JPWO2017086331A1 - 採光装置、採光システムおよび採光装置の製造方法 - Google Patents

採光装置、採光システムおよび採光装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

光透過性を有する基材と、基材の第1面側に設けられた複数の採光部と、複数の採光部の間に設けられた空隙部と、を備え、光が複数の採光部を介して透過する採光領域と、光が複数の採光部を介することなく基材を透過する光透過領域と、を有し、採光領域と光透過領域とは、第1面の面内の少なくとも一方向に沿って交互に設けられている、採光装置。

Description

本発明のいくつかの態様は、採光装置、採光システムおよび採光装置の製造方法に関するものである。
本願は、2015年11月17日に、日本に出願された特願2015−225170号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
窓ガラスに入射する日光等の外光を効率よく室内に導くために、窓ガラスの一面に沿って、採光フィルムを含む採光装置が設けられることが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2013−156554号公報
このような採光装置は、表面に光を室内に導くための複数のプリズム体が形成されているために、室内側から景色を透かし見ることができず、室内からの眺望性を阻害していた。
本発明の一つの態様は、上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであって、外の景色を透かし見ることができる採光装置を提供することを目的の一つとしている。
本発明の一態様である採光装置は、光透過性を有する基材と、前記基材の第1面側に設けられた複数の採光部と、前記複数の採光部の間に設けられた空隙部と、を備え、光が前記複数の採光部を介して透過する採光領域と、光が前記複数の採光部を介することなく前記基材を透過する光透過領域と、を有し、前記採光領域と前記光透過領域とは、前記第1面の面内の少なくとも一方向に沿って交互に設けられていてもよい。
また上述の採光装置において、前記基材の法線方向から見て、前記採光領域と前記光透過領域とが縞状に配置されていてもよい。
また上述の採光装置において、前記基材の法線方向から見て、前記採光領域と前記光透過領域とが市松模様をなして配置されていてもよい。
また上述の採光装置において、前記基材の法線方向から見て、前記採光領域と前記光透過領域とが前記第1面の面内の一方向に対して非周期的に配置されていてもよい。
また上述の採光装置において、前記光透過領域の光の透過率が、前記採光領域の光の透過率よりも低くてもよい。
また上述の採光装置において、前記基材の前記第1面側に位置し光透過性を有する保護板をさらに備え、前記保護板が、前記光透過領域において前記基材に固定されていてもよい。
また上述の採光装置において、前記基材は、前記光透過領域が形成された部分の総厚さが、前記採光領域が形成された部分の総厚さよりも薄くてもよい。
また上述の採光装置において、複数の前記採光領域のうち第1の採光領域の前記採光部は、前記第1面の面内で第1の方向に直線状に延び、前記第1の採光領域と異なる第2の採光領域の前記採光部は、前記第1面の面内で前記第1の方向と異なる第2の方向に直線状に延びていてもよい。
また上述の採光装置において、複数の前記採光部から射出された光、もしくは複数の前記採光部に入射する光を拡散する光拡散部をさらに備えていてもよい。
また上述の採光装置において、前記光拡散部は、光拡散領域を形成し、前記光拡散領域は、前記基材の法線方向から見て、前記採光領域を含みかつ前記採光領域より広くてもよい。
また上述の採光装置において、一対の透明板をさらに備え、前記基材が、一対の前記透明板の間に配置されていてもよい。
また本発明の一態様である採光装置は、光透過性を有する基材、前記基材の第1面に設けられた複数の採光部および前記採光部の間に設けられた空隙部を有する短冊状の複数の採光スラットと、光透過性を有する短冊状の複数の光透過スラットと、を有し、複数の前記採光スラットおよび前記光透過スラットは、前記採光スラットおよび前記光透過スラットの長手方向を水平方向として1枚以上ごとに上下方向に交互に並べて吊下げられていてもよい。
また本発明の一態様である採光装置は、光透過性を有する基材、前記基材の第1面に設けられた複数の採光部および前記採光部の間に設けられた空隙部を有する短冊状の複数の採光スラットを有し、複数の前記採光スラットは、長手方向を水平方向として上下方向に並べて吊下げられ、前記採光スラット同士の上下方向のピッチが、前記採光スラットの上下方向の幅より大きくてもよい。
また本発明の一態様である採光システムは、採光装置と、室内照明器具と、室内の明るさを検出する検出部と、前記室内照明器具と前記検出部とを制御する制御部と、を有して構成され、前記採光装置として上述の採光装置を採用する。
また本発明の一態様である採光装置の製造方法は、光透過性を有する板材料の第1面に、複数の採光部とその間に設けられた空隙部を形成する工程と、前記空隙部の一部を樹脂材料により埋め込んで光透過領域を形成する工程と、を有し、前記樹脂材料により埋め込まれていない前記採光部により形成された採光領域と前記光透過領域とを、前記第1面の面内の少なくとも一方向に沿って交互に設ける。
また本発明の一態様である採光装置の製造方法は、複数の採光部とその間に設けられた空隙部を有する採光フィルムを形成する工程と、前記採光フィルムを、光透過性を有する基材の第1面に貼付する工程と、を有し、前記第1面には、前記採光フィルムが貼付されて形成された採光領域と、前記採光フィルムが貼付されない光透過領域とが形成され、前記採光領域と前記光透過領域とを、前記第1面の面内の少なくとも一方向に沿って交互に設ける。
また本発明の一態様である採光装置の製造方法は、凹凸領域と平坦領域とを有する金型により、透明な板材料からなる基材に凹凸領域に対応する採光領域を形成するとともに、前記平坦領域に対応する光透過領域を形成する工程を有し、前記採光領域と前記光透過領域とを、前記基材の第1面の面内の少なくとも一方向に沿って交互に設ける。
本発明の一態様によれば、外の景色を透かし見ることができる採光装置を提供できる。
第1実施形態の採光装置の全体構成を示す図である。 第1実施形態の採光装置の上下方向に沿う全体断面図である。 第1実施形態の採光装置の上下方向に沿う断面図であり、図2Aの部分拡大断面図である。 第1実施形態の採光装置において、採光装置と室内の居住者との位置関係を示す模式図である。 採光部の断面図であり、採光部の内部における光の制御機能を示す図である。 採光部の変形例を示す第1の断面図である。 採光部の変形例を示す第2の断面図である。 採光部の変形例を示す第3の断面図である。 採光部の変形例を示す第4の断面図である。 採光部の配置とそれに伴う光の経路を示す断面図であり、採光部が室外側に配置された場合を示す図である。 採光部の配置とそれに伴う光の経路を示す断面図であり、採光部が室内側に配置された場合を示す図である。 第1実施形態の採光装置の製造方法における樹脂シートの作製方法の一例を示す模式図である。 第1実施形態の採光装置の製造方法における樹脂シートの作製方法の一例を示す第1の模式図である。 第1実施形態の採光装置の製造方法における樹脂シートの作製方法の一例を示す第2の模式図である。 第1実施形態の採光装置の製造方法における樹脂シートの作製方法の一例を示す第3の模式図である。 第1実施形態の採光装置の第1の製造方法の模式図であり、切断前の樹脂シートを示す図である。 第1実施形態の採光装置の第1の製造方法の模式図であり、樹脂シートを切断して形成された採光部材を示す図である。 第1実施形態の採光装置の第1の製造方法の模式図であり、採光部材を基材に貼付する工程を示す図である。 第1実施形態の採光装置の第2の製造方法の模式図であり、全体に採光部が設けられた基材を示す図である。 第1実施形態の採光装置の第2の製造方法の模式図であり、採光部の間に未硬化の樹脂材料を供給する工程を示す図である。 第1実施形態の採光装置の第2の製造方法の模式図であり、樹脂材料を硬化させて空隙部を埋め込む様子を示す図である。 第1実施形態の採光装置の第3の製造方法の模式図であり、基材に未硬化の樹脂層を形成する様子を示す図である。 第1実施形態の採光装置の第3の製造方法の模式図であり、金型を樹脂層に加圧する様子を示す図である。 第1実施形態の採光装置の第3の製造方法の模式図であり、金型離形後の様子を示す図である。 第1実施形態の採光装置の第3の製造方法の変形例の模式図であり、基材に未硬化の樹脂層を形成する様子を示す図である。 第1実施形態の採光装置の第3の製造方法の変形例の模式図であり、金型を樹脂層に加圧する様子を示す図である。 第1実施形態の採光装置の第3の製造方法の変形例の模式図であり、金型離形後の様子を示す図である。 第1実施形態の変形例1の採光装置の全体構成を示す図である。 第1実施形態の変形例2の採光装置の全体構成を示す図である。 第1実施形態の変形例3の採光装置の全体構成を示す図である。 第1実施形態の変形例4の採光装置の全体構成を示す図である。 第1実施形態の変形例5の採光装置の全体構成を示す図である。 第1実施形態の変形例6の採光装置の全体構成を示す図である。 第1実施形態の変形例7の採光装置の全体構成を示す図である。 第1実施形態の変形例7の採光装置を示し図19のXX−XX線に沿う断面図である。 第2実施形態の採光装置の上下方向に沿う断面図である。 第3実施形態の採光装置の上下方向に沿う断面図である。 第3実施形態の変形例の採光装置の上下方向に沿う断面図である。 第4実施形態の採光装置の上下方向に沿う断面図である。 第4実施形態の変形例の採光装置の上下方向に沿う断面図である。 第5実施形態の採光装置の全体構成を示す図である。 第6実施形態の採光装置の全体構成を示す図である。 第6実施形態の採光装置の上下方向に沿う断面図である。 光拡散部の一例を示す斜視図である。 光拡散部の一例を示す斜視図である。 光拡散部の一例を示す斜視図である。 光拡散部の一例を示す斜視図である。 光拡散部の一例を示す斜視図である。 第6実施形態の拡大断面図であり、採光部と光拡散部との詳細な位置関係を示す図である。 第7実施形態の採光装置の上下方向に沿う断面図である。 第8実施形態の採光装置の上下方向に沿う断面図である。 光拡散部を有する採光装置の変形例の上下方向に沿う断面図である。 光拡散部を有する採光装置の変形例の上下方向に沿う断面図である。 光拡散部を有する採光装置の変形例の上下方向に沿う断面図である。 光拡散部を有する採光装置の変形例の上下方向に沿う断面図である。 光拡散部を有する採光装置の変形例の上下方向に沿う断面図である。 光拡散部を有する採光装置の変形例の上下方向に沿う断面図である。 第9実施形態の採光装置の全体構成を示す図である。 第10実施形態の採光装置の全体構成を示す図である。 第11実施形態の採光装置の全体構成を示す図である。 第12実施形態の採光装置の全体構成を示す図である。 第13実施形態の採光装置の上下方向に沿う断面図である。 採光装置および照明調光システムを備えた部屋モデルを示す図であって、図49のJ−J’線に沿う断面図。 部屋モデルの天井を示す平面図。 採光装置によって室内に採光された光(自然光)の照度と、室内照明装置による照度(照明調光システム)との関係を示すグラフ。
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態の採光装置1の全体構成を示す図である。図2Aは、採光装置1を鉛直方向(上下方向)に沿って断面をとった断面図であり、図2Bは、図2Aの部分拡大図である。
本実施形態の採光装置1は、窓に取り付けられた状態で太陽光(外光)を室内に採り入れる採光装置の一つの例である。採光装置1は、光透過性を有する板状の基材10と、基材10の第1面10a側に設けられた複数の採光部11と、複数の採光部11の間に設けられた空隙部12と、基材10と採光部11との間に位置する支持基材13と、を備える。
なお、本実施形態において基材10の第1面10aは、室外2側を向く面である。また、基材10は、第1面10aの反対側に室内3側を向く第2面10bを有する。
本実施形態の基材10は、例えば熱可塑性ポリマーや熱硬化性樹脂、光重合性樹脂等の樹脂類等からなる光透過性の基材が用いられる。アクリル系ポリマー、オレフィン系ポリマー、ビニル系ポリマー、セルロース系ポリマー、アミド系ポリマー、フッ素系ポリマー、ウレタン系ポリマー、シリコーン系ポリマー、イミド系ポリマー等などからなる光透過性の基材が用いられる。具体的には、例えばトリアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリカーボネイト(PC)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリイミド(PI)等の光透過性の板材が好ましく用いられる。そのほかに基材10は、ガラス基材であってもよい。基材10の厚みは任意である。また、複数の材質が積層された積層構造であってもよい。
基材10の全光線透過率は、JIS K7361−1の規定で90%以上が好ましい。
これにより、十分な透明性を得ることができる。
図2Bに示すように、採光部11は、外光(太陽光)を室内3に導光するように基材10の第1面10a側に設けられた、数十〜数百μmオーダーの微細突起構造である。
採光部11は、ストライプ状に設けられ、各々が水平方向に延在し、鉛直方向に互いに平行に配置されている。採光部11は、長手方向と直交する断面形状が多角形状をなす。
採光部11は、支持基材13を介して基材10の第1面10aに固定されている。支持基材13は、光透過性を有する。本実施形態では、採光部11が支持基材13を介して基材10に固定される場合を例示するが、本発明はこれに限定されない。採光部11は、基材10の一方の面(第1面10a)に直接的に設けられていてもよい。
本実施形態における採光部11は、基材10から最も離れた頂点qを通る基材10の垂線Qを中心としてその両側の形状が非対称とされた、断面形状が6角形の多角柱状構造体である。また、採光部11は、断面形状の6つの頂点のうちの5つの内角が180°未満とされている。
なお、採光部11の断面形状は図示したものに限られず、採光装置1の用途等に応じて適宜設計変更することも可能である。すなわち、採光部11は、採光機能を奏することができる形状であれば、長手方向と垂直な断面の形状が、三角形状、又は曲面形状などであってもよい。
隣り合う採光部11の間に設けられる空隙部12には空気が存在している。したがって、空隙部12の屈折率は概ね1.0である。空隙部12の屈折率を1.0とすることにより、空隙部12と採光部11との界面における臨界角が最小となる。基材10の屈折率と採光部11の屈折率とは略同等であることが望ましい。基材10の屈折率と採光部11の屈折率とが大きく異なる場合、光が基材10から採光部11に入射したときに、これら採光部11と基材10との界面で不要な光の屈折や反射が生じることがある。この場合、所望の採光特性が得られない、又は輝度が低下するなどの不具合が生じる虞がある。基材10の屈折率と採光部11との屈折率を略同等とすることで、所望の採光特性を得て、光の利用効率を高めるとともに、室内3に不快な反射光を照射しにくくなる。
複数の採光部11は、例えばアクリル樹脂やエポキシ樹脂、シリコーン樹脂等の光透過性および感光性を有する有機材料で構成されている。これら樹脂に重合開始剤、カップリング剤、モノマー、有機溶媒などを混合した透明樹脂製の混合物を用いることができる。
さらに、重合開始剤は安定剤、禁止剤、可塑剤、蛍光増白剤、離型剤、連鎖移動剤、他の光重合性単量体等のような各種の追加成分を含んでいてもよい。
採光部11の全光線透過率は、JIS K7361−1の規定で90%以上が好ましい。これにより、十分な透明性を得ることができる。
基材10の第1面10aには、複数の採光領域SAと複数の光透過領域TAとが縞状に配置されている。
採光領域SAとは、基材10の法線方向から見て採光部11および空隙部12が設けられた領域である。また採光領域SAにおいて、室外2から室内3に入射する光は、採光部11を介して透過する。
光透過領域TAは、基材10の採光部11が設けられていない領域である。すなわち、光透過領域TAは、光が採光部11を介することなく透過する領域である。
採光領域SAと光透過領域TAとは、基材10の法線方向から見て(すなわち平面視で)、それぞれ水平方向に帯状に延びている。採光領域SAと光透過領域TAとは、上下方向に交互に配置され縞模様を構成している。すなわち、採光領域SAと光透過領域TAとは、基材10の第1面10aの面内の上下方向に沿って交互に設けられている。
採光領域SAにおいて、室外2から室内3側に照射される光は、採光部11において屈折して、天井側等に照射される。したがって、室内3で採光装置1を見る居住者は、室外2の景色を観察することができない。
一方で、光透過領域TAは、採光部11が形成されていない領域であるため、室外2から入射した光は、基材10を透過して、透過の前後で角度が変わることなく室内3に達する。このため、室内3で採光装置1を見る居住者は、室外2の景色を観察することができる。
本実施形態の採光装置1によれば、採光領域SAと光透過領域TAとが上下方向に交互に配置されていることにより、室内の居住者に、採光領域SA同士の隙間から室外2の景色を眺望させることが可能となる。すなわち、本実施形態によれば、景色を透かし見ることができ眺望性が確保された採光装置1を提供できる。
なお、後段に変形例および他の実施形態として説明するように、採光領域SAと光透過領域TAとは、第1面10aの面内において、上下方向に限らず少なくとも一方向に沿って交互に設けられていればよい。
図3は、採光装置1と、採光装置1が設置された室内3の観察者Oと採光装置1との位置関係を説明する図である。図3において、採光領域SAおよび光透過領域TAの幅(すなわち上下方向の寸法)をそれぞれ幅DS、幅DTとする。また、観察者Oは、採光装置1に対して距離Leの位置から採光装置1を介し室外2を観察するものとする。図3を基に、採光領域SAおよび光透過領域TAの幅DS、DTと採光装置1の眺望性の関係について、幅DT≧DSの場合と幅DT<幅DSの場合とに区分して説明する。
(幅DT≧幅DSの場合)
光透過領域TAの幅DTが、採光領域SAの幅DSに対し大きい又は同じである場合(幅DT≧幅DS)、観察者Oは、採光装置1との距離Leに関わらず室外の景色を十分に確認することができる。すなわち、幅DT≧幅DSとすることで、室内3のいかなる位置においても眺望性を確保できる採光装置1を提供できる。
なお、本実施形態において、光透過領域TAの幅DTが採光領域SAの幅DS以上あることは、光透過領域TAの面積、が採光領域SAの面積以上であることを意味する。光透過領域TAと採光領域SAとが縞状に配置される以外の場合(後段に説明する変形例に示す場合)であっても、光透過領域TAの面積が採光領域SAの面積より大きい場合には、室内3のいかなる位置においても眺望性を確保できる採光装置1を提供できる。
(幅DT<幅DSの場合)
光透過領域TAの幅DTが、採光領域SAの幅DSに対し小さい場合(幅DT<幅DS)、観察者Oの室外の眺望性は、採光装置1との距離Leに依存する。一般的に、人間が対象物を観察する場合、明瞭に認識する角度範囲は、視野の中心に対し約1°(上下、左右にそれぞれ2°の角度幅)であると言われている。この角度範囲は、網膜の中心に位置する「中心窩」が光を受け取る視野領域に対応する。図3に示すように、視野の中心線CLを中心とする光透過領域TAの角度範囲αは、観察者Oが採光装置1に接近すると大きくなり、離間すると小さくなる。この角度範囲αが、中心窩の視野領域である2°以下である場合には、幅DT<幅DSであっても、観察者Oに室外2を観察させることができる。より具体的には、距離Leに対し、光透過領域TAの幅DTが、以下の(式1)を満たす場合に、採光装置1の眺望性が確保される。
Figure 2017086331
(式1)によれば、採光装置1が設置される室内3において、観察者Oとしての居住者が、留まる頻度の高い位置での採光装置1との距離Leに応じて、採光領域SAの幅DSの大きさを調整することができる。一例として、オフィスの窓に採光装置1を設置する場合には、採光装置1からオフィス内の事務机までの距離Leに応じて、採光領域SAの幅DSを調整できる。室内の居住者が留まる頻度の高い位置での採光装置1との距離Leに対して、以下の(表1)に応じて、光透過領域の幅DTを決めることができる。
Figure 2017086331
上述の(式1)および(表1)に従うことで、採光領域SAを光透過領域TAに対し十分に大きくして採光効率を高めるとともに、光透過領域TAから室外2の景色を透かし見ることができる採光装置1を提供できる。
採光装置1には、斜め上方から太陽からの光が入射する。ここで、採光装置1の光透過領域TAおよび採光領域SAに入射する光の経路について述べる。
光透過領域TAに入射する光L1は、図2Aに示すように、採光装置1に対して斜め上方から入射し、基材10を透過して室内3において斜め下方に向かって射出される。
なお、図2Aにおいて、光L1は基材10を直線的な経路を経て室内3に入射するものとして図示されている。しかしながら実際には、光L1は、基材10の両面において屈折率に応じて屈折しながら透過する。ただし、基材10に対する入射角および出射角が同じとなるため、光透過領域TAを透過する光の角度は、採光装置1の透過前後で変わらない。
採光領域SAに入射する光は、採光部11の複数の面のうち、上向きに傾く面11Bから入射した光L2と下向きに傾く面11Dから入射した光L2aとに分類される。
図4に示すように、以下の説明で、採光部11に入射した光L2のうち任意の1本の光束が採光部11の面11E(反射面)に入射する点を入射点Cとする。入射点Cを通り、基材10の第1面10aに直交する仮想的な直線を直線fとする。直線fを含む水平面を境界とする2つの空間のうち、入射点Cに入射する光が存在する側の空間を第1空間S1とし、入射点Cに入射する光が存在しない側の空間を第2空間S2とする。
採光部11の上向きに傾く面11Bから入射した光L2は、採光部11の面11Eで全反射して斜め上方、すなわち第1空間S1の側に向かって進み、採光部11の面11Aから射出される。採光部11から射出された光L2は、基材10を透過して室内3の天井に向けて射出される。採光装置1から天井に向けて射出された光は、天井で反射して室内を照らすため、照明光の代わりとなる。
採光部11の複数の面のうち、下向きに傾く面11Dから入射した光L2aは、採光部11および基材10の内部で斜め下方、すなわち第2空間S2の側に向かって進み、室内3の斜め下方に向かって射出される。
採光領域SAに入射した光のうち一部の光L2aは、室内3の斜め下方に向かって射出される光は、室内3に居る人にとって、不快な眩しさ(以下、グレア)として、人Mに不快感を与えることがあった。
グレアは、光源の輝度、光源の大きさ、光源の位置、あるいは天井面、壁面などの背景の明るさによって定量的に表すことができる。不快グレアの指標の一つに、グレア指標PGSVがある。
グレア指標PGSVは、室内3の居住者の目の方向に対する光源の明るさを光源輝度L[cd/m]、居住者の目の方向に対する光源の周囲(背景)の明るさを背景輝度L[cd/m]、居住者の視野に占める光源の立体角をω[sr]としたとき、以下の(式2)で表される。なお、グレア指標PGSVは、値が大きいほど居住者に与える不快さが増し、値が小さいほど不快さが軽減する指標である。
Figure 2017086331
(式2)の右辺において、背景輝度Lが分母となっていることから、光源輝度Lに対して、背景輝度Lを高めることで、室内3の中の人Mが不快に感じるグレアを低減できることがわかる。本実施形態において、帯状に水平方向に延びる採光領域SAの上下には、それぞれ光透過領域TAが設けられている。このため、採光領域SAにおけるグレア源としての光L2aに対して、光透過領域TAが背景となり、光透過領域TAの輝度が背景輝度Lとなる。光透過領域TAにおいて光L1は、直接的に人Mに向かうため、グレアの発生源としての採光領域SAの輝度に対して背景として十分な輝度が期待できる。したがって、光透過領域TAがない場合と比較して、採光領域SAの周囲に光透過領域TAを設けることで、グレア指標PGSVを低減させることが可能となる。
(採光部の変形形状)
本実施形態の採光部11は、図4に示すように、長手方向に交差する方向における断面形状が6角形とされている。しかしながら、採光部11の断面形状は上述した6角形に限られず、5角形や三角形であってもよい。図5A〜図5Dの変形形状の採光部の断面図を示す。
図5Aの採光部11aは、長手方向に直交する断面形状が二等辺三角形をなす。
図5Bの採光部11bは、長手方向に直交する断面形状が台形形状をなす。
図5Cの採光部11cは、周側面の一部が曲面を成す曲柱面構造である。
図5Dにおいて、基材10の両面にはそれぞれ第1採光部11dおよび第2採光部11eが形成されている。第1採光部11dおよび第2採光部11eは、それぞれ基材10の両面にそれぞれ形成されている。一方の面に形成されている第1採光部11dは、上述の採光部11と同形状を有する。また、他方の面に形成されている第2採光部11eは、断面形状が二等辺三角形を有する。なお基材10の両面に形成される採光部の形状は、図5Dの形状に限定されない。
本実施形態の採光部11は、基材10の室外2側に配置されているが、室内3側に配置されていてもよい。図6Aおよび図6Bは、採光部11が室外2側に配置された場合(図6A)と、採光部11が室内3側に配置された場合(図6B)の光L2の経路を示す図である。
図6Aおよび図6Bに示すように、採光部11が基材10の何れの面であっても、同様の光路をたどるため、同様の効果を期待できる。
(採光装置の製造方法)
次に、本実施形態の採光装置1の製造方法を説明する。採光装置1の製造方法としては、主に3つの製造方法(第1の製造方法〜第3の製造方法)が例示できる。
(第1の製造方法)
第1の製造方法では、採光装置1の第1の製造方法は、採光部11とその間に設けられた空隙部12を有する樹脂シート(採光フィルム)71を形成する工程と、樹脂シート71を、光透過性を有する基材10の第1面10aに貼付する工程と、有する。
樹脂シートは、例えば、図7および図8A〜図8Cに示す方法のうち、何れかの方法で作製される。
樹脂シート作製方法について図7を基に説明する。
まず、一対のローラー60、60を回転させて、ロール状に巻かれた支持基材13を送り出す。
次いで、樹脂塗布装置61により、支持基材13の一方の面13aに光硬化性樹脂80を塗布する。
次いで、光硬化性樹脂80に、回転する転写ロール金型62の転写面62aを押圧すると同時に、光硬化性樹脂80に、紫外線等の光63を照射する。これにより、支持基材13の長手方向に沿って、光硬化性樹脂80に、転写ロール金型62の転写面62aに形成された凹凸形状を転写して、支持基材13の一方の面13aに、光硬化性樹脂80からなる採光部11を形成する。
次いで、裁断装置64により、採光部11が形成された支持基材13を、支持基材13の長手方向と垂直な方向に裁断し、一方の面13a側に所定の長さ(大きさ)の採光部11が形成された樹脂シート(採光フィルム)71を形成する。
以上の工程を経て、樹脂シート71を作製できる。
その他の樹脂シート作製方法について図8A〜図8Cを基に説明する。
まず、図8Aに示すように、支持基材13の一方の面(転写面)85aに、熱硬化性樹脂又は紫外線硬化性樹脂からなる未硬化の樹脂層84を塗布し、さらに転写面85aに凹凸形状が形成された金型85を重ねる。
次いで、図8Bに示すように、支持基材13の一方の面13aに、金型85の転写面85aを押圧し、樹脂層84を硬化して凹凸形状を転写する。樹脂層84として熱硬化性樹脂を用いる場合、支持基材13に金型85を押圧した状態で、樹脂層84に熱を加える。これにより樹脂層84に金型85の凹凸形状が固定されて、図8Cに示すように、支持基材13の一方の面13aに、採光部11が形成される。また、樹脂層84として紫外線硬化性樹脂を用いる場合、支持基材13に金型85を押圧した状態で、樹脂層84に紫外線等の光を照射する。これにより樹脂層84に金型85の凹凸形状が固定されて、図8Cに示すように、支持基材13の一方の面13a(硬化層)に、採光部11が形成される。
以上の工程を経て、樹脂シート71を作製できる。
次に、図9Aに示すように、採光部11が形成された樹脂シート71又は採光部11が形成され支持基材13を、採光部11の長手方向に沿って(例えば、破線CTLに沿って)で裁断する。これにより、図9Bに示すように、所定の大きさの採光部材88を形成する。
次に、図9Cに示すように、基材10の一方の面10aに、上下方向に沿って隙間を設けて複数の採光部材88を配設する。採光部材88は、採光部11の長手方向が、基材10の長手方向と垂直な方向に延在するように、基材10の一方の面10aに設けられる。これにより、本実施形態の採光装置1を得ることができる。
(第2の製造方法)
第2の製造方法は、予め光透過性を有する板材料(基材10)の第1面10aに、複数の採光部とその間に設けられた空隙部を形成し、さらに空隙部12の一部を樹脂材料により埋め込むことで光透過領域TAを形成する製造方法である。
まず、図10Aに示すように、基材10の第1面10aの全体に採光部11が設けられた全面採光基材19を用意する。全面採光基材19は、例えば、樹脂シート71を基材10の第1面10aの全体に貼付することで作製できる。
次いで、図10Bに示すように、全面採光基材19の複数の採光部11の間に設けられた複数の空隙部12のうちの一部に、未硬化の樹脂材料18Aを供給する。
次いで、図10Cに示すように、未硬化の樹脂材料18Aを硬化させ樹脂埋込部18を形成する。
以上の工程を経ることで、樹脂埋込部18により空隙部12の一部が埋め込まれ、光透過領域TAが形成された採光装置1を製造できる。なお、樹脂埋込部18は、透明材料であって、採光部11を構成する樹脂材料と同じ材料又は同じ屈折率を有する材料であることが好ましい。これにより、光透過領域TAを介して室内3側から室外2を明瞭な像として透かし見ることができる。
(第3の製造方法)
第3の製造方法は、基材10の第1面10aに対して金型を押し当てて採光部11を形成する製造方法である。
まず、図11Aに示すように、基材10の第1面10aに、未硬化の熱硬化性樹脂又は未硬化の紫外線硬化性樹脂からなる樹脂層17Aを形成する。また、採光部11を構成するための金型9を用意する。金型9は、採光部11の形状を凹凸逆転させた形状の採光構造形成部(凹凸領域)9aと、平坦な光透過領域形成部(平坦領域)9bと、を有する。採光構造形成部9aと光透過領域形成部9bとは、交互に並んでいる。
次いで、図11Bに示すように、未硬化の樹脂層17A上に金型9を搭載して加圧する。金型9の凹部内には毛細管現象により隙間なく未硬化の樹脂材料が浸透する。
次いで、金型9により樹脂層17Aを加圧したまま、樹脂層17Aを硬化させ硬化層17を形成する。樹脂層17Aとして、熱硬化性樹脂を用いる場合には、樹脂層17Aに熱を加える。また、樹脂層17Aとして紫外線硬化性樹脂を用いる場合には、基材10を介して紫外線を照射する。
次いで、金型から硬化した硬化層17を離形させる。これにより、基材10の第1面10a側に採光構造形成部9aに対応する採光領域SAを形成するとともに、光透過領域形成部9bに対応する光透過領域TAを形成する。
以上の工程を経ることで、採光領域SAと光透過領域TAとが形成された採光装置1を製造できる。
第3の製造方法の変形例として、図12A〜図12Cに示す製造方法により、基材10の第1面10aに採光部11を形成してもよい。
第3の製造方法の変形例では、基材10の第1面10aに未硬化の樹脂層17Aを形成した状態で、金型9Aを加圧する。金型9Aは、上述の金型9と同様の採光構造形成部(凹凸領域)9Aaと、凹状に形成され底面が平坦な光透過領域形成部(平坦領域)9Abと、を有する。採光構造形成部9Aaと光透過領域形成部9Abとは、交互に並んでいる。
図12Bに示すように、未硬化の樹脂層17A上に金型9Aを搭載して加圧することで金型9Aの採光構造形成部9Aaと光透過領域形成部9Abには隙間なく未硬化の樹脂が浸透する。
さらに、樹脂層17Aを硬化して硬化層17とした後に金型を離形する。これにより、図12Cに示すように、基材10の第1面10a側に採光構造形成部9Aaに対応する採光領域SAを形成するとともに、光透過領域形成部9Abに対応する光透過領域TAを形成する。このように形成した光透過領域TAは、採光領域SAの採光部11と突出高さと略同等の高さで基材10の第1面10aから凸状に形成される。このような光透過領域TAを形成する場合であっても、同様の効果を奏することができる。
(作用効果)
本実施形態の採光装置1は、採光領域SAにおいて外光を室内3の天井に向かって屈折させ室内を照らす。これにより、日中に建物内の照明設備が消費するエネルギーを節約する省エネルギー効果が期待できる。
また、本実施形態の採光装置1は、採光領域SAと光透過領域TAとが、基材10の第1面10aの面内において上下方向に沿って交互に設けられている。すなわち、採光領域SA同士の間に光透過領域TAが位置する。これにより、室内3から採光装置1を見たとき、光透過領域TAを介して室外2の景色を透かし見ることができる。したがって、本実施形態によれば、眺望性を確保した採光装置1を提供できる。
また、本実施形態の採光装置1によれば、平面視で、採光領域SAを上下方向から挟むように光透過領域TAが設けられている。上述したように、グレアの発生源である光源は、その周囲(背景)の輝度を高めることでグレア指標PGSVを低減できる。光透過領域TAは、外光Lが直接的に室内3の居住者に向かうため、グレアの発生源としての採光領域SAの輝度に対して背景として十分な輝度が期待できる。したがって、光透過領域TAがない場合と比較して、採光領域SAの周囲に光透過領域TAを設けることで、グレアを低減させることが可能となる。
[第1実施形態の変形例1〜変形例7]
次に、上述した第1実施形態の変形例1〜変形例7の採光装置1A〜1Gについて図13〜図20を基に説明する。
変形例1〜変形例7の採光装置1A〜1Gの基本構造は、上述した第1実施形態と略同様であるが、採光領域および光透過領域TAの配置が異なる。なお、上述の実施形態と同一態様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
図13は、第1実施形態の変形例1に係る採光装置1Aの全体構成を示す図である。
採光装置1Aにおいて、光透過領域TAと採光領域SAとは、それぞれ上下方向に延びている。また、光透過領域TAと採光領域SAとは、平面視で水平方向に交互に配置され縞模様を構成している。すなわち、採光装置1Aにおいて、採光領域SAと光透過領域TAとは、平面視で縦縞状に配置されている。
このような構成であっても、上述の実施形態と同様の効果を奏することができる。加えて、本変形例の採光装置1Aにおいて、光透過領域TAと採光領域SAとがそれぞれ上下方向に延び縞状に配置されている。したがって本変形例によれば、採光装置1Aを横切るように通過する居住者にとって、採光領域SAに視点が定まることがなく採光領域SAが目立ちにくくなり景色の眺望性を高めることができる。
図14は、第1実施形態の変形例2に係る採光装置1Bの全体構成を示す図である。
採光装置1Bにおいて、光透過領域TAと採光領域SAとは、それぞれ斜め上方から斜め下方に延びている。また、光透過領域TAと採光領域SAとは、平面視で斜め方向に交互に配置され縞模様を構成している。すなわち、採光装置1Bにおいて、採光領域SAと光透過領域TAとは、平面視で斜めに延びる縞状に配置されている。
このような構成であっても、上述の実施形態と同様の効果を奏することができる。
図15は、第1実施形態の変形例3に係る採光装置1Cの全体構成を示す図である。また、図16は、第1実施形態の変形例4に係る採光装置1Dの全体構成を示す図である。
採光装置1C、1Dにおいて、採光領域SAと光透過領域TAとは、市松模様をなして配置されている。なお、採光装置1Dは、採光装置1Cと比較して市松模様が傾いた配置となっている。
このような構成であっても、上述の実施形態と同様の効果を奏することができる。
図17は、第1実施形態の変形例5に係る採光装置1Eの全体構成を示す図である。
採光装置1Eにおいて、複数の採光領域SAは、平面視でそれぞれ円形状を有し、千鳥状に配列されている。
このような構成であっても、上述の実施形態と同様の効果を奏することができる。
図18は、第1実施形態の変形例6に係る採光装置1Fの全体構成を示す図である。
採光装置1Fにおいて、複数の採光領域SAは、文字を含む情報、ロゴマーク、もしくは絵などを表す図柄を表示する。
このような構成によれば、上述の実施形態と同様の効果を奏することができる上に、採光装置1Fの意匠性を高めることができる。
図19は、第1実施形態の変形例7に係る採光装置1Gの全体構成を示す図である。また、図20は、図19のXX−XXに沿う採光装置1Gの断面図である。
採光装置1Gにおいて、複数の採光領域SAは、平面視でそれぞれ円形状を有し、非周期的に配列されている。
図19に示すように、採光装置1Gの基材10の第1面10aに任意の直線XX−XXを想定する。図20に示すように、採光領域SAと光透過領域TAとは、直線XX−XXに沿って、非周期的に交互に設けられている。
このように、採光領域SAと光透過領域TAとが、基材10の第1面10aの面内の少なくとも一方向に沿って交互に設けられていれば、採光機能を奏しつつ、光透過領域TAを介して室外2の景色を透かし見ることができる。
上述したように、第1実施形態の採光装置1および各変形例の採光装置1A〜1Gにおいて、採光領域SAと光透過領域TAとは、第1面10aの面内の少なくとも一方向に沿って交互に設けられている。これにより、採光装置1、1A〜1Gは、採光機能を奏しつつ、光透過領域TAを介して室外2の景色を透かし見ることができる。
また、変形例3〜変形例7の採光装置1C〜1Gにおいて、採光領域SAは、四方が光透過領域TAに囲まれている。このように、採光領域SAの四方を光透過領域TAで囲むように配置することで、背景輝度の影響を大きくすることができ、グレアの抑制効果をさらに高めることができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態の採光装置101について説明する。
図21は、採光装置101の全体構成を示す図である。第2実施形態の採光装置101は、第1実施形態の採光装置1と比較して、光透過領域TAの光透過率が採光領域SAの光透過率より低い点が主に異なる。なお、上述の実施形態と同一態様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
採光装置101は、光透過性を有する板状の基材10と、基材10の第1面10a側に設けられた複数の採光部11と、基材10と採光部11との間に位置する支持基材13と、基材10の第2面10b側に貼り付けられた光透過抑制フィルム121と、を備える。
また、第1実施形態と同様に採光装置101において、基材10の第1面10aには、複数の採光領域SAと複数の光透過領域TAとが縞状に配置されている。光透過抑制フィルム121は、平面視で光透過領域TAと重なる位置に設けられている。したがって、室外2から室内3に入射する光のうち、光透過領域TAを通過する光は、光透過抑制フィルム121を通過する。
光透過抑制フィルム121は、全光線透過率が90%未満の透明なフィルムである。光透過抑制フィルム121は、内部又は表面で光の一部を吸収することで光の透過を抑制する。光透過抑制フィルム121は、可視光のうち特定波長の光のみを吸収する色素を含有させた透明フィルムを用いても、全波長の光を吸収する成分を含む透明フィルムを用いてもよい。本実施形態の採光装置101は、光透過抑制フィルム121により光透過領域TAの光の透過率が、採光領域SAの光の透過率よりも低い。
本実施形態の採光装置101は、光透過抑制フィルム121を設けることで、光透過領域TAを通過する太陽の光を緩和する。これにより、太陽光が特定の高さとなり太陽光からの光が直接的に室内3の居住者に照射された場合であっても、眩しさを感じさせることを抑制できる。
また、本実施形態の採光装置101によれば、図21に示すように、採光領域SAにおいて斜め下方に屈折し、光透過領域TAを通過する光L2a又は基材10の内部で反射を繰り返す光L2b(迷光グレアと呼ぶ)を、光透過抑制フィルム121により吸収する。
このような光L2a、L2bは、居住者に達してグレアとして不快感を与えることがある。したがって、本実施形態の採光装置101によれば、光透過抑制フィルム121によりグレアを抑制できる。
なお、本実施形態の光透過抑制フィルム121は、基材10の第2面10bに貼り付けられているが、第1面10a側に貼り付けられていてもよい。また、光透過抑制フィルム121は、基板10の第1面10aおよび第2面10bにそれぞれ貼り付けられていてもよい。また、光透過抑制フィルム121を用いることなく、基材10に互いに光透過率が異なる2種類の透明部材から構成してもよい。すなわち、光透過領域TAに対応する部位として光透過率が低い部材を用い採光領域SAに対応する部位として光透過率が高い部材を用い、これらを複合して基材10を形成してもよい。これらの場合であっても、本実施形態と同様の効果を奏することができる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態の採光装置201について説明する。
図22は、採光装置201の全体構成を示す図である。第3実施形態の採光装置201は、第1実施形態の採光装置1と比較して、保護板222を有する点が主に異なる。なお、上述の実施形態と同一態様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
採光装置201は、光透過性を有する板状の基材10と、基材10の第1面10a側に設けられた複数の採光部11と、基材10と採光部11との間に位置する支持基材13と、基材10の第1面10a側に位置し光透過性を有する保護板222と、保護板222と基材10とを接着固定する接着層225と、を備える。また、第1実施形態と同様に採光装置201において、基材10の第1面10aには、複数の採光領域SAと複数の光透過領域TAとが縞状に配置されている。
保護板222は、平板状の本体部223と、本体部223の一方の面223aから突出する突出部224と、を有する。突出部224は、平面視で光透過領域TAと重なる形状を有する。突出部224の先端面224aは、平坦な形状を有する。先端面224aは、接着層225を介して、基材10の第1面10aに固定されている。突出部224は、採光領域SA同士の間に位置している。すなわち、保護板222は、光透過領域TAにおいて基材10に固定されている。
本実施形態によれば、保護板222により、採光部11が設けられた基材10の第1面10aを覆うことによって、採光部11を保護することができる。これにより、採光部11に傷が生じることがない。また、保護板222が設けられていることで、採光部11が設けられる空間を密閉することができる。したがって採光部11が設けられた空間を不活性ガスで満たすか、減圧するなどして、採光部11が空気に接触することを抑制し、採光部11を構成する樹脂材料の劣化を抑制してもよい。
また、本実施形態の採光装置201によれば、光透過領域TAを、保護板222と基材10との接着のために使用する。したがって、外枠等を用いることなく保護板222を支持することが可能であり、上下方向および水平方向の寸法を増大させることがない。
また、本実施形態の採光装置201によれば、保護板222に紫外線カット、熱線カット、電磁波カットなどの機能を付加してもよい。
なお、本実施形態の採光装置201においては、保護板222に突出部224が設けられ、採光部11のための隙間を確保して基材10の第1面10aと接着されている。しかしながら、保護板222が突出部224を有しておらず、基材10が突出部224に対応する部分を有していてもよい。
なお、本実施形態の採光装置201として、保護板222が基材10側に突出する突出部224を有し、突出部224において接着層を介して基材と固定されている場合について例示した。しかしながら、この形態に限定されない。
図23に本実施形態の変形例の採光装置201Aを示す。採光装置201Aは、光透過性を有する板状の基材210と、基材210の第1面210a側に設けられた複数の採光部11と、基材210と採光部11との間に位置する支持基材13と、基材210の第1面210a側に位置し光透過性を有する保護板222Aと、保護板222Aと基材210とを接着固定する接着層225と、を備える。基材210は、第1面210aから突出する突出部224Aを有する。突出部224Aの先端面は、接着層225を介して保護板222Aが固定されている。このような実施形態であっても、同様の効果を奏することができる。なお採光装置201Aの基材210は、例えば、図10A〜図10C又は図12A〜図12Cに示す製造方法で製造できる。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態の採光装置301について説明する。
図24は、採光装置301の全体構成を示す図である。第4実施形態の採光装置301は、第1実施形態の採光装置1と比較して、基材310の内部に中空部315が設けられている点が主に異なる。なお、上述の実施形態と同一態様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
採光装置301は、光透過性を有する板状の基材310と、基材310の第1面310a側に設けられた複数の採光部11と、基材310と採光部11との間に位置する支持基材13と、を備える。また、第1実施形態と同様に採光装置301において、基材310の第1面310aには、複数の採光領域SAと複数の光透過領域TAとが縞状に配置されている。
基材310の内部には、中空部315が設けられている。中空部315は、断面矩形状を有している。中空部315は、平面視で光透過領域TAと重なる位置に設けられる。基材310は、中空部315が設けられていることで、光透過領域TAが形成された部分の総厚さが、採光領域SAが形成された部分の総厚さよりも薄い。
本実施形態の採光装置301によれば、中空部315が設けられていることで、採光領域SAにおいて斜め下方に屈折し光透過領域TAを通過する光L2aを、中空部315の上界面315aで上側に向けて反射させることができ、グレアを抑制できる。
また、本実施形態の採光装置301によれば、中空部315が設けられていることで、採光プレートを軽量化することができる。
なお、本実施形態の採光装置301は、基材310に中空部315が設けられている場合について例示したが、この形態に限定されない。図25に本実施形態の変形例の採光装置301Aを示す。採光装置301Aは、中空部315に代えて基材310Aの第2面310bに凹部315Aを有する。変形例の採光装置301Aであっても、光透過領域TAが形成された部分の総厚さが、採光領域SAが形成された部分の総厚さよりも薄ければ、同様の効果を奏することができる。
[第5実施形態]
次に、第5実施形態の採光装置401について説明する。
図26は、採光装置401の全体構成を示す図である。第5実施形態の採光装置401は、第1実施形態の採光装置1と比較して、採光部411が水平方向に対して傾斜して延在している点が異なる。
採光装置401は、光透過性を有する板状の基材10と、基材10の第1面10a側に設けられた複数の採光部411と、基材10と採光部411との間に位置する支持基材13と、を備える。また、第1実施形態と同様に採光装置401において、基材10の第1面10aには、複数(本実施形態において4つ)の採光領域SAと複数(本実施形態において3つ)の光透過領域TAとが縞状に配置されている。ここで水平方向に延びる4つの採光領域SAを上方向から下方向に向かってそれぞれ、第1の採光領域SA1、第2の採光領域SA2、第3の採光領域SA3および第4の採光領域SA4と呼ぶこととする。
採光部411は、第1実施形態の採光部11と同様に、ストライプ状に設けられた微細突起構造である。また、採光部411は、互いに平行に延びている。採光部411は、長手方向と直交する断面形状が多角形状をなす。
採光部411の延びる方向は、それぞれの採光領域SA1〜SA4に個別に設定されている。第1の採光領域SA1において、採光部411は、第1面10aの面内で水平方向に対して第1の傾斜角α1で傾いた第1の方向D1に直線状に延びている。第1の傾斜角α1は、例えば+10°である。第2の採光領域SA2において、採光部411は、第1面10aの面内で水平方向と平行な第2の方向D2に直線状に延びている。第3の採光領域SA3において、採光部411は、第1面10aの面内で水平方向に対して第3の傾斜角α3で傾いた第3の方向D3に直線状に延びている。第3の傾斜角α3は、例えば−10°である。すなわち、第3の採光領域SA3の採光部411は、第1の採光領域SA1の採光部411に対して反対側に傾いた方向に傾斜している。第4の採光領域SA4において、採光部411は、第1面10aの面内で水平方向と平行な第4の方向D4に直線状に延びている。すなわち、第4の採光領域SA4の採光部411は、第2の採光領域SA2の採光部411と平行に延びている。
採光部411において反射して天井側に照射される反射光は、採光部411の傾斜に応じて傾いた方向に向かう。このため、第1〜第3の採光領域SA1〜SA3において採光部411は、互いに異なる方向に光を照射する。また、第4の採光領域SA4の採光部411は、第2の採光領域SA2と同方向に光を照射する。これにより、採光装置401が設けられた室内3の天井には、幅広い範囲で光が照射され、室内3を均一に明るくすることができる。
複数の採光領域SAにおいて採光部411の傾きが互いに異なることで、採光部411において反射して床方向に照射される光(グレア光)も採光部411の傾斜に応じて傾いた方向に向かう。このため、複数の採光領域SA1〜SA4において反射されたグレア光が、室内3の1ヶ所に集中して照射されることがなく、グレア光による不快感を軽減できる。
なお、本実施形態においては、採光部411の傾きが互いに異なる3つの採光領域(第1〜第3の採光領域SA1〜SA3)を有する場合を例示した。しかしながら、採光装置401は、このような構成に限定されず、互いに異なる方向に延びる採光部411を有する2以上の採光領域を有していれば上述の効果を奏することができる。
[第6実施形態]
次に、第6実施形態の採光装置501について説明する。
図27は、採光装置501の全体構成を示す図である。図28は、採光装置501を上下方向に沿って断面をとった断面図である。第6実施形態の採光装置501は、第1実施形態の採光装置1と比較して、さらに光拡散部531を有する点が異なる。
採光装置501は、光透過性を有する板状の第1基材(基材)10と、第1基材10の第1面10a側に設けられた複数の採光部11と、第1基材10と採光部11との間に位置する支持基材13と、光透過性を有し第1基材10の第2面10b側に位置する第2基材530と、第2基材530の第1面530a側に設けられた複数の光拡散部531と、第2基材530と光拡散部531との間に位置する支持基材535と、を備える。また、第1実施形態と同様に採光装置501において、第1基材10の第1面10aには、複数(本実施形態において4つ)の採光領域SAと複数(本実施形態において3つ)の光透過領域TAとが縞状に配置されている。
なお本実施態において、第1基材10と第2基材530とは、互いに平行に配置されている。また、第1基材10の第2面10bと第2基材530の第1面530aは、対向している。
光拡散部531は、支持基材535を介して第2基材530の第1面530aに固定されている。光拡散部531は、光拡散領域KAを形成する。また、光拡散部531は、第1基材10の法線方向から見て、採光領域SAと概ね位置が重なるように設けられている。すなわち、光拡散領域KAは、第1基材10の法線方向から見て、採光領域SAと一致する領域に設けられている。なお、光拡散領域KAとは、第1基材10の法線方向から見て光拡散部531が設けられた領域を意味し、室外2から入射し室内3に入る光が、光拡散部531を介して透過する領域である。
図29は、光拡散部531の一例を示す斜視図である。光拡散部531は、光拡散特性を有する。光拡散部531は、図29に示すように、支持基材535と、支持基材535の一面535aに並べて配置された複数のレンチキュラーレンズ533とにより構成される。
本実施形態の光拡散部531は、レンチキュラーレンズ533がそれぞれ水平方向に延び、上下方向に並べて配置されている。このように配置された光拡散部531のレンズ面は、鉛直面内で曲率を有し、水平面内には曲率を有さないため、上下方向に高い光拡散性を有し、水平方向には光拡散性を有さない。しかしながら、光拡散部531は、このような構成に限定されることはなく、水平方向に強い光拡散性を示すように配置してもよい。
また、採光装置501は、光拡散部531に代えて、図30に示す異方性散乱構造531Aが設けられていてもよい。異方性散乱構造としては、例えばルミニット社製の光拡散制御フィルム(商品名:LSD)のように、サーフェス・レリーフ・ホログラムパターンによりμmレベルの凹凸構造を形成したものを用いることができる。また、採光装置501は、光拡散部531に代えて、アスペクト比が5〜500程度の粒子を連続層中に分散させた等方性散乱構造としの光散乱層を用いてもよい。
さらに採光装置501は、光拡散部531に、代えて図31、図32、図33に示すようにレンチキュラーレンズ533と等方性拡散層534B、534C、534Dとを組み合わせた光拡散部531B、531C、531Dを採用してもよい。なお、図31〜図33において、等方性拡散層534B、534C、534Dをドット模様として表示する。
図31に示す光拡散部531Bは、レンチキュラーレンズ533の表面に等方性拡散層534Bを有する。
図32に示す光拡散部531Cは、レンチキュラーレンズ533と支持基材535の一面535aとの間の接着層として等方性拡散層534Cを有する。
図33に示す光拡散部531Dは、支持基材535として等方性拡散層534Dを設けた構成を有する。
等方性拡散層534B〜534Dは、内部に光を拡散する拡散粒子が分散されている。
これにより、光拡散部531B、531C、531Dは、レンチキュラーレンズ533および等方性拡散層534B〜534Dにより光を異方向および等方向にそれぞれ拡散する。採光装置の光拡散部はこのような構成を採用してもよい。
次に、図28を基に、採光装置501の採光領域SAおよび光透過領域TAに入射する光の経路について述べる。
採光領域SAに入射する光L2は、採光部11の内部で屈折し、第1基材10の内部で、斜め上方に向かって射出される。第1基材10には、採光領域SAと重なるように、光拡散領域KAが設けられている。したがって、光L2は、第2基材530の第1面530aに設けられた光拡散領域KAに入射する。光拡散領域KAにおいて、光L2は、光拡散部531に入射し上下方向に拡散される。また、採光領域SAに入射する光の一部は、グレア光L2aとして、室内3の斜め下方に向かって射出され、光拡散領域KAにおいて上下方向に拡散される。光L2aは、光拡散部531で散乱されることで、強度が低下し、室内3に居る人が眩しさを感じさせにくくなる。一方、採光装置501から斜め上方に進行する光L2の強度もわずかに低下するが、光が光拡散部531で散乱することにより強度分布が均一化され、室内3の天井や壁面がより均一に照らされる。このように、本実施形態の採光装置501は、光拡散部531を備えることでグレアの抑制が可能であり、ブラインドの開閉度を機械的に調節する従来技術に比べ、低いコストで室内3の快適性を向上させることができる。
一方、光透過領域TAにおいて、光L1は、採光部11に対して斜め上方から入射し室内3において斜め下方に向かって射出される。光L1は、採光部11および光拡散部531の何れも透過せずに、室内3に射出される。光L1は、グレアとなる虞のある光L2aを生ずる領域を囲む領域から照射され背景輝度としてグレアを抑制する効果を奏する。
本実施形態の採光装置501によれば、第1実施形態と同様に、外光を採光部11で上方に屈折させ室内3の天井を照らし、照明設備の代わりとすることができる。また、採光領域SAの周囲に光透過領域TAを設けることで、背景輝度を高めて、採光領域SAのグレアを抑制することができる。
図34は、採光装置501の断面図であり採光部11と光拡散部531との詳細な位置関係を示す図である。図34に示すように、光拡散部531は、採光部11に対して下側に大きく形成することが好ましい。室外2から採光装置501に入射する光は、斜め上方から採光部11に入射する。採光部11に入射する光のうち一部の光L2aは、採光部11から室内3の下方に向かって照射されグレアの要因となる。このため、光拡散部531を採光部11に対して下側に大きくすることで、光拡散部531を通過して斜め下方に照射される光L2aを光拡散部531に通過させることができグレアを抑制することができる。
より具体的には、採光部11と光拡散部531との距離Tとし、採光部11からのグレア光L2aの水平方向に対する照射角度θおよび光拡散部531と採光部11との距離Tに対し、以下の式に表すΔLだけ下側に大きくすることが好ましい。
Figure 2017086331
また、本実施形態において、採光領域SAおよび光透過領域TAは、水平方向に延び、上下方向に並べて配列されている。また、平面視で採光領域SAと重ねて配置される光拡散領域KAは、採光領域SAと同様に水平方向に延びており、下側に採光領域SAより大きい。採光領域SAおよび光透過領域TAは、第1実施形態の各変形例(図13〜図20)に示したように様々な配置を採用できる。この場合であっても、光拡散領域KAは、採光領域SAと平面視で重ねて配置され、下側に大きくすることが好ましい。さらに、例えば、第1実施形態の変形例1(図13)に示すように、採光領域SAの水平方向両側(左右両側)に光透過領域TAが配置されている場合には、光拡散領域KAは、採光領域SAより左右方向にも大きくすることが好ましい。すなわち、光拡散領域KAは、基材10の法線方向から見て、採光領域SAを含みかつ採光領域SAより広く形成することが好ましい。これにより採光領域SAを通過した光が、より確実に光拡散領域KAを通過し、グレア抑制の確実性が高まる。
[第7実施形態]
次に、第7実施形態の採光装置601について説明する。
図35は、上下方向に沿って断面をとった採光装置601の断面図である。第7実施形態の採光装置601は、第6実施形態の採光装置501と比較して、採光部11が設けられた第1基材10と、光拡散部531が設けられた第2基材530との位置関係が異なる。
採光装置601は、光透過性を有する板状の第1基材(基材)10と、第1基材10の第1面10a側に設けられた複数の採光部11と、第1基材10と採光部11との間に位置する支持基材13と、光透過性を有し第1基材10の第1面10a側に位置し採光部11を覆う第2基材530と、第2基材530の第1面530a側に設けられた複数の光拡散部531と、第2基材530と光拡散部531との間に位置する支持基材535と、を備える。また、第1実施形態と同様に採光装置601において、基材10の第1面10aには、複数(本実施形態において4つ)の採光領域SAと複数(本実施形態において3つ)の光透過領域TAとが縞状に配置されている。上述した実施形態と同様に、光拡散部531は、第1基材10の法線方向から見て、採光領域SAと概ね位置が重なるように設けられており、光拡散領域KAを形成する。
なお本実施態において、第1基材10の第1面10aと第2基材530の第2面530bとは、対向している。
本実施形態の採光装置601によれば、室外2から入射した光が光拡散領域KAを通過した後に採光領域SAを通過する。これにより拡散した光を採光領域SAに入射させることができ、グレア光を抑制することできる。
[第8実施形態]
次に、第8実施形態の採光装置701について説明する。
図36は、上下方向に沿って断面をとった採光装置701の断面図である。第8実施形態の採光装置701は、第6実施形態の採光装置501と比較して、光拡散部531が設けられる位置が異なる。
採光装置701は、光透過性を有する板状の基材10と、基材10の第1面10a側に設けられた複数の採光部11と、基材10と採光部11との間に位置する支持基材13と、基材10の第2面10b側に設けられた複数の光拡散部531と、基材10と光拡散部531との間に位置する支持基材535と、を備える。また、第1実施形態と同様に採光装置701において、基材10の第1面10aには、複数(本実施形態において4つ)の採光領域SAと複数(本実施形態において3つ)の光透過領域TAとが縞状に配置されている。上述した実施形態と同様に、光拡散部531は、基材10の法線方向から見て、採光領域SAと概ね位置が重なるように設けられており、光拡散領域KAを形成する。
本実施形態の採光装置701によれば、室外2から入射し採光領域SAにおいて反射した光を光拡散領域KAに入射させて、グレア光を抑制することできる。
上述の第6実施形態〜第8実施形態において、光拡散部を有する採光装置について説明したが、その他に図37〜図42に示す構成を採用する光拡散部を有する採光装置を例示できる。
図37の採光装置501Aは、室外2側に第1基材10が配置され室内3側に第2基材530が配置される。また、採光装置501Aにおいて第1基材10の室外2側に採光部11が設けられ、第2基材530の室内3側に光拡散部531が設けられている。この構成によれば、採光装置501Aの室内3側に光拡散部531が設けられていることで室内灯の映り込みを軽減でき、採光装置501A表面のゆがみを目立ちにくくすることができる。
図38の採光装置501Bは、室外2側に第1基材10が配置され室内3側に第2基材530が配置される。また、採光装置501Bにおいて第1基材10の室内3側に採光部11が設けられ、第2基材530の室内3側に光拡散部531が設けられている。この構成によれば、採光装置501Bの室外2側が平坦面となるため、室内3側から窓ガラスに直接的に貼り付けることができる。
図39の採光装置501Cは、室外2側に第1基材10が配置され室内3側に第2基材530が配置される。また、採光装置501Cにおいて第1基材10の室内3側に採光部11が設けられ、第2基材530の室外2側に光拡散部531が設けられている。すなわち、採光部11と光拡散部531は、対向している。この構成によれば、採光部11と光拡散部531が第1基材10および第2基材530の間に位置されていることで、外部に露出せず保護される。さらに、この構成によれば、採光装置501Cの室外2側が平坦面となるため、室内3側から窓ガラスに直接的に貼り付けることができる。
図40の採光装置501Dは、室内3側に第1基材10が配置され室外2側に第2基材530が配置される。また、採光装置501Dにおいて第1基材10の室内3側に採光部11が設けられ、第2基材530の室外2側に光拡散部531が設けられている。この構成によれば、採光装置501Dの室内3から室外2に照射される光が光拡散部531により拡散されるために光害抑制の効果を奏する。
図41の採光装置501Eは、室内3側に第1基材10が配置され室外2側に第2基材530が配置される。また、採光装置501Eにおいて第1基材10の室内3側に採光部11が設けられ、第2基材530の室内3側に光拡散部531が設けられている。この構成によれば、採光装置501Eの室外2側が平坦面となるため、室内3側から窓ガラスに直接的に貼り付けることができる。また、この構成によれば、採光装置501Eの室内3から室外2に照射される光が光拡散部531により拡散されるために光害抑制の効果を奏する。
図42の採光装置501Fは、室内3側に第1基材10が配置され室外2側に第2基材530が配置される。また、採光装置501Fにおいて第1基材10の室外2側に採光部11が設けられ、第2基材530の室内3側に光拡散部531が設けられている。すなわち、採光部11と光拡散部531は、対向している。この構成によれば、採光部11と光拡散部531が第1基材10および第2基材530の間に位置されていることで、外部に露出せず保護される。また、この構成によれば、採光装置501Fの室外2側が平坦面となるため、室内3側から窓ガラスに直接的に貼り付けることができる。加えて、この構成によれば、採光装置501Fの室内3から室外2に照射される光が光拡散部531により拡散されるために光害抑制の効果を奏する。
[第9実施形態]
次に、第9実施形態の採光装置801について説明する。図43は、採光装置801の全体構成を示す斜視図である。採光装置801は、簾状である。
採光装置801は、上下方向に沿って並んで配置された短冊状の複数のスラット840、850と、複数のスラット840、850を一方向に並べた状態で結束する結束材845と、並設された複数のスラット840、850の最上段に設けられた上桟804と、最下段に設けられた下桟805と、を備える。
採光装置801は、固定窓に対して吊り下げた状態でそのまま使用される固定タイプの簾であってもよいし、下桟805側から巻き上げ可能な巻上げタイプの簾であってもよい。
複数のスラットは、採光スラット840と光透過スラット850とに分類される。
採光スラット840は、第1実施形態の採光装置1と基本的に同様の構成を有する。すなわち、採光スラット840は、光透過性を有する基材10、基材10の第1面10aに設けられた複数の採光部11および採光部11の間に設けられた空隙部12を有する。
光透過スラット850は、光透過性を有し、その表面に採光部が設けられていない点が採光スラット840と異なる。
複数の採光スラット840および光透過スラット850は、それぞれの長手方向を水平方向として1枚ごとに上下方向に交互に並べて吊下げられている。採光装置801は、平面視で、採光スラット840からなる採光領域SAと、光透過スラット850からなる光透過領域TAと、を有する。採光領域SAと光透過領域TAとは、すなわち平面視で、それぞれ水平方向に帯状に上下方向に沿って交互に設けられている。
本実施形態の採光装置801によれば、採光領域SAと光透過領域TAとが上下方向に交互に配置されていることにより、室内の居住者に、採光領域SA同士の隙間から室外2の景色を眺望させることが可能となる。すなわち、本実施形態によれば、景色を透かし見ることができ眺望性が確保された採光装置801を提供できる。
なお、本実施形態において、採光スラット840および光透過スラット850が1枚ごとに上下方向に並べられる場合を例示したが、2枚以上ごとに上下方向に並べられていてもよい。
[第10実施形態]
次に、第10実施形態の採光装置901について説明する。図44は、採光装置901の全体構成を示す斜視図である。採光装置901は、簾状であり、第9実施形態の採光装置801と比較して、光透過スラット850を有さない点が異なる。
採光装置901は、長手方向を水平方向として上下方向に並べて吊下げられた短冊状の採光スラット840を有している。図44に示すように採光スラット840の上下方向の中心を通過する中心線C840を設定する。上下に配置された採光スラット840の中心線C840同士の距離は、採光スラット840同士の上下方向のピッチPTである。採光スラット840のピッチPTが、採光スラット840の上下方向の幅Dより大きく設定されている。これにより、採光スラット840が傾いて設けられていた場合であっても、採光スラット840同士の意間には、採光装置901を介して背景を透かし見るための隙間950が設けられる。
採光装置901は、平面視で、採光スラット840からなる採光領域SAと、隙間950からなる光透過領域TAと、を有する。採光領域SAと光透過領域TAとは、すなわち平面視で、それぞれ水平方向に帯状に上下方向に沿って交互に設けられている。
本実施形態の採光装置901によれば、第9実施形態と同様の効果を奏することができる。
[第11実施形態]
次に、第11実施形態の採光装置1001について説明する。図45は、採光装置1001の全体構成を示す斜視図である。採光装置1001は、横型のブラインド状である。
すなわち、第9実施形態のすだれ状の採光装置901と比較して、各スラットの傾動角度を変更できる点が異なる。
採光装置1001は、上下方向に沿って並んで配置された短冊状の複数のスラット1040、1050と、複数のスラット1040、1050を一方向に並べた状態で結束する結束材1045と、を備える。また、結束材1045は、図示略の傾動機構に接続され、スラット1040、1050を傾動させる。
採光スラット1040は、第1実施形態の採光装置1と基本的に同様の構成を有する。
すなわち、採光スラット1040は、光透過性を有する基材10、基材10の第1面10aに設けられた複数の採光部11および採光部11の間に設けられた空隙部12を有する。
光透過スラット1050は、光透過性を有し、その表面に採光部が設けられていない点が採光スラット1040と異なる。
複数の採光スラット1040および光透過スラット1050は、それぞれの長手方向を水平方向として1枚ごとに上下方向に交互に並べて支持されている。採光装置1001は、平面視で、採光スラット1040からなる採光領域SAと、光透過スラット1050からなる光透過領域TAと、を有する。すなわち、採光領域SAと光透過領域TAとは、平面視で、それぞれ、水平方向に帯状に延び、上下方向に沿って交互に設けられている。
本実施形態の採光装置1001によれば、採光領域SAと光透過領域TAとが上下方向に交互に配置されていることにより、室内の居住者に、採光領域SA同士の隙間から室外2の景色を眺望させることが可能となる。すなわち、本実施形態によれば、景色を透かし見ることができ眺望性が確保された採光装置1001を提供できる。
また、本実施形態の採光装置1001は、スラット1040、1050を傾動させることで、容易に光透過領域TAを大きくし眺望性をさらに高めることができる。
なお、本実施形態において、採光スラット1040および光透過スラット1050が1枚ごとに上下方向に並べられる場合を例示したが、2枚以上ごとに上下方向に並べられていてもよい。また、採光装置1001において、光透過スラット1050を除いて、隙間とすることで光透過領域TAを形成してもよい。この場合、採光スラット1040同士の上下方向のピッチは、採光スラット1040の上下方向の幅より大きくすることが好ましい。これにより、採光スラット1040が、傾動機構(図示略)によりどのような角度に傾けられていても、採光スラット1040同士の上下方向の間に隙間としての光透過領域TAを形成できる。
[第12実施形態]
次に、第12実施形態の採光装置1201について説明する。図46は、採光装置1201の全体構成を示す斜視図である。採光装置1201は、縦型のブラインド状である。
すなわち、第11実施形態の横型ブラインド状の採光装置1001と比較して、各スラットが鉛直方向に吊下げられている点が異なる。
採光装置1201は、窓の上側に位置し水平方向に延びるレール部1204と、レール部1204から吊下げられ横方向に並んで配置された短冊状の複数のスラット1240、1250と、を備える。また、レール部1204には、内部に傾動機構(図示略)を有し、スラット1240、1250を傾動させる。
採光スラット1240は、第1実施形態の採光装置1と基本的に同様の構成を有する。
すなわち、採光スラット1240は、光透過性を有する基材10、基材10の第1面10aに設けられた複数の採光部11および採光部11の間に設けられた空隙部12を有する。
光透過スラット1250は、光透過性を有し、その表面に採光部が設けられていない点が採光スラット1240と異なる。
複数の採光スラット1240および光透過スラット1250は、それぞれの長手方向を鉛直方向として1枚ごとに横方向に交互に並べて吊下げられている。採光装置1201は、平面視で、採光スラット1240からなる採光領域SAと、光透過スラット1250からなる光透過領域TAと、を有する。すなわち、採光領域SAと光透過領域TAとは、平面視で、それぞれ、鉛直方向(上下方向)に帯状に延び、水平方向に沿って交互に設けられている。
本実施形態の採光装置1201によれば、採光領域SAと光透過領域TAとが水平方向に交互に配置されていることにより、室内の居住者に、採光領域SA同士の隙間から室外2の景色を眺望させることが可能となる。すなわち、本実施形態によれば、景色を透かし見ることができ眺望性が確保された採光装置1201を提供できる。
なお、本実施形態において、採光スラット1240および光透過スラット1250が1枚ごとに上下方向に並べられる場合を例示したが、2枚以上ごとに上下方向に並べられていてもよい。また、採光装置1201において、光透過スラット1250を除いて、隙間とすることで光透過領域TAを形成してもよい。この場合、採光スラット1240同士の上下方向のピッチは、採光スラット1240の上下方向の幅より大きくすることが好ましい。これにより、採光スラット1240が、傾動機構(図示略)によりどのような角度に傾けられていても、採光スラット1240同士の上下方向の間に隙間としての光透過領域TAを形成できる。
なお、第9実施形態〜第12実施形態の採光装置801、901、1001、1201の採光スラット840、1040、1240は、他の実施形態の採光領域SAの構成を採用してもよい。例えば、採光スラット840、1040、1240は、採光部11が形成される面と反対側の面に光拡散部(例えば図29〜図33の光拡散部531A、531B、531C、531D)を備えていてもよい。また、採光スラット840、1040、1240は、図26の採光装置401と同様に、上下方向に隣接する採光領域SAの採光部の延在方向が傾斜していてもよい。
また、第9実施形態〜第12実施形態の採光装置801、901、1001、1201は、全ての領域で、採光領域SAと光透過領域TAが上下方向又は水平方向に沿って縞状に配置されている。しかしながら、上下方向の一定の領域のみに、採光領域SAと光透過領域TAとが上下方向に沿って配置されており、他の領域は、採光領域SA若しくは光透過領域TAであってもよく、さらに光の透過を完全に抑制するスラットが並べられた領域であってもよい。
また、第9実施形態〜第12実施形態の採光装置801、901、1001、1201は、各スリットの巻き取りおよび収納を行うための電動機を有してもよい。また、第11実施形態および第12実施形態の採光装置1001、1201においては、各スリットを傾動させる傾動機構に電動機を有していてもよい。この場合には、各スリットの巻き取り、収納、又は傾動を電動で行うことができる。さらに、これらの採光装置801、901、1001、1201は、スイッチやリモコンで巻き取り、収納、又は傾動を遠隔操作する構成を採用してもよい。
[第13実施形態]
次に、第13実施形態の採光装置1101について説明する。
図47は、上下方向に沿って断面をとった採光装置1101の断面図である。採光装置1101は、第1実施形態の採光装置1と比較して、一対の透明板1122、1123を有する点が主に異なる。なお、上述の実施形態と同一態様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
採光装置1101は、光透過性を有する板状の基材10と、基材10の第1面10a側に設けられた複数の採光部11と、基材10と採光部11との間に位置する支持基材13と、基材10の第1面10a側および第2面10b側にそれぞれに位置し光透過性を有する透明板1122、1123と、平面視で基材10および一対の透明板1122、1123を囲み支持する枠体1124と、を備える。
本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、本実施形態によれば、採光部11が設けられた基材10が一対の透明板1122、1123の間に配置されていることで、採光部11を保護できる。これにより、採光部11に傷が生じることを防ぐことができる。加えて、採光部11が設けられる空間を密閉することができ、採光部11が空気に接触することを抑制して樹脂材料の劣化を抑制できる。
なお、本実施形態の透明板1122、1123の間に、他の実施形態の採光装置を配置してもよい。例えば、透明板1122、1123の間に、図28、図35〜図42に示すような光拡散部を有する採光装置を配置してもよい。
[採光システム]
図48は、採光装置および採光システムを備えた部屋モデルを示す図であって、図49のJ−J’線に沿う断面図である。図49は、部屋モデル2000の天井を示す平面図である。
部屋モデル2000において、外光が導入される部屋2003の天井2003aを構成する天井材は、高い光反射性を有していてもよい。図48および図49に示すように、部屋2003の天井2003aには、光反射性を有する天井材として、光反射性天井材2003Aが設置されている。光反射性天井材2003Aは、窓2002に設置された採光装置2010からの外光を室内の奥の方に導入することを促進することを目的とするもので、窓際の天井2003aに設置されている。具体的には、天井2003aの所定の領域E(窓2002から約3mの領域)に設置されている。
この光反射性天井材2003Aは、先に述べたように、採光装置2010(上述した何れかの実施形態の採光装置)が設置された窓2002を介して室内に導入された外光を室内の奥の方まで効率よく導く働きをする。採光装置2010から室内の天井2003aへ向けて導入された外光は、光反射性天井材2003Aで反射され、向きを変えて室内の奥に置かれた机2005の机上面2005aを照らすことになり、当該机上面2005aを明るくする効果を発揮する。
光反射性天井材2003Aは、拡散反射性であってもよいし、鏡面反射性であってもよいが、室内の奥に置かれた机2005の机上面2005aを明るくする効果と、室内に居る人とって不快なグレア光を抑える効果を両立するために、両者の特性が適度にミックスされたものが好ましい。
このように、採光装置2010によって室内に導入された光の多くは、窓2002の付近の天井に向かうが、窓2002の近傍は光量が十分である場合が多い。そのため、上記のような光反射性天井材2003Aを併用することによって、窓付近の天井(領域E)に入射した光を、窓際に比べて光量の少ない室内の奥の方へ振り分けることができる。
光反射性天井材2003Aは、例えば、アルミニウムのような金属板に数十ミクロン程度の凹凸によるエンボス加工を施したり、同様の凹凸を形成した樹脂基板の表面にアルミのような金属薄膜を蒸着したりして作製することができる。あるいは、エンボス加工によって形成される凹凸がもっと大きな周期の曲面で形成されていてもよい。
さらに、光反射性天井材2003Aに形成するエンボス形状を適宜変えることによって、光の配光特性や室内における光の分布を制御することができる。例えば、室内の奥の方に延在するストライプ状にエンボス加工を施した場合は、光反射性天井材2003Aで反射した光が、窓2002の左右方向(凹凸の長手方向に交差する方向)に拡がる。部屋2003の窓2002の大きさや向きが限られているような場合は、このような性質を利用して、光反射性天井材2003Aによって光を水平方向へ拡散させるとともに、室内の奥の方向へ向けて反射させることができる。
採光装置2010は、部屋2003の採光システムの一部として用いられる。採光システムは、例えば、採光装置2010と、複数の室内照明装置2007と、窓に設置された日射調整装置2008と、これらの制御系と、天井2003aに設置された光反射性天井材2003Aと、を含む部屋全体の構成部材から構成される。
部屋2003の窓2002には、上部側に採光装置2010が設置され、下部側に日射調整装置2008が設置されている。ここでは、日射調整装置2008として、ブラインドが設置されているが、これに限らない。
部屋2003には、複数の室内照明装置(照明装置)2007が、窓2002の左右方向および室内の奥行き方向に格子状に配置されている。これら複数の室内照明装置2007は、採光装置2010と併せて部屋2003の全体の照明システムを構成している。
図48および図49に示すように、例えば、窓2002の左右方向の長さLが18m、部屋2003の奥行方向の長さLが9mのオフィスの天井2003aを示す。ここでは、室内照明装置2007は、天井2003aの横方向および奥行方向に、それぞれ1.8mの間隔Pをおいて格子状に配置されている。より具体的には、50個の室内照明装置2007が10行×5列に配列されている。
室内照明装置2007は、室内照明器具2007aと、明るさ検出部2007bと、制御部2007cと、を備え、室内照明器具2007aに明るさ検出部2007bおよび制御部2007cが一体化されて構成されたものである。
室内照明装置2007は、室内照明器具2007aおよび明るさ検出部2007bをそれぞれ複数ずつ備えていてもよい。但し、明るさ検出部2007bは、各室内照明器具2007aに対して1個ずつ設けられる。明るさ検出部2007bは、室内照明器具2007aが照明する被照射面の反射光を受光して、被照射面の照度を検出する。ここでは、明るさ検出部2007bによって、室内に置かれた机2005の机上面2005aの照度を検出する。
各室内照明装置2007に1個ずつ設けられた制御部2007cは、互いに接続されている。各室内照明装置2007は、互いに接続された制御部2007cにより、各々の明るさ検出部2007bが検出する机上面2005aの照度が一定の目標照度L(例えば、平均照度:750lx)になるように、それぞれの室内照明器具2007aのLEDランプの光出力を調整するフィードバック制御を行っている。
図50は、採光装置によって室内に採光された光(自然光)の照度と、室内照明装置による照度(採光システム)との関係を示すグラフである。図50において、縦軸は机上面の照度(lx)を示し、横軸は窓からの距離(m)を示している。また、図中の破線は、室内の目標照度を示している。(●:採光装置による照度、△:室内照明装置による照度、◇:合計照度)
図50に示すように、採光装置2010により採光された光に起因する机上面照度は、窓近傍ほど明るく、窓から遠くなるに従ってその効果は小さくなる。採光装置2010を適用した部屋では、昼間において窓からの自然採光によりこのような部屋奥方向への照度分布が生じる。そこで、採光装置2010は、室内の照度分布を補償する室内照明装置2007と併用して用いられる。室内天井に設置された室内照明装置2007は、それぞれの装置の下の平均照度を明るさ検出部2007bによって検出し、部屋全体の机上面照度が一定の目標照度L0になるように調光制御されて点灯する。従って、窓近傍に設置されているS1列、S2列はほとんど点灯せず、S3列、S4列、S5列と部屋奥方向に向かうに従って出力を上げながら点灯される。結果として、部屋の机上面は自然採光による照度と室内照明装置2007による照明の合計で照らされ、部屋全体に亘って執務をする上で十分とされる机上面照度である750lx(「JIS Z9110 照明総則」の執務室における推奨維持照度)を実現することができる。
以上述べたように、採光装置2010と採光システム(室内照明装置2007)とを併用することにより、室内の奥の方まで光を届けることが可能となり、室内の明るさをさらに向上させることができるとともに部屋全体に亘って執務をする上で十分とされる机上面照度を確保することができる。したがって、季節や天気による影響を受けずにより一層安定した明るい光環境が得られる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと解される。各実施形態の構成を適宜組み合わせてもよい。
例えば、上述した各実施形態において、採光部11は、基材10の室外2側に位置する第1面10aに設けられていた。しかしながら、採光部11は、基材10の室内3側に位置していてもよい。このような場合であっても、各実施形態と同様の効果を奏することができる。
本発明のいくつかの態様は、外の景色を透かし見ることが必要な採光装置、採光システムおよび採光装置の製造方法などに適用することができる。
1,1A,1B,1C,1D,1E,1F,1G,101,201,301,301A,401,501,601,701,801,901,1001,1101,2010…採光装置、9,85…金型、9a…採光構造形成部(凹凸領域)、9b…光透過領域形成部(平坦領域)、10,20,310,310A…基材、10…第1基材(基材)、10a,310a,530a…第1面、11,411…採光部、12…空隙部、71…樹脂シート(採光フィルム)、222…保護板、531…光拡散部、840,1040…採光スラット、850,1050…光透過スラット、1122、1123…透明板、KA…光拡散領域、SA…採光領域、TA…光透過領域
また本発明の一態様である採光装置の製造方法は、光透過性を有する板材料の第1面に、複数の採光部とその間に設けられた空隙部を形成する工程と、前記空隙部の一部を樹脂材料により埋め込んで光透過領域を形成する工程と、を有し、前記採光部により形成された採光領域と前記光透過領域とを、前記第1面の面内の少なくとも一方向に沿って交互に設ける。
第1実施形態の採光装置の全体構成を示す図である。 第1実施形態の採光装置の上下方向に沿う全体断面図である。 第1実施形態の採光装置の上下方向に沿う断面図であり、図2Aの部分拡大断面図である。 第1実施形態の採光装置において、採光装置と室内の居住者との位置関係を示す模式図である。 採光部の断面図であり、採光部の内部における光の制御機能を示す図である。 採光部の変形例を示す第1の断面図である。 採光部の変形例を示す第2の断面図である。 採光部の変形例を示す第3の断面図である。 採光部の変形例を示す第4の断面図である。 採光部の配置とそれに伴う光の経路を示す断面図であり、採光部が室外側に配置された場合を示す図である。 採光部の配置とそれに伴う光の経路を示す断面図であり、採光部が室内側に配置された場合を示す図である。 第1実施形態の採光装置の製造方法における樹脂シートの作製方法の一例を示す模式図である。 第1実施形態の採光装置の製造方法における樹脂シートの作製方法の一例を示す第1の模式図である。 第1実施形態の採光装置の製造方法における樹脂シートの作製方法の一例を示す第2の模式図である。 第1実施形態の採光装置の製造方法における樹脂シートの作製方法の一例を示す第3の模式図である。 第1実施形態の採光装置の第1の製造方法の模式図であり、切断前の樹脂シートを示す図である。 第1実施形態の採光装置の第1の製造方法の模式図であり、樹脂シートを切断して形成された採光部材を示す図である。 第1実施形態の採光装置の第1の製造方法の模式図であり、採光部材を基材に貼付する工程を示す図である。 第1実施形態の採光装置の第2の製造方法の模式図であり、全体に採光部が設けられた基材を示す図である。 第1実施形態の採光装置の第2の製造方法の模式図であり、採光部の間に未硬化の樹脂材料を供給する工程を示す図である。 第1実施形態の採光装置の第2の製造方法の模式図であり、樹脂材料を硬化させて空隙部を埋め込む様子を示す図である。 第1実施形態の採光装置の第3の製造方法の模式図であり、基材に未硬化の樹脂層を形成する様子を示す図である。 第1実施形態の採光装置の第3の製造方法の模式図であり、金型を樹脂層に加圧する様子を示す図である。 第1実施形態の採光装置の第3の製造方法の模式図であり、金型離後の様子を示す図である。 第1実施形態の採光装置の第3の製造方法の変形例の模式図であり、基材に未硬化の樹脂層を形成する様子を示す図である。 第1実施形態の採光装置の第3の製造方法の変形例の模式図であり、金型を樹脂層に加圧する様子を示す図である。 第1実施形態の採光装置の第3の製造方法の変形例の模式図であり、金型離後の様子を示す図である。 第1実施形態の変形例1の採光装置の全体構成を示す図である。 第1実施形態の変形例2の採光装置の全体構成を示す図である。 第1実施形態の変形例3の採光装置の全体構成を示す図である。 第1実施形態の変形例4の採光装置の全体構成を示す図である。 第1実施形態の変形例5の採光装置の全体構成を示す図である。 第1実施形態の変形例6の採光装置の全体構成を示す図である。 第1実施形態の変形例7の採光装置の全体構成を示す図である。 第1実施形態の変形例7の採光装置を示し図19のXX−XX線に沿う断面図である。 第2実施形態の採光装置の上下方向に沿う断面図である。 第3実施形態の採光装置の上下方向に沿う断面図である。 第3実施形態の変形例の採光装置の上下方向に沿う断面図である。 第4実施形態の採光装置の上下方向に沿う断面図である。 第4実施形態の変形例の採光装置の上下方向に沿う断面図である。 第5実施形態の採光装置の全体構成を示す図である。 第6実施形態の採光装置の全体構成を示す図である。 第6実施形態の採光装置の上下方向に沿う断面図である。 光拡散部の一例を示す斜視図である。 光拡散部の一例を示す斜視図である。 光拡散部の一例を示す斜視図である。 光拡散部の一例を示す斜視図である。 光拡散部の一例を示す斜視図である。 第6実施形態の拡大断面図であり、採光部と光拡散部との詳細な位置関係を示す図である。 第7実施形態の採光装置の上下方向に沿う断面図である。 第8実施形態の採光装置の上下方向に沿う断面図である。 光拡散部を有する採光装置の変形例の上下方向に沿う断面図である。 光拡散部を有する採光装置の変形例の上下方向に沿う断面図である。 光拡散部を有する採光装置の変形例の上下方向に沿う断面図である。 光拡散部を有する採光装置の変形例の上下方向に沿う断面図である。 光拡散部を有する採光装置の変形例の上下方向に沿う断面図である。 光拡散部を有する採光装置の変形例の上下方向に沿う断面図である。 第9実施形態の採光装置の全体構成を示す図である。 第10実施形態の採光装置の全体構成を示す図である。 第11実施形態の採光装置の全体構成を示す図である。 第12実施形態の採光装置の全体構成を示す図である。 第13実施形態の採光装置の上下方向に沿う断面図である。 採光装置および採光システムを備えた部屋モデルを示す図であって、図49のJ−J’線に沿う断面図。 部屋モデルの天井を示す平面図。 採光装置によって室内に採光された光(自然光)の照度と、室内照明装置による照度(採光システム)との関係を示すグラフ。
本実施形態における採光部11は、基材10から最も離れた頂点qを通る基材10の垂線Qを中心としてその両側の形状が非対称とされた、断面形状が6角形の多角柱状構造体である。また、採光部11は、断面形状の6つの頂点のうちの5つの内角が180°未満とされている。
なお、採光部11の断面形状は図示したものに限られず、採光装置1の用途等に応じて適宜設計変更することも可能である。すなわち、採光部11は、採光機能を奏することができる形状であれば、長手方向と垂直な断面の形状が、三角形状であったり曲線を有していたりしてもよい。
基材10の第1面10aには、複数の採光領域SAと複数の光透過領域TAとが縞状に配置されている。
採光領域SAとは、採光部11および空隙部12が設けられた領域である。また採光領域SAにおいて、室外2から室内3に入射する光は、採光部11を介して透過する。
光透過領域TAは、基材10の採光部11が設けられていない領域である。すなわち、光透過領域TAは、光が採光部11を介することなく透過する領域である。
(幅DT≧幅DSの場合)
光透過領域TAの幅DTが、採光領域SAの幅DSに対し大きい又は同じである場合(幅DT≧幅DS)、観察者Oは、採光装置1との距離Leに関わらず室外の景色を十分に確認することができる。すなわち、幅DT≧幅DSとすることで、室内3のいかなる位置においても眺望性を確保できる採光装置1を提供できる。
なお、本実施形態において、光透過領域TAの幅DTが採光領域SAの幅DS以上あることは、光透過領域TAの面積が、採光領域SAの面積以上であることを意味する。光透過領域TAと採光領域SAとが縞状に配置される以外の場合(後段に説明する変形例に示す場合)であっても、光透過領域TAの面積が採光領域SAの面積より大きい場合には、室内3のいかなる位置においても眺望性を確保できる採光装置1を提供できる。
採光領域SAに入射した光のうち一部の光L2aは、室内3の斜め下方に向かって射出され、室内3に居る人にとって、不快な眩しさ(以下、グレア)として、人Mに不快感を与えることがあった。
グレアは、光源の輝度、光源の大きさ、光源の位置、且つ天井面、壁面などの背景の明るさによって定量的に表すことができる。不快グレアの指標の一つに、グレア指標PGSVがある。
グレア指標PGSVは、室内3の居住者の目の方向に対する光源の明るさを光源輝度L[cd/m]、居住者の目の方向に対する光源の周囲(背景)の明るさを背景輝度L[cd/m]、居住者の視野に占める光源の立体角をω[sr]としたとき、以下の(式2)で表される。なお、グレア指標PGSVは、値が大きいほど居住者に与える不快さが増し、値が小さいほど不快さが軽減する指標である。
(式2)の右辺において、背景輝度Lが分母となっていることから、光源輝度Lに対して、背景輝度Lを高めることで、室内3の中の人Mが不快に感じるグレアを低減できることがわかる。本実施形態において、帯状に水平方向に延びる採光領域SAの上下には、それぞれ光透過領域TAが設けられている。このため、採光領域SAにおけるグレア源としての光L2aに対して、光透過領域TAが背景となり、光透過領域TAの輝度が背景輝度Lとなる。光透過領域TAにおいて光L1は、直接的に人Mに向かうため、グレアの発生源としての採光領域SAの輝度に対して、光L1が背景としての十分な輝度を提供すると思われる。したがって、採光領域SAの周囲に光透過領域TAを設けることで、グレア指標PGSVを低減させることが可能となる。
(採光部の変形形状)
本実施形態の採光部11は、図4に示すように、長手方向に直交する方向における断面形状が6角形とされている。しかしながら、採光部11の断面形状は上述した6角形に限られず、5角形や三角形であってもよい。図5A〜図5D変形形状の採光部の断面図を示す。
図5Aの採光部11aは、長手方向に直交する断面形状が二等辺三角形をなす。
図5Bの採光部11bは、長手方向に直交する断面形状が台形形状をなす。
図5Cの採光部11cは、周側面の一部が曲面を成す曲柱面構造である。
図5Dにおいて、基材10の両面にはそれぞれ第1採光部11dおよび第2採光部11eが形成されている。一方の面に形成されている第1採光部11dは、上述の採光部11と同形状を有する。また、他方の面に形成されている第2採光部11eは、断面形状が二等辺三角形を有する。なお基材10の両面に形成される採光部の形状は、図5Dの形状に限定されない。
その他の樹脂シート作製方法について図8A〜図8Cを基に説明する。
まず、図8Aに示すように、支持基材13の一方の面13aに、熱硬化性樹脂又は紫外線硬化性樹脂からなる未硬化の樹脂を塗布して樹脂層84を形成し、さらに転写面85aに凹凸形状が形成された金型85を重ねる。
次いで、図8Bに示すように、支持基材13の一方の面13aに、金型85の転写面85aを押圧し、樹脂層84を硬化して凹凸形状を転写する。樹脂層84として熱硬化性樹脂を用いる場合、支持基材13に金型85を押圧した状態で、樹脂層84に熱を加える。これにより樹脂層84に金型85の凹凸形状が固定されて、図8Cに示すように、支持基材13の一方の面13aに、採光部11が形成される。また、樹脂層84として紫外線硬化性樹脂を用いる場合、支持基材13に金型85を押圧した状態で、樹脂層84に紫外線等の光を照射する。これにより樹脂層84に金型85の凹凸形状が固定されて、図8Cに示すように、支持基材13の一方の面13a(硬化層)に、採光部11が形成される。
以上の工程を経て、樹脂シート71を作製できる。
次に、図9Aに示すように、採光部11が形成された樹脂シート71又は採光部11が形成され支持基材13を、採光部11の長手方向に沿って(例えば、破線CTLに沿って)で裁断する。これにより、図9Bに示すように、所定の大きさの採光部材88を形成する。
まず、図11Aに示すように、基材10の第1面10aに、未硬化の熱硬化性樹脂又は未硬化の紫外線硬化性樹脂からなる樹脂層17Aを形成する。また、採光部11を構成するための金型9を用意する。金型9は、採光部11の形状を凹凸逆転させた形状の採光構造形成部(凹凸領域)9aと、平坦な光透過領域形成部(平坦領域)9bと、を有する。採光構造形成部9aと光透過領域形成部9bとは、交互に並んでいる。
次いで、図11Bに示すように、未硬化の樹脂層17A上に金型9を搭載して加圧する。金型9の凹部内には毛細管現象により隙間なく未硬化の樹脂材料が浸透する。
次いで、金型9により樹脂層17Aを加圧したまま、樹脂層17Aを硬化させ硬化層17を形成する。樹脂層17Aとして、熱硬化性樹脂を用いる場合には、樹脂層17Aに熱を加える。また、樹脂層17Aとして紫外線硬化性樹脂を用いる場合には、基材10を介して紫外線を照射する。
次いで、金型から硬化層17を離させる。これにより、基材10の第1面10a側に採光構造形成部9aに対応する採光領域SAを形成するとともに、光透過領域形成部9bに対応する光透過領域TAを形成する。
以上の工程を経ることで、採光領域SAと光透過領域TAとが形成された採光装置1を製造できる。
第3の製造方法の変形例として、図12A〜図12Cに示す製造方法により、基材10の第1面10aに採光部11を形成してもよい。
第3の製造方法の変形例では、基材10の第1面10aに未硬化の樹脂層17Aを形成した状態で、金型9Aを加圧する。金型9Aは、上述の金型9と同様の採光構造形成部(凹凸領域)9Aaと、凹状に形成され底面が平坦な光透過領域形成部(平坦領域)9Abと、を有する。採光構造形成部9Aaと光透過領域形成部9Abとは、交互に並んでいる。
図12Bに示すように、未硬化の樹脂層17A上に金型9Aを搭載して加圧することで金型9Aの採光構造形成部9Aaと光透過領域形成部9Abには隙間なく未硬化の樹脂が浸透する。
さらに、樹脂層17Aを硬化して硬化層17とした後に金型を離する。これにより、図12Cに示すように、基材10の第1面10a側に採光構造形成部9Aaに対応する採光領域SAを形成するとともに、光透過領域形成部9Abに対応する光透過領域TAを形成する。このように形成した光透過領域TAは、採光領域SAの採光部11突出高さと略同等の高さで基材10の第1面10aから凸状に形成される。このような光透過領域TAを形成する場合であっても、同様の効果を奏することができる。
(作用効果)
本実施形態の採光装置1は、採光領域SAにおいて外光を室内3の天井に向かって屈折させ室内を照らす。これにより、日中に建物内の照明設備が消費するエネルギーを節約する省エネルギー効果が期待できる。
また、本実施形態の採光装置1は、採光領域SAと光透過領域TAとが、基材10の第1面10aの面内において上下方向に沿って交互に設けられている。すなわち、採光領域SA同士の間に光透過領域TAが位置する。これにより、室内3から採光装置1を見たとき、光透過領域TAを介して室外2の景色を透かし見ることができる。したがって、本実施形態によれば、眺望性を確保した採光装置1を提供できる。
また、本実施形態の採光装置1によれば、平面視で、採光領域SAを上下方向から挟むように光透過領域TAが設けられている。上述したように、グレアの発生源である光源は、その周囲(背景)の輝度を高めることでグレア指標PGSVを低減できる。光透過領域TAは、外光Lが直接的に室内3の居住者に向かうため、グレアの発生源としての採光領域SAの輝度に対して、外光Lが背景としての十分な輝度を提供すると思われる。したがって、採光領域SAの周囲に光透過領域TAを設けることで、グレアを低減させることが可能となる。
なお、本実施形態の光透過抑制フィルム121は、基材10の第2面10bに貼り付けられているが、第1面10a側に貼り付けられていてもよい。また、光透過抑制フィルム121は、基10の第1面10aおよび第2面10bにそれぞれ貼り付けられていてもよい。また、光透過抑制フィルム121を用いることなく、基材10は、互いに光透過率が異なる2種類の透明部材から構成してもよい。すなわち、光透過領域TAに対応する部位として光透過率が低い部材を用い採光領域SAに対応する部位として光透過率が高い部材を用い、これらを複合して基材10を形成してもよい。これらの場合であっても、本実施形態と同様の効果を奏することができる。
本実施形態の採光装置301によれば、中空部315が設けられていることで、採光領域SAにおいて斜め下方に屈折し光透過領域TAを通過する光L2aを、中空部315の上界面315aで上側に向けて反射させることができ、グレアを抑制できる。
また、本実施形態の採光装置301によれば、中空部315が設けられていることで、採光装置を軽量化することができる。
複数の採光領域SAにおいて採光部411の傾きが互いに異なることで、採光部411において反射して床方向に照射される光(グレア光)は、様々な方向に向かい、分散・拡散される。このため、複数の採光領域SA1〜SA4において反射されたグレア光が、拡散され、グレア光による不快感を軽減できる。
採光装置501は、光透過性を有する板状の第1基材(基材)10と、第1基材10の第1面10a側に設けられた複数の採光部11と、第1基材10と採光部11との間に位置する支持基材13と、光透過性を有し第1基材10の第2面10b側に位置する第2基材530と、第2基材530の第1面530a側に設けられた複数の光拡散部531と、第2基材530と光拡散部531との間に位置する支持基材535と、を備える。また、第1実施形態と同様に採光装置501において、第1基材10の第1面10aには、複数(本実施形態において4つ)の採光領域SAと複数(本実施形態において3つ)の光透過領域TAとが縞状に配置されている。
なお本実施態において、第1基材10と第2基材530とは、互いに平行に配置されている。また、第1基材10の第2面10bと第2基材530の第1面530aは、対向している。
本実施形態の光拡散部531は、レンチキュラーレンズ533がそれぞれ水平方向に延び、上下方向に並べて配置されている。このように配置された光拡散部531のレンズ面は、鉛直面内で曲率を有し、水平面内には曲率を有さないため、上下方向に高い光拡散性を有し、水平方向には光拡散性を有さない。しかしながら、光拡散部531は、このような構成に限定されることはなく、水平方向に強い光拡散性を示すように配置してもよい。
また、採光装置501は、光拡散部531に代えて、図30に示す異方性散乱構造531Aが設けられていてもよい。異方性散乱構造としては、例えばルミニット社製の光拡散制御フィルム(商品名:LSD)のように、サーフェス・レリーフ・ホログラムパターンによりμmレベルの凹凸構造を形成したものを用いることができる。また、採光装置501は、光拡散部531に代えて、アスペクト比が5〜500程度の粒子を連続層中に分散させた等方性散乱構造としの光散乱層を用いてもよい。
次に、図28を基に、採光装置501の採光領域SAおよび光透過領域TAに入射する光の経路について述べる。
採光領域SAに入射する光L2は、採光部11の内部で屈折し、第1基材10の内部で、斜め上方に向かって射出される。第2基材530には、採光領域SAと重なるように、光拡散領域KAが設けられている。したがって、光L2は、第2基材530の第1面530aに設けられた光拡散領域KAに入射する。光拡散領域KAにおいて、光L2は、光拡散部531に入射し上下方向に拡散される。また、採光領域SAに入射する光の一部は、グレア光L2aとして、室内3の斜め下方に向かって射出されることなく、光拡散領域KAにおいて上下方向に拡散される。光L2aは、光拡散部531で散乱されることで、強度が低下し、室内3に居る人が眩しさを感じさせにくくなる。一方、採光装置501から斜め上方に進行する光L2の強度もわずかに低下するが、光が光拡散部531で散乱することにより強度分布が均一化され、室内3の天井や壁面がより均一に照らされる。このように、本実施形態の採光装置501は、光拡散部531を備えることでグレアの抑制が可能であり、ブラインドの開閉度を機械的に調節する従来技術に比べ、低いコストで室内3の快適性を向上させることができる。
図34は、採光装置501の断面図であり採光部11と光拡散部531との詳細な位置関係を示す図である。図34に示すように、光拡散部531は、採光部11に対して下側に大きく形成することが好ましい。室外2から採光装置501に入射する光は、斜め上方から採光部11に入射する。採光部11に入射する光のうち一部の光L2aは、採光部11から室内3の下方に向かって照射されグレアの要因となる。このため、光拡散部531を採光部11に対して下側に大きくすることで、採光部11を通過して斜め下方に照射される光L2aに、光拡散部531通過させることができグレアを抑制することができる。
より具体的には、採光部11と光拡散部531との距離Tとし、採光部11からのグレア光L2aの水平方向に対する照射角度θおよび光拡散部531と採光部11との距離Tに対し、以下の式に表すΔLだけ下側に大きくすることが好ましい。
採光装置601は、光透過性を有する板状の第1基材(基材)10と、第1基材10の第1面10a側に設けられた複数の採光部11と、第1基材10と採光部11との間に位置する支持基材13と、光透過性を有し第1基材10の第1面10a側に位置し採光部11を覆う第2基材530と、第2基材530の第1面530a側に設けられた複数の光拡散部531と、第2基材530と光拡散部531との間に位置する支持基材535と、を備える。また、第1実施形態と同様に採光装置601において、第1基材10の第1面10aには、複数(本実施形態において4つ)の採光領域SAと複数(本実施形態において3つ)の光透過領域TAとが縞状に配置されている。上述した実施形態と同様に、光拡散部531は、第1基材10の法線方向から見て、採光領域SAと概ね位置が重なるように設けられており、光拡散領域KAを形成する。
なお本実施態において、第1基材10の第1面10aと第2基材530の第2面530bとは、対向している。
なお、本実施形態において、採光スラット1240および光透過スラット1250が1枚ごとに左右方向に並べられる場合を例示したが、2枚以上ごとに左右方向に並べられていてもよい。また、採光装置1201において、光透過スラット1250を除いて、隙間とすることで光透過領域TAを形成してもよい。この場合、採光スラット1240同士の左右方向のピッチは、採光スラット1240の左右方向の幅より大きくすることが好ましい。これにより、採光スラット1240が、傾動機構(図示略)によりどのような角度に傾けられていても、採光スラット1240同士の左右方向の間に隙間としての光透過領域TAを形成できる。
なお、第9実施形態〜第12実施形態の採光装置801、901、1001、1201の採光スラット840、1040、1240は、他の実施形態の採光領域SAの構成を採用してもよい。例えば、採光スラット840、1040、1240は、採光部11が形成される面と反対側の面に光拡散部(例えば図29〜図33の光拡散部531A、531B、531C、531D)を備えていてもよい。また、採光スラット840、1040、1240は、図26の採光装置401と同様に、上下方向に隣接する採光領域SAの採光部の延在方向が異なっていてもよい。
また、第9実施形態〜第12実施形態の採光装置801、901、1001、1201は、全ての領域で、採光領域SAと光透過領域TAが上下方向又は水平方向に沿って縞状に配置されている。しかしながら、上下方向の一定の領域のみに、採光領域SAと光透過領域TAとが水平な帯状に配置されており、他の領域は、採光領域SA若しくは光透過領域TAであってもよく、さらに光の透過を完全に抑制するスラットが並べられた領域であってもよい。
図50に示すように、採光装置2010により採光された光に起因する机上面照度は、窓近傍ほど明るく、窓から遠くなるに従ってその効果は小さくなる。採光装置2010を適用した部屋では、昼間において窓からの自然採光によりこのような部屋奥方向への照度分布が生じる。そこで、採光装置2010は、室内の照度分布を補償する室内照明装置2007と併用して用いられる。室内天井に設置された室内照明装置2007は、それぞれの装置の下の平均照度を明るさ検出部2007bによって検出し、部屋全体の机上面照度が一定の目標照度 になるように調光制御されて点灯する。従って、窓近傍に設置されているS1列、S2列はほとんど点灯せず、S3列、S4列、S5列と部屋奥方向に向かうに従って出力を上げながら点灯される。結果として、部屋の机上面は自然採光による照度と室内照明装置2007による照明の合計で照らされ、部屋全体に亘って執務をする上で十分とされる机上面照度である750lx(「JIS Z9110 照明総則」の執務室における推奨維持照度)を実現することができる。

Claims (17)

  1. 光透過性を有する基材と、
    前記基材の第1面側に設けられた複数の採光部と、
    前記複数の採光部の間に設けられた空隙部と、を備え、
    光が前記複数の採光部を介して透過する採光領域と、光が前記複数の採光部を介することなく前記基材を透過する光透過領域と、を有し、
    前記採光領域と前記光透過領域とは、前記第1面の面内の少なくとも一方向に沿って交互に設けられている、採光装置。
  2. 前記基材の法線方向から見て、前記採光領域と前記光透過領域とが縞状に配置されている、請求項1に記載の採光装置。
  3. 前記基材の法線方向から見て、前記採光領域と前記光透過領域とが市松模様をなして配置されている、請求項1に記載の採光装置。
  4. 前記基材の法線方向から見て、前記採光領域と前記光透過領域とが前記第1面の面内の一方向に対して非周期的に配置されている、請求項1に記載の採光装置。
  5. 前記光透過領域の光の透過率が、前記採光領域の光の透過率よりも低い、請求項1〜4の何れか一項に記載の採光装置。
  6. 前記基材の前記第1面側に位置し光透過性を有する保護板をさらに備え、
    前記保護板が、前記光透過領域において前記基材に固定されている、請求項1〜5の何れか一項に記載の採光装置。
  7. 前記基材は、前記光透過領域が形成された部分の総厚さが、前記採光領域が形成された部分の総厚さよりも薄い、請求項1〜6の何れか一項に記載の採光装置。
  8. 複数の前記採光領域のうち第1の採光領域の前記採光部は、前記第1面の面内で第1の方向に直線状に延び、
    前記第1の採光領域と異なる第2の採光領域の前記採光部は、前記第1面の面内で前記第1の方向と異なる第2の方向に直線状に延びる、請求項1〜7の何れか一項に記載の採光装置。
  9. 複数の前記採光部から射出された光、もしくは複数の前記採光部に入射する光を拡散する光拡散部をさらに備える、請求項1〜8の何れか一項に記載の採光装置。
  10. 前記光拡散部は、光拡散領域を形成し、
    前記光拡散領域は、前記基材の法線方向から見て、前記採光領域を含みかつ前記採光領域より広い、請求項9に記載の採光装置。
  11. 一対の透明板をさらに備え、
    前記基材が、一対の前記透明板の間に配置されている、請求項1〜10の何れか一項に記載の採光装置。
  12. 光透過性を有する基材、前記基材の第1面に設けられた複数の採光部および前記採光部の間に設けられた空隙部を有する短冊状の複数の採光スラットと、
    光透過性を有する短冊状の複数の光透過スラットと、を有し、
    複数の前記採光スラットおよび前記光透過スラットは、前記採光スラットおよび前記光透過スラットの長手方向を水平方向として1枚以上ごとに上下方向に交互に並べて吊下げられている、採光装置。
  13. 光透過性を有する基材、前記基材の第1面に設けられた複数の採光部および前記採光部の間に設けられた空隙部を有する短冊状の複数の採光スラットを有し、
    複数の前記採光スラットは、長手方向を水平方向として上下方向に並べて吊下げられ、
    前記採光スラット同士の上下方向のピッチが、前記採光スラットの上下方向の幅より大きい、採光装置。
  14. 採光装置と、
    室内照明器具と、
    室内の明るさを検出する検出部と、
    前記室内照明器具と前記検出部とを制御する制御部と、を有して構成され、
    前記採光装置として請求項1〜13の何れか一項に記載の採光装置を採用する採光システム。
  15. 光透過性を有する板材料の第1面に、複数の採光部とその間に設けられた空隙部を形成する工程と、
    前記空隙部の一部を樹脂材料により埋め込んで光透過領域を形成する工程と、を有し、
    前記樹脂材料により埋め込まれていない前記採光部により形成された採光領域と前記光透過領域とを、前記第1面の面内の少なくとも一方向に沿って交互に設ける、採光装置の製造方法。
  16. 複数の採光部とその間に設けられた空隙部を有する採光フィルムを形成する工程と、
    前記採光フィルムを、光透過性を有する基材の第1面に貼付する工程と、を有し、
    前記第1面には、前記採光フィルムが貼付されて形成された採光領域と、前記採光フィルムが貼付されない光透過領域とが形成され、
    前記採光領域と前記光透過領域とを、前記第1面の面内の少なくとも一方向に沿って交互に設ける、採光装置の製造方法。
  17. 凹凸領域と平坦領域とを有する金型により、透明な板材料からなる基材に凹凸領域に対応する採光領域を形成するとともに、前記平坦領域に対応する光透過領域を形成する工程を有し、
    前記採光領域と前記光透過領域とを、前記基材の第1面の面内の少なくとも一方向に沿って交互に設ける、採光装置の製造方法。
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