JPWO2017056222A1 - ジャイロスコープ - Google Patents

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Abstract

ジャイロスコープは、質量体(MS1)と質量体(MS2)との間に設けられ、かつ、質量体(MS1)と質量体(MS2)とを接続する接続部(CU1〜CU4)を備える。ここで、接続部(CU1〜CU4)は、基板に固定された固定部(ACR)と、固定部(ACR)と質量体(MS1)との間に設けられたシャトル(SH1)と、固定部(ACR)と質量体(MS2)との間に設けられたシャトル(SH2)と、固定部(ACR)とシャトル(SH1)とを接続する梁(BM1)と、固定部(ACR)とシャトル(SH2)とを接続する梁(BM2)と、質量体(MS1)とシャトル(SH1)とを接続する梁(BM3)と、質量体(MS2)とシャトル(SH2)とを接続する梁(BM4)と、シャトル(SH1)とシャトル(SH2)を接続する梁(BM5)を含む。そして、シャトル(SH1)とシャトル(SH2)との間に固定部(ACR)が設けられている。

Description

本発明は、ジャイロスコープに関し、例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を使用して形成されたジャイロスコープに適用して有効な技術に関する。
非特許文献1には、フーコーの振り子の原理に基づく回転角を検出するジャイロスコープに関する技術が記載されている。
D. Senkal, A. Efimovskaya, and A. M. Shkel, "Minimal Realization of Dynamically Balanced Lumped Mass WA Gyroscope: Dual Foucault Pendulum," Inertial Sensors and Systems (ISISS), 2015 IEEE International Symposium on, pp. 1-2, 2015.
例えば、ナビゲーションシステムは、パーソナルナビゲーション、軍事用ナビゲーション、車両の横滑り防止システム、バーチャルリアリティシステム、無人飛行機などの広い分野で使用されることが期待されている。このナビゲーションシステムの基本的な構成要素は、ジャイロスコープである。ジャイロスコープは、角速度を検出することができるセンサであり、ナビゲーションシステムでは、この角速度から回転角を決定している。
伝統的なジャイロスコープとしては、光学式ジャイロスコープ、回転質量体を使用したジャイロスコープなどがあるが、これらのジャイロスコープは、サイズが大きく、かつ、重量が重い。さらには、これらのジャイロスコープは、価格が高く、かつ、消費電力も大きい。この点に関し、現在の産業のトレンドでは、ジャイロスコープの小型化や高性能化が望まれており、上述したジャイロスコープでは、トレンドに適合していない。
ここで、近年では、MEMS技術を使用したジャイロスコープが登場してきており、このMEMS技術を使用したジャイロスコープは、上述したトレンドに適合して、小型化や高性能化を実現できるポテンシャルを秘めている。さらに、MEMS技術を使用したジャイロスコープは、量産性にも優れており、低コストを実現できる利点を有している。
例えば、MEMS技術を使用した振動型のジャイロスコープは、コリオリの原理によって、互いに直交する振動間のエネルギー結合を検知することにより、角速度を検出するジャイロスコープである。具体的には、振動型のジャイロスコープがx方向に振動している状態で、z方向回りの角速度が印加されたとき、コリオリ力によって、y方向の振動が生じる。そして、振動型のジャイロスコープでは、このy方向の振動の大きさを測定することにより、z方向回りの角速度を検出することができる。
ところが、このように動作する現在の振動型のジャイロスコープは、ナビゲーションシステムに使用するには不向きである。なぜなら、ナビゲーションシステムでは、回転角を求める必要があるが、現在の振動型のジャイロスコープでは、検出した角速度を時間で積分することにより回転角を算出しているからである。すなわち、例えば、角速度を検出する際には、バイアス誤差やドリフト誤差が存在するが、回転角を算出するために、角速度を積分すると、同時に、角速度に付随するバイアス誤差やドリフト誤差も積分されることになり、これらの誤差が増幅されることになるからである。つまり、ナビゲーションシステムでは、長い時間にわたって角速度を積分する必要がある場合があり、この場合は、特に、バイアス誤差やドリフト誤差も積分されて、誤差の大きさが大きくなってしまうのである。したがって、特に、ナビゲーションシステムに使用される振動型のジャイロセンサでは、誤差の増幅を抑制できる工夫が望まれることになる。
本発明の目的は、ジャイロスコープの性能を向上できる技術を提供することにある。
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
一実施の形態におけるジャイロスコープは、第1方向および前記第1方向と直交する第2方向に変位可能な第1質量体と、第1方向および第2方向に変位可能な第2質量体と、第1質量体と第2質量体との間に設けられ、かつ、第1質量体と第2質量体とを接続する接続部と、を備える。ここで、接続部は、基板に固定された固定部と、固定部と第1質量体との間に設けられた第1部材と、固定部と第2質量体との間に設けられた第2部材と、固定部と第1部材とを接続する第1梁と、固定部と第2部材とを接続する第2梁と、第1質量体と第1部材とを接続する第3梁と、第2質量体と第2部材とを接続する第4梁と、第1部材と第2部材とを接続する第5梁と、を含む。そして、第1部材と第2部材との間に固定部が設けられている。
また、一実施の形態におけるジャイロスコープは、第1方向および第1方向と直交する第2方向に変位可能な第1質量体と、第1方向および第2方向に変位可能な第2質量体と、第1質量体と第2質量体との間に設けられ、かつ、第1質量体と第2質量体とを接続する接続部と、を備える。ここで、第1質量体の内部には、第1質量体を第1方向に振動させる第1駆動振動部と、第1質量体を第2方向に振動させる第2駆動振動部と、が形成されている。同様に、第2質量体の内部には、第2質量体を第1方向に振動させる第3駆動振動部と、第2質量体を第2方向に振動させる第4駆動振動部と、が形成されている。
さらに、一実施の形態におけるジャイロスコープは、第1方向および第1方向と直交する第2方向に変位可能な第1質量体と、第1方向および第2方向に変位可能な第2質量体と、第1質量体と第2質量体との間に設けられ、かつ、第1質量体と第2質量体とを接続する接続部と、を備える。ここで、平面視において、第1質量体は、第1質量体の中心に向かう凹部を有する。一方、平面視において、第2質量体は、隙間を介して凹部に挿入された凸部を有する。このとき、接続部は、凹部と凸部とを接続する。
一実施の形態によれば、ジャイロスコープの性能向上を図ることができる。
実施の形態1におけるジャイロスコープを構成するセンサエレメントの平面構成を示す図である。 図1のA−A線で切断した断面図である。 図1のB−B線で切断した断面図である。 実施の形態1における接続部の概念的な平面構造を示す模式図である。 実施の形態1における接続部の具体的な構成例を示す平面図である。 実施の形態1における接続部の具体的な他の構成例を示す平面図である。 実施の形態1における駆動振動部を使用して質量体を駆動振動させるための回路構成を示す図である。 駆動振動部の構成例を示す模式図である。 複数の接続部で接続された一対の質量体がx方向に駆動振動している状態を示す図である。 (a)および(b)は、一対の質量体がx方向に逆位相で駆動振動している状態を模式的に示す図である。 複数の接続部で接続された一対の質量体がy方向に駆動振動している状態を示す図である。 (a)および(b)は、一対の質量体がy方向に逆位相で駆動振動している状態を模式的に示す図である。 z方向回り(時計回り)に角速度が印加された場合における本実施の形態1のセンサエレメントの動作を説明する模式図である。 実施の形態1におけるセンサシステムの構成を示す図である。 ジャイロスコープにおけるQ値の逆数(1/Q)を示す関係式である。 (a)は、固定部の一方側だけに質量体と接続する梁を設ける構成を示す模式図であり、(b)は、固定部の両側に質量体と接続する梁を設ける構成を示す模式図である。 (a)は、角速度が印加されていない場合の理想的な駆動振動を模式的に示す図であり、(b)は、角速度が印加されていない場合において、誤検出が発生する状態の駆動振動を模式的に示す図である。 x方向のバネ定数とy方向のバネ定数を一致させる概念を説明する図である。 変形例1におけるセンサエレメントの構成を示す平面図である。 変形例2におけるセンサエレメントの構成を示す平面図である。 変形例3におけるセンサエレメントの構成を示す平面図である。 変形例4におけるセンサエレメントの構成を示す平面図である。 変形例5におけるセンサエレメントの構成を示す平面図である。 (a)および(b)は、実施の形態2において着目する改善の余地を説明する図である。 (a)および(b)は、実施の形態2における基本思想を説明する図である。 実施の形態2におけるセンサエレメントの構成を示す平面図である。 図26のA−A線で切断した断面図である。 図26のB−B線で切断した断面図である。 駆動振動部の構成例を示す模式図である。 変形例におけるセンサエレメントの構成を示す平面図である。
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。
また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうではないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
また、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。なお、図面をわかりやすくするために平面図であってもハッチングを付す場合がある。
(実施の形態1)
<積分レートジャイロスコープの有用性>
本実施の形態1における技術的思想は、積分レートジャイロスコープ(Rate integrating gyroscopes)を対象とする技術的思想であるため、まず、積分レートジャイロスコープの有用性について説明する。
MEMS技術を使用した振動型のジャイロスコープは、コリオリの原理によって、互いに直交する振動間のエネルギー結合を検知することにより、角速度を検出するジャイロスコープである。この振動型のジャイロスコープの一例として、レートジャイロスコープ(Rate gyroscopes)がある。レートジャイロスコープでは、例えば、x方向に質量体を駆動振動させている状態で、z方向回りの角速度が印加されたとき、コリオリ力によって、質量体にy方向の振動が生じる。そして、角速度がy方向の質量体の振動の大きさ(振幅)に比例することから、レートジャイロスコープでは、y方向の振動の振幅を測定することにより、z方向回りの角速度を検出することができる。そして、レートジャイロスコープでは、検出した角速度に基づいて、回転角を算出するように構成されている。具体的に、レートジャイロスコープでは、検出した角速度を時間で積分することにより回転角を算出する。ここで、例えば、角速度を検出する際には、バイアス誤差やドリフト誤差が不可避的に存在するが、回転角を算出するために、角速度を積分すると、同時に、角速度に付随するバイアス誤差やドリフト誤差も積分されることになり、これらの誤差が増幅されることになる。つまり、レートジャイロスコープでは、角速度を検出し、この角速度を時間で積分して回転角を算出するように構成されている結果、角速度に付随するバイアス誤差やドリフト誤差も積分されて誤差が大きくなるのである。このことから、特に、積分時間が長くなるナビゲーションにレートジャイロスコープを適用することは困難となる。すなわち、積分時間が長くなるナビゲーションなどの用途に使用されるジャイロスコープには、レートジャイロスコープよりも誤差の少ないことが望まれることになる。
この点に関し、振動型のジャイロスコープとして、積分レートジャイロスコープと呼ばれるジャイロスコープが存在する。積分レートジャイロスコープの原理はフーコーの振り子と同じである。積分レートジャイロスコープでは、印加された角速度に比例して反対方向に振動する質量体がプリセッションする。このため、質量体の2軸内の速度と位置を知ることで、回転の角度を知ることができる。この結果、積分レートジャイロスコープでは、回転角の測定誤差が存在するにしても、この測定誤差が積分されて増幅されることがない。したがって、積分レートジャイロスコープは、レートジャイロスコープに比べて、回転角の検出精度を向上することができるのである。
そこで、本実施の形態1では、回転角を直接測定することにより、回転角の検出精度を向上できる積分レートジャイロスコープを前提として、さらなる積分レートジャイロスコープの性能向上を図る観点から工夫を施している。以下に、この工夫を施した本実施の形態1における技術的思想について説明することにする。
<実施の形態1におけるセンサエレメントの平面構成>
図1は、本実施の形態1におけるジャイロスコープを構成するセンサエレメントSE1の平面構成を示す図である。図1に示すように、本実施の形態1におけるセンサエレメントSE1は、基板層1aを有し、この基板層1aから浮いた状態で配置される質量体MS1と質量体MS2とを有している。質量体MS1の平面形状は、円盤形状をしており、この質量体MS1を囲むように、平面形状が同心円形状の質量体MS2が配置されている。つまり、質量体MS1の外側に質量体MS2が設けられている。言い換えれば、質量体MS2の内側に質量体MS1が設けられている。
そして、質量体MS1と質量体MS2との間には、隙間SPが設けられており、質量体MS1と質量体MS2とは、接続部CU1〜CU4によって機械的に接続されている。特に、図1において、質量体MS1は、x方向およびx方向と直交するy方向のいずれにも変位可能で、かつ、質量体MS2も、x方向およびy方向のいずれにも変位可能なように、質量体MS1と質量体MS2とは、接続部CU1〜CU4によって機械的に接続されている。すなわち、本実施の形態1におけるセンサエレメントSE1は、x方向およびx方向と直交するy方向に変位可能な質量体MS1と、x方向およびy方向に変位可能な質量体MS2と、質量体MS1と質量体MS2との間に設けられ、かつ、質量体MS1と質量体MS2とを接続する接続部CU1〜CU4とを備えている。
このとき、本実施の形態1におけるセンサエレメントSE1では、例えば、質量体MS1の質量と質量体MS2の質量とは等しくなっている。さらに、本実施の形態1におけるセンサエレメントSE1では、図1に示すように、質量体MS1の中心と質量体MS2の中心とが一致するように、質量体MS1と質量体MS2とが配置されている。
図1に示すように、本実施の形態1におけるセンサエレメントSE1では、質量体MS1と質量体MS2とは、同一構造をした4つの接続部(単位接続部)CU1〜CU4によって機械的に接続されている。特に、図1に示すように、4つの接続部CU1〜CU4のうちの接続部CU1は、質量体MS1の中心を通り、x方向に延在する仮想線VL1上に配置されている一方、4つの接続部CU1〜CU4のうちの接続部CU2は、仮想線VL1上に配置され、かつ、質量体MS1の中心に対して、接続部CU1と対称な位置に配置されている。これに対し、図1に示すように、4つの接続部CU1〜CU4のうちの接続部CU3は、質量体MS1の中心を通り、y方向に延在する仮想線VL2上に配置されている一方、4つの接続部CU1〜CU4のうちの接続部CU4は、仮想線VL2上に配置され、かつ、質量体MS1の中心に対して、接続部CU3と対称な位置に配置されている。
そして、接続部CU1の配置向きと接続部CU2の配置向きとは同一であり、かつ、接続部CU3の配置向きと接続部CU4の配置向きとは同一である。一方、接続部CU1の配置向きと接続部CU3の配置向きは、90度異なり、かつ、接続部CU2の配置向きと接続部CU4の配置向きは、90度異なる。すなわち、接続部CU1を質量体MS1の中心に対して、反時計回りに90度回転させた位置に接続部CU2が配置され、この接続部CU2を質量体MS1の中心に対して、反時計回りに90度回転させた位置に接続部CU3が配置され、この接続部CU3を質量体MS1の中心に対して、反時計回りに90度回転させた位置に接続部CU4が配置されている。
続いて、本実施の形態1におけるセンサエレメントSE1では、図1に示すように、質量体MSの内部に複数の容量素子が形成され、かつ、質量体MS2の内部にも複数の容量素子が形成されている。具体的には、図1に示すように、質量体MS1の内部のうちの接続部CU1に隣接する位置に、駆動振動部10として機能する容量素子と、モニタ部11として機能する容量素子とが形成されている。また、図1に示すように、質量体MS1の内部のうちの接続部CU2に隣接する位置に、駆動振動部10として機能する容量素子と、モニタ部12として機能する容量素子とが形成されている。
同様に、図1に示すように、質量体MS1の内部のうちの接続部CU3に隣接する位置に、駆動振動部13として機能する容量素子と、モニタ部14として機能する容量素子とが形成されている。また、図1に示すように、質量体MS1の内部のうちの接続部CU4に隣接する位置に、駆動振動部13として機能する容量素子と、モニタ部15として機能する容量素子とが形成されている。
さらに、図1に示すように、質量体MS2の内部のうちの接続部CU1に隣接する位置に、駆動振動部10として機能する容量素子と、モニタ部12として機能する容量素子とが形成されている。また、図1に示すように、質量体MS2の内部のうちの接続部CU2に隣接する位置に、駆動振動部10として機能する容量素子と、モニタ部11として機能する容量素子とが形成されている。
同様に、図1に示すように、質量体MS2の内部のうちの接続部CU3に隣接する位置に、駆動振動部13として機能する容量素子と、モニタ部15として機能する容量素子とが形成されている。また、図1に示すように、質量体MS2の内部のうちの接続部CU4に隣接する位置に、駆動振動部13として機能する容量素子と、モニタ部14として機能する容量素子とが形成されている。
以上のようにして、本実施の形態1におけるジャイロスコープのセンサエレメントSE1が平面構成されていることになる。
<実施の形態1におけるセンサエレメントの断面構成>
次に、本実施の形態1におけるジャイロスコープのセンサエレメントSE1の断面構成について説明する。図2は、図1のA−A線で切断した断面図である。図2に示すように、本実施の形態1におけるセンサエレメントSE1は、基板層1aと絶縁層1bとデバイス層1cを有するSOI(Silicon On Insulator)基板を有する。そして、図2に示すように、絶縁層1bは、接続部CU1の一部(固定部)や接続部CU2の一部(固定部)と接続される部位を除いて除去されている。このため、デバイス層1cは、基板層1aから浮いた構造となっており、このデバイス層1cに、質量体MS1、質量体MS2、接続部CU1、接続部CU2、駆動振動部10、モニタ部11、モニタ部12が形成されている。具体的には、図2に示すように、質量体MS1の内部に駆動振動部10が形成されており、右側の駆動振動部10の外側に接続部CU1が配置され、この接続部CU1の外側に質量体MS2が配置されている。そして、接続部CU1の外側に配置されている質量体MS2の内部にモニタ部12が形成されている。一方、左側の駆動振動部10の外側に接続部CU2が配置され、この接続部CU2の外側に質量体MS2が配置されている。そして、接続部CU2の外側に配置されている質量体MS2の内部にモニタ部11が形成されている。このようなデバイス層1cの加工は、例えば、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用することにより実施され、かつ、絶縁層1bの加工もエッチング技術により実施される。そして、図2に示すように、加工されたデバイス層1cを覆うようにキャップCAPが設けられており、キャップCAPと基板層1aで挟まれた密閉空間に加工されたデバイス層1cが配置されることになる。この密閉空間の圧力は、ダンピングによるエネルギーロスが十分に抑圧される真空度に設定される。
図3は、図1のB−B線で切断した断面図である。図3に示すように、本実施の形態1におけるセンサエレメントSE1は、基板層1aと絶縁層1bとデバイス層1cからなるSOI基板を有する。そして、図3に示すように、絶縁層1bは、駆動振動部10の一部(固定電極)やモニタ部11の一部(固定電極)やモニタ部12の一部(固定電極)と接続される部位を除いて除去されている。このため、デバイス層1cは、基板層1aから浮いた構造となっており、このデバイス層1cに、質量体MS1、質量体MS2、接続部CU1、接続部CU2、駆動振動部10、モニタ部11、モニタ部12が形成されている。具体的には、図3に示すように、質量体MS1の内部にモニタ部11およびモニタ部12が形成されており、モニタ部11の外側に接続部CU1が配置され、この接続部CU1の外側に質量体MS2が配置されている。そして、接続部CU1の外側に配置されている質量体MS2の内部に駆動振動部10が形成されている。一方、モニタ部12の外側に接続部CU2が配置され、この接続部CU2の外側に質量体MS2が配置されている。そして、接続部CU2の外側に配置されている質量体MS2の内部に駆動振動部10が形成されている。このようなデバイス層1cの加工は、例えば、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用することにより実施され、かつ、絶縁層1bの加工もエッチング技術により実施される。そして、図3に示すように、加工されたデバイス層1cを覆うようにキャップCAPが設けられており、キャップCAPと基板層1aで挟まれた密閉空間に加工されたデバイス層1cが配置されることになる。この密閉空間の圧力は、ダンピングによるエネルギーロスが十分に抑圧される真空度に設定される。
以上のようにして、本実施の形態1におけるジャイロスコープのセンサエレメントSE1が断面構成されていることになる。
<接続部の構成>
次に接続部CU1〜CU4の構成について説明する。ここで、接続部CU1〜CU4のそれぞれは同一構造から構成されているため、接続部CU1〜CU4を接続部CUとして説明することにする。図4は、本実施の形態1における接続部CUの概念的な平面構造を示す模式図である。図4において、接続部CUの中央部には、例えば、H型形状をした固定部ACRが配置されており、この固定部ACRを挟むように、C型形状をしたシャトル(第1部材)SH1とシャトル(第2部材)SH2とが配置されている。そして、シャトルSH1の外側に質量体MS1が配置され、シャトルSH2の外側に質量体MS2が配置されている。したがって、シャトルSH1は、質量体MS1と固定部ACRとの間に配置されているということができるとともに、シャトルSH2は、質量体MS2と固定部ACRとの間に配置されているということができる。
そして、図4に示すように、固定部ACRとシャトルSH1とは、梁BM1で機械的に接続されており、固定部ACRとシャトルSH2とは、梁BM2で機械的に接続されている。さらに、シャトルSH1と質量体MS1とは、梁BM3で機械的に接続されており、シャトルSH2と質量体MS2とkは、梁BM4で機械的に接続されている。また、シャトルSH1とシャトルSH2とは、梁BM5で機械的に接続されている。
以上のことから、本実施の形態1における接続部CUは、図4に示すように、基板に固定された固定部ACRと、固定部ACRと質量体MS1との間に設けられたシャトルSH1と、固定部ACRと質量体MS2との間に設けられたシャトルSH2とを備える。そして、本実施の形態1における接続部CUは、図4に示すように、固定部ACRとシャトルSH1とを接続する梁BM1と、固定部ACRとシャトルSH2とを接続する梁BM2と、質量体MS1とシャトルSH1とを接続する梁BM3と、質量体MS2とシャトルSH2とを接続する梁BM4と、シャトルSH1とシャトルSH2とを接続する梁BM5とを含む。このとき、シャトルSH1とシャトルSH2の間に固定部ACRが設けられている。
続いて、図4に示すように、梁BM1は、x方向に柔らかく、y方向に硬くなるように構成されている。つまり、梁BM1は、y方向よりもx方向に柔らかく構成されており、したがって、梁BM1は、x方向に弾性変形しやすい一方、y方向に弾性変形しにくくなるように構成されていることになる。このことを表現するために、図4に示す梁BM1について、変形のしやすいことを表すスプリング形状でx方向の接続を示し、変形のしにくいことを表す直線形状でy方向の接続を示している。この結果、梁BM1を介して固定部ACRと接続されているシャトルSH1は、x方向にのみ変位することが可能なように構成されていることになる。
同様に、図4に示すように、梁BM2も、x方向に柔らかく、y方向に硬くなるように構成されている。つまり、梁BM2は、y方向よりもx方向に柔らかく構成されており、したがって、梁BM2は、x方向に弾性変形しやすい一方、y方向に弾性変形しにくくなるように構成されていることになる。このことを表現するために、図4に示す梁BM2について、変形のしやすいことを表すスプリング形状でx方向の接続を示し、変形のしにくいことを表す直線形状でy方向の接続を示している。この結果、梁BM2を介して固定部ACRと接続されているシャトルSH2も、x方向にのみ変位することが可能なように構成されていることになる。
次に、図4に示すように、梁BM3は、y方向に柔らかく、x方向に硬くなるように構成されている。つまり、梁BM3は、x方向よりもy方向に柔らかく構成されており、したがって、梁BM3は、y方向に弾性変形しやすい一方、x方向に弾性変形しにくくなるように構成されていることになる。このことを表現するために、図4に示す梁BM3について、変形のしやすいことを表すスプリング形状でy方向の接続を示し、変形のしにくいことを表す直線形状でx方向の接続を示している。この結果、梁BM3を介してシャトルSH1と接続されている質量体MS1は、シャトルSH1がy方向に変位できないにも関わらず、y方向に変位することが可能であるとともに、x方向においてもシャトルSH1が変位可能であることから、シャトルSH1と接続されている質量体MS1もx方向に変位可能となる。すなわち、質量体MS1は、x方向とy方向のいずれにも変位可能なように構成されていることになる。
同様に、図4に示すように、梁BM4は、y方向に柔らかく、x方向に硬くなるように構成されている。つまり、梁BM4は、x方向よりもy方向に柔らかく構成されており、したがって、梁BM4は、y方向に弾性変形しやすい一方、x方向に弾性変形しにくくなるように構成されていることになる。このことを表現するために、図4に示す梁BM4について、変形のしやすいことを表すスプリング形状でy方向の接続を示し、変形のしにくいことを表す直線形状でx方向の接続を示している。この結果、梁BM4を介してシャトルSH2と接続されている質量体MS2は、シャトルSH2がy方向に変位できないにも関わらず、y方向に変位することが可能であるとともに、x方向においてもシャトルSH2が変位可能であることから、シャトルSH2と接続されている質量体MS2もx方向に変位可能となる。すなわち、質量体MS2は、x方向とy方向のいずれにも変位可能なように構成されていることになる。
また、図4に示すように、シャトルSH1とシャトルSH2とは、梁BM5で機械的に接続されており、この梁BMは、x方向に柔らかくなるように構成されている。
以上のことから、図4に示す接続部CUの構成において、シャトルSH1およびシャトルSH2は、x方向にのみ変位可能であり、質量体MS1および質量体MS2は、x方向およびy方向のいずれの方向にも変位可能なように構成されていることになる。
続いて、図4に示す接続部CUの構成においては、固定部ACRの中心を通り、x方向に延在する中心線CL1に対して、シャトルSH1は対称形状をしており、シャトルSH2も対称形状をしている。さらに、図4に示す接続部CUの構成においては、固定部ACRの中心を通り、y方向に延在する中心線CL2に対して、シャトルSH1とシャトルSH2とは対称に配置されている。以上のようにして、本実施の形態1における接続部CUの概念的な平面構造が構成されていることになる。
以下では、接続部CUの具体的な構成例について説明する。図5は、本実施の形態1における接続部CUの具体的な構成例を示す平面図である。図5に示すように、本実施の形態1における接続部CUは、接続部CUの中心位置にH型形状をした固定部ACRが配置されており、この固定部ACRを挟むように、C型形状からなるシャトルSH1とシャトルSH2とが配置されている。そして、例えば、固定部ACRとシャトルSH1とは、梁BM1で機械的に接続されている。このとき、梁BM1は、x方向よりもy方向に長く、かつ、y方向において折り返し構造を有するU型形状から構成されており、これによって、梁BM1では、x方向に柔らかく、y方向に硬くなる梁構成が実現されている。同様に、固定部ACRとシャトルSH2とは、梁BM2で機械的に接続されている。このとき、梁BM2は、x方向よりもy方向に長く、かつ、y方向において折り返し構造を有するU型形状から構成されており、これによって、梁BM2でも、x方向に柔らかく、y方向に硬くなる梁構成が実現されている。
次に、図5に示すように、シャトルSH1と質量体MS1とは、梁BM3で機械的に接続されている。このとき、梁BM3は、y方向よりもx方向に長く、かつ、x方向において折り返し構造を有するU型形状から構成されており、これによって、梁BM3では、y方向に柔らかく、x方向に硬くなる梁構成が実現されている。同様に、シャトルSH2と質量体MS2とは、梁BM4で機械的に接続されている。このとき、梁BM4は、y方向よりもx方向に長く、かつ、x方向において折り返し構造を有するU型形状から構成されており、これによって、梁BM4でも、y方向に柔らかく、x方向に硬くなる梁構成が実現されている。
さらに、図5に示すように、シャトルSH1とシャトルSH2とは、梁BM5で機械的に接続されている。このとき、梁BM5は、x方向よりもy方向に長く、かつ、y方向において折り返し構造を有するW型形状から構成されており、これによって、梁BM5では、x方向に柔らかく、y方向に硬くなる梁構成が実現されている。
続いて、図6は、本実施の形態1における接続部CUの具体的な他の構成例を示す平面図である。図5に示す接続部CUと図6に示す接続部CUとの相違点は、図5に示す接続部CUの中心位置に配置されている固定部ACRの平面形状がH型形状をしているのに対し、図6に示す接続部CUの中心位置に配置されている固定部ACRの平面形状が矩形形状をしている点である。なお、図6に示す接続部CUのその他の構成は、図5に示す接続部CUの構成とほぼ同様である。図6に示す接続部CUによれば、固定部ACRの平面サイズが小さくなる結果、接続部CU全体の平面サイズを小さくすることができる。以上のように、本実施の形態1における接続部CUの具体的な構成として、図5に示す構造や図6に示す構造を採用することができる。
<駆動振動部の構成>
次に、図1に示す駆動振動部10の構成について説明する。図1において、質量体MS1の内部に設けられている駆動振動部10は、質量体MS1をx方向に駆動振動させるために設けられており、質量体MS2の内部に設けられている駆動振動部10は、質量体MS2をx方向に駆動振動させるために設けられている。同様に、図1において、質量体MS1の内部に設けられている駆動振動部13は、質量体MS1をy方向に駆動振動させるために設けられており、質量体MS2の内部に設けられている駆動振動部13は、質量体MS2をy方向に駆動振動させるために設けられている。ここで、駆動振動部10と駆動振動部13とは、配置向きが90度異なることを除けば同様の構成をしているため、駆動振動部10を取り挙げて説明することにする。
図7は、本実施の形態1における駆動振動部10を使用して質量体MS1や質量体MS2を駆動振動させるための回路構成を示す図である。図7示す回路構成では、質量体MS1と質量体MS2とは逆位相(Out Of Phase)で駆動振動することになる。図7において、質量体MS1および質量体MS2は電気的に接地されており、直流電源Vbが質量体MS1の内部に形成されている駆動振動部10および質量体MS2の内部に形成されている駆動振動部10に接続されている。このとき、駆動振動部10は、容量素子から構成されており、駆動振動部10の一方の電極(可動電極)がGNDと電気的に接続され、駆動振動部10の他方の電極(固定電極)が直流電源Vbと接続されている。
さらに、図7に示すように、質量体MS1の内部に形成されている駆動振動部10には、交流電源Vd1が接続されている一方、質量体MS2の内部に形成されている駆動振動部10には、交流電源Vd2が接続されている。そして、容量素子から構成されている質量体MS1の駆動振動部10には、交流電源Vd1から供給される交流電圧に基づく静電気力が発生し、容量素子から構成されている質量体MS2の駆動振動部10には、交流電源Vd2から供給される交流電圧に基づく静電気力が発生する。このとき、交流電源Vdから質量体MS1の駆動振動部10に供給される交流電圧と、奥流電源Vd2から質量体MS2の駆動振動部10に供給される交流電圧とは逆位相(180度位相が異なる)になっている。このことから、質量体MS1の駆動振動部10に発生する静電気力と、質量体MS2の駆動振動部10に発生する静電気力とは互いに逆方向となる結果、質量体MS1と質量体MS2とは逆位相で振動することになる。
図8は、駆動振動部10の構成例を示す模式図である。図8に示すように、駆動振動部10は、例えば、パラレル構造の容量素子から構成されている。具体的に、駆動振動部10は、外部との接続端子として機能するパッドPDと電気的に接続された固定電極10a(1)および固定電極10a(2)を有し、この固定電極10a(1)および固定電極10a(2)の間に挟まれるように、質量体MS1(質量体MS2)と一体的に形成された可動電極10bが形成されている。このとき、例えば、固定電極10a(1)と可動電極10bとの間の距離L1は、固定電極10a(2)と可動電極10bとの間の距離L2とが異なるように構成されている。具体的に、距離L1は、例えば、数μm程度であり、距離L2は、距離L1の3倍程度の値に設定されている。図8に示す容量素子から駆動振動部10を構成する場合、距離L1を短くできる結果、固定電極10a(1)と可動電極10bとの間に働く静電気力を大きくすることができ、これによって、容量素子における高い駆動効率を得ることができる。
なお、図1に示すように、質量体MS1の内部には、質量体MS1のx方向の変位(振動)をモニタするモニタ部11(12)が形成され、かつ、質量体MS1の内部には、質量体MS1のy方向の変位(振動)をモニタするモニタ部14(15)が形成されている。これらのモニタ部11(12)、14(15)も、図8に示す構造の容量素子から構成されている。同様に、図1に示すように、質量体MS2の内部には、質量体MS2のx方向の変位(振動)をモニタするモニタ部11(12)が形成され、かつ、質量体MS2の内部には、質量体MS2のy方向の変位(振動)をモニタするモニタ部14(15)が形成されている。これらのモニタ部11(12)、14(15)も、図8に示す構造の容量素子から構成されている。すなわち、モニタ部11(12)は、質量体MS1または質量体MS2のx方向の変位(振動)を静電容量値の変化として検出するために、例えば、図8に示す構造の容量素子から構成されている。同様に、モニタ部14(15)も、質量体MS1または質量体MS2のy方向の変位(振動)を静電容量値の変化として検出するために、例えば、図8に示す構造の容量素子から構成されている。
したがって、駆動振動部10(13)と、モニタ部11(12)、14(15)とは、ともに図8に示す構造の容量素子から構成されているが用途が異なる。すなわち、駆動振動部10(13)においては、電極間に静電気力を発生させて、質量体MS1または質量体MS2を駆動振動させるために容量素子を使用している一方、モニタ部11(12)、14(15)においては、質量体MS1または質量体MS2の変位(振動)を静電容量の変化として捉えてモニタリングするために容量素子を使用している。
<実施の形態1におけるセンサエレメントの動作>
本実施の形態1におけるセンサエレメントSE1は、上記のように構成されており、以下では、センサエレメントSE1の動作について、図面を参照しながら説明する。
図9は、接続部CU1〜CU4で接続された質量体MS1と質量体MS2とがx方向に駆動振動している状態を示す図である。質量体MS1は、x方向に変位可能であるため、図1に示す質量体MS1の内部に形成されている駆動振動部10によって、質量体MS1はx方向に駆動振動する。同様に、質量体MS2も、x方向に変位可能であるため、図1に示す質量体MS2の内部に形成されている駆動振動部10によって、質量体MS2は、x方向に駆動振動することになる。特に、図10(a)および図10(b)は、質量体MS1と質量体MS2とがx方向に逆位相で駆動振動している状態を模式的に示す図である。すなわち、図10(a)に示すように、質量体MS1が−x方向に変位する場合、質量体MS2は+x方向に変位する。一方、図10(b)に示すように、質量体MS1が+x方向に変位する場合、質量体MS2は−x方向に変位する。このようにして、本実施の形態1においては、接続部CU1〜CU4で接続された質量体MS1と質量体MS2によってx方向に音叉構造が構成され、接続部CU1〜CU4の変形によって、質量体MS1と質量体MSとがx方向に逆位相で駆動振動する動作が実現されることになる。
図11は、接続部CU1〜CU4で接続された質量体MS1と質量体MS2とがy方向に駆動振動している状態を示す図である。質量体MS1は、y方向にも変位可能であるため、図1に示す質量体MS1の内部に形成されている駆動振動部13によって、質量体MS1はy方向に駆動振動する。同様に、質量体MS2も、y方向に変位可能であるため、図1に示す質量体MS2の内部に形成されている駆動振動部13によって、質量体MS2は、y方向に駆動振動することになる。特に、図12(a)および図12(b)は、質量体MS1と質量体MS2とがy方向に逆位相で駆動振動している状態を模式的に示す図である。すなわち、図12(a)に示すように、質量体MS1が+y方向に変位する場合、質量体MS2は−y方向に変位する。一方、図12(b)に示すように、質量体MS1が−y方向に変位する場合、質量体MS2は+y方向に変位する。このようにして、本実施の形態1においては、接続部CU1〜CU4で接続された質量体MS1と質量体MS2によってy方向に音叉構造が構成され、接続部CU1〜CU4の変形によって、質量体MS1と質量体MS2とがy方向に逆位相で駆動振動する動作が実現されることになる。
以上のことから、本実施の形態1によれば、駆動振動部10によって、質量体MS1と質量体MS2とをx方向に駆動振動させ、かつ、駆動振動部13によって、質量体MS1と質量体MS2とをy方向に駆動振動させることができる。したがって、本実施の形態1によれば、駆動振動部10と駆動振動部13とを組み合わせることにより、質量体MS1および質量体MS2を任意の方向に駆動振動させることができる。
図13は、z方向回り(時計回り)に角速度が印加された場合における本実施の形態1のセンサエレメントの動作を説明する模式図である。まず、図13(a)では、z方向回りに角速度が印加されていない状態の一例が示されている。具体的に、図13(a)において、質量体MS1と質量体MS2とがx方向に駆動振動している。この状態で、図13(b)に示すように、z方向回り(時計回り)に角速度(Ω)が印加されると、コリオリ力によって、x方向の駆動振動が反時計回りに回転する(「フーコーの振り子の原理」)。この駆動振動の傾きを測定することにより、角速度(Ω)に起因する回転角θを測定することができる。
このとき、駆動振動が反時計回りに回転する場合においても、この回転を阻害することなく、駆動振動の振幅を一定に保持することが回転角の検出精度を向上する観点から重要である。この点に関し、本実施の形態1では、上述したように、駆動振動部10によって、質量体MS1と質量体MS2とをx方向に駆動振動させ、かつ、駆動振動部13によって、質量体MS1と質量体MS2とをy方向に駆動振動させることができる。このことから、本実施の形態1によれば、駆動振動部10と駆動振動部13とを組み合わせて制御することにより、「フーコーの振り子の原理」によって、質量体MS1および質量体MS2の駆動振動の方向が変化しても、駆動振動の振幅を一定に制御しつつ、回転角を算出することができる。以下に、この制御動作について説明する。
図14は、本実施の形態1におけるセンサシステム100の構成を示す図である。図14に示すように、本実施の形態1におけるセンサシステム100は、ジャイロスコープであるセンサエレメントSE1、増幅部101、復調部102、信号検出部103、QE(Quadrature Error)制御部104、振幅制御部105、角度算出部106、フィードバック制御部107、変調部108、増幅部109、チューニング部110を有している。
まず、図1に示すセンサエレメントSE1において、質量体MS1のx方向の変位が静電容量値の変化としてモニタ部11で検出され、かつ、質量体MS2のx方向の変位が静電容量値の変化としてモニタ部12で検出される。一方、質量体MS1のy方向の変位が静電容量値の変化としてモニタ部14で検出され、かつ、質量体MS2のy方向の変位が静電容量値の変化としてモニタ部15で検出される。そして、モニタ部11およびモニタ部12の静電容量値の変化は、例えば、図示しないC/V変換部で第1電圧信号(X)に変換される。同様に、モニタ部14およびモニタ部15の静電容量値の変化は、例えば、図示しないC/V変換部で第1電圧信号(Y)に変換される。
次に、図14に示すように、増幅部101において、第1電圧信号(X)および第1電圧信号(Y)は、それぞれ増幅された後、復調部102で復調されて、それぞれ互いに直交する成分に分離される。なお、チューニング部110においては、図示しない容量素子を使用して、x方向の共振周波数とy方向の共振周波数とのマッチングが行なわれる。
続いて、信号検出部103では、復調部102で復調された信号から、有用なパラメータである「Quadrature」(駆動振動と直交する位相の成分)と「振幅」(駆動振動の振幅)と「角度」とを取得する。そして、QE制御部104では、「Quadrature」の補償が行なわれる。また、振幅制御部105では、均一の振幅が得られるように制御する。さらに、角度算出部106では、回転角が算出される。その後、フィードバック制御部107は、QE制御部104と振幅制御部105と角度算出部106とから供給される信号に基づいてフィードバック信号を生成する。次に、フィードバック制御部107で生成されたフィードバック信号は、変調部108で変調された後、増幅部109で増幅されて、回転角を阻害することなく、駆動振動部10および駆動振動部13に供給される。この結果、本実施の形態1におけるセンサシステム100によれば、駆動振動部10と駆動振動部13とを組み合わせて制御することにより、「フーコーの振り子の原理」によって、質量体MS1および質量体MS2の駆動振動の方向が変化しても、駆動振動の振幅を一定に制御しながら、回転角を算出する動作を実現することができる。
<実施の形態1における特徴>
続いて、本実施の形態1における特徴点について説明する。
(1)Q値を高める工夫
本実施の形態1では、ジャイロスコープの性能向上を図るために、Q値に着目している。すなわち、高いQ値は、誤差の低減に寄与するのである。例えば、ジャイロスコープにおけるQ値は、ジャイロスコープからのエネルギーの散逸を示す指標である。具体的に、理想的な「フーコーの振り子」のQ値は無限大である。つまり、Q値が無限大ということは、エネルギーの散逸がゼロであることを意味し、このことは、理想的な「フーコーの振り子」では、振り子も振動が減衰しないことを意味する。すなわち、理想的な「フーコーの振り子」では、振り子の振動の一定性が確保されることから、コリオリ力に基づく回転角を精度良く検出することができるのである。これに対し、現実のジャイロスコープでは、少なからずエネルギーの散逸が存在するため、質量体の駆動振動は減少する。このことは、Q値が小さくなることを意味する。したがって、質量体の駆動振動を一定に保持して、回転角の精度を向上するためには、ジャイロスコープのQ値を高めることが有用である。そこで、本実施の形態1では、ジャイロスコープのQ値を高める工夫を施しているため、以下では、この工夫点について説明する。
図15は、ジャイロスコープにおけるQ値の逆数(1/Q)を示す関係式である。図15に示すように、「1/Q」は、「1/QTED」+「1/QANCHOR」+「1/QNR」で表される。ここで、「1/QTED」は、弾性エネルギーが熱エネルギーに変換されて散逸する指標を示しており、具体的に、「1/QTED」は、梁の弾性変形によって発生する熱エネルギーの散逸を示す項である。一方、「1/QANCHOR」は、固定部における基板への振動エネルギーの散逸を示す項であり、「1/QNR」は、密閉空間に封止されている気体からの抵抗によるエネルギーの散逸(エアダンピング)を示す項である。
まず、誤差を低減するためには、質量体の駆動振動の一定性を高めることが重要であり、この質量体の駆動振動の一定性を高めるということは、できるだけエネルギーの散逸を小さくすることを意味する。なぜなら、エネルギーの散逸が大きくなるということは、質量体の駆動振動が減衰していくことを意味しているからである。したがって、誤差を低減するためには、エネルギーの散逸を抑制することを意味し、これは、Q値を大きくすることに対応する。言い換えれば、Q値を大きくするということは、Q値の逆数(1/Q)を小さくすることを意味する。このことから、ジャイロスコープにおける誤差を低減するためには、「1/QTED」と「1/QANCHOR」と「1/QNR」を小さくすることが重要である。
そこで、まず、「1/QNR」に着目すると、「1/QNR」は、密閉空間に封止されている気体からの抵抗によるエネルギーの散逸(エアダンピング)を示すことから、密閉空間に封止される気体量を低減すればよいことになる。なぜなら、密閉空間に封止される気体量が低減されれば、質量体に加わる気体抵抗が小さくなるからである。したがって、「1/QNR」を小さくするためには、質量体が密閉されている密閉空間の圧力を低減することが有効である。特に、「1/QNR」をできるだけ小さくする観点からは、密閉空間の圧力を真空状態に近づけることが望ましい。
続いて、「1/QTED」に着目する。「1/QTED」は、梁の弾性変形によって発生する熱エネルギーの散逸を示す項であり、本実施の形態1では、梁の形状を設計することにより、梁の弾性変形によって発生する熱エネルギーの散逸を小さくしている(第1特徴点)。
次に、「1/QANCHOR」に着目する。「1/QANCHOR」は、固定部における基板への振動エネルギーの散逸を示す項であり、本実施の形態1では、固定部の配置を工夫することにより、固定部における基板への振動エネルギーの散逸を小さくしている。以下に、この点について説明する。
図16(a)は、固定部の一方側だけに質量体と接続する梁を設ける構成を示す模式図であり、図16(b)は、固定部の両側に質量体と接続する梁を設ける構成を示す模式図である。まず、図16(a)において、固定部ACRと質量体MSとは梁BMで接続されている。この場合、例えば、梁BMの変形によって発生した音響エネルギーが固定部ACRに伝達される。そして、固定部ACRに伝達された音響エネルギーは、固定部ACRからシステムの外部へ散逸することになる。つまり、図16(a)に示すように、固定部の一方側だけに質量体と接続する梁を設ける構成では、固定部ACRからシステムの外部への音響エネルギーの散逸が大きくなり、このことは、「1/QANCHOR」が大きくなってしまうことを意味する。これに対し、図16(b)では、固定部の両側に質量体と接続する梁が設けられている。具体的に、図16(b)に示すように、固定部ACRを挟むように、固定部ACRの左側に質量体MS1が配置され、かつ、固定部ACRの右側に質量体MS2が配置されている。そして、固定部ACRと質量体MS1とは梁BM1で接続され、固定部ACRと質量体MS2とは梁BM2で接続されている。この場合、図16(b)に示すように、固定部ACRには、左側から梁BM1の弾性変形に伴う音響エネルギーが伝達され、かつ、右側から梁BM2の弾性変形に伴う音響エネルギーが伝達される。この結果、図16(b)に示す構成では、梁BM1から固定部ACRに音響エネルギーが伝わるとともに、梁BM1から固定部ACRに音響エネルギーが伝わることになる。このことは、固定部ACRにおいて音響エネルギーがキャンセルされることを意味し、システムの外部への音響エネルギーの散逸を抑制できることを意味している。すなわち、図16(b)に示すように、固定部ACRを挟むように、質量体MS1と質量体MS2とを配置する構成では、システムの外部への音響エネルギーの散逸を抑制できるのである。このため、図16(b)に示す構成によれば、「1/QANCHOR」を小さくすることができるのである。そこで、本実施の形態1では、例えば、図5に示すように、1つの固定部ACRをシャトルSH1とシャトルSH2で挟むように構成し、かつ、シャトルSH1と固定部ACRとを梁BM1で接続し、シャトルSH2と固定部ACRとを梁BM2で接続している。(第2特徴点)。これにより、本実施の形態1における第2特徴点によれば、固定部における音響エネルギーの散逸を小さくすることができ、これによって、「1/QANCHOR」を小さくできる。
以上のことから、本実施の形態1によれば、第1特徴点によって、「1/QTED」を小さくすることができ、かつ、第2特徴点によって、「1/QANCHOR」を小さくすることができることから、第1特徴点と第2特徴点とを組み合わせることにより、Q値の逆数(1/Q)を小さくすることができる。この結果、本実施の形態1によれば、誤差の低減を図ることができ、これによって、ジャイロスコープの性能向上を図ることができる。
(2)誤検出を低減する工夫
続いて、誤検出を低減する工夫について説明する。まず、図17を参照して、誤検出について説明する。図17は、誤検出の発生メカニズムを説明する図である。特に、図17(a)は、角速度が印加されていない場合の理想的な駆動振動を模式的に示す図であり、図17(b)は、角速度が印加されていない場合において、誤検出が発生する状態の駆動振動を模式的に示す図である。
まず、図17(a)に示すように、角速度が印加されていないときの理想的な駆動振動は、x方向にのみ質量体が駆動振動している場合である。ところが、質量体は、x方向だけでなく、y方向にも変位可能なように構成されている。このため、質量体をx方向にのみ駆動振動させようとしても、実際には、x方向とy方向との結合(カップリング)により、図17(b)に示すように、角速度が印加されていない状態においても、y方向にわずかに振動が生じることがある。この場合、図17(b)に示すように、質量体の駆動振動の方向がx方向から角度αだけずれることになる。このy方向への振動が誤検出の発生原因であり、角速度が印加されていないにも関わらず、あたかも角速度の印加に起因するコリオリ力によって、駆動振動の方向がx方向から角度αだけずれているという誤検出が生じることになる。
そこで、本実施の形態1では、この誤検出を低減する工夫を施している。具体的には、例えば、図5に示すように、固定部ACRと、質量体MS1および質量体MS2とを直接接続するのではなく、シャトルSH1およびシャトルSH2を介して接続するように構成されている。すなわち、本実施の形態1では、図5に示すように、固定部ACRを挟むようにシャトルSH1とシャトルSH2とが配置され、シャトルSH1の外側に質量体MS1が配置され、シャトルSH2の外側に質量体MS2が配置されている。そして、固定部ACRとシャトルSH1とは、y方向よりもx方向に柔らかい梁BM1で接続され、固定部ACRとシャトルSH2とは、y方向よりもx方向に柔らかい梁BM1で接続されている。また、シャトルSH1と質量体MS1とは、x方向よりもy方向に柔らかい梁BM3で接続され、シャトルSH2と質量体MS2とは、x方向よりもy方向に柔らかい梁BM3で接続されている。この結果、本実施の形態1によれば、シャトルSH1およびシャトルSH2は、x方向にだけ変位可能なように構成され、かつ、質量体MS1および質量体MS2は、x方向およびy方向の両方に変位可能なように構成される。つまり、本実施の形態1では、x方向およびy方向の両方に変位可能な質量体MS1および質量体MS2が直接固定部ACRと接続されているのではなく、x方向にのみ変位可能なシャトルSH1およびシャトルSH2を介して接続されている点に特徴点がある(第3特徴点)。これにより、シャトルSH1およびシャトルSH2がx方向にだけ変位可能であることから、質量体MS1および質量体MS2をx方向に駆動振動させた場合、シャトルSH1およびシャトルSH2によって、x方向とy方向の結合が遮断される(デカップリング)。この結果、本実施の形態1によれば、シャトルSH1およびシャトルSH2を設けることによって、質量体MS1および質量体MS2の駆動振動における誤検出を低減することができる。すなわち、本実施の形態1では、固定部ACRと直接接続するシャトルSH1およびシャトルSH2を設け、このシャトルSH1およびシャトルSH2をx方向にのみ変位可能なように構成することにより、誤検出の発生要因を低減しているのである。したがって、本実施の形態1における第3特徴点によれば、角速度が印加されていないにも関わらず、あたかも角速度の印加に起因するコリオリ力によって、駆動振動の方向がx方向から角度αだけずれているという誤検出が生じにくくなり、これによって、ジャイロスコープの性能向上を図ることができる。
(3)対称性を高める工夫
次に、対称性を高める工夫について説明する。本実施の形態1では、質量体MS1の質量と質量体MS2の質量とを等しくしている(第4特徴点)。つまり、本実施の形態1では、質量に関して、質量体MS1と質量体MS2とに対称性が存在する。なぜなら、質量体MS1の質量と質量体MS2の質量とを等しくするということは、質量体MS1の共振周波数と、質量体MS2の共振周波数とを等しくすることになるからである。すなわち、質量体MS1の共振周波数と、質量体MS2の共振周波数とを等しくことは、センサシステムのバランスを保持するためにとても重要であることから、本実施の形態1では、質量体MS1の共振周波数と、質量体MS2の共振周波数とを等しくするために、質量体MS1の質量と質量体MS2の質量とを等しくしている。特に、本実施の形態1では、シャトルSH1と、シャトルSH2と、シャトルSH1とシャトルSH2とを接続する梁BM5とを介して、質量体MS1と質量体MS2とを結合しており、この構造は、質量体MS1の共振周波数と、質量体MS2の共振周波数とを等しい値に固定することに寄与する(第5特徴点)。さらには、図4に示すように、シャトルSH1とシャトルSH2とが中心線CL2に対して対称に配置されている点と、シャトルSH1自体およびシャトルSH2自体が中心線CL1に対して対称構造をしている点も、質量体MS1の共振周波数と、質量体MS2の共振周波数とを等しくすることに寄与する(第6特徴点)。
したがって、本実施の形態1によれば、第4特徴点と第5特徴点と第6特徴点との相乗効果によって、質量体MS1の共振周波数と、質量体MS2の共振周波数とを等しくすることができる結果、以下に示す効果を得ることができる。
例えば、駆動振動は、機械的な波動(音響波(Acoustic wave))として理解されている。そして、質量体MS1の駆動振動に起因する音響波と、質量体MS2の駆動振動に起因する音響波とは、固定部ACRに向かって進行する。このとき、例えば、質量体MS1の共振周波数と、質量体MS2の共振周波数とが相違する場合には、固定部ACRにおいて、質量体MS1の駆動振動に起因する音響波と、質量体MS2の駆動振動に起因する音響波とがキャンセルせず、固定部ACRからのエネルギーの散逸が生じる。つまり、質量体MS1の共振周波数と、質量体MS2の共振周波数とが相違する場合には、駆動振動の一定性を維持しにくくなり、これによって、ジャイロスコープの検出精度が低下するのである。これに対し、質量体MS1の共振周波数と、質量体MS2の共振周波数とが等しい場合には、固定部ACRにおいて、質量体MS1の駆動振動に起因する音響波と、質量体MS2の駆動振動に起因する音響波とがキャンセルする。このため、質量体MS1の共振周波数と、質量体MS2の共振周波数とが等しい場合には、固定部ACRから漏洩する音響波を低減できる。このことは、固定部ACRからのエネルギーの散逸を抑制できることを意味し、これによって、質量体MS1の駆動振動および質量体MS2の駆動振動を一定に保持しやすくなることを意味する。したがって、本実施の形態1における第4特徴点と第5特徴点によれば、質量体MS1の共振周波数と質量体MS2の共振周波数とが等しくなる結果、固定部ACRからのエネルギーの散逸を抑制でき、これによって、ジャイロスコープの検出誤差を低減することができる。
続いて、本実施の形態1では、さらなる対称性を高めるため、以下に示す工夫を施している。特に、x方向の対称性とy方向の対称性とを高めることが、検出誤差を低減することに有用であることから、本実施の形態1では、x方向の対称性とy方向の対称性とを高めるために、質量体MS1の中心と質量体MS2の中心とを一致させている(第7特徴点)。
例えば、ジャイロスコープが外部加速度の存在する現実の外部環境下で動作する場合、外部加速度の影響を受ける。例えば、音叉構造を前提として、質量体MS1の中心(重心)と質量体MS2の中心(重心)とがずれている場合、外部加速度は、x方向とy方向とに異なる影響を及ぼすことになる。具体的には、外部加速度に起因して力やトルクが発生する。これに対して、質量体MS1の中心と質量体MS2の中心とが一致する場合、外部加速度に起因する力やトルクはキャンセルする。この結果、本実施の形態1における第7特徴点によれば、外部加速度の影響を受けにくいジャイロスコープを提供することができる。
さらに、本実施の形態1では、x方向の共振周波数とy方向の共振周波数を一致させるため、x方向の対称性とy方向の対称性とを高める工夫を施している。具体的には、図1に示すように、本実施の形態1において、質量体MS1と質量体MS2とは、4つの接続部CU1〜CU4で接続されている。特に、本実施の形態1では、互いに配置向きが90度異なる同一構造の接続部(接続部CU1と接続部CU2、接続部CU3と接続部CU4)を使用して、質量体MS1と質量体MS2とを接続している(第8特徴点)。これにより、本実施の形態1によれば、x方向の共振周波数とy方向の共振周波数とをほぼ一致させることができる。以下に、この理由について説明する。
共振周波数は、質量(m)とともにバネ定数(k)に依存する(f=1/2π×√(k/m)。したがって、x方向の共振周波数とy方向の共振周波数とを一致させるためには、バネ定数を等しくする構成が有用である。ここで、図18は、x方向のバネ定数とy方向のバネ定数を一致させる概念を説明する図である。例えば、図18の左図に示すように、一般的に、本実施の形態1で採用している接続部CU1のx方向のバネ定数(k1)とy方向のバネ定数(k2)とは異なる。このため、例えば、質量体MS1と質量体MSとを接続部CU1で接続する場合には、x方向のバネ定数とy方向のバネ定数とが異なることから、x方向の共振周波数とy方向の共振周波数とは異なることになる。そこで、本実施の形態1では、例えば、図1に示すように、互いに配置向きが90度異なる同一構造の接続部(接続部CU1と接続部CU2、接続部CU3と接続部CU4)を使用して、質量体MS1と質量体MS2とを接続している。この場合、図18に示すように、質量体MS1と質量体MS2との接続構造におけるx方向のバネ定数は、接続部CU1のx方向のバネ定数(k1)と接続部CU2のx方向のバネ定数(k2)の組み合わせになる。同様に、図18に示すように、質量体MS1と質量体MS2との接続構造におけるy方向のバネ定数は、接続部CU1のy方向のバネ定数(k2)と接続部CU2のy方向のバネ定数(k1)の組み合わせになる。したがって、互いに配置向きが90度異なる接続部CU1と接続部CU2との組み合わせに着目すると、x方向のバネ定数(k1+k2)とy方向のバネ定数(k2+k1)とは等しくなる。そして、質量体MS1の質量と質量体MS2の質量とが等しいことを考慮すると、本実施の形態1によれば、x方向の共振周波数とy方向の共振周波数とをほぼ一致させることができるのである。この結果、本実施の形態1によれば、ジャイロスコープの検出誤差を低減することができる。
(4)信号(シグナル)を大きくする工夫
次に、信号(シグナル)を大きくする工夫について説明する。例えば、本実施の形態1におけるセンサエレメントSE1では、図1に示すように、質量体MS1の内部に複数の容量素子を形成し、かつ、質量体MS2の内部に複数の容量素子を形成している(第9特徴点)。これにより、本実施の形態1によれば、以下に示す効果を得ることができる。
例えば、接続部CU1〜CU4のそれぞれの構成要素であるシャトルの内部に、駆動振動部10(13)として機能する容量素子や、モニタ部11(12)、14(15)として機能する容量素子を設けることが考えられる。しかし、この構成の場合、シャトルの差サイズが小さいことから、このシャトルの内部に形成される容量素子のサイズ(電極面積のサイズ)も小さくなる。このことは、例えば、駆動振動部10(13)として機能する容量素子に着目した場合、容量素子で発生する静電気力が小さくなることを意味する。したがって、大きな駆動振動を得るためには、容量素子に印加する電圧を大きくする必要があるが、このことは、センサの消費電力が大きくなってしまうことを意味する。一方、例えば、モニタ部11(12)、14(15)として機能する容量素子に着目した場合、容量素子のサイズ(電極面積のサイズ)が小さくなることは、容量素子の静電容量値が小さくなることを意味する。この場合、容量素子の静電容量値の変化が小さくなり、モニタ部11(12)、14(15)からの出力信号が小さくなることを意味する。
この点に関し、シャトルのサイズを大きくすることが考えられるが、シャトルのサイズを大きくすると、接続部CU1〜CU4のそれぞれのサイズが大きくなり、これによって、ジャイロスコープの小型化が阻害されることになる。
そこで、本実施の形態1では、質量体MS1の内部に複数の容量素子を形成し、かつ、質量体MS2の内部に複数の容量素子を形成している。この場合、質量体MS1のサイズおよび質量体MS2のサイズは、シャトルのサイズよりも遥かに大きいことから、ジャイロスコープのサイズを大きくすることなく、質量体MS1あるいは質量体MS2の内部に形成される容量素子のサイズを大きくすることができる。このことは、例えば、駆動振動部10(13)として機能する容量素子に着目した場合、容量素子に印加する電圧を大きくしなくても、容量素子で発生する静電気力を大きくすることができることを意味する。したがって、本実施の形態1におけるジャイロスコープによれば、消費電力の増加を抑制することができる。一方、例えば、モニタ部11(12)、14(15)として機能する容量素子に着目した場合、容量素子のサイズ(電極面積のサイズ)が大きくなることは、容量素子の静電容量値が大きくなることを意味する。この場合、容量素子の静電容量値の変化も大きくなり、モニタ部11(12)、14(15)からの出力信号を大きくすることができる。
以上のことから、本実施の形態1によれば、(1)〜(3)で説明した第1特徴点〜第8特徴点によって、誤差(ノイズ)を低減できるとともに。(4)で説明した第9特徴点により、信号(シグナル)を大きくすることができる。このことは、本実施の形態1におけるジャイロスコープによれば、誤差(ノイズ)を低減できる点と信号(シグナル)を増加できる点との相乗効果によって、S/N比を向上することができることを意味し、これによって、ジャイロスコープの性能向上を図ることができることになる。
<変形例1>
図19は、本変形例1におけるセンサエレメントSE1の構成を示す平面図である。図19に示すように、本変形例1におけるセンサエレメントSE1では、x軸上に配置されている接続部CU1と接続部CU2のそれぞれに近接して、質量体MS1の内部および質量体MS2の内部に容量素子CAP1が配置され、y軸上に配置されている接続部CU3と接続部CU4のそれぞれに近接して、質量体MS1の内部および質量体MS2の内部に容量素子CAP2が配置されている。さらに、本変形例1においては、図19に示すように、x軸から45度の方向とx軸から135度の方向にも容量素子CAP3が配置されている。このことから、本変形例1におけるセンサエレメントSE1によれば、図1に示す実施の形態1よりも、駆動振動部やモニタ部として機能する容量素子の数を増加させることができるため、駆動振動部における駆動力の向上、および、モニタ部における検出感度の向上を図ることができる。
例えば、図19に示す本変形例1において、容量素子CAP1をx方向の駆動振動部として機能させ、容量素子CAP2をy方向の駆動振動部として機能させ、さらに、容量素子CAP3をモニタ部として機能させることができる。
<変形例2>
図20は、本変形例2におけるセンサエレメントSE1の構成を示す平面図である。図20に示すように、本変形例2におけるセンサエレメントSE1では、x軸上に配置されている接続部CU1と接続部CU2のそれぞれに近接して、質量体MS1の内部および質量体MS2の内部に容量素子CAP1が配置され、y軸上に配置されている接続部CU3と接続部CU4のそれぞれに近接して、質量体MS1の内部および質量体MS2の内部に容量素子CAP2が配置されている。さらに、本変形例2においては、容量素子CAP1と隣り合う位置に容量素子CAP3が配置されているとともに、容量素子CAP2と隣り合う位置にも容量素子CAP3が配置されている。これにより、本変形例2におけるセンサエレメントSE1においても、駆動振動部やモニタ部として機能する容量素子の数を増加させることができるため、駆動振動部における駆動力の向上、および、モニタ部における検出感度の向上を図ることができる。
<変形例3>
図21は、本変形例3におけるセンサエレメントSE1の構成を示す平面図である。図21に示すように、本変形例3において、質量体MS1の外形形状や質量体MS2の外形形状は、八角形形状をしている。このような形状とすることで、図21に示すように、円形形状に比べて面積を増やすことができ、電極容量の向上や慣性量の増加を図ることができる。このように、質量体MS1の外形形状や質量体MS2の外形形状は、円形形状に限られることなく、八角形形状に代表される多角形形状とすることもできる。
<変形例4>
図22は、本変形例4におけるセンサエレメントSE1の構成を示す平面図である。図22に示すように、本変形例4におけるセンサエレメントSE1では、x軸上に配置されている接続部CU1と接続部CU2のそれぞれに近接して、質量体MS1の内部および質量体MS2の内部に容量素子CAP1が配置され、y軸上に配置されている接続部CU3と接続部CU4のそれぞれに近接して、質量体MS1の内部および質量体MS2の内部に容量素子CAP2が配置されている。さらに、本変形例4においては、図22に示すように、x軸から30度の方向とx軸から60度の方向にも容量素子CAP3が配置されている。すなわち、本変形例4においては、30度ごとに容量素子(容量素子CAP1、CAP2、CAP3)が配置されている。これにより、本変形例4によれば、異なる軸において、質量体MS1および質量体MS2の振動を制御することができる。
<変形例5>
図23は、本変形例5におけるセンサエレメントSE1の構成を示す平面図である。図23に示すように、本変形例5におけるセンサエレメントSE1は、例えば、8つの接続部(単位接続部)CU1〜CU8を有している。具体的に、x方向において、質量体MS1の中心に対して対称となる位置に接続部CU1と接続部CU2とが配置され、y方向において、質量体MS1の中心に対して対称となる位置に接続部CU3と接続部CU4とが配置されている。また、x方向から45度の方向において、質量体MS1の中心に対して対称となる位置に接続部CU5と接続部CU6とが配置され、x方向から135度の方向において、質量体MS1の中心に対して対称となる位置に接続部CU7と接続部CU8とが配置されている。このように構成することによっても、実施の形態1における技術的思想を実現することができる。すなわち、実施の形態1における技術的思想は、センサエレメントSE1を構成する質量体MS1と質量体MS2とを接続する接続部として、複数の単位接続部を使用することができ、これらの複数の単位接続部の数は、特に限定されるものではなく、例えば、実施の形態1のように、4つの接続部(単位接続部)CU1〜CU4を使用してもよいし、本変形例5のように、8つの接続部(単位接続部)CU1〜CU8を使用してもよい。
(実施の形態2)
<実施の形態2における基本思想>
まず、本実施の形態2における基本思想について、図面を参照しながら説明する。図24(a)および図24(b)は、実施の形態2において着目する改善の余地を説明する図である。図24(a)において、パッケージPKGに設けられている空洞部(キャビティ)の内部にセンサエレメントSEが配置されており、センサエレメントSEは、固定部ACR1と固定部ACR2によって、パッケージPKGに固定されている。ここで、図24(a)に示すように、例えば、固定部ACR1と固定部ACR2との間の距離を距離LAとして示している。
ここで、パッケージPKGは、例えば、低コスト化を図る観点から、プラスチックパッケージなどが使用されている。この場合、例えば、図24(b)に示すように、外部環境の変化に伴う温度変化や湿度変化によって、パッケージPKGが変形する。すると、このパッケージPKGの変形に伴って、固定部ACR1と固定部ACR2との間の距離LAが変化し、これによって、センサエレメントSEに変形が生じる。このようにセンサエレメントSEに変形が生じると、センサエレメントSEに応力が加わる結果、角速度や回転角の検出にドリフト誤差が加わることになる。そして、このドリフト誤差が大きくなると、角速度や回転角を検出することが困難となる。したがって、ジャイロスコープの性能向上を図るために、ジャイロスコープ(センサエレメントSE)には、外部環境の影響を受けにくいことが必要とされるのである。
そこで、本実施の形態2においては、外部環境の影響を受けにくいジャイロスコープ(センサエレメントSE)の構造を実現する工夫を施している。以下では、まず、この工夫に対する基本思想を説明し、その後、この基本思想を具現化した具体的な構成例について説明することにする。
図25(a)および図25(b)は、本実施の形態2における基本思想を説明する図である。図25(a)に示すように、パッケージPKGに設けられている空洞部(キャビティ)の内部にセンサエレメントSEが配置されており、センサエレメントSEは、固定部ACR1と固定部ACR2によって、パッケージPKGに固定されている。ここで、図25(a)に示すように、例えば、固定部ACR1と固定部ACR2との間の距離は、距離LBとなっている。この距離LBは、図24(a)に示す距離LAよりも短くなっている。すなわち、本実施の形態2における基本思想は、図24(a)と図25(a)とを見比べるとわかるように、センサエレメントSEをパッケージPKGに固定する固定部ACR1と固定部ACR2との間の距離を短くするというものである(第10特徴点)。
これにより、例えば、図25(b)に示すように、温度変化や湿度変化に代表される外部環境の変化によって、パッケージPKGに変形が生じても、固定部ACR1と固定部ACR2との間の距離LBを短くすると、固定部ACR1と固定部ACR2との間の距離LBの変化が小さくなり、これによって、センサエレメントSEの変形が抑制されるのである。つまり、本実施の形態2における基本思想によれば、外部環境の変化に起因してパッケージPKGに変形が生じても、上述した第10特徴点によって、センサエレメントSEはパッケージPKGの変形による影響を受けにくくなるのである。すなわち、本実施の形態2における基本思想によれば、外部環境の変化に対してロバストなジャイロスコープ(センサエレメントSE)を実現することができ、これによって、本実施の形態2によれば、ジャイロスコープの性能を向上することができるのである。
<具体的な構成例>
<<センサエレメントの平面構成>
以下では、本実施の形態2における基本思想を具現化した具体的なセンサエレメントSE2の構成例について、図面を参照しながら説明することにする。
図26は、本実施の形態2におけるセンサエレメントSE2の構成を示す平面図である。図26において、本実施の形態2における特徴点は、平面視において、質量体MS1が質量体MS1の中心に向かう凹部20aを有し、かつ、質量体MS2は、隙間SPを介して凹部20aに挿入された凸部30aを有し、接続部CU1は、凹部20aと凸部30aとを接続する点にある。同様に、本実施の形態2における特徴点は、平面視において、質量体MS1が質量体MS1の中心に向かう凹部20bを有し、かつ、質量体MS2は、隙間SPを介して凹部20bに挿入された凸部30bを有し、接続部CU2は、凹部20bと凸部30bとを接続する点にある。
これにより、図26に示すように、接続部CU1と接続部CU2との間の距離を短くすることができる。つまり、接続部CU1の構成要素である一方の固定部と、接続部CU2の構成要素である他方の固定部との間の距離を短くすることができる。同様に、図26に示すように、接続部CU3と接続部CU4との間の距離を短くすることができる。このように、図26に示すセンサエレメントSE2では、センサエレメントSE1の中心に向かう凹部(20a、20b)と凸部(30a、30b)を形成することにより、接続部CU1〜CU4をセンサエレメントSE1の中心に近づけることができる。このようにして、図26に示すセンサエレメントSE2では、センサエレメントSE1の中心に向かう凹部(20a、20b)と凸部(30a、30b)を形成することにより、固定部間の距離を短くするという基本思想が具現化されている。したがって、図26に示すセンサエレメントSE2によれば、外部環境の変化に対してロバストなジャイロスコープ(センサエレメントSE2)を実現することができ、これによって、本実施の形態2によれば、ジャイロスコープの性能を向上することができる。
なお、図26に示すセンサエレメントSE2では、接続部CU1〜接続部CU4を質量体MS1の中心に近づける構成を採用している結果、容量素子(駆動振動部10(13)、モニタ部11(14)、12(15)、チューニング部16(17))の配置にも工夫を施している。すなわち、図26に示すように、本実施の形態2におけるセンサエレメントSE2では、質量体MS1の中心に集中して配置されている接続部CU1〜CU4の外側に容量素子を配置している。特に、本実施の形態2では、x方向の駆動振動に関する容量素子(駆動振動部10、モニタ部11、12、チューニング部16)をy方向に延在する仮想線VL2に沿って配置し、かつ、y方向の駆動振動に関する容量素子(駆動振動部13、モニタ部14、15、チューニング部17)をx方向に延在する仮想線VL1に沿って配置している。これにより、接続部CU1〜CU4の内側に容量素子を配置していないため、接続部CU1〜接続部CU4を質量体MS1の中心に近づける構成が実現される。つまり、本実施の形態2では、センサエレメントSE1の中心に向かう凹部(20a、20b)と凸部(30a、30b)を形成する構成と、接続部CU1〜CU4の内側に容量素子を配置していない構成とを組み合わせていることにより、本実施の形態2における基本思想が具現化されている。この結果、本実施の形態2によれば、外部環境の変化に対してロバストなジャイロスコープ(センサエレメントSE2)を実現することができる。
<<センサエレメントの断面構成>>
図27は、図26のA−A線で切断した断面図である。図27に示すように、本実施の形態2におけるセンサエレメントSE2において、デバイス層1cに質量体MS1が形成され、この質量体MS1を挟むように、固定部ACR1を含む接続部CU1と、固定部ACR2を含む接続部CU2とが形成されている。そして、接続部CU1の外側および接続部CU2の外側に質量体MS2が形成されている。
図28は、図26のB−B線で切断した断面図である。図28に示すように、本実施の形態2におけるセンサエレメントSE2において、デバイス層1cに質量体MS1が形成され、この質量体MS1を挟むように、接続部CU1と接続部CU2とが形成されている。そして、接続部CU1の外側に質量体MS2が形成され、接続部CU1と質量体MS2との間に駆動振動部13とチューニング部17とモニタ部15とモニタ部14とが形成されている。同様に、接続部CU2の外側に質量体MS2が形成され、接続部CU2と質量体MS2との間に駆動振動部13とチューニング部17とモニタ部15とモニタ部14とが形成されている。
<<容量素子の構成>>
次に、本実施の形態2におけるセンサエレメントSE2に含まれる容量素子の構成について説明する。図29は、駆動振動部13の構成例を示す模式図である。図29に示すように、駆動振動部13は、例えば、櫛型構造の容量素子から構成されている。具体的に、駆動振動部13は、外部との接続端子として機能するパッドPDと電気的に接続された固定電極13a(1)および固定電極13a(2)を有し、この固定電極13a(1)および固定電極13a(2)の間に挟まれるように、質量体MS1(質量体MS2)と一体的に形成された可動電極13bが形成されている。このとき、例えば、固定電極13a(1)と可動電極13bとの間の距離L1は、固定電極13a(2)と可動電極13bとの間の距離L2とが等しくなるように構成されている。このように、図29に示す容量素子から駆動振動部13を構成する場合、図8に示す容量素子に比べて、質量体MS1(質量体MS2)の駆動振動の振幅を大きくすることができ、これによって、回転角の検出感度を向上することができる。
<変形例>
図30は、変形例におけるセンサエレメントSE2の構成を示す平面図である。図30に示すように、本変形例におけるセンサエレメントSE2では、容量素子CAPとして、図8に示すパラレル構造の容量素子を使用している。すなわち、図26に示す実施の形態2におけるセンサエレメントSE2では、図29に示す櫛型構造の容量素子を使用しているのに対し、図30に示す本変形例におけるセンサエレメントSE2では、図8に示すパラレル構造の容量素子を使用している点が相違点であり、その他の構成は同様である。このように、図8に示すパラレル構造の容量素子を使用する具体的構成例と図29に示す櫛型構造の容量素子を使用する具体的構成例のいずれであっても、実施の形態2における基本思想を具現化することができることがわかる。
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
10 駆動振動部
11 モニタ部
12 モニタ部
13 駆動振動部
14 モニタ部
15 モニタ部
ACR 固定部
梁 BM1
梁 BM2
梁 BM3
梁 BM4
梁 BM5
CU1 接続部(単位接続部)
CU2 接続部(単位接続部)
CU3 接続部(単位接続部)
CU4 接続部(単位接続部)
MS1 質量体
MS2 質量体
SH1 シャトル
SH2 シャトル

Claims (16)

  1. 第1方向および前記第1方向と直交する第2方向に変位可能な第1質量体と、
    前記第1方向および前記第2方向に変位可能な第2質量体と、
    前記第1質量体と前記第2質量体との間に設けられ、かつ、前記第1質量体と前記第2質量体とを接続する接続部と、
    を備える、ジャイロスコープであって、
    前記接続部は、
    基板に固定された固定部と、
    前記固定部と前記第1質量体との間に設けられた第1部材と、
    前記固定部と前記第2質量体との間に設けられた第2部材と、
    前記固定部と前記第1部材とを接続する第1梁と、
    前記固定部と前記第2部材とを接続する第2梁と、
    前記第1質量体と前記第1部材とを接続する第3梁と、
    前記第2質量体と前記第2部材とを接続する第4梁と、
    前記第1部材と前記第2部材とを接続する第5梁と、
    を含む接続構造から構成され、
    前記第1部材と前記第2部材との間に前記固定部が設けられている、ジャイロスコープ。
  2. 請求項1に記載のジャイロスコープにおいて、
    前記第1梁は、前記第2方向よりも前記第1方向に柔らかく、
    前記第2梁は、前記第2方向よりも前記第1方向に柔らかく、
    前記第3梁は、前記第1方向よりも前記第2方向に柔らかく、
    前記第4梁は、前記第1方向よりも前記第2方向に柔らかい、ジャイロスコープ。
  3. 請求項2に記載のジャイロスコープにおいて、
    前記第1梁は、前記第1方向よりも前記第2方向に長く、かつ、前記第2方向において折り返し構造を有し、
    前記第2梁は、前記第1方向よりも前記第2方向に長く、かつ、前記第2方向において折り返し構造を有する、ジャイロスコープ。
  4. 請求項2に記載のジャイロスコープにおいて、
    前記第3梁は、前記第2方向よりも前記第1方向に長く、かつ、前記第1方向において折り返し構造を有し、
    前記第4梁は、前記第2方向よりも前記第1方向に長く、かつ、前記第1方向において折り返し構造を有する、ジャイロスコープ。
  5. 請求項1に記載のジャイロスコープにおいて、
    前記固定部の中心を通り、前記第1方向に延在する第1仮想線に対して、
    前記第1部材は、対称形状をしており、
    前記第2部材も、対称形状をしている、ジャイロスコープ。
  6. 請求項1に記載のジャイロスコープにおいて、
    前記固定部の中心を通り、前記第2方向に延在する第2仮想線に対して、
    前記第1部材と前記第2部材とは、対称に配置されている、ジャイロスコープ。
  7. 請求項1に記載のジャイロスコープにおいて、
    前記第1質量体の質量と前記第2質量体の質量とは、等しい、ジャイロスコープ。
  8. 請求項7に記載のジャイロスコープにおいて、
    前記第1質量体の中心と前記第2質量体の中心とは一致する、ジャイロスコープ。
  9. 請求項1に記載のジャイロスコープにおいて、
    前記接続部は、複数の単位接続部を有し、
    前記複数の単位接続部のそれぞれは、前記接続構造から構成されている、ジャイロスコープ。
  10. 請求項9に記載のジャイロスコープにおいて、
    前記複数の単位接続部は、
    前記第1質量体の中心を通り、前記第1方向に延在する第1仮想線上に配置された第1単位接続部と、
    前記第1仮想線上に配置され、かつ、前記第1質量体の中心に対して、前記第1単位接続部と対称な位置に配置された第2単位接続部と、
    前記第1質量体の中心を通り、前記第2方向に延在する第2仮想線上に配置された第3単位接続部と、
    前記第2仮想線上に配置され、かつ、前記第1質量体の中心に対して、前記第3単位接続部と対称な位置に配置された第4単位接続部と、
    を有する、ジャイロスコープ。
  11. 請求項10に記載のジャイロスコープにおいて、
    前記第1単位接続部の配置向きと前記第3単位接続部の配置向きは、90度異なり、
    前記第2単位接続部の配置向きと前記第4単位接続部の配置向きは、90度異なる、ジャイロスコープ。
  12. 請求項1に記載のジャイロスコープにおいて、
    前記ジャイロスコープは、コリオリ力に基づく回転角を機械的に検出する積分レートジャイロスコープである、ジャイロスコープ。
  13. 第1方向および前記第1方向と直交する第2方向に変位可能な第1質量体と、
    前記第1方向および前記第2方向に変位可能な第2質量体と、
    前記第1質量体と前記第2質量体との間に設けられ、かつ、前記第1質量体と前記第2質量体とを接続する接続部と、
    を備える、ジャイロスコープであって、
    前記第1質量体の内部には、
    前記第1質量体を前記第1方向に振動させる第1駆動部と、
    前記第1質量体を前記第2方向に振動させる第2駆動部と、
    が形成され、
    前記第2質量体の内部には、
    前記第2質量体を前記第1方向に振動させる第3駆動部と、
    前記第2質量体を前記第2方向に振動させる第4駆動部と、
    が形成されている、ジャイロスコープ。
  14. 請求項12に記載のジャイロスコープにおいて、
    前記第1駆動部は、第1容量素子から構成され、
    前記第2駆動部は、第2容量素子から構成され、
    前記第3駆動部は、第3容量素子から構成され、
    前記第4駆動部は、第4容量素子から構成されている、ジャイロスコープ。
  15. 第1方向および前記第1方向と直交する第2方向に変位可能な第1質量体と、
    前記第1方向および前記第2方向に変位可能な第2質量体と、
    前記第1質量体と前記第2質量体との間に設けられ、かつ、前記第1質量体と前記第2質量体とを接続する接続部と、
    を備える、ジャイロスコープであって、
    平面視において、前記第1質量体は、前記第1質量体の中心に向かう凹部を有し、
    平面視において、前記第2質量体は、隙間を介して前記凹部に挿入された凸部を有し、
    前記接続部は、前記凹部と前記凸部とを接続する、ジャイロスコープ。
  16. 請求項15に記載のジャイロスコープにおいて、
    前記接続部は、
    基板に固定された第1固定部を含む第1接続部と、
    前記基板に固定された第2固定部を含む第2接続部と、
    を有し、
    平面視において、前記第1質量体は、
    前記第1質量体の中心に向かう第1凹部と、
    前記第1質量体の中心に向かう第2凹部と、
    を有し、
    平面視において、前記第2質量体は、
    隙間を介して前記第1凹部に挿入された第1凸部と、
    隙間を介して前記第2凹部に挿入された第2凸部と、
    を有し、
    前記第1接続部は、前記第1凹部と前記第1凸部とを接続し、
    前記第2接続部は、前記第2凹部と前記第2凸部とを接続する、ジャイロスコープ。
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