電力管理装置。
  14. 上記運転計画作成部は、少なくとも上記気温予測情報に基づいて上記蓄電機器の最大放電電流あるいは最大放電電力である放電制限値を予測し、予測される上記放電制限値以下で放電するように上記蓄電機器の上記放電電力量を算出する、
    請求項13に記載の電力管理装置。
  15. 上記運転計画作成部は、少なくとも上記気温予測情報に基づいて上記蓄電機器の最大放電電流あるいは最大放電電力である放電制限値を予測し、少なくとも上記気温予測情報に基づいて上記蓄電機器の放電終止電力量あるいは放電終止電圧である放電終止点を予測し、上記深夜電力時間帯の上記気温予測情報が設定下限値未満になると、上記深夜電力時間帯の開始直前に上記蓄電機器の放電を完了し、該深夜電力時間帯が開始すると上記蓄電機器の充電を開始するように上記運転計画を作成する、
    請求項10に記載の電力管理装置。
  16. 上記運転計画作成部は、上記蓄電機器の充電電力量の計測結果を取得し、上記深夜電力時間帯の上記気温予測情報が上記設定下限値未満になると、上記計測結果に基づいて上記深夜電力時間帯の開始直前まで上記蓄電機器の放電を継続するよう上記運転計画を作成する、
    請求項15に記載の電力管理装置。
  17. 上記蓄電機器に蓄電池を用い、上記蓄電機器情報は、少なくとも上記蓄電池の温度情報である、
    請求項1から請求項16のいずれか1項に記載の電力管理装置。
  18. 上記蓄電機器情報は、上記蓄電池の充放電電流情報を含み、
    気温計測結果を取得し、該気温計測結果、上記蓄電池の上記温度情報、および上記蓄電池の上記充放電電流情報から上記蓄電池の特性を学習する蓄電池特性学習部と、
    上記気温予測情報と上記蓄電池の上記充放電電流情報とに基づいて、上記蓄電池特性学習部から得られる上記蓄電池の特性を参照して、蓄電池予測温度を予測する蓄電池温度予測部とを備え、
    上記運転計画作成部は、上記気温予測情報として、上記蓄電池温度予測部が予測した上記蓄電池予測温度を用いて上記蓄電機器の上記運転計画を作成する、
    請求項17に記載の電力管理装置。
  19. 上記運転計画作成部は、所定の周期毎に、上記システムで現時刻以降、1日が終了までに発生する電力料金が最小になるように、上記蓄電機器の上記運転計画を作成する、
    請求項10または請求項11に記載の電力管理装置。
  20. 上記システムが蓄熱機器であるヒートポンプ式の給湯機を有し、
    上記給湯機の情報を取得する給湯機情報取得部を備え、
    上記運転計画作成部は、上記蓄電機器情報、上記発電電力予測情報、上記負荷電力予測情報、上記電力料金体系、上記気温予測情報と、さらに上記給湯機の情報に基づいて、上記システムで発生する電力料金が最小になるように上記給湯機の運転パターンと上記蓄電機器の上記運転計画とを作成する、
    請求項19に記載の電力管理装置。
JP2016571368A 2015-12-16 2016-07-29 電力管理装置 Active JP6143979B1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015244721 2015-12-16
JP2015244721 2015-12-16
PCT/JP2016/072351 WO2017104161A1 (ja) 2015-12-16 2016-07-29 電力管理装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6143979B1 JP6143979B1 (ja) 2017-06-07
JPWO2017104161A1 true JPWO2017104161A1 (ja) 2017-12-14

Family

ID=59012153

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016571368A Active JP6143979B1 (ja) 2015-12-16 2016-07-29 電力管理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6143979B1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113002364A (zh) * 2021-04-22 2021-06-22 一汽解放汽车有限公司 电池充电截止电荷状态确定方法、装置、电子设备及介质

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5363740B2 (ja) * 2008-01-31 2013-12-11 パナソニック株式会社 充電制御回路、電池パック、及び充電システム
JP2012075224A (ja) * 2010-09-28 2012-04-12 Shikoku Res Inst Inc 再生可能エネルギーの蓄電システム
JP5681448B2 (ja) * 2010-10-29 2015-03-11 株式会社東芝 家庭用エネルギー管理システム
JP2012175825A (ja) * 2011-02-22 2012-09-10 Mitsubishi Electric Corp 電力管理システム
JP2013051809A (ja) * 2011-08-31 2013-03-14 Hitachi Automotive Systems Ltd 電動車両の充電制御装置
JP5739788B2 (ja) * 2011-11-15 2015-06-24 株式会社東芝 充放電計画立案システムおよび充放電計画立案方法
JP5404756B2 (ja) * 2011-12-16 2014-02-05 三菱電機株式会社 電力管理システム
JP2013198192A (ja) * 2012-03-16 2013-09-30 Mitsubishi Electric Corp 蓄電池の運用方針決定方法および運用方針決定システム
JP6009976B2 (ja) * 2013-03-07 2016-10-19 株式会社東芝 エネルギー管理システム、エネルギー管理方法、プログラムおよびサーバ
JP5996460B2 (ja) * 2013-03-08 2016-09-21 株式会社東芝 エネルギー管理装置、エネルギー管理システム、エネルギー管理方法およびプログラム
JP2015142460A (ja) * 2014-01-29 2015-08-03 京セラ株式会社 電力制御装置、電力制御システム、および電力制御方法
JP6369065B2 (ja) * 2014-03-13 2018-08-08 オムロン株式会社 分散型電源システムの制御装置、パワーコンディショナ、分散型電源システム及び、分散型電源システムの制御方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113002364A (zh) * 2021-04-22 2021-06-22 一汽解放汽车有限公司 电池充电截止电荷状态确定方法、装置、电子设备及介质

Also Published As

Publication number Publication date
JP6143979B1 (ja) 2017-06-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2017104161A1 (ja) 電力管理装置
JP5959783B1 (ja) 電力管理装置
US11502534B2 (en) Electrical energy storage system with battery state-of-charge estimation
US9824409B2 (en) Energy management system, server, energy management method, and storage medium
CN108292860B (zh) 电力控制装置、运转计划制定方法以及记录介质
US9489701B2 (en) Adaptive energy management system
JP5672186B2 (ja) 電力供給システム
JP6436873B2 (ja) 電力管理装置
US20140214219A1 (en) Energy management system, energy management method, medium, and server
EP2953230A1 (en) Energy management system, energy management method, program and server
US20140257584A1 (en) Energy management system, energy management method, medium, and server
US20140172183A1 (en) Power apparatus
EP2966748A1 (en) Energy management system, energy management method, program, and server
Yilmaz et al. A model predictive control for microgrids considering battery aging
JP2018007536A (ja) 新再生エネルギー連係ハイブリッドエネルギー貯蔵装置に対する適応型エネルギー管理スケジューリングシステム及び方法
Hafiz et al. Energy storage management strategy based on dynamic programming and optimal sizing of PV panel-storage capacity for a residential system
Henri et al. Design of a novel mode-based energy storage controller for residential PV systems
JP6664479B2 (ja) 制御装置、電力管理システム、充放電の制御方法及びプログラム
WO2016166836A1 (ja) 機器管理装置、機器管理システム、機器管理方法及びプログラム
JP6985090B2 (ja) 充放電制御装置
JP6143979B1 (ja) 電力管理装置
JP5969365B2 (ja) 電力制御システム
JP6705652B2 (ja) 蓄電池制御方法
JP2016152703A (ja) 電力管理システム、電力管理方法及びプログラム
Essayeh et al. Optimal sizing of a PV-ESS microgrid system under dynamic pricing of utility energy

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170322

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170411

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170509

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6143979

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250