JP6689227B2 - ジャイロスコープ - Google Patents

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    • G01C19/574Structural details or topology the devices having two sensing masses in anti-phase motion

Description

本発明は、回転角度または回転速度を検出するジャイロスコープ、特にコリオリ振動ジャイロスコープ(CVG)の分野に関する。
特許文献1は、フーコーの振り子を使用して回転角度を検出するCVGを開示している。
US2016/0084654A1
ジャイロスコープは、航法、照準、安定性制御システムの基本ブロックである。ジャイロスコープは角速度を検出することができる。ジャイロスコープの精度は、加速度計、磁力計、および他のセンサによって形成される慣性計測ユニット(IMU)である場合が多い、システム全体の精度に直接影響する。
屋内駐車場内、または高い建物がある人口密集都市の路上など、従来の汎地球測位システム(GPS)からの従来の航法援助信号が信頼できないか、または単純に利用不能である環境における自立航法の場合、1時間当たり0.01度未満の精度が求められる。今日まで、このレベルの性能は、嵩高で高価な光ファイバージャイロスコープ(FOG)およびレーザーリングジャイロスコープ(RLG)によって達成されている。しかしながら、小型化、コスト削減、および遍在性に対する世界的傾向により、かかるユニットを使用することは望ましくなくなっている。
微小電気機械コリオリ振動型ジャイロスコープは、低コスト、小型、かつ低消費電力であることによって、代替物と見られている。今日まで、微小電気機械システム(MEMS)ジャイロスコープの性能レベルは、航法グレードの仕様に達していない。
CVGの適用の一例は、地下の車両の軌道の角度を測定するものである。鉱山などの地下区間では、GPSなどの外部位置信号へのアクセスがない。この場合、航法、位置標定、および制御は、IMUにグループ化されている慣性センサのみに依存する。ジャイロスコープは、角度計測能力により、かかるシステムの重要部分である。
例えば、GPSにアクセスしない地下の車両は、地下掘削トンネルの座標を含むメモリを有する。正しい軌道を安全に追随するため、センサを使用して、ホイールの舵取り角度および車両の回転が制御され、速度および回転角度を制御するとともに、車両の現在位置を更新する情報が提供される。
一般に、CVGはXおよびY軸で対称である。一般に、CVGは、連続的に振動する駆動質量および感知質量によって形成される。場合によっては、駆動質量および感知質量は同じである。角速度が質量に加えられると、コリオリの力が発生する。角速度は、コリオリの力によって誘起されている感知質量の変位を検出することによって、計測することができる。
かかるタイプの共振器の場合、コリオリの力によって発生した変位の大きさは、かかるモードの品質因子(Q因子)によって乗算され、それによって感度が増大する。駆動運動の方向および感知運動の方向は直交する。駆動運動軸は、以下、「駆動」と呼ばれ、コリオリによって誘起される力の軸は、以下、「感知」と呼ばれる。かかるセンサでは、Q因子を増加させることが重要である。それに加えて、Q因子は、熱機械的雑音、フォーサ電子部品が誘起するバイアス、および電力消費に関連するので、ジャイロスコープの性能に影響する。
しかしながら、共振器のQ因子全体に影響するいくつかの因子がある。
(1)可動部品の周りの空気または他の流動物質によって引き起こされる粘性減衰。
(2)熱弾性減衰などの材料損失。
(3)基板を介して機械エネルギーが漏れることによるアンカーロス。
高性能用途では、それまでのQ因子すべてが最大化されている。この理由のため、また空気減衰を排除するために、振動ジャイロスコープは高真空で動作する場合が多い。材料損失は大幅に低減することができる。
アンカーロスは、製造欠陥および現象の複雑さにより、低減するのがより困難な因子の1つである。以下のパラグラフで、微細加工されたジャイロスコープにおけるエネルギー漏れ(低いQ因子の原因)を緩和することができる、従来技術の設計の展開を示す。
単純なCVGは、X−Y面のいずれの方向でも振動することができる、単一の質量であり得る。一般に、CVGは、軸の1つで、例えばX軸(駆動軸)で振動させられる。また、直交軸Y(感知軸)の振動が計測される。面X−Yの垂直軸、即ちZ軸における回転がある場合、X軸からのエネルギーはコリオリの力によってY軸に伝達される。感知軸における振動の大きさはコリオリの力に比例する。感知軸における振動を計測することによって、角速度を計測することができる。
従来のMEMSベースのCVGでは、試験質量が曲げばね(可撓性リンク)を介して基板に固定される。試験質量の変位によってばねに対する荷重が作られる。F=kxであり、式中、Fは力、kは曲げばねのばね定数、およびxは試験質量の変位である。ニュートンの第二法則にしたがって、試験質量によってばねに働く力は、基板からばねに対する等しい反対方向の力を伴う。これは、基板を介したエネルギー損失の主要源である。
エネルギー損失の問題に対処するために、二重質量音叉(dual mass tuning fork)構成が提案されてきた。しかしながら、2つの質量中心の間に距離があるため、両方の質量中心を横断する軸におけるアンカーロスは相殺されるが、直交する軸においては相殺されなかった。
特許文献1では、他の研究者らが、音叉の形式で動作する同心の共振器に基づいて、力および運動量の動的に均衡した構造を提案している。すなわち、特許文献1の図14に示されるように、このデバイスは、一方が中心に位置し、他方がそれを取り囲む2つの質量を有する。両方の質量は同じ方向で、ただし反対の位相で移動している。4つのアンカーがデバイスの中心付近に位置する。それに加えて、4つのシャトル対が、運動をXおよびY軸から切り離すのに使用され、変換器がシャトルの内部に構築された。
しかしながら、高いQ因子は、駆動および感知軸の周波数が同じ場合にのみ有効である。任意の熟練した設計者の場合、コンピュータ支援設計(CAD)ツールおよび有限要素シミュレータを使用することによって、XおよびY両方の動作モードで同じ周波数を有する、質量が均衡したジャイロスコープを設計するのは簡単である。
しかしながら、製造プロセス中に生じる製造欠陥によって非対称性が生じ、それによって感知および駆動の動作周波数が分離され(感知および駆動の動作周波数間の差:Δf≠0)、その結果、高いQ因子によって得られる利益が相殺される。
それに加えて、CVGはモード整合条件下で動作するので、周波数を整合するために、静電同調などの作製後周波数同調が行われる場合が多い。この場合、可動質量に加えられる静電力によって力の不均衡がもたらされ、結果として最初に行った設計考慮点が損なわれる。
一般に、微細加工センサは、大面積のシリコン系ウェハ上で作製される。作製プロセスにおいて、誤差の主要源の1つは、強反応性イオンエッチング(DRIE)による構造的シリコンのエッチングである。特に、ばねは製造欠陥の影響をより受けやすい。DRIEプロセスを最適化することによって、作製プロセス中の欠陥の量を低減することができるが、プロセスは依然として、ウェハの中心とウェハの周辺に位置するデバイスに対する影響が異なる不均一プロセスである。したがって、エッチングが施される目標の面積によってプロセスの公差が規定される。
本発明の目的は、動作モードの周波数間の分離が小さく、象限誤差を低減する、高いQ因子を有するジャイロスコープを得ることである。
本発明の1つの態様は、半導体チップを含むジャイロスコープである。この半導体チップは、基板と、第1の質量と、第2の質量と、接続ユニットとを備える。第1の質量は、X−Y面の任意の方向で移動することができる。第2の質量は、X−Y面の任意の方向で移動することができる。第1の質量と第2の質量との間に位置する接続ユニットは、第1の質量および第2の質量を機械的に接続する。
接続ユニットは、基板に固着されたアンカーと、アンカーと第1の質量との間に位置する第1のシャトルと、アンカーと第2の質量との間に位置する第2のシャトルと、アンカーおよび第1のシャトルを接続する第1のビームと、アンカーおよび第2のシャトルを接続する第2のビームと、第1の質量および第1のシャトルを接続する第3のビームと、第2の質量および第2のシャトルを接続する第4のビームと、第1のシャトルおよび第2のシャトルを接続する第5のビームとを備える。アンカーは、第1のシャトルと第2のシャトルとの間に位置する。
1つの可能な配置によれば、第1のシャトルおよび第2のシャトルは異なる形状を有し、それぞれ電極を有する。
1つの可能な配置によれば、面積Acを半導体チップの面積として、面積Asを接続ユニットすべてを包含する面積として規定すると、As対Acの比は0.7未満である。
高いQ因子を有するジャイロスコープを得るとともに、象限誤差を低減すること。
提案される実施形態の一例を示す平面図である。 提案される実施形態の一例を示す平面図である。 集中アンカーアーキテクチャの効果を示す図である。 感知ピックオフおよび駆動ピックオフに関する一例の検出回路図である。 提案される実施形態を示す上面図である。 外側質量MS2および内側質量MS1の変位を示す図である。 提案される実施形態を示す断面図である。 図5および7の改善されたシャトルを示す詳細上面図である。 図8の内側質量MS1および外側質量MS2の変位を示す詳細図である。 静電電極の一例を示す概略図である。 非対称のばね・シャトル・アンカーモジュールの実際の一実現例を示す上面図である。 図11に示されるビームの変形の一例を示す上面図である。 感知および励起用の接続ユニットCUおよび電極の可能なトポロジーを示す上面図である。 制御回路を示すブロック図である。 機械的要素の可能な実現例を示す断面図である。
本発明の正確な性質、ならびにその目的および利点は、以下の詳細な説明を参照し、添付図面と併せて検討することで、容易に明白となるであろう。図面全体を通して、類似の参照番号は類似の部分を指す。
実施例1は、電極が試験質量に埋め込まれたコリオリ振動ジャイロスコープの一例である。シャトルは対称的に位置する。
図1は、提案される実施形態の一例を示す。微細加工されたジャイロスコープCVG 100は、同じ質量中心を共有する、2自由度(2DOF)の同心の試験質量MS1およびMS2を有する。第1の質量(内側質量)MS1は内側位置に配置され、第2の質量(外側質量)MS2は外側位置に配置され、内側質量MS1および外側質量MS2は実質的に同じ質量を有する。
2つの質量間に、4つの接続ユニットCUが配置される。接続ユニットCUは、2つの質量MS1、MS2およびアンカーACRを機械的に接続している。接続ユニットCUは、アンカーACRと、2つの質量MS1、MS2およびアンカーACRを接続する曲げビームとを含む。
CVG 100は、N個のアンカーと、2×N個のシャトルとを有する。図1は、4つのアンカーACRを有し、それらが接続ユニットCUの中心に位置する一例を示す。2つのシャトルSHが各アンカーACRに対して準備される。各シャトルは1自由度(1DOF)の可動部品を構成する。
N組の曲げビームは、アンカーACRをシャトルSHに、シャトルSHを質量MS1、MS2およびシャトルSHの各対に接続する。特に、各アンカーACRは一対のシャトルSHの中央に配置される。曲げビームは2つの機能を有してもよい。一方は可撓性ばね(可撓性リンク)であり、他方は剛性リンクである。可撓性ばねFSおよび剛性リンクRLは、図1では別個に示されているが、単一部品であることができる。
質量MS2をX方向で振動させる駆動フォーサDFがある。駆動フォーサDFは質量MS2に配置される。X方向での質量MS2の振動を検出する、複数の駆動ピックオフDPがある。駆動ピックオフDPは質量MS2に配置される。質量MS1をX方向で振動させる駆動フォーサDFがある。駆動フォーサDFは質量MS1に配置される。X方向での質量MS1の振動を検出する、駆動ピックオフDPがある。駆動ピックオフは質量MS1に配置される。
質量MS2をY方向で振動させる感知フォーサSFがある。感知フォーサSFは質量MS2に配置される。Y方向での質量MS2の振動を検出する、感知ピックオフSPがある。感知ピックオフSPは質量MS2に配置される。質量MS1をY方向で振動させる感知フォーサSFがある。感知フォーサSFは質量MS1に配置される。Y方向での質量MS1の振動を検出する、感知ピックオフSPがある。感知ピックオフSPは質量MS1に配置される。
駆動フォーサDF、駆動ピックオフDP、感知フォーサSF、および感知ピックオフSPは平行板電極(図示せず)を備えている。各電極は、複数の固定プレートおよび複数の可動プレートを備える。固定プレートおよび可動プレートは平行に配置される。質量の変位にしたがって、可動プレートが変位して、固定プレートと可動プレートとの間の距離が変調される。次に、電極の容量が変化し、質量変位を電気信号として、駆動ピックオフDPおよび感知ピックオフSPによって検出することができる。他方で、振動信号が電極に加えられると、駆動フォーサDFおよび感知フォーサSFとして機能する。
図2は、接続ユニットCUの1つにおける詳細な面構造を示す。シャトルSHは、アンカーACRおよびシャトルSHの一対の質量中心と交差する線LXの方向で従順な一組のばねSPXを用いて、アンカーACRに取り付けられる。可撓性ばねSPXによって、シャトルSHに対してX方向で1自由度が可能になる。シャトルSHは、一組の剛性リンクRLYによって、対応する線LXの垂直方向で非常に剛直に、アンカーACRに取り付けられる。以下の図7の説明で言及するように、アンカーACRは2つのシャトルSHの間に配置される。2つのシャトルは左右対称に配置される。この構造によって、アンカーACRにおけるエネルギー損失を減少させることができる。
シャトルSHは、線LXの方向で従順な曲げばねSPXCを用いて機械的に接続される。シャトルSHは、線LXに垂直な方向で従順な曲げばねSPYを用いて、同心の質量MS1またはMS2に取り付けられる。シャトルSHは、一組の剛性リンクRLXによって、線LXの方向で非常に剛性に同心の質量に取り付けられる。
シャトルSHを質量MS1、MS2に、またシャトルSHをアンカーACRに接続する、ばねSPX、SPYの剛性定数は、xとy両方の方向で同じ固有周波数を保証するため、同じであるように設計される。シャトルSHの各対を接続するばねSPXCの剛性定数は、異なる値であることができる。
図1に示される構造では、パッケージによって提供される熱応力の効果を低減するために、集中アンカーアーキテクチャに基づくMEMS、CVGを開発した。この方針により、アンカーをデバイスの中心付近に配置している。それに加えて、この方針に従うことによって、ばねなどのDRIEの影響を受けやすい要素が置かれる面積を低減することもできる。
図3は、集中アンカーアーキテクチャの効果を示す。接続ユニットCUはアンカーおよび曲げばねを含む。ここでは、面積Ac 300をチップ面積として規定する。面積Ac 300は、デバイス(MEMSジャイロスコープ)が形成される半導体チップの面積と実質的に同じである。デバイスが丸形の場合、チップ形状は外接正方形であるものと考えられる(図13を参照)。また、面積As 301、302を、すべての接続ユニットCUを包含する面積として規定する。上述したように、接続ユニットCUはアンカーおよび曲げビームを含む。As対Acの比は0.7未満である。より好ましくは、0.5未満である。
「分散」アンカーアーキテクチャ(左側の図3(a)、例えば特許文献1の図14に対応する)によれば、接続ユニットCUはデバイス300上で拡散され、接続ユニットCUを含む面積As 301は広範である。図3はまた、周波数特性のグラフを示す。波形のグラフの横座標は周波数であり、縦座標は強度値を表す。この場合、ばねの物理的性質の差によって、10Hzよりも大きいXおよびY軸の周波数シフトΔfが生じる(Δf>10Hz)。
他方で、面積As 302(右側の図3(b)、図1に対応する)を低減することによって、ばねのエッチング許容差を低減することでDRIEの均一性を増加させることができる。XおよびYにおける周波数の組は、潜在的に、XおよびYにおける作製時の対称性に応じた完全性を達成する。XおよびY軸の周波数シフトΔfは10Hz未満とすることができる(Δf<10Hz)。この場合、As対Acの比は図3(a)の条件よりも小さい。
集中アンカーアーキテクチャにしたがって、接続ユニットCUはデバイス300の縁部から後退する。アンカーACRをデバイスの中心付近に保つために、デカップリングシャトルSHのサイズが低減され、電極(静電作動および容量センサ)が可動構造内に埋め込まれる。ジャイロスコープを駆動するため、共振周波数と同じ周波数の信号が駆動電極(駆動フォーサDF)に加えられる。X方向での質量の変位は、ピックオフ容量電極(駆動ピックオフDP)を使用することによって計測される。回転の存在下で、両方の質量はY方向で振動し始める。
図1に示される実際の構成で、Y軸の変位によって、駆動ピックオフDPコンデンサの重なり合う面積の変化が生じる。音叉の移動により、内側質量に配置されたピックオフ電極の面積が増加した場合、外側質量に配置されたピックオフ電極の面積は減少する。したがって、この差動挙動により、容量の共通のモード変化が相殺される。
同じように、角速度が適用されない場合、駆動フォーサDFを使用してジャイロスコープがX軸に沿って駆動されると、感知ピックオフSP電極は、横変位を検出し、出力を提供することができ、誤った回転が提供される。
製造欠陥により、フォーサおよびピックオフ容量の作製されたパラメータによって、駆動軸および感知軸両方に対して感知信号の誤差がもたらされる。これは、図1に示される以前の改善を含むすべての微細加工ジャイロスコープに起こる。感知ピックオフSP電極は、コリオリの力によって誘起される振動速度(「RATE」と呼ばれる)の検出に対して責任を負うが、同時に、駆動振動による変位も得られる。コリオリ振動および駆動振動は互いに90°位相ずれしている。そのため、駆動発振器に依存する信号は、象限誤差(「QUAD」と呼ばれる)と呼ばれる場合が多い。したがって、出力信号の直交復調を行い、速度測定値を誤差から分離することは比較的簡単である。
しかしながら、大きい象限誤差によって2つの問題がもたらされる。一方で、製造欠陥が原因で象限誤差が大きい場合、信号は、コンディショニング電子部品を飽和することがある。他方で、復調位相の制御が非常に緊密でない場合、象限信号の一部が速度信号に流し込まれ、結果として検出がもたらされるかもしれない。
図4は、感知ピックオフおよび駆動ピックオフに関する検出回路図の一例を示す。信号「RATE」および「QUAD」は、sin fr(振動周波数)シグナチャーおよびcos frシグナチャーによって同期検出される。上述したように、製造欠陥が原因で象限誤差が大きい場合、信号は図4(a)に示されるように飽和することがある。「QUAD」が図4(b)に示されるように制御されることが好ましい。
感知電極の横変位を回避し、低いアンカー損失など、設計の特定の特徴を維持するために、アンカーを集中させて製造周波数の分割を低減し、次の実施形態を提案する。
実施例2は、電極がシャトルに埋め込まれたコリオリ振動ジャイロスコープの一例である。シャトルは、一方向では対称に、他方の方向では非対称に配置される。
図5は、提案される実施形態の上面図を示す。デバイスのコアは、任意の形状の2つの同心質量であり、その質量中心はほぼ一致する。内側質量MS1および外側質量MS2の両方の質量は、実質的に同じ質量を有する。質量は均衡している。外側質量MS2は外側シャトルOSHに機械的に接続される。内側質量MS1は内側シャトルISHに機械的に接続される。
N組の曲げビームは、アンカーACRをシャトルに、シャトルを質量MS1、MS2およびシャトルSHの各対に接続する。曲げビームは2つの機能を有してもよい。一方は可撓性ばねであり、他方は剛性リンクである。可撓性ばねFSおよび剛性リンクRLは、図5では別個に示されているが、単一部品であることができる。内側シャトルISHおよび外側シャトルOSHは、曲げビームを用いてアンカーACRに接続される。
内側質量MS1および外側質量MS2は、シャトルISH、OSHを介して相互に接続される。浮遊した質量MS1、MS2は、アンカーACRを使用して固定の基板に取り付けられる。アンカーACRは、2つの質量MS1、MS2の間に配置される。
図1の実施形態と同じく、駆動フォーサDFが、例えば、平行板電極を有する容量によって提供される。駆動フォーサDFは、外側シャトルOSHをX方向で振動させる。また、駆動フォーサDFを、内側シャトルISHを振動させるように配置することが可能である。シャトルに埋め込まれた電極は、四角形として単純化されているが、この形状に限定されない。平行板、櫛歯、および他の形式も、変換のために使用することができる。
図1または図5に示されるように、2つの質量は複雑な形状と組み合わされる。2つの質量の一部は、デバイスの中心から同距離に配置される。例えば、第1の質量MS1はその中心に向かう凹部を有する。第2の質量MS2は、第1の質量MS1を取り囲み、凹部に対向する凸部を有する。接続ユニットCUは凹部と凸部との間に位置する。
図6は、X−Y軸での位相外れ条件における、外側質量MS2および内側質量MS1の変位の図を示す。質量は、X−Y面の任意の方向において、この位相合わせで動くことができる(2DOF)。図6では、理解を単純にするため、ばね、シャトル、アンカーが除去されている。質量の変位についてのみここで説明する。機械的センサの主な動作モードは位相外れモードである。質量は、同じ方向で、ただし図6に示されるような逆位相で振動している。
図7は、図5に示されるデバイスの線Aにおける断面を示す。断面はラジアル軸に沿っている。図は、外側質量MS2が左に変位し、内側質量MS1が右に変位している瞬間を捕えている。
左側の外側シャトルOSH(L)は、2つの部分を機械的に接続する剛性リンクRL1により、外側質量の左側セグメントMS2(L)と同じ方向で動く。左側の外側シャトルOSH(L)はアンカーACR(L)から離れる方向で動く。左側の内側シャトルISH(L)は、内側質量MS1を内側シャトルISH(L)に機械的に接続する剛性リンクRL2により、内側質量MS1と同じ方向で動く。
左側の内側シャトルISH(L)および外側シャトルOSH(L)は反対方向で動く。内側シャトルISH(L)および内側質量MS1によって働く力、ならびに左側の外側シャトルOSH(L)および外側質量MS2(L)によって働く力が同じ場合、結果として得られるアンカーACR(L)に対する力は無効になる。これによって、アンカーACR(L)を通した基板SUBに対するエネルギー損失が低減される。
内側質量MS1および右側の内側シャトルISH(R)は、内側質量MS1を内側シャトルISH(R)に機械的に接続する剛性リンクRL3により、同じ方向(右)で動く。右側の内側シャトルISH(R)は、アンカーACR(R)に向かって動き、右側の内側シャトルISH(R)とアンカーACR(R)との間で軟性リンクFS3の曲げを圧縮する。右側の外側シャトルOSH(R)および外側質量MS2(R)は、外側シャトルOSH(R)および外側質量MS2(R)を機械的に接続する剛性リンクRL4により、同じ方向(左)で動く。右側の外側シャトルOSH(R)は、アンカーACR(R)に向かって動き、外側シャトルOSH(R)とアンカーACR(R)との間で軟性リンクFS4を曲げる。内側質量MS1および右側の内側シャトルISH(R)によって働く力、ならびに外側質量MS2(R)および右側の外側シャトルOSH(R)によって働く力が同じ場合、アンカーACR(R)に働く力は無効であり、アンカーACR(R)を通した基板SUBへのエネルギーの漏れが回避される。
上述の説明では、剛性リンクRL1、RL2、RL3、およびRL4のばね定数は、ラジアル軸方向で大きく(剛性であり)、可撓性リンク(ばね)FS1、FS2、FS3、およびFS4のばね定数は、ラジアル方向で小さい(弾性である)。
図6および7によって説明される現象は、実施例1によってももたらされる。
図8は、図5および7の改善されたシャトルの詳細を示す。要素の多くは、上記パラグラフに記載している。図7で説明したように、外側シャトルOSHからアンカーACRまでの可撓性リンク(弾性ばね)FS1は、X方向で低い剛性定数を有する。外側シャトルOSHから外側試験質量MS2までの剛性リンク(弾性ばね)RL1は、X方向で高い剛性定数を有する。
Y方向では、外側シャトルOSHからアンカーACRまでの剛性リンクRLY1は、Y方向で高い剛性定数を有する。外側シャトルOSHから外側試験質量MS2までの可撓性リンクFSY1は、Y方向で低い剛性定数を有する。
図7で説明したように、内側シャトルISHからアンカーACRまでの可撓性リンク(弾性ばね)FS2は、X方向で低い剛性定数を有する。内側シャトルISHから内側試験質量MS1までの剛性リンク(弾性ばね)RL2は、X方向で高い剛性定数を有する。
Y方向では、内側シャトルISHからアンカーACRまでの剛性リンクRLY2は、Y方向で高い剛性定数を有する。内側シャトルISHから内側試験質量MS1までの可撓性リンクFSY2は、Y方向で低い剛性定数を有する。
外側シャトルOSHおよび内側シャトルISHは、X方向で低い剛性定数を有する可撓性リンクFSBによって接続される。各シャトルOSH、ISHは、電極に対応する変換器SFTのための複数の空間を有する。
シャトルOSH、ISHを質量MS1、MS2に、シャトルOSH、ISHをアンカーACRに接続するばね(可撓性リンク)は、一方向では非常に弾性であり、他方向では非常に剛性であるものと知ることが重要である。この事実によって、シャトルは一方向でのみ変位し(1DOF)、試験質量がXY面の両方の方向で動くことが可能になる(2DOF)。それに加えて、一方向で非常に弾性であり、他方向では剛性であるという条件を満たす限り、ばねの好ましい形状または幾何学形状は存在しない。上述の構造によれば、シャトルOSHおよびISHは、X方向振動およびY方向振動のリンク機構を切断する。したがって、象限誤差(QUAD)が減少する。
集中アンカーを保持するために、非対称のシャトルを使用する。図8では、対称軸Sを規定する。2つの試験質量の質量中心CM(通常、2つの質量の中心は一致する)から、アンカーの幾何学中心ACRCまでの線Sを追跡することができる。シャトルOSH、ISHは、ばねの構成により、この方向に沿ってのみ変位する。上述の線Sに対するシャトル・ばね・アンカーモジュールを観察した場合、シャトル・ばね・アンカー構造の両方が完全対称を示す。しかしながら、アンカーの質量中心と交差する線SYを垂直に引いた場合、ばね・シャトル・アンカーモジュール(SSA、一組のばね、シャトル、アンカー)またはCUが、この最後の線SYに対して非対称であるのを見ることができる。後者は、シャトルの対称性または非対称性を規定する対称軸を規定する。
設計の柔軟性は、非対称のシャトルを適用することによって改善される。大きい信号を獲得するため、大型電極をシャトルに挿入するのは簡単である。図8によって説明される設計規則に従っている限り、非対称設計は、精度信号の点で悪影響を与えない。シャトルOSHおよびISHの質量は、質量MS1およびMS2の同じ共振周波数を得るために同じであるべきである。
改善点の別の重要な態様は、集中アンカーの定義である。先に紹介した図3では、チップの面積をAcとして、また接続ユニットCUの面積をAsとして、図式的に描写する。面積Asは、接続ユニットCU全体を包含する面積として規定される。完全な機能性およびばねの無限小面積Acを有するセンサを技術的に実現できる場合、理想的には、周波数分割を排除するか、または少なくとも無限小に低減することができる。理想のAs/Ac比はほぼ0である。
しかしながら、後者は実際のデバイスに実装することが困難である。駆動および感知モードで同じ周波数を要する、センサの実際の実現例は、ばねの有限の面積を有する。我々は集中アンカーを、0.7未満、好ましくは0.5以下のAc/Asとして規定する。文献では、シリコン系の微小加工ジャイロスコープのほとんどは、0.8よりも大きいAs/Ac比を提示する。この値よりも低いAs/Acを有するデバイスの実際の実現例はない。
この実現例において考慮する別の重要な態様は、周波数を低減し、有効変換器面積を増大させるため、電極の数、電極の面積、シャトルのサイズ、および垂下した質量のサイズを増大させることができる点である。ただし、質量中心CMとアンカーの中心ACRCとの間の距離、図8のDを、常にできるだけ小さく保ち、したがって集中アンカーアーキテクチャを保つ。最も重要なのは、As/Ac比を増大させることなく、デバイスの面積、電極の数、および質量の形状を修正できる点である。
図9は、図8の内側質量MS1および外側質量MS2の変位の詳細を示す。図9は、2つの機械的モードに関する可撓性リンクの変形を示し、質量MS1、MS2がXまたはYで動いているときのシャトルOSH、ISHが説明される。この図では、Y変位はラジアル軸に垂直、または対称軸SYに平行である。X変位は、ラジアル軸に平行であり、対称軸SYに垂直である。
図9(a)に示されるように、質量MS1、MS2がY軸において位相外れ形式で動いているとき、内側および外側質量を内側および外側シャトルとそれぞれ接続するばねは、Y方向で弾性である。同時に、内側および外側シャトルをアンカーと接続するばねは、Y方向で剛性である。その結果、試験質量MS1、MS2はY方向で自由に振動するが、シャトルはX方向で「係止」される。それらは動かない。
次に、内側および外側質量がX軸に沿って位相外れの変位で動いているときに何が起こるかを分析する。図9(b)に示されるように、内側および外側質量を内側および外側シャトルとそれぞれ接続する弾性ばねは、X方向に沿って剛性であり、それによって内側シャトルISHが内側質量MS1の変位に追随し、外側シャトルOSHが外側質量MS2の変位に追随する。同時に、内側および外側シャトルをアンカーと接続する機械的コネクタは、X軸に沿って可撓性であり(ただし、Y軸では剛性である)、その結果、シャトル(および試験質量)は、外側質量の変位にしたがって、互いに近付き、また互いから離れる。内側および外側シャトルは、ラジアル方向で弾性であるばねと機械的に接続される。このばねの目的は、内側および外側質量の振動を機械的に同期させることである。
この改善例で示されるような、任意の結合された発振器システムは、任意の軸で位相が逆である、結合共振モードを有する。上述の逆相モードがあり、また次に、対応する同相モードがある。同相モードでは、両方の質量が同じ位相の同じ方向で動いている。同相モードでは、内側および外側質量両方の質量中心間の相対距離は一定である。
また、このモードは、少なくともXおよびY軸で観察することができるが、このモードをZ軸で観察することが可能である。同相および位相外れねじりモードも可能である。ジャイロスコープの動作において、逆相モードは、上述の性質によって機能的モードと見なされる。また、同相モードは望ましくない寄生性の機械的モードと見なされる。一般に、機械的干渉を回避するため、両方のモードは互いから離隔しているべきである。同相モードはまた、線形加速を計測するのに使用することができる。
ラジアル軸に対する垂直方向で質量MS1、MS2をシャトルOSH、ISHと接続するばねの剛性定数をkysとし、ラジアル軸方向でシャトルOSH、ISHをアンカーACRと接続するばねの剛性定数をKxaとし、内側および外側質量の質量をそれぞれmおよびmとし、シャトル間の有効ばねをKと見なす。Kとkysとの間の関係を制御することによって、同相および位相外れモードの間の周波数分離を制御することができる。
図10は、質量の感知および励起のための静電電極の一例を示す。このデバイスは、駆動フォーサDF、駆動ピックオフDP、および感知ピックオフSPのいずれにも適用される。
一例では、基板に固定された固定プレート(固定子)1001は、いくつかの平行板が間に差し挟まれた静電プレート1002、シャトルのシャトルプレート1003といった、いくつかの容量プレートを有する。この電極1002および1003は、同じ等価の変換容量を有することができ、または異なることができる。デバイスを動的に均衡させて保つため、2つの質量に加えられる力は同じであることが重要である。図面では、変換ギャップ1004は変換アンチギャップ1005よりも小さい。しかしながら、任意の構成で動作する。
制御容量を増加して精度および感度を向上させ、ジャイロスコープを振動させて保つのに要するエネルギーを低減するために、解決策は、容量の数またはサイズを増大させることである。それには、電極のサイズを増大させることを要する。
図11は、容量を効率的に増加させる、非対称のばね・シャトル・アンカーモジュールの実際の1つの実現例を示す。この特定の図では、静電プレート1002がシャトルプレート1003に組み込まれているが、図面の理解をより簡単にするため、この図には示されていない。
ばねの形状は、一方向での弾性と、垂直方向での高い剛性とを達成するために選択されている。ばねのサイズ、形状、および材料は重要ではない。それらのいずれかを使用することができる。図11の実施形態では、ばねは、可撓性リンクおよび剛性リンクの両方の機能を有するU字ばねによって準備される。
内側シャトルISHから内側質量MS1(MS1は図11には示されていない)までのU字ばね1101(「ビーム」とも呼ばれる)。ばね1101は、軸線方向軸に垂直な方向で弾性であり、ラジアル方向では静止している。
外側シャトルOSHから外側質量MS2(MS2は図11には示されていない)までのU字ばね1102。ばね1102は、軸線方向軸に垂直な方向で弾性であり、ラジアル方向では剛性である。
アンカーACRから内側シャトルISHまでのU字ばね1103。ばね1103は、ラジアル方向で弾性であり、垂直方向では剛性である。
アンカーACRと外側シャトルOSHとの間のU字ばね1104。ばね1104は、ラジアル方向で可撓性であり、垂直方向では剛性である。
内側シャトルISHと外側シャトルOSHとの間でのU字ばね1105の結合。ばね1105は、ラジアル方向で可撓性であり、垂直方向では剛性である。
図12Aおよび12Bは、図11に示されるビームの変形例を示す。図12(a)では、2つの試験質量(図面に含まれない)がラジアル軸に対して垂直に位相外れモードで動いているときの、ビームの変形を見ることができる。この状況では、シャトルは、ばねの特別な構成によって、いずれの方向でも動いていない。したがって、シャトルに埋め込まれた電極の周りでの運動は無効にされる。
図12(b)では、2つの質量がラジアル軸に沿って逆相モードで動いているときの、ビームの変形を見ることができる。この場合、シャトルは、関連する試験質量と同じ方向および同じ位相で動いている。この特定の例では、内側試験質量(図面には示されない)は右に動いており、対応する内側シャトルも同じである。外側試験質量(図面には示されない)は右に動いており、対応する外側シャトルも同じである。この場合、静電プレート1002とシャトルプレート1003との間のギャップは、シャトルの変位に従って変化する。
図13は、感知および励起用の接続ユニットCUおよび電極の可能なトポロジーを示す。図13では、集中アンカージャイロスコープの実際的な実現例を示している。この場合、円形の外側質量MS2および円形の内側質量MS1がある。互いから90°でデバイス中心の周りに分配された、4つのばね・シャトル・アンカーモジュール1300がある。各シャトル内部の静電電極はこの図には含まれない。ただし、この電極は静電作動および容量感知に必要であることが理解される。
この特定の例では、32個の電極がある。すなわち、X軸の16個の電極、およびY軸の16個の電極である。軸毎の電極の数は増加させることができ、デバイスの面積は増大させることができる。しかしながら、ばねの面積を一定に保ち、それによって比As/Acを低減させることができる。それに加えて、この実施形態は4つのシャトル・ばね・アンカーモジュール1300を示しているが、他の任意の実物は8個を含むことができる。デバイスの良好な性能のため、シャトル・ばね・アンカーモジュールを含むデバイスが、XおよびYで対称であって、動的均衡および両方の軸で同じ性能を保証することが重要である。図面では、試験質量の形状は円形であるが、正方形、三角形、多角形、または他の形状も容認可能であろうことが理解される。この時点で、どの形状がより良好な性能をもたらすかを判断する研究はない。
上述のジャイロスコープを制御するための回路に関して、特許文献1に記載の回路を使用することができる。内側質量MS1および外側質量MS2は、電極に電気的および機械的に結合される。感知電極DPは、駆動軸での変位を感知し、電流である感知信号を生成する。電流は、電流電圧変換器または増幅器によって電流に変換される。構成の一例は、内側試験質量MS1の電極が差動増幅器の+端子に接続され、外側試験質量MS2が差動増幅器の−端子に接続されるものである。差動増幅器出力は、位相遅れ回路を通して、反転増幅器および非反転増幅器に供給される。このように、内側質量MS1に適用される駆動信号は、外側質量MS2に適用される駆動信号に対して180°位相遅れである。増幅器は、ジャイロスコープの逆相または同相運動を制御することができる。
増幅器の出力は、位相ロックループ(PLL)に供給することができる。PLLの出力は、反転および非反転増幅器に返すことができる。
図14は、制御回路のブロック図を示す。YおよびZ軸で感知電極によってピックアップした電流PyおよびPxは、PLL増幅器1401に供給される。信号は、発振器によって生成された、直交位相シフトした正弦sin(f)およびcos(f)と混合される。次に、信号はフィルタ1402に入力して、出力信号sx、cx、sy、cyを提供するように、寄生信号および雑音などの望ましくない周波数成分を除去する。
復調器からの出力は、振り子方程式変換器1403によって処理され、振り子変数E、Q、およびθが得られる。この変数は、比例−積分−微分(PID)ブロック1404に供給される。E変数は、2つの質量の一定振動を制御するブロックAGCに入力される。Qは、象限誤差を無効にする力を生成するQヌルに供給され、最終的に、振動を一方向でロックするのに使用されるFRBに用いられる。しかしながら、ジャイロスコープがレート積分ジャイロスコープとして動作しているとき、ブロックFRBは不活性化されるので、振動パターンを自由に処理できる。力は、座標変換器1405に供給され、そこでジャイロスコープの処理角度を使用して、力をジャイロスコープの角度と位置合わせする。座標変換器の出力は、変調器1406によって変調され、(Fx,Fy)が対応する電極に返されてジャイロスコープが制御される。
図15は、機械的要素1501および電極1502の可能な実現例の断面を示す。例えば、MEMSジャイロスコープがシリコンで作製され、キャップ1503によって被覆され、その機械的適合度を保存するために真空封止される。例えば、真空パッケージングは、空気減衰による損失を除去する。それに加えて、封止および被覆は、可動の小型化構造をほこりなどの外的脅威から保護する。
電子部品1502は、標準的な相補型金属酸化物シリコン(CMOS)技術を使用して実装することができ、アナログまたはデジタル技術を使用して、図14で説明した様々な構成ブロックすべてを実装する。機械的要素1501およびCMOS回路は、接着剤の使用によって積層方式で機械的に取り付けることができる。電気接続は、ワイヤボンディング1504を使用して行うことができる。
より高度な技術により、機械的要素とCMOS回路を、2つのチップを接続する金属ビアを使用することによって相互接続することが可能になる。それを行うため、特別に調整したプロセスを行わなければならない。他の技術により、CMOSプロセス内部でみいだすことができる金属層を使用することによって、デバイスを作製することが可能になり、結果として異種集積の必要性が除去される。これはCMOS−MEMSプロセスと呼ばれる。MEMS要素およびCMOS制御電子部品によって形成された積層デバイスは、航法または位置制御システムの他の部品との相互接続を容易にするため、プラスチックまたはセラミックのパッケージ内部でパッケージ化される。
地下航法では、GPSなどの外部位置基準へのアクセスがない。地下トンネルのマップが車両メモリに格納される。可動プラットフォームは、IMUを使用して自身を自己位置決めする。速度の他に、IMUは、車両の操舵を規制するために、地面に垂直な軸を中心とした車両の回転を検出することができる。そのようにして、車両はGPSが故障停止しても安全に航行することができる。
プラットフォームは高速で曲線経路を走行している。重要データにアクセスするためのインターネットとの通信は、衛星利用のデータリンクを使用して高速で行われる。通信衛星は、地球から36000kmで静止している。安全で信頼性の高いデータ転送を確保するために、車両の通信アンテナは一定して通信衛星を指していなければならない。ジャイロスコープは、可動プラットフォームの旋回および回転を検出して制御ループに入力信号を提供し、制御ループがモータを作動させてアンテナの位置を補正する。
上述の実施形態によれば、駆動および感知モード間の周波数分離を低減するが、感知容量の横運動も相殺して象限誤差を低減する、作製公差の効果によって、高いQ因子を有するジャイロスコープを得ることができる。
当業者であれば、本発明の範囲および趣旨から逸脱することなく、上述の実施形態の様々な適応および修正を構成できることを理解するであろう。したがって、添付の特許請求の範囲内で、本発明は、本明細書に具体的に記載したもの以外に予測されてもよいことを理解されたい。
MS1 第1の質量
MS2 第2の質量
ACR アンカー
SH シャトル
OSH 外側シャトル
ISH 内側シャトル
CU 接続ユニット
DF 駆動フォーサ
DP 駆動ピックオフ
SP 感知ピックオフ
SF 感知フォーサ
RL 剛性リンク
FS 可撓性ばね

Claims (12)

  1. 半導体チップを含むジャイロスコープであって、
    前記半導体チップが、
    基板と、
    X−Y面の任意の方向で移動することができる第1の質量と、
    前記X−Y面の任意の方向で移動することができる第2の質量と、
    前記第1の質量と前記第2の質量との間に位置し、前記第1の質量および前記第2の質量を機械的に接続する接続ユニットとを備え、
    前記接続ユニットが、
    前記基板に固着されたアンカーと、
    前記アンカーと前記第1の質量との間に位置する第1のシャトルと、
    前記アンカーと前記第2の質量との間に位置する第2のシャトルと、
    前記アンカーおよび前記第1のシャトルを接続する第1のビームと、
    前記アンカーおよび前記第2のシャトルを接続する第2のビームと、
    前記第1の質量および前記第1のシャトルを接続する第3のビームと、
    前記第2の質量および前記第2のシャトルを接続する第4のビームと、
    前記第1のシャトルおよび前記第2のシャトルを接続する第5のビームとを備え、
    前記アンカーが前記第1のシャトルと前記第2のシャトル,との間に位置し、
    前記第1のシャトルおよび前記第2のシャトルが異なる形状を有し、それぞれ電極を有
    する、ジャイロスコープ。
  2. 前記第1のビームがY方向よりもX方向で可撓性であり、
    前記第2のビームがY方向よりもX方向で可撓性であり、
    前記第3のビームがX方向よりもY方向で可撓性であり、
    前記第4のビームがX方向よりもY方向で可撓性である、請求項1に記載のジャイロスコープ。
  3. 前記第1のビーム、前記第2のビーム、前記第3のビーム、前記第4のビーム、および前記第5のビームのうち少なくとも1つがU字形の曲げビームである、請求項2に記載のジャイロスコープ。
  4. 前記第1の質量の質量および前記第2の質量の質量が実質的に同じである、請求項1に記載のジャイロスコープ。
  5. 前記第1の質量の質量中心および前記第2の質量の質量中心が、実質的に同じ位置にあって質量中心CMを規定する、請求項4に記載のジャイロスコープ。
  6. 前記質量中心CMおよび前記アンカーの中心をリンクする線Sを規定し、前記線Sに垂直な前記アンカーの前記中心を通る線SYを規定したとき、
    前記第1のシャトルおよび前記第2のシャトルが前記線Sに対して対称性を示し、
    前記第1のシャトルおよび前記第2のシャトルが前記線SYに対して非対称性を示す、請求項5に記載のジャイロスコープ。
  7. 前記第1のシャトルの質量および前記第2のシャトルの質量が実質的に同じである、請求項1に記載のジャイロスコープ。
  8. 前記第1の質量が中心に向かって凹部を有し、
    前記第2の質量が、前記第1の質量を取り囲み、前記凹部に対向する凸部を有し、
    前記接続ユニットが前記凹部と前記凸部との間に位置する、請求項1に記載のジャイロスコープ。
  9. 第1のシャトルの前記電極が前記第1のシャトルを一方向で振動させ、
    前記第2のシャトルの前記電極が、前記一方向での前記第2のシャトルの振動を感知する、請求項1に記載のジャイロスコープ。
  10. 第1のシャトルの前記電極が、一方向での前記第1のシャトルの振動を感知し、
    前記第2のシャトルの前記電極が、前記一方向での前記第2のシャトルの振動を感知する、請求項1に記載のジャイロスコープ。
  11. 面積Acを前記半導体チップの面積として、面積Asを前記接続ユニットすべてを包含する面積として規定したとき、
    As対Acの比が0.7未満である、請求項1に記載のジャイロスコープ。
  12. As対Acの比が0.5未満である、請求項11に記載のジャイロスコープ。
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