[第1の実施形態]
以下、本発明の第1の実施形態につき図1〜図13を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る光源装置30を備えた露光装置EXの概略構成を示す。露光装置EXは、一例として走査露光型の投影露光装置である。図1において、光源装置30は、アーク放電型の超高圧水銀ランプよりなる放電ランプ1と、放電ランプ1の陰極側の口金部26を保持する支持部材33と、支持部材33を移動可能な引き出し部36(図4(B)参照)と、支持部材33に対する口金部26の固定及び解除を行う駆動ユニット34と、放電ランプ1のガラス管25(バルブ)を囲むように配置された楕円鏡2(集光ミラー)と、露光時(放電ランプ1の使用時)に、放電ランプ1及び楕円鏡2等を収容する箱状のランプハウス31とを有する。露光時に、放電ランプ1のガラス管25内の発光部は、一例として楕円鏡2の第1焦点付近に配置されている。
また、光源装置30は、放電ランプ1の陽極側の口金部28に着脱可能に連結可能な可撓性を持つ電力ケーブル24と、放電ランプ1の陰極側の口金部26に支持部材33を介して連結される可撓性を持つ電力ケーブル23と、電力ケーブル23,24を介して放電ランプ1に電力(電流)を供給して放電ランプ1を発光させる電源部20と、使用済みの放電ランプ1を交換する全自動型の交換装置50とを有する。交換装置50は、陽極側の口金部28に対する電力ケーブル24の着脱を行うクランプ機構52と、放電ランプ1を保管する保管部54と、支持部材33と保管部54との間で放電ランプ1を搬送するランプ搬送系56と、保管部54及びランプ搬送系56を収容する箱状のケーシング51とを有する。
なお、支持部材33は、図4(B)に示すように、実際には、上部に輪帯状のフランジ部が形成されたほぼ円筒状の金属製(導電性)の部材である。支持部材33は、後述のようにランプハウス31の内面のガイド部材41に沿って移動可能に支持された引き出し部36の中央に、そのフランジ部を介して固定されており、支持部材33と引き出し部36とは電気的に絶縁されている。また、引き出し部36の底面に口金部26用の駆動ユニット34が設けられている。
図1において、光源装置30は、電源部20、駆動ユニット34、及びランプ搬送系56等の動作を制御する光源制御系32を有する。光源制御系32は、放電ランプ1の累積使用時間をモニタしており、その累積使用時間が予め定められている許容時間に達したときには、交換装置50を作動させてその使用済みの放電ランプ1を未使用の放電ランプで交換する。光源装置30の詳細な構成及び動作については後述する。
露光装置EXは、光源装置30から供給される光束から選択される露光光ILを用いてマスクMを照明する照明光学系13と、露光光ILのもとでマスクMのパターンの像をフォトレジストが塗布されたガラス基板よりなるプレートP(感光基板)の表面に投影する投影光学系PLと、マスクMを移動するマスクステージMSTと、プレートPを移動する基板ステージPSTと、光源装置30を含む露光装置全体の動作を統括的に制御するコンピュータよりなる主制御系14とを備えている。
一例として、露光装置EXは、液晶表示デバイス製造用の露光装置であり、露光装置EXの本体部(マスクステージMST、投影光学系PL、及び基板ステージPSTを含む部分)は、製造工場にある箱状のチャンバ(不図示)の内部に設置され、光源装置30は、そのチャンバの屋上RTに設置されている。光源装置30は、放電ランプ1の累積使用時間が許容時間に達したときに、その旨の情報を主制御系14に供給する。これに応じて、主制御系14は、光源装置30から放電ランプ1の交換が完了したことを示す情報が供給されるまで、露光装置EXの露光動作を停止させる。以下、投影光学系PLの光軸AXに平行にZ軸を取り、Z軸に垂直な平面(本実施形態ではほぼ水平面である)内で図1の紙面に平行にX軸を、図1の紙面に垂直にY軸を取って説明する。
放電ランプ1から射出された光束は、楕円鏡2によって第2焦点付近に収束された後、シャッタ(不図示)の近傍を通過して発散光となって光路折り曲げ用のミラー3に入射する。ミラー3もランプハウス31内に収容されている。ミラー3で反射された光束は、ランプハウス31の光透過性の窓部材4を通過して干渉フィルタ5に入射し、干渉フィルタ5により所定の輝線(例えば波長365nmのi線)よりなる露光光ILのみが選択される。なお、露光光ILとしては、i線の他に、g線、h線、若しくはこれらの混合光等、又は水銀ランプ以外のランプの輝線等も使用できる。その選択された露光光ILは、フライアイレンズ6(オプティカル・インテグレータ)に入射し、フライアイレンズ6の射出面に配置された可変開口絞り(以下、照明σ絞りという)7上に多数の2次光源が形成される。可変σ絞り7を通過した露光光ILは、第1リレーレンズ8を経てマスクブラインド(可変視野絞り)9に入射する。マスクブラインド9の配置面はマスクMのパターン面と実質的に共役であり、駆動装置9aを介してマスクブラインド9の開口形状を設定することで、マスクM上での照明領域が規定される。また、プレートPのステップ移動時等に不要な露光光がプレートPに照射されないように、ステージ制御系15が駆動装置9aを介してマスクブラインド9を開閉することができる。
マスクブラインド9を通過した露光光ILは、第2リレーレンズ10、露光光ILの光路を折り曲げるためのミラー11、及びコンデンサレンズ12を介してマスクMのパターン面のパターン領域を照明する。干渉フィルタ5、フライアイレンズ6、可変σ絞り7、リレーレンズ8,10、マスクブラインド9、ミラー11、及びコンデンサレンズ12を含んで照明光学系13が構成されている。光源装置30からの光束は、照明光学系13を経て露光光ILとしてマスクM(マスク)の例えばY方向に細長い照明領域を照明する。マスクMの照明領域内のパターンが投影光学系PLを介して、プレートPの一つのショット領域の露光領域(照明領域と光学的に共役な領域)に投影倍率β(βは例えば等倍、拡大倍率、又は縮小倍率)で投影される。なお、投影光学系PLとしては、複数の投影光学系が例えばY方向に2列に配列されたマルチ投影光学系等を使用してもよい。このように複数の投影光学系を使用する場合には、照明光学系13からの露光光ILは、マスクMのパターン面の複数の照明領域を並列に照明する。
マスクMは、マスクベース(不図示)上でX方向、Y方向、及びZ軸回りの回転方向に微動可能なマスクステージMSTの上面に保持されている。マスクステージMSTの位置は、これに固定された移動鏡17Rに計測用レーザビームを照射するレーザ干渉計18Rによって高精度に計測され、この計測値がステージ制御系15及び主制御系14に供給されている。その計測値及び主制御系14からの制御情報に基づいて、ステージ制御系15がリニアモータ等を含む駆動系19Rを介してマスクステージMSTの位置を制御する。
一方、プレートPは不図示のプレートホルダを介して基板ステージPSTの上面に保持され、基板ステージPSTはベース部材(不図示)上にX方向及びY方向に移動可能に載置されている。基板ステージPSTの位置は、これに固定された移動鏡17Wに計測用レーザビームを照射するレーザ干渉計18Wにより高精度に計測され、この計測値はステージ制御系15及び主制御系14に供給されている。その計測値及び主制御系14からの制御情報に基づいて、ステージ制御系15はリニアモータ等を含む駆動系19Wを介して基板ステージPST(ウエハW)の位置を制御する。
プレートPの露光時には、基板ステージPSTによりプレートPの各ショット領域を投影光学系PLの露光領域の手前に移動する動作(ステップ移動)と、光源装置30からの光束で照明光学系13を介してマスクMを照明しつつ、マスクM及びプレートPを投影光学系PLに対して同期してX方向(走査方向)に移動して、プレートPの一つのショット領域の全面にマスクMのパターンの像を露光する動作(走査露光)とが、ステップ・アンド・スキャン方式で繰り返される。これによって、マスクMのパターンの像がプレートPの各ショット領域に転写される。
なお、この露光に際して予めアライメントを行うために、例えば基板ステージPSTの内部には、マスクMに形成されたアライメントマークの位置を検出するための空間像計測部22が設置され、投影光学系PLの側面には、プレートPの各ショット領域に付設されたアライメントマークの位置を検出するためのアライメント系21が設置されている。空間像計測部22及びアライメント系21の検出信号はアライメント信号処理系16に供給され、アライメント信号処理系16は、例えばそれらの検出信号を処理して、マスクMのアライメント情報及びプレートPの各ショット領域の配列情報を求め、求めた情報を主制御系14に供給する。主制御系14は、それらの情報に基づいてマスクMのアライメント及び露光時のプレートPの位置制御を行う。これによって、重ね合わせ露光時に高い重ね合わせ精度が得られる。
次に、本実施形態の光源装置30の構成及び光源装置30を用いる放電ランプ1の交換動作等につき詳細に説明する。
図2は、図1中の光源装置30の放電ランプ1を示す。図2において、放電ランプ1は、バルブ部25a及びこれを挟むように固定されたほぼ対称で円筒状の2つの棒状部25b1,25cからなるガラス管25と、一方の棒状部25b1の端部を覆うように設けられた連結部25b2と、連結部25b2の端部に連結された陰極側の口金部26と、他方の棒状部25cの中間部分を覆うように設けられたカバー部25dと、棒状部25cの端部に連結された陽極側の口金部28とを備えている。そのバルブ部25a内に発光部を形成するための陽極EL1及び陰極EL2が対向して固定され、陰極EL2及び陽極EL1はそれぞれ口金部26及び28に電気的に接続されている。口金部26の全部及び口金部28の大部分(後述の球体27を除く部分)は電気伝導率及び熱伝導率の良好な金属(例えば黄銅等)から形成されている。口金部26、ガラス管25、及び口金部28は、ガラス管25の棒状部25b1,25cの中心軸を結び発光部の中心を通る一つの直線に沿って配置されている。その棒状部25b1,25cの中心軸を結ぶ直線に平行な方向が放電ランプ1の長手方向Lである。なお、カバー部25d及び連結部25b2は必ずしも設ける必要はない。この場合、棒状部25b1の端部に口金部26を連結してもよい。
口金部26及び28は、基本的に陰極EL2及び陽極EL1に図1の電源部20から電力ケーブル23及び24を介して電力を供給するための電力受給端子として使用される。その他に、口金部26は、ガラス管25(放電ランプ1)を支持部材33(図4(B)参照)によって支持するための被支持部としても使用される。さらに、口金部26及び28にはともにガラス管25から伝導してくる熱を効率的に発散するための凹凸部(表面積を大きくした部分)が形成されている。
また、陰極側の口金部26には、連結部25b2から開放端側に順に、連結部25b2の外径の2倍程度の外径の輪帯状のフランジ部26a(当接部及び長手方向Lの位置の規定部)と、連結部25b2の外径よりも僅かに大きい外径の円柱状の軸部26b(嵌合部又は位置の規定部)と、軸部26bよりも外径の小さい円柱状の小径部26f(段差部)と、軸部26bより僅かに小さい外径、あるいは軸部26bと略同じ外形の円柱状の固定部26hとが形成されている。軸部26bと小径部26fとの境界部には面取り部(不図示)を形成してもよい。固定部26hの開放端側に面取り部26iが形成され、固定部26hの端部に小径部26fより直径の小さい棒状の案内部26jが形成されている。なお、円柱状の軸部26bの外形は、棒状部25b1の外形とほぼ同じ外形であってもよい。小径部26fは、軸部26bと固定部26hとの間に、放電ランプ1の長手方向Lと交差する方向に関して凹部(段部)を設けることによって形成される。
放電ランプ1を図4(B)の支持部材33に載置する際に、フランジ部26aは支持部材33の中央の開口を囲む段差部に当接して、ガラス管25の発光部の長手方向L(第1方向)における位置決めの基準となり、軸部26bはその開口に嵌合して、その発光部の長手方向Lに直交する面内における位置決めの基準となる。
また、固定部26hの小径部26fに被押圧面26gが形成されている。被押圧面26gは、長手方向Lに垂直な平面である。図4(B)の駆動ユニット34は、放電ランプ1を支持部材33で支持する際に、口金部26の固定部26h(被押圧面26g)を下方(−Z方向)に付勢するレバー38と、固定部26hを付勢する方向にレバー38を反時計回りに回転させる引っ張りコイルばね39と、レバー38による口金部26の固定を解除するためにレバー38を時計回りに回転させる例えばエアシリンダ又は電磁シリンダ等の駆動部40とを有する。支持部材33に放電ランプ1を固定して支持する場合には、駆動部40によるレバー38の時計回りの回転を解除すればよく、支持部材33から放電ランプ1を取り出す際には、駆動部40によってレバー部材38を時計回りに回転すればよい。なお、駆動ユニット34としては、国際公開第2007/066947号パンフレットに記載されている機構を使用することもできる。
放電ランプ1で発生する熱は、口金部26を介して、表面積が大きく熱容量の大きい支持部材33に流れるため、放電ランプ1の温度の上昇が抑制できる。なお、放電ランプ1の冷却効果を高めるために、図4(B)の支持部材33の口金部26の固定部26hが差し込まれている開口内に、送風装置(不図示)から冷却された気体を送風するようにしてもよい。
図2において、一例として、口金部26の軸部26bの表面に、フランジ部26aから小径部26fにかけて、螺旋状の溝部(不図示)を形成してもよい。この溝部に、外部から例えば冷却用の気体を供給することによって、放電ランプ1の冷却効果を高めることができる。
また、口金部26のフランジ部26aには一例として90°間隔で2箇所の開口AP1,AP2(位置決め部)(開口AP2は不図示)が形成されている。これに応じて、図4(B)の支持部材33のフランジ部26aが載置される面には、2つのピン(不図示)が設けられている。支持部材33に放電ランプ1を載置する際に、フランジ部26aの開口AP1等にそれらの2つのピンが差し込まれることで、放電ランプ1の長手方向Lに沿った軸の回りの位置決めが行われる。それらの開口AP1等と陽極側の口金部28との相対的な角度は、口金部28と電力ケーブル24とを連結しやすい角度(所定角度)に設定されている。
なお、陰極側の口金部26の形状は任意である。口金部26としては、例えばフランジ部26a及び軸部26bのみを備え、軸部26b中に駆動ユニット34のレバー38の先端部を差し込むことができる凹部が形成されているような部材を使用することもできる。 図2において、陽極側の口金部28は、放電ランプ1のガラス管25の棒状部25c側から開放端側に順に、棒状部25cの直径よりも大きい外径の複数の輪帯状の放熱フィン28jが形成された放熱部28iと、外形が球面状の被把持部28e(被保持部)と、V字型の2つの平面部28b,28cが形成されたほぼ三角柱状の非軸対称の端子部28a(被連結部)(図3(A)参照)とを備えている。
図3(B)は、図2の放電ランプ1が未使用の状態における陽極側の口金部28を示し、図3(C)は、放電ランプ1を使用した後の状態における陽極側の口金部28を示し、図3(A)は図3(B)のAA線に沿う断面図である。図3(A)において、端子部28aの2つの対称に(V字状に)傾斜した平面部28b,28cを連結するように平面部28dが形成され、平面部28b,28cの間に、平面部28dに平行に狭い幅の面取り部28a4が形成されている。
図3(B)において、口金部28の放熱部28i及び被把持部28eを含む部分の上端部が、放電ランプ1のガラス管25の棒状部25cの端部の連結部25dに、例えば複数のボルト(不図示)によって固定されている。また、被把持部28eの上端部に形成された円形の凹部28e1の中央に円形の凸部28e2が設けられている。さらに、その凹部28e1にその凸部28e2を囲むように、ほぼ円筒状で下端部に輪帯状のフランジ部29eが設けられた収容部29のフランジ部29eが載置され、収容部29の上部29aの中央に設けられた円形の開口29bを覆うように、真球度が高く、収容部29の熱膨張率よりも小さい熱膨張率を持つ球体27が載置されている。収容部29の内部の大きさは球体27が放電ランプ1の長手方向及びこの長手方向に直交する面内である程度変位できる程度である。放電ランプ1を保管している際の温度(ほぼ常温)では、開口29bの直径は球体27の直径より小さく、放電ランプ1の口金部26,28に通電して放電ランプ1を発光させて放電ランプ1の温度が上昇した状態(放電ランプ1の使用を例えば数時間以上継続した状態)では、収容部29の熱膨張によって開口29bの直径が球体27の直径より大きくなるように開口29bの直径が規定されている。これによって、放電ランプ1の使用を例えば数時間以上継続した状態では、図3(C)に示すように、球体27が開口29bを通過して収容部29内に収容される。一例として、球体27は例えばセラミックス製の熱膨張率がきわめて小さいボールであり、収容部29はステンレス又はアルミ合金等の金属製である。なお、球体27は例えばインバーのような低膨張率の合金等から形成してもよい。
また、図3(B)において、収容部29及び収容部29の上部にある球体27を覆うように、外形がほぼ三角柱状で下端部に円形のフランジ部28a3が設けられた端子部28aが載置されている。端子部28aの内面は収容部29の外形をわずかに大きくした形状の筒状であり、端子部28aの内面の上端と球体27との間の隙間は、球体27が収容部29の開口29bから外れないように小さく設定されている。収容部29のフランジ部29eと端子部28aのフランジ部28a3とは重なっており、一例としてフランジ部29e,28a2を複数箇所でボルトBA1によって被把持部28eの凹部28e1に固定することで、被把持部28eに収容部29及び端子部28aが固定されている。なお、説明の便宜上、図3(C)では、フランジ部29e,28a2の図示を省略している。
また、端子部28aの平面部28dに平行で、かつ収容部29の中心軸を通過する直線に沿って、収容部29の側面に対向するように、球体27よりも直径の小さい2つの円形の開口29c,29dが形成され、端子部28aの平面部28d及び面取り部28a4を含む領域に、それぞれ開口29c,29dに対向するように開口29c,29dとほぼ同じ直径の円形の開口28a1,28a2が形成されている。開口29c,29dの高さは、球体27が開口29bを通過して収容部29の内部(被把持部28eの上面)に落下したときに、開口29c,29dの中心が球体27の中心にほぼ一致するように設定され、収容部29の内面と球体27との隙間は、球体27が球体27の直径の例えば5%から30%程度(例えば10%程度)だけ移動可能なように設定されている。
また、図4(B)に示すように、保管部54の放電ランプ1が載置されるターンテーブル79の上方に、放電ランプ1の端子部28aの開口28a1,28a2(ひいては収容部29の開口29c,29d)の中心に光ビームLB1を照射する照射部94Aaと、球体27が収容部29内に落下していない状態で、それらの開口28a1,28a2,29c,29dを通過した光ビームLB1を検出する受光部94Abとを有する第1の検出装置94Aが配置され、受光部94Abの検出信号が光源制御系32に供給されている。収容部29内に球体27が落下している状態では受光部94Abで光ビームLB1を検出できないため、第1の検出装置94Aを用いて、収容部29内に球体27があるかどうか、すなわち放電ランプ1が使用済みか又は未使用かを検出できる。つまり、収容部29に対する球体27の状態が変化したことにより、放電ランプ1が使用済みか又は未使用かを検出できる。また、収容部29および球体27は、放電ランプ1が使用済みか又は未使用かが検出される被検出装置であると言える。また、球体27は、収容部29内を移動するため可動部であると言える。
また、保管部54のターンテーブル79の下方に、放電ランプ1の口金部26の固定部26hの中心付近の位置に光ビームLB2を照射する照射部94Baと、放電ランプ1がない状態で、その位置を通過した光ビームLB2を検出する受光部94Bbとを有する第2の検出装置94Bが設置され、受光部94Bbの検出信号が光源制御系32に供給されている。光ビームLB2の光路に固定部26hがある状態では受光部94Bbで光ビームLB2を検出できないため、第2の検出装置94Bを用いて、ターンテーブル79の所定の位置に放電ランプ1があるかどうかを検出できる。
また、本実施形態の口金部28は、被把持部28eの凹部28e1に設けられた複数の開口(不図示)内のボルト(不図示)によって、ガラス管25の棒状部25cの端部に設けられて、陽極EL1と電気的に接続されている金属製の連結部25dに連結されている。このため、口金部28は、放電ランプ1の使用後に取り外しができ、取り外した口金部28を新たな放電ランプ1を製造する際に再利用できるようになっている。なお、口金部28は、ガラス管25に接着又は溶着等により一体化されていても良い。
図5は、陽極側の口金部28に電力ケーブル24を連結した状態を示す。図5において、電力ケーブル24の端部には、口金部28の端子部28aの平面部28b,28cと同じ角度のV字型の溝部66aが形成された金属製(導電性)の部材(以下、給電ブロックという)66が連結されている。また、給電ブロック66は、L字型の基準レバー67の下端部に固定され、基準レバー67には、連結ピンP51を介して回転可能にL字型の駆動レバー69が連結され、駆動レバー69の下端部に連結ピンP52を介して回転可能にローラ70が固定されている。口金部28の端子部28aの平面部28b,28cと反対側の平面部28dにローラ70が押し付けられる。なお、平面部28dには、ローラ70を収めることができる大きさの凹部(不図示)を形成してもよい。
後述のように給電ブロック66を端子部28aに連結する際に、放電ランプ1に作用する応力をできるだけ小さくするため(基準レバー67及び駆動レバー69の可撓性を大きくするため)に、さらに、楕円鏡2によって集光された光の遮光量を小さくするために、基準レバー67及び駆動レバー69はできるだけ薄く形成されている。また、図5では、基準レバー67は2枚のL字型の部材の両端部(他方の端部は不図示)を連結したものであるが、基準レバー67は、1枚のL字型の部材から形成してもよい。
給電ブロック66、基準レバー67及び駆動レバー69を含んでクランプ機構52が構成されている。基準レバー67及び駆動レバー69の他端側は、図4(B)に示すようにそれぞれ細長く形成されている。給電ブロック66の溝部66aを口金部28の端子部28aの平面部28b,28cに密着するように押し当てた状態で、駆動レバー69の先端部のローラ70を端子部28aの平面部28dに押し当て、駆動レバー69を連結ピンP51(支点)の回りに反時計回りに回転させることで、テコの原理によって強い力で、ローラ70と給電ブロック66との間に端子部28aを安定に挟み込むことができる。この状態で、電力ケーブル24の電力(電流)は、小さい電気抵抗で給電ブロック66を介して口金部28に供給されるため、電力の損失が小さくなる。また、電力ケーブル24(給電ブロック66)を口金部28(端子部28a)から取り外す場合には、駆動レバー69を時計回りに回転させればよい。
口金部28の端子部28aは、V字型の平面部28b,28cによって給電ブロック66との間の電気抵抗(接触抵抗)を小さくできる。なお、駆動レバー69の先端部にはローラ70を設けることなく、その先端部の形状を円弧状にして、この円弧状の部分をその平面部28dに押し当ててもよい。
また、陽極側の口金部28の端子部28aの形状は、図2(B)の形状に限定されることなく、断面形状が4角形又は多角形等でもよい。
なお、以下で参照する図4(A)及び(B)等においては、説明の便宜上、放電ランプ1の口金部26,28の形状は簡略化して表されている。
次に、図4(A)は図1の光源装置30のランプハウス31及びケーシング51の内部を示す平面図、図4(B)は図4(A)の光源装置30を示す側面図である。なお、図4(A)、(B)、及び以下で参照する図6(A)、(B)等では、ランプハウス31、ケーシング51、放電ランプ1等を支持する支持部材33、及び引き出し部36等を断面で表している。
図4(A)及び(B)において、ランプハウス31は、放電ランプ1が収容される下部ハウジング31Aと、ミラー3が収容され側面に窓部材4が設置された上部ハウジング31Bとに分かれている。ハウジング31A,31Bの隣接する面には、放電ランプ1からの光を通すための開口31Abが設けられ、下部ハウジング31Aの+X方向の側面には、放電ランプ1の交換時に放電ランプ1等を通すための開口部31Aaが設けられている。下部ハウジング31Aの+X方向の側面に交換装置50のケーシング51が設置され、開口部31Aaに対向するケーシング51の側面には、放電ランプ1等を通すための開口部51aが設けられている。
ケーシング51の+X方向の側面には、放電ランプ1の搬出及び搬入用の窓部51bが設けられ、窓部51bはドア(以下、ランプ交換扉という)45によって開閉される。交換装置50のケーシング51と、下部ハウジング31Aとは、位置関係がずれないように不図示の連結部材等によって連結されている。ケーシング51内の+X方向の端部の窓部51bの近傍には、放電ランプ1用の保管部54が設置され、ケーシング51内の上部にランプ搬送系56が配置されている。また、ケーシング51には、不図示であるが、外気取り入れ口及び取り入れた外気から塵埃等を除去するフィルタが設けられている。
また、下部ハウジング31AのY方向の2つの側面に対向するようにX方向に平行に1対のガイド部41が設けられ、ガイド部41に沿ってX方向に移動可能に引き出し部36が配置され、引き出し部36の中央部に支持部材33を介して放電ランプ1が支持されている。なお、ガイド部材41としては、例えばテレスコピック方式(多段式)のガイド機構を使用してもよい。また、引き出し部36には、放電ランプ1を囲むように、円形の開口2a(図4(A)参照)が設けられた楕円鏡2が設置され、下部ハウジング31Aの上部に、放電ランプ1の口金部28に連結されたクランプ機構52を覆うように、円錐台の側面のような形状の遮光部材42が配置されている。遮光部材42の+X方向の側面には、放電ランプ1の交換時に放電ランプ1及びクランプ機構52を通すための開口(不図示)が設けられている。
また、交換装置50は、上記の陰極側の口金部26用の駆動ユニット34、陽極側の口金部28用のクランプ機構52、保管部54、及びランプ搬送系56の他に、下部ハウジング31A内から開口31Aa,51aを通してケーシング51側に引き出し部36を引き出す引き出し駆動ユニット60と、クランプ機構52による口金部28のクランプ及びその解除を行う駆動ユニット72とを有する。その引き出し駆動ユニット60は、図4(A)に示すように、ケーシング51内の床面において、下部ハウジング31Aの中心を通りX軸に平行な直線よりも−Y方向側に、X方向に沿って配置されたガイド部材61と、ガイド部材61に沿ってX方向に移動可能に配置されたベーステーブル62と、ベーステーブル62をガイド部材61に沿ってX方向に駆動する例えばボールねじ方式、ベルト駆動方式、又はリニアモータ方式等の駆動部63と、連結部材43とを有する。連結部材43は、ベーステーブル62の−X方向側の端部において+Y方向に突き出るとともにZ方向に突き出た先端部62aと、引き出し部36の+X方向の端部でY方向の中央部に設けられた凸の被連結部36cとを連結する。
引き出し駆動ユニット60の駆動部63で、ガイド部材61に沿ってベーステーブル62を+X方向に移動することによって、下部ハウジング31A内の引き出し部36を、引き出し部36に支持されている放電ランプ1がケーシング51内に入る位置まで移動する(引き出す)ことができる。なお、引き出し部36はガイド部材41によって支持されているとともに、引き出し部36はガイド部材41に沿ってX方向に円滑に移動可能であるため、ベーステーブル62には引き出し部36の荷重はほとんど作用していない。このため、引き出し駆動ユニット60としては、ガイド部材61を用いた機構ではなく、単に例えばエアシリンダ等で引き出し部36をX方向に移動する機構を用いてもよい。
また、放電ランプ1の口金部28のクランプ機構52を駆動する駆動ユニット72は、ベーステーブル62の上面に固定されてX軸に対してわずかに(例えば15度程度)時計回りに傾斜した方向(以下、クランプ機構52の退避方向Dという)(図4(A)参照)に沿って配置されたガイド部材73と、ガイド部材73に対して2つのスライダ74を介して退避方向Dに移動可能に載置された平板状の可動テーブル75と、可動テーブル75をベーステーブル62に対して退避方向Dに駆動するエアシリンダ又は電磁シリンダ等の駆動部77と、可動テーブル75の上面に固定されたZ方向に細長い支持部材65とを有する。さらに、可動テーブル75の上面の−X方向の端部にZ方向に細長い中継部材64が固定され、中継部材64の上部に電力ケーブル24の他端が連結され、中継部材64のZ方向の中央部に、支持部材33に連結された電力ケーブル23の他端が引き出し部36に設けられた開口を通して連結されている。電力ケーブル23,24は、さらに可撓性を持つ延長ケーブル(不図示)を介して図1の電源部20に接続されている。
図7(A)は、クランプ機構52及び駆動ユニット72の詳細な構成を示す。図7(A)において、クランプ機構52の基準レバー67の+X方向の端部は、支持部材65の上端に短いリニアガイド71Hを介して、図4(A)の退避方向Dに平行な可動方向D1(一軸方向)に微動可能に支持されている。また、駆動ユニット72は、基準レバー67の+X方向の端部の近傍の底部に一端が固定されて、駆動レバー69の+X方向の端部を上方に引き付ける引っ張りコイルばね68と、可動テーブル75の上面に一端が固定されて、駆動レバー69の+X方向の端部を下方(−Z方向)に変位させることができるエアシリンダ又は電磁シリンダ等の駆動部76とを有する。駆動部76の一端は、回転可能な継ぎ手76aを介して可動テーブル75に連結されている。駆動部76の可動子の先端部と駆動レバー69の端部とは、回転可能な継ぎ手76bを介して連結されている。一例として、継ぎ手76aとしてはいわゆるクレビスジョイントが使用でき、継ぎ手76bとしてはいわゆるナックルジョイントが使用できる。
図7(A)の状態では、駆動部76は駆動レバー69の端部に力を作用させていないため、引っ張りコイルばね68によって駆動レバー69には基準レバー67に対して反時計回りの力が作用する。これによって、駆動レバー69の−X方向の端部に設けられたローラ70が口金部28の端子部28aを給電ブロック66側に付勢するため、端子部28aは給電ブロック66とローラ70とで安定に保持されている。この際に、可動テーブル75と放電ランプ1との間隔が目標値からずれていても、そのずれ量は、リニアガイド71Hを介して基準レバー67が可動方向D1に移動することで相殺される。
次に、クランプ機構52による端子部28aのクランプを解除する場合には、図7(B)に示すように、駆動部76によって駆動レバー69の端部を下方に引き付けて、ローラ70を端子部28aよりも高い位置まで移動させる。このとき、駆動レバー69の端部の位置は放電ランプ1に近付くが、それに応じて継ぎ手76aによって駆動部76がわずかに回転するため、駆動レバー69を変形させるような応力が作用することはない。この状態で、図4(B)の駆動部77によって可動テーブル75を退避方向Dに沿って矢印A2で示す方向に移動することによって、クランプ機構52及び電力ケーブル24を口金部28から引き離すことができる。
また、ランプ搬送系56は、放電ランプ1の陽極側の口金部28の被把持部28eを上方から把持する3つの爪部86と、これらの爪部86を開閉する把持爪開閉機構85と、放電ランプ1を把持して上下(Z方向)に移動するZ軸駆動機構84と、Z軸駆動機構84をZ軸に平行な軸の回りに旋回させる旋回軸83と、旋回軸83をケーシング51の天井部に支持する支持部82とを備えている。
図9(A)は3つの爪部86で口金部28の被把持部28eを把持する状態を示す平面図、図9(B)は図9(A)の側面図である。ランプ搬送系56で放電ランプ1を把持する際には、図9(A)に示すように、3つの爪部86の先端部に設けた凹面がそれぞれ被把持部28eの球面に対向するように、把持爪開閉機構85を位置決めする。この状態で、図9(B)に示すように、把持爪開閉機構85によって3つの爪部86を中心方向に移動して(閉じて)、3つの爪部86の凹面が被把持部28eの球面に接触するまで3つの爪部86を閉じる。なお、3つの爪部86はそれぞれ半径方向に変位可能なバネ機構(不図示)を介して把持爪開閉機構85に連結されているため、口金部28を変形させるような応力が作用することはない。また、より安定に口金部28を保持するために、爪部86の内面に凸部(ピン)を設け、被把持部28eの対応する部分にその凸部が収まる凹部を設けてもよい。
図4(A)及び(B)において、保管部54は、使用済みの放電ランプ1及び未使用の放電ランプ1(以下、放電ランプ1Nともいう)が載置される複数(図4(A)では6個)の開口79a(図11参照)が同心円状に設けられた回転可能なターンテーブル79と、ターンテーブル79を回転する駆動部80とを備えている。開口79aの数がターンテーブル79に保管できる放電ランプ1,1Nの個数であり、その保管できる放電ランプ1,1Nの個数は任意である。一例として、ターンテーブル79は合成樹脂等の耐熱性が高い絶縁性材料から形成されている。それらの開口79aに放電ランプ1又は1Nの陰極側の口金部26の先端部が差し込まれ、放電ランプ1又は1Nは口金部26のフランジ部26a(図1(A)参照)を介して自重によってターンテーブル79に載置される。
図12に示すように、ターンテーブル79の側面には複数の開口79aに対応してそれぞれ中央に凹部があり断面が半円状の位置決め用部材87が設けられ、ターンテーブル79の側面方向に、位置決め用部材87の凹部に係合可能な凸部が設けてありターンテーブル79の半径方向に変形可能な板ばね部88が配置されている。ターンテーブル79を回転軸79bの回りに回転して、位置決め用部材87が板ばね部88(弾性部材)に係合したときにターンテーブル79の回転を停止することで、開口79aの位置を放電ランプ1又は1Nをランプ搬送系56との間で受け渡す位置に確実に位置決めできる。
また、図11に示すように、必要に応じて、ターンテーブル79の下方の放電ランプ1,1Nの受け渡し位置に、放電ランプ1Nを回転する回転部96が配置される。一例として、回転部96は、床面に連結された支持部(不図示)に回転可能に連結された円筒状の回転部95と、回転部95内に挿通される放電ランプ1Nの口金部26の軸部26bを固定するために、3つの駆動部97A,97B,97C(駆動部97Cは不図示)によって回転部95に対して半径方向に駆動されるクランプ部96A,96B,96C(クランプ部96Cは不図示)と、回転部95を回転する歯車98aと、歯車98aを駆動する駆動部98とを備えている。回転部95には回転角を検出するエンコーダ(不図示)が設けられ、このエンコーダの検出結果が光源制御系32に供給され、光源制御系32はその検出結果等を用いて駆動部98及び97A〜97Cの駆動量を制御する。また、回転部96を全体として口金部26の下方に退避させる昇降部(不図示)が配置されており、通常は、回転部96は口金部26の下方に退避している。図11の状態における回転部96の下方に第2の検出装置94Bが配置され、ターンテーブル79の回転部96がある面と反対側の面の上方に第1の検出装置94Aが配置されている。
以下、本実施形態の光源装置30において、交換装置50を用いて放電ランプ1を交換する際の動作の一例につき説明する。この交換動作は光源制御系32によって制御される。 まず、未使用の放電ランプ1Nを露光装置EXに装着する前に、放電ランプ1Nの通電試験(発光試験)を行う場合には、球体27が収容部29内に落下しないように、口金部28を下方にした状態で口金部28,26に通電する。そして、通電終了後には、口金部28の温度が常温付近に戻るまで口金部28を下方にしておく。これによって、実質的に未使用の放電ランプ1Nを使用済みと判定することを防止できる。
はじめに作業者(不図示)は、図4(A)に示されるように、交換装置50のケーシング51のランプ交換扉45を開けて、未使用の放電ランプ1Nの口金部26を保管部54のターンテーブル79の開口79aに差し込み、放電ランプ1Nの口金部26のフランジ部26aを介してターンテーブル79に取り付ける(放電ランプの補充)。ターンテーブル79は電源オフの状態では、手動で回転可能になっており、図12を参照して説明したように、所定の位置決め用部材87が板ばね部88に係合するようにターンテーブル79を回転することで、ターンテーブル79の回転角を手動で正確に設定できる。
なお、放電ランプの補充は、図1の電源部20からの電力の供給を停止して、図4(B)の下部ハウジング31A内の放電ランプ1が消灯している状態で行なうのが望ましい。ただし、下部ハウジング31A内の放電ランプ1の光が外部に漏れ出ないような措置を施し、ターンテーブル79を絶縁材料から形成しておくことによって、放電ランプ1の点灯中にターンテーブル79との間でランプ交換を行なえるようにしても良い。一例として、図4(A)では放電ランプ1,1Nをターンテーブル79に6本セット(補充)可能であるが、使用済みランプを回収するために、ターンテーブル79に空きを作っておく。図4(A)及び(B)は、ランプハウス31内に放電ランプ1が入っている場合を示しているので、ターンテーブル79には、放電ランプ1Nが5本セットされる。この後、ランプ交換扉45が閉じられる。
その後、放電ランプ1の累積使用時間が許容時間に達したときに、光源制御系32は主制御系14にその旨の情報を送信し、主制御系14は露光装置EXの露光動作を停止する。そして、光源制御系32は、電源部20からの放電ランプ1に対する電力の供給を停止させ、放電ランプ1を消灯させた後、交換装置50を作動させて放電ランプ1を保管部54に保管されている放電ランプ1Nで交換する。
すなわち、まず図4(B)において、ランプハウス31内で放電ランプ1及び楕円鏡2を一体的に支持する引き出し部36を、引き出し駆動ユニット60によって矢印A1で示すように+X方向の所定の位置まで引き出す。この結果、引き出し部36は、図6(B)に示す位置まで引き出される。この際に、引き出し部36とともにクランプ機構52、中継部材64、及び駆動ユニット72も一体的に+X方向のケーシング51の内部に引き出される。なお、図6(A)は図6(B)の引き出し部36及び交換装置50を示す一部を断面とした平面図である。また、以下で参照する図8、図10(B)等では、図面の錯綜を避けるため、複数の放電ランプ1Nのうちの一部の図示を省略している。
次に、図7(B)を参照して説明したように、駆動ユニット72の駆動部76でクランプ機構52の駆動レバー69を下方に引いて、放電ランプ1の口金部28の端子部28aを強い力で給電ブロック66に押し付けていたローラ70を連結ピンP51(支点)を軸に回転させ、ローラ70を端子部28aよりも高い位置になるように端子部28aから分離させる。その後、駆動部77(図4(B)参照)によって、クランプ機構52及び駆動部76を支持する可動テーブル75を退避方向Dに沿って矢印A2で示す方向に退避させる。このとき、ローラ70は口金部28の上方を通過することになる。
その後、図8に示すように、駆動ユニット34の駆動部40によりレバー38を時計回りに回転させて、陰極側の口金部26の固定部26hのクランプを解除する。これによって、口金部26は支持部材33から引き抜くことができる。なお、図面の錯綜を避けるため、以下で参照する図10(B)等においては、口金部26用の駆動ユニット34の図示を省略する。
次に、ランプ搬送系56の旋回軸83を旋回させて把持爪開閉機構85を放電ランプ1の口金部28の上方に移動する。そして、矢印A3で示すように、ランプ搬送系56のZ軸駆動機構84によって把持爪開閉機構85を降下させ、把持爪開閉機構85は、その底面の3つの爪部86を閉じることによって口金部28の被把持部28eを把持する(図9(B)参照)。その後、図10(B)に矢印A5で示すようにZ軸駆動機構84によって、放電ランプ1を把持している爪部86を上昇させる。この際に、放電ランプ1の陰極側の口金部26の下端が引き出し部36の上面よりも高くなる位置(すなわち、楕円鏡2の上面よりも高くなる位置)まで放電ランプ1を上昇させる。
その後、図10(A)に矢印A6で示すように、旋回軸83によって、放電ランプ1を把持した把持爪開閉機構85を約180度旋回させて、放電ランプ1をターンテーブル79の上方に移動させる。この際に、保管部54の駆動部80によってターンテーブル79を回転させ、ターンテーブル79の空いている開口79aを把持爪開閉機構85(放電ランプ1)の下方に移動させる。この状態で、把持爪開閉機構85を降下させ、放電ランプ1の口金部26の先端部が開口79a内に収容されてから爪部86を開くことで、図11に示すように、使用済みの放電ランプ1はターンテーブル79の位置A7に載置される。この段階では、昇降部(不図示)によって回転部96は口金部26の下方に退避している。
この後の放電ランプの交換動作につき図13のフローチャートを参照して説明する。まず、図11において、ランプ搬送系56の把持爪開閉機構85を上昇させる。そして、図13のステップ202において、第2の検出装置94Bを用いて、放電ランプ1の陰極側の口金部26があるかどうか(放電ランプ1が位置A7にあるかどうか)を確認する。この段階では、口金部26があるため、動作はステップ204に移行し、第1の検出装置94Aを用いて、陽極側の口金部28の開口28a1,28a2を光ビームLB1が通過するかどうか(放電ランプ1が使用済みで口金部28の球体27が収容部29内に落下しているかどうか)を確認する。
また、光ビームLB1が検出できない場合には、一例として回転部96を上昇させて、受光部94Abで光ビームLB1の検出を継続した状態で、放電ランプ1を±60度程度の範囲内で回転させる。なお、放電ランプ1は作業者によって予め目標とする角度に対して±30度程度の精度で回転角が設定されている。そして、ある回転角で光ビームLB1が検出できた場合には、受光部94Abで検出される光量が最大になる回転角に放電ランプ1の角度を設定する。その後、回転部96を下方に退避させる。なお、ランプ搬送系56及び作業者によってターンテーブル79に載置される放電ランプ1,1Nの角度が目標とする角度(未使用の放電ランプ1Nの場合に、受光部94Abで検出される光ビームLB1の光量がほぼ最大になる角度)に設定されている場合には、放電ランプ1,1Nの回転角を補正する動作は省略できる。
この段階では、放電ランプ1は使用済みで、光ビームLB1は球体27で遮光されるため、光源制御系32は放電ランプ1が使用済みであることを確認できる。その後、ターンテーブル79を360度回転したかどうかを確認し(ステップ212)、ターンテーブル79を360度回転していない場合には、ステップ214において、ターンテーブル79を例えば60度回転してステップ202に移行する。ここでは、説明の便宜上、位置A9の放電ランプ1Nが検出装置94A,94Bの光ビームLB1,LB2の光路上に移動したものとする。
そして、放電ランプ1Nの口金部26があることを確認し(ステップ202)、口金部28の開口28a1,28a2を光ビームLB1が通過するかどうかを確認する(ステップ204)。この際に光ビームLB1が検出できない場合には、回転部96を上昇させて検出される光ビームLB1の光量が最大になるように放電ランプ1Nを回転してもよい。ここでは放電ランプ1Nが未使用で、球体27が光ビームLB1を遮光していないため、光源制御系32は放電ランプ1Nが未使用であることを確認できる。この後、動作はステップ206に移行して、放電ランプ1Nは支持部材33まで搬送される。また、ステップ202において、陰極側の口金部26がない場合には動作はステップ212に移行する。また、ステップ212において、ターンテーブル79を360度回転しても未使用の放電ランプ1Nが確認できない場合には、ステップ216に移行して、オペレータに放電ランプ1Nの補充を求める。
そして、ステップ206においては、再び把持爪開閉機構85を降下させて、爪部86によって未使用の放電ランプ1Nの口金部28の被把持部28eを把持した後、把持爪開閉機構85を上昇させる。そして、放電ランプ1の搬出時と逆の動きによって、図10(A)に点線の矢印B1で示すように、旋回軸83によって把持爪開閉機構85を約180度旋回させ、図10(B)に点線の矢印B2で示すように、放電ランプ1Nを把持する把持爪開閉機構85を降下させ、放電ランプ1Nの陰極側の口金部26を支持部材33に載置する。その後、図8に点線の矢印B3で示すように、把持爪開閉機構85を上昇させ、図6(B)に示すように、駆動ユニット34によって陰極側の口金部26を支持部材33にクランプする。
さらに、図8の駆動部77によって、図7(B)に示すように、クランプ機構52を支持する可動テーブル75を退避方向Dに沿って矢印B4で示す方向(放電ランプ1Nに近づく方向)に移動させ、給電ブロック66を放電ランプ1Nの口金部28の端子部28aに当接させる。その後、駆動部76が可動部を押し出すことで(エシリンダの場合には、吸引力を徐々に弱くすることで)、引っ張りコイルばね68の力によって駆動レバー69が連結ピンP51を中心に回転し、ローラ70が端子部28aに接触して端子部28aを給電ブロック66に強く押し付ける。その結果、陽極側の口金部28に対する給電が電力ロスなく可能となる。
このとき、放電ランプ1Nの陰極側の口金部26は駆動ユニット34(図6(B)参照)によって支持部材33に固定されているため、仮に給電ブロック66の退避方向Dの位置が固定された状態で、陽極側の口金部28に対する給電ブロック66の位置がずれていると、放電ランプ1Nに大きな力が加わり放電ランプ1Nを破損する恐れがある。それを防ぐために、本実施形態では、図7(A)に示すように、給電ブロック66が取り付く基準レバー67は、リニアガイド71Hによって、方向D1(放電ランプ1Nに対して半径方向)に移動可能になっているため、その給電ブロック66の位置決め誤差を補正(吸収)できる。なお、誤差吸収機構としては、例えば可動テーブル75が自由に方向D1に動けるようになっていても良い。
また、口金部28用のクランプ機構52は、駆動レバー69の回転方向及び旋回方向(Z軸に平行な軸の回りの回転方向)には剛性が低く、基準レバー67及び/又は駆動レバー69が撓むことによってその回転方向及び旋回方向の位置決め誤差を吸収できるようになっている。さらに、給電ブロック66の口金部28との接触面である溝部66a(図5参照)は、断面形状がZ方向の位置によらずに一定のV型であるため、口金部28と給電ブロック66との間でZ方向の位置がずれても問題にならない。
図6(B)に示すように、放電ランプ1Nの口金部28に対するクランプ機構52による給電ブロック66のクランプが完了すると、引き出し駆動ユニット60によって、図4(B)に点線の矢印B5で示すようにベーステーブル62を−X方向に移動することによって、引き出し部36を下部ハウジング31A内の元の位置まで戻す。これによって、使用済みの放電ランプ1が未使用の放電ランプ1Nと交換されたことになる。その後、露光装置EXにおいて放電ランプ1Nを点灯させて露光が行われる(ステップ210)。
このように本実施形態の放電ランプの交換方法によれば、放電ランプ1の口金部28の端子部28a内に球体27(可動体)が配置され、放電ランプ1の使用中に口金部28の温度が上昇すると、球体27が端子部28a内の収容部29の開口29bを通過して収容部29内に落下する。そして、この放電ランプ1を保管部54のターンテーブル79に載置すると、端子部28a内の球体27によって第1の検出装置94Aの光ビームLB1が遮光されることを利用して、放電ランプ1が使用済みであることを容易に確認できる。このため、全自動で放電ランプ1と未使用の放電ランプ1Nとを交換する場合に、誤って使用済みの放電ランプ1を再び光源装置30の支持部材33に装着することが防止できる。
また、本実施形態の露光装置EXは、放電ランプ1(露光光源)を発光させるための光源装置30を備えている。そして、放電ランプ1は、発光部を形成するための陽極EL1(第1電極)及び陰極EL2(第2電極)が内部に設けられたガラス管25(ガラス部材)と、そのガラス管25を挟むように設けられた口金部28(第1口金部材)及び口金部26(第2口金部材)と、を備え、口金部28に開口28a1,28a2,29c,29dよりなる貫通孔(開口)が設けられている。
また、光源装置30は、放電ランプ1を保管する保管部54と、放電ランプ1を搬送するランプ搬送系56(搬送部)と、放電ランプ1の口金部28の貫通孔に光ビームLB1を入射させる照射部94Aa(送光部)と、その貫通孔を通過した光ビームLB1を検出する受光部94Abと、受光部94Abの検出結果を用いて放電ランプ1の状態としての放電ランプ1の角度を求める光源制御系32(制御部)と、を備えている。
この実施形態によれば、例えば放電ランプ1を回転しながら、検出される光ビームLB1の光量が最大になるときの放電ランプ1の角度を求めることによって、放電ランプ1の角度を検出できる。その角度を用いて、例えば放電ランプ1の角度を目標とする角度に設定できるため、放電ランプ1が非回転対称である場合に、ランプ搬送系56で容易に放電ランプ1を把持できる。このため、放電ランプ1の交換を効率的に行うことができる。
また、本実施形態の露光装置EXは、上記の光源装置30と、光源装置30の放電ランプ1から発生する光(露光光IL)でマスクMを照明する照明光学系13(照明系)と、露光光ILのもとでマスクMのパターンの像をプレートP(基板)に投影する投影光学系PLと、を備えている。露光装置EXによれば、放電ランプ1の交換時間が短縮できるため、露光工程のスループットを向上できる。
なお、上述の実施形態では以下のような変形が可能である。
まず、上述の実施形態では、放電ランプ1の口金部28の端子部28a内に球体27が配置されているが、球体27を省略することが可能である。この場合には、球体27及び収容部29を省略し、端子部28aをほぼ角柱状に形成し、開口28a1,28a2と同じ位置を通過するように貫通孔を形成してもよい。第1の検出装置94Aからの光ビームLB1をその貫通孔に照射し、放電ランプ1を回転しながら受光部94Abで光ビームLB1の光量を検出することによって、放電ランプ1の回転角を検出できる。
また、上述の実施形態では、給電ブロック66に電力ケーブル24を用いて電力を供給しているが、給電ブロック66(放電ランプ1)に電力を供給する方法としては、電力ケーブル24を用いることなく、基準レバー67及び給電ブロック66を使って(導通して)行なっても良い。また、給電ブロック66には、電力だけでなく、口金部28の冷却用の圧縮空気も放電ランプ1に供給できるようにしても良い。
また、図7(A)のクランプ機構駆動ユニット72は、クランプ機構52の基準レバー67及び駆動レバー69を上下(Z方向)に開閉するように構成したが、左右(放電ランプ1の長手方向に垂直な方向)に開閉するようにしても構わない。そうすることによって、クランプ機構52は、駆動部77でクランプ機構52をX方向に移動する際に、駆動レバー69の先端部のローラ70を口金部28より高い位置まで退避させる必要がなくなる。すなわち、クランプ機構52の開閉動作だけで、放電ランプ1の上方にクランプ機構52の構成部材がなくなるため、放電ランプ1をZ方向に搬送できるようになる。
[第2の実施形態]
第2の実施形態につき図14(A)〜図15(B)を参照して説明する。本実施形態の放電ランプは、陽極側の口金部の構成が第1の実施形態とは異なっている。なお、図14(A)〜図15(B)において図4(A)、(B)に対応する部分には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図14(A)及び(B)は、それぞれ本実施形態に係る放電ランプ1Aの陽極側の口金部28A、及び口金部28Aと電力ケーブル24Aとを着脱可能に連結する給電ソケット152を示す。図14(A)及び(B)において、陽極側の口金部28Aは、放電ランプ1Aのガラス管25の棒状部25cの端部の連結部25dに連結されて、外面が球面状の被把持部28Aeと、被把持部28Aeの下端に棒状部25cの一部を覆うように設けられて、複数の輪帯状の放熱フィン28Ajを有する放熱部28Aiと、被把持部28Aeの上端に設けられた端子部28Aaと、端子部28Aa及び被把持部28Ae内に配置された円筒状の箱状の収容部29Aと、放電ランプ1Aが未使用の状態で、収容部29Aの上部29Aaの中央に設けられた円形の開口29Abを覆うように載置されて、熱膨張率が収容部29Aの熱膨張率よりも小さい球体27と、を有する。端子部28Aaは、先端に向けて順に、次第に直径が小さくなる2段の円柱状の部分を有し、ほぼ軸対称の端子部28Aaの上端に凹部28Abが形成され、凹部28Aaの途中に山型の凸部28Acが設けられている。
収容部29Aは、被把持部28Ae及び端子部28Aa内に形成された凹部内に配置され、端子部28Aa側の圧縮コイルばねSP1によって、収容部29Aは連結部25d側に付勢されている。放電ランプ1Aを保管している際の温度では、開口29Abの直径は球体27の直径より小さく、放電ランプ1Aを発光させて放電ランプ1Aの温度が上昇した状態では、収容部29Aの熱膨張によって開口29Abの直径が球体27の直径より大きくなるように開口29Abの直径が規定されている。これによって、放電ランプ1Aを使用しているときに、球体27は開口29Abを通過して収容部29A内の底部29Ae上に落下する。なお、圧縮コイルばねSP1を設ける代わりに、収容部29Aが配置される空間(例えば端子部28Aa内)に上部が下部に比べて狭くなるように段差を設け、その段部の下面と収容部29Aの上面とが当接するように収容部29Aを配置することで、収容部29Aが上方に移動できないようにしても良い。この場合、下部に比べて狭くなる上部の空間は、球体27が配置可能な大きさであればよい。
また、ガラス管25の中心軸及び収容部29Aの中心(底部29Aeの中央に球体27があるときの、球体27の中心)を通過して、ガラス管25の長手方向に直交する直線に沿って、被把持部28Aeに球体27よりも直径の小さい円形の貫通孔28Ae1が設けられ、貫通孔28Ae1に対向するように収容部29Aの側面に球体27よりも直径の小さい2つの円形の開口29Ac,29Adが形成されている。収容部29Aの内面と球体27との隙間は、球体27が球体27の直径の例えば5%から30%程度(例えば10%程度)だけ移動可能なように設定されている。
放電ランプ1Aが未使用の状態で、第1の検出装置94Aの照射部94Aaから、放電ランプ1Aの貫通孔28Ae1及び収容部29Aの開口29Ac,29Adの中心を通るように光ビームLB1を照射し、受光部94Abでその光ビームLB1を検出することによって、球体27が収容部29A内に落下していないこと、すなわち放電ランプ1Aが未使用であることを確認できる。放電ランプ1Aを使用した後で、図14(B)に示すように、収容部29A内に球体27が落下している状態では球体27によって光ビームLB1が遮光されて、受光部94Abで光ビームLB1を検出できないため、放電ランプ1Aが使用済みであることを確認できる。
また、給電ソケット152は、小さい円板状の本体部153と、本体部153の底面に設けられて端子部28Aaの凹部28Abの上部(テーパ部)に密着可能な連結部154と、連結部154の下端に設けられた凸部155と、凸部155に半径方向に移動可能に設けられた複数(例えば少なくとも4個)の球体157とを有する。
図15(A)及び(B)はそれぞれ給電ソケット152を示す断面図である。図15(A)において、給電ソケット152の本体部153は連結部154が設けられた下端部153Aと、上端部153Bとをボルト(不図示)等で連結したものであり、下端部153Aの中央に円形の凹部153Aaが形成され、凹部153Aaと凸部155の下端との間に小さい円形の貫通孔153Abが形成されている。また、凹部153Aa内にエアシリンダ用のピストン部158が収容され、ピストン部158の底面に貫通孔153Abを通るように円柱状で先端部に凹部158aが設けられた軸部158bが連結されている。凹部153Aa内には、電力ケーブル24A内の配管、及び本体部153内の溝部153Acを通して圧縮されて冷却された気体(例えば空気)が供給可能であり、下端部153Aとピストン部158との間に、ピストン部158を上端部153B側に付勢するように圧縮コイルばね160が設置され、凹部153aとピストン部158との間に、気密性を保つための可撓性を持ち可動の封止部材(例えばオーリング)159が配置されている。また、凸部155の複数の開口154a(図15(B)参照)内にそれぞれ球体157が配置されている。
給電ソケット152を図14(B)に示すように口金部28Aの端子部28Aaに装着する際には、図15(B)に示すように、電力ケーブル24Aからピストン部158に対して圧縮気体を供給して、ピストン部158を降下させて、球体157を凹部158a内に収める。これによって、凸部155の球体157は口金部28Aの凸部28Acの内側を通過できる。その後、電力ケーブル24Aからピストン部158に対する圧縮気体の供給を停止することで、ピストン部158が上昇して、図14(B)に示すように、球体157が凸部28Acに係合して、給電ソケット152が端子部28Aaに安定に連結される。給電ソケット152を端子部28Aaから取り外す際には、再びピストン部158を降下させるように電力ケーブル24Aから圧縮気体を供給すればよい。
なお、上述の各実施形態では、第1の検出装置94Aが保管部54内に配置される構成であったが、これに限定されず、保管部54内に代えて、もしくは保管部54内に加えて、ランプハウス31内に第1の検出装置94Aを設けても良い。その場合、照射部94Aaおよび受光部94Abは、放電ランプ1に起因する熱の影響を回避するように断熱材等でカバーした状態で配置することが好ましい。また、ランプハウス31内で放電ランプ1からできるだけ遠ざけた位置に配置することが好ましい。このように第1の検出装置94Aをランプハウス31内に配置することで、放電ランプ1を点灯する直前に、その放電ランプ1が使用済か未使用かを検出することが可能となる。また、放電ランプ1の点灯中に球体27の落下の有無(ひいては落下するタイミング)を検出することが可能となるので、放電ランプ1の温度の状態、放電ランプ1の温度の上昇速度、ランプハウス31内の温度状態や冷却状態、などを検知することが可能となる。また、その検知結果をもとにランプハウス31内の異常を検知することも可能となる。なお、ランプハウス31内に設けた第1の検出装置94Aの検出結果に基づいて、放電ランプ1の交換を実施する、または交換の実施を促す(実施すべき時期を表示することなどを含む)ようにしてもよい。
次に、上述の第1及び第2の実施形態の露光装置又は光源装置において使用可能な放電ランプの種々の変形例につき説明する。なお、以下の変形例の説明で使用する図面において、図3(B)、図7(A)、及び図14(A)、(B)に対応する部分には同一又は類似する符号を付してその詳細な説明を省略する。
図16(A)は第1変形例の放電ランプ1Bの陽極側の口金部28Aを示す断面図である。放電ランプ1Bは、図14(A)の放電ランプ1Aに対して、口金部28の内部に配置された収容部29Aの開口29Abの輪郭に接している球体27と、球体27に対向している端子部28Aaの内面との間に、球体27を収容部29A側に付勢する圧縮コイルばねSP2が配置されている。また、収容部29Aは放電ランプ1Bの連結部25d側に例えば接着等で固定されている。この他の構成は図14(A)の実施形態と同様である。
この変形例によれば、球体27は圧縮コイルばねSP2で収容部29Aの開口29Ab側に付勢されているため、放電ランプ1Bの搬送中又は使用時に、放電ランプ1Bをその長手方向が水平面に平行になるようにしても、球体27の位置が変化することがない。圧縮コイルばねSP2を設けることで、放電ランプ1Bの使用時(通電時)に、口金部28Aの温度が上昇して、熱膨張によって収容部29Aの開口29Abの直径が球体27の直径よりも大きくなったときに、球体27は確実に開口29Abを通過して収容部29A内に移動する。したがって、放電ランプ1Bを保管しているときに、検出装置94Aの光ビームLB1が球体27で遮られるため、放電ランプ1Bの搬送時及び使用時の姿勢に関係なく、放電ランプ1Bの使用の有無を確実に判別できる。
また、図16(B)の第2変形例の放電ランプ1Cで示すように、球体27が放電ランプの長手方向に直交する方向(横方向)に移動するようにしてもよい。放電ランプ1Cにおいて、口金部28Aの被把持部28Aeの側面に設けた凹部28Afに、円筒型で被把持部28Aeの外側に対向する側壁部に円形の開口29Bbが設けられた収容部29Bを配置されている。さらに、凹部28Af内に、収容部29Bに接するように円筒状の固定部29Cが例えば輪帯状の固定リング(不図示)によって固定され、固定部29C内に開口29Bbの輪郭に接するように球体27が配置され、球体27を開口29Bb側に付勢するように、球体27と固定部29Cの側壁部の内面との間に圧縮コイルばねSP2が配置されている。放電ランプ1Cを保管している際の温度では、開口29Bbの直径は球体27の直径より小さく、放電ランプ1Cを発光させて放電ランプ1Cの温度が上昇した状態では、収容部29Bの熱膨張によって開口29Bbの直径が球体27の直径より大きくなるように開口29Bbの直径が規定されている。
また、収容部29Bの図16(B)の紙面に垂直な方向の側面に、検出装置94Aの光ビームLB1を通すための、球体27よりも直径の小さい2つの円形の開口29Bc,29Bdが形成され、口金部28Aの被把持部28Ae内にも、開口29Bc,29Bdの中心を通る直線に平行に光ビームLB1を通すための貫通穴(不図示)が設けられている。この他の構成は図14(A)の実施形態と同様である。
この変形例においても、球体27は圧縮コイルばねSP2で収容部29Bの開口29Bb側に付勢されているため、放電ランプ1Cの搬送中又は使用時に、放電ランプ1Cをその長手方向が水平面に平行になるように、又は鉛直方向に平行になるようにしても、球体27の位置が変化することがない。このため、放電ランプ1Cの使用時(通電時)に、収容部29Bの開口29Bbの直径が球体27の直径よりも大きくなったときに、球体27は確実に開口29Bbを通過して収容部29B内に移動する。したがって、次に放電ランプ1Cを保管しているときに、検出装置94Aによって、放電ランプ1Cの搬送時及び使用時の姿勢に関係なく、放電ランプ1Cの使用の有無を確実に判別できる。
次に、図17(A)及び(B)は第3変形例の放電ランプ1Dの陽極側の口金部28Bを示す断面図である。この変形例は、球体27が放電ランプ1Dの使用時間に応じて段階的に移動するようにしたものである。図17(A)において、口金部28Bは、放電ランプ1Dの連結部25dに連結されて、外面が球面状の被把持部28Beと、被把持部28Beの下端に設けられた、複数の輪帯状の放熱フィン28Bj(放熱部)と、被把持部28Beの上端に設けられたほぼ円柱状の端子部28Baとを有する。端子部28Baの中央に凹部28Bbが形成され、凹部28Bbの途中に山型の凸部28Bcが設けられている。端子部28Baは、凹部28Bb及び凸部28Bcを介して図14(A)の給電ソケット152の連結部154に連結可能である。
また、端子部28Ba及び被把持部28Be内に連結部25d側から順に積み重ねるように、第1の円筒状の収容部29Aと、第2の円筒状の収容部29Dと、球体27とが配置され、収容部29Aは接着等で連結部25dに固定され、収容部29Dは接着等で収容部29Aの上面に固定されている。収容部29A,29Bはそれぞれ球体27を収容可能な大きさであり、収容部29A,29Bの熱膨張率は球体27の熱膨張率よりも大きい。また、下段の収容部29Aの上部の隔壁部に円形の開口29Abが形成され、上段の収容部29Bの上部の隔壁部に、開口29Abよりも直径の大きい円形の開口29Dbが形成されている。
放電ランプ1Dを保管している際の温度では、開口29Dbの直径d4は球体27の直径より小さく、開口29Abの直径d3は直径d4より小さい。一方、放電ランプ1Dを露光装置に装着して放電ランプ1Dに通電を開始し、放電ランプ1Dを発光させて放電ランプ1Dの温度がたとえば最高温度のほぼ1/2まで上昇した状態(第1閾値)では、収容部29Dの熱膨張によって開口29Dbの直径d4が球体27の直径より大きくなり、球体27は開口29Dbを通過できるが、収容部29Aの開口29Abの直径d3は球体27の直径より小さいままであり、球体27は開口29Abは通過できない。さらに、放電ランプ1Dの発光(通電)を継続して、放電ランプ1Dの温度がほぼ最高温度まで上昇した状態では、収容部29Aの熱膨張によって開口29Abの直径d3が球体27の直径より大きくなり、球体27が開口29Abを通過できるように、開口26Ab,29Dbの直径が規定されている。
また、放電ランプ1Dのガラス管25(図2参照)の中心軸及び収容部29A及び29Dの中心(収容部29A,29Dの中央に球体27があるときの、球体27の中心)を通過して、放電ランプ1D(ガラス管25)の長手方向に直交する直線に沿って、被把持部28Be及び端子部28Ba内にそれぞれ球体27よりも直径の小さい円形の貫通孔28Be1及び28Be2が設けられている。そして、貫通孔28Be1及び28Be2に対向するように、収容部29A及び29Dの側面にそれぞれ球体27よりも直径の小さい2つの円形の開口29Ac,29Ad及び29Dc,29Ddが形成されている。
また、図4(B)の保管部54のターンテーブル79に放電ランプ1Dを載置した状態で、ターンテーブル79の上方に、図17(A)に示すように、放電ランプ1Dの貫通孔28Be1及び収容部29Aの開口29Ac,29Adの中心に光ビームLB1を照射する照射部94Aaと、その光ビームLB1を検出する受光部94Abとを有する第1の検出装置94Aが配置されている。さらに、検出装置94Aの上方に、放電ランプ1Dの貫通孔28Be2及び収容部29Dの開口29Dc,29Ddの中心に光ビームLB3を照射する照射部94Caと、その光ビームLB3を検出する受光部94Cbとを有する第2の検出装置94Cが配置されている。受光部94Ab,94Cbの検出信号は上述の光源制御系32で処理される。この他の構成は図14(A)の実施形態と同様である。
この変形例において、放電ランプ1Dが未使用で、球体27が収容部29Dの開口29Dbの輪郭に接している状態では、光ビームLB1,LB3はそれぞれ収容部29A,29Dを通過して受光部94Ab,94Cbで検出される。言い替えると、検出装置94A,94Cで同時に光ビームLB1,LB3を検出できる場合には、球体27が収容部29Dの上部にあり、放電ランプ1Dが未使用であることを確認できる。
一方、放電ランプ1Dを露光装置に装着して、放電ランプ1Dを発光させて放電ランプ1Dの温度が最高温度のほぼ1/2まで上昇した状態では、収容部29Dの熱膨張によって、図17(B)に示すように、球体27は開口29Dbを通過して収容部29D内に移動する。この状態で放電ランプ1Dの使用を中断し、放電ランプ1Dを保管部54のターンテーブル79に戻した場合、光ビームLB1は収容部29Aを通過して受光部94Abで検出されるが、光ビームLB3は収容部29D内の球体27で遮られて、受光部94Cbでは検出されない。言い替えると、検出装置94Aで光ビームLB1を検出でき、検出装置94Bでは光ビームLB3を検出できない場合には、球体27が収容部29Dの内部にあり、放電ランプ1Dがある所定時間使用(通電、発光)されていることを確認できる。
そして、放電ランプ1Dを露光装置に装着して、放電ランプ1Dを発光させて放電ランプ1Dの温度がほぼ最高温度まで上昇する(第2閾値)まで放電ランプ1Dの使用を継続した状態では、収容部29Aの熱膨張によって球体27が開口29Abを通過して、収容部29A内の点線で示す位置PA1に移動する。その後、例えば所定の使用可能時間が経過して、放電ランプ1Dの使用を中止し、放電ランプ1Dを保管部54のターンテーブル79に戻した場合、光ビームLB3は収容部29Dを通過して受光部94Cbで検出されるが、光ビームLB1は収容部29A内の球体27で遮られて、受光部94Abでは検出されない。言い替えると、検出装置94Aで光ビームLB1が検出されず、検出装置94Bでは光ビームLB3を検出できる場合には、球体27が収容部29Aの内部にあり、放電ランプ1Dはほぼ所定の使用可能時間だけ使用されている(使用済みである)ことを確認できる。
この変形例によれば、球体27が収容部29A,29Dのどちらにあるかを検出することによって、放電ランプ1Dがどの程度の時間使用されていたかを判別できる。なお、この変形例においても、球体27を収容部29Dの開口29Db側に付勢する圧縮コイルばね(不図示)を設けてもよい。なお、収容部29A,29Dを熱膨張率の異なる材質により形成しても良い。収容部29Dを形成する材質を、収容部29Aを形成する材質よりも熱膨張率が高い材質とする。この場合、放電ランプ1Dを発光させて放電ランプ1Dの温度が、たとえば最高温度のほぼ1/2まで上昇した状態では、収容部29Dは球体27が通過可能程度の変形をし、収容部29Aは変形するものの球体27が通過できない程度変形すると、球体27が29D内に収容される。さらに、放電ランプ1Dを発光させて放電ランプ1Dの温度がほぼ最高温度まで上昇した状態では、収容部29Aがさらに変形し、球体27が29Aに収容される。このように熱膨張率の異なる材質により収容部29A,29Dを形成することにより、段階的に放電ランプ1Dの使用有無を検出することができる。また、収容部29A,29Dを熱膨張率の異なる材質により形成する場合は、開口29Abの直径と開口29Dbの直径とを同程度の長さで形成しても良い。また、熱膨張率の差を大きくした場合、開口29Abの直径よりも開口29Dbの直径を長くしても良い。なお、収容部29A,29Dを設けることで放電ランプ1Dの使用有無を2段階で検出したが、収容部を複数個設けることで、2段階よりも多くの段階数により放電ランプ1Dの使用有無を検出するようにしても良い。
次に、図18(A)は第4変形例の放電ランプ1Eを図7(A)のクランプ機構52で保持した状態を示す図、図18(B)は図18(A)の放電ランプ1Eの口金部28Cを示す拡大断面図、図18(C)は図18(B)の端子部28Caを示す断面図である。この変形例では、所定部材の熱膨張ではなく、所定部材の弾性変形を用いて球体27を移動する。
図18(A)において、放電ランプ1Eの陰極側の口金部26は支持部材33によって支持され、放電ランプ1Eの陽極側の口金部28Cの端子部28Caは、クランプ機構52のローラ70によって給電ブロック66側に付勢されて支持されている。
図18(B)に示すように、放電ランプ1Eの端子部28Caにおいて、ローラ70に対向する部分に球体27よりも直径の小さい円形の開口28Chが形成されている。また、端子部28Caの内部において、被把持部28Ceの上面に、図18(D)に示すU字型の切り欠き部29Aaが形成された弾性変形可能な薄い平板状の制限部材29Aが開口28Chと平行に固定され、開口28Chと切り欠き部29Aaとの間に球体27が配置されている。制限部材29Aは例えば鋼材より形成してもよい。また、制限部材29Aに対して端子部28Caの中心方向側で被把持部28Ceの上面に、制限部材29Aの切り欠き部29Aa側から次第に低くなるように傾斜した傾斜部材29Bが固定されている。さらに、端子部28Caの図18(B)の紙面に対して垂直な方向の2つの側面に、図18(C)に示す検出装置94Aの光ビームLB1を通過させるための2つの開口28Cf,28Cgが形成されている。
この変形例において、制限部材29Aに外力が作用していない状態では、制限部材29Aの切り欠き部29Aaの最大の幅d5は、球体27の直径より小さく規定されている。このため、放電ランプ1Eがクランプ機構52に保持されていない状態(球体27にローラ70が接触していない状態)では、切り欠き部29Aaの最大の幅d5は、球体27の直径より小さく、球体27は開口28Chと切り欠き部29Aaとの間に配置され、検出装置94Aの光ビームLB1は端子部28Caの開口28Cf,28Cgを通過可能である。このため、検出装置94Aの検出信号より放電ランプ1Eが未使用であることを確認できる。
一方、放電ランプ1Eがクランプ機構52に保持された状態(球体27にローラ70が接触した状態)では、球体27が制限部材29A側に付勢され、制限部材29Aの弾性変形によって切り欠き部29Aaの最大の幅が球体27の直径より大きくなり、球体27が切り欠き部29Aaを通過し、傾斜部材29Bの上面を転がって、端子部28Ca内でほぼ開口28Cf,28Cgの間の位置に停止する。この状態では、検出装置94Aの光ビームLB1は端子部28Caの開口28Cgを通過できなくなる。この他の構成は、図3(B)の実施形態と同様である。
この変形例によれば、放電ランプ1Eを露光装置で使用するためにクランプ機構52で保持したときに、クランプ機構52のローラ70によって口金部28C内の球体27が制限部材29A側に付勢され、球体27が開口28Cf,28Cgの間に移動する。このため、放電ランプ1Eを保管部のターンテーブル79に戻したときに、検出装置94Aの光ビームLB1が球体27で遮られるため、放電ランプ1Eが使用済みであることを確認できる。さらに、端子部28Ca内に球体27を開口28Cf,28Cgの間の方向に移動させるための傾斜部材29Bが設けられているため、球体27の位置が開口28Cf,28Cgの間に安定に維持される。
なお、制限部材29Aの切り欠き部29Aaの幅は、放電ランプ1Eの使用(通電)による口金部28Cの温度上昇による制限部材29Aの熱膨張によってもある程度広くなる。このため、口金部28Cの温度がほぼ最高温度に達したときに、制限部材29Aの熱膨張によって切り欠き部29Aaの最大の幅d5が球体27の直径より広くなるようにしておいてもよい。
次に、図19(A)、(B)は第5変形例の放電ランプの陽極側の口金部28の端子部28aの内部を示す図である。この変形例では、テコの原理を利用して、球体27が通過する隙間の幅を拡大する。図19(A)の端子部28aの内部において、口金部28の被把持部28eの上面に、ほぼU字型の弾性変形可能な例えば鋼材よりなる制限部材29Eが固定されている。制限部材29Eは、被把持部28eの上面に固定された平板状の固定部29Ecと、固定部29Ecの上面の両端に断面積の小さい部分を介して弾性変形によって開閉可能に設けられた1対のL字型のヒンジ部29Ea,29Ebとを有する。ヒンジ部29Ea,29Ebの先端部の隙間の上に球体27が載置されている。また、ヒンジ部29Ea,29Ebの間に、固定部29Ec側から順に、制限部材29Eの熱膨張率よりも大きい熱膨張率を有する例えばアルミニウムよりなるロッド状の駆動部材29Hと、ヒンジ部29Ea,29Ebの先端部の間隔aを狭くするように作用する引っ張りコイルばね29Iとが設けられている。引っ張りコイルばね29Iは、一例として、図19(A)の紙面に垂直な方向に離れた2箇所に設けられ、2つの引っ張りコイルばね29Iの間に球体27が配置可能である。
また、端子部28aの図19(A)の紙面に垂直な方向の2つの側面に、図3(B)の検出装置94Aの光ビームLB1を通すための、球体27の直径よりも小さい直径の2つの開口28a1,28a2(開口28a1は不図示)が形成されている。
この変形例の放電ランプを保管している際の温度では、ヒンジ部29Ea,29Ebの先端部の間隔aが球体27の直径dより小さくなるように、駆動部材29Hの長さ及び制限部材29Eの形状が規定されている。一方、その放電ランプを発光させてその放電ランプの温度がほぼ最高温度に達した状態では、図19(B)に示すように、駆動部材29Hの熱膨張によるテコの作用によって、ヒンジ部29Ea,29Ebの先端部の間隔が球体27の直径よりかなり大きくなるように駆動部材29Hの長さが規定されている。この場合、球体27は元の位置PA2からその先端部の間隔を通過して、2つの引っ張りコイルばね29Iの間の駆動部材29Hの上面に移動し、図3(B)の検出装置94Aの光ビームLB1は球体27で遮られる。この他の構成は図3(B)の実施形態と同様である。
この変形例において、放電ランプの使用時(通電時)に、駆動部材29Hの熱膨張によって制限部材29Eのヒンジ部29Ea,29Ebの先端部の間隔が球体27の直径より大きくなると、球体27がその先端部の間隔を通って駆動部材29Hの上面に移動する。このため、その放電ランプを保管しているときに、検出装置94Aの光ビームLB1が球体27で遮られるため、放電ランプの使用の有無を確実に判別できる。
さらに、この変形例では、ヒンジ部29Ea,29Ebの先端部の間隔aの伸び量は、駆動部材29Hの熱膨張によるテコの作用によって、制限部材29Eの熱膨張によるヒンジ部29Ea,29Ebの先端部の間隔の伸び量よりも大幅に大きくなる。このため、放電ランプを製造する際の、制限部材29E及び駆動部材29Hの加工精度は、例えば図3(B)の収容部29の開口29bの加工精度よりも低く(粗く)できるため、放電ランプの製造が容易である。
なお、この変形例において、球体27の代わりに、図19(A)の紙面に垂直な方向に伸びた、球体27の直径dと同じ直径の低熱膨張率の円柱27Cを使用してもよい。円柱27Cを使用した場合でも、ヒンジ部29Ea,29Ebの先端部の間隔が直径dよりも大きくなると、円柱27Cはその先端部の間隔を通過して、光ビームLB1を遮る位置に達するため、放電ランプの使用の有無を判別できる。
また、図20(A)、(B)の第6変形例の放電ランプの陽極側の口金部28に示すように、図19(A)の変形例で使用したテコの原理の他に、バイメタル作用によって球体27(又は円柱27C)が通過する隙間を大きくしてもよい。図20(A)において、口金部28の端子部28aの内部に配置された制限部材29Eの両端のヒンジ部29Ea,29Ebの内側にそれぞれ制限部材29Eの熱膨張率よりも大きい熱膨張率を有する例えばアルミニウムよりなる平板状の駆動部材29F,29Gが接着等で固定されている。
この変形例の放電ランプを保管している際の温度では、ヒンジ部29Ea,29Ebの先端部の間隔aは球体27の直径dより小さく、球体27はヒンジ部29Ea,29Ebの先端部の間隔の上に載置されている。一方、その放電ランプを発光させてその放電ランプの温度がほぼ最高温度に達した状態では、図20(B)に示すように、駆動部材29F,29Gの熱膨張量が制限部材29E(ヒンジ部29Ea,29Eb)の熱膨張量よりも大きいため、バイメタル作用によって、ヒンジ部29Ea,29Ebの先端部の間隔が球体27の直径よりかなり大きくなる。このため、球体27は元の位置PA2からその先端部の間隔を通過して、固定部29Ecの上面に移動し、開口28a2に向かう図3(B)の光ビームLB1を遮るようになる。このため、その放電ランプを保管しているときに、検出装置94Aの光ビームLB1が球体27で遮られて、放電ランプの使用の有無を正確に判別できる。
さらに、この変形例では、ヒンジ部29Ea,29Ebの先端部の間隔aの伸び量は、駆動部材29F,29Gの熱膨張によるバイメタル作用によって、制限部材29Eの熱膨張によるヒンジ部29Ea,29Ebの先端部の間隔の伸び量よりも大幅に大きくなる。このため、放電ランプを製造する際の、制限部材29E及び駆動部材29F,29Gの加工精度は、例えば図3(B)の収容部29の開口29bの加工精度よりも低く(粗く)できるため、放電ランプの製造が容易である。
次に、図21(A)、(B)は第7変形例の放電ランプの陽極側の口金部28Dを示す断面図である。この変形例では、口金部に設けられたミラー部の反射面の角度の変化によって、放電ランプの使用の有無を判別する。
図21(A)において、口金部28Dの被把持部28eの上端部に形成された円形の凹部28e1の中央に円形の凸部28e2が設けられている。その凹部28e1に凸部28e2を囲むように、ほぼ円筒状で下端部に輪帯状のフランジ部が設けられた支持部材29Jのフランジ部が載置されている。また、支持部材29Jの上面に熱によって塑性変形する材料、例えば鉛を含む合金よりなる円板状の中間部材29Kが固定され、中間部材29Kの上面に対向するように、反射面を外側に向けた三角プリズム状のミラー部MR1,MR4が固定されている。
また、支持部材29J、中間部材29K、及び中間部材29Kの上部にあるミラー部MR1,MR2を覆うように、外形がほぼ三角柱状で下端部に円形のフランジ部28a3が設けられた端子部28aが載置されている。端子部28aの内面のミラー部MR1,MR2に対向する位置に、それぞれ反射面が内側を向くように三角プリズム状のミラー部MR2,MR3が固定されている。支持部材29Jのフランジ部と端子部28aのフランジ部28a3とは重なっており、その2つのフランジ部28a3等が複数箇所でボルトBA1によって凹部28e1に固定されている。
また、端子部28aの側面に、中間部材29J上のミラー部MR1,MR4に対向するように、かつ支持部材29Jの中心軸を通過する直線に沿って、2つの円形の開口28a1,28a2が形成されている。
この変形例の放電ランプが未使用の状態で、この放電ランプを図11に示す保管部の放ターンテーブル79に載置したとき、検出装置94Aの照射部94Aaから照射される光ビームLB1は、開口28a1、ミラー部MR1,MR2,MR3,MR4、及び開口28a2を通過して受光部94Abで受光される。この受光部94Abの検出信号からその放電ランプが未使用であることを確認できる。
一方、この放電ランプを露光装置に装着して放電ランプの温度が上昇した状態(放電ランプの温度がほぼ最高温度に達した状態、又は放電ランプの使用を例えば所定時間以上継続した状態)では、図21(B)に示すように、中間部材29Kが熱によって塑性変形し、ミラー部MR1,MR4の反射面の角度が変化する。その後、使用済みの放電ランプを図11に示す保管部のターンテーブル79に載置したとき、検出装置94Aの照射部94Aaから照射される光ビームLB1は、ミラー部MR1(又はMR4)によって図21(A)の場合とは異なる方向に反射されて、受光部94Abでは受光されない。このため、受光部94Abの検出信号からその放電ランプが使用済みであることを確認できる。
なお、この変形例において、図21(A)に示すように、検出装置94Aの受光部94Abを照射部94Aaに近い点線で示す位置PA5に配置してもよい。この場合、ミラー部MR1の反射面の角度は、照射部94Aaからの光ビームLB1が位置PA5の受光部94Abで受光されるように設定され、他のミラー部MR2〜MR4は省略される。この場合においても、放電ランプの温度が上昇した状態では、中間部材29Kが熱によって塑性変形し、ミラー部MR1の反射面の角度が変化し、ミラー部MR1からの反射光が受光部94Abでは受光できなくなる。このため、受光部94Abの検出信号からその放電ランプが使用済みであることを確認できる。なお、ミラー部を端子部28a内部の側面に設ける例を示したがこれに限らず、端子部28a外部の側面にミラー部を設けるようにしても良い。この場合、ミラー部MR2,MR3を端子部28aではなく、たとえばケーシング51内に設けるようにしても良い。端子部28a外部の側面にミラー部を設けることで、端子部28aに開口28a1,28a2を形成しなくてよく、端子部28aの強度、合成が増すことや端子部28aの製造が容易となるといった効果が得られる。
なお、検出装置94は、光ビームLB1を照射する照射部94Aaと受光部94Abとを有すると説明したがこれに限らない。照射部94Aaを点光源とし、受光部94Abで所定光量以上を検出されたか否かにより、放電ランプが使用済みであることを確認できるようにしても良い。また、受光部94Abを撮像装置、たとえばカメラによって構成するようにしても良い。撮像装置により、収容部29内に球体27が収容されているか否等を、周知の画像処理等により検出するようにしても良い。
第8変形例として、放電ランプが所定時間使用(通電)された場合、陽極側の口金部28Dが変色および/または変形等により状態が変化されたことを、検出装置94により放電ランプの使用有無を検出するようにしても良い。また放電ランプが所定時間使用(通電)された場合、不図示のマーク形成部により、陰極側の口金部26、陽極側の口金部28、ガラス管25などにマークを形成し、そのマークを上述の撮像装置により検出することで、放電ランプの使用有無を検出するようにしても良い。
なお、端子部28aに開口28a1,28a2ではなく溝を形成するようにしても良い。つまり、照射部94Aaからの光ビームLB1が収容部を通過すれば良いため、開口のように球体を覆うような構成ではなく、切欠きを設けるようにしても良い。また、開口部28a1,28a2を、光ビームLB1が透過可能な材料、たとえばガラス等により覆うようにしても良い。これにより、収容部29にゴミが入り込む恐れがなくなる。
なお、上述の各実施形態では、陽極側の口金部28により放電ランプの使用有無を検出したが、陰極側の口金部26に陽極側の口金部28と同等の構成を設け、放電ランプの使用有無を検出するようにしても良い。また、陰極側の口金部26および陽極側の口金部28の両方の口金部に、放電ランプの使用有無を検出できる構成を設けるようにしても良い。
上述の各実施形態の露光装置又はこれらの露光装置を用いる露光方法を使用して、基板(プレートP)上に所定のパターン(回路パターン、電極パターン等)を形成することによって、液晶表示素子等の液晶デバイスを製造することができる。以下、図22のステップS401〜S404を参照して、この製造方法の一例につき説明する。
図22のステップS401(パターン形成工程)では、先ず、露光対象の基板上にフォトレジストを塗布して感光基板(プレートP)を準備する塗布工程、上記の露光装置を用いて液晶表示素子用のマスクのパターンをその感光基板上に転写露光する露光工程、及びその感光基板を現像する現像工程が実行される。この塗布工程、露光工程、及び現像工程を含むリソグラフィ工程によって、その基板上に所定のレジストパターンが形成される。このリソグラフィ工程に続いて、そのレジストパターンを加工用のマスクとしたエッチング工程、及びレジスト剥離工程等を経て、その基板上に多数の電極等を含む所定パターンが形成される。そのリソグラフィ工程等は、プレートP上のレイヤ数に応じて複数回実行される。
その次のステップS402(カラーフィルタ形成工程)では、赤R、緑G、青Bに対応した3つの微細なフィルタの組をマトリックス状に多数配列するか、又は赤R、緑G、青Bの3本のストライプ状の複数のフィルタの組を水平走査線方向に配列することによってカラーフィルタを形成する。その次のステップS403(セル組立工程)では、例えばステップS401にて得られた所定パターンを有する基板とステップS402にて得られたカラーフィルタとの間に液晶を注入して、液晶パネル(液晶セル)を製造する。
その後のステップS404(モジュール組立工程)では、そのようにして組み立てられた液晶パネル(液晶セル)に表示動作を行わせるための電気回路、及びバックライト等の部品を取り付けて、液晶表示素子として完成させる。上述の液晶表示素子の製造方法によれば、露光装置において放電ランプの交換を効率的に行うことができるため、高いスループットが得られる。
なお、本発明は、液晶表示素子の製造プロセスへの適用に限定されることなく、例えば、プラズマディスプレイ等のディスプレイ装置の製造プロセスや、撮像素子(CCD等)、マイクロマシーン、MEMS(Microelectromechanical Systems:微小電気機械システ
ム)、セラミックスウエハ等を基板として用いる薄膜磁気ヘッド、及び半導体素子等の各種デバイスの製造プロセスにも広く適用できる。
なお、上述の実施形態の光源装置は、上述のステップ・アンド・スキャン方式の走査露光型の投影露光装置(スキャナー等)の他に、ステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパー等)の露光光源にも適用できる。また、上述の実施形態の光源装置は、投影光学系を使用しないプロキシミティ方式若しくはコンタクト方式の露光装置の光源装置、又は露光装置以外の機器の光源にも適用することができる。