JPWO2017065295A1 - 有機エレクトロルミネッセンス素子および電子機器 - Google Patents

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俊成 荻原
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圭 吉田
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Abstract

陽極と、発光層と、陰極と、を含み、前記発光層は、下記一般式(1)で表される遅延蛍光性の第一の化合物と、蛍光発光性の第二の化合物とを含む、有機エレクトロルミネッセンス素子。【化1】

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子および電子機器に関する。
有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」という場合がある。)に電圧を印加すると、陽極から正孔が、また陰極から電子が、それぞれ発光層に注入される。そして、発光層において、注入された正孔と電子とが再結合し、励起子が形成される。このとき、電子スピンの統計則により、一重項励起子、および三重項励起子が25%:75%の割合で生成する。
一重項励起子からの発光を用いる蛍光型の有機EL素子は、携帯電話およびテレビ等のフルカラーディスプレイへ応用されつつあるが、内部量子効率25%が限界といわれている。一重項励起子に加えて三重項励起子を利用し、有機EL素子をさらに効率的に発光させることが期待されている。
このような背景から、遅延蛍光を利用した高効率の蛍光型の有機EL素子が提案され、研究がなされている。
例えば、TADF(Thermally Activated Delayed Fluorescence、熱活性化遅延蛍光)機構が研究されている。このTADF機構は、一重項準位と三重項準位とのエネルギー差(ΔST)の小さな材料を用いた場合に、三重項励起子から一重項励起子への逆項間交差が熱的に生じる現象を利用する機構である。熱活性化遅延蛍光については、例えば、『安達千波矢編、「有機半導体のデバイス物性」、講談社、2012年3月22日、261−262ページ』に記載されている。このTADF機構を利用した有機EL素子が、例えば、非特許文献1に開示されている。
TADF機構を利用した有機EL素子は、例えば、特許文献1にも開示されている。特許文献1は、発光層において主に遅延蛍光発光性材料を発光させる方式の有機EL素子に関する。
米国特許出願公開第2015/0021555号明細書
H.Nakanotani,Nat.Commun.,5,4016,2014
このようなTADF機構を利用した有機EL素子においても、発光効率のさらなる向上および色純度の向上が望まれている。
本発明の目的は、発光効率を向上させ、かつ色純度を向上させることのできる有機エレクトロルミネッセンス素子を提供すること、および当該有機エレクトロルミネッセンス素子を備える電子機器を提供することである。
本発明の一態様によれば、陽極と、発光層と、陰極と、を含み、前記発光層は、下記一般式(1)で表される遅延蛍光性の第一の化合物と、蛍光発光性の第二の化合物とを含む、有機エレクトロルミネッセンス素子が提供される。
(前記一般式(1)中、Xは、酸素原子、硫黄原子、またはセレン原子であり、YからYはそれぞれ独立に、CR1a、CR1b、または窒素原子であり、ただし、YからYの少なくとも2つは窒素原子であり、かつYからYの少なくとも1つはCR1aであり、R1aは、それぞれ独立に、下記一般式(A)〜(N)で表される基からなる群から選択されるいずれかの基であり、R1aが複数存在する場合、複数のR1aは、互いに同一でも異なっていてもよく、R1bは、それぞれ独立に、水素原子または置換基であり、置換基としてのR1bは、それぞれ独立に、ハロゲン原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3〜30のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数5〜30のアラルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数5〜30のアリールアルコキシ基、置換もしくは無置換のアミノ基、置換もしくは無置換のシリル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルケニル基、置換もしくは無置換の炭素数3〜30のシクロアルケニル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルキニル基、置換もしくは無置換の炭素数3〜30のシクロアルキニル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基、置換もしくは無置換のカルボニル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルコキシカルボニル基、置換もしくは無置換のカルボキシ基、シアノ基、置換もしくは無置換のスルファニル基、置換スルフィニル基、置換スルホニル基、および置換もしくは無置換のホスフォリル基からなる群から選択され、置換基としてのR1bが複数存在する場合、置換基としての複数のR1bは、互いに同一でも異なっていてもよい。)
(前記一般式(A)〜(N)中、X〜X20は、それぞれ独立に、窒素原子またはCRxであり、ただし、前記一般式(B)において、X〜Xのいずれかは、X〜X12のいずれかと結合する炭素原子であり、X〜X12のいずれかは、X〜Xのいずれかと結合する炭素原子であり、前記一般式(C)において、X〜Xのいずれかは、X〜X12およびX13〜X16を含む縮合環における5員環中の窒素原子と結合する炭素原子であり、前記一般式(E)において、X〜XおよびX18のいずれかは、X〜X12のいずれかと結合する炭素原子であり、X〜X12のいずれかは、X〜XおよびX18のいずれかと結合する炭素原子であり、前記一般式(F)において、X〜XおよびX18のいずれかは、X〜X12およびX19のいずれかと結合する炭素原子であり、X〜X12およびX19のいずれかは、X〜XおよびX18のいずれかと結合する炭素原子であり、前記一般式(G)において、X〜Xのいずれかは、X〜X12およびX19のいずれかと結合する炭素原子であり、X〜X12およびX19のいずれかは、X〜Xのいずれかと結合する炭素原子であり、前記一般式(H)において、X〜XおよびX18のいずれかは、X〜X12およびX13〜X16を含む縮合環における5員環中の窒素原子と結合する炭素原子であり、前記一般式(I)において、X〜XおよびX18のいずれかは、X〜X12およびX19を含む環とX13〜X16およびX20を含む環とを連結する窒素原子と結合する炭素原子であり、前記一般式(J)において、X〜Xのいずれかは、X〜X12およびX19を含む環とX13〜X16およびX20を含む環とを連結する窒素原子と結合する炭素原子であり、前記一般式(K)において、X〜Xのいずれかは、Y〜Yのいずれかと結合する炭素原子であり、前記一般式(L)において、X〜XおよびX18のいずれかは、Y〜Yのいずれかと結合する炭素原子であり、前記一般式(M)において、X〜XおよびX18のいずれかは、*m1と結合する炭素原子であり、X〜XおよびX18のいずれかは、*m2と結合する炭素原子であり、*m1および*m2は、それぞれ、X〜XおよびX18のいずれかとの結合部位であり、前記一般式(N)において、X〜Xのいずれかは、*n1と結合する炭素原子であり、X〜Xのいずれかは、*n2と結合する炭素原子であり、*n1および*n2は、それぞれ、X〜Xのいずれかとの結合部位であり、Rxは、それぞれ独立に、水素原子または置換基であり、置換基としてのRxは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のフルオロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜30のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数7〜30のアラルキル基、置換もしくは無置換のホスフォリル基、置換もしくは無置換のシリル基、シアノ基、ニトロ基、置換もしくは無置換のカルボキシ基、ハロゲン原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数5〜30のアリールアルコキシ基、置換もしくは無置換のアミノ基、置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルケニル基、置換もしくは無置換の炭素数3〜30のシクロアルケニル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルキニル基、置換もしくは無置換の炭素数3〜30のシクロアルキニル基、アシル基、置換もしくは無置換のカルボニル基、エステル基、置換もしくは無置換のスルファニル基、置換もしくは無置換のスルフィニル基、置換もしくは無置換のスルホニル基、および置換もしくは無置換のホスファニル基からなる群から選択され、置換基としてのRxが複数存在する場合、置換基としての複数のRxは、互いに同一でも異なっていてもよく、置換基としての複数のRxは、互いに直接結合して環を形成してもよいし、またはヘテロ原子を介して環を形成してもよく、Araは、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のフルオロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜30のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数7〜30のアラルキル基、置換もしくは無置換のホスフォリル基、および置換もしくは無置換のシリル基からなる群から選択され、*は、Y〜Yのいずれかとの結合部位である。)
本発明の一態様によれば、前述の本発明の一態様に係る有機エレクトロルミネッセンス素子を備える電子機器が提供される。
本発明の一態様によれば、発光効率を向上させ、かつ色純度を向上させることのできる有機エレクトロルミネッセンス素子を提供すること、および当該有機エレクトロルミネッセンス素子を備える電子機器を提供することができる。
一実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子の一例の概略構成を示す図である。 過渡PLを測定する装置の概略図である。 過渡PLの減衰曲線の一例を示す図である。 発光層における第一の化合物および第二の化合物の、エネルギー準位およびエネルギー移動の関係を示す図である。 発光層における第一の化合物、第二の化合物、および第三の化合物の、エネルギー準位およびエネルギー移動の関係を示す図である。
〔第一実施形態〕
(有機EL素子の素子構成)
本実施形態に係る有機EL素子は、一対の電極間に有機層を備える。この有機層は、有機化合物で構成される少なくとも一層からなる。あるいは、この有機層は、有機化合物で構成される複数の層が積層されてなる。有機層は、無機化合物をさらに含んでいてもよい。本実施形態の有機EL素子において、有機層のうち少なくとも一層は、発光層である。ゆえに、有機層は、例えば、一つの発光層で構成されていてもよいし、正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層、および障壁層等の有機EL素子で採用され得る層を含んでいてもよい。
有機EL素子の代表的な素子構成としては、例えば、次の(a)〜(e)等の構成を挙げることができる。
(a)陽極/発光層/陰極
(b)陽極/正孔注入・輸送層/発光層/陰極
(c)陽極/発光層/電子注入・輸送層/陰極
(d)陽極/正孔注入・輸送層/発光層/電子注入・輸送層/陰極
(e)陽極/正孔注入・輸送層/発光層/障壁層/電子注入・輸送層/陰極
上記の中で(d)の構成が好ましく用いられる。ただし、本発明は、これらの構成に限定されない。なお、上記「発光層」とは、発光機能を有する有機層である。前記「正孔注入・輸送層」は「正孔注入層および正孔輸送層のうちの少なくともいずれか1つ」を意味する。前記「電子注入・輸送層」は「電子注入層および電子輸送層のうちの少なくともいずれか1つ」を意味する。有機EL素子が、正孔注入層および正孔輸送層を有する場合には、正孔輸送層と陽極との間に正孔注入層が設けられていることが好ましい。また、有機EL素子が電子注入層および電子輸送層を有する場合には、電子輸送層と陰極との間に電子注入層が設けられていることが好ましい。また、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層および電子注入層は、それぞれ、一層で構成されていてもよいし、複数の層で構成されていてもよい。
図1に、本実施形態に係る有機EL素子の一例の概略構成を示す。
有機EL素子1は、透光性の基板2と、陽極3と、陰極4と、陽極3と陰極4との間に配置された有機層10と、を含む。有機層10は、陽極3側から順に、正孔注入層6、正孔輸送層7、発光層5、電子輸送層8、および電子注入層9が、この順番で積層されて構成される。
(発光層)
本実施形態に係る有機EL素子1の発光層5は、第一の化合物および第二の化合物を含む。発光層5は、金属錯体を含んでもよい。発光層5は、燐光発光性の金属錯体を含まないことが好ましい。
<第一の化合物>
本実施形態に係る第一の化合物は、遅延蛍光性の化合物である。本実施形態に係る第一の化合物は、下記一般式(1)で表される。
前記一般式(1)中、
Xは、酸素原子、硫黄原子、またはセレン原子であり、
からYはそれぞれ独立に、CR1a(R1aと結合する炭素原子)、CR1b(R1bと結合する炭素原子)、または窒素原子であり、
ただし、YからYの少なくとも2つは窒素原子であり、かつYからYの少なくとも1つはCR1aであり、
1aは、それぞれ独立に、下記一般式(A)〜(N)で表される基からなる群から選択されるいずれかの基であり、R1aが複数存在する場合、複数のR1aは、互いに同一でも異なっていてもよく、
1bは、それぞれ独立に、水素原子または置換基であり、
置換基としてのR1bは、それぞれ独立に、
ハロゲン原子、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数3〜30のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数5〜30のアラルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルコキシ基、
置換もしくは無置換の炭素数5〜30のアリールアルコキシ基、
置換もしくは無置換のアミノ基、
置換もしくは無置換のシリル基、
置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数3〜30のシクロアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルキニル基、
置換もしくは無置換の炭素数3〜30のシクロアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基、
置換もしくは無置換のカルボニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルコキシカルボニル基、
置換もしくは無置換のカルボキシ基、
シアノ基、
置換もしくは無置換のスルファニル基、
置換スルフィニル基、
置換スルホニル基、および
置換もしくは無置換のホスフォリル基からなる群から選択され、
置換基としてのR1bが複数存在する場合、置換基としての複数のR1bは、互いに同一でも異なっていてもよい。
前記一般式(A)〜(N)中、
〜X20は、それぞれ独立に、窒素原子またはCRx(Rxと結合する炭素原子)であり、
ただし、
前記一般式(B)において、X〜Xのいずれかは、X〜X12のいずれかと結合する炭素原子であり、X〜X12のいずれかは、X〜Xのいずれかと結合する炭素原子であり、
前記一般式(C)において、X〜Xのいずれかは、X〜X12およびX13〜X16を含む縮合環における5員環中の窒素原子と結合する炭素原子であり、
前記一般式(E)において、X〜XおよびX18のいずれかは、X〜X12のいずれかと結合する炭素原子であり、X〜X12のいずれかは、X〜XおよびX18のいずれかと結合する炭素原子であり、
前記一般式(F)において、X〜XおよびX18のいずれかは、X〜X12およびX19のいずれかと結合する炭素原子であり、X〜X12およびX19のいずれかは、X〜XおよびX18のいずれかと結合する炭素原子であり、
前記一般式(G)において、X〜Xのいずれかは、X〜X12およびX19のいずれかと結合する炭素原子であり、X〜X12およびX19のいずれかは、X〜Xのいずれかと結合する炭素原子であり、
前記一般式(H)において、X〜XおよびX18のいずれかは、X〜X12およびX13〜X16を含む縮合環における5員環中の窒素原子と結合する炭素原子であり、
前記一般式(I)において、X〜XおよびX18のいずれかは、X〜X12およびX19を含む環とX13〜X16およびX20を含む環とを連結する窒素原子と結合する炭素原子であり、
前記一般式(J)において、X〜Xのいずれかは、X〜X12およびX19を含む環とX13〜X16およびX20を含む環とを連結する窒素原子と結合する炭素原子であり、
前記一般式(K)において、X〜Xのいずれかは、Y〜Yのいずれかと結合する炭素原子であり、
前記一般式(L)において、X〜XおよびX18のいずれかは、Y〜Yのいずれかと結合する炭素原子であり、
前記一般式(M)において、X〜XおよびX18のいずれかは、*m1と結合する炭素原子であり、X〜XおよびX18のいずれかは、*m2と結合する炭素原子であり、*m1および*m2は、それぞれ、X〜XおよびX18のいずれかとの結合部位であり、
前記一般式(N)において、X〜Xのいずれかは、*n1と結合する炭素原子であり、X〜Xのいずれかは、*n2と結合する炭素原子であり、*n1および*n2は、それぞれ、X〜Xのいずれかとの結合部位であり、
Rxは、それぞれ独立に、水素原子または置換基であり、
置換基としてのRxは、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のフルオロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜30のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数7〜30のアラルキル基、
置換もしくは無置換のホスフォリル基、
置換もしくは無置換のシリル基、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換のカルボキシ基、
ハロゲン原子、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルコキシ基、
置換もしくは無置換の炭素数5〜30のアリールアルコキシ基、
置換もしくは無置換のアミノ基、
置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数3〜30のシクロアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルキニル基、
置換もしくは無置換の炭素数3〜30のシクロアルキニル基、
アシル基、
置換もしくは無置換のカルボニル基、
エステル基、
置換もしくは無置換のスルファニル基、
置換もしくは無置換のスルフィニル基、
置換もしくは無置換のスルホニル基、および
置換もしくは無置換のホスファニル基からなる群から選択され、
置換基としてのRxが複数存在する場合、置換基としての複数のRxは、互いに同一でも異なっていてもよく、置換基としての複数のRxは、互いに直接結合して環を形成してもよいし、またはヘテロ原子を介して環を形成してもよく、
Araは、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のフルオロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜30のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数7〜30のアラルキル基、
置換もしくは無置換のホスフォリル基、および
置換もしくは無置換のシリル基からなる群から選択され、
*は、Y〜Yのいずれかとの結合部位である。
本実施形態において、X〜X20は、CRxであることが好ましい。
本実施形態において、複数のRx同士が直接結合して飽和または不飽和の環を形成することが好ましい。Rx同士が結合して環を形成する場合、縮合環でもよく、非縮合環であってもよい。
本実施形態において、Rx同士が環を形成しないことも好ましい。
前記一般式(A)〜(N)で表される基としては、例えば、以下の基が挙げられる。
なお、以下に例示する基において、
〜Sは、それぞれ独立に、水素原子または置換基であり、
置換基としてのS〜Sは、それぞれ独立に、
ハロゲン原子、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数3〜30のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数5〜30のアラルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルコキシ基、
置換もしくは無置換の炭素数5〜30のアリールアルコキシ基、
置換もしくは無置換のアミノ基、
置換もしくは無置換のシリル基、
置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数3〜30のシクロアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルキニル基、
置換もしくは無置換の炭素数3〜30のシクロアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基、
アシル基、
置換もしくは無置換のカルボニル基、
置換もしくは無置換のカルボキシ基、
シアノ基、
エステル基、
置換もしくは無置換のスルファニル基、
置換もしくは無置換のスルフィニル基、
置換もしくは無置換のスルホニル基、および
置換もしくは無置換のホスファニル基からなる群から選択される。
以下に例示する基において、S〜Sは、複数個置換していてもよい。
また、以下に例示する基において、波線部分は、前記一般式(1)におけるY〜Yのいずれかとの結合箇所を表す。
本実施形態において、第一の化合物は、Y〜Yの少なくとも1つが窒素原子であることが好ましい。
本実施形態において、第一の化合物は、下記一般式(11)で表される化合物であることが好ましい。
前記一般式(11)中、
11〜Y14は、それぞれ独立に、CR1a、CR1b、または窒素原子であり、
15〜Y18は、それぞれ独立に、CR1bまたは窒素原子であり、
ただし、Y11〜Y14のいずれか1つがCR1aであり、Y11〜Y18の少なくとも2つは窒素原子であり、かつY11〜Y14の少なくとも1つは窒素原子であり、
X、R1a、およびR1bは、前記一般式(1)におけるX、R1a、およびR1bとそれぞれ同義である。
前記一般式(11)で表される化合物としては、下記一般式(11−1)〜(11−4)で表される化合物が挙げられる。
前記一般式(11−1)〜(11−4)中、
X、Y11〜Y18、およびR1aは前記一般式(11)におけるX、Y11〜Y18、およびR1aとそれぞれ同義である。
例えば、前記一般式(11−1)で表される化合物は、前記一般式(11)におけるY11が窒素原子であり、Y12〜Y14のいずれか1つがCR1a、それ以外のY12〜Y14がそれぞれ独立に、CR1a、CR1b、または窒素原子であり、Y15〜Y18が、それぞれ独立に、CR1bまたは窒素原子であり、かつY12〜Y18の少なくとも1つが窒素原子である化合物に対応する。
前記一般式(11−1)〜(11−4)で表される化合物としては、下記一般式(11−a)〜(11−p)で表される化合物が挙げられる。
前記一般式(11−a)〜(11−p)中、
X、およびY11〜Y18は前記一般式(11−1)〜(11−4)におけるX、およびY11〜Y18とそれぞれ同義であり、
〜X、X17、X18、およびAraは、前記一般式(A)〜(N)におけるX〜X、X17、X18、およびAraとそれぞれ同義である。
ただし、前記一般式(11−i)〜(11−l)において、X〜XのいずれかはY11〜Y14のいずれかと結合する炭素原子であり、
前記一般式(11−m)〜(11−p)において、X〜XおよびX18のいずれかはY11〜Y14のいずれかと結合する炭素原子であり、
前記一般式(11−a)〜(11−h)において、Zが存在する場合、X〜XおよびX18のいずれかはZと結合する炭素原子である。
前記一般式(11−a)〜(11−h)中、
nは0または1であり、
Zは、下記一般式(Z1)〜(Z4)で表されるいずれかの基である。
前記一般式(Z1)〜(Z4)中、
〜X16、X19、X20、およびAraは、前記一般式(A)〜(N)中のX〜X16、X19、X20、およびAraとそれぞれ同義である。
ただし、前記一般式(Z1)および(Z3)において、X〜X12およびX19のいずれかは、X〜XおよびX18のいずれかと結合する炭素原子である(波線部分は、前記一般式(11−a)〜(11−h)中におけるX〜XおよびX18のいずれかとの結合箇所を表す)。
本実施形態において、前記一般式(1)で表される化合物としては、例えば、下記一般式(1−1)〜(1−16)で表される化合物が挙げられる。
前記一般式(1−1)〜(1−16)中、
〜Rは、それぞれ独立に、R1aまたはR1bであり、ただし、R〜Rの少なくとも1つはR1aであり、
X、R1a、およびR1bは、前記一般式(1)におけるX、R1a、およびR1bとそれぞれ同義である。
本実施形態において、Y11〜Y14のいずれか2つが窒素原子であることが好ましく、Y11〜Y18のうちY11〜Y14のいずれか2つのみが窒素原子であることがより好ましい。
本実施形態において、第一の化合物は、下記一般式(11A−1)〜(11A−3),(11B−1)〜(11B−3),(11C−1)〜(11C−3),および(11D−1)〜(11D−3)のいずれかで表される化合物であることが好ましい。
前記一般式(11A−1)〜(11A−3),(11B−1)〜(11B−3),(11C−1)〜(11C−3),および(11D−1)〜(11D−3)中、
X、R1a、およびY11〜Y18は、前記一般式(11)におけるX、R1a、およびY11〜Y18とそれぞれ同義である。
本実施形態において、第一の化合物は、前記一般式(11A−1)〜(11A−3)および前記一般式(11C−1)〜(11C−3)で表されるいずれかの化合物であることが好ましく、前記一般式(11A−1)〜(11A−3)で表されるいずれかの化合物であることがより好ましい。
本実施形態において、第一の化合物は、下記一般式(11Aa)で表される化合物であることがさらに好ましい。
前記一般式(11Aa)中、
112およびY115〜Y118は、それぞれ独立に、CR1bであり、
X、R1a、およびR1bは、前記一般式(1)におけるX、R1a、およびR1bとそれぞれ同義である。
本実施形態において、R1aが前記一般式(A),(B),(C),および(G)で表される基からなる群から選択されるいずれかの基であることが好ましい。
本実施形態において、Xが酸素原子または硫黄原子であることが好ましく、酸素原子であることがより好ましい。
本実施形態において、R1bが置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、および置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基からなる群から選択されるいずれかの基であることが好ましい。
本実施形態において、Rxが置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、および置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基からなる群から選択されるいずれかの基であることが好ましい。
本実施形態において、Araが置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、および置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基からなる群から選択されるいずれかの基であることが好ましい。
・遅延蛍光発光性
遅延蛍光(熱活性化遅延蛍光)については、「有機半導体のデバイス物性」(安達千波矢編、講談社発行)の261〜268ページで解説されている。その文献の中で、蛍光発光材料の励起一重項状態と励起三重項状態のエネルギー差ΔE13を小さくすることができれば、通常は遷移確率が低い励起三重項状態から励起一重項状態への逆エネルギー移動が高効率で生じ、熱活性化遅延蛍光(Thermally Activated delayed Fluorescence, TADF)が発現すると説明されている。さらに、当該文献中の図10.38で、遅延蛍光の発生メカニズムが説明されている。本実施形態における第一の化合物は、このようなメカニズムで発生する熱活性化遅延蛍光を示す化合物である。
遅延蛍光の発光は過渡PL(Photo Luminescence)測定により確認できる。
過渡PL測定から得た減衰曲線に基づいて遅延蛍光の挙動を解析することもできる。過渡PL測定とは、試料にパルスレーザーを照射して励起させ、照射を止めた後のPL発光の減衰挙動(過渡特性)を測定する手法である。TADF材料におけるPL発光は、最初のPL励起で生成する一重項励起子からの発光成分と、三重項励起子を経由して生成する一重項励起子からの発光成分に分類される。最初のPL励起で生成する一重項励起子の寿命は、ナノ秒オーダーであり、非常に短い。そのため、当該一重項励起子からの発光は、パルスレーザーを照射後、速やかに減衰する。
一方、遅延蛍光は、寿命の長い三重項励起子を経由して生成する一重項励起子からの発光のため、ゆるやかに減衰する。このように最初のPL励起で生成する一重項励起子からの発光と、三重項励起子を経由して生成する一重項励起子からの発光とでは、時間的に大きな差がある。そのため、遅延蛍光由来の発光強度を求めることができる。
図2には、過渡PLを測定するための例示的装置の概略図が示されている。
本実施形態の過渡PL測定装置100は、所定波長の光を照射可能なパルスレーザー部101と、測定試料を収容する試料室102と、測定試料から放射された光を分光する分光器103と、2次元像を結像するためのストリークカメラ104と、2次元像を取り込んで解析するパーソナルコンピュータ105とを備える。なお、過渡PLの測定は、本実施形態で説明する装置に限定されない。
試料室102に収容される試料は、マトリックス材料に対し、ドーピング材料が12質量%の濃度でドープされた薄膜を石英基板に成膜することで得られる。
試料室102に収容された薄膜試料に対し、パルスレーザー部101からパルスレーザーを照射して、ドーピング材料を励起させる。励起光の照射方向に対して90度の方向へ発光を取り出し、取り出した光を分光器103で分光し、ストリークカメラ104内で2次元像を結像する。その結果、縦軸が時間に対応し、横軸が波長に対応し、輝点が発光強度に対応する2次元画像を得ることができる。この2次元画像を所定の時間軸で切り出すと、縦軸が発光強度であり、横軸が波長である発光スペクトルを得ることができる。また、当該2次元画像を波長軸で切り出すと、縦軸が発光強度の対数であり、横軸が時間である減衰曲線(過渡PL)を得ることができる。
例えば、マトリックス材料として、下記参考化合物H1を用い、ドーピング材料として下記参考化合物D1を用いて上述のようにして薄膜試料Aを作製し、過渡PL測定を行った。
ここでは、前述の薄膜試料A、および薄膜試料Bを用いて減衰曲線を解析した。薄膜試料Bは、マトリックス材料として下記参考化合物H2を用い、ドーピング材料として前記参考化合物D1を用いて、上述のようにして薄膜試料を作製した。
図3には、薄膜試料Aおよび薄膜試料Bについて測定した過渡PLから得た減衰曲線が示されている。
上記したように過渡PL測定によって、縦軸を発光強度とし、横軸を時間とする発光減衰曲線を得ることができる。この発光減衰曲線に基づいて、光励起により生成した一重項励起状態から発光する蛍光と、三重項励起状態を経由し、逆エネルギー移動により生成する一重項励起状態から発光する遅延蛍光との、蛍光強度比を見積もることができる。遅延蛍光発光性の材料では、素早く減衰する蛍光の強度に対し、緩やかに減衰する遅延蛍光の強度の割合が、ある程度大きい。
本実施形態における遅延蛍光発光量は、図2の装置を用いて求めることができる。前記第一の化合物は、当該第一の化合物が吸収する波長のパルス光(パルスレーザーから照射される光)で励起された後、当該励起状態から即座に観察されるPrompt発光(即時発光)と、当該励起後、即座には観察されず、その後観察されるDelay発光(遅延発光)とが存在する。本実施形態においては、Delay発光(遅延発光)の量がPrompt発光(即時発光)の量に対して5%以上であることが好ましい。すなわち、Prompt発光(即時発光)の量をXとし、Delay発光(遅延発光)の量をXとしたときに、X/Xの値が0.05以上であることが好ましい。
Prompt発光とDelay発光の量は、“Nature 492, 234−238, 2012”に記載された方法と同様の方法により求めることができる。なお、Prompt発光とDelay発光の量の算出に使用される装置は、前記の文献に記載の装置に限定されない。
また、遅延蛍光発光性の測定に用いられる試料は、例えば、第一の化合物と下記化合物TH−2とを、第一の化合物の割合が12質量%となるように石英基板上に共蒸着し、膜厚100nmの薄膜を形成した試料を使用することができる。
本実施形態に係る第一の化合物の具体例を以下に示す。なお、本発明における第一の化合物は、これらの具体例に限定されない。
<第二の化合物>
本実施形態に係る第二の化合物は、蛍光発光性の化合物である。本実施形態の第二の化合物は、蛍光発光性の化合物であれば、特に限定されない。
第二の化合物は、主ピーク波長が550nm以下の蛍光発光を示すことが好ましい。また、第二の化合物は、主ピーク波長が430nm以上の蛍光発光を示すことが好ましい。
第二の化合物は、主ピーク波長が430nm以上550nm以下の蛍光発光を示すことが好ましい。
第二の化合物は、主ピーク波長が430nm以上500nm以下の蛍光発光を示すことも好ましい。
第二の化合物は、主ピーク波長が500nm以上550nm以下の蛍光発光を示すことも好ましい。
第二の化合物は、主ピーク波長が550nm以上750nm以下の蛍光発光を示すことも好ましい。
主ピーク波長とは、第二の化合物が10−6モル/リットル以上10−5モル/リットル以下の濃度で溶解しているトルエン溶液について、測定した発光スペクトラムにおける発光強度が最大となる発光スペクトルのピーク波長をいう。
第二の化合物は、青色の蛍光発光を示すことが好ましい。本実施形態の有機EL素子によれば、青色の発光効率を向上させることができる。
第二の化合物は、赤色の蛍光発光を示すことも好ましい。本実施形態の有機EL素子によれば、赤色の発光効率を向上させることもできる。
第二の化合物は、緑色の蛍光発光を示すことも好ましい。本実施形態の有機EL素子によれば、緑色の発光効率を向上させることもできる。
また、第二の化合物は、発光量子収率の高い材料であることが好ましい。
本実施形態において、第二の化合物は、下記一般式(20)で表される化合物であることが好ましい。
前記一般式(20)中、
21およびR22は、それぞれ独立に、水素原子または置換基であり、
置換基としてのR21およびR22は、それぞれ独立に、
ハロゲン原子、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のフルオロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜30のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数7〜30のアラルキル基、
置換もしくは無置換のホスフォリル基、
置換もしくは無置換のシリル基、
シアノ基、
ニトロ基、および
置換もしくは無置換のカルボキシ基からなる群から選択され、
置換基としてのR21およびR22は、互いに直接結合して環を形成してもよく、
21〜X28は、それぞれ独立に、CR23または窒素原子であり、
23は、それぞれ独立に、水素原子または置換基であり、
置換基としてのR23は、それぞれ独立に、
ハロゲン原子、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のフルオロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜30のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数7〜30のアラルキル基、
置換もしくは無置換のホスフォリル基、
置換もしくは無置換のシリル基、
シアノ基、
ニトロ基、および
置換もしくは無置換のカルボキシ基からなる群から選択され、
置換基としてのR23が複数存在する場合、置換基としての複数のR23は、互いに同一でも異なっていてもよく、置換基としての複数のR23は、互いに直接結合して環を形成してもよいし、またはヘテロ原子を介して環を形成してもよい。
置換基としてのR21およびR22が結合して形成される環、および置換基としての複数のR23が結合して形成される環は、5員環、6員環、または7員環であることが好ましく、脂肪族環であっても、芳香族環であっても、複素環であってもよく、さらに置換基を有していてもよく、複数の環は、互いに同一でも異なっていてもよい。
本実施形態において、X21〜X28は、それぞれ独立に、R23と結合する炭素原子であることも好ましい。この場合、第二の化合物は、下記一般式(20A)で表される。下記一般式(20A)中、R231〜R238は、それぞれ独立に、前述のR23と同義であり、R21およびR22は、前述のR21およびR22と同義である。
本実施形態において、R231〜R234のうちいずれかは、置換基であり、置換基同士が結合して環を形成しているか、またはR235〜R238のうちいずれかは、置換基であり、置換基同士が結合して環を形成していることが好ましい。
本実施形態において、R231〜R234のうちのいずれかの置換基同士が結合して環を形成し、さらに、R235〜R238のうちのいずれかの置換基同士が結合して環を形成していることも好ましい。この置換基同士が結合して形成する環は、芳香族6員環であることが好ましい。この芳香族6員環は、さらに置換基を有していてもよい。
本実施形態において、第二の化合物は、下記一般式(20B)で表される化合物であることも好ましい。
前記一般式(20B)中、R233〜R236、およびR241〜R248は、それぞれ独立に、前述のR23と同義であり、R21およびR22は、前述のR21およびR22と同義である。
前記一般式(20B)中、R241、R242、R244、R245、R247およびR248は、水素原子であり、R243およびR246は、置換基であることが好ましい。
置換基としてのR243およびR246は、それぞれ独立に、
ハロゲン原子、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のフルオロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜30のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数7〜30のアラルキル基、
置換もしくは無置換のホスフォリル基、
置換もしくは無置換のシリル基、
シアノ基、
ニトロ基、および
置換もしくは無置換のカルボキシ基からなる群から選択される。
置換基としてのR243およびR246は、ハロゲン原子、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、および置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基からなる群から選択されるいずれかの基であることが好ましく、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基であることがより好ましい。
本実施形態において、R21およびR22は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、および置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基からなる群から選択されるいずれかの基であることが好ましく、ハロゲン原子であることがより好ましく、フッ素原子であることがさらに好ましい。
本実施形態において、第二の化合物は、下記一般式(21)で表される化合物であることも好ましい。
前記一般式(21)中、
n1は1以上の整数であり、
Arは、置換もしくは無置換の環形成炭素数10〜40の縮合芳香族炭化水素基であり、
ArおよびArは、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、および
置換もしくは無置換の炭素数7〜30のアラルキル基からなる群から選択され、
ArとArとが結合して飽和または不飽和の環を形成してもよく、n1が2以上の場合、複数のArは、互いに同一でも異なっていてもよく、複数のArは、互いに同一でも異なっていてもよく、
は、単結合または連結基であり、Lが連結基である場合の連結基は、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、および
置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基からなる群から選択され、n1が2以上の場合、複数のLは、互いに同一でも異なっていてもよい。
本実施形態において、発光効率を向上させる観点から、前記一般式(21)中のArは、ベンゾフルオレン骨格、フルオランテン骨格、ピレン骨格、またはクリセン骨格を有する基であることが好ましく、ピレン骨格またはクリセン骨格を有する基であることがより好ましい。
また、本実施形態において、前記一般式(21)中のn1が2であり、Lがいずれも単結合であることも好ましい。
Arがピレン骨格であり、n1が2であり、Lが単結合である場合、前記一般式(21)中の窒素原子は、ピレン骨格の1位および6位に結合することが好ましく、Arがクリセン骨格であり、n1が2であり、Lが単結合である場合、前記一般式(21)中の窒素原子は、クリセン骨格の6位および12位に結合することが好ましい。
本実施形態において、前記一般式(21)中のArは、ベンゾフルオレン骨格を有する基であることも好ましく、前記Arとしてのベンゾフルオレン骨格を有する基は、下記一般式(Ar−1)で表される基であることが好ましい。
前記一般式(Ar−1)中、
111およびR112は、それぞれ独立に、水素原子または置換基であり、
置換基としてのR111およびR112は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、および
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基からなる群から選択され、
113〜R122は、それぞれ独立に、水素原子、置換基、またはLと結合する単結合であり、ただし、R113〜R122の少なくとも1つは、Lと結合する単結合であり、
置換基としてのR113〜R122は、それぞれ独立に、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
ヒドロキシル基、
置換もしくは無置換のシリル基、
置換もしくは無置換のカルボキシ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキルアミノ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールアミノ基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルコキシ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールアルコキシ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールチオ基、および
置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルコキシカルボニル基からなる群から選択され、
113とR114、R114とR115、R115とR116、R117とR118、R118とR119、R119とR120、R120とR121、およびR121とR122のいずれか1組以上が結合して飽和または不飽和の環を形成してもよい。
本実施形態において、前記一般式(Ar−1)で表される基は、下記一般式(Ar−2)で表される基であることが好ましい。
前記一般式(Ar−2)中、
111、R112、R、およびRは、それぞれ独立に、水素原子または置換基であり、
置換基としてのR111、R112、R、およびRは、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、および
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基からなる群から選択され、
113、およびR116〜R126は、それぞれ独立に、水素原子、置換基、またはLと結合する単結合であり、ただし、R113、R116〜R126の少なくとも1つは、Lと結合する単結合であり、
置換基としてのR113、およびR116〜R126は、それぞれ独立に、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
ヒドロキシル基、
置換もしくは無置換のシリル基、
置換もしくは無置換のカルボキシ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキルアミノ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールアミノ基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルコキシ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールアルコキシ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールチオ基、および
置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルコキシカルボニル基からなる群から選択され、
117とR118、R118とR119、R119とR120、R120とR121、R121とR122、R123とR124、R124とR125、およびR125とR126のいずれか1組以上が結合して飽和または不飽和の環を形成してもよい。
本実施形態において、R121およびR125の少なくとも1つは、Lと結合する単結合であることが好ましい。
本実施形態において、R111、R112、R、およびRは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、および置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基からなる群から選択されるいずれかの基であることが好ましい。
本実施形態において、前記一般式(21)中のArおよびArは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、および置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基からなる群から選択されるいずれかの基であることが好ましく、ArおよびArの少なくとも1つが、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基からなる群から選択されるいずれかの基であることがより好ましい。
本実施形態において、前記一般式(21)中のArおよびArの少なくとも1つは、下記一般式(21a)で表される基であることが好ましい。この場合、前記一般式(21)中のArは、ピレン骨格またはクリセン骨格を有する基であることが好ましい。
前記一般式(21a)中、
xは0〜3の整数であり、
yは0〜7の整数であり、
5aは酸素原子、硫黄原子、またはセレン原子であり、
xが0のとき、前記一般式(21a)で表される基と前記一般式(21)中の窒素原子とは単結合で結合し、
xが1〜3の整数のとき、Arは、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基であり、xが2以上の場合、複数のArは互いに同一でも異なっていてもよく、Ar同士が結合して飽和または不飽和の環を形成してもよく、
は、それぞれ独立に、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
ヒドロキシル基、
置換もしくは無置換のシリル基、
置換もしくは無置換のカルボキシ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキルアミノ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールアミノ基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルコキシ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールアルコキシ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールチオ基、および
置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルコキシカルボニル基からなる群から選択され、
yが2以上の場合、複数のRは互いに同一でも異なっていてもよく、R同士が結合して飽和または不飽和の環を形成してもよい。
波線部分は、前記一般式(21)における窒素原子との結合箇所を表す。
本実施形態において、前記一般式(21a)中のX5aは、酸素原子または硫黄原子であることが好ましく、酸素原子であることがより好ましい。
本実施形態において、前記一般式(21)中のArは、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基からなる群から選択されるいずれかの基であることが好ましく、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜20の芳香族炭化水素基からなる群から選択されるいずれかの基であることがより好ましく、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、ターフェニル基、およびフルオレニル基からなる群から選択されるいずれかの基であることがさらに好ましい。
本実施形態において、前記一般式(21)中のArは、前記一般式(21a)で表される基であることが好ましい。
本実施形態において、前記一般式(21)中のArおよびArの少なくとも1つは、前記一般式(Ar−1)で表される基であることも好ましく、前記一般式(Ar−2)で表される基であることがより好ましい。この場合、前記一般式(21)中のArが、ベンゾフルオレン骨格を有する基であることが好ましい。
本実施形態において、前記一般式(21)中のn1は、1または2であることが好ましい。
本実施形態において、第二の化合物は、下記一般式(22)で表される化合物であることも好ましい。
前記一般式(22)中、
pは0〜5の整数であり、
qおよびrは、それぞれ独立に、1〜5の整数であり、
Ar10は、置換もしくは無置換の環形成炭素数10〜40の縮合芳香族炭化水素基であり、
10は、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、および
置換もしくは無置換の炭素数7〜30のアラルキル基からなる群から選択され、
qが2以上の場合、複数のR10は、互いに同一でも異なっていてもよく、R10同士が結合して飽和または不飽和の環を形成してもよく、
pが0のとき、Ar10とR10とは単結合で結合し、
pが1〜5の整数のとき、L10は、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、および
置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基からなる群から選択される連結基であり、
pが2以上の場合、複数のL10は、互いに同一でも異なっていてもよく、L10同士が結合して飽和または不飽和の環を形成してもよい。
前記一般式(22)で表される化合物の結合様式の一例として、例えば下記表1に示す結合様式が挙げられる。
本実施形態において、前記一般式(22)中のAr10は、ベンゾフルオレン骨格、フルオランテン骨格、ピレン骨格、またはクリセン骨格を有する基であることが好ましく、フルオランテン骨格を有する基であることがより好ましく、ベンゼン環が縮合したフルオランテン骨格(ベンゾフルオランテン骨格)を有する基であることがさらに好ましい。
・第二の化合物の製造方法
第二の化合物は、例えば、国際公開第2008/059713号、および国際公開第2010/122810号等に記載の方法により製造することができる。
本実施形態に係る第二の化合物の具体例を以下に示す。なお、本発明における第二の化合物は、これらの具体例に限定されない。
<TADF機構>
本実施形態の有機EL素子では、第一の化合物としてΔST(M1)が小さい化合物を用いることが好ましい。ΔST(M1)が小さいと、外部から与えられる熱エネルギーによって、第一の化合物の三重項準位から第一の化合物の一重項準位への逆項間交差が起こり易くなる。有機EL素子内部の電気励起された励起子の励起三重項状態が、逆項間交差によって、励起一重項状態へスピン交換がされるエネルギー状態変換機構をTADF機構と呼ぶ。
図4は、発光層における第一の化合物および第二の化合物の、エネルギー準位およびエネルギー移動の関係の一例を示す図である。図4において、S0は、基底状態を表し、S1(M1)は、第一の化合物の最低励起一重項状態を表し、T1(M1)は、第一の化合物の最低励起三重項状態を表し、S1(M2)は、第二の化合物の最低励起一重項状態を表し、T1(M2)は、第二の化合物の最低励起三重項状態を表す。図4中のS1(M1)からS1(M2)へ向かう破線の矢印は、第一の化合物の最低励起一重項状態から第二の化合物の最低励起一重項状態へのフェルスター型エネルギー移動を表す。
図4に示すように、第一の化合物としてΔST(M1)の小さな化合物を用いると、最低励起三重項状態T1(M1)は、熱エネルギーにより、最低励起一重項状態S1(M1)に逆項間交差が可能である。そして、第一の化合物の最低励起一重項状態S1(M1)から第二の化合物の最低励起一重項状態S1(M2)へのフェルスター型エネルギー移動が生じる。この結果、第二の化合物の最低励起一重項状態S1(M2)からの蛍光発光を観測することができる。このTADF機構による遅延蛍光を利用することによっても、理論的に内部効率を100%まで高めることができると考えられている。
また、本実施形態において、第一の化合物の77[K]におけるエネルギーギャップT77K(M1)は、第二の化合物の77[K]におけるエネルギーギャップT77K(M2)よりも大きいことが好ましい。
・三重項エネルギーと77[K]におけるエネルギーギャップとの関係
ここで、三重項エネルギーと77[K]におけるエネルギーギャップとの関係について説明する。本実施形態では、77[K]におけるエネルギーギャップは、通常定義される三重項エネルギーとは異なる点がある。
第一の化合物および第二の化合物に関しては、77[K]におけるエネルギーギャップT77Kの測定は、次のようにして行われる。
測定対象となる化合物をEPA(ジエチルエーテル:イソペンタン:エタノール=5:5:2(容積比))中に、濃度が10μmol/Lとなるように溶解し、この溶液を石英セル中に入れて測定試料とする。この測定試料について、低温(77[K])で燐光スペクトル(縦軸:燐光発光強度、横軸:波長とする。)を測定し、この燐光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対して接線を引き、その接線と横軸との交点の波長値λedge[nm]に基づいて、次の換算式1から算出されるエネルギー量を77[K]におけるエネルギーギャップT77Kとする。
換算式1:T77K[eV]=1239.85/λedge
燐光の測定には、例えば、(株)日立ハイテクノロジー製のF−4500形分光蛍光光度計本体を用いることができる。なお、燐光測定装置は、これに限定されない。
燐光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対する接線は以下のように引く。燐光スペクトルの短波長側から、スペクトルの極大値のうち、最も短波長側の極大値までスペクトル曲線上を移動する際に、長波長側に向けて曲線上の各点における接線を考える。この接線は、曲線が立ち上がるにつれ(つまり縦軸が増加するにつれ)、傾きが増加する。この傾きの値が極大値をとる点において引いた接線(すなわち変曲点における接線)が、当該燐光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対する接線とする。
なお、スペクトルの最大ピーク強度の15%以下のピーク強度をもつ極大点は、上述の最も短波長側の極大値には含めず、最も短波長側の極大値に最も近い、傾きの値が極大値をとる点において引いた接線を当該燐光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対する接線とする。
本実施形態の有機EL素子1が放射する光の波長範囲としては、430nm以上550nm以下であることが好ましい。すなわち、本実施形態の有機EL素子1を発光させたときに、有機EL素子1から放射される光の主ピーク波長が430nm以上550nm以下の範囲に含まれることが好ましい。
本実施形態の有機EL素子1が放射する光の波長範囲としては、430nm以上500nm以下であることも好ましい。
本実施形態の有機EL素子1が放射する光の波長範囲としては、500nm以上550nm以下であることも好ましい。
本実施形態の有機EL素子1が放射する光の波長範囲としては、550nm以上750nm以下であることも好ましい。
本実施形態の有機EL素子1を発光させたときに、発光層5において、主に第二の化合物が発光していることが好ましい。
・発光層における化合物の含有率
本実施形態に係る有機EL素子1では、発光層5において、第二の化合物の含有率は、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、0.01質量%以上1質量%以下であることがさらに好ましい。
・発光層の膜厚
本実施形態の有機EL素子1における発光層5の膜厚は、好ましくは5nm以上50nm以下、より好ましくは7nm以上50nm以下、さらに好ましくは10nm以上50nm以下である。5nm以上であれば発光層5の形成が容易となり、色度の調整も容易となる。また、50nm以下であれば、駆動電圧の上昇を抑制することができる。
(基板)
基板2は、有機EL素子1の支持体として用いられる。基板2としては、例えば、ガラス、石英、およびプラスチック等を用いることができる。また、可撓性基板を用いてもよい。可撓性基板とは、折り曲げることができる(フレキシブル)基板のことであり、例えば、プラスチック基板等が挙げられる。プラスチック基板を形成する材料としては、例えば、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルスルフォン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリフッ化ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、およびポリエチレンナフタレート等が挙げられる。また、無機蒸着フィルムを用いることもできる。
(陽極)
基板2上に形成される陽極3には、仕事関数の大きい(具体的には4.0eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物等を用いることが好ましい。具体的には、例えば、酸化インジウム−酸化スズ(ITO:Indium Tin Oxide)、珪素または酸化珪素を含有した酸化インジウム−酸化スズ、酸化インジウム−酸化亜鉛、酸化タングステンおよび酸化亜鉛を含有した酸化インジウム、並びにグラフェン等が挙げられる。この他、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、チタン(Ti)、およびこれら金属材料の窒化物(例えば、窒化チタン)等が挙げられる。
これらの材料は、通常、スパッタリング法により成膜される。例えば、酸化インジウム−酸化亜鉛は、酸化インジウムに対し1質量%以上10質量%以下の酸化亜鉛を加えたターゲットを用いることにより、スパッタリング法で形成することができる。また、例えば、酸化タングステンおよび酸化亜鉛を含有した酸化インジウムは、酸化インジウムに対し酸化タングステンを0.5質量%以上5質量%以下、酸化亜鉛を0.1質量%以上1質量%以下含有したターゲットを用いることにより、スパッタリング法で形成することができる。その他、真空蒸着法、塗布法、インクジェット法、およびスピンコート法等により作製してもよい。
陽極3上に形成される有機層のうち、陽極3に接して形成される正孔注入層6は、陽極3の仕事関数に関係なく正孔(ホール)注入が容易である複合材料を用いて形成される。そのため、その他電極材料として使用可能な材料(例えば、金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物、その他、元素周期表の第1族または第2族に属する元素も含む)を陽極3として用いることもできる。
仕事関数の小さい材料である、元素周期表の第1族に属する元素、元素周期表の第2族に属する元素、希土類金属、およびこれらを含む合金等を陽極3として用いることもできる。元素周期表の第1族に属する元素としては、アルカリ金属が挙げられる。元素周期表の第2族に属する元素としては、アルカリ土類金属が挙げられる。アルカリ金属としては、例えば、リチウム(Li)およびセシウム(Cs)等が挙げられる。アルカリ土類金属としては、例えば、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)等が挙げられる。希土類金属としては、例えば、ユーロピウム(Eu)、およびイッテルビウム(Yb)等が挙げられる。これらの金属を含む合金としては、例えば、MgAg、およびAlLi等が挙げられる。
なお、アルカリ金属、アルカリ土類金属、およびこれらを含む合金を用いて陽極3を形成する場合には、真空蒸着法およびスパッタリング法等を用いることができる。さらに、銀ペースト等を用いる場合には、塗布法およびインクジェット法等を用いることができる。
(正孔注入層)
正孔注入層6は、正孔注入性の高い物質を含む層である。正孔注入性の高い物質としては、例えば、モリブデン酸化物、チタン酸化物、バナジウム酸化物、レニウム酸化物、ルテニウム酸化物、クロム酸化物、ジルコニウム酸化物、ハフニウム酸化物、タンタル酸化物、銀酸化物、タングステン酸化物、およびマンガン酸化物等を用いることができる。
また、正孔注入性の高い物質としては、例えば、低分子の有機化合物である4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、4,4’−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DPAB)、4,4’−ビス(N−{4−[N’−(3−メチルフェニル)−N’−フェニルアミノ]フェニル}−N−フェニルアミノ)ビフェニル(略称:DNTPD)、1,3,5−トリス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ベンゼン(略称:DPA3B)、3−[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA1)、3,6−ビス[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA2)、および3−[N−(1−ナフチル)−N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)アミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCN1)等の芳香族アミン化合物等、並びにジピラジノ[2,3−f:20,30−h]キノキサリン−2,3,6,7,10,11−ヘキサカルボニトリル(HAT−CN)等も挙げられる。
また、正孔注入性の高い物質としては、高分子化合物を用いることもできる。高分子化合物としては、例えば、オリゴマー、デンドリマー、およびポリマー等が挙げられる。具体的には、ポリ(N−ビニルカルバゾール)(略称:PVK)、ポリ(4−ビニルトリフェニルアミン)(略称:PVTPA)、ポリ[N−(4−{N’−[4−(4−ジフェニルアミノ)フェニル]フェニル−N’−フェニルアミノ}フェニル)メタクリルアミド](略称:PTPDMA)、およびポリ[N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)ベンジジン](略称:Poly−TPD)等の高分子化合物が挙げられる。また、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)(PEDOT/PSS)、およびポリアニリン/ポリ(スチレンスルホン酸)(PAni/PSS)等の酸を添加した高分子化合物を用いることもできる。
(正孔輸送層)
正孔輸送層7は、正孔輸送性の高い物質を含む層である。正孔輸送層7には、例えば、芳香族アミン化合物、カルバゾール誘導体、およびアントラセン誘導体等を使用することができる。具体的には、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(略称:TPD)、4−フェニル−4’−(9−フェニルフルオレン−9−イル)トリフェニルアミン(略称:BAFLP)、4,4’−ビス[N−(9,9−ジメチルフルオレン−2−イル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DFLDPBi)、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、および4,4’−ビス[N−(スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−イル)−N―フェニルアミノ]ビフェニル(略称:BSPB)等の芳香族アミン化合物等を用いることができる。ここに述べた物質は、主に10−6cm/(V・s)以上の正孔移動度を有する物質である。
正孔輸送層7には、CBP、9−[4−(N−カルバゾリル)]フェニル−10−フェニルアントラセン(CzPA)、および9−フェニル−3−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(PCzPA)のようなカルバゾール誘導体、並びにt−BuDNA、DNA、およびDPAnthのようなアントラセン誘導体等を用いてもよい。ポリ(N−ビニルカルバゾール)(略称:PVK)、およびポリ(4−ビニルトリフェニルアミン)(略称:PVTPA)等の高分子化合物を用いることもできる。
但し、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外の物質を用いてもよい。なお、正孔輸送性の高い物質を含む層は、単層だけでなく、上記物質からなる層が二層以上積層した層としてもよい。
正孔輸送層を二層以上配置する場合、エネルギーギャップのより大きい材料を含む層を、発光層5に近い側に配置することが好ましい。
本実施形態において、正孔輸送層7は、発光層5で生成する三重項励起子が正孔輸送層7および正孔注入層6へ拡散することを防止し、三重項励起子を発光層5内に閉じ込める機能を有することが好ましい。
(電子輸送層)
電子輸送層8は、電子輸送性の高い物質を含む層である。電子輸送層8には、1)アルミニウム錯体、ベリリウム錯体、および亜鉛錯体等の金属錯体、2)イミダゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、アジン誘導体、カルバゾール誘導体、およびフェナントロリン誘導体等の複素芳香族化合物、並びに3)高分子化合物を使用することができる。具体的には低分子の有機化合物として、Alq、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq)、BAlq、Znq、ZnPBO、およびZnBTZ等の金属錯体等を用いることができる。また、金属錯体以外にも、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3−ビス[5−(ptert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−(4−エチルフェニル)−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:p−EtTAZ)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)、および4,4’−ビス(5−メチルベンゾオキサゾール−2−イル)スチルベン(略称:BzOs)等の複素芳香族化合物も用いることができる。本実施形態においては、ベンゾイミダゾール化合物を好適に用いることができる。ここに述べた物質は、主に10−6cm/(V・s)以上の電子移動度を有する物質である。なお、正孔輸送性よりも電子輸送性の高い物質であれば、上記以外の物質を電子輸送層8として用いてもよい。また、電子輸送層8は、単層だけでなく、上記物質からなる層が二層以上積層した層としてもよい。
また、電子輸送層8には、高分子化合物を用いることもできる。例えば、ポリ[(9,9−ジヘキシルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(ピリジン−3,5−ジイル)](略称:PF−Py)、およびポリ[(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(2,2’−ビピリジン−6,6’−ジイル)](略称:PF−BPy)等を用いることができる。
本実施形態において、電子輸送層8は、発光層5で生成する三重項励起子が電子輸送層8および電子注入層9へ拡散することを防止し、三重項励起子を発光層5内に閉じ込める機能を有することが好ましい。
(電子注入層)
電子注入層9は、電子注入性の高い物質を含む層である。電子注入層9には、リチウム(Li)、セシウム(Cs)、カルシウム(Ca)、フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化カルシウム(CaF)、およびリチウム酸化物(LiOx)等のような、アルカリ金属、アルカリ土類金属、またはそれらの化合物を用いることができる。その他、電子輸送性を有する物質にアルカリ金属、アルカリ土類金属、またはそれらの化合物を含有させた物質、具体的にはAlq中にマグネシウム(Mg)を含有させた物質等を用いてもよい。なお、この場合には、陰極4からの電子注入をより効率よく行うことができる。
あるいは、電子注入層9に、有機化合物と電子供与体(ドナー)とを混合してなる複合材料を用いてもよい。このような複合材料は、電子供与体によって有機化合物に電子が発生するため、電子注入性および電子輸送性に優れている。この場合、有機化合物としては、発生した電子の輸送に優れた材料であることが好ましく、具体的には、例えば上述した電子輸送層8を構成する物質(金属錯体および複素芳香族化合物等)を用いることができる。電子供与体としては、有機化合物に対し電子供与性を示す物質であればよい。具体的には、アルカリ金属、アルカリ土類金属、または希土類金属が好ましく、例えば、リチウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、エルビウム、およびイッテルビウム等が挙げられる。また、アルカリ金属酸化物、またはアルカリ土類金属酸化物を電子供与体として用いることも好ましく、例えば、リチウム酸化物、カルシウム酸化物、およびバリウム酸化物等が挙げられる。また、酸化マグネシウムのようなルイス塩基を用いることもできる。また、テトラチアフルバレン(略称:TTF)等の有機化合物を用いることもできる。
(陰極)
陰極4には、仕事関数の小さい(具体的には3.8eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物等を用いることが好ましい。このような陰極材料の具体例としては、元素周期表の第1族に属する元素、元素周期表の第2族に属する元素、希土類金属、およびこれらを含む合金等が挙げられる。元素周期表の第1族に属する元素としては、アルカリ金属が挙げられる。元素周期表の第2族に属する元素としては、アルカリ土類金属が挙げられる。アルカリ金属としては、例えば、リチウム(Li)、およびセシウム(Cs)等が挙げられる。アルカリ土類金属としては、例えば、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、およびストロンチウム(Sr)等が挙げられる。希土類金属としては、例えば、ユーロピウム(Eu)、およびイッテルビウム(Yb)等が挙げられる。これらの金属を含む合金としては、例えば、MgAg、およびAlLi等が挙げられる。
なお、アルカリ金属、アルカリ土類金属、およびこれらを含む合金を用いて陰極4を形成する場合には、真空蒸着法およびスパッタリング法等を用いることができる。また、銀ペースト等を用いる場合には、塗布法およびインクジェット法等を用いることができる。
なお、電子注入層9を設けることにより、仕事関数の大小に関わらず、Al、Ag、ITO、グラフェン、および珪素または酸化珪素を含有した酸化インジウム−酸化スズ等、様々な導電性材料を用いて陰極4を形成することができる。これらの導電性材料は、スパッタリング法、インクジェット法、およびスピンコート法等を用いて成膜することができる。
(層形成方法)
本実施形態の有機EL素子1の各層の形成方法としては、上記で特に言及した以外には制限されず、乾式成膜法、および湿式成膜法等の公知の方法を採用できる。乾式成膜法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマ法、イオンプレーティング法等が挙げられる。湿式成膜法としては、スピンコーティング法、ディッピング法、フローコーティング法、インクジェット法等が挙げられる。
(膜厚)
本実施形態の有機EL素子1の各有機層の膜厚は、上記で特に言及した以外には制限されない。一般に、ピンホール等の欠陥が生じ難く、かつ高い印加電圧が必要となることによる効率の悪化を防止するため、通常、膜厚は、数nmから1μmの範囲が好ましい。
本明細書において、環形成炭素数とは、原子が環状に結合した構造の化合物(例えば、単環化合物、縮合環化合物、架橋化合物、炭素環化合物、複素環化合物)の当該環自体を構成する原子のうちの炭素原子の数を表す。当該環が置換基によって置換される場合、置換基に含まれる炭素は環形成炭素数には含まない。以下で記される「環形成炭素数」については、特筆しない限り同様とする。例えば、ベンゼン環は環形成炭素数が6であり、ナフタレン環は環形成炭素数が10であり、ピリジニル基は環形成炭素数5であり、フラニル基は環形成炭素数4である。また、ベンゼン環またはナフタレン環に置換基として例えばアルキル基が置換している場合、当該アルキル基の炭素数は、環形成炭素数の数に含めない。また、フルオレン環に置換基として例えばフルオレン環が結合している場合(スピロフルオレン環を含む)、置換基としてのフルオレン環の炭素数は環形成炭素数の数に含めない。
本明細書において、環形成原子数とは、原子が環状に結合した構造(例えば単環、縮合環、環集合)の化合物(例えば単環化合物、縮合環化合物、架橋化合物、炭素環化合物、複素環化合物)の当該環自体を構成する原子の数を表す。環を構成しない原子(例えば環を構成する原子の結合手を終端する水素原子)、および当該環が置換基によって置換される場合の置換基に含まれる原子は環形成原子数には含まない。以下で記される「環形成原子数」については、特筆しない限り同様とする。例えば、ピリジン環は、環形成原子数が6であり、キナゾリン環は、環形成原子数が10であり、フラン環は、環形成原子数が5である。ピリジン環またはキナゾリン環の炭素原子にそれぞれ結合している水素原子および置換基を構成する原子については、環形成原子数の数に含めない。また、フルオレン環に置換基として例えばフルオレン環が結合している場合(スピロフルオレン環を含む)、置換基としてのフルオレン環の原子数は環形成原子数の数に含めない。
次に前記一般式に記載の各置換基について説明する。
本明細書における環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基(アリール基と称する場合がある。)としては、例えば、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、フルオレニル基、ピレニル基、クリセニル基、フルオランテニル基、ベンゾ[a]アントリル基、ベンゾ[c]フェナントリル基、トリフェニレニル基、ベンゾ[k]フルオランテニル基、ベンゾ[g]クリセニル基、ベンゾ[b]トリフェニレニル基、ピセニル基、およびペリレニル基等が挙げられる。
本明細書におけるアリール基としては、環形成炭素数が6〜20であることが好ましく、6〜14であることがより好ましく、6〜12であることがさらに好ましい。上記アリール基の中でもフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、ターフェニル基、フルオレニル基がさらにより好ましい。1−フルオレニル基、2−フルオレニル基、3−フルオレニル基および4−フルオレニル基については、9位の炭素原子に、後述する本明細書における置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、または置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜18のアリール基が置換されていることが好ましい。
本明細書における環形成原子数5〜30の複素環基(ヘテロアリール基、ヘテロ芳香族環基、または芳香族複素環基と称する場合がある。)は、ヘテロ原子として、窒素、硫黄、酸素、ケイ素、セレン原子、およびゲルマニウム原子からなる群から選択される少なくともいずれかの原子を含むことが好ましく、窒素、硫黄、および酸素からなる群から選択される少なくともいずれかの原子を含むことがより好ましい。
本明細書における環形成原子数5〜30の複素環基としては、例えば、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キノリル基、イソキノリニル基、ナフチリジニル基、フタラジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、インドリル基、ベンズイミダゾリル基、インダゾリル基、イミダゾピリジニル基、ベンズトリアゾリル基、カルバゾリル基、フリル基、チエニル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、イソキサゾリル基、イソチアゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾイソキサゾリル基、ベンゾイソチアゾリル基、ベンゾオキサジアゾリル基、ベンゾチアジアゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ピペリジニル基、ピロリジニル基、ピペラジニル基、モルホリル基、フェナジニル基、フェノチアジニル基、およびフェノキサジニル基等が挙げられる。
本明細書における複素環基の環形成原子数は、5〜20であることが好ましく、5〜14であることがさらに好ましい。上記複素環基の中でも1−ジベンゾフラニル基、2−ジベンゾフラニル基、3−ジベンゾフラニル基、4−ジベンゾフラニル基、1−ジベンゾチオフェニル基、2−ジベンゾチオフェニル基、3−ジベンゾチオフェニル基、4−ジベンゾチオフェニル基、1−カルバゾリル基、2−カルバゾリル基、3−カルバゾリル基、4−カルバゾリル基、および9−カルバゾリル基がさらにより好ましい。1−カルバゾリル基、2−カルバゾリル基、3−カルバゾリル基および4−カルバゾリル基については、9位の窒素原子に、本明細書における置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、または置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基が置換していることが好ましい。
また、本明細書において、複素環基は、例えば、下記一般式(XY−1)〜(XY−18)で表される部分構造から誘導される基であってもよい。
前記一般式(XY−1)〜(XY−18)中、XaおよびYは、それぞれ独立に、ヘテロ原子であり、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、ケイ素原子、またはゲルマニウム原子であることが好ましい。前記一般式(XY−1)〜(XY−18)で表される部分構造は、任意の位置で結合手を有して複素環基となり、この複素環基は、置換基を有していてもよい。
また、本明細書において、置換もしくは無置換のカルバゾリル基としては、例えば、下記式で表されるような、カルバゾール環に対してさらに環が縮合した基も含み得る。このような基も置換基を有していてもよい。また、結合手の位置も適宜変更され得る。
本明細書における炭素数1〜30のアルキル基としては、直鎖、分岐鎖または環状のいずれであってもよい。直鎖または分岐鎖のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、ネオペンチル基、アミル基、イソアミル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、1−ペンチルヘキシル基、1−ブチルペンチル基、1−ヘプチルオクチル基、および3−メチルペンチル基等が挙げられる。
本明細書における直鎖または分岐鎖のアルキル基の炭素数は、1〜10であることが好ましく、1〜6であることがさらに好ましい。上記直鎖または分岐鎖のアルキル基の中でもメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、アミル基、イソアミル基、およびネオペンチル基がさらにより好ましい。
本明細書における炭素数3〜30のシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、アダマンチル基、およびノルボルニル基等が挙げられる。シクロアルキル基の環形成炭素数は、3〜10であることが好ましく、5〜8であることがさらに好ましい。上記シクロアルキル基の中でも、シクロペンチル基およびシクロヘキシル基がさらにより好ましい。
アルキル基がハロゲン原子で置換されたハロゲン化アルキル基としては、例えば、上記炭素数1〜30のアルキル基が1以上のハロゲン原子で置換された基が挙げられる。具体的には、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、フルオロエチル基、トリフルオロメチルメチル基、トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基等が挙げられる。
本明細書における置換シリル基としては、炭素数3〜30のアルキルシリル基、および環形成炭素数6〜30のアリールシリル基が挙げられる。
本明細書における炭素数3〜30のアルキルシリル基としては、上記炭素数1〜30のアルキル基で例示したアルキル基を有するトリアルキルシリル基が挙げられ、具体的にはトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリ−n−ブチルシリル基、トリ−n−オクチルシリル基、トリイソブチルシリル基、ジメチルエチルシリル基、ジメチルイソプロピルシリル基、ジメチル−n−プロピルシリル基、ジメチル−n−ブチルシリル基、ジメチル−t−ブチルシリル基、ジエチルイソプロピルシリル基、ビニルジメチルシリル基、プロピルジメチルシリル基、およびトリイソプロピルシリル基等が挙げられる。トリアルキルシリル基における3つのアルキル基は、互いに同一でも異なっていてもよい。
本明細書における環形成炭素数6〜30のアリールシリル基としては、例えば、ジアルキルアリールシリル基、アルキルジアリールシリル基、およびトリアリールシリル基が挙げられる。
ジアルキルアリールシリル基は、例えば、上記炭素数1〜30のアルキル基で例示したアルキル基を2つ有し、上記環形成炭素数6〜30のアリール基を1つ有するジアルキルアリールシリル基が挙げられる。ジアルキルアリールシリル基の炭素数は、8〜30であることが好ましい。
アルキルジアリールシリル基は、例えば、上記炭素数1〜30のアルキル基で例示したアルキル基を1つ有し、上記環形成炭素数6〜30のアリール基を2つ有するアルキルジアリールシリル基が挙げられる。アルキルジアリールシリル基の炭素数は、13〜30であることが好ましい。
トリアリールシリル基は、例えば、上記環形成炭素数6〜30のアリール基を3つ有するトリアリールシリル基が挙げられる。トリアリールシリル基の炭素数は、18〜30であることが好ましい。
本明細書における炭素数1〜30のアルコキシ基は、−OZと表される。このZの例として、上記炭素数1〜30のアルキル基が挙げられる。アルコキシ基は、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、およびヘキシルオキシ基等が挙げられる。アルコキシ基の炭素数は、1〜20であることが好ましい。
アルコキシ基がハロゲン原子で置換されたハロゲン化アルコキシ基としては、例えば、上記炭素数1〜30のアルコキシ基が1以上のフッ素原子で置換された基が挙げられる。
本明細書において、アリールアルコキシ基(アリールオキシ基と称する場合がある)におけるアリール基は、芳香族炭化水素基であってもよく、複素環基であってもよい。
本明細書における炭素数5〜30のアリールアルコキシ基は、−OZと表される。このZの例として、例えば、上記環形成炭素数6〜30のアリール基等が挙げられる。アリールアルコキシ基の環形成炭素数は、6〜20であることが好ましい。このアリールアルコキシ基としては、例えば、フェノキシ基が挙げられる。
本明細書における置換アミノ基は、−NHR、または−N(Rと表される。このRの例として、例えば、上記炭素数1〜30のアルキル基、および上記環形成炭素数6〜30のアリール基等が挙げられる。
本明細書において、アラルキル基(アリールアルキル基と称する場合がある)におけるアリール基は、芳香族炭化水素基であってもよく、複素環基であってもよい。
本明細書における炭素数5〜30のアラルキル基としては、環形成炭素数6〜30のアラルキル基が好ましく、−Z−Zと表される。このZの例として、上記炭素数1〜30のアルキル基に対応するアルキレン基等が挙げられる。このZの例として、例えば、上記環形成炭素数6〜30のアリール基の例が挙げられる。このアラルキル基は、炭素数7〜30のアラルキル基(アリール部分は炭素数6〜30、好ましくは6〜20、より好ましくは6〜12)、アルキル部分は炭素数1〜30(好ましくは1〜20、より好ましくは1〜10、さらに好ましくは1〜6)であることが好ましい。このアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、2−フェニルプロパン−2−イル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基、1−フェニルイソプロピル基、2−フェニルイソプロピル基、フェニル−t−ブチル基、α−ナフチルメチル基、1−α−ナフチルエチル基、2−α−ナフチルエチル基、1−α−ナフチルイソプロピル基、2−α−ナフチルイソプロピル基、β−ナフチルメチル基、1−β−ナフチルエチル基、2−β−ナフチルエチル基、1−β−ナフチルイソプロピル基、および2−β−ナフチルイソプロピル基等が挙げられる。
本明細書における炭素数2〜30のアルケニル基としては、直鎖または分岐鎖のいずれであってもよく、例えば、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、オレイル基、エイコサペンタエニル基、ドコサヘキサエニル基、スチリル基、2,2−ジフェニルビニル基、1,2,2−トリフェニルビニル基、および2−フェニル−2−プロペニル基等が挙げられる。
本明細書における炭素数3〜30のシクロアルケニル基としては、例えば、シクロペンタジエニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、およびシクロヘキサジエニル基等が挙げられる。
本明細書における炭素数2〜30のアルキニル基としては、直鎖または分岐鎖のいずれであってもよく、例えば、エチニル、プロピニル、および2−フェニルエチニル等が挙げられる。
本明細書における炭素数3〜30のシクロアルキニル基としては、例えば、シクロペンチニル基、およびシクロヘキシニル基等が挙げられる。
本明細書における置換ホスフォリル基は、下記一般式(P)で表される。
前記一般式(P)中、ArP1およびArP2は、それぞれ独立に、置換基であり、炭素数1〜30のアルキル基、および環形成炭素数6〜30のアリール基からなる群から選択されるいずれかの基であることが好ましく、炭素数1〜10のアルキル基、および環形成炭素数6〜20のアリール基からなる群から選択されるいずれかの基であることがより好ましく、炭素数1〜6のアルキル基、および環形成炭素数6〜14のアリール基からなる群から選択されるいずれかの基であることがさらに好ましい。
本明細書における置換スルファニル基としては、例えば、メチルスルファニル基、フェニルスルファニル基、ジフェニルスルファニル基、ナフチルスルファニル基、およびトリフェニルスルファニル基等が挙げられる。
本明細書における置換スルフィニル基としては、例えば、メチルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、ジフェニルスルフィニル基、ナフチルスルフィニル基、およびトリフェニルスルフィニル基等が挙げられる。
本明細書における置換スルホニル基としては、例えば、メチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、ジフェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基、およびトリフェニルスルホニル基等が挙げられる。
本明細書における置換ホスファニル基としては、例えば、フェニルホスファニル基等が挙げられる。
本明細書における置換カルボニル基としては、例えば、メチルカルボニル基、フェニルカルボニル基、ジフェニルカルボニル基、ナフチルカルボニル基、およびトリフェニルカルボニル基等が挙げられる。
本明細書における炭素数2〜30のアルコキシカルボニル基は、−COOY’と表される。このY’の例として、上記アルキル基が挙げられる。
本明細書における置換カルボキシ基としては、例えば、ベンゾイルオキシ基等が挙げられる。
本明細書におけるアリールチオ基は、−SRと表される。このRの例として、上記炭素数1〜30のアルキル基および上記環形成炭素数6〜30のアリール基が挙げられる。アルキルチオ基の炭素数は、1〜20であることが好ましく、アリールチオ基の環形成炭素数は、6〜20であることが好ましい。
本明細書におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、およびヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
本明細書において、「環形成炭素」とは飽和環、不飽和環、または芳香環を構成する炭素原子を意味する。「環形成原子」とはヘテロ環(飽和環、不飽和環、および芳香環を含む)を構成する炭素原子およびヘテロ原子を意味する。
また、本明細書において、水素原子とは、中性子数の異なる同位体、すなわち、軽水素(Protium)、重水素(Deuterium)、三重水素(Tritium)を包含する。
また、「置換もしくは無置換の」という場合における置換基としては、上述のようなアリール基、複素環基、アルキル基(直鎖または分岐鎖のアルキル基、シクロアルキル基、ハロアルキル基)、アルキルシリル基、アリールシリル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アラルキル基、アルケニル基(直鎖または分岐鎖のアルケニル基、シクロアルケニル基)、アルキニル基(直鎖または分岐鎖のアルキニル基、シクロアルキニル基)、ハロゲン原子の他に、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、およびカルボキシ基が挙げられる。
ここで挙げた置換基の中では、アリール基、複素環基、アルキル基、ハロゲン原子、アルキルシリル基、アリールシリル基、シアノ基が好ましく、さらには、各置換基の説明において好ましいとした具体的な置換基が好ましい。
これらの置換基は、上記のアリール基、複素環基、アルキル基、アルキルシリル基、アリールシリル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基の他に、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、およびカルボキシ基によってさらに置換されてもよい。また、これらの置換基は複数が互いに結合して環を形成してもよい。
「置換もしくは無置換の」という場合における「無置換」とは前記置換基で置換されておらず、水素原子が結合していることを意味する。
なお、本明細書において、「置換もしくは無置換の炭素数XX〜YYのZZ基」という表現における「炭素数XX〜YY」は、ZZ基が無置換である場合の炭素数を表し、置換されている場合の置換基の炭素数は含めない。ここで、「YY」は「XX」よりも大きく、「XX」と「YY」はそれぞれ1以上の整数を意味する。
本明細書において、「置換もしくは無置換の原子数XX〜YYのZZ基」という表現における「原子数XX〜YY」は、ZZ基が無置換である場合の原子数を表し、置換されている場合の置換基の原子数は含めない。ここで、「YY」は「XX」よりも大きく、「XX」と「YY」はそれぞれ1以上の整数を意味する。
以下に説明する化合物またはその部分構造において、「置換もしくは無置換の」という場合についても、前記と同様である。
本明細書において、置換基同士が互いに結合して環構造が構築される場合、環構造は、飽和環、不飽和環、芳香族炭化水素環、または複素環である。
本明細書において、連結基におけるアリール基等としては、上述した一価の基から、1つ以上の原子を除いて得られる二価以上の基が挙げられる。
本実施形態に係る有機EL素子によれば、発光層に前述の本実施形態に係る化合物(第一の化合物)と、蛍光発光性の第二の化合物とを含むので、発光効率を向上させることができる。前述のとおり、発光層に含まれる第一の化合物において逆項間交差が生じ易く、その結果、第一の化合物から第二の化合物への一重項励起エネルギー移動が増大し、蛍光発光性の第二の化合物が効率良く発光するため、発光効率および発光色純度が向上すると推測される。
本実施形態に係る有機EL素子によれば、例えば、第二の化合物として、青色蛍光発光性の化合物を用いた場合には、有機EL素子の青色発光領域における発光色純度を向上させることができる。
(電子機器)
本発明の一実施形態に係る有機EL素子1は、表示装置および発光装置等の電子機器に使用できる。表示装置としては、例えば、有機ELパネルモジュール等の表示部品、テレビ、携帯電話、タブレット、およびパーソナルコンピュータ等が挙げられる。発光装置としては、例えば、照明、および車両用灯具等が挙げられる。
〔第二実施形態〕
第二実施形態に係る有機EL素子の構成について説明する。第二実施形態の説明において第一実施形態と同一の構成要素は、同一符号および名称を付す等して説明を省略もしくは簡略化する。また、第二実施形態では、特に言及されない材料および化合物については、第一実施形態で説明した材料および化合物と同様の材料および化合物を用いることができる。
第二実施形態に係る有機EL素子は、発光層が、第三の化合物をさらに含んでいる点で、第一実施形態に係る有機EL素子と異なる。その他の点については第一実施形態と同様である。
<第三の化合物>
第三の化合物の一重項エネルギーは、第一の化合物の一重項エネルギーよりも大きい。
第二実施形態の有機EL素子によれば高効率な有機EL素子を提供できる。
第二実施形態の有機EL素子は、発光層に、遅延蛍光性の第一の化合物と、蛍光発光性の第二の化合物と、第一の化合物よりも大きな一重項エネルギーを有する第三の化合物と、を含んでおり、発光効率が向上する。発光効率が向上する理由としては、第三の化合物が含まれていることによって発光層のキャリアバランスが改善されるためと考えられる。
図5は、発光層における第一の化合物、第二の化合物、および第三の化合物の、エネルギー準位およびエネルギー移動の関係の一例を示す図である。図5において、S0は、基底状態を表す。S1(M1)は、第一の化合物の最低励起一重項状態を表し、T1(M1)は、第一の化合物の最低励起三重項状態を表す。S1(M2)は、第二の化合物の最低励起一重項状態を表し、T1(M2)は、第二の化合物の最低励起三重項状態を表す。S1(M3)は、第三の化合物の最低励起一重項状態を表し、T1(M3)は、第三の化合物の最低励起三重項状態を表す。図5中のS1(M1)からS1(M2)へ向かう破線の矢印は、第一の化合物の最低励起一重項状態から第二の化合物の最低励起一重項状態へのフェルスター型エネルギー移動を表す。
図5に示すように、第一の化合物としてΔST(M1)の小さな化合物を用いると、最低励起三重項状態T1(M1)は、熱エネルギーにより、最低励起一重項状態S1(M1)に逆項間交差が可能である。そして、第一の化合物の最低励起一重項状態S1(M1)から第二の化合物の最低励起一重項状態S1(M2)へのフェルスター型エネルギー移動が生じる。この結果、第二の化合物の最低励起一重項状態S1(M2)からの蛍光発光を観測することができる。このTADF機構による遅延蛍光を利用することによっても、理論的に内部効率を100%まで高めることができると考えられている。
・一重項エネルギーS
一重項エネルギーSは、次のようにして測定される。
測定対象となる化合物の10μmol/Lトルエン溶液を調製して石英セルに入れ、常温(300K)でこの試料の吸収スペクトル(縦軸:発光強度、横軸:波長とする。)を測定する。この吸収スペクトルの長波長側の立ち下がりに対して接線を引き、その接線と横軸との交点の波長値λedge[nm]を次に示す換算式2に代入して一重項エネルギーを算出する。
換算式2:S[eV]=1239.85/λedge
吸収スペクトル測定装置としては、例えば、日立社製の分光光度計(装置名:U3310)が挙げられるが、これに限定されない。
吸収スペクトルの長波長側の立ち下がりに対する接線は以下のように引く。吸収スペクトルの極大値のうち、最も長波長側の極大値から長波長方向にスペクトル曲線上を移動する際に、曲線上の各点における接線を考える。この接線は、曲線が立ち下がるにつれ(つまり縦軸の値が減少するにつれ)、傾きが減少しその後増加することを繰り返す。傾きの値が最も長波長側(ただし、吸光度が0.1以下となる場合は除く)で極小値をとる点において引いた接線を当該吸収スペクトルの長波長側の立ち下がりに対する接線とする。
なお、吸光度の値が0.2以下の極大点は、上記最も長波長側の極大値には含めない。
・発光層における化合物の含有率
本実施形態では、発光層において、第一の化合物の含有率は、10質量%以上80質量%以下であることが好ましく、第二の化合物の含有率は、1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、第三の化合物の含有率は、10質量%以上80質量%以下であることが好ましい。第一の化合物の含有率は、20質量%以上80質量%以下であることがより好ましく、20質量%以上60質量%以下であることがさらに好ましい。発光層における第一の化合物、第二の化合物、および第三の化合物の合計含有率の上限は、100質量%である。なお、本実施形態は、発光層に、第一の化合物、第二の化合物、および第三の化合物以外の材料が含まれることを除外しない。
第三の化合物としては、特に限定されないが、アミン化合物以外の化合物であることが好ましい。また、例えば、第三の化合物としては、カルバゾール誘導体、ジベンゾフラン誘導体、ジベンゾチオフェン誘導体を用いることができるが、これら誘導体に限定されない。
第三の化合物は、一つの分子中に下記一般式(31)で表される部分構造および下記一般式(32)で表される部分構造のうち少なくともいずれかを含む化合物であることも好ましい。
前記一般式(31)中、
31〜Y36は、それぞれ独立に、窒素原子、または第三の化合物の分子中における他の原子と結合する炭素原子であり、
ただし、Y31〜Y36のうち少なくともいずれかは、第三の化合物の分子中における他の原子と結合する炭素原子であり、
前記一般式(32)において、
41〜Y48は、それぞれ独立に、窒素原子、または第三の化合物の分子中における他の原子と結合する炭素原子であり、
ただし、Y41〜Y48のうち少なくともいずれかは、第三の化合物の分子中における他の原子と結合する炭素原子であり、
30は、第三の化合物の分子中における他の原子と結合する窒素原子、または酸素原子、もしくは硫黄原子である。
前記一般式(32)において、Y41〜Y48のうち少なくとも2つが第三の化合物の分子中における他の原子と結合する炭素原子であり、当該炭素原子を含む環構造が構築されていることも好ましい。
例えば、前記一般式(32)で表される部分構造が、下記一般式(321),(322),(323),(324),(325)および(326)で表される部分構造からなる群から選択されるいずれかの部分構造であることが好ましい。
前記一般式(321)〜(326)中、
30は、それぞれ独立に、第三の化合物の分子中における他の原子と結合する窒素原子、または酸素原子、もしくは硫黄原子であり、
41〜Y48は、それぞれ独立に、窒素原子、または第三の化合物の分子中における他の原子と結合する炭素原子であり、
31は、それぞれ独立に、第三の化合物の分子中における他の原子と結合する窒素原子、酸素原子、硫黄原子、または第三の化合物の分子中における他の原子と結合する炭素原子であり、
51〜Y54は、それぞれ独立に、窒素原子、または第三の化合物の分子中における他の原子と結合する炭素原子である。
本実施形態においては、第三の化合物は、前記一般式(321)〜(326)のうち前記一般式(323)で表される部分構造を有することが好ましい。
前記一般式(31)で表される部分構造は、下記一般式(33)で表される基および下記一般式(34)で表される基からなる群から選択される少なくともいずれかの基として第三の化合物に含まれることが好ましい。
下記一般式(33)および下記一般式(34)で表されるように、結合箇所が互いにメタ位に位置することは、77[K]におけるエネルギーギャップT77K(M3)を高く保つことができるため、第三の化合物として好ましい。
前記一般式(33)および前記一般式(34)中、
31、Y32、Y34、およびY36は、それぞれ独立に、窒素原子またはCR31であり、
31は、水素原子または置換基であり、
置換基としてのR31は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のフルオロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数3〜30のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数7〜30のアラルキル基、
置換もしくは無置換のシリル基、
置換ゲルマニウム基、
置換ホスフィンオキシド基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、および
置換もしくは無置換のカルボキシ基からなる群から選択される。
ただし、前記R31における置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基は、非縮合環であることが好ましい。
前記一般式(33)および前記一般式(34)中、波線部分は、第三の化合物の分子中における他の原子または他の構造との結合箇所を表す。
前記一般式(33)において、Y31、Y32、Y34およびY36は、それぞれ独立に、CR31であることが好ましく、複数のR31は、互いに同一でも異なっていてもよい。
また、前記一般式(34)において、Y32、Y34およびY36は、それぞれ独立に、CR31であることが好ましく、複数のR31は、互いに同一でも異なっていてもよい。
置換ゲルマニウム基は、−Ge(R101で表されることが好ましい。R101は、それぞれ独立に、置換基である。置換基R101は、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、および置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基からなる群から選択されるいずれかの基であることが好ましい。複数のR101は、互いに同一でも異なっていてもよい。
前記一般式(32)で表される部分構造は、下記一般式(35)〜(39)および下記一般式(30a)で表される基からなる群から選択される少なくともいずれかの基として第三の化合物に含まれることが好ましい。
前記一般式(35)〜(39),および(30a)中、
41〜Y48は、それぞれ独立に、窒素原子またはCR32であり、
32は、それぞれ独立に、水素原子または置換基であり、
置換基としてのR32は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のフルオロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数3〜30のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数7〜30のアラルキル基、
置換もしくは無置換のシリル基、
置換ゲルマニウム基、
置換ホスフィンオキシド基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、および
置換もしくは無置換のカルボキシ基からなる群から選択され、
前記一般式(35)および(36)中、X30は、第三の化合物の分子中における他の原子と結合する窒素原子であり、
前記一般式(37)〜(39),および(30a)中、
30は、NR33、酸素原子、または硫黄原子であり、
33は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のフルオロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数3〜30のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数7〜30のアラルキル基、
置換もしくは無置換のシリル基、
置換ゲルマニウム基、
置換ホスフィンオキシド基、
フッ素原子、
シアノ基、
ニトロ基、および
置換若しくは無置換のカルボキシ基からなる群から選択される。
ただし、前記R33における置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基は、非縮合環であることが好ましい。
前記一般式(35)〜(39),(30a)中、波線部分は、第三の化合物の分子中における他の原子または他の構造との結合箇所を表す。
前記一般式(35)において、Y41〜Y48は、それぞれ独立に、CR32であることが好ましく、前記一般式(36)および前記一般式(37)において、Y41〜Y45,Y47およびY48は、それぞれ独立に、CR32であることが好ましく、前記一般式(38)において、Y41,Y42,Y44,Y45,Y47およびY48は、それぞれ独立に、CR32であることが好ましく、前記一般式(39)において、Y42〜Y48は、それぞれ独立に、CR32であることが好ましく、前記一般式(30a)において、Y42〜Y47は、それぞれ独立に、CR32であることが好ましく、複数のR32は、互いに同一でも異なっていてもよい。
第三の化合物において、前記X30は、酸素原子もしくは硫黄原子であることが好ましく、酸素原子であることがより好ましい。
第三の化合物において、R31、およびR32は、それぞれ独立に、水素原子または置換基であって、R31、およびR32における置換基は、フッ素原子、シアノ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、および置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基からなる群から選択されるいずれかの基であることが好ましい。R31、およびR32は、水素原子、シアノ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、または置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基であることがより好ましい。ただし、R31、およびR32における置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基は、非縮合環であることが好ましい。
第三の化合物は、芳香族炭化水素化合物、または芳香族複素環化合物であることも好ましい。また、第三の化合物は、分子中に縮合芳香族炭化水素環を有していないことが好ましい。
・第三の化合物の製造方法
第三の化合物は、例えば、国際公開第2012/153780号および国際公開第2013/038650号等に記載の方法により製造することができる。
第三の化合物における置換基の例は、例えば、以下のとおりであるが、本発明は、これらの例に限定されない。
芳香族炭化水素基(アリ−ル基と称する場合がある。)の具体例としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、フェナントリル基、ピレニル基、クリセニル基、ベンゾ[c]フェナントリル基、ベンゾ[g]クリセニル基、ベンゾアントリル基、トリフェニレニル基、フルオレニル基、9,9−ジメチルフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、クォーターフェニル基、フルオランテニル基等が挙げられ、好ましくはフェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、クォーターフェニル基、ナフチル基、トリフェニレニル基、フルオレニル基等を挙げることができる。
置換基を有する芳香族炭化水素基としては、トリル基、キシリル基、9,9−ジメチルフルオレニル基等を挙げることができる。
具体例が示すように、アリール基は、縮合アリール基及び非縮合アリール基の両方を含む。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、クォーターフェニル基、ナフチル基、トリフェニレニル基、フルオレニル基が好ましい。
複素環基(ヘテロアリール基、ヘテロ芳香族環基、または芳香族複素環基と称する場合がある。)の具体例としては、ピロリル基、ピラゾリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、ピリジル基、トリアジニル基、インドリル基、イソインドリル基、イミダゾリル基、ベンズイミダゾリル基、インダゾリル基、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、イソベンゾフラニル基、ジベンゾフラニル基、アザジベンゾフラニル基、チオフェニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾチオフェニル基、アザジベンゾチオフェニル基、キノリル基、イソキノリル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、ナフチリジニル基、カルバゾリル基、アザカルバゾリル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、フェノチアジニル基、フェノキサジニル基、オキサゾリル基、オキサジアゾリル基、フラザニル基、ベンズオキサゾリル基、チエニル基、チアゾリル基、チアジアゾリル基、ベンズチアゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基等が挙げられ、好ましくは、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、カルバゾリル基、ピリジル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、アザジベンゾフラニル基、アザジベンゾチオフェニル基等を挙げることができる。
芳香族複素環基としては、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、カルバゾリル基、ピリジル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、アザジベンゾフラニル基、アザジベンゾチオフェニル基が好ましく、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、アザジベンゾフラニル基、アザジベンゾチオフェニル基がさらに好ましい。
第三の化合物において、置換シリル基は、置換もしくは無置換のトリアルキルシリル基、置換もしくは無置換のアリールアルキルシリル基、または置換もしくは無置換のトリアリールシリル基であることも好ましい。
置換もしくは無置換のトリアルキルシリル基の具体例としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基を挙げることができる。
置換若しくは無置換のアリールアルキルシリル基の具体例としては、ジフェニルメチルシリル基、ジトリルメチルシリル基、フェニルジメチルシリル基等を挙げることができる。
置換もしくは無置換のトリアリールシリル基の具体例としては、トリフェニルシリル基、トリトリルシリル基等を挙げることができる。
第三の化合物において、置換ホスフィンオキシド基は、置換もしくは無置換のジアリールホスフィンオキシド基であることも好ましい。
置換もしくは無置換のジアリールホスフィンオキシド基の具体例としては、ジフェニルホスフィンオキシド基、ジトリルホスフィンオキシド基等を挙げることができる。
本実施形態に係る第三の化合物の具体例を以下に示す。なお、本発明における第三の化合物は、これらの具体例に限定されない。
(発光層における第一の化合物、第二の化合物、および第三の化合物の関係性)
本実施形態では、第三の化合物は、発光層において、上述の本実施形態に係る第一の化合物同士が分子会合することを抑制する分散材としての機能を有すると考えられる。
さらに、第三の化合物によって、第一の化合物と第二の化合物との化合物間の距離を離すことにより、第一の化合物の励起一重項状態から第二の化合物の励起一重項状態へのエネルギー移動を促進し、かつ第一の化合物の励起三重項状態から第二の化合物の励起三重項状態へのエネルギー移動を抑制する結果、発光効率の向上に寄与すると推測される。
本実施形態において、第一の化合物の77[K]におけるエネルギーギャップT77K(M1)は、第二の化合物の77[K]におけるエネルギーギャップT77K(M2)よりも大きいことが好ましい。また、第三の化合物の77[K]におけるエネルギーギャップT77K(M3)は、第二の化合物の77[K]におけるエネルギーギャップT77K(M1)よりも大きいことが好ましい。
第三の化合物の77[K]におけるエネルギーギャップT77K(M3)は、第一の化合物および第二の化合物と同様にして、測定することができる。
本実施形態において、第三の化合物の77[K]におけるエネルギーギャップT77K(M3)は、2.9eV以上であることが好ましい。第三の化合物が、このようなエネルギーギャップT77K(M3)を有することで、発光層において第三の化合物が励起子生成およびキャリア輸送に関与し難くさせることができる。
本実施形態に係る有機EL素子によれば、発光効率および発光色純度を向上させることができる。
本実施形態に係る有機EL素子によれば、例えば、第二の化合物として、青色蛍光発光性の化合物を用いた場合には、有機EL素子の青色発光領域における発光色純度を向上させることができる。
〔実施形態の変形〕
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されず、本発明の目的を達成できる範囲での変更、改良等は、本発明に含まれる。
例えば、発光層は、1層に限られず、複数の発光層が積層されていてもよい。有機EL素子が複数の発光層を有する場合、少なくとも1つの発光層が上記実施形態で説明した条件を満たしていればよい。例えば、その他の発光層が、蛍光発光型の発光層であっても、三重項励起状態から直接基底状態への電子遷移による発光を利用した燐光発光型の発光層であってもよい。
また、有機EL素子が複数の発光層を有する場合、これらの発光層が互いに隣接して設けられていてもよいし、中間層を介して複数の発光ユニットが積層された、いわゆるタンデム型の有機EL素子であってもよい。
また、例えば、発光層の陽極側および陰極側の少なくとも一方に障壁層を隣接させて設けてもよい。障壁層は、発光層に接して配置され、正孔、電子および励起子の少なくともいずれかを阻止することが好ましい。
例えば、発光層の陰極側で接して障壁層が配置された場合、当該障壁層は、電子を輸送し、かつ正孔が当該障壁層よりも陰極側の層(例えば、電子輸送層)に到達することを阻止する。有機EL素子が、電子輸送層を含む場合は、発光層と電子輸送層との間に当該障壁層を含むことが好ましい。
また、発光層の陽極側で接して障壁層が配置された場合、当該障壁層は、正孔を輸送し、かつ電子が当該障壁層よりも陽極側の層(例えば、正孔輸送層)に到達することを阻止する。有機EL素子が、正孔輸送層を含む場合は、発光層と正孔輸送層との間に当該障壁層を含むことが好ましい。
また、励起エネルギーが発光層からその周辺層に漏れ出さないように、障壁層を発光層に隣接させて設けてもよい。発光層で生成した励起子が、当該障壁層よりも電極側の層(例えば、電子輸送層および正孔輸送層等)に移動することを阻止する。
発光層と障壁層とは接合していることが好ましい。
その他、本発明の実施における具体的な構造および形状等は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造等としてもよい。
以下、本発明に係る実施例を説明する。本発明は、これらの実施例によって限定されない。
有機EL素子の製造に用いた化合物を以下に示す。
〔化合物の評価〕
化合物BH−1およびBH−2の遅延蛍光発光性を測定した。また、化合物BH−1およびBH−2の一重項エネルギーSを測定した。測定方法および算出方法を以下に示す。
・遅延蛍光発光性
遅延蛍光発光性は図2に示す装置を利用して過渡PLを測定することにより確認した。なお、測定対象となる化合物が吸収する波長のパルス光(パルスレーザーから照射される光)で励起された後、当該励起状態から即座に観察されるPrompt発光(即時発光)と、当該励起後、即座には観察されず、その後観察されるDelay発光(遅延発光)とが存在する。本実施例における遅延蛍光発光とは、Delay発光(遅延発光)の量がPrompt発光(即時発光)の量に対して5%以上を意味する。すなわち、Prompt発光(即時発光)の量をXとし、Delay発光(遅延発光)の量をXとしたときに、X/Xの値が0.05以上であることを意味する。Prompt発光とDelay発光の量は、“Nature 492, 234−238, 2012”に記載された方法と同様の方法により求めることができる。
化合物BH−1と前記化合物TH−2とを、化合物BH−1の割合が12質量%となるように石英基板上に共蒸着し、膜厚100nmの薄膜を形成して試料を作製した。そして、化合物BH−1が吸収する波長のパルス光(パルスレーザーから照射される光)で励起された後、当該励起状態から即座に観察されるPrompt発光(即時発光)と、当該励起後、即座には観察されず、その後観察されるDelay発光(遅延発光)とを測定した。その結果、化合物BH−1は、Delay発光(遅延発光)の量がPrompt発光(即時発光)の量に対して5%以上あることを確認した。すなわち、化合物BH−1について、X/Xの値が0.05以上であることを確認した。
一方、化合物BH−2について、化合物BH−1と同様に、Prompt発光(即時発光)と、Delay発光(遅延発光)とを測定した結果、Delay発光(遅延発光)の量がPrompt発光(即時発光)の量に対して5%未満であることを確認した。すなわち、化合物BH−2について、X/Xの値が0.05未満であることを確認した。
・一重項エネルギーS
一重項エネルギーSは、次のようにして測定した。測定対象となる化合物の10μmol/Lトルエン溶液を調製して石英セルに入れ、常温(300K)でこの試料の吸収スペクトル(縦軸:発光強度、横軸:波長とする。)を測定した。この吸収スペクトルの長波長側の立ち下がりに対して接線を引き、その接線と横軸との交点の波長値λedge[nm]を次に示す換算式2に代入して一重項エネルギーSを算出した。
換算式2:S[eV]=1239.85/λedge
吸収スペクトルは、日立社製の分光光度計(装置名:U3310)で測定した。
算出した一重項エネルギーSを以下に示す。
BH−1:3.08eV
BH−2:3.42eV
DA−1:4.0eV(文献値:APPLIED PHYSICS LETTERS 101, 093306 (2012))
<有機EL素子の作製および評価>
有機EL素子を以下のように作製し、評価した。
(実施例1)
25mm×75mm×1.1mm厚のITO透明電極(陽極)付きガラス基板(ジオマティック社製)を、イソプロピルアルコール中で5分間超音波洗浄を行った後、UVオゾン洗浄を30分間行った。ITOの膜厚は、130nmとした。
洗浄後の透明電極ライン付き前記ガラス基板を真空蒸着装置の基板ホルダーに装着し、まず透明電極ラインが形成されている側の面上に透明電極を覆うようにして化合物HIを蒸着し、膜厚5nmの正孔注入層を形成した。
次に、正孔注入層上に、化合物HT−1を蒸着し、HI膜上に膜厚80nmの第一正孔輸送層を形成した。
次に、この第一正孔輸送層上に、化合物HT−2を蒸着し、膜厚10nmの第二正孔輸送層を形成した。
次に、第二正孔輸送層上に、化合物EBを蒸着し、膜厚5nmの障壁層を形成した。
さらに、この障壁層上に、第一の化合物としての化合物BH−1と、第二の化合物としての化合物BD−2と、第三の化合物としての化合物DA−1と、を共蒸着し、膜厚25nmの発光層を形成した。発光層における化合物BH−1の濃度を11質量%とし、化合物BD−2の濃度を1質量%とし、化合物DA−1の濃度を88質量%とした。
次に、この発光層上に、化合物HBを蒸着し、膜厚5nmの障壁層を形成した。
次に、この障壁層上に、化合物ETを蒸着し、膜厚20nmの電子輸送層を形成した。
次に、この電子輸送層上に、フッ化リチウム(LiF)を蒸着し、膜厚1nmの電子注入性電極(陰極)を形成した。
そして、この電子注入性電極上に、金属アルミニウム(Al)を蒸着し、膜厚80nmの金属Al陰極を形成した。
実施例1の有機EL素子の素子構成を略式的に示すと、次のとおりである。
ITO(130) / HI(5) / HT-1(80) / HT-2(10) / EB (5)/ DA-1 : BH-1 : BD-2(25, 88% : 11% : 1%) / HB(5) / ET(20) / LiF(1) / Al(80)
なお、括弧内の数字は、膜厚(単位:nm)を示す。また、同じく括弧内において、パーセント表示された数字は、発光層における各化合物の割合(質量%)を示す。
(実施例2)
実施例2の有機EL素子は、実施例1の発光層における化合物BD−2に代えて化合物BD−3を用いたこと以外は、実施例1と同様にして作製した。
実施例2の有機EL素子の素子構成を略式的に示すと、次のとおりである。
ITO(130) / HI(5) / HT-1(80) / HT-2(10) / EB (5)/ DA-1 : BH-1 : BD-3(25, 88% : 11% : 1%) / HB(5) / ET(20) / LiF(1) / Al(80)
(実施例3)
実施例3の有機EL素子は、実施例1の発光層における化合物BD−2に代えて化合物BD−4を用いたこと以外は、実施例1と同様にして作製した。
実施例3の有機EL素子の素子構成を略式的に示すと、次のとおりである。
ITO(130) / HI(5) / HT-1(80) / HT-2(10) / EB (5)/ DA-1 : BH-1 : BD-4(25, 88% : 11% : 1%) / HB(5) / ET(20) / LiF(1) / Al(80)
(実施例4)
実施例4の有機EL素子は、実施例1の発光層における化合物BD−2に代えて化合物BD−5を用いたこと以外は、実施例1と同様にして作製した。
実施例4の有機EL素子の素子構成を略式的に示すと、次のとおりである。
ITO(130) / HI(5) / HT-1(80) / HT-2(10) / EB (5)/ DA-1 : BH-1 : BD-5(25, 88% : 11% : 1%) / HB(5) / ET(20) / LiF(1) / Al(80)
(実施例5)
実施例5の有機EL素子は、実施例1の発光層における化合物BD−2に代えて化合物BD−6を用いたこと以外は、実施例1と同様にして作製した。
実施例5の有機EL素子の素子構成を略式的に示すと、次のとおりである。
ITO(130) / HI(5) / HT-1(80) / HT-2(10) / EB (5)/ DA-1 : BH-1 : BD-6(25, 88% : 11% : 1%) / HB(5) / ET(20) / LiF(1) / Al(80)
(実施例6)
実施例6の有機EL素子は、実施例1の発光層における化合物BD−2に代えて化合物BD−7を用いたこと以外は、実施例1と同様にして作製した。
実施例6の有機EL素子の素子構成を略式的に示すと、次のとおりである。
ITO(130) / HI(5) / HT-1(80) / HT-2(10) / EB (5)/ DA-1 : BH-1 : BD-7(25, 88% : 11% : 1%) / HB(5) / ET(20) / LiF(1) / Al(80)
(比較例1)
比較例1の有機EL素子は、実施例1の発光層における化合物BD−2に代えて化合物BD−1を用い、かつ化合物BH−1に代えて化合物BH−2を用いたこと以外は、実施例1と同様にして作製した。
比較例1の有機EL素子の素子構成を略式的に示すと、次のとおりである。
ITO(130) / HI(5) / HT-1(80) / HT-2(10) / EB (5)/ DA-1 : BH-2 : BD-1(25, 88% : 11% : 1%) / HB(5) / ET(20) / LiF(1) / Al(80)
(比較例2)
比較例2の有機EL素子は、実施例4の発光層における化合物BH−1に代えて化合物BH−2を用いたこと以外は、実施例4と同様にして作製した。
比較例2の有機EL素子の素子構成を略式的に示すと、次のとおりである。
ITO(130) / HI(5) / HT-1(80) / HT-2(10) / EB (5)/ DA-1 : BH-2 : BD-5(25, 88% : 11% : 1%) / HB(5) / ET(20) / LiF(1) / Al(80)
(比較例3)
比較例3の有機EL素子は、実施例5の発光層における化合物BH−1に代えて化合物BH−2を用いたこと以外は、実施例5と同様にして作製した。
比較例3の有機EL素子の素子構成を略式的に示すと、次のとおりである。
ITO(130) / HI(5) / HT-1(80) / HT-2(10) / EB (5)/ DA-1 : BH-2 : BD-6(25, 88% : 11% : 1%) / HB(5) / ET(20) / LiF(1) / Al(80)
〔有機EL素子の評価〕
実施例1〜6および比較例1〜3において作製した有機EL素子について、発光ピーク波長λおよび外部量子効率EQEの評価を行った。評価結果を表2に示す。
各評価方法は、以下の通りである。
・外部量子効率EQE
電流密度が0.1mA/cmとなるように素子に電圧を印加した時の分光放射輝度スペクトルを分光放射輝度計CS−1000(コニカミノルタ社製)で計測した。得られた分光放射輝度スペクトルから、ランバシアン放射を行なったと仮定し外部量子効率EQE(単位:%)を算出した。
・発光ピーク波長λ
上記で得られた分光放射輝度スペクトルから発光ピーク波長λを求めた。
(実施例7)
実施例7の有機EL素子は、実施例1の発光層における化合物BD−2に代えて化合物BD−1を用い、BH−1の濃度を24質量%とし、化合物BD−1の濃度を1質量%とし、化合物DA−1の濃度を75質量%とした以外は、実施例1と同様にして作製した。
実施例7の有機EL素子の素子構成を略式的に示すと、次のとおりである。
ITO(130) / HI(5) / HT-1(80) / HT-2(10) / EB (5)/ DA-1 : BH-1 : BD-1(25, 75% : 24% : 1%) / HB(5) / ET(20) / LiF(1) / Al(80)
(実施例8)
実施例8の有機EL素子は、実施例1の発光層におけるBH−1の濃度を24質量%とし、化合物BD−2の濃度を1質量%とし、化合物DA−1の濃度を75質量%とした以外は、実施例1と同様にして作製した。
実施例8の有機EL素子の素子構成を略式的に示すと、次のとおりである。
ITO(130) / HI(5) / HT-1(80) / HT-2(10) / EB (5)/ DA-1 : BH-1 : BD-2(25, 75% : 24% : 1%) / HB(5) / ET(20) / LiF(1) / Al(80)
(実施例9)
実施例9の有機EL素子は、実施例2の発光層におけるBH−1の濃度を24質量%とし、化合物BD−3の濃度を1質量%とし、化合物DA−1の濃度を75質量%とした以外は、実施例2と同様にして作製した。
実施例9の有機EL素子の素子構成を略式的に示すと、次のとおりである。
ITO(130) / HI(5) / HT-1(80) / HT-2(10) / EB (5)/ DA-1 : BH-1 : BD-3(25, 75% : 24% : 1%) / HB(5) / ET(20) / LiF(1) / Al(80)
(実施例10)
実施例10の有機EL素子は、実施例3の発光層におけるBH−1の濃度を24質量%とし、化合物BD−4の濃度を1質量%とし、化合物DA−1の濃度を75質量%とした以外は、実施例3と同様にして作製した。
実施例10の有機EL素子の素子構成を略式的に示すと、次のとおりである。
ITO(130) / HI(5) / HT-1(80) / HT-2(10) / EB (5)/ DA-1 : BH-1 : BD-4(25, 75% : 24% : 1%) / HB(5) / ET(20) / LiF(1) / Al(80)
(実施例11)
実施例11の有機EL素子は、実施例4の発光層におけるBH−1の濃度を24質量%とし、化合物BD−5の濃度を1質量%とし、化合物DA−1の濃度を75質量%とした以外は、実施例4と同様にして作製した。
実施例11の有機EL素子の素子構成を略式的に示すと、次のとおりである。
ITO(130) / HI(5) / HT-1(80) / HT-2(10) / EB (5)/ DA-1 : BH-1 : BD-5(25, 75% : 24% : 1%) / HB(5) / ET(20) / LiF(1) / Al(80)
(実施例12)
実施例12の有機EL素子は、実施例5の発光層におけるBH−1の濃度を24質量%とし、化合物BD−6の濃度を1質量%とし、化合物DA−1の濃度を75質量%とした以外は、実施例5と同様にして作製した。
実施例12の有機EL素子の素子構成を略式的に示すと、次のとおりである。
ITO(130) / HI(5) / HT-1(80) / HT-2(10) / EB (5)/ DA-1 : BH-1 : BD-6(25, 75% : 24% : 1%) / HB(5) / ET(20) / LiF(1) / Al(80)
(実施例13)
実施例13の有機EL素子は、実施例6の発光層におけるBH−1の濃度を24質量%とし、化合物BD−7の濃度を1質量%とし、化合物DA−1の濃度を75質量%とした以外は、実施例6と同様にして作製した。
実施例13の有機EL素子の素子構成を略式的に示すと、次のとおりである。
ITO(130) / HI(5) / HT-1(80) / HT-2(10) / EB (5)/ DA-1 : BH-1 : BD-7(25, 75% : 24% : 1%) / HB(5) / ET(20) / LiF(1) / Al(80)
(比較例4)
比較例4の有機EL素子は、実施例7の発光層における化合物BH−1に代えて化合物BH−2を用いたこと以外は、実施例7と同様にして作製した。
比較例4の有機EL素子の素子構成を略式的に示すと、次のとおりである。
ITO(130) / HI(5) / HT-1(80) / HT-2(10) / EB (5)/ DA-1 : BH-2 : BD-1(25, 75% : 24% : 1%) / HB(5) / ET(20) / LiF(1) / Al(80)
(比較例5)
比較例5の有機EL素子は、実施例11の発光層における化合物BH−1に代えて化合物BH−2を用いたこと以外は、実施例11と同様にして作製した。
比較例5の有機EL素子の素子構成を略式的に示すと、次のとおりである。
ITO(130) / HI(5) / HT-1(80) / HT-2(10) / EB (5)/ DA-1 : BH-2 : BD-5(25, 75% : 24% : 1%) / HB(5) / ET(20) / LiF(1) / Al(80)
(比較例6)
比較例6の有機EL素子は、実施例12の発光層における化合物BH−1に代えて化合物BH−2を用いたこと以外は、実施例12と同様にして作製した。
比較例6の有機EL素子の素子構成を略式的に示すと、次のとおりである。
ITO(130) / HI(5) / HT-1(80) / HT-2(10) / EB (5)/ DA-1 : BH-2 : BD-6(25, 75% : 24% : 1%) / HB(5) / ET(20) / LiF(1) / Al(80)
〔有機EL素子の評価〕
実施例7〜13および比較例4〜6において作製した有機EL素子について、発光ピーク波長λおよび外部量子効率EQEの評価を行った。評価結果を表3に示す。
各評価方法は、前述と同様である。
(実施例14)
実施例14の有機EL素子は、実施例1の発光層における化合物BD−2に代えて化合物BD−1を用い、実施例1の発光層におけるBH−1の濃度を49質量%とし、化合物BD−1の濃度を1質量%とし、化合物DA−1の濃度を50質量%とした以外は、実施例1と同様にして作製した。
実施例14の有機EL素子の素子構成を略式的に示すと、次のとおりである。
ITO(130) / HI(5) / HT-1(80) / HT-2(10) / EB (5)/ DA-1 : BH-1 : BD-1(25, 50% : 49% : 1%) / HB(5) / ET(20) / LiF(1) / Al(80)
(実施例15)
実施例15の有機EL素子は、実施例1の発光層におけるBH−1の濃度を49質量%とし、化合物BD−2の濃度を1質量%とし、化合物DA−1の濃度を50質量%とした以外は、実施例1と同様にして作製した。
実施例15の有機EL素子の素子構成を略式的に示すと、次のとおりである。
ITO(130) / HI(5) / HT-1(80) / HT-2(10) / EB (5)/ DA-1 : BH-1 : BD-2(25, 50% : 49% : 1%) / HB(5) / ET(20) / LiF(1) / Al(80)
(実施例16)
実施例16の有機EL素子は、実施例2の発光層におけるBH−1の濃度を49質量%とし、化合物BD−3の濃度を1質量%とし、化合物DA−1の濃度を50質量%とした以外は、実施例2と同様にして作製した。
実施例16の有機EL素子の素子構成を略式的に示すと、次のとおりである。
ITO(130) / HI(5) / HT-1(80) / HT-2(10) / EB (5)/ DA-1 : BH-1 : BD-3(25, 50% : 49% : 1%) / HB(5) / ET(20) / LiF(1) / Al(80)
(実施例17)
実施例17の有機EL素子は、実施例3の発光層におけるBH−1の濃度を49質量%とし、化合物BD−4の濃度を1質量%とし、化合物DA−1の濃度を50質量%とした以外は、実施例3と同様にして作製した。
実施例17の有機EL素子の素子構成を略式的に示すと、次のとおりである。
ITO(130) / HI(5) / HT-1(80) / HT-2(10) / EB (5)/ DA-1 : BH-1 : BD-4(25, 50% : 49% : 1%) / HB(5) / ET(20) / LiF(1) / Al(80)
(実施例18)
実施例18の有機EL素子は、実施例4の発光層におけるBH−1の濃度を49質量%とし、化合物BD−5の濃度を1質量%とし、化合物DA−1の濃度を50質量%とした以外は、実施例4と同様にして作製した。
実施例18の有機EL素子の素子構成を略式的に示すと、次のとおりである。
ITO(130) / HI(5) / HT-1(80) / HT-2(10) / EB (5)/ DA-1 : BH-1 : BD-5(25, 50% : 49% : 1%) / HB(5) / ET(20) / LiF(1) / Al(80)
(実施例19)
実施例19の有機EL素子は、実施例5の発光層におけるBH−1の濃度を49質量%とし、化合物BD−6の濃度を1質量%とし、化合物DA−1の濃度を50質量%とした以外は、実施例5と同様にして作製した。
実施例19の有機EL素子の素子構成を略式的に示すと、次のとおりである。
ITO(130) / HI(5) / HT-1(80) / HT-2(10) / EB (5)/ DA-1 : BH-1 : BD-6(25, 50% : 49% : 1%) / HB(5) / ET(20) / LiF(1) / Al(80)
(実施例20)
実施例20の有機EL素子は、実施例6の発光層におけるBH−1の濃度を49質量%とし、化合物BD−7の濃度を1質量%とし、化合物DA−1の濃度を50質量%とした以外は、実施例6と同様にして作製した。
実施例20の有機EL素子の素子構成を略式的に示すと、次のとおりである。
ITO(130) / HI(5) / HT-1(80) / HT-2(10) / EB (5)/ DA-1 : BH-1 : BD-7(25, 50% : 49% : 1%) / HB(5) / ET(20) / LiF(1) / Al(80)
〔有機EL素子の評価〕
実施例14〜20において作製した有機EL素子について、発光ピーク波長λおよび外部量子効率EQEの評価を行った。評価結果を表4に示す。
各評価方法は、前述と同様である。
表2〜4が示すように、実施例1〜20に係る有機EL素子は、いずれも比較例1〜6に係る有機EL素子よりも発光効率が高かった。
(比較例7)
比較例7の有機EL素子は、実施例1の発光層における化合物BD−2を用いず、BH−1の濃度を12質量%とし、化合物DA−1の濃度を88質量%とした以外は、実施例1と同様にして作製した。
比較例7の有機EL素子の素子構成を略式的に示すと、次のとおりである。
ITO(130) / HI(5) / HT-1(80) / HT-2(10) / EB (5)/ DA-1 : BH-1(25, 88% : 12%) / HB(5) / ET(20) / LiF(1) / Al(80)
(比較例8)
比較例8の有機EL素子は、実施例7の発光層における化合物BD−1を用いず、BH−1の濃度を25質量%とし、化合物DA−1の濃度を75質量%とした以外は、実施例7と同様にして作製した。
比較例8の有機EL素子の素子構成を略式的に示すと、次のとおりである。
ITO(130) / HI(5) / HT-1(80) / HT-2(10) / EB (5)/ DA-1 : BH-1(25, 75% : 25%) / HB(5) / ET(20) / LiF(1) / Al(80)
(比較例9)
比較例9の有機EL素子は、実施例14の発光層に化合物BD−1を用いず、BH−1の濃度を50質量%とし、化合物DA−1の濃度を50質量%とした以外は、実施例14と同様にして作製した。
比較例9の有機EL素子の素子構成を略式的に示すと、次のとおりである。
ITO(130) / HI(5) / HT-1(80) / HT-2(10) / EB (5)/ DA-1 : BH-1(25, 50% : 50%) / HB(5) / ET(20) / LiF(1) / Al(80)
〔有機EL素子の評価〕
実施例1〜20および比較例7〜9において作製した有機EL素子について、CIE1931色度の評価を行った。評価結果を表5〜7に示す。
各評価方法は、以下の通りである。
・CIE1931色度
電流密度が0.1mA/cmとなるように素子に電圧を印加した時のCIE1931色度座標(x、y)を、上記分光放射輝度計で計測した。
表5〜7が示すように、実施例1〜20に係る有機EL素子は、いずれも遅延蛍光発光性材料であるBH−1を発光させる方式の比較例7〜9に係る有機EL素子よりも、色純度の高い青色発光が得られた。
以上のように、実施例1〜20に係る有機EL素子によれば、発光効率が向上し、かつ色純度も向上することがわかった。
1…有機EL素子、3…陽極、4…陰極、5…発光層。

Claims (23)

  1. 陽極と、
    発光層と、
    陰極と、を含み、
    前記発光層は、下記一般式(1)で表される遅延蛍光性の第一の化合物と、蛍光発光性の第二の化合物とを含む、有機エレクトロルミネッセンス素子。


    (前記一般式(1)中、
    Xは、酸素原子、硫黄原子、またはセレン原子であり、
    からYはそれぞれ独立に、CR1a、CR1b、または窒素原子であり、
    ただし、YからYの少なくとも2つは窒素原子であり、かつYからYの少なくとも1つはCR1aであり、
    1aは、それぞれ独立に、下記一般式(A)〜(N)で表される基からなる群から選択されるいずれかの基であり、R1aが複数存在する場合、複数のR1aは、互いに同一でも異なっていてもよく、
    1bは、それぞれ独立に、水素原子または置換基であり、
    置換基としてのR1bは、それぞれ独立に、
    ハロゲン原子、
    置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数3〜30のシクロアルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数5〜30のアラルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルコキシ基、
    置換もしくは無置換の炭素数5〜30のアリールアルコキシ基、
    置換もしくは無置換のアミノ基、
    置換もしくは無置換のシリル基、
    置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルケニル基、
    置換もしくは無置換の炭素数3〜30のシクロアルケニル基、
    置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルキニル基、
    置換もしくは無置換の炭素数3〜30のシクロアルキニル基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、
    置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基、
    置換もしくは無置換のカルボニル基、
    置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルコキシカルボニル基、
    置換もしくは無置換のカルボキシ基、
    シアノ基、
    置換もしくは無置換のスルファニル基、
    置換スルフィニル基、
    置換スルホニル基、および
    置換もしくは無置換のホスフォリル基からなる群から選択され、
    置換基としてのR1bが複数存在する場合、置換基としての複数のR1bは、互いに同一でも異なっていてもよい。)








    (前記一般式(A)〜(N)中、
    〜X20は、それぞれ独立に、窒素原子またはCRxであり、
    ただし、
    前記一般式(B)において、X〜Xのいずれかは、X〜X12のいずれかと結合する炭素原子であり、X〜X12のいずれかは、X〜Xのいずれかと結合する炭素原子であり、
    前記一般式(C)において、X〜Xのいずれかは、X〜X12およびX13〜X16を含む縮合環における5員環中の窒素原子と結合する炭素原子であり、
    前記一般式(E)において、X〜XおよびX18のいずれかは、X〜X12のいずれかと結合する炭素原子であり、X〜X12のいずれかは、X〜XおよびX18のいずれかと結合する炭素原子であり、
    前記一般式(F)において、X〜XおよびX18のいずれかは、X〜X12およびX19のいずれかと結合する炭素原子であり、X〜X12およびX19のいずれかは、X〜XおよびX18のいずれかと結合する炭素原子であり、
    前記一般式(G)において、X〜Xのいずれかは、X〜X12およびX19のいずれかと結合する炭素原子であり、X〜X12およびX19のいずれかは、X〜Xのいずれかと結合する炭素原子であり、
    前記一般式(H)において、X〜XおよびX18のいずれかは、X〜X12およびX13〜X16を含む縮合環における5員環中の窒素原子と結合する炭素原子であり、
    前記一般式(I)において、X〜XおよびX18のいずれかは、X〜X12およびX19を含む環とX13〜X16およびX20を含む環とを連結する窒素原子と結合する炭素原子であり、
    前記一般式(J)において、X〜Xのいずれかは、X〜X12およびX19を含む環とX13〜X16およびX20を含む環とを連結する窒素原子と結合する炭素原子であり、
    前記一般式(K)において、X〜Xのいずれかは、Y〜Yのいずれかと結合する炭素原子であり、
    前記一般式(L)において、X〜XおよびX18のいずれかは、Y〜Yのいずれかと結合する炭素原子であり、
    前記一般式(M)において、X〜XおよびX18のいずれかは、*m1と結合する炭素原子であり、X〜XおよびX18のいずれかは、*m2と結合する炭素原子であり、*m1および*m2は、それぞれ、X〜XおよびX18のいずれかとの結合部位であり、
    前記一般式(N)において、X〜Xのいずれかは、*n1と結合する炭素原子であり、X〜Xのいずれかは、*n2と結合する炭素原子であり、*n1および*n2は、それぞれ、X〜Xのいずれかとの結合部位であり、
    Rxは、それぞれ独立に、水素原子または置換基であり、
    置換基としてのRxは、それぞれ独立に、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、
    置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基、
    置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数1〜30のフルオロアルキル基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜30のシクロアルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数7〜30のアラルキル基、
    置換もしくは無置換のホスフォリル基、
    置換もしくは無置換のシリル基、
    シアノ基、
    ニトロ基、
    置換もしくは無置換のカルボキシ基、
    ハロゲン原子、
    置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルコキシ基、
    置換もしくは無置換の炭素数5〜30のアリールアルコキシ基、
    置換もしくは無置換のアミノ基、
    置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルケニル基、
    置換もしくは無置換の炭素数3〜30のシクロアルケニル基、
    置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルキニル基、
    置換もしくは無置換の炭素数3〜30のシクロアルキニル基、
    アシル基、
    置換もしくは無置換のカルボニル基、
    エステル基、
    置換もしくは無置換のスルファニル基、
    置換もしくは無置換のスルフィニル基、
    置換もしくは無置換のスルホニル基、および
    置換もしくは無置換のホスファニル基からなる群から選択され、
    置換基としてのRxが複数存在する場合、置換基としての複数のRxは、互いに同一でも異なっていてもよく、置換基としての複数のRxは、互いに直接結合して環を形成してもよいし、またはヘテロ原子を介して環を形成してもよく、
    Araは、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、
    置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基、
    置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数1〜30のフルオロアルキル基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜30のシクロアルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数7〜30のアラルキル基、
    置換もしくは無置換のホスフォリル基、および
    置換もしくは無置換のシリル基からなる群から選択され、
    *は、Y〜Yのいずれかとの結合部位である。)
  2. 前記第一の化合物において、Y〜Yの少なくとも1つが窒素原子である、
    請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 前記第一の化合物は、下記一般式(11)で表される化合物である、
    請求項1または請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。


    (前記一般式(11)中、
    11〜Y14は、それぞれ独立に、CR1a、CR1b、または窒素原子であり、
    15〜Y18は、それぞれ独立に、CR1bまたは窒素原子であり、
    ただし、Y11〜Y14のいずれか1つがCR1aであり、Y11〜Y18の少なくとも2つは窒素原子であり、かつY11〜Y14の少なくとも1つは窒素原子であり、
    X、R1a、およびR1bは、前記一般式(1)におけるX、R1a、およびR1bとそれぞれ同義である。)
  4. 前記第一の化合物において、Y11からY14のいずれか2つが窒素原子である、
    請求項3に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 前記第一の化合物は、下記一般式(11A−1)〜(11A−3)で表されるいずれかの化合物である、
    請求項3または請求項4に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。


    (前記一般式(11A−1)〜(11A−3)中、
    X、R1a、Y11〜Y13、およびY15〜Y18は、前記一般式(11)におけるX、R1a、Y11〜Y13、およびY15〜Y18とそれぞれ同義である。)
  6. 前記第一の化合物は、下記一般式(11Aa)で表される化合物である、
    請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。


    (前記一般式(11Aa)中、
    112およびY115〜Y118は、それぞれ独立に、CR1bであり、
    X、R1a、およびR1bは、前記一般式(1)におけるX、R1a、およびR1bとそれぞれ同義である。)
  7. 前記第一の化合物において、R1aが前記一般式(A),(B),(C),および(G)で表される基からなる群から選択されるいずれかの基である、
    請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  8. 前記第一の化合物において、Xが酸素原子または硫黄原子である、
    請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  9. 前記第一の化合物において、R1bが置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、および置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基からなる群から選択されるいずれかの基である、
    請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  10. 前記第一の化合物において、Rxが置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、および置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基からなる群から選択されるいずれかの基である、
    請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  11. 前記第一の化合物において、Araが置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、および置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基からなる群から選択されるいずれかの基である、
    請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  12. 前記第二の化合物は、下記一般式(20)で表される化合物である、
    請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。


    (前記一般式(20)中、
    21およびR22は、それぞれ独立に、水素原子または置換基であり、
    置換基としてのR21およびR22は、それぞれ独立に、
    ハロゲン原子、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、
    置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基、
    置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数1〜30のフルオロアルキル基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜30のシクロアルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数7〜30のアラルキル基、
    置換もしくは無置換のホスフォリル基、
    置換もしくは無置換のシリル基、
    シアノ基、
    ニトロ基、および
    置換もしくは無置換のカルボキシ基からなる群から選択され、
    置換基としてのR21およびR22は、互いに直接結合して環を形成してもよく、
    21〜X28は、それぞれ独立に、CR23または窒素原子であり、
    23は、それぞれ独立に、水素原子または置換基であり、
    置換基としてのR23は、それぞれ独立に、
    ハロゲン原子、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、
    置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基、
    置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数1〜30のフルオロアルキル基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜30のシクロアルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数7〜30のアラルキル基、
    置換もしくは無置換のホスフォリル基、
    置換もしくは無置換のシリル基、
    シアノ基、
    ニトロ基、および
    置換もしくは無置換のカルボキシ基からなる群から選択され、
    置換基としてのR23が複数存在する場合、置換基としての複数のR23は、互いに同一でも異なっていてもよく、置換基としての複数のR23は、互いに直接結合して環を形成してもよいし、またはヘテロ原子を介して環を形成してもよい。)
  13. 前記第二の化合物は、下記一般式(21)で表される化合物である、
    請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。


    (前記一般式(21)中、
    n1は1以上の整数であり、
    Arは、置換もしくは無置換の環形成炭素数10〜40の縮合芳香族炭化水素基であり、
    ArおよびArは、それぞれ独立に、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、
    置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基、
    置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、および
    置換もしくは無置換の炭素数7〜30のアラルキル基からなる群から選択され、
    ArとArとが結合して飽和または不飽和の環を形成してもよく、n1が2以上の場合、複数のArは、互いに同一でも異なっていてもよく、複数のArは、互いに同一でも異なっていてもよく、
    は、単結合または連結基であり、Lが連結基である場合の連結基は、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、および
    置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基からなる群から選択され、
    n1が2以上の場合、複数のLは、互いに同一でも異なっていてもよい。)
  14. 前記第二の化合物において、ArおよびArが、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基および置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基からなる群から選択されるいずれかの基である、
    請求項13に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  15. 前記第二の化合物において、ArおよびArの少なくとも1つが、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基からなる群から選択されるいずれかの基である、
    請求項13または請求項14に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  16. 前記第二の化合物は、下記一般式(22)で表される化合物である、
    請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。


    (前記一般式(22)中、
    pは0〜5の整数であり、
    qおよびrは、それぞれ独立に、1〜5の整数であり、
    Ar10は、置換もしくは無置換の環形成炭素数10〜40の縮合芳香族炭化水素基であり、
    10は、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、
    置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基、
    置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、および
    置換もしくは無置換の炭素数7〜30のアラルキル基からなる群から選択され、
    qが2以上の場合、複数のR10は、互いに同一でも異なっていてもよく、R10同士が結合して飽和または不飽和の環を形成してもよく、
    pが0のとき、Ar10とR10とは単結合で結合し、
    pが1〜5の整数のとき、L10は、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、および
    置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基からなる群から選択される連結基であり、
    pが2以上の場合、複数のL10は、互いに同一でも異なっていてもよく、L10同士が結合して飽和または不飽和の環を形成してもよい。)
  17. 前記発光層は、第三の化合物をさらに含み、
    前記第三の化合物の一重項エネルギーは、前記第一の化合物の一重項エネルギーよりも大きい、
    請求項1から請求項16のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  18. 前記第三の化合物は、一つの分子中に下記一般式(31)で表される部分構造および下記一般式(32)で表される部分構造のうち少なくともいずれかを含む化合物である、
    請求項17に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。


    (前記一般式(31)中、
    31〜Y36は、それぞれ独立に、窒素原子、または第三の化合物の分子中における他の原子と結合する炭素原子であり、
    ただし、Y31〜Y36のうち少なくともいずれかは、第三の化合物の分子中における他の原子と結合する炭素原子であり、
    前記一般式(32)において、
    41〜Y48は、それぞれ独立に、窒素原子、または第三の化合物の分子中における他の原子と結合する炭素原子であり、
    ただし、Y41〜Y48のうち少なくともいずれかは、第三の化合物の分子中における他の原子と結合する炭素原子であり、
    30は、窒素原子、酸素原子、または硫黄原子である。)
  19. 前記一般式(31)で表される部分構造は、下記一般式(33)で表される基および下記一般式(34)で表される基からなる群から選択される少なくともいずれかの基として前記第三の化合物に含まれる、
    請求項18に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。


    (前記一般式(33)および前記一般式(34)中、
    31、Y32、Y34、およびY36は、それぞれ独立に、窒素原子またはCR31であり、
    31は、水素原子または置換基であり、
    置換基としてのR31は、それぞれ独立に、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、
    置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基、
    置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数1〜30のフルオロアルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数3〜30のシクロアルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数7〜30のアラルキル基、
    置換もしくは無置換のシリル基、
    置換ゲルマニウム基、
    置換ホスフィンオキシド基、
    ハロゲン原子、
    シアノ基、
    ニトロ基、および
    置換もしくは無置換のカルボキシ基からなる群から選択され、
    波線部分は、第三の化合物の分子中における他の原子または他の構造との結合箇所を表す。)
  20. 前記一般式(32)で表される部分構造は、下記一般式(35)〜(39)および下記一般式(30a)で表される基からなる群から選択される少なくともいずれかの基として前記第三の化合物に含まれる、
    請求項18または請求項19に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。





    (前記一般式(35)〜(39),および(30a)中、
    41〜Y48は、それぞれ独立に、窒素原子またはCR32であり、
    32は、それぞれ独立に、水素原子または置換基であり、
    置換基としてのR32は、それぞれ独立に、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、
    置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基、
    置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数1〜30のフルオロアルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数3〜30のシクロアルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数7〜30のアラルキル基、
    置換もしくは無置換のシリル基、
    置換ゲルマニウム基、
    置換ホスフィンオキシド基、
    ハロゲン原子、
    シアノ基、
    ニトロ基、および
    置換もしくは無置換のカルボキシ基からなる群から選択され、
    前記一般式(35)および(36)中、X30は、窒素原子であり、
    前記一般式(37)〜(39),および(30a)中、
    30は、NR33、酸素原子、または硫黄原子であり、
    33は、それぞれ独立に、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、
    置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基、
    置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数1〜30のフルオロアルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数3〜30のシクロアルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数7〜30のアラルキル基、
    置換もしくは無置換のシリル基、
    置換ゲルマニウム基、
    置換ホスフィンオキシド基、
    フッ素原子、
    シアノ基、
    ニトロ基、および
    置換若しくは無置換のカルボキシ基からなる群から選択され、
    波線部分は、第三の化合物の分子中における他の原子または他の構造との結合箇所を表す。)
  21. 前記陽極と前記発光層との間に正孔輸送層を含む、
    請求項1から請求項20のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  22. 前記陰極と前記発光層との間に電子輸送層を含む、
    請求項1から請求項21のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  23. 請求項1から請求項22のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を備える電子機器。
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