JPWO2017057691A1 - 電気化学デバイスとその製造方法 - Google Patents

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Abstract

外装容器の内部での電極組立体の位置ずれを抑制し、電気的短絡や、大型化に伴う体積エネルギー密度の低下などの問題を生じない電気化学デバイスを提供する。
電気化学デバイスが、2種類の電極がセパレータを介して積層または巻回されている電極組立体と、電極組立体を収容するフィルムからなる外装容器と、を含む。電極は、電極集電体と、電極集電体の上に部分的に形成されている活物質層とを含む。電極集電体の、活物質層が形成されていない部分が電極組立体から突出しており、電極集電体の電極組立体から突出している部分が、外装容器を構成するフィルムに固定されている。

Description

本発明は電気化学デバイスとその製造方法に関する。
電気化学デバイスの一例である二次電池は、携帯電話、デジタルカメラ、ラップトップコンピュータなどのポータブル機器の電源としてはもちろん、車両用や家庭用の電源として広く普及してきている。なかでも、高エネルギー密度で軽量なリチウムイオン二次電池は、生活に欠かせないエネルギー蓄積デバイスになっている。
特に、電気自動車等の被駆動装置の動力源としてリチウムイオン二次電池等の電気化学デバイスが用いられる場合には、電気自動車等の性能はリチウムイオン二次電池等の電気化学デバイスの性能に大きく依存しており、性能向上のために高容量化が求められる。また、リチウムイオン二次電池等の電気化学デバイスは、電気自動車等に搭載されると衝撃や振動にさらされる環境に置かれるため、耐振動性が求められる。振動や衝撃に強い電気化学デバイスを得るためには、正極シートと負極シートとがセパレータによって隔離されながら重ね合わせられた構造を有する電極組立体が、電解液とともに、円筒形や角筒形の金属ケースからなる外装容器内に収容される。しかし、前述した通り電気化学デバイスの高容量化が求められているため、近年では、より軽量化が可能で形状自由度の高い可撓性フィルムからなる外装容器を用いた電気化学デバイスが用いられてきている。すなわち、電極組立体が電解液とともに、可撓性フィルムからなる外装容器内に収容されている。
このような二次電池において、外装容器の外部から加えられる衝撃や振動等によって電極組立体が外装容器の内部で位置ずれを生じると、電気接続の信頼性の低下や、エネルギー密度の低下や、外装容器の内面を構成する可撓性フィルムに電極組立体の縁部が当接することによる可撓性フィルムの損傷などを引き起こす可能性がある。可撓性フィルムからなる外装容器は、金属ケースと比べると外部からの衝撃に対して弱いので、電気化学デバイスを強固に固定し、電気化学デバイスの振動や衝撃に対する耐性を高めるための機構が追加されることがある。その場合には、構造が複雑になって製造工程が煩雑になる上に、電気化学デバイスを外部から強固に固定するための機構や、振動や衝撃に対する耐性を高めるための機構を追加することによって、電気化学デバイスの容量が相対的に小さくなるおそれがある。
特許文献1に開示されている発明では、電池の正極リードと負極リードのそれぞれの接続部分を樹脂で被覆して、複数の電極とラミネートフィルムとを固定して一体化している。
特許文献2に開示されている電池では、電極組立体を構成する複数の負極集電体または正極集電体を、電極組立体の四隅において固定している。そして、1つの電極端子が外装容器の1つの辺から外部に延出し、その辺の反対側に位置する辺から別の電極端子が外部に延出している。
特許文献3に開示されている電池では、セパレータの一部を、正極及び負極の側方に突出させて、その突出部に貫通孔を形成して、電極組立体の上方のラミネートフィルムと電極組立体の下方のラミネートフィルムとを、セパレータの貫通孔を介して互いに融着させている。
特許文献4に開示されている電池では、セパレータの一部を、正極及び負極の側方に突出させて、その突出部を、電極組立体の上方のラミネートフィルムと電極組立体の下方のラミネートフィルムとで挟み込んで、互いに融着させている。
特許文献5に開示されている発明では、電池が、外装容器の複数の辺からそれぞれ延出する複数の正極引出端子と複数の負極引出端子を有している。電子機器に取り付けられる際には、一部の正極引出端子および負極引出端子のみが使用され、使用されない残りの正極引出端子および負極引出端子は切除される。
特許文献6に開示されている電池では、外装容器の内部で電極とリードとが接続される部分の近傍の空間が、絶縁枠状スペーサによって埋められている。
また、近年の電池の高容量化および高エネルギー密度化に伴って、発熱が大きくなり危険性が増大しているので、耐熱性の向上が望まれている。特に、正極と負極の間や、最も外側の電極(通常は負極)と外装容器を構成する可撓性フィルムとの間に位置するセパレータが、仮に熱溶融すると電気的短絡を生じてさらに大きな発熱を引き起こす可能性があるため、耐熱性を有することが望ましい。例えば、特許文献7には、融点が150℃以上の繊維集合体からなるセパレータが開示されており、特許文献8には、ガラス転移温度が70℃以上の多孔質膜からなるセパレータが開示されている。
特開2002―175790号公報 特開2004―158344号公報 特開2013―84410号公報 特開2012―174590号公報 特開2012―054197号公報 国際公開00/59063号公報 特開2006−59717号公報 特開2006−147349号公報
特許文献1に開示された構成では、電極組立体のうち、溶着性樹脂で固定されるのは、正極集電体および負極集電体と正極リードおよび負極リードとの接続部の周辺のみであるため、十分な強度が得られない可能性がある。電池を自動車等に搭載すると、様々な方向への振動成分が混在すると想定され、外装容器の一辺(正極リードおよび負極リードが延出する辺)のみが固定されていても、例えば電極リードの延出方向に垂直な方向への振動や衝撃に対する強度はさほど向上していない。また、外装容器のその他の辺においては、電極組立体は固定されておらず、位置ずれ防止効果は十分ではなく信頼性が低い。
特許文献2に開示された構成では、負極集電体同士または正極集電体同士が電極組立体の4つの角部の外側でそれぞれ固定されているため、比較的大きな位置ずれ防止効果が得られるが、外装容器の平面積が大きくなってしまい、体積エネルギー密度が低下するという問題がある。
特許文献3に開示された発明では、セパレータがラミネートフィルムに固定されるが、セパレータの貫通孔とラミネートフィルムの融着部との間に多少の遊びが存在する限り、電極組立体の位置ずれを完全に防止することは困難である。また、高容量化に伴って電極組立体内で積層される電極の数が多くなると、セパレータの層数も多くなり、多数層の柔軟性のあるセパレータの突出部に正確に同じ位置に貫通孔を開け、その貫通孔の内部でラミネートフィルムの樹脂層同士を直接接触させることは容易ではない。そして、ラミネートフィルムの片面の樹脂層だけでは、互いに溶着するために必要な樹脂量が確保できず、温度制御も容易ではない。電極組立体内で積層されているセパレータのうち、1層だけ、または一部だけを突出させて貫通孔を形成して、その貫通孔の内部でラミネートフィルムの樹脂層同士の溶着を行うと、作業を容易にすることができるが、柔軟性のある少数のセパレータを部分的に固定するだけでは、位置ずれ防止の信頼性が低い。
特許文献4に開示された発明では、セパレータの突出部に貫通孔等を形成する必要はなく、作業が簡単である。さらに、特許文献4に記載されている構成では、外装容器を構成する可撓性フィルムの内表面はナイロンやポリイミド等からなり、セパレータは、ポリプロピレンやポリエチレンなど可撓性フィルムの内表面の融点と同等かそれ以下の融点を持つ材料からなるため、セパレータと可撓性フィルムは熱融着によって良好に接合する。しかし、柔軟性のあるセパレータのみを突出させてラミネートフィルムで挟み込んで溶着するため、強固に固定することは難しく、しかも、電極組立体を構成する層のうちの大部分は直接的に移動防止されるわけではないので、電極組立体の位置ずれ防止の信頼性が低い。さらに、セパレータの融点が低いため、高容量かつ高エネルギー密度の電池の発熱によってセパレータが溶融し、セパレータの本来の機能である短絡防止が不十分になるおそれがある。仮に、特許文献7,8に示されているような高融点のセパレータを特許文献4の構成に採用すると、高融点のセパレータと、外装容器を構成する低融点の可撓性フィルムとの接着性が悪く、電極組立体の移動を抑制する効果が小さいと考えられる。
特許文献5に開示された発明では、電子機器に搭載される際に使用されずに切除された正極引出端子および負極引出端子の切断面は、正極および負極に電気的に接続された状態でむき出しになっているため、外部の何らかの部材と接触して電気的な短絡を引き起こしやすい。そして、使用されない正極引出端子および負極引出端子を切除した後は、外装容器の内部での電極組立体の固定は、従来と同様に1対の引き出し端子のみに依存するため、位置ずれ防止の効果は低い。また、最終的には使用されない余剰部品を予め形成しておくため、コストパフォーマンスが悪い。
特許文献6に開示された発明では、特許文献1に開示された発明と同様に、外装容器の内部で、電極組立体のうち正極集電体とリードとの接続部の周辺のみが固定され、それ以外の部分は固定されない。従って、様々な方向の振動や衝撃に対する強度が高いわけではなく、位置ずれ防止効果は十分ではなく信頼性が低い。
そこで、本発明の目的は、外装容器の内部での電極組立体の位置ずれを抑制し、電気的短絡や、大型化に伴う体積エネルギー密度の低下などの問題を生じない、電気化学デバイスとその製造方法を提供することにある。
本発明の電気化学デバイスは、2種類の電極がセパレータを介して積層または巻回されている電極組立体と、電極組立体を収容するフィルムからなる外装容器と、を含む。電極は、電極集電体と、電極集電体の上に部分的に形成されている活物質層とを含む。電極集電体の、活物質層が形成されていない部分が電極組立体から突出しており、電極集電体の電極組立体から突出している部分が、外装容器を構成するフィルムに固定されている。
本発明のもう1つの電気化学デバイスは、2種類の電極がセパレータを介して積層または巻回されている電極組立体と、電極組立体を収容するフィルムからなる外装容器と、を含む。セパレータの一部には、セパレータよりも融点が低い補助材が接合されており、補助材がフィルムに固着されている。
本発明の電気化学デバイスの製造方法は、2種類の電極を、一部に補助材が接合されているセパレータを介して交互に積層して電極組立体を形成する工程と、電極組立体と電解液を、フィルムからなる外装容器内に収容する工程と、電極組立体と電解液が収容された外装容器の外周縁部を封止する工程と、補助材とフィルムとを互いに融着させる工程と、を含み、補助材の融点はセパレータの融点よりも低い。
本発明によると、電気化学デバイスの外装容器の内部での電極組立体の位置ずれを抑制し、電気的短絡や、大型化に伴う体積エネルギー密度の低下などの問題を生じない。
本発明の電気化学デバイスの一例である積層型二次電池の第1の実施形態の基本構造を示す平面図である。 図1AのA−A線断面図である。 図1A,1Bに示す二次電池の要部を示す拡大断面図である。 第1の実施形態の変形例の二次電池の要部を示す拡大断面図である。 本発明の電気化学デバイスである積層型二次電池の第2の実施形態の要部を示す平面図である。 本発明の電気化学デバイスである積層型二次電池の第3の実施形態の基本構造を表す平面図である。 図5のB−B線断面図である。 本発明の電気化学デバイスである積層型二次電池の第4の実施形態の、図5のB−B線に沿う断面図である。 第4の実施形態の変形例の二次電池の、図5のB−B線に沿う断面図である。 本発明の電気化学デバイスである積層型二次電池の第5の実施形態の、図5のB−B線に沿う断面図である。 本発明の電気化学デバイスである積層型二次電池の第6の実施形態の、図5のB−B線に沿う断面図である。 第6の実施形態の変形例の二次電池の、図5のB−B線に沿う断面図である。 本発明の電気化学デバイスである積層型二次電池の第7の実施形態の、図5のB−B線に沿う断面図である。 図10に示す電気化学デバイスの金属・樹脂固定端子を示す拡大平面図である。 図10に示す電気化学デバイスの金属・樹脂固定端子の変形例を示す拡大平面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
図1A,1Bは、本発明の第1の実施形態の電気化学デバイスの一例である積層型のリチウムイオン二次電池1の構成を模式的に示している。図1Aは二次電池1の主面(扁平な面)に対して垂直上方から見た平面図であり、図1Bは図1AのA−A線断面図である。
本発明のリチウムイオン二次電池1は、2種類の電極、すなわち正極(正極シート)2と負極(負極シート)3とがセパレータ4を介して重なり合う電極組立体(蓄電要素)5を備えている。この電極組立体5は電解液6と共に、可撓性フィルム7からなる外装容器8に収納されている。電極組立体5の正極2には正極端子9の一端が、負極3には負極端子10の一端がそれぞれ接続されている。正極端子9の他端側および負極端子10の他端側は、それぞれ外装容器8の外側に引き出されている。各セパレータ4にはそれぞれ補助材16が接合されており、平面的に見て補助材16は正極2および負極3の外側まで延出している。図1Bでは、電極組立体5を構成する各層の一部(厚さ方向の中間部に位置する層)を図示省略して、電解液6を示している。それに伴って、電極(正極2および負極3)の集電体(タブ)が電極端子(正極端子9と負極端子10)上に重なり合っている部分でも、電極組立体5の中央部で図示省略した電極の集電体は存在しないと仮定して描いている。同様に、複数のセパレータ4が延出しそれらに接合された補助材16が重なり合って可撓性フィルム7に挟まれている部分でも、電極組立体5の中央部で図示省略したセパレータ4は存在しないと仮定して描いている。
正極2は、正極用の集電体(正極集電体)11と、その正極集電体11に塗布された正極用の活物質層(正極活物質層)12とを含む。正極集電体11の表面と裏面には、正極活物質層12が形成された塗布部と正極活物質層12が形成されていない未塗布部とが、長手方向に沿って並んで位置する。負極3は、負極用の集電体(負極集電体)13とその負極集電体13に塗布された負極用の活物質層(負極活物質層)14とを含む。負極集電体13の表面と裏面には、塗布部と未塗布部とが長手方向に沿って並んで位置する。
正極2と負極3のそれぞれの未塗布部(集電体)は、電極端子(正極端子9または負極端子10)と接続するためのタブとして用いられる。正極2の正極タブ(未塗布部)同士は正極端子9上にまとめられ、超音波溶接等で互いに接続されている。負極3の負極タブ(未塗布部)同士は負極端子10上にまとめられ、超音波溶接等で互いに接続されている。正極端子9の他端部および負極端子10の他端部は、可撓性フィルム7からなる外装容器8の外側にそれぞれ引き出されている。負極3の塗布部(負極活物質層14)の外形寸法は正極2の塗布部(正極活物質層12)の外形寸法よりも大きく、セパレータ4の外形寸法よりも小さいか等しい。
上方に位置する可撓性フィルム7と下方に位置する可撓性フィルム7は、電極組立体5を包囲した状態で、外周縁部同士が互いに重なり合って融着し、それによって外周部が封止された外装容器8が完成する。なお、外装容器8のうち、正極端子9および負極端子10が位置する部分は、正極端子9および負極端子10の両面に予め設けられている熱融着性樹脂層15に可撓性フィルム7が固着されることによって封止されている。
電極組立体5内の正極2と負極3の間と、最も外側の電極(本実施形態では負極3)と外装容器8を構成する可撓性フィルム7の間には、それぞれセパレータ4が配置されており、各セパレータ4の一部には補助材16が接合されている。セパレータ4の一部と、そこに接合された補助材16は、セパレータ4が正極活物質層12および負極活物質層14と重なり合う位置の外側に延出し、補助材16は電極(正極2および負極3)を介在させることなく重なり合った状態で、可撓性フィルム7に挟まれている。そして、補助材16と可撓性フィルム7は互いに融着しており、その融着部17(2点鎖線で模式的に図示)は、平面的に見て、前述したように可撓性フィルム7の外周部同士が互いに融着している部分の内側に位置する。なお、セパレータ4と補助材16の接合部18(2点鎖線で模式的に図示)は、融着部17よりも、正極活物質層12と負極活物質層14とが重なり合う位置の近く(平面的に見て内側)に位置している。
ここで、本実施形態の可撓性フィルム7とセパレータ4と補助材16について詳細に説明する。図2に示すように、可撓性フィルム7は、基材となる金属層7aの両面に内側樹脂層7bおよび外側樹脂層7cが設けられたラミネートフィルムである。金属層7aは、電解液6の漏出や外部からの水分の浸入を防止する等のバリア性を有するアルミニウムやステンレス鋼などからなる。内側樹脂層7bは変性ポリオレフィンなどの熱融着性樹脂からなり、前述したように互いに熱融着することによって、内部が封止された外装容器8を形成することができる。外側樹脂層7cは、ナイロンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエステルフィルムなどからなる。本明細書でいう可撓性フィルム7とは、主に内側樹脂層7cのことを指している。
本実施形態のセパレータ4は、主に樹脂製の多孔膜、織布、不織布等からなり、具体的には、少なくとも補助材16や可撓性フィルム7よりも高い融点、好ましくは300℃以上の融点を有する樹脂であって、かつ多孔質であって、その空隙率は55%以上である樹脂からなることが好ましい。一例としてはアラミド樹脂(芳香族ポリアミド樹脂)が挙げられる。
補助材16の材料の一例としては、外装容器8を構成する可撓性フィルム7の内側樹脂層7bと同程度の融点を有するポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィン樹脂が挙げられる。補助材16と可撓性フィルム7の内側樹脂層7bとの融点の差は20℃以内であることが好ましい。一例では、補助材16の融点が公称130℃で、可撓性フィルムの融点が公称140℃であって両者の融点の差は10℃である。ただし、融点温度の幅を勘案して、公称融点の差が20℃以内程度になるようにしてもよい。
補助材16のセパレータ4への接合は、融点の低い補助材16を加熱して溶融し、溶融した補助材16の樹脂材料を多孔質(例えば空隙率65%程度)のセパレータ4の内部に浸透させることによって行う。補助材16を溶融させるための加熱によってセパレータ4が溶融することはない。従って、セパレータ4は正極2と負極3を確実に隔離して電気的短絡を防ぐ機能を維持する。
こうしてセパレータ4に予め接合された補助材16は、可撓性フィルム7の内側樹脂層7bと同程度の融点を有しているので、電極組立体5を外装容器8内に収容した後で加熱することによって、補助材16と内側樹脂層7bは容易かつ強固に熱融着する。一方、セパレータ4は、可撓性フィルム7の内側樹脂層7bと補助材16とを熱融着させる際の加熱温度では溶融せず、熱融着はしない。
このように、セパレータ4に予め接合されている補助材16が、外装容器8を構成する可撓性フィルム7に融着するため、電極組立体5が外装容器8内で位置ずれしないように固定される。融着性が改善することにより、電池の信頼性が向上するとともに、電池の生産性が向上する。仮に、正極2とセパレータ4と負極3とを積層した後で補助材16をセパレータ4に接合しようとすると、補助材16の正確な位置合わせが煩雑であるとともに、補助材16の材料を加熱して溶融させてセパレータ4の内部に浸透させるために時間がかかり、電極組立体5を外装容器8内に収容してから外装容器8の封止を完了するまでに要する時間が長くなる。しかし、本実施形態では、予め補助材16をセパレータ4に接合しておくので、積層後に位置合わせを行う必要がなく作業が容易であるとともに、電極組立体5を外装容器8内に収容してから補助材16をセパレータ4に浸透させる必要がないので、作業時間が短くてすむ。
次に、図1A〜2に示す二次電池1の詳細な構成について説明する。この二次電池1の正極活物質層12を構成する活物質としては、例えばLiCoO、LiNiO、LiMn、LiMO−LiMO、LiNi1/3Co1/3Mn1/3などの層状酸化物系材料や、LiMnなどのスピネル系材料、LiMPOなどのオリビン系材料、LiMPOF、LiMSiOFなどのフッ化オリビン系材料、Vなどの酸化バナジウム系材料などが挙げられる。各正極活物質において、これらの活物質を構成する元素の一部が他の元素で置換されていてもよく、また、Liが過剰組成となっていてもよい。そして、これらの活物質のうちの1種、または2種以上の混合物を使用することができる。
負極活物質層14を構成する活物質としては、黒鉛、非晶質炭素、ダイヤモンド状炭素、フラーレン、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーンなどの炭素材料や、リチウム金属材料、シリコンやスズなどの合金系材料、NbやTiOなどの酸化物系材料、あるいはこれらの複合物を用いることができる。
正極活物質層12および負極活物質層14を構成する活物質合剤は、前述したそれぞれの活物質に、結着剤や導電助剤等が適宜加えられたものである。導電助剤としては、カーボンブラック、炭素繊維、または黒鉛などのうちの1種、または2種以上の組み合せを用いることができる。また、結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、カルボキシメチルセルロース、変性アクリロニトリルゴム粒子などを用いることができる。
正極集電体11としては、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル、チタン、またはこれらの合金等を用いることができ、特にアルミニウムが好ましい。負極集電体13としては、銅、ステンレス鋼、ニッケル、チタン、またはこれらの合金を用いることができる。
電解液6としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ビニレンカーボネート、ブチレンカーボネート等の環状カーボネート類や、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジプロピルカーボネート(DPC)等の鎖状カーボネート類や、脂肪族カルボン酸エステル類や、γ−ブチロラクトン等のγ−ラクトン類や、鎖状エーテル類、環状エーテル類、などの有機溶媒のうちの1種、または2種以上の混合物を使用することができる。さらに、これらの有機溶媒にリチウム塩を溶解させることができる。
正極端子9の材料としては、アルミニウムやアルミニウム合金などが挙げられ、負極端子10の材料としては、銅や銅合金あるいはそれらにニッケルメッキを施したものなどが挙げられる。
図2に示すように、複数のセパレータ4の全てに補助材16を接合しておくことが好ましいが、少なくとも1つのセパレータ4に補助材16が接合されていれば、外装容器8内で電極組立体5を固定させる効果がある程度得られる。その場合、図3に示すように、少なくとも電極組立体5の最外層の2つのセパレータ4に補助材16を接合しておくと特に効果的である。
図1A,1Bに示す第1の実施形態では、セパレータ4の一部に接合された補助材16が、二次電池1の長手方向(図1の左右方向)において電極組立体5の外側に延出している。従って、セパレータ4と補助材16の接合部18と、セパレータ4と可撓性フィルム7の融着部17が、二次電池1の長手方向に沿って並んで位置している。それに対し、図4に要部を示す第2の実施形態では、セパレータ4の一部が二股状になって電極組立体5の外側に延出している。そして、セパレータ4の二股状の部分4a,4bを一括して覆うように補助材16が配置されている。セパレータ4の二股状の部分4a,4bがそれぞれ補助材16に接合されており、セパレータ4の二股状の部分4a,4bの中間の位置で、補助材16と可撓性フィルム7が融着している。従って、セパレータ4と補助材16の1対の接合部18の間に、補助材16と可撓性フィルム7の融着部17が位置しており、長手方向に直交する幅方向において、セパレータ4と補助材16の接合部18、セパレータ4と可撓性フィルム7の融着部17、セパレータ4と補助材16の接合部18の順番に並んで位置している。この構成によると、接合強度が高くなり、電極組立体5を外装容器8内で固定する効果がより高くなる。
なお、前述した各実施形態では、複数の正極2と複数の負極3がセパレータ4を介して交互に繰り返し積層された電極積層体を、電極組立体5として用いている。しかし、1枚のみの正極2と1枚のみの負極3がセパレータ4を介して重なり合う電極積層体を、電極組立体5として用いることもできる。その場合にも、セパレータ4に補助材16を接合しておき、その補助材16を可撓性フィルム7に接合することで、電極組立体5が外装容器8内で固定される効果が得られる。
次に、本発明の第3〜7の実施形態の電気化学デバイスの一例である積層型のリチウムイオン二次電池1の構成について、図5〜11Bを参照して説明する。図5〜11Bは、二次電池を簡略化して模式的に示しているが、電極組立体5を含む二次電池1の基本構造は、電極組立体の位置ずれ防止の構造を除いては、図1A,1Bに示す二次電池1と実質的に同様である。以下の説明に用いられる符号は、図1A〜4に示されている符号と基本的に同じ部材を指している。
図5,6に模式的に示す本発明の第3の実施形態の電気化学デバイスであるリチウムイオン二次電池は、図1A,1Bに示す第1の実施形態と実質的に同様に、2種類の電極(正極2と負極3)が、セパレータ4を介して交互に積層された構成、または2種類の長尺の電極2,3がセパレータ4を介して捲回された構成の電極組立体5が、電解液6とともに、可撓性フィルム(ラミネートフィルム)7からなる外装容器8に収容されている。各電極(正極2および負極3)は電極端子(正極端子9および負極端子10)の一端にそれぞれ接続されている。電極端子9,10の他端は、ラミネートフィルム7からなる外装容器8の1辺を通過して外部に延出している。図5〜11Bにおいては、正極2と負極3とを区別せずに図示しており、一対の電極端子のうちの一方が正極端子9であって、他方が負極端子10である。前述した通り、各電極2,3は、電極集電体11,13の片面または両面に活物質層12,14が形成された構成である。集電体11,13上に活物質12,14が塗布されている部分を塗布部、活物質が塗布されていない部分を未塗布部と称する。
外装容器8の電極端子9,10が通過する辺と反対側に、位置ずれ防止用の固定部材19が設けられている。具体的には、電極組立体5から延出する電極端子9,10が通過する辺(図5の上方の辺)と反対側(図5の下方かつ図6の右方)において、電極組立体5から電極集電体(未塗布部)が延出している。すなわち、電極組立体5を構成する電極のうちの1つの電極集電体を、他の電極やセパレータと比べて大きくして、電極組立体5から部分的に(図1の下方かつ図2の右方に)突出するように形成している。ここでは一例として、正極集電体11が突出する構成を説明するが、正極集電体11の代わりに負極集電体13が突出していても全く構わない。
こうして、図5,6に示すように電極組立体5から突出する電極集電体(未塗布部)11に、位置ずれ防止用の固定部材19を取り付ける。具体的には、電極組立体5から突出する電極集電体(未塗布部)11の先端部分が、柔軟な樹脂製の固定部材19に接続されている。そして、この固定部材19が、電極組立体5の上方に位置するラミネートフィルム(可撓性フィルム)7と、電極組立体5の下方に位置するラミネートフィルム7とで挟まれる位置に配置される。図6は、ラミネートフィルム7同士を溶着する前の状態を模式的に示しており、図6に示す状態から、電極組立体5の上下に位置するラミネートフィルム7同士を互いに接近させて、押圧するとともに加熱して互いに溶着させる。このとき、ラミネートフィルム7同士の溶着部に介在するのは固定部材19のみであって、この固定部材19に接続されている電極集電体(未塗布部)11は、ラミネートフィルム7同士の溶着部には存在していない。
この構成によると、ラミネートフィルム7に加えられる熱が固定部材19にも伝わって、ラミネートフィルム7と固定部材19が互いに溶着される。電極集電体(未塗布部)11はこれらの溶着部内に位置していないが、この電極集電体11と接続されている固定部材19が上下のラミネートフィルム7に溶着していることによって、電極集電体11も移動不能に固定される。固定部材19が配置される部分と反対側(図5の上方)では、従来と同様に電極端子9,10がラミネートフィルム7に挟まれた状態でラミネートフィルム7同士が溶着されている。従って、電極組立体5は一方の側(図5の上方)では、電極端子9,10がラミネートフィルム7に挟み込まれることによって固定され、他方の側(図5の下方)では電極集電体11が固定部材19に接続された上で固定部材19がラミネートフィルム7と溶着することによって固定される。このように、電極組立体5の両側部がそれぞれラミネートフィルム7に対して固定されるため、電極組立体5は外装容器8の内部で移動不能に固定され、位置ずれが抑制されている。特に、電極集電体11はセパレータ4とは異なり、柔軟ではなく剛性が高い。特許文献3,4のようにセパレータ4をラミネートフィルム7で挟み込む構成では、セパレータ4の柔軟性により固定の信頼性が損なわれる。しかし、本実施形態では、セパレータ4のように柔軟ではなく剛性が高い電極集電体11を挟み込んで固定するため、強固に固定できて信頼性が高い。この時、電極集電体11は金属箔等からなりラミネートフィルム7に直接溶着されないという問題は、固定部材19を介在させて、固定部材19が電極集電体11を挟み込むとともにラミネートフィルム7と溶着するという構成を採用することによって解決している。
また、図6に示す構成では、電極集電体11がラミネートフィルム7同士の溶着部内に介在していないので、ラミネートフィルム7による電気的短絡の原因になることはない。その点について説明すると、仮に、金属箔等からなる電極集電体11にバリが生じ、そのバリがラミネートフィルム7を傷つけると、ラミネートフィルム7の内層に位置する金属層7aが露出して、この金属層7aが導電性の部材や液体に接することにより、電気的短絡の原因になる可能性がある。また、電極集電体11のバリによってラミネートフィルム7に穴があくと、電解液6の漏れを生じるおそれがある。しかし、図6に示すように、電極集電体11がラミネートフィルム7同士の溶着部内に介在しない構成であれば、電極集電体11のバリがラミネートフィルム7を傷つけることはなく、その内層の金属層7aが露出することはないので、電気的短絡の原因になることはない。ラミネートフィルム7に穴を開けるおそれもないので、電解液6の漏れを引き起こすことはない。なお、電極集電体11のバリが固定部材19を傷つけたとしても、固定部材19は樹脂等からなり、金属等の導電層を含む必要は無いので、電気的短絡の問題は生じない。また、仮に、電極集電体11のバリによって固定部材19に穴があいたとしても、ラミネートフィルム7からなる外装容器8の内部に収容されているため、電解液6の漏れを生じることは無い。電極集電体は正極集電体11であっても負極集電体13であってもよい。
このように、本実施形態によると、セパレータ4のような薄肉の樹脂部材ではなく、厚肉の樹脂や金属からなる電極集電体11をラミネートフィルム7に固定することで、電極組立体5を外装容器8に対して強固に固定することができる。それによって、電気化学デバイス1において、落下の衝撃や振動による電極組立体5の位置ずれを抑制し、耐衝撃性を向上させることができる。また、本実施形態では固定部材19を介して電極集電体11をラミネートフィルム7に固定しており、セパレータ4をラミネートフィルム7との固定(溶着)に利用していないので、セパレータ4の融点は電極組立体5の固定に無関係であり、将来的な高容量化に対応するための安全性の向上のためにセパレータ4を高融点化させても支障は無い。
図7A,7Bは、本発明の電気化学デバイス1の第4の実施形態の要部を示す図である。本実施形態では、電極組立体5の複数の電極集電体11が電極組立体5から突出している。そして、この複数の電極集電体11が溶接等によって互いに固定されて集合体20を構成している。そしてこの電極集電体11の集合体20が固定部材19に接続され、さらに、固定部材19がラミネートフィルム7によって挟み込まれて互いに溶着している。このように固定部材19を介してラミネートフィルム7に固定される電極集電体11の層数が増えると、電極組立体5の位置ずれ防止の信頼性が高くなる。ただし、電極集電体11の集合体20の総厚が大きくなることによって、固定部材19を介して集合体20をラミネートフィルム7によって固定することが容易ではなくなる可能性があるので、それを考慮した上で、電極組立体5から突出して固定部材19に接続される電極集電体11の層数は適宜に決定すればよい。例えば図7Bに示すように、電極組立体5から突出して固定部材19に接続される電極集電体11の層数を少なくし、集合体20の層厚を、図6に示す第3の実施形態の固定部材19に接続される電極集電体11の厚さと同等程度に薄くして、固定を容易にすることができる。
図8は、本発明の電気化学デバイス1の第5の実施形態の要部を示す図である。本実施形態では、固定部材19に接続されている電極集電体11が、ラミネートフィルム7同士の溶着部の内部まで延びている。この構成では、電極集電体11の固定の信頼性がさらに高くなるとともに、ラミネートフィルム7同士の溶着部から電極組立体5までの距離をより短くすることができる。それにより、電気化学デバイス1全体の小型化が可能であり、体積エネルギー密度の向上が図れる。
図9A,9Bは、本発明の電気化学デバイスの第6の実施形態の要部を示す図である。図9Aに示す例では、電極集電体11の電極組立体5から突出した部分に貫通孔21を形成し、電極組立体5の上方に位置するラミネートフィルム7と、電極組立体5の下方に位置するラミネートフィルム7とを、この貫通孔21を介して接触させ、加圧および加熱して溶着させる。この方法によると、非常に簡単に電極組立体5を外装容器8の内部で固定することができる。電極集電体11は金属箔等からなり、セパレータ4と異なり柔軟性がないため、強固な固定が可能である。従って、セパレータ4を用いて固定する場合に比べて、固定のために用いられる電極集電体11の突出部の層数は少なくても強固な固定が可能である。
また、図9Bに示す例では、図9Aに示す例と同様に電極集電体11の電極組立体5から突出した部分に貫通孔21を形成し、この貫通孔21に固定樹脂22を予めはめ込んでおく。そして、ラミネートフィルム7を加圧および加熱して互いに溶着させる際に固定樹脂22を溶融させてラミネートフィルム7に固定する。この方法によると、図9Aに示す方法に比べて、固定のために用いられる樹脂の量が多いため、より強固な固定が可能である。固定樹脂22の材料は、電極集電体11に良くなじみ、電解液6と反応せずに化学的な安定性があり、ラミネートフィルム7の樹脂層7bと融点が同等のものを選択するとよい。
図10に示す第7の実施形態では、電極集電体11(未塗布部)に金属・樹脂固定端子23が溶接によって取り付けられている。金属・樹脂固定端子23は、図11Aに示すように金属板部24の表面に樹脂層25が形成されたものである。金属・樹脂固定端子23の他の例を図11Bに示している。図10,11Aに示すように小型の金属板部24の先端に樹脂層25が形成された構成であっても、図11Bに示すように大型の金属板部24の中間部に樹脂層25が形成された構成であってもよい。これらの金属・樹脂固定端子23を用いることによって、電極集電体11との固定とラミネートフィルム7との固定が可能である。
以上説明した第3〜7の実施形態において、正極集電体11に代えて負極集電体13を用いてもよい。
本発明はリチウムイオン二次電池に特に有用であるが、リチウムイオン電池以外の二次電池や、キャパシタ(コンデンサ)等の電池以外の電気化学デバイスに適用しても有効である。
以上、いくつかの実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記した実施形態の構成に限られるものではなく、本発明の構成や細部に、本発明の技術的思想の範囲内で、当業者が理解し得る様々な変更を施すことができる。
本出願は、2015年10月2日に出願された日本特許出願2015−196565号と2016年3月22日に出願された日本特許出願2016−057534号とを基礎とする優先権を主張し、日本特許出願2015−196565号および日本特許出願2016−057534号の開示の全てをここに取り込む。
1 積層型のリチウムイオン二次電池(電気化学デバイス)
2 正極(電極)
3 負極(電極)
4 セパレータ
5 電極組立体
6 電解液
7 フィルム
8 外装容器
9 正極端子
10 負極端子
11 正極集電体(電極集電体)
12 正極活物質層(活物質層)
13 負極集電体(電極集電体)
14 負極活物質層(活物質層)
16 補助材
19 固定部材

Claims (22)

  1. 2種類の電極がセパレータを介して積層または巻回されている電極組立体と、前記電極組立体を収容するフィルムからなる外装容器と、を含み、
    前記電極は、電極集電体と、該電極集電体の上に部分的に形成されている活物質層とを含み、
    前記電極集電体の、前記活物質層が形成されていない部分が前記電極組立体から突出しており、前記電極集電体の前記電極組立体から突出している部分が、前記外装容器を構成する前記フィルムに固定されている、電気化学デバイス。
  2. 前記電極には電極端子が接合されており、前記電極端子は、前記電極組立体の、前記電極集電体が突出する部分と異なる部分から突出している、請求項1に記載の電気化学デバイス。
  3. 前記電極集電体の前記電極組立体から突出している部分が固定部材に接続され、前記固定部材は、互いに固定される前記フィルム同士の間に挟み込まれて固定されている、請求項1または2に記載の電気化学デバイス。
  4. 前記固定部材に接続されている、前記電極集電体の前記電極組立体から突出している部分は、互いに固定される前記フィルム同士の間に挟み込まれていない、請求項3に記載の電気化学デバイス。
  5. 前記固定部材に接続されている、前記電極集電体の前記電極組立体から突出している部分は、互いに固定される前記フィルム同士の間に挟み込まれている、請求項3に記載の電気化学デバイス。
  6. 前記固定部材は樹脂からなる、請求項3から5のいずれか1項に記載の電気化学デバイス。
  7. 前記電極集電体の前記電極組立体から突出している部分に貫通孔が設けられ、前記電極組立体の上方に位置する前記フィルムと前記電極組立体の下方に位置する前記フィルムが、前記貫通孔を介して当接して互いに固定されている、請求項1または2に記載の電気化学デバイス。
  8. 前記電極集電体の前記電極組立体から突出している部分に貫通孔が設けられ、前記貫通孔内に固定樹脂が挿入され、前記電極組立体の上方に位置する前記フィルムと前記電極組立体の下方に位置する前記フィルムが、前記貫通孔の内部の前記固定樹脂にそれぞれ固定されている、請求項1または2に記載の電気化学デバイス。
  9. 前記電極集電体の前記電極組立体から突出している部分に固定端子が取り付けられており、前記固定端子は、前記電極集電体に固定される金属板部と、前記金属板部に形成されており前記フィルムに固定される樹脂層とを有する、請求項1または2に記載の電気化学デバイス。
  10. 2種類の電極がセパレータを介して積層または巻回されている電極組立体と、前記電極組立体を収容するフィルムからなる外装容器と、を含み、
    前記セパレータの一部には、該セパレータよりも融点が低い補助材が接合されており、前記補助材が前記フィルムに固着されている、電気化学デバイス。
  11. 前記補助材の融点と前記フィルムの融点は等しい、請求項10に記載の電気化学デバイス。
  12. 前記補助材と前記フィルムとの融点の差は20℃以内である、請求項10に記載の電気化学デバイス。
  13. 前記補助材の一部は前記セパレータの内部に浸透することによって前記セパレータに固着され、前記補助材の他の一部は前記フィルムに融着している、請求項10から12のいずれか1項に記載の電気化学デバイス。
  14. 前記セパレータは、前記2種類の電極の間と、前記電極組立体の最外層とに配置されており、前記セパレータに接合されている前記補助材が前記2種類の電極の外側まで延出しており、延出した部分において、前記補助材同士が直接重ね合わせられている、請求項10から13のいずれか1項に記載の電気化学デバイス。
  15. 複数の前記セパレータのうちの少なくとも1つに前記補助材が接合されている、請求項10から14のいずれか1項に記載の電気化学デバイス。
  16. 複数の前記セパレータのうちの少なくとも最外層に位置する2つに前記補助材がそれぞれ接合されている、請求項15に記載の電気化学デバイス。
  17. 複数の前記セパレータの全てに前記補助材がそれぞれ接合されている、請求項15に記載の電気化学デバイス。
  18. 前記セパレータは、前記補助材および前記フィルムよりも高い耐熱性を有する、請求項10から17のいずれか1項に記載の電気化学デバイス。
  19. 前記セパレータは融点が300℃以上の樹脂からなる、請求項10から18のいずれか1項に記載の電気化学デバイス。
  20. 前記セパレータの空隙率は55%以上である、請求項10から19のいずれか1項に記載の電気化学デバイス。
  21. 2種類の電極を、一部に補助材が接合されているセパレータを介して交互に積層して電極組立体を形成する工程と、前記電極組立体と電解液を、フィルムからなる外装容器内に収容する工程と、前記電極組立体と前記電解液が収容された前記外装容器の外周縁部を封止する工程と、前記補助材と前記フィルムとを互いに融着させる工程と、を含み、
    前記補助材の融点は前記セパレータの融点よりも低い、電気化学デバイスの製造方法。
  22. 前記補助材と前記フィルムとの融点の差は20℃以内である、請求項21に記載の電気化学デバイスの製造方法。
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